Amazonのタブレットはエンタプライズ(中~大企業)の大量導入をねらう…最新のKindle HDとHDXにその兆候を見る

AmazonのAndroidタブレットKindleのOSは、Amazon自身がちょっといじったバージョンのAndroid(通称Fire OS)を使用しているが、そのせいで最近はますます、消費者という名の大きな木馬の中にエンタプライズの恰好をしたギリシア人の大軍がいる、という風情になってきた。Fire HDとHDXには”Mojito”が載っている、それはFire OSのいわばv.3.0で、いくつかの重要なエンタプライズ向け機能が予定されている。

いくつか挙げてみると、エンタプライズ用メール、VPNクライアントを内蔵、ワイヤレス印刷、Office互換のOAツールセットをプレインストール、ハードウェアレベルでのデータ暗号化、認証の改良、SilkによるセキュアなWeb閲覧、そしてきわめつけは、各種の広く使われているモバイルデバイス管理サービスをネイティブAPIからサポート。

エンタプライズ(中~大企業)にとってKindleの魅力は、まず、コストだ。Amazonの元々安いタブレットを全社員向けに導入するとなると、一人当たりの費用はiPadを大幅に下回る。しかも単に安いだけでなくAmazonは、Whispercastのようなサービスを提供してユーザの下支えをする。このサービスは、自社独自でMDMを導入していない企業向けの無料のネイティブのMDMソリューションだ。Fire OSの今回のアップデート(そして上述の機能が実装されるv.3.1)は、Goodのようなプロバイダによりエンタプライズモバイルデバイスプロビジョニングネットワーク(enterprise mobile device provisioning network)をすでに構築している企業に、新たなITインフラのための大きな支出を必要とせずに、容易に入り込んでいける。

さらにこれらのタブレットには、新たにMayday Button(メイデイボタン、お助けボタン)というものがある。HDXのオーナーは、このボタンでAmazonのテクニカルアドバイザーをリモートで直ちに呼び出せる。しかもサポート担当者はライブのビデオ画面に現れるから、まさに一対一でお世話していただけるのだ。

Maydayは、一見、消費者向けだが、エンタプライズユーザにとってもありがたい機能だ。企業としては、社員にHDXを持たせておけば、社内的なITサポートや教育訓練は不要になり、Amazonにおまかせ、となる。社員個人々々のタブレットの使い方を、社内ITで面倒見るなんて、あまりにもたいへんである。

Amazonはまず、タブレットが安いということでBYODの成功に近い位置につけている。背後には消費者向けコンテンツの強力なエコシステムがあり、また、新たにエンタプライズオンリーの付加価値(上述)も構築している。Amazonはタブレットで、企業と教育分野をねらっていることが、今回ますます明らかになってきた。買い手であるエンタプライズは、そのようなAmazonの売り込みに対して、どんな態度に出るだろうか。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


64%の企業がすでにビッグデータ技術に投資済みまたは投資の予定あり, 展開配備済みはわずか8%

Gartnerの最新の調査報告によると、企業はビッグデータに積極的に経費を投じているが、まだ、それで何をするのかに関するプランが明確でないところが多い。調査対象の企業の64%が2013年にすでにビッグデータ関連のソリューションを購入をまたは投資を予定しており、2012年の58%に比べ明らかに増加している。その64%の内訳は、30%がすでにビッグデータ技術に投資、19%が来年の投資を予定、15%が2年以内に投資を予定(計64)、となっている。しかし回答企業720社のうち、実際にビッグデータ技術を展開配備しているところは8%足らずである。

ビッグデータは2013年に340億ドルのIT支出を惹起すると予測されているが、ビッグデータによるソリューションに魅力を感じている企業は多いものの、その多くは具体的な導入戦略について検討中の段階である。

Gartnerの調査担当VP Frank Buytendijkは声明文の中で次のように言っている: “ビッグデータに関しては、2013年は実験と初期的展開の年である。この技術の企業による採用はまだ始まったばかりで、すでにビッグデータによるソリューションを展開している企業は回答企業の8%に満たない。20%がパイロット中ないし実験中であり、18%が利用戦略を開発中、19%が研究調査中、そしてそのほかは、予定がない、わからないの層である”。

どのようなビッグデータソリューションを採用するのか、その予算規模は?、等に関して不明確な企業が多い中で、一般的な傾向は次のようになっている: 49%がビッグデータを利用してコスト削減やリスクの早期発見に役立てたい、としている。55%が顧客サービスの向上、42%がビッグデータから得られるインサイトにより製品開発やビジネスモデル開発を支援、23%がビッグデータによる直接的な収益化を目指している。

どの業界にも、すでにビッグデータソリューションに投資している企業や投資を予定している企業はある。とくに熱心なのは、メディアおよび通信企業、銀行、サービス業である。メディアおよび通信業は39%、銀行が32%、サービス業は32%がそれぞれ、ビッグデータにすでに投資を行っている。2年以内に導入予定、とする上位業界は、運輸業が回答企業の50%、保健医療が41%、保険が40%である。回答企業の多くが北アメリカの企業だが、この地域では38%の企業がすでにビッグデータ技術に投資を行っている。対してアジア太平洋地域では、45%が投資の予定ありと答えている。

ビッグデータ投資の戦略や方針がすでに決まっている企業が多い中で、しかし全体の15%は、ビッグデータ技術そのものを目下勉強中と答えている。ビッグデータは言葉の内包も外延もばくぜんと大きいから、それもむしろ当然かもしれない。

Gartnerの調査部長Nick Huedeckerは、次のように言っている: “勉強中と答えた企業はまだ投資の予定のない企業だろう。しかしそれらの企業も、ビッグデータを無視したら取り残される、という意識は持っているようだ”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


BlackBerry、47億ドルでFairfax Capitalへ身売りか―最後のせめぎ合い続く

今日(米国時間9/23)、BlackBerryは発行済株式を1株あたり9ドルで買い戻すと発表した。総額は47億ドル程度になる。9ドルという価格は現在の株価8.23ドルをわずかに上回るレベルだ。自社株買戻のニュースを受けて現在市場での取引は中断している。

BlackBerryの株価は今日だけで5%も下落した。同社の株をすでに10%保有しているFairfax Financialも9ドルでの株式買取を申し出ている。BlackBerryの取締役会はこの取引に賛成し、基本合意書に署名した。これで一件落着かと思われたが、そうではなかった。

取締役会は「Fairfaxが提示したものより良い条件のオファーを今後さらに求めていく」という意向を発表した。一方、FairfaxはBank ofAmerica、Merrill Lynch、BMO Capitalにこの買収の原資を引き続き求めていくと発表した。もしBlackBerryがFairfaxとの基本合意を破棄した場合、1株あたり0.30ドルの違約金が発生する。

最近の四半期決算によれば、BlackBerryはキャッシュ類を28億ドル保有している。これに知的財産を加えれば、残余の企業価値はごく小さい。9ドルというのは直近の終値に比べてプレミアムは10%以下だ。これでは株を手放す気にならない投資家もいることだろう。

Fairfaxは勇敢にもBlackBerryを買収しても「解体して切り売りはしない」と明言している。Fairfaxは「非公開企業にしたうえで優れたエンタープライズ向け製品に特化した企業として再建する長期的な戦略を建てる」としている。

Fairfaxによる買収の成否にかかわらず、最近のDellと同様、BlackBerryが公開IT企業が非公開化する例に加わることは間違いないようだ。

画像: Honou

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


なしくずし的に進む企業の脱PC→モバイル化: スプレッドシートコラボレーションのSmartsheetもAndroidアプリを

SaaSを提供しているサイトがAndroidアプリも出す、という例が増えている。モバイルアプリは依然としてiPhoneが支配的だが、モバイルへのシフトという世の中の流れはSmartsheetのような企業にも、モバイル化の拡大努力を否応なく強いている。

Smartsheetはエンタプライズ向けのコラボレーション型スプレッドシートをSaaSとして提供している。その同社が今日(米国時間9/17)、二つの理由により、初のAndroidアプリをローンチした。顧客の半数以上が同社のサービスにモバイルデバイスからアクセスしていることと、今ではアプリが重要な経営資源だからだ。

SmartsheetのCEOで社長のMark Maderによると、今では新規顧客の約50%がiPhoneやiPadで30日間無料の試用サービスをトライしたあとに登録している。そのコンバージョンレート(顧客化率)は、Webサイトの試用サービスでSmartsheetを知った人たちの3倍である。

SmartsheetのAndroidアプリは、リードオンリーではなく実際に仕事ができる。スプレッドシートのルック&フィールやコラボレーション機能はWebと同じで、ガントチャートやカレンダーなどの管理ツールもある。

しかし、ビジネスアプリケーションのモバイル化は、Smartsheetが初めてではない。2010年以降は、Zendeskなどの企業数社がAndroidアプリを提供している。ユーザが十分納得するような豊富な機能性を盛り込んでAndroidアプリを提供しても、もはやその一社だけの強力な差別化要因にはならない。

Mhelpdeskも、協同ファウンダのRyan ShankがTwitterで言ってるところによれば、ユーザの半分はAndroidからだ。彼によると、Mhelpdeskは修理や機器据え付けなど現場の技術者を支援するサービスなので、安いAndroidタブレットの利用が好まれているそうだ。このような、企業におけるAndroidの浸透はStrategy Analytics社の調査結果も示している。とくにAndroidタブレットは、安いことに加えてセキュリティが良くなっているので企業の採用が増えているという。また、個人でAndroidタブレットを買う人も増えていて、その多くが職場にも持ち込まれている。

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AWSの脆弱性に起因するセキュリティ問題を自動的に検出/報告するJumpCloud

JumpCloudが今日(米国時間9/9)のTechCrunch Disrupt San Franciscoで、クラウドサーバ、中でもとくにAmazon Web Services(AWS)の深刻な脆弱性から身を守るための新しい方法をローンチした。

これまで非公開ベータだったこのサービスは、マシンデータを分析する新しい方法によって、ユーザのクラウド展開に関する通知やアラートを生成する。

AWSのサーバの、セキュリティの脆弱性は主に、旧来からのプロセスモデルに由来する。それは、今のソーシャルネットワークが使っているような、ユーザ名とパスワードを用いるモデルだ。したがって攻撃が日常的に頻繁に起こり、ときには壊滅的な結果をもたらす。

JumpCloudのサービスは、ユーザ管理にパフォーマンスチェックとアラートを組み合わせる。このサービスの管理プラットホームを介してユーザを保護し、そこにアドミニストレータのクラウドサーバキーを保存する。このプラットホームがパスワードの処理を抽象化し、顧客のサーバ上で小さなソフトウェアを動かすことによって攻撃を防御する。このようにしてユーザのサーバ上でエージェントを動かす方式は、New Relicがアプリケーションのパフォーマンス管理に使っている方法とほぼ同じだ。エージェントはサーバのデータを記録し、ネットワークの負荷に不審なスパイクが生じた、などの異変を監視する。

JumpCloudのCEO David Campbellは曰く、“New Relicがパフォーマンスのモニタリングのためにやっていることを、うちはセキュリティのためにやっている”。

このサービスは、ログ監視サービスLoggly日本語)にも似ている。Logglyは、サーバやルータなどのマシンからログデータ~監視データを集めて分析し、アドミニストレータにインフラの現在の稼働状況を見せる。JumpCloudはただデータを集めるだけでなく、それらに対して付加価値的な分析を行い、ノイズの中に有意な信号(往々にして危険信号)を見つける。たとえばサーバの負荷が一時的に急増したら、JumpCloudはそのことを信号として検出する。

“クラウドのデータをすべて分析して、ユーザが対応すべきアラームだけを提供する”、とステージ上のCampbellは言った。

ユーザはJumpCloudをPuppet日本語)やChefと組み合わせて使用し、自分のサーバをJumpCloudのデータセキュリティネットワークに自動的に加えることができる。つまり、会社がローンチするすべてのイメージが、最初からセキュリティを組み込み済みになる。

AWSは世界でもっとも多く使われているクラウドサービスだから、 JumpCloudにとっても大きな市場になる。でも、同社にとっての問題は、NSAのスパイ事件があって冷水を浴びせられたにもかかわらず、クラウドは伝統的にセキュリティに甘いプロバイダやユーザが多い世界だ。

たとえば、アドミニストレータによるパスワードの管理もルーズだ。AWSでは、公開鍵をAWSが持ち、秘密鍵をユーザ企業が持つ方式だが、Campbellによると、10社中9社が、秘密鍵(パスワード)を一度も変えたことがないし、システムにそのまま載っていることもある。もちろん、攻撃者にとっては、すごく見つけやすい。

問題の深刻さを調べるためにCampbellのチームは、ソーシャルネットワークから得た情報を利用してクライアントサイドのの攻撃を試みた。アドミンにおいしそうなリンクを提供して、それをクリックしたらCampbellらが仕掛けたサイトへ行く。Campbellらはそこで得た犠牲者の認証情報をもとに、顧客のサイトにアクセスして秘密鍵を盗むことができた。この攻撃の成功率は100%ではなかったものの、クラウドユーザにおけるセキュリティのルーズさが、相当なものであることが分かった。

アドミンたちは、内部的な問題を解決するためにオープンソースのツールを利用することが多い。CampbellによるとDevOpsのプロたちは、そういうその場しのぎのやり方ではなく、自分たちの仕事とユーザ体験を阻害しないような、より総合的/自動的な問題解決を望んでいる。

そこでJumpCloudのやり方は、DevOpsたちのアンチセキュリティな文化をそのまま容認している。つまりそれは、彼らがセキュリティに対してそれほど意識的にならなくても、問題を自動的に見つけてくれる方式だ。だからデベロッパたちは以前と変わらず、彼らが伝統的に重んじる文化、すなわちデータの自由な流れと、開発工程のスピードを、重視し享受できるのだ。

同社のサービスはフリーミアムなので、ベーシックなユーザ管理とパフォーマンスの監視、およびセキュリティのアラートのセットは無料だ。リアルタイムのアラートや、自動修復、問題の原因解析などを含むと、有料になる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


日本のリクルート、アウトソーシングのオンライン市場Freelancer.comを4億ドルで買収か?

〔この記事はMahesh Sharmaの執筆〕

日本の人材紹介とメディアの大手、リクルートは このところ上場準備に忙しかったようだが、最近、再び企業買収に積極的になっている。昨年のIndeed.comの買収から1年後、先月はインドのNuGridを買収した。人材募集のポータル、Indeed.comの買収金額は公表されていないが、11億ドルだったとされてる。

事情を知る情報源によれば、リクルートは短期業務をアウトソースするオンライン・マーケットのFreelancer.comに対し、4億ドルで買収する申し出をしたという。Freelancer.comの買収は、Indeed.com買収の際と同様、Morgan Stanleyがアドバイザーを務めているという。Freelancer.comはこの申し出を考慮中ということだ。

Freelancer.comは、ウェブサイトのデザイン、アプリの開発、情報収集、記事の執筆といったプロフェッショナルな業務を入札方式でアウトソースすることができるオンライン市場だ。業務請負の登録者880万人で、これまでに完了した業務は総額12億ドルにもなると発表されている。

Feelancer.comはオーストラリアのスタートアップだが、そのネットワークは世界に広がっており、特に北米、東南アジア、インドに多数のアウトソース先を持っている。また昨年はカナダのScriptlanceを買収し、デベロッパーのアウトソース市場のvCoderに数百万ドル分の業務を発注している。.

Freelancerは売上など財務内容を公表していない。リクルートの売上は100億ドル前後とみられる。この買収が成功すればリクルートはアウトソース市場、特にアメリカなど英語圏の市場で大きな足場を築くことになる。

リクルートは海外での売上を全売上高の50%にまで高めることを目標としている(Indeed.comの買収以前の海外売上は4%だった)。また近い将来株式を上場する計画だ。リクルート・グループの傘下には人材募集、eコマースから旅行、美容、教育など多分野にわたる出版社など80の企業が存在する。

上でも述べたようにリクルートは最近M&Aを活発化させている。8月にはインド最大のエグゼクティブ転職サービスのNuGridを買収(金額は不明)、4月にはアジア最大のエクゼクティブ転職サービス、Bo Leを完全子会社化した。Indeed.comの買収を発表したのは昨年の9月25日だった。

われわれはリクルートとFreelancer.comの両方にコメントを求めている。新たな情報が得られたらアップデートする。

〔日本版〕Freelancer.comでテープ起こし業務をアウトソースした体験がこのブログ記事に詳しく載っている。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


日本のリクルート、アウトソーシングのオンライン市場Freelancer.comを4億ドルで買収か?

〔この記事はMahesh Sharmaの執筆〕

日本の人材紹介とメディアの大手、リクルートは このところ上場準備に忙しかったようだが、最近、再び企業買収に積極的になっている。昨年のIndeed.comの買収から1年後、先月はインドのNuGridを買収した。人材募集のポータル、Indeed.comの買収金額は公表されていないが、11億ドルだったとされてる。

事情を知る情報源によれば、リクルートは短期業務をアウトソースするオンライン・マーケットのFreelancer.comに対し、4億ドルで買収する申し出をしたという。Freelancer.comの買収は、Indeed.com買収の際と同様、Morgan Stanleyがアドバイザーを務めているという。Freelancer.comはこの申し出を考慮中ということだ。

Freelancer.comは、ウェブサイトのデザイン、アプリの開発、情報収集、記事の執筆といったプロフェッショナルな業務を入札方式でアウトソースすることができるオンライン市場だ。業務請負の登録者880万人で、これまでに完了した業務は総額12億ドルにもなると発表されている。

Feelancer.comはオーストラリアのスタートアップだが、そのネットワークは世界に広がっており、特に北米、東南アジア、インドに多数のアウトソース先を持っている。また昨年はカナダのScriptlanceを買収し、デベロッパーのアウトソース市場のvCoderに数百万ドル分の業務を発注している。.

Freelancerは売上など財務内容を公表していない。リクルートの売上は100億ドル前後とみられる。この買収が成功すればリクルートはアウトソース市場、特にアメリカなど英語圏の市場で大きな足場を築くことになる。

リクルートは海外での売上を全売上高の50%にまで高めることを目標としている(Indeed.comの買収以前の海外売上は4%だった)。また近い将来株式を上場する計画だ。リクルート・グループの傘下には人材募集、eコマースから旅行、美容、教育など多分野にわたる出版社など80の企業が存在する。

上でも述べたようにリクルートは最近M&Aを活発化させている。8月にはインド最大のエグゼクティブ転職サービスのNuGridを買収(金額は不明)、4月にはアジア最大のエクゼクティブ転職サービス、Bo Leを完全子会社化した。Indeed.comの買収を発表したのは昨年の9月25日だった。

われわれはリクルートとFreelancer.comの両方にコメントを求めている。新たな情報が得られたらアップデートする。

〔日本版〕Freelancer.comでテープ起こし業務をアウトソースした体験がこのブログ記事に詳しく載っている。

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フラッシュメモリだけでストレージサービスを提供するPure Storageが大枚$150Mを調達

フラッシュメモリによる高速ストレージサービスを提供しているPure Storagが、T. Rowe PriceやTiger Global Managementおよび一般投資家たちが率いる投資ラウンドにより、1億5000万ドルを調達した。過去の投資家、Greylock Partners、Index Ventures、Redpoint Ventures、Samsung Ventures、およびSutter Hill Venturesもこのラウンドに参加した。これで同社の総資本は2億4500万ドルになる。同社の発表によると、今回の投資は同社をIPOに向かわせる契機になる。

今エンタプライズ市場ではフラッシュストレージがホットだ。ビッグデータ時代の顧客は、ハードディスクのようなメカニカルなストレージからは得られない高速なデータ転送を必要としている。ソリッドステートなフラッシュメモリには回転ディスクや読み書きアーム/ヘッドといった可動部品がないので、ハードディスクよりもはるかに高速にデータを移動できる。

Pure Storageはpure-flashな(==フラッシュメモリのみの)システムを提供することによって、今のデータ時代の商機に乗じようとしている。同社はストレージ技術のリーダーEMCと直接的に競合する。EMCのサービスのベースはあくまでもハードディスクによるストレージプールだったが、昨年XtremIOを買収してフラッシュ市場への一歩を踏み出した。また6月にはアプリケーションサーバ上に仮想SANを構築するScaleIOを買収して、“ソフトウェア定義型ストレージ”がもたらすスケーラビリティとエラスティシティ(伸縮自在性)にも積極的な色気を示している。

だからPure Storageがこのところ、巨額な資金導入に走るのも当然である。EMCのような強敵に対抗できるだけの、ストレージサービスのハードウェアベースを…ディスクではなくメモリで…構築する費用は相当なものである。

Network ComputingのHoward Marksは6月に書いた記事で、Pure Storageは競合他社であるIBMやViolin Memoryなどよりも深い機能集合を構築した、と言っている。しかし同社の事業規模がEMCやNetAppなどのそれに近いものになり、ストレージ市場にまた新しい巨人が誕生するのかどうか、それが同社の今後に横たわる最大の期待、あるいは疑問符だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


スティーブ・バルマー以後のMicrosoftは何をなすべきか?

編集部:この記事はBoxの共同ファウンダー、CEOのAaron Levieの寄稿。Twitter:@levie.

スティーブ・バルマーがMicrosoftのCEOを退任すると発表したことはテクノロジー企業の歴史でも10年に一度の出来事だ。ビル・ゲイツが基礎を築き、続いてゲイツとバルマーが、やがてバルマーが単独で拡大した帝国のひとつの章が終わったことを象徴している。

バルマーのMicrosoftについては対照的な2つの見方が存在する。マスコミにお馴染みのより広く知られた見方は否定的なものだ。いわく、バルマーのMicrosoftはGoogle AppsやAmazon Web Servicesのようなクラウド化の波に対応が遅れた。AppleとGoogleが開始したモバイル化への対応にも失敗し、Microsoftの独占的地位を大きく弱めた。Zune、Windows Vistaその他でも大失敗した…。

もうひとつの見方はそれほど広く知られていない。実はMicrosoftはバルマーの下で売上を220億ドルから780億ドルへと3倍以上に伸ばしている。

Office 365とAzureというクラウド・プラットフォームを開発し、成功させたのもバルマーの時代だった。またSkypeやYammerといったキー・テクノロジーを持つ企業の買収にも成功している。 またYahooとFacebookの検索エンジンとなるなどの巧妙な戦略によってMicrosoftの検索シェアをゼロ同然から30%に成長させた。またMicrosoftは創成期のFacebookに巨額の投資をして有力株主となった。Microsoftがオープンソースやサードパーティーのプラットフォームを採用するようになったのもバルマーの時代だ。

しかし白でなければ黒と決めつけずにはおかないテクノロジー市場にあっては、こうした数々の成功にもかかわらずMicrosoftは「敗者」とみなされている。

Microsoftは世界が以前に比べてはるかに多様化し、ユーザーの選好がはるかに重要になっていることを認識する必要がある

そういうことになったのはなぜだろうか? 答えは市場のあり方が劇的に変わったことを認めようとしない旧態依然たる戦略にある。今や司法省反トラスト局はMicrosoftに対して国務省がカナダに対するほどの注意も向けていない。Appleはより優れたデバイスを作っているし、Googleはより優れた検索サービス、クラウド・サービスを提供している。Microsoftは世界が以前に比べてはるかに多様化し、ユーザーの選好がはるかに重要になっていることを認識すると同時に、それに対応した戦略を採用しなければならない。

最近バルマーが実施した改革は組織の再編成という社内向けのものだった。それはそれで重要だが、社外の現実への対応はさらに重要だ。現在のソフトウェア産業もハードウェア産業もゼロサムゲームではない。こうした新たな現実を踏まえてバルマーの後継者が何をなすべきか、いくつかヒントを上げてみよう。

アプリのアンバンドル MicrosoftはOSの圧倒的成功によってアプリケーション産業を支配した。Lotus、Word Perfect、Netscape、Real Networks等々、競争相手はOSと密着したMicrosoftのアプリケーションによって踏み潰されていった。しかし現在では事情は変わった。今や「尻尾が犬を振る」時代だ。ユーザーは好みのアプリを使うために必要ならMicrosoftのOSから離れていく。

今やインターネットに接続しているデバイスのOSは圧倒的に非Windowsだ。だからMicrosoftはアプリケーションをWindowsという母艦から切り離なければならない。ところが依然としてMicrosoft Officeなどの主要アプリケーションはAppleやAndroidデバイスでは利用できないか、機能が限定されているかしている。数年後にはタブレットの出荷台数がパソコンを上回ることが確実な時代だ。Microsoftはぜひともアプリケーションを自立させ、それ自身で競争に耐えるものにしなければならない。

オープン化 クラウド化の最大のメリットの一つは、異なるベンダーのアプリケーションでもシームレスに協調動作できるようになったことだ。 以前のように、単一のベンダーからすべてのアプリケーションを買うのでなければ統合環境が整備できないなどということはない。APIを利用した連携によって、ユーザーは好みのアプリケーションを自由に組み合わせて使うことができる。NetsuiteやWorkdayのERP〔企業資源計画〕システムはZendeskの顧客サポートシステムと連携できる。ZendeskはJiveのソーシャル・ストリームと連携可能だ。クラウド・アプリケーションを相互に連携動作させるクラウド・スタックはソフトウェアのオープン化を強力に推進し、ユーザーのメリットを増大させる。しかし、現在Microsoftはこうしたクラウド・スタックで利用できるような新しいアプリケーションをまったく持っていない。

たとえばウェブ版Officeをサードパーティーのアプリ(たとえばBoxとか)と連携させようとしても、議会に法律を変えてもらえば別だが、APIをいじるだけではどうにもならない。こうしたクローズドなアプリケーションはOS独占が成立していた時代ならユーザーに選択肢がない以上合理的だったかもしれないが、IT資源が過剰なまでに溢れている現在では意味を失っている。Microsoftの新しい経営陣は、かつて「敵」とみなしていた企業のソフトウェアとオープンに協調動作していくことが決定的に重要だということを認識する必要がある。

プロダクト! プロダクト! プロダクト! (それにデベロッパーも) 全体としてみると、Microsoftのソフトウェア・プロダクトは過去の栄光にあぐらをかいていると言わざるを得ない。 ライバルがここ何年かで開発してきたiPhone、Android、Chrome、iPad、自動走行車、GoogleGlassといったプロダクトに比べると、Microsoftの成功しているプロダクトはすべてパソコン全盛時代にそのルーツがあるものばかりだ。

なんとかしてMicrosoftはサードパティーが次世代のスーパー・アプリ、スーパー・サービスを生み出せるようなプラットフォームを創設する方法を考えださねばならない

Microsoftが復活するためには、(再び)プラットフォーム企業となることが必要だ。Googleは検索をベースとした巨大なトラフィック、Chromeというブラウザの新たな標準、Androidによるアプリ市場などを提供することでいわば「善意の独占者」となっている。AppleもiOSによって巨大なアプリ市場を創設し、すでに多数の10億ドル級スタートアップを生み出している(Uber、Instagram、Angry Birds、Super Cell、Spotify等々)。なんとかしてMicrosoftはサードパティーが次世代のスーパー・アプリ、スーパー・サービスを生み出せるようなプラットフォームを創設する方法を考え出す必要がある。今回は成功したスタートアップをライバル視して片端から踏み潰すようなことをせず、エコシステムの育成に務めねばならない。

ビジョン 最近Microsoftが公にしている自社の定義は「Microsoftはデバイスとサービスの企業だ」というものだ。これはまるでディズニーが「われわれはテーマパークと映画の企業だ」と言うようなもので意味がない。「すべての家、すべてのデスクにパソコンを」というMicrosoftの創成期のビジョンは、当時としては「月に人間を送る」くらいの壮大なスケールの使命だった。株主やアナリスト向けの戦略を立案するだけでは十分ではない。消費者一般が理解し、共感できるようなユニークなビジョンを掲げることがぜひとも必要だ。

いくつか希望をもたせる兆候も現れている。Satya Nadella Qi LuTony Batesらの新しい幹部は従来とははっきり違うオープンなスタイルをMicrosoftにもたらしている。たとえば、今年のBuildデベロッパー・カンファレンスでデモ機にMacが使われた。10年前なら神聖冒涜行為と考えられただろうが、今ではMicrosoftも新しい現実を理解するようになってきた。ウェブやプラットフォーム・プロダクトについても従来よりアップデートnペースが早まり、四半期に数回もアップデートされることが珍しくない。数年前までの「アップデートは3年に1度」という体制から比べれば大きな進歩だ。

誰がレッドモンドの巨大タンカーの指揮を取ることになるのか分からないが、Microsoftを新しい現実に適応させるよう適切に舵取りができる人物であることを祈りたい。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


モバイル決済のSquare、ぐるなびと決済機能強化で提携–導入店舗をさらに拡大へ

モバイル決済のパイオニアSquareが新たに「ぐるなび」と決済機能の強化を目的とした提携を開始することを発表した。ぐるなびが提供するチェックイン/ポイントサービス、顧客管理サービスである「ぐるなびPRO認証システム(以下、ぐるなびシステム)」導入済の約1万店舗に向けて新しい決済手段を追加するようだ。

ぐるなびシステムは来店客が「ぐるなびウォレット」を利用し、お店にチェックインするとポイント貯めることができる他、お店側は客の来店回数や前回の来店日時を専用のタブレット端末に表示するようなサービスだ。

これまでのぐるなびシステムではクレジットカードの決済には別途専用の端末が必要であったが、今回の提携により、ぐるなびシステム導入済の端末でSquareを利用することで対応できるようになった。

なお、Squareは今月6日にもローソンとの提携により、カードリーダーを日本国内約1万店舗で販売を開始するなど普及促進を加速している。


タブレットは職場にも浸透しているがキーボードは捨てられない…Forresterの調査より

今や至る所でタブレットを見かける。PCよりもタブレットを使う人が多くなり、PCの売上は低迷している。でも、タブレットが人気だからといって、企業のIT部門が全面的にタッチインタフェイスに移行すべき、とはかぎらない。Forresterの最近の調査報告書によると、タブレットをキーボードで使いたい人が多い。つまりソフトウェアキーボードがどんなにもてはやされても、全員がフルサイズノートブックのQWERTYキーボードを戸棚にしまってしまうわけではないのだ。

Forresterが合衆国とヨーロッパの情報労働者1000名あまりにアンケート調査をした結果、62%が仕事でもタブレットを使いたいが、ただしワイヤレスのキーボードやキーボードドックアタッチメントもほしい、と答えている。35%は、コンバーチブルのラップトップを望み、34%は、必要なときはタブレットを使うが、タイピングの量が多いときはふつうのコンピュータを使う、と答えている。

Asusや人気三位のXploreなどは、いろんなサイズ・形状のタブレットを揃えているしキーボードアタッチメントもあるから、この調査結果を見て会心の笑みを浮かべるだろう。頑固なタッチ原理主義のAppleは、どうかな?(キーボードに前向きになるか?)。でもMicrosoftは、Surfaceタブレットに関して手放しでは喜べない。とりわけ、売上と製品の性能とWindows RTの評判が、あまりよろしくないからね。

またこの調査結果は、タブレット専用のキーボードアクセサリを作っているメーカーにとって朗報だ。社員の多くがiPadを保有している大企業などに、その“キーボード化備品”を売り込めるからだ。また、今後出てくるかもしれないハイブリッド機にも、十分な商機がありそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ウォンテッド、メール解析で連絡帳を作成するアプリ「CARD」をローンチ

日本のスタートアップ界隈ではエンジニアやデザイナーの人材採用時によく使われているソーシャルリクルーティングサービス「Wantedly」のβ版が公開されたのは2年程前のことだ。現在は約1,400社と5万のユーザーが利用しており、最近ではスタートアップだけでなく、複数の上場企業も同サービスを活用しているそうで、順調に成長している。

そして本日、このWantedlyを運営するウォンテッドが2つ目のプロダクトである名刺管理アプリ「CARD」のローンチを発表した。まずはiOSでのみ提供される。CARDを簡潔に説明すると「メールアドレスを登録するとメールを解析し、自動で連絡帳を作成してくれるアプリ」だ。

このアプリはメールアドレスを認証すると、受信したメールと送信したメールの本文を解析し、署名欄などから相手の名前、会社名、役職、電話番号といった情報を取得することで自動的に連絡帳をCARD内に作成してくれる。自動作成された連絡先はデフォルトの連絡帳のようにアプリ内で名前や会社名を入力し検索することも可能だ。

一度自分のメールアドレスをアプリで認証すれば、それ以降の更新は自動でやってくれるので、ユーザーが必要な作業はほとんど発生しない。また、メールは受信したものを全て解析して連絡帳に登録するわけではなく、1往復以上のやり取りをした相手だけ連絡先として登録する仕様になっている。

名刺管理サービスというと、本誌でも紹介した三三が提供する「Eight」(最近はTVでCMも放送している)やScanSnapとEvernoteを組み合わせるなどして、もらった名刺全て登録しておく利用法が一般的だが、CARDは「メールのやり取り」が基本なので、他のサービスと比べるとより密な関係にある人に絞った名刺管理サービスとなる。

ウォンテッドはWantedlyを見てわかる通り「何をするか」よりも「誰とするか」を重視しているから、このようなサービス設計をしたことにも納得できる。これを強調するかのようにCARDにはライブ機能と呼ばれるものもあり、これは他のユーザーの連絡先情報をリアルタイムにアップデートしてくれる。

ライブ機能をONにしておけば、自分が異動などをした際にプロフィールを更新するだけで、自分が登録されている他のユーザーの連絡帳で情報がアップデートされる。この機能を使うことで、一度関係を作れば、その後最新の情報が常に登録されている状態になるわけだ。

しかし、このような個人情報を取扱うサービスには、企業によってはセキュリティなどの不安があることも確かだろう。

この点に関しては「セキュリティはもちろん気にかけているし、メールの意味解析などはせず、アカウント情報は暗号化し、連絡先作成・更新に必要な情報は一定期間後に破棄している」とウォンテッド代表取締役社長の仲暁子氏はいう。

その上で、仲氏は「こういうもの(CARD)が便利だということを認識してもらいながら、使ってもらえる企業からどんどん展開していきたい」という。最近では大企業でもGoogle Appsを使ったり、iPhoneを支給してiCloudに接続しているケースもあるから、こういった取り組みを行っている会社には使ってもらえるのではないかと考えているそうだ。

Wantedlyでは転職者というごく一部の層にしかリーチできず、企業理念である「シゴトでココロオドル人を増やす」には対象者が少なすぎた。だから、CARDではビジネスパーソン全員をターゲットにして、”ココロオドル”人をもっと増やしていきたいと仲氏はいう。

今後の展開としては現在iOSにのみ対応のところ、他のデバイス・OSも順次提供。また、IMAPのみに対応しているがPOP3にも対応する予定とのこと。


仮想デスクトップで使うブラウザSpikes, 企業のセキュリティをより確実に

企業のネットワークのマルウェアは、その大半がブラウザから来るSpikesのCEO Branden Spikesは、ブラウザを仮想化し、リアルのデスクトップから分離して使えば、それらのほとんどを防げる、と考えている。その、WebKitを使っているブラウザは、オンプレミスまたはクラウド上の仮想化環境で動くが、外見はGoogleのChromeによく似ている(ただしURLバーがタブの上にある)。

以前はSpaceXやPayPalのCIOだったSpikesは、ユーザはこんなツールを待望していたのではないか、と語る。今のユーザはたしかに、リモートアプリケーションという概念には慣れている。しかし現状では、ブラウザをリモートデスクトップで使うことは、とくに対話性の濃厚なサイトの場合、快適な体験とは言えない。

Spikesのチームによると、同社はブラウザの使用感をネイティブのアプリケーションと変わらぬものにすることに、とくに力を入れている。そのためにSpikesはテキストをPNGにエンコードし、ビデオはH.264に切り替える。これによってレイテンシが最小になり、YouTubeのビデオだけでなくブラウザ上のゲームでも遅れを感じずにプレイできるという。

Spikesを使うためには、まずソフトウェアをダウンロードしてから自分のアカウントでサインインする。するとブラウザが自分のデスクトップで立ち上がる。ブックマークなどの個人化データは、当然恒久保存される。タブのコンテンツのメニューや、立ち上げ時に複数のタブを開くなど、これまでのブラウザにない機能もある(後者は今のブラウザでもできるが、機能として強調されていない)。そして、Spikesを使おうと決めた企業は、自社用のSpikesを心ゆくまでカスタマイズしてもらえる。

今はOS X用クライアントを準備中だが、そのあとはモバイルアプリをローンチする。“Windowsマシンだけでネットワークのセキュリティを確保することは不可能”、とSpikesは言う。

当面Spikesは企業顧客の開拓に力を入れるが、長期的には消費者分野への進出も考えている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


GrowthPushはグロースハックのためのプッシュ通知分析サービス

300万DLを達成している写真共有サービスのMy365を提供することで知られるシロクが、新サービスを開始した。GrowthPushと名付けられた新サービスは、字面から想像できるとおりプッシュ通知でグロースハックを手助けするためのサービスだ。具体的にはプッシュ通知をユーザーごとに最適化し、それを分析することでリテンションを高めることを目的としている。

グロースハックはユーザーの流入と流出について測定、最適化を行い、新規サインアップ数の増加、そこからアクティブユーザーの確保、さらにエンゲージメントの向上などプロダクトの成長を促すものだ。昨年後半ごろからグロースハックは日本でも注目され始め、今ではグロースハックに特化したイベントも開催されるほどになっている。

グロースハックの中でもGrowthPushはユーザーの継続率に焦点を当てている。というのも、リワードやアドネットワークを通じてユーザーにアプリをダウンロードしてもらっても、1週間後には大半のユーザーがアプリを使用しなくなってしまう。だから、アプリインストール後に開発者から行える重要なアクションの1つであるプッシュ通知でこの問題を解決したいとシロクCOOの向山雄登氏はいう。

GrowthPushではユーザーの属性、アクションの有無(例:課金/無課金)などでセグメント化し、文言や時間帯を変えてプッシュ通知を送ることができる。

例えばソーシャルゲームの場合、登録まもないユーザーと課金を何回もするほどのヘビーユーザーとでは送るべき内容が違ってくるだろう。使い始めならば、どのような使い方ができて何をすべきかを教え、ヘビーユーザーにはイベントのお知らせなどを積極的に送る方が効果が高いかもしれない。

Verizonやインテル、セールスフォースなどから出資を受けているプッシュ通知サービスを運営するUrban Airshipによると、プッシュ通知を送るのと送らないのでは半年後の定着率が2倍違うというデータもある

実際にシロクが運営するアバターアプリ「ピプル」では文言を分けてプッシュ通知を送ったところ、文言によってアプリの起動率が1.4倍から2.3倍も違ったそうだ。

しかし、プッシュ通知を送り過ぎてアンインストールされてしまう可能性があることも確かだ。この点に関しては今後データを集めながらアンインストールに繋がる頻度なども提供していく予定とのこと。

料金体系は5万リクエストまでは無料で、200万リクエストは2万円(スタートアップ)、600万リクエストは5万円(ビジネス)など5つのプランが用意されている。目安としては3万ユーザーほどの規模で毎日プッシュ通知を送るとスタートアッププランを、300万DLを突破したMy365規模になるとビジネスプランをそれぞれ少し上回るそうだ。

GrowthPushはSDKとタグを入れるだけですぐに利用でき、登録はこちらからできる。


ジェフ・ベゾス、ワシントンポスト紙をポケットマネー2.5億ドルで買収―その中味を検討する

ジェフ・ベゾス(Amazonではない)が2億5000万ドルのキャッシュを投じて名門紙、Washington Postを買収したというショッキングなニュースが飛び込んできた。ベゾスが買収したのはWashington Post本紙だけでなく、いくつかのローカル紙、 Washington Postのウェブサイト、Comprintという印刷会社も含まれる。Post自身の発表はこちら

ところでベゾスが購入したこの資産の健全度はどの程度なのだろう? まずは公開されている数字を見てみよう。ただし、Washington Postグループで売上の内訳を公表しているのはPost本紙だけだという点に注意する必要がある。

今年の第2四半期に、Postグループの新聞事業部の売上は1億3840万ドルで、対前年同期とほぼ同額だった。つまりベゾスが買った新聞事業は、ありきたりのイメージとは違って、急速に没落しているわけではない。

紙媒体のWashington Postの広告収入は5450万ドルで対前年同期比4%のダウンだが、これもまずは安定した状態だ。Washington PostとSlate.comのオンライン収入は合計で2980万ドル、前年同期比で15%の増加だ。BezosはSlateを買収しなかったのでPost単独での数字はこれより多少下がるだろう。しかしWashington Postの方が圧倒的に大きいので、その差はわずかだろう。

オンラインの広告収入は前年同期比で25%アップしている。ただしオンライン案内広告の収入は7%のダウンだ。これはどういう意味なのだろう? 簡単にいえば、Washington Postのオンライン広告は、部分的なダウンはあるものの全体として順調なペースで成長しているということだ。

紙媒体のからの収入の減少は発行部数の低迷を反映している。2013年上半期の日刊発行部数は前年同期比で7.1%減少して44万7700部だった。

Washington Postが赤字を出しているのか、出しているすればどれほどの額かを推定するのは難しい。主要業務である新聞事業部は2013年の上半期で4930万ドルの赤字を計上している。ただしそのうち3970万ドルは年金経費だ。さらにこの時期には1960万ドルの早期退職、レイオフ関連の費用が計上されている。

こうした年金、早期退職経費を除けば新聞事業は単体としては黒字である可能性もある。

証券取引委員会への提出書類にはこうある。

購入者は現在のPost従業員の退職後の福祉に関してすべての責任を負う。売却者は以前のPost従業員の退職後の福祉に関してすべての責任を負う。

つまりベゾスは過去の従業員の年金問題を引きずる必要がないわけだ。

非公開企業であるため、Postグループの財務情報には不明な点が多い。そのためベゾスが今回購入した会社のの正確な価値を推計するのは困難だ。しかしPostのデジタル収入が増加傾向にあり、紙媒体の漸減をカバーできる可能性がある。 ごく大まかに言えば、希望のもてる状態といえるだろう。この規模の新聞社に対して、異例に楽観的な評価と思われるかもしれないが、ベゾスが今後ビジネスモデルの舵取りに成功するなら、Postが金食い虫で終わることはないかもしれない。

もうひとつ考慮すべき点は、ベゾスがファウンダー、CEOであり大株主であるAmazonとの関係だ。たとえば、ベゾスはPostの有料購読をAmazon Primeサービスの一環に取り込み、それに対して(比較的少額だろうが)収入の一部を分配するといったことができるだろう。

ちなみにPost紙の運営コストは今後、減少していくはずだ。第2四半期の決算報告によれば紙媒体の経費は第2四半期で17%、上半期で14%で減少している。その主な理由は、発行部数の減少によるものという。なるほど。

トップ画像: Jon S

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


LinkedInのモバイル・アプリから直接求人に応募できるようになった―履歴書はプロフィールで代用

先月、LinkedInはiOSとAndroidアプリから求人を検索できるようにした。これに続いて、今日(米国時間8/5)、ユーザーは関心ある求人に対してモバイル・アプリから実際に応募ができるようになった。この場合、LinkedInのプロフィールを履歴書代わりに使うことができる。LinkedInではこの新機能は今日から全世界に公開されるという(ただし現在は英語版のみ)。

個別に履歴書を作成せずに求人に応募できるというのは興味ある進展だ。LinkedInのモバイル・プロダクト・マネージャー、Vaibhav Goelは「これまでモバイル・デバイスから応募しようとすると、小さなスクリーンで履歴書を編集してアップロードする手間が面倒だった」と語った。

LinkedInの新しい求人応募サービスにはいくつかの役割がある。ひとつはLinkedInの既存のプロフィールを履歴書に利用できることだ。しかしさらに重要な側面は、プロフィールがより魅力的な履歴書になるよう、ユーザーがLinkedInのプロフィールに自分に関する情報をあらいざらい掲載するよう動機づけられることかもしれない。LinkedInで求人する企業は従来どおり、応募のための企業自身の専用ページを訪問するようリンクを張ることもできる。しかしモバイル・アプリから直接応募ができる機能を追加したことで、今後はLinkedInプラットフォーム上での求職活動が増えることは間違いないだろう。

LinkedInのモバイル・アプリの中で求職機能が最近、ごく短期間で大きな人気を集めるようになった。そのためLinkedInでは4月にメジャー・アップデートをリリースした。すでに求人検索はモバイル・アプリの全トラフィックの30%を占めている(ちなみにLinkedInの全トラフィックのうち、モバイル・アプリからのものがやはり30%)だという。「デスクトップからは一切アクセスせず、もっぱらモバイル・アプリで求人を検索するメンバーも増えている」とGoelは言う。

LinkedInではモバイル・アプリからの求人への応募方法を紹介するページを公開している。

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Facebookの第2四半期決算は好調―売上は53%アップで18.1億ドル、モバイルは広告売上の41%に急上昇

〔この記事はAlex Wilhelm記者の執筆〕

今日(米国時間7/24)、Facebookは第2四半期の決算報告を発表した。売上高は18.1億ドルで、アナリストの売上16.2億ドル、1株当たり利益り0.14ドルという予測を上回った。

Facebookの第2四半期の売上は対前年同期比で53%のアップだった。アナリストは37%のアップと予想していた。第2四半期の同社の純利益は3億3300万ドルだった。前四半期、2013年の第1四半期の売上は14.6億ドル、1株当り利益は0.12ドルだった。

モバイル分野の売上は41%で前四半期の30%から11%ポイントも上昇した。2012年第4四半期には24%にすぎなかった。Facebookは急速なモバイル化に対応して利益を上げることができることを見事に証明した。投資家の懸念は一掃されたといえる。

実際、41%というのは予測を大きく超える驚くべき数字だ。しかし他の主要インターネット企業も同様のレベルでモバイル化に対応して収益を確保できるとは限らないことに注意する必要がある。Facebookのユーザーベースは比較の対象がほとんどないほど巨大であり、モバイル分野でもあらゆる種類の広告をそれにマッチしたユーザーに届けられるという圧倒的な優位性を持っている。

Facebookの売上の大部分は広告関連だが、各種の料金、手数料収入も2億1400万ドルあり、対前年同期比で11%のアップとなっている。

ユーザー統計でもFacebookは力強い成長を続けている。1日当たりのアクティブ・ユーザー数は対前年同期比で27%アップの6億9900万人、月間アクティブ・ユーザーは11億5000万人で対前年同期比21%のアップだった。モバイルでの月間アクティブ・ユーザーは対前年同期比51%アップの8億1900万人となっている。われわれのJosh Constine記者が先ほどFacebookユーザー統計に関する記事を公開している。

Facebookの資本支出は下がっているものの、依然として利益率確保の圧力を受けている。第2四半期の営業利益率は31%だった。

Facebookの今期のキャッシュおよび短期投資は103億ドルで良好な資本運用成績だ。市場の通常取引時間内にFacebookの株価は1%アップした。時間外取引ではさらに大きく上昇している。

トップ画像Emmanuel Huybrechts

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企業がNoSQLデータベースを導入するためのプラットホームDataStaxが$45Mを調達, 狙いはApache Cassandraの育成

