iOS 12、macOS Mojaveのセキュリティー機能を復習しておこう――ビッグイベントはいよいよ明日

9月といえばAppleが新製品を出す月だ。新しいiPhoneだけでなく、Apple Watchその他のハードウェアもお披露目されるだろう。しかしそれを動かすソフトウェアが同様に重要だ。

今年6月、Appleは恒例のWWDCデベロッパー・カンファレンスでiOS 12とmacOS Mojaveを発表した。このアップデートの重点はセキュリティーとプライバシーの改善に置かれていた。

明日のビッグ・イベントを控えて、Appleのソフトウェア・アップデートの内容を確認しておこう。

macOS Mojave

macOS MojaveはMac OSとして6代目のプロダクトとなる。モハーベはカリフォルニアで有名な観光スポットでもあるモハーベ砂漠にちなんでいる。 ダークモード、同種のファイルを整理してくれるスタック、FaceTime通話などの機能が新しい。

Safariブラウザはフィンガー・プリンティング、クロスサイト・トラッキングを防止する

こういう意味だ: Safariは新しい スマート・トラッキング防止システムを採用した。広告主はブラウザにユニークな値を割り当て、サイトを超えてユーザーを追跡するというテクニックを使っていたが、新しいSafariはこれを困難にする。Facebookのようなソーシャル・メディアもユーザーがあちこちのサイトで行う「いいね!」入力や記事共有などを通じてユーザーの動向を非常に詳しく把握してきた。

重要性は?  トラッキング防止機能は、広告システムがブラウザに「フィンガープリント」と呼ばれるユニークな値を割り当てることを防ぐ。つまり特定のユーザーに向けたターゲット広告を表示することが難しくなる。ブラウザのフィンガープリントを取ることはプライベートないしシークレット・モードのブラウジングでも効果があった。フィンガープリンティングが困難になれば、広告システムが詳しいユーザー・プロフィールを作ることも難しくなる。

カメラ、マイク、バックアップにユーザーの許可が必要になった

こういう意味だ:アプリがカレンダーや連絡帳にアクセスするするときはユーザーの許可を求める。これと同様にMojaveではたとえばFaceTimeがカメラ、マイク、位置情報、バックアップなどにアクセスする際に、まずユーザーの許可を求めてくる。

重要性は?アプリの実行権限に対する制限を強化したことで、アプリが勝手にカメラやマイクをオンにしたりすることを防ぐ。一部のアプリは密かにマイクを起動してテレビ広告が流れるのを探知したり、マルウェアがカメラを乗っ取ってスパイ行為を働いたりするという。カメラやマイクだけでなく、バックアップ(多くの場合暗号化されていない)へのアクセスにも明示的許可が必要になれば、マルウェアがユーザーのデータを盗み出すのを防ぐために効果的だ。

iOS 12

WWDCでプレビュー版が公開されたiOS 12はiPhones 5s、iPad Air(1、2)以降など既存のデバイスにインストールでき、そのパフォーマンスを大きく改善する。 また 新しいマップ通知の改良、AIKitのアップデートなどが含まれる。

Pパスワード・マネージャーが使い回しを警告する

こういう意味だ: iOS 12のデフォールトのパスワード・マネージャーはユーザーが入力するパスワードをすべて保存し、簡単にアクセスできるように管理する。この際、異なるサイトやアプリで同じパスワードを使っている場合、警告を発する。

重要性は? パスワードの使い回しは深刻な問題だ。ユーザーはとかくすべてのサイトで同じパスワードを使おうとする。ハッカーはセキュリティーがいちばん弱いサイトを破るだけでユーザーのすべてのサイトにアクセスできるようになってしまう。iOS 12はパスワードが弱すぎる場合、またパスワードを使い回している場合に警告する。パスワード・マネージャーに保存されたパスワードは指紋ないしパスコードで簡単に取り出すことができる。

2要素認証のコードが自動補完される

こういう意味だ: ユーザーが2要素認証を行うとサイト側から認証用のワンタイムパスコードが送られてくる。パスコードがSMSやプッシュ通知で送信された場合、 iOS 12は自動的にそのコードをログインボックスに入力する。

重要性は? 2要素認証はログインにあたってユーザー名、パスワードに加えてされにもう一つのレイヤーを要求する。これはセキュリティーの向上のために効果的だが、残念ながら普及率は低い。パスコードを受け取っていちいち入力するのが面倒だからだ。iOS 12の自動補完機能はセキュリティーを強化しつつ、ユーザーにとって苛立たしい手順を踏む必要をなくし、ログインをスムーズにする。

