人気C向けアプリはいかにして初期ユーザー1000人を獲得したのか?

【編集部注】本稿は米国スタートアップやテクノロジー、ビジネスに関する話題を解説するポッドキャスト「Off Topic」が投稿したnote記事の転載だ。

こんにちは、宮武(@tmiyatake1)です。これまで日本のVCで米国を拠点にキャピタリストとして働いてきて、現在は、LAにあるスタートアップでCOOをしています。Off Topicでは、D2C企業の話や最新テックニュースの解説をしているポッドキャストもやってます。まだ購読されてない方はチェックしてみてください!

はじめに

元Airbnbのグロース担当のLenny Rachitskyさ(レニー・ラチツキー)さん「How the biggest consumer apps got their first 1,000 users」の記事を直接許可を頂き翻訳しました。レニーさんのコンテンツをもっと読みたい方はぜひ彼のメルマガにご登録ください!Lennyさんの「マーケットプレイスの作り方」の翻訳もしていますので、そちらも気になった方はご一読ください!

C向けサービスがいかにして最初の1000人を獲得するかしっかりまとまってる記事は意外とありませんでした。レニーさんの記事は、実際に創業者のヒアリングを行い、過去インタビューを遡り、Twitterで質問したりした事実に基づく濃密なレポートです。UberやTikTok、Tinder、最近話題のSuperhumanなどの著名スタートアップの学びをシェアしたいと思います。

サマリー

  1. C向けの初期グロースは7つの戦略に分けられる
  2. Product HuntやPinterestは複数使ったが、ほとんどのスタートアップは1つの戦略で成長する。3つ以上使って成功した事例は今のところ見てない
  3. 一番人気な戦略はオンラインでもオフラインでも直接ユーザーに行くこと。スケールしないことをやろう
  4. 戦略を実行するために、ターゲット層を狭く定義づけることが大事
  5. 最初の1000人の獲得と1万人までの獲得方法は変わる

初期ユーザー獲得戦略は以下の7つの戦略となる。

  1. オフラインで直接ユーザーと会う
  2. オンラインで直接ユーザーと会う
  3. 友達を招待する
  4. 取り残されることへの恐れ(FOMO)を作ること
  5. インフルエンサーを活用
  6. PR・メディアを活用
  7. コミュニティを作る

1. オフラインで直接ユーザーと会う

Key Question
初期ターゲットユーザーは誰で、どのオフラインの場所で集まっている?

■大学キャンパス
Tinder:創業メンバーのWhitney WolfeとJustin Mateenは南カリフォルニア大学で走り回ってフラタニティとソロリティでTinderを紹介してた。ほかの独身の人とつながれる、そして自分に興味があるかを知りたいニーズに合わせられたのでバイラルになった(Jeff Morris Jr.氏)。

DoorDash:初期バージョンはpaloaltodelivery.comと言うサイトでパロアルトのレストランメニューにPDFが載っていただけ。社長のTonyとDoorDashチームはチラシを印刷してスタンフォード大学でバラまいた。6ドルのデリバリーフィーで需要があるかを知りたかった。単純にPDFメニューのサイトとチラシで始まっただけ(Micah Moreau氏)。

■スタートアップのオフィス、駅や交通ハブ
Lyft:周りのスタートアップの各社にドアノックをして、無料でカップケーキやドーナッツと一緒にLyftの無料クーポンを渡していた(Emily Castor氏とBenjamin Lauzier氏)。
Uber:Streetチームをかなり使った。SF内の各Caltrain(カルトレイン、郊外向けの通勤列車)駅に行ってリファラルコードをばらまいていた。元CEOのTravisさん自身がTwitter本社に行ってリファラルコードを従業員にばらまいていたと。これが後ほどUberのグローバルアンバサダープログラムとなった(Andrew Chen氏)。

■ショッピングモール
Snapchat:CEOのEvanは一人ひとりに見せ始めて、使い方を教えたり、なぜ面白いかを説明した。アプリのダウンロードまで彼が代わりにやってあげていた。ユーザー獲得のために何でもやった。ショッピングモールに行ってSnapchatのチラシもばらまいてた。ショッピングモールで「消える写真を送ってみたいか?」と聞いて、よく断られてた(Billy Gallagher氏、How to Turn Down a Billion Dollars, The Snapchat Storyより)。

■近所のHOA(Home Owner Association、管理組合)
Nextdoor:当時は創業チームは近所のSNSのコンセプトを受けれて検証してくれる場所を探さないと意味がないとわかっていた。どの場所を選ぶかが重要だった。その場所はLorelei(ローレライ)だった。小さく親密なコミュニティであり、カリフォルニア州で最も古い管理組合がある場所だった。すでにコミュニティ内でコミュニケーションの取り合いをする方法があったのでNextdoorに合うと思った。管理組合の上層部に連絡したら話を聞いてくれた(Sarah Leary氏)。

■クラフトフェア
Etsy:米国中に開催されているクラフトフェアに行くことにした。そこで売り手を探しに行った。売り手は買い手をどうやってサイトに誘導させるのをわかっていたので、売り手を囲い込むのが大事だった(Thales Teixeria氏)。

■アップルストア
Pinterest:正直、かなりヤケクソなことをやってた。家の帰り道のアップルストアに入って置いてあったパソコンをPinterestページを表示するようにした。そしてその後にちょっと後ろのほうに行って「へーこのPinterestと言うサイトはバズっているんだなー」と他の人が聞こえるように言ってました(Ben Silbermann氏)。

2. オンラインで直接ユーザーと会う

Key Question
初期ターゲットユーザーは誰で、オンラインのどこで集まっている?

