中国生産のTesla Model 3が13%値引きで予約開始

Tesla(テスラ)の中国での生産という大きな賭けは、廉価な価格で中国消費者を引き込むための新たな取り組みの鍵となる。米国時間5月30日、同社は中国にて生産されるModel 3が32万8000元(約520万円)で販売されると明かした。これは、以前は輸入されていた同エントリーモデルよりも約13%安い価格だ。

テスラは本日より車両の予約を開始した。なお、今年1月には上海の工場が着工を開始したばかりだ。仮予約のために今週中に2万元(約31万円)のデポジットを支払った顧客は、車両を6〜10カ月後に受け取る予定だ。

ロイターによると、競争力のある価格にもかかわらず、高スペックなModel 3は米国から出荷されるという。また中国生産される車両が、政府のEV補助金の対象になるかどうかは不明だ。

なおテスラによれば、中国以外のオーストラリア、香港、日本、ニュージーランド、アイルランド、マカオでも、予約が始まったという。

上海の工場ではフル稼働時に、年間50万台の車両が生産される予定だ。また求人情報をオンラインで公開した後に、5月からは従業員の雇用が始まっており、撮影された動画や写真によれば工場の完成も近いようだ。

中国生産される車両がどれだけの利益をテスラにもたらすのかはわからないが、現地生産は米中貿易戦争の悪化で懸念される、出荷や価格面の問題で有利に働くことだろう。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

イーロン・マスクの「小児性愛者だ」発言の名誉毀損訴訟が今秋開始

昨年Tesla(テスラ)とSpace XのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏が英国の洞窟ダイバーを何度も「小児性愛者」と呼んだために起こされた名誉毀損訴訟の裁判が、10月22日に行われると合衆国地裁の裁判官が決定した。

2018年9月に英国の洞窟ダイバーであるVernon Unsworth氏は、カリフォルニア中部の合衆国地方裁判所に名誉毀損の訴状を提出した。それはマスク氏がTwitterという公開メディア上で彼を「小児性愛者」(Pedo guy,、Pedo==Pedophile)と呼び、ほかにもそれをほのめかすようなことを言ったからだ。

今回の裁判所の決定は、The Vergeが最初に報じた

Teslaのスポークスパーソンにコメントを求めようとしたが、即座にはつかまらなかった。

合衆国地裁判事であるStephen V. Wilson氏はこの訴訟を取り下げる申し立てを拒否し、代わりに裁判の日程を決めた。その決定は、Unsworth氏の訴えが裁判を行うほど十分に強力であることを意味している。

マスク氏の弁護士たちは、インターネット上の言明、とりわけTwitterのような調停役のいないフォーラム上のそれは、客観的な事実ではなく意見であると推定されうると主張した。名誉毀損の法律は、意見や無礼に対しては適用されない。しかしWilson判事は、BuzzFeedのRyan Mac記者とマスク氏とのメールによる対話などを理由に、同氏側の主張を退けた。

Wilson判事は決定書の中でこう述べている。「被告の声明の一般的なコンテキストや、その声明の特定のコンテキスト、およびその声明(彼は小児性愛者である)の真偽証明可能性、などの状況を総合的に検討すると、リーズナブルな事実認定者ならば容易に訴状で訴えられている被告の声明は客観的な事実の断定を含意している、と結論できる」(訳注:彼は小児性愛者だ」というTwitter上などの声明が、そうだと思うという意見ではなくて、事実として彼が小児性愛者だと言っているということ)。

訴状は、7月15日から8月30日までにマスク氏はTwitterやメールを使って何度もUnsworth氏に対する嘘のそして名誉毀損的な言いがかりをメディアに投稿した、その中には小児性愛や児童のレイプの言いがかりもあったと主張している。

最初の「小児性愛者だ」攻撃は、Unsworth氏がメディアへの決定的なインタビューでマスク氏の小型潜水艇は「まったく使い物にならない」と言ったときに始まった。潜水のエキスパートはそのインタビューの終わりにマスク氏は「彼の潜水艦を痛いところに貼るべきだ」(役に立つところで使うべき)と述べた。

マスク氏はTwitter上で猛攻撃を開始し、Unsworth氏は小児性愛者だとなじった。のちに彼はその敵対的なツイートを削除し、Twitter上でお詫びのような言葉すら述べて撤回を試みた。そして、事件はそこで終わるはずだった。

ところがマスク氏は元本誌TechCrunchのジャーナリストであるDrew Olanoffとの(またまたTwitter上の)議論ですべてを蒸し返した。Olanoffは「小児性愛者だ」攻撃を、マスク氏が嘘をついている例として取り上げた。

[地裁決定書原文(被告の訴訟取下げ申し立ての棄却)]

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

テスラのオートパイロットはトランプの関税で窮地に

ホワイトハウスは、Tesla(テスラ)のAutopilot(オートパイロット)テクノロジーの脳を、報復輸入関税の対象外とすることを却下した。この決定はTeslaの自動運転という野望を遅らせたり、中断させたりすることになるかもしれない。

先週開かれた「オートノミー・デイ」の特別イベントで、TeslaのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、全新車両での完全自動運転を可能にする新しいカスタムチップを含む、高度なAutopilot 3.0ハードウェアを発表した。このハードウェアはいま、新しいTesla Model 3、S、Xの車両に標準装備されている。FSDと呼ばれるソフトウェアにアップグレードするのに客は追加で6000ドル払う。

自動運転のハードウェアは、Teslaが車両の脳と表現するモジュールのAutopilot ECU(Engine Control Unit)内に搭載されている。このモジュールは中国・上海でQuanta Computer(クアンタ・コンピュータ)という企業によって組み立てられている。

Teslaの計画は、関税25%の免除はしないというホワイトハウスの先月の未公表の決定により影響を受ける可能性がある。トランプ大統領は昨年、対中国の貿易赤字を減らそうと、エレクトロニクスを含む中国からの幅広い輸入品にこうした関税を課した。

Teslaは、この関税により中国での自動運転コンピューター製造中止を余儀なくされることになるかもしれず、ひいては自動運転の導入の遅れや車両の安全低下につながるかもしれないと示唆していた。

「関税により、我々は新たなサプライヤーを探すか、コスト増を客に負担してもらうか、内部の運営コストを減らすかを模索せざるを得なくなり、これは関税の意図するところとはまったく逆の影響を及ぼすことになる」と、11月16日付の通商代表部(USTR)への関税対象外を求める請願書に書いている。

しかし3月15日、USTRの法務部長はTeslaに対し、「プロダクト戦略の重要性、または『中国製造2025』への関連、他の中国産業プログラムを懸念しているため」同社の要望を却下することを伝えた。USTRはまた、同じ理由でAutopilot2.5ハードウェアについてのさかのぼっての関税除外の請願も却下した。

メードインチャイナ

「中国製造2025」は、単なる製造からAIや電気自動車、ロボティクスなど付加価値の高いものの生産へ移行するための中国の戦略プランだ。ホワイトハウスはこうした計画は米国内のテクノロジーや自動車メーカーにとって直接脅威となるとみている。

しかしながら、米国の企業は中国の製造ノウハウの恩恵を長い間多く受けてきた。Teslaの上海におけるAutopilot製造パートナーのQuantaはAppleやAmazon、Verizonの仕事も請け負ってきた。

「Teslaは、設計書を要するAutopilot ECU 3.0を希望通りのボリュームで、そしてTeslaの継続的な成長のために必要なタイムラインで製造するノウハウを持ったメーカーを見つけることはできなかった」と同社は書いている。

Quantaの使用は、中国国内のEVの80%が2025年までに中国企業によって生産されるようになるという目標を達成するのを手伝うことにはならない、とTeslaは主張している。「逆に、もし関税除外が認められればTeslaはEV製造でテクノロジー上そして競争上のアドバンテージを維持することができる」とも書いている。

Teslaはまた、新しいコンピューターのプリントされたサーキットボードの75%以上は実際には中国外からのものだ、とも指摘した。たとえば、Autopilot 3.0に不可欠なTeslaの最先端ニュートラルネットワークチップはテキサス州オースティンでサムスンが製造したものだ。

