Meta、ハラスメント対策としてVR空間Horizon Worldsなどに「境界線」機能を追加

Metaは、バーチャルリアリティ空間「Horizon Worlds」と「Horizon Venues」でのハラスメント対策として「パーソナルバウンダリー(境界線)」という機能を展開する。各アバターには半径2フィート(約61cm)のバブルがあり、互いに4フィート(約122cm)前後まで近づくことができなくなる。

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もし誰かがあなたのパーソナルスペースに入ろうとしたら、近づきすぎた時点でその人の前進は止まる。しかし、MetaはThe Vergeに対して、アバターが互いの間を行き来することは可能であり、ユーザーが隅や出入り口に閉じ込められることはないだろうと語っっている。

このパーソナルバウンダリー機能は、ユーザーが無効にすることはできないもので、Metaがハラスメント対策として以前追加した、他の人のパーソナルペースに入るとアバターの手が消えるという機能をベースにしている。Metaが12月にHorizon Worldsを米国とカナダの18歳以上の全員に公開する直前、ベータテスターが自分のアバターが見知らぬ人に体を触られたと述べていた

いずれは、パーソナルバウンダリーの半径を変更できるようになるかもしれない。ユーザーは他のアバターとハイタッチや拳を突き合わせることはできますが、そのためには腕を伸ばす必要がある。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のKris HoltはEngadgetの寄稿ライター。

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(文:Kris Holt、翻訳:Katsuyuki Yasui)

FTCがMetaのVR事業を独占禁止法違反で調査中との報道

Metaに対するFTC(米連邦取引委員会)の反トラスト訴訟が、今週初めに重要なハードルをクリアしたことに続き、この同委員会はさらに、MetaのVR事業に対しても強い関心を寄せているようだ。

Bloombergの記事によると、FTCと複数の州の司法長官は、Metaのバーチャルリアリティ部門を「反競争的行為の可能性」で調査しているという。ニューヨークが州レベルの調査を主導しているとされ、MetaのVR体験のためのアプリを開発する外部のソフトウェア開発者とチャットしているとのこと。

記事によると、州と連邦の職員たちは、同社がどのようにして、反競争的な行いに関わり、VR市場における競争を妨害したかを調べている。職員たちはまた、同社がVRヘッドセット「Quest 2」の価格をどのようにして下げ、それを消費者にプッシュして競争をブロックしたかについても、関心を持っている。

FTCがMetaのアプリストアとハードウェア、ソフトウェアを調べている事実は、同社の買収案件が、次の時代のインターネットビジネスを定義する道標になるかもしれないこの反トラス訴訟における、唯一の視点ではないことを示唆している。

2021年12月、The InformationはFTCがMetaが申請しているVRフィットネスアプリ「Supernatural」の買収、その4億ドル(約456億9000万円)を超える取引を調べていると報じている。

今週初め、ある判事は、FTCがMetaの子会社であるFacebookに対して行っていた大規模な反トラスト法違反訴訟を継続できると判断し、これを阻止しようとする同社の取り組みを拒否した。2021年12月、Facebookは裁判所に訴えの却下を求め、ビッグテック解体推進派のLina Khan(リナ・カーン)FTC委員長に退陣を迫っていた。

FTCはその訴訟で、Facebookがソーシャルメディア分野のライバルを押さえ込むために市場力を乱用していると非難し、親会社のMetaにInstagramとWhatsAppを売却させるよう裁判官に求めるところまで踏み込んでいる。

「しかし、これらの理論を補強するために今回主張された事実は、特に被告が主張する独占の輪郭に関して、以前よりもはるかに強固で詳細である」とJames Boasberg(ジェームズ・ボースバーグ)連邦地裁判事は記している。

「……FTCは、その主張を証明するために、この先、困難な課題に直面する可能性がありますが、裁判所は、現在、弁論の要件をクリアし、証拠開示に進む可能性があると考えている」と述べている。

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hiroshi Iwatani)

MetaのOculus VRコンパニオンアプリ、クリスマス以降にダウンロード200万回

サードパーティのアプリ分析会社、Apptopia(アップトピア)とSensor Tower(センサータワー)の新しいデータによると、Quest 2を含むOculus VRデバイスのモバイルコンパニオンであるMeta(メタ)のOculusアプリは、クリスマス以降、世界中でおよそ200万回ダウンロードされた。クリスマスの日にOculusアプリがAppleのApp Storeで初めて首位を獲得し、米国のGoogle Playでも最も人気のある無料アプリとなったことから、Quest 2が人気のホリデーギフトだったことがすでに示唆されていた。

米国でのクリスマスの1週間(2021年12月23日~29日)、Oculusアプリのダウンロードは前週比517%増となり、インストール150万回に達したことがSensor Towerのデータで明らかになった。

その後の12月30日から1月5日までの1週間で、これらのインストール数は77%減の34万5000回となったが、それでもこの数字は2021年のクリスマス前の週よりも42%も多い。また、こうした直近のダウンロードには、最近ホリデーギフトとして新しいOculusデバイスを受け取っていたが、まだセットアップしていなかった人が含まれているようだ。

クリスマス後のインストールは米国が大半を占めているが、ApptopiaとSensor Towerは、クリスマスの日から現在までにApp StoreとGoogle Playを合わせて全世界で約200万回のインストールがあったと推定している。

Sensor Towerはやや保守的な分析をしており、2021年12月31日から2022年1月5日までに全世界で約180万回インストールされたと推定している。一方、Apptopiaは、クリスマスから現在までにOculusアプリが全世界で218万9000回ダウンロードされたとしている。この200万回超のインストールのうち、約79%(172万7000回)が米国の消費者によるものだったと指摘した。

Apptopiaのデータでは、2021年のクリスマスに急増している

この数字をより広い視野で見ると、2021年ホリデー期間中のアプリインストール数は、アプリの初期に見られた年間総ダウンロード数に近い。

2018年4月にリリースされたOculusアプリは、初年に120万回ダウンロードされ、その後2019年には240万回を記録している。2020年にはさらに勢いを増し、Apptopiaのデータによると、世界の消費者440万人がこのアプリをインストールした。その後、Quest 2の2020年秋発売の恩恵を受け、Oculusアプリのインストールは2021年に1062万回に跳ね上がった。そのうち7218万回、つまり68%を米国が占めた。

Sensor Towerのデータはここでも少し保守的で、2021年のアプリのダウンロード数は、App StoreとGoogle Playを合わせて1060万ではなく800万回を少し上回るというものだった。

しかし、どちらの数字がより正確かはともかく、クリスマスからわずか数日の間に、Oculusアプリが200万回ほどのダウンロードを獲得したことは共通する。

Metaは、サードパーティ推定値に関するコメントのリクエストにまだ答えていないが、直近のQuest 2の浸透は、Qualcomm(クアルコム)のチップセットが新しいVRデバイスに搭載されていることが貢献している。Qualcommは2021年11月に、Metaがこれまでに1000万台のQuest 2を出荷したと明らかにした。

Oculusアプリは同社のレガシー製品(RiftとRift S)でも動作するが、これらの新しいダウンロードは生産が終了した製品のためではなく、Quest 2のためのものだろう。MetaがQuest 2を初めて出荷したのは2020年10月で、同社の旗艦デバイスとして丸1年以上、299ドル(約3万5000円)というエントリーレベルの価格帯でVR導入をより手頃にするためのデバイスが出荷されていることを意味する。また、Facebookが2021年にMetaへの大きなブランド変更を発表し「メタバース」の計画を詳述したことで、初めてVRに興味を持った消費者が増え、最近のインストール数の増加につながっている可能性がある。

アプリのダウンロードは概して実世界での普及を示すものではないが、Oculusの場合、最近新しいOculus VRデバイスを購入した、または贈られた消費者が何人いるかを把握するのに役立つ。このアプリは、消費者が新しいVRアプリやゲームをダウンロードしたり、VRでつながる友人を見つけたりすることを可能にするため、Quest 2の所有者のほとんどがインストールを選択する。

米国時間1月5日現在、Oculusアプリはインストール数と勢いなどを考慮した米国のApp Storeランキングで順位を下げている。現在は総合で111位だが、振り分けられているエンターテインメント部門では10位と健闘している。

また、Apptopiaによると、このアプリは新規ユーザーの一定のエンゲージメントを得ているようだ。同社によると、Oculusアプリのデイリーアクティブユーザーは241万人で、以前のレベルを上回っている。この数字は、ユーザーが一度アプリをセットアップしてから放棄するのではなく、今も積極的にVRの世界を探求していることを示している。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

MetaのVRマルチプレイヤーワールド「Horizon Worlds」が米国・カナダで18歳以上向けに一般配信開始

かつてFacebook(フェイスブック)と呼ばれた企業が、我々をメタバースへと導くという同社の目標に向けて一歩を踏み出した。Second Life(セカンドライフ)またはMinecraft(マインクラフト)のMeta(メタ)VRアプリ版のようなものであるHorizon Worlds(ホライズン・ワールド)が、招待制ベータから拡大し、米国とカナダの18歳以上のすべてのユーザーに開放された。これは、2019年に最初に発表された同アプリにとって大きなマイルストーンだ。

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この無料アプリは、ソーシャル要素のある仮想世界を構築するプレイグラウンドだ。アプリに入ると(初めての場合は短いチュートリアルの後)、プレイ(ゲーム)、アテンド(イベント)、ハングアウトの3つの選択肢が表示される。Meta自身が作ったエクスペリエンスに加えて、誰でも作れるコミュニティ生成スペースを探索することもできる。2021年10月に同社は、これらのVR体験を構築するクリエイターに1000万ドル(約11億3500万円)の資金提供を発表し、ユーザーが新しいゲームやハングアウトを作るインセンティブを与えた。

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これらの仮想空間に入る前に、同プラットフォームは、あなたが交流する相手は誰もが実在の人物であることを忘れないようにしてください、と通知する。

左手首を見てアクセスするプライマリーメニューには、セーフティボタンがあり、これを押すとすぐに「セーフゾーン」と呼ばれるプライベートルームに移動し、そこで休憩したり、ユーザーをブロックしたり、ミュートしたり、問題人物を報告することなどができる。

ユーザーが最初に遭遇するであろうハングアウト空間のひとつが、Metaが作ったPlaza(プラザ)というスペースだ。我々の足のないアバターは、知らない人と一緒に紙飛行機を投げたり、コミュニティのモデレーターと話したりした。モデレーターは、初めての人とおしゃべりしたり、操作方法を説明したりしてくれる(直感的に操作はできるが、慣れるまでには数分かかる)。近未来的な風景を眺めながら、周りの人たちがアバターの服装についてメタバース的な世間話をしているのを聞くのは、奇妙で楽しい体験だった。

しかし、ユーザー生成スペースでは、何か問題が起きたときに介入できる人間のモデレーターが常に存在するわけではない。Horizon WorldsのすべてのスペースにMetaの担当者がいることを期待するのは現実的ではないし、もし実際にいたら少し不気味に感じるかもしれない。だがメタバースは、人々のオンラインでの安全を守るための新たな課題を引き起こすことになりそうだ。

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Metaは、Facebookからヘイトスピーチや暴力的な画像を削除するのに苦労しており、同社のアプリであるInstagram(インスタグラム)が、10代の若者にとって精神衛生上危険であることを示す内部文書が流出した影響で動揺している。さらに米国時間12月8日には、Instagramの責任者であるAdam Mosseri(アダム・モセリ)氏が、子どもと10代の若者のオンラインの安全性について議会で証言したばかりだ。しかし、メタバースの世界では、より没入感のあるオーディオビジュアル体験ができるため、さらなる課題がある。Clubhouse(クラブハウス)はライブオーディオルームのモデレートに苦労しており、Twitter(ツイッター)でも最近はSpaces上の有害なコンテンツが問題になっている。Twitchストリーマーも「ヘイトレイド」と呼ばれる荒らし行為に悩まされている。

ユーザーエクスペリエンスの面では、Horizon Worldsは、Metaの没入型イベントプラットフォームであるHorizon Venuesよりも大幅にステップアップしている(Worldsがベータ版からグローバルにアクセスできるようになれば、Venuesは廃止されるかもしれない)。

現在、Venuesを使用すると、映画館の廊下のようなブロック状の入口エリアにドロップされる。いくつかの部屋が用意されていて、ピクセル化されたBillie Eilis(ビリー・アイリッシュ)の録画コンサートをループで見られるなどの機能がある。Worldsはすでに、Venuesよりも魅力的で期待できそうに感じる。しかし、これから何百万人ものユーザーがHorizon Worldsに参加していくにつれ、Metaは、ソーシャルプラットフォームを安全に維持する能力があることを証明する必要がある。

Horizon Worldsを実行するには、Quest 2デバイスに無料アプリをダウンロードする必要がある。2022年1月13日以降、Quest 1ではサポートされなくなる。

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)

【コラム】生き残りを賭けたフェイスブックの「メタ」への転換

Facebook(フェイスブック)は生き残りをかけて戦っているが、彼らの敵は規制当局の圧力ではない。Zuckerberg(ザッカーバーグ)氏は、下降しつつあるユーザーベースを守る救命ボートとして「メタバース」に頼り切っている。Facebookの未来が主要ハードウェアプラットフォームを所有することにかかっていることを、彼はずっと前から知っている。

先のFacebookの「Meta」へのブランド転換は、数十億ドル(数千億円)のバランスシートゲームの3イニング目だ。果たして消費者がこれを受け入れ、現実になるのかどうか拝見しよう。Meta / Facebookのすべてが懸かっている。

2016年からVRとARに投資している1人として私は、昨今のビジネストレンドチャンネルをにぎわしている「メタバース」の話題を聞いて、慎重ながら楽観的になっている。果たして今は本当にVRの時代なのか?

世界で最も価値のある会社の多くは、自らのソフトウェアアプリケーションを動かすハードウェアを所有している。Apple(アップル)とMicrosoft(マイクロソフト)は何年も前からハードウェア事業を手がけているし、Google(グーグル)もAndroid(アンドロイド)で堅実なOSビジネスを構築することができた。2014年のFacebookによる数十億ドルのOculus(オキュラス)買収は、ザッカーバーグ氏の真意をあからさまに示すものだったが、実際のピボット(転換)が起きるまでには7年を要した。

Oculus買収直後の数年間、VR(仮想現実)への投資が業界全体で相次いだ。ハードウェアプラットフォームが、Google、Microsoft、Sony(ソニー)、HTC(エイチティーシー)、Steam(スチーム)などから大々的な発表が続いた、こうした投資のほとんどは数年後に捨てられるか打ち切られることとなり、VRハードウェアプラットフォームの選択肢は不足状態になった。

Facebookが攻撃を開始したのはその時だった。Oculus / Reality Labsプラットフォームへの投資を強化して高品質モバイルVRハードウェア機器の開発で革新を起こし、ゲームデベロッパーに資金を投入して、プラットフォーム上の有望なゲームのほとんどを貪欲に買収した。買収を通じてデベロッパーエコシステムを構築するそのアプローチは、あらゆるVRプラットフォームが直面してきた初期コンテンツ不足問題を解決するための長丁場の投資だ。