USB制限モードがさらに強化された

こういう意味だ:セキュリティー機能のアップデートにより、iPhoneないしiPadが1時間以上ロックされている場合USBポート、ヘッドホン・ポートを含め、デバイスに接続されたアクセサリーは同じくロックされる。

重要性は? これはiOS 11.4.1に対する追加オプションだが、iOS 12では標準的に採用されるはずだ。これにより捜査当局やハッカーがデバイスからデータを盗み出すことがさらに困難になる。デバイスの内容は暗号化されているためAppleでさえ正しいパスワードなしにコンテツを解読することはできない。しかしブルートフォース(総当たり)法でパスワードを探り当てるGrayKeysのようなシステムが登場していた。新機能はこうした方法をあらかた無効にするはずだ。

Appleのプレスイベントは太平洋時間で午前10時〔日本時間13日午前2時〕にスタートする。

more iPhone Event 2018 coverage

画像:Getty Images

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滑川海彦@Facebook Google+

Apple WWDC開幕:iOSアプリがmacOSで使えるようになる

今日(米国時間6/4)サンノゼのマケナリー・コンベンションセンターでスタートしたWWDC 2018でAppleのソフトウェア・エンジニア担当上級副社長、Craig FederighiはiPhoneアプリをMacに導入する準備をしていることを明らかにした。ただしアプリの統合は一夜にして実現されるわけではないという。Federighiによればこれは数年がかりのプロジェクトとなる。またMacで使えるようになる最初のiOSアプリはApple製となる。

「すでに数百万のiOSアプリが公開されている。 その一部はMacでも素晴らしいアプリになる」とFederighiは述べた。

ただし、AppleはiPhoneとMacのOSを統合しようとしているのではないという点には留意する必要がある。Federighiはキーノートの冒頭で、「両者は今後とも別々のプロダクトだ」と強調した。プロジェクトの最初の段階はネーティブiOSアプリのフレームワークをmacOSに移植することだ。現在アプリの動作のフレームワークとしてmacOSはAppKitを、iOSはUIKitを使っている。そのため異なるOSにアプリをポーティングするには多大の努力が必要だ。Federighiによればアプリ統合の最初のステップはiOSのフレームワークをmacOSに導入し、iOSアプリがデスクトップ環境で正しく作動するようにする。つまりトラックパッド、ウィンドウ・リサイズといった機能がサポートされる。

macOSで動く最初iOSアプリが登場するのは今年後半になる。これには株価、ニュース、ホーム、ボイスメメモなどのアプリが含まれる予定だ。基本的な機能はオリジナルのモバイル・アプリのとおりだが上で述べたようにデスクトップ環境に適合するようアップデートされるはずだ。この部分でフレームワークの移植が重要な意味を持つことになる。

サードパーティーのデベロッパーがこの機能にアクセスできるようになるのは2019年になる見込みだ。まだ詳細についての情報を得ていないが、iOSアプリとmacOSアプリがこのように統合されることになれば向こう何年にもわたってアプリのエコシステムは大きく再活性化されることになるはずだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

macOS 10.14には、新しいダークモードとApple Newsアプリが入るらしい

AppleのWorldwide Developers Conference(WWDC)をわず数日後に控え、いくつかの最新情報はすでに明かされている。

デベロッパーのSteve Troughton-Smithが今朝ツイートしたのは、彼がmacOS 10.14だといういくつかのスクリーンショットだ。画面はXcode 10を紹介するものだが、OSの大きな変更もいくつか見ることができる。

まず、この新しいmacOSには本格的ダークモードが導入されている —— メニューバーとドックだけでなく、アプリやごみ箱まで暗くなっている。スクリーンショットにはドック内のApple Newsアイコンも写っているので、おそらくデスクトップ版アプリが出てくるものと思われる。

ところでTroughton-Smithはどうやってこれらのスクリーンショットを入手したのだろうか? 彼の話によると、AppleがXcodeのプレビュービデオをMac App Store APIに載せたものを、9to5Macでシェアした。どうやら、Mac App Storeでもプレビュービデオが使えるようになるらしい(iOSのApp Storeではすでに可能)。

WWDCに先立ち、Appleが「ユニバーサル」アプリに対応するという噂が流れている。デスクトップとモバイル両方で動作するアプリだ。まだなにも確認されていないが、AppleがiOSとmacOS —— およびそれぞれのApp Store —— を似せようとしていることがうかがわれる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AppleがMacの32ビットアプリケーションのサポート終了の警告を開始する

明日の太平洋時間午前0時に、AppleはあなたがMacOS 10.13.4で32ビットのアプリケーションを開くと警告の表示を開始する。それは一つのアプリケーションにつき一回かぎりの警告で、MacOSの64ビットへの完全移行をねらっている。日程は未定だが、最終的には32ビットのサポートを終了するから、アップデートしなかったアプリケーションは動かなくなる。

