マイケル・ベイ監督、CESステージでの失態は彼の責任ではなかった

まるで話題が先行しすぎた夏の大型映画作品のように、マイケル・ベイのCES 2014デビューは失敗に終った。しかし、どうやら悪いのは彼ではなかったようだ。この有名映画監督は、Samsungの演出過剰のやりすぎCES 2014プレス会見に参加していた。彼はステージに呼ばれてSamsungの新しい曲面4Kテレビについて話し、この新しい形状と技術がいかに彼の映画を生き生きとさせるかを強調するはずだった。しかしそれは成らなかった。上のビデオの通りだ。

監督の名誉のために言うと、これは彼の責任ではない。彼が少し話した後、テレプロンプターが正しいテキストを映し出さなくなった。彼は注意深く言葉が選ばれていた台本を読めなくなった。そして諦めた。

アップデート:マイケル・ベイは自身のブログで、同製品の支持を続けることを表明した。「ライブショウは私には向いていないようだ」。

巨大消費者電気メーカーは、次々とハリウッドスターをCESに連れてくる。スターのわずかな時間と引き換えに、膨大な出演料とパブリシティーを提供する。これらの会社は、ブランドネームによる自社製品のお墨付きが欲しいのだ。しかし、思ったようにならないこともある。

トム・ハンクスは、2009年のSonyのプレス会見ですばらしいパフォーマンスを見せた。ご覧あれ。最高だ。

Polaroidは2010年に、新しいカメラ製品の発表にレディー・ガガを起用した。彼女は2時間遅刻して単語を5つほど話した。さらに悪いことに、彼女がデザインに関わったとされるそのカメラは、コンセプトと似ても似つかぬ外見になっていた

Monster Cableが2009年に初めてドクター・ドレーと契約した時、彼らはプレスインタビューを共同開催した。はっきり言って、当時ドクターは彼のヘッドホン・ベンチャーにあまり興味を持っていないようだった。

そして、昨年、2013年にQualcommの基調講演が時代を越えるドタバタ喜劇に転じたことを忘れてはならない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


今年のCESで本誌TechCrunchはハードウェアスタートアップコンペを開催する

【抄訳】

Consumer Electronics Show(CES)の規模とその出品品目の多様さは、初めて訪れる者を茫然とさせる。CESは、汚水溜めと呼ばれてきた。糞溜めとも呼ばれてきた。そう呼ばれるて当然の、大混雑と大乱雑が毎年ある。CESは、大小さまざまの、消費者電子企業が目立つことを競う乱交パーティーだ。だから本誌TechCrunchも参加する。

あと2週間後に迫った2014年のショウでTechCrunchは、これまでスタートアップのための大会DisruptでやってきたStartup Battlefieldを、初めてCESでぶちかます。それはHardware Battlefieldと題され、対象が有望なハードウェアスタートアップに絞られる。この新人コンペをやらかす場所として、CES以上に最適なところはありえるだろうか?

CESは世界最大のスタートアップショウで、ラスベガスを占領する、とまで言われる。この都市をCESが消費し、ホテルは全室予約済み、すべての会議場施設が使われる。SamsungやMicrosoftのような大企業一社に対して、およそ100社の小企業が集まる。その中の、正規の小間を与えられなかった企業の中に、最優秀企業がいるかもしれない。

CESは毎年、Las Vegas Convention Centerで行われてきた。この巨大な施設には展示会場が4つあり、その一つ一つが航空ショウができるほど大きい。最近ではLVCCが破裂しそうになってきたので、お隣のHiltonやThe Venetian、Palazzoなども使われる。一方、企業の中には、この日のために大金を溜め込み、伝統的なCES体験をあえて無視してカジノのスイートを借り切る連中がいる。そのほか、ハッカソンがあり、プレスイベントがあり、途中で足が痛くなりとても全部は回れないほどたくさんのパーティーが行われる。


CESは、われわれのようなプレスや、一般消費者のための催しではない。バイヤーと展示企業のためのショウだ。イノベーションを作り出す人びとと、それを売る人たちのためのショウだ。消費者電子業界のためのショウだ。しかしそれでも、最近は年々、展示場にプレスの放送用ブースが増え、会場周辺に駐車するトレーラー(放送車)が増えた。この、大きすぎて複雑すぎるショウを、現場密着でわかりやすく報じたいからだ。

本誌TechCrunchがCESに参加するのは、各社のプレスリリースをリブログするためでも、Samsungが発表した最新のタブレットの宣伝を記事で助けるためではない。本誌が参加するのは、次の時代の大物を知りたいためだ。2014年のショウでは、本誌はこれまでで最多のライターと編集者とビデオスタッフを送り込む。放送用ブースも、昨年より大きい。ぼくは本誌のCES特集を企画するためのスプレッドシートを今年も作ったが、その枚数もこれまでで最多だ。

そして前述のように、今年の本誌はCESの会場でスタートアップコンペを行う。

【後略】

ネット販売大手のOverstock.com、2014年中にBitcoinを受け付ける計画との報道

ネット小売業のOverstock.comは2014年中にBitcoinの支払いを受付ける計画であることを、同社CEOがThe Financial Timesに話した。どうやら同社は、このデジタル通貨を受付ける初めての主要オンライン小売店になる勇気を持っているようだ。主要小売業者で同様の計画を発表をしたところは未だ他にない。ただし、あなたのデジタル財布はまだしまっておいた方が良い。同社がBitcoinを受け付けるのは2014年後半以降で、その頃にはDogecoinの人気が上回っているかもしれない。