ザッカーバーグ氏はゲームから手を付けた。それは、消費者の大きな興奮と成長が約束された最古のカテゴリーであり、ヘッドセットの中で消費者の熱狂を心地よく上昇させるからだ。次にザッカーバーグ氏は、VR/AR(拡張現実)をエンタープライブに持ち込み、リモートチームとの実践的3Dコラボレーションを、パンデミック下で分散された社員たちに浸透させようとしている。

幸運なのか実力なのか、彼は予知能力のある戦略家として知られている。ザッカーバーグ氏はこれまで、自分では必ずしも制御できない市場の変化とタイミングに対応して、完璧な戦略を見せつけてきた。

「メタバース」は、すでに「Fortnite」や「Roblox」に存在している。ザッカーバーグ氏は、人々が頭に被るコンピューターを通じた完全没入型体験を望んでいて、年齢層の高いユーザーベースを駆り立てられることに賭けている。

もしFacebookの過去の買収が道しるべになるなら、ザッカーバーグの戦略は成功するだろう。ただしWhatsApp(ワッツアップ)とInstagram(インスタグラム)をはじめとするFacebookの成功した買収先のほとんどは、買収当時すでに成功が約束されていた。「メタバース」に全力を注ぐことは、新しいプラットフォームとパラダイムを作り出すことであるが、そこは30年以上熱狂を促すサイクルを繰り返してきたにもかかわらず、悲しいほど普及が進まない分野である。

バランスシートを見る限り、うまくいく可能性は高い。しかし、今はまだ、隔離された空間に存在する戦略とチャンスのための妙技にすぎない。

編集部注:本稿の著者Jacob Mullins(ジェイコブ・マリンズ)氏はShasta Venturesのマネージングディレクターとして、2016年以来VR/ARに投資している。

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(文:Jacob Mullins、翻訳:Nob Takahashi / facebook

MetaがVRヘッドセットなどが並ぶ実店舗をカリフォルニアで計画との報道

ニューヨークタイムズ紙によると、かつてFacebookとして知られていた会社は、Metaへとブランド名を変更する前から小売店を開設する可能性について議論していた。どうやら、実店舗の開設についての議論は2020年から始まっていたらしいが、最終的には何も決まっておらず、このプロジェクトはまだ破棄される可能性がある。しかし、もしMetaが実店舗を開くとしたら、それは完全な小売店ではなく、Reality Labs部門が開発したデバイスを紹介する体験型店舗のようなものになるとされている。

それらのデバイスには、仮想現実ヘッドセットOculus Quest(近日中に「Meta Quest」になる予定)や、主にビデオ通話用に設計されたガジェットPortalなどがある。また、FacebookがRay-Ban(レイバン)と共同開発したStoriesと呼ばれる拡張現実のスマートグラスも展示される可能性がある。タイムズ紙が入手した文書によると、Metaの目標は、店舗で「好奇心」と「親近感」を喚起し、顧客がヘッドセットを試しながら「判断に迷わない旅」ができるような居心地の良い雰囲気を提供することだという。

同じ資料によると、Metaはモダンでミニマリスト的な美しさを持ち、ブランドをさりげなく配置した店舗を想定している。同社は、Facebook Hub、Facebook Commons、Facebook Innovations、Facebook Reality Store、From Facebookなど、さまざまな名称を検討した。最終的にはFacebook Storeに落ち着いたが、会社名が変更された今、それも変わる可能性が高い。

Metaがこの計画を進めた場合、最初の小売 / 体験型店舗はReality Labsのオフィスがあるカリフォルニア州バーリンゲームに設置される予定だ。ただ、タイムズ紙によると、このプロジェクトは最終的には世界中に広がり、さまざまな国や地域に拠点を置くことになるかもしれないとのことだ。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のMariella MoonはEngadgetの寄稿者。

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(文:Mariella Moon、翻訳:Nariko Mizoguchi

FBメタバースのために設計されたハイエンドVRヘッドセット「Project Cambria」、2022年発売予定

Facebook(フェイスブック)は、コードネーム「Project Cambria(プロジェクト・カンブリア)」と呼ばれる新しいハイエンドVRヘッドセットの開発に取り組んでいる。同社は、米国時間10月28日に開催されたConnectカンファレンスで、デバイスを予告した。このヘッドセットは、2022年中に発売される予定だ。FacebookのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)CEOは、この製品は同社の299ドル(日本では税別3万3800円)のヘッドセット、Quest 2とは別の「ハイエンド」製品になると述べた。価格もQuest 2より高く設定されるという。

Cambriaには、他のVRヘッドセットでは実現できない機能が搭載される。このデバイスに搭載された新しいセンサーにより、バーチャルアバターはアイコンタクトを保ち、あなたの顔の表情を反映することができる。同社は、これによりバーチャルでインタラクトしている相手が、あなたの気持ちをよりよく理解できるとしている。このヘッドセットのもう1つの特徴は、複合現実(MR)のエクスペリエンスだ。新しいセンサーと再構築アルゴリズムの助けを借りて、Cambriaは物理的な世界のオブジェクトを、奥行きや遠近感を持って表現できるようになるとFacebookは主張している。

また、Cambriaには新しい光学系が搭載され、視覚的な忠実度が向上するという。Facebookは、2022年にこのヘッドセットのさらなる詳細情報を共有すると約束した。その一方で、サードパーティ開発者がすでにこのデバイス向けのエクスペリエンスに取り組んでいるとも言及した。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Igor Bonifacic(イゴール・ボニファシッチ)氏は、Engadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Facebook

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(文:Igor Bonifacic、翻訳:Aya Nakazato)

ザッカーバーグ氏がアップルのプラットフォームポリシーと手数料は「イノベーションを阻害する」と非難

Facebook(a.k.a Meta)のCEOであるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、米国時間10月28日の自社イベント、Facebook Connect 2021の基調講演でメタバースの計画について述べた際、Apple(アップル)およびアプリのエコシステム全体に対する明らかな批判を口にした。具体的には、アプリプラットフォームとそれにともなう手数料は「イノベーションを阻害」していると非難し、同時にFacebook自身が手数料を高く維持することについては、成長を続けるVRエコシステムと自社のOculus Questストアへのさらなる投資が必要であることを理由に正当化した。


同氏の発言は、Facebookの広告ビジネスに打撃を与えた、Appleによる最近のアプリ・プライバシー変更を受けたものだ。App Tracking Transparency(アプリのトラッキングの透明性[ATT])の導入によって、Appleはアプリが他のアプリやウェブサイトを横断して消費者を追跡することを消費者が拒否できるようにした。そしてこの変更によってFacebookの収益が落ち込んでいることを会社は認めている。

関連記事:ついにアップルが導入開始した「アプリのトラッキングの透明性」について知っておくべきこと

現在Facebookは、Oculus向けに独自のアプリプラットフォームを構築することで新たな収入の流れを作る可能性に期待してる。デベロッパーが手数料を払う代わりに、収益を得るプラットフォーム。そして、別の会社の気まぐれな戦略変更によってビジネスが破壊されることのないプラッフォームだ。

ザッカーバーグ氏は、今こそこの変化を起こす時であることを強調し、最近彼が「プロダクトを作るだけでは十分ではない」ことを学んだと語った。

「私たちは、将来何百万もの人たちが恩恵に預かることのできる、人々の仕事が報われ、波が高まるにつれ利益をあげられるようなエコシステムを構築する必要があります。消費者だけでなく、クリエイターやデベロッパーにとっても」と彼は言った。「この時期私たちは謙虚でもあります。なぜなら私たちのような大きな会社でも、他のプラットフォームのためにものを作ることがどういうことかを学んだからです。そして彼らのルールの下で生きることは、テック業界に対する私の見方に大きな影響を与えました」とザッカーバーグ氏は続けた。

「何よりも、選択肢の欠如と高い手数料はイノベーションを妨げ、人々に新しいものを作るのをやめさせ、インターネット経済全体を抑制します」とザッカーバーグ氏は付け加えた。

一連のコメントは、AppleとGoogle(グーグル)に直接向けられたものであり、Facebookのプロダクトのほとんどは両社のプラットフォーム上にある。Facebookはアプリ内購入の手数料をApp Storeに払わなくてはならず、例えばユーザーがクリエイターをサブスクライブしたり、バッジを買ったり、ストリーミング提供者に直接チップを渡す場合も含まれる。Apple、Googleともに、小さな会社やメディア・プロバイダーやサブスクリプション・アプリに対しては手数料を値下げしたが、標準の取り分は今も変わらず70 / 30(プラッフォーム / デベロッパー)だ。

App Storeのルールは、Facebookが高い収益を得る可能性のある他のプロダクトを開発することも妨げている。最新のゲーミングサービスが一例だ。

たとえば2020年、iOSでFacebook Gaming(フェイスブック・ゲーミング)を公開した際、同社はAppleのポリシーを激しく非難した。Appleは他のアプリやゲームを中に含むようなアプリを許していおらず、それはサードパーティー・デベロッパーから収益を得る機会を失うからだ。このため、Android(アンドロイド)版ではミニゲームをプレイできるのに、iOSユーザーはFacebook Gamingでストリームを見ることしかできない。

しかし、Facebookの将来にとって本当の懸念は、手を出せないプラットフォームのポリシー変更によって、広告収益が脅かされていることだ。

広告収益は、過去何年にもわたってFacebookが他分野に投資し、アプリを無料にすることを可能にしてきた、とザッカーバーグ氏は指摘した。

「私たちはできるだけ多くの創作と商取引が生まれるように、クリエイターや販売者向けのツールを原価あるいはわずかな料金で提供しています。そして成功しています。何十億人もの人たちが私たちのプロダクトを愛しています」と同氏は強く語った。「私たちのプラットフォームには何億ものビジネスがあるのです」。

現在会社は、メタバースのエコシステム構築にも同じアプローチを取ろうとしている。デバイスを助成したり原価で販売することによって、消費者が手に入れやすくなる、とザッカーバーグ氏は言った。そしてAppleのApp Storeと異なり、Facdbookはサイドローディング(ストア外からのダウンロード)やパソコンへのリンクを可能にすることで、囲い込むのではなく消費者とデベロッパーに選択肢をあたえる計画だとFacebookは言っている(もちろん、多くのデベロッパーは発見してもらうためにQuest Store(クエスト・ストア)で公開することを選ぶだろう。Facebookにこの約束ができる理由はそこにある)。

さらに同氏は、Facebookはデベロッパーとクリエイターのサービス費用を極力低く抑えるつもりだとも言った。しかしザッカーバーグ氏は、会社の次のビジネスモデルへの思いを馳せながら、そうではないケースもあると警告した。新エコシスコムへの投資規模を踏まえると、一部の手数料は高くなるだろうと彼は話した。

「将来への投資を続けるために、一部の手数料を一定期間高く据え置いて、このプログラム全体であまり大きな損がでないようにする必要があります」とザッカーバーグ氏は説明した。「なんといっても、すでに利益をあげているデベロッパーが増える一方で、私たちは将来メタバースの規模が大きくなるまでの何年間、数十億ドル(数千億円)を投資する見込みなのです。しかし私たちは、次の10年間全員で努力を続ければ、メタバースは10億人に達し、何千億ドル(何十兆円)ものデジタルコマースをホストし、何百万人ものクリエイターとデベロッパーの職を支えられるようになると期待しています」。

言い換えると、Facebookの計画は今まで以上にデベロッパーの収益を活用し、独自のルールを決めることで、むしろAppleに似てくるだろうということだ。

画像クレジット:Facebook(ライブストリームより)

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook Messengerの音声通話がOculus Questでも可能に

Facebookは、同社のヘッドセット「Quest」を使ったVR体験の参加プロセスを改善したいと考えている。米国時間10月28日に開催された同社の「Connect」カンファレンスで、QuestのユーザーがMessengerを介して音声通話が行えるようになると発表された。この機能は、2021年後半に利用可能になるという。

Questはこれまで、ソーシャルインターフェースに苦戦してきた。2020年、ユーザーにFacebookのIDでサインインすることを義務づけたことは、同社の広報活動に支障をきたしたが、そのおかげでソーシャルワークフローの冗長性を排除することができた。

ユーザーは「Quest」に搭載されたMessengerから直接、通話したり、メッセージを送ったり、自分の「パーティー」に参加してもらうことができるようになる。

2021年初め、Facebookは、Oculusのエコシステム内でのMessengerチャットのサポートを発表しましたが、音声通話は、ユーザーがVRミーティングをより効率的に開催するのに役立ち、また、VR内での入力作業を回避するのに役立つだろう。

関連記事:Oculus QuestでFacebook Messengerが利用可能に、承認前のコンテンツを提供するApp Labの導入も

画像クレジット:Facebook

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(文:Lucas Matney、翻訳:Katsuyuki Yasui)

フェイスブック、独自ARフィルター作成アプリ「Polar」発表

開催したAR/VRに焦点を当てたイベント「Connect」で、Facebookはより多くのクリエイターを拡張現実(AR)の世界に呼び込むことを目的とした新アプリを発表した。

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「Polar」と名づけられたこのiOSアプリは、Spark ARプラットフォームを利用して、FacebookやInstagram用に独自のARフィルターを作成することができる。ユーザーは、既存のフレームワークよりもはるかに軽い技術的負担で、テンプレートを使いこれらのフィルターを視覚的に簡単に作成することができる。

nstagramが「Reels」プラットフォームを通じて動画をより強力に推進していることから、ユーザーの間でARフィルターへの関心が高まっており、FacebookがクリエイターにARフィルターを売り込むチャンスになっている。

このアプリはまだかなり初期の段階にあるようで、Facebookによると、2021年後半にクローズドベータを開始し、特定のクリエイターを厳選して参加させる予定だという。最終的には、誰もが自分のARフィルターを作成できる無料アプリとして、広く展開していく予定だ。

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画像クレジット:Facebook

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(文:Lucas Matney、翻訳:Katsuyuki Yasui)

VR版「グランド・セフト・オート・サンアンドレアス」がOculus Quest 2向けに開発中

Facebook(フェイスブック)の創業者兼CEOであるMark Zuckerber(マーク・ザッカーバーグ)氏は、米国時間10月28日に開催されたVRとARに特化した大規模なイベントの中で、VRプラットフォームに向けたメジャーな新タイトルを発表し、注目を集めた。


「Grand Theft Auto:San Andreas(グランド・セフト・オート・サンアンドレアス、GTASA)」がOculus Quest 2にやってくる。GTASAは、Rockstar(ロックスター・ゲームズ)が2004年に発表した大ヒットゲームGTA(Grand Theft Auto)シリーズの作品で、ロサンゼルスやラスベガスなどの都市を模したオープンワールドでプレイヤーが大暴れするゲームだ。

「史上最高のゲームの1つであるこのタイトルの新バージョンは、このアイコニックな世界をバーチャルリアリティで体験するという、まったく新しい遊び方をプレイヤーに提供します」とザッカーバーグ氏は述べた。

このような象徴的なゲームを導入することは、同社の新たなバーチャルワールドに、より多くのユーザーを引き寄せる1つの方法であることは間違いない。FacebookのVRアカウントへのログイン要件に抵抗があるユーザーでも、ゲームの魅力につられるかもしれない。

ザッカーバーグ氏は、何をいつ期待するべきかについて多くの詳細を提供しなかったが、Facebookは何年も前から、GTAの名作をVRヘッドセットに導入することに取り組んでいたようだ。

画像クレジット:Facebook

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Aya Nakazato)

Oculus QuestにSlackがやってくる

もうすぐ、VRヘッドセットを外さなくても、絶え間なく届くSlackのメッセージを読むことができるようになる。


Facebookの「Connect」カンファレンスで、同社は2DアプリをOculus Storeに導入するための新たなフレームワークを紹介し、ユーザーがスマホの通知を確認するためにVR空間から一時的に離れる必要がなくなるようにした。現在、多くのFacebook製アプリが提供されているが、まもなくSlackもOculus Storeに登場することを同社はあきらかにした。

これまで、Oculus Questには2D体験のサポートが非常に少なく、ほとんどがOculus Webブラウザに限られていました。また、Facebookは、Oculus Quest 2でMessengerのネイティブサポートを開始したが、本日、このプラットフォームに音声通話のサポートを導入することも発表している。

Facebookは8月に、Zoomと統合したミーティングシミュレーター「Horizon Workrooms」を公開し、ユーザーに生産性の高いVR体験を提供することを約束している。しかし、アプリがサポートされていないことが、この目標を達成するための大きな障害となっていた。

VRにおける文字入力の問題は解決されていない。そのためユーザーは、キーボードをヘッドセットとペアリングしたり、長文メッセージを大量に送信するというよりも、通知をチェックするといったものに最適な機能になるだろう。

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(文:Lucas Matney、翻訳:Katsuyuki Yasui)

Oculus Storeで2Dアプリ導入可能に、VR空間で仕事をする新世代リモートワーカーのために

Facebookは、同社のヘッドセット「Oculus Quest 2」を、新世代のリモートワーカーの生産性を高めるデバイスにしたいと考えているが、そのためにはアプリが必要となる。

米国時間10月28日、Facebookは、2DアプリをOculus Storeに初めて導入することを発表した。PWA(Progressive Web App)という業界標準に基づいたこの新アプリにより、ユーザーはこれまでヘッドセットを外し、スマホで見る必要があったアプリをそのまま確認できるようになる。

現在のところ、Oculus StoreではFacebook、Instagram、Smartsheet、Spikeなど、一部の2Dアプリが提供されている。の他にも、Dropbox、Monday.com、MURAL、My5(UK)、Pluto TV、Slackなどのアプリが用意されているとのことだ。

Oculus Storeでは、ひと握りのアプリメーカーがVRのネイティブサポートを行っているが、専用のバーチャルリアリティアプリの維持はさまざまな面において複雑で、NetflixやHuluといった企業のアプリが更新されることは非常に稀なことだ。今後、PWAに頼ることで、開発者の負担が大幅に軽減され、Oculusがこれまでアプリメーカーに提供してきたよりも広く採用されることが期待される。

2Dアプリの導入は「Quest」を仕事の場で活用するための幅広い取り組みの一環だ。同社は2021年8月に「Horizon Workrooms」というアプリを発表したが、これは従業員が自分のデスクトップをVRに持ち込んで、共有されたソーシャルVR空間でコミュニケーションをとることができるというものだ。

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(文:Lucas Matney、翻訳:Katsuyuki Yasui)

かつてフェイスブックと呼ばれた会社が「Oculus」ブランドをさりげなく抹殺

Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、米国時間10月28日朝に行われたAR/VRに特化したイベント「Connect」で、名前が変わってもFacebookMeta(メタ)のミッションは変わらず、既存のブランドも変更しないと発表した。

「私たちが何者であるか、そして何を築いていきたいかを反映させるために、今日から私たちの会社がMetaになったことを発表でき誇りに思います。当社の使命は変わらず、人々を結びつけることにあります。私たちのアプリやブランドも変わりません」とザッカーバーグ氏は述べた。

しかし、実際にはそうではないことがわかった。基調講演が終了してから約15分後、CTO(に就任予定)のAndrew Bosworth(アンドリュー・ボスワース)氏は、Facebookへの長い投稿の中で、新しいブランド再構築の一環として、Oculus(オキュラス)ブランドを廃止することを明らかにした。

28日のプレゼンテーションでは、Oculusというフレーズが目立って欠けており、Oculus Storeなどの機能は一貫してQuest Storeと呼ばれていた。ボズワース氏は投稿の中で、2022年初めからOculusアプリをMetaアプリに、Oculus QuestをMeta Questに名称変更するプロセスを開始すると詳細に説明している。

「私たちはみな、Oculusブランドに強い愛着を持っており、今回の決断は非常に難しいものでした。Oculusという名前は引退しますが、当初のOculusのビジョンは、Metaが今日のVRの大規模な普及を推進していく上で、引き続き深く根付いていると断言できます」とボスワース氏は書いている。

Facebookは2014年にOculus VRを買収した。

画像クレジット:David Fitzgerald/Sportsfile / Getty Images

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(文:Lucas Matney、翻訳:Aya Nakazato)

世界的な障害が続く中、フェイスブックの株価も下落を続ける

Facebookの株価は米国時間10月4日、急落した。これは、Facebookが過去10年間で最悪の障害に見舞われたためだ。

株価は5%近く下落し、Facebookはサービス停止の原因を分析するための要素を整理し、投資家はサイトへの継続的なダメージがどのようなものかを計算しようとした結果、時価総額を数百億ドル(数兆円)減らした。Facebookの株価は2021年に急騰し、7月初旬には時価総額1兆ドル(約110兆円)に達したが、ここ数カ月は停滞しており、時価総額は9200億ドル(約102兆円)をわずかに下回っている。

関連記事:フェイスブック、Messenger、Instagram、WhatsAppなどすべてがダウン中、DNS障害が原因か

数時間から1日程度のダウンでも、一部のユーザーを競合サービスに移行させるには十分であり、現在、投資家は同社の株価が下落する中、この脅威を重く見ている。

画像クレジット:Jakub Porzycki/NurPhoto / Getty Images

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(文:Lucas Matney、翻訳:Katsuyuki Yasui)

【レビュー】フェイスブックのスマートグラス「Ray-Ban Stories」は「おもちゃ」レベルを超えている

このFacebook(フェイスブック)初のスマートグラスは、Facebook製品のようには感じられない。

Facebookのロゴが刻印されていたり、小さな文字でその名前がシリアルコードの横に印字されていたりもしない。この製品は「Facebook Stories」でも「Ray-Ban(レイバン)のFacebook Stories」でも、あるいは「FacebookとのコラボレーションによるRay-Ban Stories」でもないのだQuest 2やPortalのような他のFacebookデザインハードウェアとは異なり、このRay-Ban Stories(レイバン・ストーリーズ)は、まるで同社がヒットのためのユースケースを正確に知っていたかのように、より自己認識し抑制されていて、余計なことをしようとするのをやめたもののように感じられる。

関連記事:フェイスブックがレイバンと共同でスマートサングラス「Ray-Ban Stories」発売、約3.3万円から

アイウェア大手の仏EssilorLuxottica(エシロール・ルクソティカ)と提携して作られたこのメガネは、Facebookがこれまで販売したものの中でも最も基本的なデバイスだ。できることも限られている。写真や動画を撮ることができ、電話をすることができ、そして音楽を聴くことができるだけだ。そう、それだけだ。しかし、フレームのアームに埋め込まれたニアイヤー(耳近傍)スピーカーを使ってオーディオを聞けるようにしたことで、これらは5年前に出荷されたSnap(スナップ)のSpectacles(スペクタクルス)よりもはるかに実用的なデバイスとなった。

左はレイバンの従来型のWayfarers(ウェイファーラー)と右はスマートグラスのRay-Ban Stories Wayfarers(画像クレジット:Lucas Matney)

ではこのデバイスの機能と、日常での使用感について少し掘り下げてみよう。

299ドル(約3万2900円)のRay-Ban Storiesの特徴の1つは、ほとんど目立たないように着用できることだ。周りの人たちはおそらく、わずかに大きめのサイズよりも、カメラに気づく可能性の方が高いだろう。それはすでに革命的な進歩で、Spectaclesが実際に乗り越えることができなかった「おもちゃ」のレベルを超えることが実現している。標準のWayfarer(ウェイファーラー)デザインのフレームが平均よりも厚いことを考えると、レイバンとのパートナーシップは特に好ましいものだ。

周囲の人が気づく可能性が高いのは、メガネのフレームをタップしてメガネを制御するときだ。右側のアーム上のボタンを押すと30秒の動画が撮影され、長押しすると写真を撮ることができる。また「Hey Facebook、take a video(ヘイ、フェイスブック。ビデオを撮影)」という音声コマンドを使うこともできるし、写真撮影時にも同じことができる(とはいえ、私は公共の場で近くの誰かがこの言葉をいうのを耳にするのが心地良いかどうかは疑問だ)。またかなり控えめな印ではあるが、カメラが映像をキャプチャしている最中は、小さなLEDライトが点灯する。

画像クレジット:Lucas Matney

メガネの写真と動画の品質は中程度だが、デバイスのサイズを考えると、十分に許せるレベルだ。2つの5MPカメラは、2592×1944ピクセルの写真と1184×1184ピクセルの正方形フォーマットの動画を撮影することができる。品質は10年ほど前のスマホカメラ並みのようで、まだまだ改善の余地があることは明らかだ。アップロード中に行われる携帯電話での後処理によって、写真の画質が改善される。露出が高くなって暗い場所がある程度明るくなり、ややポップなものとなる。

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カメラを2つ持つことで、写真に3D効果を追加することができるが、現時点ではフィルターは優れたものではなく、正直なところそれほどでもない。できれば、Facebookにはこの先ソフトウェアにもう少し投資して欲しいが、写真の品質がかなり低いことを思うと、最初に2台のカメラを搭載した理由を完全には理解できない。

また、メガネを使用するには、View(ビュー)という名の新しいFacebookのアプリにリンクする必要がある。これは基本的に、外部デバイスからメディアを携帯電話にアップロードするためのシンプルなメディアビューワーアプリだ。このアプリを使って、写真やビデオをカメラロールに保存したり、FacebookやInstagram(インスタグラム)に共有したりする前に、すばやく編集することもできる。

画像クレジット:Lucas Matney

オーディオはおそらくこのメガネの中で最も興味深い部分だ。このニアイヤー(耳近傍)スピーカーは、静かな空間ではその品質に驚かされるが、騒がしい環境にいると不満を感じるだろう。Facebookにとって残念なことは、ほとんどの屋外スペースは多少なりとも騒がしいし、サングラスはほとんど屋外で使用されるものだということだ。いざというときには屋外で音楽を聴くために使うこともできるだろうが、正直なところ自分のAirPodsをすぐに置き換えられるものとは思えない。このオーディオは、通話などのローファイなアクティビティに向いているが、屋外を歩いているときには3つのマイクアレイがバックグラウンドノイズを拾いすぎるという問題もあった。

バッテリーの寿命はかなり厳しいが、ケースでバッテリーを充電することもできる。これは、メガネを保管するのにも最適な場所だ。ケースは少しかさばるものの、Facebookはレンズを保護するためのマイクロファイバーポーチも別に提供している。Facebookによれば、6時間のオーディオ連続使用が可能で、それ以外の場合には「終日」の使用が可能だという。

奇妙なことだが防水性はもちろん防滴性も備わっていない。これは、サングラスとしては優れた品質とは思えない。これは、厚いフレームのサングラスがスマートグラスのデザインにとってより理に適っていることを示す一方で、この製品が実際には屋内向けであることを示している。

画像クレジット:Lucas Matney

本製品はFacebook初のハードウェアではないが、そこに会社の成熟の歴史を見ることができる。

本製品はAR / VRデバイスではないが、Ray-Ban Storiesのデザインの中に、Oculus Goから生まれたオンイヤーオーディオ、Gear VRを彷彿とさせるタッチパッドインターフェース、Questで最初に採用されたシンプルで抑制されたオーディオコントロールなど何世代にもわたるOculus製品を垣間見ることができる。今回のハードウェアは、長年に渡って徐々に認識は高まってきたものの、基本的にはVRに無関心な人々に販売することから学んだ機能と教訓を凝縮したものだ。

一方Facebookには、マスコミで敵の機嫌をとり、平均的なインターネットユーザーからは大いなる不信を獲得してきた歴史がある。同社はこれまでそのメッセージを台無しにし、その過程でブランド名を毀損してきたその歴史もわかっている。それらがおそらく、今回Facebookのブランドをほとんど目立たせないデザインにつながったのだろう。確かにRay-Ban Storiesには批判者が出てくるだろうが、Facebookが機能性を保守的にして、将来を見越したパッシブセンサーをあまり多く搭載しないよう選択したことは、彼らに有利に働くだろう。

Facebook Viewアプリはシンプルなものであり、またFacebookはStoriesを使用してキャプチャされた写真や動画は広告には使用されないと説明している。とはいえ、2013年のGoogle Glassのデビュー以来、私たちは確かに長い道のりを歩んできたものの、顔にあるカメラは、公共の場でのプライバシーに関しては依然として不快感を覚えさせる。このデバイスは間違いなくその話を大いに再燃させるだろう。

画像クレジット:Lucas Matney

そうした議論はさておき、私の最も強調したいポイントは、 Ray-Ban Storiesが非常に重要な製品のように感じられるということだ。これは、顔に装着するウェアラブルというアイデアを実際に販売する製品なのだ。

メガネはスマートにデザインされていて、目立たないように着用できる。だが、Facebookがそのような野心的なフォームファクターを実現するために多くの犠牲を払ったことは明らかだ。このメガネは正直なところ特に何かをうまくこなせるわけではない。写真と動画の品質はかなり劣っているし、インフレームスピーカーは屋外でのパフォーマンスが低く、通話体験も最も快適とはいえない。299ドル(約3万2900円)という価格は、この第一世代製品を一部の人に売り込むことを難しくするかもしれない。とはいえ、今回Facebookは、拡張現実の未来への道のりの足がかりとなることを繰り返し示してきた製品に対して、ほぼ正しい妥協をしたと思う。

FacebookのRay-Ban Storiesと、私が持っていた旧来のRay-Ban 2140 Wayfarersを並べてみた(画像クレジット:Lucas Matney)

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画像クレジット Lucas Matney/TechCrunch

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(文:Lucas Matney、翻訳:sako)