関税効果

しかしホワイトハウスはそうした主張を認めなかった。そしてUSTRの却下はTeslaにとってかなり打撃となる。Teslaはすでに投資家に対し、最も低価格のModel 3バリエーションを含む同社製造の車の粗利益目標達成を保証できない、と伝えている。

「関税は、非常に難しい業界における我々の継続的な成長や持続可能性にマイナスに働く」とTeslaは書いている。

先週、Teslaは2019年第1四半期決算で、納車台数が予想を下回ったために7億200万ドルの赤字を計上した。そして、借り入れと株式により27億ドルを調達する考えを発表した。当局に提出した書類によると、Teslaはもともとは転換社債と株式で23億ドルを調達すると言っていて、そのわずか1日後にトータル額を上方修正した。

Teslaはゴールドマン・サックスとシティグループが引受先となって310万株を1株あたり243ドルで販売していて、書類によると、転換社債の発行を16億ドル拡大した。マスク氏はまた自身の出資額を2倍にし、2500万ドル相当の最大10万2880株を購入する意向だ。

価格の上昇やコストの抑制には限界があることから、Teslaの他の選択肢は製造拠点を米国にもってくる、ということになるかもしれない。しかしTeslaによると、それは困難を伴う。

「新しいAutopilotコンピューターの生産を開始するというTeslaの決定は、開発から生産まで6カ月しか要しなかった」と請願に書いている。「このようにタイムラインは密であり、それなりの経験を持たないサプライヤーを試す余地はない。他のサプライヤーを選ぶということは、クリーンルームの設定や生産ラインの確認、スタッフのトレーニングなどで18カ月もこのプログラムを遅らせることになる」。

安全上の懸念

さらに深刻なことに、Teslaはそうしたサプライヤーの変更は安全面にもかかわってくるとしている。「新たなサプライヤーに生産を任せることは、車両や最終プロダクトの安全性に影響を与えるかもしれない質の問題につながるリスクを増大させる。我々はサプライヤーの変更で顧客の命を危険にさらすことはできない」。

Teslaが進めている人工知能や機械学習、コンピュータービジョンの研究を関税がダメにしてしまうこともTeslaは恐れている。

「Teslaの業界をリードする立場は、こうした先進的なものや部品をそれなりの規模で展開する能力が条件となり、現在の関税下ではリードすることができない」と請願書で述べている。マスク氏は昨日、オートノミーによりTeslaはゆくゆくは現在の評価額の10倍超の5兆ドル企業になるだろうと投資家に対し述べた。

USTRに対しては強い口調であるにもかかわらず、Teslaは決算への影響にフォーカスした投資家向けの書類で、関税について以下のように述べている。中国で入手している我々のプロダクトで使われている特定の部品への最近引き上げられた輸入関税はコストの増大につながり、営業成績にマイナスの影響を及ぼすかもしれない」。

この件についてTeslaはコメントを拒否している。

Greg Linden(グレッグ・リンデン)氏は、エレクトロニクス向けのグローバルサプライチェーンを専門とするカリフォルニア大学バークレー校のエコノミストだ。「スピードとボリュームからすれば、中国しかない」とTechCrunchとの最近のインタビューで語った。「米国企業は約25年前に基盤組み立てのために中国に向かった。部品サプライヤーがそれに続き、今や中国は他の国が取って代わることができないほどにエレクトロニクスを大量に生産する地位にある」と述べている。

同氏は、iPhoneが米国で組み立てられると1台あたりのコストは40ドル増えるかもしれないと算出し、Autopilot 3.0ハードウェアの米国での生産は同程度のコスト増となると見込む。

免除申請へのためらい

Teslaはそのほかにも、まだ対応が示されていないいくつかの米政府への関税免除の請願を抱えている。メディアコントロールユニット、接続ボード、高度なドライバーアシスタンスシステムを含むModel 3の車コンピューター免除の請願は12月末に提出された。直近ではTeslaは先週、ネバダ州スパークスにある同社のギガファクトリーでのリチウムイオンバッテリーの製造に必要な日本から輸入する特殊アルミ板についても関税の免除を求めている。

しかし、貿易に関するニュースがマスク氏にとってすべて悪いものというわけではない。ボーイング社は中国で製造されたトンネル掘削機に関する関税の免除を求めた。同社は、中国からのトンネル掘削機パーツを調達できなければ、同社が提案しているボルチモアとワシントンD.C.を結ぶ地下Loop交通システム構築に最大2年の遅れが生じると主張した。

3月19日、USTRはトンネル掘削機の輸入について遡求しての関税免除を認めた。

皮肉にも、ボルチモアとワシントンD.C.間のLoopで使用される見込みの自動運転電気車両はTesla車両がベースになっていて、このTesla車両は少なくとも当面は中国で製造される新しいAutopilotシステムに頼ることが見込まれている。

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(翻訳:Mizoguchi)

テスラが資金調達目標を440億円超に増額、イーロン・マスクが16.6億円購入へ

Tesla(テスラ)は近く株式の売却によって4億ドル(約444億円)を追加調達する予定であり、共同ファウンダーでCEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏が1500万ドル(約16.6億円)相当の株式を購入することを約束している。証券取引委員会(SEC)提出資料による。 証券取引委員会(SEC)提出資料による

電気自動車、エネルギー・ストレージ、ソーラーパネル製造を手がける同社は、310万株を1株当り243ドルで売却すると発表した。引受会社は、ゴールドマン・サックスおよびシティグループ(Citigroup)。同社は、1億ドルの転換社債を追加発行することも発表した。

当初Teslaは、株式とワラント23億ドル分を販売する予定だったが、最新データによると合計金額は27億ドルに引き上げられ、Elon Musk自身が購入する金額も増えた。同社の発表によると、マスク氏はこの株式売却にあたり購入額を1000万ドルから2500万ドルに引き上げた。

株式売却拡大のニュースは、Teslaが不振の第1四半期決算のわずか1週間後に資本市場でさらに資金調達すると発表したその翌日のことだった。

Zachary KirkhornはこれをTesla史上「最も困難な四半期の一つ」とまで評した。

Teslaは今年の第1四半期に7.02億ドルの損失を計上したが、直面する課題と資金不足にも関わらず、投資家の株式購入の意欲に陰りは見られしない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

テスラ死亡事故の原因はオートパイロットとする訴訟を起こされる

オートパイロット作動中のTesla Model Xで高速道路の中央分離帯に衝突して死亡したApple(アップル)のエンジニアであるWalter Huang氏の遺族がTesla(テスラ)を相手取って訴訟を起こした。カリフォルニア州運輸局も訴状に名前を挙げられている。

カリフォルニア州最高裁判所サンタクララ郡支局に提出された不法死亡訴訟は、テスラドライバー支援システムであるオートパイロットの誤動作が、2018年3月23日にHuang氏が死亡した事故の原因だったと主張している。当時38歳だったHuang氏は、国道101号線カリフォルニア州マウンテンビュー付近を2017年型Tesla Model Xで走行中、中央分離帯に衝突して死亡した。

本訴訟は、テスラの運転支援システムであるオートパイロットが車線境界線を誤認識してコンクリート構造物を検出せず、ブレーキの作動を怠り代わりに加速して分離帯に衝突したと主張している。

テスラ広報担当者はコメントを拒んだ。

「Huang夫人が夫を亡くし、2名の子供が父親を亡くしたのは、テスラがオートパイロットソフトウェアを実世界のドライバーでベータテストしたためである」とMinami Tamaki法律事務所のパートナーB. Mark Fong氏が訴状で語った。

その他のテスラに対する訴訟要件には、製品責任、製品設計の欠陥、警告不履行、保証違反、故意および不注意による虚偽の表示、および虚偽の広告がある。カリフォルニア州運輸局も訴訟で指名されており、訴状によるとこれはHuang氏の車両が衝突したコンクリート製分離帯に衝突衝撃緩衝具が設置されていなかったためだ。カリフォルニア交通局は以前現地で起きた事故の後、緩衝具の交換を怠っていた、と原告は主張している。

本訴訟の目的は「半自動運転車を支える技術は路上走行に利用される前に安全が確認され、そのリスクが公衆に対して隠蔽あるいは虚偽表示されないことを確保することにある」と、Walkup、Melodia、Kelly & SchoenbergerのパートナーのDoris Cheng氏が言った。同氏は遺族の代理人でもある。

事故後テスラはブログ記事を2件投稿し、その結果国家運輸安全委員会(NTSB)との論争に発展した。同委員会は事故現場に捜査員を派遣していた。

テスラの3月30日付のブログ記事は、事故当時オートパイロットが作動していたことを認めている。テスラによると、ドライバーはハンドルを握ることを促す警告を、視覚的に数回、音声で1回受け取っており、衝突前の6秒間ハンドル上でドライバーの手は検出されなかった。

こうしたコメントはNTSBの反感を買い、「捜査情報がテスラから公開されたことは遺憾である」旨が示された。NTSBは、委員会による事故調査の当事者が事前の了解なく事故の詳細を公表することを禁じている。

テスラCEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は、自身の失意とNTSBに対する批判をTwitterを通じて直ちに発信した。事故の3週間後、テスラは事故の責任をHuang氏に帰し、同社の道徳的あるいは法的責任を否定する声明を発表した。

「遺族によると、Huang氏はオートパイロットが完璧ではないことを十分認識しており、具体的には、まさにその場所でオートパイロットが信頼できないことを家族に伝えていたにも関わらず、その場所でオートパイロットを作動させた。事故当日は晴天で前方視界は数百フィート(100〜200m)あったため、この事故が起きた唯一の方法は、Huang氏が路上に注意を払っていなかった場合であり、これは車両から注意を促す警告が複数回発せされていたにも関わらず起きたことである。

NTSBとテスラの関係は、この声明の発表後さらに崩壊した。テスラはNTSBとの協力合意を破棄したと発表した。その後1日とおかず、NTSBは同委員会がテスラを事故捜査の当事者から除外したと発表した。

NTSBの中間報告書は、事故の原因について何ら結論を下していない。しかし、車両が衝突直前の3秒間に62mphから70.8mph(100〜114kmh)へと加速し、国道101号線の走行車線と85号線への出口ランプを分離する舗装された三角地帯に向かって左に移動したことは確認している。

同報告書は、衝突の18分55秒前、テスラ車がハンドルに手を置くことを促す視覚的警告を2回、音声警告を1回与えたことも認めている。警告は衝突の15分以上前に発信された。

Huang氏の両手がハンドルに触れたことが検出されたのは、衝突前の1分間のうち34秒だけだった。衝突前のブレーキあるいは衝突回避ステアリングは検出されなかった、と報告書は書いている。

訴訟名はSz Hua Huang et al v. Tesla Inc., The State of California、訴訟番号 19CV346663。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

マスク氏のツイートを弁護士が監督することでSECと和解

Tesla(テスラ)Elon Musk(イーロン・マスク)氏、そして米国証券取引委員会(SEC)は金曜日、マスク氏のツイート問題で合意に達したと発表した。その合意とは、制限はありながらも、先の裁判所の命令への違反で侮辱罪に問われるという心配なしに、CEOMusk氏にTwitterの使用を認めるというものだ。

Musk氏は特定の事柄や経営状態などについてをのぞき、好きなようにツイートできる。しかし、マンハッタン連邦裁判所に提出された合意文書によると、そうした特定の事柄などについてツイートする場合は、弁護士から事前承認を得なければならない。

合意には今後、この件の裁判長である米連邦地裁の裁判官Alison Nathan氏の承認が必要となる。Nathan氏は、それぞれに主張を展開していたSECMusk氏に歩み寄りと解決策の模索を促すため、2週間という時間を与えていた。

Musk氏はツイートに以下のような内容が含まれる場合、弁護士の事前承認を得なければならない。

Teslaの経営状態やガイダンス、可能性のある合併や買収、ジョイントベンチャーについての情報

・生産・販売・納車台数(実績、予想、計画)

・既存のビジネスライン(目下、車両や交通機関、持続可能エネルギープロジェクト)に関係のない新規または候補のビジネスライン

・公式なTeslaのガイダンスで事前に発表されていない計画、予想、見積もりの数字

Teslaの株に関する動き(Musk氏の株の取得や売却を含む)

・非公表の法的または規制上の調査結果や決定

・管理の変更や役員(最高経営責任者、会長、最高財務責任者、最高会計責任者、最高執行責任者、または同様の責任を伴う職についている人)の変更といったフォーム8-Kの提出が必要なもの

2者の戦いは、1420ドルでTeslaの株を買い上げて同社を非公開とするための「資金は確保した」というMusk氏の20188月の悪名高いツイートに端を発している。SECMusk氏を詐欺容疑で提訴した。

Musk氏とTeslaは非を認めることなく昨年SECと和解した。Teslaは罰金2000万ドルを払うことに合意し、Musk氏はTesla会長職を少なくとも3年間離れることに同意しなければならなかった。またTeslaが役員会に独立取締役2人を追加することも合意に盛り込まれた。加えてTeslaは、Twitterによるものも含め、Musk氏のTeslaに関する公に向けた発言を監視する方策を実行に移すよう求められた。

両者の戦いは、Musk氏の219日のツイートで再び勃発した。そのツイートは、Teslaは今年”50万台を製造するだろう、というもので、数時間後に自ら修正し、Teslaは今年末までに年率50万台で製造するということを意味していた、とはっきりと説明した。

SECは、Musk氏のツイートが合意に反したと主張した。一方のMusk氏は、ツイートが取るに足らないもので合意を守っていると述べた。

SECは、Musk氏の「資金は確保した」ツイートをめぐって昨年10月に合意に達した和解内容に反しているとして、Musk氏に法廷侮辱罪を適用するよう裁判所に求めた。SECは、Musk氏が投資家や当局にとって材料となり得る情報を発信する前にTeslaの役員会から承認を得るべきだったと指摘し、219日のツイートは合意に反したと主張した。

Musk氏は断固として合意に反していないと主張している。

イメージクレジット: Robyn Beck / AFP / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

テスラの第1四半期は786億円の赤字

Tesla(テスラ)は水曜日、予想より大きな赤字7億200万ドル(786億円)を計上した第1四半期決算を発表した。1株あたりの赤字は4.10ドルだ。出荷がふるわなかったことやコスト、車両の価格調整などが響いて黒字回復とはならなかった。

この損失には今回のみの発生となる1億8800万ドルも含まれていて、一度限りの損失を調整した後の赤字額は4億9400万ドル(1株あたり2.90ドル)となる。1年前は1株あたりの赤字は3.35ドルだった。Teslaはまたリストラと今回のみの費用の組み合わせによる6700万ドルも赤字に含まれる、としている。

アナリストは赤字を予想していたが、Factsetによると予想は売上高54億ドル、1株あたりの損失1.15ドルだった。しかし実際は損失のためそうした期待された数字にはるか及ばなかった。

CFOのZachary Kirkhorn氏は水曜の決算発表時に、Model 3の海外納車の促進や他の動きに触れながら、テスラの歴史の中で「最も複雑な四半期の1つだった」と語った。

TeslaとCEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は今月初めに、出荷台数が想定を下回ったことや価格調整のために四半期決算が赤字になることが予想されると警告していた。Tesla車購入者が1月1日から連邦税の優遇を受けられなくなり(さらに詳しく言うと、半分になった)、そうした措置を経て今回が初の四半期決算だった。

Teslaは今年第1四半期は、前四半期から3分の1近く落ち込んだ63000台の電気自動車を納車した、と発表した。納車の内訳はModel 3が5万900台、Model SとX SUVが1万2100台だった。