■Hacker News
Dropbox:CEOのDrewは簡単なプロダクトのデモ動画を2007年4月にHacker Newsに投稿した。そのタイトルは「My YC app: Dropbox – Throw away your USB drive」(僕のYCアプリDropbox:USBドライブを捨てよう)。その動画で初期ユーザーを集めた(John Popel氏)。

■アプリストア
TikTok(Musical.ly):当時はアプリストアに秘策があった。アプリ名をすごく長くできた。そしてアプリストアの検索エンジンはキーワードよりアプリ名にウェイトをかけるのを知ってた。なので、アプリ名を「make awesome music videos with all kinds of effects for Instagram, Facebook, Messenger」にしたら検索からの流入が入ってきた(Alex Zhu氏)。

ProductHunt:初期3000人はProductHunt初日とその1日、2日後で獲得できた。3000人から2万人ユーザーは初期ユーザーが入っている組織のエヴァンジェリストを探し、1対1の関係性を作った。そして2万人以降はPMのシステム(同僚を紹介するたびに5ドルのクレジット、50ドルぶんまで)で獲得(Shahed Khan氏)。

■既存のオンラインコミュニティ
Netflix:ユーザーとつながるためにCorey Bridgesをユーザー獲得するために採用した。彼はライターとしての才能があった。Coreyが気づいたのはDVDオーナーはネットのウェブフォーラムなどで集まっていたこと。そのコミュニティに入り込もうとした。CoreyはNetflix従業員とは名乗らず、映画好きな人として会話に参加したり、友達を作った。そこで、徐々にコミュニティ内のモデレーターや一番リスペクトされてたユーザーにNetflixと言う素晴らしいサイトを宣伝し始めた。ローンチ前から大きく種まきをしてくれてた(Marc Randolph氏、That Will Never Workより)。

Buffer:最初の9カ月はゲストブログ(自社ではないブログ)に書き続けただけで10万人を獲得できた。徐々に上がった感じだった。9カ月間で約150件投稿した。まったく流入しなかったものもあったし、徐々にしか改善されなかった。最適な投稿頻度を見つけるまで時間がかかった(Leo Widrich氏)。

3. 友達を招待する

Key Question
自分の友達は初期ターゲット層に当てはまるか?当てはまっていれば、サービスに招待したか?

Yelp:初期ユーザーは自分たちのネットワーク(ほぼ元PayPal同僚)を招待して獲得した。自分たちのネットワークに周りの友達を招待するようにお願いした。スタートアップを経験したメンバーが多かったので、お互い助け合うことに慣れてたのでいろいろ招待してくれた。そこだけで1000人ぐらいまで行った。一人のリファラルネットワークを侮らないことが大事で、招待させるインセンティブや方法を考えるのが大事(Russel Simmons氏)。

Lyft:ウェイトリスト制度を始める前には友達へメールにて招待状を送っていた(Emily Castor Warren氏)。

Facebook:Thefacebook.comは2004年2月4日にローンチした。普通の寮で過ごす夜だった。Mark Zuckerbergがサイトを完成させた時に数名の友達に共有した。その友達が学生寮「Kirkland House」に住んでいる300人が入っているオンラインメールリストに送ることをお勧めした。十数名が入って、その時にはすでにほかの寮にサイトの話が回ってた。夜の終わりには部屋にいた人たち全員が登録したユーザー数をひたすら見ていた。24時間以内で1200〜1500人が登録してくれた(Dustin Moskovitz氏、New Yorkerより)

Quora:Quoraは2010年1月にローンチした時のユーザーは主にAdam D’AngeloとCharlie Cheeverの高校・大学時代の友達が集まっていた。そのおかげで初期Quoraの情報を見ると、Cheeverが育ったペンシルベニア州のピッツバーグでのおいしいレストランなどの情報が多かった。サイトに他の人を招待できる機能を入れてユーザーを増やした(Wiredより)。

LinkedIn:LinkedInのCEOであるReid Hoffmanはプロダクトの初期は成功した友達やつながりに入ってもらった。憧れられるブランドを作るには初期ユーザーの質が重要だと理解してた。成功している会社や人ほど常に次の採用する人材を探しているので、成功した人たちを初期から入れてなければ会社は成功しなかった(Keith Rabois氏)。

Slack:ほかの会社で働いている友達に頼み込んで試してもらってフィードバックをもらった。最初の6社から10社はこう言うかたちで獲得した(Stewart Butterfield氏)。

Pinterest:アプリをローンチした時に友達全員にメールした。最初は誰もサービスの良さを理解しなかったが、ある小さいグループだけ使い続けてくれた。それはアーリーアダプターっぽくなく、一緒に育った友達や知り合いだった。彼らは人生の一環として使ってくれて、家や食べ物写真を上げてくれた(Ben Silbermann氏)。

4. 取り残されることへの恐れ(FOMO)を作ること</h2.

Key Question
・ユーザー生成コンテンツ「UGC」に頼るプロダクト?初期コミュニティはキュレーション型にすることを検討するべき
・強い企業価値があるか?その場合はウェイトリストを検討するべき
・ソーシャルなプロダクトか?その場合は既存ユーザーに新規ユーザーの招待させるように検討するべき

■初期コミュニティを制限、キュレーション
Clubhouse:プライベートテストフライトを見てると面白い(Todd Goldberg氏)。

  • キュレーション(クオリティー担保)
  • 制限・招待制(FOMO: Fear of Missing Out)
  • 早い改善とアップデート(アプリストアのレビュープロセスが必要ない)
  • 初期ユーザーは信頼できるネットワークからのリファラル

Instagram:プロトタイプと検証をしてたときにTwitterフォロワーが多い人に渡したのがよかった。しかもそれはある一定のコミュニティでのフォロワー数が重要だった。そのコミュニティはデザイナー、オンラインウェブデザインのコミュニティだった。我々がフォーカスしている写真やビジュアル要素がこのコミュニティに最もアピールすると思った。彼らがTwitterで共有してくれたおかげで、ほかの人たちは「これはいつローンチして、いつ使えるのか?」と聞き始めて、そのタイミングでローンチした(Kevin Systrom氏)。

Pinterest:最初は招待制のコミュニティだった。初期ユーザーはSilbermannが呼びかけたデザインブロガーだった。呼びかけた人たちにはユニークなアイデアとクリエイティブな人たちにしか招待するなと教えた。そうやって2012年まで招待ベースで伸び続けた(Entrepreneurより)。

■事前登録、ウェイトリスト
Mailbox:iPhone用のメール管理アプリのMailboxがリリースされた時にすでに70万人のユーザーがウェイトリストに登録していた。これはMailboxのサーバーに異常なる負担を与えないためと、需要をより増やすマーケティング戦略だ(Darrell Etherington氏)。

Superhuman:初年度は開発している最中にLP(ランディングページ)を公開した。Squarespaceで作った最小限のダメなLPを2時間だけかけて作り上げた。LPにはメールアドレスしか入れられないようにした。そしてメールアドレスを入れた際には2つの質問が自動送信された(Rahul Vohra氏)。

  1. どのメールブラウザーを使っている?
  2. メールの不満は何?

