2014年6月に学部制度を導入した動画学習サービス「schoo」。1月23日には新たに「プログラミング学部」を新設した。
プログラミング学部では「Ruby入⾨」「リーダブルコード入⾨」といった授業を提供。未経験から、Webサービスを開発・公開できるまでに必要な学びをパッケージで提供するとしている。先生を務めるのはHEART QUAKE 代表取締役の千葉順氏をはじめ、エイチツーオー・スペース代表取締役のたにぐち まこと氏、一般社団法⼈日本Rubyの会代表理理事の高橋征義氏、クリアコード代表取締役の須藤功平氏、BASE CTOの藤川真⼀氏など。TechCrunch Tokyo 2014で司会を務めてくれた女優の池澤あやかさんが自作PCの作成に挑戦する授業などもあるそうだ。9月末までにコンテンツ200本の提供を目指す。
この発表を読んだだけでは、「また学部が1つ増えただけか」と思うかも知れないが、これを契機にスクーは次のフェーズに進むという。スクー代表取締役社長の森健志郎氏は「僕らは人材業界のマーケットに入っていく」とマネタイズを本格化する意思を語った。
先日のデジタルハリウッドの記事にもあるが、SIerはさておき、ITエンジニア人材の不足は明確だ。森氏は「HTMLをちょっとかけるだけの人ですら重宝される。需要はあるのに人材はまだまだ不足している」と語る。そんなこともあって、必要とされている人材を育成することでようなコンテンツを提供することで、schooで「教育と人材を統合、再編したい」(森氏)という。すでに実績もあるそうで、これまた不足していると言われがちなデザイナー学部などは、登録者1万人、WAU(週間アクセスユーザー)30%、課金率は約2割と人気だそうだ。
これまで森氏は「月次のコンテンツ数を増やせばユーザーが増えることは分かってきた」なんてサービスの成長について語るものの、マネタイズについてはほとんど明言していなかった(もちろん課金サービスは展開していたが)。今回も同じように聞いたところ、「ユーザー獲得やリピートの仕組みはできてきた」とのことで、ユーザー数は12万人、schoo上でコンテンツを配信可能な外部パートナーである「公認団体」も100団体超となっている。だが「スクーは『サービスから事業へ進む』というメッセージを打ち出したい」と語ったのは印象的だった。
今後スクーが増やしていく「人材×教育」のコンテンツは大きく2つ。1つは今回のプログラミング学部やすでに提供中のデザイナー学部のような、すでに需要があるが人材が不足している分野。そして2つめは宇宙起業家、グロースハッカーのような、これから人材が必要とされるであろう分野だそうだ。
スクーでは今後、こういった学部、カリキュラムの卒業生と、人材サービスの融合を図っていくと思われるが、その詳細についてはまだ決まっていないそうだ。「お金のいただき口を企業にするか、ユーザーにするかも含めてまだ実験が必要だ」(森氏)とした。