この発表の数日前、Bitcoinエコシステムに大変動が起きた。中国最大のBTC取引所が中国元による入金を拒否したために、Bitcoinの貨幣価値は数時間のうち50%暴落した。

Overstockは昨年10億ドルをわずかに越える売上を記録した。同社はNASDAQで取引されており、株価はその1年に109.29%上昇した。Bitcoinを受け付けるというニュースによって、株価はその日だけで7.77%上がった。

Overstock CEOのPatrick Byrneは、健全な通貨制度は、逆ピラミッドや政府の気まぐれに基づくべきではない、Bitcoinはその要件を満たしている、と語った。Byrneによると、OverstockがBitcoinの受付を開始した際、派生システム(Dogecoin等)の人気が上がっていれば、同社はデジタル通貨を預金するつもりだという。もし分派たちが盛り上がらねければ、OverstockはBitcoinを日々ドルに交換し、事実上Bitcoin収益のデイトレーダーになる。

2013年の後半、数々の小売業がBitcoinによる支払いを受け付け始め、OKCupid、Namecheap、Humble Bundleらが名を連ねた。慈善団体もデジタル通貨に理解を示しており、それは通常義援金にかかる手数料が不要だからだ。もしOverstockが計画通りに進めれば、Bitcoinを受け付ける最大の米国拠点小売業者になる。もちろん、Amazon等が出し抜かなければの話ではあるが。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Revolveは手頃な価格で簡単にスマートホームを実現する―モノのインターネット、さらに一歩前進

ホームオートメーションという考えは別に新しいものではない。何十年も前から家庭の器具や設備をインターネットに接続しようとする努力が続けられてきたが、たいていは手間や価格に見合わない効果しか得られなかった。しかしそこに「モノのインターネット」(Internetof Things)が登場した。

スマートスピーカーのSonos、スマート照明のHue、スマートロックのKwiksetなとはどれもロケット科学者でなくても誰でも簡単に設定して利用できるプロダクトだ。箱を開いて説明書のとおりにスマートフォン・アプリをインストールするだけでよい。すばらしい。しかしスマートデバイスの数が増えてくると、それぞれ個別のアプリで操作するのは煩わしくなってくる。

そこにコロラド州ボウルダーに本拠を置くTechStar出身のスタートアップRevolvが登場した。299ドルのデバイスで、家中のスマートデバイスをコントロールするハブとなってくれる。統合スマートホームシステムの完成だ。スマートデバイスが普及するにつれて多数のスマートデバイスを一括してコントロールできるシステムが必須になってくる。Revolvはその最初の重要な試みだ。いわばモノのインターネット実現における「ミッシング・リンク」といえる。

私の家にはNestのサーモスタットWeMo照明スイッチ 、Kwiksetのロックなどのスマートデバイスが設置されている。これまではそれぞれのアプリで個別に管理しなければならなかった。同じ家に設置されていてもスマートデバイス同士はお互いを知らない状態だ。NestはKwiksetと会話できず、したがって玄関のKwiksetが解錠されたらエアコンの温度を上げるようNestに指示することもできない。

Sonosのオーディオシステム、PhilipsのHue照明、Insteon、GEスマートシステムなどが設置された家では話はもっと複雑になる。Revolvは多数のスマートデバイスの管理ダッシュボードを一つにまとめるだけでなく、あらかみめさまざまな自動化マクロが用意されている。

Revolvのスマートアクション機能は意味的に同一の機能をまとめてコントロールできる。たとえばオーナーの位置情報について、家から100ヤード以上離れた場合の動作を複数のデバイスに指定できる。つまりNestに玄関の施錠させ、エアコンを停止し、Sonosには留守番の犬のためのBGMを流させる。逆にオーナーが100ヤード以内に入ったら玄関を解錠し、エアコンを作動させ、Sonosで好みの音楽を流す、などだ。

これにBelkinのWeMo照明スイッチ、PhilipsのHue照明システムなどが加われば応用範囲はさらに広がる。アロマ・キャンドルを温め、足湯を用意し、照明を落としてリラックスして映画を見る雰囲気を作ることもできる。


設定は驚くほど簡単だ。Revolvを電源に接続し、スマートフォンにアプリをインストールする。あとはアプリのガイドに従えばよい。一部のスマートデバイスは自動的にRevolvを認識して接続が完了するが、マニュアル操作が必要なデバイスもある。Kiwkset錠の場合は裏面の小さなボタンをいくつか押す必要があった。

Revolvもまだ完全ではない。たとえばまだ複数のスマートフォンを認識しない。私が家から100ヤード離れると、妻が家にいても自動的にエアコンを切ってしまう。しかしこうした点はすぐに改良されるだろう。

家にスマートフォンでコントロールされるスマートデバイスを複数設置しているならRevolvは文句なしに買いだ。話の種になるだけでも価格だけの価値はある。インストールしたとたんに「あ、これが必要だったのだ!」と読者の頭の上に(漫画の)電球が灯るだろう。

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次世代USBのプラグは今より小さくなり(MicroUSBなみ)やっと裏表がなくなる

長すぎた全世界的悪夢が、やっと終わる。USBのプラグの新仕様では、AppleのLightningのコネクタのようにリバーシブルになる。これまでのように、やみくもにレセプタクルに差し込んで失敗を味わう、という屈辱はなくなる。次世代のプラグは、つねに、どっちが上で下でもよい。

