次期macOS Big SurでUI/UXはどう変わるのか?細かすぎて伝わりにくい部分も解説

WWDC20の基調講演から、早くも1週間近くが経過した。なんだか、もうずいぶん昔のことのような気がする。今回の基調講演の中で、最も印象的だったApple Siliconに関する発表ですら、もう何年も前からわかっていた既定路線だったように感じられる。

とはいえ、今回のMacに関する発表が、インテルからARMベースのアップルオリジナルCPU、Apple Siliconへのスイッチだけだったかと言うと、もちろんそんなことはない。基調講演前半のiOSやiPadOS、その他のデバイス用の新しいOSバージョンの発表に続いて、macOSの新バージョ「Big Sur」についても、しっかりと紹介されていた。その際には、基調講演の後半に登場するApple Siliconについては、当然ながらまだひと言も触れられておらず、CPUの種類にはまったく関係のない純粋なソフトウェアとして、次期バージョンのmacOS 11を紹介している。

次期バージョンでは、いろいろな意味でiPadOSとmacOSの距離は縮まるだろう。「iPadOS 14ではアプリの操作性がmacOSのようになる」の記事は、iPadOS 14がmacOSライクになるという趣旨のものだった。しかし実際には、それよりもmacOSがiPadOSライクになる傾向のほうが、ずっと顕著だと思える。操作性については、実際にリリースされたものを使ってみるまではわからない部分が多いものの、少なくとも見た目に関しては、macOSのほうからかなりiPadOSに歩み寄っているように思える。

基調講演でも、Mac OS Xの登場以来「デザイン」は最も大きく変化すると説明された。その発表では、アプリや通知センター、ウィジェットの話が中心で、細かいデザインの違いまでははっきりとはわからなかった。ここでは、その後にアップルが公開したHuman Interface Guidelinesの「What’s New in macOS」というページを参照しながら、必要に応じて新旧を比較しつつ、macOSのユーザーインターフェースの個々の要素についてルック&フィールを細かく見ていこう。

アイコンは基本的にiPad風に統一

これまでのmacOSでは、特にアプリのアイコンの基本形状がかなり不統一なものとなっていた。比較的新しい伝統としては外形が円になっているものが多いが、正方形に近いものも珍しくはない。もっと古い伝統に則ったものは、長方形をちょっと左に傾けて、その上にツールを載せたようなものとなっていた。さらには、Mac Catalistを使って作成した、iPadOSと共通のアプリアイコンは、正方形や長方形をちょっと左に傾けたものが多かった。

新しいmacOSでは、アプリアイコンは基本的にiPadOS風になる。つまり正立した角の丸い正方形を基調としたものだ。好き嫌いはともかくとして、はっきりアプリのアイコンだと認識しやすいものに統一されるのは良いことだろう。

一方、iPadOSでは、ドキュメントのアイコンを目にする機会は少ない。必要に迫られて「ファイル」アプリを開いたときくらいだろう。そこで目にするのは、これまでのmacOSと同様に正立する長方形の右上の角が内側に折れ曲がったもの。macOSよりも折れている部分の面積が若干広く、折れ方も直線的に見える。新しいmacOSのドキュメントのアイコンは、やはりiPadOS風になる。

もう1つ、macOSには機能を表す「フィーチャー」アイコンというものがある。これはツールバーなどのボタンとして使われている。これについても、アプリのアイコンと同様、統一感に欠けていたものが、基本的に角の丸い正方形を基調とするものに統一される。

また、このアイコンのバックグラウンドのグラデーションも色の変化の小さいものとなり、これまでよりフラットな印象のものとなるようだ。

アプリごとに指定可能な「アクセントカラー」

あまり耳慣れない言葉かもしれないが、macOSには「アクセントカラー」という色の設定がある。これまではシステム環境設定の「一般」で、8色の中から選択することができた。これによって、ラジオボタンやポップアップメニューなど、ユーザーインターフェースの基本となる色を設定できる。設定がここにあることからわかるように、これはシステム全体に関わるもの。ここで選んだ色が、基本的にすべてのアプリにも適用されるものだった。

新しいmacOSでは、このアクセントカラーをアプリごとに指定できるようになった。その色は、アプリのデベロッパーが決める。ただし、そのアプリごとのアクセントカラーが有効となるのは、ユーザーがシステム環境設定で「アクセントカラー」の設定として「マルチカラー」(Multicolor)を選んでいる場合だけ。ユーザーの好みで特定の色を選んだ場合には、これまでどおり、その色がシステム全体に渡って使われる。

タイトルバーとツールバー

アイコンの意匠やユーザーインターフェースの色の設定は、慣れればなんとも思わなくなるものがほとんどかもしれない。しかし、ウィンドウ内部のバーやボタン類の配置は、なかなか新しいものに慣れにくいような気がする。確かにそうした部分のデザインも、これまでで最も大きく変化しそうだ。それには古くからのMacユーザーほど、強い抵抗を感じる可能性があり、議論を呼びそうだ。まずは、ウィンドウ最上部のタイトルバーとその下のツールバーの変化を確認する。

言葉による説明は不要かもしれないが、これまで2段に分かれていたタイトルとツールの各バーが、太めの1本に統合されるのが、まず目につく。

また、ツールバーに並ぶボタン類のデザインも趣向が変わる。これまでは、ラジオボタンのような一択のボタンは隙間なく並べられてわかりやすかった。新しいデザインでは、ボタンの間隔だけが異なるので、他の独立したボタンと区別が付きにくい。

アプリの環境設定に見られるような、1つのウィンドウの中身を切り替えて使えるようにする一種のタブバーも、そのアイコンともども、大きくデザインが変更されそうだ。

サイドバー

同じバーでも、サイドバーの変化は比較的小さなものになりそうだ。これまでは、選択肢として表示される際も、どれかを選択した後も、モノクロで味気ない感じのものだった。新しいインターフェースでは、サイドバーの選択肢のアイコンがアクセントカラーで表示され、わずかながらにぎやかな感じになる。

選択したアイテムのハイライトは、サイドバーの左端から右端に届く長方形ではなく、左右に余白を残した角の丸い長方形になる。これは、次に述べるメニューの選択表示と同じだ。

メニュー

デザイン要素の変更としては、それほど大きくないにも関わらず、比較的大きく印象の変わるのはメニューだろう。

まず、メニューバーやメニュー自体の透明度が増しているように見える。フォントサイズは13ポイントになり、微妙に小さくなっているようだ。逆にメニューの項目の行間は微妙に広くなり、なんとなく余裕が感じられる。そして、もう1つの変化が、心理的には最も大きな変化として感じられる。これまでは、選択した項目がメニュー左端から右端まで、長方形に反転されていたのに対し、新しいメニューでは、左右に余白を残して角の丸い長方形として選択される。

こうして、これまでのmacOSと比較しながら新しいmacOS 11のルック&フィールを確認してみると、確かにこれまでのものが古臭く感じられるかもしれない。慣れれば新しいものが当たり前に感じられるようになり、何とも思わなくなるものが大半だろう。しかし、新しいものが何でも良いとは限らない。実際に使ってみるまでは予断を許さないが、ここに挙げたもの以外の要素も含め、いつまで経っても違和感が消えないような変更が施されないことを願うばかりだ。

アップルが開発者向けイベントWWDC20で「macOS Big Sur」を発表

macOS Big Sur

Apple(アップル)は6月23日、開発者向けカンファレンス「WWDC20」の基調講演を開催。次期macOS「macOS Big Sur」(ビッグサー)を発表した。

macOS Big Sur

詳細は追って掲載する。

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SteamVRのサポート対象からmacOSが外れる、利用者はわずか4%

Valveは、同社の仮想現実プラットフォームのmacOSサポートを廃止する。Valveの社員が、同社が運営するSteamVRフォーラムに情報を投稿した。それによると「SteamVRはmacOSのサポートを終了し、WindowsとLinuxに専念することにした」という。

Apple(アップル)は、2017年6月に「Metal for VR」を導入し、Valveとのパートナーシップを強調した。当時ValveはVRを1つのプラットフォームとして推進しており、ViveシステムについてHTCと協力関係にあった。それが2020年になると、Valveはハイエンドのヘッドセットを独自に用意し、待望のゲームタイトル「Half Life:Alyx」(ハーフライフ・アリックス)もリリースした。

これは、実際にはゲーマーよりも、開発者に対する影響が大きい。macOSをサポートしているゲームはほとんどなく、アップルの最高スペックのノートPCであるMacBook Proでさえ、OculusやSteamVRの最小限の仕様要件を満たしていないのが実情だ。Uploadが指摘するように、Valveの最近のハードウェア調査では、そもそも同社のプラットフォームを利用するゲーマーのうち、わずか4%しかmacOSを使っていないことが判明している。つまり実際のゲーマーのうち、Macを持っているVRユーザーはほんのひと握りというということになる。

macOS上でVRコンテンツを開発しているゲームデベロッパーは、おそらく1台のマシンで開発とテストができるというメリットを享受していた。アップルがMac ProやiMac Proのような高額な機材を、プロ向けに積極的に売り込んでいる状況で、主要なソフトウェアプラットフォームがその梯子を外すような決定をしたことは、決して好ましいものではない。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

アップルが各OSをアップデート、iPadOS 13.4はトラックパッドをサポート

 

AppleはiPhone、iPad、Apple Watch、Apple TV、Mac用のOSアップデートをリリースした。最大の変更があったのはiPadだ。新しいiPadOSではマウスないしトラックパッドをiPadとペアリングし、ディスプレイ上のカーソルを動かせるようになった。

Appleは先週、新しいiPad Proを発表 したとき、iPadOSのトラックパッドサポートを発表した。またAppleはトラックパッドを内蔵した新しいMagic Keyboardの売り込みを図っているが、ユーザーは新しいiPadやアクセサリを買わなくてもトラックパッドを使うことができる。

トラックパッドをペアリングすると、画面に新デザインの丸いカーソルが表示される。カーソルを載せた対象によってカーソル形状が変化する(上のスクリーンショット参照)。ボタンをクリックしようとする場合、カーソルは消えてボタンがハイライト表示になる。Apple TVでアイコンを動かすときのような感じだ。

テキストカーソルは垂直のバーになる。Pagesドキュメントでテキスト領域のサイズを変更する場合は、背中合わせの矢印になる。トラックパッドを使用している場合、iPadOSはジェスチャーをサポートしており、アプリの切り替え、スイッチャーの起動、Dockやコントロールセンターのアクティブ化を行うことができる。

今回リリースされたiOSおよびiPadOS 13.4には、トラックパッドのサポート以外にもいくつかの機能が追加されている。iCloud Driveフォルダは他のiCloudユーザーと共有できるようになった。これはDropboxの共有フォルダとほぼ同様の機能だ。

Memojiステッカーに9種類の絵文字が追加された。ハートつきの笑顔、つないだ手、パーティーの顔などが登場している。メールアプリのアーカイブ/削除、移動、返信、作成、メール送信などを行うためのボタンのデザインが微調整された。

またAppleは、iOSだけでなくMac App Storeを含むすべてのApp Storeで単一アプリのバイナリをリリースする機能を追加した。つまりデベロッパーはMacとiPhoneの双方で有料アプリをリリースできるようになった。このアプリはどれか1つのストアで購入すれば他のデバイスでも利用できる。

また、macOS 10.15.4には利用時間を制限する機能が追加されている。これは、iOSにすでに存在する機能と同様で、 メッセージとFaceTime通話に時間の上限を設定できる。

watchOS 6.2ではチリ、ニュージーランド、トルコのユーザー向けに心電図機能のサポートが追加された。またApple Watchアプリのデベロッパーはアプリ内購入が設定できるようになっている。

アップデートにはバグの修正とセキュリティパッチが含まれる。ソフトウェアのアップデートを自動にしていない場合は、デバイスの設定を開いて手動でOSのアップデートを行うことができる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

新型MacBook Airは再びタイプしたい気にさせてくれるノートPC

誰もがわかっているけれど、口にしたくない不都合な真実について話しておくことにしよう。家を出ることを禁じられているときに、ウルトラ軽量のノートブックをレビューするなんて、これ以上の皮肉があるだろうか。もちろん、Apple(アップル)がこの状況を予想していたはずはない。おそらくビル・ゲイツを除いて、誰も予測できた人はいないだろう。

もちろん思い出す必要もない、現在のこうした悪い状況を、わざわざ思い出してもらいたくてこんな話を持ち出したわけではない。ただ単に、現在の状況が新型MacBook Airをテストするものとしては理想的とは言えないことを、お話ししておくことが大切だと考えたからだ。今朝MacBook Airが私のニューヨークの1ベッドルームのアパートに届いてから、私はこれを持って一度も家を出ていない。

実際のところ、最初私は大きくて持ち歩くことは想定されていないデスクトップコンピューターの真ん前に、このノートブックを置いて作業をしていた。しかし、挑戦心をちょっと刺激されたので、ベッドに腰を掛け膝の上にAirを置いてこれを書いている。そして、これはなかなか調子がいい。

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MacBook Airについて、私からは読者がまだ知らないようなことをあまりお話できない。MacBookシリーズの主力の1つであるAirは、2020年1月に12歳になった。それはオリジナルのデザインが、10年以上経ってもいまだに新鮮さを失っていない証拠の1つだ。もちろん、長年にわたってこのデバイスには重要なアップデートが行われてきたが、オバマ大統領の最初に就任したほぼ1年前に市場に登場したこのノートブックは、今でもその原型をとどめたままだ。

「薄さ」と「軽さ」は、今でもAir自身を表すための特徴だ。これは、他のMacBookファミリーに比べたときの処理能力を手放すことと引き換えに、飛行機の目の前のシートポケットにすっぽりと収まるデザインを採用した製品なのだ。実際、このデバイスが重いビデオ処理やその他のリソースを大量に消費するアプリケーションを必要とするユーザーに必要とされたことは、 一度もなかった。そして、2020年モデルでは重要な内部のアップデートを行ったものの、やはりヘビーな用途には向かないという性質は変わらないままだ。

