Google、GoPro 16台を使ったJump VRビデオカメラシステムのテスターを世界から募集中

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GoogleはJump仮想現実ビデオカメラ・システムのテスターを募集中だ。こちらにテストへの参加申込みフォームが公開されているので、興味ある向きは必要事項を入力して申し込んでみるとよい。

Googleは「この夏、選ばれたクリエーターにJumpシステムを体験してもらうチャンスを提供したい」としている。Jumpは16台のGoProカメラを円形に並べたシステムで、全周を動画撮影できる。 申込みフォームには簡単な経歴とJumpシステムを使ってどのようなVRプロジェクトを考えているのかを記入する。ここで提案するプロジェクトのアイディアが当落のカギになるようだ。

実際、Googleは「選考にあたってすばらしいアイディアは上位にランクされる」と述べている。アートプロジェクトに補助金を申し込むようなものだと思えばよいだろう。ただし、VRビデオのパイオニアになりたがっているYouTubeアーティストの数は膨大だから競争は激しいものと覚悟しておくほうがよい。

こちらはGoogleが今年のI/OカンファレンスでJump VRシステムを発表したときの記事だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

3Dファイルの共有プラットフォームSketchfabが、シリーズAでFirstMarkらから700万ドルを調達

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3Dファイルのオンライン共有プラットフォームSketchfabは、本日FirstMark Capitalが牽引したシリーズAラウンドで700万ドルを調達したことを発表した。以前からの投資家であるTechStars、Balderton、PartechとBorealisも今回の投資ラウンドに参加している。

Sketchfabの中核事業は、共有可能な形式の3Dファイルを作成したり、他のユーザーの作品を眺めたり、あるいは特定の物を探して購入もできる3Dファイルのためのマーケットプレイスを運営することだ。

3Dファイルをウェブからアクセスして共有できることで、Sketchfabはデザイナーやクリエイターが、3Dファイルを眺めたり、掲載したりする場として確立してきた。サイトには30万点以上のファイルが掲載されていると同社は伝えている。

Sketchfabはクリエイターに対し、プレミアムツールを提供することで利益を得ている。多くの基本的なツールは誰でも無料で使用することができるが、追加機能を使用するには料金が発生する。将来的には、Sketchfabはサイト内で行われる取引決済の一部を得ることで収入にしたい考えだ。また、収入を得る3つ目の方法として、ウェブサイト上での優先的な特集や広告コンテンツを表示することを検討している。

今回の資金調達により、Sketchfabは仮想現実と拡張現実の両方の世界に更なる投資を行う考えだ。

SketchfabのファウンダーでCEOのAlban Denoyelは以下のように話していた。

ここ数年、WebGLはブラウザでの3Dグラフィックの表示のスタンダードになりました。全てのデスクトップやモバイルブラウザに対応しています。そして次に来るのが、WebVRです。VRとARのSDKにおいて、強力なコミュニケーションツールとなるでしょう。

Sketchfabは現在Chromiumを活用し、Oculus、GearVR、Cardboardといった主要なVRヘッドセットのほとんどに対応した体験を提供している。

Microsoft Hololens
by Sketchfab
on Sketchfab

Sketchfabは以前、シードラウンドで200万ドルを調達した。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

ソニーのE3 2015のPlayStationプレスイベントのビデオ中継はこちら〔日本時間午前10時から〕

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ロサンゼルスで開催中のE3 2015カンファレンスでSonyが今晩午後6時〔日本時間本日午前10時〕からプレスイベントを開催する。ゲームについての発表はもちろんだが、注目のPlayStation向けVR(拡張現実)ヘッドセット、プロジェクト・モーフィアスの出荷スケジュールや価格についても新情報が出るのではないかと期待されている。

PlayStationは最近、ゲーム専用機のトップシェアを奪回したが、今日はMicrosoftもE3のキーノート講演をしている。両社の今日の発表の結果が今年後半のゲーム機バトルの流れに大きく影響しそうだ。

上にエンベッドしたビデオはまだ放映を始めていない。ブックマークしておいて時間になったら戻ってきてご覧いただきたい。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

新しいOculus Riftとタッチコントローラーを近くで見てきた

本日(米国時間6/11)本誌は、ついに公開されたOculus Riftの消費者向けVRヘッドセットを間近で見る機会を得た。さらに、仮想環境とのやりとりをずっと簡単にする、Oculus自身の設計による独自の入力装置、Oculusタッチコントローラーも初めて見ることができた。

報道陣は新ハードウェアを使うことはおろか触れることさえできなかったが、ぎりぎりまで近づいて、同社がこの最終デザインに何を盛り込んだのかを詳しく見てきた。外観に派手さはなく、これはデベロッパーモデルを購入したりKickstarterで支援した熱狂的ファン以外に向けて販売することを意識したものだろう。

Oculusはイベントの中で、布地で覆われた外観、手にも頭にも軽く感じられる本体、ヘッドセットおよびコントローラーのエルゴノミクス的配慮等、より大衆向けにデザインされたと見られるハードウェア要素を強調した。装着の方法でさえ、誰でも知っている野球帽の被ぶり方を模倣した取っつきやすいデザインになっている。

上のビデオで、今日発表されたばかりのヘッドセットやコントローラーの詳しい解説をご覧あれ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Oculus、プレスイベントで製品版VRヘッドセットをお披露目―XBox Oneのコントローラーを同梱

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これはデベロッパー・キットではない。今日(米国時間6/11)、Oculusはプレスイベントで製品版のRiftバーチャルリアリティー・ヘッドセットをお披露目した。製品版はXbox Oneのワイヤレス・コントローラーが付属して出荷される。またヘッドセットのLEDを撮影してユーザーの顔の向きを検知する小型カメラも同梱される。

Microsoftとの提携により、RiftはWindows 10でネーティブに作動し、Xbox Oneのゲームをプレイできるという。

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Rift製品版

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Oculus Rift製品版には本体、コントローラー、カメラが同梱

TechCrunchではイベントの模様をライブブログで中継した。

Riftは軽くて片手で楽に保持できる。本体は滑りにくいよう黒い布地で覆われている。フレームにはOLEDスクリーンが組み込まれており、顔に当たる部分は簡単に交換可能だ。ヘッドフォン部分も脱着式になっている。接眼レンズの距離はスライド式で調節できる。

来週ロサンゼルスで開催されるE3 2015カンファレンスでRiftが体験できる。またOculusが今回発表したOculus Touchというハンドヘルドでハプティック・フィードバックを採用したモーショントラック・コントローラー(プロトタイプ)も出展される。

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片手で楽に持てる軽さ。安全性を増すために布地で覆われている。

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ヘッドフォンは脱着可能

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ヘッドセットのLEDマーカーを撮影して顔の動きをトラッキングするカメラが同梱

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Riftは普通のメガネをかけたまま装着できる

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Xboxコントローラーが同梱されるので複雑なゲームにも対応

OculusのCEO、Brendan Iribeはイベントの冒頭で「われわれはゲームとエンタテインメントの体験に革命を起こそうとしてきた。そしてついにバーチャルリアリティーという夢の現実化に向けて製品を出荷できる段階に来た」と宣言した。Iribeは「2Dスクリーンはわれわれが真のデジタル体験をすることを妨げてきた。しかしOculusはその障害を取り除き、あらゆる内容をあらゆる場所で体験することを可能にする」と述べた。

今回のイベントで最大のニュースはXbox Oneのコントローラーが同梱されるという点だろう。これまでOculusは自身でコントローラーをサポートしていなかったのでデベロッパーはサードパーティー製品を使うか、受動的に周囲を見回すか、あるいはSamsung Gear VRのように小さなトラックパッドを使うなどするしかなかった。

このコントローラーが付属すれば、ユーザーは箱を開けると同時にEVE Valkyrieのような一人称シューティング・ゲームがプレイできる。Oculusは多くのゲーム・デベロッパーと協力しており、EVEのCCPゲーム、Gunfireゲーム、Insomniacを始めキラータイトルを早期にRiftに導入できる見込みだ。

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Oculusはまた中小のデベロッパーがRiftゲームを開発することを援助している。Oculus Shareアプリ・ストアも強化される予定だ。この一環としてOculusはインディーのデベロッパー向けに1000万ドルの補助金を用意したという。

Oculusの共同ファウンダーでプロダクト担当副社長のNate Mitchellは「近くOculus Homeをアップグレードする」と述べた。このサイトはユーザーがヘッドセットを装着すると最初に表示されるポータルだ。ユーザーはRiftのいろいろな機能を学んだり、ゲームを購入する前にプレビューしたりできる。また友達が何をプレイしているか知ることができる。

現在プロトタイプが開発されているOculus Touchはアイテムを掴んだり、拾い上げたり、銃の狙いをつけて発射したりするなど真のVR体験を可能にする。

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Riftは 今年末に予約受付を開始し、2016年第1四半期に出荷される。OculusがKickstarterで最初のデベロッパーキットを出資を募ったのが3年前だった。Facebookの買収からは1年だ。OculusはSamsungと協力してGalaxyをスクリーンとプロセッサーに使う簡易版を開発したが、今回はいよいよ本物の製品版の登場sだ。

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しかしライバルも急速に力をつけてきている。HTCのVive、Avegant Glyph、SonyのMorpheusなどのVRヘッドセットはいずれも今年中、あるいは来年の早い時期に出荷されそうだ。ゲーム、映画などのタイトルも多数が準備されており、ヘッドセットのシェア争いは激烈になりそうだ。

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VR専門のアクセラレーター、Rothenberg VenturesのRiverなども登場している。VRとその姉妹テクノロジーであるAR(オーグメンテッド・リアリティー)はエンタテインメント分野だけでなく、教育、セラピー、医療などの分野にも革命を起こすだろうと期待されている。

E3カンファレンスでOculusはさらに新しい発表を行うもんとみられる。ともあれ、来年われわれは下の写真のような光景をたびたび目にすることになりそうだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

HTCのVRヘッドセットViveのデベロッパキットが発売…Oculusの独走を許さず

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仮想現実ヘッドセットの市場化ではHTCとValveがOculusを追っているが、今日(米国時間6/5)彼らはデベロッパ用ハードウェアを発売した。それは誰が見ても、最初のKickstarterキャンペーンのあとにやることとしては、Oculus VRよりもずっと進んでいる。

Valve/HTCのViveデベロッパキットにはViveヘッドセットとともに、二つのLighthouseベースステーションが入力のパッシブ部位としてあり、これとSteamのワイヤレスVRコントローラ二基がセットになって、プレーヤーの没入感が完成する。そのほかに、必要なケーブル類とインストラクションがあり、これらが一体となって、デベロッパにやる気を出させるつもりだ。今年の終わりごろに出る消費者製品の吉凶の運命は、彼らが握っているようなものだから。

この開発キットは、最初は数が限られている。Valveの指定では、大手の映画スタジオとトップクラスでAAAのビデオゲームデベロッパ、そして、これから初めてゲームを作るインディーのクリエイターたちが対象だ。上のツイートの画像でお分かりのように、すでに梱包を開けてみた人もいる。

本誌のJohn Biggsは今年の初めのMobile World CongressでViveを触(さわ)ってみて、結果に大満足していた。彼みたいに、このヘッドセットに感動した人は多い。ハイエンドのVR消費者製品が、どこかの独走でないことを願っている人たちにとって、それはとても良いニュースだ。

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Oculusが本格VRアニメ、Henryの予告編公開―主人公はかわいいハリネズミ

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Oculusは今年に入ってOculus Rift向けにオリジナルのコンテンツを製作すると発表して注目を集めたたが、第2作となる本格的なVRアニメ がOculus Story Studioで製作中であると発表された。監督はPixarでメリダとおそろしの森(Brave)モンスターズ・ユニバーシティ(Monsters University) でアニメーターを務めたRamiro Lopez Dauだ。

主人公のHenryは森に住むハリネズミで、アニメが始まると観客はHenryの家の中にいる。今日は Henryのお誕生日だが、Henryの棘を恐れて誰もお客が来ていない。ひとりぼっちのHenryは友達が欲しいと願う、というところからストーリーが始まる。.

この短編アニメのテーマは、製作者たちによれば、VRの特質をフルに利用して「誰もがハグしたくなるかわいい主人公」を造形することにあるという。スーパーヒーローものや叙事詩的に壮大なSFものとは一味ちがったVRならではの親密な体験を生み出すことが狙いだ。

Oculusは来年の製品リリースに向けて、メインストリームの消費者向に魅力をアピールする努力を続けていくことになるだろう。

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GoogleのVRアプリ‘Expeditions’は学校で行う野外研究を仮想化する…教材としてはビデオや映画より良いか?

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Googleの今のVRの取り組みは、さまざまな実世界の様相をVRで再現することによって、ユーザの世界を広げることに重点がある。野外研究を仮想化するアプリExpeditionsも、そのひとつだ。このアプリの目的は、児童生徒が、実際には行けないかもしれない場所をVRで踏査することにある。

Expeditionsは、旅のリーダーが使うソフトウェアと、児童生徒と教師用のヘッドセットやハードウェアから成るキットで提供され、それだけあれば仮想の旅ができる。

Googleがねらっている仮想現実は、入門用の安価でやさしいものだ。ヘッドセットは安い、または無料のCardboardで十分だし、ユーザがすでに持っているスマートフォンを使う。仰天するような生々しい光景は見られないとしても、旅をしている感覚は十分に味わえる。

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Expeditionsにはサンプルの仮想旅行(ないし仮想遠足)が含まれているので、教師はクラスで準備にそれほど時間をかけずに仮想ツアーを開始できる。もちろん、利用するにあたって面倒な、団体利用の許可申請も要らない〔本物の植物園などでは必要な場合がある〕。

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Appleが定評のある拡張現実スタートアップMetaioを買収していた

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Appleは遡ること2003年にローンチしたMetaioを買収していた。MetaioはVolkswagenのプロジェクトから派生した企業だ。Metaioのサイトには、新規のカスタマー受付は終了したと記され、Appleが正式に買収したという法的な文書も確認できた。この文書は、Metaioの株式がAppleに5月21と22日にかけて渡ったことを証明している。

TechCrunchがAppleに問い合わせた所、買収を認める時にいつも使われる文言が返信された。「Appleは小さいテクノロジー企業を随時買収しています。買収の目的や計画について公示することはありません」。

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Metaioは今月の初めに予定されていたサンフランシスコでのユーザーカンファレンスを中止したり、会社のTwitterアカウントを閉鎖したりと不審な動きを見せていた。また彼らは数日前にも会社のサイトに、新しいプロダクトの購入や新規のユーザー登録の受付を終了すると掲載していた。Eメールでのサポートは6月30日に終了する予定だ。

TechCrunchのシニアライターであるJosh Constineは、昨日、状況を調査するためにMetaioのサンフランシスコオフィスを訪れた。しかし、緊張した面持ちの従業員は口を開くことを拒み、目の前でドアを閉められたそうだ。

Notice on Metaio website that it's no longer accepting purchases.

Metaioのクライアントはサイトの閉鎖メッセージや同社からの説明がないことに「動揺している」という話をTechCrunchでは聞いていた。そして今日の発表があった。

Metaioは、シリコンバレーの一般的なベンチャーキャピタルから出資は受けていないが、Atlantic BridgeWestcottから資金調達を行っていた。

Metaioは定評のある会社だ。彼らが製作したツールを活用した、とても印象的なプロジェクトがいくつもある。例えば、フェラーリの購入を検討している人に対して、拡張現実を活用した車の説明ツアーがある。(車自体もかっこいいが、更に良く見える)

 

こちらのプロジェクトでは、ベルリンの旅行者がベルリンの壁があった頃の様子を見ることができる。特定の場所にスマートフォンやタブレットをかざすことで、歴史的な映像記録を見ることができる。

 

Metaioは、世界30カ国に1000人以上のカスタマーと15万人のユーザーの大きな開発者コミュニティーを抱えている。全員がMetaioの今後に注目している。

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今回の買収は、Appleの仮想現実と拡張現実への取り組みを加速することになるだろう。今年の初め、AppleはiPhoneと連動するVRヘッドセットの特許を取得した。昨日、9to5MacのMark Gurmanは、AppleはMapsアプリに拡張現実の機能を追加する予定だと伝えている。モバイル端末を街や建物にかざすと、どのような商店やビジネスがあるかや、レストランに向けるとメニューや今日のおすすめを確認できるというような機能だ。Metatioの技術は、これを実現するのに役立つだろう。

FacebookのMark Zuckerbergを始め、多くの人がモバイル端末の次にくるコンピューターが活用されるプラットフォームは仮想現実だと考えている。AppleはOS XとiOSで、デスクトップとモバイルプラットフォームでの大成功を収めることができた。Metaioの力添えで、次の波も捉えることができるかもしれない。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

Oculusが(このままではMS HoloLensに負けるので)VRに現実世界を重ねるSurreal Visionを買収

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Oculus VRがこのほど、 Surreal Vision買収して、後者の、仮想環境中に外部の現実世界の3D画像をリアルタイムで作り出す技術を、利用させていただくことになった。その仮想環境が遠隔地のVR像であれば、いわゆるテレプレゼンスの錯視も作り出すことができる。

Surreal Visionがシェアしている情報によると、それによってOculusはその技術の幅を、混成現実(mixed reality, 仮想現実と実現実のハイブリッド化)にまで広げることになる。MicrosoftのHoloLensではVRと目の前の実現実がデフォルトで混成されるが、Oculus Riftにはそれがなかっただけに、今回の買収はOculus VRにとって、その多様な商用実用化市場への展開にとって、きわめて重要だ。Surreal VisionのOculusにおける目標は、仮想環境中に外界を完全かつ継続的に捕捉して再構成することだ。しかも両者が、完全に一体化してユーザに区別がつかない形で。

このハイブリッド技術で作り出されるテレプレゼンスは、非常にスケールの大きいものも可能だ。自分が、快適なオフィスにいたまま、火星で行われる会議に出席することもできる。遠い外国にいる知人などを、ここに居ながらにして訪ねることもできるだろう。

Surreal Visionのファウンダは、リアルタイムの情景を再構築する技術でPhDを取った、辣腕の技術者たち三名だ。彼らはイギリスからワシントン州RedmondのOculus Researchにテレ通勤することになる。

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人間の目の動きでコントロールするVRヘッドセットFOVEがKickstarterで予約販売を開始

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目の動きでコントロールできる仮想現実(virtual reality, VR)ヘッドセットFOVEが、Kickstarterで予約販売を開始した。この東京のスタートアップは、昨年のTechCrunch Disrupt San Franciscoでファイナリストになり、今回Kickstarter上では締め切りまで44日を残す今日(米国時間5/20)、目標額25万ドルの2/3以上を達成している*。〔*: 日本時間5/21 12:00では21万ドルを突破。〕

FOVEという名前は網膜の中心を意味するfoveaに由来し、消費者製品としてのアイトラッキング(eye-tracking, 目を追う)VRヘッドセットはこれが世界初だ、と同社は主張している。

FOVEはfoveaを中心とするレンダリングを行うことにより、ユーザが今見ている方向の光景を高精細で描画する。協同ファウンダでCEOのYuka Kojima(Sonyエンタ出身)によると、高精細の描画を視界の中心部に限定して、レンダリングのための計算力を節約すると、スマートフォンなど、強力なPC以外のデバイスでも駆動できるようになる。

またゲームにおいては、プレーヤーがキャラクターとアイコンタクトをしたり、銃の照準を敵に合わせる、などのことができる。したがって、ゲームの没入性が増強される。

ゲームをFOVEに移植するためのSDKが来年リリースされるが、このヘッドセットの用途はゲーム以外にもっと広い。

たとえば、運動ニューロン疾患(ALSなど)の子どもが目でピアノを弾けるソフトウェアを、FOVEなら実装できる。同じく運動失調の人が、目でキーボードをタイプしたり、ゲームをプレイしたりもできるだろう。日本の研究者たちは、アスペルガー症候群や自閉症の人たちを支援するために、FOVEのアイトラッキング技術を利用することを、研究している。

 

このヘッドセットは、2016年5月の発売を予定している。Kojimaがこのスケジュールに確信を持っているのは、東芝とSamsungが“ハンズオンで”支援しているからだ。ディスプレイなどの主要部位は、彼らが作ってくれる。実動プロトタイプはすでに数種類あり、Kojimaによると、Kickstarterで集まったお金はアイトラッキング技術の磨き上げに投じる。とくに、両目の距離など、人の顔立ちの違いに合わせることが難題だ。また、使用している赤外線の安全対策にも取り組んでいる。製造は、そういうテストが完了してから開始される。

FOVEの昨年のDisruptでのプレゼンを、ここで見ることができる。

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視線追跡機能付きVRのFOVEがKickstarterキャンペーンを開始

FOVE」(フォーブ)はOculus VRのようなヘッドマウントディスプレイ(HMD)に視線追跡機能を付加したものを開発している日本発のスタートアップだ。今回のKickstarterキャンペーンに伴い FOVEについてアップデートしておこう。

fove FOVEは仮想現実(virtual reality, VR)の第3世代といわれている。第1世代はユーザーを受動的な仮想空間へと導いた。 第2世代はハンドセットとモーションセンサーを使ってユーザー側から仮想空間側への単方向の制御を可能にした。第3世代は視線追跡機能を使ってユーザー側と仮想空間側の双方向の制御が可能となった。従来のOculus Riftなどのヘッドマウントディスプレイで3次元空間内を見るとき、奥行きがわからないという問題があった。例えば、ヘッドマウントディスプレイで3次元ゲームをするときにマウスで位置をポインティングする場合、マウスは元来2次元平面上の位置をポインティングするためのデバイスなので3次元の奥行きを ポインティングするときには困るわけだ。手前の物体を選択するのか、奥の物体を選択するのかに困る。 FOVEは視線追跡機能でこれを可能にしたヘッドマウントディスプレイである。ロンドンのMicrosoft Ventures Londonアクセラレータープログラムに採択されたり、3次元ゲームや医療での利用について熱い視線を受けている。

fove3エンジェル投資家と東京大学の産学連携施設「Intellectual Backyard」からプロトタイプが作れる程度の数千万円の資金を調達して開発を進めていたが、今回5月19日から25万ドルの資金調達を目指して349ドルの予約販売価格にてKickstarterで募集を開始する。

 

小島由香CEO・共同創業者は「我々の視線追跡機能は非常に繊細なユーザーの視線を読み取ることが可能で、それを仮想空間でのユーザーの意図や感情としてうまく変換することができる。この追加認識により、仮想空間内のオブジェクトを制御するだけでなく、人間と仮想空間とのコネクションをよりリアルなものにすることができ、多くのオーディエンスに資する一つの継目のない体験に仕上げることができた」とコメントしている。

ロックラン・ウィルソンCTO・共同創業者は「我々は視線追跡機能、方向センシング、ヘッドポジショントラッキングを最先端のディスプレイに融合することができた。ゲームの他にも我々は学校や研究機関と連携し、アイプレイ(目によるピアノ演奏をする)プロジェクトで身体障害者でもピアノを弾くことを可能にした」とコメントしている。

fove2FOVEは2015年Q3に開発者向けキットを出荷する予定。 FOVEプラットフォームはUnity、 Unreal、 Cryengineとコンパチブルとなっている。開発者が既存のコンテンツに難なくFOVEエコシステムを導入でき、また安定したサポートを提供する。Kickstarterキャンペーンに伴い、 FOVEはVRコンテンツのホスティングサイト「Wear VR」とのパートナーシップも同時にアナウンスしている。 FOVEユーザーは、Wear VRのVR app storeにアクセスが可能となる。

日本発スタートアップであり、視線追跡機能をヘッドマウントディスプレイに付加した FOVEがOculus VRのつくり上げた市場にどこまで食い込めるか注目しよう。

Hiroki Takeuchi / POYNTER CEO Ph.D

Riftを動かすWindos PCの推奨仕様をOculusが発表、MacとLinuxは当分おあずけ

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Oculus Riftの消費者向けリリースは、まだ先のようだ。最近の同社の発表によると、予約受付開始が今年の後半、発売は来年の前半だ。しかし今日(米国時間5/15)同社は、Oculus Riftのヘッドセットを駆動するPCの推奨仕様を発表した。これを見ると、来年のためにどれぐらい貯金しておかなければならないか、分かるだろう。

その推奨仕様は相当にハイエンドだが、でもここに書かれているGPUなどは1年後には旧型機になっているだろうから、値下がりも期待できる。Oculusによると、Riftを最高に楽しむためには、少なくとも下記ぐらいの仕様がおすすめだ。ついでに、必須要件も併記されている:

推奨

  • NVIDIA GTX 970 / AMD 290と同等または以上
  • Intel i5-4590と同等または以上
  • 8GB+ RAM

必須

  • Windows 7 SP1以降
  • USB 3.0ポート×2
  • HDMI 1.3ビデオ出力、ダイレクトアウトプットアーキテクチャにより297MHzのクロックをサポート

ブログ記事でOculusのチーフアーキテクトAtman Binstockが、これらの推奨事項の背景を説明している。まず、二つの2160×1200ディスプレイを90Hzで同時に駆動するのだから、GPUのパフォーマンスがとても重要だ。1080pのフルHDビデオの再生に必要な能力の、ほぼ3倍のGPU性能である。従来のデスクトップモニタでは、少々のフレーム落ちがあっても平気だが、VRでコマ落ちがあると相当に不快だ。

この仕様を満たすハードウェアは、今のところデスクトップPCだけで、残念ながらノートブックはアウトだ。またMacやLinuxは、今同社がWindows向けのRiftソフトウェアに忙殺されているので、当分お預けだ。

Binstockによると、MacとLinuxにも対応したいが、今のところ明確なスケジュールはない、ということだ。

MacとLinuxのゲーマーにとっては残念だが、とりあえずRiftの商用化を完成させるだけでも同社にとって相当なプレッシャーだろうから、しょうがないね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Oculus Rift、いよいよ今年後半に予約開始、来年初めに市販―独自ゲームも開発中

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Oculus Riftはいよいよ消費者向けバージョンの出荷準備に入っている。だが消費者は製品を箱から取り出しただけではバーチャル・リアリティーの世界に入ることはできないようだ。

Oculusの共同ファウンダー、Nate Mitchellは現在ニューヨークで開催中のTechCrunch Disruptに登壇し、消費者向けOculus Riftが今年後半に予約受付を開始し、2016年の第1四半期に出荷される予定だと明かした。しかしOculusには「最新のコンピュータゲームをプレイできるパソコンが必要」だとMitchellは付け加えた。

Oculus Riftはモンスター級のゲームマシンが必要というわけではない。Mitchellは「クレージーなハイエンドマシンが必要なわけではない」という。今年のCESのプレスイベントのデモで用いられたマシンには市販価格600ドル程度のnVidia GTX 980グラフィックカードが用いられていた。

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価格についてMitchellは「われわれはできるだけ手の届きやすい価格にしたいと努力している」と語った。しかしハイエンドの体験を届ける製品であるため、昨年Oculusが開発に協力したSamsungのバーチャルリアリティーヘッドセット、Gear VRよりかなり高価になるのは避けられないようだ。

Mitchellは「われわれはVRを2つのカテゴリーで考えている。ハイエンドはRift、ローエンドははSamsung Gear VRのような製品だ」と述べた。Samsung Gear VRは200ドルで、これに表示用のスマートフォン(649ドルかそれ以上)を必要とする。

Riftの販売経路についてMitchellは小売店を重視しているとして次のように語った。「われわれはOculus.comで予約を受け付けることになるだろうが、販売チャンネルでは小売店舗が重要な役割を果たす。というのも、Riftの購入にあたっては店頭での試用が重要だからだ。着用してみなければ異次元の体験であることが実感できない。何千万という人々がRiftを購入するようになるためには実際に手に取って試すことができる店頭での販売が不可欠の要素になる」

Mitchellはそれ以上の具体的な話には踏み込まなかったが、司会のJosh Constine記者が「それではBest Buyのような量販店にRiftのトライアルコーナーが出現するのか?」と尋ねたとき満足気な笑みを浮かべたように思えた。.

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さいわいOculusでは消費者向けデモにも使えるようなクールなゲームをすでに開発しているという。Mitchellによれば、Oculusは密かに社内で独自ゲームを開発していた。 Oculusは小人数の開発チームよって 昨年デモが公開されたHero Boundを始め、いくつかのタイトルを開発している。また外部のデベロッパーとOculusが共同開発するゲーム、さらにはサードパーティーのデベロッパーがまったく独自にOculusプラットフォーム上で開発するゲームも順次登場するという。

しかしあまりに暴力的だったりユーザーに船酔いを起こさせるようなゲームが野放しになっては消費者を遠ざけてしまうだろう。

Mitchellによれば、少なくとも市販の当初は、Rift向けゲームの公開にOculusの審査、承認を必要とすることになるという。しかしOculusはエコシステムのオープンさを重視しており、サードパーティーがコントローラーなどの周辺機器を開発することを認めるという。

あとひと月に迫ったE3ゲーム・カンファレンスでOculusはさらに新しい発表とデモを行うはずだ。Oculusが長らくSFの世界の存在だった高品位のバーチャル・リアリティーを万人のものにする日が近づいている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

デバイスが自分の視覚を持って行動できる時代に向けてビジョンプロセッサのMovidiusが$40Mを調達

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GoogleのTangoタブレットが使っているビジョンプロセッサ(vision processor, 視野プロセッサ, 視界プロセッサ)を作っているMovidiusが、Summit Bridge Capital(Atlantic Bridge CapitalWestSummit Capitalの共同事業)が率いるラウンドにより4000万ドルを調達した。これは、ファブレス半導体企業への投資としては近年で最大である。

このラウンドに参加した新しい投資家はARCH Venture PartnersとSunny Optical Technology Group、そして初期の投資家Atlantic Bridge Capital、AIB Seed Capital Fund、Capital-E、DFJ EspritそしてRobert Bosch Venture Capitalも参加した。

シリコンバレーとアイルランドとルーマニアにオフィスのある同社は、新たな資金をR&D努力の強化と技術者の増員、および、同社製の高速コンピュータビジョンプロセッサをデベロッパたちが有効活用するための、ソフトウェアツールの改良に投じる予定だ。

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MovidiusのCEO Remi El-Ouazzaneによると、今後の数か月で同社の製品がいくつかの消費者製品の中に見られるようになる。その多くは、有名ブランドの製品だ。まだ具体的には明かさないが、彼によると、Movidiusはとても良いタイミングで消費者市場にやってきたと言える。彼が挙げるのは、ドローンやVR(仮想現実)への関心の増大だ。どちらも、同社の技術が完璧にフィットしている分野だ。たとえばドローンが自動で飛べるのは、自分のまわりを正確に見られて衝突などを避けられる場合に限る。正しいビジョン処理に基づく衝突回避は、もっとも高価なプロ級のドローンでさえ、精度の高い実装がまだできていないほど、難しい。

VR(とMicrosoftのHoloLensのようなAR)の分野では、Movidiusは位置と人間の目の動きを追跡する主役になる。VR体験が本当にリアルで没入的であるためには、レイテンシのない高速なビジョン処理が欠かせない。今、主なヘッドマウントディスプレイのメーカーは5社あるが、同社はそのうち3社と協働している。

El-Ouazzaneによると、今日のようなベンチャーキャピタルの投資活動が盛んな時代においてすら、半導体企業の資金調達はきわめて困難である。“資金調達のためのバーの高さがものすごく高い”、と彼は言う。しかもビジョンプロセッサには今、Intel、Nvidia、Qualcommなどの既存勢力が関心を示している。それでも、これまでに蓄えたIPとソフトウェアツールへの注力により、Movidiusが当分先頭を走るだろう、と彼は言う。“価格とパフォーマンスとパワーでMovidiusには勝てない、と彼らに納得させることが、われわれの責務だ”、と彼は語る。

おもしろいのは、Movidiusが最初から、車載用などの市場を放棄していることだ。これらの市場では製品を出すためのリード時間があまりにも長すぎて、小さなスタートアップではそれだけのキャッシュフローをまかなえないからだ。“うちは、最先端技術を必要としている高成長市場に向かう”、とEl-Ouzzaneは言う。

国別では、中国が今後の同社の重要な市場になるだろう、という。“われわれに合っている先端技術製品の一部に関しては、中国が先頭を走ることになる、と確信している”、と彼は言う。“たとえばドローンのトップメーカーDJIは中国企業だし、カメラモジュールの最大のメーカーも中国だ”。そこで同社が中国におけるプレゼンスを加速するためには、主導的投資家たちが中国に強いことが望ましい。今回のラウンドでは、WestSummitとAtlantic Bridgeがそれに相当する。

同社の今後のロードマップとしては、まずMovidiusのビジョンプロセッサの次世代機が近く登場する。El-Ouazzaneによると、“うちはこれから、高速コンピュータビジョンの黄金時代へ入っていく”。近未来の最先端製品の重要部分は、まわりに何があるかが分かって知的な行動のできる製品となる。消費者製品でも、学術あるいは産業用の製品でも。新たに大きな資金を獲得したMovidiusは、そのための視界・視野技術を先頭に立って開拓していきたい、という。それが彼の言う、“黄金時代”の意味だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

VRシューティングゲーム、EVE: Valkyrieは最新予告編ビデオも大迫力!

Oculus Riftのようなデバイスを実際に着用して体験してみなければ、バーチャル・リアリティー・ゲームがいかにクールか理解するのは不可能だ。しかしこの新しいEVE: Valkyrieの予告編ビデオを見ればそのすごさの一部は感じ取れるだろう。

なにしろうるさ型揃いのTechCrunchのライターがそろって絶賛しているほどだ。もしこのVRゲームが箱入りで売られるなら、箱の裏にはこういう宣伝文句が太字で印刷されることだろう。

“この予告編では文字通りに手に汗を握った”Matthew Panzarino, TechCrunch

“これがリリースされたらもう現実世界には戻りたくない”Darrell Etherington, TechCrunch

再生設定を最高の1080p、60fpsにしてフルスクリーンでご覧あれ。EVEはいわゆるMMPOG(多人数オンラインゲーム)の老舗だが、最新作のValkyrieは宇宙を舞台にしたVRの一人称ドッグファイトシューティングゲームとなっている。ターゲットはPC版Oculus RiftとSonyのPS4 Project Morpheusだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


YouTubeに360度ビデオをアップロードできる

今では誰もが、没入型のビデオ(immersive video)を作ったり鑑賞することができる。Googleは今日(米国時間3/13)、YouTubeに360度ビデオをアップロードできるようにした。これからは誰でも、BublcamやRicoh Thetaなどで撮ったビデオをYouTubeに載せられる。それを視るためには、YouTubeのAndroidアプリやChromeブラウザを使う(iPhone/iPadアプリももうすぐ)。今のところ、最良の鑑賞方法はCardboard(上図)のようなものを使うことだが、VRは今いろんなOEMがやる気まんまんだから、YouTubeの今回のアップデートがきっかけになって、そのうち360度ビデオはいろんなところで見られるようになるだろう。

360度ビデオをYouTubeにアップロードするためには、Pythonのスクリプトが必要、など、今のところかなり面倒だが、でもこのプロセスはいずれ自動化する、とYouTubeは言っている。それほど長く待つことは、なさそうだ。

これまでにも、コンサートをミュージシャンのいるステージ上で見るとか、事件の現場のどまんなかでニュースを見るなど、いろいろな没入型ビデオが作られていた。しかしそれがYouTubeでも見られるとなると、没入型ビデオが、作るのも見るのも一挙に大衆化し、万人のものになる。あとは、撮影機材がもっと安くなればいいね。しかしこれも、近未来のVRのメジャー化とともに、スマートフォン上に実装されていく課題だろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa


GoogleとおもちゃのMattelがパートナーして懐かしい立体写真眼鏡をデジタル化

玩具のMattel社の、あの懐かしいView-Masterは、子どもたちが大好きな立体写真眼鏡だった。それが今回は、GoogleのVR(仮想現実)デバイスCardboardを利用して、古い3D画像に新しい命を吹き込もうとしている。

昔のView-Masterは、見事な製品だった。映画の短いフィルム(“リール”)や、遠くの風景、あるいは自分のスナップ写真など、何でも見ることができた。これまでに、View-Master用のリールは15億本売れ、View-Master本体は1億以上売れたそうだ。

今度のニューバージョンのView-Masterは、ニューヨークで行われたWorld Toy Fairで発表されたばかりだが、GoogleとMattelの提携により、昔のように写真やリールではなく、Androidスマートフォンを挿入してその画面を見る。そのためのView-Masterアプリには、映像に関するオプションがたくさんある。“リール”も、デジタルコンテンツとしてアプリ内購入で買える。

さらにしかも、子どもたちが(または今の大人が子ども時代に)これまでコレクションしてきたフィジカルなリールも、見ることができる。そういう、昔のView-Masterのコレクターは世の中にとても多いはずだから、ニューバージョンがそれらにも対応しているのは賢明だ。

Google Cardboardというプラットホームにフィジカルなリールも加えることの意味について、MattelのDoug Wadleighは、“フィジカルは家族や子ども向けのサービス”、と言っている。

Wadleighによると、この製品はMattelの今後のVR路線の“始まりにすぎない”、という。今後のいろんなVR製品も、Googleとのパートナーシップが開発の基盤になるのか、彼はそれについては何も言わなかった。

“今は、この製品に全力を注ぎたい”、と彼は言う。“これはすばらしいパートナーシップだ。彼らの能力と弊社の能力はとても相性が良いし、テクノロジの利用の今後の方向性も、その相性の良さが強力なてこになる”、のだそうだ。

Google Cardboardで駆動される新しいView-Masterの発売は秋(Wadleighによれば10月)だ。USA Todayの記事は、お値段が29ドル99セント、と言っている。また、“体験版”のリールを3本セット14ドル99セントで買える。

 

取材協力: Anthony Ha

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


国連がSamsung Gear VRでシリア難民少女を撮った3D VRムービーを制作

シリア難民の少女が、突然目の前に現れる。とても狭い部屋の床に座って、家族の話をし、彼女が今生活している難民キャンプを案内する。彼女と一緒に仮設の学校の教室に座り、難民キャンプのぬかるんだ道を歩いている子どもたちを見る。キャンプのパン屋へ行くと、焼きたてのパンの匂いがするような錯覚にとらわれる。この強力で没入的でとても深い感動は、国連がSamsungの3DプラットホームGear VRを使って撮影した画期的なムービーから得られる。このプラットホームは、SamsungとOculusの共作だ。見る人の感情移入を強力にそそるこの新しいメディアは、今後いろんな形で使われていくだろう。

この Samsung Gear VRだけのためのムービーの制作を支えた人たちの中には、ファッションモデルのMari Malek(上図)やHarry PotterのスターEmma Watson、国連事務総長Ban Ki-moon、ノルウェーの首相Erna Solbergなど、今日のダヴォス会議(世界経済フォーラム)に出席した有名人も少なくない。

その3D VRムービー“Clouds Over Sidra”は、ヨルダンのZa’atariキャンプに住むSidra(シドラ)という名前の12歳の少女を撮っている。そこには、シリアの血なまぐさい内戦を逃れてきた84000人の難民が暮らしている。

これは国連が初めて制作した仮想現実によるムービーであり、その目的は難民のような弱い不安定な立場に置かれている人びとの苦境を世界中に知らしめるためのキャンペーンだ。このムービーは今日(米国時間1/23)、Milk VR USAのVRSEチャネルと、iTunesやGoogle Playの上のVRSEアプリケーションとしてリリースされた。Milk VRはGear VRのためのコンテンツデリバリシステムで、いわば‘VRのためのYouTube’だ。

このムービーは、Oculus RiftのようなVRヘッドセットで体験できる。あるいはVRSEアプリをスマートフォンと簡単なビューワ、たとえばGoogleのボール紙製のビューワで見てもよい。アプリをダウンロードしてスマートフォンで見ることもできるが、それには3Dの没入感はない。

国連のアドバイザGabo Aroraと映画制作者Chris MilkがVRSE.toolsを使って作ったこのムービーは、製作がSamantha Storr、これにUN Millennium CampaignとUNICEF Jordan、およびSamsungが協力している。

今現在、難民や亡命志願者や国内難民の総数は、第二次世界大戦以降で最多である。その半数以上が、子どもだ。

ムービーを見たあと、プロデューサーのSocrates Kakoulidesにインタビューした。

ぼく自身が感動で興奮している様子が、下のビデオでお分かりいただけると思う。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ダンボールとスマホでVR体験ができるハコスコ、パノラマ動画の共有サイトをオープン

ダンボール製の筐体にスマートフォンを差し込んでVRコンテンツを楽しめる「ハコスコ」。12月にANRIからの資金調達や博報堂との提携を報じたが、その記事内にもあったVR・パノラマ動画の共有サイト「ハコスコストア」を1月22日にオープンした。開発は、パノラマ動画システムを開発するカディンチェが協力している(カディンチェのパノラマ動画についてはこちらも参照して欲しい)。

ハコスコストアでは、最大500MBまでのVR・パノラマ動画を共有できる。視聴モードはハコスコなどVR用端末での閲覧に適した「Normal Virew」のほか、PCでの閲覧がしやすいように、パノラマ動画を展開して表示する「Flat View」など複数を備えている。もちろん誰でも動画のアップロードが可能。ただし、パノラマ動画に対応するカメラでの撮影は必須だ。自作したカメラで撮影した画像をソフトで加工して…ということもできるが、リコーのTHETA m15などを購入するのが一番手っ取り早いと思う。

ハコスコを使ったVRは、「たった1000円のダンボールキットとスマホだけでこんな体験ができるのか!」と僕も驚いたのだけれども、やっぱり課題となるのはコンテンツ。同社でも公式のコンテンツを用意したりしているが、正直なところ数が足りないと思っていた。

ハコスコでは、観光地やレジャー施設のプロモーション動画やイベントのプロモーション、ライブ会場の様子やその舞台裏、メモリアルイベントなどをストアにアップして欲しいとしている。