ハイパフォーマンスでスケーラブルなNoSQLデータベースのプラットホームを提供しているDataStax が、Scale Venture Partnersが率いるシリーズDのラウンドにより4500万ドルを調達した。Draper Fisher JurvetsonとNext World Capitalのほか、以前からの投資家たちもこのラウンドに参加した。

DataStaxはこの資金を、同社のデータベースディストリビューション(配布系)の基盤でもあるオープンソースのNoSQLデータベース実装Apache Cassandraの、さらなるグローバルな構築と、それへの投資に充てていく。今回の投資は同社のIPOを示唆するものでもあるが、CEOのBilly Bosworthによれば、どうなるかは市場の方向性次第だ、という。“IPOは弊社の既定路線だが、それは外部要因に依存するところも大きい。しかし内部的には、すでにその準備を開始している”。

今回の資金調達を機にDataStaxは、同社のデータベースソフトウェアのエンタプライズ向けとコミュニティエディションをバージョン3.1へアップデートし、データロード能力の強化と検索の高速化、およびユーザザビリティの改善を約束する。

2010年に創業されたDataStaxは、今ではApache Cassandraの主席コミッターで、その製品はパフォーマンスの高さとスケーラビリティで定評がある。しかしCassandraは比較的新しいため、それを独力で使えるところは少ない。しかし需要は増えているので、DataStaxはCassandraに大きな投資をしてコミュニティをより大きくし、プラットホームの用途も拡大したいと考えている。今回の投資ラウンドでもDataStaxはCassandraへの投資を続けて、ミートアップの開催数を増やすなどの取り組みを行う。とくに重視するのが、今後の拡張先と考えているアジアとラテンアメリカだ。

この投資のタイミングは、多くの企業が、関係データベースから今のデベロッパたちに人気のあるデータ集約的なNoSQL環境への移行を始めている時期と合致する。NoSQLデータベースは、関係データベースが一台の専用サーバの上で動いたのに対し、コンピューティングの多くがマルチテナントのクラウド上で行われる新しい時代に向いている。その市場はオープン性が高くて、IBMも、もっとも人気の高いNoSQLデータベース技術と思われる10GenMongoDBへと標準化している。〔関連記事。〕

一方、データベース市場の新しいアイデンティティの模索は続いている。NoSQLはスタートアップたちの寵児だが、まだ多くの企業は長年使い慣れた関係データベース上のトランザクションシステムを簡単には捨てきれない。でも、そういう従来的な企業も近頃はデータの生成量が多くなっているため、今後はDataStaxのお客さんが増える一方だ。またこの市場変動は、ハイブリッド型のデータベースにも機会を与えつつある。たとえばNoSQLのプロバイダであるFoundationDBは先週、NewSQL系のAkibanを買収して、NoSQLのスケーラブルなパフォーマンスに関係データベースのトランザクション指向の強みを妻合(めあ)わせようとしている。

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Adobe、ソーシャル・マーケティング・ツールのAdobe Social 3.0をリリース―Instagram、LinkedIn、予測機能などを新たにサポート

Adobeは、ソーシャル・マーケティング・ツールのAdobe Socialのv3.0をリリースした。

先ほど、私はデジタル・マーケティング・プロダクト管理担当副社長のBill Ingramとプロダクト管理担当シニア・マネージャーのEmi Hofmeisterに取材したところだ。2人によると、Adobe Social 3.0はAdobeのマーケティング・アプリの再活性化を図る重要なステップなのだという。去年、Adobeはユーザー調査を実施した。その結果、Ingramの言によれば「われわれは製品を選ぶのが少々難しい 会社だと判明した」。

マーケティング関連だけでも26種類のプロダクトを販売していればそういうことになりがちだ。

そこでAdobeは製品系列を5つに絞った。Adobe Analytics、Adobe Target、Adobe Experience Manager、Adobe Media Optimizer、そして昨秋にローンチされたこのAdobe Sociaだ(1年にならいうちになぜバージョン3が出たのかというのはもっともな疑問だ。実はある込み入った理由から、昨年秋に出た最初のバージョンがSocial 2.0と名付けられていた)。

今回Adobe Socialに新たにFlickr、Foursquare、Instagram、LinkedInという重要なソーシャル・ネットワークがサポートされた(従来からサポートされていたのはFacebook、Google+、Reddit、Tumblr,、Twitter)。

また去る4月に概要が発表されていた最適サービス予測機能も実際に公開された。これはパブリッシャーに対してどのサービスで、いつコンテンツを公開するのが適切か推測して提案する機能だ。Adobe Marketing CloudというAdobeのすべてのマーケティング・プロダクトが横断的にサポートするユーザーインタフェースを利用するので、社内の関連部署との協力もスムーズになる。

Hofmeisterはこの新機能を次のような例でデモしてくれた。オンライン・パブリッシャーが最近人気のあるトピックを発見し、関連するページへのリンクを含む投稿の下書きを用意したとする。AdobeSocialは投稿予約の日程をスキャンし、空いている日時に投稿を予約するか、またはより効果的な日時を提案する。担当者が提案を承認するとその日時で投稿が予約される。

マルチポスト機能があるため、下書きを1度用意するだけでに複数のソーシャル・ネットワークに同一記事を同時に投稿できる。ネットワーク別に修正を加えることももちろん可能だ。そして当然だが、どのネットワークに対するどの投稿がどれほどの反応を呼び起こしたかがモニタされ、次回の貴重な参考となる。

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「ZOZOTOWN」のスタートトゥデイが「Stores.jp」のブラケットを完全子会社化 – 時価総額は約6億5000万円

ファッションECサイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイは「Stores.jp」などを運営するブラケットを簡易株式交換により完全子会社化したことを発表した。

スタートトゥデイはブラケットの1株に対し、350株を割当て、合計31万5000株を割当て交付している。スタートトゥデイの株価は現在(7月16日13時30分)2,071円なので、ブラケットの時価総額は約6億5,000万円となる。

プレスリリースによると、Stores.jpの店舗数は約4万を越え、その内70%以上はアパレルカテゴリー関連のストアだという。ストア開設者からの販売支援や物流サービスに対する需要が高まっていることなどを考慮し、両社のシステム基盤やサービス耐性を連携させ、さらに拡大成長を実現させたいとのこと。

ブラケットというと、最近はStores.jpが話題になることが多かった。昨年8月末にリリースされた同サービスはフリーミアムモデルで、4カ月後には黒字化、黒字化後は無料ロゴデザイン、ストアカード作成、段ボールの提供など、ストア開設者の満足度を向上させるべく、様々な取組みを行ってきた。

また、ブラケットは他にも様々なファッションサービスを展開していて、オンライン上で靴をデザインし、購入できる「Shoes of Prey」、モデルのマッチングサービス「ModelTown」、オンライン上でワンピースをデザインし、購入できる「PrivateRobe+」などがある(一覧はこちら)。

Stores.jp以外にもこうしたファッション系のサービスを多く展開していることから、スタートトゥデイとのシナジー効果は大きいだろう。

後ほど、今後の展開については取材してアップデートする予定だ。