だが、もし腰痛が気になるユーザーなら、おそらくこれが選ぶべきMacBookだろう。

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おなじみのくさび形はもちろんそのままだ。数世代前には、そのデザインはユニボディデザインと天板の反射するアップルのロゴとともに、他のMacBookシリーズが採用しているものと同様になった。

Thunderbolt 3/USB Cポートは変わらず2つだけだ。今回も両者は同じ側にある。これは再デザイン以来、常に大きな不満の1つだった。両側に2つずつというのがベストだが、そうでなければせめて両側に1つずつにしてほしい。そうすればお互いに干渉することもないし、座る位置によって変化するコンセントからの電源ケーブルを、どちらの側からでも挿しやすくなる。

だが、2020年モデルへの最大のデザイン変更は、はるかに繊細なものだ。MacBookのキーボードはここ数年、消費者から訴訟を何度か起こされ、数え切れないほどキーの不具合に悩まされてきた。そしてアップルはついに、2019年の16インチMacBook Proから新しいデザインを採用したのだ。ありがたいことに、そのアップグレードはAirにももたらされている。

システムは、シザー構造に戻った。とりわけ大事なことは、これによってキーがより多く動くようになったということだ。つまり、従来のキーボードのように、タイピングに従ってキーが実際に押し込まれてくれるということである。これには雲泥の差がある。

バタフライ構造は、アップルの明らかな失敗だった。触覚フィードバックが不足していることに加えて、キーがノートブックとほぼ同一平面上にあることで、もしゴミが詰まってしまうと使えなくなってしまう可能性があったのだ。少なくとも私の場合、Sキーが働かなくなってしまい、緊急にエアダスターを必要とする場面が一度はあった。それは心すべき重要な点だ。

これまでアップルが繰り返し採用してきたバタフライ構造を改良する試みとは異なり、シザー構造に戻ることは著しい改善となる。今回のキーは他のシステムと比較した場合でも、まだ比較的柔らかいが、感触は大幅に改善された。タイプ中の感触が良くなったことは言うまでもない。

ここで得られる感触は、アップルのBluetooth接続のMagic Keyboardで得られるものと、とても似通っている。正直なところ、これだけでも価値あるアップグレードになっている。上部にTouch Barはないが、その代わりに標準的なファンクションキーが配置されている。ただし、Touch Barの最も優れた機能であるTouch IDは搭載されている。

Airの多くの部分は、2018年の大規模なオーバーホールからあまり変更はない。もちろんRetinaディスプレイを搭載しており、解像度は2560×1600ピクセル。これは2017年より前のAirからすると大きな進化だ。

新しいのは内部の重要なアップグレード。デフォルトの構成では、第10世代の1.1GHzデュアルコアIntel Core i3が搭載されている。今回のデバイスは、2019年の第8世代チップ搭載モデルから進化したが、このモデルには標準でCore i5が搭載されていた。明らかにアップルは、新型Airでシステムの基本価格を引き下げるための計算をしている。今回のデバイスをMacBook Proなどのほかの製品とさらに差別化したいと考えているようだ。

ただし、基本的な使い方しかしないユーザーであっても、1万円を追加して、Core i5にアップグレードすることをお勧めする。それが現在手元にあるマシンに搭載されているチップだ。システムはGeekbench 4のシングルコアテストで5244、マルチコアテストで14672を獲得し、2018年に私たちがテストした最後のモデルから性能が大幅に向上している。

チップレベルでのもう1つの重要なアップデートは、Intel UHD 617からIris Plus Graphicsへの切り替えだ。とりわけ、これは外部モニターのサポート機能に役立つ。Airはディスプレイ圧縮の助けも可能で、最大6Kの外部モニターをサポートすることができる。メモリーはデフォルトで8GBであり、16GBにアップグレード可能だ。一方、ストレージに関わるはるかに大きなニュースは、ベースモデルが従来の128GBから256GBにアップグレードされ、最大容量も従来の1TBから2TBまで増やせることだ。

興味深いことに、発表されたバッテリー寿命は12時間から11時間に短くなっている。もちろん、それは使い方に大きく依存する。数時間の利用後、使っているマシンのバッテリー残量は35%になった。私は明るさや他のすべてを設定をデフォルトで使用していて、常時タイピングを行い、ChromeとSlackを使い、Spotify経由でヘッドフォンで音楽を聴いていた(ときどきベンチマークを行いながら)。

いろいろな仕事をしながら使う際には、1日バッテリーが持つという説明で十分なような気もするが、11時間というのはおそらく誇張だろう。こうした寿命は、多くの要因に基づいて、かなり違ってくる可能性があることに注意してほしい。私は実際には、まだこのノートブックを丸1日使ったに過ぎない、この先、必要に応じてアップデートをお届けしたい。

他にも素晴らしいアップグレードがある。キーボード、プロセッサー、そして2018年モデルで行われたオーバーホールなどを通して、アップルが最初の導入から12年もの間、愛されている製品ラインを新鮮なものに保ち続けているのを知ることはうれしい。

多くの人にとって、今回のAirが新しいiPad Pro(およびその新しいキーボード)と一緒に発表されたという事実は、製品間の境界線がどれほど曖昧になっているかを認識させるものになったのではないだろうか。例えばサムスンが幅広い製品を提供する傾向があるのに対して、アップルはこれまで製品ラインに対して比較的ミニマルなアプローチを採用してきた。そのため評論家たちがこの先アップルに関して語る際に、この境界線に関する疑問を口にする者が多いだろう。

だが、パーソナルコンピューティングが複雑になるにつれて、ニーズも変化する。そしてそれに応じて、アップルのラインアップも変化する。ここしばらくの間、MacBook Airは標準のMacBookにその地位を譲り、徐々に消えていくように見えていた。しかし結局、Airは生き残り、それは納得できるものとなった。

(iPadOSと比較して)macOSのワークフローの汎用性と組み合わせて考えた場合、ポータビリティに焦点を当てたことは強力なセールスポイントとなる。Airはその点に少々こだわりを持っているように見えるが、それはアップルユーザーにとってありがたいことだ。

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(翻訳:sako)

アップルはユニバーサル購入オプションをMacに広げ、App Storeを統合

Apple(アップル)は米国時間2月5日、macOS用アプリも含むクロスプラットフォームのアプリを、間もなく1つのユニバーサル購入のかたちで販売できるようにすると公式に発表し、アプリ開発者を驚かせた。消費者の側では、ユニバーサル購入オプションとは、ひとつのアプリを一度購入すれば、iPhone、iPad、Apple TV、Macなど、異なるデバイスでも使えるようになるというもの。開発者の側では、MacとiOSのアプリ、またはその他の組み合わせを同時に購入するよう顧客に促すことができる。さらに、顧客のアプリ内購入とサブスクリプションのプラットフォーム間での同期も容易になる。

同社によると、ユニバーサル購入は2020年3月から開始されるとのこと。この変更に備え、iOSとMacのApp Storeのカテゴリーを統一し、アプリをより探しやすくすると同社は話している。

アップルのApp Storeのカテゴリーは、滅多に更新されることがないため、それだけでも、ユニバーサルなアプリのバンドルを行わない業者も含め、開発者に衝撃を与える大転換となる。新しいカテゴリーにアプリを載せれば、アプリの数が多い既存のカテゴリーで競うよりも、トップアプリの上位にランキングされる可能性が高くなる。

iOSでは、開発者は2つの新しいカテゴリーにアプリを登録できる。「開発ツール」と「グラフィック&デザイン」だ。

Mac向けのApp Storeには、iOSにある「ブック」[フード/ドリンク」「雑誌/新聞」「ナビゲーション」「ショッピング」が新たに追加される。

さらに、MacのApp Storeにある「写真」と「ビデオ」のカテゴリーは、「写真/ビデオ」に統合されて、iOSのApp Storeとの同期性が高められる。また、MacのApp Storeでは、「子ども向け」は「ゲーム」のサブカテゴリーではなくなる。

アップルによれば、開発者は新しいアプリを、App Store Connectで1つのAppレコードを使って開発する方法と、既存のAppレコードにプラットフォームを追加して新しいユニバーサル購入オプションを利用する方法のいずれかが選べるという。この機能は、macOS Catalyst対応アプリではデフォルトで有効となるが、それ以外のアプリでも使用できる。

2月5日から、開発者は「Xcode 11.4 beta」アップデートリリースをダウンロードして開発作業を始められるが、このオプションが一般に利用可能になるのは3月にローンチされてからとなる。

誤解のないように言えば、一度の購入で複数のアプリを提供できるようになるのは、これが初めてではない。例えば、iPadやApple Watchのアプリも同時に付いてくるiPhoneアプリを買ったことがある人なら、すでにユニバーサル購入オプションを経験済みということだ。新しいのは、それと同じ機能をMac用アプリに初めて導入するという点だ。

もちろん、ユニバーサル購入はすべてのアプリに恩恵をもたらすわけではない。なので開発者は、ビジネス展開の方針に基づいて、その長所と短所を自分で見極めてバランスをとる必要がある。だがこのオプションは、これまでアップルが別々に提供していたアプリのエコシステムを統一し、今後のMac用アプリの開発に拍車をかけるという点で大きな前進となる。

ベータ版Xcodeは2月5日、macOSとiOSのベータ版とともに公開された。これらを組み合わせることで、Macでのスクリーンタイムの通信制限、Mac用のヘッドポインター技術、絵文字ステッカー、CarPlayの更新とiCloudのフォルダ共有といった新機能が利用可能になる。

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

いよいよ登場したmacOS Catalinaの目玉はやはりSidecar

ここ数年、Apple(アップル)がmacOSに施してきたアップデートは控えめなものだった。それも当然かもしれない。Facebookがボタンの配置を変えるたびに、ネット上で大騒ぎになることを思い出すまでもなく、UXデザイナーにとって、変更は少しずつ、微妙なものに保つことが肝要となっている。最近では、OSの設計についての全般的な哲学も、どちらかと言うと操作性の改善を目指すものが中心となり、大きな変更にはゆっくり時間をかける傾向が強くなっているように思われる。

消費者に対して毎年オンラインでアップグレードを提供するという規範は、Appleが率先して常態化させたもの。そのためもあってか、macOSのアップデートは、目新しさを維持するためには、いささか控えめなものになり過ぎたきらいがある。正直なところ、それ自体ははまったくかまわない。毎年のように登場するラップトップの新モデルが、華やかな新車だとすれば、OSは、運転中にずっと安心して握っていられる、できのいいハンドルのようなものだからだ。

Catalinaは、最近のmacOSのアップデートとは異なった傾向を見せていて、目立つ内容が多くなっている。底流する精神は変わっていないとしても、日常的に利用するアプリの中には、根本的な変更が加えられたものもある。それによって、普段の使い方が変わってくるのはもちろん、将来のデスクトップ用OSの進化の方向性に影響を与えるものもありそうだ。

最も目立った変化は、iTunesが鳴り物入りで廃止されたこと。その名前自体は、あちこちに名残として存続しているものの、基本的にCatalinaではiTunesの出番はない。このアプリが18年続いたというだけでもすごいことだが、かつて強大な勢力を誇ったアプリの足跡は、Apple Musicに引き継がれる。しかしこの新しいOS上の音楽再生機能は、疑いなくAppleの巨大な収益を生む装置として、有料コンテンツ再生の方向に大きく舵を切ったものとなっている。

それと同じ流れで、Mac用のTVアプリも登場し、今後登場するApple TV+とArcadeのためのお膳立ては整えられた。さらに、いくつか新しいアプリも登場して、Catalinaの公式リリースを祝っている。たとえばPodcastは、デスクトップアプリとして独立したものとなった。とはいえ、少なくとも今のところは、Appleがそこから直接収入を得るような仕組みにはなっていない。それよりAppleにとっては、この急速に主流になりつつあるメディアについて、「ポッドキャスト」という名前を付けるきっかけとなったのは自分であると主張することの方が重要だったのだろう。

一方、Catalystの登場は、将来のMacアプリの種が蒔かれたことを意味する。Apple純正のニュース、株価、ボイスメモ、ホームのような、iPadから移植したアプリに続き、同社はすべてのiPadデベロッパーにCatalystを公開した。iPadアプリを、macOS用に簡単に移植できるようにするためだ。良かれ悪しかれ、この動きは、2つのOSの間の境界を、広い意味で曖昧にするもの。しかしAppleにとっては、これはむしろ実利を重視した動きだったのかもしれない。というのも、iOSの人気が高まるにつれて、Mac用アプリの開発は逆に停滞してしまっていたからだ。これは、こうした状況を打破するためのシンプルな解決策と言える。

アクセシビリティについても、進化した音声コントロール(英語版のみ)など、いくつかの歓迎すべきアップデートが加えられた。また、セキュリティ面でも機能強化が図られている。

ただし、この記事を書くにあたって、私がもっとも強い興奮を覚えたのは、Sidecarだった。私に言わせれば、これはAppleが新機能のリストの中に仕込んだ隠し玉だ。もちろん、これがMusic、TV、あるいはArcardeのように、万人受けするアプリではないことは十分に理解しているつもりだ。ちょうど私は、TechCrunchがサンフランシスコで開催したイベントから戻ってきた ばかりで、余計にそう感じるのかもしれないが、Sidecarは、生産性に関して本物の革新をもたらすものだ。

すべての注意事項を無視して、私はCatalinaのベータ版を、メインの仕事用マシンにインストールした。もちろん、自分で何をしているのか、分かっているつもりだ。もし出先でベータ版が落ちてしまえば、打つ手がなくなってしまうことも含めて。この記事では取り上げてないソフトウェアの問題にも遭遇したが、それはあくまでベータ版でのことと考えている。意外にも、最新版のiPadOSとCatalinaのゴールデンマスターの組み合わせでも、うまく動かない機能があった。しかし、最終版のリリースまでには、すべてスムーズに動作するようになるはずだ。

言うまでもなく、Sidecarも一種の「シャーロッキング」であることには違いない。つまり、昔からAppleがよくやってきたように、元はサードパーティが開発した機能を、自らのOSに組み込んでしまったものだ。そして、この類の機能の場合、ほとんどのユーザーにとって、OSがネイティブでサポートしたもの対抗するのは非常に難しい。ただし、アートの領域で、Apple Pencilのようなものに繊細なタッチを求める人なら、DuetやLunaを検討してみる価値はあるだろう。しかし私のように、iPadを出先でセカンドディスプレイとして使って、表示面積を確保したいというだけの人なら、Sidecarで十分だ。

この機能を有効にするには、関連するすべてのアカウントにサインインするだけでいい。ワイヤレス接続に関する機能がオンになっていることも確認して、ドロップダウンメニューから接続するデバイスを選択する。メインのmacOS画面を、ミラーリングによってそっくりiPadに表示するか、iPadを外部モニターとして、拡張デスクトップモードで使うかも選択できる。ミラーリングの場合には、iPadの画面をタッチスクリーンとして使ったり、Pencilによる入力装置として機能させることもできるというメリットがある。これは、アーティストにとって魅力的だろう。たとえばWacomのような、プロ用のタブレットの代わりに使える可能性もある。

私にとって、セカンドディスプレイは重要だ。外部モニターをつないで、作業スペースが拡がると、それだけで安心できる。複数のウィンドウを同時に開いたままにしておくのもずっと簡単になる。メインのデスクトップでPagesとChromeを使いながら、iPadでSlackを開いておけば、かなりの時間の節約になる。

細かいことを言えば、Sidecarとディスプレイの設定が別々になっているのは、ちょっと面倒に感じる。たいていの場合、私はiPadのある側に座って作業することになる。使用中に、そのまま左右を入れ替えることができれば、もっといいのだが。一方、仮想的なサイドバーが表示されるのも面白いが、ミラーモードの場合には、どうしても余計なものに感じられる。

それはともかくとして、やはりSidecarは、記憶にある範囲でmacOS最高の新機能だと思っている。

私はiTunesがなくなったことは、さほど気にしていない。Appleが、そうすることに決めた理由は、よく理解できる。正直に言えば、むしろ今までそうなっていなかったことの方が驚きだ。私は以前からSpotifyのユーザーで、Apple Musicに乗り換えるつもりもない。Spotifyは、サポートするデバイスの種類が多いのも気に入っている。とりわけApple Musicへの乗り換えは、ユーザーを常に「無料試用」に駆り立てる策略に乗ってしまうことのように感じられる。

ミュージックアプリは、iTunes同様、ローカルに保存された曲の再生も可能だ。しかし、ストリーミングサービスを利用すれば、デジタル音楽の所有権という概念も過去のものとなる。私のアパートのどこかには、何百ギガバイトもの音楽データを保存した、古いハードディスクが埃をかぶっている。いつかまた聴きたくなることもあるだろうと思っていたが、正直に言って、その機会はますます遠ざかっているように感じられる。

Podcastアプリの基本は、iOS版のアプリを使ったことのある人には自明のものだろう。非常にシンプルな作りで、Musicと同じように、聴きたいものを発見することに焦点を合わせている。これをApple Musicから分離させたのは、AppleはこのカテゴリにSpotifyのような巨額の投資をしようとは考えてないことを示しているのだろう。そして今のところ、少なくともその必要はなさそうだ。Appleは、すでにこの分野で非常に有利なスタートを切っているのだから。

Apple TVも、うまくリフレッシュされた。これも、同様に発見に焦点を合わせている。しかし、長期的に見てAppleにとってずっと重要なのは、このアプリが、来月に登場する予定のApple TV+の土台を築くものだということ。HBO、Showtime、Starzなどのプレミアムチャネルがここに統合され、ケーブルテレビを解約して、ネットに乗り換える人の着実な受け皿となる。また、あらゆる対象年齢のコンテンツを取り揃えた、キッズ専用のセクションが登場するのも素晴らしい。

確かにArcadeは、Macがもっと本格的なゲームシステムになるための条件として、誰もが期待するようなものではないだろう。また、そのタイトルの大部分は、モバイルデバイスで遊ぶことを前提に設計されている。とはいえ、月額4.99ドル(約533円)というサブスク料金を考えれば、デスクトップでも遊べるのはかなり魅力的だ。すでに、ゼルダの伝説のイミテーションであり、オマージュでもあるOceanhorn 2が、仕事中の気分転換に適しているかどうかなど、盛んに話題になっている。

写真アプリは、iOS版の主要な機能を多く取り入れている。機械学習によるAIによって、最高のショットを選んでハイライト表示してくれる。また写真は撮影した日/月/年で分類される。写真のプレビューは大きく、ライブフォトやビデオの再生も可能となった。

より実用的な面について言えば、iOSデバイスとの同期とバックアップ機能についても、嬉しいアップグレードが施された。iTunesがなくても使えるようになったのだ。こうした機能に、Finderから直接アクセスできるようになったのは、確かに意味深い変更と言える。そもそも、そこにあるべきものだったのだ。iTunesの中から使えるようになっていたのは、初期のiTunesとiPodを組み合わせて使っていた時代の名残に過ぎないと感じられるものだった。それが、今やFinderサイドバーから直接利用できるようになった。

これまで同様、Macユーザーに対してmacOSの最新バージョンへのアップデートを勧めない理由は何もない。もちろん、それが無料だというのも、それを後押しする要因の1つだ。今回のアップデートは、記憶する範囲では、かなり革新的なものであり、ほとんどの新機能は待ち望まれていたものだ。すでに述べたように、個人的な理由で、Musicだけは愛用することにはならないだろうが、Sidecarは大歓迎だ。

macOS Catalinaは、すでにすべてのユーザーが利用可能となっている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

もうアップルのSidecarが手放せない


Apple(アップル)のmacOSと新しいiPadOSのパブリクベータの公開によって、ついにSidecarを自ら体験することができた。iPadをMacの外部ディスプレイとして利用できるようにする機能だ。私としても、iPadが登場したときから、こうなればいいのに、と思っていたことで、その望みがついにかなったというわけだ。

これらはまだベータ版のソフトウェアなので、当然ながらいくつかのバグに遭遇した。例えば、Macのディスプレイが点滅したり、再起動しなければならなくなったりもした。もちろん、これは問題ではない。ベータ版は、まだ完成品ではないのだから。しかし、Sidecarはすでに大変革を起こしつつある。将来は、おそらくこれなしてやっていくのは難しくなるだろう。特に出張中は。

Sidecarも「そのままでうまく動く」というAppleの精神にぴったりと適合しているので、設定はものすごく簡単だ。MacのOSが10.15 Catalinaになっていて、iPadOS 13 betaをインストールして、BluetoothとWi-FiがオンになったiPadが近くにあれば、MacのメニューバーにあるAirPlayのアイコンをクリックするだけで、ディスプレイのオプションが表示される。

そこでiPadを選択するだけで、SidecarがMacの拡張デスクトップをiPadのディスプレイに表示する。macOSのシステム環境設定では、通常の外部ディスプレイとして扱われるので、他の外部ディスプレイも含めて並べ方を変えたり、ミラーリングモードに設定することもできる。一般的な外部ディスプレイにできてSidecarではできないことの1つは、解像度を変更すること。ここは、デフォルトの1366×1024ピクセルのままとなる。これは、私がテストに使用した、第1世代の12.9インチiPad Proの場合だ。Retinaディスプレイのデバイスとしての解像度は2732×2048ピクセルだ。この設定が、iPadとして最も使いやすい標準的な解像度なのだ。そのため、ピクセルで構成された画像も、装飾的なフォントも、まったく自然に表示される。

Appleは、仮想Touch Barと「サイドバー」と呼ばれる新機能をデフォルトでオンにしている。そう、Sidecarにサイドバーがあるのだ。このサイドバーからは、Dockを開いたり、ソフトウェアキーボードを引き出したり、すばやくコマンドにアクセスしたり、といったことができる。これは、Mac側ではなく、iPad側を操作する際に特に便利だ。ドローイングのアプリにどっぷり浸かっている場合など、たとえば取り消しのようなコマンドが使いたくなった場合にもありがたい。Appleは、そのためのボタンをサイドバーに用意してくれているのだ。

Touch Barの内容は、2016年以降のMacBook Proが備えるハードウェアのTouch Barと基本的に同じもの。 このTouch Barは、お飾りの機能のようなもので、特にハードウェアの「esc」キーがないことを理由に、Touch Barのないエントリーレベルの13インチMacBook Proのほうがいいと声高に主張する人もいた。また、Sidecarを使用しているiPadでは、その最も優れた機能かもしれないTouch IDを利用することができない。それでも、Sidecarを写真やビデオの編集に使う場合には、アプリに特有のクイックアクションを可能にするサイドバーが自動的に呼び出され、すぐに使えるように準備されるは、見ていて感動的だ。

特に優れているのは、Touch Barもサイドバーも、簡単にオフにできるようになっていること。いずれもMacのメニューバーから簡単に操作できる。そうすれば、大きくて美しいiPadディスプレイをフルに表示用として利用できる。Sidecarは、この設定を憶えているので、次に接続したときも同じ状態で利用できる。

また、macOS Catalinaの新機能として、ウィンドウ左上にあるウィンドウをコントロールする3色のカラーボタンに、マウスホバーで表示するメニューが加わっている。そのメニューにより、フルスクリーン表示にするか、ウィンドウを画面の左半分、または右半分にタイリング表示するか、さらにSidecarを使っている場合には、そのウィンドウをiPad側に移動するか、あるいはiPadからMacに戻すか、といった操作が選べる。

  1. Screen-Shot-2019-06-28-at-7.51.00-am

  2. Screen-Shot-2019-06-28-at-7.51.15-am

これによるウィンドウ操作は、かなりうまく機能する。元のウィンドウの設定も憶えていてくれる。たとえば、手動でサイズ変更してMacの画面の4分の1くらいの大きさにしたウィンドウを、いったんSidecarでつないだiPad側に移動してから、またMac側に持ってきた場合、しっかりと元のサイズと位置に復帰するのだ。このように複数のディスプレイ間でウィンドウを管理する機能が、純正のソフトウェアによってサポートされたのは間違いなく素晴らしいことだ。

私はSidecarを無線接続で使ってみたが、もちろん有線接続でも動作する。Appleによれば、どちらの接続でも、それによる性能の差はないはずだという。これまでのところ、無線接続でも、あらゆる期待を上回っていた。特に信頼性と品質の点で、競合するサードパーティの製品よりも優れていた。Sidecarは、iPad Proをキーボードケースに格納した状態でも機能する。その場合、Mac本体が離れたところにあっても、何の問題もなくiPad側のキーボードでキー入力を代用することができる。

Sidecarは、デジタルアーティスト用としても本当に優れている。Mac上でのスタイラス入力を最初からサポートするAdobe PhotoshopやAffinity Photoといったアプリでは、そのままApple Pencilによる入力が可能となるからだ。私は、こうした用途のために、MacにWacom Cintiq 13HDを接続して使っていた。そして今回、AppleのSidecarは、驚くほどうまく、その代替として使えることがわかった。それは無線接続が可能だからというわけでもないし、12.9インチのiPad ProであってもWacom製のデバイスよりは持ち運びに便利だから、というわけでもない。入力する際の応答の遅延がほとんどなく(実際、まったく認識できないほど)、Pencilの先端の位置が画面上のカーソルと一致するようにキャリブレーションする必要もない。上でも述べたように、Sidecarと専用の「取り消す」ボタンの組み合わせは、アーティストにとって生産性向上マシンのようなものだ。

このPencilは、Sidecarにおける唯一のタッチ入力手段となっている。この点は、これまでサードパーティ製のアプリを利用してきた人にとって、奇妙に感じられるだろう。それらのほとんどは、iPad上でのタッチ入力を、Macでもフルに利用できるようにしているからだ。Appleは意図的に、指によるタッチ入力ができないようにしたのだ。なぜなら、Macはそれを意識した設計になっていないからだ。実際に使ってみると、私の脳が期待した通りの動作が得られる。したがって、ほとんどのユーザーにとって、指による入力ができないことは、それほど問題にはならないだろう。

Appleは5K iMac以降のモデルで、長い間そのオールインワンのデスクトップの大きな魅力の1つだったターゲットディスプレイモードを省いた。その発表は、古くなったiMacを最大限に活用したいと考えていた人にとっては残念なものだった。しかしSidecarは、それを補って余りあるものだ。それによって、比較的最近のモデルなら、iPadの利用価値は、ほとんど倍増する。もちろん、追加された画面の表示面積を、有効に活用できる人なら、の話だ。その際、感圧式のApple Pencilを利用するかどうかは、さほど大きな要因ではない。出張や、オフィスの外で仕事をすることが多い人にとって、Sidecarは、まるでAppleのエンジニアリングチームと一緒になって、自ら設計したもののようにしっくりくるだろう。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Sidecarや新ミュージックアプリなどmacOS 10.15 Catalinaの注目点

Catalinaほど、2019年現在のApple(アップル)の状況を縮図のように反映しているものはないかもしれない。このmacOSの最新バージョンは、Appleにとっての過渡期に登場することになった。デスクトップOSとして、コンテンツに注力するというAppleの方針、クロスプラットフォームの互換性への継続的な追求、そしてクリエイティブなプロユーザーを改めてMacに惹き付けようという動きのショーケースのようだ。

もうかれこれ数年にもなるが、macOSはiOSに主役の座を明け渡したままとなっていた。しかし、AppleがiPhoneによって、そのカテゴリに革命を起こして以来初めて、スマホの売上にも陰りが見えはじめ、長く続いたモバイルの勢いにも衰えが感じられるようになってきた。同社は明らかに、Apple TV+によって見込まれる10億ドル(約1000億円)規模の売上に将来性を見出している。その一方で、Mac Proのように、長い間失望を与えてきた製品の復興によって、かつてのコアな客層を取り戻そうとしているようにも見える。

macOS 10.15は、詳しく述べるべき多くのアップデートを含んでいるが、新機能に限って言えば、大きく2つのカテゴリに分けられるだろう。

  • 新しいミュージックとApple Podcast(さようならiTunes)、Apple TVによるコンテンツの提供方法の変更。
  • iOSやモバイルデバイスとの連携の強化。もちろん、これはAppleが長年の推し進めてきたことだが、iOS/iPadOSアプリの移植を容易にするProject Catalystと、iPadをMacのセカンドディスプレイとして使えるSidecarは、今回のmacOSのアップデートの中でも最大のものと言っていいだろう。

ミュージック

ある年齢以上のAppleユーザーにとって、これはちょっと感傷的なものだろう。macOSのアップデートは、時間の経過を計るための最善の方法ではないとしても、それは毎年毎年、機械仕掛けのようにやってくる。iPod Classicが、ゆっくりと、そして静かに消えてなくなったように、iTunesの終焉も、Appleにとって、そしてデジタルミュージック全般にとって、重要な一時期が過ぎ去ったことを象徴している。

もちろんAppleは、何年も前にiOS版のiTunesをミュージックとPodcastに分割した。それによってiTunesの、この避けられない運命を予告していたのだ。正直なところ、Mac版のiTunesが、ここまで長く生き延びてきたのは、むしろ驚きだ。

「ユーザーはiTunesが大好きで、その機能も気に入っています。それでも、何度も耳にしてきたのは、iTunesにはもっとできることがあるんじゃないの?ということでした」と、副社長のCraig Federighi氏は、WWDCのステージで冗談めかして言った。その後、カレンダーとメールの機能も含んだiTunesのモックアップを見せた。これは大きな笑いを取った。エンジニアは、こうしたジョークが大好きなのだ。

Appleは、新しい、スリムになったMac版のミュージックを、ソフトウェアの肥大化との戦いの一環と位置づけている。それも確かにそうだが、ここでもっと重要なのは、デジタル音楽が、所有するものからサブスクリプションベースのサービスに移行したことの方だ。Apple Musicが前面に出て目立つ存在となり、AppleがSpotifyのようなサービスと戦い続けるための援軍としての役割を果たすことになる。

とはいえ、名前や目指すところが変わっても、このアプリは、そのアイコンからして、長年のiTunesユーザーにとって馴染み深いものとなっている。さらに、20年近くも使われ続けてきたソフトウェアの名前が完全に消えてしまうのではないかと思っている人も、心配は無用だ。iTunesという名前は実際には「iTunes Store」として残る。こちらは、Appleのストリーミングサービスに対して、伝統的なダウンロード販売を続けることになる。各社の音楽レーベルは、今後もそこで音楽の購入を促していくことになるのは疑いようがないが、「iTunes」という名前が、将来に渡ってmacOSの中に存在し続けるかどうかはわからない。

感傷的なものかどうかは別として、「iTunes」と「ミュージック」という名前を今後両方とも使い続けるようにしたことは、なにかとユーザーの混乱を招くことになるかもしれない。私自身、今でもときどきPodcastアプリのことをiTunesと呼んでしまうことがある。身についた習慣はなかなか抜けない。

ミュージックのユーザー体験の中心的な存在となるのが「For You」だ。これは、iTunesにもあった一種のホームページで、アプリからの提案、最近再生された楽曲、あるいは友だちからのおすすめ、などが組み合わされて表示される。こうした提案も、以前よりずっとダイナミックなものとなっている。ユーザーの好みに合わせてApple Musicをカスタマイズするようなものだ。

このアプリは、まずAppleのサービスにサインアップするように促してくる。私も、ご多分に漏れず長年のSpotifyユーザーなので、そうするつもりはない。これは、Appleのサービスに加入せずに、自分のデバイスに保存されている音楽コレクションを聴こうとしている人にとっては、うっとうしいだけだ。サイドバーにある「アーティスト」、「アルバム」、「曲」のアイコンを直接クリックするか、検索範囲を自分のライブラリに制限することで、これはほぼ解決できる。

Apple TV

macOS版のApple TVアプリは、iOS版のすぐ後に続いて大きなアップデートを受けることになる。Appleは、この秋に登場予定の10億ドル(約1000億円)規模のプレミアムなストリーミングサービス、TV+を準備するため、非常に明からさまな推進策をあらかじめ用意したわけだ。

Apple Musicと同様、ここでの大きな変化は、ほとんどコンテンツにある。今年の年末に向かってAppleにとってかなり大きなパラダイムシフトになると見られていることに対して、どのように準備がなされているかを、それが表している。しかし、みんながTV+の降臨を待っている間に、Appleはこのアプリに重要な機能を追加した。チャンネルだ。

今年初めごろにあったApple TVのイベントで発表されたチャンネルは、HBO、Show and Startといったプレミアムネットワークをアプリに直接統合する。これは、Netflix、Huluなどと直接競合することになる。さらにAppleは、ケーブルテレビに取って代わることももくろんでいる。正直なところ、ComcastやTime Warnerのような会社がそれなりに受け入れられているところから判断すると、そうしたこともさほど難しくはないのかもしれない。もちろん、人々がAppleに目を向けて、Appleのもくろみ通りに事が運ぶかどうかは、TV+が首尾よくNetflixを置き換えることができるかどうかにかかっているだろう。

最上部には、コンテンツが「Watch Now」「Movies」「TV Shows」「Kids」「Library」という5つのカテゴリーに分けられたタブがある。この表示はApple Musicとも似ている。検索機能は閉め出され、ライブラリもいちばん後ろのタブへと格下げされている。今のところ、ダウンロードとケーブルチャンネルが主体だが、将来的には、間違いなくこれがApple TV+の購読を促すためのものとなるだろう。おそらく、TV+には独自のタブも用意され、さらに「今すぐ観る」の中で推薦されるアイテムの中でも重要な位置を占めることになるだろう。

子供用のタブも用意されることになる。そこには、家族向けの作品が一堂に集められることになる。たとえば、ミッキーマウスやチャーリーブラウンといった、よく知られている作品から、2-4、5-7、8-10のように年齢別に分類された映画やテレビ番組が並べられることになるだろう。

Apple Podcasts

Podcastsは、長い間iOS上で独自のスタンドアロンアプリとして日の目を見てきた。そして今、デスクトップ上にも居場所を見つけることになった。新しいミュージックアプリと同様、PodcastsもiTunesからそれほどかけ離れたものとはなっていない。現在では、およそ70万もの番組がある。独立したアプリになるには、ちょうどいい頃合いだったのかも知れない。このアプリも、成熟するにつれて、独自の個性を持つものになるだろう。

iOS版と同様に、「今すぐ聴く」がメイン画面となっていて、番組を新しいものから順に表示する。このような表示方法は、最初にiOS版に実装されたとき、賛否両論を巻き起こした。番組がポストされた順番にポッドキャストを聞きたいという人にとっては、あまり嬉しくない設定だ。その結果、あらかじめ「ライブラリ」にダウンロードしたものを、下から上に向かって聴いていくことになる。

個人的には、番組をどのように並べるか、もう少し自由に設定できるようにしてほしい。このようなことにこだわりを持っているのは、私だけではないと信じている。

他のすべてのコンテンツのアップデートと同様に、目的のものをどうやって見つけるのか、ということがやはりもっとも重要だ。Appleは近年、編集者が番組をピックアップして紹介することに力を入れてきた。ユーザーに興味を持ち続けてもらうには、おすすめのものを取り揃えるのがもっとも有効、かつ簡単な方法であることを理解しているからだ。ポッドキャストが、Appleのような大企業に重要視され続けているのを見るのは嬉しいものだ。そもそも、ポッドキャストという名前自体、Apple製品の名前にちなんで付けられたものなのだ。

サイドバーによる同期

これは、今月初めのWWDC基調講演では、ほとんど注目されなかったものの、興味深い新機能だ。デバイス間でのメディアの同期は、伝統的にiTunesの領域だった。Appleは、iTunesを分割して、アプリ自体は引退させることにしたので、残った同期機能を直接Finderに組み込むことにしたというわけだ。

今や、Macに接続したiOSデバイスは、ドライブと並んでFinderサイドバーに表示されるようになった。そこから、iOSデバイスのソフトウェアが最新かどうかをチェックしたり、iPhoneのバックアップや復元を管理することができる。また、ストレージの残量、バッテリーの充電状態、といった情報をまとめて確認できる。

上の方にあるメニューには、ミュージック、ムービー、テレビ番組、ポッドキャスト、オーディオブック、ブック、写真を管理するためのオプションもある。こうしたことを、すべてFinderで管理するというのには、ちょっとした慣れが必要だが、一箇所にすべてまとまっているのはよいことだ。

写真

正直に言うと、Mac版の写真アプリは、私はほとんど使わない。実際、今回Catalinaをインストールするのに使った仕事用のラップトップでは、起動したこともなかったようで、最初に起動する際にインストールプロセスをたどる必要があった。それでも、macOS版をこれまでのものよりも魅力的にする機能が、iOS版から持ち込まれていることがわかる。

ユーザーは日、月、年ごとに写真を見ることができる。写真に位置情報が含まれていれば、コンテキストを考慮した表示が可能となる。たとえば、記念日ごとにまとめた表示などができる。Appleは、数年にまたがって子供の誕生日をハイライトする、本当に魅力的な表示機能を基調講演のステージでデモしていた。それれは、あたかもFacebookの記念日機能をより強力にしたような感じのものだった。

iOS版と同様に、AppleはAIを使用してベストショットを選び、他のものよりも大きく表示してくれる。その際、あまり見栄えのよくないもの(たとえば私がメモとして撮っておくホテルの部屋番号のようなもの)はスクロールから除外される。スクロール中には、Live Photosが自動的に再生され、よりダイナミックな体験が得られるようになった。

Sidecar

これは数々の新機能の中でも、間違いなくもっとも期待されているものだろう。私自身、いちばんワクワクしている。私はこれまで、LunaとDuetを両方とも使ってきた。数ヶ月前まで、このような機能をAppleが自社の製品に取り込むことになるとは思ってもみなかった。しかし、それは現実のものとなり、私は興奮を覚えている。サードパーティの製品は、それぞれ独自の方法でこうした機能を実現し、さまざまな効果を備えていた。

Sidecarでは、iPadをセカンドディスプレイとして利用できる。サードパーティの製品も、私は特に出張時にとても重宝していた。目的地に着いたら、すぐにiPadを取り出してスタンドに設置し、TweetDeckや、オンラインリソースの表示用として使う。その間、Mac本体のディスプレイは、原稿を書くために確保しておける。

関連記事:iPadをMacの外部モニター/液タブにするアップル純正Sidecarの脅威

こうしたことすべてが、Sidecarの拡張デスクトップを使ってできるようになった。しかもそれだけではない。ついに、公式なタッチスクリーン付きのMacが、ほとんど実現したのと同じようなものだ。さらにApple Pencilも使えるのだ。そのためには、iPadのディスプレイをミラーリングモードで使う必要がある。この効果は、Wacomのタブレットを使って、メインのMac画面に表示されているコンテンツの上に描画するようなもの。その際、負荷の重い演算処理は、すべてMac側で実行される。

この最後の部分は、Appleがこの機能のターゲットと考えているユーザー層を考えると、特に重要だ。確かに、Sidecarは頻繁に出張する人にとって便利な機能だ。しかし、本当のターゲットは、クリエイティブなプロフェッショナルなのだ。かつてAppleは、この分野で独占的な状態にあった。しかし、MicrosoftのSurfaceシリーズのような製品との競合が、徐々に激しくなってきていた。

この機能は、PhotoshopやMayaなど、スタイラスをサポートするプロ用のアプリと互換性がある。ちなみに、MacBookのTouch Barは、iPadのディスプレイの底辺部分に表示される。セカンドディスプレイ上では、以下に挙げるようなさまざまなタッチジェスチャもサポートされている。

  • カット:3本指で上向きに2回スワイプ
  • コピー:3本指で上向きにスワイプ
  • 貼り付け:3本指で下向きにスワイプ
  • 元に戻す:3本指で左向きにスワイプ
  • やり直し:3本指で右向きにスワイプ

この機能が特に優れているのは、有線接続でも無線接続でも使えること。多くのワイヤレス機器を使っているような場所では、有線接続の方が確実だ。Appleによれば、このシステムは、最大10メートル離れていても無線で使えることになっている。BluetoothとWi-Fiを組み合わせることで、遅れを最小限にして通信できるという。

私は地元のコーヒーショップで、この機能をちょっと使ってみることにした。今その状態でこの原稿を書いている。実際に、その応答性の良さは感動的なものだった。使ってみると、あちこち変更したくなる部分はある。たとえば、iPad上のタッチバー表示の明るさを調整できれば、根本的に使いやすくなるのだが。

アクセシビリティ

障がいのある人にとって使いやすいものにするための機能を、さまざまな企業が自社の製品に追加するのを見るのは、いつも嬉しいものだ。Catalinaの音声コントロールは、その最たるもの。私自身は、今のところ実生活でそのような機能にアクセスする必要はない。しかし、WWDCでの発表の際に使われたビデオに紹介されていた機能を実際に試してみた。

当然と言えば当然だが、この機能に慣れるのには、かなり時間がかかる。システムが提供できる能力の限界を知るのもたいへんだ。しかし、ちょっと試してみただけでも、一般的な入力方法が使えないユーザーにとって、これが状況を一変させるものになるであろうことは容易に理解できた。

試しに、私は「Open Messages(メッセージを開け)」から始めてみた。それから「Show Numbers(数字を表示)」と言うと、さまざまな機能に対して数字がオーバーレイ表示される。これは、Siriに「compose message(メッセージを作成)」と言う代わりに、たとえば「15」と言うだけで、その行にテキストを入力し始められることを意味している。もちろん、まだこの機能は初期段階であり、すべてのサードパーティ製アプリで使えるようにはなっていないといった制限もある。しかし、Appleがこのような機能を実現したことは喜ばしい。

今後数ヶ月の間に、さまざまな新機能を実際に使ってみた上での記事がいろいろ出てくるだろう。Catalinaのパブリックベータ版は米国時間の6月24に公開された。正式バージョンは今秋にリリースされる予定となっている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

アップル製品の将来を占う新しいアプリ開発環境

開発ツールに関しては、デベロッパー向けのメディア以外で大きく扱われることはあまりない。しかし、Apple(アップル)がWWDCで発表した開発ツール類は、今後のアップル製品向けのアプリの数と質の両方に、多大な影響を与える可能性が高い。それはiPhoneだけに限らない。macOS、watchOS、tvOS、そして新たに加わったiPadOSを搭載する製品にすべて関わってくる。

今回のイベントの主役ではなかったが、デベロッパーがさかんに話題にしていたのはSwiftUIだった。

5年前、アップルはプログラミング言語Swiftを発表して、アプリ開発をできるだけ容易なものしようとする動きを見せた。そして今回のWWDCでは、SwiftUIと呼ばれるまったく新しいユーザーインターフェースのフレームワークを発表し、そのビジョンをさらに押し進めた。SwiftUIを利用することで、スムーズなアニメーションの付いたフル機能のユーザーインターフェースを、シンプルな宣言的コードによって実現できる。

デベロッパーにとっては、これは大幅な時間の節約につながる。SwiftUIが備える自動化の機能によって、アプリの設計を洗練されたものにできるだけでなく、バグを減らすことになるからだ。また、アップルがデベロッパーに説明したところによれば、「単にコードの量を減らせるだけでなく、より良いコードにできる」ということだ。

シンプルであることを目指したのは、そうでなければどうしても避けられない、さまざま種類の誤りの発生を防ぐことを意図したもの。SwiftUIのコードは、まるで他の人からユーザーインターフェースについて説明を受けているかのように読みやすい。さらに、デベロッパーは異なるプラットフォーム間で、より多くのコードを再利用できるようにもなる。

それによって、開発サイクルの大幅な短縮にもつながる。デベロッパーが、アプリのユーザーインターフェースの一部だけを変更したくなった場合でも、素早く、しかも簡単に変更できる。

SwiftUIのフレームワークは、インターフェースのレイアウトをはじめとして、さまざまな面に効果を発揮する。たとえば、iOS 13が装備するダークモードへの対応、アクセシビリティ、右から左へ向かって書く言語への対応を含む国際化などだ。しかもSwiftUIは、同じAPIをiOS、iPadOS、macOS、watchOS、さらにtvOSという複数のOSに共通のものとすることで、アップルのアプリのエコシステム全域にまたがって使えることも重要なポイントだ。

このような特徴によって、これまでiOSだけに注力していたデベロッパーも、既存のアプリをSwiftUIに対応させさえすれば、クロスプラットフォームの開発に着手しやすくなる。

もちろん、アプリの性格によって、どこまでSwiftUIに対応できるかの程度は異なるだろう。しかしSwiftUIは、新規のデベロッパーにとっても魅力的なだけでなく、初めてアプリ開発に取り組むような初心者をも惹きつけるものがある。

SwiftUIは、Xcodeの新バージョンとともに発表された。このXcode 11には、新しいグラフィカルなUIデザインツールが含まれている。それによってデベロッパーは、コードを書くことなく、SwiftUIを使ったユーザーインターフェースの開発が可能となる。

視覚的なデザインツール上でUIが変更されると、そのつど新たなSwiftコードが自動的に生成される。さらに、そのアプリがどのような表示になり、どのように動作するのか、iPhone、iPad、iPod Touch、Apple Watch、Apple TVなど、接続されたデバイス上のリアルタイムのプレビューで確認できる。

これによりデベロッパーは、各プラットフォームでコードがどのように機能するかをテストできる。たとえば、マルチタッチに対してどのように応答するか、カメラやセンサー類の動作はどうかなど、開発プロセスの中で確認できるのだ。

Watchアプリ

watchOSに関しては、SwiftUIによって、Watchアプリならではのアニメーションとエフェクトの開発の複雑さを解消することができる。これまでは、その難しさのせいで、Watchアプリに手を出すのを躊躇するデベロッパーもいた。

SwiftUIは、スワイプして削除、リストアイテムの並べ替え、カルーセルのスライド、デジタルクラウンへの直接アクセス、といった機能を備えたWatchアプリの開発をサポートする。

またApple Watchは、デバイスから直接App Storeに接続できるようになり、ペアとなるiOSデバイスやiPhoneがなくても、スタンドアローンのアプリをインストールできるようにもなった。

このスタンドアローンのWatchアプリは、iOSから独立して動作させることができるだけでなく、Apple Watchを独立したプッシュ通知のターゲットに設定することも可能となる。つまり、そのユーザーがログインしているすべてのデバイスにではなく、Watchにだけ通知を送信することができる。

Watchアプリは、CloudKitのサブスクリプションをサポートできるようになり、プッシュ通知をコンプリケーションとして表示することで、ユーザーに最新情報を伝える。Watchアプリは、対応するiPhoneアプリを使っていないユーザーをもターゲットにできるようになったので、ユーザー名とパスワードを入力するテキストフィールドを表示するようになった。そこに入力してサインアップするか、今回発表された「Sign in with Apple」ボタンを使うこともできる。状況によってはアップルでサインインが必須の場合もある。

Watchアプリは、オーディオのストリーミング再生もできるようになった。これにより、これまで可能だったものとは異なるタイプのアプリへの道が開かれる。デモで見たように、Pandoraのようなインターネットベースのストリーミングサービスを利用して、スポーツ中継や音楽をストリーミング再生するアプリを想像するのも難しいことではなくなった。

さらに、watchOSの新しい拡張ランタイムは、ユーザーが手首を下げた状態でも動き続ける、新たな種類のWatchアプリの開発を促すことにもなるだろう。

たとえば、セルフケア、マインドフルネス、理学療法、スマートアラーム、健康状態のモニタリング、といった分野のアプリは、このランタイムを利用することで、Apple Watchのユーザーにとって新たな体験を創出することができるだろう。

これまでのWatchアプリのエコシステムが停滞したのは、アプリ開発の複雑さによるものだけでなく、ユーザーが手首を持ち上げている状態でしか動作しないというような制限をデベロッパーに課してきたことにもよる。ユーザーの手首の上で何ができるかを考えることを止めても、たとえばセンサーやストリーミングオーディオを利用することで、デベロッパーは単純に普通のiOSアプリを移植することも可能となる。

驚くべきことではないが、これまでそうしたアプリの多くは失敗し、やがて削除されることになった。アップルは、Watchアプリのエコシステムの再起動を狙っている。

macOSアプリ

今回のWWDCで発表された新しい開発ツールは、iOSのデベロッパーが、1億人のアクティブなMacユーザーにアピールする機会を生むことになる。

アップルによれば、いくつかの純正iPadアプリは、Mac上でも十分通用するものであることを認識しているという。しかし、一般のデベロッパーは、macOSのAppKitを使ってiPadアプリを移植する時間的な余裕がない。そこで今年のWWDCでは、デベロッパーにとって「最小限」の労力でiPadOSアプリをMac用に移植できるような技術を発表した。

現在、iPad用には100万本を超えるアプリのエコシステムがあり、その多くはMac上で動かしても意味のあるものだと考えられるということだ。

この取り組みの一環として、アップルはiOSからMacに40個ものフレームワークを移植した。その結果、わずかな例外を除いて、ほぼすべてのiOSのAPIの移植が完了した。これは、UIKitをネイティブなフレームワークとして採用し、次期macOSのリリース、Catalinaに直接組み込むことによって実現した、とAppleは述べている。

さらにアップルは、iPadアプリをMacに移植するための3段階のプロセスを用意した。

その最初のステップは、Xcodeのプロジェクト設定で「Mac」と書かれたチェックボックスをオンにすること。

するとXcodeでは、ソースに変更を加えるたびに、iOS、iPadOS、そしてmacOS用のすべてのアプリが自動的に更新されるようになる。

またiPadアプリを優れたものにすることは、ベストプラクティスをサポートするところから始まるという考えに沿って、デベロッパーはMac用にカスタマイズすべき部分を示唆される。つまり、状況に応じてメニューバー、タッチバー、マウスホバーのイベントなどをサポートすべきことが示される。

チェックボックスをオンにするだけで優れたMacアプリが開発できるわけではないが、それによって作業量は軽減される。

ただし、アップルが(優れた」iPadアプリの条件として、どの程度のものを要求するかについては疑問も残る。アップルは最大の効果を得るためには、デベロッパーはiPadのベストプラクティスを採用すべきだとしている。たとえば、外部キーボードをサポートしたり、Metalのようなキーとなる技術を採用することなどだ。

とは言え、もしアップルが本当にMac App Storeの品揃えを充実させたいなら、そしてもっと利益を生み出すアプリを増やしたいと考えているなら、Macに移植されるiPadアプリに、それほど多くを強いることはないかもしれない。

アップルでは、WWDCで発表する前に、すでに10社程度のデベロッパーとこの移植プロセスを試している。その中には、アメリカン航空、Crew、DCユニバース、Post-It、ツイッター、Tripit、フェンダー、アスファルト9、Juraなどが含まれる。

iPadOS

ところで、iPad上で動作するiOSには、iPadOSという新たなブランディングが施されることになった。

これまでのiPadは、発売当初からずっとiOSを搭載してきた。しかし時が経つにつれ、iPadの大きな画面を活かすための独自の機能も実現してきた。たとえば、スライドオーバー、スプリットビュー、ドラッグ&ドロップや、Apple Pencilのサポートなどが挙げられる。

まずはじめに、iPadOSでは、ホーム画面のアイコンのグリッド間隔は狭くなる。これは、サードパーティアプリが使えるホーム画面のスペースが広くなることを意味する。また、ウィジェットはホーム画面に固定できるようになる。これも、iPadアプリがホーム画面に占めるスペースを確保することになり、それだけユーザーの注意を引くことになるだろう。

しかし、iPadが本当に優れているのは、ノートパソコンの代わりに使えること。生産性も高くなり、スケッチやデジタルアートなど、クリエイティブな使い方も可能なのだ。

仕事効率化アプリのデベロッパーにとっては、1つのアプリから独立した別ウィンドウを開けるようになるのは、パソコン的な使い方を可能にする便利な機能だ。さらにアプリExposeや、3本指によってコピー、カット、ペースト、取り消しを可能にするジェスチャーも使えるようになる。

デベロッパー向けのツールについては、PencilKitというAPIが新たに加わり、サードパーティのアプリでも、純正アプリと同様に新しいApple Pencilにアクセスすることが可能になる。

それでも、実際にiPadアプリの開発を促進するのは、iPadアプリを簡単にMacに移植できるようになることかもしれない。言い換えれば、iPadアプリを開発しようというデベロッパーのモチベーションを本当に高めるのは、以前よりもずっと少ない労力で、同じアプリをMacでも動かせるようになること、なのかもしれない。

tvOS

Apple TV用のtvOSは、SwiftUIとiPadアプリのMacへの移植の話題に比べると、ほとんど注目されなかった。それにはアップルは、Apple TVとそのストリーミングサービス、つまりApple TV+に関しての熱意を示すイベントを開催したばかりだったということもある。

とは言え、SwiftUIはここでも活躍する。tvOSアプリでも、コードの再利用が可能になるからだ。

拡張現実と機械学習

アップルが今回のWWDCで発表したのは、作業をシンプルにして開発を促進することを狙ったものばかりではない。他の技術としては、まずARKitをさらにアップデートしたARKit 3が挙げられる。これは、モーションキャプチャー機能を備え、フレームの中の人物も認識できるようになった。それによって、人物をARオブジェクトの後ろに配置したり、前に出したりすることなどが可能となる。

これもアップデートされたCore ML 3を使えば、デベロッパーが機械学習の専門知識を持っていなくても、自分のアプリで機械学習を構築し、学習させ、その結果を利用できるようになる。

他にも、MetalやCreateMLのような重要な技術に進化が見られる。そうした技術を利用することで、デベロッパーは、それぞれの領域で、より品質の高いアプリを開発できるようになるだろう。

それでも、もっとワクワクさせ、興味を引きつける部分は、やはりアップルが現在最も人気のあるアプリプラットフォームであるiOSにテコ入れして、アプリのエコシステム全体に活を入れようとしていることだろう。今回のWWDCで発表されたツールによって、アップルは開発とデザインを合理化し、よりシンプルなものにしようとしている。それにより、より多くの人にプログラミングに参加してもらい、アプリのデベロッパーのコミュニティがiPhoneを超えて発想してくれるよう促しているのだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

アップルの音声コントロールはアクセシビリティをOSレベルで強化する

Apple(アップル)は、なめらかで直感的なユーザインタフェースをお家芸としている。しかし、もしユーザーがクリック、タップ、ドラッグといった操作のための指を持っていなければ、そんなものは何の役にも立たない。障がいを持つユーザーのために、Appleは強力な「音声コントロール」を装備し、音声ベースのアクセシビリティ機能の強化に本気で取り組んでいる。Mac、iPad、iOSデバイスで利用できる。

多くのデバイスが、すでに優秀な音声入力機能を備えている。そしてもちろん、Apple製のスマホやパソコンにも、もうかなり前から音声ベースのコマンド機能が備わっていた。古くはMacintosh Quadraにさえ、そのためのマイクが標準装備されていた。しかし今回の音声コントロールは、これまでにないほどの大きな進化だ。声による操作を、誰でも使える万能なものに近付ける。そして、すべてオフラインでも機能する。

基本的に音声コントロールでは、ユーザーはセットコマンドと、コンテキストに固有のコマンドの両方が使える。セットコマンドとは、「Garage Bandを起動」とか、「ファイルメニュー」とか、「タップして」などといったもの。もちろん、ユーザーが命令しようとしているのか、文章を入力しようとしているのかを区別するだけのインテリジェンスは備えている。

しかし、こうしたコマンドは、多くのボタンや入力フィールド、ラベルなどが1画面に混在しているようなインターフェースでは、うまく動かない。もし、すべてのボタンやメニュー項目に名前が付いていたとしても、いちいちすべての名前を端から読み上げて選択を促すのは時間もかかり、現実的ではない。

この問題を解決するため、Appleは表示されているすべてのUI項目に単純に番号を付けた。ユーザーが「番号を表示」と言えば表示する。そこでユーザーは、単に番号を発音するか、たとえば「22をタップ」のように、操作の種類も合わせて指示できる。基本的なワークフローは、下のGIF動画に示されている。ただ、音声がないので、伝わりにくい部分があるかもしれない。

こうした数字なら、声を出しにくい人、あるいはまったく出せない人にとっても、比較的簡単に指示できることは重要なポイントだ。たとえば、ダイアルや息を吹き込むチューブといったような、単純な入力デバイスでも選択できるのだ。視線を追跡するのも優れた入力方法だが、それなりの限界もある。数字を使う方法は、それを補うことができるだろう。

たとえば地図のように、どこでもクリックしたくなる可能性があるような画面用には、グリッドシステムを用意している。それによって拡大したり、クリックしたい場所を指定する。まさにブレードランナーのようだ。スクロールやドラッグといったジェスチャーに対応する機能もサポートしている。

テキストの音声入力は、ちょっと前から使えるようになっていたが、それについても進化した。あるフレーズだけを選択して置き換える、といったことも声で指示できるようになった。たとえば、「”be right back”の部分を”on my way”に置き換えて」のように言えばいい。他にも細かな改良点があるが、この機能を頻繁に使用する人なら、その変化に気付き、きっと気に入るはずだ。

音声の解析などの処理は、すべてオフラインで行われる。そのため応答も早く、ネットワークとの接続状態に影響されない確実な動作が可能。データ通信が困難な外国に出かけている場合も安心だ。また、Siriに組み込まれたインテリジェンスによって、基本的な語彙に含まれない名前や、特定のコンテキストに固有の単語なども認識できる。音声入力の進歩により、絵文字を選択したり、辞書に項目を追加したりすることも、簡単にできるようになった。

現状では、すべてのApple純正アプリが音声コントロールをサポートする。またAppleのアクセシビリティAPIを使用しているサードパーティ製アプリなら、簡単にそのメリットを享受できるはずだ。さらに、特に対応していないアプリでも、数字とグリッドによるインターフェースは機能するはずだ。というのも、OS自体が、アプリが表示しているUI項目の位置を把握しているからだ。このように進化したアクセシビリティ機能は、デバイスをiOS 13またはCatalinaにアップデートするだけで、すぐに利用できるようになるだろう。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

WWDCで発表されたiOS、macOS、watchOSのおいしい部分まとめ

米国時間6月3日のWWDCの基調講演では、予想通り多くのものが発表された。そのすべてを見終わってみると、なんだかAppleは、今回取り上げた新機能の間で競争を繰り広げていたようにも感じられた。全部を2時間ちょっとのイベントに詰め込まなければならなかったのだから、それも当然だろう。

多くの人にとって、新しいMac Proが今回の発表のハイライトに見えただろう。ただしAppleとしては、ソフトウェアに焦点を当てていたのは確かだ。Appleは、ハードウェアの売り上げが伸び悩むにつれて、やはり将来はソフトウェア、サービス、そしてコンテンツにかかっているのだと、痛切に感じているはずだ。今回の基調講演では、iOS、macOS、そしてwatchOSが提供することになる新しい機能の中でもベストな部分を、解説付きで観ることができた。

驚くべきことではないが、その中ではiOS 13が最も大きな変更をもたらす。ダークモードは、いわばその中のハイライトだ。この機能のセールスポイントは、macOSなど、他のOSのものと基本的に変わらない。つまり、目に優しく、バッテリーの消費を抑えるというもの。ユーザーの設定によって、常にそのモードを使うか、太陽が沈んでいる間だけ有効にするかを選ぶことができる。

ダークモードにすると、自動的に暗い壁紙が選ばれる。とりあえずAppleの純正アプリで動作するが、やがてサードパーティ製アプリもサポートする。また、アプリ開発環境も標準的にサポートするはずだ。

Appleマップは、登場した直後には鳴かず飛ばずだったが、大きなアップグレードがずっと加えられてきた。今回の新機能で最も注目に値するのはLook Aroundだ。Googleがずっと前から実現しているストリートビューに対抗するものとなる。デモを見る限り、非常にスムーズに動作する。ただし、実際に路上のセルラーネットワーク環境でどのように動くかはわからない。しかしデモは、間違いなく印象的なものだった。

イメージングに関しては、これまでもiOSにとって重要なアップグレードのポイントとなってきた。それは今回も同じだ。写真アプリの編集機能はかなり進化している。ホワイトバランス、コントラスト、シャープネス、ノイズ除去など、プロっぽいコントロールが可能となった。

簡単に使えるフールプルーフ的な機能も加わっている。たとえば、肌の色に影響を与えずに彩度を調整する機能などだ。また、画質や色調の調整や、全体の回転など、ビデオに対して使える編集ツールも加わった。また写真アプリでは、撮影した写真の1画面の表示数、並べ方をダイナミックに変更できる。たとえば、誕生日に撮影した画像をグループ化して表示すれば、時の経過を嫌でも再認識することになるだろう。

今年の基調講演は、iPadにとって、大きな節目となるものだった。iPad用のOSが、iPhone用のiOSから分離されたからだ。ユーザーにとっては、iPadの大きな画面を活かした機能を利用できるようになることを意味する。たとえば、同じアプリのウィンドウを複数開いて、これまでとはまた違う意味のマルチタスクも可能となる。さらに、ジェスチャーによってテキストを選択したり、コピー&ペーストまでできるようにもなる。こうしてiPadOSは、パソコンの操作感覚に近づいていく。

しかし、それより何より、最もエキサイティングな新機能は、実はMac側にあった。macOS Catalinaは、DuetやLuna Displayのようなセカンドディスプレイ機能をiPadに付加する。つまり、iPadをMacの外部モニターとして利用できるのだ。この機能は、Bluetoothによる無線接続でも、USBによる有線接続でも使える。

WWDCの会場は、無線通信にとっては過酷な環境のためか、デモは有線接続で行われた。複雑な操作にも対応して完璧に動作したことは言うまでもない。iPad Proなら、Apple Pencilで描くこともできる。また、iPadのディスプレイの下部には、Touch Barのようなメニュートレイも表示される。

watchOSについても、いくつか付け加えておく価値があるだろう。中でも重要なのは、月経周期の記録、予想機能だ。この機能はiOSでも利用できるようになる。これまでとはまた違った意味での健康管理を可能とするもの。

その他、watchOSに追加される機能としては、オーディオブックをApple Watchで直接聴くための純正アプリ、内蔵マイクを使用して、聴覚障害の原因となる可能性のある騒音をユーザーに警告するNoiseアプリなどがある。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

この秋からiOSアプリがmacOSで動くようになる

Apple(アップル)は6月3日(日本時間6月4日)、WWDCの基調講演で、今秋公開されるmacOSの次期メジャーリリースであるmacOS Catalina(カタリナ)で、iOSアプリをmacOSで動かせるようになることを発表した。サードパーティーデベロッパーはこの秋からiOSアプリをMac向けにリリースできるようになる。

これは小さな変更に思えるかもしれないが、舞台裏では大きな変更が数多く行われたはずだ。昨年アップルは、ボイスメモ、Apple News、株価、およびホームの各アプリをmacOSに移植してこの機能を予告していた。

スクリーンタイムもMacにやってくるほか、iOS 13で加わる新機能のフォトギャラリー、メモのフォルダー、改訂されたリマインダーなどもmacOSで動作する。

想像されていたとおり、アップルはプロジェクトCatalyst(カタリスト)を使ってこれらのアプリを移植した。プロジェクトはアップルの内部コード名 Marzipan(マジパン)の名前で知られていた。

Catalystは今日からmacOS Catalinaの初期ベータ版とともにデベロッパーに公開される。今年の夏には多くのデベロッパーがこれを使って何かを作っているに違いない。

Gameloft、Twitter、Atlassianの各アプリは、すでにアプリをmacOSに移植している。つまり、次期バージョンのmacOSではTwitterのネイティブアプリをダウンロードできるということだ。デベロッパーは、この秋にユーザーがmacOS Catalinaにアップデートすれば、macOSユーザー向けにiOSアプリを提供できるようになる。

Catalinaは、iTunesの入っていない最初のmacOSになる。さようなら、iTunes。アップルはiTunesをApple Music、Apple TV、Apple Podcastsの3つに分割した。

Apple Musicは音楽のみに特化する。つまりiTunesよりずっと速くなるはずだ。Apple Podcastsは、ユーザーの所有する複数デバイス間で再生状態を同期できる。アップルはポッドキャストの音声コンテンツをインデックス化しているので、番組の検索が可能だ。

Apple TVアプリは、iOSデバイスやApple TVデバイス上のApple TVアプリ(ややこしくて申し訳ない)とよく似ている。ビデオのストリーミングは、4K HDR、Dolby AtmosおよびDolby Visionを備えて画質が向上した。

iOSデバイスをMacと同期したいときは、Finderの中にその機能がある。iTunesの同期画面とまったく同じ外見だ。

iPadをMacの外部ディスプレイとして使うことができる。サードパーティーアプリのDuet DisplayやLuna Displayと同様の機能だ。Apple Pencilをドロー機能や写真編集に使うこともできる。ケーブル接続でもワイヤレスでも利用可能。

アクセシビリティ機能では、ボイスコントロールがmacOSとiOSの両方にやってくる。例えば、アプリを開き、「scroll down」と言ってスクロールしたり、ボタンをクリックしたり、テキストや絵文字を音声入力したりできる。数多くのボタンやエリアに数字のラベルが付けらるので、音声でボタンなどのタップやクリックができる。

新しいmacOS(とiOS)アプリ(Find Myは」Find My iPhone(iPhoneを探す)とFind My Friends(友達を探す)を組み合わせたものだ。これに伴い、オフライン状態のデバイスも見つけられるようになった。オフラインのデバイスは同じエリア内のアップルのデバイスに暗号化された匿名の信号を送る。例えば、地下にあるバーにiPhoneを置き忘れたとき、近所の人が信号をキャッチしてFind Myアプリに位置情報を送ってくるかもしれない。

なんと言っても最大のニュースはCatalystだ。詳細はまだほとんどわかっていないが、アップルは本日午後に行われるセッション(Platforms State of the Union)で追加情報を発表する可能性が高い。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iPhoneやMacもようやく「令和」表示可能に、アップデーター配布

アップルは5月14日、iOSやmacOSのマイナーアップデートを実施した。バージョンはiOSが12.3、macOSが10.14.5となる。このアップデートによる、日本の新元号「令和」の表示が可能になる。

iOSは「設定」アプリの「一般」→「ソフトウェア・アップデート」から、macOSは「システム環境設定」アプリの「ソフトウェア・アップデート」から実行できる。

iOSアップデータの容量はiPhone Xの場合で460MB程度

 

macOSのアップデータは、MacBook Air(2019)の場合で、2.8GB程度

GoogleのFlutterはmacOSやWindowsも含む真のマルチプラットフォーム対応へ

GoogleのFlutterは、クロスプラットフォーム開発に対応した UIツールキット。登場してからまだ2年しか経っていないが、あっという間に多くのデベロッパーがこぞって採用するフレームワークとなった。ただし、これまでは「クロスプラットフォーム」の意味は、AndroidとiOSにのみ限定されていた。昨年末になってGoogleは、Flutterをモバイル用だけでなくウェブにも拡張すると発表した。そして米国時間5月7日に開催されたGoogle I/Oで、その言葉通り、ウェブ用Flutterのテクニカルプレビュー版を発表した。

さらにGoogleは、Flutterを利用して、macOSWindowsLinuxをターゲットにした開発がもうすぐ可能になることも明らかにした。すでにGoogle自身も、Flutterを利用してGoogle Home Hub(Nest Hubに改名)のユーザー体験を設計し始めているという。それ以外に、さまざまな組み込みデバイス用に活用することも視野に入れている。

「Flutterは、カスタマイズされたユーザー体験を開発するための、美しく、速く、生産的なオープンソースのツールキットです。もともとはモバイル向けとして、基礎的な部分から構築したものです」と、Flutter担当のグループプロダクトマネージャ、Tim Sneath氏は語った。「今回のニュースは、Flutterをモバイル専用という枠から開放し、モバイル、組み込み、さらにデスクトップを含む汎用のポータブルなUIツールキットに昇華させるという、大きな意味を持つものです」。

デフォルトでは、Flutterを利用するアプリはGoogleのDart言語で記述し、そこからJavaScriptにコンパイルすることができる。その点では、Flutterをブラウザ上で利用するのは単純なことのように思われる。しかし、Flutterのエンジンをブラウザ上で製品レベルの品質で動作させるには、それなりの開発作業が必要だった。Sneath氏によれば、Flutterチームは、ブラウザ上でもモバイルとまったく同様に動くようにするため、特に熱心に取り組んだという。それはデベロッパーからも、ユーザーからも、同じように見え、使えるものでなければならなかった。

「大きな課題は、標準的なウェブの機能を利用して、Flutterベースのリッチなユーザー体験を実現し、それをどうやってクライアントに届けるのか、ということでした」と、Sneath氏は説明した。ウェブ上で動かすということは、ユーザーによるウィンドウのサイズ変更のような基本的なことから、キーボードやマウスとのやりとりといったことまでサポートしなければならないことを意味する。

このような要件は、もちろんデスクトップにも当てはまる。ただし、デスクトップ用のコードは、まだ製品レベルには達していない。とはいえ、すでにデベロッパーはデスクトップ版での開発も試せるようになっている。Flutterチームによれば、現状ではmacOS版の完成度が最も高いが、それなりの覚悟があれば、Windows版やLinux版での開発も可能だという。

チームは、Flutterのコードベースを1つに統一したいと考えている。そうすれば、デベロッパーがさまざまに異なるプラットフォームをサポートする際にも、Flutterのフレームワークや、その上で動作するアプリのコードをフォークし直す必要がなくなる。「私たちは、1つのフレームワークですべての環境に対応できるようにしたいと考えています」と、Sneath氏は言う。しかも、一見するとデスクトップアプリに見えるウェブアプリではなく、ネイティブ動作するデスクトップアプリも含めての話だと強調した。

Sneath氏は、New York Timesのパズルアプリのデモを見せてくれた。モバイルとウェブで、見た目も操作感覚も、まったく同じだった。これはFlutterのデベロッパーにとって、理想的なシナリオに違いない。

今回のアップデートで、GoogleはFlutterのコアに、さらにいくつかの新機能を追加した。その中には、iOS用の新しいウィジェット、Googleならではマテリアルデザイン、Dart 2.3のui-as-codeのサポート、といったものが含まれている。さらにFlutterチームは、ML Kit Custom Image Classifier for Flutterも発表した。これを利用すれば、デベロッパーは自分のアプリに画像認識のワークフローを組み込むことができる。「スマホのカメラを使用してトレーニング用のデータを収集することができます。他の人にデータ収集に協力してもらうことも可能です。1つのアプリでモデルのトレーニングをすることも、トレーニング済のモデルを利用することもできます」と、チームは発表した。

今後の展望としては、テキストの選択やコピー、ペーストのサポート強化、プラグインのサポート、PWA(プログレッシブウェブアプリ)といった新技術を標準サポートすることも計画している。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

次期macOSがApertureにとどめを刺す

Apertureは、かつて写真を編集するすばらしいアプリケーションだった。しかし、Apple(アップル)がサポートしなくなってから、もう何年も経つ。それでも、もし必要なら、まだ最新のMac上で動かすことができる。しかし、それももう長くは続かないと、Appleは発表した。

MacRumorsが指摘したところによれば、Apertureのサポートページ(英語版)でAppleは、「技術的な理由により、ApertureはMojaveより後のmacOSの将来のバージョンでは動作しません」と説明している。

この「技術的な理由」が正確に何を指すかは、Appleのみが知るところだが、想像する範囲では、さまざまなファイル構造、アーキテクチャ、ライブラリなど、Apertureが依存している部分が、Appleが次期OSに加える変更によって、もはや互換性を保てなくなるのだろう。確かに、Apertureが2014年以降放置されてから、macOSはかなり進化してきている。それでもいまだに動作することの方が驚きなのだ。

何らかの理由で、どうしてもApertureを使わなければならないのなら、Mojaveの動くマシンを確保しておけばいい。しかし正直なところ、もはやそうする理由はまずないだろう。Apertureは、もうずっと前から、LightroomやCapture Oneといったアプリに遅れを取ってきた。そしてもちろん、スマホ用の写真撮影アプリにさえ見劣りすることもある。Apple純正の「写真」アプリは、Apertureに比ぶべくもないが、部分的には共通の機能もある。

そこでAppleは、Apertureの写真ライブラリを、Lightroom Classic、または「写真」に移行させるように勧めている。前者は、それ専用のインポートツールを備えているし、後者は最初に起動する際に古い写真ライブラリを自動的にインポートするようになっている。もしまだインポートできていないなら、「写真」を起動する際に「option」キーを押したままにしていれば、読み込むライブラリを手動で追加できるはずだ。

ただし注意すべきことがある。Apertureで加えた調整や、その他の設定は、インポートする際に引き継がれなかったり、インポート後には固定されてしまうかもしれない。もしずっと昔に撮った写真に加えた編集で、もとに戻しておきたいものがあれば、インポートする前にやっておいた方がいい。

優れた製品が、ついに完全に消えてしまうのを見るのは悲しいものだ。しかしその涙はとっくに流し終えている。私自身はLightroomに移行して、後を振り返ることはしなかった。個人的には、Appleがプロ、あるいはプロ級のユーザーをもっと大事にしてくれても良いと思うのだが、私がそう思っても無駄。Appleにはその気はなさそうだから。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

iOSのSiriショートカットとスクリーンタイムが今秋macOSに

アップル(Apple)は、iOSの機能をさらにたくさんmacOSに載せたがっていると9to5MacのGuilherme Ramboが書いている。それはまず、Siriの改良からだ。

Siriはかなり前からmacOSにあるが、でもそれは縮小バージョンみたいだ。もちろん天気予報やNBAの結果や翻訳はできる。Wi-Fiを切ったり、ハードディスク上のファイルを見たりもできる。

でもmacOSのSiriではサードパーティのアプリを動かせない。WhatsAppでメッセージを送れない。Square Cashで送金ができないし、Uberも呼べない。

9to5Macによると、でもそれはこの秋のmacOS 10.15で変わるそうだ。しかもSiriショートカットが加わるから、少なくとも理論的には、自分の音声ショートカットでサードパーティアプリのアクションを起動できるはずだ。

macOSの既存のアプリケーションをSiriのショートカットで呼び出すのは無理だ。それは、もうすぐやってくるMarzipanフレームワークを使ってiOSにポートされたのでないとだめだ。しかし、「ショートカット」アプリを使って自作のスクリプトをビジュアルなインタフェイスで作れるらしい。ショートカットアプリはいわば、iOS用のAutomatorだ。そのAutomatorの方は、macOS 10.15でどうなるのだろう。

macOSのアップデートはSiriだけではない。アプリを使った時間がわかるiOSのスクリーンタイム機能がmacOSでも使えるようになる。これまではiPhoneやiPadのようなiOSデバイスのみだったが、macOSが加われば、あなたのコンピューター生活の全貌がわかる。

そして、Apple IDをMacからもっと容易にコントロールできるようになる。Appleのウェブサイトへ行かなくても、家族との共有などを「システム環境設定」の新しいパネルで操作できるようになる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

次期macOSではiPadをMacのサブディスプレイにできるかも

のGuilherme Rambo氏によれば、アップルはiPadをMacとペアリングし、iPadをMacのサブディスプレイにする機能を開発しているとみられる。この機能のコードネームは「Sidecar」で、今秋リリースのmacOS 10.15に搭載される可能性がある。

Luna DisplayDuet Displayを使ったことのある方には、このような設定はすでにおなじみだろう。他社製のハードウェアやソフトウェアのソリューションでiPadをMacの外部ディスプレイにすることができる。Macのディスプレイが拡張され、ウインドウをiPadへ移動するとiPadを外部ディスプレイのように使える。

アップルはこうした使い方をネイティブの機能にしたいようだ。そうなれば、これまで以上にMacBookのユーザーがiPadを買い、iPadのユーザーがMacBookを買うようになるだろう。

アップルはこの機能をできるだけシンプルにしたいと考えている。9to5macによれば、各ウインドウの左上に標準でついている最大化のボタン(緑色のボタン)からこの機能を利用できるようになりそうだという。このボタンにマウスのポインタを合わせ、ウインドウをiPadに送る。

デフォルトでは、アプリはiPad上で最大化されフルスクリーンウインドウとして表示される。複数のウインドウをiPadに送り、ディスプレイを分割して複数のmacOSアプリを表示できるようになるかもしれないが、これは定かではない。

グラフィックデザイナーはこの機能がとても気に入るだろう。Apple Pencilを使えるようになるからだ。たとえばPhotoshopのウインドウをiPadに送り、iPadをワコムのタブレットと同じように使えるかもしれない。

Sidecarは標準の外部ディスプレイとも互換性がある。これにより、1回クリックするだけでウインドウを別のディスプレイに送ることができるので、ウインドウの整理が簡単になる。

9to5macによれば、アップルはWindowsに似たウインドウのサイズ変更のショートカットも開発している模様である。たとえばウインドウを画面の端へドラッグすれば、画面の半分のサイズになるような操作だ。

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(翻訳:Kaori Koyama)

これが連休中にセキュリティーを向上させる必須ポイントだ――家族、親類のデバイスをチェックしておこう

この記事を読み始めた読者の多くは

  • テクノロジーに詳しい
  • 実家に帰って感謝祭の休日を過ごしている
  • この記事を読み始めるほど退屈している

というところではないだろうか? 世界ではサンクスギビングデーが休日ではない国も多いが、アメリカでは七面鳥のローストと共に盛大に祝われてきた。ともあれこの機会に家族や親類のコンピューターのセットアップを見直し、セキュリティーを強化しておくのはいい考えだ。ある朝、伯母さんから電話がかかってきて「コンピューターがランサムウェアにやられて写真が取り出せなくなってので助けてちょうだい」などと言われるリスクをこの先何ヶ月にもわたって大いに軽減できる。

アップデート

コンピューターやスマートフォンのOSを最新の状態にしておかないかぎり、新しく発見された脆弱性を利用する攻撃の犠牲になってしまう。最新のセキュリティー・パッチを導入するためには自動アップデートをオンにしておく必要がある。最新のデバイスはデフォールトで自動アップデートが行われるようになっているが、やはりオンになっていることを確認しておこう。

  • Windows 10 画面左下隅のWindowsアイコンを右クリックしてメニュー開く。以下、「設定」→「更新とセキュリティー」→「Windows Update」と進む。Windowsの状態が「最新」になっていることを確認する。なっていなければ最新の状態に更新する。「Windows Update」から「詳細オプション」を開き、「更新の一時停止」がオフになっていることを確認する。
  • macOS App Storeを開きOSを最新版(macOS 10.14 Mojave)に更新する。「システム環境設定」から「ソフトウェア・アップデート」を開く。自動アップデートを有効にする。App Storeでも自動アップデートを有効にしておけばアプリもこの先長く最新の状態で使える。
  • iOS 「設定」アイコンをタップ、「一般」→「ソフトウェア・アップデート」と進む。iOS 12.xになっていることを確認する。なっていなければアップデートする。同じメニューで「自動アップデート」をオンにする。iTunes-App Storeでも自動アップデートを設定しておく。
  • Android メーカー、キャリヤによってコンフィグレーションが異なるのでやや複雑になる。キャリヤは独自のスケジュールでOSのアップデートを行う(行われない機種もある)。OSの状態は「設定」から確認できる。バージョンは機種ごとに異なる。この点ではユーザーができることはあまりない。Google Playを開き、設定で自動アップデートを有効にしておけばアプリをこの先長く最新の状態で使える。

バックアップ

バックアップの方法は数多くある。とてもすべて紹介する余裕がないので基本的な考え方だけ紹介する。コンピューターの場合は手頃な価格の外付HDDを買って自動バックアップを設定しておく。macOSならTime Machine、 Windows 10なら「更新とセキュリティー」→バックアップ」から設定できる。

クラウド・バックアップも数多くのサービスが提供されている。BackblazeArq Backupなどは優秀だと思う。

家族や親類のコンピューターの場合は完全に自動的にバックアップされることが必須だ。義母にハードディスクをプレゼントして「ここに毎週バックアップを取りましょう」と勧めても結局そうされないだろう。

スマートフォンの場合はまた話が違ってくる。iPhoneならiCloudに連絡先、カレンダー、パスワードなどの個人情報を保存できる。しかし無料で利用できる容量5GBと非常に低いため、iCloudを利用しているユーザーは多くない。有料プラン( 50GBが月額130円など)に加入するか、DropboxやMicrosoft OneDrive、 Googleドライブなどを利用する。これらのサービスでは画質に多少の制限はあるが写真のバックアップは無料だ。

Androidでは Googleフォトを利用しているユーザーが多い。このアプリに保存された写真は自動的にクラウドにバックアップされるので安全性が高い。連絡先その他の重要情報もバックアップされるようGoogleアカウントを設定しておこう。

ディスク暗号化

Macを使っているならOS XのFileVaultオプションをオンにしておけばよい。読者の妹や娘がMacbookを失くし、FileVaultがオンになっていなければ誰でもパソコンの中を覗くことができてしまう。FileVaultは一度オンにすればあとは完全に自動的に作動する。

Windowsの場合、BitLockerが含まれているならオンにしておく。MicrosoftはWindows 10 Home editionにBitLockerを含めていないので、その場合はVeraCryptのようなアプリをインストールするとよい。

パスコード

モバイル・デバイスには必ずパスコードを設定しておこう。パスコードは暗号化その他セキュリティー・オプションの変更にも結びついている。パスコードなしのデバイスを紛失すればありとあらゆる悪夢が待ち受けている。

6桁が望ましいが4桁でもいい。とにかくないよりあったほうがいい。

セキュリティーは常にユーザビリティーと保護の妥協だ。適切な妥協点を見つけることがカギとなる。上で述べた手段は決して家族や親類(や読者自身)のデバイスを完全に防御するものではないが、ともかく正しい方向への一歩だ。チェックがすんだら休暇を大いに楽しもう。

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滑川海彦@Facebook Google+

β版を4カ月使ってわかったmacOS 10.14 Mojaveの本当に便利な新機能

自分の良識と、事情に詳しい人たちからの再三の警告に逆らって、私は最初にリリースされたときに、自分の仕事用コンピューターにMojaveをインストールした。当然、ベータ版にありがちなバグや不具合が発生し、その都度、自分の判断を後悔したのだが、こうした製品をじっくりテストするには、毎日使ってみるしかない。

私は、すべての機能を毎日しっかり使い込んだとは言わない。だがそれは、オペレーティング・システムのアップグレードというものの性質なので仕方がない。できるだけ多くのユーザーにアップグレードの恩恵が行き渡るようにするには、たくさんの領域をカバーする必要がある。各国に対応するための機能や、Appleの機械学習による提案などもあるが、私の場合、そうしたものは使用に際してあまり影響がなかった。

機能の更新は広範にわたっているものの、10.14は、私の近年の記憶の中では、間違いなく、焦点が定まったアップグレードだ。High Sierraは、いろいろな意味で(その名前からしても)、さらにその前のOSの微調整版だったが、それとは異なり、Mojaveからは、Appleの特別な使命感が伝わってくる。

この数年間、Appleは、デスクトップ・マシンの長年にわたる精神的支持者とされてきたクリエイティブ業界のプロたちから、「ボールから目を離している」という猛烈な批判を受けてきた。映像作家が頼りにしてきたFinal Cutの高度なカスタマイズ機能を、シンプル化とか洗練化という理由で廃止してしまったことでも、Appleは反感を買った。

だがその一方で、Appleは、Mac Proシリーズの幾多の苦難に関して、珍しく素直な見解を暴露している。「アップグレードや更新が滞っているとすれば、申し訳なく思っています。Mac Proのことですが、もっと良いものに置き換える予定です」と、Appleの国際マーケティング上級副社長Phil Schillerは、報道関係者との会合で述べた。

Microsoftなどの企業は、Appleが一般ユーザーに迎合してゆく姿勢をチャンスと捉え、成長が続くSurfaceシリーズをクリエイティブ業界のプロに売り込もうと考えている。クリエイティブ業界は、そもそもがそれほど大きな市場ではないのだが、映像作家、アーティスト、ミュージシャンなどが製品を使えば、それが一般ユーザーの購入時の判断に与える影響は大きい。

しかしAppleは、こうした心配への対応を開始している。Mac Proは来年までモデルチェンジはないが、ハードウエアの世界で大きな前進をもたらした。たとえば、iMac Proは、画面と本体を分離したモジュラー・デスクトップ型に代わるものとして、一体型を提示している。最新のMacBook Proは、ハイエンドのとんでもない性能を誇っている。

そこで中心的な役割を果たすのがMojaveだ。ここに込められた目玉機能の多くは、まさにそうしたパワーユーザーに向けたものだ。ダークモード、ギャラリー表示、ファイルのメタデータ、スタックは、新機能の中でも際立つものであり、クリエイティブ業界のプロたちが熱望していたものだ。

ひとつお断りしておくが、私を「クリエイティブ業界のプロ」に含めるためには、みなさんが抱いているその定義をうんと広げていただく必要がある。Appleが近年のイベントで、写真家やプロデューサーやインタラクティブ・アーティストを持ち出すとき、正直言って、私もその一員だと思い込んでいるからだ。

ともかく、私は毎日の仕事の中で、前述の機能の多くを便利に利用させてもらっている。この4カ月ほどの間、ほとんどの時間をこれらの機能と過ごしてきたその経験を活かして、ここに、私がもっとも便利だと感じたMojaveの新機能を紹介しよう。

スタック

新しいmacOSのバージョンが登場し、新機能が加わるごとに、見た目にわかりやすいものは、すぐに日常の操作で活躍するようになる。その新機能により、作業が速くなり、生産性が上がり、整理もつくと思えば、わくわくする。しかし、それらが体に染み込むには時間がかかり、慣れようとする努力が次第に失われ、最後にはそんな機能があったことすら忘れてしまうのがお決まりのパターンだ。

その原因が、私の無秩序で特異な整理方法にあることはわかっている。そこは、どんなに責められても仕方がない。しかし、そうした機能は善意で作られているものの、操作が厄介なのだ。スポーツジムの入会金を払っただけで、新年の抱負が守られるわけではない。それと同じだ。

ところがスタックは、率直に便利だ。Appleがデスクトップ・ベースのフォルダ・システムを廃止してから、私のデスクトップは散らかるばかりだった。コンピューター内の適当な場所に汚れた洗濯物を放り出すような感じで、だらしないし、自分でも嫌だった。でも、どうしたらいい?

ひとつの解決策は、Mojaveにアップグレードすることだ。Appleはダークモードを旗艦機能として力を入れているようだが、地味ながらスタックが最高に便利な新機能だ。デスクトップが散らかっていたら、壁紙をControl+クリックするか、メニューバーの「スタックを使用」を選択すれば、ファイルを自動的に重ねて(スタックして)くれる。

デフォルトでは、ファイルはタイプごとに分類されるようになっているが、ドロップダウン・メニューで、これを「最後に開いた日」、「追加日」、「作成日」または「タグ」に切り替えることが可能だ。パイル(重ねたアイコン)をクリックすれば、重ねられたアイコンが展開し、一瞬にしてすべてを見ることができる。

そうそう、「スタックを使用」をもう一度クリックすると、すべてが元の場所に戻り、無秩序なデスクトップを取り戻すことができる。

ダークモード

AppleがWWDCでMojaveを発表したとき、「ダークモード」は観客の絶大なる関心を引いた。それは、会場が開発者で埋め尽くされていたからだ。この機能を使いたくてうずうずしているのは、開発者ばかりではない。暗室で画面を見る時間が多いビデオカメラマンやカメラマンにとっても、この機能はありがたいはずだ。

これを有効にすると、対応するアプリも、みなデフォルトでダークモードに切り替わる。境界線と背景は暗くなり、暗い背景では文字が白くハイライトされる。数カ月前、私がMojaveを使い始めたころは、対応するアプリケーションが少なくて悲しい思いをした。その当時、対応していたのは、メール、連絡帳、カレンダー、Safariリーダーなどの付属アプリがほとんどだった。

それは無理もない。あれは、お手本を示していたのだろう。それから状況は少し改善された。Dark Mode Listのサイトによれば、macOSとiOSの両方で、現在少なくとも78のアプリがダークモードに対応しているという。

まだ始まったばかりだ。道のりは遠い。これに対応したアプリと非対応のアプリを切り替えながら使うと、その効果は薄れてしまう。現在、Safariは対応しているが、FirefoxやChromeは対応していない。Apple製品でも、Pagesなど、あらかじめインストールされていないアプリは対応しない。対応リストが開発者向けツールに大きく偏っているのは、仕方のないことだ。

Mojaveは今日(9月24日)正式リリースされたが、私は、多くのアプリメーカーがいち早くダークモードに対応することを期待している。それまでは、それを必要とする人にとって便利な機能であり、その他の人には、ちょっと素敵なオプションということになる。

ダイナミックデスクトップも面白い新機能だ。ただし、今のところ選べる壁紙は、標準のモハベ砂漠の画像と、Solar Gradientの2種類しかない。どちらも、1日のうちに変化し、太陽が沈むとだんだん暗くなる。これはダークモードと組み合わせると面白い。登場して久しいブルーライトを軽減する機能Night Shiftに、新しい楽しさを加えるものだとも言える。壁紙の種類がもっと増えれば嬉しい。

スクリーンショット

一般のみなさんよりも、私がいちばんこの恩恵を受ける人間であることは、認めよう。私は、日々の仕事でこれを使っているからだ。スクリーンショットを撮影すると、画面の右下にサムネールが現れる。iOSのときと似ている。

それは数秒経つと画面から消える。撮影結果を素早く確認できる、便利な機能だ。サムネールをクリックすると、画面いっぱに拡大されて、必要ならば編集もできる。また、スクリーンショットのデータは、プレビュー、メッセージ、メール、書類、クリップボードなど、好きな場所に保存できるようになったので、デスクトップが散らかる心配がない。

Shift+Command+5を押すと、小さなコントロールパネルが現れる。そこで、画面全体、ウィドウ、画面の一部の撮影かが選べるようになっている。さらに、画面全体または画面の一部の動画撮影もできる。動画は少しだけ使ってみた程度だが、静止画のスクリーンショットは、この記事の画像を準備するときも大いに役立った。

連係カメラも、ここで紹介しておくべき便利な機能だ。これは、Appleのデバイス間の連係機能を柔軟にする新しい道筋を示すものだ。名前が堅苦しいが、Pages、Keynote、Numbers、メモ、メール、メッセージ、テキストエディットといったMac付属のアプリに組み込まれている。

アプリを開いたら、「写真を撮る」をクリックする。すると、Macは接続されたiPhoneまたはiPadを使ってメディアをキャプチャーできるようになる。写真を撮影し「写真を使う」をクリックすると、それだけで写真がアプリに挿入される。魔法のような、よくできた機能だ。正直言って、これまでこうした機能を使う機会は、そう多くはなかった。ノートパソコンで原稿を書いているとき、近くにあるものを撮影して記事に反映できたら面白くなるのにと残念に思ったことが、何度かある程度だ。

しかし、書類をスキャンしてPDFに読み込ませるのは便利かも知れない。数カ月前、中国のビザを申請するときに、その機能を使えばよかった。新しい機能が山ほどあるわけだが、重要なのは、それを日常の仕事の流れに組み入れる機会を逃さないことだろう。

Finder

「ギャラリー表示」は、以前のCover Flowを改良したものだ。ファイルの大きなサムネールが表示され、その下に小さなサムネールが並び、スクロールできる。画像は完全な形で表示されるので、とくに大量の画像をスクロールさせて確認したいときに便利だ。

完全なメタデータを追加できる機能は、明らかにプロを意識したものだ。写真をクリックすると、サイドペインに大量の情報が示される。ほとんどのユーザーは、その情報の意味すらわからないだろう。標準的なファイルサイズや画角に加えて、カメラのモデル、絞り値、EXIFデータなども表示される。

クイックアクションでは、iPhone式の編集ツールがサイドペインの下部から使えるようになる。これで画像の回転もできる。私の仕事では、この機能が大変にありがたい。Adobe PDF風に、いろいろな方法でマークアップできたり、ハイライトやサインの記入なども可能になる。これによって、「プレビュー」がちょっと無駄な感じになってしまった。その目玉機能がデスクトップから直接使えるようになってしまったからだ。

iOSアプリをデスクトップで使う

これは、戦略的な視点からすると、もっとも興味深い新機能だ。Appleは、開発者に対しても、一般ユーザーに対しても、長年の噂になっていたmacOSとiOSの統合は「ない」と断言した。そこで私たちは、みんなで安堵のため息をもらしたのだが、Appleはその境界線をさらにぼかす新しい方法を示した。

Appleは、モバイル用アプリを簡単にデスクトップ版に変換できるようにしたのだ。なぜか? ひとつには、Appleが、MacのApp Storeでもっとデスクトップ用のアプリを売りたいからだ。それには、経済的、エコシステム的、セキュリティー的な理由が数々あるが、その中でもっとも大切な理由は明白だ。またAppleは、人気のソフトメーカーに、Appleのすべてのプラットフォームにコンテンツを作ってもらうことを、とても重要に考えている。

それを実現するために、Appleは、自社製アプリのボイスメモ、株式、ホーム、Newsのうち3つをデスクトップでも使えるようにした。なかでもNewsは、私が大いに利用するアプリのひとつとなった。ウェブブラウザーでいくらでもニュースが見られるのに、独立したニュースアプリを使うなんて馬鹿げてると思われるかも知れない。しかし、それをインストールして、キュレーションの設定を行うと、私は、最新ニュースの通知をとてもありがたく感じるようになった。

ニュースを見る方法は無数にあるが、Newsは手軽に見られるところが便利だ。とは言え、私が直接そのアプリを開くことは、あまりない。画面に現れる通知から、面白そうな話題をみつけるということがほとんどだ。幸いなことに、それほど頻繁に通知が出るわけではない。もしそうだったら、頭がおかしくなっていただろう(訳注:日本語モードではNewsは使えません)。

ボイスメモも面白い新機能だ。iOSとのクラウドを使ったシェアリングでは、これがキラーアプリになる。iPhoneで何かを録音すれば、それをデスクトップで聞いたり編集したりできる。デスクトップでは、あまり鮮明に音声を録音することができないので、iPhoneを取り出して録音するのが理にかなっている。

この動作は、録音中であることをほかの人に気づかせる役割も果たす。音源にマイクを近づけるのも簡単だし、録音中にキーボードを叩く音を気にしなくても済む。

iOSアプリのデスクトップ版は、ユーザーエクスペリエンスの観点からも面白い。サイズは変わっても、内容はほとんど変わっていない。そこがポイントだ。一から作り直すより、すでにあるものを移植するほうが、よっぽど簡単だ。もちろん、Macにはタッチスクリーンがないので、ポインターで操作しなければならないのだが。Macの画面を指でタップしそうになったところを見られたら、ちょっと恥ずかしい。

私は、Appleのスマートホーム・アプリのデスクトップ版ホームを使っているときに、それをやらかしそうになる。iOS版と同じ、四角いタイルが並んでいるからだ。しかし、オリジナル版と同じ画面デザインであることには、ユーザーにしてみれば意味がある。家のすべてのホームアクセサリに、仕事場でも移動中でも、同じインターフェイスで操作できるのは便利だ。

その他いろいろ

あとは、箇条書きでさくっと行こう。

  • 32人対応のFaceTimeのチャット機能は、秋の終わりごろにmacOSに追加される予定だ。面白そうなので、ぜひ試してみたい。大きな画面じゃないと、管理が難しそうだ。
  • MacのApp StoreとiTunesも作り変えられた。この更新は、ユーザーとの結びつきを強めるための、人による情報の提供を推進するというAppleの方針に従ったものだ。音楽のようなものは、人間が紹介文を書くのがよいと私も考える。
  • Macも、iPhoneと同じように、アプリがカメラやマイクにアクセスするときにユーザーの同意を求めるようになった。だからって、急いでカメラのマスキングテープを剥がすべきだとは思わないが、これは良いことに間違いない。
  • Appleによると、Safariのセキュリティー機能が強化され、去年追加されたインテリジェント追跡防止機能も強化された。

ウェブページを閲覧すると、そのデバイスの特性を利用して、広告主がユーザーを追跡できるようにする「指紋」が作られる恐れがある。Safariでは、単純化したシステム・プロファイルを共有することで、これを阻止できるようになった。強化されたIntelligent Tracking Prevention(インテリジェント追跡阻止)機能が、ソーシャルメディアの「いいね」ボタンや「シェア」ボタンやコメント欄などの埋め込みコンテンツが、ユーザーの同意なしにユーザーを追跡することを防いでくれる。

アップグレードしよう

Mojaveはアップグレードする価値があるか? たぶん、ある。無料だし、面白い新機能がたくさん入っている。これを、TechCrunchのMac Proのレビュー記事のタイトルのように「開発者へのラブレター」と呼んでよいのかどうかわからないが、その新しいハードウエアとともにAppleは、クリエイティブな業界の人々に、Macの未来に彼らの居場所があることを明確に訴えている。

どこまで役に立つかは、人によって違って当然だ。しかし、私の場合は、たくさんの新機能が私の仕事のやり方をいい感じに効率化してくれたことを感じている。株式、ダークモード、そして改良されたスクリーンショットは、職場と自宅のマシンでベータ版を使ってきたこの数カ月の間に、とても便利であることがわかった。今日、すべての人たちに最新版が公開された。あなたも、確実にそのすべての試すことができるのだ。

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(翻訳:金井哲夫)