グルーポン、3500万ドルをかけて1100人のリストラを断行。および7カ国での業務を停止へ

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共同購入型クーポンサービスを運営するグルーポンが、大幅なリストラを敢行中であるようだ。同社のアナウンスによれば、3500万ドルをかけて1100人規模のリストラを行う予定であるとのこと。また、最近撤退したトルコおよびギリシャに続き、モロッコ、パナマ、フィリピン、プエルトリコ、台湾、タイ、およびウルグアイなどでも運用を停止するようだ。

「地域に根ざしたスタイルの優位性をより強く発揮するため、投入する資金およびエネルギーを集中させる必要があると判断しました」とCOOのRich Williamsが、本件について言及したブログ記事に記している。

グルーポンがSECに提出した書類によると、リストラ費用として2015年Q3に2200万ドルないし2400万ドルを計上する予定であり、最終的には2016年9月にリストラを完了し関連費用は3500万ドルとなる見込みであると記されている。

「リストラに伴う退職金や給付金その他はキャッシュで支払われることになります」とのこと。これにより人件費を引き下げて、グルーポンビジネスの再構築をはかりたい考えだ。

ここ数年、グルーポンは日常のクーポンビジネスからの業態拡大を狙ってきていた。2015年第1四半期にはある程度の成功をおさめてはいた。しかしそうした業態拡大の方針も変更されつつあるという記事も出ている。

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(翻訳:Maeda, H

ゲームのキャラ、情景、環境などのアートデザインをArtomatixの人工知能が迅速に作ってくれる

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ビデオゲーム産業はなんと、800億ドル産業といわれる。しかもさらにクレージーなのは、ゲームの開発コストの60%が、ゲーム内アートのデザインという骨折り仕事に投じられていることだ。

今日(米国時間9/21)のDisrupt SF Startup Battlefieldに登場したArtomatixは、データからヴィジュアル関連の情報を読み取り、ゲームアートを自動的に描く、という人工知能アプリケーションだ。これを使って、没入型ゲームの(背景、シーン等の)デザインに投じられるお金とマンアワーを大幅に減らす、という。

どういうことかというと、たとえばデベロッパが求めるゾンビーのデザインのラフスケッチをArtomatixに投げ与えると、簡単にゾンビーの何千人〜何万人の大群を作ってくれるのだ。さらにこのプログラムは、それまでに作ったキャラクターの類似性や違いに基づいて、新しいキャラクターを次々と作る。それらの他との違いは、乱数で作られる。

とくに、あまり裕福でないインディーのゲームデベロッパは、広大な情景シーンや個々のキャラクター、さまざまな環境要素などを作るのが、かなりたいへんな作業になる。Artomatixは主なユーザとしてそういうインディーのデベロッパをねらっており、彼らが仕事をもらっている大手のゲーム制作スタジオから干されないように、人工知能に頑張ってもらう。

Artomatixの使用料は、それをスタジオが負担する場合はその規模によって異なる。またこのSaaSをインディーデベロッパ個人が利用する場合は、ArtomatixのCTO Dr. Eric Risserによると、月額30ドルだ。大手のスタジオがArtomatixを自分たちの工程に組み入れる場合には、ライセンス料が年額10万ドルに達することもある。

当面Artomatixの人工知能エンジンはビデオゲームのデザインワークをターゲットにするが、同社によると、それと近い応用が効くのが、仮想現実コンテンツや映画の制作だ。しかもそれらの業界も、ゲーム業界に劣らず市場機会が大きいだろう、と同社は皮算用している。

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OperaがOpera SoftwareからただのOperaに、ロゴも一新…多面的なインターネット企業への変身を象徴

Opera Softwareという会社は、もはや存在しない。同社は今日(米国時間9/21)、新しいロゴとブランド名によるブランド変更を発表した。新しいブランド名/社名は、単純に”Opera”になる。

発表の中で同社は、Opera Softwareはソフトウェアのベンダとしてスタートしたかもしれないが、今では多様なプロダクトを提供しており、そのことを反映する新しいブランドが必要と感じた、と言っている。同社の広告事業Opera Mediaworksは毎月8億の人びとに到達している。同社のアプリケーション/アプリは、サポートしている全プラットホームを合わせて3億5000万のユーザに到達している。同社はさらに最近、モバイルアプリの有料会員制発見サービスBemobiと、VPNサービスのSurfEasyを買収した

発表声明の中ではさらに、“今日のOperaは優れた体験をオンラインで提供するインターネット企業であり、従来のような‘ソフトウェア企業’ではない”、と述べている。

同社によると、3Dの“O”のロゴは、ユーザをさらに多くのコンテンツと、さらに多くの発見と、さらに多くの答えと、さらに多くのコミュニティと、さらに多くの楽しみと、さらに多くのデータと、さらに充実した人生への入り口を表す。マーケターにしか言えないようなセリフだが、デザインはたしかにモダンだね。

このロゴによる最初の製品は、Opera Mini for iOSだ。そのほかのプロダクトも、近く続く。

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プライバシー重視のメッセージアプリTelegram、毎日のメッセージ送信数が120億に

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プライバシーがしっかりと守られるメッセージアプリのTelegramは、今年驚くべき利用率の急伸を見せている。TechCrunch Disrupt SFで、TelegramのファウンダーPavel Durovは、プラットフォームの毎日のメッセージ送信数が120億に上ると明かした。その数字は、今年の2月には10億で、5月には20億だった。

Telegramの毎月のアクティブユーザー数は、6000万人辺りを推移し、5月からさほど変動していない。つまり、既存のユーザー層のサービスのエンゲージメントが向上したことによるグロースであることが窺える。Durovはこれについて、Telegramをメッセージのやりとりをするためのバックアップの意味合いでインストールしたユーザーが、メインのメッセージアプリとして使用し始めていると、それを裏付けた。

「昨年、今年と多くの人がアプリをインストールしました。興味深いのは、ユーザーは始めTelegramをバックアップのアプリとしてインストールするのですが、主要なメッセージアプリとして使い始めていることです。それが、ユーザーのアクティブ率の急成長を促しています」と彼は、TechCrunchのMike Butcherに説明する。

立ち上げから2年間、私たちは1バイトもサード・パーティーに情報を開示していません。もちろん政府にもです。これは、簡単なことではありませんでした。

「これはユーザーがTelegramを気に入り、アプリを利用することが多くなったことを表しています。多くの人は一日の始めにメッセージアプリを使用するでしょう。これは、Telegramにとって喜ぶべきことです。メッセージ関連はこの10年のソーシャルメディアの中で最も大きいテーマです」。

WhatsAppやWeChatといったメッセージプラットフォームに比べると6000万のMAUはまだ少ないように思うかもしれない。だが、DurovはWhatsAppなどは立ち上がってから6年経つが、Telegramはまだ2年であると指摘する。