ただしそれは明日ではないが、Appleは警告メッセージがユーザーとデベロッパーの足元に火をつけて、その日が来る前にアップデートすることを望んでいる。そのヘルプページには、こう書かれている: “あなたが購入するアプリケーションが、それらがその上で動くMacと同じく進んだものであるようにするために、Macの将来のソフトウェアはすべて、最終的には64ビットであることを必要とする”。

それは同社がモバイルでiOS 11について行った移行と同じだが、デスクトップの場合はやや面倒だ。まず、同社のデスクトップオペレーティングシステムはiOSよりずっと前からある。さらに、AppleにはMacOSのApp Storeがあるけれども、他のチャネルからダウンロードされるデスクトップアプリケーションは依然として多い。

同社も言っているように、この移行には長い時間を要した。その開始は10年ぐらい前のデスクトップPower Mac G5からだから、それは決して、Appleがデベロッパーに対して前の晩に急に言い出したことではない。もちろんその間あなたも歳をとり、サポートされないソフトウェアが増えていくと、それらの命が終わることによって、あなたの生産性はガタ落ちになるだろう。そんなユーザーには、OS 9からOS Xへの移行にも、移行に伴う厄介事が必ずあるだろう。

警告を無視してご自分でSystem Reportボタンをクリックしてもよい。まだアップデートされてないアプリケーション(Audacity、きみのことだよ)に関しては、デベロッパーに直接頼むことをAppleは勧めている。

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AppleはiPadアプリをMacで動作させるかもしれない

Appleは、同社の各オペレーティングシステムの次期主要バージョンの開発に忙しい —— macOS、iOS、tvOS、およびwatchOSだ。誰もが注目しているのはiOSだが、最も魅力的な新機能はmacOSにやってくるかもしれない。BloombergAxiosの報道によると、AppleはMacでiPadアプリを走らせるらしい。

昨日(米国時間1/30)Axiosは、Appleのソフトウェアエンジニアリング担当VP、Craig FederighiがiOS 12の改訂計画を発表したことを最初に報じた。通常Appleは、iOSの新バージョンを6月のデベロッパー向けカンファレンス、WWDCで発表する。その後数カ月のベータテストを経て9月に公開される。

Axiosが入手した情報によると、Appleは品質問題を解決するために一部の機能を先送りするという。多くのユーザーがiOS 11のバグに不満を抱いている。例えば、オートコレクトのバグや、メッセージの到着順の乱れ、電卓アプリが正しく計算しない、などの奇妙な現象がおきている。

噂された機能のいくつかが2019年のiOS 13に先送りされたのはこのためだ。ホーム画面のデザイン変更、CarPlayの改善、メール、写真アプリの改訂などだ。

その代わりにiOS 12は磐石なバージョンになることが期待される。新しい機能もあるだろうが、みんなが望んでいたほど多くはない。iOS 12ではペアレンタルコントロールの改善、FaceTimeの改訂などが盛り込まれる予定だ。拡張現実(AR)機能の追加もあるかもしれない。

一部機能の遅れは次期macOSの改訂にも影響を与える。写真アプリの改訂もその一つだ。しかしBloombergが最初に報じたところによると、AppleはiOSアプリをMacで利用できるようにする計画を今も遂行中だという。Axiosはこの計画を確認し、具体的にはiPadアプリがmacOS上で動作するはずだと伝えている。

Mac App Storeに大量の新アプリが加わることで、Macプラットフォームにとって大きな変更になる可能性がある。AppleがこれらのアプリのユーザーインターフェースをMacに最適化するかどうかは不明だ。タッチスクリーンの使い方はマウスとは大きく異なる。しかしiPadアプリのデベロッパーにとってはユーザを大きく増やすチャンスだ。

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またも、macOSにどんなパスワードでも通るバグ発見

MacRumorsがmacOS High Sierraの現行バージョンに関するバグレポート発見した。システム環境設定のApp Store設定画面で、〈どんな〉パスワードをタイプしてもロック解除できてしまう。Appleは次期macOS High Sierraアップデートのベータ版でこのバグをすでに修正していることが報告されている。

このバグは、悪名高きあのrootログインバグと比べてはるかに深刻ではないが、John Gruberが書いているように、これはかなり恥ずかしい。パスワードプロンプトとmacOSにいったい何が起きているのか?

