レゴスーパーマリオの世界が拡張、カスタムツールやマリオのパワーアップ、新キャラも登場

LEGOと任天堂のパートナーシップは、2020年初めにインタラクティブなレゴ スーパーマリオ スターターコースで十分に素晴らしいデビューを果たしたが、今回はそれを補完するようにデザインされた追加セットが登場した。このセットには新しいMaster Your Adventure Maker Setが含まれており、3つの新しいブロックを使ってレゴマリオの反応を微調整するカスタマイズオプションが追加され、各レベルのルールをシャッフルする新しい方法が追加された。またレゴと任天堂からは追加のテーマ別拡張セット、マリオ用の新しいパワーアップ、レベルビルドに組み込むことができるミステリーキャラクターの第2シリーズも登場する。

画像クレジット:Nintendo

Master Your Adventure Maker Setには合計366個のピースが含まれており、59.99ドル(約6300円)で販売される。拡張セットにはジャングルをテーマにしたプレイセットのChain Chomp(19.99ドル、約2100円)、Piranha Plan(29.99ドル、約3100円)、Piranha Plan(29.99ドル、約3100円)、そしてWigglerをテーマにしたマリオが探検できるPoison(39.99ドル、約4200円)が含まれる。レゴマリオの2つの新しいパワーアップは、ペンギンスーツとタヌキスーツで、それぞれ9.99ドル(約1000円)だ。

シリーズ2の新キャラクターパックは、それぞれ4.99ドル(約520円)で販売される。シリーズ2のキャラクターパックは開封するまで中身が見えないパッケージに入っていて、どのキャラクターが入手できるかは確率で決まっている。シリーズ2のキャラクターはSpiny Cheep Cheep(トゲプク)、Ninji(ハックン)、Foo(キリフキー)、Parachute Goomba(パラクリ)、Fly Guy(プロペラヘイホー)、Poison Mushroom(毒キノコ)、Para-Beetle(パタメット)、Thwimp(コトン)、Bone Goomba(ほねクリボー)などだ。

画像クレジット:Nintendo

これらはすべて、レゴ直販および小売パートナーから2021年1月1日より発売される。ホリデーシーズンの直後ということもあり、人気のギフトセットとしては少し物足りないようにも思えるが、任天堂はオリジナルのスターターコースや他のキットも販売している。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:LEGO任天堂
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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

SpaceXのCrew DragonがISSにドッキング完了、初の運用ミッションへ

SpaceX(スペースX)の宇宙飛行士を乗せたCrew Dragonは現在、地球周回軌道上の国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングされており、初の運用ミッションの第1段階が成功した。Crew Dragonは2020年初頭に有人でのデモンストレーションフライトを成功させて開発とテストプログラムを完了した後、2020年11月初めにNASAから有人宇宙飛行のための認定を受けていた。

Crew DragonはNASAのMichael Hopkins(マイケル・ホプキンス)飛行士、Victor Glover(ビクター・グローバー)飛行士、Shannon Walker(シャノン・ウォーカー)飛行士、JAXAの野口聡一宇宙飛行士を含む4人の宇宙飛行士を乗せて、米国時間11月15日の日曜日夕方にフロリダから打ち上げられた。宇宙船は軌道上で1日強を過ごし、ISSに合流するために移動し、ドッキングの準備を実施。ISSの新しい国際ドッキングアダプタに接続するために、スペースXの自動ドッキングソフトウェアを使って自律的に行動し、米国時間11月16日月曜日の夜遅くにドッキングを完了した。

ドッキングとハッチの開放成功は、スペースXとNASAがCommercial Crew programの目標を達成したことを意味する。これは米国から宇宙へ、そしてISSへと宇宙飛行士を打ち上げる効果的な手段を開発することが目的だ。このミッションに参加する宇宙飛行士たちは、Crew Dragonが接続された宇宙ステーションで今後6カ月を過ごし、ミッションの第2フェーズかつ最終フェーズである2021年6月に帰還する予定だ。これにより、このシステムが地球への帰還でも機能することを証明する。

関連記事:SpaceXとNASAが4人の宇宙飛行士を乗せた初の有人Dragon運用ミッションの打ち上げに成功

カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceXNASACrew Dragon
画像クレジット:SpaceX

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

ワイン愛好家の日常を大きくアップグレードするAveineのスマートワインエアレーターが登場

現在この国に住む多数の人々と同じく、読者の多くには今ワインを飲みたくなる理由がたっぷりとあることだろう。そんな人々に知ってもらいたいのがAveine Smart Aeratorだ。このガジェットはフランスのスタートアップが開発したもので、可変式のインスタントエアレーションと、任意に選んだワインに適正なエアレーション量を決定するための対応アプリプラットフォームを提供する。Aveine Smart Aeratorはプレミアムな価格設定だが、この製品が生み出す価値は驚きにあふれている。

製品の概要

Aveine Smart Wine Aeratorは、ほかの多くのスタートアップデバイスと同様、クラウドファンディングプロジェクトとして誕生した。フランスを拠点とするチームは、2018年にキャンペーンを終了して資金目標に到達、その後数年をかけてデザインの完成、製作、出荷を進めた。同製品はオリジナルのフルパフォーマンス版が449ドル(約4万7千円)、今年導入されたエッセンシャル版は最大エアレーション時間が半分(フルパフォーマンス版の24時間に対し12時間)となり299ドル(約3万1千円)で提供されている。このエッセンシャル版をここでレビューする。

どちらも基本は同じである。エアレーションしたいボトルを開けた後、その上に装着し、Bluetooth経由でiOS およびAndroid用のAveineアプリと接続。アプリを通してワインのラベルの写真を撮ることができ、その写真をデータベースと照合し、最適なエアレーション時間にAveineを自動的に設定する。照合するデータベースは確実に増え続けているようだ。

画像クレジット:Aveine

実際には、筆者がテストしたワインのほとんどがデータベースには入っていなかった。しかしそれはAveineの想定範囲内で、ワインのヴィンテージ、使用されているブドウ、地域、オーガニックかバイオダイナミックかなどの情報を簡単な質問形式で提供することにより、最適なエアレーション時間を概算してくれる。また、エアレーションを手動に設定し、少量の味見をしながら好みの加減を見つけることもできる。

Aveineの製品には、Smart Aeratorを持ち運ぶソフトケースと、標準的なUSBウォールプラグまたはマイクロUSB経由で接続する充電スタンドが付属している。内蔵バッテリーの持続時間は約12時間。ワインを注ぐときに内蔵モーターが作動して必要な空気を一気に注入する仕組みで、エアレーションが使用されるのはそのときだけだ。

デザインと性能

Aveineはかなり重く感じられるが、スマートな内部構造が小さなデバイスの中に快適に収まるように多くの工夫が施されていることがわかる。ほとんどのワインボトルの上部に簡単にフィットし、特別な取り付けプロセスを必要とせず、注ぐ際にもぴったりと装着されている。スワイプするとタッチスクリーンが起動し、調整可能なエアレーションスクリーンがシンプルな白黒で表示される。