Durovは、彼が考えるアメリカでのメッセージアプリのライバルの課題をステージ上で述べた。そして、暗号化とプライバシーは「Telegramを他と差別化する要素の一つである」と強調する。

「WhatsAppのアプリをモバイル端末で利用している場合、充電が少なくなったり、なくなったりすると、メッセージにアクセスする術を失ってしまいます。終了です。クロスデバイス対応していません。クロスデバイスの同期もありません。文書や容量の大きいメディアを送信することはできません。グループチャットにはコミュニケーションの限界があります。プライベートなものではありません。3年前の自分がWhatsAppのファンだったかは覚えていませんが、今もファンかどうかは疑わしいです」と彼は話す。

Telegramが強いプライバシー対策をすることにどのような利点があるのかとButcherは尋ねた。Durovは、ロシアにいる彼の友だちでWhatsAppのメッセージが警察に傍受され、解読されたという話をした。「友人は、彼らがメールを脅迫目的で利用しようとしたと言っていました。プライバシーの問題は法人ユーザーだけに関係する問題ではないのですが、法人の方が脅迫の影響を受けやすいでしょう」と彼は言う。「資産家も脅迫される場合があります。彼らの情報は手に入りやすく、悪用される可能性があるからです」。

プライバシーが適切に確保された(エンドツーエンドの暗号化によりプライバシー確保)にはその半面、サードパーティがそのコミュニケーション内容にアクセスできないという側面がある。介入が適切な場面でもできない状況が生じる。イギリスやアメリカの政府の諜報機関は、そこに政治的な圧力を向けている。諜報機関が「緊急時」に備え、コミュニケーション手段にアクセスできないようにすべきではないという主張だ。

Butcherは自称イスラム国の過激派がTelegramを使用していることに触れ、この点についてDurovに尋ねた。Durovは確かにISISがTelegramは使用していると認め、Butcherは更に「それについてどう思いますか?テロリストがプラットフォームを使っていることに対して不安はありませんか?」と尋ねた。

Durovは少しの沈黙の後「良い質問です。私は個人のプライバシー、そしてプライバシーの権利は、テロリズムといった悪いことが起きるのではないかという不安より重要だと考えています」と話した。

個人のプライバシー、そしてプライバシーの権利は、テロリズムといった悪いことが起きるのではないかという不安より重要だと考えています。

「中東で戦争が起きていることは事実です。悲劇的なことが連続で起きていますが、ISISはいずれにしろ、互いに連絡する方法を見つけ出すでしょう。彼らの秘密が守られないコミュニケーション手段と分かれば、方法を次々に変えていくのです。なので、Telegramがその活動の一部を担っているとは思いません。私たちがそれに罪悪感を感じる必要はないと思います。ユーザーのプライバシーを守るという、正しいことをしていると思います」。

話の方向性を少し変え、ButcherはDurovに対し、特定のマーケット、例えばイランでポルノボットをTelegramから排除したことについては、矛盾はないのかと尋ねた。Durovの話はリバタリアンや言論の自由を支持する視点だからだ。Durovは、政府とは裏でやりとりをしているからポルノボットを排除したのではないと明示し、その判断は特定の市場における単純なビジネス上の意思決定だとした。

「私たちはポルノを推奨していません。Telegramがポルノのソースとして捉えられることは避けたかったのです。そういう理由で、そのようなものを排除しています」と彼は話す。「これは純粋なビジネス上の判断です。特定のマーケットでは、ポルノと関連するサービスだと印象付けられるのは避けたいのです。AppleがApp Storeでポルノをブロックするのと同じです。InstagramでもFacebookでもYouTubeでも同じです。それは正しいことだと考えています」。

「ただ、プライバシーや言論の自由に関しては、確固たる理念があります。立ち上げから2年間、私たちは1バイトもサード・パーティーに情報を開示していません。もちろん政府にもです」と彼は言う。「これは、簡単なことではありませんでした」と続けた。

他にDurovは、Telegramのボットプラットフォームを活用して、決済APIをサードパーティーの開発者に提供することを考えているという。ユーザーからの支払いを受領するためのものだ。ボットプラットフォームは、メッセージアプリ用のアプリストアモデルのようなものだと言う。そして、Telegramのボットを製作する僅か3ヶ月の会社が既に1000万ドル以上の規模での会社の売却を提案してきたとも話した。

「ボットプラットフォームは、今年ローンチしたばかりです」と彼はいう。「サードパーティーの開発者は、とてもシンプルなAPIを使用してボットを製作し、Telegramでユーザーとのやりとりができます。ユーザーとのやりとりは機械が行っていて、そのコミュニケーション方法を活用したサービスが多数登場しています。デート、教育、プロダクティビティなどのアプリです」。

Butcherは、Telegramは更にサービスを多展開するかについて尋ねた。例えば、アジアのメッセージプラットフォームのLineやWeChatは、メッセージアプリを中核に、他にも豊富なサービスを提供するプラットフォームになっている。

「彼らのようなモデルを欧米で行うには、マーケットでの普及率をとても高くしなければなりません。大勢の人とソーシャルな関係を築く必要があります」とDurovは言う。「それは、TelegramやKikのモデルと合致しないかもしれません。Telegramはいくつか特定のマーケットでは一番普及していますが、中国のWeChat、日本のLine、韓国のKakaoのような独占ではありません」。

「まずはボットの決済システムやTelegramの上にサードパーティーのアプリを作ることを検証していきますが、Telegramが将来アジアのメッセージアプリと同じ方向に進むとは限りません」。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

H2LのVRコントローラUnlimitedHandはリアルな触感をプレーヤーの指や腕に伝える

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百聞は一見にしかず、とよく言うが、仮想現実の場合は、見るだけでなく触ることも、その没入的な視覚体験の重要な部分だ。しかし現世代のVRは、コントロールの入力の方法が、それまでのゲーム技術に縛られている。それに対し、今日(米国時間9/21)、DisruptのStartup Battlefieldで東京のH2LがローンチしたUnlimitedHandは、ゲーム中に起きていることを実感できるコントローラだ。

H2Lのコントローラは、下図のような一種の‘腕輪’で、これが高度な触覚的フィードバック(haptic feedback)を行うことにより、指をコントロールする筋肉をターゲットにして、画面上のアクションを反映する正確な応答を伝える。

H2LのファウンダKen Iwasakiによると、彼は現在消費者たちに提示されているVRコントローラのすべてが不満だ。そこでぼくもUnlimitedHandコントローラを身につけてみて、その触覚エンジン(haptic engine)を試した。その体験は、かなりすごいものだった。

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H2LのCTO Emi Tamakiがプロトタイプのデモを見せてくれたが、その腕輪は確かに、ぼくの各指に感覚を伝え、まるで画面上の(実在しない)物に実際に触れてるように感じる。

このデバイスを使うゲームアプリケーションは、まだ遠い話だと思うが、これまでの画期的と言われるVR消費者技術が最初はそうだったように、それに何ができるかに関しては、まだ表面的で薄い認識しかない。UnlimitedHandでゲーム中の銃の引き金を引くと、指がそれを感じる。ギターを弾く場面では、実際に自分の指が弾いている感覚をおぼえる。

このコントローラにはアナログのコントロールがまったくない。ハードコアのゲーマーへの、思い切った妥協だ。Oculusなど他社は、モーションコントロールに関して、未来的なコントロールだけだとプレー感覚のバランスが悪い、と言っている。それらのコントローラのプロトタイプには標準の加速度センサとジャイロスコープセンサがあり、プレーヤーはゲーム内の動きをコントロールできるが、ハードウェア的に生成するそれらの動きはあまり正確でない。

UnlimitedHandはすでに、大手ゲームメーカー某社が最初のVRコンテンツを作るらしいが、まだその公式発表はない。これが本当にユニークなVR体験を作り出すことに対して、ゲームメーカーとハードウェアメーカーの両方が興奮しているようだ。

今現在H2Lは、UnlimitedHandのルック&フィールを磨いている最中だ。今日はKickstarterでもローンチし、その目標額は20000ドルだ。初期の出資協力者は188ドルで入手できる。

発売は、2016年5月の予定だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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顔認識技術で猫の食べっぷりをチェックするCatFiはボール紙製の猫用食堂を使う

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ぼくがDisruptを好きなのは、Startup Alleyに今年は何が登場するか、事前に予測できないことだ。台湾コーナーを通りかかったとき、CatFiというスタートアップを見つけた。同社のCatFi Boxと呼ばれるプロダクトは、3Dの顔認識技術を使って猫の食べっぷりをチェックする。とくに猫を複数飼っている人が、便利に使えるだろう。

たとえばあなたが猫を5匹飼っていて、うち1匹がいつも食べ過ぎだけど、それをやめさせることができない(ぼくなんか家にいないことが多いから猫の管理なんかできない)。CatFiを使うと、でぶ猫が食べようとするとその顔を認識してフードを食べられないようにする。食べ盛りの子猫なら、同じく顔を認識して‘食堂’(下図)をオープンする。すごいのは、これらすべてをアプリでやることだ。ラジカルやのー。

Googleは仮想現実ヘッドセットにボール紙を利用したが、CatFiでは猫の食堂がボール紙製だ。そこにセットする監視カメラとしては、余っている(or超安い)Androidフォーンを使う。そして自分が日常使っているスマホで、猫の食餌行動をチェックする。

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天才やのー。

アプリは猫達の食べっぷりに関するグラフを作り、通知も行うから、お猫様の食生活管理はこれで完璧だ。

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猫の給餌だって、ディスラプトの対象になりえる。すごいのー。CatFi Boxのボール紙製食堂とアプリを欲しい人はここで登録を。ボール紙製でない、やや本格的な、プロバージョンもある。でも、そっちは、あまり楽しくないかも…。

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Eブック定期購読サービスのOysterが閉鎖へ

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E本の虫は選択肢を一つ失った。2年前「本のNetflix」としてスタートしたOysterは、2016年始めにサービスを閉鎖することをブログ記事で発表した。

このスタートアップは、CruncBaseによると1700億ドルの資金を調達している。Re/codeによると、共同ファウンダーのEric Stromberg、Andrew Brown、およびWillem Van Lanckerは、Googleに人材買収された。

Oysterはこの雇用についてコメントしていない。声明によると、ユーザーには近く追加情報がメールで送られる。

Oyster読者のみなさん、ご安心を。今のアカウントは何の変更もありません。現在のOysterサービスは2016年始めに終了します。これまでに本を購入したり、Oyster Unlimitedを定期購読している人にはアカウントに関するメールが数週間以内に送られます。購入済み書籍は永久にアクセスして読むことが可能です。もし、返金を希望する場合はいつでも refunds@oysterbooks.comにメールしてください。

TechCrunchはGoogleにもコメントを求めている。

Oyster Unlimitedは月額9.95ドルで2013年9月に開業した時の主要ライバルScribdだった。競争はAmazonが2014年7月に独自のEブック定期購読サービスを開始したことでいっそう厳しくなった。

Oysterはその後ビジネスモデルを拡張し、Unlimitedのカタログにな書籍の販売も開始した。

Oysterは、唯一無二の支配的プレーヤーのいる業界に挑戦的なビジネスモデルで参入したが、アプリはいくつかの機能でKindleと一線を画していた。私はすでに大きなKindleライブラリーを持っていたが、すぐにOysterのファンになり、それはユーザーインターフェイスがずっとよかったこと(特に、1日の時刻に合わせて画面の色を調整するLuminが導入されたから)および、同サービスの集めた作品、エッセイ、幅広い品揃えを気に入っていたからだった(Amazonの職業倫理への嫌悪感から、代替手段の存在が嬉しかったこともある)。

残念ながら、素晴らしいユーザー体験と正真正銘の本好きに違いないチームも、オンラインブック業界での成功を保証するには不足だった。Oysterのチームが今後もモバイル読書のファンを喜ばせる何か楽しいことを続けてくれることを願うばかりだ(あと、最近このアプリで整理し終わったばかりの作品リスト17本をエクスポートする方法も)。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

仮想現実の専門家らに聞いた、ゲーム以外でのVRの可能性

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仮想現実がブレークスルーを起こすのはゲームの分野ではないかもしれない。HTCのClaude Zellweger、SonyのRichard Marks博士、 Felix and Paul StudiosのPaul Raphaëlは、TechCrunchライターのDrew OlanoffとDisrupt SFのステージに登壇し、仮想現実について話した。VRの専門家らは、ユーザーがお気に入りのメーカーのVRヘッドセットでこれから数年内に利用できるコンテンツについて多くのことを語った。

「この媒体でユーザーが何を作れるかというのが焦点です」とClaude Zellwegerは言う。「VR向けのコンテンツを製作するためのツールに興味を持っています。最初は360度型の動画が焦点になると思います。その後は、VR向けのFlashとかが出てくるでしょう。」

VRのツールだけでなく、ツールで何ができるかも重要だ。「アーティストとして、仮想現実は私の想像を遥かに超えるものでした。多くの人はVRをゲーム以外の用途で使うことになると思います。映画鑑賞やテレビのような使い方です。」とPaul Raphaëlは言う。

またRichard Marks博士は「多くの人は仮想現実は独りで楽しむものだと考えていますが、独りではないのです」と話す。「他の人が周りにいるように感じます。誰かに手を伸ばしたりすることもできますし、相手の表情を見ることもできます」。

そして、Oculusの話になった。Facebookは、Oculus VRを20億ドルで買収し、仮想現実の領域で大きな賭けに出た。

「そのことは、人々が気づくきっかけになったと思います」とZellwegerは言う。「たくさんのプレイヤーを許容できる広い領域がそこには広がっています。そういった意味でOculusは市場を引っ張っていると言えるでしょう」。

Raphaëlは「この新しい媒体には、もう太鼓判を押されたようなものです」と言う。そこから先にはどうやって進めば良いのだろうか?仮想現実が便利なものであると証明する多種多様な方法を見つけ出し、多くの人の利用を促すことだ。

Marks博士は「私たちは違う業界にも目を向けています。ゲームは確かに一番で、私たちが抱えるゲーマーはとても仮想現実の到来に興奮しています。Sonyには映画会社もありますしね」と話す。「NASAとも協力しています。VRには様々な可能性があるのです。教育や不動産業を始め、本当にたくさんあります」。

VRのコンテンツ企業が登場し始めているが、中には悪質なコンテンツを製作する者もいるだろう。「悪影響のあるVRも多く生まれるでしょう」とZellwegerは言う。仮想現実のコンテンツは、まだ巨大な実験の最中だ。それらの実験の中から、最高のコンテンツが生まれることを考えたら、実験は必ずしも悪いことではないだろう。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

iOS版のGoogle Walletもピアツーピア支払いアプリになった

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今月GoogleはAndroid Payを公開し、同社の既存Walletアプリをピアツーピア支払いシステムに変えた。新アプリは新支払いサービスが開始した9月10日時点ではAndroid版のみだったが、今日(米国時間9/22)iOSにも登場した。

新しい Google Wallet for iOSアプリは、ピアツーピアに焦点を絞るために全面的に作り直された。PayPalの新サービス、Pay.me、Square Cash、Facebook、さらにはSnapchatまで加わって競争は激化し、ピアツーピア支払い業界はすでに数多くの企業が参入している。Google Walletの特徴の一つは、米国内の誰にでもメールアドレスだけを使って送金することができ、相手はWalletサービスを使っている必要すらないことだ。

スマートフォンのアプリ内からGoogle Walletカードを申請することができる。このカードが便利なのは、実際の店舗で口座から支払ったり、ATMで現金を引き出せることだ。他の選択肢として、Walletアカウントに結びつけたデビットカードや銀行口座に向けて「キャッシュアウト」することもできる。

改定されたGoogle Walletアプリはここでタウンロードできる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

温室栽培農家のための農業のGoogle Analytics(総合データ分析)を目指すAgrilyst

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今日(米国時間9/21)TechCrunch Disrupt SF Battlefieldに登場したAgrilystは、温室に備え付けたセンサやそのほかのデータを利用して、温室栽培農家の農業を効率化しようとする。

AgrilystのCEOで協同ファウンダのAllison Kopfによると、ニューヨークの都市農家BrightFarmsで働いているときに、このサービスを着想した。この農家にはVCも投資していた。物理学を専攻した彼女は最初、農業の仕事をするつもりはなかったが、“改良の余地が大きく急成長産業である”ところから農業に惹かれた。

担当した仕事にはデータの取り扱いも含まれていたが、彼女が不満を感じたのは、定量的データが乏しいことと、複数のツールから集めたさまざまなデータを総合的に分析するツールがないことだった。

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Kopfは、のちに同社のCTOになるJason CampとともにAgrilystを創り、今年の初めごろに、ニューヨーク市の省エネ環境保全振興アクセラレータNYC Acreに加わった。

屋外農家と違って温室栽培農家は、作物に当たる光の量や空気中の二酸化炭素の量など、作物の成長過程の環境を細かくコントロールできる。なお、二酸化炭素(CO2)は温室効果ガスであるだけでなく、光合成を促進するための素材として温室農家自身が利用している。またビルの中など屋内で行われている温室栽培の多くは、水耕栽培システムを使って土を使わない農業をするため、コントロールする要素がさらに多い。

今では多くの温室に、CO2、光量、湿度などを計るセンサがあり(それにもちろん地温、気温)、農家がチェックするデータの量はかなり多いが、測定のためのハードウェアは進化が遅れている。Kopfによると、農家は毎日大量のデータにアクセスしているが、ハードウェアは少数の古い企業に支配されていて、彼らはイノベーションに関心がない。たとえばセンサはすべて物理的に配線されているので、システムの拡張がきわめて困難だ。

また、収量の測定は多くの場合手作業で行われている。値をノートに手書きで書く。そのため、センサからのデータと統合して分析されることはない。センサデータの変化と収量データをリアルタイムで相関してみることができないから、問題の早期発見もできない。問題は、それが実際に起きてからしか分からない。

Agrilystのプラットホームは、何よりもまずデータの統合化を目指す。ハードウェアの種類などにはこだわらないし、APIのない古いシステムでも、データをExcelにエクスポートできるならそれを利用する。Agrilystのメインのユーザインタフェイスであるダッシュボードが、それら統合したデータを総合的に分析した結果を表示し、収穫のスケジュールを示唆する。将来的には、収量予想も提供したい。

温室栽培農家は、CO2のレベルのほかに、作物に当たる光の量も比較的容易にコントロールできる。これまでのシステムは一定の時間に照明をonにし、offにするだけだが、Kopfは電力の安い時間帯に作物に光を当てるシステムを考えている。“植物はエネルギーをいつ得るかを気にしない”、とKopfは言う。夜中の電気代が安ければ、主に夜中に電気による光を当てればよい。

同社は今、6軒の温室栽培農家の協力を得てベータテストを行っている。本番展開時の料金は、月額1エーカーあたり1000ドルを予定している。

同社の長期的な構想としては、温室用のセンサのハードウェアシステムも、同社のサービス向けに最適化されたカスタム製品を提供していきたい。

Kopfによると、このシステムのマリファナ栽培への応用について、尋ねられることが多い。マリファナ栽培は基本的に同社の想定顧客ではないが、今後はひとつのユースケースとしてありえるかもしれない、と彼女は言う。しかし当面同社は、コロラド州の屋内マリファナ農家ではなく、東海岸のレタスやトマトを中心作物とする大規模温室栽培農家を対象にしていく。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

IBMのワトソンは、当分人間に取って代わらない

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IBMの人工知能システム「ワトソン」が驚くべきテクノロジーの結晶であることに疑いはない。それは構造化されていない膨大なデジタルデータを検索し、際立った速さで答えを見つけ出す。しかし、人間を置き換えることは当分なさそうだ。IBMでワトソンチームを率いるJohn Kelly博士が今日(米国時間9/21)、本誌のAlex WilhemにサンフランシスコのTechCrunch Disruptで語った。

むしろこのシステムは人間を補強し、より良い決定を下す手助けをすると彼は言った。

ワトソンの純粋な知識力を披露するために、インタビューはデモから始まった。Wilhelmは、オンライン百科事典Wikipediaの正確性を尋ねる一連の質問を選んだ。わずか数秒後、ワトソンはWikipediaの全項目を精査して信頼性ある情報源であるかどうかを判定した。証拠内容を確認した後、ワトソンはWikipediaが実際に正確な情報源であるという決断を下した。

この種の能力に、スタートレックから飛び出してきたコンピューター合成音声応答を組み合わせたものは、12〜18ヶ月のうちに開発者向けに提供されるとKellyは言った。

ワトソンと聞いておそらく誰もが思い出すのは、クイズJeopardyの歴代チャンピオンたちを倒した時のことだろうが、今のワトソンはもっとはるかにすごい。Kellyによると、彼らがJeorpardy向けにシステムを作ったときは純粋に質問と答のエンジンだった。

今やワトソンは、Wikipediaデモで見せたようにあらゆるデータを消化しどんな大きな情報源でも取り組む。例えば、ある病気に関する入手可能な全文献を評価し、医師らと協議して最適な治療方法を見つけることもできる。これは、機械が医者に取って代わるのではなく、医者が正しい決定を下すのを手助けするものだ。

ワトソンはあなたのお役にたちます

IBMが2011年にあのJeopardy!出演に向けてワトソンを開発した時、それはハードウェアとソフトウェアの強力な組み合わせだった。今同社はその機械生成された全知能を元に、開発者向けに一連のサービスを作りあげた。

Kellyいわく、ワトソンボックスを作ることもできたが、クラウドに置きAPIを通じて利用できるようにすることが、このテクノロジーを広める最適な方法だと考えたという。

「ワトソンは、一つの物ではなく、様々な統計学習エンジン群の集合だと考えて欲しい」とKellyは言った。「面白いことに、あまりに強力なので売り込む必要がない」。開発者が使いたくなることは間違いない。

つい昨日、TechCrunch Disrupt ハッカソンで複数のチームがワトソンのツールを使ってハック作品を作り、その中には人工知能ニュース発見アプリのKnoもあった。

Kellyは、会社が未だに過去の重苦しい「ビッグブルー」のイメージを脱却し、開発者や投資家をワトソンプラットフォームに引きつけようとしていることを認めた。開発者の数が飛躍的に増えている一方、未だにシリコンバレーのコミューニティーを取り込めていないと彼は言う。Kellyはそれを改善するための取り組みを進めていることを示唆した。

システムは膨大な能力を有している。課題は、特定のヒジネス問題に焦点を絞ることで、同社はWatson HealthおよびWatson Financeで具体的な業界の問題にソリューションを提供しようとしている。

いずれにせよ、システムを支える技術的基盤のすごさに疑う余地はない。

「これは生まれたばかりのテクノロジーだ。これから世界を変えていこうとしている。偏見なく不完全な情報を使うことなく決断を下すところを想像して欲しい」とKellyは言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ドローンはピザを配達するだけの代物じゃない

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将来、ドローンはピザを配達するようになるだろう。今日、サンフランシスコで開催されたTechCrunch Disruptのステージで最も旨味のある指摘だ。ステージ上では、TechCrunchライターのFrederic LardinoisがドローンメーカーであるCyPhy WorksのファウンダーHelen Greinerを迎え、インタビューを行った。

確かにドローンが将来ピザやその他ありとあらゆる物を配達するようになるというのは、目新しいコンセプトではない。Amazonを始め、無数の企業がこぞって、自動配達ドローンをテストしているところだ。GreinerはMITを卒業し、立ち上げたロボット工学のパイオニア企業のiRobotで18年を過ごした人物で、そのような未来が間近に迫っていると話す。

「技術的な面から言えば、実現できます。しかし、法規制や人々の習慣を変える必要があります」と彼女は言う。「FAA(連邦航空局)が現時点でドローンの飛行を許可しないのは正しいことです。更に実験を繰り返すことがコミュニティーのためになるでしょう。FAAは安全であると証明できるなら、ルールの変更もありうると示しています」。

Greinerはロボットによる配送の未来の形がどうなるかに関して興味深い洞察を持つ。CyPhy Worksの最新型ドローンは、市場に溢れる(ドローン市場はとても混み合っていて、競争が激しい)競合他社のドローンとは全く異なる設計だ。

CyPhy Worksは法人やビジネス向けのドローン製作に特化しているが、KickstarterでプレローンチしたLVL1はコンシューマー向けのドローンで、来年の出荷を予定している。この機体には、大抵のドローンに搭載されているジンバルがない。見た目が良いだけでなく、機体が滑らかに飛行できるようになるとGreinerは言う。そうすることで、動画や写真の撮影がスムーズで簡単になり、これまで頻繁にあった機体のダメージも防ぐことができるそうだ。

「新しいデザインで、機体が頑丈で持ち運びやすくなりました。画像の電子補正は必要ですが、撮影しやすくすることがとても重要だと考えています。基本的にドローンは、カメラを飛ばしていると言えるからです。また修理の際、いつもジンバルのシステムが悪くなります。ドローンは、時間をかけて徐々にこのようなデザインになると思います」と彼女は言う。

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CyPhy Worksは最近、Draper Nexusから資金を調達した。調達資金は350万ドルで、その前のラウンドでは、750万ドルを調達している。それなのに、何故Kickstarterを利用して販売するのだろうか?

Greinerは、それは資金の理由からではなく、コミュニティーとフィードバックのためだと言う。

「Kickstarterにしたのは、アドバイスをくれる人のコミュニティーを構築し、彼らがどのようにドローンを使いたいかを知るためです。これには大変な価値があります。これまで機体を作って、特定のグループと相談して、市場に投入し、後は上手くいくことを祈ることしかできませんでした。今時の方法は、人々が興味があるかどうかを知るために出してみて、他にどのようなことに興味があるかを聞くことです」と彼女は説明する。

ピザや他の物を配達するだけでなく、CyPhy Worksはドローンを公共サービスにも広めたい考えだ。

「私たちはMotorolaの公安部門と戦略的に提携しています。彼らは、アメリカの公安設備のほとんどを提供しています。その関係を活かし、警察や消防隊にもドローンが広まるようにしたいと考えています。アメリカだけでなく世界でも広めたいと思います」とGreinerは話す。

ドローンは夕食を持ってきてくれるだけの物じゃないようだ。

Canva Disrupt SF 2015 Helen Greiner
機械のデザインはシンプルな方が圧倒的に良い。複雑さは敵だ。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

21.co、支払いシステムを組み合わせたミニBitcoin採掘マシンを発表

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bitcoin採掘機を買ってきて動かすことは、奉仕活動か報酬目当てのどちらか…だが両方であることはまずない。21.coは、この興味深い一致を達成したようだ。

彼らの新しいBitcoinコンピューターは、発掘マシンに繋がれたRaspberry Pi 2だ。現在Amazonで予約受付中で価格は399ドル。WiFiアダブターを内蔵し128GB SDカードにブロックチェーンがブレインストールされてくる。

21.coは、Balaji S. Srinivasanが設立した秘密めいた会社で、これは同社初の消費者製品だ。

このシステムを使うと、商品の売買および低消費電力の21 Bitcoinチップを使ってBitcoinを採掘できる。また、マイクロペイメントシステムを使ってBitcoinで「あらゆる商品
を誰にでも」売ることができるほか、任意の端末を通じてこのマシンに接続することができる。

Srinivasanは次のように書いている:

21 Bitcoinコンピューターには次のような使い方がある:
      コマンドラインから直接Bitcoinを採掘する
        BitcoinでAPIコールを販売する。例えば英語から中国語への翻訳やファイル変換など
          独自のiTunes風デジタル商品ストアを開設する
            あなたのリンクをソーシャルメディアに掲載してくれた人に報酬を渡す
            スマートロックから3Dプリンターまで、どんなIoTハードウェアでもBitcoinでレンタルできるようにする

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          これは何のために存在するのか?どうやらこれは、21による入門レベルの非常に使い易いBitcoin採掘ツールを一般人に提供する取り組みのようだ。独自のBTC採掘機自体は珍しくないが、マイクロペイメントシステムと組み合わせて様々なことを取り入れている点が非常に興味深い。これは、Srinvasanが消費者分野に進出する準備が整ったことを示す確かな行動でもある。いずれこの会社は携帯電話でBitcoinを採掘できるチップセットを作るかもしれない。これは幸先の良いスタートだ。

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          (翻訳:Nob Takahashi / facebook

          Disrupt SF:Digital Goldの著者らと語るビットコインの現状と将来

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          ビットコインはもう終わったものなのか?デジタル通貨はここ数年で話題に上ることが多くなった。しかし、多くの人はビットコインを遠巻きに眺め、今あるビットコインがそのままの形で数年後も存在しているのだろうかと悩んでいる。XapoのWences Casares、Nathaniel Popper (Digital Goldの著者)、BTCC(旧称BTC China)のBobby Lee とTechCrunchからはJohn BiggsがDisrupt SFのステージに登壇し、私たちのお気に入りのインターネット通貨について話をした。

          「今は最良の時であると同時に最悪の時期です」とBooby Leeは言う。「完全に分散した信頼の置けないデジタルなアセットクラスが実際に使えるようになりました。次の2年間の動向は注目に値します」。

          他のメンバーもLeeと同じようにビットコインが停滞していると考えていた。しかし、良い兆しもいくつかあるという。投資家は賢い投資をし始め、起業家は盤石なプロダクトを構築している。

          「現在、より良い投資とインフラの構築がなされています。私たちは短期間で多くの人の関心と資金を集めることができました」と Wences Casaresは言う。「ほとんどの人は変化が起きるのに6ヶ月程度しかかからないと予想していましたが、実際は長い時間がかかっています。物事が良い方向に進む前に、悪化することも考えられます」。

          何故一夜にして通貨の革命が起きないのだろうか?当然のことながら、ユースケースの問題がある。「ビットコインは私たちにお金とはそもそも何かということを教えてくれます。お金とは信頼のことです。ビットコインは当初、あてにできないシステムとして売り出されました。私は、それが多くの人を引きつけたのだと考えています」とNathaniel Popperは言う。「しかし、実際に人がお金として使用するのであれば、それを信頼する必要があります。コードに問題があったり、システムを支える暗号化の工程の守りがゆるいなら、価値はなくなります。一方で、現在多くの人が資金を投入しています。問題点は修正され、まだどこかに向かうことができるでしょう」。

          しかし、それはビットコインが未成熟なプロトコルであるという意味ではない。Casaresは全く逆だと考えている。「プロトコルの上にあるサービスをハックすることはできるでしょう。ただ、例えばウェブメールのプロバイダーに問題があるからといって、Eメールのプロトコルが壊れているということではないのと同じです」と話す。

          Xapoの場合、ビットコインのプライベートキーをオフラインの金庫に入れることで安全を確保している。メインの金庫はスイスにあるそうだ。セキュリティーを真剣に考えるサービスプロバイダーが登場した現在、何故ビットコインとブロックチェーンが必要かを考える必要がある。

          ブロックチェーンは、インターネットで認証のレイヤーを構築したい場合に最適だ。ビットコインの価値を劇的に高めることができるだろう。そしてもちろん、ビットコインはインターネット上で送金するために最適な方法だ。それは全く異なるユースケースだ。最初に何が台頭することになるかに今後注目したい。しかし、それはもう少し先の話のようだ。

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          (翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

          Apple、watchOS 2の配信を開始

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          AppleがついにwatchOS 2をリリースした。アップデートは一般に公開されている。またOTAアップデートにも対応している。ただしアップデート用のサーバーの準備は順次整えられているとのことで、まだアップデートが有効になっていないというケースもある。スムーズなダウンロードを実現するために、キューシステムを採用しているせいもあるのだろう。

          本来、このwatchOS 2は9月16日にリリースされるはずだった。しかし予想外のバグの影響でリリースを遅らさざるを得なかった

          「watchOS 2の開発中に発見されたバグについて、修正に思ったよりも時間がかかってしまったのです」と、Appleのスポークスパーソンは言っていた。「スケジュールを延期せざるを得ませんが、まもなくリリースできるものと思います」とのことだった。そして今日を迎えたというわけだ。

          Apple Watchが登場してまださほど時間も経っていないが、しかし今回のOSアップデートにはさまざまな機能追加が含まれている。ネイティブのアプリケーションを開発することができるようになり、またプログラム中からあらゆるセンサーにアクセスできるようにもなっている。乗り換え案内にも使えるようになり、Siriがさらに便利になっている。またウォッチフェイスも新しいものが用意されていて、サードパーティー製のコンプリケーションも可能となった。ナイトモードも場合によっては便利だし、また天気や予定を確認するための「タイムマシン」機能も使いやすい。watchOS 2についてはこちら(英文)でもレビューしているのでご参照いただきたい。

          アップデートの方法についても記しておこう。iPhoneからWatchアプリケーションを起動して「一般」から「ソフトウェア・アップデート」を選んで行うことができる。アップデートを行うかどうかのプロンプトが表示されるはずだ。

          watchOS 2へのアップデートは「絶対」のものだと思う。アップデートすれば、これまでのOSがベータ版であったかのように感じるはずだ。Appleとしては、このwatchOS 2こそが、リリースしたかったものであるはずだ。動作もはやく、また開発者にとっても便利な機能が満載されている。

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          (翻訳:Maeda, H

          iOS 9、リリース後1週間で適用率は50%超(および好調が予想されるiPhone 6sシリーズ)

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          Appleによると、iOS 9はリリースして1週間もたたないうちに50%超の適用率を達成したのだそうだ。すなわちiOSデバイスのうちの半数以上がiOS 9で動作しているということになる。

          リリース後、24時間の段階では12%の適用率となっていた。Appleの歴史の中でも、最速の適用ペースとなっているとのことだ。

          Appleの場合とはいろいろと状況はことなるが、参考までにみておくとLollipopが12%の適用率を達成するには5ヶ月を要した。

          なおiPhone 6sはアメリカ、オーストラリア、カナダ、中国、フランス、ドイツ、香港、日本、ニュージーランド、プエルトリコ、シンガポール、および英国にて金曜日から販売開始となる。

          Appleのサイトでは「多くの直営店では各営業日、予約なしで来店されたお客様のためにも(数量に限りはありますが)iPhoneを在庫する予定です」と記載されている(訳注:ただし「直営店のApple StoreでiPhoneで購入する場合、中国、香港、日本、米国(無税の州)では予約が必要です」と記されている)。

          またアクセサリー類については「Appleのデザインによるアクセサリーとして、様々な色から選べるレザー製およびシリコン製ケース、本体カラーとマッチするメタリックカラーのLightning Dockなどが販売される予定です」と記されている。こちらは26日の土曜日からオンライン予約が行えるようになるようだ。

          Appleは予約状況についての詳細データを公表していないが、CNBCの取材に対して述べたところでは、iPhone 6および6 Plusの打ち立てた記録を破るだろうと述べているとのことだ。ちなみにこのiPhone 6シリーズは、売り上げ開始後の最初の週末を経て1000万台以上が販売された。

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          (翻訳:Maeda, H

          Disrupt SF 2015ハッカソンの優勝者はQuickActions。次点にPitchPalとHarvest

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          昨日のサンフランシスコ、Pier 70の夜は長かった。昨日は夏らしく美しい一日だったが、何百人ものハッカーは、パソコンの前で一日を過ごした。それは、私の大好きなDisrupt SF ハッカソンに参加していたからだ。初めて参加する者もいたし、常連のハッカーもいた。この大会の課題は、スマートで巧妙な面白いハックを24時間で作りあげることだ。

          167の参加チームはそれぞれ開発したものを他のハッカーや私たち審査員を唸らせるために、1分間のプレゼンテーションを行った。ステージに彼らが登壇している間中、会場の興奮は冷めやらなかった。しかし、優勝賞金の5000ドルを獲得できるのは1チームだけだ。御託は抜いて、早速Disrupt SF 2015 Hackathonの優勝者を紹介しよう。

          優勝: QuickActions

          QuickActionsは3Dタッチの代替ツールだ。画面上のボタンを操作し、リンク先のプレビューを見たり、ショートカットを使用したりできる。例えば、LinkedInのアイコンの上にボタンを持って行くと、「自分のプロフィール、更新情報、編集」のアクションが表示される。「自分のプロフィール」を選択すると、プロフィール画面が開く。通常だと3回から4回タップしないとアクセスできない画面だ。

          このチームは、Android OverlaysとリバースエンジニアリングでAndroidアプリのディープリンクを発掘して開発した。とても巧妙な仕組みだ。数週間後にもPlay Storeからアプリを入手できるようになる。

          次点 #1: PitchPal

          PitchPalは、公の場でのスピーチを向上したい時に使えるアプリだ。録音しながら正確にスピーチを書き起こしていくことで、例えば、ハッカソンで作ったものをピッチをする時とかに役立つ。また、ピッチ、スピーチ、プレゼンテーションの最中も、便利な分析やフィードバック機能で話し方を調整することができる。PitchPalはGoogleのSpeech APIで構築している。

          次点 #2: Harvest

          Harvestは穀物のストレス検知を行う低価格なセンサーだ。製作に50ドルもかからない。水に関連したストレスから穀物を守ることができる。端末はオートフォーカスのカメラで、赤外線フィルターを外し、別のフィルターを入れている。ドローンや飛行機に搭載することもできるし、今回は風船に付けていた。

          Harvestはさらに赤外線画像を処理するウェブアプリも提供する。ウェブアプリから元の写真と分析した写真を比較し、「危険地帯」を把握できる。時期ごとに変化を確認することも可能だ。

          Harvestのソフトウェアはランドサット画像や天気の情報を取り、賢い提案をすることもできる。

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          (翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

          広告ブロッカーのベストセラー、PeaceがApp Storeから撤退

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          Appleの新モバイルオペレーティングシステム、iOS 9の公開からわずか1日で、数多くのアドブロッカーアプリがApp Storeのランキング上位を占めた。アドブロッカーの一つでInstapaperのファウンダー、Marco Armentが作ったPeaceは、デビュー直後にiTunes App Store全体で最も人気のある有償アプリになった。

          しかし、アドブロッカーの利用に関する議論が沸騰する中、ArmentはPeaceをApp Storeから取り下げることを決め、「いい気分ではないから」と語った。

          その決定は驚くべきものだ。

          PeaceはGhosteryの強固なブロックリストを使っていることから、優れたアドブロッカーの一つとしてすでに知られていた。実際Armentは、自身の紹介記事の中で、このリストを利用するための収益分配契約まで説明している。そこで彼は、ほとんどのアドブロッカーは公開されたファイルを使用しているため満足に維持されておらず、また目に見える広告に注意を向けすぎていて、見えない追跡ツールに対応していないと言った。

          Ghosteryのデータベースの統合とシンプルでよくデザインされたアプリそのものの特徴に、それを支える開発者の力量が加わり、2.99ドルのPeaceアプリはたちまちトップセラーになった。

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          しかし公開後ほどなくして、Armentはある矛盾に直面しけいることを認めた。Peaceは自身のサイトの広告パブリッシャーであるThe Deckの広告もブロックしており、そこにはウェブ周辺のクリエイティブやデザイン関連の専門家が集まるネットワークがいくつも含まれていた ー 例えばArmentのMarco.orgブログや彼のiPhoneアプリInstapaper(2013年にBetaworksに売却 )や、Apple評論家のJohn Dribbleが設立したKottke.org、The Loop、McSweeney’s、MetaFilter、SixColors、Subtraction、Waxy.orgなど数多い。

          事実Armentは、Gruberが標準でThe Deckをブロックするアドブロッカーに不快感を覚えるとツイートしたことを指摘した。これはThe Deckの広告は小さく、邪魔にならず、アニメーションもないためであり、Armentは自身のブログで、PeachがThe Deckのブロックを標準オンにしておく決断の難しさを説明した

          要するに問題は、Armentは例外を作って自身や友達サイトの広告をブロックするのをやめるか、そのままにして自分のサイトの広告主(および自分の友達)を怒らせるかのどちらかしかなかった。

          彼はそのままにすることを選び、その決定を「いい気分ではない」と表現した。

          the Peace app is gone
          どうやらそれは、いい気分では「なさすぎた」ようだ。翌日、Peaceアプリは消えた

          Armentは、今でもアドブロッカーは必要だと信じているが現在の1かゼロかの方法は不必要に人を傷つける、と言った。

          「アドブロッキングは一種の戦争だ ー 第一世界の、賭け金の小さな、両者ともこの種の問題を持っていることが幸運な戦争だが、戦争には違いなく双方が傷つく」と彼は書く。「たとえ自分が勝っても何も嬉しくない。それが市場を撤退する理由だ」。

          すでにアプリをダウンロードした人はそのまま使い続けられる。Armentは本誌に、アプリは永久に動作するが、ある時点で追跡データベースのアップデートを受けられなくなると話した。

          Peaceを購入した人は、返金を要求できることも彼は強調した。もちろんわざわざ返金手続きをする人ばかりではないだろう。ランキング1位になるためには大量のダウンロード ー 少なくとも数千回 ー が必要なことから、Armentは自分の努力に見合ったかなりの収入をポケットにいれる可能性が高い。

          市場調査会社のApptopiaによると、最近36時間にPeaceのアドブロッカーは世界中で11万3521ドルを稼いだ。これは約3万8000ダウンロードに相当するとApptopiaのファウンダー、Jonathan Kayは言っている。

          Armentはこうした数字に反論し、今日の販売レポートはまた見ていないが、推測は「まず間違いなく高すぎる」と言っている。さらに彼は、「売上の有意な部分をApple、Ghostery、税金、デザイナー、弁護士、会計士など他の人々に支払う必要があることも指摘した。

          つまり、売上がどれだけあるにせよ、実入りは一見したほどではないということだ。

          Peaceの脱落によって、他の人気アドブロッカーが代わりに順位を上げた。今日、0.99ドルの簡易ブロッカー、Crystalがトップ有償アプリとなり、4位のPurifyと20位のBlockrが続いている。

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          (翻訳:Nob Takahashi / facebook

          時計を作って逮捕された少年、転校へ

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          CNNによると、自作の時計を学校に持っていったために逮捕された14歳の少年、Ahmed Mohamedは転校する。彼はMacArthur High Schoolをやめ、家族とともに別の学校を探している。おそらく、好奇心のために逮捕されないところを。

          Ahmedが自作の時計を学校に持参し教員が警察に通報したとき、彼は
          インターネットの名声を得た。学校は立派な金属ケースに入った時計を爆弾だと思った。Ahmedによると、彼は学校内で警察の取り調べを受けた。

          「『だめだ、親を呼ぶことはできない』と警察に言われました」とAhmedは言った。「『現在君は取り調べ中だ』。彼らは何回か『これは爆弾か』と尋ね、僕は何回か『これは時計です』と答えました」。

          「まるで犯罪者になった気分でした。まるでテロリストになったような」は少年は言った。

          Ahmedは、最初は強かったが今は幸せだと言った。実際、オバマ大統領は彼をホワイトハウスに招待し、複数の大学やシリコンバレーの著名人 ー Mark Zuckerbergを含む ー が支援を申し出た。次に彼が何を作るのかはわからないが、いい部品を手に入れるのに苦労はしないだろう。

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          BrainPalは脳の活動を分析して、使用するサイトやアプリが気分にどう影響するかを検知する

          Netflixを長時間見過ぎて、頭がぼんやりしたことはないだろうか?下らないFacebookのステータスアップデートを読んで、何かを燃やしたい衝動にかられたことはないだろうか?Pinterestでメイソンジャーのレシピを投稿したことが予想外に気分良く、「これからもやろう!」と思ったことはないだろうか?BrainPalはコンシューマー向けEEGヘッドバンドとCloudbrain APIでデータを組み合わせ、ユーザーのいつも使っているアプリが気分にどのような影響を与えているかを検出する。

          BrainPalはDisrupt HackathonでWilliam Wnekowicz、Marion Le Borgne、Mel van Londenが発表したものだ。三人とも、神経科学テクノロジープロジェクトに関心がある。アプリは脳の活動を知ることができる、とても洗練された(でも購入できる価格の)EEG端末を使用している。以前は研究所でしか、このようなことを行うことはできなかった。

          Mel van Londen, Marion Le Borgne, William Wnekowicz

          BrainPalは、 MuseのEEGヘッドバンドを使用し、Cloudbrain APIで構築している。Cloudbrainは、ウェアラブルデータ解析向けのオープンソースのプラットフォームだ。Cloudbrainの目標は、データをアプリから解放し、様々なウェアラブル端末から得られるデータを一つのダッシュボードに統合して参照できるようにすることで、ユーザーに自身の健康データをより良く把握するための手段を提供することだ。

          私はBrainPalを気に入った。スマートフォンは情報を得たり、つながったり、楽しんだりするのに素晴らしい製品であると思う反面、見なくてもすむようにベッドの下に投げいれたい気持ちになる。それぞれのアプリが自分の気分にどのような影響があるかを知ることで、テクノロジーとの関係に深入りし過ぎたり過激になったりすることがなくなるだろう。

          Van Londenは、時間管理ツールのRescue Timeのようなサービスの登場がBrainPalを作るきっかけとなったという。プロダクティビティや、リマインダーを送信するのではなく、BrainPalは特定のサイトやアプリがユーザーの気分にどう影響するかを検出する。例えば、リラックスするためにNetflixを見ているのに、しばらくするとまるでゾンビのような気分になることがあるだろう。BrainPalのデータを見て、そうなる前にどのくらいの長さ視聴しても大丈夫かが分かるようになる。BrainPalは、インターネットと適度な距離を持って接することを促す。FacebookやRedditで時間を潰そうと思っている場合も効果的だ。データと脳の活動を見ることで、どのように時間を過ごすと一番楽しめるかが分かるようになる。

          BrainPalのようなプロジェクトに興味がある?この分野の世界各地にあるコミュニティーを見てみると良いかもしれない。

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          (翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter