ZoomやTeamsでホスト(主催者)でなくてもリモート会議を録画できるソフト、会議専用機をソースネクストが発表

ZoomやTeamsでホスト(主催者)でなくてもリモート会議を自動録画できるソフト、会議専用機などをソースネクストが発表AI(人工知能)翻訳機の「ポケトーク」を手がけるソースネクストは6月15日、リモート会議向け製品の新ブランド名「KAIGIO(カイギオ)」を冠した端末とソフトウェアを発表しました。

  • リモート会議専用機「KAIGIO MeePet(ミーペット)」(税込2万9700円)
  • 会議室カメラ用ソフト「満面KAIGIO」(税込1万9800円)
  • リモート会議アーカイブソフト「全録KAIGIO」(税込9900円)

KAIGIO MeePetは、Zoom SDKを利用した製品。リモート会議ソフト、マイク、カメラ、スピーカーを搭載し、ユーザー側による機材の用意が不要です。Zoom、Microsoft Teams、Webex Meetingsに対応し、ディスプレイに会議IDとパスワードをタッチ入力すれば、会議に参加できるのが主な特徴です。

また、Outlookアカウントを連携すれば、予定表の読み込みや、時刻表示とアラーム音で会議を知らせる機能、会議開始までの時間を表示する機能を利用できます。

さらに、グリーンバック不要でAIが人物を認識する「XSplit VCam」のバーチャル背景エンジンを搭載。背景画像は、100万種類を超える素材からの検索や、USBメモリやHDDからの読み込みが可能です。

このほか、5000mAhバッテリーを内蔵し、Zoom会議であれば連続で約1時間30分から2時間程度、スリープモードを解除したメイン画面の待機状態では4時間程度、コンセントに接続せず利用できます。

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  • サイズ:213.63(幅)×108.88(厚み)×163.93(高さ)mm
  • 重量:約966g
  • RAM:2GB
  • ROM:16GB
  • 無線LAN:802.11 a/b/g/n/ac
  • 有線LAN:CAT5
  • 端子類:イヤフォンジャック(4極ステレオミニプラグ)/有線LAN/HDMIx1/USB Type-A x2/USB Type-C(充電専用)
  • 同梱物:スタートガイド/安全上のご注意/ハードウェア保証書/製品登録はがき/電源アダプタ一体型USB Type-Cケーブル
  • 予約開始日/発売日:6月15日/8月18日

満面KAIGIOは、独自のAI顔認識エンジンを用いて人物を自動でクローズアップできる会議室カメラ用ソフトで、利用には別途webカメラとweb会議ソフト ( 64ビット版のZoom、Teams、CISCO Webex ) が必要です。

会議室にいる人数や配置に合わせて、自動で最適な画面に切り替わり、人物が移動しても自動追尾する機能を持つほか、ホワイトボードや商品などだけを映すことも可能です。

ZoomやTeamsでホスト(主催者)でなくてもリモート会議を自動録画できるソフト、会議専用機などをソースネクストが発表

  • 対応OS:Windows 10 (64ビット)
  • インストール容量:約600MB
  • 対応CPUとメモリ: Intel Core i5-5200U ( 2.20GHz )相当以上 / 8GB以上
  • 推奨解像度:1024×768以上
  • 発売日:ダウンロード版が8月26日、パッケージ版が10月6日

全録KAIGIOは、Zoom会議の自動録画が可能なリモート会議アーカイブソフト(Teamsの録画は自動ではない)。会議システムに標準で付いている録画機能を参加者が使用する際、会議主催者への申請が必要なケースがありますが、独立した全録KAIGIOでは参加者の意思で録画できるそうです。

また、録画後にサムネイルからの再生が可能で、確認したい箇所をすぐに探せるほか、必要な範囲だけをトリミングすることも可能。録画だけでなく、スクリーンショットの自動生成もでき、共有資料の閲覧にも役立つとしています。

  • 対応OS:Windows 10/8.1 (いずれも32ビット/64ビット)
  • インストール容量:約100MB
  • 対応CPUとメモリ:1GHz以上 / 4GB以上
  • 推奨解像度:1024×768以上
  • 発売日:ダウンロード版が6月15日、パッケージ版が7月30日

ZoomやTeamsでホスト(主催者)でなくてもリモート会議を自動録画できるソフト、会議専用機などをソースネクストが発表

(Source:ソースネクストEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Zoom(製品・サービス)ソースネクスト(企業)ビデオ通話 / ビデオチャット/ビデオ会議(用語)Microsoft Teams(製品・サービス)リモートワーク / テレワーク(用語)日本(国・地域)

グーグルのAirTable対抗ワークトラッキングツール「Tables」がベータを卒業、Google Cloud追加へ

2020年秋、Google(グーグル)の社内インキュベーターであるArea 120は「Tables」というワークトラッキングツールを披露した。そして米国時間6月14日、同社は、Tablesが正式にArea 120を「卒業」してGoogleプロダクトの一員になり、2022年中にGoogle Cloudへ加わると発表した。

Tablesのプロジェクトは、長年のGoogle社員で今はTablesのゼネラルマネージャーであるTim Gleason(ティム・グリーソン)氏が始めた。彼はGoogleに10年間在籍しているが、それ以前から長くテクノロジー業界にいる。グリーソン氏によると、Tablesを思いついたのは彼自身、プロジェクトの追跡管理が苦手だったからだ。複数のチームが、さまざまなドキュメントに分散している複数のノートやタスクを共有して仕事を進めるが、それらのドキュメントはすぐに陳腐化してしまう。

1つのプロジェクトに関連するノートやタスクが、人間が手作業でアップデートするさまざまなドキュメントに記述されているという状態を脱してTablesでは、ボットを使ってプロジェクトのチームメンバーをガイドし管理する。例えば仕事が遅れているときには、スケジュールを調節するためのリマインダーをメールで送らなければならない。新しいフォームが届いたらチャットルームでそれを告知する。一部のタスクを他の人たちのワークキューに移動する。スケジュールが変われば、タスクをアップデートする。これらの雑多な仕事をすべてTablesで管理できるようになる。

Tablesのチームによると、それはいろいろなユースケースでソリューションになりえる。例えばプロジェクト管理はもちろんのこと、ITの運用やカスタマーサービスの追跡、CRM、求人、製品開発など、さまざまな部門で使える。

画像クレジット:Google

このサービスは2020年9月にテストを始めたが、Googleによると、たちまちファンが増えたという。

Google Cloudの最上位管理者であるAmit Zavery(アミット・ザベリー)氏によると、初期の顧客からのフィードバックは好評で、しかもいろいろなプロジェクトで利用されていた。そのことからも、今後の成長性が伺われる。しかしザベリー氏は現在の顧客数を明かしていない。

ザベリー氏によると、パンデミックもTablesの採用の動機になっているだろうという。

彼は、誰もがあわててデジタル化に取り組むようになった現状に対して「新型コロナウイルスで起きたことを見てみれば、私が話を聞いた多くの顧客たちの中でワークトラッキングが大きな関心の的になったこともよく理解できます」という。

在庫管理、ヘルスケアのサプライトラッキング、住宅ローンのワークフローなどが最も多かったユースケースだ。しかし全体としてTablesは、チームが予想した以上に多様な業界で採用された。平均的な姿としては、およそ30名から40名の部、課、事業部などがTablesを使っている。

また、他のサービスからの乗り換えではなく、これまで手作業で行ってきたことをTablesで管理するというタイプのユーザーが最も多い。

「複数の文書に細切れ状態で分散していたり、それらの文書を複数の違う人が持っていたり、という状況はとても多いものです。またそういうところが最もテクノロジーのありがたさを感じてくれます。これからは中央の1カ所に情報が構造化されて集まり、それを確認したりアップデートしながら仕事を進めればいいのです。1つのユースケースやプロジェクトが15種類のスプレッドシートに分散し、それらの構造的関係を誰も知らない、という悲惨な状況が終わるのです」とザベリー氏は説明する。

Tablesの採用が急速に進んだのは、生産性が目に見えて向上したからだ。それには、既存のデータウェアハウスやその他のサービスを統合できることも大きい。現在、TablesはOffice 365やMicrosoft Access、Googleスプレッドシート、Slack、Salesforce、BoxそしてDropboxといった既存サービスをサポートしている。

Area 120からローンチしたプロジェクトは、有料サービスはとても少ない。Tablesはその少ない中の1つで、他にはチケットを販売するFundo、会話的広告プラットフォームのAdLingo、最近GoogleがローンチしたOrion WiFiなどがある。ベータのときは1人の個人がTablesを無料で利用でき、最大100テーブル1000行まで使える。有料プランは月額10ドル(約1100円)で最大1000テーブル1万行までの予定だ。有料になると大型のアタッチメントや、多様なアクション、履歴や共有、フォーム。自動化、ビューなどの高度化がサポートされる。

ただしGoogleによると、ベータ期間の課金はいっさいない。

TablesがGoogle Cloudの正規のプロダクトになれば、Googleのノーコードアプリ構築プラットフォームであるAppSheetと統合されるだろう。こちらも無料のティアがあるので、フリーミアムとしての利用は継続できる。高度な機能を使いたい人は、有料プランにアップグレードできる。AppSheetだけをスタンドアローンで使いたい、というニーズでもOKだ。

GoogleはTablesをWorkspaceにも統合して、ユーザー数をさらに増やすつもりだ。

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それについてザベリー氏は次のように述べている。「TablesはWorkspaceにも統合するつもりです。そのとても大きなユーザーコミュニティも、Tablesのような機能を欲しがっている人たちです。そのコミュニティには、大量のSheetsユーザーもいれば、大量のDriveユーザーもいる。しかも彼らが集めるデータは膨大です。Tablesは、彼らの仕事を自動化しその体験を強化できます」。

画像クレジット:Google

現在、ノーコードでしかもデータベースをスプレッドシートベースで構築するという、企業デジタル化の1つのタイプがブームだ。Tablesは明らかに、このブームに乗ろうとしている。たとえばTablesがリリースされる数日前には、AirTableが1億8500万ドル(約203億7000万円)のシリーズDを完了した。そのときの投資前評価額は、25億8500万ドルだった。

TablesがGoogle Cloudの一員になっても、2022年に完全にCloudのプロダクトとして利用できるようになるまでは、ベータバージョンを無料で使える。Google Cloudプロダクトの正規化とともに、ユーザーはそちらへ移行することになる。

AppSheetの統合を皮切りに今後のTablesはさらに新しい機能を加えていく予定だ。だから今後必ずしも、他のプロダクトに乗り換える必要はない。また、使いやすさやモバイルのサポート、インターネット接続、バックエンドの充実などでも改善していく、と同社は言っている。

正価は未定だが、上述している現在発表されているプランと大きくは変わらないだろう。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GoogleGoogle CloudノーコードTables

画像クレジット:Google

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

グーグルが「Workspace」をすべての人に無料開放、アプリ間の統合がさらに深化、個人向け新有料プランも

Google(グーグル)は米国時間6月14日、以前G Suiteと呼ばれていたサービスであり、いくつかの新機能を備えたGoogle Workspaceを、無料のGoogleアカウントを持つ消費者を含む、すべての人が利用できるようにすると発表した。Workspaceの基本理念は、ユーザー間のより深いコラボレーションを可能にすることだ。多くの人がすでに利用しているGoogleの生産性向上アプリ(Gmail、Googleカレンダー、ドライブ、ドキュメント、スプレッドシート、スライド、Meet、Chatなど)と同じと考えることもできるが、新たなラッピングが施され、異なるアプリ間での統合がより深まっている。

Workspaceの機能をさらに充実させたい個人ユーザー向けに新しい有料サービスも用意されており、Google Workspace Individual subscriptionは月額9.99ドル(約1100円)、初期価格は月額7.99ドル(約880円)となっている。

これにより、ユーザーはスマートな予約サービス、プロフェッショナルなビデオ会議、パーソナライズされたメールマーケティングといったプレミアム機能を利用できるようになり、さらに多くの機能が追加される予定だ。これに関しては、2021年後半に発表される予定となっている。新しい有料サービスは、米国、カナダ、メキシコ、オーストラリア、ブラジル、日本で「間もなく」利用可能になる。

本サービスを利用するには、従来のハングアウト(RIP)から新しいGoogle Chatに切り替える必要があるが、今回のアップデートにより、すべてのユーザーが新しいGoogle Chatも利用できるようになる。これまでは、有料のWorkspace(G Suite)ユーザーのみが、この新しいWorkspaceユーザーエクスペリエンスにアクセスできた。

Google Workspaceの副社長兼GMであるJavier Soltero(ハビエル・ソルテロ)氏は「コラボレーションは職場にとどまりません。私たちのプロダクトは当初から、幅広い参加、共有、支援のために最適化されています」と述べている。「私たちが重視しているのは、消費者、労働者、教師、学生のすべてに平等なコラボレーションのアプローチを提供することであり、同時に、これらの異なるユーザーがコミュニケーションやコラボレーションに対して独自のアプローチを取ることができる柔軟性を提供することです」。

画像クレジット:Google

この機能が有効になると、ユーザーインターフェイスはかなり変わる。例えば、左のレールは、現在のiOSおよびAndroidのGmailの下部にあるバーのようになり、Gmail、Chat、Meet、Spaces(詳しくは後述)を切り替えることができるようになる。右側のレールには、Googleカレンダー、Tasks、Keepといった機能へのさまざまなプラグインやショートカットが表示される。

多くの人、特にGmailがGmailであることを望んでおり、私生活でこのような共同作業に関心がない人は、これを嫌うだろう。しかし、少なくとも当面は、ハングアウトから新しいGoogle Chatに切り替えないことで、これまでのエクスペリエンスを維持することができる。しかし、GoogleにとってこれはWorkspaceが進むべき道を明確に示している。

画像クレジット:Google

「2020年10月、コミュニケーションとコラボレーションのためのプロダクトラインとビジネスを大幅にアップデートしたことを発表しました。その中で、Google Workspaceの新しいブランドとアイデンティティから始めましたが、これは私たちが信じているプロダクトの将来の方向性と真のチャンスを表すものです。個々のプロダクトではなく、仕事の未来を象徴する統合されたエクスペリエンスを提供することが重要なのです」と今回の発表に先立ち行われたプレスブリーフィングで、ソルテロ氏は説明している。

次に「Spaces(スペース)」について。これまでGoogle Workspaceには「Room」というツールがあった。この「Room」が「Spaces」になる。理由はよくわからないが、Googleは「Google ChatのRoom体験を、Google Workspaceで人やトピック、プロジェクトを整理するための専用の場所へと進化させる」と述べている。

これはSlackのようなチャンネルで、チームは特定のトピックについて会話をするだけでなく、関連するファイルや今後のタスクを整理することができ、すべて統合されたGoogle Meetエクスペリエンスとファイルへの直接アクセスが可能となっている。それは結構なことだが、なぜGoogleが名称を変える必要性を感じたのかはわからない。おそらくSlackの「Room」とGoogleの「Room」を混同されたくないのだろう。また「Google Workspace」という名前である以上、Work「room」は「ない」。

Googleによると、Spacesの新機能は、インラインのトピックスレッディング、プレゼンスインジケーター、カスタムステータス、表現力豊かなリアクション、折りたたみ可能なビューなどがあるという。

新しいSpacesは、無料・有料問わず2021年後半にサービスが開始されると誰でも利用できるようになる。

もう少し待って欲しい。新しいWorkspaceの機能はまだある。例えば、Google Meetには「ハイブリッドな世界でのコラボレーションの公平性」を促進することを目的としたコンパニオンモードが追加された。これは、物理的な会議室にいて遠隔地の参加者と対話している参加者に、画面共有、投票、会議中のチャット、挙手、Q&Aのライブキャプションなどの機能を個人のデバイスで利用できるコンパニオン体験を提供するというものだ。また、コンパニオンモードを利用するすべての参加者には、自分専用のビデオタイルが提供される。本機能は2021年9月に提供開始予定だ。

画像クレジット:Google

また、参加者がリモートで参加するのか、会議室で参加するのか(あるいはまったく参加しないのか)を選択できるRSVPオプションや、ホストが会議中のチャットを使用できないようにしたり、個々の参加者のミュートやミュート解除を行うことができる新しいモデレーションコントロールも追加されている。

また、セキュリティ面では、Googleは、ユーザーが自分の暗号化キーを持ち込めるようにすることも発表している。現在、Googleはユーザーのデータを暗号化しているが、キーの管理は同社が行っている。セキュリティを強化するために、ユーザーは自分のキーをサービスに持ち込みたいと思うかもしれない。そこでGoogleは今回、FlowcryptFuturex、Thales、Virtruといったプロバイダーと提携し、これを可能にした。

「クライアント側の暗号化により、Googleは顧客データを解読できなくなりますが、ユーザーは引き続きGoogleのネイティブなウェブベースのコラボレーションを利用したり、モバイルデバイスでコンテンツにアクセスしたり、暗号化されたファイルを外部と共有したりすることができます」と、Googleの製品管理担当ディレクターであるKarthik Lakshminarayanan(カルティーク・ラクシュミナラヤナン)氏とErika Trautman(エリカ・トラウトマン)氏は本日の発表で述べている。

画像クレジット:Google

さらに、同社はGoogleドライブに「Trust Rules」を導入し、管理者が組織内や組織外でファイルを共有する方法をコントロールできるようにした。また、本物のフィッシングの脅威(社内のセキュリティ組織が数週間ごとに送信する偽物ではない)から保護するために、Googleは管理者に対して、社内コンテンツに対して現在提供しているものと同じフィッシング保護を有効にし、内部からのの脅威からもデータを保護できるようにしている。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GoogleGoogle WorkspaceGoogleドキュメントGoogleスライドGoogleスプレッドシートGoogle Meet

画像クレジット:Spencer Platt / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Katsuyuki Yasui)

技術的な知識が少ない人も利用できるエンタープライズAI「Dataiku」が中小企業向けマネージドサービスを開始

Dataikuは米国時間6月14日「Dataiku Online」と呼ばれる新しい製品でダウンストリームに拡大する。その名が示すように、Dataiku OnlineはDataikuのフルマネージドバージョンだ。これにより、システム管理者や独自インフラを必要とする複雑なセットアッププロセスを経ることなく、同社のデータサイエンスプラットフォームを活用することができる。

Dataikuという名を聞き慣れない方のために説明すると、このプラットフォームでは、生データを高度な分析に変換したり、データの可視化タスクを実行したり、データにづ付けられたダッシュボードを作成したり、機械学習モデルをトレーニングすることができる。Dataikuは特に、データサイエンティストだけでなく、ビジネスアナリストやあまり技術的な知識が少ない人でも利用できる。

同社はこれまで、大企業のエンタープライズ顧客を中心に事業を展開してきた。現在Dataikuは、Unilever(ユニリーバ)、Schlumberger(シュルンベルジェ)、GE、BNP Paribas(BNPパリバ)、Cisco(シスコ)、Merck(メルク)、NXP Semiconductors(NXPセミコンダクターズ)など、400社以上の顧客を抱えている。

Dataikuを使用するには2つの方法がある。1つは、自社のオンプレミスサーバーにソフトウェアソリューションをインストールする方法。2つ目は、クラウドインスタンス上で実行する方法だ。Dataiku Onlineは3つ目のオプションを提供し、同スタートアップがセットアップとインフラの面倒を見てくれる。

共同創業者兼CEOのFlorian Douetteau(フロリアン・ドゥエトー)氏はこう述べている。「Dataiku Onlineを利用するお客様は、当社のオンプレミス製品やクラウドインスタンスが提供するのと同じ機能、つまり、データ準備や可視化から高度なデータ分析や機械学習の機能まで、すべてを利用することができます。中小企業(SMB)やアーリーステージ企業は、AIプロジェクトから価値を得るためのリソースや技術的な専門知識を持っていないというイメージがありますが、そんなことはありません。データサイエンティストや専門のMLエンジニアを持たない小規模なチームでも、当社のプラットフォームを利用することで、技術的な負担を大幅に軽減することができ、実際にAIをビジネスに活用することに集中できます」。

Dataiku Onlineを利用する顧客は、Dataikuの構築済みコネクターを利用できる。例えば、Dataikuインスタンスを、Snowflake Data Cloud、Amazon Redshift、Google BigQueryなどのクラウドデータウェアハウスと接続することができる。また、SQLデータベース(MySQL、PostgreSQLなど)に接続することも可能で、Amazon S3に保存されたCSVファイル上で実行することもできる。

また、データインジェストの作業を始めたばかりであれば、Dataikuは一般的なデータインジェストサービスとうまく連携する。「Dataiku Onlineのお客様の典型的なスタックは、FiveTran、Stitch、Aloomaのようなデータインジェストツールを活用し、Google BigQuery、Amazon Redshift、Snowflakeのようなクラウドデータウェアハウスに同期します。Dataikuはそれらの最新のデータスタックにうまく適合しています」とドゥエトー氏は語る。

Dataiku Onlineは、Dataikuを使い始めるのに最適なサービスだ。高成長のスタートアップ企業は人手が足りない傾向にあり、できるだけすばやくサービスを立ち上げて稼働させたいと考えているので、Dataiku Onlineからスタートするかもしれない。しかし事業が大きくなるにつれて、Dataikuのクラウドまたはオンプレミスインストールに切り替えることを想像できる。そうすれば会社がスケールアップしても、従業員は同じプラットフォームを使い続けることができる。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Dataiku中小企業機械学習

画像クレジット:Jason Coudriet / Unsplash

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(文:Romain Dillet、翻訳:Aya Nakazato)

グーグルがEUの圧力を受けAndroid検索エンジンの選択画面オークションを廃止、無料化へ

Google(グーグル)は、欧州連合(EU)で同社が提供する選択画面の基盤となっている、極めて不評なオークション形式を廃止することを明らかにした。これにより適格な検索プロバイダーが無料で参加できるようになる。

このオークションモデルはGoogleが選んだ「是正措置」だった。2018年にEUからAndroid運用に対する反トラスト法の施行で50億ドル(約5500億円)の制裁金を科されたことを受けたものだ。だがTechCrunchが以前報じたように、競合他社はこのモデルはフェアではないと一貫して主張してきた(記事はこちらこちらこちら)。

関連記事:AndroidのEUにおけるデフォルト検索エンジン指定に批判多数

Androidの選択画面は、デバイスのセットアップ時(またはファクトリーリセット時)に、デフォルトとする検索エンジンの選択候補を域内のユーザーに提示する。選択肢のうち3つの枠は、いずれかを獲得するためにGoogleへの支払額を競う検索エンジン各社の非公開入札内容に応じて決まる。

Google自身の検索エンジンは、EU市場かどうかに関わらず、選択画面で定番の「選択肢」として存在している。

Googleが考案したこの有料モデルは、小規模な検索エンジン企業(Ecosiaの植林検索エンジンのような代替ビジネスモデルを持つ企業を含む)からひどく嫌われているだけでなく、検索市場シェアにおける競争上のバランスを取り戻す上でまったく効果がなかったことから、Googleがそれを断念せざるを得なかったことは驚くにあたらない。

欧州委員会は変化の兆しを見せており、Bloombergは2021年5月に、EUの競争担当チーフであるMargrethe Vestager(マルグレーテ・ベスタガー)氏が、GoogleによるAndroid上の検索とブラウザの競合他社向け選択画面を有効的に機能させるために「積極的に取り組んでいる」と発言したことを報じていた。つまり、明らかに「ファウル」や「機能していないんだ」という繰り返しの叫び声を聞いたのだろう。そして、ようやく行動に移したのだ。

しかしGoogleは、自らの物語を組み立てる枠組みの中で、EU議会との「建設的な議論」を何年も前から続けている、と記している。その内容としては、同社が表現するところでは「当社がAndroidプラットフォームへの投資と提供を無償で長期的に継続できることを確保しつつ、Androidデバイスの選択肢をさらに増やす方法」についてだという。

それはまた、EUに多少の疑念や非難を投げかけようとしているようにも見える。EUが「促進の機会」(滑稽に聞こえる)と呼ぶものを「委員会と協議して」導入しただけだと言っているのだ。(つまり「政府よ、私たちを責めないで、彼らを責めてくれ」ということだ)

Googleはブログの別の箇所で具体的に「欧州委員会からのさらなるフィードバック」を受けて「いくつかの最終的な変更」を加えていると述べており、その中で「適格な検索プロバイダー」の無料参加について言及している。

「画面に表示される検索プロバイダーの数も増やします。この変更は2021年の9月からAndroidデバイスに適用されます」と同社は付言している。

計画された変更は、適格性を判断するためにどのような基準を使用するかなど、新たな疑問を提起している。Googleの基準は透明になるのだろうか、それとも問題を抱えたオークションのように外部から見えないようにするのだろうか?また、ユーザーに提供される検索エンジンの数はどのくらいになるのだろうか。現在の4つよりも多いことは明らかではあるが。

Google自身の検索エンジンがリストのどこに表示されるのか、またすべてのオプションをランク付けする基準(市場シェアは?無作為割り付けか?)も興味深い。

Googleのブログではそのような詳細について部分的に伏されているが、TechCrunchが欧州委員会に問い合わせたところ、かなりの情報が得られた(後述のコメントを参照)。

完全な実装になった時点で、どこか邪悪でダークなパターン設計の詳細が現れるかどうかはまだわからない。

【更新】選択画面の仕組みの詳細はここで見ることができる。この中にはGoogleが垂直検索エンジンは参加できないとしている適格基準の詳細も含まれている。一般的な検索エンジンのみ選択画面への参加が可能のようだ。また、同一企業が所有する複数の検索ブランドを除外し、1つの検索ブランドだけを表示できるようにする。Googleの検索結果と広告をシンジケートしている企業も対象外となった。

これらの変更が「最終的」であると主張することは、Googleの特権ではないことは注目に値する。EUの規制当局は反トラスト法の順守状況を監視する責任があるため、新たな苦情が流れてきた場合には、監視して対応する義務がある。

GoogleのオークションUターンに対して、プライバシー重視の検索エンジンDuckDuckGoはすでに批判的だった。ただし具体的な内容よりは範囲の方が重要だった。

創設者のGabriel Weinberg(ガブリエル・ワインバーグ)氏は、切り替えが3年遅れたことだけでなく、Googleはすべてのプラットフォーム(デスクトップとChromeも)にこれを適用し、設定やファクトリーリセットのために選択画面を切り替えるのではなく、Androidユーザーがデフォルトをシームレスに簡単に切り替えられるようにするべきだということも指摘している(以前報じたとおりである)。

オークションモデルを長らく批判してきた小さな非営利団体Ecosiaは、検索の巨人との戦いがついに実を結んだことを喜んだ。

CEOのChristian Kroll(クリスチャン・クロール)氏は声明文の中でこう述べている。「これはダビデ対ゴリアテの実話とも言えます。ダビデは勝利しました。重要な日であり、Ecosiaにとってまさに祝福の瞬間です。私たちは数年前から検索エンジン市場の公平性を求めてキャンペーンを展開してきましたが、その結果、市場の公平な競争条件に近いものを得ました。今や検索プロバイダーは、独占的な行動に閉め出されるのではなく、自社製品の魅力に基づいて、Android市場でより公正に競争するチャンスを手にしたのです」。

一方、欧州委員会はTechCrunchに対して、多くの競合他社がオークションモデルに懸念を示した後に行動したことを認めている。広報担当者は「そうした懸念に対処するために、選択画面を改善する手段についてGoogleと話し合いを持ちました」と語った。

「選択画面にGoogleが導入した変更を歓迎します。選択画面への追加は、競合他社の検索プロバイダーに対して無料で提供されます」と広報担当者は続けた。「さらに、選択画面には、より多くの検索プロバイダーが表示されることになります。そのため、ユーザーは選択肢の幅を広げることができます」。

欧州委員会はまた、選択画面のプルダウン表示の詳細を少し明らかにし「ほぼすべてのデバイスで、5つの検索プロバイダーが即座に視認できるようになる」と述べた。

「ユーザーの国における市場シェアに基づいて選択され、ランダムな順序で表示されるので、Googleが常に最初に表示されるわけではありません。ユーザーは下にスクロールすると、さらに7つまでの検索プロバイダーを見ることができ、選択画面に表示される検索プロバイダーの総数は12になります」。

「今回の措置は、我々のAndroidに関する裁定に沿った改善策の実施に向けた前向きな動きです」と広報担当者は付け加えた。

同委員会の働きかけによって、これまでよりもはるかに拡大され、よりオープンになった選択画面が、Googleの検索エンジン市場シェアにおける地域のニーズを動かすのに役立つかどうを見るのは、極めて興味深いことだ。

実に興味をかき立てる時期に来ている。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GoogleEU検索Google検索オークションAndroid欧州委員会

画像クレジット:Natasha Lomas / TechCrunch

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)

自動運転技術開発のニーズに応えるためScale AIがマッピング分野に進出

自動運転にともなうさまざまな課題を解決することは非常に複雑な作業だが、それでも実現に向かうためには、まず何よりも、正確で十分にアノテーションされた質の高いデータを確保する必要がある。そこで登場したのがScale AI(スケール)という企業だ。AV業界では、特殊なLiDAR画像を含む膨大なデータのアノテーションが必要になると早くから考えていた。同社の共同創業者でCEOのAlex Wang(アレックス・ワン)氏は、2021年6月末にリリースされる新製品でマッピングの分野に進出すると「TC Sessions:Mobility 2021(TCセッション:モビリティ2021)」で語った。

トヨタをはじめとする運輸業界のパートナーとの協力関係について、ワン氏は「当社の役割は進化し続けています」と語った。「ご存知のように、私たちは顧客と協力して、データやアノテーションデータのラベリングに関する問題を解決していますが、すると次に、顧客はデータ管理に関する別の問題を抱えて私たちに助けを求めてくるようになりました。それを解決するために、私たちはNucleus(ニュークリアス)という製品を発売しました。そして現在、多くの顧客がマッピングについて、より強固なマップをどのように展開するかについて、頭を悩ませています。そこで私たちは、そのような問題の対処を支援するための製品を開発することにしました。おそらく今月末には発表できると思います」。

さらに促しても、この件に関してワン氏は具体的な話をしなかった。しかし、マッピングの課題についてや、センサーフュージョンや車両とインフラ間の通信コンポーネントなどの信号を含むAVシステムにマップを統合しようとしている企業にとって、既存のマップでは何が不足しているのかについては、さらに詳しく説明してくれた。

「全体的に私が大きな問題だと思うのは、この業界は歴史的にマッピングに非常に大きく依存してきたことです。非常に高品質で高精細なマップに大きく依存してきました。厄介なのは、これらの地図が間違っていることがあり、それにどう対処するかということです。【略】地図の信頼性や更新といった課題にどう対処するか。考えてみると、世界で圧倒的に優れた地図インフラであるGoogleマップでさえ、(人間の)ドライバーにとって十分な速さで更新されていないことがわかります」。

ワン氏によれば、この課題はScaleが創業以来、積極的に解決してきたデータフライホイールの課題と大きな違いはないという。自動運転走行では、データを迅速かつ正確に収集してアノテーションすることが何よりも重要である。その結果として、データの収集とアノテーションが改善されていき、システムが環境を把握する信頼性が高まっていく。

「絶えず変化する世界の状況にどうやって対処するか、その方法を見つけ出すことは、非常に大きな要素です」と、ワン氏はいう。Scaleが具体的に何を計画しているのかはまだわからないが、何を発表するにしても重要な要素として、地図とマッピングの精度に対する信頼を築くことが重要な要素になると考えてよさそうだ。

関連記事:Scale AIが自動運転車の開発向けに無料のLIDARデータセットをリリース

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:自動運転地図Scale AI

画像クレジット:Bloomberg / Getty Images

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

企業内の「時間の使われ方」を分析するTime is Ltd.が、約6.1億円を調達

企業の生産性分析を手がけるスタートアップ企業のTime is Ltd.(タイム・イズ・リミテッド)は、会社時間にとってのGoogleアナリティクスになろうとしている。あるいは、企業にとってのApple(アップル)のスクリーンタイムのようなものか。いずれにしても、企業内における時間の使われ方をマッピングすることができれば、膨大な生産性の向上が可能になり、お金をより有効に使うことができると、同社の創業者たちは考えている。

Time is Ltd.は今回、レイトシードラウンドで560万ドル(約6億1000万円)の資金を調達した。この投資ラウンドはロンドンを拠点とするChalfen Ventures(チャルフェン・ベンチャーズ)のMike Chalfen(マイク・チャルフェン)氏が主導し、Illuminate Financial Management(イルミネート・ファイナンシャル・マネジメン)、Acequia Capital(アセキア・キャピタル)、既存の投資家であるAccel(アクセル)、そしてエンジェル投資家としてSeal Software(シール・ソフトウェア)の前会長だったPaul Sallaberry(ポール・サラベリー)氏と同社の取締役だったClark Golestani(クラーク・ゴレスタニ)氏もこのラウンドに参加。さらに契約文書分析企業であるSeal Softwareの創業者で元CEOのウルフ・ゼッターバーグ(Ulf Zetterberg)氏が、社長兼共同創業者として会社に加わることも発表された。

このベンチャーは、2020年買収されたSocialBakers(ソーシャルベーカーズ)の創業者として知られるシリアルアントレプレナー Jan Rezab(ヤン・レザブ)氏の最新作だ。

非効率な会議、しつこい通知チャット、各種ビデオ会議ツール、メールの大洪水などは、我々の誰もが経験していることだろう。Time is Ltd.は、Microsoft 365(マイクロソフト365)、Google Workspace(グーグル・ワークスペース)、Zoom(ズーム)、Webex(ウェベックス)、Microsoft Teams(マイクロソフト・チームズ)、Slack(スラック)などのインサイトやデータプラットフォームを取得することで、この問題に対処しようというのだ。収集されたデータとインサイトは、経営陣が会社の生産性、エンゲージメント、コラボレーションを測定する新しいアプローチを理解し採用することに役立つと、このスタートアップ企業は述べている。

同社は現在、企業が参照できる400の指標を収集しているという。例えば、The Wall Street Journal (ウォール・ストリート・ジャーナル)がTime is Ltd.に設定したタスクによると、Slackと電子メールの平均応答時間を比較した場合、Slackが16.3分であるのに対し、電子メールは72分だった。

チャルフェン氏は次のようにコメントしている。「ハイブリッド型や分散型のワークパターンを測定することは、すべての企業にとって重要です。Time Is Ltd.のプラットフォームは、このような測定を簡単に利用でき、種類が異なる非常に多くの組織にとって実用価値があります。世界中のすべての企業に仕事の改善をもたらすことができると信じています」。

レザブ氏は次のように語っている。「社内のコラボレーションやコミュニケーションに関するこのようなデータを、プライバシーに配慮した方法で、既存のビジネス指標と一緒に分析することができれば、すべての企業にとって社内の鼓動を理解することにつながります。今後10年以内には、これらのプラットフォームからのインサイトを無視できないことに誰もが気づくでしょう」。

欧州のオンライン食品販売業界をリードするRohlik Group(ローリック・グループ)の創業者でグループCEOであるTomas Cupr(トーマス・クプル)氏は、次のように述べている。「パフォーマンスデータを利用する従来のBI(ビジネスインテリジェンス)アプローチとともに、Time is Ltd.を利用することによって、チーム内のコラボレーション方法を改善し、社内およびベンダーとの仕事の進め方を改善することができます。Time is Ltd.が提供するデータは、ビジネスリーダーにとって必要不可欠なものです」。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Time is Ltd.資金調達データ分析

画像クレジット:Time is Ltd. founders

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(文:Mike Butcher、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アップルが2021年「アップル・デザイン・アワード」を発表

Apple(アップル)は2021年のApple Design Award(デザイン・アワード)優勝者を、バーチャル開催のWordwide Developers Conference(WWDC)の期間中に発表した。例年は会の終了時に行われていた。カンファレンスの前にAppleは、ファイナリストのプレビューを公開し、技術、デザイン、創意工夫を組み合わせたアプリやゲームの成果を紹介した。そして6月10日の夜に6つのアワード部門の勝者を発表した。

Appleは、各部門でアプリとゲームを1つずつ、勝者に選んだ。

Inclusive(インクルーシブ、包摂)部門の賞は、多様な生い立ち、能力、言語の人たちを支えた作品に贈られた。

2021年の優勝者は、米国企業、Aconite(アコナイト)の非常にわかりやすいゲーム、HoloVista(ホロビスタ)が選ばれた。ユーザーはモーション・コントロール、テキスト・サイズ、テキストのコントラスト、サウンド、視覚効果の強度を調整することができる。ゲームはユーザーがiPhoneのカメラを使って隠された対象を探したり、パズルを解いたりして進んでいく(TechCrunchの紹介記事)。

画像クレジット:Aconite

もう1つの勝者、Voice Dream Reader(ボイス・ドリーム・リーダー)は20以上の言語に対応したテキスト読み上げアプリで、適応調整と高度なカスタマイズ設定が可能だ。

画像クレジット:Voice Dream LLC

Delight and Fun(楽しさとおもしろさ)部門の勝者は、Appleテクノロジーによって強化された記憶に残る魅力ある体験を与えた者に贈られる。ベルギー発のPok Pok Playroom(ポク・ポク・プレイルーム)はSnowman(スノーマン、Altoのアドベンチャー・シリーズ)からスピンアウトした子ども向けエンターテインメント・アプリで、よく考えられたデザインと微細な触覚効果、サウンドエフェクト、相互作用を使用している(TechCrunchの紹介記事)。

画像クレジット:Pok Pok

もう1人の勝者、英国のLittle Orpheus(リトル・オルファウス)はストーリーテリングとサプライズと楽しみを組み合わせたゲームコンソール的体験を提供するカジュアルゲームだ。

画像クレジット: The Chinese Room

Interaction(相互作用)部門の勝者に輝いたのは、直感的なインターフェースと簡単なコントロールを提供するアプリだとAppleはいう。

米国拠点のいやみったらしいお天気アプリ、 CARROT Weather(キャロット・ウェザー)は、ユーモラスな予報、ユニークなビジュアルと楽しませる体験で賞を勝ち取った。Apple Watch(アップル・ウォッチ)の文字盤とウィジェットも提供されている。

画像クレジット:Brian Mueller, Grailr LLC

カナダ発のゲーム、Bird Alone(バード・アローン)は、ジェスチャーと触覚と視差にダイナミックなサウンドエフェクトを巧みに組み合わせ独自の世界に命を吹き込む。

画像クレジット:George Batchelor

Social Impact(社会的影響)部門では、デンマークのBe My Eyes(ビー・マイ・アイズ)が選ばれた。視覚障害者や弱視の人たちに、世界中の有志がカメラを使ってものを識別させる。現在30万人以上のユーザーが450万人以上の有志に支えられている(TechCrunchの紹介記事)。

画像クレジット:S/I Be My Eyes

英国のustwo games(アストゥー・ゲームズ)がAlba(アルバ)でこのカテゴリーの勝利を得た。環境の大切さを教えるゲームで、プレイヤーは野生生物を保護し、橋を修理し、ゴミをかたづけていく。ゲームがダウンロードされるごとに植樹も行っている。

画像クレジット:ustwo games

Visuals and Graphics(ビジュアル・グラフィクス)部門の勝者は「驚くような画像、巧みに描かれたインターフェースと高度なアニメーション」を特徴としている、とAppleは言っている。

ベラルーシ拠点のLoóna(ルーナ)は眠りの世界を提供する。リラックス運動とアトモスフェリック・サウンドにストーリーテリングを組み合わせることでユーザーが眠りにつくのを手伝う。このアプリは2020年末Googleの2020年「ベスト・アプリ」に選ばれた

関連記事:米Google Playが選んだ2020年ベストアプリは睡眠改善のLoóna、コロナ時代を反映

画像クレジット:Loóna Inc

中国のGenshin Impact(ゲンシン・インパクト)は、モーションブラー、シャドウ・クォリティー、フレームレートをプレイ中に再構成できるゲーミングのビジュアル限界を押し広げたことで勝者に選ばれた。

画像クレジット:miHoYo Limited

Innovation(イノベーション)部門の勝者はインドのNaadSadhana(ナードサダナ)、アーティストの演奏と公開を支援するスタジオ品質の音楽アプリだ。AIとCore MLを使用して音程の正確さのフィードバックを返し、マッチした伴奏を生成する。

画像クレジット:Sandeep Ranade

Riot Games(ライオット・ゲームズ)のLeague of Legends:Wild Rift(リーグ・オブ・レジェンド:ワイルドリフト)は、複雑なパソコンゲームの名作を元に、タッチスクリーン・コントロール、初心者のための自動ターゲティング・システムやモバイル独自のカメラセッティングなどを加えた完全モバイル体験を提供して賞を勝ち取った。

画像クレジット:Riot Games

2021年の勝者たちはハードウェアとアワードそのものの入ったプライズ・パッケージを受け取る。

勝者を特集したビデオはApple Developerウェブサイトのここにある。

「2021年のApple Design Awardの優勝者たちは、私たちが優れたアプリ体験に期待するものを再定義しました。彼らの正当に評価された勝利に祝福を贈ります」とAppleのWorldwide Developer Relations担当副社長、Susan Prescott(スーザン・プレスコット)氏が声明で述べた。「デベロッパーたちの仕事はアプリとゲーム・プレイが私たちの日常生活に不可欠な役割を具体化するとともに、新たな6つのアワード部門の模範例となりました」。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleWWDCWWDC2021アプリ

画像クレジット:Apple

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

iOSアプリ内でそれぞれのサブスクの管理や返金が可能に、アップルがStoreKit 2を発表

iOSアプリの中でサブスクリプションを購入し、後でキャンセルしたりアップグレード、ダウングレードあるいは払い戻しをしたいと思ったことのある人なら、そのための変更や申請のやり方がわからなくて苦労したことだろう。中にはアプリをiPhoneから削除するだけでサブスクリプション料金を取られなくなると信じている人もいる。iPhoneの設定アプリやApp Storeを探し回って返金方法を見つけようとする人もいる。Apple(アップル)が今週のWWDC 2021で発表したStoreKit 2は、そんなユーザーの苦労を少し和らげてくれるかもしれない。

StoreKitはAppleのアプリ内購入を管理するためのデベロッパーフレームワークだ。ここ数年複雑さをましている分野だ。なぜなら、多くのアプリが1回の買い切りからサブスクリプション方式に切り替ええ、さまざまなコースや期間や機能の選択肢を提供しているからだ。

画像クレジット:Apple

現在、サブスクリプションを管理または解約したい人は、App StoreかiPhoneの設定から行うことができる。しかし、設定アプリからそこへ至るためにはApple ID(画面トップの自分の名前とプロフィール写真がある部分)をタップする必要があることに気づかない人もいる。設定アプリやApp Storeの使い方に慣れていないために挫折することもあるだろう。

ちなみに「アプリ内サブスクリプション」の返金を要求するにはさまざまな方法がある。たとえばメールの受信箱からAppleの領収書を探し出して、「Report a Problem (問題を報告)」リンクをタップすれば、問題があったときに返金を要求することができる。これは、サブスクリプションを間違えて(あるいは子どもが!)購入してしまったときや、約束されていた機能が目的どおりに働かなかったときなどに有用だ。

Appleは、専用ウェブサイト提供していて、そこではアプリやコンテンツの返金を直接要求することができる(「Apple 返金手続き」などのワードで検索すると、たいてい検索結果のトップにこのページが出てくる)。

しかし、多くのユーザーは技術に長けていない。そんな人たちにとって、サブスクリプションを管理したり返金手続きをする最も簡単な方法は、おそらくそのアプリ内で行うことだ。このため、多くの良心的アプリ開発者は、ユーザーをAppleのサブスクリプション管理や返金のページに誘導するリンクをアプリ内に設けている。

StoreKit 2は、デベロッパーがその種の仕組みをさらに簡単に実装するための新しいツールを導入した。

新しいツールの1つがManage Subscription API(サブスクリプション管理API)で、デベロッパーはユーザーをApp Storeにリダイレクトすることなく、アプリ内で直接サブスクリプション管理ページを表示することができる。またデベロッパーはオプションとして、ユーザーに「Save Offer(割引特典)」画面を表示して、解約を思い止まらせるための割引などを提案したり、サブスクリプションを中止する理由を尋ねる出口アンケートを行うこともできる。

新機能が実装されると、ユーザーはApp Storeでサブスクリプションの解約や変更を行う時とまったく同じ画面をアプリの中で見ることができる。解約後には、解約の詳細とサービスが使えなくなる日付の書かれた確認画面が表示される。

ユーザーが返金を要求したいときは、新しいRefund Request API(返金手続きAPI)を使えば、ここでもApp Storeや他のウェブサイトにリダイレクトされることなく、アプリ内で直接返金手続きを開始できる。ユーザーは表示された画面で、返金して欲しい項目を選択し、返金を求める理由にチェックを入れる。返金手続きはAppleが処理し、返金を承認または却下した通知がデベロッパーのサーバーに送られる。

しかし、中にはこの変更でもまだ十分ではないというデベロッパーもいる。彼らは顧客のサブスクリプション管理や返金の手続きを、プログラムによる方法を使って自分自身で行いたいのだ。ちなみに、現在ユーザーが返金申請の結果を受け取るまでには最大48時間かかるとAppleは言っているので、混乱を招く可能性もある。

「Appleは手続きを多少スムーズにしましたが、デベロッパーは未だに返金や解約を自身で主導することができません」とRevenueCat(レベニューキャット)のCEO Jacob Eiting(ジェイコブ・イーティング)氏は指摘する。この会社はアプリ開発者がアプリ内購入を管理するためのツールを提供している。「これは正しい方向への一歩ですが、誰が返金の責任を持つかに関して、デベロッパーと消費者の間の混乱を大きくする恐れがあります」。

関連記事:スケール展開が難しいサブスク事業の構築に必要なツールを提供するRevenueCat

つまり、アプリの中で申請がやりやすくなったことで、ユーザーは返金手続きをデベロッパーが行っていると信じる可能性がある。実際には今と同じくAppleが行っているのに。

新しいプロセスが対応していないシナリオもあると指摘するデベロッパーもいる。例えばユーザーがアプリをすでにアンインストールしていたり当該デバイスをすでに所有していない場合には、従来と同じく他の方法で返金を申請しなくてはならないことだ。

しかし消費者にとっては、この種のサブスクリプション管理ツールができることは、今以上に多くのデベロッパーが、サブスクリプション管理や返金申請のボタンをアプリ内に置くようになり、体験が向上することを意味している。ユーザーがアプリを使うこともサブスクリプションを管理することも簡単にできるようになれば、デベロッパーは顧客維持や利用度の向上が見込め、App Storeのレビュー評価も高くなる、とAppleは述べている。

StoreKit 2の変更は、サブスクリプションと返金を管理するためのAPIに限定されていない。

デベロッパーは、新たにInvoice Lookup APIも利用できるようになり、ユーザーのアプリ内購入を調べて請求書を確認したり購入に関する問題を特定したりすることができる。例えばApp Storeですでに返金処理が行われているかどうかを知ることができる。

新しいRefunded Purchases API(返金済み購入API)を使うと、デベロッパーが特定ユーザーによる返金をすべて見ることができる。

新しいRenewal Extension API(更新延長API)は、使用不可期間が生じた場合に、デベロッパーが有効な有料サブスクリプションの更新時期を延期することができる。たとえばストリーミングサービスがダウンした場合などのカスタマーサポート問題に対応するためだ。このAPIを使うとデベロッパーは、年間2回まで、それぞれ最長90日間サブスクリプションを延長することができる。

そして、新しいConsumption API(コンテンツ消費API)では、デベロッパーがユーザーのアプリ内購入に関する情報をApp Storeと共有できる。これはApp Storeでの返金承認手続きの際に役立つ情報だ。ほとんどの場合、ユーザーは購入直後からコンテンツを使用し始める。しかしこのAPIを使うことで、App Storeはユーザーがアプリ内購入したものを一部あるいは全部使ったのか、あるいはまったく使っていないのかを知ることができる。

他には、ユーザーがアプリを再インストールしたり別のデバイスでダウンロードしたときに役立つ変更がある。これまでユーザーは、新たにダウンロードしたり再インストールしたアプリに、完了した支払い状態を「購入の復旧」によって手動で同期する必要があった。これからはその情報はStoreKit 2が自動的に取得するので、アプリはユーザーの支払状況を直ちに更新できる。

全体としてはStoreKitフレームワークにとって大きな意味のあるアップデートだが、デベロッパーが自身のサブスクリプション顧客に対するコントロールを拡大することに対するAppleのためらいぶりは、この会社がどれほどアプリ内購入を支配したがっているかをものがたっている。おそらくそれは、過去にデベロッパーによる返金管理を許そうとして痛い目にあったためだろう。

2021年5月、Epic Games(エピック・ゲームズ)対Appleの反トラスト裁判に関連してThe Vergeが報じたところによると、AppleはかつてHulu(フールー)にサブスクリプションAPIを提供したところ、Huluが高額のサブスクリプション・プランにアップグレードしようとしたユーザーに対して、App Storeを通じて自動的にサブスクリプションを解約する方法(訳注:Appleの手数料を回避するため)を知らせていたことを知った。AppleはこうしたAPIの誤使用を防ぐために行動を起こす必要があることを認識し、Huluは後にAPIへのアクセスを失った。それは、当該APIが広く利用可能になる前のできごとだった。

その反面、サブスクリプション管理と返金を、デベロッパーではなく、Appleに任せることは、Appleが詐欺行為防止に関連する責任をもつことを意味している。詐欺行為はユーザー、デベロッパー両方によるものがあり得る。また、ユーザーにはサブスクリプション請求を1カ所、すなわちAppleで管理したい、という要望もある。デベロッパーとの個別のやりとりは、一貫性のない体験になりがちでユーザーにとってありがたくない。

一連の変更が重要なのは、サブスクリプション収入がAppleの裕福なApp Storeビジネスに多大な貢献をしているからだ。WWDC 21の前にAppleは、2020年のApp Storeでのデジタル製品とサービスの売上が前年比40%増の860億ドル(約9兆4080億円)に伸びたことを報告した。2021年1月Appleは、App Storeが2008年に開始して以来、2000億ドル(約21兆8800億円)以上をデベロッパーに支払ったてきたことを発表した。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleWWDCWWDC2021サブスクリプションアプリApp Store

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

「たまり場」で友達と遊べる通話アプリ「パラレル」運営元が12億円のシリーズB調達、開発体制・マーケ・海外展開を強化

友達と遊べる通話アプリ「パラレル」運営元が12億円のシリーズB調達、開発体制・マーケ・海外展開を強化

友達と遊べる通話アプリ「パラレル」(Android版iOS版)を運営するパラレルは6月11日、シリーズBラウンドにおいて、第三者割当増資による総額12億円の資金調達を発表した。引受先は、ジャフコグループ、KDDI Open Innovation Fund、ANRI、W ventures、三菱UFJキャピタル。調達した資金により、パラレルを世界的なコミュニケーションアプリとするため、主に開発体制やマーケティング強化、またグローバル展開強化を行う。

また「パラレル」を日本中ひいては世界中の人と人とのコミュニケーションをさらに楽しませる場とすることに注力していくため、コーポレートブランドを刷新した。また2021年6月11日付で、会社名を「React株式会社」から「パラレル株式会社」に、同時にコーポレートロゴも変更、「パラレル」のサービスデザインもリニューアルした。

友達と遊べる通話アプリ「パラレル」運営元が12億円のシリーズB調達、開発体制・マーケ・海外展開を強化

パラレルは、仲の良い友達とオンライン上に「たまり場」を作り、コンテンツや時間を共有しながら遊べる通話アプリ。友達同士が現実世界で会って遊ぶのと同様、またそれ以上の体験をオンライン上に作ることをミッションとし、場所を問わず、共通のコンテンツを楽しめる次世代コミュニケーションアプリを目指しているという。サービス開始から約1年半で累計登録者数が100万人を突破、月間総通話時間は4億分に上るそうだ。

友達と遊べる通話アプリ「パラレル」運営元が12億円のシリーズB調達、開発体制・マーケ・海外展開を強化

月の利用者・月の通話回数の伸びは、2020年1月~12月での比較数値。また、月の総通話時間・1日の通話時間平均は2021年5月現在の数値

パラレルを立ち上げると、放課後の教室のようなたまり場がオンライン上に現れ、そこに入室することで、友達や家族、恋人など身近な人たちと、様々なオンラインゲームで遊べたり、画面共有しながらエンタメコンテンツを同時視聴・体験できたりする。

現在パラレルは、特にZ世代がオンラインゲームを通じて仲間とコミュニケーションを楽しむ際に使用するアプリとして支持しているという。今後はオンラインゲームで遊ぶ機会にとどまらず、映画やライブ、音楽鑑賞、ショッピングなど、日常的なシーンで、友人や家族、恋人などと一緒に時間を共有しながらコンテンツを楽しめる、たまり場空間を作るとしている。

今後はさらに多くの方がパラレルを使うような新機能の開発、エンタメ企業との戦略的アライアンス連携などにも注力する。また、徐々にシェアが広がりつつある海外への展開も本腰を入れて強化する。

月の利用者・月の通話回数の伸びは、2020年1月~12月での比較数値。また、月の総通話時間・1日の通話時間平均は2021年5月現在の数値

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:音声ソーシャルネットワーク / オーディオソーシャルネットワーク(用語)パラレル(企業・サービス)資金調達(用語)日本(国・地域)

iOS 15でSpotlightが大幅強化、アプリのインストールも可能に

Apple(アップル)はモバイルデバイス向けオペレーティングシステム「iOS 15」のリリースを控え、標準検索エンジンのSpotlight(スポットライト)を大幅に機能強化する。これは「Siriからの提案」の導入以来最大のアップデートになるかもしれない。新バージョンのSpotlightは、いくつか重要な検索場面でGoogle(グーグル)に取って代わる可能性がある。ウェブ画像、俳優、ミュージシャン、TV番組、映画などに関する情報などだ。さらに、ユーザーのフォトライブラリを探したり、連絡先の詳しい情報を知らせたり、アプリやそこに含まれる情報とより直接的に繋がれるようになる。App Storeのアプリを、Spotlightの外に出ることなくインストールすることも可能だ。

また、Spotlightはかつてないほどアクセスしやすくなった。

数年前のiOS 7で、Spotlightはホーム画面の左側の位置を離れ、どの画面を下にスワイプしても利用できるようになり、多くのユーザーが利用するきっかけになった。iOS 15ではiPhoneのロック画面からでも同じ下向きスワイプで利用できるようになる。

Appleは先日のWWDCの基調講演で、Spotlightの改善点をいくつか披露した。たとえば検索機能の新しいカードから俳優、映画、テレビ番組、ミュージシャンの情報を調べることができる。この変更だけでも、ウェブ検索のかなりの部分をGoogleやIMDbなどの専用アプリから奪える可能性がある。

この数年Googleは、Knowledge Graph(ナレッジグラフ)を通じてよくある検索結果をクイックアクセスできるようにしている。ナレッジグラフは、さまざまなソースから情報を集めた知識ベースで、それを使って標準の検索結果の上や横の情報パネルを表示することができる。俳優、ミュージシャン、番組、および映画のパネルも用意されている。

しかし、今iPhoneユーザーは、この情報をホーム画面上で見ることしかできない。

新しいカードには、Wikipediaの経歴や背景情報で見られる以上のものが入っている。対象のアーティストや俳優、映画、番組などのコンテンツを聴いたり見たりするためのリンクも掲載されている。ニュース記事、ソーシャルメディアのリンク、公式ウェブサイト、さらには探している人物や話題がユーザー自身のアプリにあるかどうか指示することもできる(例えば「Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)」を検索すると、SeatGeek(シートギーク)や彼女がゲストだった回のポッドキャストに誘導されることもある)。

画像クレジット:Apple

ウェブ画像検索でも、Spotlightは人物、場所、動物などをウェブで探し、ここでもGoogleが提供している検索分野に侵食している。

OS 15のスクリーンショット

iOS 15では、検索結果がリッチになってカスタマイズ検索もアップグレードされる。

連絡先を検索すると、名前と連絡方法を表示する以上のことを行うカードが出てくる。さらに、相手の現在の状態(これもiOS 15の新機能による)や、Find My(探す)から得た位置情報、メーセージの最近の会話、シェアした写真やカレンダーの予定、メール、メモ、ファイルなども見ることができる。

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画像クレジット:Apple

パーソナル写真検索も改善された。SpotlightはSiriの知識を使って、自分の写真の中から人物、景色、物体などを検索できるようになる。そしてiOS 15の新しいLive Text機能を使って、写真の中にあるテキストを検索して、関連する結果を求めることができる。

関連記事:アップルのiOS 15新機能「Live Text」は写真内の文字を自動認識してテキストデータ化

レシピのスクリーンショットや買い物のレシート、手書きのメモからでもテキストを簡単に取り出せるようになるかもしれない、とAppleはいう。

画像クレジット:Apple

Spotlightのアプリへの統合に関連するいくつか機能については、基調講演で言及はなかった。

Spotlightは、検索結果のマップにアクションボタンを表示して、店舗がユーザーを自社アプリに誘導することもできるようになる。これでは新機能が、サードパーティ製アプリをダウンロードやインストールすることなくすぐに作業できるApp Clips(アプリ・クリップ)を活用している。例えばSpotlightの中でレストランのメニューを開いたり、チケットを買ったり、予約を撮ったり、テイクアウトを注文したり、ウェイティングリストに加わったり、駐車料金を払ったり、価格を調べるなどさまざまなことができるようになる。

この仕組みが働くためには、企業や店舗がApp Clipsに対応する必要がある。

iOS 15のスクリーンショット

もう1つ、目立たないけれども重要な変更が、SpotlightからApp Storeのアプリを直接インストールできる機能だ。

これはアプリのインストール増加につながる可能性がある。検索してダウンロードする手順が省略される他、App Storeの検索をオペレーティングシステム全体でアクセスしやすくなるからだ。

またデベロッパーは、自分のアプリに数行書き加えるだけで、アプリ内のデータをSpotlightで発見可能にすることができるようになる。これはSpotlightがアプリ内コンテンツを検索するツールとして使えることを意味している。これもまた、ユーザーを従来のウェブ検索から転換させるAppleのやり方だ。

しかし、ウェブをクロールしてデータをインデックスしているGoogleの検索エンジンと異なり、Spotlightのアプリ内検索が働くためには、まずデベロッパーが採用する必要がある。

いずれにせよ、AppleがSpotlightをウェブ検索エンジン(Googleを含む)の潜在的ライバルと考えていることは明白だ。

「Spotlightは、あなたの『すべての』検索をスタートする共通の場所です」とAppleのソフトウェアエンジニアリング担当副社長であるCraig Federighi(クレイグ・フェデリギ)氏が基調講演で話した。

もちろんSpotlightは「すべての」検索を扱えるわけではまだないが、どうやらそのゴールに向かって着実に進んでいるようだ。

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タグ:AppleWWDCWWDC2021SpotlightiOS 15Siri

画像クレジット:Apple

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

iOS版Outlookの音声操作がMicrosoft Graphにより強化、口述筆記や音声でスケジュール追加などが可能に

iOS版Outlookの音声操作がMicrosoft Graphにより強化、口述筆記や音声でスケジュール追加などが可能に

Microsoft

マイクロソフトのメール・情報管理アプリOutlookは2019年に音声AIアシスタントCortanaに対応し、音声で着信箱の新着メールチェックができるようになりました。それから遅れること2年、マイクロソフトはiOS版のOutlookに、音声操作で電子メールの読み上げや会議予約機能または検索機能などを追加しました。

音声操作機能をオンにすると、Cortanaに次の会議の時間をたずねたり翌週の予定を記入するよう指示ができます。予定を入れる際は招待する人を指名することも可能。また音声でメールに添付ファイルを指定したり、音声からテキストへの変換機能を使用して新しいメールを作成したりできます。

マイクロソフトはこれまでにもOutlookモバイルアプリにPlay My Emails機能を搭載するなど徐々に音声機能を強化していました。今回のアップデートで、Outlook mobileのほぼすべての部分に音声機能が搭載されたと言えそうです。

なお、この音声操作機能を支えるのはMicrosoft 365や関連するクラウドサービスにおいてそれぞれを一体として連携させるAPI​を提供するMicrosoft Graphというツール。このAPIが音声アシスタントが必要とするコンテキストを提供することで、Cortanaがスケジュールに添付する人名のスペルなどを住所録から引っ張ってくるといった細かい便利さを提供します。

ただ、マイクロソフトは今年3月にiOSおよびAndroid版の、音声AIアシスタント単体でのCortanaの提供は終了しています。今回の動きは、マイクロソフトがCortanaをSiriやAlexaなどのようにあらゆる操作に対応するものとせず、ユーザーの生産性向上に特化したツールとして提供していこうという考えを反映したものと言えそうです。

(Source: MicrosoftEngadget日本版より転載)

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タグ:音声認識 / Voice Recognition(用語)Cortana(製品・サービス)Microsoft / マイクロソフト(企業)Microsoft Outlook(製品・サービス)Microsoft 365(製品・サービス)Microsoft Graph(サービス)日本(国・地域)

グーグルが「Android 12」ベータ版第2弾リリース、シャープなどが対象端末リストに追加

Google(グーグル)は米国時間6月9日、Androidの次期メジャーバージョン「Android 12」のベータ版第2弾をリリースした。2021年5月に開催されたGoogle I/O開発者会議で公開された最初のベータ版では、Googleの新しいデザインシステム「Material You」を垣間見ることができたが、約束された新機能やデザイン微調整の多くは、第1弾ベータにはまだ含まれていなかった。今回の新しいベータ版では、Googleはこれらの機能をテスターに提供する(ベータ版への登録はこちらから)。その中には、携帯電話のマイク、カメラ、位置情報を最近使用したアプリをユーザーが簡単に確認できる、新しいプライバシーダッシュボードも含まれている。

その他の新機能として、アプリがマイクやカメラを使用しているかどうかを表示するマイク・カメラインジケーターや、アプリによるこれらのアクセスを無効にするクイック設定トグルも追加された。アクセスをオフにすると、アプリは空白のオーディオとカメラフィードを受け取ることになる。これに関連してGoogleは、アプリがクリップボードの内容を読み取っているときに読者に表示するクリップボード読み取り通知もAndroidに導入する。

画像クレジット:Google

また、第2弾ベータでは新たにインターネットパネルが追加され、ISPやWi-Fiネットワークなどを簡単に切り替えることができるようになった。

画像クレジット:Google

今回のリリースにより、Googleは8月のプラットフォーム安定化までにあと1回のベータリリースを残すところとなった。開発者にとっては今が、互換性テストを完了し、アプリ、SDK、ライブラリの互換性を確保したバージョンをリリースするのに適した時期であると同社は指摘している。現在の毎月のリリースサイクルを考えると、Android 12の最終リリースは9月になると思われる。

これまでと同様、ベータ版を導入するには互換性のあるデバイスが必要だ。以前のいくつかのプレビューリリースとは異なり、今回のリストには多くのGoogle以外のデバイスが含まれており、例えばシャープも6月9日よりベータプログラムに参加している。対応機器の全リストと、Google以外のデバイスでベータ版を導入する方法は、こちらからご覧いただける。

画像クレジット:Google

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タグ:GoogleAndroidAndroid 12ベータ版シャープOS

画像クレジット:SpVVK / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Aya Nakazato)

アップルのRealityKit 2で開発者はiPhone写真を使ったAR用3Dモデル作成が可能に

Apple(アップル)はWorldwide Developers Conferenceで、RealityKitの大きいアップデートを発表した。デベロッパーがAR(拡張現実)体験の開発を始めるためのテクノロジー群だ。RealityKit 2の公開によって、デベロッパーはAR体験を開発する際にビジュアル、オーディオ、アニメーションをより正確にコントロールできるようになる、とAppleは述べた。しかし最も注目すべきなのは、Appleの新しいObject Capture APIがアップデートされ、iPhoneだけを使って3Dモデルを数分で作成できるようになったことだ。

Appleはデベロッパー向けの講演で、すばらしいARをアプリを作る上で最も難しいのは3Dモデルを作るプロセスだと指摘した。これまでなら数千ドル(数十万円)と何時間もかかっていた作業だ。

新ツールを使うと、デベロッパーはiPhone(またはiPad、デジタル一眼、あるいはドローンでも)だけを使い、被写体を下からを含むあらゆる角度から撮影して2D画像シリーズを作ることができる。

次にmacOS Monterey(モントレー)上でObject Capture APIを使い、わずか数行のコードで3Dモデルを作れる、とAppleは説明している。

画像クレジット:Apple

まず、デベロッパーはReality Kitで新規のフォトグラメトリーセッションを開き、画像をキャプチャーしたフォルダーを指定する。次にプロセスファンクションを呼び出して3Dモデルを要求された精細度で生成する。Object CaptureはAR Quick Lookに最適化したUSDZファイルを生成することができる。デベロッパーがiPhoneとiPadのアプリやウェブサイトにバーチャルあるいは3Dオブジェクトを追加できるシステムだ。3Dモデルは、Xcodeを書いてReality ComposerのARシーンに追加することもできる。

Appleは、Wayfair(ウェイフェア)、Etsy(エッツィー)などのデベロッパーがObject Captureを使って現実世界に存在する物体の3Dモデルを作っていると語った。オンラインショッピングが大規模なARアップグレードを迎えつつある兆候だ。

たとえばWayfairは、Object Captureを使って同社の売り手が商品のバーチャル表現を作るためのツールを開発している。これでWayfairユーザーは今よりも多くの商品をARプレビューできるようになる。

画像クレジット:Apple(Wayfairのツールのスクリーンショット)

Appleは、Maxon(マクソン)、Unity(ユニティー)などのデベロッパーが、Cinema 4DやUnity MARSのような3Dコンテンツ作成アプリの中で、Object Captureを使って3Dコンテンツを作っていることも話した。

RealityKit 2のアップデートには他に、デベロッパーがレンダリングパイプラインを厳密にコントロールしてARオブジェクトのルック・アンド・フィールを微調整するカスタムシェーダー、資源のダイナミックローディング、ARシーンの資源を管理するEntity Component System、RealityKitベースのゲームでARワールドをジャンプしたりスケーリングしたり探検したりできる機能などがある。

Shopify(ショッピファイ)のMikko Haapoja(ミッコ・ハーポヤ)氏というデベロッパーは、新しいテクノロジー(下記参照)をテスト中で、iPhone 12 Maxを使って撮影したリアルワールドのテスト結果をTwitterでシェアした。

自分でテストしてみたいデベロッパーは、Appleのサンプルアプリを、MacにMontereyをインストールして試すことができる。Object Captureに必要な写真を撮るためには、カメラアプリのQloneやApp Storeからダウンロードしたどの画像キャプチャー・アプリケーションでも使うことができる、とAppleはいう。秋にはコンパニオンアプリのQlone MacもObject Capture APIを利用するようになる。

現在、App StoreにはARKitアプリが1万4000以上あり、9000以上のデベロッパーが開発している。全世界で10億台以上AR内蔵のiPhoneとiPadが使用されていることから、Appleは世界最大のARプラットフォームを提供していることになる。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleWWDC2021WWDCARRealityKit写真

画像クレジット:Apple

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

リモートワーク時代のための高速で直感的なドキュメントエディター「Almanac」

ここ数年、Googleドキュメントの後継を支援することほど、シリコンバレーを拠点とする投資家の注目を集めているものは他にない。その確固たる評価を得た生産性スイーツは、さまざまなプロダクトへと分散し再パッケージ化され、マルチビリオンダラーのテックスタートアップを数多く生みだした。

その間ずっと、起業家たちは先人たちが絞った知恵の穴を探し、より早く、よりスリムでわかりやすいものを作り続けてきた。数多くある現世代の生産性スタートアップにとって、GoogleドキュメントとMicrosoft Officeに取って代わる旅は、2020年来のパンデミックによってリモートワークソフトウェア会社に注目が集まったことで、歴史的な刺激を与えられた。

「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、自分たちの働き方を変えなくてはいけないということを全員に知らしめました」とAlmanac(アルマナック)のCEO Adam Nathan(アダム・ネイサン)氏がTechCrunchに話した。「私たちが生産性ツールの中心として使っていたMicrosoft WordとGoogle ドキュメントは、今とまったく異なるタイプの仕事をしていたときのためのものです」。

Almanacは、ドキュメントエディターをNotion(ノーション)などのプロダクトより速く、従来のスイーツよりもはるかに直感的なパッケージへと改良しようとしている、とネイサン氏はいう。2020年、同スタートアップは、Floodgate(フラッドゲート)がリードしたシードラウンドで900万ドル(約9億8000万円)調達し、ベータ版の初期参加ユーザーたちのネットワークを静かに構築している。

画像クレジット:Almanac

このドキュメントエディターは、Dominoの店舗から動物病院までテックスタートアップ以外のさまざまなオフィスに進出を果たした。オープンソースのテンプレートライブラリー「Core」は、1対1ミーティングのやり方からカスタマーサービスチームの給与体系の作り方まで、ユーザーが投稿した手引書が集まるハブとなっている。Coreには5000件のドキュメントがあり、ログインしているユーザーならだれでも利用できる。全米の企業やオフィスが物事を行う確立した方法を求め始めている今、会社にとってかなり大きい顧客チャンネルと言える。

「ドキュメントを扱う人はシリコンバレーの中よりも外のほうがはるかにたくさんいます」とネイサン氏はいう。

ドキュメントエディターであるAlmanacの特徴は、ファイルをその会社で実際に行っている管理方法に合わせて管理できることだ。

目玉機能の1つが、ドキュメントの変更履歴の扱い方で、Googleドキュメントがまったく無能なものであるかのように感じさせる。ユーザーはドキュメントの自分用のコピーを作って編集し、オリジナルに統合した後、変更箇所を承認する、というプロセスを簡単にできる。さらに上司やネットワーク上の別のユーザーの承認を得たりフィードバックを依頼することもできる。

もう少し考慮が必要な仕事には、Almanacを使ってドキュメント自身の中にある別のユーザーのToDoリストにタスクを追加することができる。以前ならAsana(アサナ)のようなプロジェクト管理ツールを必要とした機能だ。指示を出したり出されたりした項目の情報更新は各自の受信箱に入り、ドキュメントの変更にともなって自動的に通知が流れる。Almanacの中にこうした機能があることで、企業ユーザーは不必要なSlack利用を減らし、ドキュメント自身に語らせることが可能になる、とAlmanacは信じている。

会社は新たなワークフローへとすばやく対応している。最近同社は、ハンドブックの作成と更新に特化した機能を公開したほか、よく使われるテキストブロックを保存しておき、新しい文書をすばやく作成する「Snippets」という機能も追加した。

混み合った生産性ソフトウェアの世界で、Almanacの成否はユーザーが同社製品を全面的に信じることにかかっている。それは生産性ツール群が混乱を取り除くと自称するツールであふれかえるポストMicrosoft時代における典型的な苦闘だ。多くの場合それはツール自身の問題ではなく、新しいソフトウェアをどうやって選ぶかという組織の問題だ。Almanacは、共通するワークフローをドキュメントの中に押し込むことで、ユーザーが別のアプリを開きたい衝動を抑え、1つのプラットフォームにフィードバックを集約することの利益を認識することを期待している。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AlmanacテキストエディターGoogleドキュメントリモートワーク

画像クレジット:Almanac

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(文:Lucas Matney、翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップルがShazamKitでAndroidも含む開発者にアプリのオーディオ認識機能を提供

Apple(アップル)は2018年に、音楽認識アプリShazamの4億ドル(約437億8000万円)の買収を完了した。そして今回はShazamのオーディオ認識能力を、ShazamKitという形で開発者の手に渡そうとしている。この新たなフレームワークでAppleのプラットフォームAndroid双方の開発者が、Shazamの大きな楽曲データベースと、さらに開発者が録音したオーディオによる独自のカスタムカタログも利用して、音楽を認識できるアプリを作成することができる。

すでに多くの消費者が、ボタンを押すと今聴いている楽曲を教えてくれるだけでなく、歌詞を確認したり、楽曲をプレイリストに加えたり、音楽のトレンドを調べたりすることもできるモバイルアプリShazamのことをよく知っている。2008年にローンチしたShazamは、Appleが買収したときすでに、App Storeにおける定番アプリの1つだった。

関連記事:Appleが曲名判別アプリのShazamを買収か?

Appleは、Shazamを単なる音楽識別ユーティリティとしてだけではなく、もっと良い使い方に導こうとしている。新たなShazamKitにより、開発者はShazamのオーディオ認識能力を利用して独自のアプリ体験を生み出すことができる。

新しいフレームワークは、3つの部分で構成されている。まずShazamカタログ認識は、開発者が楽曲認識機能を自らのアプリに追加する。カスタムカタログ認識は、任意のオーディオに対するオンデバイスのマッチングを実行する。3つ目は、ライブラリの管理だ。

Shazamのカタログ認識は、Shazamを代表するほど非常にポピュラーな機能だ。その環境でかかっている楽曲を認識して、そのタイトルやアーティストといった楽曲のメタデータを取り出す。ShazamKitのAPIは、楽曲のジャンルやアルバムの図柄など、その他のメタデータも返す。また、オーディオのどの部分がマッチしたのかも教えてくれる。

楽曲を照合する際、Shazamは実際には楽曲そのものを照合するわけではない。その代わりに、シグネチャーと呼ばれる非可逆的な表現を作成し、それと照合する。この方法により、ネットワーク上に送信する必要のあるデータ量が大幅に削減される。また、シグネチャーを使って元の楽曲を復元することはできないため、ユーザーのプライバシーも保護される。

Shazamのカタログは何百万曲もの楽曲で構成されており、クラウドでホストされ、Appleによってメンテナンスされている。新しい曲が利用可能になると、定期的に更新される。

ユーザーが開発者のサードパーティ製アプリを使用してShazamKitによる音楽認識を行う場合、Shazamライブラリに曲を保存したいと思うことがあるかもしれない。これはShazamアプリにインストールされているか、音楽認識コントロールセンターモジュールを長押しすることでアクセスできる。ライブラリはデバイス間でも同期される。

Appleは、認識した曲がこのライブラリに保存されることをアプリがユーザーに認識させるよう提案している。ライブラリへの書き込みに特別な権限は必要ない。

画像クレジット:Apple

一方、ShazamKitのカスタムカタログ認識機能は、Shazamの音楽カタログではなく、開発者の音声を認識することで、アプリ内で同期したアクティビティやその他のセカンドスクリーン体験を作り出すことができる。

これにより、生徒がビデオレッスンに沿って学習する教育アプリで、レッスンの音声の一部が生徒のコンパニオンアプリでのアクティビティの開始を促すことができる。また、お気に入りのテレビ番組を見ながら、モバイルショッピングを楽しむことも可能だ。

ShazamKitは現在、iOS 15.0以上、macOS 12.0以上、Mac Catalyst 15.0以上、tvOS 15.0以上、watchOS 8.0以上でベータ版が提供されている。Androidでは、ShazamKitはAndroidアーカイブ(AAR)ファイルの形で提供され、音楽やカスタムオーディオにも対応している。

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タグ:AppleShazam音楽AndroidSDK

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

複数のアップル製デバイスをシームレスに移動しながら作業できる「ユニバーサルコントロール」機能

米国時間6月7日に開催されたWWDC(世界開発者会議)で、Apple(アップル)が次期macOS 12 Monterey(モントレー)を発表した。今回のmacOSアップデートで最も注目すべき新機能は、OS X Yosemite(ヨセミテ)で初めて導入された「Continuity(コンティニュイティ)」機能をベースにした「Universal Control(ユニバーサルコントロール)」だ。これまでも、iPhoneで開いたニュース記事の続きをMacBookで読んだり、iPadからiMacにリンクをコピー&ペーストしたりすることは可能だった。しかし、Universal Controlはこれらの機能をさらに進化させたものになる。

Universal Controlでは、1つのマウスとキーボードを使って、複数のAppleデバイスを同時に操作することが可能になる。公開されたデモビデオを見ると、iPad、MacBook、iMacの間をシームレスに移動しながら作業できることがわかる。複数のデバイス間を経てファイルをドラッグ&ドロップすることもできるので、例えばFinal Cut Pro(ファイナルカットプロ)で映像を編集する際には、複数のデバイスをマルチスクリーン環境として利用できる。

Universal Controlで可能になることは、必ずしも目新しいわけではない。同様の機能は、これまでもサードパーティ製アプリで実現されていた。さらに2019年には、アップルからも、iPadをMacBookやiMacの2台目のモニターとして使用できる「Sidecar(サイドカー)」という機能が登場している。しかし、Universal ControlはSidecar(もしかしたら廃止になるかもしれない)をさらに改良し、iPad以外のアップル製デバイスも連携させることができるようになった。macOS 12 Montereyは革新的なアップデートではないかもしれないが、既存の機能を向上させる有益なアップグレードだ。

関連記事:もうアップルのSidecarが手放せない

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleWWDC 2021WWDCmacOSmacOS 12 MontereyMac

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アップルが詐欺撲滅を目指してApp Storeガイドラインを改訂

Apple(アップル)は米国時間6月7日、App Store Review Guidelines(アップストア・レビュー・ガイドライン)を改訂した。アプリをApp Storeで公開するために従わなくてはならないルールを定めた膨大な文書だ。今回公開された中で特に注目すべきなのは、AppleがApp Storeにおける不正、詐欺、デベロッパーの不品行などに対して強固な姿勢をとっていることで、悪事を追求する権限を他のデベロッパーに与える新しいプロセスも含まれている。

この点に関する大きな変更は、AppleのDeveloper Code of Conduct(デベロッパー行動規範 / レビュー・ガイドラインの5.6および5.6.1~5.6.4項)に見られる。

この項目は大きく拡張され、操作的あるいは誤解を招く行動の繰り返し、あるいはその他の詐欺的行動はApple Developer Programからの追放につながることが記載されている。これはAppleが違反の繰り返しに対してこれまでも行ってきたことだが、ガイドラインに明文化することを重要視した、と同社は言っている。

本項目に追加された3番目の段落で、Appleは、デベロッパーがデベロッパー行動規範に違反する行動または行為に携わった場合、Appleデベロッパーアカウントが剥奪されると言っている。

さらに、削除されたアカウントを復活させるためには、自分たちが実施した改善点を詳しく説明した書面をAppleに提出し、Appleの承認を得る必要があると具体的に記されている。もしAppleが、改善がなされたことを確認できれば、そのデベロッパーのアカウントを復活させる可能性がある。

Appleは記者会見で、この変更は、Appleに捕まったデベロッパーが、後に変更を元に戻した悪事を続ける、一種のキャッチ・アンド・リリース行為を防ぐことが目的だと説明した。

今回の改訂で、Appleはデベロッパーの個人認証に関する新たな項を追加した。これは、Appleおよびユーザーに提供されているデベロッパーの連絡先情報が正確であり機能していること、およびデベロッパーがApp Store上の正当なデベロッパーになりすましていないことを保証するためだ。これは、あるユーザーの老後の蓄え(Bitcoinで約60万ドル、約6600万円)をだまし取った暗号ウォレットアプリに関わるApp Store詐欺が大きな問題になった案件だ。その詐欺被害者は、問題のアプリがハードウェア暗号デバイスを作っている別の会社と同じ名前とアイコンを使い、5つ星の評価が付けられていた(もちろん不法に)ために騙された。

これに関連して、AppleはApp Storeの発見詐欺に関する文言(5.6.3)を明確化し、App Storeのランキング、検索、レビュー、および紹介に対するあらゆる種類の操作を、より具体的に非難している。これは、現在急増している詐欺アプリをランキングと検索の上位に持ち上げるApp Store偽評価偽レビュー業界を撲滅することが目的だ。

一方、紹介取り締まりは、インストールを促進するためにApp Store外で消費者に誤った価格を示す行為を対象としている。

別の項(5.6.4)では、アプリが公開された後に起きる問題を取り上げている。ネガティブなカスタマー報告や懸念事項、異常に高い返品率などだ。Appleがこの行為を見つけた場合、違反があるかどうかアプリを捜査する、と述べている。

もちろんここでの問題はこうだ。果たしてAppleは潜在的詐欺師を実際に見つけられるのか?ここ数カ月間、Appleのレビューはあまりにも多くの詐欺アプリをすり抜けさせている、と多くのデベロッパーが指摘している。

Appleにとって悩みのタネの1つが、キーボードアプリ「Fleksy」のファウンダーであるKosta Eleftheriou(コスタ・エレフセリウ)氏で、同氏は彼が詐欺師に奪われた売上に関してAppleを訴えているだけでなく、1人詐欺集団のようなものを作り、過去の悪質な詐欺行為を暴露している。この中には上に挙げた暗号詐欺、子ども向けゲームの顔をしたオンラインカジノ、ユーザーから年間500万ドル(約5億5000万円)騙し取る新しいVPNアプリなどさまざまある。

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App Storeに蔓延する詐欺行為はAppleの反トラスト公聴会でも取り上げられ、ジョージア州のJon Ossoff(ジョン・オソフ)上院議員はAppleのKyle Andeer(カイル・アンディア)最高コンプライアンス責任者に、なぜAppleは詐欺師を見つけられないのか「簡単に」特定できるのに、と質問した。

当時Appleはその懸念を軽視し、その後もApp Storeが2020年に15億ドル(約1641億3000万円)の詐欺取引を阻止したことを謳ったこのプレスリリースを出すなどその態度を貫いている。

しかしガイドラインのこの最新改訂は、この件に関してAppleが何らかの助けを必要としていることを認めているように読める。そこには、デベロッパーは他のデベロッパーのアプリに違反の可能性を見つけた時、直接報告できるようになったと書かれている。この種の報告を標準化した新しいフォームを通じて、デベロッパーはガイドライン違反あるいはその他の信用あるいは安全に関する問題を指摘することができる。多くの場合、デベロッパーは自分たちのビジネスと売上に影響を及ぼしているアプリに気づくので、詐欺師に対処する第1ステップとしてこのフォームを使う可能性は高い。

別の変更では、デベロッパーが政治的偏見を含むなんらかの不当な扱いがあったと思ったとき、異議申し立てできるようになる。従来Appleはデベロッパーに対して、App Storeの決定に不服を申し立て、ガイドラインの変更を提案することを認めてきた。

AppleはTechCrunchに対し、現在81言語に対応する500人のアプリレビュアーが、改訂されたガイドラインとポリシーを執行するために毎日取り組んでいると語った。Appleは、日々起きている個別の問題をシステムとアルゴリズムと教育にフィードバックすることで、将来同じ問題が起きないようにすると言っている。中でも新しい行動規範ルールは、App Store詐欺を厳重に取り締まるために必要なツールをもたらすと革新している。

詐欺に関する規則は、この日のApp Store Reviewガイドライン改訂で公開される多くの変更点のごく一部にすぎない。

他に注目すべきものをいくつか挙げておく。

  • Appleは「フックアップ」アプリに関するルールを明確化し、App Storeでポルノおよび売春が許されていないことをデベロッパーが間違いなく理解するようにした。ほとんどの問題は、セックスに関する夜逃げ的アプリであり、おとり商法でユーザーを釣る
  • クリエイターコンテンツアプリは、ユーザー生成コンテンツのルールに従うよう指導されている。すなわち、コンテンツのブロック、報告、および厳重な管理を受けなければならない
  • Appleは、許可を受けた薬局と許可を受けた大麻販売者は、合法かつ地域制限されていれば、購入を支援できる条項を加えた
  • 犯罪行為の報告を行うアプリではデベロッパーは地域警察と協力する必要がある。(Citizenは、ユーザーが誤った人物を捕まえて問題になった最近の事例だ。このレベルの不注意はなくなるかもしれない)
  • おとり商法およびアプリの価格に関する広告は許されていない
  • 携帯通信会社アプリは音楽とビデオサービス以外のサブスクリプションを提供できるようになった
  • Appleは、デベロッパーは誰とでもメールで連絡をとれることを明確にしたが、App Storeを通じて獲得した顧客をターゲットしてApp Store以外で購入する方法に関するメッセージを送ることはできない、と言っている
  • 飲み比べゲームアプリはくさるほどあるので、送ってこないように
  • アカウント作成を提案するアプリは、アカウントの削除も提案しなくてはならない
  • 他にギフトカードのアプリ内購入、アプリメタデータ、バグ修正登録などの明確化が加わったが、主要な変更ではない

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タグ:AppleWWDC 2021WWDCApp Store詐欺

画像クレジット:Apple
画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップルが(ついに)天気アプリをアップデート、ダイナミックな背景や天気図、詳しいデータを提供

「天気」はモバイルデバイスで最もよく使われるアプリの1つでありながら、アップデートや新機能の動きが最も少ないアプリの1つでもある(筆者は英国に住んでいるが、英国などの国では国民が常に天気を気にしているし、実際に1時間のうちに天気が変わる。天候にとらわれているのだ!)。だから米国時間6月7日のWWDCでApple(アップル)がついにネイティブの天気アプリを大幅にアップデートしたことはすばらしい。

おそらく、かなり前に主要なデータプロバイダとしてYahooをやめ、The Weather Channnelを採用して以来の大きな変更だろう。

インターフェイスが完全に刷新され現在見ている場所の天候を反映したアニメーションが表示されているが、最新のアップデートでは風や雨、晴れ、スモッグ(ない方がよいが)がさらにダイナミックに動くようになる。Appleによれば、太陽の位置や雲、降水量をもっと正確に表現できるように、何千もの新たなバリエーションを用意しているという。

これに加え、データポイントを増やして気温や降水量だけでなくもっと幅広い情報を表示するダッシュボードも公開した。風、UV指数、気圧などのグラフィックスがある。さらに全画面で高解像度の天気図に対応し、降水量や雲の変化、空気質、気温が表示される。まるで自分専用のお天気アシスタントのようだ。

このような機能は以前から待たれていたが、驚くようなものでもないし、天気アプリ全般に根強い人気がどの程度あるかという問題だけでもない。

2020年3月に、Appleが天気アプリスタートアップのDark Skyを買収したことが明らかになった。買収によってサービスを停止する前は、Dark SkyはiOSとAndroidで最高の天気アプリの1つだった。

関連記事:Appleが天気アプリDark Skyを買収、Android版は7月で終了

繰り返しになるが、天気アプリは驚くほど軽視される傾向にあり、特に人気が地味であることを考えると、誰かが天気アプリを改善しようする取り組みはおそらくいつも重視されてこなかった。しかしKickstarterのプロジェクトから始まったDark Skyの取り組みは正当に評価された。

買収以降、Appleが天気アプリに雨を降らせるまでにこれほど時間がかかった理由は不明だが、ついに実現してよかった。

もちろん、Appleが今度の週末のキャンプを晴れにする魔法を使うわけではないが、今回発表されたアップデートはデータ好きの人々が今後の天候を予想する楽しみや、うまくいけば長靴を車に積むスペースが必要かどうかを判断するための詳しく正確な情報をもたらしてくれるだろう。

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タグ:AppleWWDC 2021WWDC天気

画像クレジット:Apple
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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Kaori Koyama)

マルチタスクが改善されたiPadOS 15、新Swift Playgroundsでアプリ作成から公開まで可能に

米国時間6月7日、Apple(アップル)はウィジェットを増やしマルチタスク機能を改善した新バージョンのiPadOSを発表した。発表は同社のデベロッパーカンファレンスWWDC 21で、同社副社長のCraig Federighi(クレイグ・フェデリギ)氏が行った。今回発表された機能は歓迎すべきアップデートだが、iPadに切望されていた重要なアップデートにはほど遠い。iPadの新機能は、同じく発表されたiOS 15の数多くの機能やアップデートに、加えて発表されたものだった。

「iPadOS独自の数々の機能で、iPadをどんなニーズでも使えるようにしました」と録画された動画でフェデリギ氏は述べている。

iPadOS 15の全般的なルック&フィールは、iPad用OSの現状を維持したものだ。新OSとしての重要なアップデートは、主にマルチタスク関連のものとなる。またiPadOS 15では、ウィジェットのサポートが大幅にアップデートされている。ウィジェットは大きくなり、より没入感がありダイナミックだ。また、iOSのAppライブラリがやっとiPadでも使えるようになり、ユーザー体験のきめ細かい向上に寄与するだろう。この機能がiPhoneに加わったのは2020年で、これからはiPadでもアプリを整理された状態で見ることができる。

また、iPadOS 15には、新しいマルチタスクシステムが追加される。Split Viewと名づけられたこのシステムは、画面上部のドロップダウンメニューから、いくつかのマルチタスクやマルチウインドウのオプションを呼び出すことができる。このシステムは、隠され、しかもギクシャクした現行iPad OSのマルチスクリーンオプションよりもはるかにスムーズに見える。Split Viewでは、Shelfと呼ばれる機能があり、異なるスクリーンやスクリーンのグループを簡単に切り替えることができる。

「これらの新しいマルチタスク機能により、ユーザーのみなさんの生産性が向上し、iPad上でより多くのことができるようになります」とフェデリギ氏はいう。「本当にすばらしいのは、指一本動かすことなくこれらすべてを実行できる新しいキーボードショートカットを用意していることです」。

Appleは、iPad OSのメモシステムをアップデートし、iPadの大画面をより有効に活用できるようにした。「クイックノート」と呼ばれる新機能では、メモを取るためのウィンドウを他のアプリケーションの上に浮かべられる。これにより、ユーザーはアプリを切り替えることなくメモを取ることができる。この機能はSplit Viewとは別のもので、Appleが徐々に(そして最終的に)デスクトップ体験を受け入れていることの証拠だ。

さらにiPadOS 15では、iPadおよびiPhoneアプリを学び、作成し、App Storeに提出することができる新バージョンのSwift Playgroundsが搭載されている。これは、Appleのアプリ開発の世界において、大きな前進を意味する。今後ユーザーは、Macを使わずにSwiftを学び、アプリを投稿することができる。

これらの機能は、AppleがよりパワフルなiPadを発売し始めてからわずか数週間後に搭載されたものだが、多くの技術評論家たちはAppleに対して、新しいハードウェアの可能性に合わせてiPadのOSをアップデートするよう求めている。iPadOS 15はiPadの進化であって、多くの人が望んでいる革命ではない。

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タグ:AppleWWDC 2021WWDCiPadOSiPadOS 15

画像クレジット:Apple

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(文:Matt Burns、翻訳:Hiroshi Iwatani)