Robinhood:リリースした際には初期サイトがバズるとはまったく思ってなかった。そのためシンプルなコピーを入れて、登録するためのボタンを押して、メールアドレスを入力してもらってウェイトリストにジョインできるようにした。そしてウェイトリストの何人中、何番目かを表示するようにした。プレスを出すその前の金曜日の夜にウェイトリストの準備をしていた。その次の日の土曜日にGoogle Analyticsを開くと600人ぐらいの同時アクセスユーザー数を見かけた。何が起こったかを見たらほとんどのユーザーはHacker Newsから来ていた。Hacker Newsを見たら3番目にRobinhoodについて投稿されてた(Business Insiderより)。

■既存ユーザーからの招待制
Spotify:2008年にSpotifyがベータ版をローンチ。正式ローンチまでは招待制オンリーで進めていた。Spotifyの初期成長はこの招待制度が鍵だった。Spotifyのグロースをコントロールできたのと、よりバイラルな要素をサービスに与えた。ユーザーは最初に5人の友達に招待できるようにしてた(TNWより)。

5. インフルエンサーの活用

Key Question
ターケット層のインフルエンサーは誰で、どうやって自分のプロダクトについて話してもらえるか?

Twitter:以下図が初期ローンチのグラフだ。最初にインターネットでTwitterについてメンションがあったのは7月13日のEvan Williamのブログだったが、その前日に登録が結構入ってたのがわかる。そしてOm Malikの投稿で次の日には250人が登録。まだ600人ぐらいしかいなかったときだった。Evanの人気度とOmの推薦をもとに最初にバズるような状況を作れた(Pete Warden氏)。

Product Hunt:インフルエンサーを見つけた時に私かNathanが個人的にメールを送って、プレスでProduct Huntに言及していたPandoDailyやFast Companyの記事にリンクして我々のストーリーを説明した。マニュアルなプロセスだったが、いい寄稿者を採用するのにいい方法でよりフィードバックをもらえやすい状況を作っていた(Ryan Hoover氏)。

Instagram:創業者は初期ユーザーを慎重に選んでいた。良い写真家、特に高いTwitterフォロワー数のデザイナーを選んでた。その初期ユーザーが最初のトーン、良質なコンテンツを出した最初のInstagramをプロモーションするインフルエンサーキャンペーンと言えるだろう。Jack DorseyはInstagramの一番の営業マンだった。最初は彼の投資が(Instagramの前身のサービスである)Burbnではないアプリに行くことに対してショックだったが、すぐにInstagramをBurbn以上に好きになった。そしてInstagramが2010年10月6日にローンチした時に、Jack Dorseyが共有してくれたおかげですぐにバズった。アップルのアプリストアのカメラアプリの中でいちばんになった(Sarah Frier氏、No Filter: The Inside Story of Instagramより)。

6. PR・メディアの活用

Key Question
プレスやメディアにピッチできる新しく、面白く、そしてユニークなストーリーとは?

Superhuman:プレスをうまく使うのは時代精神的な瞬間に入り込むこと。我々の場合はMailboxがシャットダウンする時だった。私はかなり読まれたM&Aの生き残り方についての記事を書いたが、それはMailboxのシャットダウンと合わせて書いたもの。投稿はMediumで出したが、qz.comにも転載された。時代精神的な瞬間に入り込めた。その記事を書くのに3日間それだけに集中したのと、あと1日記事をいろんな人に共有するのに時間をかけたので、合計4日間フルフルかかった。でもその4日間で5000人の登録が入ってきた(Rahul Vohra氏)。

Product Hunt:FastCompany記事のようにゲスト投稿をテックメディアで書いて認知を得た。初期はプレス・メディアで登録を伸ばすのに効果的だった。TechCrunchを読む人はProduct Huntを見る人と同一だった。さらにProduct Huntでローンチしたいいプロダクトを知り合いの記者に情報を流すようにした。記者の興味に合わせてプロダクトを送り、それについて記事を書いてもらってProduct Huntにリンクしてもらった。しかもそれによってよりクリエイターやアーリーステージの会社に認知を与えてた(Ryan Hoover氏)。

Airbnb:ターニングポイントはコロラド州デンバーで行われた2008年の民主党全国委員会(DNC)だった。Airbnb創業メンバーはイベントのキャパの4倍以上の人が参加すると知っていて、その影響で部屋のレンタルの需要が高まると知ってた。部屋を譲ってもらうのは簡単だったが、知名度がなかったのでその部屋に宿泊してもらうことが難しかった。

それを解決するためにまずは小さいオーディエンスを持っているブロガーに当たった。直感に反するかもしれないが、小さいブロガーがAirbnbについて投稿することによって大きめのメディアが取り上げる必要があると感じた。それがどんどん加速して、最終的には全米に放映するNBCやCBSがAirbnbの創業者をインタビューしていた。

DNCはAirbnbにとってよかったが、結局1週間しか続かなかった。創業者がイベントからのインパクトを最大限に広げられないかとキッチンで座ってたときに、シリアルを売って黒字化するアイデアを思いついた。2人ともデザイナーで名門ロードアイランド・スクール・オブ・デザインの卒業生だった。嘘のシリアルの「Obama O’s, the Cereal of Change」と「Cap’n McCain’s, a Maverick in Every Box」を考えた。箱のアートは彼ら自身で考え、カリフォルニア大学バークレー校の生徒にお願いして安く箱を印刷してもらった。箱はフラットな長方形で印刷されたので、1つひとつ形を切り取って手作りした。
創業メンバーはいろんなテックブロガーに箱を送り、それについて記事を書いてもらった。その後に一箱40ドルで売った。Obama O’sが売れすぎて、Cap’n McCainを無償でつけるようになった(Pandoより)。

