子どもが自作するDIYコンピュータKanoに専用ディスプレイが加わった…6歳児がハードウェアのセットアップを初体験するため

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子どもたちがコンピュータを自作しながらプログラミングを学ぶDIYキットKanoにこのほど、10.1インチのHDディスプレイが加わった。そのディスプレイは上図のように、これまでの、キーボード+Raspberry PiをベースとするDIYコンピュータキットと合わせてワンセット(スクリーンキット)になる。5月に同社はシリーズAで1500万ドルを調達したが、今回のスクリーンキットの開発にはその資金の一部が充てられた。ただし資金調達の本来の目的は、Kanoをクリエイティブコンピューティングのブランドとして確立することだ。

Kanoの最初のキットがそうであったように、このスクリーンキットも、ハードウェアのセットアップというDIY的プロセスを子どもたち自身に経験させるためのアクセサリだ。ハンダ付けのような本格的な工程を含まない、ディスプレイ組み立ててをコンピュータに接続するだけという簡単なプロセスだが、6歳ぐらいの子どものハードウェア操作初体験としては、この程度がふさわしい。

このスクリーンキットはHDMIでコンピュータ本体に接続するが、副読本の絵本にはその過程の説明とともに、付録の拡大鏡(虫眼鏡)を使って部品や画面上のピクセルを調べるやり方が載っている。スクリーンキットは、コンピュータに挿入するドライバボード、LCDディスプレイ、プログラマブルなボタン、ベース、ケーブル、…以上をセットにしたキットとして子どもたちの手に渡る。これらを組み立ててディスプレイとして使えようになるまでを、子どもたちは経験する。

Kano Screen kit

スクリーンキットの予約受付は9月に始まった。価格は129ドルだから、同じサイズのローエンドのAndroidタブレットよりはお買い得だ。しかもKanoでは、コンピュータとディスプレイのほかに、教材としての絵本や、おまけのステッカーなどがつく。

協同ファウンダのAlex Kleinによると、9月に始まった予約販売の売上台数は2600台あまりだった。

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Nvidia Shield Tablet K1はゲーマーの夢のタブレット、しかも大幅値下げ、X1機が出る予兆か?

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根っからのゲーマーが欲しがるタブレットとは、どんなのだろう? iPadの最新機種は強力なタブレットだし、良いゲームもある。でもNvidiaから今度出るShield Tablet K1は、それよりも安くて、しかも高性能・高機能をねらっている。

Nvidiaのタブレットは199ドルだから、399ドルからの最新のiPad miniよりも相当安い。そのほかの199ドルクラスのAndroidタブレットと比べても、Shield Tabletは性能機能的にずっと上だろう。なんといっても、Nvidiaの強力なSoCを使っているのだから。

ただしそのチップは新たにアップデートされず、昨年のTegra K1のと同じだが、それでもなお、その他大勢のAndroidタブレットより速い。ストレージは16GB、mini-HDMIポートとmicroSDスロットあり、重さは390グラムだから、他機よりやや重い。

ディスプレイは8インチ1080p、スピーカーは前面に2つ、別売の専用カバーもあり、これはキックスタンドにもなる。そしてもちろん、Shieldコントローラを買えばゲーム機に変身する。それにまた、‘ゲームのNetflix’とも呼べるストリーミングサービスGridで、いろんなゲームを楽しめる。

前のShield TabletはGPUにやはりK1を使っていたけど機種の名前にK1はなく、LTEあり32GBで399ドル、LTEなし16GBで299ドルだった。しかしそれらは、電池の発火という残念なトラブルで回収された。今ではもちろん、電池問題は解決済みだろう。今回は32GBタイプは、ないのかもしれない。

Shield Tabletは、Nvidiaのモバイルチップセットの‘見せ場’でもある。Nvidiaがモバイルチップのアップデートを発表したのは1月のCESだった。Tegra X1は265コアのMaxwell GPUと8コア64ビットのARM CPU を搭載、H.265またはVP9のコーディングで4K UHDのビデオを60fpsで再生できた。

K1より相当速いのだろうし、すでに同社はNvidia Shield for TVでX1を使っている。

しかし今回機種名にわざわざNvidia Shield Tablet K1とK1の名が入った(前はNvidia Shield Tabletのみ)ことは、当然(?)次はX1機Nvidia Shield Tablet X1が出る、ということなのだろう。それも、近いうちに。

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Raspberry Piの大量注文はPi本体の構成をカスタマイズできる

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Raspberry Piをベースに製品を作るハードウェアスタートアップは今やとても多いが、これからはこの超人気マイコンボードの本体の構成等をニーズに合わせてカスタム発注できることになった。

Piの大量注文に対するこの特注仕様サービス(カスタマイゼーションサービス)は、大手販売代理店のelement14が昨日(米国時間10/27)立ち上げ、Pi応用製品を作るOEMたちの特殊なニーズに応えた設計と製造を提供していく。

特注(カスタマイゼーション)の対象は、ボードのレイアウト、ヘッダの有無、コネクタやインタフェイスの種類・仕様、構成の変更、オンボードメモリ、そのほかの拡張機能(I/O、電源、ワイヤレスチップなど)、となっている。

受注可能な最小ロットは、カスタマイゼーションの内容によってやや異なり、3000から5000のあいだだ。

今年の2月にPi(25ドルと35ドル)のグローバルな売上台数が500万を突破した。今回のカスタマイゼーションサービスによって台数はさらに伸びるだろう…コストにもよるが。element14は仕様を受け取ってから3週間以内に見積と設計概要を顧客に提供する。

同社は曰く、“価格はカスタマイゼーションの内容と受注台数で決まる。標準料金体系のようなものはなく、個々の顧客ごとに、その要求に応じて見積もりを作成する”、そうだ。

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GoogleのOnHubルータに新型機が登場…手かざしで感度が上がる”Wave Control”機能つき

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このところ消費者製品でも積極的なGoogleは、8月にはWi-FiルータOnHubを発表した

それは少々意外だったが、“速くてセキュアで使いやすいWi-Fiを提供したい”という言葉はいかにもGoogle的だった。

今日(米国時間10/27)のGoogleとASUSの発表によると、彼らは今、On-Hubの別のバージョンを開発中だそうだ。それは最初のOnHub(TP-LINK)よりも20ドル高い219ドル99セントの製品だ。

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ASUSが作るとなぜ高くなるのか? ”Wave Control”と呼ばれる新しい機能を搭載しているからだ。それは、下図のようにルータの上で手を振るとWi-Fiのスピードが上がる、という。まるで、おまじないみたいだけど、どういうことだろう。

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さらにGoogleは、OnHubルータのソフトウェアの、初めてのアップデートを発表した。それは、ルータの置き方や置かれている場所によって、もっとも効率の良いアンテナをユーザに教える、という新しい機能の導入だ。

新旧どちらの機種もGoogle Playで買えるが、ASUSのは今は予約販売のみで、発売は11月の初めだ。どちらも、ごみ入れのような形をしていて、ぼくはまだ使ったことがないが、入手できたら結果をご報告しよう。

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Open Compute Projectのスイッチハードウェアの自由で多様な構成を支える共通プラットホームOpen Network Linux

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Big Switch NetworksFacebookとNTTが今日(米国時間10/7)、Open Compute Project(OCP)のスイッチハードウェアのために、Open Network Linuxと呼ばれる統一的なオペレーティングシステムを共同開発することを発表した。

舌を噛みそうな名前だけどこのプロジェクトは、FacebookのようなWebスケールの企業でも、あるいはそのほかの企業でも、とにかくOpen Compute Projectのオープンソーススイッチを利用する企業を助けることが目的であり、技術者たちはこのプラットホームをベースとして、スイッチの転送(forwarding)アルゴリズムを、自分の用途や考え方に合わせて構成していく。

これまで、このOCPプロジェクトはいろんな部位のばらばらな集まりで、エンジニアがそれらを縫い合わせる必要があった。Open Network Linuxはこれらの部位をひとつにまとめ、自由な組み合わせと構成で使えるようにする。また無用に複雑な部分を簡素化する。

このプロジェクトの始まりは18か月前にさかのぼり、そのときはBig Switch Networksがスイッチ用OSの最初の部分をOCPに提供した。Big Switchの協同ファウンダKyle Forsterは、“スイッチOSは複雑怪奇な野獣だ”、と言っている。それには二つの大きな部位があり、それらはプラットホームのコードと、転送エージェント(forwarding agent)だ。OCPのスイッチのハードウェアの設計は、Facebookが提供している。

なるべく簡単に言うと、プラットホームは、Linuxという名前が示すようにベースとなるオペレーティングシステムのコードで、その上でスイッチを作り上げているさまざまな部位を構成する…フロントパネルのLED、環境センサ、ファンのドライバ、などなど。そしてBig SwitchのCTO Rob Sherwoodによると、エンジニアはこのベースコードの上で転送エージェント部位を作っていくが、スイッチがネットワークと対話するときの方式はエージェントが独自に定義する。

そしてそこに、企業による違いや差別化要因ができる。プラットホームのコードが安定すれば、エンジニアはそれが無事に使えることを単純に期待するが、転送エージェントは別だ。“パケット転送エージェントに関しては、誰もが独自の考え方を持っている”、とSherwoodは述べる。

今日の発表によって、これからは誰もが自分好みのエージェント部位を作り、それをスイッチソフトウェア全体のスタックにプラグインできる。三社のパートナー…Big Switch Networks、Facebook、NTT…は今週後半に、この能力をデモする。そのとき見せるのは、転送エージェントの三種類の参考実装だ: FacebookのFacebook Open Switch System(FBOSS)、NTTのL3 Routing、そしてBig Switch NetworksのOpenFlow

これらの参考部位は、エンジニアが自分のエージェントを作り始めるときのたたき台になる。将来的には、オープンソースのプロジェクトとして寄贈されるものもあれば、プロプライエタリにキープされるものもあるだろう、とSherwoodは語る。

Open Compute Projectとは?

Facebookがハードウェアの内製を志向したときにOpen Compute Project(OCP)という第三者機関を作り、そこに設計やソフトウェアをコントリビュートする、という方式を選んだ。その最初のものが、Facebookのトップオブラック(top of rack)スイッチ、別名The Wedgeだ。

OCPには二つのねらいがある。ひとつは、大企業がその公共性を意識して、Webスケールのハードウェアの創造から学んだことを、広く共有すること。もうひとつは、Facebookの外部のエンジニアたちからの貢献を期待することだ。

Big Switch Networksは、OCPのハードウェアに関心があるが、それらをインストールしたり実装するスキルや人材のいない企業を、助ける役目だ。

たしかに特殊で複雑なプロジェクトだが、しかし基本はあくまでもオープンソースのプロジェクトであることだ。オープンソースという基盤の上で企業がソリューションを構築していく。OCPはその過程を助ける。オープンソースのコードが基盤にあれば、エンジニアたちは各自が勝手に車輪を再発明する必要がなく、しかしその上に咲く花の部分では、自由な創造と差別化を追究できる。

このプロジェクトも、まさにそうだ。

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Googleが新しいAndroidタブレットPixel Cを発表…着脱型のキーボードアクセサリを別売

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Googleが今日(米国時間9/29)サンフランシスコで行ったNexusの発表イベントで、なんとNexusタブレットではない新型10.2インチタブレットPixel Cを予告発表した。発表を行ったプロダクト管理担当役員Andrew Bowersによると、このタブレットは、GoogleのPixeel製品系列(すでにChromebookがある)に“遊び”と“生産性”(お仕事)の要素を加えるものだ。

前のPixel機と違って、このタブレットはChrome OSではなくAndroid 6.0(Marshmallow)が載る。最初のPixel機はラップトップだったが、今度はタブレットだ。ただし、その最大の売り物は、着脱式のキーボードアクセサリだ(磁石方式)。タブレットでありながら、完全なQWERTYキーボードを使えるのだ。

Bowersは着脱式キーボードについて、“タブレットは、どうしてもラップトップ的に使って長文を入力したいことがある。メールの返事とかね”、と説明する。“これまでいろんなキーボードアクセサリが登場したけど、本当に使いやすいものは一つもなかった”。

“そこでわれわれは、タブレット用外付けキーボードの理想的な仕様について研究した。それは、タッチ画面とキーボードが互いに補完し合うものでなければならない”。そして彼は、Pixel Cの”C”は’Convertible’(コンバーチブル、可換型)だ、と説明した。

“Pixel Cのタブレットとキーボードは、一つのデバイス上に遊びと仕事の両方がある、新しいユーザ体験を切り拓くだろう”。

閉じたときにはキーボードとタブレットが一体になるが、磁石の配置によって両者は、ずれずにぴったり重なる。文字をタイプしたいときには画面を立てて、キーボードのうしろのフラップに装着する。画面の角度は100-130度の範囲で調節できる。90度(直立)はノー。

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“キックスタンドや留め金のような、邪魔物はない”、とBowersは述べる。それは、キックスタンドのあるMicrosoft Surfaceに対する軽いジャブだ。“膝の上でも、ベッドの上でも、カウチの上でも、どこにいても楽に使える”。

小型化するために、あまり使われない5つの記号キーは省かれている。それは画面上のタッチタイプの仮想キーボードで入力する。

キーボードとタブレットの通信はBluetoothなので、キーボードに電池はあるが、閉じてるときタブレットから電磁誘導で充電されるから、キーボードを単独で充電する必要はない。閉じるのを忘れたときでも、毎日ふつうに使って2か月以上はもつ。

Pixel Cは今年にクリスマス期にGoogle Storeで発売され、タブレット本体が499ドル、キーボードが149ドルだ。両方買うと計648ドル。

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Chromebook Pixelの初代機が発売されたのが2013年の2月 で、自社ブランドのハイエンドラップトップとChrome OSを組み合わせて、そのクラウドベースのオペレーティングシステムへの、世の中の関心を喚起しようとした。そのお値段は高かったが、2年後の今年にはニューバージョンが出て価格もやや下がった。

メタルケースのPixel Cはルックス的には高級機ではないが、Bowersは“手に持ったときの感触が頑丈でしっかりしている”、と形容する。カバーがキーボードアクセサリになっているMicrosoft Surfaceにルックスはやや似ている(キーボードだけで言うなら、Surfaceの方がゴージャスだ)。

ディスプレイは308ppiで2560×1800だ。AppleがRetinaディスプレイで謳ったpixel-free(人間の肉眼で個々の画素が見えない)をねらっているみたい。最大輝度は、500ニト。プロセッサはクワッドコアのNVIDIA X1と、“デスクトップクラスの”Maxwell GPU、RAMは3GBだ。“モバイルデバイスとしては相当強大なグラフィクス能力だ。どんなゲームでも、十分満足できるだろう”、とBowersは言う。

ステレオスピーカーが画面の両端にあるので、映画も十分に楽しめる。マイクロフォンは4基あって、Androidへの音声による命令は“部屋の向こう端からでもできる”。充電端子はUSB Type C、電池寿命は計測されてないが、Bowersによると、タブレットとしては最高だそうだ。今後、発売までに、さらに詳しいデータを発表していく、という。

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今月末にはChromecastのニューバージョンもローンチ、という噂

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Appleの前よりも強力なApple TV、そしてAmazonの4K対応Fire TV(とFire TVゲームエディション)、この二巨頭のあとを追うようにGoogleは、同社のストリーミングメディアスティックChromecastのニューバージョンを用意している。リーク文書を手に入れた9to5Googleによると、Chromecastの次世代機には、“高速再生”、Wi-Fiの改良、背景画像のフィード、そしてSpotifyのサポートなどなど、さまざまな新機能がある。

そのスクープ記事によると、ニューバージョンは形も変わるらしい(下図のように風船形…この記事が正しければ!)。そしてWi-Fiは802.11acをサポートする。最初のChromecastは802.11b/g/nだけだった。

高速再生(”Fast Play”)機能は、アプリの”Cast”ボタンを押したときテレビへの接続が前よりも速くなる。ユーザから、一、二瞬の遅れに対する不満が多く寄せられたのだろう。

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Chromecastのホーム画面にユーザのコンテンツをフィードできるようになる。これまではGoogleが勝手に送ってくる画像(や天気予報)だけだった。9to5Googleの記事は、“スクリーンセーバー”モードのとき、ユーザのソーシャルメディアなどからのフィードを表示するのだろう、と推測している。

また、今度からHDMIだけでなくAUXコードもつくから、テレビではなく別のスピーカーで良い音を楽しめる。

実現の可能性はどうだろう? このリークが正しければ、じきに分かる。そのリーク文書によると、発表はGoogleの9月29日のイベントで行われるそうだ。その日は、新しいNexusデバイスもローンチする、という噂だ。

出典および画像: 9to5Google

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GoogleのOnHubルータを数日使ってみた…もう前のルータに戻る気しない

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日常誰も空気のことは考えないように、インターネットを使っていてもルータのことは考えないのが理想だ。それはどこかに座っていて、あなたが見たいYouTubeビデオをあなたのラップトップに持ってきてくれるだけだ。

でも実際には、インターネット接続の調子が悪くなったらルータをリセットする人が多いだろうし、ルータの設定を変えなければならなくなったら、すごく面倒と思うだろう。今では至るところにある装置なのに、今だにそのユーザインタフェイスは劣悪だ。そこでまた、Googleさんの登場となる。Googleがこのほど発売した200ドルのOnHubルータは、今日のルータの欠点をすべて直した、と言われる。そして確かに、それはほぼ当たっている。

このルータを数日試してみたが、もうVerizonが提供してくれたActiontecルータに戻る気はしない。OnHubのWiFi対応の広さとユーザ体験の簡便さは、これまで使ったどのルータよりも明らかに優れている。

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何がOnHubをそうしているのか? GoogleはTP-Linkとパートナーして、現代的なルータはこうあるべきだ、というものの参照モデルを作り、それをかわいい円筒形のケースに収めた。だからまず形状からして、これまでの無愛想なNetgearのボックスとは違うぞ、と主張している。その中では小さなコンピュータが、ルータの仕事をすると同時に、通常のルータよりも多いアンテナをはじめ、その全能力によって、どんな通信チャネルの上でもベストのデータフローを確実に実現する。

ベストのWiFi接続はOnHubが見つけるから、自分でWiFiを指定する標準のルータよりもずっと良い接続が得られる可能性もある。あたりにアクティブなWiFiがとても多い地域なら、とくにそう言えるだろう。

家庭内のWiFiネットワークがほしいだけの人に対しても、OnHubはいろんなおまけをくれる。

 

ぼくのMacbook Airは現在、約25のネットワークを拾うが、その数が増えるに伴ってネットワークのトラブルも増えた。とくに夜は、誰もが自分のラップトップやタブレットでネットに接続しているから、たとえばNetflixのビデオを見ていると、ひんぱんにバッファリングをするし、完全にホールトすることもある。

でもOnHubに換えてからは、ネットワークのスループットは上がり、ビデオは始動がはやくなっただけでなく、バッファリングという問題はまったくなくなった。もちろんユーザの住んでる場所などで違いは大きいと思うが、すくなくともぼくの場合は、自宅のWiFi接続が驚異的に性能アップした。

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しかしOnHubは、ハードウェアだけの製品ではない。ルータのセットアップと管理は、AndroidまたはiOSにインストールしたアプリから行う。スマートフォンとルータはなんとオーディオで接続し、ネットワークの名前とパスワードを指定すれば、それだけでセットアップは終わりだ。

OnHubにはあの失敗作Nexus Qを思い出させるようなLEDのリングがあって、その色でルータのステータスを知らせる。ブリンクはしない。

モバイルのアプリを使ってWiFiのパスワードをほかの人と共有したり、特定のデバイスにネットワークアクセスの優先権を与えたり(たとえば今遊び中のXboxとか)、どれぐらい帯域を使ってるか調べたり、またルータの基本機能をすべて管理したりできる。

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標準のルータに比べるとオプションは単純化されているが、簡単であることもOnHubのねらいのひとつだ。それでもWANやDNSの設定にはアクセスできるし、ポート転送(port forwarding)やUniversal Plug-and-Playのセッティングもできる。ルータだから当然だが。

家庭のWiFiネットワークの管理は誰もがやりたがらないが、でもOnHubはそれを、できるかぎり簡単にしている。柔軟性はすこし犠牲になっているが、それはほとんどの人にとって無縁な部分だ。しかし家庭内のWiFiネットワークがほしいだけの人に対しても、OnHubはいろんなおまけをくれる。

家のWiFiに問題がある人は、ぜひOnHubを試してみるべきだ。

ただし構成オプションは、かなり端折(はしょ)られている。Ethernetポートは一つしかない。ほとんど完全に、WiFi専用機だ。デスクトップがリビング以外の部屋に一台だけなら、あまり問題ないが、WiFi非対応機が複数あるなら、OnHubはあきらめよう*。Googleは今、ほかのパートナーと、これと同じようなルータを開発しているから、その機なら、複数のポートがあるだろう。〔*: WiFi対応Ethernet分配器(switch)は使えないのか?〕

OnHubは、弁解の余地なく未来を向いている。その点では、初期のChromebookなどと同じだ。たとえば、接続はWiFiのみ。物理ラインはない。しかもWiFiルータ以外の機能もいろいろあるから、それは家庭に送り込まれたトロイの木馬でもある。

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たとえばOnHubは近く、GoogleのIoTプロトコルWeaveをサポートする。IoT対応になればもはや、単なる優れたルータではない。それは家庭において、Googleのスマートホームシステムの、中心的なハブになる。そのためにはルータが、家中の機器と通信しなければならない。ルータのネットワークリーチを長くするだけでなく、リビングにふさわしいインテリアデザインも必要だ。ネットワークケーブルのリーチは別の問題だが、それは今ここでの話題ではない*。〔*: ルータを家の中心に置く、というイメージか。〕

未来の”Google On”の姿は、実際に見るまで分からないし、本当に”Google On”と呼ばれるのかも不明だ。現時点での現実的な問いは、この200ドルのルータは買う価値があるのか?だ。今OnHubは、まさにルータだから(まだスマートホームのハブではない)。

電波が混んでいたり、ルータのリーチが短かすぎて、家のWiFiに問題がある人は、ぜひOnHubを試してみるべきだ。何も問題がなくて接続が安定している人には、いますぐOnHubを買うべき理由はない…次の製品を、楽しみに待とう。ぼくの場合は、もう、昔のルータには戻れないけど。

〔訳注: Reddit上のOnHub批判: (1)(2)。〕

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ベース用プリアンプPerfect Stormは旧ソヴィエト空軍機の真空管を搭載してKickstarterに登場

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このKickstarterプロジェクト には、記事を書きたくない理由がたくさんある。まず、これはベース用のプリアンプだ。ベース奏者とアンプのあいだに置かれる小さな箱だ。ごく一部のミュージシャンしか関心を持たない。初期割引価格で1495ドルと高い。しかも、どう見ても、まともな増幅装置には見えない。

でもこの“Perfect Storm” は実は重要なオーディオ機器であり、今日(こんにち)見るものの中でも、もっともクールなハードウェアのひとつだ。特注音楽機器メーカーBlackie Paganoの製品で、このちっちゃなアンプには真空管6C45piが2本載っている。それは、冷戦時代にロシアが、ジェット戦闘機に搭載するために作った真空管だ。この真空管は感度が非常に良く、しかも高電圧にも無難に対応する。Paganoの説明から引用しよう:

外見は小さくて可愛らしいが、この狂気のようなデバイスは、温度華氏-45〜160度の環境で最大15Gまでの連続的な振動に耐える。核放射能にさらされても正常動作する。オーディオ信号への感度はきわめて高い(“トランスコンダクタンスが高い”と言う)。またサイズが小さいにもかかわらず、大型の電力増幅管(6L6, EL34, 6550など)で使用するような、とてつもない大電流でも動作する。

これらの驚異的な仕様と音波特性により、この6C45pi管はオーディオ界隈に大きな関心を喚起した。安くて極度に長寿命、そして入手しやすいため、さまざまな高級オーディオ製品に使われており、今や評価のきわめて高いFirefly DAC(デジアナ変換器)など有名製品にも使われている。

〔増幅率がきわめて大きく、また出力波形の入力波形に対する忠実度が非常に高い(いわゆるハイファイ)。〕

Paganoは17000ドルを募っているが、目下8000ドルぐらいだ。初期支援者には1495ドルで提供され、記念Tシャツ、それにハイエンドモデルもある。どれもこの、感動的な真空管が使われている。

これまで、真空管プリアンプは、最良のものでもこんなに高くはなかった。Ponoなどのメーカーは、ミュージシャンのためにミュージシャンが作る、という意味で独特だった。真空管にもプリアンプにも興味のない方でも、クラウドファンディングの威力を知る良い機会ではあるだろう。ここなら、奇妙な製品でも、こうやって世に出すことができるのだ。それでは、ちょっと失礼して、ぼくの真空管アンプを久々に鳴らしてみよう。

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Bluetooth LEでプログラミングできるArduino互換ボードLightBlue Bean+、すでにKickstarterで大人気

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Arduinoのパワーに魅力を感じているけど、使いこなせるほど勉強してないし、創造力もWiFi接続も涸渇、というぼくみたいな人は、けっこう多いだろう。しかしLightBlue Bean+のおかげで、障害のひとつが取り除かれた。

Bean+はつまり、Bluetooth LEでプログラミングできるArduinoボードだ。Particleのボードみたいに、この小さなかわいいキットでユーザは自分のハードウェアプロジェクトを立ち上げることができ、そこにいろんな機能を加えることもできる。そして電源さえどこかにあれば、ボードにリモートでコマンドを送れる。だから、アプリケーションのアップロードや、システムのアップデートも比較的簡単だ。

このシステムはiOSやAndroidのビーコンとしても使えるし、またさまざまなセンサにアクセスさせてIoTデバイスを作ることもできる。プロトタイピングのためのボードだから意外なほど頑丈で、いろんな仕掛けがある。たぶん、どんな奇想天外なアイデアを抱えているハードウェアハッカーでも、不満を感じないだろう。

Kickstarterに出ており、発売は12月を予定している。目標は3万ドルだが、すでに11万ドルを超えている(日本時間8/22 18:45現在)。ハードウェアハッカーがぜひ手元に持っていたい素材だ、と思うね。

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有名大手ほぼ全滅のテレビ受像機でディスラプトをやってのけたVizioがついにIPOへ

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チープなテレビ受像機やそのほかの電子製品を作ってきたVizio Inc.が金曜日(米国時間7/24)、クラスA普通株の初公募(initial public offering, IPO)により最大1億7250万ドルを調達したいむね、合衆国政府当局へ趣意書を提出した。

このオファーの引受人としては、BofA Merrill LynchとDeutsche Bank SecuritiesとCitigroupが挙げられている。株式の発行数と、どの市場へ上場するのかについては、現段階では公表されていない。

2002年に創業したVizioは、スマートテレビやホームオーディオなどの安価な消費者電子製品を売って、徐々に名前を知られてきた。今回の趣意書で同社は、6500万台の消費者電子製品を売ったことと、30億時間相当のエンタテイメントコンテンツをそれらのデバイスへストリームしてきたことを誇っている。

そのいわゆるS-1文書でVizioは、財務状況と業界における立ち位置を次のように説明している:

弊社の製品は全米8000店の小売店で売られている。弊社は合衆国において、サウンドバーの台数シェアでは1位、2014年のスマートHDTVでは2位である。2013年、2014年、2015年の6月30日までの、それぞれの純売上額は30億ドル、31億ドル、そして13億ドルであり、純収益はそれぞれ2570万ドル、4500万ドル、そして3140万ドルである。実質的には、売上のすべてがテレビジョンとサウンドバーからのものである。

カリフォルニア州Irvineに本社を置く同社は、クラスA普通株を”VZIO”というティッカーで上場するという。

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電子回路を内蔵した完成品を一体成型的に3DプリントできるVoxel8が$12Mを調達…電子製品の製造技術の革命

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複数の素材から成る、立体構造の電子回路を一度のプリントで作る3DプリンタVoxel8が、ARCH Venture PartnersとBraemar Energy VenturesがリードするシリーズAのラウンドで1200万ドルを調達した。これにAutodeskとSpark Investment FundとIn-Q-Telが参加した。資金はこのプリンタを、企業の備品だけでなく、一人々々のエンジニアやデザイナーのデスク上に普及させるための拡販努力に使われる。

同社の協同ファウンダでハーバード大学の教授でもあるJennifer Lewisは、このプリンタに結実した3Dプリント技術をこれまでの10年間研究し、特許も取得している。Voxel8は、導電性インクと可撓性シリコンと高強度のエポキシを使って、完動品の電子部品ないし製品を一度にプリントする。

もう一人の協同ファウンダDan Oliverの説明によると、今の3DプリンタはFDM(fused deposition modeling, 熱溶解積層法)方式でプリントするものが、圧倒的に多い。それは一種類のプラスチックを熱で溶融して押出成形する方式だ。

そしてARCH Venture PartnersのマネージングディレクターClint Bybeeの説明では、“これまで3Dプリントというと、最終製品の一つ々々の部品を個別にプリントするものが多かったと思うが、Voxel8は、その中に電子回路のある機能部品(もしくは小さな最終製品)の全体を一度にプリントする。このような能力のある3Dプリンタが市場に出るのは、実はこれが初めてなのだ”。

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このVoxel8プリンタは、クワッドコプタードローンや補聴器など、さまざまな電子製品の制作に使われてきた。最初からPCBを内蔵するから、これで作った3Dのアンテナは、従来の2Dの製品よりも省スペースで性能も良い。

“このプリンタを使って、次世代の電子製品をいろいろ作れる。それが楽しみだ”、とOliverは言う。“だからデザインやエンジニアリングに関わっている人たちに、個人レベルでこのプリンタが浸透して、さまざまなイノベーションを生み出してほしい”。

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お値段は8999ドルで、最初の20回ぐらいのプリントに必要な素材もついてくる。Autodeskの高度なデザインツールも、同梱で提供される。

今同社には、航空宇宙産業や自動車、国防、医療機器、アパレルなどの大企業のR&D部門から予約注文が舞い込んでいる。発売開始は、今年の終わりごろだ。

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GetScaleは中国などの工場に工程監視+工員指導システムをインストールして不良品の発生を完全に防ぐ

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GetScaleのカメラは、一見すると工場内のふつうの監視カメラのようだが、実は、技術者と組立ラインの労働者を直接コミュニケーションさせてお互いの仕事をやりやすくし、さらに製造工程の全体を記録に残すことが、同社のサービスなのだ。

たとえば開発チームが合衆国にいて、ハードウェアの製造工場が海の向こうにあっても、GetScaleを使えば製品の質が維持され、問題が起きて不当にも工場の労働者が責められる、ということがなくなる。

2014年1月にGetScaleを作ったJonathan FriedmanとColton Piersonは、電子回路部品を作るサービスCircuitHub(ここもYC出身、3年前にFriedmanらが創業)にいたのだが、そこで頻繁に見たOEMたちと工場とのあいだの問題を、解決したいと思った。GetScaleは社員が今9名で、オフィスはカリフォルニアのRedwood Cityと深圳と上海にある。約20社の顧客の中には、iCrackedNeurolabware、それにNapwellなどがいる。同社が過去半年にモニタしたユニット(一つの工程の仕上がり品)の数は、のべ25万だ。

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FriemanはGetScaleを立ち上げる前に、中国の工場の寮に住みこんで彼らの労働条件の理解に努めた。

そこで彼が知ったのは、ラインの労働者に対する法的保護がほとんど何もないことだ。工程で問題が起きると、その損失は、責任が工員にない場合でも彼らの賃金カットや減給という形で埋め合わせられる。たとえばFriedmanが訪ねたある工員寮では、社員たちが法外な水道料金を払わせられていた。

しかし製造業は競争が激しいので、ほとんど不可能のような納期や価格を提示して受注しているところも、少なくない。サプライチェーン上のサードパーティのプロバイダたちにも、問題がある。しかもそれは、契約企業や会計事務所、複数のメーカー、セールスエンジニア、プロセスエンジニア、ゼネラルマネージャ等々と、やたら数が多い。

GetScaleのモニタリングシステムがあると、ハードウェアのエンジニアたちは、あいだに人を介さず直接、工員たちに詳しい指示を与えることができる。コミュニケーションが改善され、工程がスピードアップされる。

“中国の工場で不良品ができる原因は、二つしかない。モラルが低くて不正やごまかしをやること…こちらはそんなに多くない。もうひとつは、発注者が何を求めているのかを、よく理解していないことだ”、とFriedmanは語る。

彼の定義では、GetScaleは監査役だ。OEMたちは、撮影モニタ+指導用ディスプレイ一台あたり最少で月額110ドルを払い、GetScaleはそれを協力工場と分有する。工程や試験工程で問題が生じたときの、罰金のようなものはない。

“工場が完全に期待どおりのことをやってくれれば、報奨金のような仕組みがあってもよいし、またその工場の評判が広まる仕組みもあるべきだ”、とFriedmanは言う。“でも今の彼らのやり方では、そんな余裕がないね”。

GetScaleの顧客はそのWebアプリケーションを使って、工程を監視し指導するための戦略を作る。それを中国語に翻訳し(もうすぐスペイン語も)、GetScaleはモニタリングステーションを工場にインストールする。工員のすぐそばに置かれたディスプレイに詳細な指示が表示され(上図)、カメラは工程(と最後の検品過程)を撮影して記録する。一つ一つのコンポーネントのバーコードや、完成したユニットのシリアルナンバーも記録される。

すべての情報はGetScaleのサーバ上に恒久的にアーカイブされ、問題が生じたとき、やみくもに現場の工員のせいにされることは、なくなる。また検品が撮影記録され、発注者に完動品が渡っている証拠にもなるから、ありえない不良品で製造企業が訴訟されることもない。

FriedmanとPiersonはハードウェアスタートアップに投資しているインキュベータやVCたちとパートナーして、この監視指導システムのユーザを増やしたい、と考えている。また、彼ら工場のサプライチェーン上に、同社の良い噂が広まることも、期待している。

システムではなく、単なる工程監視機器なら、KeysightやAgilentなどが作っているが、それらはいずれも一台25万ドル以上もして、高い。

GetScaleの、カメラ+ディスプレイ、ワンセット月額110ドルは、ハードウェアメーカーにとっても、手を出しやすい価格だ。

“つい先日も、あるアメリカの製造企業が、数社の得意先大企業が製造工程のオーディットトレイルを要求している、と言ってきた。彼ら得意先は、本来ならきみたちが工場を毎月訪れて視察してほしい、と言っているのだ”、とPiersonは語る。

“そこでその企業は、GetScaleが記録したすべての製品と工程の監視データを見せた。それがあれば、はるばる中国の工場に出張する必要もなく、また、一つ々々のすべての製品の工程を詳細にチェックできる。CEOは、きみたちのおかげで中国に出張せずにすんだよ、と感謝の言葉を述べた”。

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OpenStackの即動フルインストールをハードウェアに結晶させたアプライアンスをMirantisが発売

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OpenStackの成長と商用利用の普及を推進する強力な旗振り企業の一つMirantisが今日(米国時間7/8)、企業にOpenStackをさらに容易に採用してもらうための、新しいハードウェアシステムの企画を発表した。

その’Mirantis Unlocked Appliances‘と呼ばれるハードウェアシステムは、規格準拠の証明を同社が行い、製造はパートナー各社が行う。このハードウェアは企業にとっての、いわばドロップインのクラウドソリューションで、彼らの既存のデータセンターに簡単にプラグインして、OpenStackをすぐに動かせる、というものだ。なにしろOpenStackはこれまで、誰一人として、インストールが簡単すぎてあっけない、とは言わなかった、悪名高きシステムなのだ。

今決まっている製造パートナーは、システムインテグレーターのRedaptだ。このアプライアンスの構成は、最小が6台のコンピュータノードと12テラバイトのストレージ、最大が24台のコンピュータノードと24テラバイトのストレージである。Dell R630を2段のラックに収めったこのアプライアンスは、1500あまりの仮想マシンをサポートする。価格は6ノードの最小構成が25万ドル、16ノードでは約40万ドルだ。パートナーはもっと増やしたい、とMirantisは言っている。

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“今でもインフラストラクチャの約20%は、アプライアンス形式で使われている。セットアップも運用も、その方がきわめて容易だからだ”、とMirantisの社長で協同ファウンダのAlex Freedlandが今日の発表声明で述べている。“Mirantis Unlocked Appliancesはアプライアンスのこのような使いやすさに、OpenStackのオープン性と柔軟性を結びつけて、箱を開けたらすぐに使えるクラウド(cloud-in-a-box)をご提供する。弊社の最初のアプライアンスは、OpenStackのもっとも多いユースケース…クラウドネイティブのアプリケーションの開発…に焦点を当て、OpenStackエコシステムの公認パートナーがお作りしてお届けする”。

 

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電子工作を積み木工作ふうにしたLittleBitsが$44.2Mを調達…企業ユーザも視野に

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[筆者: Connie Loizos]
【抄訳】
“電子部品積み木”(上図)LittleBitsは、部品をお互いにパチンパチンとはめてつないでいくだけで、子どもでも、そして大人の設計者同士でも、ロボットや、その他さまざまなプロダクトを作れる。同社はこのほど、DFJ GrowthがリードするシリーズBのラウンドで4420万ドルを調達し、DFJの専務取締役Barry Schulerを取締役会に迎えた。

このラウンドにはMorgan StanleyやAlternative Investment Partners、Grishin Robotics、Wamda Capitalなども参加し、これまでの投資家Foundry Group、True Ventures、VegasTechFund、Two Sigma Ventures、Khosla Venturesらも加わった。

社員90名の同社にとって今回の投資は、VCたちの同社に対する大きな確信を表している。小さな電子部品モジュールをいろんなサイズのキットにまとめて売ってきた同社は、これまでの4回のラウンドでわずか1560万ドルを獲得しただけだった。

ファウンダでCEOのAyah Bdeirによると、今回の資金は同社の今後の複数の成長プランに投じられる。ひとつは、SalesforceやSAPやTwilioなどの企業がすでに始めている、社内のクリエティビティワークショップにおける新製品開発の試行用に、LittleBitsの使いやすいコンポーネントをさらに積極的に提供して行くことだ。

今企業が研究開発用に買っているコンポーネント集は、LittleBitsの“pro library”と呼ばれる売価5000ドルのキットで、その中には304のモジュールが収められている。しかしLittleBitsは今後このやり方を改めて、会員制により、毎月いろんなコンポーネントを提供していくようにしたい。

“LittleBitsの企業顧客はまだ始まったばかりだけど、でも多方面から関心が寄せられている”、と彼女は語る。

今学校関係は70か国で8000名あまりの教師らがLittleBitsのキットを使っているが、この方面も今後もっと伸ばせる。ちなみに昨年の同社の売上の10%が学校だったが、今年は30%に達しそうだ。また、親が子どものために買ってやる100ドルから150ドル程度のキット(シンセサイザーを作れる!)も、今後まだ拡販の可能性があるので、同社は最近、Amazonに次いで Barnes & Nobleともパートナーした。

【後略】

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スマートフォンの分解と修理で稼いできたiCrackedが消費者電子製品の全ライフサイクルサポート業へ大飛躍

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携帯電話やスマートフォンの修理屋だと思われている〔そして主にApple製品の分解ページ/記事シリーズの〕iCrackedには、実は大きな野心があった。

同社が目指しているのは消費者電子製品の販売企業だが、これまでの単に売るだけの小売業と違って、消費者の手元におけるその製品の全生涯のお世話をする。それを目指す第一歩として、スマートフォンの下取り過程の自動化から始める。そのために必要なキャリアとの新たな契約からデータの転送まで、一部始終を消費者に代わってiCrackedがやるつもりだ。

iCrackedのファウンダAJ Forsytheはこう言う、“その日が来たらボタンを押せばiTech(iCrackedのエンジニア)が画面に出る。そして彼があなたに新しいスマホを送り、古いのを下取りし、損傷説明を開示する”。

Forsytheによると、iCrackedはスマートフォンの大手流通企業とパートナーするつもりだが、その相手はVerizonのようなワイヤレスのキャリアでも、Best Buyのような大型店でもない。いずれにしてもサービスのローンチは来年のQ1を予定している。

今日同社は、iCracked Advantageを立ち上げてその目標に一歩近づいたようだ。それは一種の保険サービスで、来年スマホが壊れる人が(統計的には)4000万人いるから、その人たちに(希望者に)提供するサービスだ。

毎月7ドルの保険料で、地元のiTechによる同日(壊れた当日)の修理サービスを受けられる。ただし修理は実費の25ドル、これで、割れた画面、水漬けでだめになったデバイス、電池の欠陥、不具合なホームボタン、などを直してもらえる。最大5台までのファミリープランは月額25ドル、10台なら45ドルだ。

Forsytheによると、スマートフォンのオーナーの約30%が保険に入っている。それらは、AppleCareやSquareTrade、キャリア提供の保険などだ。世界のスマートフォン人口は今年20億を超えると言われているから、その70%が無保険ということは、膨大な市場機会だ。

Forsytheはビジネスコンセプトを次のように語る: “目標は消費者電子製品のライフサイクルの最初から最後までを完結することだ。壊れたら修理し、ニューモデルが出たら古いのを下取りして新しい機種を届ける。会員制だから、ユーザ自身は自分のデバイスのことをあれこれ心配する必要はない”。

ForsytheはCal Poly(カリフォルニア州立ポリテクニック大学)の学生だった2011年に、iPhoneの壊れたスクリーンを直してあげていたことが、自然にサイドビジネスとしてのiCrackedになっていった。

“iCrackedという名前はジョークだった〔cracked==壊れている〕。ぼくは必ず自分のスマホを一度壊してみるから、友だちにはジョークで、またiCrackedアプリをダウンロードしちゃったよ、なんて言っていた”。

4年後の今、iCrackedは世界の13か国で利用でき、2500名以上のiTechたちがこれまでに数十万のデバイスを修理した。そしてForsytheは今、iCrackedを単なるスマホの修理屋を超えたものにしたい、と考えているのだ。

“消費者電子製品の消費者自身が、アップグレードや修理や下取りなどのことを気にすべきではない。うちのライフサイクル完結サービスはスマートフォンとタブレットから始めるが、もちろん家の中やオフィスのいろんなインターネットデバイスにも手を広げていく”。

それはもう、カレッジの寮で生まれた修理屋企業とは思えない、ビッグな夢だ。

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MicrosoftのSurface Hubは画面サイズが7フィート(84インチ)、お値段2万ドルの壁かけコンピュータ

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Microsoftが同社製のデバイスSurface Hubの予約販売を7月1日から世界の24の市場で開始する。発売は9月の予定だ。大きい方、84インチのは19999ドル、小さい55インチの(下図)は6999ドルとお安い

Surface Hubは大型のタッチスクリーンで、Microsoftが買収したPerceptive Pixel(PPI)の技術で作られている。その主要な話題は、Windows 10であること、小さな軍隊がそこで完全に溺れてしまいそうなタッチスクリーン、そして今日確定した発売日だ。コンピュータを内蔵しているから、電源を入れればすぐに使える。会議室の備品を想定していて、ビデオ通話(Skyepe?)とノート取り(というかホワイトボード)とコラボレーションと、そしてもちろん、そのほかのアプリケーションの集合体だ。

Microsoft's image, don't judge.

これはMicrosoft提供の画像。これで判断してはいけない。これは小型バージョンの方。

Microsoftはそのうち、Surface HubはWindowsなので、あれやこれやのアドバンテージがある、と言い出すと思うが、要するにWindowsは画面が大きい方が良い。そしてSurface Hubの画面は、ものすごーくでかい。だからWindows 8でもかまわなかったと思うが、Surface HubというセクシーなハードウェアにはWin 8よりも優れているWin 10がお似合いだろう。

Surface Hubを作るためにMicrosoftは、オレゴン州に工場を建てた。以前は、PPIのディスプレイの量産を示唆したこともある。そしてやはり、それは真実だったが、単なるディスプレイにはならなかった。

残念なことに、Surface Hubを以前のように’ばかでかいタッチスクリーン”は呼べないが、ニックネームはあった方がよいので、ぼくは’壁かけコンピュータ(wall-computer)’と呼ぶことに決めた。’どでかい壁かけコンピュータ(massive-wall-computer)’も考えたが、ちょっと長すぎる。

Surface Hubが出たことによって、社内の序列が変わるだろう。かつてPPIのディスプレイは、社内に一人だけとても重要な社員がいることのサインだ、と見なされた。Surface Hubsは、どの社員でもなくそれ自身が重要と見なされそうだ。

Microsoftは、Surface Hubの需要に即応できるだろうか? 大型バージョンを50000台売れば、売上は10億になる。ハードウェアの製造ラインが同社のKPIに貢献するとしたら、それはどのあたりの売上台数だろうか?

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唯一のハードウェアアクセラレータを自称するHaxlr8rがHaxに改名、卒業生たちの販売流通体制のための新事業を開始

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これまでHaxlr8rは、アイデアやプロトタイプ段階のハードウェアスタートアップがプロダクトの実際の製造に漕ぎ着けるまでの過程を支援してきたが、でも、製品が実際に完成してから、そのあとはどうするのだ? やっと物を作れるようになった企業は、今度は製品の販売や流通のための方法が必要だ。

そこでHaxlr8rは、社名をもっと分かりやすい覚えやすい”Hax”に改め、すでに製品が完成しているハードウェアスタートアップの、マーケティングと流通という厄介な問題の解決を支援する、新しい事業を立ち上げた。それはHax Boostと名づけた新しいアクセラレータで、9月に事業を開始し、ハードウェアスタートアップによる流通チャネルや小売パートナーの発見と開拓を支援する。

Hax Boostの6週間の特訓プログラムでハードウェアスタートアップは、流通チャネルの開拓や、サプライ・チェーンとロジスティクスの最適化、営業部門の作り方育て方、小売パートナーや流通企業とのコネの作り方、などを勉強する。多くのアクセラレータと同様に、その間、企業としての通常の操業時間もあり、またメンターたちから指導を受ける時間もある。今回のそれは、流通戦略とその改善について教えてくれる先生たちだ。

6週間はアクセラレータの事業期間としては短いが、ほとんどの企業が、その期間が終わったあとも指導やアドバイスを受けることになる。Hax Boostは全過程を終了した企業の持ち分の2%を取る。9月から始まる最初の‘学期’の受け付けは、7月11日が締め切りだ。

Hax Boostはサンフランシスコで‘開校’するが、従来どおりのハードウェアアクセラレータはHax Acceleratorと名を改めて継続する。こちらは、7月学期の申し込み受付が5月23日までだ。

また、〜Boostを‘卒業’したハードウェアスタートアップには、最大で20万ドルの開業資金が提供される。ただし資金の提供は、次の学期からだそうだ。

以上の発表が行われた翌日である今日(米国時間5/11)は、同社のデモデーが行われる。そこにどんなプロダクトが登場するか、詳しくはまた別の記事でご報告しよう。

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CHIPは売価9ドルの何でもできる超小型コンピュータ

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クレジットカードぐらいの大きさのコンピュータが必要な人には、これで決まりだ。定価9ドルのシングルボードコンピュータCHIPは、Linuxを搭載し、コンピュータにできることは何でもできる。…Quakeをプレイすることも。

このボードにはWi-FiとBluetoothがあり、オプションで、VGAやHDMIで大型モニタにも接続できる。プロセッサのスピードは1GHz、RAM 512Mb、ストレージ4Gbだ。Debianの軽量バージョンをインストールできるし、タッチスクリーンとキーボードを備えたPocketCHIPというものも使える。こちらは初期のGame Boyぐらいの大きさだ。

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なぜこんなものを? そう、まず、なんと言ってもかわいい。コンピュータ本体は9ドル、VGAやHDMIが必要ならアダプタで10〜15ドル増しだ。これだけでも、すごい。Raspberry Piと同じく、まさに、メディアはメッセージだ。これだけ小さくて安いコンピュータがあるなら、誰もがコンピュータの新しい使い方を考えだすことができる。そのために最初から、いくつかのオプションハードウェアが提供されている。背中におんぶした子どもにゲームをプレイさせられるし、超小型コンピュータとしていろんな拡張が考えられる。

CHIPはKickstarterで目標額の5万ドルをとっくに突破し、今や30万ドルに迫る勢いだ(日本時間5/9 09:00)。発売は1年後で、ハードウェアアクセラレータのHaxlr8rが支えているから、製造能力もしっかりある。Raspberry Pi 2でこんなものを作ってもよいけど、CHIPならウェアラブルやそのほかの応用マイクロデバイスの実験を、すぐに開始できる。数年後に大ブームになると言われるIoTの敷居をぐーんと下げ、その裾野を大きく広げたと言えるだろう。いずれにしても、この、誰でも欲しくなりそうなおちびさんを使って、これからホビイストたちがどんなことをするか、そっちの方も楽しみだ。

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[ビデオ]TechCrunch DisruptのHardware Alley(ハードウェア横町)をぶらついてみた

TechCrunch Disruptではいつも、世界中から最高にクールなハードウェアスタートアップが一箇所に集まる。それがHardware Alley(ハードウェア横町)だ。ソフトウェアもネットワーキングもおもしろいけど、ぼくにとってDisruptのいちばんおもしろい部分が、この、‘金物屋さんの大集合’だ。ぼくが撮ったビデオで、その雰囲気はお分かりいただけるだろう。今回ぼくがとくに気に入ったのは、 The ParashootSupplyhog、それに子どもの玩具Kittyoだ。ほかのもすべて、すばらしかったけど。

このビデオの後半を、近くアップする予定だ。ご期待ください。

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