自分で試してみたい人のために言うと、私はごく簡単に再現できた。システム環境設定を開き、App Store設定へ行き、南京錠アイコンを見る。ロックがはずれていたら、まずロックしてからやってみるとどんなパスワードでもロック解除できる。

この設定画面では、アプリとOSアップデートの自動ダウンロードとインストールの有効、無効を切り換えられる。直ちにセキュリティーに影響するリスクはない。しかし、何者かがパソコンに触って自動セキュリティーアップデートを無効にしていれば、本来パッチされるべき脆弱性が悪用される可能性はある。

デフォルトでApp Storte設定は管理者ユーザーにはロック解除されている。しかしセキュリティーに関して心配性の人なら、あらゆるシステム設定をロックして誰にも触られないようにしているかもしれない。

バグそのものより重要なのは、Appleが品質管理プロセスを見直すべきだということだ。恥ずかしいバグの入ったアップデートを配布するのはもうやめる時だ。

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Apple、2018年秋にiOSとMacアプリを統合との観測

AppleはiPhone/iPadではタッチスクリーンで操作でき、Macではマウスとトラックパッドで操作できるアプリを開発できるよう準備中だという。Bloombergによればこれが公開されるのは来年で、AppleはiOSとmacOSという2大開発環境を統合し、2つの別々のアプリではなく単一のアプリとして開発できるようにするという。

Bloombergの記事によれば、 Appleはこの機能を来年秋のiOSとmacOSのアップデート(現行方式でバージョン番号が付与されるなら、それぞれv12とv10.14となる)に含めるという。通例、この時期の消費者向けOSアップデートの後に新しいiPhoneのモデルが発表される。新しいサイクルに新しいアプリが消費者の手元に届くようにするには、デベロッパー向けツールはもっと早くリリースされる必要があるだろう。Bloombergは毎夏開催されるAppleのWWDCデベロッパー・カンファレンスでこのプランがまず披露されるだろうと見ている。

アプリの共通化、さらにはApp Storeの一本化はMacアプリに強い追い風となるだろう。これまでMac App StoreはiOSのApp Storeに対してアプリのバリエーションでも消費者の意識上でも大きな遅れをとっていた。消費者としてApp Storeが統合され、入手したアプリが双方のプラットフォームで問題なく動くということになれば便利だ。

プラットフォームの統合はテクノロジー界のトレンドでもある。Googleは今年に入ってAndroidアプリがデスクトップのChrome OS上でも動くようにした。Microsoftもかなり前からSurfaceシリーズのタブレット/ハイブリッドと通常のノート/デスクトップを単一のWindows OSに統合している。

iOSとmacOSのアプリ・レイヤーの統合は、次にAppleがノートとデスクトップの心臓部に使うために独自のARMベースのチップを製造するようになるのではないかという観測も生み出している。プロセッサの種類を変える際の最大の問題は、なんといっても過去のすべてのソフトウェアが新しいCPUでも正常に作動することを保証するという点だ。そこでmacOSがIntelチップで動いているうちに、統合問題に前倒しで挑戦するというのは理にかなっている。

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Apple、macOSの重大なセキュリティー欠陥を修正するアップデートを公開

AppleはmacOS High Sierraのセキュリティー問題を修正するアップデートを公開した。該当する人は今すぐアップデートすべきだ(Appleは今日中にこのセキュリティーパッチを自動的にプッシュ配信する予定)。このアップデートは、昨日発覚した誰でもパスワードなしで他人のMacにログインできる、という極めて深刻な脆弱性を修正するものだ

アップデートをインストールするには、Mac App Storeを開き、「アップデート」タブをクリックすればよい。リリースノートに「このアップデートはできるだけ早くインストールしてください」と書かれているのが興味深い。Appleは夜遅くまで作業してこの問題を修正した。しかし、そもそも起きてはならないことだった。

このセキュリティー欠陥はHigh Sierraの最新バージョン(少なくとも10.13.1 — 17B48以降)が動作している全Macに影響を及ぼした。ログイン画面または設定パネルのセキュリティー画面で、ユーザー名をrootにしてパスワードを入力しないと侵入できてしまう。TechCrunchで複数の人間が試したところ容易に再現できた。それ以降は自分のものではないコンピューターのすべてを見ることができる。画面共有セッションの中でもこの方法は使える。ハッカーにとって、他人のメールや個人データをアクセスする最高の方法といえる。

このアップデートのリリースノートはごく短い。「認証情報の検証に論理的エラーがあった。検証方法を改善して解決した。」とAppleは書いている。

アップデート:Appleは影響を受けている全ユーザーに対して、本日中にこのアップデートを自動的に送信する。同社は以下の声明を発表した。

「安全性はApple製品にとって最優先課題であり、macOSのこのリリースで問題をおこしたことをお詫び申し上げる。

当社のセキュリティー担当技術者は、火曜日(米国時間11/28)の午後に問題を認識した直後に、このセキュリティーホールを埋めるアップデートの制作に取りかかった。本日午前8:00からアップデートはダウンロード可能であり、今日からmacOS High Sierraの最新バージョン(10.13.1)が動作している全システムには自動的に修正が適用される。

今回の問題を深く反省し、全Macユーザーに対して、脆弱性のあるシステムを公開してまったことおよび心配をかけたことをお詫びする。当社の顧客にとってあってらならないことだった。ふたたびこのようなことが起きないよう、現在開発プロセスを見直している。」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

企画書や台本などの書記作品を二次元線形でなく自由な構造として扱うワープロScrivenerがVup

書くという技芸は古代からあるが、コンピューターを利用して書くための優れたアプリケーションはまだまだ不十分だ。その数少ない秀作のひとつがScrivenerだが、今日(米国時間11/20)はそのメジャーアップデートがあった。

Scrivenerは、プロとホビイストのどちらが使ってもよい。いろんなオプションが揃っているので、映画の脚本を書く、小説を書く、などなどいろんな書き仕事に便利だ。またそのインタフェイスには、書いてる人が気を散らさずに書くことに集中できるための工夫が凝らされている。

カスタム化は、ほとんど無限に自由だ。使い方によっては、Scrivenerは書くだけでなくプランニングのツールとしても優れている。たとえばコルクボード(ピンボード)機能を使うと、シーンや章の着想をメモカードに書いておいて、それらを自由に並べ替えできる。

また、書いたものをほかのアプリケーションやデバイスのフォーマットへエクスポートすることも、自由にできる。

今度のScrivener 3で、インタフェイスが新しくなり、コードは64ビットに対応、そしてMac OSのTouch Barのサポートが拡大された。新しいツールとしては、プロジェクト中のドキュメントを見つけるQuick Search、インデクスカードの色付きスレッド(ストーリーラインの追跡用など)、Inspectorからドキュメントを素早く見るためのBookmarksなどが加わった(従来のProject Notes, References, Favoritesをリプレース)。

そしてDialogue Focus機能は、プロジェクト内の会話の部分(台詞部分)を素早く取り出せる。ツールバーにはドラフトとセッションの進捗が表示される。

Epub 3と、改良されたKindleエクスポートもある。

Scrivener 3は、アップグレードユーザーには25ドル、新規ユーザーなら45ドルだ。30日の無料試用もある。30日とは、あくまでも実際に使った日の計だ。

ニューバージョンは今はMacOS用のみだが、“もうすぐ”Windows版も出る。

Scrivener 3について詳しく知りたい人はここへどうぞ。

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Apple、macOS High Sierraの無料ダウンロードを開始

AppleのMac App Storeで最新のmacOSがダウンロード可能となった。ここ数年、macOSはiOSの影に隠れる傾向があったが、High Sierraのリリースも例外ではなかった。今回、iOSが華々しいアップデートだったのに対してはmacOSは地味だったこともその傾向を強めたようだ。macOS 10.13は目に止まりにくいインフラの改良が主となっている。

ただしこれらは重要な改良だ。Macのファイル・システムの実質的改良としてここ30年で初めてのものだというだという点は特に注目だ。いささかクレージーに聞こえるかもしれないが、これまでの数々の OS Xのアップデートははすべて同一のファイルシステム、つまりMacのスタート当初からのファイルシステムの上で行われてきた。ファイルシステムの一新はカジュアルなユーザーの目には触れにくいが、向こう何年にもわたってMacのパフォーマンスに重要な影響を与えることになろう。

High Sierraはまた4K向けに新しいビデオエンコーディングを採用した。Metal 2は今後のグラフィックスを大きく強化するものだ。エンドユーザーにとってはSafariと写真に新機能が追加されたことが大きい。広告ブロックが進化し、編集メニューにもさらに高度なオプションが追加された。詳しくはMacの新OSについての私の記事を参照されたい。

今回のアップデートでは一般ユーザーが飛びつくような派手な新機能をフィーチャーしているわけではないので、新OSのダウンロード数が前回に比べてどうなるか興味あるところだ。もっともAppleによればSnow Leopardも主としてOSの改良だったが販売は好調だったという。 しかも2009年のSnow Leopardが有料であったのに対して、High Sierraのダウンロードは無料だ。ユーザーは概して無料のプロダクトを好むと聞いても意外な印象は受けない。.