マスク氏は水曜日の決算発表で、多くの納車が第2四半期にずれ込んでいることに触れながら、不測の事態による納車問題に繰り返し言及した。

「誰もがTeslaの第1四半期の赤字を予想していた。しかし、こんなに大きな額になるとは思いもしなかった」とKelley Blue BookとAutotraderの出版責任者Karl Brauer氏は電子メールでコメントした。「興味深いのは、この赤字が1つの原因によるものではないことだ」。

Brauer氏は税リベートがなくなったこと、競争が激しくなったこと、「最初のModel 3需要が落ち着いたこと」など、小さい要因が組み合わさっていることを指摘した。Tesla以外の選択肢も増えている。「これは、Teslaにとって新たな“常態”だ」とBrauer氏は語った。

決算発表ではまた、Model 3の販売により今後四半期連続で収益を回復する、とした。同社は7四半期連続で赤字を計上したあとの昨年10月にようや黒字化し、利益1億3900万ドルを計上した。

キャッシュはというと、2018年末の22億ドルから15億ドルに減ったと明らかにした。これは主に、1億8800万ドルもの転換社債がオペレーティングキャッシュフローにマイナスに作用したためだ。Teslaは3月に9億2000万ドルの転換社債債務を現金で払った。

要点を以下に示す。

・第1四半期の売上高は45億ドルで、第4四半期の72億ドルから減少した。

・第1四半期のオペレーティングキャッシュフローにおける資本支出は9億2000万ドルで、第4四半期は9億1000万ドルだった。

今回の四半期決算の発表は、航続距離を10%のばしたModel SとXのドライブトレーンデザインへの変更など、いくつかの発表の後に行われた。1回のフル充電で、新装備のModel SはEPA基準で370マイル、Model Xは325マイルを走行することができる。これらは同じ100kwHバッテリーパックを搭載している。

Teslaはまたこれより前に、自動運転車両テクノロジーを開発する取り組みを紹介するイベントも開催した。ここでの発表にはカスタムメイドのコンピューターチップも含まれていて、Musk氏の計画では2020年にロボタクシー事業と試乗を立ち上げる。

イメージクレジット: Tesla

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(翻訳:Mizoguchi)

Teslaが保険商品を販売へ

Tesla(テスラ)は保険商品を開発中で1カ月ほどで発売する計画だ。CEO Elon Musk(イーロン・マスク)氏が米国時間4月24日の第1四半期決算会見でアナリストらに語った。

「現在世に出ているどの商品よりも魅力あるものになる」とマスク氏は言った。

同氏は、それがどんな保険商品になるのか詳しくは語らなかったが、同社のオートパイロットシステムに重点を置くものになることは間違いない。オートパイロットは高度な運転支援システムであり、この分野の史上最も堅牢かつ最も議論のあるシステムだ。

そしてマスク氏は、Teslaはすでにオートパイロットの情報を保険会社に提供していることを付け加えた。その情報は保険料を安くすることを目的にしている。

「来月販売開始するわれわれの保険商品でも、その情報を保険料算出に組み込む予定だ」とマスク氏。

Teslaには「情報裁定の機会」があると同氏は言った。同社は走行データを入手することが可能であり、運転と自動車のリスク特性を直接知ることができる。Teslaの保険を購入したい顧客は、「常軌を逸した運転をしない」ことを約束する必要がある」とし、できない人も保険には入れるが保険料が高くなるだけだと付け加えた。

保険のスタートアップであるRootなどは、オートパイロット機能のついているTesla車のオーナーに割引料金を適用している。

Teslaは第1四半期に予測より悪い7.02億ドルの損失を計上した。これは1株あたり4.10ドルに相当し、予想を下回る配車台数や、車両のコストと価格の調整などが同社を黒字への道から遠ざけた。

損失には1.88億ドルの臨時支出が含まれている。一時損失を調整するとTeslaの損失は4.94億ドル、1株当り2.90ドルになり、前年同期の3.35ドルより少ない。Teslaは組織再編およびその他の経常外費用によって、さらに6700万ドルの支出があったことを報告した。

Teslaの第1四半期売上は45億ドル、2018年第4四半期は72億ドルだった。営業キャッシュフローから資本支出を除いた数字は9.2億ドルの損失となり、前四半期の9.10億ドルの利益から下落した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Teslaは独自開発の自律運転用新型チップを「世界最高」と誇示

TeslaのAutonomy Day(自律の日)イベントが始まり、同社の自律走行用ソフトウエアを走らせる新しいカスタムチップの詳細が発表された。Elon Muskはこれを「世界最高のチップ、客観的にね」と自慢げに呼んでいた。背伸びをしている感はあるが、完成したことは確かだ。

現在はFull Self-driving Computer(完全自律運転コンピューター、FSDC)と呼ばれているが、自律運転と安全確保を目的とした高性能な専用チップだ(製造はテキサスのサムスン)。競合他社のチップよりも性能が上回るのか、またどう優れているのかを判断するのは簡単ではない。もっと多くのデータが提示され、詳しい分析が行われるのを待ってからでなければ、なんとも言えない。

AppleのチップエンジニアだったPete Bannon氏は、FSCDの仕様を調べてこう話した。この数値は、ソフトウエアのエンジニアがこのプラットフォームで仕事をするためには重要だが、より高いレベルでさらに重要になるのは、自律運転特有の多岐にわたるタスクの要求を満たすことだと。

おそらく、自律走行車両に求められる機能のうち、ひとつ明確なものは冗長性だろう。FSCDでは、まったく同じ2つのシステムが、ひとつの基板の上に並んでいる。これにはすでに前例があものの、大きな決断だ。システムを2つに分ければ、当然のことながらパワーも半分になる。性能だけを重視するなら(たとえばサーバーなど)、決して行わないことだ。

しかし冗長性は、なんらかの原因でエラーが発生したりダメージを受けたときに効果を発揮する。異常のあるシステムは全体のシステムから切り離され、照合ソフトエアによって不良箇所を特定し通報できるからだ。その間も、正常なほうのチップは、専用の電源とストレージを使って異常とは関係なく動作する。もし、両方のシステムが故障するような何かが起きたときは、自律運転アーキテクチャーなど心配している場合ではないはずだ。

冗長性は自律走行車両にとっては自然な選択だが、それは、今日ニューラルネットワークで可能となった非常に高いレベルでの高速性と専門性によって、より好ましい選択になる。私たちが使っている普通のノートパソコンの汎用CPUは、グラフィック関連の計算が必要になるとGPUに教えを請うわけだが、ニューラルネットワーク用の特殊な演算ユニットは、GPUを超える。Bannon氏によると、計算の大部分は特別な数学的演算で、そこを支えることで性能は劇的に向上するという。

高速なメモリーとストレージを組み合わせれば、自律運転システムの最も複雑な処理を行う上でのボトルネックは大幅に低減できる。その結果として得られる性能は驚異的で、プレゼンテーションの間、TeslaのCEOであるイーロン・マスク氏が自慢げに何度も主張するほどだった。

「なぜ、今までチップ開発などやったことのないTeslaが、世界最高のチップを開発できたのか? しかしこれは厳然たる事実です。ほんのわずかな差で最高なのではなく、大きな差を付けての最高なのです」。

NVIDIAやMobileye、その他の自律運転関連のエンジニアからは、この出張にはさまざまな角度から異論が出るに違いないことを考慮すれば、話半分に聞いておくのがよいだろう。もしこれが世界最高のチップだったとしても、数カ月後にはこれを上回るものが出て来る。またそれとは別に、ハードウエアとは、そこで走るソフトウエアの性能以上の能力は発揮できないものだ(幸い、Teslaにはソフトウエア方面でも優秀な人材が揃っているが)。

ここで、OPSという専門用語をご存知ない方のために、簡単に解説しておこう。これは1秒間の演算回数を示す単位だ。現在は、10億とか1兆という桁で語られる。FLOPSもよく使われる言葉だ。こちらは1秒間に浮動小数演算が行える回数のこと。どちらも、科学演算を行うスーパーコンピューターの性能を語る上では欠かせない尺度だ。どちらかが低くてもう片方が高いということはなく、これらは直接比較することはできず、取り違えたりしないよう注意が必要だ。

【更新情報】まさにタイミングよくNVIDIAは、Teslaが示した資料の比較内容を「不正確」だと反論してきた。Teslaが比較対象としたXavierチップは、自動運転車のための機能を提供する軽量チップであり、完全自律運転のためのものではない。比較をするなら320-TOP Drive AGX Pegasusのほうがふさわしい。確かに、Pegasusは電力消費量が約4倍になるのだが。そのため、ワット数あたりの性能となれば、Teslaが、宣言どおり上回っていることになる(ウェブキャスト中にChrisが指摘してくれた)。

高速なコンピューター処理には、大量の電力が必要になる。トランスコーディングや動画編集をノートパソコンで行えば、45分で電池切れになるだろう。それが自動車で起きたら、かなり慌てる。当然のことだ。ただ嬉しいことに、高速化は別の効果ももたらしてくれる。効率化だ。

FSDCの消費電力は、およそ100ワット(1ユニットあたり50ワット)だ。携帯電話のチップほど低くはないが、デスクトップパソコンや高性能なノートパソコンのチップに比べれば低い方だ。たいていのシングルGPUよりも低い。自律運転車両用のチップの場合は、これよりも消費電力が高いものもあれば低いものもあるが、Teslaは、それらの競合チップとは違い、ワット数あたりの性能が高いと主張している。自律運転車両の開発は秘密裏に行われることが多いため、今すぐそれを詳しく検証することは、やはり難しい。しかし、Teslaのチップには少なくとも競争力があり、一部の重要な基準において競合他社製チップを大きく上回っていることは確かだ。

このチップには、二重化はされていないが(どこかでパスが合流している)、自律運転車両専用の機能があと2つある。CPUのロックステップとセキュリティーレイヤーだ。ロックステップとは、2つのチップのタイミングを正確に合わせて、まったく同じデータを同時に処理させるものだ。2つのチップの間で、または周囲のシステムとタイミングがずれてしまっては致命的な問題となる。自律走行車両の中のすべてのものは、遅延のない、非常に正確なタイミングに依存している。そのため、しっかりとしたロックステップ機能を組み込み、タイミングを監視させるのだ。

チップのセキュリティーセクションは、とくにハッキングの攻撃から身を守るための、命令とデータの暗号化を厳しく検査する。自律運転車両のすべての搭載システムがそうであるように、これも精密に作られ、いかなる理由があろうとも外部の干渉を受けないようになっている。人の命が掛かっているからだ。そこで、このセキュリティー・セクションは、たとえば歩行者がいるかのように車を騙す偽の視覚データなどの疑わしい入力データから、実際に歩行者を検知したたときも適切な警告を出さないよう改ざんされた出力データなど、入出力データを慎重に監視する。

Teslaがフル自動運転コンピューターを全新車に搭載、次世代チップも「完成半ば」

とりわけ驚いたのは、このまったく新しいカスタムチップが、Teslaの既存のチップと下位互換だということだ。そのまま置き換えることができて、コストもそれほどかからない。このシステム自体の原価がいくらなのか、消費者向けの価格はいくらなのか、正確なところは変動があるだろうが、「世界最高」のわりには、このチップは比較的安価だと言える。

その理由のひとつには、他社が採用している10nm以下のプロセスルールではなく14nmプロセスを採用している点が考えられる(いずれTeslaも微小化に進まざるを得ないだろうが)。省電力の観点からは、大きいよりも小さいほうがよく、すでに実証されたことだが、この世界では効率化が命だ。

マスク氏には申し訳ないが、より客観的な情報、本当に客観的な事実は、このチップと他社のチップをテストすれば判明することになる。それはともかく、わかったことは、Teslaはサボってなどいないこと、そして、このチップにはモデル3を公道に送り出す以上の力があるということだ。

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(翻訳:金井哲夫)

「ライダーに依存する自動運転車に未来はない」とイーロン・マスクが主張

米国時間4月22日にTesla(テスラ)が初めて行った株主のためのイベント「Autonomy Day」で、イーロン・マスクCEOは記者からの質問にも答えたが、時間がなくてライダー(lidar)に関する質問には十分に答えられなかった。以前から彼はこの技術関して声高に述べることが多かったが、その中でも今回はいちばん明快だった。

彼はこう言う。「ライダーは無駄な努力だ。ライダーに頼っている人たちに明日はない。将来性がないんだよ。高価なセンサーだし、そもそもあんなものは要らない。高価な盲腸がたくさんある人と同じだ。盲腸は1つでも要らない。それを、たくさん身につけているんだ。滑稽だよね」。

彼のこの話の前には「テスラが発表したばかりの自動運転ハードウェアはライダーからのデータも扱えるか」という質問があった。テスラの車は現在、自動運転機能のためにいくつかのデータソースを使っている。それらはレーダー、GPS、地図、超音波センサーなどだ。でもテスラの一部のコンペティターと違って、ライダーはない。以前マスク氏は「ライダーは自動運転車用の松葉杖だ」と言ったことがある。テスラにとってはカメラが未来への鍵であり、マスク氏もカメラならどんな悪天候にも十分対応できる、と構想している。

AIのシニアディレクターであるAndrej Karparthy氏もステージに立って、世界は視覚的認識のために作られていると言った。彼によると、ライダーはプラスチックの袋とゴム製のタイヤを簡単に見分けられず苦労する。自動運転車がレベル4からレベル5の自動化のレベルを達成するためには大規模なニューラルネットワークの訓練と視覚認識能力が必要だと彼は言う。

Karparthy氏はこう述べる。「それをやってないという意味でライダーは実はショートカットだ。基本的ないくつかの問題と、視覚認識という重要な問題を避けている。進歩の錯覚を与えるが、実は松葉杖だ。とても早くからデモを見せられるけどね!」。

自動運転技術にライダーを採用しているUberやWaymo、Cruiseらは、悪天候や低照度の環境では今のカメラよりもライダーの方が見通し性がいいと主張する。しかし、高いし、相当な電力を食う。そこで、テスラはカメラに固執する。

同社は4月22日、同社の自動運転車用コンピューターの今の世代の機種について詳しく紹介した。それはテスラの既存の車種すべてで使用できる。ソフトウェアが完成したら、テスラのすべての車種が既存のセンサーセットで自動運転できるだろう、と同社は言う。そしてそのセンサーセットにはライダーが含まれていない。その代わり、テスラ車が搭載するセンサーは、これまでにすべてのテスラ車が集めたデータで訓練されたニューラルネットワークに依存する。

マスク氏曰く「全員がいつでもネットワークを訓練している。オートパイロットがオンでもオフでも、ネットワークは訓練されている。hardware 2以上の車種を運転しているときは常時、ネットワークを訓練している」。

「データの中には怖いものもある」とその後の記者会見でマスク氏はぼそっと言ったが、でも、ライダーに依存するほど怖くはないと言いたいのだろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

テスラが2020年に自動運転のロボタクシー展開を計画

Tesla(テスラ)は、2020年に自動運転車によるライドシェアサービスネットワークを展開するという大きなビジョンの一環として、初のロボタクシーを投入する見込みだ。CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏が、同社開催の自動運転に関するイベントで明らかにした。

「来年、Teslaの自動運転ロボタクシーが走行するようになると自信を持っている。各地で規制の承認は得ないので、全エリアでの展開ではない」とマスク氏は語り、ここでいう規制が何のことなのかには言及しなかった。同氏はまた、Teslaが来年には当局の承認を得ることに自信を持っているとも付け加えた。

Teslaは、Tesla車オーナーが適切な装置を取り付けたマイカーをTeslaのライドシェアアプリに加えることができるようにする予定だ。このビジネスモデルはUberAirbnbのものと似ている。そしてTeslaはそうしたライドシェアによる売上の25〜30%をとるとマスク氏は語った。車をシェアする人が十分にいないところではTeslaが専用のロボタクシー車両を展開するかもしれない。

マスク氏はTeslaネットワークと、Tesla車オーナーが自分の車両を配車アプリで稼働させることができるようにすることについて2016年から言及していた。

新しいTesla車両はすべてカスタムの完全自動運転コンピューターチップが搭載される、とマスク氏は4月22日のイベントで詳細を語った。マスク氏によると、このチップは完全自動運転のためのハードウェア必須要件を満たすもので世界最高のものだと豪語(Tesla車両は前向きレーダーやカメラなど、センサーの一式を備えている)。ライダーや光感知、測量レーダー、そしてほとんどのAV開発業者が必須と言っているセンサーも搭載していない。しかし同氏は、それらは無駄でいずれなくなる運命にあると主張している。

残りのステップはソフトウェアだ。これはマスク氏いわく、来年の半ばまでに機能は完成し、誰も注意を払う必要がないというレベルに達するとのことだ。

「我々の考えでは、1年後、いやおそらく1年3カ月後、来年には確実に100万台超のロボタクシーが走っている」とマスク氏は語った。「車両はソフトウェアのアップデートで対応可能になる。それで準備完了だ」。

同氏はまた幾度となく、完全自動運転とロボタクシー車両は当局の承認を要すると述べた。しかしながら彼は、どのような種の当局の承認が必要なのかは説明しなかった。連邦政府には自動運転車両を規制する法律はない。任意のガイドラインがあるだけだ。例えばハンドルやペダルをなくすなど車両がハードウェア的に変更されなければ、連邦政府がどのようにTeslaを規制するのかは不明だ。

もしかするとマスク氏は、配車ネットワークを規制する地方自治体や州の法律のことを言っているのかもしれない。繰り返しになるが詳細は不明で、もしTeslaが新たな情報を出したらアップデートする。

Teslaロボタクシーの充電は、展開準備を進めるにあたって同社が直面する数少ない課題の1つとなる。

マスク氏は、将来はロボタクシーが自分で家に帰り、自動で駐車・充電するようになると述べた。Teslaが2015年に発表したスネーク・チャージャーの生産バージョンにも少し言及し、似たようなバージョンがロボタクシーネットワークとともにマーケットに投入されることを明らかにうかがわせた。

イメージクレジット: Screenshot of Tesla presentation

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(翻訳:Mizoguchi)

テスラは役員数を2020年までに大幅に減らす

米証券取引委員会(SEC)が4月19日公開した書類によると、Tesla(テスラ)は2020年までに役員の数を3分の1ほど減らして7人とする。この削減には、CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏の初期アドバイザーや盟友の何人かが含まれる。

この書類は、Teslaにとって忙しくなりそうな週が始まる前に明らかにされた。4月22日には自動運転車両テクノロジーの進歩にフォーカスしたイベントが開かれ、4月24日には四半期決算発表、そしてマスク氏のTwitter使用による法廷侮辱をめぐってマスク氏とSECが問題解決に至ることができるかどうかが決まる判事によるヒアリングがある。

長らく役員を務めているBrad Buss氏と、独立取締役として2年前に役員会に加わったLinda Johnson Rice氏は今年、再任について模索しないようだ。2人の任期は次の株主総会で満了となる。役員会は委任の書類で2人の後任は置かないとしている。

Antonio Graciasの任期は2020年に切れ、そしてベンチャーキャピタリストSteve Jurvetson氏も2020年に役員会を去る見込みだ。

役員会に独立取締役を加え、Teslaとマスク氏のSECとの昨年の和解合意に従うというのが最新の役員会の動きだ。和解では、Teslaは独立取締役2名を役員会に加え、マスク氏が会長職を3年間離れることに同意していた。

昨年12月、Teslaは役員会に2人の独立取締役を加えた。Oracleの創業者で会長・CTOのLarry Ellison(ラリー・エリソン)氏と、Walgreensの取締役Kathleen Wilson-Thompson氏だ。

マスク氏の初期アドバイザーであるJurvetson氏は今月、休職から役員会に戻ったばかりだ。Jurvetson氏はDraper Fisher Jurvetsonでのパートナー職辞任に伴い2017年からTeslaとSpaceXを休職していた。

Jurvetson氏はアーリー・ステージベンチャー企業Future Venturesを立ち上げていて、2億ドルを調達したことを最近発表した。Ira Ehrenpreis氏とKathleen Wilson-Thompson氏は2019年の株主総会での再選候補となっている。

SECとの和解合意は、マスク氏が昨年8月に1株420ドルで会社を非公開とするための「資金は確保した」とツイートしたことに端を発した問題の結果だ。SECはマスク氏が嘘をついたと9月に連邦地方裁判所に告訴した。

マスク氏とTeslaは悪行を認めることなくSECと和解し、Teslaは罰金2000万ドルを払うことに同意した。マスク氏はTeslaの会長職を少なくとも3年間離れることに合意しなければならなかった。そしてTeslaはTwitterなどを含め、マスク氏の社会に向けた会社に関する発信をモニターする方策を講じることも求められた。

マスク氏とSECの関係は緊張状態のままだ。マスク氏は何度も公然とSECを馬鹿にするなど、折に触れてTwitterでSECをあからさまに批判してきた。和解合意に至った後ですらもだ。SECはマスク氏の2月のツイートが和解条件に違反したとして、マスク氏を法廷侮辱罪に問うよう裁判所に求めている。

イメージクレジット: Justin Sullivan

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(翻訳:Mizoguchi)

米国の電気自動車の新規登録台数は昨年の2倍となる20万8000台

IHS Markitの分析によれば、米国で電気自動車が占める割合は自動車市場全体から見ればまだ小さいものの、着実に増え始めているという。

IHSが米国時間4月15日に発表したところによると、2018年に米国では20万8000台の電気自動車が新規登録された。これは2017年の2倍以上にあたる。

電気自動車の成長は、ZEV(ゼロエミッション車)プログラムに署名しているカリフォルニア州などの10州に集中している。カリフォルニア州は最初にZEVプログラムの実施を開始した州で、州の規制により自動車メーカーは電気自動車と電気トラックを販売しなくてはならない。コネチカット州、メイン州、メリーランド州、マサチューセッツ州、ニュージャージー州、ニューヨーク州、オレゴン州、ロードアイランド州、バーモント州もZEVプログラムに署名している。

カリフォルニア州の2018年の電気自動車の新規登録は95,000台で、米国全体のほぼ46%にあたるとIHSは述べている。米国で登録されている電気自動車のうちカリフォルニア州が59%を占めている。

今後2年間で市場に登場する電気自動車はさらに増え、すでに購入しているオーナーも電気自動車を使い続けると考えられることから、登録台数も増えると予想される。

最近のIHS Markitの分析では、2020年には米国で35万台以上の電気自動車の新車が販売されると見られている。これは米国全体の2%にあたる。2025年までに販売台数は1100万台以上、シェア7%と予想されている。

Inside EVsの推計によると、今年これまでに米国で最も売れた電気自動車はテスラModel 3で、これにシボレー・ボルトEV、テスラModel X、テスラModel S、日産リーフが続く。キアのNiro EVやヒュンダイのKona EVなど、新しい電気自動車も市場に登場している、あるいは今後数カ月以内に登場する予定だ。スタートアップのRivianは2020年に生産を開始する見込みだ。

IHS Markitの自動車関連アナリストのDevin Lindsay氏は発表の中で「電気自動車の急速な普及は、今後10年間に予想される成長の始まりだ。テスラModel 3など比較的成功しているモデルは市場で成熟しているが、ほかの歴史の長い自動車メーカーはこれまでのように電気自動車を1モデルだけ出すのではなく、電気自動車のプラットフォームで複数のモデルを出すようになるだろう」と述べている。

IHSの分析では、2018年第4四半期中に市場に戻った新規の電気自動車オーナー全体のうちほぼ55%が電気自動車をもう1台取得(購入またはリース)していて、これは直前の四半期の42%よりも増えているという。

Image Credits:Tesla

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(翻訳:Kaori Koyama)

テスラが車載ディスプレイ用にAtariのゲームを追加

Tesla(テスラ)は、同社のダッシュボード・ディスプレイで同乗者がプレイできるゲームのラインアップに、2048およびAtari Super Breakoutを追加した。

同社は昨年8月のソフトウェアアップデートで、対応アプリ・サービス群にAtariのゲームを加えた。当初提供されたゲームは、Missle Command、Asteroids、Lunar Lander、およびCentipedeなどだった。

我々の予想に反して、ハンドルを入力装置としたPole Positionは提供されなかった。

新しいゲームの入ったアップデートは早ければ4月4日にTeslaオーナーのもとにやってくるが、全体に行き渡るには時間がかかるかもしれない。4万5000ドルの車でどうしても今すぐSuper Breakoutをプレイしたい中毒患者は、Wi-Fiと接続すればアップデートを早く入手できる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

テスラの第1四半期の納車台数は減少、海外出荷で問題多発

Tesla(テスラ)は今年の第1四半期に6万3000台の電気自動車を納車したことを米国時間4月3日遅くに発表した。前四半期より3分の1近く少ない。Teslaは、納車台数の予測未達および価格調整が、第1四半期の利益にマイナスの影響を与える可能性があることを警告した。

納車台数の内訳は、Model 3が5万900台、Model S、X、およびSUVが1万2100台。Teslaは、数々の苦難にも関わらず、「十分な現金を残して四半期を終えた」と語った。Teslaは、著しい数字の食い違いについて、Model 3のヨーロッパと中国での販売増加を理由に挙げた。当地での数多くの課題が遅れの原因となった。

「ヨーロッパ、中国への納車が著しく増加し、それまでのピークの5倍に達したことに加えて、初めて遭遇した問題が多かったために、四半期終了まであと10日の3月21日時点で、予定台数の半分しか納車できていなかった。このため多数の納車予定車両が第2四半期にずれこんだ。第1四半期末時点で、全世界で約1万600台の車両が輸送途中だった」とTeslaが報告書に書いた。

これらの数字は、Model SとModel Xの販売減少によってさらに圧力を受けたようだ。Model S/Xの納車台数は前四半期と比べて半分近くまで落ち込んだ。2018年4Qに、Teslaは9万966台の車両を納車した。そのうち2万7607台がModel SセダンとModel X SUVで、6万3359台がModel 3だった。同社が製造した台数も前期より少なかった。減少の理由はすべてModel SとXによるものだ。

2019年第1四半期、Teslaは計7万7100台の車両を製造し、Model 3が6万2950台、Model SおよびXが1万4150台だった。これは8万6555台(Model 3が6万1394台、Model S/Xが2万5161台)を製造した第4四半期より11%少ない。第1四半期にTeslaは、Model 3を第4四半期より1555台多く製造した。

それでもTeslaは、売上、特に販売期間の長い北米での売上は依然として好調であることを強調した。同社によると北米におけるModel 3の在庫は極めて少なく、第1四半期末時点での在庫は約2週間分で、業界平均は2~3カ月ぶんだ。Teslaは、2019年中に36~40万台の電気自動車を納車するという以前のガイダンスを再確認した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

イーロン・マスク氏がツイートを契約違反としたSECの訴えに反論

米国時間3月22日、Tesla(テスラ)のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、自身によるTwitterの利用は、証券取引委員会(SEC)との和解条件に違反していないと主張し、利用を禁止するという同委員会の要求は和解命令の「極端な解釈」に基づくものであると指摘した。マンハッタン連邦裁判所に提出された文書による。

SECは、今や悪名高きマスク氏の「資金は確保した」ツイートに関して昨年合意した和解契約に違反したとして、マスク氏を法廷侮辱罪に問うよう判事に要求した。同契約のもとでは、マスク氏は投資家にとって重要情報となりうる発言の前にはTesla取締役会の承認を得る必要がある。

同氏、自分は契約に違反しておらず、問題はSECの解釈にあると主張し、その解釈は「事実上あらゆるレベルで間違っている」と説明した。提出書類では、和解交渉に関する新たな詳細も明らかにされた。それによると、SECがMuskに送った契約書草案では、マスク氏がTeslaに関連する発言をいかなる形式で行う場合にも、すべて事前承認を得ることを要求していた。

マスク氏とTeslaはこれらの条項に合意したことはない。代わりに同氏によると、契約が要求しているのは、彼がTesla自身のポリシーを従うことであり、そこでは「会社または株主にとって重要な情報を含むあるいは含む可能性が合理的に予想される書面によるコミュニケーション」には事前の承認が必要であるとされている。

裁判所文書を通じて交わされている激しい応酬は、ビリオネア起業家とSECとの間で昨年8月に始まった戦いをエスカレートさせている。当時マスク氏は、自社株を1株あたり420ドルで買い取り非上場化するための「費用を獲得した」とツイートした。9月にSECは連邦地方裁判所に、意義を申し立て、同氏が嘘をついていると主張した。

昨年マスク氏とTeslaは、不正行為を認めることなくSECとの和解に合意した。Teslaは罰金2000万ドルを支払い、マスク氏は3年以上会長職から離れ、取締役会に独立取締役2名を加えることに同意せざるを得なかった。さらにTeslaは、同氏の会社に関する公開発言を監視することを義務付けられ、Twitterもそこに含まれていた。

しかし先月になって戦いが再燃した。2月19日にマスク氏がツイートを発信し、Teslaは今年「およそ」50万台の車を生産すると発言し、数時間後に「同社は年末まで年間換算50万台ののペースで生産する」という意味だったと訂正したためだった。

SECはそのツイートをマスク氏による契約違反であると主張した。同氏はこのツイートについて「重要ではなく」合意に沿っていると発言した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ハッカーがTeslaを乗っ取ってModel 3をゲット

2人のセキュリティ研究者が、年に一度の著名なハッキングコンテスト「Pwn2Own」を席巻し、Tesla Model 3を含む37万5000ドル(約4100万円)の賞金を手にした。このTesla車のインフォテインメントシステムが持つ脆弱性を、みごとに暴き出したことに対する報奨だ。

今年Teslaは、新しいModel 3セダンをPwn2Ownに供出した。自動車自体がこの競技に出されたのは初めてのこと。Pwn2Ownは、Trend MicroのZDI(Zero Day Initiative)によって運営されていて、今年で12年目となる。ZDIは、この企画に対して、これまで累計で400万ドル(約4億4000万円)以上の賞金を提供してきた。

この2人組のハッカー、Richard Zhu氏とAmat Cam氏は、チームFluoroacetate(フルオロアセテート)として知られている。ZDIによると、彼らは車に乗り込んで「集まった観客をワクワクさせた」。たった数分のセットアップ作業のあと、彼らは探索がうまくいったことをModel 3のウェブブラウザーに表示したのだ。

2人は、レンダラーのJITバグを利用してメッセージを表示した。そして、車そのものに加えて賞金も獲得した。わかりやすく言えば、JIT、つまりジャスト・イン・タイムのバグは、メモリ上のデータのランダム化をバイパスしてしまうもの。そのために、保護されるべき情報が露見してしまう。

Teslaは、このハッカーによって発見された脆弱性を修正するソフトウェアのアップデートをリリースすると、TechCrunchに語った。

「私たちが、Model 3を、この世界的に有名なPwn2Ownコンペに参加させたのは、セキュリティ研究コミュニティの中でも、最も優秀なメンバーに興味を持ってもらうためです。そして、このような特別なフィードバックが得られることを願っていました。今回のコンペでは、研究者は車載のウェブブラウザーに潜む脆弱性を指摘してくれました」と、Teslaは電子メールで伝えてきた。「私たちの車は、何層にもなったセキュリティ機能を備えています。それらは設計した通りに機能し、今回のハッキングのデモも、ブラウザーの表示だけに留めることに成功しました。その他の車の機能はすべて保護されていました。近日中に、今回の研究者の発見に対応するソフトウェアのアップデートをリリースするつもりです。今回のデモには、並はずれた努力と技術が必要だったことを理解しています。そして、彼ら研究者たちの仕事が、私たちの車が今日最も安全な乗り物であることを保証し続けるために役立っていることを、彼らに感謝します」。