Slack:ベータ版をベータ版と呼ばなかったのは、そうするとサービスがあまりよくないと思われるからだった。チームの過去の経験を活用してプレス戦略を行った。それでSlackを使うリクエストが遅れるようにした。初日に8000人、2週間後に1万5000人まで上がった。ローンチ時のメディアの力は強い(Stewart Butterfield氏)。

Instagram:PR会社を使わずに直接プレスにコンタクトした。これは正しい戦略だったとKevin Systromが語る。いいプロダクトと熱い創業者からピッチするといい記事となる。プロダクトを好きになりそうな人に関しては躊躇なく連絡した。それがうまくいった。New York Timesとかに連絡する意味がないといろんな人から言われたが、NYTは話すだけではなく、直接会いにきてくれた。そして2010年10月にローンチした同日にプレスが出て、サーバーへの負担がハンパなかった(TNWより)。

7. ローンチ前にコミュニティを作る

Key Question
あとあと活用できるコミュニティを今作れるか?

Product Hunt:Linkydinkと言うメルマガツールを使ってメルマガとしてスタートした。Product Huntを開発している間にMVP版に貢献してくれる人たちやプロダクト関連の人にモックを共有してフィードバックをもらってた。これは顧客開発のためだけではなく、共有してた人たちにプロダクトに貢献してプロダクトの一部として感じてもらうようにしていた(実際に貢献してくれてた)。その5日後、MVPが完成した。Product HuntのURLをサポーターたちにメールして、周りに共有しないようにお願いした。サポーターたちは自分たちが開発に貢献した感情を抱いてたので、プロダクトにすぐに愛着が生まれた。それで最初の30人を獲得した。週の終わりには100人集まったので、公開できると思った(Ryan Hoover氏)。

Stack Overflow:創業メンバーのJoel SpolskyとJeff Atwoodは過去の経歴のおかげで大きなフォロワーコミュニティを持っていた。お互いのコミュニティに対してプライベートベータ版に招待した。コンテンツが最初からないと微妙に見えるので、招待する前に創業メンバー自らコンテンツを作っていた(Jon氏)。

おさらい

最初の1000人を獲得するには、以下7つの戦略が使われた。

  1. オフラインで直接ユーザーと会う
  2. オンラインで直接ユーザーと会う
  3. 友達を招待する
  4. 取り残されることへの恐れ(FOMO)を作ること
  5. インフルエンサーの活用
  6. PR・メディアの活用
  7. コミュニティを作る

どの戦略にフォーカスするべきか決めるために自分に聞くべき質問は以下のとおり。

  1. 初期ターゲットユーザーは誰で、どのオフラインの場所で集まっている?
  2. 初期ターゲットユーザーは誰で、オンラインのどこで集まっている?
  3. 自分の友達は初期ターゲット層に当てはまるか?当てはまっていれば、サービスに招待したか?
  4. ユーザー生成コンテンツ「UGC」に頼るプロダクト?初期コミュニティはキュレーション型にすることを検討するべき
  5. 強い企業価値があるか?その場合はウェイトリストを検討するべき
  6. ソーシャルなプロダクトか?その場合は既存ユーザーに新規ユーザーの招待させるように検討するべき
  7. ターケット層のインフルエンサーは誰で、どうやって自分のプロダクトについて話してもらえるか?
  8. プレスや¥メディアにピッチできる新しく、面白く、ユニークなストーリーとは?
  9. あとあと活用できるコミュニティを今作れるか?

モバイル株取引のロビンフッドが2週間で3度目のダウン

この2週間で3回目のダウンを起こしたRobinhood(ロビンフッド)の経営チームは、自分たちのビジネスを動かしている技術基盤を根本から見直す必要があるかもしれない。なぜなら、広報担当者によると昨日のモバイル株取引プラットフォームの機能停止は、先週同社のシステムを2回ダウンさせた問題とは無関係だったからだ。

2週間で3度目のシステム停止は、顧客にとってもこの会社に9億ドル(約940億円)近くを投入し70億ドル(約7300億円)の会社価値を与えた投資家(Crunchbase)にとっても、不安を感じる兆候だ。

広報担当者によると、直近のシステム停止は東海岸時刻午前10時25分までサービスに影響を与え、その時点でもサービスは部分的に復旧しただけだった。完全復旧したのは午後3時30分、市場が閉鎖されるわずか30分前だった。

「米国時間3月9日午前、当社プラットフォームでの取引が一時的に利用不能になりました。この中断がお客様を苛立たせていることは承知しており、また先週に続くトラブルであるともに市場全体の取引が停止されたこの日に起きたことを特に重く受け止めております」と昨日の声明で同社は言った。「当社のプラットフォームは現在全面的に復旧しており、この歴史的で不安定な市場状況の時期に当社サービスを改善すべく鋭意努力しております」と同社はコメントした。

Robinhoodは、他の金融サービスアプリと同様、顧客を囲い込みやすい特徴がある。なぜなら、仕組み上、資産を1つのプラットフォームから別のプラットフォームに移行することが難しいからだ。顧客にとって最も必要なときに大きなシステム停止に見舞われることは、会社にとっていい兆候とはいえない。しかも、数年前に同社が無料で利用できる取引プラットフォームを立ち上げたときの先行者利益の恩恵はすでに存在しない。

昨年10月、主要株取引プラットフォームはすべて無料モデルに移行した。そして昨年Charles Schwab(チャールズ・シュワブ)が 260億ドル(約2兆7100億円)でTD Ameritrade(TDアメリトレード)を買収し、今年2月にMorgan Stanley(モルガン・スタンレー)がE-trade(イー・トレード)を130億ドル(1兆3600億円)で買収したことで、業界は再編成されようとしている。

関連記事:What the $13B E-Trade deal says about Robinhood’s valuation

TechCrunchが先月報じたように、Robinhoodがこの競合の激しい環境を勝ち抜くためには、自社システムの革新が必要になるだろう。顧客が最も必要としている時のシステム停止はあるべきことではない。今、再びユーザーの信頼を得るために会社としてすべきなのは、事故の原因と問題解決の計画を責任を持って説明することだ。

