フォードが約360億円を投じて英国のトランスミッション組立施設を電動パワーユニット工場に転換

Ford Motor Company(フォード・モーター・カンパニー)は、2億3000万ポンド(約360億円)を投じて、英国・ヘイルウッドにある自動車用トランスミッションの組立施設を、電動パワーユニット工場に転換すると発表した。これが同社初の欧州における電気自動車用コンポーネントの自社組立施設となる。

The Times(タイムズ紙)によると、この投資には英国政府が自動車変革基金を通じて提供する推定3000万ポンド(約47億円)の資金が含まれているという。この投資により、約5000人の自動車関連の雇用が地域に創出されると、同紙は伝えている。

この工場で生産されるパワーユニットは、フォードが将来欧州で販売する電気自動車の乗用車および商用車に供給され、同社の電動化に向けた目標達成を後押しすることになる。フォードは2021年2月、2030年までに欧州で販売する乗用車のすべてを電気自動車に、商用車の3分の2を電気自動車またはプラグインハイブリッド車にするという欧州戦略を発表。同社は10億ドル(約1140億円)を投じてドイツのケルンにある組立工場を改修し、2023年にはそこで同社初の欧州製となる量販電気乗用車の生産を開始する予定だ。

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この電動パワーユニットは、内燃機関自動車のエンジンとトランスミッションの代わりとなるもので、バッテリーから供給される電気の流れを管理し、電気モーターの速度や発生するトルクを制御する。フォードはその生産を2024年半ばに開始する予定で、年間約25万台程度の生産能力を計画している。このパワーユニットはケルンの工場または他の工場の組立ラインに送られるのかという質問に、フォードは答えなかった。歴史的に、ヘイルウッド工場で生産されたユニットは100%が輸出されており、フォードは、エンジンやトランスミッションを「6大陸15カ国以上に輸出し、海外での売上は年間約25億ポンド(約3900億円)に上る」英国最大の輸出企業の1つとなっているという。

「電気自動車の製造を確保するための激しい国際的な競争の中で、英国が確実に利益を得ることが我々の優先事項です」と、英国のビジネス大臣であるKwasi Kwarteng(クワシ・クワーテング)国会議員は、声明の中で述べている。「本日の発表は、政府の資金援助を受けたものであり、英国経済の将来性と電気自動車の生産拡大計画に対する大きな信頼の証しです。これにより、ヘイルウッドの誇るべき産業遺産が将来にわたって維持され、北西部の高技能・高給の雇用が確保されることになります」。

フォードが電気自動車の生産を拡大しようとしているのは欧州だけではない。この自動車会社は電動化に向け、2025年までに300億ドル(約3兆4300億円)の投資を用意しており、そのうちの1つである中国でも努力の成果が実り始めている。10月18日、中国で最初に製造された電気自動車「Mustang Mach-E(マスタング・マックE)」が組立ラインからロールオフされたのだ。中国の顧客は、フォードの直販ネットワークであるEVシティストアを通じて、年末までに現地生産のMach-Eを手に入れることができる。フォードは、2021年中に主要都市部で25店舗のEV販売店をオープンし、今後5年以内に100店舗以上に拡大する予定だという。

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画像クレジット:Ford Motor Company

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

【レビュー】2022年のフォード・マーベリックは可能性を秘めたコンパクトトラック

Ford(フォード)のFシリーズピックアップは、米国のトラックである。少なくとも数字を見る限りその事実は間違いない。

半世紀近くにわたって米国で最も売れているトラック、それがフォードのFシリーズピックアップだ。Chevrolet Silverado(シボレー・シルバラード)やRam(ラム)のピックアップシリーズも立派な競争相手ではあるが、フォードはいまだにそのどちらよりも数万台多く販売している。

一度実際に乗ってみると、その魅力がわかるかもしれない。大きくてパワフルなトラックは、モバイルオフィスとしても作業台としても機能し、あらゆるタスクやあらゆる地形に対応することができるからだ。しかしフォードも、このオールインワンのユーティリティービークルがすべての人に向いているわけではないことくらいわかっている。

このトラックに対して否定的な人にとって、Fシリーズは大きすぎて面倒で無駄が多い。不愉快な気持ちにさえしてしまうかもしれない。フォードが必要としていたのは、フォードのNo.1セラーに嫌悪感を抱いている人たちのために向けたトラックであり、ピックアップのあるべき姿という一般的な期待から外れた、常識にとらわれないクルマだったのである。

そこで登場したのが、Ford Maverick(フォード・マーベリック)である。

フォードはおよそ10年間にわたって北米のコンパクトピックアップトラック市場を放棄してきたが、同社はマーベリックによってそのブランクを破り市場に戻ってきた。先代モデルのRanger(レンジャー)は中型トラックに改良されて戻ってきたが、新型マーベリックはこれまでの流れを継承している。ちなみにマーベリックという名前は、1970年代にフォードがコンパクトセダンのシリーズに初めて使用したものである。

基本概要

画像クレジット:Alex Kalogianni

ユニボディ構造の同新型トラックは、4ドア5人乗り の「SuperCrew」キャビンと約54.4インチ(140cm強)の荷台を備えている。比較のために書くと、この長さはSuperCrewキャビンを持つレンジャーよりも15cmほど短いものとなっている。

TechCrunchが試乗したマーベリックは、ハイブリッド化された2.5リッター4気筒エンジンを標準搭載し、191馬力と155ポンドフィートのトルクを発揮。無段変速機と組み合わされて、前輪にパワーを送る仕組みだ。

標準的な構成を持ちながらも、この小さなトラックは優れた燃費性能を実現している。都市部では推定40mpg、1タンクで500マイルの航続距離となっている。また、1500ポンド(約680kg)の荷物を積み、2000ポンド(約900kg)の荷物を牽引することが可能だ。

さらなるパワーを求めるなら、オプションの2.0リッターEcoBoostエンジンにアップグレードすることで最高出力250馬力、最大トルク277ポンドフィートを発揮する。このエンジンはより伝統的な8速オートマチックギアボックスと組み合わされ、前輪または4輪を駆動できる。性能面ではペイロードの数値は変わらないものの、単体で2000ポンドの荷物を牽引し、オプションの「4K Tow Package」(AWDモデルのみ)を付ければその2倍の荷物を引くことができるという。

EcoBoostを搭載したマーベリックのAWD(全輪駆動)車には、オフロードでの活動をサポートするアンダーボディプロテクション、サスペンションのチューニングの調整、オフロードに特化した追加のドライブモードを揃えたFX4パッケージを加えることも可能だ。

XL、XLT、Lariatの各トリムレベルは、フォードファミリーらしい馴染みのあるものだ。マーベリックではXLとXLTに大きな違いはないが、XLTにはより豊富なアクセサリーが装備されている。どちらも布製シートで、パワートレインは好みのものを選択できる。

Lariatトリムでは複数の付属品が追加されている他「activeX」と呼ばれる合成素材を使用してキャビンに若干のプレミアム感を与えている。マーベリックの初値はベースとなるハイブリッド車で2万ドル(約223万円)を下回り、その他のトリムは2万ドルから3万ドル(約335万円)の範囲に収まっている。フル装備の場合でも最大で3万5500ドル(約396万円)程度となっている。

搭載テクノロジー

画像クレジット:Alex Kalogianni

同社の大型版と同様に、このコンパクトトラックにも最新の安全技術や便利なテクノロジーが搭載されている。しかし感心させられるような技術はほとんどがオプションだ。歩行者検知機能つきの自動緊急ブレーキや衝突警告機能は標準装備されているものの、アダプティブクルーズコントロールやレーンキープアシスト、ヒルディセントコントロールなどの、さまざまな運転支援機能を希望する場合は追加のテクノロジーパッケージとして装備する必要がある。

車内にはApple CarPlayとAndroid Autoに対応した8インチのタッチスクリーンが搭載されている。内蔵のWi-Fiホットスポットでは、最大10台のデバイスがFordPass Connectを介してインターネットにアクセス可能だ。ちなみにFordPass Connectは契約が必要になる前の3カ月間、無料トライアルが用意されている。

一方で、スマートフォンのアプリを使ってクルマにアクセスできるなど、便利な機能を備えているFordPassは無料だ。スマートフォンのアプリでクルマにアクセスすると、クルマの始動やドアのロック解除、クルマの状態の更新などが遠隔操作で行える。

マーベリックの真骨頂は、多様なニーズに対応するために構築された標準装備の荷台「Flexbed(フレックスベッド)」にある。マルチポジションのテールゲートや内蔵式の収納スペース、フォルスロードフロア用のスロット、リアカーゴを固定するための複数のアタッチメントポイントなど、細やかな工夫が施されている。

マーベリックは柔軟性を重視し、あらゆる面で実用性を高められるように設計されている。例えばユニボディ構造を採用したことで、燃料タンクを後方に移動させることができ、後部座席の下にかなりの量の収納を確保することができた。また、今人気のマルチユースのドリンクボトルを想定してドアを設計したり、空いているスペースをすべて収納機能として活用したりしているのである。

マーベリックのデザインには、フォードのトラックオーナーのDIY精神が反映されている。

ユーザーたちが自分のトラックを最大限に活用するために考え出したユニークなソリューションを観察した同社。その結果としてマーベリックは、ユーザーが配線するためにテールランプをハッキングしたり、ブラケットを取り付けるためにトラックの荷台にドリルで穴を開けたりする必要がないよう改めてレイアウトされたのである。マーベリックオーナーは車内各所に設置されたQRコードから、ハウツー動画が掲載されたサイトにアクセスすることが可能だ。また、一部の部品のCADファイルもアップロードされ、3Dプリンターでオリジナルのアクセサリーを作ることもできるようになる。

ユーザーエクスペリエンス

F-150のような大型トラックの走りを敬遠してしまう人にも、マーベリックはフレッシュな親しみやすさを感じさせてくれる。半分はクルマ、半分はトラックというデザインのため、ボディオンフレーム車のような走りではなく、シートポジションを高くしたサブコンパクトカーのような感覚になっている。ユニボディ構造のサスペンションにはしっかりとした安定感があり、重厚なピックアップにありがちな車体のロールはない。スポーツカーではないが乗り心地は良く、楽しい道も無駄なく楽しむことができる。

前輪駆動のこのハイブリッド車は、ノーマルモードでもスポーツモードでもよく走る。後者は効率を重視したアトキンソンサイクルエンジンにもう少しスロットルレスポンスを求める人のためのものだ。また、CVTトランスミッションとの相性も良く、良い意味で普通である。ハイブリッドのマーベリックのドライビングエクスペリエンスを表現するには「無難」という言葉が最適かもしれない。マーベリックは日常の足として期待を裏切らずに仕事をこなしてくれるが、特に何かが優れているわけではない。期待を裏切らないという意味では勝利と言えるだろう。

ある意味十分なパフォーマンスを発揮してくれたため、EcoBoostを搭載したマーベリックのパワーに大きな期待を抱く必要もなかったが、クルマを乗り換えたときに良く分かった。ちょっとしたパワーがあるのはいいことだが、ハイブリッドを差し置いて選ぶほど路上でのダイナミクスが劇的に変化することはなかったのだ。オフロードでは別の話だろうが、それはまた複雑な話になってくる。

ハイブリッドへのためらい

フォードはマーベリックのオフロード性能に対して慎重に言葉を選んでいる。「Built Ford Tough」ではあるものの、このトラックはドライバーを冒険のスタート地点に連れて行くためのものであり、トラック自体が冒険なのではない。これは、マーベリックがフォードのオフロード性能ランクの下の方に位置することを遠回しな言葉で伝えているのである。

どこまでも旅をしたい冒険家はBroncoを、また放浪好きなドライバーにはBronco Sportがおすすめだ。マーベリックと同じプラットフォームを採用していながら、ホイールベースの短さとクリアランスの面で、コンパクトトラックよりも優れている。

実際には、スロットルとホイールのスリップを制御するドライブモードが追加され、より高性能なタイヤと組み合わされたマーベリックは、試乗会のオフロードでも活躍を見せた。大きな岩がゴロゴロしたヒルクライムを除けば、平坦な砂利道と草原の中のよく整備された道では特に難しいことはなかった。

マーベリックは荒れた道でも問題なく走破した。オフロード経験者にとってはなんてことのない道だろうが、まだ慣れないクルマに乗っているドライバーにとっては一瞬躊躇するほどの岩場である。

全輪駆動のEcoBoostバージョンのマーベリックが、軽い障害物を乗り越えられるというのは疑う余地もない。しかしハイブリッドは別の話である。今のところフォードは全輪駆動のハイブリッドを提供していない。また、前輪バージョンをオフロードで走らせることはできなかった。

メカニズム的には、マイルドハイブリッドシステムは非常にインパクトの少ないシステムだ。大雑把に言えば、大容量のパワーパックを搭載したマルチモーターのPHEVとは逆に、ドライブトレインに組み込まれた小型モーターと小型バッテリーを組み合わせて、軽快な動力回復を実現するというものである。ハイブリッドマーベリックに独自の全輪駆動を搭載することは、不可能ではなさそうではないか。オフロードではEcoBoostよりも性能が落ち、燃費が下がるのは間違いないだろうが、その落差はごくわずかなものだろう。

例として燃費を見てみよう。フォードは前輪駆動のハイブリッドマーベリックで40mpgの燃費を実現したと大々的に発表している。より重く、よりパワーを必要とする全輪駆動システムは、このリターンを下回る可能性が高いが、とは言え30または25といったところだろう。40とはいかなくとも、コンパクトトラックとしてはかなり良い数値だと言えるのではないだろうか。

フォード自身も認めている通り、最もたくましいマーベリックでもオフロード機能に関しては限界がある。オフロードで最も重要な数値である277ポンドフィートのトルクというのは、150ポンドフィートに比べれば間違いなく優れているが、それでもマーベリックが必要とするパラメーターを考えれば十分である。

FX4を搭載したEcoBoost AWDマーベリックの方が優れていることは間違いないが、ハイブリッドシステムが標準搭載され、かつ最も魅力的であることを考えると、ハイブリッドのマーベリックが最も売れるであろうことは明らかであり、ドライバーたちが試乗しようと思うのはまずはハイブリッドだろう。

ライバルたち

フォードはマーベリックをデザインするにあたり、トラックからダウングレードしようと考えている人に向けてというよりは、乗用車をアップグレードしたい人に向けてデザインしている。中型のレンジャーとマーベリックの間には顧客がオーバーラップする部分があるかもしれないが、厳密には対立するものではないだろう。

都市部や郊外での使用を想定しているため、マーベリックの最も近いライバルとなるピックアップは、Honda Ridgeline(ホンダ・リッジライン)と言ったところだろうか。洗練されたクルマのような中型トラックとしての実績は、今のところ他の追随を許していないが、マーベリックや新型Hyundai Santa Cruz(ヒュンダイ・サンタクルス)がその地位を揺るがす可能性もある。

フォード・マーベリックは、その実力というよりも、可能性を秘めた「白紙状態」のクルマとしての魅力が高いトラックである。

このトラックは、コストパフォーマンスに優れた低燃費のコンパクトユーティリティービークルであるのと同時に、そこそこの性能を持つオフローダーでもあるわけだ。新たな家族にと犬を探す際、セントバーナードではなくテリアを選ぶのと同様、トラックのような実用性を持ちながらも価格や物理的な制約が少ないクルマを探している人の目に留まるのだろう。

乗用車のように扱えるため、初めて運転する人にも、重厚なSUVやフルサイズのピックアップを運転するのが苦手だという人にも親しみやすいのがこのトラックだ。フォード・マーベリックは 極めて「無難」であり、またその可能性は無限大なのである。

画像クレジット:Alex Kalogianni

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(文:Alex Kalogiannis、翻訳:Dragonfly)

フォードとSKが1.27兆円をかけEVとバッテリーに特化した2つの製造キャンパスを米国に建設

Ford Motor Company(フォード・モーター)とバッテリー製造メーカーのSK Innovation(SKイノベーション)は、114億ドル(約1兆2680億円)をかけてテネシー州とケンタッキー州に巨大工場キャンパスを建設し、バッテリーおよび次世代電動トラックのF-Seriesを製造する。このプロジェクトは1万1000人分の新たな雇用を生む、と両社は述べている。

2つのキャンパスに入る施設は、バッテリーセルの製造とサプライヤーパークへのリサイクルから組み立て工場まで、電気自動車を作るエコシステム全体を網羅するようにデザインされている。Fordは同プロジェクトに70億ドル(約7790億円)を投資しており、同社118年の歴史の中で、単独の製造プロジェクトにおける最大の金額だ。この投資は、Fordが以前発表した2025年までに電動自動車に300億ドル(約3340億円)を投入する計画の一環だ。

同社はさらに今後5年にわたりテキサス州を皮切りに全米でハイテクジョブトレーニングを行うために5億2500万ドル(約580億円)を費やす予定であることも話した。この投資はFordが今後次々と発売する電動およびつながる自動車をサポートする技術者の要請に特化している。

Fordの「メガキャンパス」計画(同社にとって世代で最初の施設)は、Mustang Mach-E(ムスタング・マッハE)、Ford E-Transit cargo van(Eトランシット・カーゴバン)やすでに15万台の予約注文が入っているF-150 Lightning pickup truck(F-150ライトニング・ピックアップ・トラック)など増え続けるEV製品群をサポートすることが目的だ。また、バッテリーのコストを1キロワット時当たり80ドル(約8900円)レベルまで下げる同社の戦略の一部でもある。

「これらの投資のタイミングは非常に重要です。なぜならバッテリー電気自動車への本格的転換はすごそこまで来ているからです」とFordの北米最高執行責任者、Lisa Drake(リサ・ドレイク)氏が米国時間9月27日のメディア会見で語った。「すでにその証拠は業界内に見られますし、今回当社自身の製品発表でも明らかになりました」。

そしてFordはEVの需要に関して強気だ。同社は2030年までにフルサイズピックアップ部門の3分の1が完全電動化すると予測している、とドレーク氏は言った。

画像クレジット:Ford

この日の発表は、Fordの来たるべきF-150 Lightningの生産能力を拡張して年間8万台の全電動トラックを製造するために2億5000万ドル(約280億円)を投入し、450人分の新たな雇用を創成する計画をはじめとする一連の投資計画に続くものだ。新たな資金と雇用はミシガン州、ディアボーンのRouge Electric Vehicle Center(ルージュ電気自動車センター)、Van Dyke Electric Powertrain Center(バンダイク電動パワートレインセンター)、およびRawsonville Components Plant(ローソンビル部品工場)の3カ所に振り分けられるとFordはいう。

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フォードがEV普及に向け、バッテリー原料リサイクル企業のRedwood Materialsと提携

今回の発表は、FordがRedwood Materials(レッドウッド・マテリアルズ)との提携によって、製造スクラップと終末を迎えたEVのリサイクル、およびバッテリーの原材料を供給するクローズドループシステムを作る計画を発表してから1週間も経っていない。バッテリーやそれを作るための部品の供給を確保することの重要性は、自動車業界にバッテリーセル製造メーカーとの提携を促し、Redwood Materialsのような会社への注目が益々高まっている。

ドレイク氏は提携の詳細として、Redwood Materialsがテネシー州メンフィス近くのいわゆるBlue Oval City(ブルー・オーバル・シティ)キャンパスにリサイクル施設を構える予定であることを付け加えた。

テネシーキャンパス

テネシー州スタントンの56億ドル(約6230億円)をかけるキャンパスは、完成すると面積、人口ともに小さな村に匹敵する。3600エーカー(1457万平方メートル)のキャンパスはクローズドループ製造センターとして作られる。つまり、製造に使用された材料が新しいEVを作るために再利用できるという意味だ。

キャンパスには、SKと提携して運用されるバッテリー製造施設、サプライヤーパーク、および電動Fシリーズトラックに特化した組立工場が作られる予定だ。バッテリー製造施設は43ギガワット時のセル容量を生産する能力をもつ。組立工場は2025年の製造開始時点からカーボンニュートラルになるように設計されている、とFordはいう。

ケンタッキーキャンパス

Fordは、ケンタッキー州中央部グレンデールに位置する同キャンパスに、双子のバッテリー工場を建設する。そこで製造されたバッテリーは、2020年代後半にFordおよびLincoln(リンカーン)の新しい電気自動車製品ラインで使用される。リチウムイオンバッテリーの製造は2025年に開始する予定だ。

この1500エーカー(607万平方メートル)のバッテリーキャンパスを、FordはBlueOvalSK Battery Park(ブルーオーバルSK・バッテリー・パーク)と呼び、約58億ドル(約6450億円)の費用をかけ、5000人を雇用する。双子のバッテリー工場はそれぞれ最大43ギガワット時、合わせて年間86ギガワット時の生産能力がある。テネシー州の第3のバッテリーセル工場を加えて、総容量は最大129ギガワット時になる、とSKの執行副社長兼マーケティング全世界責任者のYoosuk Kim(ユースク・キム)氏は説明した。

全体では100万台の電気自動車を駆動するのに十分な容量だとドレイク氏は言った。

以前Fordは、同社のバッテリー電気自動車の世界計画のためには2030年までに240ギガワット時のバッテリーセル容量が必要だという。これはおよそ工場10カ所分の容量だ。また同社は、北米には140ギガワット時が必要であり、残りをヨーロッパ、中国など他の地域に割り当てるとも語っていた。

画像クレジット:Ford

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nob Takahashi / facebook

フォードがEV普及に向け、バッテリー原料リサイクル企業のRedwood Materialsと提携

Ford Motor(フォード・モーター)は、バッテリー原料リサイクル企業のRedwood Materials(レッドウッド・マテリアルズ)と提携し、今後大量に投入される電気自動車のためのクローズドループ・システムを構築することにした。この提携では、生産過程で発生する廃棄物や寿命を終えた電気自動車のリサイクルに加え、フォードの電気自動車に使用されるバッテリーの原材料の供給も行うことになる。

2020年発売された「Mustang Mach E(マスタング マックE)」や、間もなく発売されるピックアップトラック「F-150 Lightning(F-150ライトニング)」をはじめ、フォードがそのラインナップに電気自動車を増やしていく中で、今回の提携は結ばれたものだ。電気自動車用のバッテリーやその原料を確保するために、自動車業界は電池メーカーとの提携を進めており、レッドウッド・マテリアルズのような企業に目を向けている。

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フォードが15万件超の予約が入ったF-150 Lightning生産能力拡大のため約270億円追加投資

フォードだけでも膨大な量のバッテリー供給が必要になる。同社が2030年までに全世界で投入を計画している電気自動車は、合計で少なくとも240ギガワット時以上のバッテリー容量を必要とするという。これはおおよそ工場10カ所分の容量に相当する。フォードは以前、北米だけで140ギガワット時が必要になり、残りは欧州や中国を含む他の地域に割り当てられる分だと述べていた。

フォードの北米地域担当最高執行責任者を務めるLisa Drake(リサ・ドレイク)氏は「寿命を終えた我々の製品においてクローズドループを構築し、その資源をサプライチェーンに再投入することが可能になれば、コスト削減につながります」と、プレス説明会の中で語った。「当然ながら、バッテリーを製造する際に現在使用している多くの原料の輸入依存度を下げることにもつながります。そして、それによって原材料の採掘も減らすことができます。これは今後、私たちがこの分野の規模を拡大していく上で、非常に重要なことです」。

これらすべてが、EVをより安価に、より持続可能なものにすると、ドレイク氏はいう。

レッドウッド・マテリアルズは、バッテリーセルの製造過程で発生する廃棄物や、携帯電話のバッテリー、ノートパソコン、電動工具、モバイルバッテリー、スクーター、電動自転車などの家電製品をリサイクルしている企業だ。Tesla(テスラ)の元CTOであるJB Straubel,(JB・ストラウベル)氏が設立し、率いているこの会社は、ニッケル、コバルト、リチウム、銅などの元素を平均して95%以上回収できるという。

レッドウッドは、これらの廃棄物を処理して、通常は採掘で得られるコバルト、ニッケル、リチウムなどの素材を抽出し、それらを顧客に供給する。現在、その顧客の中には、テスラと共同でネバダ州のGigafactory(ギガファクトリー)を運営しているPanasonic(パナソニック)や、テネシー州にあるEnvision AESC(エンビジョンAESC)のバッテリー工場などが含まれる。レッドウッドはAmazon(アマゾン)とも提携しており、電気自動車などのリチウムイオン電池や事業所から出る電気電子機器廃棄物をリサイクルしている。レッドウッドが初めてパートナーシップを組んだ自動車業界の企業は、2021年3月に提携した電気商用車メーカーのProterra(プロテラ)だった

関連記事:リサイクルのRedwood MaterialsがProterraと提携しEV用バッテリーの原材料を持続可能なかたちで供給

「事前に計画を立て、生産能力や適切な地域で適切な時期に生産することを戦略的に考えないと、現在の世界的な半導体不足に少々似た状況に陥るリスクがあります」と、ストラウベル氏はプレス説明会で語った。

米国時間9月22日に発表されたこのパートナーシップでは、レッドウッド・マテリアルズはまず、フォードと協力して、同自動車会社のバッテリー生産ネットワーク内でリサイクルを設定し、回収された原材料をメーカーに戻してバッテリーに使用する。フォードは具体的な内容を明らかにしていないが、それはおそらく、バッテリーセルのサプライヤーであるSKとの協力を意味していると思われる。

フォードとSKは2021年5月、BlueOvalSK(ブルーオーバルSK)という合弁会社を設立し、2020年代中期から年間約60ギガワット時の駆動用バッテリーセルとアレイモジュールを生産することで合意した。

関連記事:フォードと韓国SK Innovationが米国でのEVバッテリー量産に向け合弁会社BlueOvalSKを発表

レッドウッド・マテリアルズとフォードのパートナーシップの最終的な目標は、製造廃棄物のリサイクルとフォードへの原料供給から、寿命を終えた車両のリサイクルオプションの構築まで、バッテリーのライフサイクル全体に関わることだ。この最後の部分が複雑になるのは、これらのEVがフォードの所有ではなくなるからだ。多くのEVは、廃車になるまでに複数の所有者を経ることになる。

今回の提携が発表される数カ月前に、レッドウッド・マテリアルズは7億7500万ドル(約858億円)以上の資金を調達しているが、その中にはフォードからの5000万ドル(約55億円)が含まれていることが後に明らかになった(同社は当初「7億ドル以上の資金を調達した」と発表していた)。

また、9月に入ってから同社は、事業をバッテリーのリサイクルだけでなく、重要なバッテリー材料の生産にも拡大する計画を明らかにし、そのために米国に100万平方フィートの新工場を建設するとしている。同社はリチウムイオン電池の構成材料となる正極活物質と負極用銅箔を生産したいと考えている。

現在、同社が建設地を探しているこの工場は、おそらく正極材の生産に特化することになるだろう。レッドウッドは、この工場の正極材生産能力を、2025年までに電気自動車100万台分に相当する100ギガワット時まで引き上げるつもりであるという。

関連記事:テスラ共同創業者が設立したバッテリーリサイクルRedwood Materialsが事業拡大、バッテリーの材料も生産

画像クレジット:Ford

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アマゾンが壁に取りつけられる15インチEchoを近々発表か

Amazon(アマゾン)は壁に取りつけられる15インチディスプレイのEcho、サウンドバー、新しいEcho Autoテクノロジー、ウェアラブルなど新しいデバイスをたくさん開発している。Bloombergが報じたところによると、そのうちの一部は同社が米国時間9月28日に開催するハードウェアイベントで発表されるようだ。

最も派手な製品は約15インチのディスプレイを備えたAlexa対応のEchoだろう。Hoyaというコードネームのこの製品は、通常のEchoデバイスのように立てて置くだけでなく、ウォールマウントにもできるようだ。スマートホームの中心として照明やカメラ、鍵などのデバイスを制御したり、天気やタイマー、予定、写真などを表示するのに使えるだろう。特にキッチンで使うと便利なように設計されていて、レシピやYouTubeの料理動画を表示できるし、Netflixなどのアプリでストリーミングも楽しめる。

発売が噂されているAmazonブランドのテレビと組み合わせて使う、Harmonyというコードネームの独自のサウンドバーも発表されるかもしれない。他社製のAlexa対応サウンドバーとは異なり、Amazonのサウンドバーは前面カメラを備え、FacebookのPortal TVと同様にテレビからビデオ通話をすることができる模様だ。

そしてEcho Autoの新バージョン(コードネームはMarion)も開発中のようだ。新しいバージョンではおそらくデザインが刷新され、電磁誘導でデバイスを充電できる。Amazonは現在、Ford(フォード)との提携でAlexaを70万台の自動車に搭載しているが、他の自動車メーカーとの提携も目指しているようだ。

開発中のアイテムは他に2022年に登場する新しいEchoスピーカー、キッズやシニア向けのウェアラブルがある(ウェアラブルには転倒検知機能が搭載される)。AIを向上させる専用プロセッサや、Fire TVやEchoなどのデバイスの連携を強化する新しいテクノロジーを開発中であるとも言われている。

Bloombergの記事によると、Amazonは他にちょっと風変わりな製品もいくつか開発しているらしい。Alexaのインターフェイスを使用するVestaというコードネームのホームロボットを手がけているようだ。Alexa搭載のカラオケマイクも開発していたが、このプロジェクトに関わっていたチームはすでに解散したと報じられている。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のSteve DentはEngadgetのアソシエイトエディター。

画像クレジット:Amazon

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(文:Steve Dent、翻訳:Kaori Koyama)

EVは警察の任務に耐えうるか?ミシガン州がフォードの改造版マスタングMach-Eでテスト開始

今度ミシガン州でクルマを止められたら、それはSUVスタイルのEVに乗った警官かもしれない。Ford(フォード)の思惑通りに事が運べば、の話だが。米国の自動車メーカーである同社は、既存のモデルを法執行機関向けに改造する「Police Interceptor(ポリスインターセプター)」プログラムの加速を進めている。このプログラムでは、車両のサスペンションやブレーキ、馬力などが強化されている。

Fordはこのプログラムを英国の警察機関に提案しており、ミシガン州アナーバー市ではすでに2台の車両を発注している。また同社は米国時間9月17日、(通常版でも480hpのツインモーターを搭載する、Mach-E GTをベースにしていると思われる)Mustang Mach-E Interceptor(マスタング・マッハE・インターセプター)のプロトタイプのうち1台を、ミシガン州警察に近日中に提供すると発表した。この車は、Mach-EのようなEVが過酷な警察の仕事に耐えられるかどうかを確認するための実地テストになる。

Fordは、300億ドル(約3兆3000億円)規模の複数年にわたるEV技術への投資の一環として「今回のパイロットプログラムテストをベンチマークとしながら、将来的には専用の電気警察車両を検討していきたい」と述べている。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者Andrew Tarantola(アンドリュー・タラントーラ)氏は、Engadgetのシニアエディター。

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画像クレジット:Ford

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(文:Andrew Tarantola、翻訳:Aya Nakazato)

フォードが15万件超の予約が入ったF-150 Lightning生産能力拡大のため約270億円追加投資

Ford(フォード)は米国時間9月16日、発売を予定している全電動トラックF-150 Lightningの生産能力を年8万台に増やすために追加で2億5000万ドル(約274億円)を投資し、450人を新規採用する。この発表は、15万件超のF-150 Lightning予約が入っていることを受けてのものだ。

追加の投資と雇用はミシガン州ディアボーンにある新設のRouge Electric Vehicle Center(ルージュEVセンター)、Van Dyke Electric Powertrain Center(ヴァン・ダイク電動パワートレインセンター)、Rawsonville Components Plant(ロウソンヴィル部品プラント)に振り分けられる、と同社は説明している。

このニュースはルージュEVセンターでのイベントで発表された。このセンターはRouge Complexへの7億ドル(約768億円)の投資の一環で50万平方フィートに拡張された。ガソリンで走るFシリーズのトラックもまたRouge Complexで組み立てられている。

そしてFordはLightningトラックの生産準備を開始したことも明らかにした。これらのプロトタイプは実世界でのテストに使われる。顧客への納車は2022年春の予定だ。

全電動ピックアップトラックは同社の電動化に向けた300億ドル(約3兆2920億円)の投資の重要な一部で、Mustang Mach-Eとともに18カ月以内に発売されるFord EVデビュー車種の1つだ。Lightningは収益という点で最も重要かもしれない。Ford F-150 Lightningの生産は全電動Mustang Mach-E、そして商業顧客にフォーカスした設定変更可能な全電動貨物バンE-Transitの導入に続く。

F-150 Lightningはベース、XLT、Lariat、そしてPlatinumシリーズの4つのトリム、2つのバッテリーオプションで提供される。ボディがアルミニウム合金製のこのトラックは搭載する2つの電動モーターで動き、四輪駆動が標準で独立した後輪サスペンションを備える。ベースバージョンは連邦あるいは州の税控除前で3万9974ドル(約438万円)、一方のXLTモデルは5万2974ドル(約580万円)からだ。この価格にはデスティネーションフィーと税金は含まれていない。

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画像クレジット:Ford

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

ウォルマートがフォード、Argo AIと共同で自律走行車の配送サービスを開始

米国時間9月16日、Walmart(ウォルマート)、Argo AI(アルゴAI)、Ford(フォード)は自律走行車による配送サービスをテキサス州オースティン、フロリダ州マイアミ、ワシントンD.C.で開始すると発表した。

顧客はWalmartの注文プラットフォームから食料品などをオンラインで注文する。ArgoのクラウドベースのインフラストラクチャがWalmartのオンラインプラットフォームと統合されて、注文が転送され顧客の自宅へ配送するスケジュールを決める。開始当初は商用サービスの提供は各都市の一部のエリアのみで、その後広げていく。テストは2021年中に開始する。

WalmartとFordは2018年秋に配送サービスのPostmatesとともに限定的なテストを実施した。このテストはマイアミでで実施され、自動運転車を想定した車を使って食品配送に関するユーザーエクスペリエンスを研究するものだった。Argo AIはこのテストには関わっていなかった。

今回の連携ではArgo AIの自動運転テクノロジーを統合したFordの車両が使われる。Argo AIの共同創業者でCEOのBryan Salesky(ブライアン・サレスキー)氏によれば、今回の目的は自律走行車による配送サービスの可能性を広く示すことだという。

今回の発表には、自律走行車を使って人や場合によっては荷物を運ぶ商用サービスを開始するための、Fordの研究と開発の方針が現れている。同社は専用の自律走行車を現実にどう運用するかについてビジネス面のテストをしてきた。2016年にはArgo AIを支援し、Argo AIとともに自動運転システムの開発とテストをしていた。

今回の発表から、オースティンとマイアミが初期の商用化計画の中心地となることもわかる。

2021年夏にArgo AIとFordは、マイアミとオースティンを皮切りに今後5年間で多くの都市でLyftの配車サービスネットワークに1000台以上の自動運転車を展開する計画を発表した。Argoの自律走行テクノロジーが搭載された初のFordの自動運転車は、2021年中にはマイアミでLyftのアプリから利用できるようになると予想される。

画像クレジット:Photo by Jared Wickerham/Argo AI

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Kaori Koyama)

フォードが最高デジタル情報責任者を新たに迎えてソフトウェアとサービスの充実を目指す

Ford Motor(フォード・モーター)はソフトウェア、サブスクリプション、車載コネクティビティの拡充を狙って、最高デジタル&情報責任者としてMike Amend(マイク・アメンド)氏を迎えた。同氏はLowe’sのオンライン事業の責任者を3年間務め、今後はFordの新しい戦略「Ford+」の中心的分野である「データ利用、ソフトウェア、テクノロジー」に取り組む。

この人事はFordが顧客向けデジタルサービスに真剣に取り組み、ハイテク分野にピボットしようとしていることの現れだ。同社は2021年前半に明らかにしたこのプランをFord+と呼んでいる。このプランの中心にあるのは電気自動車で、同社は2030年までに世界の販売台数のおよそ半分を電気自動車にしたいとしている。またサブスクリプションやデジタルサービスによる新たな収入源の拡大も目指す。

こうしたことから、アメンド氏はテクノロジーとソフトウェアのプラットフォーム関連やグローバルでのデータのインサイトと解析の部門など多くのチームを率いていく。

Fordで最近注目される人事はアメンド氏だけではない。同社は最近、Doug Field(ダグ・フィールド)氏も密かに獲得した。フィールド氏はApple(アップル)の特別プロジェクトチームを率いていた技術系エグゼクティブで、Tesla(テスラ)でも先進テクノロジーと埋め込みシステムの責任者としてModel 3のリーダーを務めた。Fordによれば、両氏は製品責任者のHau Thai-Tang(ハウ・タイ・タン)氏とともに緊密に連携していくという。

アメンド氏はこれまでLowe’s、The Home Depot、JCPenneyといった大手小売店のオンライン事業を成長させてきた。Fordの暫定最高情報責任者であるSakis Kitsopanidis(サキス・キッツォパニディス)氏は引き続き統合エンタープライズリソースプランニングの責任者を務める。

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画像クレジット:Ford

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Kaori Koyama)

フォードが電動カーゴバンの市場投入に先立ち、商用車部門のリーダーシップチームを構築

Ford(フォード)は、新たに設立した商用車・サービス事業部に6名の上級幹部を採用した。これは商用車ユーザー向けの新たな主力製品となる電動カーゴバン「E-Transit(イートランジット)」と、電動ピックアップトラックの商用バージョン「F-150 Lightning Pro(F-150ライトニングプロ)」の市場投入に先立ち、準備を整えるためだ。

フォードは、新ビジネスユニット「Ford Pro(フォード・プロ)」のリーダーシップチームを、社内外から招集した。新たに採用されたのは、6月にフォードが買収したバッテリー管理および車両監視ソフトウェアのスタートアップ企業であるElectriphi(エレクトリフィ)でCEOを務めているMuffi Ghadiali(マフィ・ガディアリ)氏だ。同氏はElectriphiにおける職務を継続し、フォード・プロの充電部門を統括する。

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また、これまでフォードの米国マーケティング・販売・サービス担当コントローラーを務めていたTim Baughman(ティム・バックマン)氏は、フォード・プロ・ノースアメリカのジェネラルマネージャーに任命された。

フォード・プロの新しいCFOには、Ford Autonomous Vehicles LLC(フォード自動運転車有限責任会社)に在籍していたNavin Kumar(ナビン・クマール)が就任する。

Walt Disney Company(ウォルト・ディズニー・カンパニー)から移籍してきたTracey Pass(トレーシー・パス)氏は最高人事責任者として採用され、Ford Autonomous Vehiclesのソフトウェア開発責任者だったRahul Singh(ラフル・シン)氏はCTOに就任。Samsung Electronics America(サムスン電子アメリカ)のチーフ・マーケティング・オフィサーだったWanda Young(ワンダ・ヤング)氏は、フォード・プロで同じ役職に就くことになった。

フォードはすでにHans Schep(ハンス・シェップ)氏がフォード・プロの欧州地域担当ジェネラル・マネージャーに就任することも発表している。

フォード・プロが力を入れているのは単に商用バンだけではない。Ted Cannis(テッド・カニス)氏が率いるこの部門は、フリート管理やメインテナンス、充電サービスなども顧客に提供することを目指している。フォード・プロはハードウェアとそれに関連する新サービスから、2025年までに450億ドル(約4兆9500億円)の収益を上げることを期待しているという。

2019年に商用車部門の売上高が270億ドル(約2兆9700億円)だったことを考えれば、これは大きな収益増だ。フォードはこの目標を達成するために、バンやフルサイズのピックアップトラックに、内燃機関とハイブリッド、そして近い将来に追加される電気自動車バージョンを組み合わせて販売し、さらにそのEVのために、車両基地だけでなく自宅でも充電できる設備や、顧客のフリート管理およびメインテナンスに役立つデジタルサービス、サービスセンターのネットワーク、そしてもちろん融資を提供することを計画している。

フォードの商用車事業は欧州で先行しており、同地域では6年連続で商用車ブランドの首位に輝いている。北米では、クラス1からクラス7までのフルサイズ商用トラックおよびバンで、フォードのシェアは40%を超えているという。

特に欧州では、各国政府が都市部における排ガス規制を強化していることから、EV事業に力を入れている自動車メーカーには、より多くのシェアを獲得するための新たなチャンスが生まれている。フォード・プロの計画には、2021年後半に納車が開始予定のE-Transitと、2022年春の発売が見込まれるF-150 Lightning Proが重要な役割を果たすことになる。

画像クレジット:Ford

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

固体バッテリー開発のSolid Powerが生産能力拡大、2022年にフォードとBMWに試験用バッテリーを納入

Ford(フォード)とBMWが投資するバッテリー開発企業のSolid Power(ソリッドパワー)は、2022年初めの固体電池パイロット生産の準備のため、コロラド州にある工場を拡張する。

新しい生産施設は、同社の主力製品の1つである硫化物系固体電解質材料の生産に特化し、現在の最大25倍の生産量を見込む。また、この新施設には、商用グレードの100アンペア電池をパイロット生産する最初のラインを設置する。これらのパウチ型電池は、2022年初めにFordやBMWで自動車試験が行われる予定で、2020年代後半の自動車での実用化を目指す。

固体電池は、長い間、電池技術の次のブレークスルーだと考えられてきた。TechCrunchのライターであるMark Harris(マーク・ハリス)が説明しているように、固体電池には液体電解質がない。従来のリチウムイオン電池では、液体電解質が正極と負極の間でイオンを移動させる物質だった。固体電池の開発者によれば、この技術によって得られる利益は、エネルギー密度の向上、コストの削減、優れた電池寿命などだ。

また、開発者らによれば、固体電池はより安全だという。GMがChevrolet Bolt(シボレー・ボルト)を3回にわたってリコールしたように、火災の危険性を考慮すると、それは重要なポイントだ。Solid PowerのCEOであるDoug Campbell(ダグ・キャンベル)氏はTechCrunchの取材に対し「熱暴走を引き起こす火種」となるのは電解液であると述べた。「現代自動車とGMが現在直面しているこうした問題は、固体電池で解決できると強く信じています」。

同社は新しい電池のパイロット生産ラインを建設するものの、最終的には電解質材料のみを生産し、OEMや電池メーカーに電池のライセンスを提供する計画だ。

「長期的に見れば、当社は材料メーカーです」とキャンベル氏は話す。「固体電解質材料の業界リーダーになりたいと考えています」。そのため、今回の電池生産への進出は、同社にとって最後のものになるだろうとキャンベル氏はいう。予定しているパイロット生産ラインでは、複数のOEMメーカーに自動車の認定試験用の電池を供給するのに十分な量を生産し、より大規模な生産は自動車メーカーや電池セルメーカーが行う想定だ。

電池を自社で生産するのではなく、パートナーにライセンス供与するという決断は、常識的なアセットライトモデルだと同氏は語る。

「正直なところ、小さなSolid Powerが成長して、パナソニックやLG、CATLのような企業を駆逐する可能性がどれほどあるでしょうか」。スウェーデンのNorthvoltのようにそれに挑む企業もあるが、材料事業の利益率は高く、直接の競争相手となる大手はいない、とキャンベル氏は付け加えた。「資本的には軽いものの、現実的でもあります」。

このスタートアップは2021年6月に、白紙小切手会社であるDecarbonization Plus Acquisition Corp IIIとの12億ドル(約1320億円)の逆さ合併により株式を公開すると発表した。キャンベル氏によると、この取引で約6億ドル(約660億円)の現金が得られる見込みで、2026年または2027年までの十分な資金となるという。

特に、2027年までに年間10ギガワット時の電池容量を支えるだけの電解質材料の生産を目指しているため、2030年まで乗り切るためには十分な資金が必要となる。そのためには、今回の発表と比べ「桁違い」の電解質生産能力が必要になるとキャンベルはいう(発表の内容自体が桁違いではある)。

Solid Powerは、電解液の生産だけに留まるつもりはない。キャンベル氏は、低コストの正極材の開発にも取り組んでいることを示唆した。この正極材は、電池の原材料の中でも最もコストのかかるニッケルやコバルトを含まないものだ。

「この業界は材料費に支配され、材料費はニッケルとコバルトを含む正極材のコストに支配されることになるでしょう」とキャンベル氏は話す。「2021年の終わりに公開するこの特定の化学物質は非常に低コストで、今日の(ニッケル・マンガン・コバルトの)陰極のコストの20分の1から30分の1になります」。

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画像クレジット:Solid Power

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

フォードがアップルの秘密自動車開発プロジェクトを率いた幹部を採用

ソフトウェアと他の高度なテクノロジーで優位に立ちたいFord Motor(フォード・モーター)は、Apple(アップル)の特別プロジェクトチームを率いていたDoug Field(ダグ・フィールド)氏を社に迎え入れた。

かつてTesla(テスラ)のエンジニアリング担当上級副社長だったフィールド氏は米国時間9月7日に、Fordの高度テクノロジーと組み込みシステムの最高責任者に指名された。フィールド氏は直近ではAppleの特別プロジェクト担当副社長を務めた。この特別プロジェクトのチームは、いわゆるTitanカープロジェクトにも取り組んでいた。

Fordでの新しい役職では、フィールド氏は同社会長兼CEOのJim Farley(ジム・ファーリー)氏に直接報告する立場で、同社の組み込みソフトウェアとハードウェア構成を監督する。ソフトウェアとハードウェアは今日、車両コントロール、企業コネクティビティ、機能、統合・認証、アーキテクチャ・プラットフォーム、運転支援技術、デジタルエンジニアリングツールから構成される。これは、フィールド氏がインフォテーメントやナビゲーション、運転支援技術、コネクテッド・サービス、車両サイバーセキュリティなど、FordやLincolnのブランドの車両で使われている全テックスタックのデザイン、開発・実行を受け持つことを意味する。

フィールド氏の参加は、Teslaや他の新規参入企業などと競合するテクノロジーを搭載した乗用車やトラック、SUVを提供できると顧客や投資家に示したいFordにとって宣伝となるかもしれない。フィールド氏のTeslaでの経験、特にModel 3に関わった経験は、Fordが新しい電気自動車を開発・販売するのに伴い、重要であることが証明されそうだ。

Fordの次世代のコネクテッドプロダクトやエクスペリエンスを創造すべく、フィールド氏はプロダクトプラットフォームとオペレーションの最高責任者であるHau Thai-Tang(ハウ・タイ・タン)氏と緊密に連携する、と同社は述べた。タイ・タン氏は引き続き製品開発、購入、デザイン、研究・高度エンジニアリング、EPLM / D-Ford、高度な製造、Ford Ion Parkを監督する。

今回の採用で、フィールド氏は1987年から1993年にかけて開発エンジニアとして働き、キャリアをスタートさせた古巣に戻ることになる。

「私は常にFordと深いつながりを感じていました。私の父親の農園にあったF-150、結婚式で乗車した1965年製造のContinental、そしてModel Tのデザインにあるすばらしい優雅さを発見したときの感動など、Fordのプロダクトは物心ついたときから常に私の人生にありました」とフィールド氏は声明文で述べた。「チームが次世代のアイコン的Ford車両をつくり、今後何百年もFordが続くようサポートする機会に感謝しています」。

画像クレジット:Ford

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

フォードが完全EV版に先駆けてハイブリッドの「2021 F-150」発表、オプション満載モデルから見える同社のEVトラック戦略

フルサイズのピックアップトラックは、米国自動車業界の中核を成し、非常に注目を集める部門である。この部門では、Ford(フォード)F-150が販売台数で首位に立ち、Chevrolet Silverado(シボレー・シルバラード)とRam(ラム)のピックアップトラックが急速にシェアを伸ばしている。

しかしトップへの道は厳しい。トラックに関しては、自動車メーカー各社がオプション機能と標準機能をパッケージ化して、目の肥えた顧客を獲得しようと激しくしのぎを削っていることはあまり知られていない。そして現在、これらのパッケージ化されたバンドルは、これまで以上に車載技術に大きく依存している。

トップセラーであるフォードは、最も目の肥えたお得意様を失うことなく、オプション機能を追加しなければならない。最近の試乗で気づいたのだが「2021 F-150」はこの取り組みを象徴しており、今後発表される完全EV版ピックアップトラック「F-150 Lightning(ライトニング)」に何が搭載されるかを示唆している。

筆者は同モデルが開発・製造された場所から約32キロ離れたデトロイト郊外で、3.5L V6 PowerBoost Full Hybrid(パワーブースト・フルハイブリッド)エンジンを搭載した2021 4×4 SuperCrew Lariat(スーパークルー・ラリアット)を試乗した。

ピックアップトラックの細部へのこだわりは、自動車メーカーのカスタムパッケージング技術によって実現している。目がくらむような数のオプションパッケージがあるのもそのためだ。筆者が試乗したF-150も例外ではなかった。F-150では、6つの異なるパワートレイン、3つの荷台の長さ、3つのキャブオプション、8つのトリムレベル、二輪駆動と4輪駆動オプションを用意している。

こうしたオプション重視の戦略は、フォードのような自動車メーカーには良い結果をもたらした。しかし自動車メーカーが技術やソフトウェアを追加することにより、最も忠実な顧客に混乱を招くリスクがある。

スクリーンセーバー

フォード2021 F-150の車内(画像クレジット:Ford Motor Company)

コアとなる顧客にとって機能的テクノロジーは非常に重要である。F-150がそのラインナップの他の車両と一線を画しているのはそのためだ。筆者が試乗した新しいモデルでは、標準装備のインフォテインメントシステム「Sync4」を搭載した12インチディスプレイがダッシュボードと顧客体験の中心に据えられている。

Sync4は、Mustang Mach-E(マスタング・マックE)と新型のFord Bronco(フォード・ブロンコ)に導入された。Syncは、2007年のリリース以来、よりシンプルなユーザー体験を実現するために着実に改善されてきた。Sync4では、計算能力が倍になり、無線でのソフトウェア更新が導入された。

同システムは、2万の都市と150の国の交通、工事(ミシガン州の夏では常に行われている)、天候、駐車場の空き状況に関して、INRIXからデータを入手している。

同システムで使用されている自然言語処理は、音声ベースの問い合わせや受信したSMSメッセージに対して、かなり正確に応答した。1つ注意すべき点は、筆者の試乗車両は直近の数週間、複数のドライバーによって使用されたため、機械学習アルゴリズムの良し悪しを判断するのが難しかったことだ。

インフォテインメントについては、筆者はどの試乗でも大抵、呼び出しやすいApple CarPlay(アップル・カープレイ)をAndroid Auto(アンドロイド・オート)とともに利用している。Apple CarPlayはF-150にワイヤレスで接続し、不注意運転を最小限にしてくれるからだ。2014年にCarPlayが、2015年にAndroid Autoが量産車両に搭載され始めて以来、AppleとGoogleがミドルウェアのインフォテインメントシステム競争で優位に立つのは避けられないように思われてきた。

Syncでは、サポート対象のアプリであるWaze(ウェーズ)とFord+Alexa(フォード+アレクサ)も設定できる。

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運転技術

フルサイズのトラックを初めて運転するときは不安を覚えるかもしれないが、フォードはカメラ技術を使用して大型トラックを操作しやすくしている。画面が分割されているため、気弱なドライバーでも自信を持って狭い空間を移動できる。

5台の車載カメラがハンドル操作と駐車を支援するガイドとして機能する。上部からの360度ビューに組み込まれた鮮やかなグラフィックにより、ミラーでは不十分な位置の確認が可能だ。

ハンドルの後ろには約30センチのデジタルクラスタがある。筆者の心の片隅には、クラシックなピックアップトラックの昔ながらの計器を懐かしむ気持ちがあるが、それはフォードが目指している方向ではない。フォードが目指しているのは、Mustang Mach-EのAppleデザインにインスパイアされた美学に象徴される、未来志向の雰囲気である。

フォードは車内のデザインを通して、フォードが第一にテック企業であり、第二に120年の歴史を誇る自動車メーカーであることを主張しようとしている。このように熱心に美学を印象付けようとすることは、時間の経過とともに製品が古くなると、少々鼻につくようになるかもしれない。

フォードは「Active Drive Assist(アクティブドライブアシスト)」と呼ばれていた先進運転支援システム「Blue Cruise(ブルークルーズ)」を、ソフトウェアの自動アップデートにより2021年後半に車両に導入する予定だ。このシステムは、筆者が6月に試乗したモデルではまだ有効になっていなかった。ただしハードウェアは塔載されていた。

フォードによると、このシステムは、北米の道路16万キロの区間でハンズフリー運転を可能にし、Ford Co-Pilot360 Active 2.0 Prep PackageオプションでF-150 Limited車両に標準搭載される。またLariat(ラリアット)、King Ranch(キングランチ)、Platinum(プラチナ)の各モデルのオプションとして販売される。このシステムでは、GMのSuper Cruise(スーパークルーズ)に対抗して、ドライバーの方を向くカメラを使用して視線の方向と頭部の位置を追跡し、集中力を監視する。

最も重要な装置

2021フォードF-150車内の作業台(画像クレジット:Ford Motor Company)

長さ約30センチのスクリーンの下には昔ながらのノブやスイッチがある。これは顧客が依然としてさまざまな操作を手動で行うことを好んでいることを、フォードが知っているからだ。その下にはシフトレバーがあり、折り畳むと約38センチの作業スペースになる。筆者はそのスペースでノートパソコンを使っていた。

車内には豊富な充電ステーションとワイヤレス充電設備がある。F-150室内は広々としており、隅々まで配慮が行き届いている。シートはフラットにできるため、車内で快適に昼寝をしたり、積み荷スペースを広げたりできる。

ダークグレーの革製シートは、特にフル装備の車両の場合、高級感よりも実用性が重視されているように感じられる(運転の楽しさと内装の美しさでは、ライバルのラムがフォードを凌ぐ傾向にある)。外装・内装とも機能性そのものを重視している。筆者は2つのカヤックを後ろに積み込んだとき、トラック荷台のバンジーコードにつなげるためのフックを見つけた。これは気が利いている。

トラック荷台の後部には240ボルトのコンセントが多数あり、車内にもさらに2つのコンセントが搭載されている。荷台のテールゲートには、メートル単位とインペリアル単位の両方の計算ができる便利な定規が組み込まれている。ハイブリッドモデルには、2.4キロワットの発電機が標準装備されており、オプションで搭載できる7.2キロワットの発電機は満タンのガソリンで32時間稼働する。

筆者はF-150の牽引能力をテストしなかったが、トラック運転手にとってはこの数字は不可欠だ。積載量は約961キロで、最大約5760キロを牽引できる(この数字は荷台の長さとドライブトレインによって多少異なる)。またトレーラーとの連結をサポートするバックアップ牽引アシスト機能も備えている。筆者が運転したモデルの価格は6万8095ドル(約749万円)で、基準価格の5万980ドル(約560万円)から大きく跳ね上がっている。その一方で、フォードはよりハイエンドなF-150トリムであるLimitedを生産しており、その価格は7万3000ドル(約800万円)からとなっている。

優れた機能性

完全に電気自動車に移行するまでの間、すでにハイブリッドモデルを販売しているラムやシボレーと競争できるようにフォードを後押しするのがハイブリッドパワートレインだ。ハイブリッドオプションは、2022年に発売予定の完全EV、F-150 Lightningを受け入れる準備ができていない顧客向けの理にかなった妥協策である。すでに注目を集めていて、予約台数は12万台に達している。筆者の試乗では約37キロメートル / 3.8リットルを記録した。これはガソリン車よりも良い記録で、ディーゼル車以外のクラスでは最高の数値である。しかしこの数値でも、優れた排出量報告には遠く及ばない。だからこそF-150 Lightningが非常に重要になる。

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新たなEV顧客を獲得するために、フォードは、現在道路で目にするあらゆる種類のトラックを購入する既存の顧客を満足させる必要がある。ピックアップトラックには2種類の顧客がいる。毎日の仕事や週末にピックアップトラックの機能を使いたい人たちと、災害時に役立つ機能を求める人たちだ。筆者が試乗したトラックは、その両方にアピールすることができる。

F-150はこれまでも、家の修繕計画、アウトドアの趣味、牽引を目的とする購入者に適していた。またピックアップトラックは頑丈で機能的な車両を必要とする労働者もサポートする。フォードがこのモデルに何か新しい機能を導入するときは、大々的に宣伝して、こうした顧客がマイナーチェンジをどのように感じるかについて大きな賭けをする。

黒で統一された2021 F-150 Lariat車内(画像クレジット:Ford Motor Company)

6月下旬にF-150を借りているとき「安全を求める買い手」という言葉が頭に浮かんだのだが、最後にそのことについて書こうと思う。実は、筆者の試乗期間中に夏の嵐がミシガン州を直撃し、主要な高速道路は閉鎖され、何日も立ち往生した車もあった。

嵐の前、大きくゆったりしたハンドル操作、幅広い旋回、ハイブリッドエンジンの回生時に起きる静けさのリズムに慣れるために、筆者は街を疾走していた。

嵐が来たとき、筆者はスロットルを緩め、安定した確実なペースで、手を2時と10時の位置に置いて運転した。ロッジフリーウェイでは、乗用車と、F-150より性能の劣るクロスオーバーSUVが約60センチの水に浮かんでいた。F-150は、泥の中を何事もないかのように突き進んだ。筆者は横滑りやエンストは経験しなかったが、筆者の友人は、Uberのドライバーが立ち往生してしまい、歩いて帰らなければならなかった。F-150は、自然災害時に安全を確保したい人にとって試験台のようなモデルだ。F-150には発電機が装備されているため、気持ちがさらに落ち着く。

フルサイズのトラックはドライバーに無敵感を与える資質がある。それが結局のところ、F-150が人々に愛される理由であり、フォードが「Ford tough(フォードはタフ)」というキャッチフレーズを多用している理由である。フォードは、余分な飾りのないシンプルさを備えながら、力強さと実力、心の平安を感じさせるトラックを顧客にとって魅力的な価格で提供するという、絶妙なバランスを保っている。

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画像クレジット:Tamara Warren

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(文:Tamara Warren、翻訳:Dragonfly)

バイデン大統領のEV販売目標達成に向けて、自動車メーカーが政府の投資拡大を要請

Joe Biden(ジョー・バイデン)大統領は、2030年までに米国の新車販売台数の半分を低エミッションまたはゼロエミッション車にするという意欲的な新目標を発表するが、この計画について、ビッグ3の自動車メーカーは、政府による多額の支援が必要であるとしながらも、一定の支持を表明している。

General Motors(ゼネラルモーターズ)、Ford(フォード)、Stellantis(ステランティス、旧Fiat Chrysler)の3社は現地時間8月5日に共同声明を発表し、10年後までに新車販売台数に占める電気自動車の割合を40~50%にするという「共通の目標」を掲げた。ただし、この目標は「ビルド・バック・ベター(より良い復興)プランで政府が約束した一連の電化政策が適切に展開される場合にのみ達成できる」と注記されている。

具体的な投資としては、消費者へのインセンティブ、米国全土の「十分な量」のEV充電ネットワーク、研究開発への資金提供、製造・サプライチェーンへのインセンティブなどが挙げられている。

現地時間8月5日に大統領令として発表される予定のバイデン大統領の目標は、拘束力はなく、完全に自主的なものだ。この目標には、バッテリー、水素燃料電池、プラグインハイブリッドを搭載した車両が含まれる。

ホワイトハウスで開催される新しい目標に関するイベントには、自動車メーカー3社の幹部と全米自動車労働組合の代表者が出席。Elon Musk(イーロン・マスク)CEOのツイートによると、テスラは招待されなかったようだ。

ホワイトハウスが同日発表したファクトシートによると、バイデン大統領は、トランプ大統領の任期中に緩和された2026年までの乗用車および中・大型車の新しい燃費基準も強化する。この新基準は、米国運輸省と米国環境保護庁の管轄下で策定されるが、自動車メーカーにとっては驚きではない。この新基準は、すでにバイデン大統領の、いわゆる「Day One Agenda(初日のアジェンダ)」に含まれており、気候変動への取り組みの基礎となっている。

新基準は、2020年カリフォルニア州で可決された、自動車メーカー5社(BMW AG、Ford、本田技研工業、Volkswagen AG、Volvo AB)の連合体と協力して決定された基準を参考にしていると思われる。これらの自動車メーカーは8月5日、ホワイトハウスの排出量削減計画を支持するとした別の声明を発表したが、ビッグ3と同様、排出量削減目標を達成するためには、米国政府による「大胆な行動」が必要であるとしている。

2030年への道のり

Edmunds(エドモンズ)のインサイト担当エグゼクティブディレクターであるJessica Caldwell(ジェシカ・コールドウェル)氏は、声明の中で、バイデン大統領の拘束力のない命令は象徴的なものに過ぎないが、目標は達成可能であると述べ、自動車業界のリーダーたちは、誰が大統領であろうと、電化に関しては「以前から『壁に書かれた文字(不吉な警告の意味)』を見てきた」と続ける。

製品開発のリードタイムが比較的長いこともあり、大手自動車メーカーの多くが、少なくともこの10年の半ばまでは、EV(電気自動車)やAV(自動運転車)に数十億ドル(数千億円)規模の投資を行うことをすでに発表している。General MotorsFordは2025年までにそれぞれ350億ドル(3兆8000億円)、300億ドル(約3兆3000億円)の投資を発表しており、Stellantisも同様の発表を行っていることはいうまでもない。フォルクスワーゲンはバッテリーの研究開発に数十億ドル(数千億円)を投じており、さらにVolvo Cars(ボルボ・カーズ)は2030年までに全車を電気自動車に移行するとしている。

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これらの膨大な数字は、自動車メーカー各社の販売目標に沿ったもので、ほぼバイデン大統領の目標と一致している。

一方で、燃費規制については、これまで自動車メーカーの反応は芳しくなかった。General Motors、Stellantis(当時はFiat Chrysler)、トヨタ自動車の3社は、カリフォルニア州が独自の排ガス規制を設定する権限を剥奪しようとするトランプ大統領時代の訴訟を支持していたが、各社とも最終的には180度方針転換し、バイデン大統領は2021年、独自の基準を導入できることとなった。

本質的には、バイデン大統領の発表は気候変動と同様に地政学的な意味合いが強い。彼もまた、電気自動車に関しては「不吉な警告」を見ているのだ。バイデン政権は、ファクトシートの中で、電気自動車や電気自動車用バッテリーの材料について「中国が世界のサプライチェーンを支配しつつある」と指摘し「(中国を筆頭とする)各国は、電気自動車の販売目標を明確に設定することで、部品・材料から最終組立に至る製造部門に民間投資を呼び込む存在となっている」と述べている。

国際エネルギー機関(IEA)によると、米国では2020年、2016年の3倍の電気自動車が登録されたものの、電気自動車の市場シェアではヨーロッパや中国に後れをとっている。

このニュースにはさまざまな反応があり、その中には政権側にもっと断固とした行動を求める環境保護団体もある。Ceres(セレス)の交通部門シニアディレクターCarol Lee Rawn(キャロル・リー・ローン)氏は、将来的な規制は、二酸化炭素排出量を60%削減し、2035年までに電気自動車の販売を100%にするという「明確な軌道」を目指すべきという声明を出している。

現地時間8月5日にホワイトハウスでバイデン大統領と同席する全米自動車労働組合は、Ray Curry(レイ・カリー)会長が声明を出し「(同組合は)厳しい期限やパーセンテージではなく、米国の中産階級の心と魂を支えてきた賃金と福利厚生を維持することに焦点を当てている」と述べた。

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Dragonfly)

テスラが旧来のリン酸鉄リチウムバッテリーに賭けていることは、メーカーにとって何を意味するのか

Elon Musk(イーロン・マスク)氏は、鉄ベースのバッテリーに関してこれまでで最も強気の発言をした。Tesla(テスラ)は、エネルギー貯蔵製品と一部のエントリーレベルのEVにおいて、旧来の安価なリン酸鉄リチウム(LFP)セルへの「長期的なシフト」を行っていると強調した。

テスラのCEOは、同社のバッテリーは最終的に製品全体で鉄ベースが3分の2、ニッケルベースが3分の1になるだろうと思慮深く語り「これは実際に好ましいことです。世界には十分な量の鉄が存在していますから」と付け加えた。

マスク氏のコメントは、主に中国の自動車業界ですでに進行中の変化を反映するものだ。中国以外の地域でのバッテリー化学組成は大部分がニッケルベースで、具体的にはニッケル・マンガン・コバルト(NMC)とニッケル・コバルト・アルミニウム(NCA)である。これらの比較的新しい化学組成は、エネルギー密度が高いことから自動車メーカーにとって魅力的なものとなっており、OEM(完成車メーカー)におけるバッテリーの航続距離の改良に貢献している。

マスク氏の強気の姿勢がEV業界全体に真の変化をもたらしつつあるとすれば、中国以外のバッテリーメーカーが追随できるかどうかが問われるところだ。

LFP方式への回帰を示唆しているのはマスク氏だけではない。Ford(フォード)のCEOであるJim Farley(ジム・ファーリー)氏は2021年、一部の商用車にLFPバッテリーを採用すると発表した。一方、Volkswagen(フォルクスワーゲン、VW)のCEO、Herbert Diess(ヘルベルト・ディース)氏は、同社のバッテリーデーのプレゼンテーションで、VWのエントリーレベルEVの一部にLFPが使用されることを明らかにした。

エネルギー貯蔵の面では、マスク氏がコメントで言及した、Powerwall(パワーウォール)とMegapack(メガパック)でのLFPベースの化学組成の採用は、鉄ベースの処方を推進する他の定置型エネルギー貯蔵企業の潮流に沿うものとなっている。「定置型貯蔵業界は、より安価なLFPへの移行を志向しています」と、バッテリー調査会社Cairn Energy Research Advisorsを率いるSam Jaffe(サム・ジャッフェ)氏はTechCrunchに語った。

LFPバッテリーセルが魅力的な理由はいくつかある。まず、コバルトやニッケルのような極めて希少で価格が変動しやすい原料に依存していない(主にコンゴ民主共和国から調達されているコバルトは、非人道的な採掘条件のためにさらなる精査の対象となっている)。また、ニッケルベースの化学組成に比べてエネルギー密度は低いものの、LFPバッテリーははるかに安価に製造できる。電気自動車への移行を促進したいと考えている向きにとって、これは朗報となる。EVの普及には、1台あたりのコストを下げることが重要な鍵となる可能性が高いからだ。

マスク氏は明らかに、テスラにおける鉄ベースの化学組成に大きな未来を見出しており、同氏のコメントは、LFPが再びスポットライトを浴びるのに効果的な役割を果たした。ただし、それがショーのスターであり続けている場所は1つ、中国である。

中国によるLFPの独占

「LFPは中国でしか生産されていないといっても過言ではありません」と、調査会社Benchmark Mineral Intelligenceで価格・データ評価の責任者を務めるCaspar Rawles(キャスパー・ローレス)氏は、最近のTechCrunchとのインタビューで説明している。

LFPバッテリー生産における中国の優位性の一部は、大学や研究機関のコンソーシアムによって管理されている一連の主要なLFP特許に関連している。このコンソーシアムは10年前、中国のバッテリーメーカーとの間で、LFPバッテリーが中国市場でのみ使用されることを条件に、ライセンス料を徴収しないことで合意した。

こうして、LFP市場は中国が独占する形となった。

中国のバッテリーメーカーは、LFPへの構造的シフトのポテンシャルから最大の恩恵を受ける可能性がある。具体的にはBYD(比亜迪)とCATL(寧徳時代新能源科技)で、後者はすでに、中国で生産・販売されているテスラ車専用のLFPバッテリーを製造している。(一方、フォルクスワーゲンは中国のLFPメーカーGotion High-Tech[国軒高科]にかなりの出資をしている。)こうしたバッテリーメーカーの勢いはとどまる気配を見せていない。1月にCATLとShenzhen Dynanonic(深圳市徳方納米科技)は、中国の地方省の1つと、LFPカソード工場を2億8000万ドル(約307億円)の費用で3年をかけて建設する契約を結んだ。

業界アナリスト企業のRoskillによると、LFPの特許の存続期間の満了は2022年で、中国以外のバッテリーメーカーが生産の一部を鉄ベースの製品に移行し始める機は熟していることが予想されるという。しかし、LG Chem(LG化学)やSK Innovation(SKイノベーション)など、韓国の大手企業との合弁事業が多い欧州や北米のバッテリー工場はいずれも、依然としてニッケルベースの化学組成にフォーカスしている。

「米国がLFPの強みを生かすには、北米の製造業が必要となるでしょう」とジャッフェ氏は説明する。「今日、米国でギガファクトリーを建設する人々は皆、高ニッケル化学製品の製造を計画しています。現地で製造されるLFPバッテリーに対するアンメットニーズが非常に高くなっています」。

ローレス氏は、特に特許の有効期限が失効した後、数年のうちに北米と欧州である程度のLFPキャパシティが確保されると予想している。ドイツではCATLも、他のバッテリーメーカーSVOLT(蜂巣能源科技)も動きを見せているが、どちらも中国企業であり、その他のアジア企業や欧米企業がLFP市場で競争できるかについては疑問が残る、と同氏は指摘した(Stellantis[ステランティス]は2025年以降のバッテリーサプライヤーの1つとしてSVOLTを選定している)。

エネルギー貯蔵に関して、ジャッフェ氏は「定置型貯蔵システムのほとんどが最終的にはLFP系になることは避けられない」と考えているという。

しかし、米国の国内製造業にとってすべてが失われるとは限らない。「地元でLFP製造を確立するための好材料として、サプライチェーンがシンプルであることが挙げられます。リチウム以外にも、鉄とリン酸という2つの安価な材料が(米国で)大量に生産されています」とジャッフェ氏は付け加えた。

結局のところ、これはバッテリーの化学的性質の問題ではない。より有望な点は、テスラを含む自動車メーカーの動向からすでに明らかになっている。鉄ベースのバッテリーは主にエントリーレベルの低価格車に使用され、ニッケルベースのセルはハイエンドの高性能車に使用される。多くの消費者は、300マイル(約483km)から350マイル(約563km)の走行距離を持つ車よりも、数千ドル(約数十万円)安い200マイル(約322km)から250マイル(約402km)の走行距離の車の方に満足するだろう。

自動車メーカーは、垂直製造や既存のバッテリー会社との合弁事業を通じて、バッテリー供給をコントロールする方向に動き始めている。このことは、北米と欧州におけるLFPキャパシティの拡大は可能性が高いだけでなく、必然的であることを意味している。

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Dragonfly)

半導体不足解消と新車需要によりフォードは2021年の利益増加を予想

Ford(フォード)は、2021年の第2四半期に、半導体不足がピークを迎えたにもかかわらず、SUV「Bronco(ブロンコ)」などの新型車の強い需要が追い風となり、予想を上回る営業成績を収めたと、直近の決算報告で述べた。

4月の時点で同社は、第2四半期に予定していた生産台数の約50%が失われ、同期間の利益が赤字になると予想していた。しかし、決算報告によると、会社全体で11億ドル(約1200億円)の利払前・税引前利益を計上することができたという。

米国時間7月28日の決算説明会で、フォードのJim Farley(ジム・ファーレイ)CEOが「すでに利益が出ている」と述べた電気自動車「Mustang Mach-E(マスタング・マックE)」をはじめとするフォード車に対する需要は、米国では2020年の7倍に増えており「半導体の供給が安定し、需要により密接に沿うことが可能になれば、事業は『バネのように跳ね返る』」と、フォードから発表された声明でファーレイ氏は語っている。

今後については「半導体の供給状況の改善が予想される中、自動車生産量の増加に伴い下半期の運転資本の好転が期待されるため、通期の調整後フリー・キャッシュ・フローの目標を40億ドル(4380億円)から50億ドル(約5480億円)に引き上げました」と、同社は述べている。

表面上は楽観的に見えるものの、会見中に質問を受けたファーレイ氏は、もう少し慎重で現実的な意見を述べた。

「半導体不足の問題は2021年いっぱい続くと見られ、来年の前半にも影響が出る可能性があります」と語った同氏は、次のように続けた。「我々はFABサプライヤー各社と話し合いを続けてきました。彼らは資源を再配分し、自動車向けの供給を増やしていると言っています。しかし、この困難を乗り越えたと本当に安心できるまで、予断を許さないと私は思います」。

自動車業界は、第3四半期に入ってからチップの供給に改善の兆しが見えてきているものの「状況はまだ流動的だ」とファーレイ氏は語っている。

ファーレイ氏は間違っていない。Semiconductor Industry Association(半導体工業会)によると、半導体の売上は、2021年4月に前月比1.9%増加したのに対し、5月には4.1%増加したという。さらに、6月に発表されたWorld Semiconductor Trade Statistics(世界半導体市場統計)の報告によれば、世界における半導体の年間売上高は、2021年に19.7%、2022年に8.8%増加すると予測されている。今月初め、Taiwan Semiconductor Manufacturing Company(台湾積体電路製造公司)は、生産努力を強化したことにより、今期から製造現場での半導体不足が大幅に解消されると予想していると述べていた。同社は、すでに2021年の上半期にマイクロコントローラユニットの生産量を前年同期比で30%増加させており、新型コロナウイルス流行前の2018年の水準より最大30%以上まで引き上げるつもりだと述べている。

それは期待できそうだ。しかし、誰もが同じ考えを持っているわけではない。国際的なチップメーカーであるシンガポールのFlex(フレックス)は最近、世界的なチップ不足が2022年半ばまで続くだろうと警告している。これは、自動車、特に電気自動車の需要が増加していることに加え、新型コロナウイルスの影響からゲーム機、タブレット、ノートパソコンなど、娯楽用電子機器を購入する人が増えていることが原因だ。

フォードはSK Innovation(SKイノベーション)と提携し、バッテリーセルの製造者となることで、バッテリー供給の不安を解消しようとしているのと同様に、半導体メーカーやサプライヤーと緊密に連携することによって、将来必要となるチップ数の予測に役立てようとしていると、ファーレイ氏は述べている。

半導体が不足している大きな理由の1つは、2020年の春に新型コロナウイルス流行の影響から販売台数が減少した際に、自動車メーカーが発注を減らしたことにある。だが、2020年の第3四半期になって乗用車の需要が回復してきた頃には、すでにチップメーカーは家電やIT関連の顧客からの注文をこなすのに手一杯な状態になっていたのだ。

フォードの擁護のためにいうと、ウイルスの流行を予測し、そのためにどれだけのチップが必要になるかを予測するのは簡単ではない。2020年のトイレットペーパー買い占めによる品不足のような事態にならないことを祈ろう。

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

フォードの電動ピックアップトラックF-150 Lightningの予約が12万件超え

Ford(フォード)と同社のベストセラー車両であるF-150ピックアップトラックは一貫してピックアップトラック所有者のブランド忠誠心を鼓舞してきた。J.D. Power 2020 U.S. Automotive Brand Loyalty Studyによると、Fordの顧客ロイヤリティ率は54.3%だ。そしていま、車両の電動化に動く中で、同社は新たな購入者を引き込んでいるようだ。

Fordは米国時間7月28日、2021年第2四半期の決算を発表した。現在も続く半導体不足にもかかわらず驚くべき収益をあげたことに加え、F-150 Lightning電動ピックアップトラックのプレオーダー件数が5月の発表以来、12万件に達したことを明らかにした。同社の2021年第2四半期の売上高は268億ドル(約2兆9360億円)と予想をわずかに下回り、純利益は5億6100万ドル(約615億円)だった。

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明確にしておくと、プレオーダーは注文ではなく、同社が今後販売する台数を正確に反映しているわけではない。顧客は払い戻し可能な100ドル(約1万1000円)のデポジットを払ってEVを予約できる。

しかしプレオーダーからは需要についての知見が得られる。

重要なことは、決算発表によるとこれらの新規オーダーの4分の3がこれまで同社車両に乗っていない客からのものであるということだ。決算発表時にCEOのJim Farley(ジム・ファーリー)氏は、Lightningのプレオーダー5件のうち2件がICE(内燃エンジン)ピックアップとの交換になるとも述べた。

これはFordの販売に影響を及ぼす可能性があるばかりでなく、同社の最近のバッテリー製造進出の妥当性をも立証している。世界中の自動車メーカーがセル会社や化学会社とのバッテリー合弁事業に関わっていて、Fordも例に漏れない。同社は米国でのバッテリーセル製造でSK Innovationと提携していて、電動化のための300億ドル(約3兆2865億円)の投資の一環としてミシガン州にR&Dセンターを建設中だ。

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販売増はまた、Fordがかなりの投資を約束している、埋め込まれた電動アーキテクチャのアップグレードを支える。ファーリー氏によると、これによりFordはずっと簡単に今後発売するEVをアップデートでき、新たなコネクテッド機能を使えるようにすることができる。

「ですので、我々が電気自動車のアップグレードについて語るとき、電気自動車のツーリングとエンジニアリング、部品、推進力への投資以上の基礎的なものなのです」とファーリー氏は決算会見で話した。「また、埋め込まれたソフトウェアとハードウェアのシステムへの完全に新しいアプローチも含まれています」。

F-150 Lightningは、基本価格4万ドル(約440万円)超を喜んで払う新規顧客に魅力的に映る多くのアップグレードをともなう。ガソリンで走るモデルと同じトルクとパワーを備え、加えてハンズフリーのADAS BlueCruiseシステム、包括的なインフォテイメントユニット、停電時に家に給電できるだけの容量を持つバッテリーも持つ。

ファーリー氏は決算会見で、価格が2万ドル(約220万円)〜のコンパクトなハイブリッドピックアップである新Ford Maverickの注文がすでに8万件近く入っていることも明らかにした。このモデルは、必ずしもピックアップトラックを求めているわけではないものの、実用性にひかれている人向けのものだ。

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「当社の初の大量生産EVに対する需要は明らかに当社の楽観的な予測を上回りました」とファーリー氏は述べた。「当社はいま、制限をなくしてこれら最新のバッテリーで動くEVの生産能力を増やすために懸命に取り組んでいます」。

決算によると、米国顧客の電動Mustang Mach-Eの注文と他のFord車両の販売の合算は、2020年同時期の7倍超だった。需要の高まりを受け、半導体の供給が安定したとき事業は「バネ仕掛け」でリバウンドする、とファーリー氏は述べた。

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画像クレジット:Ford Motor Company

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

フォードのマイクロモビリティ子会社Spinが初の自社開発電動キックスクーター「S-100T」発表

Ford(フォード)のマイクロモビリティ子会社であるSpin(スピン)は、同社初のカスタムデザインによる電動キックスクーターを発表した。同社によると、この「S-100T」は最も安全で丈夫なスクーターであり、独占的なパートナーシップ戦略を目指す都市の注目を集めることが期待されている。

2021年7月にサクラメントでサービスを開始する際には、25台の新型S-100Tスクーターを既存の車両と一緒に配備する。8月までにS-100Tを350台に増やし、年末までには数千台以上を市場に投入したいと考えていると、同社の広報担当者は述べている。

新たに加わったS-100Tの他に、Spinが展開している車両にはオリジナルのS-100と3輪のS-200、そして電動アシスト自転車のS-300がある。これらの車両はSegway-Ninebot(セグウェイ – ナインボット)やOkai(欧凱)との提携によって製造されているが、Spinは多様な車両を維持するために、これらのパートナーシップを継続していく予定だ。

Spinは2019年から独自のスクーターの開発に取り組んできた。当時、路上で使われていたスクーターの多くは既製品で、すぐに壊れてしまものばかりだった。Los Angeles Times(ロサンゼルス・タイムズ)の記事によると、LA地区で使われていたBird(バード)のスクーターは126日しかもたなかったという。

「その時、当社の創業者たちは、Spin自体のためのみならず業界全体のために、電動スクーターの耐久性がどうあるべきかについての新たな基準を、実際に設定しようと決めました」と、Spinの製品担当バイスプレジデントを務めるMaxime Veron(マキシム・ヴェロン)氏はTechCrunchに語った。「そこで私たちは、最もタフなスクーターを作ることを目指し、それがS-100Tのデザイン、製造、テストの指標となりました」。

S-100Tの「T」は「tough(頑丈)」を意味すると、ヴェロン氏は付け加えた。

「私たちは非常に厳しいテストを行いました。それは業界の基準をはるかに超えたもので、拷問と言えるほどです。だからこそ、S-100Tは他の電動スクーターの2倍の寿命が期待できるのです」と、同氏は語っている。

S-100の寿命が約1年半であるのに対し、S-100Tには3年以上の寿命をSpinは見込んでいる。これは400項目にもおよぶ安全性・耐久性テストを実施した結果によるもので、多くのテストは車両がバラバラになるまで行われ、これによって-20℃の厳寒から65℃の高温まで耐えられる車体が出来上がったという。

スクーターの寿命の短さは、そのシェアリングサービスを展開する企業にとって収益を上げることが難しい主な理由の1つとなっている。それが、Spinが耐久性を重視したスクーターの設計を行っている理由だ。

「耐久性は収益性の面で最大の武器です」と、ヴェロン氏はいう。「スクーターが長持ちすることで当社のボトムライン(純利益)と、乗り心地を気に入った顧客を惹き付けるという意味でトップライン(売上)の両方に貢献します」。

S-100Tの設計はモジュール化されており、1つのフレームで構成されているため、耐久性が高く、修理や部品交換が容易で、車両の寿命と持続性に貢献できると、ヴェロン氏は語っている。

この設計とSpinが車両を所有することによって、長い製品寿命とその後のリサイクルまで含めた優れた企業戦略も可能になる。

「耐久性が第一ですが、当社ですべてをコントロールしているため、製品が寿命を終えた後まで含むすべての重要なチェックポイントを、時間をかけて改善していくことができるでしょう」と、ヴェロン氏は述べている。

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

フォードがEVバッテリー管理ソフトウェアのElectriphiを買収、法人顧客向けEV事業を強化

Ford(フォード)は法人顧客向けの電気自動車(EV)2種、E-Transit貨物バンF-150 Lighting Proを準備中だ。そして現在、同社はバッテリー管理と車両モニタリングソフトウェアのスタートアップElectriphi(エレクトリフィ)の買収で未来のEV法人事業を完成させようとしている。

買収取引条件は公開されなかった。Fordは創業3年のサンフランシスコを拠点とするElectriphiが、2030年までに充電だけで10億ドル(約1100億円)超の売上高を達成すると期待している。新部門Ford Proは充電にとどまらず財政面での野心を抱えている。ハードウェアとその周辺のもの、そして新たなサービスで、2019年に270億ドル(約2兆9810億円)だった売上高が2025年までに450億ドル(約4兆9690億円)になると予想している、と述べた。

30人のチームのElectriphiは新設のFord Proに加わる。Ford ProはE-Transit貨物バンとF-150 Lighting Proピックアップトラックの法人顧客へのサービス提供に注力している。Fordは2021年後半に顧客へE-Transitの納車を開始する。全電動Lightingピックアップトラックの商用モデルであるF-150 Lighting Proは2022年春にマーケット投入される見込みだ。

「法人顧客が電気自動車を管理車両に加えるにつれ、顧客は車両が毎日充電され、仕事に使う準備ができているようにするために車両デポ充電ステーションのオプションを求めています」とFord ProのCEOであるTed Cannis(テッド・カニス)氏は述べた。「Electriphiの既存の高度なテクノロジーIPをFord Proの電動車両とサービスのポートフォリオに持ってくることで、我々は法人顧客向けのエクスペリエンスを向上させ、車両デポ充電のための単一ソリューションになります」。

Electriphiは、州や連邦政府の命令で重量車や中型商用車が電動化されることが明白になった2018年に創業されたと共同創業者でCEOのMuffi Ghadiali(マフィ・ガディアリ)氏は最近のTechCrunchとのインタビューで語った。Electriphiは米国内外でスクールバスや公共バスなどを含む商用電動車両を展開する部門にフォーカスしてきた。

「今後10年で何が起こるのかを考えてみてください。エネルギーとソフトウェア向けのモビリティでかなりのトランフォーメーションを目にします」とガディアリ氏は話した。「リスクは高く、事は一刻を争います」。同氏は2020年代末までにゼロエミッション車両に移行することを求める、今後出される命令に車両オペレーターが神経質になっている、と指摘した。「すべての車両を10年で交換するためには、ただちに動き始めなければなりません。『このトランジションの間にも車両オペレーションを止めないようにしなければ』というはずです」。

Fordは2021年初めにElectriphiに接触した。ElectriphiはFordとの取引の前に約1100万ドル(約12億円)のバリュエーションで420万ドル(約4億6400万円)を調達した。

FordのフォーカスはE-TransitとLightning Pro向けのソフトウェア構築である一方で、同社がElectriphiの顧客ベースに引き続きサービスを提供するのはあり得る。

「興味深いことに、基本的なFordのプラットフォームはさまざまなタイプの車両やスクールバスで使われていることがわかりました」とガディアリ氏は話した。「ですので、我々が行っていることに関連があるため、どの部門に我々が関与しないことになるのか明言は困難です。もちろん、我々はFordが2022年に始める大量出荷に照準を当てています」。

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

リンカーン初の電気自動車は2022年発売、続いて3台の新型EVが登場予定

Lincoln Motor(リンカーン・モーター)は、2022年にブランド初の電気自動車を発売し、続いて3台のEVを市場に投入すると発表した。これは2020年代が終わるまでにすべてのポートフォリオを電動化するという、同社が掲げた目標の一環だ。

最初の電気自動車は、リンカーンの100周年を記念して市場に登場する予定だ。またそれは、この高級車ブランドがラインナップ全車の電動化を目指していると最初に報道されてから約4年後のことになる。

GMの高級車ブランドであるCadillac(キャデラック)と同様、リンカーンのラインナップには完全な電気自動車がまだない。しかしリンカーンは、2025年までに全世界における販売台数の半分をゼロエミッション(排ガスを一切出さない)車にするという高い目標を掲げている。これらの新型車は、2025年までに電気自動車に300億ドル(約3兆3000億円)を投資するという(リンカーン・ブランドの親会社である)Ford(フォード)の公約の下に計画されているものだ。

今回のリンカーンの発表は、フォードやその競合他社から発表された一連のEV関連ニュースに続くものでもある。ライバルのGMは米国時間6月16日、EVと自動運転車に350億ドル(約3兆9000億円)を投資する計画を発表した。これは、同社が2020年11月に公約した投資額から、さらに80億ドル(約8860億円)増えたことを意味する。

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リンカーンのEVは当初、Rivian(リヴィアン)のスケートボード型プラットフォームをベースに使用して作られる予定だったが、その計画は2020年4月に破棄された。両社は当時、まだ将来的に共同でクルマを開発する計画があると述べていた。リンカーンの広報担当者は、そのような共同開発計画がまだ残っていることを認めたが、それ以上の情報は明らかにしなかった。

当面、リンカーンの電気自動車は、フォードが開発した新しいEV専用アーキテクチャをベースにすることになる。フォードは5月に投資家向け説明会で、小型SUVおよびセダン用と大型ピックアップ用という2つのフレキシブルなプラットフォームを開発していることを発表した。これは、現行のFord Mustang Mach-E(フォード・マスタング・マックE)やFord F-150 Lightning(フォードF150ライトニング)に採用されているアーキテクチャとは別物だ。

新しいフレキシブルなプラットフォームは、後輪駆動または四輪駆動にすることが可能で、Lincoln Aviator(リンカーン・アビエーター)とFord Explorer(フォード・エクスプローラー)のEVバージョンの車台になることが期待されている。

リンカーンによると、同ブランド初の完全な電気自動車は、プラグインハイブリッドSUVのアビエーターとCorsair(コルセア)に続く電動モデルになるとのこと。リンカーンは、この新しいEVがどのようなモデルになるかを明らかにしていないが、2021年の上海モーターショーで公開されたコンセプトセダン「Zephyr Reflection(ゼファー・リフレクション)」(トップ画像)に似たデザインになることを示唆している。このコンセプトカーは特別に中国市場に向けて製作されたものだが、リンカーンのEVは米国と中国の両方で販売される予定だ。

リンカーンは新型EVのインテリアについても情報を公開している。ミニマリスティックで広々とした空間に、さらなる開放感が得られるパノラミックルーフを備えた車内を、メーカーは「聖域(sanctuary)」という言葉で表現している。同社の次期EVで最も注目すべき点は、Android OSをベースとしたデジタルプラットフォームを採用し、サードパーティ製アプリやサービスの利用や、ソフトウェアのリモートアップデートが可能になることだろう。

リンカーンの新型EVには、高速道路の特定区間でハンズフリー走行が可能になるなど、高度な運転支援機能も搭載される予定だ。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Lincoln Motor電気自動車Ford

画像クレジット:Lincoln Motor

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hirokazu Kusakabe)