Pwn2Ownの春の脆弱性研究コンペ、Pwn2Own Vancouverは、3月20日から22日まで開催された。今年は以下の5つのカテゴリに分かれていた。それらは、ウェブブラウザー、仮想化ソフトウェア、エンタープライズアプリケーション、サーバサイドソフトウェア、そして新たに追加された自動車だ。

今回Pwn2Ownは、AppleのSafari、MicrosoftのEdgeとWindows、VMwareのWorkstation、MozillaのFirefox、そしてTeslaなど、全部で19個の特徴的なバグに対して、総額54万5000ドル(約6000万円)を授与した。

Teslaは、ハッカーコミュニティとの協力関係を公にしている。その関係は、同社が2014年にバグに対する報奨金制度を開始してから続いている。それ以来、年々促進、強化されてきた。

昨年、同社は報酬の最大支払額を、1万ドル(約110万円)から1万5000ドル(約165万円)に引き上げ、同社のエネルギー関連製品も、その対象に追加した。今では、Teslaの車両、同社が直接ホストしているすべてのサーバー、サービス、そしてアプリケーションが、その報奨金制度によってカバーされている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

イーロン・マスクがイベントで履いていたナイキスニーカー限定販売、値段は16.7万円

つま先部分にTeslaのロゴが派手に入ったカスタムメイドのナイキスニーカーは、先週開かれたModel Yの披露イベントでElon Musk(イーロン・マスク)氏が履いていて、イベントの花形だった。

イベント中、そしてその後のTeslaフォーラムやソーシャルメディアでの反応は、このカスタムメイドのスニーカーをつくった会社にスポットライトを当てただけではない。そのスニーカーをもっと作るように駆り立てた。

Marco Sr.とMarco Jr. Acosta父子が経営するカリフォルニア・ハブラ拠点のDM Custom Sneakersはマスク氏が履いていたものとまったく同じスニーカーを6足限定で作る。この限定バージョンの値段は1500ドルで、Acosta Jr.氏がTechCrunchに語ったところによると、限定スニーカーにはナンバーが刻まれ、アクリル製の箱に入ってくる。

マスク氏が履いたオリジナルスニーカーはマスク氏の「近しい友人」でTesla出資者が委託してきたとAcosta Jr.氏は語った。

スニーカーとTeslaの熱烈なファンにとって残念なニュースがある。この限定スニーカーはすでに完売だ。これまでにAcostaの元には数百件もの問い合わせがあったという。

しかし落ち込まないでほしい。DM Custom SneakersはTeslaロゴ入りのスニーカーをさらに作る計画だ。次に販売するぶんはオリジナルと同じ素材で作られるので価格は同じだが限定版とはならない、とAcosta氏は語っている。興味のある人は、同社のInstagramアカウントか、ウェブサイト(https://www.dmcustomsneakers.com/)にある電子メールで問い合わせることができる。

このスニーカーの人気ぶりは、マスク氏とTeslaが絶え間なく逆風や論争に直面しているにもかかわらず魅力的な存在であることを表す最新の例となっている。

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(翻訳:Mizoguchi)

イーロン・マスク弁護団「テスラの生産速度に関するツイートは法廷侮辱ではない」

Elon Musk(イーロン・マスク)氏の弁護団は、マスク氏がTesla(テスラ)の生産速度を公表したツイートは法廷侮辱であるとする証券取引委員会(SEC)の要求に対して、締切直前の米国時間3月11日の夜遅くに回答した。ニューヨーク市マンハッタンの連邦裁判所に提出された書類でマスク氏の弁護団は、先月投稿したツイートはマスク氏がSECと結んだ契約条項に違反していないと言った。

「マスク氏が発信した取るに足らない1回のツイートは、裁判所命令にもTeslaの『上級幹部情報管理ポリシー』にも沿っており、これについて民事的裁判所侮辱罪を要求する証券取引委員会の主張は、事実に照らしても法的にも正しくない」と提出書類にかかれている。同ポリシーは、マスク氏がTeslaの重要情報を含む可能性のある会話に関する事前承認されたポリシーに従うことを要求する裁判所命令に言及している。

問題のツイートは2月20日にマスク氏が投稿し、Teslaが今年中に約50万台の車を生産すると書かかれていた。その後マスク氏は同じスレッドの第2のツイートで、2019年末時点の年間出荷台数は推定約50万台、週に1万台だが、納車できるのは約40万台であることをはっきりさせた。

同氏の弁護団は、マスク氏はポリシーを守っており、彼が「事前承認が必要な情報が含まれているかどうかを決定する最初の事例であり、彼が自身で妥当な判断を下す」ことは許されていたと書いた。しかしその後Teslaの情報開示法律顧問と相談した結果、内容を明確にしたツイートを発信した。弁護団はこれを、SECとの和解条項を守ろうとする「彼の努力を示すもの」であると主張し、Teslaの2019年の生産予想と生産速度は、すでに「複数の文書で公に議論され、決算会見でも詳しく説明された」話題であることを付け加えた。

マスク氏は昨年8月、自社を非公開企業にするための資金を確保したとツイートしてSECの規則に抵触した。SECは、同氏とTesla取締役会が当初の和解案を拒否したあと、証券取引法違反の疑いを申し立てた。 10月に成立した和解の結果、マスク氏はTeslaのCEOに留まることは許されたが、取締役会会長の職は降りなくてはならなかった。さらにSECは、同氏とTeslaにそれぞれ2000万ドルの罰金を課し、Teslaがマスク氏のツイートに関する情報公開の管理と手続きを実行するよう要求した。

今日の裁判所への申立でマスク氏の弁護団は、10月の和解直前にツイートでSECを“the Shortseller Enrichment Commission”[空売り強化委員会]と呼んだ同氏は、それ以来和解条項を注意深く守り、「ツイート全般、特にTeslaに関するツイートの数を劇的に減らした」と書いた。

弁護団は「この自主規制は、裁判所命令に従いSECとの無用な争いを避けようという彼の決意の現れである」とも書いた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

テスラが15億円相当の株式を発行しトレーラー購入、配車能力強化のため

Tesla(テスラ)は1300万ドル(約14.5億円)以上の株式を使って、自社の電動自動車を顧客に届けるトラックとトレーラーを入手しようとしている。同社が物流、配送サービスを改善するための最新の取組みだ。

テスラは現金で払う代わりに、1380万ドル(約15.6億円)ぶんの株式を発行したと、米国時間3月11日に公開された有価証券報告書に書かれている。Teslaは4万9967株を1株あたり最大277.05ドルで、2月12日にCentral Valley Auto Transportからトレーラーを購入するために使用した。

カリフォルニア拠点のCentral Valley Auto Transportは自動車運搬の専門会社。有価証券報告書内のTeslaの声明は以下の通り。

車両運搬能力を増やし、車両運搬時間を減らし、計画通りの配車日時を守るための物流戦略の一環として、Teslaは自動車輸送会社Central Valley Auto Transport, Inc.から車両運搬トラックおよびトレーラーを購入するために、Teslaの普通株を発行することに同意した。〈略〉

昨年11月、テスラのElon Musk (イーロン・マスク)CEOは、同社が「トラック輸送能力を手に入れた」ことをツイートした。これは12月31日以降に連邦税額控除が減額される前に同社のTesla Model 3の納車能力を強化するための行動だった。マスク氏も会社も詳細ば明らかにしていない。同社は買収に関する規制当局への申請資料を公開したことは未だかつてない。

マスク氏は後にTeslaがトラック会社を複数買収したほか、「前四半期のトラック不足の失敗を避ける」ために主要運送会社と契約を結んだとツイートした。

今回のCentral Valley Auto Transportからの購入が、昨年テスラが行った買収を反映しているのか、それとも追加の輸送能力なのかは明らかではない。ただテスラの第4四半期の株主宛てレターに、同社が「納車能力向上のために、今後も自動車輸送トラック能力を買い続ける」と書いていた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook