UCLAがゼロ・エミッション全電動の「手術器具消毒・修理車」を導入

自動車業界で電化されているのは消費者向け車両だけではない。商用車や特殊用途車両の中にもEVの有力候補がたくさんある。医療業界もそのひとつだ。モーターホームメーカーのWinnebago(ウィネベーゴ)が開発したUCLA(カリフォルニア大学バークレー校)の移動実験室もそのひとつだ。ゼロ・エミッション、全電動の車両がUCLAの2つのキャンパスを行き来して、医療スタッフのために手術器具を回収し消毒・修理を行う。

そもそもなぜ必要なのか?通常使用済みの手術器具は外部業者に委託して処理サービスを受けるが、専門の施設を利用するため年間コストは膨大になる。UCLAメディカルセンターの推計によると、Winnebago製のEV実験室を使うことによって、年間で最大75万ドル(約8100万円)を節約できるという。

この移動実験室は約8時間操業可能で、これには2カ所の病院キャンパスの往復時間も含まれている。一回の充電で85~125マイル(135~200km)の走行が可能。この車両は、通常の施設の実験室と「同レベルの性能、生産性、コンプライアンス」を実現しているとWinnebagoは表明している。

年間運用コストの節約以外にも、UCLAは実験車両の購入に補助金を受けている。ハイブリッド・ゼロエミッショントラック・バスバウチャーインセンティブ(HVIP)もそのひとつだ。そうしたプログラムは金銭的インセンティブを与えることで初期投入コストを減らして電気自動車の採用を促進する。こうして長期コストだけでなく初期費用も少なくてすむことから、医療などの分野がEVに目を向ける新たな理由になる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

毒針を持つアカエイにヒントを得た航空機が金星の大気を調べる

NASAの次の金星探査では、バッファロー大学(University of Buffalo、UB)が設計した、アカエイのように後尾に針のあるロボットが大気のサンプリングを行う。宇宙観測のための新しい革新的な設計コンセプトを追究しているNASAはその活動の一環として、ニューヨーク州立大学バッファロー校で航空宇宙機器の衝撃耐性を調べている研究所CRASH Lab(Crashworthinesss for Aerospace Structures and Hybrids laboratory)に、初期的な研究助成金を交付した。

そのアカエイの形をした宇宙船には、金星の上空の大気中の強風の中を飛べるための羽ばたく「翼」がある。UBによると、それによって飛行のコントロールが可能になり、効率的に飛行できる。その設計はBREEZEと呼ばれ、4日〜6日で金星を1周でき、2〜3日おきにその惑星の日照面にあるときには充電できる。

なお、金星は太陽のまわりを回る軌道が独特なため、その1日は地球の1年よりも長い。そこで探査用宇宙船は、他の自転周期の短い惑星の場合のように、推力を使って惑星の大気中に静止する設計にする必要がない(Wikipediaによると、金星の公転周期は224.7地球日、自転周期は243地球日)。

BREEZEが実際に金星の雲の中に出没するまでには、まだ長い時間がかかる。しかし、NASAから認められて補助金ももらったのだから大きな一歩前進だろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

SpaceXがFalcon 9ブースターの4回目の回収、フェアリングも再飛行と回収に成功

 SpaceXのStarlinkのミニ通信衛星衛星の大量打ち上げは計画どおり、60基を軌道に乗せることに成功した。今朝Falcon 9によって打ち上げられた60基は今年5月に打ち上げられた60基に続くものだ。前回までの打ち上げがテストだったのに対して、今回からは宇宙インターネット網を構成するStarlink衛星群の第一陣だ。

打ち上げは米国フロリダ州ケープカナベラルで実施され、Falcon 9の第1段ブースターは単なる「再」利用どころか、すでに3回打ち上げに用いられており、今回無事に地上回収に成功したことで4回目の宇宙飛行となった。これはSpaceX自身にとっても再利用回数の新記録だ。ブースターロケットについてSpaceXでは「最大10回の宇宙飛行に耐えるよう設計されている」と述べている。

今回SpaceXはペイロードを大気との摩擦から保護するフェアリングの回収にも成功した。これは大西洋を航行する回収専用船「Of Course I Still Love You」の船上に張り渡されたネットによってキャッチされた。SpaceXがファエリングの再飛行、再回収を試みたのはこれが最初だ(もちろん他の宇宙企業も試みていない)。前回のフェアリング回収は大型のFalcon Heavyによって中東上空をカバーする Arabsat-6Aを打ち上げた4月のミッションで実施された。 SaceXのCEOであるイーロン・マスク氏によれば、フェアリングの回収は1回ごと600万ドル(約6億5400億円)の節約となるという。

SpaceXでは当初からフェアリングの回収を図っていたが、最初の打ち上げでは海の状況やその他の理由で成功しなかった。

SpaceXは最終的に1万2000基程度の衛星によってStarlinkを構成する計画だ。この衛星コンステレーションは地球上のあらゆる場所でインターネットへのアクセスを可能にする。衛星群は軌道上を周回しながら次々に中継機能を別の衛星にスイッチしていく。これは地球の自転に同期する少数の大型静止衛星によって通信を行うのとはまったく異なるアプローチだ。赤道上空に静止する衛星によるカバー範囲は衛星の経度によって限定されるほか、高緯度地方では接続が困難になる。

今年、イーロン・マスク氏はStalinkを利用した最初のツイートを行っている。SpaceXでは今後6回の打ち上げによって米国とカナダのユーザーがStarlinkを利用できるにようにする計画だ。その後24回の打ち上げでサービスは全世界に拡大される。

【Japan編集部追記】打ち上げ、回収のライブビデオを含む記事はこちら

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

SpaceX Falcon 9の打ち上げライブビデオ、ブースターは4度目の宇宙飛行へ

米国時間11月11日の朝、SpaceXは米国フロリダ州ケープカナベラル宇宙基地からビッグな打ち上げを行う。 Falcon 9にはイーロン・マスク氏が推進する衛星通信網であるStarlinkを構成するミニ衛星60基が搭載されている。

今回のStarlink衛星は実験ではなく、実用衛星の第1陣だ。SpaceXではこの通信網を広く一般ユーザーに開放し、世界のどこにいても高速インターネット接続が得られるようにする計画だ。

SpaceXは過去に2回の打ち上げで合計62基のStarlink衛星を軌道に乗せている。2018年にカリフォルニアのバンデンハーグ空軍基地からスペイン政府の地球観測衛星のPazを打ち上げる際に、Starlink衛星も2基搭載した。その後、今年5月には地上の通信システムのテストのために60基を打ち上げた。このときは衛星を操縦して意図のとおりに大気圏に再突入させて廃棄する実験も目的だった。60基のうち57基は現在も軌道を周回中だ。

今回さらに60基を打ち上げるミッションでは通信能力の拡大を実証すると同時に、Starlink衛星のdemisability、つまり衛星の運用寿命が尽きたときにロケットを燃焼させて大気圏に再突入させ、軌道上に宇宙ゴミとなって残らないようにする能力が100%作動することを確認するのも大きな目的だ。Starlinkのように大量のミニ衛星で地球をカバーする通信システムの場合、この能力は実用化に向けての必須の機能だ。【略】

Starlink網建設の重要な第一歩となるペイロードに加えて、Fakcon 9自身もも重要なミッションが貸せられている。SpaceXではFalcon 9の1段目となるブースターの再利用に力を入れているが、今回利用されるブースターはすでに過去3回飛行している。さらにペイロードを大気との摩擦から保護するフェアリングは今年のFalcon HeavyのArabsat-6A打ち上げの際に用いられている。SpaceXではブースターを地上回収すると同時に、大西洋上の専用船によってファエリングの回収も図る。発射と回収の模様は上のライブ中継で見ることができる。

【Japan編集部追記】このビデオは録画となっており、打ち上げシーンは19時57分でエンジンスタート、21時18分でマックスQ(最大空気抵抗)、22時42分でブースター切り離し。ブースターのグリッドフィン展開、ペイロードのフェアリング切り離しなどが続く。28時24分でブースター着陸、4度目の飛行成功。再利用に関しては別記事に解説がある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Lyftが自動運転試験車にクライスラーのミニバンを追加、新試験施設も建設

ライドシェア事業を展開しているLyftは、今年も自動運転車の経験を積み重ねるべくテストの拡大を続けている。同社によると、6カ月前に比べて四半期単位のテスト走行距離は4倍に増え、全世界で約400人が自動運転技術を専門に開発している。

来年に向けて同社は、新しいタイプの自動運転試験車を車列に加える。Chrysler(クライスラー)のハイブリッド・ミニバンのPacificaだ。これはGoogleの関連会社であるWaymoが現在自動運転車(AV)のベースにしている車種でもある。Pacificaは大きなスライドドアと広くて快適な室内をもつ理想的な乗用車であり、ライドシェアリング用にも非常に適している。実際、Lyftはこの車の「サイズと機能性」および、LyftのAVチームが自動運転ライドシェアリング体験を「実験」する際にそうした特徴から得られる恩恵のためにこの車種を特に選んだと言っている。現在Lyftは、試験車を路上で走らせるための準備を進めている。

Lyftは今年5月にWaymoと提携し、アリゾナ州フェニックスで自動運転車のパイロットテストを行った。その時出会ったPacificaとの体験が今回の選択につながった可能性が高い。Waymoとの提携によってLyftは、自動運転車によるライドシェアリングの乗客の体験に関する多くの情報を得ることができた。WaymoのほかにLyftはAptivとも提携して、ラスベガスで自動運転車を展開している。

これまでFord Fusion(フォード・フュージョン)だけだった試験車にPacificaを追加したLyftは、現在同社の自動運転プログラムの中心地であるレベル5エンジニアリングセンターに加えて第2の施設を開設する。新たな試験施設はレベル5エンジニアリングセンターと同じくカリフォルニア州パロアルトに設置される。両者を近くに置くことで「実施できる試験の数を増やす」とLyftは言っている。新しい試験場には、交差点、信号、合流、横断歩道など公道に近い環境が作られ、リアル世界のさまざまな運転状況をシミュレーションする。現在Lyftはカリフォルニア州コンコルドにあるサードパーティー製の試験施設、GoMentum Stationを利用しているが、新しい施設はこれを置き換えるのではなく、補完することになる。

一方Lyftは、社員による自動運転サービスの利用拡大も続けている。2019年に同社の社員向け自動運転経路は3倍に増えており、今後も「急速に」カバー地域を増やしていくと語った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

MITの最新ロボ「ミニチーター」がはしゃいで転んでひっくり返ってサッカーで遊ぶ

MITのバイオミメティックス・ロボティクス(Biomimetics Robotics=生体模倣ロボット工学)部門は、グループデモのため、新しい「ミニチーター」ロボットの群れをキャンパスに連れ出した。これはロボット技術の最新の状況を確かめる、またとない機会となった。

MITの学生たちは、9匹の犬サイズのロボットの動作を連携させ、協調運動、宙返り、落ち葉に埋もれた状態からの飛び出し、はてはサッカーまで、いろいろな活動をさせている。

ミニチーターの重量は、わずか20ポンド(約9kg)しかない。そのデザインは、今年初めにMITの機械工学部のロボット開発者チームによって公表されていた。このミニチーターは、「チーター3」の縮小版となっている。チーター3は、ずっと大きく、かなりの製造コストがかかるロボットで、ミニチーターほどの敏捷性はなく、カスタマイズ性にも劣るものだった。

ミニチーターは、既製の部品によって組み立て可能なレゴのようなものを目指して設計された。耐久性と比較的低コストであることも重視されている。正しい向きではもちろん、上下逆さまになっても歩くことができる。中でも最も印象的な運動能力は、静止状態から完璧な後方宙返りができることだろう。また、最大時速5マイル(約8km/h)で走ることも可能だ。

このロボットに取り組む研究者は、5月に最初のバージョンをデモした後、チーターの群れを作るための開発に着手した。最近では、MITの他のチームに群れごと貸し出し、協力してさらなる研究に取り組んでいる。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

イーロン・マスクが火星での都市建設は20年かかるとの見方を語る

SpaceXのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏が、火星到達、そして都市として機能して人口を有することができる持続可能な基地の建設について、タイムラインや必要とするロケットなど詳細を語った。結局のところ、それはマスク氏と彼の宇宙開発会社にとって、人間を複数の惑星にまたがって存続できる生き物にしようとする長期的なビジョンだ。ツイッターでファンに返信する形で11月7日にマスク氏が投稿したタイムラインは、見方によってはかなり素晴らしく、あるいは野心的なものだ。

先週初めに米国カリフォルニアで開催された米空軍のピッチデーイベントで、マスク氏はコメントに対する質問に答えるかたちで「Starshipの定期打ち上げ1回あたりのコストをわずか200万ドル(約2億2000万円)ほどにするのは必然であり、最終目標は『火星における単独で持続可能な都市』を建設することだ」と述べた。マスク氏の予測によると、その都市を現実のものとするにはSpaceXはStarshipを1000基ほど建造して飛ばす必要がある。都市建設のためには貨物やインフラ、人を20年ほどかけて火星に運ぶことになる。地球と火星の距離を考えたとき、火星へのフライトは2年かかるというのが現実的だからだ。

マスク氏はまたStarshipについて、地球軌道での移動でどれくらいのペイロードに対応できるかなどの見通しについても言及した。Starshipのデザインはできる限り再利用できるようになっている。実際、マスク氏は1日あたり3回打ち上げられるのが理想だと述べている。これに基づくとStarship1基あたり年間1000回超のフライトとなる。つまり、すでに建造した最大100トンの物資を運ぶ能力があるFalconロケットと同じだけ(約100基)のStarshipを持てば、年間ベースでSpaceXは1000万トンを軌道に打ち上げられることになる。

そうした観点から「もし現在使用されているすべての貨物搭載可能なロケットを頭数に数えたらペイロードキャパシティの総計は年間500トンとなる」とマスク氏は指摘する。その半分を占めるSpaceXのFalconロケットシリーズを含めての話だ。

これはかなりのペイロードだ。実際のところ、これはおそらく当面の需要を超えるものだ。しかし「より混雑する宇宙や貨物輸送のための地上施設、月での燃料給油、火星行きのロケットが宇宙への旅ができる状態にある」という将来をマスク氏が心に描いているのも確かだろう。

もちろん、永住できる持続可能な都市を火星に建設するには、まずは有人飛行を成功させなければならない。それからもう1つ経なければならないステップがある。宇宙飛行士の月面着陸だ。NASAは2024年にそれを達成する目標を立てている。そしてSpaceXは早くて2022年に着陸に備えてStarshipを月に送りたい、と述べている。過去にマスク氏は有人火星ミッションを2024年にも実施したいと語っていたが、それは今日の状況から見ると願望ということになりそうだ(マスク氏のタイムラインのほとんどがそうだ)。

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(翻訳:Mizoguchi)

Xbox Eliteワイヤレスコントローラー2はマジ最高のゲームコントローラー

Microsoft(マイクロソフト)のオリジナルのXbox Eliteは、ゲーマーのレベルを1段階引き上げるほどのコントローラーだった。ボタンはカスタマイズできるし、ツマミ類も交換でき、感度も調整して、完璧に好みに合わせ込めるようになっていた。そこに新しいXbox Eliteワイヤレスコントローラー2が登場した。オリジナル同様の特徴を備えているが、さらにカスタマイズ性を高める新機能や機能強化が盛り込まれている。元々最高のゲームコントロラーだったものが、ハードウェア的にも進化して、さらに素晴らしいものになった。

USB-C

ここから始めるのも変かなという気もしないでもないが、新しいXbox Elite 2が充電と有線接続用にUSB-Cポートを装備したことは、かなり重要なポイント。身の回りのほとんどのガジェットが、すでにUSB-Cに移行しているからだ。Micro USBは、もういくらなんでも古臭い。ほとんどゲームコントロラーに充電するためだけに、そのケーブルを残してあるという人も多いだろう。

本機にはメッシュでカバーされたUSB-A − USB-Cケーブルが付属している。長さはは9フィート(約2.7m)あるので、ゲーム機からソファの位置まで十分に届くだろう。もちろん、スマホ、タブレット、MacBook、あるいは普通のUSB-Cタイプの充電器でも、ケーブルで接続すればElite 2に電源を供給できる。

USB-Cが重要な理由として、もう1つ大きなものがある。Apple(アップル)は最近、iPadシリーズで、Xbox用コントローラーとの互換性を実現した。そしてiPad ProもUSB-Cで充電する。つまり、iPad Proをポータブルゲームマシンとして使いたい人にとって、これは相性抜群のコントローラーと言える。持ち運ぶ場合も、充電器やケーブルなど、最小限の装備でiPadのゲーム環境を構築できる。

あらゆる部分が調整可能

Elite 2を選ぶ理由のうち最大のものは、驚くようなカスタマイズのオプションを用意していること。新機能として、サムスティックの抵抗感も調整できるようになっている。たとえば一人称のシューティングゲーム(FPS)をよくプレイする人にとっては、これは非常に有効だ。スティックの感度も調整できるので、感度と抵抗の適切なバランスを見つけて、正確な照準が実現できる。プロや上級レベルのゲーマーが、独自のプレイスタイルを最大限に発揮できるようになるはずだ。

ショルダートリガーのヘアトリガーロックは、さらに短くなっている。つまりストロークが浅くなり、ゲーム中にさらに高速に発射できるようになった。また場合によっては、最初から取り付けられているサムスティックを、付属する別のものに交換できる。また標準の多方向パッドを、やはり付属の十字キーに交換することも可能だ。

こうしたハードウェアのカスタマイズに加えて、Windows 10またはXbox Oneで動作するMicrosoft製のAccessoriesアプリを使えば、コントローラーに関するすべてを調整できる。「Shift」キーとして機能させるボタンを割り当てることで、さらに多くのカスタムなオプションを利用することも可能。複数のキーの組み合わせで、独自の入力を定義できるわけだ。納得できる設定が決まったら、1つのプロファイルとしてコントローラー内に保存できる。複数のプロファイルを保存して、コントローラーの前面にある物理的なボタンですばやく切り替えることも可能だ。

複数のゲームを渡り歩く、筋金入りのマルチプレイヤーでなくても、こうしたカスタマイズ機能は便利だ。私の場合、たとえばサムスティックによるクリックを、背面のパドルボタンに割り当てるプロファイルを作成して使っている。この設定では、多くのシングルプレイヤーゲームが、かなり快適にプレイできる。特に長時間遊ぶ場合には楽だ。

充電ドックと専用ケースが付属

Xbox Elite 2には、第1世代のものと同様、トラベルケースが付属している。そして、この部分にも進化が見られる。まず、取り外し可能な充電用のドックを備えている。これだけでも高品質のアクセサリーとして通用するもの。ドックによって、コントローラーをケース内に格納した状態でもパススルー充電が可能となる。USB-Cポート用のケースの開口部は、使わないときにはゴム製の蓋で密閉できるようになっている。

ケースには、充電ドックとコントローラー本体以外に、交換用のスティックや十字キー、使わないときに取り外したパドルなども収納できる。また、充電ケーブルやその他の細かなアクセサリーを入れられるメッシュポケットも備えている。外装は非常に耐久性の高そうなファブリックで包まれた硬質プラスチック製だ。バッグに入れても、コントローラー単体と比べて、それほど多くのスペースを必要とするようには感じられない。

このケースは、Xbox Elite 2の179.99ドル(日本では直販で税込1万9778円)という価格を正当化する上で、大いに役立っている。標準コントローラーにサードパーティのアクセサリを加えても、ここまでのプレミアム感を出すのは難しい。

結論

Microsoftは、Xbox Eliteワイヤレスコントローラーの後継機の開発に存分の時間をかけた。ぱっと見には、それほど大きな違いはないように思えるかもしれない。しかし実際には、多くの点でかなり大きく進化している。コントローラー本体の見た目だけでなく、感触も洗練された。ボタン、パッド、スティックの応答も申し分ない。コントローラー本体のグリップ部分には浅いテクスチャー処理が施されていて持ちやすい。

  1. Xbox-Elite-Wireless-Controller-Series-2-05

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  4. Xbox-Elite-Wireless-Controller-Series-2-10

USB-Cの採用と、カスタマイズ性の向上は、すでにオリジナルのEliteコントローラーを持っている人でも、買い替えたくなる理由として十分だろう。そしてEliteを買おうかどうしようかと迷っている人には、標準のXbox Oneコントローラーからアップグレードする価値が十分にあることは間違いない、とだけ言っておこう。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

北極圏での100Mbps衛星ブロードバンド接続に世界初成功

小型衛星のスタートアップであるKeplerは、これまで衛星によるブロードバンド接続としては誰も成し得なかったことに成功した。北極圏での高帯域幅接続だ。Keplerのナノ衛星は、ドイツの砕氷船に対して100Mbps超のネットワーク接続速度を達成するデモに成功した。この砕氷船は、MOSAiCの研究遠征の移動研究室として機能している。

画像クレジット:Stephan Hendricks

Keplerによれば、北極圏中央部の地上で高帯域幅の衛星ネットワークが利用できるようになったのは今回が初めてだという。また今回の接続は、単なる技術的なデモではなく、実際にMOSAiCチームの研究者が利用している。同チームには、数百人のメンバーがいて、船と陸地にある基地との間でデータをやり取りしている。この高速接続によって、チームが収集する大量のデータの処理に関して、あらゆる面が改善される。

バルクデータ転送は、北極や南極における科学探査にとって長年の課題だった。そうした場所では、地上波による高帯域ネットワークを利用するのは現実的ではなく、従来の衛星ベースのネットワークでは極地に対して、そのような速度での接続を実現することができなかった。Keplerは、極軌道上にある2機の低高度地球周回衛星を使って極地に対して独自のサービスを提供している。つまり、気候変動の影響について現場で研究する科学者にとってうってつけのサービスというわけだ。そうした研究は、気候変動の影響が最も深刻に、かつ早期に現れやすい極地において、多くの専門分野にまたがるチームによって実施されている。

砕氷船ともなっている調査船上で、Keplerは下りは38Mbps、上りは120Mbpsのリンクを実現した。これは偶然にもGoogleが最高品質のStadiaゲームストリーミング用として推奨している最大スペックを上回っている。ただし、これは科学のためのものであってゲーム用ではない。お間違えのないように。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

VolocopterとJohn Deereが農業用自動散布ドローンを開発

自律飛行が可能なドローンを開発するスタートアップのVolocopter(ベロコプター)は、産業用および商業用の新しいドローンことVoloDroneの最初のパートナーとして、John Deere(ジョン・ディア)との提携を発表した。農業や産業用重機を開発する同社はVolocopterと協力し、VoloDroneをベースとした空中散布システムを開発する。

Voloctoperが先月末に発表したVoloDroneは、18個のローターを搭載し最大30分間の飛行が可能で、最大440ポンド(約200kg)の荷物を運ぶことができる。設定されたルートに沿って自律的に飛行するように設計されているが、必要に応じて手動での遠隔操作も可能だ。そしてJohn DeereはVoloDroneの貨物キャリアに装着できる、殺虫剤や化学肥料、凍結防止剤などを散布する噴霧器とタンクを開発する。両社はまた、空中からの作物の種の投下といった用途にも可能性を見出している。

Volocopterによると、VoloDroneはこれらの用途においてヘリコプターよりも正確かつより費用対効果の高い選択肢になる可能性があるという。同社はJohn Deereと協力して、次の農作物のシーズンでこれをテストし証明する予定だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

英宇宙局がVirgin Orbitの小型衛星打ち上げ施設に約10億円助成

Richard Branson(リチャード・ブランソン)氏の小型衛星打ち上げ会社であるVirgin Orbitは11月6日、英宇宙局(UKSA)から助成金735万ポンド(約10億円)の最終承認を得たと発表した。この助成金は、Virgin Orbitが英国南西部のコーンウォールに置く打ち上げ施設の建設に使われる。Virgin OrbitはSpaceport Cornwallという名称のコーンウォール空港ニューキーの一部になることが予定されている新たな打ち上げサイト建設について、助成金と建設の承認を待っていた。

このサイトはVirgin Orbitにとって英国での打ち上げ拠点となる。英国での打ち上げ、そして英国企業が建設から打ち上げまですべてを英国内で行うことを可能にする。Virgin Orbitはまた、移動式の「地上オペレーティグシステム」の開発にも取り組んでいる。これは本質的に、ロケットLauncherOneのミッションをサポートする地上職員を置くことができる牽引トレーラーだ。ロケットLauncherOneは小型ペイロードの高高度打ち上げを行う。

Virgin Orbitは、億万長者のブランソン氏が創設したVirginブランド宇宙開発企業2社の1つだ。もう1つのVirgin Galacticは投資会社Social Capital Hedosophiaとの合併を通じて公開企業となった。Virgin OrbitもVirgin Galacticも、高高度打ち上げプラットフォームとして中古の改造した航空機を利用する。高高度で打ち上げられたロケットはその後宇宙に到達する。Virgin Orbitの打ち上げシステムは小型衛星を軌道に乗せるためのもので、一方でVirgin Galacticの母船は、客が乗り込んだロケットを大気圏の端まで連れて行くようにデザインされている。

Orbitの商業展開は売上と儲けに直結する。というのも、SpaceXRocket Labを含む同業他社がオンデマンドで打ち上げる事業を構築していて、打ち上げの大半を小型衛星が占めるからだ。Spaceport Cornwallの建設が順調に進めば、Virgin Orbitは早ければ2021年に打ち上げる。

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(翻訳:Mizoguchi)

SpaceXの再使用可能ロケットは1回あたり約2億2000万円で打ち上げられる

SpaceX(スペースX)の目標は、真に再使用可能なロケットの打ち上げを実現することで、それには妥当な理由がある。それは、Elon Musk(イーロン・マスク)氏が飛行機が乗客を移動させるのに例えて説明したように、使い捨てではない再使用ロケットによるコストの削減だ。彼らはその目標に向けて多くの進歩を遂げ、今ではFalcon 9ロケットの一部とDragon補給船が頻繁に再飛行しているが、宇宙船のStarshipはさらに再使用化が進むはずだ。

マスク氏は今週にロサンゼルスで開催された米空軍の年次ピッチデーにサプライズゲストとして登場し、SpaceXやその顧客がどれだけコストを節約できるかのアイデアを披露した。Space.comによると、同氏はイベントで米空軍中将のJohn Thompson(ジョン・トンプソン)氏と会話し、Starshipの打ち上げの燃料費は約90万ドル(約9800万円)、そして運用コストを考慮すれば1回の打ち上げ費用は約200万ドル(約2億2000万円)になるだろうと語った。「これは小型ロケットよりもはるかに安い」と同氏は付け加え、このシステムが「必然だ」と説明した。

Starshipは大容量のペイロードを輸送するためにゼロから設計されており、現在開発中のSuper Heavyブースターや軌道上での燃料補給と組み合わせることで、大量の物資や衛星を月の軌道、あるいは火星まで輸送する能力も備えている。Starshipは最終的にはSpaceXのすべてのロケットに取って代わることを期待されており、一度完成して飛行すれば、最終的にはFalcon 9やFalcon Heavyよりもはるかにコスト効率のいい運用ができるはずだ。

現在SpaceXはプロトタイプ機のStarship Mk1と同Mk2による、大気圏内での高高度制御による飛行と着陸を準備している。同社はまた、わずか6カ月以内に軌道試験が実施できると楽観的に考えている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Rocket LabのNZロケット発射施設のバーチャルツアー動画

Rocket Lab(ロケット・ラボ)はロケットを打ち上げる非常に小さなスタートアップで、実際にペイロードを宇宙に輸送しており、すべてのロケットはニュージーランドの東海岸に位置する景色の良い半島から打ち上げられている。その理由は、高頻度の打ち上げに理想的な位置であることから、エレクトロンロケットによる打ち上げを拡大するのに役立つからだ。また別の利点として、実に素晴らしい景色が楽しめる。

今回のLC-1ツアーでは、カリフォルニア州ハンティントンビーチからオークランドまでで製造されるパーツが組み立てられる、Rocket Labの最終組み立て場を見学できる。燃料充填と打ち上げのためにロケットがどのように設置されリフトされるのか、あるいはRockst Labのロケット打ち上げの際に発生する、信じられないほどの大音量のノイズの一部をどのように軽減するのかについてのヒントがある。

最後に、Rocket Labが現在バージニア州ワロップス島に建設中の2番目のLC-2発射施設の簡単な紹介がある。これは同社初の米国の射場で同国の顧客向けに利用され、来年初旬に初打ち上げが実施される予定だ。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

脳内チップでオピオイド依存と闘う米国初の臨床試験が始まる

オピオイド(医療用合成麻酔薬の一種)依存は米国が直面する深刻な健康問題であり、効果的といえる緩和方法は見つかっていない。しかし、ウェストバージニア大学ロックフェラー神経科学研究所(RNI)とウェストバージニア大学医学校(WVU)の研究者らは、他の有効な治療方法がない症例において、脳内埋込み技術を使ってオピオイド依存を抑制する方法の臨床試験を開始する。

RNIとWVUによる神経外科チームは「脳深部刺激」(DBS)装置と呼ばれるチップを、最初の被験者である33歳男性の脳に埋め込むことに成功した。DBS装置は小さな電極の集まりからなり、脳内の依存や自己制御行動に関連があるとされる部分に接続される。

DBSは、理論的には、関連する刺激を送り込むことで依存症状を抑制するとともに、患者の欲求をリアルタイムで監視することによって、治療抵抗性オピオイド依存症で起きていることを研究するための貴重なデータを提供する。

オピオイド依存は、2017年にウェストバージニア州で10万人中49.6人の死亡原因だったとWVUは指摘する。これは、オピオイド関連死の比率として米国で最大の数値だ。ほかに侵襲性の低い治療方法もあり、Codaというスタートアップが開発している慢性患者の鎮痛に用いられる代替オピオイドもその1つだ。しかし、既存の患者、特に他の有効な治療方法がないオピオイド依存患者の大半は、DBSのような最先端医療が唯一の手段になるかもしれない。

今回のRNIの臨床試験は4名の患者が対象で、いずれもさまざまな治療プログラムを受けた後も依存症が続いている。研究チームは、てんかんや強迫性障害など他の疾患のFDA(食品医薬品局)承認済み療法で、脳深部刺激に関わった豊富な経験を持っている。

脳内埋め込みは最後の手段に違いないが、もしこの臨床試験で有効な結果が見られれば、他の手段が枯渇した最も深刻な症例にとって新たな選択肢になる可能性がある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

UPSとCVS、ドローンで処方薬を米住居に初配送

UPSはドローン配送プログラムにてパートナーのCVS Pharmacyと協力し、新たに展開する商用ドローンによって顧客の自宅に処方薬を配送する。11月1日には、UPSはMatternet(マターネット)と提携して開発したドローンシステムのM2を利用し、2人の顧客に医薬品を配送した。

UPSは10月初めにFAAから商用ドローンの飛行許可を得ており、今後数カ月でドローン配送プログラムを複数回実施し、規模を拡大しつつ商業的にドローンを展開できるようにする計画だ。同社はまた、ドローンの自動配送に特化した部門となるUPS Flight Forwardをローンチした。

今回の初期配達では、ノースカロライナ州ケアリーにあるCVS施設にて、薬剤師が処方した医薬品がドローに満載された。UPSの従業員が荷物をドローンに積み込むと、ドローンは店舗から近くの顧客の家まで自律的に飛行し、約20フィート(約6.1m)の高さから荷物を落下した。UPSによると、顧客の1人はCVSの店舗に足を運んで処方箋を受け取るのが難しい状況にあるという。

UPSが医療業界にドローンを導入するのは、今回が初めてではない。同社はノースカロライナ州ローリーのMattternetやWakeMed Hospital(ウェイクメッド病院、ノースカロライナ・ローリーにある大病院)と協力して、B2B分野での医療サンプルの商業配送を行っている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ボーイングのStarliner宇宙船の発射台緊急脱出テストが成功

NASAの商業乗員輸送計画のパートナーであるBoeing(ボーイング)は、CST-100 Starlinerに実際に宇宙飛行士を搭乗させるための、重要なマイルストーンを達成した。発射台からの緊急脱出装置のテストは、宇宙飛行士をStarlinerに搭乗させる前に設置しておく必要がある、NASAが要求する重要な安全システムだ。

Starlinerのデモミッションでは、実際の有人打ち上げ時にULA(ユナイテッド・ローンチ・アライアンス)のAtlas Vロケットの上に、どのように設置するかをシミュレートすることから始まった。そして緊急脱出用のエンジンを点火すると、Starlinerとそのサービスモジュールはロケットから安全な距離まで飛行した。問題は3つあるパラシュートのうち2つしか展開されなかったことだが、NASAが定義する安全性設計はこのような可能性も範囲内として想定している。

このシステムの必要性は、ボーイングとNASAによって非常に「ありそうにもない」シナリオとして記述されているが、ボーイングとNASAは、ボーイングとSpaceX(スペースX)の新しい宇宙船における安全性を強調している。

宇宙船にはセンサーが設置されたテスト用のダミー人形が搭載されており、アクシデント時に緊急脱出装置によってStarlinerに搭乗した宇宙飛行士が、どのような衝撃を体験するのかについての、詳細なデータを両社に提供する。これは、第3のパラシュートが展開されなかった理由を調査することと同じく重要な情報である。

ボーイングは12月に、有人飛行の前段階として無人のStarlinerを初めてISS(国際宇宙ステーション)に打ち上げる予定だ。今後の予定は、テスト結果の調査にもとづいて決定される。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

デリバリーロボが地図なしで配達先のドアを自力で見つける方法

MITの研究者が開発した新しい行路発見方法は、さまざまな業界で客先まで物を届けなければならないロボット、いわゆるデリバリーロボットにとても役に立つ。彼らが考案したのは、前もって地図が与えられていなくてもロボットが客先の入り口のドアを見つける方法だ。

今ある自走デリバリーロボットの多くは、Starshipが開発してその後Postmatesなど多くの企業が採用した、車輪付きクーラーボックスタイプも含めて、顧客が外の路上に立っていなければならない。しかし未来のデリバリーロボットが自力でドアまで辿り着くためには、人間の配達員と同じく詳細な地図的能力(マッピング能力)だけが問題ではない。

MIT Newsによると、正確に客先のドアまで行けるためにご近所全体のマッピングができる能力は、それを全国レベルあるいは全世界レベルで実現しようとすると非常に難しい。それは一般的に難しいだけでなく、個々のユーザー企業の特殊性に合わせたマッピング能力ともなると桁違いに難しい。そこで研究者チームは詳細なマッピング方式を諦め、ロボットが現場で周囲の情報を処理してドアの場所を見つける方法を考えた。

これは、SLAM(Simultaneous Localization And Mapping)と呼ばれる方法の変形だ。MITのチームはちょっとした工夫により、ロボットがまわりの物を見つけてそれにラベルを付けていくセマンティックマップではなく、「前進するコスト」のマップというものを考案した。それは、訓練用の地図から得られたデータを使ってロボットが自分の身の回りのヒートマップを作る。そしてその色分けマップの中に「いちばん正面ドアらしいもの」を見つけ、そこへの最も効率的な経路を割り出す。

私たち人間も、初めて訪れる家では「家の正面ドアとはこんな形をしていて壁のどこそこにあるものだ」という過去の知識に基づいて入り口のドアの所在を判断する。MITのデリバリーロボットは、それと似たことをする。それはどちらも思考力を使わない直感的な判断だ。

ロボットが既存の地図に頼らずにAI的な能力で自分の周囲の環境を判断できることには、今後いろんなユースケースがありうる。でも商用のユースケースとして今のところいちばん需要が大きいのは、デリバリーロボットだろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アドビが約束通りiPad向けPhotoshopをリリース、月額1080円で利用可能

Adobe(アドビ)がiPad向けPhotoshopをリリースした。人気のプロフェッショナル用写真編集ソフトウェアをApple(アップル)のタブレットに持ってくることを、アドビは昨年10月に発表していた。その際、アプリを2019年に立ち上げると明言していて、今日のリリースはスケジュールどおりのものだ。iPad向けのPhotoshopは無料でダウンロードでき、30日の無料トライアルが用意されている。トライアル以降はアプリを利用するのにアプリ内購入で月9.99ドル(1080円)かかる。あるいはAdobe Creative Cloudのサブスクリプションの一部として利用できる。

アドビが当初から言っているように、iPad向けPhotoshopの初期バージョンはデスクトップの編集ソフトウェアと同じ機能が搭載されているわけではない。しかし「iPad Proと最近のiPadモデル用のApple Pencilをサポートし、PSDファイルの編集もできる。初期バージョンではタッチとApple Pencilによる入力が利用できる機能にフォーカスした」とアドビは説明している。その機能には「合成やレタッチのツール」がある。また、ブラシやマスクキング、スマートセレクションなども今後加わる。

便利なのは(私はそれほどこのソフトウェアを使ってはいないが)、スポット修復やコピースタンプなどの機能だ。コピースタンプはその場で編集に磨きをかけるのにかなり便利だ。まだデスクトップと同様のことはできなくても、iPadでのLightroom取り込みはおそらく持ち運びやすさを最大限生かしたいプロ向けだ。また、Creative Cloudに保存するPSDはどこからでも編集できる。

現状がどうであれ、AdobeがiPad向けPhotoshopの開発とリリースのスケジュールを守ったのは素晴らしい。iPadはデスクトップやノートブックコンピューターにアクセスできないときのためのバックアップ選択肢、という状態を解消するにはまだなすべきことがあるにしてもだ。

Adobeは今週Adobe MAX 2019カンファレンスを開催していて、今後もたくさんのニュースが発表されるはずだ。TechCrunchでのイベント続報に乞うご期待。

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(翻訳:Mizoguchi)

Adobe Illustrator for iPadが2020年にリリース

Adobe(アドビ)はデスクトップクラスのグラフィックアプリをもう1つ、iPad向けに提供する。米国時間11月4日、Adobe Max 2019でiPad版のIllustratorを2020年にリリースすると発表した。昨年、同社はPhotoshop for iPadについて今回と同様の計画を発表し、同アプリは米国時間11月4日にApp Storeで公開された。

アドビによればIllustrator for iPadはまだ開発の初期段階とのことで、デスクトップ版と比べてどのようになるかはまだわからない。しかし、iPadならではのタッチ操作とApple Pencilベースの入力に重点が置かれるようだ。Photoshopと同様に、あるプラットフォームで作られた作品はCreative Cloudを介してほかのプラットフォームでも忠実に編集できるようになるだろう。

Illustrator for iPadはまもなく限定版のプライベートベータが公開される予定だが、開発が進むまではベータ版を利用できるのはごく限られた人々になる模様だ。ただし関心があれば登録をすることはでき、おそらく正式リリース前に試せるとみられる。

アドビはすでに「多数のデザイナー」と接触し、仕事で使うタブレット版のIllustratorはどのようなものが最適かを研究してきたという。Photoshop for iPadが公開された過程と照らし合わせて考えると、来年のIllustrator for iPadの登場時にはすべての機能は搭載されないかもしれないが、アドビの作業環境を愛用するプロのクリエイターがiPadでまさに何でもできるようになるための出発点となるだろう。

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(翻訳:Kaori Koyama)

NASAとボーイングがStarliner宇宙船の発射台からの緊急脱出システムテストをライブ配信

NASAの商業乗員輸送プログラムに参加するBoeing(ボーイング)社は、早ければ来年にも米国の宇宙飛行士を国際宇宙ステーション(ISS)へと輸送するために開発した新しい宇宙船「CST-100 Starliner」の重要なテストを、米国時間11月4日に実施する予定だ。

Starlinerは発射台からのアボート(緊急脱出)試験を実施予定で、打ち上げ前の万が一に備えて搭載したエンジンを使い、宇宙船をロケットから迅速に避難させるシステムを実証する。テストは米国東部標準時で午前9時(太平洋標準時で午前6時、日本時間午後11時)に開始され、テストのウィンドウ(実施予定時間)は3時間が設定されている。

予定では、ニューメキシコ州のホワイト・サンズ・ミサイル発射場の小型テスト発射台に設置されたStarlinerは、高度4500フィート(約1400m)に到達したのち、発射地点から約7000フィート(約2100m)離れた地点に着陸する。宇宙船のサービスモジュールとベース部分の熱シールドが宇宙船から分離し、カプセルはパラシュートで地上に降下し、エアバッグを展開して衝撃をさらに緩和する。下のアニメーションでは、テストの概要が確認できる。

このテストで重要なのは、完全に静止した状態から宇宙船がロケットを離れ、パラシュートを展開するのに十分な高度に到達する能力を実証することだ。NASAはBoeingとSpaceX(スペースX)に、宇宙飛行士が搭乗するミッションを開始する前に、発射台からの緊急脱出テストを成功させることを要求している。

民間乗員輸送計画のパートナーであるBoeingとSpaceXは、早ければ来年前半にも宇宙飛行士を搭乗させた宇宙船の打ち上げを予定している。NASAは2011年にスペースシャトル計画が終了して以来、宇宙飛行士の輸送をロシアのソユーズロケットに頼ってきたため、アメリカから打ち上げられるロケットで宇宙飛行士をISSに打ち上げる能力を再び得るために、両社と協力している。

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(翻訳:塚本直樹Twitter