使い方は簡単で、そもそもアプリを必要としない。好みのエアレーションレベルにスケールを合わせて注ぐだけ。ボトルを傾けると自動的に通気が始まり、ワインが流れる間にモーターが空気を注入しているのが聞こえてくる。アプリを使う場合は、アプリがエアレーターの接続を誘導してくれる。ディスプレイをアクティブにした状態でデバイスを起動すると、デバイスがスマートフォンのBluetooth範囲内にあればすぐにアプリのデバイスリストに表示される。

Aveineアプリのデータベースにワインが登録されている場合、ラベルの写真を撮ると推奨エアレーション時間が表示され、エアレーターに接続している場合は自動的にその値に設定される。前述したとおり、データベースにない場合はワインに関するいくつかの質問に答えることで、推奨されるエアレーション時間を教えてくれるが、これもデバイスに接続されていれば自動的に設定される。

画像クレジット:Aveine

ここからは性能について。Aveineの提示価格を見ると値段の高さに驚くだろう。筆者も同じ思いを抱いた。しかし、実際にスマートエアレーターを使用してみることでその価値が証明された。どんなワインでも、デキャンタに移して何時間も放置することなく味が格段に良くなるのだ。

科学的なテストとは言えないが、ソーシャルディスタンスを保っての会を通じて、Aveineでエアレーションされた複数のボトルを楽しんだ友人や家族の幅広い層に調査を行ったところ、全員がエアレーションテストの前後で大幅な改善が見られたと感想を述べている。調査した中で少なくとも1人の人物が、その経験をもとにすぐにAveineを購入している。

エアレーションを適正化するために、レベルを調整したり、味の比較テストをしたりと、ちょっとした実験をしなければならないこともあるが、それも楽しみのひとつとなる。

総合評価

エアレーターガジェットは豊富にあり、地元のワインショップで100ドル(約1万円)弱で安く手に入ることも多いが、筆者が初めて試したエアレーターであるAveineは初心者にもプロにもその効果を納得させることができる製品で、その違いは明白だ。高額かもしれないが、その見返りとして得られるのはワイン愛好家の日常を確実に向上させるデバイスであり、あまり関心を持たない層からも新たなワイン愛好家を生み出すことだろう。

関連記事:macOS Big Surレビュー、Appleは主要OS統一へ向けさらに一歩踏み出した

カテゴリー:ハードウェア
タグ:ガジェット レビュー

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(翻訳:Dragonfly)

「マンダロリアン」のベビーヨーダもNASAとSpaceXのDragon宇宙船で国際ステーションへ

NASAは、現在、国際宇宙ステーション(ISS)に向かうCrew-1ミッションに、驚きの5人目の乗客も追加していた。「スター・ウォーズ」のスピンオフ「The Mandalian(マンダロリアン)」の「ザ・チャイルド」(別名:ベビーヨーダ)のぬいぐるみだ。この人形は「ゼロG・インジケーター」と呼ばれるもので、通常は柔らかくて小さな物体で、宇宙船のキャビン内を自由に浮遊させて、地球の重力が大きな影響を与えない宇宙空間に入ったことを簡単に、しかし効果的に確認できる。

Crew-1号の4人の乗員は、NASAのMichael Hopkins(マイケル・ホプキンス)飛行士、Victor Glover(ビクター・グローバー)飛行士、Shannon Walker(シャノン・ウォーカー)飛行士、そしてJAXAの野口聡一飛行士だ。彼らは、2020年初めにFalcon 9とCrew Dragon宇宙船の有人飛行を認可したSpaceX(スペースX)の協力を得て、今後半年間にわたるNASA初の商業クルーミッションで宇宙飛行士をISSを派遣するために飛行している。

ベビーヨーダは2019年、ディズニーのオリジナルのストリーミングコンテンツ「マンダロリアン」でデビューして視聴者のハートをつかみ、2020年の第2シーズンでも引き続き観客を魅了している。​「スター・ウォーズ」シリーズの初代ヨーダがどんなものであれ、子どもであることから、この名前で呼ばれるようになった。​新シリーズでベビーヨーダは、宇宙船の操縦装置をコントロールをいじったことで、シリーズを通して有名な賞金稼ぎから定期的に怒られている。

ベビーヨーダはすでに人気だが、過去のゼロG・インジケーターも宇宙旅行における注目の的になっている。スペースXの最初の有人宇宙飛行ミッションである、2020年初めに行われたDemo-2のテスト飛行では、「Tremor」と呼ばれるTy Flippableの恐竜が微重力空間を飛行した(collectSPACE記事)。

関連記事:SpaceXとNASAが4人の宇宙飛行士を乗せた初の有人Dragon運用ミッションの打ち上げに成功

カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceXNASACrew DragonFalcon 9

画像クレジット:NASA

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

Modernaの新型コロナワクチン、治験で94.5%の有効性確認

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの有効性についてのPfizer(ファイザー)の発表に続き、Moderna(モデルナ)も米国11月16日にフェーズ3治験で得られた良好な結果を明らかにした。同社はワクチン候補が初期暫定データ分析で94.5%の有効性を示した(Modenaリリース)としている。治験参加者95人の新型コロナ感染が認められ、うち90人は偽薬を投与されていて5人のみが同社のmRNAベースのワクチンを接種していた。そして重症になったのは11人で、ここにはワクチン候補を投与された人は含まれなかった。

今回の発表も、2021年のどこかでまとまった量のワクチンを実用化できる可能性があるという有望なものとなった。上記の通り、今回の発表は暫定分析結果ではあるが、米国立衛生研究所が指名した治験を監督する安全委員会によるデータだ。同研究所はModernaとは関連のない独立した機関であるため、最終的な分析に期待をかけられる信頼できる結果だ。

Modernaは今後数週間内に判明する結果を元に、ワクチン候補の緊急使用許可を申請すると話している。最終的な承認の前に緊急状況で使用できるよう、米食品医薬品局(FDA)からの使用許可取得を目指す。緊急使用許可は、フェーズ3の治験参加者グループ(計3万人が参加)で感染者151人が確認されたデータと、感染後平均2カ月のフォローアップのデータに基づいて下りる見込みだ。

最終的な全データは独立したレビューのために専門団体に提出されることになる。これは最終ワクチン治験と承認のプロセスでは標準的なものだ。

Modernaのもの、そしてPfizerBioNTechとの提携で開発したものはともにmRNAベースのワクチンだ。このタイプは人に使用するのは初めてで、接種を受けた人の細胞に免疫反応を起こすよう指示するメッセンジャーRNAを活用しているという点で従来のワクチンとは異なる。従来のワクチンでは、抗体を作り出すためにかなり少量のウイルスを使って免疫反応を起こすが、mRNAベースのワクチンでは実際に人体をウイルスにさらすことはない。

関連記事:ファイザーの新型コロナワクチンの効果は90%、年末までに大規模な接種開始か

カテゴリー:バイオテック
タグ:Moderna新型コロナウイルスワクチン

画像クレジット:David L. Ryan/The Boston Globe / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Modernaの新型コロナワクチン、治験で94.5%の有効性確認

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの有効性についてのPfizer(ファイザー)の発表に続き、Moderna(モデルナ)も米国11月16日にフェーズ3治験で得られた良好な結果を明らかにした。同社はワクチン候補が初期暫定データ分析で94.5%の有効性を示した(Modenaリリース)としている。治験参加者95人の新型コロナ感染が認められ、うち90人は偽薬を投与されていて5人のみが同社のmRNAベースのワクチンを接種していた。そして重症になったのは11人で、ここにはワクチン候補を投与された人は含まれなかった。

今回の発表も、2021年のどこかでまとまった量のワクチンを実用化できる可能性があるという有望なものとなった。上記の通り、今回の発表は暫定分析結果ではあるが、米国立衛生研究所が指名した治験を監督する安全委員会によるデータだ。同研究所はModernaとは関連のない独立した機関であるため、最終的な分析に期待をかけられる信頼できる結果だ。

Modernaは今後数週間内に判明する結果を元に、ワクチン候補の緊急使用許可を申請すると話している。最終的な承認の前に緊急状況で使用できるよう、米食品医薬品局(FDA)からの使用許可取得を目指す。緊急使用許可は、フェーズ3の治験参加者グループ(計3万人が参加)で感染者151人が確認されたデータと、感染後平均2カ月のフォローアップのデータに基づいて下りる見込みだ。

最終的な全データは独立したレビューのために専門団体に提出されることになる。これは最終ワクチン治験と承認のプロセスでは標準的なものだ。

Modernaのもの、そしてPfizerBioNTechとの提携で開発したものはともにmRNAベースのワクチンだ。このタイプは人に使用するのは初めてで、接種を受けた人の細胞に免疫反応を起こすよう指示するメッセンジャーRNAを活用しているという点で従来のワクチンとは異なる。従来のワクチンでは、抗体を作り出すためにかなり少量のウイルスを使って免疫反応を起こすが、mRNAベースのワクチンでは実際に人体をウイルスにさらすことはない。

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カテゴリー:バイオテック
タグ:Moderna新型コロナウイルスワクチン

画像クレジット:David L. Ryan/The Boston Globe / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

SpaceXとNASAが4人の宇宙飛行士を乗せた初の有人Dragon運用ミッションの打ち上げに成功

SpaceX(スペースエックス)は国際宇宙ステーション(ISS)への人の輸送を行う初の民間企業となったわけだが、これはNASAとのパートナーシップにより長年積み重ねてきた有人宇宙飛行能力の開発努力の結晶だ。米国東部標準時間11月15日午後7時27分(日本時間11月16日午前9時27分)、NASAのShannon Walker(シャノン・ウォーカー)、Victor Glover(ビクター・グローバー)、Michael Hopkins(マイケル・ホプキンス)、そしてJAXAの野口聡一宇宙飛行士は、フロリダ州ケネディー宇宙センターの39−A発射台からISSに向けて飛び立った。

SpaceXの有人打ち上げプログラムは、NASAのCommercial Crew(商業乗員輸送開発)計画の元で開発が進められてきた。そこでNASAは、米国の国土からISSへ宇宙飛行士を送り込む有人打ち上げシステムの構築を行う民間企業2社を選定していた。SpaceXは、2014年にBoeing(ボーイング)とともにNASAに選ばれ、それぞれが打ち上げシステムの開発を開始した。そしてSpaceXのDragon(ドラゴン)カプセルとFalcon 9(ファルコン・ナイン)ロケットが、2020年の初めに2人の宇宙飛行士をISSへ送り届けるというDemo-2テストミッションの最終テストに成功し、先にNASAから有人飛行の認可を取得した。

ここへ来るまでに、SpaceXはいくつもの関門を通過しなければならなかった。無人飛行でのISSへの完全自動ドッキングや、地上の打ち上げ台と打ち上げ後のロケットの両方での宇宙飛行士の命を守るための緊急脱出安全システムの実証などがこれに含まれていた。Demo-1ミッションでは、実際の打ち上げ、ドッキング、着陸までのすべてがSpaceXの完全自動のソフトウェアとナビゲーションによって行われたが、必要な場合には人間がバックアップに入り、予定どおりに運行できることを実証する短時間の手動操縦も試された。

現在のところCrew-1(クルーワン)は、フロリダからの完璧な打ち上げの後、順調に飛行を続けている。Crew Dragonを打ち上げたFalcon 9の第1段ブースターは、無事に帰還している。Crew Dragonの有人宇宙船Resilience(リジリエンス)は、打ち上げ10分後に予定どおりFalcon 9の第2段から切り離された。27時間軌道を飛行した後にISSにドッキングすることになっている。ドッキング予定時間は、米国東部標準時間11月16日午後11時前後(日本時間11月17日午後1時ごろ)となっている。ドッキングが完了すると、宇宙飛行士たちは下船してISSに移り、2021年6月まで滞在して、それぞれの任務を遂行する。

Crew-1の乗員、左からNASAのシャノン・ウォーカー、ビクター・グローバー、マイケル・ホプキンス、JAXAの野口聡一宇宙飛行士(画像クレジット:SpaceX)

ミッションの4人の宇宙飛行士のうち3人は宇宙飛行の経験を持つが、パイロットのビクター・グローバー氏はこれが初飛行となる。4人は、現在滞在中のNASAのKate Rubins(ケイト・ルービンス)、Roscosmos(ロスコスモス)のコスモノートSergey Ryzhikov(セルゲイ・リジコフ)、Sergey Kud-Sverchkov(セルゲイ・クドスべルチコフ)氏と合流し、ISSは7人体勢となる(通常は6人体勢だが、1人増えることで、日常の定期メンテナンスに関連する作業は増えるものの、宇宙飛行士が実験を行う際の時間的余裕が生まれるとNASAは話している)。

定期的なNASAの運用ミッションとして宇宙飛行士が宇宙に打ち上げられたのは、2011年にスペースシャトル計画が終了して以来となる。これで米国は、有人宇宙飛行能力を公式に取り戻したわけだ。さらにこれは、今後期待されるSpaceXとDragonによる数多くの宇宙飛行ミッションの最初のものとなる。それは、NASAの計画と、企業顧客が運営する宇宙飛行の両方にわたって展開されることになる。

関連記事:Crew Dragonの最新型宇宙服は通信装置と温度調節の機能を内蔵、タッチパネル対応グローブも装備

カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceXNASAJAXACrew DragonFalcon 9