そのType-Cと呼ばれるコネクタは、USB 3.1の規格の一環だ。最終決定が2014年半ばとされており、プラグのサイズは今のMicroUSBのプラグと同じになる、と言われている。また供給電力の幅が拡大し、データレートが最高10 Gbit/s近くになるなど、機能も一新される。

USB 3.0 Promoter Groupの会長Brad Saundersは、今日(米国時間12/4)発表された声明の中でこう言っている:

“USBはデバイスを接続し電力を供給する技術として確立し、歓迎されているが、しかしコネクタは、サイズや使い勝手などのデザイントレンドの進化に伴い、刷新が必要であることをわれわれも認める。新たなType-Cコネクタは市場の方向性によく適合し、USBの将来のバージョンの基盤にもなりうるものである”。

しかしUSB 3.0 Promoter Groupは新たなコネクタの画像をリリースしなかった。

このプラグは、現在のUSBのプラグとの互換性がないから、新しいデバイス用には既存のMicroUSBケーブルは使えないし、新しいコネクタのついたケーブルを今あるデバイスでは使えない。ごみが一挙に増えそうだが、でもコネクタをひっくり返す指のダンスをしなくてもよくなるのは、大歓迎だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazon、Kindle Fire HDXとiPad Airの比較広告でジョニー・アイブを真似る

うむ、Amazonはひどいことを言う。しかしその内容は正しい。

Amazonの最新のKindle HDX 8.9のCMはiPad Airを攻撃している。iPad Airより軽く、スクリーンも高画質で、しかも安いというのだ。これは確かに事実ではある。

AmazonはMicrosoftと並んで直接Appleのハードウェアに対抗する陣営に参加した。ただしWindowsタブレットのテレビCMとは違って表現は挑発的だし、Apple側のナレーションはどうやらジョニー・アイブのパロディーのようだ。しかしMicrosoftの攻撃が主観的なのに対して、Amazonの主張は具体的だし、事実だ。一部の消費者には重要なポイントとなるだろう。

Kindle HDX 8.9はiPadの有力なライバルの一つだ。iPadよりスクリーン解像度が高いだけでなく、全般的にみて画質も優っている。軽くて、安い。タブレットの主な用途がYouTubeでビデオを見たりゲームをしたりAmazonでビデオを借りたり、買い物をしたりするだけのユーザーにはHDXは好適だ。ただしメールなどのコミュニケーション・ツールと生産性ツールをAppleのコンピュータとデバイスで全面的かつ巧妙に同期させるiCloudエコシステムはHDXに欠けている。

Amazonは一般ユーザー向けデバイスのメーカーとして着々と地位を固めつつある。初代のKindleというささやかな試みから始めたデバイス事業は今やメジャーな存在にスケールした。 まだまだiPadはHDXより優れた製品だ。しかしそのギャップは急速に埋まりつつある。それに、配達ドローンも準備中だ。

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(米国の)携帯キャリアが邪悪であることを忘れてはならない

本日の「米国携帯キャリアはアホ」シリーズは、 携帯キャリアとCTIA(セルラー通信工業会)が貴重な収入源を守るために、どうやってスマートフォン盗難防止機能を妨害しているかについてお送りする。

2012年、米国消費者160万人以上がスマートフォンを盗まれた。米国における窃盗の3件に1件がモバイル端末がらみだ。CBS This Morningのインタビューに答えたサンフランシスコ司法長官は、同市の盗難の50%にスマートフォンが含まれるていと言った。これは異常事態であり、携帯キャリアは解決方法を見過ごしている。

ニューヨークのEric Schneiderman司法長官によると、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロンドン、およびフィラデルフィアの各当局は、携帯電話業界に解決案の提示を求めた。Samsungは今年、自社端末にこれを実装したが、米国の5大携帯キャリアはこれを顧客に提供しない。

CBSが入手したメールによると、AT&T、Verizon、T-Mobile、Sprint、およびU.S. Cellularの全5社は、自社で販売するSamsung端末にその機能を内蔵しないことを決定した。一方、携帯電話会社の業界団体であるCTIAは、FCCおよび一部の警察署と協力して、盗難携帯電話機のオンラインデータベース作成に協力した。

理論的には、このリスト ― 各キャリアが独自に作成、管理される ― によって盗まれたスマートフォンが再アクティベートされるのを防ぐことができる。しかし、データ盗難には無効であり、海外に持ち宗された電話にはほぼ使いものにならない。必要なのはキルスイッチであり、スマートフォン所有者の手に置かれなければならない。

今年、SamsungとAppleの両社は自社端末にキルスイッチを実装した。AppleはSamsungより幸運だった。Samsungスマートフォンの大半は米国内で販売され、Androidが走っているため、携帯キャリアは端末を消費者に売る前にソフトウェアを変更できる。米国キャリアは単にキルスイッチを外した。

Appleの解は完全ではないが、大きな一歩だ。Find iPhoneアプリを使えば、ユーザーはiPhoneの場所を見つけてデータを消去できる。最新のiOS 7では、端末を再アクティベートするためには、元の持ち主の認証情報を入力しなければならない ― 完全リセットした後であっても。Googleも同様の機能をAndroidに導入しており、盗難電話の位置の特定やデータ消去が可能だ。しかし、リモートで消去された後、新しいアカウントで再アクティベートできてしまう。

なぜ携帯キャリアが、このよく考えられたセキュリティー機能を顧客に提供することを拒んでいるのか、正確なところはわからないが、利益を守るためという説が有力だ。各キャリアはスマートフォン盗難のための保険を提供している。では、自分の携帯電話が盗まれた時、人は何をするべきだろうか。拘束されずに1995年のように歩き回る? ではなく、新しい端末を正規の値段で買うか、新規契約して安く端末を買うか、保険の免責金額を払うかだ。

CTIAの全国データベースがスマートフォン盗難を防ぐかどうか、結論を出すにはまだ早い。しかし論理はそれを不可能だと言っている。盗人たちは、CTIAデータベースもそれを作った携帯キャリアも手の届かない海外に売るだけだ。外国に売るのは難しいとお思いだろうか? 違法なワークフローの中のCraigslistをeBayに変えるだけ ― 盗人たちは再び準備OKだ。

携帯電話業界全体として、端末所有者にもっと力を与える必要がある。持ち主に内蔵キルスイットを与えること。盗まれた電話機をアクティベートしようとすると、端末の中核部分に組み込まれたソフトウェアが、携帯電話をレンガに変えてしまう。

自動車業界は、一時ラジオの盗難に悩まされた。この問題は、自動車メーカーが強固な姿勢を取り、盗まれたラジオが元の車の外では使えなくすることによって解決した。しかし、携帯電話業界がそうした強硬路線を取ることを期待してはいけない。窓ガラスを割られてラジオのなくなった車のオーナーは、高価な新車を買いに行ったりしない。新しいガラスとラジオを買うだけだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Qualcomm、350ドルのToqでスマートウォッチ市場に参入

Qualcomm Toqの登場だ。350ドルのスマートウォッチは、来たる12月2日からQualcomm自身が販売する。この時計にはいくつか興味深い特徴があり、その一つはQualcomm独自の低消費電力画面、Mirasolで、直射日光の当たる場所でも読みやすい。スマートウォッチレースがいよいよ面白くなってきた。

Qualcommは、Toqの小画面でAndroidの通知を受けられるよう設計した。Samsung Galaxy Gearを思わせるこのデバイスは、少し大き目かもしれないがちょっと魅力的だ。接続できるのはAndroid端末のみで、Bespoke OSを塔載している。

スマートウォッチ市場は、最終的にiPodが支配する前のMP3プレーヤー市場と非常によく似ている。消費者向け電子機器市場のほぼすべてが、それぞれ独自の解釈をもって参入している。しかし、消費者がまだ状況を把握できていないのは、コンセプト自体が未完成なのが主な理由だ。Samsungのスマートウォッチは、言うなれば不自由なスマートフォンだし、Sonyは通知機能が中心で、Pebbleは基本機能を低価格で提供している。

スマートウォッチ市場は、市場をこじ開ける機種を必要としている。なぜスマートウォッチが必要かを消費者に訴えるデバイスだ。スマートウォッチ市場にはiPodが必要だ。そしてQualcommのToqはそうではなく、Qualcommもそれを知っている。

Qualcomm自身、Toqが大ヒットすることはないと思っている。一種の概念実証だろう。限定モデルであり、発売時点ではQualcomm自身からしか入手できない。つまるところQualcommは、小売店の棚でまともに戦うために必要な家庭電子機器の販売チャネルを持っていない。

Qualcommが家庭用電子機器に挑戦したのはこれが初めてではない。FLO TVを覚えているだろうか? おそらくノーだろう。テレビ番組を見るための小さなデバイスは本体価格が350ドルで、他に月間8.99ドルの料金が必要だった。3.5インチ画面とステレオスピーカーを内蔵し、予想通り、FLO TVは生き延びられなかった。Qualcommは購入者に端末代金を返金し、無線帯域を20億ドルでAT&Tに売却した(おそらくそれがQualcommの当初の目的だったのだろう)。

QualcommがToqについても似たような結末を予定している可能性は高い。もし、自社製スマートウォッチで十分な宣伝効果を得られれば、Mirasol画面やカスタムOSといった主要技術をライセンスあるいは売却する際有利になる。Qualcommは家庭用電子機器に深入りしようとは考えていない。そうするには賢明すぎる。

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(翻訳:Nob Takahashi)


PS4は外だけでなく中も美しい, 分解屋のiFixitが発見

PS4は美人だ。すっきりしている。固い結晶体のようだ。Xbox Oneのような巨体ではない。Sonyは、同社の第四世代ゲームコンソールを、うまくまとめたと思う。

いつものようにこれを分解したiFixitは、外側だけでなく中もきれいだ、と言っている。でもそれは、物作りの名人であるSonyの伝統だから驚くに当たらない。しかし、iFixitは、さらに衝撃的なことを見つけた。PlayStationの最新バージョンは、ユーザが修理できるのだ。iFixitは、製品の修理しやすさについて1から10までの点をつける。PS4は8だから、ほとんどのユーザが裏蓋を開けて中をいじれる。

いちばん重要なのは、ハードディスクのアクセス性の良さだ。大容量や高速のハードディスクと簡単に交換できる。逆にiFixitの評価で点が低いのはファンだ。ファンは、いろんな部品の下に埋もれていて、手出しが難しい。

Xbox Oneは、iFixitも含めてまだどこも分解に挑戦していない。でも、あと数日でどこかが発表するだろう。前のXbox 360Eと同じ方針で設計されていることを、祈りたい。360Eは、とてもいじりやすい設計だった。というかMicrosoftのゲーム機は、昔からそうだ。最初のXboxも、その‘可塑性’が人気の主因の一つだった。Microsoftには、そのことを忘れてほしくない。

ゲーム専用機は、今、第七世代に入ろうとしている。SonyやMicrosoftなど主なハードウェアメーカーは、過去の間違いからしっかり学んで、システムの死を意味する赤や黄色のライトが点いたとき、ユーザが絶望しない設計にしていただきたい。


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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


1,337枚の写真で振り返るTechCrunch Disrupt Europe

TechCrunch Disrupt Europeは大盛況のうちに幕を閉じた。イベントを見に来てくれた人、ファウンダーたち、そしてベンチャーキャピタリストなどが世界中から多数集まり、Arena Berlinをいっぱいにした。スタートアップは世界80ヵ国以上から集まり、自慢のプロダクトを発表してくれた。

ヨーロッパで初開催となったStartup Battlefieldからは15のスタートアップが登場。戦いを勝ち抜いたのはLock8で、5万ドルの賞金とDisrupt Cupを手に入れた。Disrupt Europeはこれまでとはまたちょっと違った魅力を発していて、エネルギーに満ち満ちた活気あるイベントになったと思う。カンファレンス、パーティー、そしてハッカソンを流れたパルスを文字で伝えることは難しい。ぜひ、写真でも会場の雰囲気を味わって頂きたい。

(訳注)11月11日、12日にはTechCrunch Tokyo 2013のイベントも開催されます(ハッカソンあり)。







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(翻訳:Maeda, H


Disrupt EuropeでもHackathon開催。深夜過ぎの楽しさはいずこも同じ

ハッカソンも深夜を迎えると、あちこちに「ファンキー」な様子が見えてくる。ブレインストーミングでアイデアを出し、そしていくつかのプロトタイプを完成する。コードを書く者、ハッキングするターゲットを精査する者、そしてデザイナーたちも皆、時計の針が深夜12時を指す頃には、いいかげん疲れてくる。そして疲れているときには、また別の面も現れてくる。そう、同好の士が集う中で「ハイ」な状態になるのだ。

そうした時間にスナック菓子やビールが提供される。こうしたものを胃に入れるうち、いつのまにか「セカンドウィンド」の状態になる。尚、スポンサーからはマッサージ師も派遣されていて、おかげで腰の痛みなどを和らげることもできる。

ハッカソンは夜通し続き、そして翌日には100チームほどがプレゼンテーションを行うことになる。

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(翻訳:Maeda, H


FBI、悪名高いオンライン闇市場Silk Roadの所有者を逮捕、サイトを閉鎖―麻薬、殺し屋募集など容疑続々

FBIがとうとうSilk Roadを手入れした。このアングラ・ウェブサイトは長らく麻薬売買などの違法行為の温床になっていると見られていた。FBIはサイトを閉鎖し、ニューヨーク州検察当局は所有者のDread Pirate Robertsこと本名Ross William Ulbrichtを麻薬売買共謀、コンピュータ不正侵入、マネー・ローンダリングの3つの容疑で起訴した。


アップデート: 起訴状を入手して精査したところ、Ulbrichtは殺人教唆の容疑でも起訴されていた。Silk Roadのユーザー情報を暴露するとした脅迫者の殺害を引き受ける殺し屋を募ったとされる(関連記事)。

Silk Roadは相当の期間にわたってDeep Webと呼ばれるインターネットの暗い片隅に存在していた。このサイトは匿名性が高いとされるTorネットワークのみによってアクセスが可能だった。スタートしたのは2011年で、急速にドラグと銃の闇市場として悪名をはせるようになる。SilkRoadは「違法物品のAmazon」と呼ばれることもあった。 2013年7月23日には95万7079人の登録ユーザーがあったという(実際のユーザーはもっと多いはず)。

詳細はまだ不明だが、Silk Roadでは莫大な金が動いていたようだ。ローンチから2013年7月23日までの間に951万9664 Bitcoinの売上があり、SilkRoadは61万4305 Bitcoinの手数料収入を得ていたという。 現在のレートでドルに換算すればこの手数料は7980万ドルになる。

Silk Roadのライバル、Atlantisは先月運営を停止している。

起訴状によれば、Silk Roadの所有者、Ross William Ulbrichtは故意にアメリカの麻薬取締法規に違反したという(起訴状全文)。

しかしUlbrichtの容疑はこれにとどまらない。コンピュータ不正侵入とマネー・ローンダリングの容疑もかけられている。サイトは現在ダウンしており、FBIの通告が表示されるだけだ。Silk Road上の取引のほとんどは匿名でBitcoinによる支払いを利用していた。

起訴状によれば、捜査当局は囮捜査でエクスタシー、コカイン、ヘロイン、LSDその他100件以上の違法物質の購入を行ったという。

Ulbrichtは昨日(米国時間10/1)、サンフランシスコのGlenn Park図書館で逮捕されたと報道されている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Samsung、Galaxy S4ゴールドエディションを(たんたんと)発表

当然出てくるはずだった。ふつうに書けば当たり前すぎる記事になるので、ぜひともiPhone 5sには触れずに本稿を仕上げてみようと思う。

タイトルにある通り、SamsungがGalaxy S4のゴールドエディションをアナウンスした。2種類が用意されていて、ひとつはGold Pinkで、もうひとつがGold Brownだ。フラッグシップ機であるS4のコスメティック・アップデートであるようだ。

と、早速で申し訳ないが、試みは放棄させて欲しい。iPhone 5sの話に触れずにおくというのは、むしろ変な話でもあろう。

Samsungのゴールドエディションは、iPhone 5sのリリース(ゴールド版も同時にリリースされた)から2週間後にアナウンスされたことになる。どうやらiPhone 5sのゴールド版は、Appleの想像以上に人気を集めているとのこと。この動きに乗りたいと考えるのは当然のことと言えるだろう。

但し、今回のゴールドエディションの発表が、5sゴールド版の人気をみてのものだというわけではなさそうだ。発売からわずか2週間のうちに、新しいシリーズをリリースするのは不可能であるように思えるからだ。いかに勢いのあるSamsungであっても、それは不可能なことだろう。ただ、ゴール版5sの噂が出た時点で、疑いを持っていたAppleファンボーイたち以上に、状況を正しく予測していたということはあり得る。ゴールド版が間違いなく登場してくるとみて、準備を進めていたのかもしれない。それならば、時間は十分にあったことになる。

取り敢えずのところ、このSamsung版ゴールドエディションはアラブ首長国連邦においてのみ投入されるのだそうだ。The Vergeの記事にもあるように、アラブ首長国連邦といえば、Nokiaもゴールドモデルを投入していた地域だ。Samsungのゴールドモデルが別地域でも扱われることになるのかどうかはまだ情報が入っていない。もちろんAppleのiPhone 5sの動向などを大いに参考にしつつ、今後の展開を考えていくことになるのだろう。

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(翻訳:Maeda, H)


iPhoneのアクティベーション・サーバー、iOS 7の重みでダウン寸前

ハッピー iOS 7 デー! 私を除いて。および、様々な理由でiOS 7インストール中にiPhoneをアクティベートできない他の数多くのiPhoneオーナーのみなさんも除いて。われわれのiPhoneは、iOS 7アクティベーション辺獄に捕えられている。

今日(米国時間9/16)午前以来、アクティベーションサーバーはダウンないしは非常にレスポンスが遅くなっていて、インストール処理に捕まったiPhoneは事実上使い物にならない。状況はかなり悪く、AppleはiPhoneのアクティベーションを妨げているサーバー問題について社員に通知するべく、高優先度の社内警報を発したと伝えられている。

Appleは何としても金曜日までにサーバーを復旧させなくてはならない。そこには無数のiPhoneがアクティベーションを待っている。

理想的な世界では、iOS 7へのアップグレードにアクティベーションは必要ない。しかし、もしインストールプロセスに失敗した場合、最良の選択肢は工場出荷設定にリストアすることであり、iPhoneのアクティベーションが必要になる。あるいは、いい機会だからフレッシュ・インストールしてiPhoneを完全に洗脳して新しくやり直そうと、いうオーナーも。

あるいは、どこかで誰かが今日新しいiPhoneを買うというマズイ選択をしてアクティベーションを必要としているかもしれない。

いずれのケースであれ、Appleの内部メモ、および無量大数のツイートによると、AppleのiPhoneアクティベーションサーバーは、現在多くのiPhoneオーナーに応答していない。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Sony: セックスでスマホが売れるか?

Sonyが美女たちに新製品のスマートフォンを持たせて、セクシーに泳がせたことが、前もあったっけ? 今年のIFAでは、それをやってるらしいね。このぼくの記事もSonyの思うツボであることは確かだけど、でもSonyのスマートフォンが防水であることは、忘れない方がいいかもよ。ただし、このビデオでそのスマートフォンが見えるかな?

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Sonyは、ポケットにレンズを入れて出かけて欲しいと思っている


スマートフォンのカメラが少々物足りないと感じた時のことを思い出してほしい。もう少し良い写真を撮りたかったあの時。そう、子供のカラテレッスンや大切な人の大腸内視鏡検査にコンパクトカメラを持っていったあの時のことを。実は、もうすぐSonyはそんなあなたのための製品を出す。

Sony QX10およびQX100は、先月 驚きの登場を果たして以来、 インターネットのあらゆる場所リークしている。この製品は、スマートフォンと無線またはドック経由でつながるように作られた、言わばカメラの2/3だ。Sonyは、新しいセンサーとレンズでスマートフォンのカメラを置き換える、全く新しいシステムを作り出した。もちろん、良くも悪くも。

Sony Alpha Rumorsによると、QX10は1/2.3インチ18メガピクセルセンサーとf/3.3~5.9のレンズを装備している。QX100は、高画質の1インチ20.2メガピクセルExmor Rセンサーと、f/1.8~4.9カールツァイスレンズを内蔵する。QX10は250ドル、QX100は450ドルと記事は書いている。このQX製品群は、Sonyの美しいコンパクトデジカメをベースにしており、QX10はWX150によく似ていて、QX100はRX100m2の機能を殆ど受け継いでいる。

コンセプトは明確だが、市場の熱はいまひとつかもしれない。適切なソフトウェアを得て、スマートフォンは写真処理に必要な物をすべて備えている。これらの製品の狙いは、スマートフォンを使って高品質な画像を撮影できるようにすることであり、さらに重要なのはその画像をずっと早くシェアできるようにすることだ。

この第一世代モデルが高価すぎるのは非常に残念だ。

このアイデアが以前にもあったことは忘れてはならない。Will.i.amとFusion Garageの(CrunchPadエンジニアでもあった)Chandra Rathakrishnanは、このアイデアをSonyより早く、ファッション向けに絞ったi.am+foto.sosho V.5で実現している。しかし、その後市場に出た様子はない。あれはばかげていたし、初めからまぼろしの臭いがしていた。

Sonyの試みは、はるかに正統派で創造的だ。 これが初めてネットにリークした時に本誌でChris Velazcoが解説しているように、Sonyは、カメラのハードウェアをスマートフォンの外側に移した製品を作ることによって、デバイスに依存しないプラットフォームを生み出し、このデバイスを未来のハードウェアで使うという選択肢を消費者に与えた。

この愛らしいレンズたちがすぐに大ヒットすることを期待してはいけない。Sonyも思っていないだろう。これは明らかに市場をテストするための少量製品だ。しかし最近のSonyはゆっくりとして堅実な製品サイクルに戻っている。この製品ラインは、モバイルとデジタルイメージングという同社の主要製品カテゴリー2種をつなぐ、巧妙なかけ合わせだ。Sonyは、消費者がポケットにコンパクトカメラではなくレンズを持ち歩くよう、全力を尽くす構えだ。


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(翻訳:Nob Takahashi)


Microsoftは、Windows RTの死を認めようとしない

Microsoftは苦しい立場にいる。Windows RTは溺死状態だ。しかしMicrosoftでは,無数のSurface RTタブレットが倉庫でほこりをかぶっている。そこでBalmerと仲間たちは、Appleに対する無知な戦いを続け、遥かに成功しているiPadと比較するテレビCMを作った。

ネタバレ:Surface RTは勝者であると宣言される

以前のCMと同じく、Surface RTのiPadとiOSに対する正当な優位性が繰り返し語られる。そして多くの場合、Microsoftは必ずしも嘘を言っていない。Surface、そしてWindows RTは、iPadに対して明確な優位性を持っている。一見、Windows RTは、iOSよりも生産性が高く進歩的に見える。しかし、スタート画面を何度か左右にスワイプしてみると、その新奇性は廃れる。

もちろんMicrosoftは、iOSに見られるようなアプリをWindows RTで揃えることに失敗している。

Windows RTは、初めから敗者だった。そして今、Asusが市場を引き上げ、このWindows 8の弟分は急速に存在感をなくつつある。Asusが去り、残るWindows RTハードウェア製造者は、DellとMicrosoftだけだ。Samsung、HTC、HP、およびLenovoは以前にWindows RTタブレットの計画を取り下げている。

「これは我々だけの意見ではない。業界全体がWindows RTは成功していないとという意見だ」とAsusのCEO Jerry Shenは、Wall Street Journalに語った。

現時点でWindows RTの支持は急速に消滅しつつあり、Microsoftは、スペックだけで購入する疑うことを知らない消費者を相手に失敗作のタブレットを押し付けようという仕打ちをしている。WIndows RTの製品区分は早々になくなり、現在のわずかなデベロッパーサポートもすぐに後を追うだろう。消費者の手に残るのは過去の遺物と化したタブレットだけだ。

6月に私が書いたように、Microsoftよ、Windows RTをあきらめろ

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Google、Chromecastを35ドルで今日から発売―居間のテレビに取り付けるとビデオコンテンツをストリーミング受信できる

GoogleからChromecastが登場した。名前でも推測できるとおり、GoogleのChromeブラウザ/OSをベースにして家庭の大型テレビにクラウドからコンテンツをストリーミングするデバイスだ。

Googleによれば「ChromecastはYouTube、Google Play、Netflix、Pandora、クラウド上の写真をHDTVにストリーミングするもっとも簡単な方法だ」という。コンセプトはApple TVに近い。Google TVと呼ばれなかったのは、残念ながらGoogleはすでにそういう製品を作ってしまったからだ。.

ChromecastはChrome OSが通常のコンピュータ以外の消費者向けデバイスに利用された最初の例となる。これまでChrome OSはデスクトップ、ノートなどのデバイスでのみ作動していた。今回Googleは居間のテレビに取り付けて、コンピュータだけでなくモバイル・デバイスからもストリーミングを受け取れるデバイスをChrome OSベースで開発した。

ChromecastはストリーミングにAirPlayタイプの方式を採用している。たとえばYouTubeの場合、AndroidないしiOSでサイトを訪問し、「他のスクリーンにキャストする」ボタンを押すだけでよい。とても簡単だ。

Chromecastは要するにAirPlayに対するGoogleの回答だ。ただしマルチプラットフォームをサポートしているところが違う。またいったんストリーミングを開始すればスマートフォンなどのデバイスは別の作業に移ることができる。それどこころかデバイスはスリープモードになっていてもかまわない〔注〕。これに対して欠点は(少なくとも現在のところ)、ChromecastデバイスはAirPlayほど多様なコンテンツをサポートしていないことだろう。

一方、良い点はどんなデバイスでもリモコンに使えることだ。あるデバイスでビデオのストリーミングをスタートし、そのデバイスをシャットダウンし、別のデバイスでコントロールを引き継ぐことがシームレスにできる。

同一のLANに接続しているデスクトップ・コンピュータもコントローラーに使える。キャスト・ボタンをクリックすればビデオのストリーミングが始まる。コンピュータはすぐに別の作業を始めてよい。

ChromecastデバイスそのものはテレビのHDMI端子に取り付ける小型のスティックでRoku Steaming Stickに似ている。Google TV担当副社長Mario Queirozは「セットアップがまったく簡単なことが特長だ」と述べた。

Chromecastは35ドルでアメリカで本日から発売されている。

〔日本版注:Apple TVの場合、iTunesをインストールしたデバイスからストリーミングされるコンテンツを受信してテレビに出力するのに対して、 Chromecastは無線LAN経由で自らウェブに接続し、コンテンツのストリーミングを受信してテレビに出力する。スマートフォンやコンピュータはどのコンテンツをストリーミングするかChromecastに指示するリモコンの役割だけを受け持つ。〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Microsoft、誰もSurface RTを欲しがっていないことをようやく認める

Windows RTは失敗作だ。われわれは最初からそう言っていた。本誌だけではなかった。Windows RT、より具体的には生後9ヵ月のMicrosoft Surface RTに好意的なレビューを探すのは非常に困難だ。そして今Microsoftは、自社の最新収支報告で、ついにわれわれが正しかったことを公に認めた。

同社は前四半期に9億ドルという巨額の減損処理を、売り残ったSurface RTのために行った。もっと多くを物語るのは、Microsoftがこの損失を公表したという事実だ。それほど膨大だった。同社は投資家に向けて、なぜウォール街の予測を達成できなかったかを説明する必要があった。

悲しいかな、悪いのはSurface RTのハードウェアではない。むしろタブレットそのものは美しいマシンだ。スマートで堅牢でまさしく素晴らしい。これを手に取って感心せずにはいられない。Surface RTのデザイナーとエンジニアたちは自分たちの作品に誇りを持つべきだ。彼らの責任ではない。

Windows RTは消費者向け製品として存在すべきではなかった。それは、iPadや市場に溢れる数多のAndroidタブレットに対する反射的行動の産物だ。それは、Microsoftが立ち去るるべきだった戦場に放った一撃だった。Intelが、ARMチップの長所の大部分を迅速に同社のx86ラインに導入しているのに対し、Microsoftは、Windows最大の利点である従来アプリとの互換性を捨てた製品を作るのを我慢できなかった。Surface RTは、この失敗が約束されたエコシステムの不幸な部分だった。

Surface製品群はMicrosoftにとって大きなリスク要因だった。同社にとってオールインワンPCは全く初めての試みだ。そしてある意味で、それは成功した。Surface RTおよびProは、Windows 8タブレットに多くの注目を集めた ― HP、Dell、あるいはSamsungがやるよにもずっと多く。この強力な製品ラインは、多くの消費者向けエレクトロニクス企業に対してメッセージを放った。なにしろMicrosoft ― 歴史的にソフトウェア第一の集団 ― が自身で第一級ハードウェアの製作に取り組んだのだから。

Surface ProとRTがなければ、Windows 8タブレットの世界は陳腐で生気のないものになっていただろう ― Windows 8ノートPCのように。

あらゆる兆候が近々発表される新しいSurface製品ラインを指している。そして今日のニュースにもかかわらず、Microsoftが第2世代のSurface RTをさらに大きく価格を下げて発売する可能性は十分にある。結局Microsoftは、たとえ誰も買いたいと思わない製品であっても、やりたいことは何でもやる会社なのである。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Microsoft、iOS版Outlookアプリを公開するも誰も使いそうにない

OutlookがiPhoneとiPadで使えるようになった。ある意味で。Outlookのフル機能を期待しないこと。これはMicorosoft OfficeのOutlookアプリ〈ではない〉。メール、カレンダー、連絡先の簡易版アプリで、Windows 8に入っているものとほぼ同じだ。今すぐiOSデバイス用に無料でダウンロードできる。しかし、いつものMicrosoftらしく、話はそう簡単ではない。

Outlook Web Appという紛わしい名前のアプリを使うには、Microsoftのクラウドベースの生産性スイーツであるOffice 365の定期購読が必要だ。これはiOS版Officeを使うために必要なものと同じで、年間100ドルが必要だ。どうやらMicrosoftは自社アプリを誰にも使わせたくないようだ。なぜなら、もしこのアプリが無料だと、MS Surface RTの主たるセールスポイントがなくなってしまうからだ。

これは残念な話だ。このOutlookアプリはWindows 8のフラットスタイルをiOSに持ち込む上質のアプリだからだ。さらに、プッシュ通知とリモートデータワイプをサポートするネイティブiOSアプリでExchangeをサポートできるようにもなる。

Outlook Web Appは、Oultook.com機能の大半を提供しているようだ。メール、カレンダー、および連絡先が使用できる。音声入力、2カラム表示、Bingマップの統合も。ルック&フィールはWindows 8版アプリとよく似ていて、両プラットフォームのユーザー(私のような)にとっては馴じみやすい。

もちろんこれはOutlookのフルバージョンではない。MicrosoftはiPad、iPhone用にそれを提供することはないだろう。これは単なるメールアプリなので、それ以上のOutlook.comでできることは望まない方がいい。

先月iPhone向けにOfficeが公開された時にも指摘したが、MicrosoftはiOSとのきわどい境界線上を歩いている。一方で自社の中核製品を新しいプラットフォームに持ち込もうとしている。しかし、そのために自身の巣立ったばかりのプラットフォームと共食いさせることはできない。結局、Officeのフルパワーをタブレットで使うためには、Windows 8またはRTのデバイスを買う他はない ― Microsoft Surfaceのような。

Microsoftは大衆を無視して、改宗者たちに向けて説教しているだけだ。年間100ドルのOffice 365購読が必要であることによって、Microsoftのアプリはバイラルに広がり新しいファンを把むチャンスを完全に失っている。今、iPhone用OfficeやiOS用Oultlookを使えるのは、有償Microsoftユーザーだけだ。そしてそれは、iOSユーザーのごく僅かな割合にすぎない。

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(翻訳:Nob Takahashi)