GoogleのClassroomがデザインを一新、先生のための便利機能も

Googleが、教師と児童生徒のための学習管理システムClassroomを立ち上げたのは、もう何年も前だ。9月の新学年を控えた今日(米国時間8/7)Googleは、Classroomのデザインを一新し、ルックスをリフレッシュするとともに、教師のための新しい機能をいくつか導入した。

たとえば、新しくなった成績ツールは、Google DocsのファイルだけでなくOfficeやPDF、ビデオなどさまざまなファイルタイプを扱える。また、児童生徒は同じ間違いを繰り返すことが多いので、先生は“コメントバンク(銀行)”というものを作っておいて、よく使うフィードバックをすぐに送れるようにできる。Googleによると、これによって、(機械的な対応に時間と手間を取られないので)、児童生徒へのよく考えた対応ができるようになる。

先生のための新しいトレーニング教材サイトができたので、Classroomを使うための教材の発見選択にあまり時間を取られなくなる。

また、新たにできた“Classwork”というページでは、先生が宿題を、グループ、モジュール、ユニットといった単位でまとめることができる。これにより前のクラスでやったことを、新しい担当クラスで容易に再利用や部分的変更ができる。また通知などの音に邪魔されたくないクラスでは、それらをoffにできる。

Googleによると、今度からClassroomは、小テストを作るGoogle Form使えるようになり、児童生徒を小テストに集中させるためのロックドモードも使える。またデバイスを管理するためのChrome OSのアドミン機能の一部も、利用できる。

誰にとっても良いニュースとしては: Docsのマージンとインデントの扱いが改良され、MLA準拠の文書を作りやすくなった。MLAか…、アメリカの学校の先生は、たいへんだね。インデントの改良は、秋から発効する。

画像クレジット: TechCrunch

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「未来の仕事」に備えて――終身雇用の終わりと教育、法制度のあり方

【編集部注】本稿はJim HimesとAlastair Fitzpayneによる共著。Himesは下院議員(コネチカット第4区選出)で、New Democrat Coalitionの議長。Fitzpayneはアスペン研究所Future of Work Initiativeのエグゼクティブ・ディレクター。

今年アメリカの大学を卒業する200万人もの若者の多くは、彼らの両親や祖父母が理解できないようなキャリアを進むことになるだろう。安定した職業やひとつの企業でキャリアをまっとうするような時代はもう終わったのだ。

ハーバード大学エクステンションスクールの学長を務めるHunt Lambertによれば、最近大学を卒業した人たちは、社会人生活の中で3つの異なるキャリアを渡り歩き、約30もの仕事に就く可能性があるのだという。さらに多くは個人事業主、もしくはフリーランスとして仕事に携わることになるため、健康保険や退職金、トレーニングといった重要な福利厚生を期待できない。

すでにテクノロジーや人工知能が仕事の中身だけでなく、業界全体を変えつつあると感じている労働者もいる。eコマースは小売業を変容させ、ビッグデータと自動化は製造業を変えつつあるだけでなく、近い将来、自動運転車がモビリティを変え、ドローンが小売業にさらなる変革をもたらす可能性さえある。最近発行されたレポートの中でMcKinsey Global Instituteは、2030年までにおよそ60%の職業で少なくとも業務の3分の1が自動化されると予測している。機械が徐々に「人間の」仕事をこなせるようになれば、労働者は以前とは違う仕事を担当するか、新たな仕事を求めて別の業界に移らなければならなくなる。

これこそが法制度を見直さなければならない理由だ。仕事の性質が変わり続けるなか、もはや私たちは労働者の保護・育成のために時代遅れのシステムや教育機関に頼ってはいられないのだ。そしてすべてのアメリカ国民が変化し続ける経済環境のなか成功をおさめるために、私たちは今考え、行動を起こさなければならない。最近New Democrat Coalition(NDC)は、未来の仕事というテーマに特化したEconomic Opportunity Agendaを発表した。この中でNDCは、労働者のスキルと求人のギャップを埋め、雇用者と被雇用者の関係を再考し、そして労働者と起業家を支援するというビジョンを謳っている。

仕事とキャリアが変化を続ける一方で、アメリカは未だに20世紀の世界のために19世紀に作られた教育・トレーニングシステムに頼り切っている。私たちの親の世代であれば、高等もしくは中等教育を修了していれば、安定した職と収入を期待できた。しかし今日の世界では、4年制の大学を卒業しても充実したキャリアを手に入れるために必要なスキルを身に付けることができないのだ。

テクノロジーやアメリカ経済の急速な変化に対応するためには、政府、雇用者、そして被雇用者が一丸となって、キャリアの進展に応じて労働者が新しいスキルを身に付けられるような、スキル習得に特化した柔軟な生涯学習システムを作っていかなければならない。さらに従来の教育システムとオンライン教育プログラムを一新し、より多くの人が教育にアクセスできるような政策が施行されなければならない。そうすれば、労働者はキャリアを確保できるだけでなく、テクニカルな教育を受けられ、自身のスキルを育めるようになり、同じ職業でよりレベルの高い仕事についたり、転職したりできるだろう。

しかしアップデートしなければならないのは、教育やトレーニングのシステムだけではない。雇用者、被雇用者、政府からなる20世紀の社会契約は、強固な中産階級を作り上げ、アメリカ経済が世界一になる基礎を築いた。しかし雇用者・被雇用者の関係をめぐる法制度は次第に過去の遺物となりつつある。

例えば失業保険は労働者を守るための社会保険システムの柱として1935年に生まれた。しかしこれはフルタイムの労働者のために設計された制度であるため、1950年代は約50%だった受給率は、2010年以降、30%未満に落ち込んでいる。つまり、従来の「被雇用者」という枠におさまらない、およそ1500万人もの労働者には、雇用者・被雇用者という関係が前提の20世紀に生まれた法制度が当てはまらないのだ。

だからといって、失業保険のような重要な社会保障制度の対象を少数の「ラッキーな」人たちだけに絞る道理はない。このような便益は、たとえキャリアが変わったとしても継続できなければいけないはずだ。

仕事の変化によって、労働力やテクノロジーに関する課題が生まれ、停滞を続ける賃金や起業件数がさらにそれを深刻化させている。経済を成長させるためには、バランスのとれた法制度を整備し、労働者の交渉力を高めつつ、雇用者が彼らのスキルを伸ばし、優秀な労働者を保持できるようにしなければならないのだ。