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(翻訳:滑川海彦@Facebook <A

Apple、iOS 10.3と共にmacOS、watchOS、tvOSもアップデートを公開

今日はAppleのアップデートデーだ。同社の全製品にわたる4つのオペレーティングシステムの4つの新バージョンを公開した。iOS 10.3、macOS 10.12.4、watchOS 3.2、およびtvOS 10.2。アップデートの中には特に重要なものもある。

まずiOS 10.3から。新OSには「AirPodsを探す」が加わった。この新機能については本誌が既に報じている。iOSデバイスに接続されていればイヤホンの位置を地図上で見ることができる。雑誌の山の下に隠れている時にはアラームを鳴らせる。近くにないときには、AirPodsが最後のiOSデバイスとつながっていた場所が示される。

iOS 10.3で、AppleはApp Storeの評価方法を見直し、ユーザーのレビューを促すと共にデベロッパーへの返信ができるようになった。メールのスレッド表示、動的アプリアイコンなどの新機能も加わった。

そしてAppleは、密かに全iOSデバイスを新ファイルシステムのAPFSに移行する。ユーザーからは見えないはずだが、新しいファイルシステムはモバイル機器のフラッシュストレージ向けに一から設計されており、これは大きな変更だ。

watchOS 3.2でAppleは、ついにSiriをサードパーティーアプリに開放した。iOSではすでに実施されている。例えばApple WatchからLyftで車を手配したり、WhatsAppで誰かを呼ぶことができる。新たに追加されたシアターモードボタンを使うと、映画館のなかで画面を暗くしたままにできる。

macOSにはナイトシフトが導入された。f.luxと同じように夜になると暖色が優先的に使われる。睡眠の改善に役立つと言われている。macOSおよびiOSのiWorkでリアルタイム・コラボレーションがベータから正式機能になった。

tvOS 10.2の変更はわずかだが、一つのAppleデバイスでレンタルしたビデオをApple TVなど別のデバイスで見られるようになった。これは長年要望されていた機能だ。

いつもと同じく、アップデートの前には必ずiCloudまたはパソコンにバックアップをとっておくこと。ファイルシステムが大きく変わるiOSデバイスでは特に重要だ。

iPhoneとiPadでは設定アプリから、macOSはMac App Storeで、Apple WatchはiPhoneのWatchアプリからそれぞれアップデートできる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、macOS 10.12.3を公開。MacBook ProのGPUとバッテリーの問題を修正

macbookproports

つい先ほどAppleはmacOS Sierraのアップデートを公開した。10.12.3はバグフィックスのアップデートだが、昨年末に発売された新しいMacBook Proにとっては待望の変更だ。今日のアップデートで、Appleは15インチモデルのグラフィックチップセットに関するいくつかの修正を実施した。またAppleは、バッテリー寿命に影響を与えていたSafariのアイコン取得バグも修正した。

新しいMacBook ProのGPUがオーバーヒートしていると見られるスクリーンショットやビデオが数多く出回っている。その結果グラフィックに不具合が生じ、コンピューターが使えなくなる。

この最後のビデオは何十万回も見られているので、よく起きる問題なのだろう。Appleは、前回のアップデートで、既にこの問題を修正したと言っていた。しかし、いくつか修正もれがあったようだ。Adobe Premier Proのヘビーユーザーや、15インチモデルでGPUを多用する作業をしてこの問題に遭遇したことのある人は、今回の修正で完全に直るはずだ。

今月Appleは、Consumer Report誌がMacBook Proで行ったバッテリーベンチマークについても声明を発表した。Consumer Reportによると、MacBook Proのバッテリー寿命の成績はよくない。MacBook Proのバッテリーはすばらしいというわけではないが、AppleはConsumer Reportのベンチマークに影響を与えていたバグを発見した。

Safariのアイコン取得バグは、リソースを使い過ぎていた。Appleは10.12.3 beta 3で修正を済ませており、macOS 10.12.3のファイナル版にはSafariのアップデート(10.0.3)も付いてくるようだ。

このアップデートには、ほかにもいくつかの小さな修正があるほか、重要なセキュリティー・アップデートが入っている。Mac App Storeでダウンロードして最新バージョンにアップデートすることをお勧めする。

リリースノートの全文は以下の通り:

  • MacBook Pro(2016年10月、15インチ)の自動グラフィクス・スイッチングを改善した。
  • Adobe Premiere Proのプロジェクトを、MacBook ProのTouch Barモデル(2016年10月、13インチおよび15インチ)でエンコードする際のグラフィクス問題を解決した。
  • プレビューでスキャンされたPDF文書の検索ができいバグを修正した。
  • 暗号化を有効にしてエクスポートされたPDF文書の互換性問題を解決した。
  • 一部のサードパーティー・アプリケーションで、デジタルカメラの画像を正しくインポートできない問題を解決した。

エンタープライズ向け:ネットワークまたはキャッシュされたユーザーアカウント(例えばActive Directoryアカウント)で、maxFailedLoginAttemptsパスワードポリシーを使用しているものが無効化される問題を解決した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Appleの新しいインテルベースのMacBook Proは、セキュリティとTouch IDのためにARMチップも搭載している

macbooktouchbarediting

Appleはいつ、ARMプロセッサを搭載したMacを出荷するのだろうか?これこそが、同社が独自のチップをゼロからデザインし製造を始めたときから、同社のウォッチャーたちの心を1番に占めてきた問いかけだ。

その質問への答えは「今」だ、ある意味では。Appleの新しい13″ならびに15″ MacBook ProモデルにはTouch Barが搭載されている。Barと、一緒に搭載されているTouch IDセンサーのどちらも、ラップトップの中心にあるインテルのプロセッサと、AppleのデザインしたT1チップによって駆動される。このT1は、新しいApple Watchシリーズ2の中にあるS2チップに相当するものだ。

T1は、Apple WatchのS2のプロセッサとSecure Enclaveで構成されている。

Appleがその基調講演で述べたように、タッチIDセンサーのセキュリティを扱うが、それ以外にも沢山のタスクをこなしている。それはカメラ、パスワードを保存するキーチェーン、そしてTouch Barのセキュリティを保護している、

これらの詳細のいくつかは、昨日開発者のSteven Troughton-Smithによって確認された。T1の性質とその機能についての、更なる詳細と沢山の情報は、私自身の情報ソースからも得ることができている。

T1はまたTouch Barへピクセル画像を送信している、とはいえその送られるコンテンツをレンダリングしているのはMacBookのメインプロセッサなのだが。Touch Barの上で起きるタッチイベントは、完全にMac OS Xで制御されている ‐ このため、T1がMacOSのタッチサポートを活用するための最初のコンポーネントということになる。

データの送信はメインプロセッサによって処理されるが、Secure Enclaveを活用するために、画面上のApple Payダイアログは完全にT1によって描画されている。なおSecure EnclaveはiPhoneやApple Watchデバイスの中と同様に、個人情報を分離するためのチップの1部を構成するものだ。

Touch Bar自身は、変更を施された軽いバージョンのwatch OSを利用している。T1が動作するためにはそれを動作させ、他にデータを送ったり、イメージを扱うためにも必要だからだ。

Appleが、このハイブリッド構成でやっていることはとても興味深い。ARMチップに「切り替える」代わりに、Appleは特定のタスク向けのチップを製造することを決め、その目的だけのために使うことにしたのだ。ちょうどインテルのチップが、OS Xの重いマルチスレッドリフティングが得意であるように、T1はタッチIDのセキュリティとApple Payダイアログの表示という、ライトウェイトリフティングのために生まれた。

この特殊チップによるアプローチは、iPhoneのモーションコプロセッサーでも見たものだが、特別なタスクが特別なツールによってより良く扱われる場所であるMacBookでは、はるかに大きな意味がある。

将来的に、このオンボードT1で何が可能になっていくのかを見ることは楽しみだ。また私はこれまで以上に、ARMによって強化されたiMacとMac Pro向けの、Touch ID組み込みキーボードが発表されるのではないかと考えている。

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(翻訳:Sako)

iOS 10 beta 5リーリース。「コードを学ぶ」アプリSwift Playgroundsを同梱

swiftplaygrounds

Appleの開発者たちに良いお知らせだ。Appleは本日iOS 10ベータの第5版をリリースした。watchOS 3、macOS、そしてtvOSも同時である。このリリースで私たちはより一層iOSの最終ビルドに近付くことになる。予想されている9月のリリースまでにはあとせいぜい1つか2つのベータが発表されるだけだろう。

予想通り、最初のいくつかのベータ版には多くのバグがあったが、以降の各ベータ版の中でAppleはコードを洗練し不具合を修正してきた。iOSベータ5で同社は、iOSとApple TVのインタラクション、App Storeでのアプリ内購入、Bluetooth、iMessage、電話とWalletアプリの数多くの課題に、アクセサリーに対する問題と同時に対処を行った。特に、iPhone 6sをスマートバッテリケースで使用した場合にパニックを起こさなくなったことなどが、その例だ。

このiOSビルドでの変更点は少なかったが、初期のテスターたちは既にその違いを見つけている。写真アプリの中のAIと顔認識データはリセットされ、これによって新しいスキャニング処理が実行されるとiPhoneHacksが報告している 。それに加え、Music Control Centerが調整され、「今日」ビューには日付と各種データが表示され、ウィジェットの背景はより暗くなり、そして新しいロック時のサウンドが追加されたと報告には書かれている。

iOSのベータ5にはまたSwift Playgroundsが伴っている。これはAppleがWWDC 2016で紹介した、子供向けの「コードを学ぶ」アプリだ。アプリには教材のLearn to Code part 1と2が同梱されており、その他にも利用者が試すことのできる様々な問題が含まれている。また、テンプレートを使って独自のプレイグラウンドを作ったり、まっさらなプレイグラウンドを作ったり、Xcodeの中でプライグラウンドを開いたりすることもできる。