投資家志望者が取引に使えるプラットフォームはほかにいくらでもある。また大きなシステム停止を起こすようなことがあれば、Robinhoodの顧客はトラブルまみれのシャーウッドの森を樹上から眺めているかもしれない。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

RobinhoodアプリがNY市場大暴落中に再びダウン 

Robinhoodのトレーディングアプリを利用していた投資家は、同アプリがウォール街の株価暴落のためダウンした後、再び取引から締め出されることになった。

約1時間のダウンタイムを経て、アプリの機能は部分的に復旧している。

今回のサービス停止は、1年で最も忙しい取引日のうちの1つだった日にサービスが停止した1週間後に発生した。

停止の余波を受けてRobinhoodの創業者らは、サービス停止の影響を受けた投資家にはケースバイケースで補償を行うと述べている。

以前、我々が報じたように、Robinhoodは3月2日の太平洋時間午前6時30分から午後11時までオフラインだったが、今回は3月9日の午前6時30分から午前9時直前まで再び停止した。

Robinhoodは以前のサービス停止の際に、ユーザーに対して以下の補償を提示している。

9億1200万ドル(約950億円)の資金を調達した金融技術大手のRobinhoodは、Robinhood Goldのプレミアム会員のすべての顧客に、補償のために資金を借りたことに加えて、Morningstarによる調査報告書、Nasdaqのデータ、より大きな即時預金へのアクセスを提供することを明らかにした。サービスの提供期間は3カ月だ。

Robinhood Goldの1カ月の利用料は5ドル(約520円)で、それにくわえて1000ドル(約10万4000円)以上の借り主には年間5%の利子が1日ごとにつく。価格変更前であれば、月額定額料金は最大200ドル(約2万800円)になる可能性があるが、補償では月額5ドル(約520円)、合計で15ドル(約1560円)しか割引を受けられない。月曜日に9%以上値上がりしたApple(アップル)のような株式をRobinhoodのユーザーが買い戻しできなかったとしたら、この金額はとても不十分なものに思うかもしれない。なお、Robinhoodはこれを「第一歩」と呼んでいる。

Impacted Robinhoodのユーザーは、Robinhoodに連絡して補償を求めることができる。以下は、Robinhoodが昨夜遅くに顧客に送ったメールだ。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

2009年以来最大のダウ平均上げ幅を記録したその日にRobinhoodがシステムダウン

76億ドル(約8130億円)以上のバリュエーションがついた株取引アプリのRobinhood(ロビンフッド)は、2020年最も忙しい取引日に最悪のシステムダウンに見舞われた。

ダウ平均株価は米国時間3月2日、2009年以来最大の上げ幅を記録した。Robinhoodのアプリケーションはエラーの犠牲になり、この月曜日の取引時間中、ユーザーをサービスから締め出す結果となった。

「今朝、市場が開いたときにプラットフォーム全体でシステムダウンの問題が起きた」と広報担当者はメールで明らかにした。「問題解決の時期は不明だが、Robinhoodの全員がサービス再開に向けて最大限努力している」という。

システムダウンの原因は、過去1カ月にわたり市場を非常に不安定にした高水準の売買高のせいかもしれない。当初、バグは2月29日のうるう日が原因だとの報告もあったが、同社は否定した。

同社のミスは、3月2日に売却を目論んだユーザーにとって大きな機会損失となった可能性がある。新型コロナウイルス(COVID-19)が世界経済に与える影響への懸念が先週、連日の株価下落を引き起こし、投資家は影響を受けた銘柄を3月2日に売却しようとしたのだ。

Robinhoodのコードが、会社をトラブルに巻き込んだのはこれが初めてではない。2019年、誤ったコーディングのせいで、ユーザーは同社が意図したよりも多くの資金を借りることができ、これから取引を始めようとしていたトレーダーにとっては追い風になった。

2013年、同社の創業者はTechCrunchレポーターのJosh Constine(ジョシュ・コンスティン)の自宅にあるキッチンテーブルを囲んでアイデアを話し合ったときには、このアプリを耳寄り情報を共有する方法として考えていた。しかし、アプリはすぐに株取引プラットフォームに変身した。同社のプラットフォームには現在1000万人以上のユーザーがいるという。

当初の成功の秘訣は、無料の株式取引だった。競合他社の多くが真似し続けてきた価格設定モデルだ。

Apptopia(アップトピア)によると、Robinhoodは無料の株取引サービスの中で最も人気があり、既存の競合他社よりもはるかに多くの売買高とユーザーを抱えている。3月2日のシステムダウンが示したのは、数十年にわたってサービスストレステストを行ってきた企業と協力しなかったことが、今後ユーザーベースに悪影響を及ぼす可能性があるということだ。ただし、CNBCが米国時間3月2日に発表したように、大手証券会社もこの1週間で技術的な問題に直面している。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

モルガンスタンレーのEトレード買収裏でロビンフッドはソーシャルトレーディングに向け準備

76億ドル(約8400億円)の価値がつく前、Robinhood(ロビンフッド)がもともと持っていたアイデアは株式取引ソーシャルネットワークだった。2013年、サンフランシスコの筆者自宅のキッチンテーブルで創業者らは、予測の正確性を争う順位表が閲覧できるフィードを用意し、そこに投稿された耳寄り情報を共有するアプリを構想していた。SEC(米証券取引委員会)承認後は、本当に稼げるような方向へ転換した。アプリで株式を売買したり、資金を借りて代金を払えるようにしたのだ。

7年経ち、ロビンフッドは巧妙に創業時の姿に戻る最初の一歩を踏み出した。同社は2月20日に「Profiles」(プロファイル)を立ち上げた。現段階ではユーザーは、自身のポートフォリオに関する分析結果を見ることができる。例えば株式、オプション、仮想通貨などの商品別、あるいはセクター別に持ち高がどう分布しているかわかる。ユーザー名と写真を備えたプロファイルでは、株式その他の資産のリストを自作の形式やロビンフッド提供の形式で作成してフォローできる。