現状の法制度を「21世紀版」にアップデートするような革新的な政策、そして現状打破に前向きな雇用者――このふたつが揃えば、アメリカの労働者は変化の早い経済で成功するためのツールを手に入れられるだろう。

Image Credits: nonchai

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(翻訳:Atsushi Yukutake

Google Classroomの小テスト機能がChromebookのロック機能(よそ見禁止)を借用

今週はシカゴでInternational Society for Technology in Education〔仮訳: 国際教育技術協会〕のカンファレンスが行われていて、テクノロジーの大物たちの製品も紹介されている。Googleはそこで、Classroomの重要なアップデートを発表した。この、ブラウザー上で利用する教育ソフトは、同社によると、今では世界中で“3000万以上の”児童生徒が使っている。

今回のアップデートの中でいちばん目立つのは、小テストのコントロールだ。このGoogle Forms Quizと呼ばれる機能に、“ロックモード”が加わった。このモードを指定すると児童生徒は、答を出すまではWebをサーフィンしたり、アプリを開いたりできない。テストをしているとき、よそ見ができないようにするためだ。

実はChromebookには教室だけで使う管理機能つきの機種(managed Chromebooks)があり、Classroomのロックモードはそれからの初めての借り物だ。だからこれからは、Chromebookだけでなく、Webを見れるどんな機種の上でもロックを利用できる。このロックモードのようなことを、教室の管理者(担任教師など)が自力で設定しようとするとたいへんな作業になるが、これからはClassroomの標準機能として簡単に利用できる。

教師と児童生徒が勉強〜授業のために共有するベース・ページとして、Classworkページというものがある。このページの上で、児童生徒が質問したり、先生が宿題を出したりする。これまではその上で、いろんな話題が日付順に並んでいるだけだったが、これからは話題別や教科別にまとめることができる。また、新たにできたPeopleページでは、教師が仲間の教師や新たな児童生徒、小使さんなどをそこに加えられる。これらのほかに、Streams機能やシステム設定のページも、新しい機能が加わった。

このカンファレンスでMicrosoftは、BBCや、Minecraft: Education EditionのAquatic DLCなどのパートナーの、新しいレッスンプランを発表した

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Mrs. Wordsmithが200万ポンドを調達――絵で単語を覚える新サービス

何かが間違っているような気がする。ニュースフィードは、不愉快で不安になるブレグジットやトランプに関する報道や、広告収益に関する方針に不機嫌な顔をしている若者の写真で溢れかえっている。私たちは大事なことを忘れてしまったようだ。それは、文字の力だ。「新語法(Newspeak)」に関する記述の中で、ジョージ・オーウェルは言葉を操る者こそが世界を操ると綴っている。

「新語法の目的は思考の範囲を狭めることだと気づいていないのか? 最終的には思考犯罪を行うのに必要な言葉さえ存在しないような世の中になろうとしているんだよ。必要な概念は全て意味が限定された一語で表現され、その言葉に付随する他の意味は全て消され、忘れ去られてしまうんだ……このプロセスは僕や君が死んだ後もずっと続くだろう。毎年言葉の数は減っていき、思考の範囲も狭まっていってしまう。だからといって、現時点では思考犯罪を犯す理由や言い訳があるということではない。全ては自制心や現実管理の問題だ。でも、最終的にはその必要さえなくなってしまう……遅くとも2050年までには今僕たちがしているような会話をできる人は1人もいなくなってしまうということをWinston、君は分かっているのかい?」

――ジョージ・オーウェル『1984年』

上記のような世界が現実にならないことを祈っている。今ならそれを防ぐことができるはずだ。神経科学の分野では、人間が新しい情報を習得する際、見慣れない、もしくは面白い情報と一緒に学習することで、記憶の定着度が上がると言われている。であれば、そのような形で学習を支援するプラットフォームをつくることで、子どもが喜んで言葉を学習するようになり、『1984年』が描くディストピア世界の到来を防ぐことができるのではないだろうか。

1年前に設立されたエドテック企業のMrs. Wordsmithは、まさにそんなプラットフォームをつくろうとしている。高品質なビジュアルコンテンツの制作を行っている同社は、この度シードラウンドで200万ポンドを調達した。ロンドンを拠点とするKindred Capitalがリードインベスターを努めた今回のラウンドには、アメリカでエドテック企業への投資を行うReach CapitalやSaatciNvest、Raopart Asse Managementらが参加した。Mrs. Wordsmithの狙いは、月額制のプログラムで言語教育をディスラプトすることだ。

現状、同社のサービスは全て紙ベースで提供されている。サービス内で紹介される語彙は、教育機関が読み書きの能力の向上に繋がると判断した、比較的使用頻度が少なく難しい単語1万語に含まれているものだ。

エドテック企業が集うThe Europasにて資金調達のニュースを伝えた、Mrs. WordsmithファウンダーのSofia Fenichellは、「私たちが対象としているような語彙のビジュアル化を試みた出版社はこれまで存在しませんでした。Mrs. Wordsmithはどの単語を教えるかだけでなく、単語と紐づいたイラストや間隔反復の技術を利用し、新しい教育方法を考えだしたのです」と語った。

自分の子どもの書く力を育てるために、2016年にCEOのFenichellが設立したMrs. Wordsmithは、子どもが単語を学習し、覚え、使うまでの過程を変えようとしている。さらに、最終的にはその効果が言語能力や成績の向上という形で表れると同社は考えている。

語彙力が学業的な成功につながるというのは、全くその通りだ。しかし、読み書きの力を増幅させる1万語もの語彙の学習を、Mrs. Wordsmithのように効率的に支援する方法はこれまでほぼなかった。

同社はサブスクリプション制の語彙習得プログラムを開発し、視覚的で覚えやすい方法で子どもの学習を支援しようとしている。見慣れない情報と組み合わさることで記憶の定着率が上がるという神経科学の考え方に基いて、各単語は映画『マダガスカル』や『モンスター・ホテル』の制作にも携わり、数々の賞に輝いたCraig Kellman(Mrs. Wordsmithではアートディレクターを務める)のチームによってイラスト化された。

同社は今回調達した資金を使い、ユーザーに人気の紙ベースのプロダクトをさらに進化させると共に、テクノロジー部隊を構築して、消費者と学校の両方をターゲットに海外展開を進めていく予定だ。

