コンテキストで変化するGoogleの検索結果

先ほどのSEO by the Seaの記事が薄すぎたので今回は厚め&充実の記事を。常に進化を続けるGoogleの検索アルゴリズム、その最新の技術が垣間見える記事を。 — SEO Japan

検索エンジンを使って、情報を探す際、具体的なクエリから始め、得られた結果に応じて、利用するクエリを変えていくことが多い。どうやら、Googleは、この類の検索の行動に注目していたようだ。今月の上旬にGoogleに付与された特許によると、検索エンジンのユーザーがクエリのセッション中に利用するクエリを確認し、そのワードやフレーズに、より大きな重要度を認め、セッションの後半で加えられる用語の重要度を低く見積もる可能性がある。

この特許は、ハミングバードアップデートをもたらしたアルゴリズムの進化の一部を担っているのではないだろうか。

An old print from the 1880s showing a cat evolving into a catcher.

検索クエリのセッションの情報に注目し、その結果に応じて検索結果を変更するテクノロジーを取り上げた特許は、他にもある。 事実、私はこのサイトで2、3点の特許を取り上げたことがある。当該の特許を振り返ると、発明家が共通していることに私は気づいた — それはAshutosh GargとKedar Dhamdhereの二名だ。どちらも既にGoogleを退職しており、Ashutosh Gargは、現在、Bloomreachと呼ばれる会社に勤めており、また、一方のKedar DhamdhereのLinkedInにはFacebookで働いていると記載されている。

Googleが後続の関連する検索に対して検索結果を格下げする仕組み」の中で、私は「反復的な検索結果の降格」と題された特許を取り上げている。この特許は、「black coats」等のクエリで検索を行い、続いて「black jackets」等のクエリで検索を実施した場合、この2つのクエリの間で返された結果は、2つ目の用語に対するセッションでは、下位に引き下げられる可能性がある点を指摘している。なぜなら、当該の結果を確認したものの、初めて見た際にユーザーが注目しなかったと考えられるためだ。

一方、「Googleが検索結果のスニペットを変える理由」の中で、私は特許「セッションベースの動的な検索スニペット」を取り上げているが、この特許は、少し異なるアプローチを採用している。

同じ検索用語を使って、2件の同様の検索を実行し、同じ結果が表示されると、Googleは同じページを下位に引き下げる代わりに、新しい検索で用いられたワードに焦点を絞り、ページのスニペットを書き直すことがある。すると、ユーザーに選ばれるチャンスを当該のページに再び与えられることになる。ユーザーが実行したクエリ、そして、双方に関連するクエリを共に反映しているためだ。これは結果を単に降格するよりも、良い解決策のように私には思える。

1件目の特許は2007年に申請され、新たに付与された特許は2008年に申請されていた。最後に紹介した特許(セッション中に新たなクエリが浮かび上がると、Googleが同じ結果に対するスニペットを変更する手法)は、2007年に申請され、2011年に再び申請されていた。これは、Googleがこのような検索結果を処理する仕組みが、時間の経過と共に進化していることを物語っている。

それでは新たに付与された特許を紹介する:

コンテキストに応じた検索用語の評価
発明: Ashutosh Garg & Kedar Dhamdhere
付与先: Google
米国特許番号: 8,645,409
付与日: 2014年2月4日
申請日: 2008年4月2日

概要

コンテキストに応じた検索用語の評価が明らかにされる、機器、システム、そして、メソッド。進行中の検索クエリが、検索セッション中に受信される。すると、検索クエリの後続の部分の特定が行われ、クエリ内の後続の検索用語が特定される。続いて、後続の検索用語の検索用語の特質が調整される。

検索セッション

検索エンジンは、様々な方法で、検索セッションを追跡することが可能だが、通常は、特定のトピックを検索し、当該のトピックに関連する複数のクエリを実施した期間を参考にすることが多い。ユーザーは、複数のタスクを同時に行い、セッション中に関連しないクエリを検索する可能性もあるが、オリジナルのトピックに関連するクエリを再び検索する場合は、同じクエリのセッションと見なされることもあり得る。

クエリのセッション中に、ユーザーが何を検索しているのかに注目するこの概念は、類義語とセマンティック検索に関連する特許でも登場しており、Googleのハミングバードアップデートと大いに関係していると見られる。詳しくは「Googleがクエリセッション内の共起を基にクエリを変える仕組み」を参考にしてもらいたい。

断定クエリ

あるユーザーがGoogleで「Atlanta weather」を検索した際、検索結果自体は適切ではあるものの、ユーザーが求めていた結果を正確に提供しているわけではなかったとする。その結果、ユーザーは再びGoogleに戻り、今度は「Atlanta weather forecast」と入力して、求めている結果の範囲を狭めた。この特許は、一つ目のクエリを「断定クエリ」、そして、追加されたクエリを「後続クエリ」と呼んでいる。

また、この特許は、断定クエリの用語を、重要と見なし、一方の後続クエリの用語に対しては、重要度を低く見積もる — 場合によっては、後続クエリをオプション扱いすることもあると指摘している。

特許を何度か読んでいくうちに、このアプローチが、問題の解決に役立つとは私には思えなくなった。ユーザーが、「Atlanta weather forecast」で検索を始めた場合、「Atlanta weather」を検索し、その後、「Atlanta weather forecast」を検索した結果とは異なる結果を得るためだ。特許には、この仕組みを採用する理由が一つ挙げられている:

しかし、検索クエリに新たな検索用語を加えても、検索エンジンが、追加した検索用語に同等、もしくは、より大きな重みを加えている場合、ユーザー体験の強化にはつながらないと考えられる。

この特許は、検索エンジニアが、後続クエリに対して、低い価値を与える仕組みに関して、詳細な情報を提供しているものの、上述の根拠に対しては、補足されていない。

教訓

個人的には、同じワードを幾つか利用している可能性がある、2つの異なるクエリに対する検索エッションにおいて、同じページが検索セッション内に登場した際に、ページのスニペットを変更する仕組みを説明した特許のアプローチを気に入っている。

どちらのアプローチが、現在、Googleに採用されているのかを見極める術はない。LinkedInによると、Ashutosh Gargは、2008年にGoogleを去っている。Kedar DhamdhereがGoogleを退職したかどうかは分からないが、スニペットの変更に関する特許が米国特許商標局に正式に申請されたのは、2011年であり、アップデートされた特許に携わったのは、いずれか一名であった可能性がある — もしくは完全に別人によって作成されたと見ることも出来る。

いずれにせよ、検索セッションの情報は、Googleの複数の場所で利用されている確率が高いと言えるだろう。これは、長く、複雑で、ハミングバードアップデートで見られる音声のクエリを書き直すような技術であり、また、ナレッジパネルの結果が、記述されたエンティティに関する追加の情報を提供する際にも用いられていると考えられる — 例えば、エイブラハム・リンカーンの身長が、ナレッジパネルに含まれるものの、その他の大統領には身長がリストアップされていないケースを考えてみてもらいたい。

リンカーンを含むクエリと検索セッションの中で、リンカーン大統領の身長を尋ねるユーザーが大勢いる可能性が高い。

この新しい特許において、最も興味深いと感じたのは、特定の問題を解決するアルゴリズムが、時間の経過とともに進化し、変化していく経緯が示されている点である。Googleは、検索セッション中の同じようなクエリに対して、以前の当該のセッションのクエリに応じて、異なるアプローチを試していることは明白である。

指摘した2人の考案者が、この2点の特許に関わり、また、同じように思える問題に対して、異なるソリューションを試しているように見えるためだ。

Googleのハミングバードは、検索セッションで同一のユーザーの過去のクエリに頼るのではなく、代わりに、過去の検索クエリのセッション、そして、最初のクエリを書き直すために、ユーザーが見ていた対象の情報を利用する — つまり、もともとの検索で見たかった可能性のある検索結果を与える — 進化の一環である。


この記事は、SEO by the Seaに掲載された「Evolving Google Search Algorithms」を翻訳した内容です。

ユーザーの利用状況で検索結果の関連性や重要性が判断され、提供される情報が変わってくるのは、流石Googleという感じです。しかしこの調子でGoogleの進化が続けば、というか今でもですが、検索に置いて余りに圧倒的な存在になりどこも太刀打ちできない存在になりそうですね。単純にPCに座ってウェブ検索する時代はとっくの昔に過ぎ去っていますし、モバイルデバイスの普及で様々な場所、シーンで検索やレコメンデーションがされるようになってきた今日のGoogle。ただただスゴイと思うと同時にその圧倒的な存在感に若干の怖さも感じる私でした。 — SEO Japan [G+]

Googleのパンダの生みの親に付与された特許

SEO by the Seaの記事紹介が久々になってしまいました。Googleのパンダアップデートが動物のパンダではなく、実はGoogleで働くパンダ氏という名前のエンジニアが考えたアイデアがベースになっているという話は知られていますが、そのパンダ氏が最近取得したというパンダアップデートに関係してる感がある特許の説明を。 — SEO Japan

これまでGoogleが実施したアップデートの中で、特に影響力の強かったアップデートを考えると、パンダアップデートの名前がすぐに挙げられる。パンダアップデートは、2011年2月にリリースされ、検索結果の「12%」に影響を与えていた。Wiredのインタビュー(TED 2011: ファームを憎む「パンダ」: Googleの主席検索エンジニアにQ&A)の中で、Googleのアミット・シンガル氏とマット・カッツ氏は、このアップデートの名称が、アップデートの開発で重要な役割を担ったエンジニアに由来していると答えていた:

Wired.com: このアップデートのコードネームを教えてくれませんか?Search Engine Landのダニー・サリバン氏は、コンテンツファームを明らかにターゲットにしているため「ファーマー」アップデートと呼んでいました。

アミット・シンガル: 社内では、パンダと言う名のエンジニアにちなんで、このアップデートを名付けました。そのため、Googleではビッグパンダと呼んでいます。パンダは重要なスタッフの一人でした。このアップデートを可能にした画期的なアイデアを考案したのが、このエンジニアだったのです。

Googleには、パンダと言う名字を持つエンジニアが数人いる。そして、そのパンダと言う名のエンジニアが綴った作品を調べていくと、興味深い情報が導き出された。しかし、パンダアップデート自体との関連性は見出されなかった。以前、Googleのエンジニア、ナブネート・パンダ氏は、Google Plusのプロフィールページで、以下のメッセージを表示していた:

Navneet Panda includes the Panda Update in his "bragging rights."

Navneet Panda includes the Panda Update in his “bragging rights.”*

自慢する権利: 父親。質の低いコンテンツにペナルティを与えるGoogle パンダアップデートを作成した。

ご覧のようにナブネート・パンダは、パンダアップデートを「自慢する権利」の一つに認定している。

私はパンダ氏が関わるGoogleの特許をチェックしてきたが、その特許が本日Googleに付与された。

検索結果のランク付け
発明: ナブネート・パンダ、ウラディミール・オフィトセロヴ
付与先: Google
米国特許番号: 8,682,892
付与日: 2014年3月25日
申請日: 2012年9月28日

概要

検索結果のランク付けを行うためのメソッド、システム、そして、機器。コンピュータの記録媒体にエンコードされたコンピュータプログラムも含まれる。そのうちのメソッドを挙げていく:

  • 多数のリソースの各グループに対して、グループ内のリソースへの個別の着リンクの本数をそれぞれ特定する。
  • 多数のリソースの各グループに対して、言及するクエリの総数をそれぞれ特定する。
  • 多数のリソースの各グループに対して、それぞれのグループ固有の変更の要因を特定する。ここでは、グループ固有の変更の要因は、当該のグループへの個別のリンクの本数、そして、参照クエリの総数に応じて決まる。
  • 多数のリソースの各グループに対して、グループ固有の変更の要因を関連させる。当該のグループに対するグループ固有の変更の要因は、受け取った検索クエリに応じて、グループ内のリソースに生成された当初のスコアを変更する。

この特許で記述されているプロセスを掘り下げて説明し、その仕組みを理解するには、ある程度時間がかかるが、後ほど取り掛かるつもりだ。この特許の請求範囲と説明のセクションにざっと目を通すと、幾つか興味深い事実が浮かび上がってくる。これは、ナブネート・パンダ氏が初めて申請し、付与を受けた特許ではあるが、現在、特許庁によって審査を受けている他の特許が存在する可能性もある。

この特許は、ページに向けられたリンクの本数、ページを参照するクエリ、そして、クエリに対するナビゲーショナルなクエリとしてページにマッチする度合いを基にページを分類することで、ページのランク付けを行う手法を説明しているのだろう。

*ナブネート・パンダ氏は、この記事が投稿された後、Google Plusのプロフィールから、自分こそが「Google パンダアップデートの父であり、作者である」ことを主張するセクションを削除している。


この記事は、SEO by the Seaに掲載された「Google’s Panda Granted a Patent on Ranking Search Results」を翻訳した内容です。

詳細な説明はまた別の機会に、ということですが、最後のプロフィール削除の件が妙に怪しいですね。。。また続報します。 — SEO Japan [G+]

Nestの家庭用スモークアラーム、「手を振ってアラーム解除」機能の問題で発売一時停止

先ほどNest CEOのTony Fadellは、消費者向けに告知を行い、スモークアラーム製品、Protectの「手を振って解除」機能を無効にするよう奨励した。同社がテストしたところ、誤って解除され、警報が遅れる場合があることがわかった。

Nest Protectの発売も中止された。

同氏は利用者に対して、解除機能を当面停止することを推奨しており、正しく動作するよう機器をアップデートすることを約束した。なお、Nest ProtectがWiFi経由でインターネットに接続されている場合は、自動的に解除機能が無効になる。

修正が施されるまでの間、利用者はユニットのボタンを押すことでアラームを止めることができる。

「Nestでは、厳格なテストを定期的に行い当社製品を最高品質を保っている」とFadellは言う。「最近のNest Protectスモークアラームの実験室試験で、ある固有の条件が組み合わさった場合に、Nest Wave(手を振ることによってアラームを停止する機能)が意図せず有効になることがわかった」

Fadellによるとテストには2~3ヵ月必要で、その後アップデートを提供していく。

「この問題で迷惑をかけ大変申し訳ない。会社を挙げて各家庭に届けられたNest製品に責任を持ち、お客様に100%の満足と安全を与えることがわれわれの使命だ。Nestチーム全員と私はこの問題に全力を注ぎ、現在の当社製品を改善し続けていることにあらゆる手段を尽くしているをご理解いただきたい」

本件に関するFAQによると、Nestはこの問題をテスト中に発見したが、利用者からの報告は一件もない。ユニットがネット接続されていない場合に機能を無効にする手順も説明されている。

告知文には、Nest Protectを返品したい利用者には全額返金することも書かれている。Nest Wave機能がProtectユニット最大の宣伝文句だったことを思うと、何とも皮肉な結果である。

良い知らせは、デバイスの内蔵ソフトウェアはネット接続するように作られているため、ソフトウェア関連の問題はリモートアップデートできることだ。しかし最近、Nest Thermostatのソフトウェアアップデートが、一部ユニットのWiFiおよびバッテリーに問題を引き起こし、われわれの安全を守る環境システムを支えるソフトウェアの脆弱さが浮きぼりにされた。

Nest Protectは、Nest Thermostatに続く同社第2弾の製品だ。Nest社は、現金32億ドルでGoogleに買収される計画を1月に発表した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


やはりGoogleは仮想移動体通信事業(MVNO)への進出を準備しているらしい

The Informationの記事によると、Googleは無線キャリヤ事業を開始する準備をしているという。

記事によると、GoogleとVerizonの幹部がGoogleのMVNO(仮想移動体通信事業者)への進出計画について話し合ったという。

Googleが光インターネット回線事業を拡大し、独自のNexusブランドにますます力を入れている現在、携帯電話キャリヤ事業への進出を考えないとしたらその方が無責任というものだ。

2013年にGoogleはSprintとワイヤレス・キャリヤ・サービスの構築について話し合ったと伝えられている。今回、GoogleはVerizonあるいはT-Mobileの物理的設備を利用する考えのようだ。

GoogleがMVNOになるとすれば、最終的には大手キャリヤに挑戦するのが目標だろうが、Google Fiberプロジェクトと同様、当初は地域を限って小規模に開始されるものと思われる。Googleは経験を積みながらライバルを上回るサービスに育てていくことを選びそうだ。何はともあれGoogleにチャレンジ精神が欠けているというものは誰もいない。.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google 検索からのアクセス数が激減した時のチェックリスト

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最近、Google 検索からのアクセスが激減、全くのゼロになってしまう Web サイトがあるようです。何度か話題になっているのを目にしましたし、調べてみたら海外でもこの事例は発生しているようで活発な議論が交わされているよ…

Google、スヌーズボタンなど、Gmailの新機能をテスト中

大事なメールがやってきたとしよう。すべてを差し置いて処理しなければならないという緊急性はないが、ともかく返事はした方が良いというレベルの重要度だ。しかしそういうメールに直ちに対処できるとは限らない。「明日になってから処理しよう」と置いておくケースはよくあるはずだ。

だがメールは次々にやってきて、返信しようと思っていたメールは受信箱のずっと下の方に移動してしまう。目につかなくなってしまったメールのことをつい忘れてしまう。そんな経験は誰にでもあるのではないかと思う。

2013年1月にスタートして、先日Dropboxに買収されたMailboxが対処しようとしたものもこれだった。目覚ましにある「スヌーズ」風の機能を備えることで、指定したメールを再度受信箱のトップに表示するというものだった。

どうやら、Googleもこのスヌーズ機能に興味を示しているようなのだ。

Geek.comの記事によれば、GoogleはGmailにてスヌーズ機能を含む各種新機能をテスト中だとのことだ。

記事によると、スヌーズ以外にも次のような機能をテスト中だとのこと。

  • 現在の「ソーシャル」「プロモーション」「新着」などに加え「Travel」や「Purchase」(注文確認メールや請求金額通知などをまとめたもの)、そして「Finance」(銀行取引関連のもの)などのタブ
  • メールのピン止め機能。ピン止めを解除するまで、受信箱の一番上に表示され続けることとなる(上のスクリーンショットでも、メールの横に押しピンのアイコンが表示されている)。

目覚ましのスヌーズ同様、スヌーズボタンはいったん既読として処理して後にまた未読として表示されるようになる。ピン止めの方は起きるまでベルを鳴らし続けるようなものだと言えようか。頻繁に参照するメールなどをピン止めしておくという使い方も考えられる。

Mailboxが買収されたことからもわかるように、こうした機能は利用者にとって役立つものだ。役立つものであったからこそ、大手がMailbox類似の機能を実装し始めるのは時間の問題だったとも言えるのだろう。

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(翻訳:Maeda, H


グリーンピース、Amazonを叩き、Apple、Google、Facebookを賞賛(最新レポートによる)

環境監視団体のGreenpeaceは、世界の有力インターネット企業の環境成績に再び注目し、この 最新レポートによると、Apple、Facebook、およびGoogleが環境に優しい電力によるインターネットを率先しているのに対し、Amazon、具体的にはAWSが全員の足を引っ張っている。

AWSは、世界最大級の分散型ホスティングサービスだが、その二酸炭素排出量の詳細は、同社顧客にも一般にも公開されておらず、これがGreenpeaceのランク付けルールに抵触した。Amazonは同レポートで最も透明性の低い会社であるだけでなく、同団体の独自調査によると、わずか15%しかクリーンエネルギー源を使っていない。Greenpeaceは、エネルギー成績に関して同社はライバルから離される一方であると言っている。

成績上位者たちは、はるかに多くのクリーンエネルギー源を使い、石炭や原子力などの悪玉を避けることでGreenpeaceの点数を稼いでいる。Appleは、Greenpeaceによると、クリーンエネルギー源100%でiTunesとiCloudを運用している。その一部は同社の太陽光発電所から供給されており、米国の民間所有では最大の同発電所は、同社ノースカロライナ・データセンターも維持している。Facebookは全体の半分をクリーンエネルギー源に依存しており、同社とInstagramが使用しているノースカロライナおよびアイオワのデータセンターに電力供給するための、再生可能エネルギープロジェクトに投資している。Googleも多くのクリーンエネルギーを使用しており、同社のウェブ資産の34%(Gmail、YouTube、Google Playを含む)をクリーンに運用している。

次は何か?Greenpeaceは、全主要ウェブ企業に対して、100%再生可能エネルギーを使用し、自社のエネルギー源を透明化するよう訴えている。最終的に彼らは、インターネットの巨人たちが、もっと強く再生可能エネルギー源に移行するための明確な戦略を見出すことを望んでいる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Google+、プロフィールページに総コンテンツ閲覧回数を表示

Googleは今日(米国時間3/31)、Google+ に小さいけれども興味深いアップデートを行った。全員のプロフィールページに、そのユーザーのコンテンツを他のユーザーが見た合計回数が表示される。この新しい数値は、ユーザーのプロフィール、投稿および写真が見られた回数の、2012年10月以来の総数だ。

ちなみに、Googleがこの種の統計データに注目したのはこれが初めてではない。以前Googleは、ユーザーが同サービスでシェアした写真の総閲覧回数を表示したことがある。今回は、ユーザーによる投稿の閲覧回数はわからないが、プロフィールページに表示される総閲覧回数には勘定されている。

この数字を見せたくない人は、プロフィール設定で隠すことができる。

おそらくGoogleは、自分の投稿を見られた回数の多さに多くの人が驚くことを期待しているのだろう。同じことは同社がGoogle+に招き入れてきたブランドや多くの有名人についても言えるだろう。

全体的にGoogleは、ごくわずかの分析データしかユーザーに提供していない。最近同社は、Google Analyticsの情報をGoogle+のダッシュボードから見られる機能をページ管理者向のみに追加したが、そこにある全体統計はフォロワー数だけだ。今日のアップデートは、将来GoogleがAnalyticsの中にGoogle+のデータを含める予兆かもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Googleマップでポケモンゲットだぜ!(エイプリルフールに非ず)

「マスター」(1番)になりたいと思ったことはあるだろうか。誰もなしえなかったことを成し遂げたいと考えることはあるだろうか。

Googleは、そんな人を応援している。

Googleはエイプリルフールととらえられがちなことを実現することができるのだ。面白そうなゲームを考え出すだけでなく、実際に人々にプレイさせることにした。

この動画は、いかにもエイプリルフール版仮想現実的ポケモンゲームのティーザー広告に見える。これだけでもそれなりに楽しめる内容だ。

しかし、Googleは面白そうなティーザーを作るだけでは飽き足らなかったらしい。実際に遊べるポケモンゲームを作ってしまったのだ。もちろん、ビデオにあるようなライブアクションARゲームではない。

まずスマートフォンを使ってGoogle Mapsを開く(当方ではAndroid 4.4で試してみた)(訳注:訳者のAndroidは4.1.1ですが動作しました)。そして検索バーでタップしてポケモン探しの旅に出ることができる。

プレイ中に検索バーをタップすることで、「ぽけもんずかん」で捕まえたポケモンの情報を見ることもできる。150種類をコンプリートしたらどうなるのか。残念ながら何が起こるのかについての情報はまだ入っていない。

また何かあれば記事を更新しよう。「ポケモンゲットだぜ!」。

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(翻訳:Maeda, H


今年のGoogle I/O申込みは4月8~10日:あなたに運が向きますように

Googleは2014 I/Oデベロッパー・カンファレンスで、いつもと違うことをやっている。今年は先着順受付を行っていない。それは過去に異常な押し合いとサーバーエラーを引き起こしてきた。代わりに2日間の受付期間が設けられ、その間は誰でも登録が可能で、後にGoogleが応募者全員からランダムに選択する。

それではちょっと運に頼りすぎると感じたあなたは、Googleが作ったこのステキなI/O ウェブサイトを見て元気をだそう。そこにはインタラクティブな「実験」があり、それはかなり単純な筋書きだが、今年のショウの焦点を暗示しているのかもしれない。機械学習はテーマの一つである可能性が高い。そして太陽系外惑星探索もそうかもしれないが、後者は多くのデベロッパーセッションの話題の中心ではないかもしれない。

もしI/Oでプレイする人物に選ばれなくても、Googleはキーノートとセッションのライブストリーミング・ビデオを提供する。また、人間味を感じたいけれでもサンフランシスコは遠いという人たちのために、世界各地でI/O拡大イベントが行われる。詳細は近々公開するとGoogleは言っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Googleのリアルタイムビッグデータ分析サービスBigQueryが大幅値下げと能力アップ

非常に大きなデータ集合を高速に分析するためのGoogleのクラウドツールBigQueryが今日(米国時間3/25)、最大85%という大幅値下げをした。そしてそれと同時に、Amazon Kinesisなどの競合サービスと互角に戦うための重要な新機能も加えた。もうすぐデベロッパたちは、最大で毎秒10万行までのリアルタイムデータをBigQueryに送り、リアルタイムで分析してもらえるようになる。

これで、リアルタイム分析に依存する多種多様なサービスにとって、BigQueryが使うツールの候補になる。今日行われるCloud PlatformのイベントでGoogleは、電力会社がこのツールを使うと、地域の電力利用状況をリアルタイムで刻々分析しながら、数分後の停電の可能性を検知できる、という例を見せる。あるいは電力会社はBigQueryを使って数マイル範囲内のメーターの今の状態を知り、過去5分間に電気の利用がなかったところを判別できる。

そのほか、マーケティングや金融業などでも、データやログ、さまざまな計測値などをリアルタイムで分析できる。

ビッグデータ分析の世界でGoogleのサービスは、比較的安い。オンデマンドのクェリは1テラバイトあたり5ドル、毎秒5GBの予約クェリは月額料金が“わずか”2万ドルだ。これらの額は、ほかのサービスプロバイダよりも75%安い、とGoogleは主張している。

BigQueryのこれまでのリアルタイムストリーミング機能はあまり強力ではなくて、 その最大消化能力は1テーブルあたり毎秒1000行だった。それで十分なアプリケーションもあるが、それはAmazon Kinesisの足元にも及ばない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleのクラウド・コンピューティングとクラウド・ストレージの新料金表

今日(米国時間3/25)サンフランシスコで開催されたGoogleのクラウドプラットフォーム・イベントで、ほとんどすべてのクラウド・サービスの料金の大幅値下げが発表された。また料金体系の簡素化や自動的に適用される長期利用割引などの新しいシステムも導入された。

Google Compute Engineは上の表のように、すべてのサイズ、リージョン、クラスで32%料金が引き下げられた。App Engineの料金も30%引き下げられ、料金体系の簡素化が図られた。

クラウド・ストレージの料金は68%値下げされて1GBあたり月額0.026ドル、DRAストレージの場合は1GBあたり0.02ドルとなった。Googleによれば、この料金は4500TBを専有するユーザーに適用されたいた大口割引よりもさらに安いという。

今日はクラウドSQLやクラウドDBなど、他のクラウド・ストレージの料金についての値下げ発表はなかったが、おそらく近日中にこれらも値下げされるか、あるいは今回値下げされたストレージに統一されるだろう。

長期利用割引を考慮に入れなくても新料金は多くのライバルより安い。予約インスタンスなど一部ではAmazonのEC2の料金をも下回るものとなった。

【中略】

これまでGoogle、Amazon、Microsoftは互いに相手の動向をうかがってクラウドサービスの料金を決めてきた。Googleの大幅値下げ攻勢で、これらライバルも値下げに動くことになるだろう。Amazonは今週サンフランシスコでAWS Summitカンファレンスを開催するが、どういう発表があるか注目だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google、クラウド・プラットフォームで全面攻勢―大幅値下げ、新サービスをローンチ

今日(米国時間3/25)、Googleはサンフランシスコで開催したCloud Platform Liveイベントクラウドプラットフォームに関して多数の重要な発表を行った。Amazon Web Service(AWS)が依然としてデファクト・スタンダードとなっているこの分野で、Googleが競争力を大きく高めるべく攻勢に出たという印象だ。

しかし「攻勢に出た」というだけでは言い足りないかもしれない。Googleはクラウド系のほぼすべてのサービスで劇的な料金引き下げを発表した。

たとえば、クラウドコンピューティングのCompute Engineの料金はすべてのサイズ、リージョン、クラスにわたって32%値下げされた。クラウド・ストレージは68%引き下げられ、オンデマンドのGoogle BigQueryに至っては85%の値下げとなっている。

Googleはクラウド・サービスの料金はムーアの法則でハードウェアの価格が低下するのに歩調を合わせて来なかったと指摘した。しかし今後Googleはムーアの法則に合わせて料金を引き下げていくという。実はこれまでGoogleのクラウド・サービスの料金は他のベンダーと比較してそれほど安くなかった。しかし今後は料金の引き下げ競争でもトップを走る構えだ。

Googleはまた料金体系を単純化した。Amazonの料金体系は複雑なことで悪名高い。Googleはその反対を目指すという。たとえばAmazonの場合、割引を受けるためには前払いでインスタンスを予約する必要があるが、今回Googleは長期利用割引というシステムを導入した。これはユーザーが1ヶ月の25%以上の期間にわたってクラウド・サービスを利用すると自動的に割引が適用になるというものだ。

さらにGoogleはバグのトレーシング機能やクラウド・コンソールから直接アプリケーションを修正できるオンライン・コード・エディタなどデベロッパーの生産性を向上させる新たなツールを多数発表した。

Managed Virtual MachinesのローンチによってGoogleはクラウド上での開発に一層の柔軟性を与える。GoolgeのApp Engineはスケール性は高いが、機能に制限があり、Compute Engineには事実上、機能の制限がないが、管理運用にスキルが必要だった。これに対してデベロッパーは新たなバーチャルマシンを利用することで双方の「いいとこどり」ができるという。

GoogleはまたAmazonのRoute 53のライバルとなるクラウドDNSを発表した。Googleによれば、Google Cloud DNSはサービスとしての権威DNSサーバを提供するものだという。Googleクラウド・サービスのユーザーはネットワーク・インフラを運営するためにすでに利用しているコンソールからDNSも管理できるようになるということだ。

またCompute EngineではWindows Server 2008 R2の限定プレビューも開始され、Red Hat Enterprise LinuxSUSE Linux Enterprise Serverがラインナップに加わった。

エンタープライズや多量のデータ処理を必要とするスタートアップのためのBigQueryも今日から料金が85%引き下げられる。このプラットフォームは毎秒最高10万行のデータを処理でき、その分析結果はほぼリアルタイムで利用できる。Amazonがすでにリアルタイムでのビッグデータ処理サービスに力を入れており、しかも大量データ処理はGoogleが得意中の得意とする分野であるにもかかわらず、Googleは今までこの種のサービスにあまり力を入れていなかった。

クラウド・サービスに対してGoogleがどこまで本気なのかという一抹の疑念があったとすれば、それは今日のイベントで完全に払拭されたといってよいだろう。Googleは多少出遅れたとはいえ、既存のビジネスモデルに固執しているわけではないことが示された。一度動き出せばGoogleは圧倒的な技術力と巨大なリソースにものを言わせて小規模なベンダーがとうてい太刀打ちできないようなサービスを提供する。今回のGoogleの動きのもっとも大きな影響は、AmazonやRackspaceを始めとする既存のプレイヤーにさらなるイノベーションを迫ることになった点だろう。

Googleが今日のイベントを3月26日にやはりサンフランシスコで開催されるAmazonのAWSサミット・カンファレンスの直前に設定したのはもちろん偶然ではない。 当然Amazonも大きなサプライズを用意していることだろうが、Googleのたくみな動きはAmazonを後手に回らせた印象を与えること成功した。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


GoogleのiOS/AndroidアプリPhotowallはChromecast+TVでグループスライドショウを楽しめる

Googleが、iOSやAndroidデバイス上の写真をChromecastからテレビに送り込む、というアプリPhotowallをリリースした。個人の写真だけでなく、ネットワークにつながっているお友だちなどからの写真も表示できる。写真の上にいたずら書きやメッセージを書くためのツールもついている。また、複数の写真からフォトモンタージュを作って、それをYouTube上で共有することもできる。詳しい紹介記事が9to5Macに載っている。

参加するお友だちや仲間は、このアプリを持っていなくてもよい。写真の提供は、Webからできるし、彼らもいたずら書きやメッセージを写真中に書ける。昔懐かしいスライドに、参加性というかソーシャル性を加えたようなアプリで、けっこう楽しく盛り上がるかもしれない。

Chromecastはインターネット上のコンテンツをテレビにストリーミングするためのGoogle製のドングルで、35ドルで売っている。最近ヨーロッパの主要国でも使えるようになったから、ユーザ人口も増えそうだ。サードパーティからの強力なAPIもあるが、こうやってGoogle自身が、同社お気に入りのこのメディアプロジェクトのために、ファーストパーティとしてのアプリを作り続けているのは、なかなか良いことだね。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


シェリル・サンドバーグ:FacebookはGoogleとの引き抜き防止協定を拒んだ

IT企業間における従業員の引き抜きを阻止することによって、当該労働者たちの公正な市場給与額を制限してきた大々的な共謀に、今日新たな趣向が加えられた。Facebookは協力を拒否していた。そして本誌はそれに関する文書を入手した。

今日広く報じられた提出書類には、Facebook COO Sheryl Sandbergの逸話が含まれ、かつてGoogleが、両社間の緊張緩和を提案するために彼女に接触してきたことが書かれている。Sandbergが当時を次のように語っている。

「2008年8月頃、私は当時GoogleにいたJonathan Rosenbergから連絡を受けた。Rosenberg氏は、FacebookがGoogle従業員を雇う際の、彼が言うところの想定レートについて説明した。同時期、私は同じような話題についてOmid Kordestaniとも話した。同氏もGoogleの人間だった。当時私は、FacebookによるGoogle従業員の募集あるいは雇用を制限することを拒んだ。それ以降も、同様の協定をFacebookとGoogleの間で交わしたことはない」

要するに、他の会社がAppleのいじめにあったり、互いに人材を引き抜くのをやめたりしていた時、Facebookは協力しようとしなかった。

2008年のFacebookが太陽よりも熱かったことは言っておくべきだろう。つまり、他社からの採用を続けていたのは、同社の市場におけるポジションを反映していたのもしれない。引き抜きをしている時に、武器を捨てる理由はない。

Googleは、Facebookに社員を奪われることに、どれほどイライラしていたのだろう。別の提出書類より:

【画像抄訳:Googleの人事責任者は、サイト信頼性技術(SRE)チームに対してFacebookが勧誘していることを知り、Sandbergに引き抜きをやめ、引き抜き防止協定の結ぶよう提案したが拒否された。SREメンバーの脱落を防ぐためにインセンティブを検討し、ついには相手の会社に立ち入り社員を追いかける案まででた。

2008年8月、ある社員をFacebookに引き抜かれた後、Googleのコミュニケーション担当VPは、Google経営委員会およびBill Campbell(Intuit 取締役会会長、Apple副筆頭取締役、Googleアドバイザー)にメールを送り、Facebookによる引き抜きへの懸念と共に、当該従業員に対して配置替えやGoogleにおける将来について話したが、昇給、昇進などチーム内に重大な問題を起こしかねない約束はしなかったことを伝えた。Bill Campbellは「誰がSandbergに接触して火を消すべきなのか? われわれには休戦が必要だ」と返信した。】

ともあれ、Sandbergは応じなかった。上の話はSandberg自身の物語を裏付けているように見える。

そして、次に起きたことは、企業が自社従業員の公正な給与を偽るために共謀しない時、起こるべきことそのものだった。

以下に、その部分を引用する。

【画像抄訳:FacebookはGoogle社員の引き抜きを続けた。例えば2010年、Facebookの新規従業員のうちxx名が、Googleから引き抜かれた。このためGoogleはFacebookの勧誘戦略を研究した。1ヵ月後、Googleは「ビッグバン」を発表し、定額給従業員全員の基本給を10%増加し、全従業員に一時ボーナスとして現金1000ドルを支給した。】

というわけだ。

要点は単純だ。従業員が働く場所を選ぶ権利を縮小することによって給与を抑制しようとする大型IT企業の試みは、極めて身勝手であるだけでなく、そもそもそれらの企業を成功させた市場原理そのものに反している。

好きな時間だけ市場を自由にすることはできない。Facebookがこの不正に関与しなくて本当によかった。

IMAGE BY FLICKR USER Financial Times UNDER CC BY 2.0 LICENSE (IMAGE HAS BEEN CROPPED)

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


GoogleのオンラインスプレッドシートGoogle Sheetsがバージョンアップ, オフラインエディットのサポートなど

昨年の12月にGoogleは、Google Driveの生産性ツールの一部としてオンラインのスプレッドシートを提供するGoogle Sheetsの、ニューバージョン発表した。これまでその新バージョンはオプトインだけだったが、今日(米国時間3/20)からは全ユーザにデフォルトで提供される。

Sheetsのニューバージョンはこのプロダクトのこれまでで最大のアップデートの一つだが、ユーザにとっていちばんうれしいのはオフライン編集のサポートだろう。使えるのはChromeだけだが、この機能があるとスプレッドシートをオフラインで編集しておいて、その結果を接続時に自動的にシンクさせられる。Google DocsとGoogle Slidesには、すでに前からオフライン機能がある。

今朝試してみたら、ニューバージョンでは使えない機能もいくつかある。今回のアップデートでGoogleは、あまり使われない機能を整理することに決めたのだろう。それらは、SheetsにおけるSolverツールのサポート、Google Setsを使うオートフィル、など計4つだ。

その代わり、複数のセルをセレクトしたり、ハイパーリンクを加えることがずっと容易になった。新たなFilterビューによって、みんなとコラボレーションしているシートをいろんなビューで見たり共有することも、楽にできるようになった(本体に影響を与えない)。また、セル数数百万という巨大なシートも、必要なら作れる。

今月初めに、Google Driveの一連の生産性アプリケーションでサードパーティのアドオンを使えるようになったが、それにはもちろん、Sheetsも含まれる。

ニューバージョンへのアップデートは、数週間かけて全ユーザに適用される。だから、待たされるユーザも何人かいることになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ラリー・ページの願望は、全医療データの公開 ―大きな恩恵と大きなリスク

Google共同ファウンダーのLarry Pageは、TEDカンファレンスで珍しく公開の場に現れ、世界を変えると彼が考えるアイデアをいくつか披露した。「匿名の医療データをあらゆる医学研究者が利用できたらすばらしいだろう?」とPageは言い、それによって何十万もの命が救われると主張した。

Pageが正しいことを証明する優れた証拠はいくつかある。FDA(米食品医薬品局)のRichard Pratt研究員は、もし何百万という民間医療記録が研究者に公開されていれば、彼らはVioxxの致命的副作用を発見し、2万7000~5万5000人の死を防ぐことができた」と推測した

統計学者は、傾向が偶然ではないこと(「統計的に有意」)を見分けるために大きなサンプルを必要とする。データセットが含む人数が多いほど、多くのパターンが識別され、多くの命が救われる可能性が高まる。

現在、健康保険情報公開法によって、この種の情報の公開には厳しい制限が課されている。「これはHIPAAの過剰なプライバシー規則の結果だ」と、ハーバード情報・法律ブログの管理チームは、タイトルもふさわしい「HIPAAによる死」という記事に書いた

事実、あらゆる医療データを公開することによって、あらゆる種類の問題が識別できるようになる。研究結果を調べ、隠れた副作用を見つけ、ユーザーの行動に応じた個別の健康アドバイスを与えることもできる。もしVioxxが何らかの兆候であるなら、Pageの推測した救われるあるいは改善される命の数は、ずっと多いだろう。

しかし、問題もある。われわれのブライバシーを維持することはほぼ不可能だ。「われわれは、データから十分情報を取除くことによって、匿名化したふりをしてきた。ブライバシー保護を約束してきたが. この論文は、一定の割合の人口について、それが空約束だったことを証明している」と、医療の透明化を支持する非営利団体、Sage BionetworksのJohn Wilbanksは書いている。

上述の論文で、研究者らは匿名医療データベースの一部の登録者を、親戚のデータベースのDNAとマッチングすることによって、個人を特定することができた。

統計学者は、公開データおよび個人データから個人を特定する技術に、ますます長けてきている。そして、医学のブレークスルーに必要なその種のデータから誰かの正体を暴くことは難しくない。

役に立つと思われる因子をいくつか挙げる。

  • 場所:地域の有毒物質や公害は健康問題に影響を与えることがある
  • 年齢、身長、性別:ある種の人口層が特定の病気にかかりやすい場合がある
  • 私の職業:デスクワークは健康問題を起こしやすい

私を一例にとってみよう。身長163cmの31歳ユダヤ系男性でサンフランシスコのミッション地区に住み、メディアの仕事をしている人間はそう多くはいない。アマチュア統計学者がこれらのデータを組み合わせてTwitterを検索し、私の秘密の医療履歴を友達全員に知らせるためには、私がAmazonで1984を注文するほどの時間しかかからないだろう。

Pageのコメントが特に賛否両論を呼ぶであろう理由は、彼の会社がNSAの監視に関して以前認めていた以上のことを知っていたとする、最近の疑惑による。どんなに他愛のないものであっても、プライバシーに関する議論は会社を窮地に立たせかねない。

私はオープン医療データに関するPageのアイデアを支持する。改めて言っておくが、私は自分の性生活データを公開するような男だ。私は、将来医療データの透明化による恩恵が、われわれのプライバシー感覚を覆えす時が来ると思っている。そしてGoogleはそのツールを作る会社なのかもしれない。

[Image Credit: Daniel Kraft]

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Google、地図アプリのデベロッパー向けJavaScript APIでGeoJSONをサポート

今日(米国時間3/19)、GoogleはGoogleマップのJavaScript APIGeoJSON supportのサポートを追加すると発表した。マップを利用するデベロッパーにとっては朗報となる。

GeoJSONはオープンソースのデータフォーマットで、ここ数年急速に普及し、現在ではこの分野における非公式な標準フォーマットとなっている。

GoogleマップのJavaScript APIはKML、GeoRSSなどいくつものフォーマットをサポートしており、デベロッパーはGoogleのFusion Tablesからのデータをレンダリングすることができる。GeoJSONのサポートで、位置データをマップ上に取り込むのが一層容易になり、デベロッパーはUSGS(米国地質調査所)やGoogle Maps Engineなどのサードパーティーの情報源から簡単にデータをインポートし、地図上に表示できるようになる。このためにデベロッパーはアプリのソースコードに1行書き加えるだけでよい。

GeoJSONのサポートにともなってGoogleはAPIに新しいデータ・レイヤーを追加した。

デベロッパーはGeoJSONを用いれば単に緯度経度データだけでなく、川の流速や店舗の営業時間などさまざまな情報を付加することができる。こうした柔軟性を利用して地図の表示スタイルをカスタマイズすると、たとえば、世界地図の上に最近起きた地震の位置を示すだけでなく、地震の規模を円の直径で示すこともできる。またデベロッパーは地図のユーザーが対話的に地図を操作できる機能も容易に組み込める。

これまでGoogleが提供してきた手段に比べてはるかに簡単なので、GeoJSONの利用はデベロッパーの間に急速に普及するものと思われる。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Motorola、Moto 360を発表―Android Wear搭載のファッショナブルなスマートウォッチ、今夏発売へ

MotorolaはGoogleが発表したAndroid WearウェアラブルOSの最初のハードウェア・パートナーの1社だ。Motorolaは最近Lenovoが買収するまでGoogle傘下の会社だったからこれは驚くに当たらないだろう。新しいMoto 360はクラシックな時計らしい円形のデザインを採用している(Android Wearではデバイスのスクリーンとして角型と丸型を選択することができる)。また最近のGoogleのデバイスで標準となったOk Googleという音声コマンド入力を常時受け付ける。

Moto 360の通知音、警告音は控えめに設定されている。Motorolaではこのデバイスは「ファッションを優先したプレミアムモデル」と位置づけており、材質も組み立ても最高の品質を目指したとしている。この夏、まずアメリカで発売される予定だ。

Android Wearデバイスは現在、LGとMotorolaと2社から発表されたばかりだが、すでにアプローチの大きな違いを見てとることができる。LGのGウォッチはスマートフォンと連動してその通知をタイミングよく表示することを主要な目的としているのに対してMoto 360はもっとファッション・センスの高い層をターゲットにしているようだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google、スマートウォッチOS、Android Wearを発表―最初の製品はLG ‘G’とMotorola Moto 360

Googleは新しいスマートウォッチ向けプラットフォーム、Android Wearを発表した。OEMメーカーはこのOSを利用してウェラブル・デバイスのハードウェアを開発することができる。

Android Wearableを採用した最初のスマートウォッチは次の四半期にリリース予定のLGの Gウォッチとなる模様だ。この製品にはスマートウォッチ版Android UIが搭載されており、いまやおなじみとなったOk Googleという音声コマンドに常時反応する。Googleによれば他のOEMパートナーも今年中に製品を発表するという。

Android Wearはまずスマートウォッチで製品化されたが、Gooleによれば、他のさまざまなウェラブル・デバイスに利用可能だという。

Android Wearableは多くの面でGoogle Nowの拡張として機能するようデザインされており、ユーザーの置かれたコンテキストを判断して、もっとも必要としそうな情報をもっとも必要としそうなタイミングで提供する。常時待機状態の音声コマンドで質問をし、音声で回答を得ることが可能だ。音声コマンドではメッセージやメールが送信できる他、フライトを予約したり、予約の確認をしたりできる。

音声コマンドとコンテキスト化された情報の提供に加えて、Android Wearableはフィットネスとヘルス関連の機能も装備されている。フィットネスの目標設定、実績、目標達成の度合いなどをリアルタイムでモニタするアプリを動作させることができる。またGoogleのスマートウォッチはマルチデバイスの操作をサポートしている。つまりスマートウォッチに音声で命令することによって、タブレットやテレビなど、接続された他のデバイスをコントロールすることが可能になる。GoogleによればChromecastによるコンテンツのストリーミングをAndroidWearableのスマートウォッチから操作できるという。

今回のAndroid Wearの発表にあたってはLGとMotorolaが主要なパートナーだ。MotorolaのMoto 360はLG Gとまったく異なるデザインで、OEMメーカーはAndroid Wearを利用しながらそれぞれ極めて独自な製品を作れることが見てとれる。Moto360の発売は今年の夏になるもよう。

LTとMotorolaに加えて、Asus、HTC、Samsung、Fossilなど多数のメーカーがハードウェア・パートナーに加わっている。

GoogleはAndroidデベロッパー向けにWearableのSDKのプレビュー版を公開した。このSDKを利用すると、既存のAndroidアプリをAndroidスマートウォッチと連携動作させるエクステンションを開発することができる。スマートウォッチ単独で動作するアプリより利便性を高めることができる。

プレビュー版SDKには、Androidアプリの通知がAndroid Wearデバイス上でどのように表示されるかを再現するエミュレータが用意されている。角型、丸型どちらのスクリーン・タイプにも対応しており、通知をさまざまにカスタマイズ表示したり、音声化したりするためのAPIもある。

Androidの拡張としてウェアラブル・デバイス用のOSを提供することはGoogleとしては自然な方向だ。発表された実装を見ると、GoogleNowに非常に近いが、スマートフォンを代替するのではなく、スマートフォンと連携してその機能を拡張するという方向だと感じられた。この点は先行しているPebbleも同様のアプローチだ。ソニーのSmartwatchやSmartwatch2がスタンドアロン型であるため、コンテキストを理解した適切な情報をリアルタイムで提供することに失敗しているのと対照的だ。この点では最初のGalaxyGearも同じような失敗をしている。

現在の段階ではGoogleはハードウェア・パートナーと共にウェアラブル・デバイスで何ができるかをデモし、学んでいる段階だろう。今後さらに洗練された製品が続くことになることを期待したい。

続報あり。…

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+