プロファイルは、ロビンフッドの顧客にもっと多くの取引を行う自信を与え、他の証券会社に顧客が流出するのを防ぐ。Charles Schwab(チャールズシュワブ)、Ameritrade(アメリトレード)、E-Trade(Eトレード)などはロビンフッドに合わせて、取引手数料を無料にした。Wall Street Journal(ウォールストリートジャーナル)によると、Morgan Stanley(モルガンスタンレー)は2月20日、130億ドル(約1兆4000億円)でEトレードを買収した

プロファイル機能は確かに役立つようだ。ユーザーのポートフォリオがテクノロジー、メディア、テレコムの株式に集中しすぎているとか、仮想通貨や自分が住む州の企業を含めていないといったことがわかる。リストを使うと、特定のセクターの追跡が容易になったり、資金が用意できたときに備えて購入したい株式に「ブックマーク」をつけたり、詳細な調査を後日読むために保存したりできる。ロビンフッドは、FactSet(ファクトセット)やMorningstar(モーニングスター)などの信頼できるソースから情報を取得して、株やETFがどのセクターリストに含まれるのか判断する。 自分でリストを作って名前を付けることもできる。来週、すべてのユーザーにプロファイルとリストが公開される。

だが最も興味深いのは、プロファイルがソーシャルネットワークとしての基盤をどのように構築するかだ。他のユーザーが作成したアカウントやリストをフォローできるというのは簡単に想像できる。オリジナルのロビンフッドアプリを使用すると、ユーザーは「今後11週間でFacebookの株価が17%上昇する」といった予測と、その理由を説明するコメントを公表できる。ユーザーの予測精度、各資産の平均保有期間、賢明な予想に付与されるポイント、コミュニティによる株の買いと売りの評価も表示される。

ロビンフッドがこうした機能を再構築すれば、高い料金でファイナンシャルアドバイザー雇ったり、別の証券会社に口座を持つのに多額の資金を用意する必要はなくなる。アドバイスをクラウドソーシングすることができるのだ。「我々は金持ちから何かを取り、それを貧しい人に与えるという意味合いを理解している。当社は専門家が専有する情報を解放し、人々に提供する」と、同社の共同創業者で共同CEOのVlad Tenev(ブラッド・テネブ)氏は2013年に筆者に語った。

ロビンフッドは、口コミで広まる詐欺​​的な情報に十分注意する必要がある。適切なセーフガードがなければ、買い遅れたユーザーが現実的な水準に価格が戻ったときに大損を被るような価格操作につながる可能性がある。

だが、ソーシャルを採用することで、その最も良い面を引き出せるかもしれない。それはユーザーの若さとつながりの深さだ。ロビンフッドの顧客の年齢の中央値は30歳で、半数は初めて投資するという。アプリ内に頼るべき友人や専門家がいれば、納得して取引に踏み切れるかもしれない。

ほとんどのオンライン証券会社は、価格以外の点では差別化されていないと言えるが、ロビンフッドに対してユーザーが持つ親近感は、不格好で洗礼されていない競合他社が作り出せないものだ。満足しないユーザーはいつでも競合他社に走る可能性がある。ロビンフッドのユーザーはソーシャルネットワークに慣れ親しんでおり、コミュニティを捨てられないため、なかなか他社に乗り移らない。

プロファイルのプロダクトマネージャーであるShanthi Shanmugam(シャンシ・シャンムガム)氏に、これがソーシャルトレーディング機能の始まりになるのかと単刀直入に聞いてみた。同氏は、それは疑わしいという感じで質問には直接答えず、こう述べた。「投資家としての自分をどのようにアプリに反映するかを検討する過程で、他社のアプリをいろいろ見た結果、自分の人物紹介(プロファイル)のように感じられるデザインを採用するのが自然に感じられた。ユーザーが投資のアイデアを囲むグループを作るにはどうしたらよいか考えたとき、お気に入りの音楽アプリで目にするようなプレイリストがすぐに思い浮かんだ」

同氏の答えは否定からはほど遠いものだった。ユーザーが行う取引にソーシャルからお墨付きをもらえるような仕組みを提供することにより、ロビンフッドは顧客からより多くの利益を得ることができる。ユーザーの口座残高がわずかであってもだ。同社の口座数は1000万を超える水準だが、Eトレードは520万、モルガンスタンレーは300万だ。ある調査によると、ロビンフッドにおけるほとんどのユーザーの平均残高は1000〜5000ドル(約11万〜55万円)だが、Eトレードユーザーの平均口座残高は6万9230ドル(約760万円)、モルガンスタンレーは90万ドル(約1億円)だ。

つまり、ロビンフッドの利益の源泉は、従来の競合他社のようにユーザーが維持する口座そのものからではない。大半の収益は、売り注文のフローと、ユーザーへの貸付の対価としての定額料金から得ている。ロビンフッドのユーザーは、月々定額料金を払ってロビンフッドゴールド機能に加入すると、取引に必要な資金を借りることができる。プロファイルとリスト、究極的には多くのソーシャル機能により、ユーザーはより多くの取引をするようになり、ロビンフッドにとって収益の源泉となる注文が増え、定額プランに加入するユーザーが増える。

「誰もがアクセスできるようにするには、手数料や最低金額などユーザーが直面する障壁を下げることが必要だ。自信のようなものだ。プロファイルとリストは金融を理解しやすく馴染みのあるものにする」とシャンムガム氏は言う。より多くのソーシャル機能が安全に構築され、より多くの安心感、取引、そして収益を生む。ロビンフッドはこれまで9億1000万ドル(約1000億円)を調達した。だが、新たにタッグを組んだモルガンスタンレー・Eトレード連合のような大規模な競合他社の手数料無料化にロビンフッドが対抗するには、プロダクトで勝る必要がある。

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(翻訳:Mizoguchi

高価な株式でも0.000001株から取引できるRobinhoodの1株未満取引

Amazon株は1株1700ドル(約19万円)以上するため、資金力がない投資家は取引から締め出されている。株の取引を身近にするために、Robinhood(ロビンフッド)は「1株未満」取引の取り扱いを始めた。株数で注文する場合、0.000001株から注文可能で、金額は1セント単位で四捨五入される(ただし投資金額は1ドルから)。金額で注文する場合はやはり1ドルから。手数料はかからない。

同社は100万分の1単位による購入を可能にして、Square Cashが最近発表した1ドルから投資できる1株未満取引の魅力を低下させた。Robinhoodのユーザーは、サインアップ後、1株未満取引への先行申し込みが可能だ。「当社のコアバリューの1つは、『参加は力』だ」とRobinhoodの共同CEOであるVlad Tenev(ブラッド・テネブ)氏は述べた。「当社が行うことはすべてコアバリューに根ざしている。1株未満取引は、さらに多くの人々に投資への道を開く可能性があると信じている」。

1株未満取引があれば、誰も株式取引を諦める必要はない。Robinhoodは、これまでに調達した9億1000万ドル(約1000億円)の資金も利用して、現在1000万人のユーザー数をさらに増やせる。Charles SchwabやE*Tradeのような従来の証券会社がRobinhoodの手数料無料の株式取引を真似し始めた今、同社は包括的な金融ツールで先を行く必要がある。ただし今年は、Schwab、Square、Stash、SoFiがすべて1株未満取引を始めたため、この点では追いつかれつつある。Bettermentは2010年から1株未満取引を提供している。

Robinhoodは、資金力に乏しいユーザーに向け多様な新機能を提供している。10月に発表した現金管理機能は、待機リストに入った最初の80万人のユーザーに提供されている。同機能は、Robinhoodに預けた金額に年利1.8%の利息を付与するだけでなく、支払いや幅広いATMネットワークで引き出しができるMastercardデビットカードを提供する。これは1年前に失敗した年利3%のRobinhood Checkingの縮小版焼き直しだ。当初のバージョンは保険が確保できず廃止された。今回のバージョンは付保されている。

さらに、Robinhoodは来年初めに、要望が多い2つの機能をリリースする。「配当再投資プラン」は、ユーザーが受け取る配当を株式やETFに自動的に再投資する機能だ。「継続投資」のほうは、ユーザーが毎日、毎週、隔週、毎月などの一定間隔で株式に投資できる。上記に加えて可能になった仮想通貨取引により、Robinhoodは競合他社によるコピーが難しい総合金融サービスに進化しつつある。

Robinhoodの1株未満取引の仕組み

「投資したいのであれば、手元資金の量は問題にならない。1株未満取引で、Amazon、Apple、Disney、Berkshire Hathawayなどの数千銘柄の株式やファンドへの投資機会を提供する」とRobinhoodのプロダクトマネージャーであるAbhishek Fatehpuria(アビシェク・ファテピュリア)氏は述べた。

ユーザーは、市場が開いている時間帯に、1ドル以上なら0.000001株という小さい単位でリアルタイムで1株未満取引の注文を出せる。時価総額が2500万ドル(約27億円)を超える1株当たり1ドル以上の株式が対象となり、4000種類の株式とETFが手数料なくリアルタイムで取引できる。

「参加は力だと信じている。当初から、誰もが金融システムに参加できるよう、取引手数料や口座維持最低残高などの障壁を打破することに力を注いできた」とファテピュリア氏は言う。「当社には独自のユーザー基盤がある。ユーザーの半分は当社で初めて投資する。ユーザーの年齢の中央値は30歳だ。当社は、新しい世代に株式市場へのアクセスを提供する機会を手にしたのだ」。

Robinhoodは、他のスタートアップや金融大手が追いつく前にフリーミアム投資ツール市場を制覇するつもりだ。来年の英国での立ち上げの待機リストも開設した。同社にとって初の海外市場となる。だが先月、Alpacaが誰でも株式仲介アプリを作成できるAPIで600万ドル(約7億円)を調達し、Atom FinanceはRobinhoodのアプリ内機能と競合する無料の投資調査ツールで1250万ドル(約14億円)を調達した。Robinhoodは、ユーザーが限度額を超えて借入をして取引する事態を招くという恥ずかしい失敗もしている。

「素早く動いて何でも壊してしまえ」という考え方は、金融に適用されると新たな危険を引き起こす。投資の機会を多くの人に提供するという目標を達成するために多くのプロダクトに手を広げるなら、Robinhoodは急ぎたいという衝動を抑えなければならない。

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(翻訳:Mizoguchi)

株取引アプリのロビンフッドがパスワードを平文で保存していた

米国時間7月24日、株取引アプリのRobinhood(ロビンフッド)が、一部のユーザーのパスワードを含む資格情報を社内システムに平文で保存していたことを明らかにした。これはきわめて深刻なセキュリティ上の誤りだが、同社はデータに不適切にアクセスされたことを示す証拠はないとしている。とはいえ、ユーザーが危険にさらされた恐れがある。念のため、今すぐパスワードを変更しよう。

パスワードや個人情報といった扱いに注意を要するデータは、通常、常に暗号化して保存される。最悪、侵入されてデータベースが流出したとしても、攻撃者にはわけのわからないデータだ。しかし残念ながら、このルールが守られていなかったようだ。

多くのユーザーがRobinhoodから次のようなメールを受け取った。CNETJustin Cauchon氏もそのひとりだ

お客様がRobinhoodのアカウントのパスワードを設定する際、弊社では業界標準のプロセスに従って、社内で誰もパスワードを閲覧できないようにしてきました。7月22日の夜、弊社は一部のお客様の資格情報が読める状態で社内システムに保存されていることを発見しました。その中にはお客様のパスワードも含まれていたことをお知らせします。

弊社はこの問題を解決しました。また徹底的に調査した結果、弊社対応チーム以外からのこの情報へのアクセスは認められませんでした。

本当に「業界標準」だったら、他社もパスワードを平文で保存していることになる。そう考えれば、GoogleFacebookTwitterなどにも最近同様の誤りがあったことの説明がつくかもしれない。

Robinhoodの担当者は、この問題に迅速に対応したことを強調した。しかし、問題が発見された経緯、平文で保存されていた期間、この問題の原因となった業界標準からの逸脱、影響を受けたユーザーの数はコメントしておらず、今後これらの点について回答するかどうかも明らかにしていない。同社は次の声明を出した。

我々は速やかにこの情報の記録の問題を解決した。徹底的に調査した結果、弊社対応チーム以外からのこの情報へのアクセスは認められなかった。念のために、我々は影響を受けた恐れのある顧客に通知し、パスワードをのリセットを促した。我々は顧客に対する責任を真摯に受けとめ、顧客の情報の安全に全力を尽くす。

もしあなたがRobinhoodからのメールを受け取ったらアンラッキーだ。パスワードを変更しよう。もし受け取らなかったら……。それでもパスワードを変更しよう。気をつけるに越したことはない。

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(翻訳:Kaori Koyama)

株取引アプリのロビンフッドが350億円調達し企業価値8200億円に

人気の株取引アプリRobinhood(ロビンフッド)は米国時間7月22日朝、DST Globalが主導した3億2300万ドル(約350億円)という巨額のラウンドを発表した。

今回のシリーズEラウンドにより、カリフォルニア・メンローパークに本部を置くRobinhoodの企業価値は76億ドル(約8200億円)になり、シリーズD時の企業価値50億ドル超から大幅に増えた。

Ribbit Capital、NEA、Sequoia、そしてThrive Capitalも今回のラウンドに参加し、Robinhoodが調達した資金は「全ての人のためにファイナンスの民主化を引き続き追求する」のに使うと話している。

2013年創業のRobinhoodは、自前の決済システムClearing by Robinhoodを含むいくつかの新機能を昨年プラットフォームに加えた。また同社は金融ニュースの短い記事を提供するRobinhood Snackを立ち上げるためにメディアスタートアップを買収した。

Robinhoodはこれまでにベンチャーキャピタルで8億6000万ドル(約930億円)超を調達している。

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(翻訳:Mizoguchi)

投資アプリRobinhoodからADR経由で外国の上場企業に投資できるようになった

アメリカ国内を対象とする投資と投機のアプリRobinhoodで、米国預託証券(American Depositary Receipt, ADR)を利用して外国で上場されている企業に投資する(株を買う)ことができるようになった。

ADRを利用すると、アメリカの投資家が、ニューヨーク証券取引所ナスダックなどアメリカの証券取引所に上場されていない外国企業に投資できる。そして同社(Robinhood)によると、今では同社からグローバル企業250社に投資できる。

同社が挙げる投資対象には、TencentやNintendo, Adidasなどが含まれている。そして中国や日本、ドイツ、カナダ、イギリスなどの、株式がアメリカで上場されている企業にも投資できるようになるだろう。

対象企業の完全なリストは、Robinhoodアプリまたはデスクトップアプリケーションのページで、“New on Robinhood”で検索すると見られる。

この部屋にもフランス大好き人間が何人かいるけど、LVMHやMichelin, Ubisoft Entertainmentなどフランスの企業も、近くRobinhoodから投資できるようになるそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

手数料ゼロの画期的な株式売買サービス、RobinHoodが限定ベータ開始

E*TradeやScottradeが取引1回ごとに7ドルから10ドルの手数料を取るのに対して、RobinHoodでは手数料ゼロで株式の売買ができる。今日(米国時間2/27)、RobinHoodは登録済みユーザー16万人に新しいアプリを公開し、限定ベータテストを開始した。「株式取引アプリとして今まででいちばん素晴らしいデザインだと思う。しかしわれわれの強みはそこではない」と共同ファウンダーのVlad Tenevはジョークを飛ばした。

なるほどRobinHoodはスタイリッシュなアプリだが、株式売買が手数料なしで可能だというのは驚きだ。読者は株式売買システムの運営には費用がかかるはずなのに何でそんなことできるのか訝しむだろう。

後で詳しく説明するが、実はRobinHoodはユーザーが株式を取引すること自体から収益を上げている。われわれはScottradeやE*Tradeのせいで1回ごとに手数料を払わねばならないものだと思い込まされていたにすぎない。

RobinHoodの利用の希望者はこちらから登録して招待のメールが届くのを待つことになる。招待されるまでには数週間からことによると数ヶ月かかるかもしれない。RobinHoodは規模の拡大より信頼性の高いサービスにすることを優先しており、顧客の信用度についてきわめて慎重だ。

多くの株式アプリはYahoo FinanceやRobinHoodの初期バージョンのように、株の値動きと会社の財務情報を検索することができるだけだ。あるいは大手証券会社が提供する古典的な手数料ベースのオンライン取引サービスだ。RobinHoodの共同ファウンダー、Baiju Bhattは「慎重に投資戦略を決める場合にはデスクトップで情報を集める必要があるだろう。しかし出先や空き時間に株価をチェックし、直感が働いたり、あるいは思いがけない事態が起きていたりして、素早く株を売り買いしたいなら、RobinHoodで数回スワイプするだけですむ」と強調する。[情報開示:VladとBaijuは私の大学時代の友人.]

ユーザーでは値動きに応じて通知をもらうように設定することができる。実際の売買にあたっては株数と売買の別をを入力するだけでよい。RobinHoodはその取引によってユーザーに生じる損益をプレビューする。ユーザーがその内容を確認すると取引が成立する(アニメーションが表示されとサウンドが鳴る)。またセキュリティー対策としてアプリを起動する際にpinコードの入力を求めるよう設定できる。

RobinHoodでは今後ともユーザーに課金する計画はないという。現在、300万ドル以上の運営資金をGoogle Ventures、Index Ventures、Andreessen Horowitz、Rothenberg Ventures、それに少数のエンジェル投資家から得ているが、近々、損益分岐点に達する見込みだ。手数料ベースの信用取引のためにAPIにアクセスを希望するサードパーティーに対する課金や株式取引所がRobinHoodのようなオンライン取引サービスに対し取引高に応じて支払うインセンティブなどによって売上を確保する。

大口投資家にとっては1回10ドル程度の手数料は無視できるが、そんなに金持ちではない個人が少額の投資をする場合、手数料は大きな負担になる。RobinHoodは株式投資の民主化に大きく貢献できるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+