またこのアプリには、Answers、Shapes、そしてBlankテンプレートに加えて、新たにGraphingテンプレートが含まれている。

迅速-playgrounds2

また、Appleのリリースノートによれば、iPhone 6s、iPhone 6s PlusおよびiPhone SEで(英語に設定したSiriを使って)Voicemailの文字起こしが、使用できるようになった。しかし、まだ問題も残っている。FaceTimeによるこのiOSベータとmacOSベータの間の通話がうまく機能しないこと、Apple Musicの「For You」の中の「最近再生した項目」がなかなか更新されないこと、ノートが不意に終了してしまうこと、などが他の些細なバグとともに残されているのだ。

他のプラットフォームに興味のある人のために紹介すると、mac OS SierraはSiriをMacに取り込み、写真アプリは更新され、Safariはピクチャー・イン・ピクチャービデオをサポートしている。その他にも 多くの機能が取り込まれている 。WatchOS 3もまた新たなUIを提供しているという意味で、メジャーアップデートと言えるだろう。もう「友達」画面は存在せず、アプリの起動速度は速くなった。Apple TVのtvOSのアップデートは大きなものではないが、より暗いモードをサポートし、TV Everywhereアプリからのサインオンに対応した。このデバイスはまたHomeKitのためのハブとしても機能する。

また新しいmacOSのベータ版は、Apple Payに対応した電話や時計を発見してApple Payをサポートするようになった。その他細かな課題に対応している。一方watchOS 3ベータ版ではSiriを使う際の問題の修正が加えられた。これは削除されてしまっているアプリに対する要求を受け付けた時、Siriが思うような反応を返さないという問題である。

内容は更に追加される予定…

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(翻訳:Sako)

OS Xは「macOS」へと改名され、デスクトップで動作するSiriや「auto unlock」などが追加される

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もしも、あなたがApple流のネーミングに頭を悩ませていたのならば、もうその心配はない(これまで、iOS、tvOS、watchOSなど、OS X以降、これまでとは違ったネーミング方法を採用していた)。本日Appleが発表したところによると、OS Xには新しい名前がつき、元祖Apple流の命名方法へ戻る形となる。OS Xの新しい名前に注目せよ。その名も、「macOS」だ。さらに、このOS X/macOSの新バージョンも同時に発表された。カリフォルニア州にちなんだネーミング方法を採用し、新しいバージョンのOSは「macOS Sierra」と名付けられた。

期待されたとおり、macOSのデスクトップ版にはSiriのサポートがいよいよ追加される。本日、Siriそのもののアップデートも発表されたのだが、その新しいSiriを起動するためには「hey Siri」と話しかけるだけで良い。そうすれば、そこそこ役に立つApple社製のAIがあなたの意のままとなる。Siriの機能には、Mac上のファイルを見つける機能、メッセージ送信機能がなどがある。また、Siriはバックグランドで動作するため、たとえユーザーがフルスクリーン・モードで別のアプリを起動していたとしても、その間にSiriに他のタスクを与えることも可能になるとAppleは話す。

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また新しいmacOSには、登録したiPhoneやApple Watchが近くにある場合、Macを自動的にアンロックする機能も新たに追加された(これはChrome OSに搭載されたGoogleのSmart Lockに似た機能だ)。Appleはこの機能を「auto unlock」と呼んでいる。

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その他にも、新しい機能にはAppleが「universal clipboard」と呼ぶものがある。iOSとmacOSで共有できる単一のクリップボードにアクセスできる機能だ。また、改良されたiCloud Drive向けのサポートも発表された。これにより、複数のデバイス間を通じてより簡単にファイルを作成することができるようになった。今回のアップデートにより、ローカル・マシーンに存在する古いファイルを簡単にクラウド上にアップロードが可能になり、容量を節約することできる。

これらに加えて、ユーザーがmacOSを複数台所持している場合、複数のMacのデスクトップ環境を同期できる機能の追加も発表された。ブラウザで動作するApple Payも新しい機能の一つだ。ユーザーの認証には、iPhoneに表示されるTouchIDが利用される。マイナーではあるが有用なアップデートとして、MacOS上のすべてのアプリをSafariのタブのように管理できる機能がある。

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今回のアップデートは、まず6月にベータ版として提供され、今年の秋にはすべてのユーザーに無料アップデートを通じて提供される予定だ。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Twitter /Facebook