Kindred CapitalのLeila Zegnaは「世界中の子どもたちの学習を支援するためにMrs. Wordsmithが考案したユニークなアプローチや、彼らの野心的なビジョンにはとてもワクワクしています。最初のプロダクトは大成功をおさめ、ユーザー数と売上が大きく伸びました。しかも、ユーザーベース拡大の大部分は口コミの力によるもので、Mrs. Wordsmithが短期間のうちに築いたブランドの強さを証明しています。紙ベース版・デジタル版の両方にまだまだ大きな可能性があると私たちは考えています」と話す。

さらに、Reach CapitalのWayee Chuは「Mrs. Wordsmithは視覚的な学習方法と高品質なコンテンツを求める市場の声に応えようとしています。私たちはこれまで、彼らほどの学習用ビジュアルコンテンツをつくっている企業を見たことがありません。さらに教育者・消費者の両方を対象に、彼らはサービス開始早々から素晴らしいトラクションを残してきました。ユーモアと取り組みやすさ、そして学習効率を兼ね備えた彼らのプロダクトは、アメリカでもきっと受け入れられることでしょう。今年中を予定している、Mrs. Wordsmithのアメリカでのローンチに携われるのを楽しみにしています」と語った。

今回のラウンドを受けて、Kindred CapitalのLeila Zegnaと、ゲーム会社PlayifhとSuperCellの株主でもあるエンジェル投資家のBasma AlirezaがMrs. Wordsmithの取締役会に参画したほか、ケンブリッジ大学の自然言語情報処理研究所を率いるTed Briscoe教授が顧問に就任した。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

もちろんMicrosoftがChromebookの自己バージョンをそろそろ出さないわけがない

Windows Centralが入手した内部文書が、Windows 10 Cloudのハードウェアの性能を特記している(下図)。噂されていたこの、派生製品的なオペレーティングシステムは、予想では来月ニューヨークで行われる大きな教育関連イベントで披露される。たぶん、そのときのプレゼンでも、このOSをGoogleのChromebookと対比するだろう。

Microsoftのこの種の製品への進出は当然の動きで、同社は、Googleのクラウド製品に完全に支配されているK-12の教育分野に足場を築くべく、苦戦しているからだ。

2000年代にネットブックの短期的なブームがあったときは、長年望まれていた教師と児童生徒の一対一の関係を築くとして、Microsoftにも追い風が吹いたと思われたが、しかしすぐに、タブレットに主役を奪われた。しかしながらさらに最近では、Chromebookがこの種の話題を完全に支配し、学校や校区の購買の決定権を握るIT担当者たちは、コントロールが容易で値段の安いハードウェア〔Chromebook〕に飛びついた。

Microsoftの最近の教育関連の動きには、Surfaceがからんでいる。高値を厭わない私立校などでは依然としてiPadが強いようだが、今度のイベントでMicrosoftは、Surface PhoneやSurface Proを新たに発表して、Surfaceラインの多様化を目指すという噂もある。しかし本誌が情報筋から得た話は、やや違う。

むしろMicrosoftが匂わせているのは、教育用の低価格製品への回帰だ。1月に同社は、Intune for Education日本語〕を立ち上げた。これは、学校をねらった189ドルのWindows 10機をクラウドから管理できる、というサービスだ。5月2日に行われるイベントではほぼ確実に、ハードウェアの性能と管理体系の両方について、Chromebookとのガチンコ対決が行われるだろう。

最近のMicrosoftは教育方面で運に恵まれていないが、でもWord, Excelなどの人気はまだ衰えていないから、同社の再参入を望む声も教育界にはあるはずだ。Googleはクラウド上のプロダクト集合G Suiteで大きく躍進しているが、プロフェッショナルたちのあいだではOfficeのイメージがまだ強い。Windowsというほとんど遍在的なエコシステムがそこに加わるとなれば、この市場の将来も簡単には予言できない。

ただしもちろん、Microsoftが教育の世界に食い込むためには、単純にChromebookのWindowsバージョンを出すこと以上の、もっと大きくて多様な努力が必要だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

LEGOドローンのFlybrixがクラウドファンディングを行わなかった理由―、ハードウェアスタートアップのジレンマ

Flybrixは、子どもがLEGOブロックを使って組み立てられるドローンを2015年に発表した。その当時、共同ファウンダーであるAmir Hirsch、Robb Walters、Holly Kasunの3人は、クラウドファンディングを通じた資金調達の賛否について議論していた。KickstarterやIndiegogo上で資金を調達した、PebbleOculusScanaduといったスタートアップのような露出を求めていた彼らだが、同時にクラウドファンディングを行うハードウェアスタートアップに対して、疑いの目を向ける消費者が増えているというのがネックだったのだ。

Kickstarterの依頼を受けてペンシルベニア大学が行った研究では、Kickstarter上で資金調達を行ったプロジェクトのうち、9%が支援者に対する”リワード”を提供できなかったとされている。Kickstarterはこの独自調査の結果を2015年3月に発表したものの、Indiegogoをはじめとするその他のクラウドファンディング・プラットフォームに関しては、そのような数字が明らかにされていない。少なくとも、各社は利用規約の中に、プロジェクトが資金調達に成功しても、支援者がその見返りを受け取れない可能性があることを明記している。

Flybrix共同ファウンダーの1人のKasunは、クラウドファンディングの世界では、成果物を提供できなかったハードウェアキャンペーンほど、怒りに満ちた反応を生み出すものはないと語っている。ユーザーは芸術的なプロジェクトには寛容なようだが、CoolestのクーラーボックスKreyosのスマートウォッチが、時間通りに(またはそもそもプロダクト自体が)届かなかったときには怒り狂っていた。ドローンも決して例外ではない。

FlybrixがLEGOドローンキットの製造を開始する準備ができるまでに、Torquing GroupのZano Nanoドローンや、AirDroidのPocket Droneといったプロジェクトが失敗に終わっていった。1万2000人に及ぶ支援者が集まったZanoプロジェクトに関しては、一体何が起きたのかを解明するため、Kickstarterは調査ジャーナリストまで雇っていた。

当時Lily Roboticsも、カメラ付き自動追尾型ドローンを予定通りに出荷できずにいた。するとその後すぐに、サンフランシスコ地方検事局が同社を虚偽広告の疑いで起訴したのだ。投資家からも1500万ドルを調達していたにも関わらず、結局Lilyは今年シャットダウンすることとなった。

このような前例もあってか、Flybrixはクラウドファンディング・キャンペーンを完遂するためには、プロトタイプの段階をこえて、サプライヤーがきちんと発注分の製造をこなせるかサプライチェーンを試さなければいけないと判断した。「絶対的な数字ではありませんが、1000ユニット製造すれば、統計的に見て十分なサンプルが得られるので、小さなロットで発生しそうな問題を発見・解決することができます」とKasunは話す。

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クラウドファンディングなしで初期のコストをまかなうため、Flybrixは約100万ドルをシードラウンドで調達した。その一方で共同ファンダーの3人は、クラウドファンディング・キャンペーンに対する反応をもって、消費者の需要の一部だけでも見せることができれば、もっと簡単にシードファンドを調達できていただろうと語っている。

そうは言っても、クラウドファンディングを行わずに、限られた数の消費者の手元に最初のドローンを届けるというのは、最善の判断だったと同社は感じている。2016年9月にFlybrixは一般向けにもドローンの販売を開始し、自社サイトから直接製品を販売している。結果的に同社は、KickstarterやIndiegogoに頼らず、求めていた露出を得ることができた。

公式ローンチから90日の間に、Flybrixは190万ドル分のドローンを販売できたのだ。そして今日までに8000ユニットを出荷している同社は、ディストリビューターの助けを借りずに、現在学校や行政機関から大型の発注を受けている。さらに墜落に強い同社のドローンは、テック系の製品を中心に扱うPao Altoのb8taという店舗でも販売されている。

「私たちの最初の製品は、Appleのコンピューターほど洗練されてはいません。しかし私たちは長い間、ドローンという小さな空飛ぶロボットを使って、Appleのように教育市場に入りこもうと考えてきました。最終的には、もっと大きな一般消費者市場にも進出していければと考えています」とFlybrixのCOOは話す。

今後Flybrixは、新たに資金を調達し、新しいキットの開発やモバイルアプリの機能拡充、同社のドローンを組み込んだカリキュラムの考案に取り組もうとしている。将来的にクラウドファンディングを行うかどうかについては、まだ決まっていない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

子ども向けのプログラマブルなロボット工作キットを多種類提供しているMakeblockがシリーズBで$30Mを調達

子どもたちが単純なおもちゃで単純に遊んでいた時代があったよね。もちろん今でもそれはできるけど、親たちはますます、テクノロジーをぎっしり詰め込んだ玩具を買い与え、将来はソフトウェアのデベロッパーやロボットのエンジニアとして楽な生活ができることを願う。先月ニューヨークでInternational Toy Fairを開催したToy Industry Association(玩具産業協会)にいたっては、ロボット教育が2017年の玩具市場の主要なトレンドだ、とまで言い出す始末だ。

そして、深圳のMakeblockはこのほど、シリーズBで3000万ドルを獲得して、そんな親たちにプログラマブルなロボットと、子どもたちやティーンのためのロボット工作キットを提供しようとしている。2011年創業のMakeblockは、今や140か国に顧客がいて、製品は世界中のさまざまな学校2万校の教育者たちが利用している、という。

同社のいちばんよく知られている製品は、mBotシリーズの各種走行車両類と、簡単なモジュール構造の玩具ドローンAirblockだ。後者は初心者でも組み立てられる。しかし同社のテクノロジー玩具製品の種類はとても多くて、中には奇抜なものもある。たとえばMusic Robot Kitには、シロホンと電動の打棒(ばち)がある。組み立てとプログラミングがうまくいけば、楽譜を演奏できたり、ユーザーがリモートのPCのキーボードから弾けたりする。

ドローンキットAirblockは初心者でも航空機ロボットを作れるように設計されている。

Makeblockの製品はグラフィカルな環境でプログラムを作るので、プログラミングがまるでゲーム感覚だ。初心者はプログラミング言語でコードを書いたり、コマンドでロボットを動かしたりしない。画面上で、ゲームのピースを一定の順序で並べるだけだ。

今回のMakeblockへの投資は、Evolution Media ChinaShenzhen Capital Group(深圳資本グループ)がリードした。子どもたちにテクノロジー玩具を与えてプログラミングへ入門させようとする企業は、玩具企業にかぎらず今ではたくさんあるから、今度得た資金はその競争に勝つために投じられる。主な競合他社は、LittleBits, SparkFun, ArcBotics, Flybrixなど、しかもWonder WorkshopOzobotなどは、子どもたちが組み立てるキットではなく、完成品のロボットでプログラミングを学ばせようとしている。

MakeblockのCEO Jasen Wangによると、彼は、農村の貧しい、テクノロジーとは無縁な家に生まれ育った。コンピューターに初めて触ったのは、大学に入ってからだ。だからプログラミングの勉強を始めたのも、遅かった。でもテクノロジー大好き人間になった彼は、より多くの若い学生たちをメイカームーブメントに誘い込むことを仕事にしたい、と考えるようになった。そして、2011年にMakeblockを創業した。

新たな資金の用途は、人員増、製品開発、生産能力の拡大、国際展開と多様だ。中でも重要なのが、アメリカにオフィスを開くこと。投資家たちが期待しているのは、Makeblockが“次世代のLego”になることだ、とCEOは語る。

しかし最近の“子ども製品業界”は合併や買収が盛んだから、今後のMakeblockにも、何らかの(IPO以外の)有利なイグジット(exit, 出口)による市場拡大の機会が、ありうると思うね。

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GoogleのG Suite for Education(旧Google Apps for Education)はユーザー数7000万

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Googleの発表によると、前はGoogle Apps for Educationと呼ばれていたG Suite for Educationの全世界のユーザー数が、7000万に達した。それは1年前には6000万、そして2015年10月には5000万だった。Googleの、児童生徒/教師向けの生産性ツールは、着実に成長している。

昨年の9月にGoogleの生産性アプリケーションは一斉に、新しい“G Suite”ブランドに統一され、Google Apps for EducationもG Suite for Educationになった。このスイートにはGoogleの一般的なツール(Gmail, Docs, Drive, Hangouts,などなど)のほかに、教師と児童生徒の日常的なコミュニケーションを支え、宿題を共有し、進歩を記録するClassroomがある。Classroomは、Googleのそのほかのツールを教師のために一体的にまとめるサービスでもある。

今日(米国時間1/24)の発表に先立つ記者会見で、Chrome for Business and Educationの製品管理部長Rajen Shethは、今では毎週2000万あまりのChromebookが学校で使われている、と述べた。〔学校向けChromebook(未訳)〕

また今週初めGoogleは、今イギリスでは50万あまりの児童生徒が、Google Expeditionsを使って、ペトラ遺跡やエジプトのピラミッド、人間の心臓などの仮想現実ツアーをしている、と発表した。

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今や人生の教科書は漫画だ、外国語も漫画で勉強できるはず、と信じたLingoZING

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まさにぼくなんか、外国語を勉強するためのものなら、何でも手を出す方だ。外国語の授業には何年も出たし、最新のアプリはすべてダウンロード、挙句の果てにeBayでMuzzyのテープ(今ならDVDか)まで1〜2本買った。これらの中ではとくに、最後のやつが、ひどかったね。

LingoZINGは、わざとこんなアホな名前をつけてるようだが、漫画(アメコミ)サイトComixologyと言語学習サイトDuolingoを合わせたような、というか両者の良いとこ取りをしたようなサービスで、漫画のページの上で外国語を勉強する。そう、いつの時代にも子どもたちは、人生最初の外国語の勉強を、シーケンシャルなアート(ストーリー漫画)で体験する。なぜならば、今や白鯨(Moby Dick)のストーリーが漫画で分かるなら、新しい言語だって当然分かるに決まっている。

このサイトの完成度はまだ低いが、今後はBoom, Top Cow, Imageなどトップクラスの漫画出版社とパートナーしていくそうだから、これからが楽しみだ。

原理は単純明快で、吹き出しを二つの言語で切り替えて、そのたびに大きな音声でそれらを読み上げる。読者の発音は、音声認識機能が評価する。その声を録音できるから、SNSで共有して、本物っぽい外国語の発音を友だちに自慢することもできるだろう。

ローンチの時点では漫画は6本、内3つはオリジナルの言語が英語で、残る3つはフランス語だ。そしてどれにも、英語バージョン、フランス語バージョン、ブラジルポルトガル語バージョンがある。今やってるクラウドファンディングキャンペーンが成功したら、コンテンツはもっと増やせるそうだ。アプリの最終バージョンはAndroidとiOS版が2月に出る。次に予定している言語は、スペイン語と標準中国語だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

エドテックスタートアップが低所得層をターゲットにしなければいけない理由

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【編集部注】執筆者のShannon Farleyは、Fast Forwardの共同ファウンダー兼エグゼクティブディレクター。

テクノロジーの力によって、教育業界は過去10年間で大きな変化を遂げた。しかし、モバイルデバイスやネットワークが普及する中で、その恩恵に与かれていないコミュニティも存在する。

ComcastのInternet EssentialsEducationSuperHighwayといったプログラムがインターネットアクセスを広げている一方で、低所得家庭の子どもは未だにエドテック革命から締め出されてしまっている。

いわゆるデジタルデバイドは、もはやインターネットやテクノロジーへのアクセスに限った問題ではなくなっている。多くのエドテックスタートアップがフリーミアムモデルのサービスを提供しているが、結局彼らのサービスは、インターネットへのアクセスが限られた低所得家庭の子供のニーズを念頭においてはつくられていない。そこで、非営利団体の力が必要になってくる。

ほとんどのエドテックスタートアップは、VCの支援を受けた営利ベンチャーだ。しかし、彼らのつくったプロダクトの大半は、エドテックの力が必要なコミュニティにはリーチできていない。私たちには、もっと低所得層の親や子どものことを考えた教育系アプリが必要なのだ。つまりエドテックスタートアップは、総合的な教育上の問題を解決する上で、自分たちのプロダクトやビジネスモデルを再考しなければならない。

実は既に、営利モデルが最も有効ではないと気づきはじめた企業も存在する。8月にテック系非営利団体のKhan Academyが、幼児教育ゲームを開発する営利企業のDuck Duck Mooseを「買収」したのだ。これは、Duck Duck MooseがKhan Academyに現金の受け渡し無しで加わるという、珍しい形での買収だった。その結果、Omidyar Networkからの助成金もあり、Duck Duck Mooseの資産と人材はKhan Academyの傘下に入ることになった。

Duck Duck Mooseのアプリは総計1000万ダウンロードを記録している一方で、Khan Aacademyによる買収から、長期的に持続可能なビジネスを運営する上で、これだけのトラクションでは十分ではなかったということがわかる。以前までは有料だった同社のモバイルゲームは、現在Khan Academyを通して無料配信されている。

上記の例から、必ずしもエドテックがデジタルデバイドを深刻化させてるわけではないということがわかる。スタートアップ各社は、ピラミッドの最下層にいる人々のニーズに応えながら、アクセスしやすく手頃(もしくは無料)なプロダクトを実現するにはどうすればいいのか考えれば良いのだ。

デジタルデバイドは、もはやインターネットやテクノロジーへのアクセスに限った問題ではなくなっている。

さらに教育系スタートアップの中には、子どもが無料で使えるような高品質の教育ツールを開発することで、収入格差を埋めようとしている企業も存在する。そして、非営利のビジネスモデルが彼らのプロダクトを支えているのだ。CommonLitやLiteracy Lab、Hack Clubといった企業は、低所得層でも利用できるようなプロダクトを開発するというユニークなポジションをとり、アメリカにはびこる教育格差の是正を目指している。

CommonLitのCEO兼ファウンダーであるMichelle Brownは、ミシシッピ州校外のリソース不足で悩む学校で教鞭をとったときに、収入格差の現実を初めて目の当たりにした。そして、彼女は自分自身でこの問題を解決しようと、教師が無料で高品質な文学やカリキュラム、評価付けに関する資料にアクセスできるような、デジタルプラットフォームを開発した。

営利企業であれば、文学のような資料に対しては著作権使用料を支払わなければならないが、NPRDigital Public Library of AmericaUnited States Holocaust Memorial Museumといった団体は、CommonLitが非営利スタートアップであることを理由にライセンスを寄付したのだ。このような構造のおかげでCommonLitは、低所得コミュニティで教育上の危険にさらされている子どもたちへのサービス提供に注力することができ、全国的な識字率の向上に貢献している。なお、CommonLitはこれまでに3万人の教師と85万人以上の子どもたちに利用されている。

同様に、オークランドに拠点を置く非営利企業のLiteracy Labも、低所得コミュニティの幼児教育の質を向上することを使命としている。4歳以下の子どもの30%は高品質な就学前プログラムを受けられない状態にあり、Literacy Labはそこから生まれる格差を是正しようとしているのだ。この格差は、子どもの早期教育に深刻な影響を与えており、彼らの小学校での学習を妨げてしまっている。

実際のところ、生活保護を受けている家庭で育った子どもが触れる語数は、高所得層の子どもに比べて3000万ワードほど少ないことがわかっている。このギャップを埋めるために、Literacy Labは無料のデジタルコンテンツやモバイルアプリを利用し、社会経済的な壁を超えて、子どもたちが学校へ行っても困らないよう、親や教育者や養育者が彼らの言語・計算能力を育むサポートをしている。

他にも、この第二次デジタルデバイドに違った形で取り組んでいる非営利スタートアップが存在する。学生主導のコーディンググループあるHack Clubは、教師や特別なリソース無しで、どのようなコミュニティに属している高校生でも、自分でコンピューターサイエンスのプログラムを組み立てられるようなサービスを提供している。ロサンゼルスのRoosevelt高校のようにリソースの限られた学校を含め、これまでに同社のサービスを利用した世界中の138校が、独自のコンピューターサイエンスプログラムを開発してきた。学生であれば無料で利用できる同社のプロダクトは、子どもがコーディングを学ぶ上で問題となるリソース不足を解消することに貢献している。

エドテック市場はこのような例から何を学ぶことができるのだろうか?起業家は一歩下がって、本当に影響力のある教育サービスをつくることを考える必要があるだろう。教育格差を無くすためには、強力なテクノロジーと社会問題に関心を持った起業家の存在が欠かせないのだ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Google Classroomがアップデートされ教師と親+教師と児童生徒のコミュニケーションが充実

Elevated view of students sitting and learning in computer room

Google Classroomは、Google Apps for Educationの利用窓口として、クラスとコンテンツを管理するためのさまざまなツールを提供している。そろそろ新学期を控えたこの時期には、毎年のようにアップデートが行われるが、今年のアップデートは今日発表された(米国時間8/17)。

Classroomは元々、教師と児童生徒のためのツールだったが、今度のバージョンは親や保護者も利用する。親は子どもの勉強ぶりの報告を自動的に受け取るので、自分の子のクラスにおける近況が分かる。過干渉な親はこの機能を喜ぶかもしれないが、子どもはどうだろう? この機能はオプションなので、教師はオプトインした親にのみ、毎週メールを送る。

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モバイルアプリは今回のアップデートにより、教師と児童生徒がクラス以外の場所で、コラボレーションしながらドキュメントに注記を書ける。たとえば宿題の数学(算数)の問題が難しいと感じた子は、式や図形を描きながら教師に教わることができるだろう。一方教師は、この注記機能を利用して、宿題の出来栄えについて個人別にコメントを述べられる。優良可などの採点もできる。この注釈機能には、ドキュメントの一部をハイライト(強調表示)する機能もある。

教師のための機能は、それほど大きな変化はないが、Google Formsで作る問題に画像を加えられるようになった。また、クラスのさまざまな活動や行事を管理する機能も、より便利になった。

Googleの次世代型メールツールであるInboxが、Google for Educationのユーザーにも提供される。また教室で児童生徒が仮想現実(Virtual Reality, VR)を体験できるExpeditionsは、探検旅行(expeditions)の数が大幅に増えた。今や子どもたちは、Expeditionsで世界の200あまりの極地や秘境を仮想探検できるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

無料のオンラインプログラミングスクールCodecademyが3000万ドルを新たに資金調達

Codecademy  the free online coding school  raises another  30M led by Naspers   TechCrunch

Codecademyは1600万人の登録ユーザーを持つオンラインのコーディングスクールだ。これまでサービスを利用するのに生徒に一銭も課金しないという経緯を辿ってきた。今、Codecademyがいつ、どのようにサービスをマネタイズするかと疑念が湧く中、3000万ドルの新たな資金調達をCodecademyが発表した。これは同社が次にどうするかを示す出来事かもしれない。

南アフリカに拠点を置く(営利目的の)巨大メディア企業、NaspersがシリーズCラウンドを率いる。CodecademyはシリーズCラウンドで調達した資金を、引き続きCodecademyのサービスを世界に普及させ、モバイルなどなプラットフォームでも使えるよう開発に充てると語っている。

ラウンドに参加する投資家には以前のラウンドにも参加したUnion Square Ventures、Flybridge Capital Partners、Index Ventures、Sir Richard Bransonを含む。Codecademyは評価額を開示していないが、私たちは探り出そうとしている。Codecademyが調達した資金は合計で4250万ドルだ。

Codecademyの共同創業者でCEOのZach Sims氏はインタビューにおいてCodecademyは有料の「プロフェッショナル」サービス(月額約20ドル)からすでにいくらかの収益を生んでいると語った。プロフェッショナルサービスではコーディングの独習コンテンツにプラスしてメンターへの相談、成績の評価が可能だ。

しかし、Sims氏は今年度初頭のインタビューでTechCrunchに対し、Codecademyには1600万人の登録ユーザーベースをマネタイズできる他の手段があると示唆した。

「プロシューマー(製品の開発にも携わる消費者)層、追加コンテンツ、メンターへの相談、さらにはユーザーがゼロから仕事を得るまでの支援とそれに対する課金」が今年度初頭にフィリピン・ダバオで開かれたWorld Economic Forumでのインタビューの中でSims氏が言及したすべての手段だ。

コーディングトレーニングプログラムにとって問題となってきた仕事斡旋の領域にCodecademyの長期的なビジョンがある。他の高額な競合サービスは多くのことを約束するが、学習が終わった後、最終的に仕事まで提供できるところはほとんどない。

オンラインのトレーニングプログラムを通してCodecademyはユーザーに関するすべてのデータを収集する。そして、そのデータの活用で、長期的にはCodecademyは他のスクールよりも卒業生を有望な仕事とつなげることが可能だとSims氏は考えている。そしてSims氏はそれでマネタイズができればと期待している。

実際に、Codecademyはカリキュラムの卒業生をアドバイザーとして雇い、Codecademyの主張通りのことをすでに実践している。現在、アドバイザーはプロフェッショナルサービスの料金を払っている人のためのメンターとして従事している。

「私たちは自社のことを経済的な機会への入り口として捉えています」とSims氏は語った。採用候補者の能力に関して十分に理解していない担当者が門番を務める業界において、Codecademyのようなサービスは、必要とする企業が選りすぐりの人材を見つけるための助けとなるとSims氏は言う。

26歳の共同創業者Sims氏はCodecademyの成長につれて、そのオンライントレーニング・プラットフォームを別のデジタル分野に拡げていくことを望んでいる。

コーディングの時代の波に乗る

ニューヨークに本社を置き、2011年のY Combinatorに参加したCodeacademyが本腰を入れて着手している市場は巨大だ。

クラスで教えている内容、仕事の現場で理解している内容、そしてどの職に人材を充てるべきか(あるいはどのようなビジネスを構築するか)においてそれぞれテクノロジーギャップが存在する。現在、テクノロジーはいたるところに存在している。それが意味するのは私たちはすべての産業、すべての段階の仕事がテクノロジースキルを必要としているいうことだ。

これに加え、今では30億人以上の人がオンライン上にいる。対象となる大きな市場が存在するのだ(Codecademyには現在1600万人の登録ユーザーしかいないことを思い出してほしい)。

現在、CodecademyはHTML/CSS、Javascript/jQuery、Python、Ruby、PHP、APIなどのプログラミング言語やコンポーネントに重点を置いている。Codecademyの前提は単にレッスンを習うだけではなく、書いたコード、成果物へのフィードバックをプラットフォーム上で他のユーザーから受けることができる教室のような環境を再現していることだ。

人々がコードを習うのを支援しているオンライン・プラットフォームはCodecademyだけではない。同じ分野で展開するサービスは他にもLinkedInが所有するLynda.com、Thinkfuk、Code.org、Coursera、Udacity、Pluralsight、Khan Academy、Treehouseなどがある。

さらに教育が専業の企業からAmazonのような企業まで、オンライン学習ツールを開発している企業は数多く存在する。これらの企業もCodecademyが解決することを目指すスキルギャップの解消を目的にしたコンテンツを開発準備中だ。

競争の渦中にいるCodecademyのユニークな売りの1つは無料で使用できることだ。ある人たちは、Codecademyの教育では十分には学べず、よりプログラミング学習に真剣な生徒は最終的には別のオンラインプラットフォームを見つけなければならないと指摘している。しかし、Codecademyは何か試してみたいという好奇心のために入門の敷居を低くしているのだ(深い専門性やレベルの高いスキルを学ぶ教育コンテンツにおいては、マネタイズが確実にできるだろうとSims氏も述べている)。

端的に言えば、多くの競合が出てきたということは、コンピューター・プログラミングの機能を学ぶことへの関心の高まりにCodecademyが乗ってきたことを示している。

「2011年にCodecademyを設立して以来、21世紀の教育の鍵となる科目としてコード学習への関心が爆発的に高まっている様を見てきました」とCodecademyのZach Sims氏は声明において語った。「数百万の月間ユーザー、米国外に50%以上のユーザーがいるので、Naspersとパートナーを結ぶことは最高の機会です。幅広い学習コースを多くの言語で、新たな地域に提供していくことでビジネスを拡大させ、誰もが経済的な機会にアクセスできる教育を創造していきます」。

ラウンドの一環として、Naspers VenturesのCEOのLarry Illg氏がCodecademyの取締役に就任した。

「従来の大学は、テクノロジーを学ぶ生徒や雇用者の要求の変化に対応するには不十分な備えしかありません。Codecademyは市場において重要で埋める価値のあるギャップを解消させることができるでしょう」とLarry Illg氏は語った。「Codecademyの製品の質とチームの実行力で海外展開を進め、今後の拡大に向け、確固たる地位を築くことができています」。

Naspersは米国の教育界に長いこと関わってきた。NaspersのCodecademyへの投資は米国のEdTech(教育テクノロジー)において3回目の投資となる。Naspersの投資先にはBrainlyやUdemyが含まれる。

今年度初頭のSims氏へのインタビューはこちら

原文

(翻訳:Shinya Morimoto)

Androidの共同創設者Rich MinerがGoogleの教育プロジェクトの舵取りをするためにGVを辞任

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Androidの共同創設者Rich Minerが(Alphabet ではなく)Googleの中で教育プロジェクトを立ち上げるためにGV(以前は Google Ventures という名で知られていた)を辞任することが、本日GV側から発表された。Minerは謎めいた新しいEdTech(教育テクノロジー)プロジェクトの指揮を、大半がシリコンバレーにいる彼のチームに対してマサチューセッツ州ケンブリッジから行うことになる。

GVの担当者は、プロジェクトが収益事業なのか、または慈善活動の一部であるかどうかへの回答は差し控えた。

またMinerの新しいプロジェクトはGoogle内での独立したスタートアップのようなものだろうという先走った噂は正しくないものであると広報担当者は語った。現時点で、Minerへのインタビュー申込みは叶えられておらず、新しいプロジェクトに関する追加情報の提供も拒否されている。

この件に最初に触れたFortune誌のDan Primackによるインタビューによれば、Minerとの間で「ベビーシッター用途でも広告配信用途でもない、質の高い教育アプリやその他子供中心のインターネットサービス」はほとんど存在しないという話が出たそうだ。

それは、現在市場で人気のアプリケーションやサービスを提供する無数の教育テクノロジーや子供中心企業に対する不満のようなものであり、GVやGoogle.orgの手を借りてとまでは言わないが、ベンチャーもしくは慈善基金を立ち上げるような話だった。

GVのEdTech関連のビジネスポートフォリオに含まれているのは以下のものだ。
NoRedInk: 個性を活かした文章の書き方を子供達に教えるアプリ。
Wonder Workshop: 子供達と指導者たちがロボットやコーディングクラブをコミュニティ内で立ち上げることを助けるプラットフォーム。
Clever: 生徒たちが教室内でアプリにログインすることを助けたり、家庭で名前とパスワードの管理に長々とした時間を費やさなくても良いようにする学校向けの管理ツール。

GVは更にUdacityCreativeLiveといった大人向けの専門的な訓練を施すEdTech企業も支援している。

Google自身も既に大規模な教育事業を展開している。学校に対して大量のChromebookとタブレットを売っていて、これはスティーブ・ジョブスがかつてApple IIを使った戦略に倣ったものである。また、Google自身はGoogle for Educationのアプリケーションやコンテンツ、そして Android オペレーティングシステムを学校や教育者、そしてEdTech業界の開発者に普及させるべく大いに力を注いでいる。

Alphabet は売上報告の中で教育関連のセールスデータを開示していないが、Googleにとって巨大な市場であることに間違いはない。

Google for Educationのサイトによれば、 Google Appsの利用者数は現在5000万人。1000万人の教師と生徒がクラウドベースのGoogle Classroomをグループの形成、課題の配布、フィードバックの送信などのために使っているし、地域の教育者同士をつなぎ、お互いの学びを提供するGoogle Educator Groupsに属する教育者グループの数は世界で280に及んでいる。

いまやGoogleは、Apple、Microsoft、そしてBertelsmannのような伝統的な教育出版社たちと、大規模でグローバルな教育市場で競合している。スタートアップも同様だ ー EdSurgeの調査によれば、EdTech投資家たちは、2010年以来、K-12(幼稚園生から高校生まで)の市場に対するものだけでも23億ドルの資金を注ぎ込んでいる。

これまでのところGoogleは、教育テクノロジーを買収するよりも自身で構築することを選んできた。同じEdSurgeレポートでは、2010年から2015年の教育市場におけるM&AでGoogleが買い手として関わったものは1%未満であることが明らかになっている。

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(翻訳:Sako Hiroshi)

Google for Educationが教師のための総合リソースサービスTESを統合、地に足のついたアクセス性へ

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次世代エドテックと仮想現実はどちらも私たちの近未来を定義する可能性のある技術として、企業や投資家たちも高い関心を寄せている。この二つの技術の合体は現状ではまだ未熟な段階だが、すでに一部の有名大企業はさまざまな試行に取り組んでいる。

今日(米国時間6/28)は、Google for Educationが、Google ExpeditionsとGoogle ClassroomsにTESを統合する、と発表した。TESは、教師たちがクラスで使用するデジタル教材やレッスンプランを見つけるために利用しているサービスで、すでにユーザー数は数百万に達している。

今回の統合により、Googleの教育サービスに関心のある教師は、TESのGoogleポータルで容易に無料のコンテンツを見つけ、ダウンロードできるようになる。

Google Expeditionsは、ボール紙で作ったVRビューワーGoogle Cardboardで、360度視野のコンテンツを子どもたちに見せる。もちろん教科書の上の2Dの写真などよりも、断然迫力がある。

Google for Educationのパートナーシップ担当Emma Fishが、声明でこう述べている: “tes.comとの統合をたいへん喜ばしく思う。弊社の新しいポータルがTESのユーザーに、Googleの一連のツールのシームレスな体験をご提供する。先生たちはGoogle Apps for Educationで使えるレッスンプランをここで見つけて、Classroomで使用でき、またGoogle Expeditionsでは没入的な仮想探検旅行を児童生徒に提供し、授業に活気をもたらすことができる”。

今回のパートナーシップによってGoogleは、その教育サービスを、多くの教師たちがアクセスし利用している、アクセス性の良いポータルに‘出店’することになる。教師が新しいデジタル教材を採用しようとするときには、コンテンツの内容だけでなく、それらのアクセス性も利用を支える重要な要素だ。教材のVR化はまだ端緒についたばかりだが、いずれは児童生徒たちが、机と椅子だけの静的な環境では得られない、自分だけの独自な発見のできる、豊かな環境を提供していくだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

教育のマーケットプレースとして成功したUdemyが国際展開を目指してNaspersから$60Mを調達

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Naspers Ltd.のベンチャー部門が教育のオンラインマーケットプレースUdemyに6000万ドルを投資した。

Naspersはヨハネスブルグに上場しているテク/メディア企業で、主に途上国市場でオンラインの強力なクラシファイド(classified, 三行広告)ビジネスを展開している。とくに、インドでのプレゼンスが大きい。

UdemyのCEO Dennis Yangによると、同社は2015年の春にシリーズDで6500万ドルを調達して以来ずっと資金調達とは無縁だったが、でも成長のために必要なキャッシュはまだ十分手元ににある。

しかしNaspersからの投資受け入れは、同社とのパートナーシップによる国際展開をねらっているからだ。その話し合いの中から、投資の案件も生まれた。

Udemyには現在、ユーザーが作ったコースが約4万あり、80種の言語で、世界の人びとの“生涯学習”を支えている。Udemy自身は、したがって、プラットホームである。正規の学位を提供するコースはないが、企業が教育訓練のために利用するケースはある。

同社によると、生徒数は1100万を超え、インストラクターは全世界で約2万名いる。一人の生徒が複数のコースを受講する場合もあるので、現在の受講登録者数は5000万を超え、その国籍は190か国におよぶ。

Naspers Venturesは今月初めに宿題ヘルパーのBrainlyに1500万ドルを投資している。今回は同社の、二度目のエドテック投資だ。同社のLarry Illgは、エドテック(edtech, 教育×テクノロジー)への投資について次のように語る:

“教育は世界のあらゆる経済にとって重要だ。でもインターネット上にはまだ十分な展開がなく、勢いも弱い。むしろ今のエドテック業界は、戦傷を負っている。食品のデリバリやビデオなどなどのような、大型の目立ったイグジットを、エドテック界隈ではまだ一つも目にしていない。しかしプロダクトの完成度は今や十分に高いし、世界中いたるところに需要がある。だから、数学の教え方がとっても上手な人は、世界中の生徒たちにとって価値がある”。

Udemyは今回得られた資金を、スタッフの増員、製品開発、そして優秀なインストラクターやコースの数を増やすことに充てていく。そしてそれにより、同プラットホームのユーザーと彼らの‘登録生徒数’を地球規模で拡大していきたい。そのために、各国にパートナーを得ることにNaspersが貢献してくれるであろう。もちろん、各国における顧客獲得のためのマーケティングの面でも。

Udemyのような教育マーケットプレースサービス(プラットホーム)は今、競合他社がとても多い。たとえば中国には、Taobao Tongxueや、Yao MingのTutorGroupがある。合衆国にも、ベンチャーが投資しているスタートアップが多い。それらの中にはCourseraやEdXなどのように大学と協力してコースを作っているところもあり、またLynda.comやPluralSightなどのようにキャリア指向の教育訓練を国際的に展開しているところもある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))