インドのフードデリバリーZomatoが682億円調達、業績は急回復

インドのフードデリバリースタートアップZomato(ゾマト)は2021年の上場に向け、昨年開始した投資ラウンドで6億6000万ドル(約682億円)を調達した。

シリーズJとなる本ラウンドにはTiger Global、Kor、Luxor、Fidelity (FMR)、D1 Capital、Baillie Gifford、Mirae、Steadviewが参加したとZomatoは述べた。ポストマネーでのバリュエーションは39億ドル(約4030億円)だ。同社は以前、シリーズJラウンドの一環でAnt Financial、Tiger Global、Baillie Gifford、Temasekからの2億1200万ドル(約220億円)の調達を明らかにしていた。

Zomatoの共同創業者でCEOのDeepinder Goyal(ディーピンダー・ゴヤル)氏は、創業12年になる同社が第2次取引の1億4000万ドル(約145億円)をクローズする過程にある、と述べた。「取引の一環として、当社はすでに3000万ドル(約31億円)相当の流動性資産を元従業員に提供しました」と同氏はツイートした。

Zomatoはもともと今年1月までに約6億ドル(約620億円)で本ラウンドをクローズするつもりだった。しかし現在も続くパンデミックを含め、いくつかの障害により資金調達が難しくなった。加えて、本ラウンドに1億5000万ドル(約155億円)の出資を約束していたAnt Financialが3分の1の額の拠出にとどまった、とZomatoの投資家であるInfo Edgeが今年始めに明らかにした。

今年初めにUberのフードデリバリーのインド事業を買収したグルガーオンに本社を置くZomatoは、Prosus Venturesが支援するSwiggy(スウィギー)とインドで競合している。サードプレイヤーとしてAmazon(アマゾン)もこの分野に参入した。ただし同社は現在、バンガロールの一部でのみフードデリバリーを提供している。

インドのフードデリバリーマーケットは2022年までに120億ドル(約1兆2000億円)規模に膨らむとBernsteinのアナリストは予想している。マーケットシェア約50%のZomatoが現在この分野のリーダーだとアナリストはレポートに書いた。

Zomatoは今年、財政状況の改善と新型コロナウイルスパンデミックを生き抜くために、何百人もの社員をレイオフした。パンデミックはインドのフードデリバリー産業に著しいダメージを与えた。ゴヤル氏は、フードデリバリーマーケットは「急速にCOVID-19の影から脱しつつあります。2020年12月の販売総額は当社の歴史の中で最高となりそうです。この前にピークだった2020年2月の販売総額を25%超上回っています」と付け加えた。「今後について、そして顧客やデリバリーパートナー、レストランパートナーへの影響について非常に興奮しています」

9月に、ゴヤル氏は従業員に対し、Zomatoが「2021年上半期のどこか」でのIPOに向けて準備を進め、「将来のM&Aへの備えと、競合他社からのちょっかいや価格戦争を撃退する」ための軍資金を調達していると伝えた。

フードデリバリーで儲けることはインドではかなり難しい。バンガロール拠点の調査会社RedSeerによると、配達される料理の1品あたりの価格が約33ドル(約3400円)である米国のような西欧マーケットと異なり、インドでは似たような料理の価格は4ドル(約410円)だ。

「問題は、毎日フードデリバリーを注文するだけの財政的余裕がある人はインドではかなり少ないということです」とIndia Quotient,のベンチャーキャピタリスト、 Anand Lunia(アナンド・ルニア)氏は今年初めのTechCrunchとのインタビューで述べた。

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アップルがインドのiPhone工場での暴動を受けサプライヤーWistronへの発注を一時停止

Apple(アップル)は、外注製造パートナーWistron(ウィストロン)のインド南部工場で12月初めには発生した暴動を受け、Wistronが「完全な是正措置」を取るまで同社を保護観察下に置き、新規事業は発注しないことを決定した。

Appleは12月19日、同社社員と同社が雇った独立監査人がナラサプルにあるWistronの工場で起きた問題を調査すると述べた。同工場では、Appleの「サプライヤー行動規範」が守られておらず、Wistronは適切な労働時間管理の手順を実行していなかったことが明らかになった。これが「10月と11月の給与支払い遅れ」につながったとAppleは予備調査結果をもとに述べた。

「常に我々のフォーカスは当社のサプライチェーンが保護され、尊厳と尊敬を持って扱われることに注がれています。当社は大変失望しており、この問題を解決すべく迅速に措置を講じます。Wistronは懲戒処分を取り、ナラサプルの採用と給与計算のチームを再編しています」とAppleは声明文で述べた。「独立監査人とともにApple従業員は対応を監視します」。

月約200ドル(約2万円)という給与の不払いをめぐって何千人もの労働者が12月12日にWistronのナラサプル工場で暴動を起こした。ナラサプル工場はテックハブであるバンガロールから40マイル(約64km)離れたところに位置する。労働者らは窓ガラスや他の設備、iPhone、工場の備品などを破壊した。インドにおけるAppleの主要製造パートナーであるWistronは今年、労働者を4倍以上に増やし、生産能力を拡大してきた。

カルナータカ州政府はレポートをまとめ、賃金不払い、不規則な労働時間、劣悪な労働条件など著しい労働法違反がWistronの工場で確認された、と結論づけた。レポートでは、700万ドル(約7億円)相当の資産が暴動で損壊され、Wistronは最近拡大していた労働力の管理に対処できていなかったと指摘した。

Wistronは12月19日の声明文で、同工場の一部の労働者が適切な給与を支払われていなかったことを認めた。同社はまた、インド事業を監督していた最高責任者を解雇することも発表した。「人材や支払いを管理するために取ってきたプロセスの一部は強化そしてアップグレードされる必要があります。当社はまた、こうしたも問題が二度と起こらないようにするために手順を改め、チームを再編しています。ナラサプル工場労働者のための従業員アシスタンスプログラムも確立しました。また、全労働者が懸念事項について匿名で声を上げることができるよう、カンナダ語、テルグ語、タミル語、ヒンディー語、英語での24時間苦情対応ホットラインも設けました」と述べた。

Wistronは古いiPhoneモデルをインドの工場で組み立てている。近年、Appleは世界第2位のスマートフォン市場であるインドでのiPhone生産能力を拡充しようと、Foxconn(フォックスコン)を含む他の企業との提携を拡大してきた。インドでのAppleのマーケットシェアは1%だ。今年初め、FoxconnはiPhone 11モデルの組み立てをインドの工場で開始した。インドでスマホを組み立てることで、スマホメーカーはインド政府が輸入電子製品に課している約20%の輸入税を回避できる。

「インドは民主主義国家です。労働組合は声を上げることができます。そして地域の政治家はすぐ対応できなければなりません。外国企業は巨大なインドマーケットにアクセスすることを熱望していて、巨大な労働力を使う企業は労働者が自分の利益のためにこれまでより迅速に立ち上がるかもしれないという現実に対応する必要があります。クック氏はAppleという社名が暴動や反乱といった言葉と並ぶことに慣れる必要があるでしょう。多くの点で、Wistronに対する不満などでAppleをいじめるのは公平ではありません。しかしAppleはWistronのクライアントであり、過去に中国で行ったように変革を起こすパワーを行使しています」とBloomberg(ブルームバーグ)のコラムニストTim Culpan(ティム・カルパン)氏は書いている。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Apple、Wistron、インド

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グーグルが非英語話者のためにインドでの言語対応拡大、世界第2位市場でのさらなる利用者増を狙う

インドには6億人以上のインターネットユーザーがいるが、英語が堪能な人はごく一部に過ぎない。しかし現在、ほとんどのオンラインサービスやウェブ上のコンテンツの多くは、英語のみで提供されている。

この言語の壁は、世界第2位のインターネット市場におけるデジタルデバイドを広げ続けていて、そのせいで何億人ものユーザーのワールドワイドウェブの利用が、一部のウェブサイトやサービスに限られている。

そのため、インドのような新興市場の継続的成長を期待している米国のハイテク企業たちが、ウェブとそのサービスをより多くの人が利用できるようにしようとしているのは当然のことだ。

それを示す好例の1つが、Google(グーグル)が提供している、ウェブページの内容を英語からインドの各種言語に素早く翻訳する機能だ。これはインドのユーザーにこの1年で170億回以上利用されている。

これまでこの取り組みを主導してきたグーグルが、このインド時間12月17日に、新たな取り組みの一部を発表した。インドをユーザー数で最大の市場と捉え、2020年、今後数年間で100億ドル(約1兆円)以上のインド国内投資を行うことを約束した同社は、インドのグーグルの研究センターで機械学習とAIの取り組みにさらに投資し、エコシステム全体から同社のAIモデルを誰もが利用できるようにする計画だと述べた。また同社は 現地語でユーザーにサービスを行っている地元のスタートアップたちと協力し、インドの言語を使うユーザーたちが、グーグル製品とサービスから受ける体験を「劇的に」向上させようとしている。