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(翻訳:金井哲夫)

​スペースXのFalcon 9ロケットとDragon宇宙船がNASAから有人宇宙飛行の認可受ける

SpaceX(スペースX)とNASAは、初の商用宇宙飛行士輸送システムとして開発されたFalcon 9とDragon宇宙船の複数年にわたる認証プログラムを完了した。認証プロセスの最終段階は同社が2020年初めに打ち上げた、NASAのBob Behnken(ボブ・ベンケン)宇宙飛行士とDoug Hurley(ダグ・ハーリー)宇宙飛行士を2020年5月30日に国際宇宙ステーションに輸送したDemo-2ミッションであり、この結果によりミッションに必要なすべてのレビューが完了したことになる。

​NASAは公式ブログにてこのマイルストーンを発表し、Falcon 9とDragonの初めての公式なISS搭乗員ミッションに備えたFlight Readiness Reviewが含まれていることを明らかにした。Falcon 9とDragonは米国時間11月14日土曜日(天候がよければ)に予定されている。​NASAから3人、日本の宇宙機関(JAXA)から1人の宇宙飛行士を含む合計4人の宇宙飛行士がISSに移動し運ばれ、設備を維持しながら実験を行う正式な長期滞在が行われる。

これはマルチミッション認証プロセスの最終段階であり、完全自動化された無人でのISSドッキングミッションや、打ち上げ後に予期せぬ事故が発生しても軌道到達前にロケットの安全システムが機能するかを実証するための発射台中断テストなどが含まれる。​またスペースXは、宇宙ステーションから地球に帰還したDragonのクルーカプセルの降下を制御するための新しいパラシュートシステムを開発し、広範囲でテストした。

NASAによると、スペースXとの「試験飛行データの詳細な分析」は、ベンケン飛行士とハーリー飛行士を宇宙ステーションから地球に帰還させたDemo-2ミッションの後に行われたという。

関連記事:NASAとSpaceXがCrew Dragonの初運用打ち上げを11月14日に予定、野口聡一宇宙飛行士も搭乗

カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceXNASAFalcon 9Crew Dragon

画像クレジット:NASA

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

ホンダが市販車初となるドライバーの監視が不要な自動運転レベル3の「レジェンド」を2021年3月発売

Honda(ホンダ)はSAEレベル3機能の自動運転車を初めて量産するメーカーになったことを発表した。Honda Legend luxury sedanの完全認定済み自動運転装置付きモデルは2021年3月に日本で販売開始される。Hondaはこのニュースをプレスリリースで発表し、これは日本政府が同社の自動運転装置「Traffic Jam Pilot(トラフィック・ジャム・パイロット)」を認定したのを受けたもので、ドライバーは初めて、装置作動中実際に道路から目を離すことが許される。

同じ日本の日産自動車には、Pro Pilot Assist(プロ・パイロット・アシスト)という機能が以前からあるが、これはSAE基準のレベル2で、速度と操舵を自動制御できるが、運転席のドライバーは必要な時はいつでも手動制御に切り替えるよう常に準備しておく必要がある。SAEレベル3は、実際に無人運転であるとほとんどの専門家が感じられるカテゴリーに属すものでドライバーは車の制御を完全に任せることができる。レベル3はそれでも、システムの要求があった時にドライバーが代わって運転できなければならないが、レベル4、5ではその必要がない。

Tesla(テスラ)も独自の「完全自動運転」機能のベータプログラムを開始しており、徐々にテストドライバーを増やしているが、批評家によると、その名前と異なり実際には完全な自動システムではなく、規則の上でもその分類にはまだ入らないという。Hondaによる2021年3月のレベル3レジェンドの発売は、当局承認済みの量産自動運転システム初の本格的テストとして、世界中の規制当局と一般ドライバーが注目するだろう。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Honda自動運転

画像クレジット:Honda

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

新型コロナ検査ポップアップクリニックを展開するCarbon Healthが105億円調達

Carbon Health(カーボンヘルス)は、Dragoneer Investment Groupがリードし、既存投資家のBrookfield Technology Partners、DCVC、Builders VCが参加するシリーズCラウンドで1億ドル(約105億円)を調達した。今回調達した資金はサンフランシスコのヘルスケアプロバイダースタートアップであるCarbon Healthが引き続きサービス拠点を全米に拡大するのに使われる。予定ではポップアップクリニック100カ所を全米20のマーケットに開設する。

Carbon Healthは2019年に、わずか7カ所だったクリニックを6州にまたがる27カ所に拡大した。プライマリーケアにフォーカスしている同社は、「オムニチャンネル」ケアと呼んでいるバーチャルケアのオプションを導入した。顧客にとって最も利便性がよく、効果的で、適切な方法でのサービス提供だ。同社は常にハイブリッドケアに注力してきた。しかし新型コロナウイルス対応ではフレキシビリティを重視し、ポップアップクリニックの計画にさらに力を入れてきた。

こうしたポップアップクリニックは、追加のケアオプションが必要とされている地域にある、駐車場やガレージといった十分に活用されていないスペースで展開されている。Carbon Healthはポップアップクリニックの開設でReef Technologyと提携し、オンサイトケアを提供するために貨物用コンテナスタイルのモバイルトレイラーを活用している。Carbon Healthの創業者でCEOのEren Bali(エレン・バリ)氏は、特定のケースではリモートケアが非常に効果的である一方で、顧客に完全なソリューションを提供するためにバーチャルの医師の指示でケアを行う看護師を要する、と筆者に説明した。

同社はこのモデルを使って新型コロナ検査能力をサポートし、新型コロナワクチンの準備が整えば、ワクチン接種を広範に提供できるようインフラを提供するつもりだ。Pfizer(ファイザー)が今週発表したフェーズ3の臨床試験の結果はかなり有望で、ワクチン接種プログラムの全国展開は最終的にプライムケアプロバイダーを含む多くの関係機関の協力を必要とする。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:Carbon Health資金調達新型コロナウイルス

画像クレジット:Carbon Health

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(翻訳:Mizoguchi

日本発の月面探査スタートアップのispaceが米国オフィスを開設、元スペースX社員を次期着陸船開発リーダーに採用

月面探査を支援するランダー(着陸機)技術を開発する日本発のスタートアップのispaceは、オフィスをデンバーに開設すると米国時間11月9日に発表した。​コロラド州のオフィスは、地元の航空宇宙工学の才能にアクセスできるという理由から選ばれたもので、同社はすぐに同地でエンジニアリングチームのスタッフを配置する計画だ。​ispaceはまた、7年間SpaceX(スペースX)で働いたKursten O’Neill(コーステン・オニール)氏が、同社の次世代月着陸機の開発を監督にあたると発表した。

米国での事業拡大は、ispaceがCommercial Lunar Payload Services (CLPS) プログラムを通じてNASAとより密接に協力しようとしている中で行われた。ispaceは現在、NASA向けの月面着陸機輸送サービスを提供するため、米国を拠点とする宇宙専門組織のDraperと提携している。また同社はその国際的なネットワークを活用して、アルテミス計画全体で米国との国際的パートナーと戦略的連携を広げることを望んでいる。アルテミス計画は、人類が月に帰還するのを支援し、継続的な科学研究目的のためにより恒久的なプレゼンスを確立することを目的とした、NASAのミッションシリーズである。

​ispaceは2021年の初打ち上げを皮切りに、現在計画されているMission 1とミッション2で最初の月面着陸機の打ち上げを予定している。Mission 3ではオニール氏が率いるチームが設計・製造を担当し、より大きなサイズとペイロード容量を誇る次世代ランダーを搭載する予定だ。

カテゴリー:宇宙
タグ:ispace

画像クレジット:ispace

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

ファイザーの新型コロナワクチンの効果は90%、年末までに大規模な接種開始か

Pfizer(ファイザー)とBioNTech(ビオンテック)は米国時間11月9日、開発中の新型コロナウイルス(COVID-19)のワクチンについて、フェーズ3治験の参加者で90%の予防効果があったと発表した(BioNTechリリース)。これは治験の結果をチェックするための外部独立委員会が分析したデータに基づいており、最終的な検証結果ではなく治験の初期結果を反映したものだ。しかしワクチンの実用化に向けた大きなニュースだ。

PfizerとBioNTechのワクチン候補はmRNAベースのもので、開発のスピードと潜在的有効性において優れていることから、多くの企業が新型コロナワクチン開発で比較的新しい技術だ。今回の結果は、新型コロナ陽性が確認された治験参加者94人のデータに基づいており、これは企業とFDA(米食品医薬品局)が合意している、正式な科学的評価のための陽性者62人という最低しきい値をクリアしている。

フェーズ3の治験は4万3358人を対象に行われた。Pfizerは感染予防率に加えて「安全に関する深刻な懸念は確認されていない」としている。初期データに基づくと、ワクチン接種を受けた人は最初の接種から28日後に抗体が確認された。このワクチンは2回接種する。

今後さらなる安全テストがあり、また研究も続けられるが、2カ月分の安全データ(FDAが緊急使用許可のために求めているもの)を11月第3週に提出できると両社は見込んでいる。治験参加者はまた、長期的な効果を監視するため、2回目のワクチン接種後2年間モニターされる。Pfizerは年末までに接種5000万回分、2021年に13億回分のワクチンが製造できると考えている。

今回の治験のフルデータは他の研究者や科学誌のレビューを受ける必要があるが、これは明らかに新型コロナワクチン開発においてこれまでで最も有望で良いニュースだ。すべてが順調にいけば、ワクチンの大規模な接種が2020年末までに始まることになるかもしれない。

カテゴリー:バイオテック
タグ:PfizerBioNTech新型コロナウイルスワクチン

画像クレジット:THIBAULT SAVARY / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

外はサクサク中はふんわり、トーストの味を上げるRevolution Cookingのスマートトースター、ただし約3万円とお高め

この10年間で数々のスマートなホームガジェットが生まれ、私たちがどれだけ家電にスマートさを求めているかが明らかになった。しかし、こと料理に関しては古いやり方のほうがよい場合が多く、スマート機能は物事をかえって複雑にするだけだったりする。そこに見事なバランスを持ち込んだのが、新登場のRevolution Cooking(レボリューション・クッキング)のR180 High-Speed Smart Toaster(ハイスピード・スマートトースター)だ。価格は299.99ドル(約3万1000円)。正真正銘、テクノロジーによって便利になった家電だ。トースターに必要のない、例えばインターネット接続などの機能は一切省かれている。

概要

Revolution Cooking R180で最もわかりやすい機能は、大きなよく目立つタッチスクリーンだろう。ボタンやスイッチなど、通常の機械的操作はこの画面で行うことになる。また、トーストの状況も画像で示される。まさにこれは、R180をスマートトースターたらしめる一面だろう。しかし同社のInstaGo(インスタゴー)加熱テクノロジーこそが、むしろ最大の差別化ポイントとして取り上げるべきものと考える。

基本的な形状は、ベーグルやハンバーガー用のバンズもゆったり入る広口のスロットを2つ備えたトースターだ。ベーグル、食パン、イングリッシュマフィン、ワッフル、トースターペストリー(Pop-Tartsなどのトーストして食べるお菓子)のモード選択が可能。設定できる加熱モードは、Fresh(生)、Frozen(冷凍)、Reheat(温め)の3つ。焦がし具合は7段階に調整できる。

使っていないときは、スクリーンに時計を表示させておくことができ、ときどきパン屑のトレイを掃除して空にするようにとリマインダーも現れる。

デザインと性能

画像クレジット:Darrell Etherington

R180の工業デザインは、奇抜でも過度に未来的でもなく良好だ。基本的にヘアライン仕上げのステンレス製直方体で、傾斜したクローム仕上げの正面パネルにタッチスクリーンが配されている。キッチンカウンターの上でも間違いなく見栄えが良く、タッチスクリーンの傾斜は立ったまま使うときでも表示がよく見えて、タッチ操作がしやすい。カウンターが混み合っている場合でも、比較的コンパクトなのであまり場所をとらない。

タッチスクリーンの表示は大きくて明るい。静電容量式タッチセンサーを採用しているので、入力に対してとても反応がいい。このインターフェイスで優れた点は、デジタルではあるがシンプルにまとめられているところだ。必要なものがすべて画面の中に収められている。標準的な歯車アイコンで設定が開く。ここには普段は必要ない時刻合わせや、スリープ時に表示される時計のアナログとデジタルの切り替えといった項目が格納されているので、画面がすっきり整理される。

使い方は簡単だ。インターネットの接続設定もアプリのインストールも必要ない。コンセントに電源プラグを差し込むだけで起動し、パンの種類、焦がし具合、加熱モードの設定が画面に現れる。焼きたいパンの種類を表示されるイラストで選択して指でタッチするか、左右にスクロールさせて別のパンを選ぶ。3つの加熱モードから1つ選び、色で示される焦がし具合から、自分の好みにいちばん近いものを選ぶ(ここでの選択に合わせて、すでに設定したパンの画像がアップデートされる)。そしてStart(スタート)ボタンをタップすれば、後は放っておいて忙しい朝のレースを開始できる。

画像クレジット:Darrell Etherington

これはまさにレースだ。Revolutionのこのトースターは最速クラス。同社の宣伝文句からはもっと早く焼けそうな期待があったが、それでも普通のトースターより早いことは疑いない。もう1つの目玉が、Revolutionが謳っている焼け具合の品質だ。パサパサにならずに、焼き上がりの味が向上すると約束している。冷凍パンをこんがり焼くという難しい設定においてもだ。

実をいうと、送ってもらったトースターを初めて試したとき、そうしたRevolutionの主張のことはよくわかっていなかった。しかし、私も私のパートナーも、R180で焼けばどんなパンでもパサパサにならないことにすぐに気がついた。普段使っているブレビルのトースターとまったく違う。ふっくらしていながら、トーストされた部分は黄金色でサクサクだ。意外に聞こえるかも知れないが、Revolutionの主張は実証された。スマートトースターは、トーストの味を良くする。

結論

2枚焼きトースターに300ドル(約3万1000円)というのは、いくらなんでも贅沢すぎると感じられるだろう。たしかに、そのとおりだ。しかし、スマートではない高級トースターも、すでに家電製品の予算の上限を押し上げている。Revolutionの優位性を謳う中の最大の主張は外はサクサク、中はふわふわでパサパサにならないという点だ。そこはしっかりやってくれる。タッチスクリーンのせいで価格が吊り上がっているのはほぼ間違いないだろうが、それによって望みどおりの焼き加減を設定できるハッキリとわかりやすいインターフェイスが実現している。しかも使っていないときは、カウンターの上の置き時計としていい感じに見える。

まとめるなら、Revolutionのスマートトースターは、ほどよくスマートだということ。スマート家電として求められる場所でスマートさを発揮する。ただし、自分がどれだけトーストにこだわっているかを、じっくりとよくよく考えるべき価格ではある。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:スマート家電レビュー

画像クレジット:Darrell Etherington

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(翻訳:金井哲夫)

Netflixがフランスでリニア配信のTV番組と映画チャンネルをテスト中

Netflix(ネットフリックス)は標準的な放送やケーブルテレビと同様の、プログラムされたリニア配信のコンテンツチャンネルを初めてテストしている(Variety記事)。このチャンネルはNetflixのブラウザベースのウェブサイトにて利用可能で、当初はフランスの一部地域で2020年1月5日から展開され、12月までにフランス全域に展開される予定だ。

このチャンネルはNetflix Directと呼ばれ、Netflixの購読者のみが利用できる。そしてフランスや米国といった地域のテレビ番組や映画を、Netflixの既存のコンテンツライブラリーから選択して上映する。Netflixによるとフランスでのローンチの背景には、同国の視聴者の多くがが次に何を見るかを選択せずに番組を見ることを好む傾向があるからだという。

Netflixは以前、おすすめリストから好きなものをランダムに再生するシャッフル ボタンのテストを開始していた。今回のNetflix Directのアプローチは、従来のテレビのように視聴者全員が同じ番組を見る固定された番組となる。

Netflixの強みはチャンネルをサーフィンをしたり、リラックスしながらテレビにチャンネル選択を任せられる点であり、今回の機能がその答えになるかもしれない。Netflixにとってこれは興味深い試みであることは間違いないが、視聴者の好みが異なる地域でにも普及し拡大するかどうかが注目される。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Netflixフランス

画像クレジット:Chesnot / Getty Images

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

Rocket Labは11月にElectronロケットのブースター回収テスト実施へ

ニュージーランド出身のエンジニアが創業者した宇宙企業、Rocket Labは11月に予定されている重要な実験のための準備を整えた。これは衛星打ち上げロケットのブースターの回収を試みるテストで、打ち上げに適したタイミング、いわゆる「ウィンドウ」が開くのは11月16日だ。

実はロケットラブではブースター回収のテストを17回目の打ち上げで実施するとしていた今回の打ち上げは16回目であり1度前倒しされたことになる。同社はスケジュールを速めた理由について簡単な説明を発表した。

Rocket Labが再利用をテストするのはこれが最初ではない。2020年8月にElectronロケットのブースターを回収して再飛行させる計画を発表したとき、同社のファウンダー、CEOのピーター・ベック(Peter Beck)氏は「これは同社の当初の計画に含まれていなかった」と述べた。同社は今年、ブースターの再突入時の誘導・制御システムと降下を減速するためのパラシュート展開のテストに成功している。

公開されたビデオでBeck氏はブースターの回収を図る目的について説明している。簡単に言えば回収、再飛行が実現すれば打ち上げのつどブースターを製造する必要がなくなり、オペレーションを大幅に合理化することができるからだ。当初の計画にブースター再利用が含まれていなかった理由は、SpaceXのFalcon 9やBlue OriginのNew Shepardと比較してElectronはずっと小型であり、ロケット噴射によって回収するための燃料を積む余地がないと考えられていたためだった。

しかしBeck氏のチームは独創的な回収方法を考案した。これは小型のドローグシュート(抽出傘)ととメインパラシュートを組み合わせることによってブースターを減速し、ヘリコプターによって空中で吊り上げるという方法だった。今回計画されている回収テストはヘリコプターによる吊り上げのステップは含まれていない。パラシュートで減速させて洋上に着水させて回収することを狙っている。

Beck氏によれば、ヘリコプターによる吊り上げについてはあまり心配していないという。ステップは同社が既にテストを行って成功しているためだ。重要な部分はペイロードを軌道に乗せることに成功した後でブースターの回収段階に進めるかどうかだ。

Rocket Labが今回のテストでブースターを回収することができれば、Electronにブースター回収システムを装備することが十分可能となる。これにより打ち上げの間隔を大幅に短縮することが可能になる。将来的には打ち上げコストの削減も期待できる。

われわれはテストの結果について詳しく報道する。Beck氏は衛星ビジネスをテーマとするTechCrunchの新しいセッション、TC Sessions: Spaceにバーチャルで登場しRocket Labについてプレゼンする予定だ。

画像: Rocket Lab

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滑川海彦@Facebook

アマゾンがヨーロッパ初となるAmazon Airの地域ハブをドイツに開設

Amazon(アマゾン)はドイツのライプツィヒ / ハレ空港を拠点とする、ヨーロッパ初となるAmazon Airのハブの運営を正式に開始した。この新しい施設は2万平方メートル(6万5600平方フィート)の敷地面積で、アマゾンブランドのボーイング737-800型機を2機導入する予定となっており、これにより同社の全運航機は70機以上になる。

アマゾンによると、この新しいハブはライプツィヒ地域で200人以上の雇用を生み出すという。同地域には大規模な地域フルフィルメントセンターがあり、すでに1500人以上が雇用されている。アマゾンはまた、パンデミックが続くヨーロッパでのタイムリーな配送の継続に役立つだろうと述べている。

アマゾンは2016年に配送・配送ネットワークの拡大を開始して以来、航空貨物物流事業を着実に成長させてきた。同社は米国のテキサス、プエルトリコ、フロリダの空港に地域のエアハブを持ち、2021年にはカリフォルニア州のサンバーナーディーノ国際空港とシンシナティ / ノーザンケンタッキー国際空港にも展開する計画だ。

アマゾンは2020年6月に、新型コロナウイルスによる需要の増加の対応に対応するため航空機を12機追加した。ヨーロッパ地域でのハブの追加は、同地域を含む世界的な第2のウイルス流行中に同社のサービスに対する需要が急増していることを考えると、アマゾンがこの事業の拡大を依然として優先していることは理に適っている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Amazon

画像クレジット:Amazon

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

NASAが月面ミッションを記録する革新的な新技術を一般に広く募集中

NASAはロボットカメラシステム、高解像度および360度の動画撮影、没入型VRコンテンツなどの潜在的な使用を含め、新たな革新的な方法で自身のミッションを補完するのに役立つ提案を、パートナーから新たに要請すると発表した。同局は放送局やスタジオだけでなく、航空宇宙に特化した企業、非営利団体、学校など、さまざまな潜在的なパートナーからの回答を求めている。

これはロボットカメラキャプチャシステム、ユニークな機能を備えた携帯性の高いカメラ、メディアキャプチャや編集を自動化または強化するソフトウェア、さらにはブロードバンドビデオの圧縮などに取り組んでいるテックスタートアップや若い企業にとって、重要なパートナーを獲得する絶好の機会となる可能性がある。現在、2024年に予定されている月面への帰還を含むNASAの一連のミッションであるアルテミス計画を含め、少なくとも今後十年間は世間の注目を集めることになるだろう。

今回の提案では、2023年に設定された有人月周回飛行など、今後のアルテミスのミッションに向けて実際に機器を送り込むことになるかもしれない。NASAのリリースによれば、月への帰還という画期的なミッションの範囲と影響を最大化し、最終的にはより恒久的な研究拠点を設立できるアイデアを真剣に探しているという。それがテレビや放送のアプローチを超えているようなら、何であれ問題ないようだ。

NASAからの提案の公式声明はここから閲覧できる。すべての提案は審議の資格を得るために2020年12月11日の真夜中までに提出する必要がある。

カテゴリー:宇宙
タグ:NASA

画像クレジット:NASA

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

Alphabet Xはうつ病発見のための単一バイオマーカーを探求するも達成できず、Project Amberをオープンソースとして公開

Alphabet X(Googleのいわゆる「ムーンショットファクトリー」)が、Project Amber(プロジェクト・アンバー)に関する新しいブログ記事(Alphabet Xブログ)を、米国時間11月2日投稿した。同プロジェクトは過去3年間にわたって取り組みが行われていたが、その成果が今回オープンソースとして世界のメンタルヘルスの研究コミュニティに公開された。この先その上でさらなる開発が進むことが期待されている。Xプロジェクトは、うつ病のための特定のバイオマーカーを特定しようとしたが、その目的を達成することはできなかった(現在研究者たちは、うつ病や不安症を特定できる単一のバイオマーカーは存在しない可能性が高いと考えている)、それでもXは、脳波(EEG)と機械学習を組み合わせたその研究成果が、他の研究者たちの役の立つことを期待している。

Xの研究者たちは、うつ病が他の病気や障害と同様に、医療従事者がいm以上に簡単かつ客観的にうつ病を診断するのに役立つ、明瞭なバイオマーカーを持っているのではと期待していた。それは、目的のために特別にデザインされたゲームを使用して、実験室で行われた研究の中で脳波を見た際に、いくつかの前例となるケースが発見されたからだ。そこでは、うつ病の人びとには、実質的にゲームの「勝利」に対応する脳波活動の低下が一貫して観察された。

これらの研究は、バイオマーカーの可能性への道筋を示しているように見えた。それを(クリニックや公衆衛生ラボのような)実際の診断環境で有用なものにするために、Xのチームは脳波収集やその解釈プロセスを改善して、ユーザーや技術者たちにとって使いやすいものにしようとした。

この探求についておそらく最も注目すべき点は、Alphabetがその過程を詳細に発表した米国時間11月2日の投稿は、基本的にうまくいくことがなかった長年の調査についてのストーリーであり、大規模テック企業から一般的に聞こえてくる典型的なムーンショットストーリーとは異なっている。

実際、これはおそらく、大規模テック企業の多くのアプローチを、批評家が理解し損なう例を示す最良のものの1つだ。ソフトウェアやエンジニアリングの世界でよく見られるソリューションに類似したアプローチでは解決できない問題もあるのだ。

Xのチームは、長年にわたったユーザー研究プロジェクトからの学びを、3つの要点としてまとめている。そしてそれぞれの要点が、純粋なバイオマーカー検出手段の(たとえ機能していたとしても)不十分さに何らかのかたちで触れている。それは特にメンタルの病に対する場合に顕著なものとして示されている。

1.メンタルヘルスの測定はまだ未解決の問題です。多くのメンタルヘルスの調査や評価基準が利用可能であるにもかかわらず、それらは特にプライマリケアやカウンセリングの現場では、広く使用されていません。その理由は、作業負荷(「私はこれを行うための時間がありません」)から、懐疑主義(「評価基準を使用しても、私の臨床判断よりも優れていることはない」)、信頼の欠如(「私は患者がこれに正直に答えているとは思わない」「私はカウンセラーにこれほどまでに多くを明らかにしたくない」)まで、多岐にわたっています。これらの知見は、測定に基づくメンタルヘルスケアに関する文献の中に現れているものです。いかなる新しい測定ツールであっても、生きた経験を持つ人と臨床医の両方に対して明確な価値を創出することで、こうした障壁を克服する必要があります。

2.主観的データと客観的データを組み合わせることには価値があります。生きた経験を持つ人と臨床医は、どちらも客観的な指標の導入を歓迎しましたが、主観的な評価や、相手に経験や感情について質問する行為を置き換えるものではありませんでした。主観的指標と客観的指標の組み合わせは、特に強力であると見なされていました。客観的な指標は、主観的な体験を裏付ける場合もあれば、両者の相違そのものが、会話を始めるきっかけを与えてくれる、興味深い洞察となったりする場合もあります。

3.新しい測定技法には、複数のユースケースがあります。私たちの最初の仮説は、臨床医が診断補助として「脳波検査」を使用できるかもしれないということでした。しかし、このコンセプトは熱心に歓迎はされませんでした。精神科医や臨床心理学者などのメンタルヘルスの専門家は、臨床面談を介しての診断能力に自信を感じています。プライマリケアの医師は、脳波検査が有用だろうと考えましたが、それは血圧検査などと同様に、患者との面談前に医療スタップによって実施された場合に限るのです。一方カウンセラーやソーシャルワーカーは実践の場で診断を下さないため、脳波診断とは無関係でした。生きた経験を持つ人の中には、機械によって「うつ」だとラベル付けされるというアイデアを好まない人もいました。

対照的に、テクノロジーを継続的に観察するためのツールとして使用することには、特に強い関心が示されました。面談と面談の間に何が起きたかを知るために、メンタルヘルスの状態の変化を経時的に捉えるのです。多くの臨床医が、患者や顧客が自分で検査を繰り返せるように、脳波システムを自宅に送っても良いかと尋ねてきました。また彼らは、脳波が持つ予測能力への可能性にも強い関心を示しました。例えば将来より「うつ」が深刻になるのは誰かを予測するといったことです。脳波などのツールが、臨床およびカウンセリング環境においてどのように導入されることが最適なのかを決めるためには、さらなる研究が必要です。例えば、デジタル表現型(digital phenotype、個人のデバイスから収集される行動データ)などの他の測定技術と組み合わせる方法も含まれます。

XはProject AmberのハードウェアとソフトウェアをGitHub上でオープンソース化する。そして同時に、オープンソース素材を通して使われる、Amberに関わる脳波特許の利用者に対して、いかなる法的措置も講じないことを宣言する「特許誓約」も発行する。

Amberが「うつ病」のための単一バイオマーカーを発見できたのかどうかははっきりしないが(おそらく発見できていないだろう)、専門的な試験施設以外でも脳波をより使いやすくするためにチームが行った作業の成果は、より広いコミュニティの手に渡ることで、おそらく他の興味深い発見につながることだろう。

カテゴリー:バイオテック
タグ:Alphabetうつ病GitHub

画像クレジット:X, the moonshot factory

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(翻訳:sako)

海洋探査を変えるかもしれないMITが開発したバッテリー不要の水中ナビシステム

MIT(マサチューセッツ工科大学)は水中で使用する新しいナビゲーションシステム(MIT News記事)を開発した。このシステムは、地上や空中でGPSが行っている方向案内を水中で実現しようとするものだ。GPSは、水中にはほとんど届かない。電磁波と水は相性が悪いからだ。潜水艦でソナーなどが使われているのはそれが理由だ。ソナーは音波を発信し他の水中物体や海底からの反射を測定する。しかしソナーをはじめとする音声信号方式は、一般的に消費電力が大きい。そのため、MITの新しいバッテリー不要システムには大きな可能性がある。

GPSは電力効率が良いシステムでもあり、カーナビゲーションからスマートフォンの地図まで、私たちの移動方法を大きく変えた理由の1つでもある。現在の水中ナビゲーション技術の制限は、音波発生発信装置を駆動するために大きくてすぐに消耗するバッテリーパックが必要なことだ。MITのシステムが利用する新しいバッテリー不要の音声ナビゲーションシステムは、自分で音波を作り出すのではなく、すでに周囲にある信号を利用する。

システムが使用している圧電材料は機械的応力を受けると電荷を生成する。応力は音波が材料に与える衝撃からも生まれる。研究チームは圧電材料を使ったセンターで音波情報をバイナリーコードに変換する方法を編み出し、周囲の海水温度や含有塩分などの測定に使っていたが、これを位置情報の決定にも使えるはずだという理論を立てた。

それは想像するほど簡単なものではない。音は水中のさまざまな表面で反射し、しばしば予想外の角度で戻ってくるからだ。しかし研究チームは、「周波数ホッピング」と呼ばれる方法でこの課題に取り組み、広い範囲の波長にわたって情報を集めた。これが深海で効果を発揮し、現在、彼らは浅い水深の雑音の多い環境でも効率を高める方法を研究している。

最終的に、このシステムや同じテクノロジーに基づく将来のバージョンでは、未来型ロボット探査潜水艦による海底の地図化の効率を高め、あらゆる自動モニタリングと海中ナビゲーションを可能にすることが目標だ。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:MIT

画像クレジット:Reza Ghaffarivardavagh / MIT

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

スポーツ用品のUNDER ARMOURが買収額を下回る4.75億円で一般向けダイエットアプリMyFitnessPalを売却へ

フィットネス大手UNDER ARMOUR(アンダーアーマー)は米国時間10月30日朝、MyFitnessPal(マイフィットネスパル)を投資会社Francisco Partners(フランシスコ・パートナーズ)に3億4500万ドル(約360億円)で売却する(PR Newswire記事)と発表した。UNDER ARMOURは5年半前にMyFitnessPalを4億7500万ドル(約500億円)で買収していた。UNDER ARMOURはまた、同時期に8500万ドル(約89億円)で買収したEndomondo(エンドモンド)を終了することも発表した。

プレスリリースの中で、UNDER ARMOURは今回の決断の理由は単に、「唯一無二の結合力あるUAエコシステム」の構築を追求するうえで「ターゲットとする消費者であるフォーカスドパフォーマー」に照準を絞ることにあると述べた。UNDER ARMOURが買収額よりも少ない額で(5年間のインフレーション、一定のMyFitnessPalユーザー成長すら含まれていない)MyFitnessPalを売却するという事実は、フォーカスを絞る以上の意味があることを物語っている。

MyFitnessPal(2015年の買収時に8000万人のユーザーがいるとし、10月30日のプレスリリースによるとユーザー数は2億人超だ)とEndomondoは初めてフィットネスに挑戦する、あるいは日々の健康を向上させるのに関心を持っているが持久力をともなうスポーツゲームのためにトレーニングするわけではない、というカジュアルで初心者レベルのフィットネスユーザーに的を絞っていたというのはまぎれもない事実だ。UNDER ARMOURの全体的なブランドイメージはどちらかというとプロのアスリートに関連するもので、スポーツ愛好家やセミプロの顧客も抱える。

つまり想像されるのは、UNDER ARMOURはこの初心者部門の価値が長期的には低くなるとみているということだ。この考えを裏付けるいくつかの理由がある。1つはApple(アップル)がApple Watchの拡充とApple Healthソフトウェアの提供を通じて、初心者レベルのフィットネスユーザーの取り込みに積極的であることだ。同社はまた2020年後半に立ち上げるApple Fitness+サービスでもユーザー獲得を狙っている。

パンデミック、そしてジムのような共用ワークアウト場所の利用制限が続く中、自分で行うフィットネスの部門が大きく成長するだろうと想像するかもしれないが、アップルの積極的な動きは、ユーザーがハードウェアを買うことで本質的に無料、あるいはかなり低価格のサブスクを利用するようになるというかなり包括的なデフォルトを提供する。専用の在宅トレーニングギアとサブスクプラットフォームを通じてサービスを提供しているPeloton(ペロトン)の成長もまた、初心者や軽いフィットネスを行う人の需要を取り込んでいる。

UNDER ARMOURはMapMyFitnessプラットフォームの所有と運営を続けると明言した。同プラットフォームにはMapMyRunとMapMyRideが含まれる。UNDER ARMOURはMapMyFitnessを2013年に買収し、UNDER ARMOURのコネクテッドシューズのラインナップにはワークアウト追跡のためのアプリが統合されている。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:UNDER ARMOUR売却

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi