2015年、Googleに死角なし

2015年も始まりましたが、今年もGoogleはその圧倒的な存在を検索や広告市場はもちろんそれ以外の分野でも示し拡大していけるのでしょうか?ネイティブ広告の台頭でGoogleのシェアが弱まるという話もあったりします。今回はGoogle評論家といえばこの人、SEO Bookによる大変興味深い分析記事を紹介します。Googleの進む道を理解せずしてSEOのみならず、ウェブマーケティングにも勝利なし。 — SEO Japan

Googleは検索業界で頂点に立っている。しかし、検索以外の分野においては無能なのだろうか?

数週間前、テクノロジー戦略の専門家のエン・トンプソンがGoogleはピーク時のIBMとMicrosoftと同じ道を歩み、恐らく、検索広告はネイティブ広告に圧倒されるのではないかと示唆していた。

Forresterによると、デジタル広告の支出は、2、3年後にTV広告の支出を上回るようだ。確かに、ここ最近スポンサードコンテンツの台頭は目立つものの、ネイティブ広告にはカテゴリーすら与えられていないのが現状だ。

ネイティブ広告は曖昧であり、広告かどうか分からないアイテムもある。明らかな広告もあるが、その場合でもYouTubeの動画広告等、複数のカテゴリーにまたがる場合もある。 また、比較的新しく、規模が小さ過ぎるタイプのネイティブ広告もある。Amazonは支払いサービス & プライム配送契約を第三者の企業のサイト(AllSaints等)にも拡大し、このようなサイトの在庫をAmazon.comに表示し、CPCベースでトラフィックを売っている。この取り組みはネイティブ広告に含まれるのだろうか?また、在庫をメタ検索サイトに同時配信するチケットの仲介業者やホテル予約サイトもネイティブ広告に含まれる可能性がある。

このように、ネイティブ広告には曖昧な部分が多い。また、Googleは既にDoubleClickでネイティブ広告の管理機能を提供し、BuzzFeed等のネイティブ広告で成功しているサイトと提携を結んでいる。

検索におけるペニーギャップがもたらす影響

Timeは来年全てのメジャーなメディアで有料制をテストし、第三者と協力して、People.com等のサイトにアフィリエイト広告を統合する。

因みに、上の文の2つ目のリンクは、ペイウォール(有料)記事に向かう。Twitterでウォールストリートジャーナルの記事に向かうリンクをクリックすると、有料の記事に到達することが多い。有料の記事に記載された重要な情報が瞬く間に広がることもあるが、通常は、有料記事の内容をレポートする、競合する無料サイトの方がシェアされることは多い。また、無料サイトの記事は、ソーシャルメディアでさらに拡散され、Hacker News等のフォーラムやディスカッションサイトで取り上げられ、TechMeme等のアグリゲータで注目を浴びる。その結果、より多くのリンクを獲得し、SERPで上位にランクインし、当該のストーリーのデフォルト/正規のソースになる。

コストの食い違いが生じることで、大幅に金銭的なコストを上回る点が、ペニーギャップの問題点の一つとして挙げられる。支払いに注目を集めることが出来るなら、至るところで少しづつユーザーに課金するよりも、ユーザーの行動を観察し、収益化する方が、通常、多くの収益を得られる。

有名なサイトは無料版を提供しなければ、マーケットのポジションを確保することは出来ない

様々なサイトに対する購読を盛り込むサイトも存在するが、その一部はHighbeam Researchのように、記事の一部のみを表示して、残りの記事を読む料金を請求していた。しかし、この手のサイトは、パンダによって壊滅的なダメージを受けていた。コンテンツにアクセスする障害が大き過ぎると、エンゲージメントはごく僅かになり、ペナルティーを科される可能性がある。一部のサイトにおいては、一般的な登録プロセスであってもアクセスする際の障壁となる。GoogleはGoogleに表示されるコンテンツをエンドユーザーにも見せるべきだと要求している。この要求が満たされていない場合、クローキングを行っていると見られてしまう — ただし、Googleが提供するコンテンツに鍵をかける消費者調査を使って収益化している場合、特別扱いしてもらえる。

各種の第三者のコンテンツに対して、継続的な購読料金を要求することが可能な需要を得るには、ある程度の規模が必要となる。この規模に達することが出来るのは、どんなビジネスなのだろうか?例えば、楽曲を提供する少数のビジネス(Apple、Spotify、Pandora等)、そして、動画を提供する少数のビジネス(Netflix、Hulu、Amazon Prime)が挙げられる。この手のサービスを除くと、大半の購読サイトは、金融等のニッチなトピックに限られ、規模は小さい。その上、ペイウォールによって蓋をされたコンテンツは、無料で見ることが可能な公開されている広範なマーケットと比較すると、見てもらえる機会は圧倒的に少ないと言わざるを得ない。

購読ベースのモデルがうまくいく広範なニッチの業界に属していても、Googleとの戦いには苦戦を強いられる可能性が高い。Googleの最高事業責任者がSpotifyの経営陣に加わったことで、SpotifyはGoogleから睨まれずに済むはずである。ただし、何やら雲行きは怪しい…

プレミアムコンテツに対するGoogleの影響

私は以前から、Googleが好都合なメディアの契約を得るために、著作権侵害を活用してきた点を指摘してきた(このインフォグラフィックの2つ目のポイントを見て、確認しておこう)。私の考えを皮肉と取る人もいたが、著作権を侵害する行為との「継続的な戦い」にGoogleが言及した際に、真っ先に挙げたのは、広告ユニットを増やす取り組みであった。

無料のオプション、有料のオプション、そして、その中間のオプションもある。GoogleとYouTubeは後者を採用し、その一方で、ビジネスモデルをテストし、有料のオプションへのトラフィックの流れを収益化している。

「テクノロジー企業は長期に渡るプレミアムコンテンツの価値を認めていない」 — ジェシカ・レシン

大きな価値のズレが生じており、その結果、多くのビジネスが何度も何度も戦略を練り直さなければならない状況に直面している。グレイエリアは常に変動するためだ。

多くのビジネスの利鞘は10-15%程度だ。オンラインパブリッシングを生業とする会社は、トラフィックの20%が消えると、持続可能であったビジネスモデルが、一夜のうちに自転車操業に陥る。一方、思い通りにオンラインのトラフィックを動かす/向きを変えることが可能な企業は、「支配者」になる

ドイツでは、一部のパブリッシャーがGoogleに対してインデックスへの掲載料を取ろうとした。その結果、Googleはこのパブリッシャーのリスティングの近くにスニペットを表示しなくなった。さらに、ニュース検索を通常の検索結果に統合する方法を見直し、Reddit等のソーシャルサイトを含む広範囲のソースを盛り込む決断を下した。すると、Google検索のトラフィックは40%落ち、さらに、Google ニュースのトラフィックは80%落ちたため、アクセル・シュプリンガー(インデックス料を求めた企業の一つ)は以前の状態に戻してもらいたいとすぐにGoogleに要請せざるを得なくなった。その結果、同サイトのスニペットは再び掲載されるようになったものの、「ニュース内」の変更は撤回されなかった

弱者に与えるGoogleの影響

Googleは大手メディアのアクセル・シュプリンガーに対して大きな影響力を持つ。それでは、その他の規模の小さい、弱いビジネスに対しては、一体どれぐらいのインパクトを与えることが出来るのだろうか。

この問いに対する答えを知りたいなら、Demand Mediaが直面したシチュエーションを振り返ると良いだろう。

Demand Mediaはピーク時に19億ドル以上の価値があると言われていた企業だ。同社は、ドメイン名の管理部門をRightside Groupとして切り離したものの、コンテンツ部門は事実上全く価値がないと見なされるほど落ちぶれてしまった。現在、Demand Mediaは4000万ドルの現金および現金等価額を持つ。今年の始め、同社はSaatchi Artを$1700万ドルで買収し、昨年はEコマースサイトのSociety6を9400万ドルで買収していた。前四半期の収益が発表されると、株価は16.83%値下がりし、先週の木曜日にはさらに6.32%下落し、時価総額は1億200万ドルになった。

最近の業績報告で、Demand Mediaの重役は次のように説明していた:

  • 2014年の年末までには、良質な視覚素材とリライトによって5万本以上の記事が改善される。
  • 品質を重視する取り組みを実施中であり、第4四半期中に18億ドル相当のパフォーマンスの低調な記事を削除する。
  • 最高のユーザー体験を作り出す取り組みとして、既に2つの広告ユニットを削除し、1月1日までに3つ目のユニットを削除する。
  • (上の2点に関して)この変更によって、収益にネガティブな影響が出ると見ており、年換算で約1500万ドルのEBITDA(利払い・税金・償却前利益)を調整した。
  • 第3四半期を通して、コンテンツの修正に1100万ドルを投資し、第4四半期にはさらに100万ドル、そして、来年の第1四半期と第2四半期には200万ドル~400万ドルの投資を見込んでいる。
  • ビジター数を確認すると、モバイルの領域が成長していることが分かるが、その結果、モバイルに関連するCPMが低下している。また、デスクトップでは価格帯の縮小が起きている。
  • 広告の密度が高過ぎるサイトは、オーディエンスを怒らせるだけでなく、検索インデックスのランクに関してペナルティーを科される可能性もある。

Googleは2011年の4月にeHowを抹殺した。3年以上が経過した今も、Demand MediaはGoogleに戦略を決めさせており、場合によっては過去の投資を取り消すために多額の支出を行っている。

しかし、Googleの検索結果を見ると、Googleは全く反対の戦略を実施しているように見える: 第三者のコンテンツをさらに盗み、広告ユニットの増加 & 拡大を行っている。

盗んで、販売するプログラム内のソースのリンクは薄い灰色であった。あるジャーナリストが青いリンクに関するストーリーを取り上げて初めて、色を青く変更したのであった。

ブレンド

検索結果は一部の領域を調和させ、その一方で一部を目立たせる。また、定期的に色を変え応答率を好きなように変えることが出来る。

パブリッシャーはページに掲載する広告を追加して、CPMの低下を食い止めると、バナー広告は酷評されるうようになった。Googleインフラ稼働していれば、大量のバナー広告を繰り出している(そして、計測している)。

検索広告のパフォーマンスは、バナー広告とは異なり、低下していない。

唯一、Googleが苦戦を強いられたのは、AdBlock Plusの人気が高まった時のみであった。このサービスは検索広告をブロックするため、GoogleはAdBlock Plusを禁止し、その後、第三者サイトの広告をブロックする一方で、料金を支払い、Google上では広告を表示する契約を結んだ後、最終的に復旧させることに同意した。

検索自体が究極のネイティブ広告プログラムである。

Googleはホテル等の分野において3連のローカルリスティングを優先し、ローカルカルーセルを廃止している。ホテルのリスティングのいずれかをユーザーがクリックすると、Googleは当該のホテルに対してナレッジグラフを差し込み、さらに検索結果に予約用のアフィリエイトリンクを組み込むため、自然な結果は押し下げられてしまう。

上のグラフィックをご覧になれば分かるように、通常のテキストを用いる「Website」リンクがページの右側に掲載され、そのすぐ傍に画像が配置されることによって広告のように見える。実は、広告に見えるように意図的に配置されているのだ。そのために無視されてしまう。一方、実際の広告は左側に掲載され、通常のテキストのリンクのようみ見える。広告と表示されているが、この表記と実際の広告の間には2行の線が引かれており、紛らわしさを増している。

Googleはこのような極端な形式でレイアウトを変える権限を持っている。しかし、その他の全ての領域においても、誰が敵で、誰が味方なのかを特定することが出来る。SEO業界は様々なマーケティングの手法における「倫理」に関してチマチマと話し合っているが、その一方で、Googleは目標の達成に力を入れ、SEOのエコシステム全体を消し去ろうとしている。

Googleが広告と自然なリスティングをナレッジグラフで混合する*以前*に、そもそもユーザーは両者の違いを区別することが出来ない。これが、バナー広告とは異なり、検索広告の利用が低下を免れている大きな理由の一つだ。

モバイルも同じ考え方で再編されている。Googleの取り組みは上部に配置され(そして、収益化され)、残りは下の方に追いやられる。

「ナレッジ」と広告の境界線が曖昧であるため、Googleは次々とカテゴリーでテストを行い(例えば、検索結果から直接医師に電話をかける機能) & Googleがデータを集める一方、各種のテストに対する料金を広告主に要求している。

また、Googleは第三者のサイトから情報を収集する一方で、収益化する機会を得られるなら、当該のサイトのリスティングに表示する情報を減らすことが出来る。2009年、Googleはスポンサーではないリスティングからマップ上の電話番号を削除していた。そして、今回の3連のリスティングに至っては、上半分のコンテンツは全て収益化されている…

「その一方で、3つのリスティングを表示するオリジナルの検索結果には、合理的に考えて、ユーザーが求めるであろう情報が欠けている:

  • 電話番号
  • 住所
  • 地図
  • レストランのウェブサイトへのリンク

大半のユーザーが求める情報は意図的に隠されている、もしくは、クリックをしなければ到達することが出来ない」 – デイブ・オレムランド

Googleはユーザーを優先していると主張し、「盗んで、置き換える」プログラムを正当化している。しかし、収益を増加させる機会を得るために、意図的に一部の情報を隠している。Googleは現在隠されている基本的な機能の一部を再び加えるかもしれないが、スポンサーのローカルのリスティングの一部に限定されるだろう。

結局 – 全ての問題を解決するには広告を出す必要がある

検索結果内のブランドのバナー広告は反応率が低いだろうか?あるいは、広告主は多額の資金投入に難色を示しているだろうか?その場合、Googleはテストを終了させ、代わりに検索結果に製品カルーセルを盛り込み、トラフィックをGoogle Shoppingにもたらす可能性がある。

「これはGoogleによる新たな収益化の手段だと私は見ている。クライアントは通常PPC ブランド広告のクリックと比べて、商品リスト広告のクリックに400-500%多く料金を支払っている。Shoppingのキャンペーンでは全く同じキーワードをネガティブに指定するつもりだ。」 – バーブ・ヤング

Googleによる収益化の取り組みは事実上無制限に行われる。

クリックカジノ

キーワードは部分一致がデフォルトとなった。さらに、キャンペーンの「強化」が行われ、広告主はモバイルデバイスで質の低いクリックを受け入れなければならなくなった。

続いて、曖昧な完全一致のターゲティングが登場し、具体的に特定の用語にターゲットを絞ったキャンペーンを実行するためには、広告主は品質の低い検索のバリエーションを購入し(そして、不要な新しい解釈を引き続き受け入れざるを得なくなり) & 多数のネガティブキーワードを加えなければならなくなった。

過去、一部のPPCの専門家は、自然検索の曖昧化を問題視していなかった。「所詮他人事」だと考えていたのだろう。

しかし、楽観視し過ぎていたようだ。

言うまでもなく、Googleは広告を競売にかけるだけでなく、支出を管理するSEMプラットフォーム化を望んでおり & 自動入札機能の「メリット」を活用するべきだと提案している。

広告主はGoogleの自動入札機能を強烈に非難している: 「やっと1回クリックしてもらえた。このクリックに362.63ドルも費やした」

唯一このパフォーマンスを上回るのは、子供向けの無料モバイルタップゲームに掲載されるバナー広告だけだ。

干渉を強める

先程、Googleは自分の都合の良いようにAdBlock PlusのエクステンションをPlayストアで配信禁止にした、と伝えた。Googleは繰り返しDisconnect Mobileの配信も禁止した。配信を携帯電話に頼っているなら、Googleを回避することは不可能に近い。さらに、Googleはパフォーマンスのデータを集め、密かに競合するアプリをローンチし、そして、第三者のアプリに力を入れる。その上、広範なネットワークにおける各種の広告料金をコントロールする権限も持つ。

「それなら、検索とモバイルを避けて、Eメールを利用すればいいじゃないか」と考える方もいるかもしれない。しかし、結局同じ問題に遭遇することになる。GmailではソーシャルのEメール、あるいは、プロモーション用のEメールはほとんど見てもらえない場所に追いやられてしまうためだ:

「規模が大きなオンラインストアは、ネックになり得るものの、Googleにも同じことが言える…事実、Googleは毎日投稿するブログの記事をプロモーションフォルダに誤って送信していた。しかも、(この記事を除けば)この誤りを指摘する手段が私にはない – セス・ゴーディン

1年前、ある四半期の成果が芳しくなかった原因として、GrouponはGmailのタブを挙げていた。スタートアップに対する、このフィルタリングのインパクトはさらに強烈だ。オーディエンスの目に触れる機会が少し変わるだけで、成長率は1を下回り、自然に広めるのではなく、知ってもらう機会に資金を投じなければならないためだ。

このタブの他にも、スパム扱いされる、あるいは、セキュリティの警告を受ける等、多くのリスクが存在する。Search Engine Land等、大勢のGoogleの従業員がチェックしているサイトでさえ、ニュースレターがGmailで警告を受けていたことがあった。

Googleはさらに

  • 検索ランキング、バーティカルの検索結果での置き換えを行い、(先程も触れたように)事業に関連する情報を隠している。さらに、検索クエリを提案し、ウェブブラウザを利用して消費者の意図を転換することで、ウェブサイトへの干渉を強めている。
  • 広告の視聴を自然の視聴としてカウントし、関連性の判断基準を変更し、競合するチャンネルを調査している。さらに、契約の一環としてオーディエンスに見てもらえる機会を優先することで、YouTubeの動画への干渉を強めている。 YouTubeは視聴数の半数以上が、スクリーンの小さなモバイルデバイスに集中しているため、Googleによるランキングの好みが変化すると、クリックの分布に大きな変化が現れる。
  • デフォルトバンドリング契約を用いて、Googleのアプリをデフォルトに設定することをメーカーに条件として突きつけることで、モバイルアプリへの干渉を強めている。
  • そっくりなバンドリングベースのビジネスモデルを禁止することで、ビジネスモデルへの干渉を強めている(バンドリングはGoogleのみに許される取り組みである)
  • その他諸々。

自然の検索キーワードのデータを隠すキーワード(not provided)の導入は、自然な検索に対する干渉である。Google がHTTPSをランキングシグナルとして公表した時、 Netmegは「これは広告ターゲティングを行うため、そして、ユーザーのプロフィールを作る権利を主張するための行動に過ぎない。この点を良く覚えておいてもらいたい」と言っていた。

Facebookが広告プラットフォームのAtlasを再び立ち上げると発表するや否や、Googleはデータへのアクセスを取り締まり始めた:

Googleは、Krux、BlueKai、そして、Lotame等のデータ管理会社と今週協議を行い、特定の広告におけるピクセルの利用禁止を宣言した。デジタル広告内に埋め込まれたピクセルは、マーケッターがターゲティングを行う上で、そして、特定のユーザーが広告をインターネット上で見た回数を把握する上で役に立つ。

「GoogleはGoogleのディスプレイネットワークを通じて、データ管理プラットフォームが提供する広告で、そして、購入したインプレッションでのみピクセルの利用を認めている。つまり、Googleは狭い範囲に利用を限定している」と、Kruxのチーフ・ソリューション・オフィサーを務めるマイク・モローは述べている。

同時期、Googleはデータ共有の取り締まりも始め、様々なデバイスで消費者のターゲティングを実施する機能の提供を開始し、広告主が特定のウェブサイトを訪問するオーディエンスに狙いを絞ることが可能なカスタムアフィニティの導入を発表した。

Googleは情報を整理する(曖昧にする)特別な役目を持つだけでなく、アナリティクスを通してマーケティングの効果を計測する取り組みも行っている。そのアナリティクスは定期的に新しいレポートを導入しているが、過剰に自ら貢献をアピールし、その一方で、その他のチャンネルの貢献を低く見積もることで発生する、アクティビティバイアスから収益を得ている。ラストクリックアトリビューションが検索広告への支出を決める目安として常習的に利用されており、数年前からディスプレイ広告の価値を落とす要因となっている。

競合者への投資

Googleはエコシステムのランキングを決めるだけでなく、積極的に投資も行っている。

GoogleはYelpの買収を試みた。Facebookのゲームの人気が爆発的に高くなると、Googleは疑わしい経歴を持つZyngaに投資し、データにアクセスしていた。Grouponが、60億ドルの買収提案を受け入れないことが分かると、Googleは10社以上のGrouponの競合者と手を組み、検索結果内に新たなオファーの広告ユニットを作成した。

YouTubeのエコシステム内部においても、MachinimaやVevo等の一流のパブリッシャーの株式をGoogleは保有している。

投資が特別な扱いを受ける疑わしきは罰せずの原則を受ける、あるいは、公開されていない情報にアクセスする事態が実際に生じている。

例えば: 「Baiduのマップアプリでは、アプリを内でホテルを見つけ、部屋の空き状況をチェックし、予約することが出来る。つまり、検索エンジンを去る必要がない。」これはパブリッシャーにとって恐ろしいシナリオである。

実は、この恐ろしいシナリオは既に表面化している。Googleの即日発送サービスの統括者がUberに移り、GoogleはUberの集荷と見積もりをモバイルマップアプリに加えた。

当然、GoogleもUberに投資していた。Uberが成功していることは疑いようもない。ただし、勝ち名乗りを上げる者がいる一方で、悔しい思いをする者もいる:

Googleはまるでディスプラションこそが長所とでも言いたげにディスラプションに投資し & 内部のデータを活用して投資を動かしている:

「計測、数値化することが出来ないなら、ソリューションに取り掛かることなど夢のまた夢だ。Googleは世界最大級のデータセットにアクセスすることが可能であり、クラウドコンピュータのインフラは史上最大の規模を誇る。勘に頼って投資を行うのは愚かだ」とGoogle Venturesのマネッジングパートナーを務めるビル・マリスは指摘している。

検索エンジン、ウェブブラウザ、アプリのストア & モバイルOSから利用データを組み合わせると、あらゆるビジネスに関して圧倒的な情報を得られる。

Googleはデータのためだけにマージンの少ない領域に数十億ドル規模の投資を行える数少ない企業の一つだ:

Googleの重役は公のクラウドにおいて、Googleのアプリを動かすデータセンターと同じぐらいのパワー & スピードを実現するようにエンジニアに要請している。 この取り組み、そして、その他のセールスおよびテクノロジーの戦略は、増加するクラウドの収益を手に入れるためだけに行われるのではない。このようなサービスから、次にどんな製品を作るべきか、どの会社を購入するべきか、そして、消費者のその他の好みに関する重要なデータを得られるとGoogleの経営陣は確信している。

Googleは5億ドルもの資金を投じて買い物の即日配送サービスを宣伝している。

そして、現在、Google Fiberでは事業向けインターネットサービスを推進している。イーロン・マスクは元Googleの従業員と手を組み、衛星インターネットサービスの提供を計画している。

大詰め

現在、Googleは他のどの企業よりも連邦政府のロビー活動に力を入れている。Googleの経営陣が副チーフテクノロジーオフィサーチーフテクノロジーオフィサー、そして、特許商標局の局長に就任している。Googleのソフトウェアエンジニアがオバマ大統領に次のような提案を行うほどGoogleの勢いはとどまるところを知らない。

  • 政府の職員全員に年金を全額与えて退職させてしまおう。
  • 管理の権限をテクノロジー業界に委譲しよう。
  • エリック・シュミットをアメリカのCEOに任命しよう。

このエンジニアは常軌を逸しているか、注目を集めたいだけなのかもしれないが、この悪夢ようなシナリオが現実にならなくても、特定の会社の職員が規制する側に回れば、Googleが規制によってダメージを受ける可能性は限りなく低くなる。

オバマ大統領はオープンなインターネットの重要性を指摘している:「インターネットサービスのプロバイダーに、最高のアクセス環境を制限させることも、サービスとアイデアにおける市場の勝ち組と負け組を決めさせることも認めてはならない。」

Googleの職員が政府で重要な役割を与えられているなら、Googleに関する重要な不満は聞き届けてもらえらないはずだ。

先日、Fortune誌はラリー・ペイジをビジネスパーソン・オブ・ザ・イヤーに選出した:

「ペイジが自分自身が描く未来のビジョンを周りに押し付ける典型的な例だ。ラリー・ペイジが挑戦する様々な取り組みは、他社を寄せ付けないものがある。このようなビジネスのリーダーが誕生したのは、GEのトーマス・エジソン、または、HPのデビッド・パッカード以来のことだ」 — ベン・ホロウィッツ(アンドリーセン・ホロウィッツ社)

Financial Timesに掲載されたラリー・ペイジの最新のインタビューから際限のない野望が感じられる:

  • 「世界最強のインターネット企業は検索を牛耳ることで得たキャッシュを引き換えに、次世代のテクノロジーにおける金塊を掘り当てようとしている」…「野心がなければ何も達成することが出来ない — そして、その野心こそが世界に不足している。」
  • 「世間はディスラプションに遭遇しているものの、前向きなものとも、生活を一変させるものとも考えていない…自分が参加していると感じないことが問題だと私は思う」– ラリー・ペイジ
  • 「仕事におけるディスラプションが発生しても、短期間においては、必要とする物事のコストが引き下げられることで穴埋めされるかもしれない。この点は重要であるにも関わらず、議論されていない」– ラリー・ペイジ
  • 「資本主義のシステムでは、テクノロジーを通して効率の悪さを除去することは、当然、行わなければならない」– ラリー・ペイジ

しかし、同時に暗い面、つまり、テクノロジーの夢想家ならではの副作用も存在する。

例えば、ユーザーを処方箋が必要な調剤に釘付けにして、思考の流れを増強 & 収益化することも考えられる:

例えば、気分を反映するキッチンの壁によって、抗鬱剤の広告が導かれ、ウェブでも付きまとわれるケース、従業員の精神状態を雇用者に通告するケース、もしくは、Facebookのページに表示するケースは、容易に思い浮かぶ。書籍「コンテキストの時代―ウェアラブルがもたらす次の10年」の著者、ロバート・スコブルとシェル・イスラエルによると、Facebookはニーズを推測するシステムを作りたがっているようだ。

もしくは…

Googleの貯蓄は、リフキンが提唱した第三次産業革命において重要な意味を持つ。と言っても、単純に、消費者製品の価格を下げるポテンシャルを持っているからではなく、– 生産性を上げるために人間の労働力を増やす — 資本主義社会の大原則を初めて根本から覆すためだ。また、生産が労働力から解放されると、資本主義は思想的にも、そして、現実的にも成立しなくなる、とリフキンは説いている。

ただし、テクノロジーが原因で「誰もが損をする」わけではない。大きな成功を収める者も現れる。

ミシェル・ファンはYouTubeでの人気を活かして、メイクアップ購読サービスをスタートさせ、8400万ドル/年間を稼ぎ出している。

層の一番上にいる者はテクノロジーによってさらに勢いを得ることが出来る。このような極端な成功を収めた人物はオフラインの世界で宣伝を行い、さらにプラットフォームにビジターを引き寄せることが出来る。

Googleは日本のYouTubeクリエイターをテレビ、インターネット、そして、印刷媒体の広告で大々的に宣伝している。さらに大勢のビジターを獲得しようと目論んでいるのだろうか?

「人気ベース」の報酬システムはほんの一握りのユーザーを裕福にするものの、その他大勢のパブリッシャーは作業に力を入れても金銭的なメリットは得られない。最悪なのは、「バイラル化」のサクセスストーリーは多額の広告予算によって作られていることだ。

Googleは、アテンションエコノミーにおける収入の不平等を調査によって把握していた – しかも、この調査はブランドの優遇を始める前に行われていた。

次々にカテゴリーが商品化され、次々にプラットフォームにGoogleから資金が流れていく。そして、最終的にプラットフォームで仕事をしている従業員は、クラウドソースならではの宿命ではなく、違法な談合によって給与が引き下げられていた時代を切望するようになる:

代わりに、従業員は移動の自由、そして、活動時間を自分で自由に決めることが出来ると言う上辺だけのメリットを得るようになった。しかし、健康保険を支払うことが出来ない状況でも、あるいは、次にヒットする製品が幾ら支払ってくれるのか分からない状況でも、そして、実際にいつになったヒットするのか分からない状況でも、その価値はあるのだろうか?アプリの利用規約が、労働契約とほとんど変わらない状況でも、仕事の注文がスマートフォン経由で行われ、すぐに応答しなければ二度とチャンスをもらえない状況でも、そして、仕事について誰にも話をすることが出来ず、最低限の賃金を稼ぐために休みなしで作業をこなさなければならない状況でも、その価値はあるのだろうか?

人が商品化されるように、価値のその他の層も商品化されている:

SEO業界では、以前から大勢の専門家がブランド化を万能薬として推奨してきた。しかし、上半分に掲載され100%収益化されるホテルの検索結果を考慮すると — ブランドを持っていたとしても、参加するための費用を支払わなければならない。現在、Google ショッピングの広告が、ブランドのナビゲーショナルクエリでテストされているケースを考慮しても同じ結果が見えてくる。

Googleはさらに収益化する固有名詞に対して広告のターゲティングを行う技術の特許を取得している。

ブランドを作るために資金を投じ、Googleに再び資金を渡さなければ参加する権利すら与えてもらえない。

Googleの広告製品を回避し、広告費と売り上げの差で稼ぐ方法を控える手もあるが、Googleは収入を得るためには喜んで不公平な条件を突き付けてくるだろう。

例えば、イギリスで商標用語[cheapflights]を検索すると、一般的な検索用語の[cheap flights]に転換される。公式サイトは自然なランキングでは2位につけているものの、左側の列で、このサイトの上には、クリック可能なページが19ページもある。

ブランドは強みだが、誰かがそのブランドを探す際に毎回表示してもらうために料金を支払わなければならないなら、負担になる

モバイルアプリを使ってGoogleを回避することが出来るかもしれないが、GoogleがOSを所有しており、メーカーとのバンドリング契約を介して、広範な分野でGoogleを自らをデフォルトのサービスとして確実に配置させることが出来る点を覚えておくべきだ。また、モバイルに関しては、OSに付属する新しい通知機能がアプリを切り離している点、そして、Googleが様々な分野に直結しているGoogle Now等のアプリを持っている点を肝に銘じておこう。

SEO業界は長年Googleのエコシステムを採用するべきだと推奨してきた。しかし、Googleが創り出す価値よりも多くの価値を占拠するようになると、SEO業界はGoogleのエコシステムを推奨していては利益を得られなくなる。Googleの

  • 資金力
  • ロビー活動
  • 政府の要職にいる元従業員
  • 動画、モバイル、アプリ、マップ、Eメール、アナリティクス(と検索)への支配
  • 広範な投資対象

…を考慮すると、Googleがピークに達しつつあるとは言い難い。


この記事は、SEO Bookに掲載された「Peak Google? Not Even Close」を翻訳した内容です。

基本Googleに批判的なSEO Bookではありますが、三歩下がって読んだとしてもGoogleの圧倒的な力を改めて感じられる内容でした。検索にしろ、広告にせよ、または携帯電話であれ、やはりプラットフォームを押さえていると強いですね。途中で日本のユーチューバーCMの話が出てきましたが、いわれてみると、確かに「サクセスストーリーは多額の広告予算によって作られている」側面もありますし。Google大帝国の成長はどこまで続くのでしょうか。 — SEO Japan

2014年の検索業界の総括月別まとめ

2015年、検索マーケティングに取り組む前に改めて総括しておきたい2014年。そそんなあなたのためにDistilledが素晴らしい記事を書いてくれました。 — SEO Japan

本サイトでハンナ・スミスが2013年の検索を総括してから、早くも1年が経過した。しかし、なぜか分からないが、その実感は湧かない。それでも、総括を行う時期が再びやって来た。今年も色々なことが検索業界では起きたが、SEOは健在だ。しかも、今まで以上に面白味を増している。それでは、2014年を振り返り、大きな変化をまとめていこう。

1月: ゲスト投稿とリンクネットワークにとどめの一撃 & AI

Googleのウェブスパムチームは、SEOコミュニティの疑わしいグループに対して宣戦布告を行い、新年をスタートさせていた。以前から拡大可能なゲスト投稿はGoogleの取り締まりの対象になっているのではないかと疑ってきたが、Googleのウェブスパム対策を統括するマット・カッツが個人で運営するブログの記事の中で、ハッキリと認めた。続いて、マット・カッツは、検知不能を売りにしていた複数のリンクネットワークを公の場で批判し、閉鎖に追いこむのであった(そもそもGoogleを表立って挑発するのは得策とは言い難い)。

これとは別に、Googleは4億ドルでAI事業を営むDeepMindを買収し、2014年の新たな方向性を示していた。

2月: FacebookがWhatsAppを買収 & ダン・バーカーが最高のツイートを投稿

FacebookはWhatsAppを190億ドル(キャッシュ & 株式)で購入した。この出来事は世間を驚かせた。Instagramを10億ドルで買収した取引が、色褪せて見えてしまうほどの大金だ。マーケティングを全く行わない状態で急激にユーザーを増やしたWhatsAppの実力がこの金額に反映されていると言える。この買収から10ヶ月が経過するが、何も手を加えず、今までの方向性を維持すると言うFacebookの約束は守られている。ただし、この取引の数日後にWhatsAppはクラッシュしていた :)

その他にも、2月にはダン・バーカーが投稿したこのツイートが注目を集めていた。その理由は読んでもらえれば分かるはずだ :)

マット・カッツ
Googleでスクレイパーのサイトがオリジナルのコンテンツのソースよりも上位にランクインしているなら、Googleに連絡を下さい。

ダン・バーカー
見つけました。コンテンツのテキストがそっくりです。

3月: ゲスト投稿が再びニュースになる

SEOサービスを提供するドック・シェルダンがGoogleによるペナルティーを受けた。個人のサイトで配信したゲスト投稿の最後に掲載されていた1本のリンクが原因だと見られている。当該の記事は確実にゲストによる投稿であったが、ペナルティーを課すほどのスパム行為と見なされたとは考えにくい。

次にゲストブロガーのコミュニティサイト、MyBlogGuestにペナルティーが与えられたことが明らかになった。Googleは2014年の年明けにマット・カッツが行った脅しと警告を着実に実行に移しているようだ。

4月: 驚異的な成長を続けるモバイル & ヴィック・ガンドトラがGoogleを退社

Facebookはモバイルデバイスを利用する同サイトのユーザーが10億人を超えたと報告した。この傾向は2014年を通じて見られた。この件に関して、その数ヶ月後にロンドンで行われたSearchLoveでモバイルの脅威に関するプレゼンを当サイトのウィル・クリッチローが行っている。

また、4月にはヴィック・ガンドトラがGoogleを辞めたことがニュースとして報じられた。ヴィック・ガンドトラはGoogle+の開発を指揮していた人物として知られている。Google+には当初から懐疑的な見方、そして、批判的な見方があったが、ローンチから3年以上が経過した今も健在である。

5月: パンダ 4.0、Facebookが不気味な試みをスタート & 忘れてもらう権利

5月になると大規模なパンダアップデートがリリースされた。このアップデートはパンダ 4.0と呼ばれるようになった。パンダ 4.0はペイデイローンアップデートと同時期に展開され、SEOサイトのMozを代表するライター、Dr. ピートが行った分析によると、大幅なランキングの変更があったようだ。今年はペンギンアップデートに関する話題も多かったが、ペンギンがニュースになるのはこの数ヶ月後である。

FacebookはモバイルデバイスのマイクをONにして、ステータスアップデートの供給源として利用する新しい不気味な機能を発表した。一部の専門家は、ユーザーが良く聞く音楽、そして、良く見るテレビ番組に関するデータをFacebookが集め、広告を提供する際に活用するようになるのではないかと推測していた。

さらに、5月には、EUが「忘れられる権利」をユーザーに与えた — 要するに、自分の名前を言及する特定のページを自分の名前に対する検索結果から削除するようGoogleに要請することが出来るようになったのだ。Googleは、この要請を受け入れるようになってから、24時間で1万2000通を超えるリクエストが寄せられたことを認めた。その結果、次のようなメッセージがより頻繁に表示されるようになった:

ヨーロッパのデータ保護法の下、一部の結果は削除された可能性があります。詳細はこちらをご覧下さい。

6月: Google+のオーサーシップの写真が検索結果から削除

Google+のオーサーシップの利用を一生懸命クライアントに薦め、必要なマークアップを整えたものの、Googleは検索結果からオーサーの写真を削除すると宣言した。この件に対する公式の発表は、とても簡潔な内容であった。Mozのサイラス・シェパードはもう少し詳しくこの件を伝えている。

7月: 成長を続けるモバイル & Googleの新しいローカルアップデート、その名はピジョン

今年の4月に明らかになったトレンドは7月になっても続いていた。ShareThisによるレポートで、スマートフォンとタブレットのシェアの数が2014年の第二四半期で30%増加したことが判明した。

ローカル検索を対象とした最新のGoogleによるアップデートの名前を見た時、思わず笑ってしまった。不評だった2012年のエイプリルフールのジョークを思い出したためだ。実は真面目なアップデートだと分かって初めて詳しく調査する気になった。この記事を書いている時点で、このアップデートは米国のみで展開されており、英国ではリリースされていない。しかし、その他の国で展開されるのは時間の問題だと思う。

因みに、ちょうど同じ頃、マット・カッツが休暇を取った。

8月: Googleがhttpsを推奨 & アイスバケットチャレンジが煩わしいくらいバイラル化

Googleは2011年からhttpsへの移行をスタートされていたが、今年の8月、httpsを採用するサイトは検索結果で優遇されると発表した。ただし、その後すぐに、大幅に優遇されるわけではないと忠告した。

また、8月には、ALS アイスバケットチャレンジがバイラル化し、チャリティーであったとしても若干煩わしくなるレベルに達した。俳優のパトリック・スチュワートが最高のアイスバケットチャレンジを行った:

これが本当のアイスバケットチャレンジだ。

因みにマット・カッツはまだ休暇を楽しんでいる。

9月: 新しいシグナルを持つ最新のパンダアップデート & Yahoo! ディレクトリの閉鎖が決定

比較的規模の大きなパンダアップデートが再び行われた。しかし、今回のアップデートでは、Google曰く、より多くのシグナルを見つけ、品質の低いコンテンツをより正確に特定することが可能になり、アルゴリズムが改善されたようだ。

同じく9月にはYahoo! ディレクトリが閉鎖され、私は少し悲しくなった。私がSEOを始めたばかりの頃、このディレクトリはスパム良質なリンクを構築する上で効果的であった。

マット・カッツはまだ休暇から戻っていない。

10月: ついにペンギンアップデートが行われるものの、規模は意外と小さい

前回確認されたアップデートから1年以上が経過した10月、Googleは待望のペンギンアップデートを行ったと告知した。しかし、Dr. ピートによる分析、そして、SEO業界の一部の専門家によるフィードバックを見る限り、期待されたほどインパクトは大きくなかったようだ。

その後、このアップデートは徐々に展開されていくことが明らかになった。アップデート導入時のインパクトが思ったよりも小さかったのは、このためだと推測される。

マット・カッツはまだ休暇から戻っていない。

11月: Yahoo!の逆襲 & 感謝祭の休日に現れたペンギン

Firefoxがデフォルトの検索エンジンをGoogleからYahoo!に変更したと発表した。対象はアメリカのみだが、この変更は元Googleの従業員、マリッサ・メイヤー率いるYahoo!にとって大きな勝利だと言える。

また、感謝祭の休日の前後にランキングの変動に関するニュースが出回っていた。これは、10月に行われたペンギンアップデートのドミノ効果であることが分かった。一部の専門家はペンギンは継続的なアップデートに移行しているのではないかと推測し、この推測は12月に入って 確認されることとなった。

マット・カッツは休暇中

12月: Google ニュースがスペインを去る

スペインで新たな法案が可決され、検索結果に、たとえ一部であったとしても新聞の記事を表示する場合、検索エンジンは料金を支払わなければならなくなった。Googleはこの法律に従うことを拒んでいるため、Google ニュースはスペインから姿を消す

また12月、Googleが、モバイルフレンドリーなウェブサイトを優遇するため、新たなステップを踏むことが明らかになった — 国内外の検索結果に「スマホ対応」が表示されるようになる:

モバイルに力を入れ、同じことをするウェブサイトを優遇するトレンドは1年を通じて続いたことになる。

今回の総括を楽しんでもらえたら他に何も言うことはない。ただし、万が一、メジャーなトレンドを見逃していたら、コメント欄で気軽に指摘してもらいたい。


この記事は、Distilledに掲載された「The Year in Search | A Round Up of 2014」を翻訳した内容です。

改めて去年の動向を振り返られる、大変わかりやすいまとめ記事でした。一読して今年につなげたい。 — SEO Japan

2010年代におけるGoogleの進化とSEO衰退の歴史まとめ

ペンギン・パンダ等のアルゴリズムの進化、そして手動の取締り強化により、SEOを巡る状況は英語圏のみならず日本でも大きく変わりました。今回はそんなGoogleの進化とそれに伴うSEOの衰退を整理してまとめてくれた記事をサーチエンジンランドから。もちろんSEOの概念や必要性がなくなることはないでしょうが、専門職としての役割と需要は、Googleの進化と共に減ってきているのは紛れもない事実と思います。業界関係者には是非読んでほしい内容。 — SEO Japan

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SEO業界は2010年以来劇的な変化に直面しているが、今度どのように進歩するのだろうか?

賢くなったGoogle

Googleは常に賢いサービスであった。立ち上げられたばかりの頃、ページランクアルゴリズムによって、Googleは検索業界を一変させた。あまりにも革命的であったため、今となっては誰も覚えていないその他諸々の検索エンジンを次々と葬っていった。カフェインが導入される前の、初期のGoogleも賢く、2010年以降に登場するGoogleの前任者としては申し分のない製品であった。

過去を振り返ると、Googleの品質保証、つまり検索エンジンの結果ページ(SERP)を保護する取り組みは力に頼っていた。相互リンク、有料テキストリンク、アーティクルリポジトリのリンク等、迷惑なリンクを特定して、ウェブスパムを識別し、対処するプログラムを書くのが常套手段であった。インフラに対するビッグダディアップデートが行われる前は、特にこの傾向が強かった。

インデックスのインフラを対象としたカフェインアップデートが2010年に導入された際、マイリー・オイェはウェブマスターセントラルで「ウェブ全体が拡大、そして、進化を続けており、カフェインを投入することでGoogleも共に進化することが可能になる」と話していた。この言葉は嘘ではなかった。カフェインが導入されると、Googleは好みのサイトをより正確に特定することが可能になった。

例えば、Googleは、上位にランクインしているコンテンツを書き直し、反復するのではなく、新しい情報、アイデア、あるいは、考えを当該のトピックに与えるコンテンツを求めている。

確かに、Googleはさらにパワフルな武器も導入している(パンダやペンギン等)。しかし、現在のGoogleはより知的な行動を取る気がする。ページランクアルゴリズムとパトロールが強化されただけではない。

初期のGoogleに話を戻す。10年以上前のGoogleと同じく、SEOコミュニティもまた賢かった。相関関係を誰かが発見するずっと前に、SEOコミュニティは重要なランキングファクターを特定することに成功していた。

SEOコミュニティはGoogleの裏をかくこともあった。SEO業者に欠けていたのは、知識、あるいは、知識だと思っていたモノを体系化するプロセッサとストレージだけであった。

その後、ムーアの法則が追いつき、クラウドが登場した。MajesticとMoz等の会社がウェブの広範囲をクロールするようになり、ベールを取り払い、Googleの隠し味の多くを明らかにする取り組みを始めた。

SEOの知識がピークに達したのは、カフェインが導入された時期と一致すると主張する声もある。当時、Googleはあらゆる情報を公開していた。

しかし、現在、SEO業界はGoogleの発表に関して既に持っている知識を精査することに専念している。同時に、Googleは共有するデータの量を減らしている。

今年の10月、Googleは — 「利用を止めた」ではなく、– ページランクに別れを告げると言った。また、Googleはキーワードの分析機能を取り上げ、さらに、キーワードツールのレベルを低下させた。知識と影響の比率において、2010年と現在を比べると、現在、SEOに対する知識の量は低下している可能性がある。

それでは、カフェイン導入後5年目に差し掛かろうとしている現在、SEOはどこに向かおうとしているのだろうか?

SEOの終焉

SEOに関して、ウェブサイトのオーナーは次の3つのタイプのいずれかに当てはまる:

  1. SEOをマーケティングのチャンネルの一つと考える。このタイプの見解を持つサイトのオーナーは、トラフィックを増やす手段としてSEOを実施する。SEO目的で、コンテンツを作り、ページを最適化し、リンクを構築する。
  2. SEOのトラフィックを、SEO以外の取り組みを全て適切に実施した褒美と考える。キーワードを選び、コンテンツを最適化するものの、コンテンツ、ソーシャルメディア、そして、宣伝を活用し、エンゲージメントとアウェアネスを高める取り組みに力を入れる。このタイプの人達は、SEO以外のタスクを全て正しく実施すれば、結果として、自然なトラフィックが増えると考えている。
  3. SEOを実施しない。 このタイプのウェブサイトのオーナーは認める認めないに関わらず、我流を貫く。デザイン、アーキテクチャ、そして、サイト上のコンテンツにSEOのベストプラクティスを反映されることはない。SEOが結果的に効果を発揮することを望むものの、その準備を行わない人達もこのグループに属する。

様々な理由で3つ目のタイプの見解を持つサイトのオーナーが増えつつある。最新のHTML5/CSS3/JavaScriptのデザインに夢中になり、何も変えたくない人もいれば、単純に諦め、豊富な資金を持つブランドとは勝負にならないと考えている人もいる。

大勢のSEOの関係者がこの業界を去りつつある。コンテンツマーケッターに転身した人もいれば、インバウンドマーケッターに転身した人もいる。このタイプに当てはまる場合、今でもSEOを仕事の一環として行っているが、仕事の範囲を拡大している。SEOのみでは、あまりにも仕事が限定されてしまうためだ。

SEOのみを生業とする業者は今でも存在するが、業界全体としては撤退する傾向が見られる。

Googleが有名な企業に大きなアドバンテージを与えるため、中小規模のビジネスは苦戦を強いられるようになり、とりわけ国内のみで営業する小さな会社は大きな規模のライバルに対して闘志を燃やすようになった。スタートアップ、そして、大企業レベルであっても、SEOをその他の部門に組み込む動きが進んでいる。

SEO専門の業者は確実に実在するものの、雇用の機会は減少を続けている。現在、SEO専門のエキスパートはエージェンシーか個人か企業社内のポジションに限られる。

ページランクの終焉

ページランクのアップデートを終了すると言うGoogleの発表は、少し拍子抜けした感が否めなかった。この発表を行うまでに、なぜこんなに時間がかかってしまったのだろうか?それよりも重要なことhな、貴重な情報がまた一つ取り上げられてしまったことだ。

Googleはアドワーズのキーワードツールを没収した。アナリティクスでは(随分前の話だが)キーワードのリファラー情報の提供を停止した。Googleはウェブマスターツールを気が向いたら強化しているものの、重要なアップデートを頻繁に行う必要のある本格的なソフトウェアプロジェクトのようには扱っていない。

現在、Googleの利益に貢献しない取り組み、あるいは、PCCの投資を減らす取り組みは、全て粛清の対象になってしまう気がする。

オーサーシップが思ったような効果を発揮しなかったら、修正するのではなく、諦めた方が良い。Google+の+1が期待したほど指標としての役目を果たさなかったら、断念しよう。今後も、Googleは情報を隠す手段を次々に考案していくはずだ。

キーワードターゲティングの終焉

ハミングバード(および、エンティティの基本的な概念)のおかげで、1つのページに関連する全てのキーワードとそのバリエーションを詰め込む最適化の手法が編み出された。

この展開に行き着く前、SEOのエキスパートはキーワードごとにページを作る方針を採用していた。Googleはリスクの分散を認めなていない。うまくやれば、多数のキーワード、キーフレーズ、あるいは、バリエーションで上位にランクインすることが出来る。失敗すると、沈没する。

また、Googleは既に他の誰かが言ったことを繰り返すのではなく、新たな考えを提示せよと注文をつけている。 これは効果的なSEOコンテンツを作る上で、大きな障害を作り出している。多くのページを1つのページにまとめ、オリジナルのテキストではなく、オリジナルの考えを詰め込まなければならないのだ。

ちなみに、SEOエージェンシーに勤めている/経営している方に言っておくことがある。今なら、ハミングバード以前のコンテンツをエンティティに変えるタスクを、製品として提供することが出来る。パンダから復帰させるサービスと組み合わせると良い。ただし、上位にランクインし、多くのトラフィックを獲得しているウェブサイトを台無しにすることがないように注意してもらいたい。

リンク構築の終焉

リンク構築は今まで以上に重要になったのだろうか?それとも、息絶えたのだろうか?Googleは有料のリンクを無視、または、罰っし、その一方で、無料のリンクを評価する方法を見出したようだ(ペンギンさんの登場)。

トッド・マイコートが作成したリンクベイト講座を読み直してもらいたい(その際は、フレーズ「リンクベイト」を無視しよう)。

Googleはウェブサイトのオーナーに対して、オーディエンスを獲得し、リンクとソーシャルメディアのシェアでオーディエンスから見返りを与えてもらうシステムを提案している。コンテンツがオーディエンスのアクティビティ、または、会話を促さないなら、リンクを得ることは出来ない。

そのため、ブログでのコメントやソーシャルメディアでのシェア等の指標に注目する必要がある。ただし、全ての記事、投稿、または、ページがバイラル化するわけではない。10本のうち2本がリンクをもたらしているなら、高く評価するべきだ。3本リンクを獲得したなら表彰状ものだ。

リンク構築のプロ — と言ってもウェブサイトの管理者に勧誘電話をかける人達ではなく、戦略的にリンクを構築することが可能な有能な人達 — つまり、お互いに助け合うグループをまとめることが出来るネットワーカーには、生き残る道がまだあると私は考えている。

個々のグループは大きな影響力を持たないかもしれないが、雪だるま式に膨らんでいくと、読者やフォロワーはコメントを残したくなり、シェアしたくなり、そして、リンクを張りたくなる。

最高のネットワークは最高のコンテンツに勝つ。インフルエンサーの仲間で構成されたソーシャルネットワークに属するインフルエンサーこそが、最高のリンクビルダーになれる。

マット・カッツの終焉

…と言っても、マット・カッツがもうすぐあの世に旅立つわけではない。十分に値する休養を終えた後、ミスター Googleとして、SEOコミュニティ専門の広報として、復活を遂げるだろう。期待しているが、復帰する確率は50%程度だと私は見ている。

マット・カッツが提供する情報は、GoogleのエンタープライズのPPCアドバイザーが提供する情報よりも、非エンタープライズのサイトを助けてくれる。そもそも、ウェブが若く、流動的であった時代と比べると、小さな事業を大規模な広告スポンサーに成長させることは難しくなっており、Googleには、公式の発表とアップデートを提供する以外にSEOを助けるインセンティブが存在しない。

また、個人、エージェンシー、そして、スモールビジネスのSEO担当者は、大企業のSEO担当者よりも鋭い質問、または、不満を投げ掛ける傾向がある。従って、雲隠れすることで、気まずい雰囲気を作らずに済む。

そもそも、Googleは質問に答える必要はあるのだろうか?Googleのエキスパートがこの役目を果たしている。Mozu等の会社は、そのツールと調査を駆使して、SEOに関してGoogleが今まで提供した情報よりも多くのデータと答えを提供している。

Googleの他の従業員もネット上で質問に答えているものの、Moz等のサービスは随分前からこの取り組みを行ってきた。事実、マット・カッツの穴を埋めるほどの働きをしている従業員はいない。アダム・ラスニクがウェブマスター Q&Aの動画を撮影している姿を見たことがない。Googleのエンジニアによる講演の機会が減る可能性は十二分にある。

最後に

質問は多いが、まともな回答はほとんど得られない。2020年にはGoogleはページランク、そして、リンクベースの検索エンジンから、オーソリティよりもクオリティを優先する検索エンジンへと姿を変えているのではないだろうか。

しかし、Googleのブランド贔屓が直ることはないだろう。つまり、大きな企業は今後もSERPで幅を利かせ、小さなビジネスが上位にランクインするのはますます難しくなっていく。大半のSEOの関係者はこの業界から足を洗い、ウェブディベロッパー、デザイナー、そして、コピーライターのスキルの一つに成り下がる可能性が高い。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「The Decade Is Half-Over: Where SEO Has Been & Where It’s Going」を翻訳した内容です。

SEOの衰退を断定的に言い切ってしまっていることには、反論を持つ方もいるかもしれませんが、SEO業界(SEOに専門に携わる人または会社、また彼らによるビジネス)全体の市場は一時に比べ確実に下がってきているのは間違いないでしょう。いわゆるわかりやすいスパム業者が事業撤退せざるえないのは仕方ないとしても、コーディングやキーワードリサーチ等のテクニカルな専門知識も、以前と比べ求められる専門性はより薄くなっていると思います。重要でない、という意味ではなく、通常のウェブデザイナーやコンテンツマーケッターが考慮すべき基本要素の一つに過ぎないというか。

もちろん、特殊ケースに対応できる職人的技や、検索経由のトラフィック獲得に注力したウェブマーケッターという意味でSEO専門職のニーズはあり続けると思いますが、それなりのレベルに達していなければ、これまでのようなビジネスを続けることは相当難しいのではないでしょうか。

私自身も昨年から新規サイトを幾つか立ち上げていますが実質やっていることの大半はコンテンツマーケティングですし、結果として従来のテクニック寄りのSEO以上に検索経由のトラフィックを伸ばせています(それ以上にソーシャル経由のトラフィックが多かったりもしますが)。もちろんベースにSEOの知識があることでコンテンツの価値を最大限活かせていると思いますが、コンテンツマーケティングやソーシャルメディアと切り離された「従来のSEO」は、既にその価値をほぼ失っているのでは、と思う最近です。SEO業者の代表がこんなことをいっていいのか、とも思いつつも汗、覚悟を決めて今年SEOに取り組んでいきたいと思う私です。 — SEO Japan

Google TVのデベロッパサポートを終了してGoogleはAndroid TVへ全面移行

Google TVのずるずる引きずったさよならもやっと終わりに到達し、今日(米国時間1/6)Googleは、その後継者であるAndroid TVのローンチを機にGTVのサポートを終了する、と発表した

Googleは声明文の中で、既存のGoogle TVデバイスとアプリは今後も動作するが、Google TVデバイスのごく一部はAndroid TVにアップグレードされ、そのほかの多くのGoogle TVデバイスは新たなプラットホームをサポートしない、と言っている。この春にはSonyとSharpとPhilipsからAndroid TV内蔵のテレビが発売されるので、それを買ってください、ということだ。

Google TVのデベロッパリソースはもはや提供されないが、Googleは、Android TVとChromeCast対応機への移行はきわめて容易である、とゴリ押し的に言っている。

Google TVがローンチしたのは2010年だが、ユーザ数は一貫して少なかった。その理由の一端としてHulu Plusなどのストリーミング屋さんが、テレビの独自の有料ストリーミングサービスに固執したことが挙げられる。Android TVもその成功を左右するのはデベロッパたちからの支持と、十分な数のOEMが存在することだが、ストリーミングビデオアプリを内蔵、ゲームをサポート、Google Playのいろんな(有料/無料)コンテンツへのアクセスなど、GTVになかった魅力もいくつかある

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


中国におけるGmailアクセス不能がサードパーティ経由にも拡大

中国では今年、GmailなどGoogleのサービスを使うことがますます難しくなってきた。今では、迂回路を提供していたサードパーティのサービスからもGmailにはアクセスできなくなっている。

これまではApple MailやMicrosoft OutlookなどPOPやSMAP、IMAPを使っているサービスからメッセージをダウンロードできた。しかし今では、これらのサーバも中国の万里の火城(Great Firewall)がブロックしてしまったようだ。これで、中国のユーザがGmailにアクセスするための残された方法はVPNサービスの利用のみとなった。

Google自身のTransparency Reportによると、金曜日(米国時間12/26)以降、中国からのGmailのトラフィックは急落している。Googleのアジア担当スポークスパーソンは、“調べたが弊社に落ち度はない”、と言っている。

GoogleはGoogle.cnを2006年に立ち上げてからずっと検閲されてきたが、最近ではさらに締め付けが厳しくなってきた。天安門広場の大虐殺から25周年となる6月には、Google+、Gchat、Gmail、Google Calendar、Google Driveなどがすべてブロックされた

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、歌詞検索の結果ページトップにて歌詞の直接表示を開始

Googleが検索結果ページに歌詞の表示を開始したようだ。曲名に「lyrics」(歌詞)を加えて検索すると直ちに歌詞を確認できるようになったわけだ。azlyrics.comやsonglyrics.comなど、歌詞を登録していて高ランクを獲得しているサイトも多くあるわけだが、そうしたサイトへの誘導件数を減らすことにもなるだろう。マイクロソフトのBingでもこの機能を先行して実現している。これはGoogleのナレッジグラフに対抗する機能を実装した際に実現したものだった。

Googleはナレッジグラフの導入にあわせて、検索結果ページのさらなる進化を試みている。Wikipedia、World CIA Factbook、Freebase、オンラインのイベント情報、さまざまなコマーシャルデータ、そして膨大なウェブ情報などからデータを収集して、効率的に情報を提供しようと試みているのだ。

検索結果に歌詞を直接表示する際、歌詞を表示するスニペットの下には「full lyrics」(歌詞の続きを見る)としてGoogle Playへのリンクが貼られている。Googleは検索でヒットするサードパーティーサイトを表示する前に、自社コンテンツのプロモーションをしていることになるわけだ。

Search Engine Roundtableというブログから、今回の新機能についての情報を得たのだが、そのブログはGoogle+の記事を情報源としている。Googleには本機能の公開についての詳細を尋ねているが、ホリデーシーズンでもあり、なかなか迅速なレスポンスは望みがたいところだ。

但し、数ヶ月前から本機能についてベータテストは行われていた。しかし公になったのはここ数日のことであると思う(Update:アメリカの利用者向けに先週から公開され始めたようだ)。

ちなみに、今のところは歌詞が表示されるのは一部の楽曲にとどまっている様子だ。有名曲や古典ともいえる曲についても歌詞が表示されないケースも多い。現在のところは限定的な歌詞データベースに基づいた運用がなされているのだろう。また、表示されない曲が多いことから考えるに、他サイトからの情報スクレーピングによる運用でないことも想像できる。

歌詞登録サイトはたいてい多くの広告が掲載されている。Googleの機能追加により簡単に歌詞検索ができるようになれば、業界にも大きなインパクトを与えることとなるだろう。これまではさまざまなSEOテクニックを駆使して検索画面での上位表示を成し遂げ、そして多くのトラフィックを取得して広告収入を得ていた。

Pandora、SoundHound、Shazamなどに歌詞をライセンス提供しているLyricFindのCEOであるDarryl Ballantyneは、「SEOテクニックに依存して稼いでいたトラフィックが大幅に減少することとなり、歌詞登録サイトは非常に大きな影響を受けるでしょう」と話している。「但し、単なる歌詞提供のみでなくコミュニティ機能などを提供しているところも多いのです。SongMeaningsやMetrolyricsなどはSEOテクニックのみでトラフィックを得ているわけではなく、これからも成長を続けていくのではないかと考えています」とのこと。

Goolgeが歌詞検索関連で動きを見せるのはこれが初めてのことではない。歌詞の紹介や注釈を行うRap Geniusがダークな「グロースハッキング」を行った際には、同サービスのランクを低下させたこともある。これは結局Rap Genius側の謝罪で幕を引くこととなった。こうした「ランクの低下措置」は、スパム的行為を行う他のサイトにも適用された様子だ。

Update:歌詞検索サービスについてGoogleのスポークスパーソンから返事があった(「天国への階段」の歌詞を使った洒落た回答だ)。

訳注:難解な歌詞ですので、原文のまま紹介いたします。

There’s a feeling you get when you turn to a song and you know that the words have two meanings. Well it’s whispered that now if you go search the tune, maybe Google will lead you to reason. Ooh, it makes you wonder…

訳注:訳者の環境では、歌詞検索の実装を確認できていません。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


Google、各国政府からのデータ要求件数を公表。削除要求は減少


Googleは半年に一度、過去1年間にどの国の政府がユーザーのデータを要求したかを、要求回数、削除要求したコンテンツ数等に分けて世界に公表している。

公開されるデータは12ヵ月前の数字なので、その価値はやや薄れる。リアルタイム情報がわかればもっと面白いのはもちろんだが、それでも数字は興味深い。2013年後半、Googleが受けたコンテンツ削除要求数は減少した。わずかな変化はそれ自身注目に値しないが、その理由は興味深い。

2013年前半の削除要求回数がやや減少していることに気付くだろう。これは、同期間中にトルコからの要求が急増し、その後減少したためである。一方ロシアからの要求は前回報告時より25%増加している。タイおよびイタリアからの要求も増えた。

もし各国の国内混乱と、その国あるいは国民からのデータ要求数を比較したグラフを作ったらどうなるだろう。私は、ほぼ直接の相関があることに少額賭けたい。

もっと興味深いのは、データ要求数が、混乱の先行指標になっているのか遅行指標なのかだ。果たして政府からの要求は、抗議行動等が起こるより前なのか後なのか?

Googleが来年公開する2014年のデータで、ロシアの数字が上昇することに賭ける人はいるかな?

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Google、独自デザインの「完全無人運転車」の実車プロトタイプの写真を発表

Googleはここ何年も自動運転車の開発を続けてきた。しかし最近までベースになるのは市販車両で、独自にゼロから車体を開発することはしていなかった。

しかし2014年の5月に、Googleは初の社内開発の車体のモックアップを公開した。今日(米国時間12/22)、その実車のプロトタイプの写真が公開された。

今年5月に発表されたモックアップ

下が今日発表された最終プロトタイプ。

ご覧の通り、実車はモックアップとほとんど同一だ。依然としてリチャード・スカーリーの児童書に出てきそうな印象だが、多少の改良も加えられている。たとえば、

  • ヘッドライトが装備された。これは必要だ。レーダーで周囲を認識する自動走行車はヘッドライトなしでも走れるかもしれないが、他の車が自動走行車を認識するにはライトが必要だ。
  • フロントグリルに赤い反射板のスポットが追加され、全体としてこの  絵文字っぽさが薄れた。.
  • 車の屋根のハードウェア(カメラ/レーダーが毎分数千回転して周囲を認識する)が小型化され、ケースの中に収められた(70年代のパトカーの回転警告灯そっくりだ)。

もちろんわれわれが完全自動運転者を利用できるようになるまでには長い時間がかかるだろう。自動駐車とか高速道路での自動追従走行とかはすでに実現しつつある。しかし自動車が独自の判断で混雑した町中を雨や雪、歩行者などをクリアしつつ走り抜けるためには超高精度の3Dスキャン、それを解釈するアルゴリズム、法制度の整備など山のようなハードルが待ち構えている。

Googleによればこの完全自動運転ミニカーはこのクリスマス休暇中にプライベート・テストコースを走り始め、2015年中に北カリフォルニアのどこかの路上でテストが開始されるという。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Google+はユーザが投稿したビデオを自動的に画質改良する、Facebookに対抗か?

ほぼ2年前からGoogleは、ユーザがGoogle+にアップロードした写真の画質を自動的に改良してきた。そして今日からは、ビデオに対しても同じことをする

ただし、自動的にではなくて、Googleが改良できると判断したビデオに関しては、ちょっと変えてみたいけど結果をプレビューするか、というバナーが出る。そのとき、‘改良’を断わってもよい。逆に、自分がアップロードするビデオはすべて自動的に‘改良’せよ、という指定もできる。それは、Auto Backupからのアップロードでもよい。

GoogleのエンジニアTim St. Clairが今日ブログに書いているところによると、改良されるのはビデオの画質の、ライティング、色、安定性などだ。もうすぐ、ビデオの音声も改良の対象になる。

この新機能はMacとWindowsとChromeOS上のGoogle+で使える。’More’メニューの中や、Google+のPhotoアプリからだ。

ユーザが‘改良する’を選ぶと、オリジナルと、改良結果のプレビューが横並びで表示される。解像度が240pと粗いので、ちょっと見づらいが、ビデオの編集という重い処理をやりながらプレビューをユーザに高速で見せるためには、これしかなかったのだろう。

ぼくの場合は、Googleに‘こいつは改良したい!’と目をつけられたビデオはまだないのだけど、ここ数か月でGoogle+にアップロードしたビデオを試しに改良させてみた。たしかに、[施術前]と[施術後]の違いははっきり分かる。

ふつうの人たちはGoogle+のソーシャルネットワークとしての成功を疑うが、でもここで話題にしているGoogle+ Photosだけは、明らかに、おもしろくて革新的なサービスだ。

スマートフォンでビデオを撮る人はとても増えているから、Googleが写真用やあるいはYouTubeで開発した技術を、これらのプライベートなビデオに適用するのは良いことだ。YouTubeのユーザにはすでにそういう機能を提供しているのだから、Google+ Photoとのあいだに機能の重複があるのはやむを得ない。でも、YouTubeには”auto-fix”オプションはあるけど、Google+ Photoのような、ユーザの事前承認を求めるUIはない。またYouTubeにはコントラストや色調などを手作業で変えるツールがあるが、Google+の方にはない。

Googleの今日(米国時間12/19)の発表は、Facebookがやはり、ユーザがアップロードした画像の自動改良を発表してからわずか数日後だ。偶然そうだったにすぎないのかもしれないけど、何か勘ぐりたくなるね。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、2015年は監視法改革の重大な年になると宣言


来年は監視法改革にとって重大な時になる、とGoogleは考えている。その意気込みは、同社がTake Action[行動を起こそう]ハブに特設ページを作り、「インターネットを全員にとってより安全にするため」の嘆願書的なものへの署名を呼びかけているほどだ。

なぜGoogleは、2015年が重大な年になると思っているのか? 同社は、「2015年6月、米国愛国者法の重要部分が失効する時、私たちはアメリカを大規模な監視から守る大きなチャンスを迎えます」と宣言している。これは真実だ。Googleは、「私たちは来たる年に行動を起こすべく準備しておく必要があります」と続ける。

現在米国政府による監視の一部を支える、愛国者法の重要部分が失効することは、政治的に大きなニュースだ。Googleをはじめとする大型IT企業は、コミュニティーの組織化とロビー活動の両面で何らかの行動を起こすだろう。

Googleの政治活動支出は、ここ数年で急増しており、一団体当たり金額で国内最高になった。この出費の増加はもちろん、ITの政治進出と政治のIT進出という名目と、ぴったり一致している。

Googleは、現在までに何人分の署名が集まってるかという質問に回答していない。Googleは、同社のTake Actionキャンペーンには300万人以上のメンバーがいると言っている。

もし2015年が本当に監視法改革の年になれば、少々失望をもたらした2014年を越えることができる。米国愛国者法は、NSA改革の一歩になると見られていたが、上院を通過することができず年内改革の望みは断たれた。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


ペンギンアップデート3.0は上位サイトを華麗にスルー

事前の話題の割に全く盛り上がらなかったペンギンアップデート3.0ですが、それなりに変化はその盛り上がらな度が実際の結果で理解できるような記事を。検索順位のリアルデータを元に、今回のアップデートの順位変動の度合いを分析し、そこから見えることを考えます。 — SEO Japan

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最新のペンギンアップデート3.0(日本語)が、広範囲にわたって展開されたのか、あるいは、限定的に展開されたに関して、何度も議論が行われてきた。この記事では、規模について結論を出すわけではないが、集めた情報を整理し、今後何が起きるのか推測していきたいと思う。

GoogleのアップデートはあくまでもGoogleに対するアップデートである。この点には満場一致で納得してもらえるはずだ。そして、私達の知る限り、ペンギン 3.0は英語のクエリの1%以下に影響を与えている。SEOに関してはお馴染みのことだが、自分達が持っている情報を用いて、自力で謎を解明していかなければならない。

そのため、大きなアルゴリズムの変更が行われる度に、出来るだけ多くの情報を集め、その後、データをつなぎあわせて、何が起きたのか、そして、次に何が起きるのかを理解する試みを行うことになる。

弊社、AWRはGoogle アルゴリズム変更ツールの開発に伴い、アルゴリズムの変更の影響を独自で調査している。
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私達が集めたデータによると、ペンギン 3.0によって、ランキングに大きな変化が生じていたようだ。とりわけ、10月18日と10月19日の変化は激しかった。総合的に見ると、ランキングの変化の規模は4.4に該当する。

ちなみに、今まで最も大きなランキングの変更の規模は5.6であり、 ランキングシグナル — HTTPS/SSLアップデートが行われた最中であった。

チャートの説明: Ranking Changes Factor(ランキング変化の要因)は、弊社のデータで判明した変化を基に算出された値である。このデータには、様々な業界にまたがる1万点のキーワード、そして、50万本のURLが含まれる。 また、データは毎日アップデートされており、変更の激しさを表している。

Overall(総合)セクションは、弊社独自のアルゴリズムを用いて導き出されるRanking Change Factorを表示する。Top 10-50のセクションは、(以前の日時と比べて)ランキングが変わったウェブサイトの数と%(ウェブサイトの総数と影響を受けたウェブサイトの数の比率)を表す。

インパクトを受けるウェブサイトが多ければ多いほど、アルゴリズムのアップデートの重要度は高いと言える。チャート内の青い線は弊社が計測する全てのウェブサイトの自然なSERPのビジビリティを表しており、サイトのランキングがアップすると上がり、ランキングが落ちると下降する。

ペンギン 3.0、低いランキングのウェブサイトを攻撃

Ranking Change Factorの計算に加え、私達は検索結果の範囲におけるインパクトに注目した。その結果、今回のアップデートは、とりわけ、SERPの2ページ目以降のサイトを狙っていることが判明した。

1ページ目に掲載された10サイトのうち、ランキングが5つ以上変動したサイトは1サイトのみであった(スクリーンショット 1)。しかし、範囲を広げて50位までの結果を盛り込んだところ、影響を受けたサイトの%は大幅に高くなり、36.2%に達することが分かった(スクリーンショット 2)。

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ペンギン 3.0はSERPにおいて劇的な変化を多数起こしたわけではない。データを見る限り、10位以内のページで10以上ランキングを下げたページは1ページにも満たない(7.7%):

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この数値が高かったら、激震が走っていたはずだ。10位以内のサイトが10以上ランキングを落とすと一大事だが、ランキングの低いサイトは変動しやすい。

国によって異なるペンギンの動き

ペンギンアップデートは全世界に展開されているため、世界の言語および地域がこのアップデートのインパクトを受けている。しかし、ペンギン 3.0に関しては、アメリカ国内と国外では動きが異なることが明らかになっている。

Google.com(アメリカ)ではペンギン 3.0の影響はアップデート直後の10月18日に現れていたが、その他の国にこのアップデートが展開されたのは少し時間が経ってからであった。例えば、Google UKでは影響が表面化したのは10月20日に入ってからだ:

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Google Germanyでは、ペンギン 3.0は検索結果に大きなインパクトを与えていない:

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現時点では、実験段階であり、数ヵ国のデータしか処理していない。しかし、これは調査を行う上で面白い方向性であり、また、Google.com(アメリカ)以外を利用するサイトのオーナーにとって、ランキングの変動時の目安として参考にするには、うってつけのデータだと言える。

結論

ペンギン 3.0がサイトに与える影響は、ランキング、そして、SERP上のライバル(そして、その他の多くの未知の要因)に左右される。

Googleの動きに注意していなければ、何が起きたのかを理解することは出来ない。弊社は常にGoogleの動向に注目しており、何か変わったことがあれば報告する。

最後に、コメント欄、そして、Twitter(Google Algorithm Changesに#gacを利用している)を介して意見を聞かせてもらいたい。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「How Google’s Penguin 3.0 Is Playing Out Across The Web」を翻訳した内容です。

米国中心だったのはともかく、順位が高いサイトへの影響が少ないとなれば、盛り上がりませんよね。。。アルゴリズムの多様化とテクニックに頼るSEOの衰退で、Googleのアップデートに一喜一憂する必要自体がそもそも必要なくなってきていますが、それを象徴するような出来事だったかもしれません。 — SEO Japan

Googleがプライバシーポリシーをユーザに無断で統一したとしてオランダ政府が$15Mの罰金刑

オランダ政府のデータ保護当局がGoogleに対して、同国のデータ保護法に従ってそのプライバシーに関するポリシーを2015年2月末までに改めなければ、最大1500万ドルの罰金を課す、と通告した。

Googleは2012年の1月に、同社の60あまりのプロダクトのプライバシーポリシーを統一する、と決定した。それは主に、ターゲティング広告のためのユーザ情報を集めやすくするためだったが、早速10月にはEUの当局がそれを批判し、次いでフランスのデータ保護監視機関が噛み付いた。これらに続いてヨーロッパの6か国のデータ保護機関が個別に調査を開始し、その一つであるオランダは昨年4月に、Googleの個人データの扱いに関する調査に着手した。

オランダのデータ保護当局CBPは、Googleに対してしびれを切らしたらしい。今週初めに発表した声明文でCBPは、Googleは複数のプロダクトにの複数のプライバシーポリシーを統一するにあたって、ユーザからの明確な同意を得るべきだ、と述べている。つまり、プライバシーポリシーに関する一般的な同意…[同意する]ボタン…ではだめで、明確な許可画面を要する、とCBPは主張する。

Googleはまた、どんな個人データをどのサービスから取得して、何の目的のために使っているか、という情報を、プライバシーポリシーの中で明確かつ一貫性のある形で開示すべきだ、とも言っている。

CBPはさらに、YouTubeがGoogleのサービスであることをはっきりと明示せよ、と懸念を表明している。ただしこのオランダのデータ保護当局(CBP)は、Googleはこの点に関しては適切な行動をとった、とも述べている。

CBPのJacob Kohnstamm長官は、“Googleはわれわれの個人情報を目に見えない蜘蛛の巣で捉えているが、そのことをわれわれに告げることもなく、またわれわれの許可を求めてもいない。それは2012年以来行われており、われわれの忍耐をこれ以上試すことは許されない”、と述べている。

Googleは調査を開始した6か国(フランス、イタリア、ドイツ、スペイン、オランダ、イギリス))に書簡を送っている、とCBPは付け加えている。その書簡には、プライバシー保護に関するヨーロッパの法令をGoogleが遵守するための大量の方策が詳細に書かれている、とCBPは言っている。

しかしながら、CBPによれば、Googleが提案しているそれらの方策によって、プライバシーの侵犯が明らかになくなるとは、まだどこも判定していない。

オランダ政府からの罰金の脅しに対してGoogleのスポークスパーソンは、次のように述べている: “オランダのデータ保護当局からご指示を頂いたことは残念である。なぜならば弊社はすでに、彼らの懸念に対応して弊社のプライバシーポリシーに数多くの変更を加えているからである。しかし最近弊社は、ヨーロッパのプライバシー規制グループからさらなる変更のご提案を頂いている。近くこれらについてご説明申し上げたいと願っている”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleのエンド・ツー・エンド暗号化プラグイン開発、一歩前進―鍵サーバーはGoogleが運営

1年半ほど前、Googleは誰でも手軽にメールを暗号化できるよう、メール暗号化プラグインを開発中だと発表した。 そのツールのリリースが近づいてきたらしい。

まだ一般公開の段階には至っていないものの、今週、GoogleはEnd-to-End暗号化プラグインをGitHubに登録し、デベロッパーが実際に安全であるかテストできるようにした。またこのツールの仕組みについてもいくつか新しい情報が発表された。

メール暗号化というのは長い間頭痛のタネとなっている。公開鍵暗号自体はそう複雑なものではない(「公開鍵」というコンセプトは理解するのが最初は少し難しいかもしれないが)。 最大のハードルは、公開鍵暗号を技術的知識のない一般ユーザーが簡単に使えるようにする点にあった。現在利用可能なツールとしてはMailvelopeというChromeプラグインがいちばん使いやすいだろう。しかしそれでも公開鍵暗号の仕組みについて基本的な知識を必要とする。

End-to-Endプラグインはまだ開発途中だが、Googleの説明によると、「誰でも使える」ことをデザインの主眼としているらしい。たとえば暗号化キーのサーバーはGoogle自身が運営する。他のOpenPGPベースのシステムでは特定の暗号化キーが特定のユーザーに対応していることを保証するために web of trustという保証の連鎖を用いる方法を採用している。「この方法で暗号化キーの正統性を認証するにはユーザー側で相当の作業が必要になるうえ、一般ユーザーにはその概念の理解が難しい」とGoogleのEnd-to-Endチームはドキュメンテーション中で述べている。

これに対してGoogleはもっと中央集権的なアプローチを採る。ユーザーの公開鍵はGoogleのサーバー内に自動的に登録され、キー・ディレクトリとして公開される。あるEnd-to-Endユーザーが別のユーザーに暗号化メールを送りたい場合、システムはキー・ディレクトリをチェックし、正しい鍵を選んで暗号化する。鍵配布の正確なメカニズムについてはこちらを読んでもらうとして、重要な点は、Googleが鍵サーバーを運用することによって公開鍵システムの一般への普及を阻んできたハードルの非常に大きな部分が除去されるという点だ。

このEnd-to-EndプラグインはGmail以外のウェブアプリにも暗号化サービスを提供できるという。これは朗報だ。Gmailの暗号化専用ツールというにとどまらず、他のメールやサービス、たとえば各種のインスタント・メッセージも暗号化できるとなればその影響はきわめて大きい。Yahooはすでにこのプロジェクトに協力しているというので、他のメジャーなウェブメールやメッセージ・サービスのベンダーも加わるかもしれない。

Googleによれば、鍵配布とUIに関する問題点が完全に解決されるまではアルファ版の公開は行わないという。しかしいろいろな情報を総合すると、2015年にはなんらかの形でローンチが行われるものと期待してよさそうだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Gmailが、悪質な機能拡張からあなたの受信箱を守ってくれる


Gmailのような人気サービスは、必然的にハッカーの標的になる。数年来Googleは、他者のアクセスを防ぐためにHTTPS接続を必須にするなど、数多くのセキュリティー対策を施してきた。今日(米国時間12/16)同社は、クロスサイトスクリプティング攻撃や悪意あるブラウザープラグインによってユーザーの受信箱が荒らされ、データを盗まれることを防ぐために、コンテンツセキュリティーポリシー(CSP)をサポートしたことを発表した

Googleが実装したコンテンツセキュリティーポリシーは、ブラックリスト/ホワイトリストを使ってサイトが他サイトから不正なコードを読み込むことを防ぎ、クロスサイトスクリプティング攻撃を阻止する。HTTPヘッダーを利用して、信用できるサイトのコードのみを処理するようブラウザーに指示を与える。もしアタッカーがサイトを騙して別のコードを読み込ませようとすれば、エラーになるだけだ。

Googleによると、大部分のGmail用拡張機能はすでに対応済みのため、そのまま使えるはずだ。もし、ChromeやFirefoxでお気に入りの拡張機能が動かなくなった時は、最新バージョンにアップデートするようGoogleは薦めている。

現在Chrome、Forefox、およびSafariがCSPをサポートしている。MicrosoftのInternet Explorerは、CSPの旧バージョンを限定的にのみサポートしている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Googleディスプレイネットワークの進化に関する【2014年まとめ】

Googleといえば検索エンジン、そしてそれに付随する検索広告で伸びた会社というイメージがありますが、アドセンスやGDNにお世話になっている方も多いと思いますが、実はディスプレイ広告でも相当なシェアを持っているんですよね。特に2014年はその成長が加速化したということで、Googleのディスプレイ広告事情をまとめた記事を。 — SEO Japan

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2014年はAdWordsに数多くの変更が加えられた。当然だが、派手な機能には多くの注目が集まった。

しかし、ほとんど注目されなかった変更も多数行われている。その多くは、Google Display Network(Google ディスプレイネットワーク)のターゲティングに対するアップデートであり、規模が小さく、また、宣伝される機会も少なかった。

事実、今年、GDNに加えられた変更の中には「状況を一変させる」クラスの変更はない。しかし、すべての変更をじっくり検討していくと、大きな変化に気づく。2014年に入ってから、GDNは進化を続け、従来のディスプレイサービスが提供する機能(あるいは、わずかに異なる機能)のほとんどを提供する本格的なディスプレイ広告プラットフォームへと成長したのだ。

GDNは多数の機能を用意しており、リマーケティング以外にも顧客候補のユーザーに接触する強力な方法が生まれている。その一部はピンポイントでターゲットを絞り、検索レベルの精度で結果を出すことが出来る。その他の機能はトップファンネルに焦点を絞っており、認知を高める効果がある。

GDNで効果的にターゲティングを行うには、検索キャンペーンの方法と考え方を捨て去り、代わりにディスプレイメディアのバイヤーの考え方を受け入れる必要がある。

GDNはキーワードでもなければ、標準以下のプレースメントネットワークでもない。GDNは複数のタイプのターゲティング、動的な広告の作成機能、そして、リアルタイムのバイイングを行う能力を持ち、適切に使えば、アドエクスチェンジ、デマンドサイドプラットフォーム(DSP)として活躍する。

適切なターゲット、適切な広告、そして、最新のレポート & 最適化ツールを使えば、どんな広告主でも「検索タイプ」のパフォーマンスを実現することが可能だ。

ペルソナに焦点を絞る

ペルソナ(ユーザー属性)は従来型のディスプレイキャンペーンにおいて重要度が高い。ペルソナは、ユーザー層、そして、ターゲットの顧客を特定する行動の特徴によって構成される。Googleは以前からGDNにおいて年齢と性別のターゲティング機能を提供しているが、2014年に「子供の有無」(新たなユーザー層の重要な目安)が新たに加わった。

また、第三四半期にはユーザー属性のレポート機能がアップデートされ、より魅力的で、より見やすくなっただけでなく、年齢、性別、そして、子供の有無に関する総合的なスタッツが表示されるようになった。その結果、より効率良くターゲティングを行い、個人的なレベルでパフォーマンスを確認することが可能になった。

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[CLICK TO ENLARGE]

上のデータは、ユーザー属性ベースの結果を表しており、子供を持つ中年のユーザーはクリックしやすく、CPA(コストパーアクション)を下げることが判明している。最適化の観点で、誰が重要なペルソナなのかは分かるはずであり、その他のターゲット等を試すことを薦める。その際は、期待したパフォーマンスに満たないユーザー層のグループは大胆に見限り、満たすグループに力を入れるべきだ。

新たなオーディエンス & 行動ターゲティング

キーワード、トピック、そして、プレースメントターゲットを介したコンテクストベースのターゲティングは、今でも提供されているが、Googleは2014年に新たなタイプのオーディエンスターゲティングをリリースし、コンテキストベースのターゲティングから距離を置きつつある。

閲覧しているコンテンツのタイプに関わらず、話題のコンテンツを追い、売買を行う準備ができたオーディエンスが見てくれることを願うよりも、適切なユーザーにターゲットを絞る方が顧客に接触するアプローチとして遥かに有効だ。

今年の早い時期には「Search with Display Select」キャンペーンが展開され、そして、暮れが近づく中、今度はDisplay Select限定のターゲティングが導入された。このターゲティングは、キーワードによるコンテクスト主体のターゲティングに行動のシグナルを加え、パフォーマンスの結果が遥かに高い少数精鋭のオーディエンスをもたらす。

Googleは「その他」の曖昧なインタレストカテゴリのターゲティング(最初にGDNに導入された行動主体のターゲティング)を引退させようとしている。その代わりに、「カスタムアフィニティ」カテゴリと呼ばれる新しいターゲティングのタイプを加えた。

新たなオーディエンスに対して、キーワードを手動で自由に入力してモデルを作るか、あるいは、顧客が関心を持つ別のウェブサイトを使ってモデルを作ることが出来る。ヒント: 競合者のサイトを盛り込むと良い)

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すると、広告主の提案、そして、広告主が追い求めるGDNのオーディエンスをより細かく、そして、より柔軟に一致させることが可能になる。最低でも自分が求めるオーディエンスに「近い」カテゴリをGoogleが既に特定していることを願うのではなく、自分でターゲットの特徴を細かく決めることが出来るため、検索キャンペーンのような結果が得られる可能性が高い。

今年の前半に投入されたアフィニティオーディエンスは、最も範囲が広いターゲティングであり、広範なユーザーの行動をベースにしたトップレベルのカテゴリに該当する。

(他のカテゴリを重ねずに)アフィニティオーディエンスを個別で利用する場合は、通常、ある種の調査キャンペーンやアウェアネスキャンペーンを強化するために行われる。例えば、ハイテクが好きな人達にガジェットのことを知ってもらいたいなら、このターゲティングのタイプを利用すると良いだろう。しかし、直接的な反応に力を入れるなら、このターゲティングは適役とは言い難い。

ブロードキャスト(テレビとラジオ)広告に資金を投じている大企業の場合、アフィリエイトオーディエンスを使えば、同様の接触を可能にするだけでなく、遥かに優れた追跡およびパフォーマンスのスタッツを利用することが出来る。

また、同じく今年の早い時期に、「購買意向の強いユーザー層」も導入されていた。これは、検索広告のスポンサーが通常求めるファネル下部の意図を持つオーディエンスに当たる。 成功する確率がより高いGDNのターゲティングを利用したいなら、購買意向の強いユーザー層、そして、既存の類似ユーザーのオーディエンスは、検索キャンペーンと同様の働きをするので検討してもらいたい。

新しい広告のタイプ

ディスプレイ広告の成功は、美しく、高度な広告作品とメッセージに大きく依存する。検索テキスト広告では、通常、オファーを明確に伝え、コールトゥアクションにキーワードを反映させ、詰め込もうと試みる。しかし、残念な結果に終わることが多い。

ディスプレイにおいては、成功の鍵を握るのは広告そのものである。利用する広告は、広告において達成したい目標に左右される。今年、Googleは、広告の目標を達成するための、新たなタイプの広告ユニットを多数GDNに投入し、さらなる進歩を遂げていた。

今年に入って、フラッシュ、および、HTML5のディスプレイ広告を簡単に作ることが可能なディスプレイ広告ビルダーが改善された。高度な広告とは言い難いが、以前の広告ビルダーツールよりも遥かに魅力があり、柔軟性の面でも優れている。多少時間と労力を注ぎ、そして、オリジナルのコンテンツを加えれば、他のカスタムデザインのユニットに匹敵する底力を発揮してくれる。

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2014年、新たに「広告ギャラリー」も追加され、Googleが導入した複数の新しい広告のタイプに容易にアクセスし、作成することが可能になった — G+のプロモーション(ソーシャル)広告、エンゲージメント広告、フィードベースの動的な広告ユニット、動画広告。

さらに、12月10日には、広告ギャラリーにライトボックス広告を加えたとGoogleは告知していた。これは反応型の動的な形式の広告であり、YouTube、Google マップを含むソースからコンテンツを収集する。Google ショッピングのフィードとの統合も間もなく行われるようだ。

ビュースルーコンバージョン & リーチの測定

2014年はコンバージョンの要素にも多くのアップデートが行われていた。ディスプレイ広告に限定すると、ビュースルーコンバージョンの期間を管理することが出来るようになった点は最も重要度が高い。以前、ビュースルーコンバージョンは常に30日の期間で計測されていた。

直接的なクリックベースのアトリビューションを信条とする検索マーケッターの間では、ビュースルーコンバージョンの人気は低い。しかし、ディスプレイのマーケッターは、以前からビュースルーコンバージョンの良さを理解していた。ディスプレイキャンペーンで適切に用いれば、ビュースルーコンバージョンは役に立つ。

The Guardianに先日掲載された記事の中で、Unique Digital社のポール・マーズデン博士は次のように指摘している:

「バナー広告をクリックするよりも、雷が落ちる可能性の方が高い。バナー広告をクリックする確率は1/3333であり、雷に打たれる確率は1/3000である。」

マーズデン博士は、コンテンツの飽和に関しては、確かに的を射た指摘を行っている。ただし、これはディスプレイ広告にも当てはまる。アプリ内、あるいは、YouTube上でオーディエンスをターゲットにしているなら、「動画を視聴する時間」や「アプリを利用する時間」を中断したくないため、クリックしてもらえる確率はさらに低い。

ただし、広告に気づいてもらえなかった、もしくは、オファーに興味を持ってもらえていないわけではない。関心を持つユーザーは、別のタブを開き、直接、または、検索を介して興味を持ったオファーを確認する – その後、コンバートしたら、ビュースルーコンバージョンにカウントされる。

また、新しいGDNの広告ユニットの多くは、視覚的な情報を多く運び、スクリーン全体に拡大される — そのため、クリックせずに発生したコンバージョンに影響を与えていないとは言い難い。提供する広告のタイプ、そして、製品に対する検討期間を鑑みた際に、理にかなった期間を設定することが肝要である。

例えば、28日前にユーザーが見て、クリックしなかった靴下のバナーにセールスの原因を求めるのは無理がある。しかし、靴下に関する動的な広告ユニットをスクロールしたユーザーが翌日その靴下を購入したなら、当該のビュースルーに功績を認めるのは、大いに筋が通る。

リアルタイムビディング

検索マーケッターは、CPCに関して、入札をGoogleのアルゴリズムに任せるアプローチを怖がる。一方、ディスプレイマーケッターは、リアルタイムビディング(RTB)はディスプレイのパフォーマンスに大きな影響を与える点を心得ている。

認知を求める広告主に対して、今年、Googleはアクティブビュー CPMビディングをリリースした。このツールを用いると、広告主は見てもらえる可能性が最も高い広告スロットとインプレッションを追求し、CPMの投資が広告ビューを実際にもたらすことを裏付けられる。このビディングは新たなアクティブビューレポートのカラムによって支えられている。

パフォーマンスキャンペーンでは、CPA ビディングに頼るべきだ。コンバージョンオプティマイザーは今年新たに登場した機能ではないが、GDNキャンペーンの成功に大きく貢献するアップデートを行っている。

コンバージョンオプティマイザーを有効にするために、キャンペーンに15回のコンバージョンが必要とされていた時代があった。2014年の半ばを過ぎると、この制限は緩くなった。アカウント全体で十分なコンバージョンを獲得している場合、新しいキャンペーンを作成し、すぐにCPA ビディングを有効にすることが出来る。

そのカラクリを教えよう。Googleは、各ユーザー、そして、コンバートする確率を行動面において深く理解しており、同社にとって、適切なインプレッションを適切な人物に提示し、ターゲットのCPAをもたらすのは朝飯前なのだ。

GDNにとって2015年は飛躍の年になるのか?

2014年のGoogleの収益のうちGDNが占める割合はたった3割程度であった — そして、専門家の多くがこの3割の大半をリマーケティングキャンペーンが稼ぎ出していると指摘している。GDNはGoogleにとって収益を伸ばす大きなチャンスをもたらすため、同社が新しい、優れた機能に力を入れるのは当然である。

検索マーケッターは、検索の垣根を越え、ディスプレイマーケッターのように考え、ユーザーに接触し、成果を分析する上で異なる方法を受け入れることが出来るのだろうか?

その答えは時が経てば分かるはずだ。勇気を持って新しいGDNの機能を試すつもりなら、あと2つだけディスプレイマーケッターのアドバイスに目を通してもらいたい。

  1. 適切なフリークエンシーキャップはとても重要だ。AdWordsでは、インプレッションキャップと呼ばれ、キャンペーンの設定ページに用意されている。また、リーチとフリークエンシーをディメンションタブで、そして、リーチの統計値を各種のレポートのビューで確認しておきたいところだ。
  2. バーンピクセルを利用する。バーンピクセルとはAdWordsの業界用語であり、オーディエンスの除外を意味し、タイミングを見計らって、ターゲティングを中断し、広告やオーディエンスの疲労を回避する手法である。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「2014, The Year Google Display Network Grew Up: Will SEMs Embrace It?」を翻訳した内容です。

Facebookもしかりですが、ネット業界のトップランナーの進化は加速化していますね。既にGoogleの広告売上の1/3を占めていることも知りませんでしたが、それでも大半はりマーケティングなんですね。その壁を打ち破れれば、また企業のディスプレイ広告への投資が倍増しそうです。サーチに負けじと進化を続けるGoogleのディスプレイ広告事情でした。 — SEO Japan

Google検索2014年のトレンドワードのトップテン、合衆国と世界がほぼ同じ、なぜ?

毎年Googleは今ごろ、過去12か月でもっとも検索回数の多かった語/語句のトップテンリストを発表する。毎年ぼくは今ごろ、それらの語をリストを見る前に当てようとする。

今年は、半分当たった。あなたは、どうだった?。ここで名人のコツをお教えしよう。人びとは悲しい/おそろしいものを、何よりも多く検索するのだ。

Googleは今年、二つのリストを公表した。ひとつは合衆国の検索トレンド、もう一つは全世界の検索トレンドだ。ところが、この二つはほとんど同じで、わずかしか違わない。

合衆国で多かった検索:

  1. Robin Williams
  2. World Cup
  3. Ebola
  4. Malaysia Airlines
  5. Flappy Bird
  6. ALS Ice Bucket Challenge
  7. ISIS
  8. Ferguson
  9. Frozen
  10. Ukraine

グローバルに多かった検索:

  1. Robin Williams
  2. World Cup
  3. Ebola
  4. Malaysia Airlines
  5. ALS Ice Bucket Challenge
  6. Flappy Bird
  7. Conchita Wurst
  8. ISIS
  9. Frozen
  10. Sochi Olympics

この二つのリストは、びっくりするほど似ている。グローバルの方には、Conchita WurstとSochi Olympicsがあり、合衆国にはFergusonとUkraineがあることが、違ってる程度だ。

もひとつおもしろいのは、ここ数年必ず入っていたApple製品が、ないことだ。ちなみに、2010年はiPad、2011年はiPhone 5とiPad 3、2012年は再びiPad 3、2013年はiPhone 5Sが2位だった。

そしてまた、モバイルアプリ(Flappy Bird)がトップテン入りしたのは、今回が初めてだと思う。大成功したアプリであることは確かだけど、世界全体で検索の上位になるとは、いったい、どーゆーこと? でも、それが成功の鍵だったか? Googleによると、2048とFlappy Birdはどちらもワンマンプロジェクトなのに、これまででもっとも制作費を投じたゲームと言われるDestinyに勝った。

(注記: このリストは2013年と比較しての急上昇ワードであり、単なる最頻語/語句ではない。Googleによると、単なる最頻語/語句上位リストは、毎年あまり変わらない。)


日本2014年
各国2014年
(・参考: 日本2013年

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


スペイン新聞協会、Google Newsの閉鎖に悲鳴


インターネットは、まるで熱帯雨林の繊細な生態系のようだ。一人の演者を取り去ると、残り全員が苦しみ死に至る。先週、政府がGoogleに厳しい処置を取ったスペインでそれが起きた。スペイン政府は同社に対して、スペインのニュースコンテンツがサイトに現れるたびに、ニュース提供者に支払いをすることを要求した。これに応じて検索巨人は当地でGoogle Newsを閉鎖したため、El Pais、La Vanguardiaを始めとする同国の主要新聞コンテンツは現在見ることができない。

ご想像の通り、これは悪いニュースだ。新聞業界は、外部の助けなしにインターネット時代を生き延びられると長年主張しているが、これは大きな間違いだ。ニュースサイトへのトラフィックの大部分が検索から来ていることを考えれば ― 「新しいレーザープリンター」から「ベティ・ホワイトは結婚しているか」まですべてがニュースソースの情報を返している ― スペインの新聞メディアが、リーチやビジター数でどれほどGoogleに依存しているかは容易に想像できる。

Spain Reportによると、スペイン新聞出版社協会は慈悲を請い始めている。

昨夜スペイン新聞出版社協会(AEDE)は声明を発表し、Google Newsは「単に市場で独占的立場を与えられたサービスが閉鎖しただけではない」と述べ、Googleの決定は「間違いなくスペイン市民に負の影響を与える」ことを認識している。

一方Googleは、今回の行動を次のように説明した。

この新たな法律はスペインの全出版社に対して、Google Newsのようなサービスが出版物のたとえわずか一部でも表示した時、望むと望まないとにかかわらず料金を徴収することを義務付けた。Google News自身は収益をもたらしていないため(当社は同サイトに一切広告を掲載していない)、この新しいアプローチを維持することは不可能である。このため誠に遺憾ながら、当社は12月16日(新法が発効される1月以前)をもってGoogle Newsからスペインの出版物を削除し、スペインにおけるGoogle Newsを閉鎖する。

要するに、スペインメディアのロビイストたちひは能力以上のことをやろうとしたわけだが、これは小銭を稼ぐよりずっと効率的な方法があることにメディア企業が気付くまで、何度でも繰り返されるだろう。それまでの間、善意の弁護士たちがメディア列車を脱線させるまで操縦し続けるのを見守るしかないだろう。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Google翻訳に新たに10の言語が加わる、ビルマ語やインドのローカル言語など

Googleの翻訳ツールは対応言語がコンスタントに増えているが、今回のアップデートではミャンマー(ビルマ)の公用語であるビルマ語と、インドの地方言語の一つであるマラヤーラム語が加わったことが重要だ。後者はインドの6つの古典言語の一つで、3800万人が使っている。

Googleは今、同社のサービスを人口の多いインドで普及しようと努力しているから、マラヤーラム語への対応もうなづける。

今月初めにGoogleは、Indian Language Internet Allianceを立ち上げ、各種サービスのヒンズー語対応と、ヒンズー語による音声検索に力を入れていく意思を示した。そのときGoogle Indiaの専務取締役Rajan Anandanが記者会見の席で、“5億人のインド人全員が2017年までにインターネットを利用できるようにするためには、インターネットを英語のできない人でもアクセスできるようにしなければならない”、と述べた。Googleが対応するインドの言語は、今後もっともっと増えていく予定だが、今日のマラヤーラム語のGoogle Translateへの参加は、その重要な一歩でもある。

インドの公用語はヒンズー語と英語だが、インド政府はそのほかに約20種の地方言語も認めている。しかし最近の調査によると、インド全国で話されている言語の数は780種類、内1万人以上が使っているのは122だそうだ。

Googleによると、インドのインターネットユーザは約2億人で、毎月500万ずつ増えている。だから数年後にはインドのインターネットユーザ数は合衆国よりも多くなる。インドで英語ができる人は2億人弱と言われているので、Googleがインド市場を重視するかぎり、いろんな言語への対応を目指さなければならない。

一方、ミャンマー(ビルマ)に関してはGoogleの執行会長Eric Schmidtが昨年同国を訪れたとき、言論の自由の重要性を訴え、政府はインターネットを規制するな、と述べた。“粗悪な言論は規制によっては解消しない。粗悪な言論を淘汰するものは、より多くの自由な言論である。より多くのコミュニケーションである。より多くの人びとの声である。指導的立場にある政治家は、つねに、国民が何を考えているかをよく知っていなければ、優れた政治家であることはできない”、と彼は檄を飛ばした。

Googleのサービスの中ではとくに、検索と翻訳と地図のアクセス性を良くしたい、とSchmidtはそのとき述べた。

Googleによると今回のアップデートでGoogle Translateの対応言語は90になり、新たに2億人がこのツールを利用できるようになった。また同社のブログ記事では、Google Translateの翻訳の精度は各言語の翻訳コミュニティ(Translate Community)のメンバー次第であり、翻訳を修正したり、複雑なフレーズを翻訳したりして、ツールのアルゴリズムの欠陥を補う、と言っている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google Play発「ベスト・オブ 2014」米国版

Googleがさまざまな分野における「2014年のベスト」を発表した。メディアコンテンツについては、Appleの発表したリストとさほど変わらないという傾向もあるようだ。

カテゴリーのトップには、大方が予想する通り「アナと雪の女王」、「ウォーキング・デッド」、そしてIggy Azaleanによる「Fancy」などが並ぶ。ただし、何をフィーチャーするのかといったエディトリアル側の判断に違いがあったアプリケーション分野では、当然ながら内容に違いが生まれている。

たとえばGoogle Playでの人気作品を見るとDuolingo(Apple Storeの方では昨年のリストに含まれていた)、Netflix、Facebook、およびMyFitness Palなどが挙がっている。

ちなみにGoogleによれば、「健康&フィットネス」が、最も成長したジャンルなのだとのこと。

ともかく、発表されたリストを掲載しておこう。関わった方々にはおめでとうを言いたい。

アプリケーション

2014年、カテゴリー毎最多ダウンロードアプリケーション
教育:Duolingo
健康&フィットネス:MyFitnessPal
音楽:Pandora
写真:Flipagram
ソーシャルネットワーク:Facebook
エンタテイメント:Netflix
スポーツ:NFL Mobile
旅行&地域:TripAdvisor

急成長カテゴリー
健康&フィットネス

ゲーム

2014年に最もダウンロードされたゲーム
キャンディークラッシュ
Don’t Tap The White Tile
ファームヒーロー
Subway Surfers
クラッシュ・オブ・クラン

達成アチーブメント数
35億アチーブメント

映画およびTV

ムービー・オブ・ザ・イヤー:アナと雪の女王
TVショー・オブ・ザ・イヤー:ウォーキング・デッド
カムバック映画:トイ・ストーリー
Google Playで最も検索された俳優:ロビン・ウィリアムズ

音楽

アルバム・オブ・ザ・イヤー:アナと雪の女王 オリジナル・サウンドトラック
ソング・オブ・ザ・イヤー:Dark Horse(Katy Perry)
ソング・オブ・ザ・サマー:Fancy(Iggy Azalea)
急成長ジャンルサウンドトラック(アナと雪の女王、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、怪盗グルーのミニオン危機一発、LEGO ムービー、および華麗なるギャツビーのサウンドトラックが貢献)

ニューススタンド

ニュースソース・オブ・ザ・イヤー:
The New York Times
TMZ
Forbes Now
The Verge
The Huffington Post
The Daily Beast
The Wall Street Journal
Gizmodo
Android Central

2014年に最も読まれた記事:
Flavorpill – 15 ’90s Teen Heartthrobs Who’ve Resurfaced on TV
Mental Floss – 50 More Awesome Facts (About Everything)
MarketWatch – 10 most miserable cities in America
Houzz – Bathroom Workbook: How Much Does a Bathroom Remodel Cost?
The Verge – The Verge Awards: the best of CES 2014

書籍

ブック・オブ・ザ・イヤー
さよならを待つふたりのために(The Fault in Our Stars)
フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ(Fifty Shades of Grey)
ダイバージェント 異端者(Divergent)
それでも夜は明ける(Twelve Years a Slave)
Insurgent(Insurgent)

原文へ

(翻訳:Maeda, H


Google+でもジェンダーの表現が自由になった…Facebookよりも大幅に自由

今日(米国時間12/10)はGoogleにとって忙しい日だった…Hangoutsの、Android Wearの、Cardboard VRの、Cultural Institute(文化サービス)のアップデート、などなど盛りだくさん*。そして今日これまで本誌の記事になってなかったのが、Google+の重要な変更、LGBTユーザのためのジェンダーアイデンティティ(性的自己同一性)オプションが、さらに多様になったのだ。〔*: 今日(米国時間12/10)の本家TechCrunchには、Google記事が9本もある。異様に多い。〕

Googleによると、これからはソーシャルネットワーク上で“ジェンダーアイデンティティを表現する方法や種類を制限しない”。独自の表現のためには、数日後に展開される’custom’オプションを使うとよい。…以上を9to5Googleが特ダネで報じている

最近導入されたFacebookのジェンダー証明オプションは、50あまりのオプションを提供しているが、Google+では好きな代名詞を何でも使ってよい。‘明言しない’(decline to state)というオプションもあり、自分のジェンダーを公表したくなければしなくてよい。

Googleは“いろんな人びとやグループからアドバイスを頂いた”と言っているが、もちろんそれらの人たちを挙名してはいない。

Googleは前からゲイの権利を積極的に支持しており、この夏のGay PRIDE祝賀会に参加した合衆国の多くのテク企業の一つだった。またYouTubeも、LGBTのコミュニティを強力に支援してきた

先週はGoogle+でポストをピンできるようになったし、今日のアップデートも予定通りだ。最近はGoogleの創立メンバからGoogle+をこっぴどく批判されたけれどね。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))