そうした体験の向上に向けて、同社が今回発表したのは、いくつかのサービスでより多くの現地語展開を行うための変更と、言語の翻訳に向けて同社が採用するまったく新しいアプローチだ。

製品の変更

ユーザーは、現在利用可能な英語とヒンディー語に加え、タミル語、テルグ語、バングラ語、マラーティー語でも検索結果を見ることができるようになる。今回の追加は、グーグルがインドの検索ページにヒンディー語のタブを追加してから4年後に行われた。同社によれば、そのタブの導入後、ヒンディー語での検索クエリの量は10倍以上に増加したという。たとえばクエリ結果をタミル語で表示したい人がいた場合には、英語の隣にタミル語のタブを置き、その2つをすばやく切り替えることができるようになる。

検索結果を現地の言語で得ることは便利だが、多くの場合、人びとは検索そのものもその言語で行いたいと考えている。グーグルは、英語以外の言語でのタイピングが、現在ユーザーが直面しているもう1つの課題であることを発見したと述べている。「その結果、多くのユーザーは、本当は自分が理解できる現地の言語で結果を見たいと思っていても、英語を使って検索しているのです」と同社はいう。

この問題に対処するため、検索時に現地語のクエリが英語で入力されたとしても、可能な場合には、サポートされているインドの言語で関連するコンテンツが表示されるようになる。同社が2020年1月中に展開する予定のこの機能は、ヒンディー語、バングラ語、マラーティー語、タミル語、テルグ語のインドの5つの言語をサポートしている。

また、グーグルはデバイスの言語設定を変更することなく、ユーザーがアプリで結果を表示する優先言語をすばやく変更できるようにもしている。現在Discover(ディスカバー)とGoogle Assistant(グーグル・アシスタント)で利用可能なこの機能が、さらにGoogleマップでもロールアウトされる。Googleマップはインドの9つの言語をサポートしている。

また、ユーザーが数学や科学の問題の写真を撮影すると、解答とそこに至る道筋を説明してくれるGoogleレンズの「宿題」機能は、ヒンディー語をサポートするようになった。Google IndiaのシニアプロダクトマネージャーであるNidhi Gupta(ニディグプタ)氏は、イベントでインドはGoogleレンズにとって最大の市場だと述べている。

コンサルティング企業Convergence CatalystのチーフアナリストであるJayanth Kolla(ジャヤンス・コラ)氏は、Googleレンズの新機能は、似たような領域で活動する(Sequoia Capitalが支援する)Doubtnut (未訳記事)のようなインドのスタートアップに、脅威をもたらす可能性があるという。

MuRIL

またグーグルの幹部は、音訳やスペルの違い、混合言語や言語のニュアンスを処理する際に、より効率的で正確な処理を実現する新しい言語AIモデル「Multilingual Representations for Indian Languages」(MuRIL、インドの言語のための多言語表現方式)について詳細な説明を行った。MuRILはローマ字スクリプトを使用してヒンディー語を書く際の、音訳テキストをサポートしている。この機能は以前のモデルでは欠けていたものだったと、インド時間12月17日の仮想イベントでGoogle Research Indiaの研究員であるPartha Talukdar(パツ・タクタル)氏は述べている。

同社によると、新しいモデルの学習はWikipediaの記事とCommon Crawl(コモン・クロール)と呼ばれるデータセットのテキストを使って行われたという。また、様々なソースの中から特にWikipediaからの音訳テキスト(グーグルの既存のニューラル機械翻訳モデルを利用している)を用いて訓練が行われた。その結果、MuRILは以前のより一般的な言語モデルよりも、インドの言語の扱いが改善され、音訳された文字や単語を取り扱うことができるようになった。すなわち、異なる文字体系や手書き文字に対して最も近い対応する文字を、グーグルは使うようになったのだ。

タクタル氏は、グーグルが依存していた以前のモデルでは、各言語のモデルを個別に構築しなければならなかったため、スケーラブルではないことが判明したと指摘した。「そのような言語に特化したモデリングを、個々のタスクごとに行うことは、そうしたタスク用のトレーニングデータを持っていないことが多いため、リソース効率が悪いのです」と彼はいう。MuRILは、以前のモデルを大幅に上回る結果を出しているが、ネイティブテキストでは10%、音訳テキストでは27%の改善が達成されている。インドのグーグルが開発し、約1年前から利用されていたMuRILは今回オープンソース化された。

MuRILはインドの16の言語と英語に対応している。

MuRILが得意とする多くのタスクの1つに、文章に込められた感情を判断することがある。たとえば「Achha hua account bandh nahi hua」は以前は否定的な意味を持っていると解釈されていたが、MuRILはこれを正しく肯定的な文として識別する、とタクタル氏は述べた。あるいは、人と場所を区別する能力をみてみるならば、「Shirdi ke sai baba」は以前は場所として(誤って)解釈されていたが、MuRILはそれを正しく人間のことだと判断するという。

関連記事:グーグルが世界最後の成長マーケットであるインドに1兆円超を投資

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Googleインド

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(翻訳:sako)

インドの農家に収穫した農産物の保管・販売サービスと資金を提供するAryaが約21.8億円調達

インドの農家が生産した農産物のうち、大規模な市場に届くのは約3分の1に過ぎない。それらの農産物を生産している人々は、ポストハーベスト(収穫後)サービスを活用することができるが、それ以外のすべての農家はその恩恵を受けられていない。

このポストハーベストサービスの欠落を埋めるため、農家、食品加工業者、取引業者、金融機関など、すべての利害関係者と協力して活動を続けているインドのノイダを拠点とするスタートアップが、新たな資金を確保した。

創業7年のAryaは米国時間12月15日、シリーズBの資金調達ラウンドで2100万ドル(約21億8000万円)を調達したと発表した。このラウンドは、新興市場のフィンテックに特化したベンチャー企業であるQuona Capital(クオナ・キャピタル)が主導し、従来から投資しているLGT Lightstone AspadaとOmnivoreも参加。一方、Aryaによれば、複数の名前が明かされていない貸金業者もこのスタートアップに追加のデットファイナンス(負債による資金調達)を提供しているという。

現在インドでは、ほぼすべてのポストハーベストの措置が、インド北部ラジャスタン州のコタや首都ニューデリーのアザドプル・マンディなどの主要な農業センターを中心に行われていると、Aryaの共同設立者であり最高経営責任者のPrasanna Rao(プラサナ・ラオ)氏は、TechCrunchによるインタビューで説明した。

この不均等な集中は、国内の何百万もの農家から、農産物を効率的に保管・販売するための合理的な選択肢や、キャッシュフローを維持するための資金調達の選択肢を奪っている、と同氏は述べている。

「私たちの信念は、現在十分なサービスを受けられていない市場の3分の2に対応すべきだということです。たとえばコーターのマンディ(市場)には、半径1km圏内に35の銀行支店があります。しかし、コーターから70~80km離れた場所に行くと、これが本当に減少します」と、以前は銀行で働いていたラオ氏はいう。

Aryaは前述の課題をすべて解決する。インドの20の州で1500以上の倉庫のネットワークを運営しており、そこでは総額10億ドル(約1040億円)以上の産物が保管されている。このネットワークにより、農家は自分たちの農場に近い場所に農産物を保管することができ、農産物の損失や大規模市場のような莫大な不動産コストを回避できる。融資面においては、Aryaは農家に3650万ドル(約38億円)以上の資金を提供しており、その協力銀行は9500万ドル(約99億円)以上を提供している。

「Aryaは、インドの農家という広大で十分なサービスを受けていない市場に対処しています。その半数は、これまでポストハーベストのための資金をほとんど得ることができませんでした」と、クオナ・キャピタルの共同設立者であるGanesh Rengaswamy(ガネーシュ・レンガスワミー)氏は声明の中で述べている。「小規模農家に金融を組み込んだフルサービスのデジタルプラットフォームと差別化された効率性を提供するAryaのユニークなアプローチは、インドの農業の未来を牽引するものと我々は確信しています」。

2020年初めにニューデリーが世界で最も厳しいロックダウンを実施(未訳記事)した際には、このスタートアップの提供するものが、新型コロナウイルス感染拡大の中、さらに有用であることが証明された。ロックダウンはサプライチェーンネットワークを破壊し、農産物の価格は20%以上も下落した。

この状況に対処するため、Aryaは独自のデジタルマーケットプレイス「a2zgodaam.com」を通じて、農家の青果物組織(FPO)とバイヤーを結びつけた。「即時流動性の必要から、これらの倉庫収入に対する借入れ需要が増加した。Aryaの信用ポートフォリオは前年比3倍に跳ね上がった」と、インドのAccelの共同創業者であるPrashanth Prakash(プラシャーント・プラカシュ)氏とOmnivoreの共同経営者であるMark Kahn(マーク・カーン)氏は先週の業界レポートで述べている(Seed To Scale記事)。

ラオ氏によると、Aryaはインド全土に倉庫ネットワークを拡大していくとともに、新たな資本を投入してそのフィンテックプラットフォームを「大々的に」拡大していく予定だという。さらにこのスタートアップは、未組織の倉庫を集約するa2zgodaam.comを活用し、金融機関や保険会社を独自に組み合わせ、農家が必要に応じて直接これらの倉庫を介して販売できるようにすることで、その成長を促進させる計画だ。

カテゴリー:フィンテック
タグ:Aryaインド農業資金調達

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(翻訳:TechCrunch Japan)

インドの配車サービスOlaが世界最大のスクーター工場を同国に建設するために約340億円投資

インドで配車サービスを提供するOlaは米国時間12月14日、同国のタミル・ナードゥ州政府と覚書に調印したことを明らかにした。同社は電気自動車で新たな取り組みを開始するにあたり、同州政府との間で「世界最大のスクーター製造施設」を南インドに設立する。

ソフトバンクが支援するOlaはこの工場の設立に約3億2700万ドル(約340億円)を投資することで約1万人の雇用を創出し、年間200万台の電気自動車を生産する初期能力を達成すると述べた。

事情に詳しい関係者によると、Olaは今後2四半期に複数の市場で電動二輪車の発売と拡大を計画しているという。2019年に同社からスピンアウト(未訳記事)したOla Electricは、2020年にアムステルダムに拠点を置くEtergoを買収(未訳記事)した。オランダでは交換可能な高エネルギーバッテリーを搭載したスクーターが配備されており、最大240kmの走行が可能だ。関係者によると、同社は同様の車種の生産を拡大する計画だという。

Olaはタクシーのように運転手が運転する二輪車ビジネスを2016年に開始し、インドでは30万人以上の人々が生計を立てている。インドで最も価値のあるスタートアップの1つである同社はここ数年、サービスを全国の小さな都市や町に拡大すべく、二輪車ビジネスに大きく賭けている。(自動車に比べて、二輪車と三輪車ははるかに手頃な価格でユーザーに提供され、混雑した交通の中でもより速く走ることができる)。

Olaは声明の中で、新工場はインドの電気自動車のエコシステムを改善し、ヨーロッパ、アジア、ラテンアメリカなどの市場の顧客にサービスを提供すると述べた。

「世界最大のスクーター工場を設立する計画を発表できることに興奮しています。これはOlaにとって重要なマイルストーンであり、共有型と所有型のモビリティを横断した持続可能なモビリティソリューションに世界を移行させるという私たちのビジョンの実現に向けて、急速に前進している私たちの国にとって誇れる瞬間です。また工場は、世界で最も進んだ製造施設の1つになるでしょう。この工場は世界市場に対応する世界クラスの製品を生産する、インドの技術と才能を示すものとなります」と、Olaの会長兼グループCEOのBhavish Aggarwal(バヴィッシュ・アガワル)氏は声明で述べた。

関連記事:インド最大のライドシェアサービス「Ola」が2輪車サービスに本格参入

カテゴリー:モビリティ
タグ:Olaスクーターインド

画像クレジット:Ola

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter)

NokiaがインドでノートPC「Nokia PureBook X 14」発売、価格約8万5000円

155年の歴史を誇るNokia(ノキア)はゴムやケーブル、携帯電話、通信機器など、さまざまなアイテムを製造してきたが、新たなカテゴリーへの拡大に向けて準備している。

フィンランドのNokiaはWalmartが所有するFlipkartと共同で、現地時間12月9日にインド市場向けてノートPC「Nokia PureBook X 14」を発売した。

Nokia PureBook X 14は14インチのフルHDディスプレイを採用。Intelの第10世代クアッドコアi5プロセッサーを搭載し、ターボ・ブースト時と最大4.2GHzとなっている。価格は5万9990インドルピー(約8万4700円)だ。

Windows 10 HomeがプリインストールされたこのノートPCには、512GBのNVMe SSDと8GBのDDR4 SDRAMが搭載されている。NokiaがノートPCの分野に参入するのは今回が2度目(未訳記事)となり、10年以上前、同社は最初で最後のネットブックである「Nokia Booklet 3G」を発売していた(未訳記事)。

PureBook X 14のその他の仕様には次のとおりとなる。スクリーン対ボディ比は86%、視野角178度、つや消しブラック仕上げ、Dolby Atmosベースのスピーカー、Windows Hello搭載Face Unlock、Intel UHD 620グラフィックス(クロックは最大1.1 GHz)、Bluetooth 5.1、USB3.1ポート×2、USB2.0ポート×1、USB-Cポート×1、HDMIおよびEthernet専用ポートもある。重量は約1.1kgで、1回の充電で最大8時間のバッテリー駆動が可能だ。

画像クレジット:Nokia / Flipkart

Flipkartは近年、プライベートブランドやブランドのエコシステムを成長させており、新型ノートPCのデザインと製造のパートナーとなっている。Flipkartの担当者がTechCrunchに語ったところによると、Motorolaと同様、FlipkartもNokiaとライセンス契約を結んだという(NokiaとHMD Globalのスマートフォン分野での提携(未訳記事)だと考えて欲しい)。

このノートパソコンは、インドのFlipkartで独占的に販売される予定で、インドはこのデバイスの唯一の市場となる。

「Nokiaブランドをこの新製品カテゴリに投入したことは、Flipkartとの提携が成功した証だ。Nokiaブランドのノートパソコンをインドの消費者に提供することで、市場のギャップに対処する革新をもたらすとともに、Nokiaブランドが持つスタイル、パフォーマンス、信頼性を向上させることができることを楽しみにしている」とNokiaのブランドパートナーシップ担当副社長であるVipul Mehrotra(ヴィプル・メホロトラ)氏は、声明の中で語っている。

インドのノートPC市場は近年、スマートフォン大手のXiaomi(シャオミ)を含む数社の新たなプレイヤーが参入しており、同社は2020年にインドで手頃な価格のノートPCを発売している。マーケティング調査会社IDCによると、インドでは同四半期に約340万台のPCが出荷され、前年同期比で9.2%の成長を遂げた(IDC記事)という。同四半期の市場シェアはHP、Lenovo、Dellが70%以上を占めたとIDCは推定している。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Nokiaインドノートパソコン

画像クレジット:Nokia / Flipkart

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(翻訳:TechCrunch Japan)

インド政府が大規模な公衆Wi-Fiネットワークの展開を承認

近年の低価格なAndroidスマートフォンの普及や、世界中で最も利用料が安いモバイルデータプランのおかげもあって、現在インドでは10億人以上の人々がモバイル回線を利用している。

この規模は、インドに電話機が250万台にも満たなかった30年前には想像もできなかったことだ。インドで電話の普及を実現した最も初期の、そして最も重要な取り組みの1つは、1980年代後半に行われた。

インド政府が、都市や町のあちこちに公衆電話を設置するというアイデアを支持したのである。もはや人々は高価な電話機を買ったり、法外な料金を支払う必要はなかった。近所の商店に行けば、数セントで電話を掛けることができるようになったのだ。

インド政府は現地時間12月9日、世界第2位のインターネット市場でWi-Fiを民主化するという、数十年前の戦略とその成功を再現しようとする提案を承認した。

インドのRavi Shankar Prasad(ラビ・シャンカール・プラサド)IT相は、政府がPM WANI(Prime Minister Wi-Fi Access Network Interface、首相Wi-Fiアクセス・ネットワーク・インターフェース)を立ち上げ「国内で大規模なネットワークを解き放つ」と語った。

公衆電話局として機能していた近所の店は、今では公衆データオフィスになり得ると彼は言う。同相によれば、このプログラムを成功させるために、政府はライセンス料や登録料を徴収しないという。

これらの公衆データオフィスは、中小の通信会社や大規模な通信会社との提携を任務とする公的なデータアグリゲータと連携することで、その光ファイバーネットワークを利用することが可能になる。

このプログラムは「国内に何百万もの相互運用可能なWi-Fiホットスポットを作り出し、何百万もの人々が手頃な料金で利用できるように、コンテンツ配信とブロードバンドアクセスを民主化する」と、インド通信規制当局(TRAI)の元会長であるR.S. Sharma(シャルマ)氏は述べている。同氏はこのプログラムを、UPI(インド決済公社が開発した、現在インドで最も人気が高いデジタル決済インフラ)に例えた。

インドでは過去10年で何億人もの人々がオンラインになった。しかし、まだそれと同じくらい多くの人がインターネットに接続できないでいる。インド政府の新しいプログラムは、このギャップを埋めることを目的の1つとしている。

「ビジネスをしやすくするための取り組みに沿った、よりビジネスに適したものになることが期待されます。新型コロナウイルスの感染拡大により、4G携帯電話網がカバーできていない地域を含め、国内のますます多くの利用者に安定した高速ブロードバンドインターネット(データ)サービスを提供する必要があります。これは公衆Wi-Fiの展開によって達成できます」と、インド内閣は声明で述べている。「さらに、公衆Wi-Fiの普及は、雇用を創出するだけでなく、中小企業家の可処分所得を向上させ、国のGDPを押し上げるでしょう」と付け加えた。

9日の発表は、インドでより多くの人々をオンラインにするための最新の取り組みだ。国際的大企業のGoogle(グーグル)とFacebook(フェイスブック)は、成長を維持するためにインドのような新興市場を頼りにしており、これまでにもインドでより手頃な料金のインターネットアクセスを実現しようと試みてきた。フェイスブックの主要な取り組みである無料ネットサービス「Free Basics」は、インドではネット中立性違反を理由に禁止された(未訳記事)。Googleはインドで400の鉄道駅に無料Wi-Fiを設置するプログラム「Google Station(グーグル・ステーション)を、今年になって自主的に終了した

インドを含む多くの市場でモバイルデータ料金が安くなったため、Google Stationは必要なくなったと、GoogleのペイメントおよびNext Billion Users(次の数十億人のユーザー)を担当するCaesar Sengupta(シーザー・セングプタ)副社長は当時語っていた。

コンサルティング会社Convergence Catalystの創設者でチーフアナリストのJayanth Kolla(ジャヤント・コーラ)氏は、インド政府は7~8年前にこのプログラムを開始すべきだったとTechCrunchに語った。

モバイルデータ料金の低価格化により、わずか4年でインド最大の通信事業者となった(未訳記事)Jio Platformsの設立は、PM WANIが対処しようとしている課題の多くを既に解決したと、同氏は述べている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:インド、Google、Facebook、Wi-Fi

画像クレジット:Sanjeev Verma / Hindustan Times / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

ディズニーが新たな動画配信ブランドStarを国際的に拡大すると発表

開始から1年あまりで既に8600万人以上の加入者を獲得しているオンデマンド・ストリーミング・サービス「Disney+」が、より多くの国際市場に進出する準備を整えた。

米国時間12月10日に開催された年次投資家向け説明会で、このアメリカの大手エンターテイメント企業は、ABC、FX、20世紀スタジオのコンテンツを提供する新しいストリーミングブランド「Star」を発表した。

ヨーロッパ(未訳記事)、カナダ、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドなど一部の市場で、Starは2021年2月20日から、Disney+アプリ内の新しいハブとして、顧客に公開される予定だという。同年内にさらに多くの市場に拡大していくということだが、具体的な地域名は明らかにされなかった。

ただしStarは顧客にさらなる金銭的負担を強いることになるだろう。ディズニーによると、Disney+の月額利用料金は、ヨーロッパでは6.99ユーロ(約880円)から8.99ユーロ(約1130円)に引き上げられるとのこと。同社によると、Disney+の加入者がStarにアクセスできる他の市場でも、同様の調整(値上げ)が行われるという。

画像クレジット:Disney

中南米では、Starは独立したストリーミングサービスとして「Star+」というブランド名で提供される。サービスは2021年6月に開始され、一般的なエンターテイメント映画やテレビ番組のほか、サッカーやテニスなどのスポーツ中継も(ESPNのおかげで)見られる予定だ。

今回の発表によると、ディズニーが所有する別のストリーミングサービスで、約3900万人の加入者を集めているHuluに関しては、国際的に展開する意思はないように思われた。

ディズニーはまた、現在インドとインドネシアで提供しているオンデマンド・ストリーミング・サービス(未訳記事)「Disney+ Hotstar」をより多くの市場に拡大する計画があることをほのめかしたが、それらがどの市場であるかは明らかにしなかった。同社によると、Disney+ HotstarはDisney+の加入者数の約30%を占めているというので、ざっと計算すると約2600万人ということになる。同社は先月、9月末時点でDisney+ Hotstarの加入者数は約1800万人と発表していた。

Hotstarは、今年初めにディズニーがインドでサービスをリブランドする以前、数百万人の加入者を抱えていた。このストリーミング・サービスは、Hotstarを運営するStar Indiaの親会社である21世紀フォックスをディズニーが買収したことにより、ディズニーの傘下に入った(Star+とは別の「Star Plus」は、Star Indiaがインドで運営する数十のテレビチャンネルだが、こちらも現在はディズニーの傘下だ)。

ディズニーは、既存の地域特性や業界の提携を利用して国際市場に進出するという同様の戦略を、これまでに他の市場でも採ってきた。例えば、フランスではCanalと、スペインではMoviestarと提携してサービスを提供している。

Disney+ Hotstarの利用料は、インドでは年間20ドル(約2080円)。ディズニーは、9月に終了した四半期に、インドでユーザー1人あたり2.17ドル(約226円)の平均収益を上げたと先月発表している。これに対し米国では、同時期にDisney+の加入者からユーザー1人あたり5.3ドル(約551円)の平均収益を上げている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Disney、動画配信、インド、インドネシア、ヨーロッパ

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(翻訳:TechCrunch Japan)

インド最大の通信事業者Jio Platformsが2021年後半の5G展開を発表、ただし同国での5G認可時期は未定

インド最大の通信事業者であるReliance(リライアンス)のJio Platforms(ジオ・プラットフォームズ)は、2021年後半にインドで5Gネットワ​​ークを展開する計画だ。最高経営責任者のMukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏が米国時間12月8日に発表した。

「インドは今日、世界で最もデジタル面で接続の良い国の1つです。このリードを維持するには、5Gの早期展開を加速し、手頃な価格でどこでも利用可能にするための政策が順次必要となります。Jioが2021年後半にインドで5G革命を進めると約束します」と、Jio Platformsの親会社であるReliance Industries(リアイアンスインダストリーズ)を経営するアンバニ氏が貿易会議で述べた。

インドでは国内の通信ネットワークに5Gネットワ​​ーク向けの周波数がまだ認可されていないため、この発表は驚きだ。現時点では、インドがいつ5Gの周波数のオークションを開始するかも不明だ。

インドで最も裕福なアンバニ氏は、5Gネットワ​​ークの展開により、世界で2番目に大きなインターネット市場であるインドが、同氏が第4次産業革命と呼ぶ動きをリードすることを期待していると述べた。「Jio Platformsは、20を超えるスタートアップパートナーのファミリーとともに人工知能、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、機械学習、モノのインターネット、ブロックチェーンなどでワールドクラスの能力を構築してきました」と同氏は説明した。

Facebook(フェイスブック)やGoogle(グーグル)などの複数の著名な投資家から2020年に200億ドル(約2兆1000億円)以上を調達した同社は、教育、ヘルスケア、金融サービス、新しいコマースカテゴリーでの一連のサービスが「まずインドで証明され、次にグローバルな課題に対処するために世界中に提供される」ことを期待していると述べた。

インドで2番目に大きい通信事業者であるAirtel(エアテル)の最高経営責任者であるGopal Vittal(ゴパル・ビタル)氏は、インドが2〜3年で全国的な5Gネットワ​​ークを確立することを期待していると語った。だが、同氏は自社のネットワークで5Gの展開がいつ始まるかについてのタイムラインを明かさなかった。ビタル氏は最近の決算発表で、5Gの周波数の提案価格が「非常に、非常に高価」で、いかなる種類のビジネスモデルでもやっていけないと警告していた。

アンバニ氏はスピーチの中で、インドで製造されたハードウェアやコンポーネントを使うよう業界のプレーヤーらに促した。「インド経済とインド社会のデジタル化が加速するにつれ、デジタルハードウェアの需要は非常に大きくなります。国として重要なニーズのあるこの分野で大規模な輸入に頼ることはできません」。

Airtelは以前、コンポーネントについてグローバル企業と協力するというアイデアを受け入れると述べた。「Huawei(ファーウェイ)は過去10年か12年で非常に優れた製品になり、今日、少なくとも3G、4Gでの製品は間違いなくEricsson(エリクソン)やNokia(ノキア)よりもはるかに優れているといえます。私はそれら3つをすべて使用します」とAirtelの創業者であるSunil Mittal(スニル・ミタル)氏は2020年初めの会議で述べた。同じパネルで、米国の商務長官だったWilbur Ross(ウィルバー・ロス)氏は、インドや米国の他の同盟国にファーウェイを使わないよう促した。

ビタル氏は12月8日、インドが世界的な5G標準を採用すべきだと主張した。「インドには独自の5G規格が必要だという話を時々聞きます。これは、インドをグローバルエコシステムから締め出し、イノベーションのペースを遅らせる可能性がある実存的脅威です。それを許せば国民は失望してしまいます」

ミタル氏とインドのNarendra Modi(ナレンドラ・モディ)首相が出席した12月8日のパネルディスカッションでアンバニ氏は、関係者はインドで2Gネットワ​​ークを利用している約3億人にサービスを提供する方法についても考える必要があると述べた。「恵まれない人々が手頃な価格のスマートフォンを確実に持てるよう緊急の政策措置が必要です。そうすれば、彼らも銀行口座への直接便益移転(政府から個人への資金の流れをデジタル化すること)からの恩恵を受けられ、デジタル経済に積極的に参加できます」と同氏は付け加えた。

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インド政府がUberやOlaなどのライドシェアサービスにおける手数料率上限を規定

インドでは、OlaUberのようなライドシェア企業は、乗車料金の最大20%までしか取ってはならない。インド政府が米国時間11月27日に発行したガイドラインではそうなっている。特にソフトバンクが投資しているこの2社は重要な海外市場で苦戦しているだけに、この決定はこたえるだろう。

このガイドラインによってインドでは初めて、アプリベースのライドシェア企業に規制が及ぶことになる。また、UberとOlaがともに採用しているピーク時の高料金にも制限がかかる。

ガイドラインによると、OlaとUberおよびそのほかのアプリを利用するライドシェア企業は、最大で基本料金の1.5倍までしか料金を請求することができない。ただし、基本料金の50%を下限とする割引料金を提示することはできる。またドライバーの労働時間は1日12時間を上限とし、企業はドライバー全員に、保険をかける必要がある。

UberとOlaはこれまで、乗車料金のうちドライバーの取り分を公表したことはなかったが、業界の推計では、両社とも乗車料金の最大74%が税引き後のドライバーの取り分だ。新しいガイドラインではそれが、80%以上となっている。

ライドシェアの乗車料金の制限と、ドライバーへの保険の義務化で両社ともに経費が増える。しかも両社はこの数カ月におよぶパンデミック期間中に、コスト削減のためドライバーの数を減らしている。南アジアは多くの巨大国際企業が次の成長市場として惹かれているが、現在のところ過去に前例のない不況に陥っている(Bloomberg記事)。

UberもOlaも11月27日の時点でコメントを出していないが、このガイドラインは両社の足かせになるだけではない。私有の車による共有カー、すなわちカープーリングサービスも認めている。ただしそれには制限があって、市内の乗車は1日4回まで、都市間は週に2回までとなっている。

バンガロールのマーケティング調査およびコンサルティング企業であるRedseerの共同出資者Ujjwal Chaudhry(ウジワル・チャウドリー)氏によると、政府によるこのガイドラインの影響は良い面も悪い面もある。

「ポジティブな面としては、この業界が正式に認められ、また安全規則の改善で、車やドライバーを集める側の企業に対する消費者の信頼が増すことだ。しかし全体的に、このガイドラインのエコシステムの成長に対する影響はネガティブだ。高料金を制限したことによって、現在、50万人いるドライバーの収入は減少し、6000万から8000万いるといわれるユーザーにとっては、料金と待ち時間が増える結果になるだろう」とチャウドリー氏は声明で述べている。

ガイドラインのルールは、ライドシェアを取り巻くそのほかの要素にも触れている。ライダーまたはドライバーに課せられるキャンセル料は総料金の10%を超えてはならない。料金は100ルピー(約140円)を超えてはならない。カープーリングサービスを利用する女性客は車の共有者を女性に限定できる。また事業者はコントロールルームを24時間運用しなければならない。

インドのアプリを使用するライドシェア市場は、OlaとUberが支配している。どちらも自分たちがトップだと主張しているが、両社に投資しているSoftBankによると、インドではOlaがUberを若干リードしているとのことだ。

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インドのEdTech「Unacademy」が新たに資金調達、企業価値2090億円に

インドのオンライン学習プラットフォームUnacademy(アンアカデミー)は資本政策表に新たな大手投資家2社を加えた。K-12オンライン教育を専門とするバンガロール拠点のUnacademyは米国時間11月25日、Tiger Global ManagementとDragoneer Investment Groupから資金を調達したと発表した。

7500万ドル〜1億ドル規模(78億〜104億円、Unacademyは額を明らかにしておらず、この数字はこの件に詳しい人物が提供したもの)の投資ラウンドにより、創業4年半のUnacademyのバリュエーションは20億ドル(約2090億円)になった。Facebook(フェイスブック)が投資家に加わった2020年2月時の5億ドル(約520億円)、SoftBank(ソフトバンク)がラウンドをリードした9月の14億5000万ドル(約1510億円)から増えている。

「創業時からの当社のミッションは、教育を多くの人に届け、よりリーズナブル価格でアクセスしやすいものにすることでした。当社は、あらゆる人に高品質の教育を届けるアイコン的存在のプロダクトを絶えず開発してきました。本日、Tiger GlobalとDragoneerをパートナーとして迎えることをうれしく思います。両社とも大手グローバル投資家で、人々の暮らしに影響を与えるイノベーティブな企業と提携してきた実績があります」とUnacademyの共同創業者でCEOのGaurav Munjal(ガウラフ・ムンヤル)氏は声明文で述べた。

Unacademyは、競争の激しい大学入学試験に備える学生や、修士レベルのコースを追求している人をサポートしている。Unacademyのアプリでは学生は講師のライブ授業を視聴し、その後にテーマについてより詳細にレビューするセッションに参加する。ここ数カ月で、同社はインドの政治家Shashi Tharoor(シャシ・タルール)氏など著名な人とさまざまなテーマでのオンラインインタビューをいくつか持った。これにより、学生以外にもアピールすることになった。

Unacademyのプラットフォームは4万7000人超の講師を抱え、14以上の言語でインド国内5000市町村の学生に教えている。毎月15万以上のライブ授業がプラットフォーム上で行われ、毎月のトータル視聴時間は20億分だと同社は述べた。

「完全なるアクセシビリティを備え、オンライン教育を通じて暮らしを改善するチャンスは莫大なものです。Unacademyのチームは教育をインドの隅々にまで届けるリーダー的プラットフォームを構築するために迅速にイノベーションに取り組んできました。Unacademyと提携することに非常に興奮していて、提携をさらに深めることを楽しみにしています」とTiger Globalのパートナー、Scott Shleifer(スコット・シュレイファー)氏は声明文で述べている。

インドの学習にかける時間は世界でも長い(ゴールドマン・サックスが今年初めにクライアントに提供した分析レポートより)

全国の学校が新型コロナウイルスパンデミックで閉鎖される中、インドの多くの教育スタートアップはここ数カ月でかなりの成長をみせている。ほとんどのインド人がオンラインサービスにはお金を出さない傾向にあるが(GoogleやFacebookに聞くといい。両社ともインドをユーザー数では最大のマーケットとしてとらえているが、さほど利益は出していない)、教育に関しては例外だ。インド人の家庭は、より良い未来へと道を切り開くために引き続き子供の教育にかなりの金を注ぎ込む。

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タグ:Unacademy資金調達インド

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(翻訳:Mizoguchi

インドのNexflix幹部が「A Suitable Boy」のキスシーンで警察に告発される

ここ数年間に、インドでの足場固めとして5億ドル(約52億3000万円)を投入してきたNetflix(ネットフリックス)は、この世界第2位のインターネット市場で、何がいったいインドの人たちを怒らせるのかを理解し始めている。どうも、何にでも怒るようだ。

インド政府与党のリーダーがあるテレビドラマのシリーズに異議を申し立てたことから、この米国の動画配信サービスの現地幹部2人が、今週警察に告発された。

そのドラマとは、インド人作家 Vikram Seth(ビクラム・セス)の文学賞受賞小説を元にした、1人の少女の人生を追う「A Suitable Boy」というシリーズだ。その中に、主人公がヒンドゥー教の寺院でイスラム教徒の少年とキスをするシーンがある。

インド中央部マディヤ・プラデーシュ州のNarottam Mishra(ナロタム・ミシュラ)内務大臣によると、ヒンドゥー教徒の心情を傷つける問題のシーンに関する第一次報告書(警察への公式な苦情)が、Netflix番組担当副社長Monika Shergill(モニカ・シャーギル)氏と同社の公共ポリシー担当ディレクターAmbika Khurana(アンビカ・クラナ)氏に対して提出されたとのこと。

「当局に、Netflixで配信されている『A Suitable Boy』のシリーズで、寺院でキスシーンが撮影されたか、それが宗教的感情を傷つけたかに関する調査を依頼した。調査では一見したところ、それらのシーンが特定宗教の信者の感情を傷つけたことがわかった」と彼はいう。

今回の苦情を申し立てたインド人民党の青年指導者Gaurav Tiwari(ガウラブ・ティワーリー)氏は、Netflixとシリーズ制作者、受賞歴を持つ映画監督Mira Nair(ミーラー・ナイール)氏の謝罪を求め、このドラマは「Love Jihad(愛のジハード)」を喧伝していると語った。愛のジハードとは、イスラム教徒の男性がヒンドゥー教徒の女性を誘惑し、結婚を口実に改宗させてしまうと訴える反イスラム教陰謀論だ。

Netflixはコメントを控えている。

ここ数日、多くの人たちがソーシャルメディアを使い、「問題」のシーンへの怒りをNetflixに向けている。しかし、その全員がNetflixの会員なのか、または会員が1人でも含まれているのかは不明だ。

これは、152年の歴史を持つ塩から鉄までを扱うコングロマリット傘下の高級ジュエリーブランドTanishq(タニシュク)が、異宗教間結婚を祝う広告を出してインドで猛批判(Reuters記事)を浴びた数週間後のことだった。

Netflixにとって、この反発のタイミングはまずかった。インド政府がデジタルメディアの新しい規則を示した数日後だったからだ。この規則では、インドの情報放送省がオンライン動画配信サービスの規制を行うことになっている。この新規則ができるまでは、インドの電子IT省が動画配信サービスを監督していた。ある動画配信サービス企業の幹部によると、オンラインサービスは、かなりの自由を享受していたという。

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(翻訳:金井哲夫)

BuzzFeedによる買収を受けブラジル版とインド版HuffPost閉鎖

HuffPostBuzzFeedの一部になりつつあるが、HuffPost IndiaHuffPost Brasilは移行しない。両サイトは米国時間11月24日に閉鎖される。

「今日は@huffpostIndiaの最後の日です」と、Aman Sethi(アマン・セティ)編集長はツイートした。「あらゆるニュース、ストーリー、レポーター。これは私が働いた中で、最大のニュースルームです(自分がリーダーという特権を持っていたとはまだ信じられない)。 私たちの記事を読み、ジャーナリズムを支援してくれた皆さんに感謝します」。

先週、BuzzFeedはVerizon Media(ベライゾン・メディア、TechCrunchも所属している)との広範な取引の一環として、HuffPostを買収すると発表した。買収の一環として、両社はコンテンツのシンジケーションと広告で協力する。

Verizon Mediaは声明で「私達はHuffPostがインド版とブラジル版を直ちに終了したことを確認しました」と述べた。「HuffPost IndiaとHuffPost Brazilのチームの努力と組織への貢献に感謝します」。

The Daily BeastのMaxwell Tani(マクスウェル・タニ)氏は、BuzzFeedのCEOであるJonah Peretti(ジョナ・ペレッティ)の内部コメントと思われるものをツイートした中で、同社は「ブラジル版とインド版を引き受けることは法的に許されていません」と述べている。インドでは「外国企業は報道機関を所有することは許されていません」としており、BuzzFeedはBuzzFeedを販売する条件によりブラジルで営業できないと主張した。

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

インドが新たに43の中国企業アプリを禁止、安全保障の懸念を理由に

インドの中国アプリを禁止する動きは終わっていない。世界第2位のインターネットマーケットであるインドはここ数カ月で隣国である中国に関係する175超のアプリを禁止してきたが、米国時間11月24日にさらに43の中国企業のアプリを禁止すると明らかにした。

前回の禁止命令と同様、インドはこれらアプリを禁止する理由についてサイバーセキュリティの懸念を挙げた(インド政府リリース)。「インドの主権と保全、防衛、国防、治安を損なっている活動に従事しているこうしたアプリに関する考えに基づいてこの措置を取ることにしました」とインドのIT大臣は声明文で述べた。

大臣は「内務省サイバー犯罪コーディネーションセンターからの包括レポートに基づき」これらアプリを禁止する命令を出した、と話している。

禁止されたアプリには、このところランキングでトップになっていた人気のショートビデオサービスSnack Video、eコマースアプリAliExpress、配達アプリLalamove、買い物アプリTaobao Liveなどが含まれる。全リストはここで閲覧できる。現時点で、インドで使用されているトップ500のアプリに中国アプリは残っていないようだ。

11月24日の禁止命令はPUBG MobileやTikTokといったいくつかのアプリがインドでの復活を模索する中でのものだ。ここ数週間でPUBGはインドでローカル企業を登録(未訳記事)し、コンピューティング需要のためにMicrosoft(マイクロソフト)と提携し、インドに1億ドル(約105億円)投資することを公約した。それでも、インド政府はまだ何の反応も示していない。

世界で人口が最も多い2国の間にある緊張は、6月にヒマラヤで起きた軍事衝突でインド軍兵士20人超が殺害された後に高まった。以来、多くの人が中国製のスマホやテレビ、その他製品を破壊する様子を撮影したビデオを投稿し、「ボイコットチャイナ」感情がインドのソーシャルメディアでトレンドとなった。

4月にはインドは海外投資政策に変更を加え、近年インドのスタートアップに何十億ドル(何千億円)も投資してきた中国の投資家が新たにインドの企業に投資するには、インド政府からの許可を得ることを義務付けた。この措置により、インドのスタートアップのここ数カ月のディールフローにおける中国の投資家の存在感は著しく減っている。

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:インド中国

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(翻訳:Mizoguchi

Amazonに新たな頭痛の種、インド政府がRelianceによる3580億円のFuture Group買収を承認

インドの規制機関、Competition Commission(CCI、インド競争委員会)は米国時間11月20日、Future GroupとReliance Retailという同国の2大小売業巨人間の34億ドル(約3530億円)の契約を承認し、この提携に不服申立をしていた米国のeコマースグループ、Amazon(アマゾン)に新たな頭痛をもたらした。

インドの公正取引機関であるCCIは短い声明で、インド第2の小売業チェーンであるFuture Groupの小売、卸売、運輸、および倉庫事業を、最大チェーンのReliance Retailが買収することを承認したことを発表した。Relianceはアジア最大の富豪、Mukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏が支配している。

Reliance RetailとFuture Groupは2020年8月末、両社間の34億ドルの買収契約を発表した。Future Groupの持株会社の1つの株主(未訳記事)であるアマゾンはこの契約に不服を申し立て、同社がインサイダー取引を行い契約に違反したと主張した。アマゾンは、Future Groupの持株会社であるFuture Couponsとの契約によって、同グループの資産をReliance Retailのような競合他社に売却することは禁じられていると訴えた。

10月末、シンガポール仲裁裁判所はインドの2大小売業巨人間の契約に一時停止命令を発行した(未訳記事)が、それがインドでどの程度有効なのかは未だに不明だ。裁判所命令の発行後すぐ、Future GroupとReliance Retailは、契約は「一切の遅滞なく」完了に向けて進められていると語った。

20日の発表は極めて重要だ。 インド事業に65億ドル(約6740億円)以上を投資しているアマゾンは、インド競争委員会と証券取引委員会に対し、シンガポール国際仲裁センターの命令を考慮して取引を中止させるよう、要望を出していた。

Future Groupは現在デリーの裁判所でアマゾンと係争中で、そこではインド企業の弁護士が奇っ怪な文言で米国企業を非難している。弁護士は一度ならず、Future Groupの取引を阻止しようとするアマゾンの行為を、インドの200年近い植民地支配の始まりとなった英国商社、東インド会社になぞらえた。

アマゾンはコメント要求に「直ちには」応じていない。

Future Groupは、アマゾンとの契約はReliance Retail との契約に対して無効であり、もし買収が阻止されると何万人もの人が職を失うと主張している。

インドの2大小売りチェーン同士の契約は、CCIが小売業界の価値連鎖(卸売、運輸、倉庫、店頭販売)全体を見直す機会としても見られていた。この日に下された承認決定は、公正取引機関がこの買収について、関連する業界の競争に悪影響を及ぼさないだろうと結論を下したことを意味している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

インド独禁監視当局がGoogleによるJio Platformsへの4740億円出資を承認

インドの独占禁止法監視当局は、インド最大の通信プラットフォームJio PlatformsへのGoogle(グーグル)による45億ドル(約4740億円)の出資を承認した。米国時間11月11日にTwitter(ツイッター)で明らかにした

グーグルは2020年7月に、45億ドルでJio Platformsの持ち分7.73%を取得すると発表していた。このディールの一環として、グーグルとJio Platformsは新ユーザー数億人向けの低価格かつエントリーレベルのスマートフォンを作るために、AndroidモバイルOSのカスタマイズされたバージョンを共同で開発する計画だと述べている。

複数のデベロッパー向けに行われたJio Platformsの説明によると、同社は今後3年間で最大2億台のスマートフォンの展開を計画している。現在、4000万台近くの同社フィーチャーフォンが使用されているが、Jioの説明を受けたデベロッパーによると、新たに展開するスマホではJioが精査して承認した数十のアプリを擁するアプリストアが提供される。業界のとあるエグゼクティブはJioのストアを「クローズドプラットフォーム」と表現した。

インドの新聞Economic Timesによる2020年10月の報道では、匿名の情報としてインドの監視当局Competition Commission of India(CCI)がグーグルとJioのデータ共有合意のレビューに関心を寄せているとした。

11月11日に行われた発表の数日前に、CCIはグーグルがAndroidスマホの展開で自社の決済サービスの販促を行ったかどうか(ベンダーがこれを回避する選択肢があったかどうか)、そしてGoogle Play Storeの請求システムが「UPIによる決済機能を搭載する他のアプリやユーザーにとって不利になるよう」デザインされているかどうか、という点において同社に対し詳細な調査を行うよう指示した、と明らかにした。

詳細な調査の要求はCCIが初期レビューで、アプリの購入やアプリ内決済にGoogle Payが使用されることを求めていることは「不公正で差別的条件の押しつけであり、Google Payと競合するアプリへのアクセスやグーグルでの展開の否定」だと結論づけた後に行われた。

契約者4億人超を抱えるJio Platformsは2020年、13もの有名な投資家から200億ドル(約2兆1000億円)超を集めた。そのうちの1つがFacebook(フェイスブック)で、同社だけで57億ドル(約6000億円)を出資している。このディールもCCIによって承認された。Jio Platformsはインド最大の企業Reliance Industriesの子会社で、アジアで最も裕福な人物Mukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏が経営している。

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(翻訳:Mizoguchi

インドの情報放送省がNetflixなどの動画配信サービスやオンラインコンテンツの規制に乗り出す

インドの情報放送省(Ministry of Information and Broadcasting)は、インド国内のテレビや劇場で放映・上映される番組・作品を監督しているが、新たにストリーミングプラットフォームやデジタルニュースアウトレットも規制対象に加える。この動きは、オンラインサービスが提供するものに対して、頻繁かつより厳しい規制がかかるようになるのではと考えられている中で行われた。

インドのRam Nath Kovind(ラム・ナート・コヴィンド)大統領によって署名された、この新しい規則は、国家による広範な規制を避けるために、デジタル企業たちが何年も続けてきた(MEDIANAMA記事)コンテンツの自主規制努力を終わらせるものだ。これまでテレビチャンネルや劇場に対して適用されてきた規制は、プラットフォーム上に乗せて良いプログラムを左右するものだった。ストリーミングプラットフォームは引き続き自己規制を続けることが許され、情報放送省への報告が義務付けられるだろう。これはテレビが放送コードに準拠し、その自主規制団体(Indian Broadcasting Foundationサイト)が情報放送省と協力しているやりかたと似ている。しかし現時点では明確ではない。

例えば情報放送省は現在、国内の映画館で上映される映画の許可と、そうした許可を得るためにどの部分をカットもしくは改変すべきかの認定を行っている。しかし、Netflix(ネットフリックス)やAmazon Prime Video(アマゾン・プライム・ビデオ)などのサービスに登場する映画や番組は、これまでは認定を必要とせず、より過激な内容が幅広く許容されていた。

情報放送省は、以前に国内のテレビチャンネルに対して、過激なドキュメンタリーを放映しないようにという命令を下している(CNN記事)。

インドの電子情報技術省(Ministry of Electronics & Information Technology)は、かつてはオンラインストリーミングサービスを監督していたが、大きな変更を強制してはいなかった。また同省は、ユーザーが動画を投稿するプラットフォームも監督している。

インド情報放送省当局は、インド国内で約6億人のインターネットユーザーを抱えるオンラインプラットフォームの普及にともない、従来のメディアソースと同等の規制がオンラインプラットフォームにも必要になると、これまでも主張してきた。

「すべてのメディアに対して、公平な競技場が与えられなければなりません。しかしそれは、すべてのプレイヤーを厳しい規制構造の下に置くことを意味するものではありません。私たちの政府は、ビジネスの容易さと少ない規制、ただしより効果的な規制に焦点を当てています」と、2020年始めに情報放送省のAmit Khare(アミット・カレ)長官は語っている(MEDIANAMA記事)。

世界第2位のインターネット市場であるインドの動きは、Netflix、Amazon Prime Video、ディズニーのHotstar(ホットスター)、 Times Internet(タイムズインターネット)のMX Player 、その他のストリーミングサービスやウェブベースのニュースアウトレットたちに、自身のプラットフォーム上で何をストリーム配信し公開すべきかに対して、注意深くさせることだろう。と、トップストリーミングサービスの1社のある幹部は、TeckCrunchに対して匿名を条件に語った。

これまでインド事業に5億ドル(約527億7000万円)以上注ぎ込んできたNetflixは、コメントを拒否した。

「時事問題」をカバーするデジタルニュースの配給企業やプラットフォームも、インド情報放送省の監督を受けることになる。長年にわたり、インド政府は、ニュースチャンネルたちが視聴者に見せるものを規制するために、広告主に圧力をかける(The New York Times記事)ことを始めとして、さまざまな策を弄し続けている。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:動画配信インド

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(翻訳:sako)

9月にインドで禁止されたPUBG MobileがMicrosoftとの契約で同地復帰を計画

サイバーセキュリティへの懸念から2カ月前にインドでの販売が禁止された「PUBG Mobile」は、世界第2位のインターネット市場での復活を目論んでいると、この件に詳しい2人の関係者がTechCrunchに語った。

韓国のPUBG Corporationはここ数週間、グローバルなクラウドサービスプロバイダと提携し、ユーザーデータの居住性とセキュリティに対するインド政府の懸念を和らげるために、同国のユーザーデータを国内に保存していると、情報筋の1人は述べています。

【米国時間11月7日14時更新】PUBG Corporationの親会社であるKraftonは本日、Microsoft(マイクロソフト)とグローバルパートナーシップを締結したことを発表した。この契約の一環として、Kraftonまたはその子会社が開発したPUBG Mobileを含むゲームは、Microsoft Azure上でホストされることになる。Kraftonは「私たちにとってプライバシーとデータセキュリティは最優先事項であり、同社はマイクロソフトと協力し、Azureを通じて個人データの保護を確保していきます」と述べている。マイクロソフトは、インドの3カ所を含む世界各地でデータセンター事業を展開している。

PUBG Corporationは、インドの一部の高名なストリーマーに対して、2020年末までにインドにおけるサービスを再開する見込みであることを内密に伝えている、と別の情報筋は述べている。両情報筋はメディアに話をする権限がないため、匿名を希望している。11月5日にPUBG Corporationにコメントを求めたが、回答はない。

同社は、早ければ先週中にもインドでの今後の計画を発表する可能性があったという。また、今週行われるヒンドゥー教のお祭り、ディーワーリーの時期にはインド国内でのマーケティングキャンペーンを実施する予定だとある情報筋は語っている。

PUBGはここ数週間、SoftBankの出資を受けたPaytmや通信大手のAirtelなど、多くの現地企業とも協力して、人気モバイルゲームのインドでの配信に興味を持たれているかどうかを調査しているというが、Paytmの広報担当者はコメントを避けた。

当初、中国大手のTencent(テンセント)が、インドでPUBGモバイルアプリを公開していた。しかし、インド政府がPUBGモバイルを禁止した後、同社はインド国内でのテンセントとの配信提携を解消していた。禁止される前は、PUBG MobileのコンテンツはTencent Cloud上でホストされていた。

禁止命令から2カ月後である2020年10月末、PUBG Mobileはインドのユーザー向けサービスを終了している(未訳記事)。「ユーザーデータの保護は常に最優先事項であり、インドで適用されるデータ保護法や規制を常に遵守してきました。すべてのユーザーのゲームプレイ情報は、当社のプライバシーポリシーに開示されている通り、透明性のある方法で処理されています」と当時、同社は発表していた。

インドにおいて、月間アクティブユーザー数が5000万人を超えるPUBG Mobileは、禁止される前まではインドで最も人気のあるモバイルゲームだった。インドのゲーム市場のベテランアナリストであり、ニュースメディア「The Mako Reactor」の発行者でもあるRishi Alwani(リシ・アルワニ)氏は、PUBG Mobileのおかげで、同社はスポーツ関連企業のエコシステム全体を確立し、スポーツフレンドリーなゲームプレイを最大限に活用した観戦型のストリーマー産業小規模なストリーマー産業の確立にも貢献したという。

しかしながら、PUBG Mobileの復活はPUBGの不在を幸いと同様のゲームを開発している業界関係者や、現在進行中の資金調達ラウンドを巡ってベンチャーキャピタルと話し合っている企業などの問題を複雑にする可能性がある。

また2人の関係者は、インドでここ数カ月の間禁止されている他の200以上の中国製アプリが、ユーザーのデータを保存する場所を変更することで、インド政府の懸念を和らげようとしていることも示唆している。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:PUBGMicrosoftインド

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(翻訳:TechCrunch編集部)

サウジアラビア政府系ファンドがインド最大の小売Reliance Retailに約1340億円出資

2020年、Mukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏の通信ベンチャーJio Platforms(ジオ・プラットフォームズ)に15億ドル(約1550億円)を(未訳記事)、光ファイバー事業に5億ドル(約520億円)超を(未訳記事)投資したサウジアラビアのPublic Investment Fund(PIF、公的投資基金)が、インドで最も裕福なアンバニ氏の事業を支援するために再び戻ってきた。

政府系ファンドであるPIFはインド最大の小売チェーンであるReliance Retail (リライアンス・リテール)の持ち分2.04%を13億ドル(約1340億円)で取得する。この投資により、2006年創業のReliance Retailのバリュエーションは624億ドル(約6兆4500億円)になる。

Reliance Retailはインド国内6500超の市町村に約1万店を展開し、2020年初めの時点では毎週350万人が利用していた。同社が今年9月以降に調達した額は64億ドル(約6600億円)を上回る。

2020年、Facebook(フェイスブック)やGoogle(グーグル)などを含むさまざまな投資家からJio Platforms向けに200億ドル(約2兆670億円)超を集めたアンバニ氏は、今年末までにReliance Retail向けに数十億ドル(数千億円)を調達する。Reliance Retailへの出資が見込まれる企業の1社はAmazon(アマゾン)で、同社はすでにインドの小売事業に65億ドル(約6720億円)超を注いできた。

Relianceが、インドで2番目に大きい小売チェーンFuture Retailの事業の一部を34億ドル(約3500億円)で買収するという案件は現在行き詰まっている。Future Retailの子会社の1つの少数株を所有するアマゾンは、RelianceとFuture Retailのディールを阻止すべく法的手段に出た。Future RetailとReliance Industries(リライアンス・インダストリーズ)はこのディールを進めるつもりだと述べた。

「Relianceは、サウジアラビア王国と長年関係を持っています。PIFはサウジアラビアの経済トランスフォーメーションの最前線にいます。 Reliance Retailの重要なパートナーとしてPIFを歓迎します。また、インド国民13億人と何百万という小売店の暮らしを豊かにすべく、インドの小売部門を変革する野心的な取り組みを続けるにあたって、PIFの持続的なサポートとガイダンスに期待しています」とアンバニ氏は声明で述べた。同氏はReliance Retailの親会社Reliance Industriesを経営している。

Reliance Retailは2019年に、Jio Platformsとの合同ベンチャーJioMart(ジオマート)を通じてeコマースの分野に進出した。JioMartはいま、インド国内200以上の市町村で店舗を展開し、またWhatsApp(ワッツアップ)統合でフェイスブックと提携している。2020年初めにJio Platformsに57億ドル(約5890億円)を投資したフェイスブックは、インドの6000もの家族経営店や中小企業をデジタル化するためにRelianceと協業するさまざまな方法を検討していると述べた。

「インドで最もエキサイティングな部門をリードしているReliance Industriesとの信頼できるパートナーシップをさらに深化させることを嬉しく思います」とPIF総裁のYasir Al-Rumayyan(ヤセル・ルマイヤン)氏は声明文で述べた。「今回の投資は、サウジアラビア国民へのリターンを生み出し、サウジアラビアの経済分散を押し進めるというPIFのコミットメントを示すものです」。

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(翻訳:Mizoguchi

Amazonが2890億円を投資し、インドで2つ目のデータセンターリージョンを開設

Amazon(アマゾン)はインド南部のテランガーナ州に約28億ドル(約2890億円)を投資して、新しいAWSクラウドリージョンをかいせする。この話はインド時間11月6日に、とあるインドのトップ政治家によって明らかにされた。

この投資によって、アマゾンは2022年半ばまでにハイデラバード市にAWS クラウドリージョンを立ち上げることができると語ったのは(Twitter投稿)、テランガーナ州の情報技術、エレクトロニクス&通信、自治体管理、都市開発そして産業&商業部門大臣のK. T. Rama Rao(K.T.ラマ・ラオ)氏だ。

新しいAWSアジアリージョンは、アマゾンのインドにおける2個めのインフラストラクチャリージョンとなることがプレスリリースの中には書かれている(Amazonリリース)。その中では投資規模に関する開示は行われていないが、「新しいAWSアジアパシフィック(ハイデラバード)リージョンによって、さらに多くの開発者、スタートアップ、企業はもちろん、政府、教育、非営利組織もインドにあるデータセンターからアプリケーションを実行し、エンドユーザーにサービスを提供できるようになります」と同社は述べている。

しかし、そこにはアマゾンにとっても多くの意味が含まれている。コンサルタント会社Convergence Catalyst(コンバージェンス・カタリスト)のチーフアナリストであるJayanth Kolla(ジャヤン・コラ)氏、TechCrunchに対して、インドにクラウドリージョンを増やすことで、アマゾンはインドのデータローカリゼーションポリシーに準拠しやすくなると語った。こうした準拠は、現在インドのクラウド市場をリードしているアマゾンが、より多くの顧客を引き付けるのに役立つだろうと語る。

近年、AWSは複数の有名企業に対して顧客となってもらうべく努力を重ねてきた。それらの中には、自動車大手のAshok Leyland(アショック・レイランド)、生命保険会社Aditya Birla Capital(アディティヤ・ビルラ・キャピタル)、エドテック大手のByju’s(ビジュ)、Axis Bank(アクシス・バンク)、Bajaj Capital(バジャジ・キャピタル)、ClearTax(クリアタックス)、Dream11(ドリーム11)、Edelweiss(エーデルワイス)、Freshworks(フレッシュワークス)、HDFC Life(HDFCライフ)、Mahindra Electric(マヒンドラ・エレクトリック)、Ola(オラ)、Oyo(オヨ)、Policybazaar(ポリシバザー)、RBL Bank(RBLバンク)、redBus(レッドバス)、シャルダ大学、、Swiggy(スィギー)、Tata Sky(タタ・スカイ)、Zerodha(ゼロダ)などが含まれている。

コラ氏によれば、将来的にはインドのさらにいくつかの州が、州独自のデータローカリゼーション法を導入する可能性があるという。「このレベルの投資を誘致できたのは、ハイテク都市ハイデラバードの本拠地であるテランガーナ州政府にとって、大きな勝利でもあるのです」と彼は付け加えた。

Amazon Web Servicesのグローバルインフラストラクチャおよびカスタマーサポート担当上級副社長であるPeter DeSantis(ピーター・デサンティス)氏は「インドの企業は、インドや海外の数十億にのぼる顧客のニーズに合わせたコスト削減、俊敏性の向上、迅速なイノベーションを実現するために、クラウドコンピューティングを採用しています」と語る。「私たちは、AWSアジアパシフィック(ムンバイ)リージョンとともに、より高い柔軟性と多くの選択肢をお客様に提供するとともに、様々な場所における耐障害性、回復性、可用性をさらに高めるインフラストラクチャを設計できるようにしています」。

この投資は、これまでにインド事業に65億ドル(約6720億円)以上を注ぎ込んだアマゾンの、世界第2位のインターネット市場に期待している機会の大きさを示している。

アマゾン、Google (グーグル)、Microsoft(マイクロソフト)の各社は、インドでのクラウドサービスのリーチを拡大するために、さまざまな方法を模索している。マイクロソフトは、2019年に通信大手の Jio Platformes(ジオ・プラットフォーム)と長期契約を締結し(未訳記事)、多数の企業にOffice 365(オフィス365)やその他のマイクロソフトサービスへのアクセスを、より手頃な価格で提供した。またアマゾンは2020年の初めに、インド最大の通信事業者の1つである Airtel(エアテル)と戦略的提携を結んだ(未訳記事)。この契約の一環として、Airtel は多数の顧客に対してAWSを販売する予定だ。現在、マイクロソフトはインドに3つのデータセンターリージョンを所有し、一方、グーグルは2つのデータセンターリージョンを所有している。

市場調査グループIDCによれば、インドのパブリッククラウド市場規模は、2024年までに70億ドル(約7230億円)になると予想されている。

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(翻訳:sako)