Oculus Quest 2の128GBモデルが税込3万7180円で発売

7月末の発表に続き、FacebookのOculus Quest 2の新しい128GB型が、実際に店頭で買えるようになった。店頭といっても、このVRヘッドセットが買えるのは今のところ同社のウェブサイトだけで、価格は以前の64GB型と同じく299ドル(日本では税込3万7180円)だ。Facebookはこの新モデルに関して、「説明は短い方が良いかな?この128GB型を用意したのは、プレイヤーがもっと多くのゲームやアプリを1台のデバイスに簡単に保存してアクセスできるためだ」と述べている。

Facebookが128GB型を発表したのは、同ヘッドセットに最初から存在した接頭部(顔を入れる部分)の問題でQuest 2の自主的リコールをしたときと同じタイミングだ。同社は約1カ月、Quest 2の販売を一時的に停止し、その間に新しいシリコン製のフェイスカバーを改良機に装着することにした。以前のQuest 2を持ってる人は、アカウント設定のMy DevicesのところからFacebookにリクエストすると、シリコン製のカバーを送ってもらえる。今度の128GB型は、最初からボックス内にシリコンカバーがある。

編集部注:本稿の初出はEngadget。

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画像クレジット:Facebook

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(文:Igor Bonifacic、翻訳:Hiroshi Iwatani)

フェイスブックがVRコラボ・ミーティングツール「Horizon Workrooms」オープンベータ開始

バーチャルリアリティ(VR)の普及に向けたFacebook(フェイスブック)の道のりは長く、紆余曲折を経てきたが、VRのより幅広いユーザーを獲得することには部分的にしか成功していないものの、その過程で非常に優れたハードウェアを構築することができた。皮肉なことに、FacebookはOculusデバイスのハードウェアとOSの改良には成功したが、VR用の優れたアプリを実際に作るという面では長年にわたって最も苦労してきた。

同社はこれまでに数多くのソーシャルVRアプリをリリースしてきたが、どのアプリも何かしらの工夫を凝らしてはいるものの、提供終了をまぬがれるだけの出来栄えではなかった。大多数のVRユーザーはVRヘッドセットを持っている友人をたくさん持っていないという事実はさておき、これらのソーシャルアプリの最大の問題は、ユーザーにとってそのアプリを使う大きな理由がないということだった。360度動画を見たり、友達とボードゲームをするのはおもしろいギミックだったが、VRでは「ソーシャル」専用アプリはあまり意味がないのと同時に、ユーザーはスタンドアロンソーシャルアプリを求めているのではなく、ソーシャルダイナミクスによって向上する魅力的な体験を求めているのだということを、Facebookが理解するのに非常に多くの時間がかかった。

ここで、今週Facebookがデモを見せてくれた「Horizon Workrooms」というワークプレイスアプリの話をしよう。このアプリは、Quest 2のユーザーを対象に、米国時間8月19日からオープンベータを開始する。

このアプリは在宅勤務の従業員向けに、その中でコラボレーションを行う仮想空間を提供するものだ。ユーザーは自分のMacやPCをワークルームに接続し、デスクトップをアプリにライブストリーミングできる一方で、Quest 2のパススルーカメラを利用して、手元にある物理的なキーボードを通じ入力することができる。また、ユーザー同士がアバターでチャットしたり、写真やファイルを共有したり、バーチャルホワイトボードにアイデアを書き留めることも可能。このアプリはもう少し早くパンデミックの初期に発売されていれば、Quest 2プラットフォームにとってもっと大きな利益をもたらしただろう。しかし同アプリは、リモート環境での有意義なコラボレーションを支援する技術的なソリューションを見つけるという、 テクノロジーに精通したオフィスでいまだに大きな問題となっている課題に挑んでいる。

Horizon Workroomsはソーシャルアプリではないが、VRでのソーシャルコミュニケーションへの取り組み方は、これ以前にFacebookが世に送り出した他のファーストパーティのソーシャルVRアプリよりも思慮深いものとなっている。空間的な要素は、他のVRアプリに比べて大げさでなく、ウケ狙いでもなく、単に優れた機能的な体験を高めるだけで、時に通常のビデオ通話よりも生産的でエンゲージメントが向上したように感じられた。

画像クレジット:Facebook

これはMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)CEOが最近、Facebookは「メタバース企業」へと移行していると宣言したことと繋がる。

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さて、メタバースとは何なのか。ザッカーバーグ氏の言葉を借りれば、こういうことになる。「デジタル空間で人々と一緒にいることができる仮想環境です。見ているだけではなく、自分がその中にいるような感覚になれるインターネットのようなものです」。これは、AR / VRを同社のモバイルアプリ群とは完全に別ものとして扱ってきたFacebookにとって、かなり重要な再調整のように聞こえる。デスクトップユーザーとVRユーザーは、長年にわたって事実上、お互いにサイロ化されてきた。

概してFacebookは、Oculus(オキュラス)を次のスマートフォンを作るかのようにスケールアップし、ネイティブアプリのパラダイムを核としてヘッドセットを構築してきた。一方、ザッカーバーグ氏のいう未来志向の「メタバース」は、Facebookがこれまで実際に開発してきたものよりも、Roblox(ロブロックス)が目指してきたものに近い。「Horizon Workrooms」は、Facebookのこれからのメタバースの動きのベースになると思われるHorizonブランドの下で運営されている。興味深いことに、このVRソーシャルプラットフォームは、2年近く前に発表された後、まだクローズドベータ版である。もしFacebookがHorizonのビジョンを実現することに成功すれば、Robloxのようにユーザーが作成したゲーム、アクティビティ、グループのハブに成長し、ネイティブアプリのモバイルダイナミクスをより柔軟性のあるソーシャルエクスペリエンスに置き換えることができるだろう。

Workroomsの洗練されたデザインが、これからのFacebookの方向性を示す有望な兆候であることは間違いない。

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画像クレジット:Facebook

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(文:Lucas Matney、翻訳:Aya Nakazato)

ザッカーバーグ氏は110兆円規模のフェイスブックを「メタバース」企業にすると投資家に語る

Facebook(フェイスブック)のCFOがアナリスト向けの四半期決算発表で財務の詳細を説明した後、CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、Facebookを「メタバース企業」にするという野望を特に強調しながら、会社の将来の目標について語った。

「私たちが目指している未来と会社全体の主要な取り組みのマッピングについてみなさんに知っていただくために、今、この話をしたいと思いました」とザッカーバーグ氏は電話で話した。「メタバースとは何か。それは、デジタル空間で人々と一緒にいることができる仮想環境です。見ているだけではなく、その中にいるような感覚になれるインターネットのようなものです」と語った。

これらのコメントは、先週The Vergeに寄せられたインタビューの内容に呼応しており、同社の将来的な目標の一部を詳しく説明している。

メタバースは同社に、ムーンショットの取り組みと本業との間に一線を画す機会を与える。拡張現実や仮想現実のプラットフォームで輝きを放ちながら、モバイルかデスクトップかを問わず、親しみやすい、広範囲にわたるハブを構築する。ザッカーバーグ氏のメタバースの定義は広めだが、つまりそれはウェブページの集合体ではなく、MMO(多人数が同時にオンラインで参加するコンテンツ)のように感じられるウェブのバージョンを構築するということだ。

FacebookのHorizonプラットフォームの初期の画像。画像はFacebookより

今では考えられないが、Facebookはモバイルで遅れをとっていた。10年前、Facebookのアプリは、バグが多く、クラッシュしやすいHTML5ベースだった。大手ソフトウェアメーカーでは、スムーズなネイティブアプリが標準になりつつあったにも関わらずだ。2012年になると、Facebookの創業者であるザッカーバーグ氏は、アプリにこそ未来があり、急速に現在存在するようなものになりつつあることを認識し、同社の注意をあらゆるレベルのモバイルに向けようと奔走した。Facebookは同じ過ちを繰り返すつもりはない。その哲学は、同社が2014年に業界をリードするVRハードウェアメーカーOculus(オキュラス)を買収したときに初めて明らかになった。

「モバイルは今日のプラットフォームだが、現在、明日のプラットフォームの準備もしています」とザッカーバーグ氏は、その20億ドル(約2200億円)の買収の頃に語っていた。「Oculusには、これまでで最もソーシャルなプラットフォームを作り、私たちの仕事や遊び、コミュニケーションの方法を変えるチャンスがあります」。

「メタバース企業」になることは、この考えをさらに進化させたものだ。多くの人にとって、Roblox(ロブロックス)は今日のメタバースを最も明確に体現しているように思われる。ユーザーが仮想体験の間を行き来しながら、その中で自分自身の体験を作り出すことができるソーシャルワールドだ。仮想現実体験ではなく、主にモバイルとデスクトップで展開されている。Robloxのビジョンは投資家の共感を得た。現在は公開会社である同社の価値は450億ドル(約4兆9500億円)を超えた。これはFacebookの価値のほんの一部だが、欧米のゲーム会社のほとんどを上回っている。

Facebookはこの分野に引き続き関心を示している。2021年6月にはCraytaというRobloxに似たプラットフォームを買収し(金額非公開)、ここ数年はVRに特化したゲームスタジオを次々と買収してきた。

Facebookは独自のVR中心のソーシャルハブを構築しようとしたが、ほとんどが失敗に終わった。Facebookのメタバース的なプラットフォーム「Horizon」は、2年近く前に発表されたときには大きな注目を集めたが、静かすぎるベータ期間中、同社がこれに関して言及することはほとんどなかった。FacebookのAndrew Bosworth(アンドリュー・ボズワース)氏は今週、Instagram(インスタグラム)のVishal Shah(ビシャール・シャー)氏が率いるメタバースを中心とした新しいプロダクトグループの下、ゲーム担当VPのVivek Sharma(ヴィヴェーク・シャーマ)氏がこの取り組みを引き継ぐことを明らかにした

ARやVR企業ではなく「メタバース」企業としてリブランディングするというFacebookの選択には、非常に特別な意味がある。空間的なインターネットを実現するためには、専用のハードウェアが不可欠だと考える向きもあるかもしれない。だが、他の新しいゲームプラットフォームが大きく成長を加速させている中で、ユーザーが初期に登場したようなヘッドセットを求めていないことが次第に明らかになってきた。FacebookのQuest 2ヘッドセットは、それまでの製品よりもはるかに売れ行きが良いようだ(Facebookは販売数量を発表していない)。はっきりしないのは、このメタバースの理想を受け入れるために、Facebookグラスやヘッドセットを顔に装着したユーザーで世界がいっぱいになる必要が本当にあるのかどうか、あるいは、それは最後に添えるチェリーのようなものにすぎないのかということだ。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Facebookマーク・ザッカーバーグメタバースOculus

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Lucas Matney、Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

FPSの生みの親カーマック氏ら「DOOM」スタッフが移植した幻のPC版「スーパーマリオブラザーズ3」デモFDが発掘

FPSの生みの親カーマック氏ら「DOOM」スタッフが移植した幻のPC版「スーパーマリオブラザーズ3」デモFDが発掘米ストロング国立演劇博物館は、『DOOM』を作る前のid SoftwareがMS-DOS PC用に移植した『スーパーマリオブラザーズ3』のデモ入りフロッピーディスクを入手したことを発表しました。この歴史的な逸品は将来にわたって保存され、研究者向けに公開されるとのことです。

このデモは、2003年に出版された書籍『Masters of Doom』に存在が記録されており、過去に開発された事実は知られていました。当時まだ「Ideas from the Deep(IFD)」と呼ばれていたid Software社は、1990年に米国で発売された「スーパーマリオブラザーズ3」の公式PC移植版を開発する契約を得るために1週間以内にコーディングして任天堂に持ち込んだという経緯です。

FPSの生みの親カーマック氏ら「DOOM」スタッフが移植した幻のPC版「スーパーマリオブラザーズ3」デモFDが発掘

本作で特筆すべきは、id Software創設者の1人であり伝説級プログラマーとして著名なジョン・カーマック氏が手がけた横スクロールのアルゴリズムです。そこには80年代後半のDOSゲームでありがちだった背景の動きの乱れや1画面ずつの切り替えもなく、まるでゲーム専用機で動かしているようなスムーズさ。ストロング博物館でデジタルゲームを担当するアンドリュー・ボーマン氏は「当時のPCゲームを見てみると、任天堂のヒット作に見られるようなスムーズなスクロールを備えたタイトルはありませんでした」と語っています。

FPSの生みの親カーマック氏ら「DOOM」スタッフが移植した幻のPC版「スーパーマリオブラザーズ3」デモFDが発掘

結局、任天堂は「スーパーマリオ3」のPC移植を即座に断りましたが(カーマック氏が当時の悔しさを語ったことも)、id Software社は「拒絶されたことにもめげず、その技術が大ヒットした横スクロールアクションゲーム『Commander Keen』に活かされたーーボーマン氏はそう語っています。

このデモの存在が広く知られることになったのは、ジョン・ロメロ氏(カーマック氏と同じくid Software創設者で『DOOM』生みの親の1人)自らが2015年に公開した動画でした。その年はちょうど『Commander Keen』発売25周年であり、記念に公開したものと思われます。

その元になったデモが博物館に寄贈されたソフトウェアのコレクション中にあり、ボーマン氏は驚いたとのこと。寄贈してくれた人はゲーム開発者でしたが、自分で作ったわけではなく、仕事の合間にもらったものだそうです。

ボーマン氏はまずオリジナルのフロッピーをイメージ化し(物理的な媒体を保存するため)、エミュレータで実行して2015年のビデオと比べて内容を確認したと語っています。そして一般には公開されていないステージ1-4や、レベル1-1の左上に星とキノコで綴られた自己主張たっぷりの「IFD」のロゴなどを自らの目で確かめられたとのことです。

FPSの生みの親カーマック氏ら「DOOM」スタッフが移植した幻のPC版「スーパーマリオブラザーズ3」デモFDが発掘

さらにボーマン氏は、初期のデモゆえの粗削りで多くの機能も欠けているものの、「スーパーマリオ3」を象徴する最初のステージを再現した『1-1』は素晴らしいものです」と述べています。

このデモは、記事執筆時点では研究者やその他の関係者の要望に応じて提供されるに過ぎず、博物館やその他の場所でも一般公開する予定はないとのことです。しかしボーマン氏は、そのような展示を行う機会は「将来的にはいくらでもある」として含みを持たせています。

もしも今回のデモが製品化にこぎ着けていたならば、任天堂とid Softwareという2つのトップ企業が提携し、90年代のPCゲームに革命をもたらしていた可能性がありそうです。特にジョン・カーマック氏はFPSゲームの生みの親ともいわれ、後にVRゴーグルOculus Riftを育て上げた3Dゲーム界の巨人でもあり、任天堂が協力を得られていたならバーチャルボーイも違った運命を辿ったのかもしれません。

(Source:Ars TechnicaEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Alfonso John Romero / ジョン・ロメロ(人物)id Software(企業)Oculus(企業)John Carmack / ジョン・カーマック(人物)スーパーマリオ(製品・サービス)Doom(製品・サービス)任天堂 / Nintendo(企業)