MicrosoftのNokia買収に市場は冷ややかな反応―時価総額から166億ドルが消える

MicrosoftがNokiaの携帯電話事業と知的財産を買収するというニュースに対して、株式市場の反応を否定的だった。営業時間内取引でMicrosoftの株は6%下げた。

現時点で時価総額は166億ドルの減少だ。投資家はNokia買収に強い拒絶反応を示したことになる。ちなみに現CEOのスティーブ・バルマーが退任の予定を明らかにしたときのMicrosoftの時価総額の増加は180億ドルだった。つまりMicrosoftの株主はバルマーの退任を好感したのと同じ程度にNokiaの買収を嫌っていることになる。

MicrosoftはなぜNokiaを買収しなければならなかったのか? Nokiaは事実上Windows Phoneの唯一のメーカーだからだ。Windows Phoneでのシェアが90%にも上っているNokiaがMicrosoftから独立した存在であるのは、ユーザーインタフェースの統一性を守る上その他で、あまりにも危険だったということだろう。.

72億ドル払ってMicrosoftはハードウェアを含めたモバイル・プラットフォームのハードウェアの完全な支配権を得たわけだが、なぜ投資家にはこの決定が嫌われたのだろう? 

アメリカ国内の資金ではなく、税金対策のために海外にストックしてあるキャッシュが使えるので、実はMicrosoftにとってこの買収はまったく財政的負担にはならない。しかし一方でNokiaがこのところ赤字を垂れ流しているのも事実だ。Microsoftが買収したあとも収支が急に改善する見込みは薄い。

しかし市場の反応が否定的なのは、必ずしも財政面だけを考えてのことではないだろう。投資家はNokiaの現CEOでMicrosoft出身のスティーブン・エロップがMicrosoftの次期CEOに座ることを恐れたのだと私は思う。事前の拒絶反応だ。

画像:D.Begley

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機体を3Dプリントで作るリモコン無人機ヘリHex AirbotがKickstarterで早くも目標額の20倍に

Hexの小型無人ヘリAirbotは、中国のハードウェアアクセラレータHaxlr8rの二度目のデモデーに登場したが、チームはついにその安価な航空機を一般市販することを決意し、Kickstarterで資金の募集を開始した。

基本的な部分では、特異な点は何もない。そのほかの消費者向け無人機と同じく、Hexの機もBluetooth 4.0のあるスマートフォンでコントロールし、飛行時間は7分、別売のカメラモジュールを取り付けて飛ばせることもできる。姿勢安定システムを内蔵しているので操縦は楽だから、この小さなおもちゃで隣人たちを驚かして、楽しむのだ。

でも、これのどこが新しいのか? 消費者製品としてのリモコン無人機を作っているところは、すでに数知れずある。フランスのParrot、人気のARドローン、インドのSocial Drones、それに Andreessen Horowitzらが投資しているAirware、などなど。だから、競争はいよいよますます激しい。それに、あなたが平均的一般市民なら、こんなもの一体何に使うのか?と思ってしまうだろう。でもHexの連中は、他社に比べてアドバンテージがいくつかある、と信じている。

まず、この無人機の機体は完全に3Dプリントなので、HexのArnie Bhaduryによると、部分変更や、新しい機体をデザインすることが、相当容易である。

Bhaduryは曰く、“今ではハードウェア製品も、ソフトウェアなみに自由なアップデートが可能なのだ。だから、ユーザ自身によるカスタム化や個人化が十分にできる”。新たな機体や部品は3Dプリントでとても安くできるだろうから、そういったアクセサリ類も、今後はこの若い会社の収益源になるだろう。

お値段にも、文句のつけようがない。いちばんベーシックなバージョンでわずかに50ドルだから、ハードウェアハッカーたちの週末のひまつぶしに最適だし、Airbotが搭載しているArduino互換ボードをいじくって遊んでもよい。いちばんお高い469ドルのバージョンでは、ビデオ撮影送信モジュールと、そのビデオをリアルタイムで見るためのゴーグルが2基付く。Kickstarterに出てからまだ1週間だが、最初の目標額1万ドルはとっくに超えて、今や20万ドルに迫る勢いだ(日本時間9/3 18:00)。締切りは10月10日だから、時間はまだたっぷりある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


都市部で快適。自己資金運営にて大いに売り上げを伸ばす電動自転車のEvelo Ariesに試乗してみた

電動自転車を提供するEveloは、Boris Mordkovichが、チームメイトとともに準備したスタートアップだ。このEvelo、プロダクトリリースの準備が整うと、普通では考えられないキャンペーンを開始した。開発した電動自転車で、ニューヨークからサンフランシスコまでの旅を敢行したのだ。途中で何度もデモンストレーションのために行程をストップし、潜在顧客ないしディーラーへのアピール活動を行った。活動は奏功し、今では3モデルの電動自転車を販売し、2013年の売り上げも百万ドルを超える勢いだ。

Mordkovich曰く「数年のうちにはVCからの投資を受け入れるかもしれません」とのこと。電動自転車の市場は世界的に拡大すると見込まれており、年間84億ドルの売り上げを、2020年までに108億程度に伸ばしていきたいと考えているそうだ。Eveloは、まさにふさわしい時代に、適切なプロダクトを送り出している典型ということなのだろう。

記事で取り上げるのを機会に、Ariesというプロダクトを試してみた。マウンテンバイク風のスポーツバイクの外見だ。但し時速30kmほど(20miles/hour)で走ることができ、かつ65kmほど走ることの出来るモーターを搭載している。TechCrunchのサンフランシスコオフィスの周りを走ってみた。まずは「とても楽しい」というのが感想だ。少々重めのマウンテンバイクに乗っている感じなのだが、サンフランシスコの厳しい坂(汗をかきたくないという人にはとても役立つだろう)では、電力駆動が本当に役にたつ。

妙な期待をする人がいるといけないので言っておくと、Specialized Tuboのような、プロ向け自転車を製造するメーカーがリリースするような格好良い自転車ではない。ただ、Specialized Turboが5900ドルもするのに対して、Ariesは3分の1ほどの1995ドルとなっている。価格も非常に安いこともあって、都市交通手段の候補として、十分考慮に値しそうだ。私自身、ずっとサンフランシスコに住んでいるのであれば、おそらく購入を真剣に考えたに違いない。ぜひとも冒頭に掲載したビデオを見ていただきたい。


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(翻訳:Maeda, H)


あらゆるArduino機器用汎用無線通信モジュールFlutter, レンジ1000m強+メッシュネットワーク内蔵でKickstarterに登場

このKickstarterプロジェクトが成功したら、Arduinoを使ったデバイス間の長距離通信が、これまでよりも安く容易にできるようになるだろう。この、Arduino用のワイヤレス開発プラットホームFlutterは、通信可能な距離が半マイルあまりで、WiFiでは通信が難しいようなアウトドア活動に向いている。

想定される用途は、ホームオートメーション、クァドコプターのような飛行ロボット、環境監視システム、無線で制御する自動車などだ。要するにある程度の長距離で通信を必要とするArduinoデバイスなら、何でもよい。レンジは1000メートル強だがメッシュネットワーキングの機能が組み込まれる予定なので、複数のデバイスによってこのレンジを超えた距離をカバーすることも可能だ。

Kickstarterで8万ドルの目標を達成すると商用の生産が可能になり、Flutterのボードがペアで売られることになる。予価は20ドル、アンテナ付きのプロ仕様が30ドルだ。プロセッサはARM系のAtmel SAM3sを使っている。

Flutter Basicのボードには内蔵アンテナがあり、部品を裏表両側に載せているのでサイズが小さい。電源とプログラミングのためにマイクロUSBがあり、LED、ボタン、デジタルとアナログ用のI/Oポートもある。Proボードには電池充電器や、外付けアンテナがあり、ボタンの数もメモリもBasicよりは多い。

Flutterの製作者は、ボードのほかに簡単にプラグ&プレイできるキットもいろいろ企画している。たとえば家庭用基地局はEthernetやWiFiのルータに接続できる。スマートフォンと通信できるためのBluetoothシールドもあるので、将来的にはFlutterのモバイルアプリも可能だ。

単価が20~30ドルだから、かなり大規模な利用プロジェクトも比較的安上がりに実装できるだろう。

Kickstarterで資金を提供した者には、最低で25ドルのBasicボードから、最高475ドルまでのいろんなオプションが提供される。そのメニューは、Flutter Basic 5、Flutter Pro 5、RC Shield 4、Shield shield 2、Flutter Network Shield 1、Bluetooth Shield 1、Starter Kit 1、USB 10、Breakouts 12などだ。

暗号チップを内蔵していて、通信はすべて暗号化される。長距離の通信がどこかで傍受されても安全だ。

ファームウェアがすべてオープンソースであるだけでなく、設計図面も回路図も材料部品仕様書もすべて公開される。それは、現状をベースとしての改良やフォークを誰もが容易にできるためだ。ワイヤレス開発のためのチュートリアルも提供されるから、ユーザレベルでの今後の多様な開発が期待される。

…という相当意欲的なプロジェクトだが、まだまだ今後やることは多い。商用化に向けてのデザイン、ワイヤレスハードウェアがFCCの認可を取る、サポートのためのソフトやモバイルアプリ(iOSとAndroid)を作る、などなど。でも資金募集の方は、あと27日ある段階ですでに目標額の半分に近いから、明らかにメーカーたちコミュニティの広いニーズにフィットしたのだ。これだけの支持があれば、成功間違いなしだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


物のインターネットをJavaScriptで動かせるDIYボードEspruinoがKickstarterで資金募集中

Arduinoはすばらしいけど、初心者が手を出すには少々難しい。Espruinoは、“世界で初めてのプロアマ両用のJavaScriptマイコン”としてここ2年ほど一部のマニアたちに人気があったが、イギリスのケンブリッジに住む作者のGordon Williamsは、これをさらに磨き上げるためにこのたびKickstarterに登場させた。

Kickstarterで資金募集を開始したWilliamsの目的は、このオープンソースのハードウェアのためのソースコードを完成させて、正規のオープンソースコードとしてリリースすることだ。EspruinoプロジェクトのページでWilliamsは、Kickstarterに‘上場’したもう一つの目的は、Espruinoのソフトウェアをプレインストールしたボードを発売して、買った人がすぐにプログラミングを開始できるようにすること、と言っている。

このような、“物のためのJavaScript”というコンセプトは、デバイスが実際に目的どおりに動くようになるまでの過程を大幅に単純化するから、ハードウェアハッカーにとっては大歓迎だ。Williamsは、LEDを点滅させるだけ、という簡単な例で、EspruinoとArduinoを比較している。後者は、こんな簡単なものでもコードはかなり複雑になる。EspruinoのJavaScriptは、Web開発をちょっと経験した者には親しみやすいだけでなく、変更も拡張も容易にできる。Arduinoでは、同じことをやるために大量の作業が必要だ。

Williamsはソフトウェアデベロッパで、過去にAlteraやMicrosoft、Nokia Collbaoraなどで仕事をした経験がある。そして今は自分の会社で、音楽を3Dで視覚化するソフトMorphyreを作ってている。彼はケンブリッジ大学のコンピュータ科学出身だが、ハードウェアDIYのマニアでもある。彼がEspruinoを作ったのも、イベント駆動型のプログラミングにより、彼と同じ楽しみを分かち合える人びとを増やしたいからだ。

これを欲しい出資者は19ポンド以上を出す。発売予定は2014年の1月だ。Williamsは、ハードウェアの製作では経験豊富なので詳細な生産計画もすでに作ってある。出資額の多い人には、低電力消費の無線ラジオや多色LEDライトなども提供される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


スマートフォンから設定し、タッチで作動する未来の鍵、UniKeyがAmazonで予約受付け開始

タッチ作動のロック、UniKey Kevoは昨年からマスコミ、投資家、消費者すべての関心を集めていた。この自動ロックシステムはCBSのShark Tankという番組で紹介された後で総額275万ドルの資金調達に成功し、会社を立ち上げることができた。

このUnikeyがいよいよ予約を受付け始めたのを機に、われわれはUniKeyのファウンダー、Phil Dumasに株主のff Venture Capitalのオフィスでインタビューすることができた。

しかしまずはUniKey Kevoがどんなプロダクトなのかおさらいしておこう。

KevoロックはBluetooth 4.0を通じてユーザーを認識する。認識されたユーザーがロックにタッチするだけで解錠/施錠される。Lockitronのようなリモート操作機能は備えていない。Kevoは操作の簡便さを優先している。つまりユーザーは操作のためにいちいちポケットから鍵、スマートフォンその他のデバイスを取り出す必要がない。

Unikeyはアメリカ最大のロック・メーカーのKwiksetと提携しており、ロックの本体はKwikset製であるため、ドアへの取り付けは非常に簡単だ。

「スマートフォンでドアのロックを操作するシステムを開発したのはわれわれが最初ではない。しかしタッチするだけで解錠/施錠できる使いやすいシステムを開発したのはわれわれが最初だ」とDumasは言う。

しかし肝心のスマートフォンを失くしてしまったらどうするのか? Kevoのウェブサイトかアプリにログインすれば新しいデバイスを登録することができる。またKevoにはキー・フォブ(電子キー)が1個付属してくる。予備のフォブも25ドルで購入できる。

将来、Unikeyは自動車、旅行など他の分野にも進出する計画だ。やがてわれわれはガチャガチャと鍵束を持ち歩かなくてすむようになるだろう。またUnikeyはホームセキュリティーやホームオートメーションのシステムの企業とも提携していくという。特定の事態に対応して自動的に施錠したり解錠したりするようなスマートシステムが考えられている。

当面、Unikeyは予約注文を受け付けている段階だ。219ドルでAmazon、Newegg、Home Depot、Build.comで注文できる。出荷は10月になる予定。

〔日本版〕専用アプリを登録したスマートフォンを身につけたユーザーがロックに近づくと、Bluetooth 4.0でアプリとロックが交信しユーザーを認証する。この状態でロックの表面にタッチすると解錠/施錠動作が行われる。現在アプリはiPhone4S、5、iPod touch 5, iPad 3+ and iPad miniが開発ずみ。Andoroidなど他のプラットフォームは現在開発中。

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ワシントン大学の研究チームが世界初の人間での「脳波直接通信」に成功

ワシントン大学の研究者、Rajesh RaoとAndrea Stoccoは非侵襲的遠隔脳波インタフェースを開発し、RaoがStoccoの指を「思考」によって動かしてキーボードのキーを打たせることに成功した。

「これまでインターネットはコンピュータを結びつけるネットワークだったが、これからは人間の脳と脳とを直接結ぶつけることが可能になる。われわれは脳から知識を直接取得して他の脳に伝えようと努力している」 とStoccoはプレスリリースに書いている。

Raoは「脳から脳へ」のコミュニケーションを10年にわたって研究しており、ハツカネズミでは脳に装置を埋め込む手法ですでに成功している。今回の実験では、発信側被験者にモニタに映る画像を見せ、脳波測定器で脳の活動を捉えて、それをコンピューターで解析した上で、TMS(経頭蓋磁気刺激装置) を利用して受信側被験者の脳内に微弱な誘導電流を発生させた。受信側被験者はこの脳内電流に応じて発信側被検査者の動作を真似ることができたという。

現在のところ、研究チームは単純なビデオゲームの動作を送信することに成功している。発信側のユーザーがゲームをプレイするとセンサーが脳波を読み取り、手の動きを解析する。信号は受信側ユーザーの脳を刺激する。受信側ユーザーはその刺激に応じて発信側ユーザーの動作をなぞることができた。

ただしこれはSFによく出てくるようなマインド・コントロールではない。受信者は自由意思で指を動かすのであって、意思に反する強制は一切ない。またお互いに「思考内容」を読み取ることもできない。インターネットを通じて指を動かしたくなるある種のショックが脳内に伝えられると考えてよいだろう。

研究チームは今後さらに複雑な動きが送信できるようにし、また被験者の範囲も広げていく計画だという。

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FABtotumは工作マニアの夢―3Dプリンター、スキャナー、カッター、フライス盤などがひとつのボックスに

FABtotumは多様な工作機能がオールインワンになった3Dプリンターだ。カッター、フライス盤、彫刻機、さらに既存のオブジェクトをクローンするための3Dスキャナーなどプロトタイプを作るのに必要な工作機能がすべて含まれている。

ただし、今すぐに現物を手に入れることはできない。このプロジェクトを推進しているイタリーのスタートアップは現在、Indiegogoで5万ドルの資金を調達している最中だ。このチームはクラウド資金調達とは別に本格的な投資家も探している。創立は2011年でこれまでは個人的に調達した資金で運営されてきたという。Indiegogoの資金調達はゴール目前だ。

FABtotumの共同創業者、Marco Rizzutoはこう説明する。

これまでの3Dはデジタル・ファイルから実物を出力するという単一機能のマシンだった。これは柔軟性に欠けるし、プロフェッショナルな目的での利用ではたとえプロトタイピングにせよ、すべてがポリマー素材ですむわけではない。われわれは独自のテクノロジーによる4軸スキャナーでオブジェクトをスキャンするところからデジタル情報と実物をシームレスに融合させてすべての作業がこの一台で完結するようなシステムを目指した。

ユーザーは興味をもったオブジェクトをスキャンしてデータを友だちに送り、友だちはそのまま3D出力してもよいし、3Dデザイン・ソフトで修正、加工してもよい。ユーザーはFABtotumの切削系機能を利用して、スタイロフォームやPCB素材を成形することができる。つまりデザイナーやエンジニア、ホビーイストがプロトタイピングの際に通常行っているような作業がすべてFactotumでできる。

こうした多機能マシンは使い方が複雑になることが避けられないので、一般ユーザーが使いこなせるようになるのは先のことになるだろう。しかし安価にすばやくプロトタイプを作ろうとする熱心な日曜工作家やスモールビジネスからは熱烈に歓迎されそうだ。歓迎の度合いは、FABtotumのIndiegogoキャンペーンが締め切りまであと1月を残して60人の出資者から3万8000ドルを集めていることでも分かる。

Rizzutoによれば、FABtotumの直接のライバルはMicrofactoryのハイブリッド・マシンやAio Roboticsの3D-ファックス/プリンター、Zeus(Kickstarterで来月から資金調達を開始する予定)などだという。しかしFABtotumは価格やカスタマイズ性でライバルより優れているとRizzutoは言う。

FABtotumはレーザースキャン(高速用)、Zプローブによるスキャン(高精細度)の両方を備えている。3Dプリントの精度はZ軸で0.47マイクロメートル。最大出力寸法は210x240x240mmだ。

699ドルの出資で既存の3DプリンターをFABtotum式万能マシンに改造するキットが入手できる。999ドル出資すれば3Dプリンターを含めたフルキット(組立はユーザー)が得られる。早期出資者は849ドルで組み立て済みのFABtotumを入手できたが、この枠はすでに売り切れだ。組み立て済みのFABtotumは1099ドルになる。

〔日本版:FABtotumはfactotum(ファクトータム=雑用係、、何でも屋)の語呂合わせ〕

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Samsung、Galaxyのスマートウォッチを9月4日に発表すると確認―Galaxyスマートフォンと一体動作するアクセサリー・デバイスらしい

SamsungのGalaxy Gearスマートウォッチはウェアラブル・コンピューティングの次のビッグ・ニュースになるものと期待され、さまざまなリーク情報が流れていた。

今日(米国時間8/27)、Samsungのモバイル担当執行副社長、LeeYoung-heeはKorea Timesのインタビューに答えて、「Galaxy Gearはベルリンで9月4日に発表される」と述べた。これはIFAエレクトロニクス・ショーがベルリンで開催される2日前というタイミングになる。新しいスマートウォッチのOSはAndroidで、Samsungが開発した新しいフレキシブル液晶が採用されているという。

「Galaxy Gearはスマートフォンのユーザー体験を補強し、拡張する」とLeeは述べた。これはGalaxy Gearは単独の携帯電話製品ではなく、Glaxyデバイスのアクセサリー・デバイスだという最近の報道を裏付けるものだ。

さらにLeeはGalaxy Gearを「若くトレンドに敏感な層を主たる対象と考えている」とも述べた。つまりGalaxy Gearはアーリー・アダプター向けであると同時に、ある種のファッション・アクセサリーを狙ってもいるようだ。

最近のGigaOMの記事によれば、Galaxy Gearは2.5インチ、320 x 320のディスプレイとデュアル・コアCPU、Bluetooth 4.0 を備えているという。またアプリはSamsungの専用アプリ・マーケットからのみ入手できるらしい。これもまたSamsungのスマートフォンのアクセサリーだという説に合致する。

ベルリンの9月4日のイベントでは間違いなく新しいファブレットのGalaxy Note 3もお披露目されるだろう。 最近われわれが聞いた噂では、Galaxy Note 3は4Kビデオをサポートするかもしれないという。CPUはSnapdragon 800、2.3GHzでモニタは5.7インチ、RAMは3GBという情報もある。

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旧デバイスは死なず。但し去りゆきもせず堆積してゴミとなる

Network Worldに面白い映像スライドショーが掲載されている。私たちの「新しいもの好き」が、どういう状況を招いているかを示すものだ。掲載しているサイトが、ふだんは新しいものを紹介しているサイトである点はまあ置いておこう。「新しいもの好き」の招来する問題点を垣間見せてくれる面白いスライドショーに仕上がっていると思う。

スライドショーには、リサイクル工場の様子が数多く出てくる。2012年まで現役として使われながら、今や数十万台単位のゴミと化したミニテルの写真もある。ちなみにスライドショーに出てくる機器類の中では、きっとミニテルこそが最も大きな成功を収めたものだと言えるのではなかろうか。誕生から消滅の時まで、多くの人に使われ続けたデバイスだった。

ある意味ではミニテルとは反対に、ライフサイクルの中途にて膨大なe-無駄問題(e-waste)を引き起こしたのはAppleの30pinからLightningへの変更だろうと考えている。製品が大人気となって、したがって無駄の範囲が広がってしまったのは、もちろんAppleの責任ではない。しかしAppleのスペック変更により、価値を失ったアクセサリが数多く誕生してしまった。新しい機種にアップグレードすることにより、古くなってしまった(しかしまだまだ使えるはずの)iPodドックなどがゴミになってしまったのだった。

多くの人に見受けられる「新しいもの好き」な傾向は、あるいはかつてのニューヨークを襲った馬糞問題に似ているとも言えるのではなかろうか。進化し続ける技術が、何らかの解決策を生み出してくれるのではないかと期待してもいる。ただ、今のような流れが続けば、結局問題を先送りにすることにしかならないのではないかとも考えている。

読者のみなさんもスライドを見てみて欲しい。そして「定期的アップデート」を行う必要があるのかどうか、考えてみるのも大切なことなのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H)


Owletは、赤ちゃんの呼吸をスマートフォンで教えてくれる靴下。クラウドファンディング実施中

新しい親たちの生活はストレスで一杯だが、愛するわが子が息をしているかどうかを知る苦労はこれで軽減される。Owletは、赤ちゃんが寝る時にはく小さな靴下だ。これが心拍と呼吸の状態を伝え、モバイル機器を通じて子供をチェックできる。私は3人の親として、恐さと好奇心をもって静かに眠る子たちをのぞき見たことを思い出す。

早期ユニット予約のプレッジは159ドル(売り切れた後は199ドルに値上りする)。目標調達資金は10万ドルで、現在までに2万5000ドル集まっている。

センサーは、心拍数、酸素濃度、呼吸を測定し、寝返りを打つとアラームを発信する。体温も測定できる。Bluetooth LTEを利用しており、近くならスマートフォン、遠くからはインターネット接続されたパソコン経由で赤ちゃんをチェックできる。

似たようなツールは他にもあるが、ウェアラブル・デバイスとしてここまでうまく収めたものはない。赤ん坊のベッド用センサーは何ら新しいものではないが、親や小児科医に役立つ重要な情報を得られることは、実に重要だ。

ここで予約注文できる。11月には正式発売される予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


日本発Google Glass対抗「Telepathy One」が約5億円を調達して目指すものとは?

Google Glass対抗のメガネ型ウェアラブル・デバイス「Telepahy One」を開発するテレパシーが米国時間の8月21日、Firsthand Technology Value FundがリードするシリーズAラウンドで500万ドル(約5億円)の資金を調達したと発表した。新たにシリコンバレーに開設する研究開発拠点で人材の採用を加速するという。2013年秋にSDKを限定公開し、2014年の製品発売を目指す。テレパシーは同時に、アップルでQuickTimeの開発で中心的役割を果たし、MPEG4の標準化にも貢献したピーター・ホディ氏(Peter Hoddie)がアドバイザリボードに加わったことも発表している。

最初に普及するのは汎用的デバイスより、一点突破型

2014年の発売開始が噂されるGoogle Glassとともに市場に並んだ場合、どこにTelepathy Oneの勝機があるのだろうか。モバイル向け汎用OSとしてAndroidの完成度は高まっているし、エコシステムも大きい。Google Glassのようなウェアラブルデバイスに市場性があるかどうかは未知数だが、もしあるとして、オープンな開発環境を当初から備えたGoogle Glassに、Telepathy Oneは対抗できるのだろうか? Telepathy Oneは、少なくともリリース当初は限られたサードパーティしかアプリを開発できないようだ。

セカイ・カメラで一世を風靡した(そして後に期待の分だけ落胆もさせたと個人的には思っているが)、元頓智ドット代表取締役で、現在テレパシーを率いている井口尊仁氏は、こういった新しいデバイスが広まるのは「一点突破」によるのだと汎用指向を切り捨てる。東京・渋谷のオフィスで井口氏はTechCrunchに以下のように語った。

「(開発環境やエコシステムが)オープンというのが勝利につながるわけじゃない。それに、(アプリ開発を自社外に無制限に開放するのは)悪い言い方をすると第三者に使い方を考えてくれって言ってるようなものですよね。アップルのスティーブ・ジョブズがコア・アプリはみなさんに任せますとか最初から言ってたら怒りますよね。どういうふうにコミュニケーションが変わるんですか、という未来想像図をリアルに描いて提示しないと」(井口尊仁氏)

Telepathy Oneはシンプルなデバイスだ。超小型のプロジェクタによる映像が目の前に見え、ディスプレイが視野の一部に浮かんでいるように見える。ここに通信中の相手のカメラが捉えた映像が見える。つまりTelepathy Oneは「見ているものの共有」をするためのデバイスだ。映像を見る方はPCなどほかのデバイスでも構わない。通信が1対1なのか、1対Nになるのかも、まだこれからのソフトウェアの作り込み次第のようだ。

Google GlassとTelepathy Oneの印象はだいぶ違う。斜め上を見上げて画面を確認する感じになるGoogle Glassと異なり、Telepathy Oneでは映像が風景に溶け込む印象だ。ディスプレイ部を小さく保ち、アームもなるだけ視界をさえぎらないよう工夫を重ねているという。例えば光学系を手がけるのは元ソニーのエンジニア、バッテリは元パナソニックのエンジニア、というように日本の製造業のトップ企業からスタートアップの世界にチャレンジしに来たベテランエンジニアが東京のオフィスに机を並べている。

LTE搭載も噂されるGoogle Glassと異なり、Telepathy Oneの通信系はWiFiとBlootoothのみという割り切りで、スマフォなどを通してネットに接続する。コスト抑制やバッテリ持続時間の確保という意味と、いきなりキャリアを開発プロセスに巻き込むと自由度が低くなるという懸念があるという。

「かつてモトローラはRazrにiPodプレイヤーを入れたiPod携帯というものを作っていましたが、あまりにデキが悪くて、それにジョブズがぶちきれてiPhoneを作り始めたという話もあります」

「iPodの音楽プレイヤーのように、キラーアプリ、キラーデバイスがあったことで、iPhoneは弾みがついたわけですよね。iPodに相当するような有効なユースケースがあれば、第2フェーズからでもモバイルキャリアと組めます」

「iPodのクルクル回すホイール状のインターフェースとか、iPhoneのピンチ操作とか、それを触っているだけでも楽しかったですよね。同じように、Telepathy Oneでもジェスチャーという新しいインターフェースで、触っているだけでワクワクするようなもの作っています」

Google Glassが音声中心の操作であるのに対して、Telepathy OneはジェスチャーをUIの主軸とするという。

Telepathy Oneの狙いは「ディスプレイとUIの刷新」という。PCは、机に置いたビットマップディスプレイとGUI、マウスがセットだった。これをiOSは、携帯できる小型ディスプレイとマルチタッチジェスチャーで置き換えた。こうした変革に相当することを、Telepathy Oneではアイウェアとジェスチャーという組み合わせで実現しようとしているという。単眼カメラでジェスチャーを認識できる処理能力やソフトウェア技術が出てきていることが背景にある。「次世代のディスプレイとUI。これをきっちり入れたプレイヤーはiPhoneの次が取れる」(井口氏)。逆にスマートウォッチでは、結局スマフォに従属する便利な表示端末止まりになる。だから井口氏は投資家にスマートウォッチを開発したらどうかと言われても取り合わないのだという。

一点突破の「一点」とは何だろうか? 映像ストリーミング共有?

「動画共有とは違います。われわれは体験共有といっています。大きなビジョンとしては人間のコミュニケーションを変えたいということ。写真や映像の共有はUstreamやInstagramがあるが、そういうものを作りたいのではないのです。共有したいというとき、いかにステップを減らして楽しくやれるか。そうしたものができれば、究極的には電話を置き換えるのではないかと思っています」

説明を聞いても、上のデモ動画を見ても、肝心のコアアプリケーションとなる「コミュニケーション」の具体的な形がまだ良く分からない。本当に広げた風呂敷の大きさに見合うだけの新たな共有体験をTelepahy Oneは見せることができるのか。井口氏が、そこそこ売れるデバイスを目指しているのではない、というのだけは確かなようだけれども。


Nook、今四半期は対前年で売上20%減と試練続く―デジタル事業の分社化は否定

Barnes & Nobleがeブックとeリーダー事業から生じた損失を取り返すことは容易ではないようだ。

同社がさきほど発表した四半期決算報告によれば、Nook事業の売上は前年同期比で20.2%落ち込んだ〔B&Nでは今年の5-7月期を2014会計年度の第1四半期としている〕。Nookの売上は1億530万ドルで、前年同期比ではマイナスだったものの、前四半期の1億800万ドルからは上昇した。

Nookのハードウェア事業は対前年同期比で23.1%ダウンだったのに対してデジタル・コンテンツの売上は15.8の減少にとどまった。B&Nではこの不振の原因を一部はNookのタブレット、eリーダーのセールスの不振に求めているが、同時に今年はHunger Gamesや50 Shades of Grey三部作のようなブロックバスター作品が出なかったことも影響したとしている。印刷版、オンライン版を合計した小売事業全体の売上は10億ドルで対前年同期比9.9%のダウンだった。

今回の報告でB&NはNook事業に今後も注力していう姿勢を鮮明にしたといえる。会長のLeonard Riggioは以前言明していた小売事業の再編は中止するとし、「その代わりにB&NはNookの1000万台普及を当面の目標とする。そのために店頭およびオンライン販売の双方に力を入れる必要がある」と述べた。つまりB&Nは以前報道されていたようにNook事業と現実店舗の事業を分社化するのではなく、双方を一体として運営していくという路線を取るようだ。

Nook MediaのCEO、Michael P. Husebyもコメントを発表し、「Nookシリーズは今後も価値あるプロダクトとして市場jに提供される。現在複数の新機種を開発中であり、すくなくとも1機種はクリスマスまでに登場する」と述べた。Nookデバイスの製造をサードパーティーのメーカーに開放するかどうかについては依然触れられなかった。今朝の10時にカンファレンス・コールが予定されているので、何か新しいことがわかればフォローする。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Graft Conceptsは、iPhoneケースのスイスアーミーナイフを目指す

カードスロット。栓抜き催涙スプレー50口径弾丸に対する防御。人は何であれ出先で必要になるかもしれないものを、iPhoneケースにまとめる方法を考える。

しかし、Y Combinator出身のスタートアップ、Graft Conceptsは、あなたの基本的要求のすべてを一つのケースでまかなおうとしている。簡単なラッチ式フレームと交換可能なバックプレートを使って。その名はLeverage、ケースのフレーム自身がiPhoneのパンパーとしての役目を果たす。価格は通常のバックプレート付が40ドル、カードホルダー(カードが約5枚はいる)付が50ドル。追加のバックプレートは、デザインや材質によって7〜30ドル。

Graft Conceptの考え方は、着脱を簡単にして機能性を高めながら、iPhoneのスマートなデザインを損なわないことだ。腕時計の留め金からヒントを得た金属製ラッチは、フレームをiPhoneのまわりに固定し、着脱の際に傷を付けることもない。共同ファウンダーのAnthony Koはこの製品を、iPhoneケースの「スイスアーミーナイフ」と呼ぶ。用途に応じてバックプレートを交換できるからだ。

「ケースでiPhoneが傷つけられたり、外すのが困難という利用者の苦情は解決されていない。それがクイックリリース機構を開発した理由だ」と、共同ファウンダーのPeter Szucsが私にいった。「この方法 — バックプレートを取り替えるだけ — を採用したおかげで、われわれは商品を安く提供することができ、利用者は多くの種類のバックプレートを買うことができる」

Graft Conceptのファウンダーたちは、スマートフォンアクセサリービジネスを200億ドル市場だと言う。しかし、市場には既に支配的な立場にある会社や、参入しようとしている会社がたくさんある。OtterBox、Case-MateCygnett等だ。

重厚で保護性の高いケースで知られるOtterBoxは、iPhoneケース分野の主要なライバルだ。私の最初で唯一のiPhoneケースとして、OtterBoxは私のiPhoneケースをほぼ無傷に保ってきたが、私のテイストからするとやや無骨に感じることもある。標準ケースの白い材質は汚れを取るのがひどく困難で、イライラさせられてきた。

OtterBoxの主要機能は、Graft Conceptが重視していない点の一つでもある — 保護だ。ものを落とす傾向の強い者の一人として、これは私にとって最大の懸念だ。Leverageのケースは保護に関する落下テストを通過しているが、この薄いフレームは私のOtterBoxの頑強さと安心感からはほど遠い。しかしSzucsは私に、Graft Conceptは機能とデザインにより重きを置いている、と語った。

ファウンダーらは、デザインと3Dコミュニティーにアイデアを解放することによって、カスタマイズを推進しようとしている。Graft Concepは複数のサイトと提携して、バックプレートのカスタマイズを提供しているので、利用者はZazzleCOLOURloversを使って自分専用のバックプレートをデザインできる。同社はさらに、スタンドおよび自転車用マウントとして使えるバックプレートの3Dプリンティング用のファイルも提供している。他に、ヘッドホンのケーブル巻き取りや、バッテリーパック付のバックプレートも開発中だ。

GraftConceptsはこれまでに4万5000台のケースを販売しており、現在いくつかの小売店と交渉中だ。

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この分ではクリスマスまでにWindows PhoneのシェアはNokiaが独占する?

お断り:この記事のタイトルは誇張されている。しかしそれほど誇張されているわけではない。そこにMicrosoftにとっての問題がある。

AdDuplexグループが発表した今月のレポートによると、Windows Phoneの置かれている状況は7月とほぼ同様のようだ。Lumia 520は他のWindows Phoneを圧倒、HTCが後退した後、Nokiaは急速にWindows Phoneのデファクト標準になりつつある。

Nokiaのシェアは7月には85%だったが、8月には86.9%にアップしている。1ヶ月で約2%ポイント増加したわけだ。この分ではもともと小さいWindows Phoneのシェアのほとんど全部をNokiaが獲得するのも遠くないだろう。

またAdDuplexによれば、最新フラグシップモデルのLumia 1020はその直前にリリースされたLumia 928より売れているという。つまりNokiaのセールスは実際、増加していると推定してよい。Nokiaが今後数ヶ月このペースで売上を伸ばすのも不可能とはいえないだろう。エントリーモデルとしてはLumia 520が成長を続けているし、Lumia 1020はアメリカで100ドル値下げするなどマーケティング努力を強めている。

Nokia以外のWindows Phoneのメーカーは? HTCが辛うじて残っている。HTCのシェアは7月の11.5%から8月には9.8%に下落した。これはちょうどNokiaの増分と見合いになる。HTCのシェアが「無視出来るレベル」になるのはいつだろう? 5%を切ったときか? 今の傾向のままだとそれは3ヶ月先ということになる。つまりクリスマス前だ。.

Windows Phoneの出荷量は増えている。第4四半期にはおそらく1000万台が出荷されるだろう。しかしながら、なにかドラマティックな事態が起きないかぎり、この四半期のうちにWindows Phoneは事実上Nokia Lumiaファミリーに独占されることになりそうだ。

Windows Phoneにとって良いことか、悪いことか? 販売数が伸びるのはMicrosoftにとってネコにマタタビのように魅惑的だろう。しかしプラットフォームのサポートが縮小するというのは危険なことだ。Windows Phoneの運命は以前にもましてNokiaが握ることになった。Microsoftのモバイル事業はNokiaと運命共同体になっている。Windows Phoneというきわめて重要で、きわめて金のかかる事業がそういう状態になることはMicrosoftにとって居心地の悪い事態だ。

「MicrosoftはNokiaを買収すべきだ」という主張は、数多くのメーカーが争ってWindows Phoneを作ろうとしていた時期には意味をなさなかった 。しかしそんな時代はとうに過ぎ去った。今やNokiaが優れたプロダクトを作るのに失敗すればWindows Phone全体が崩壊しかねないという状況だ。いやはや。

画像:Vernon Chan

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Appleは9月のイベントでiPhoneのハイエンド機とローエンド機の新製品を発表するとWSJも報じる

今日(米国時間8/19)のWall Street Journalの記事によればAppleは9月にiPhone次世代モデルを発表するという。これにはハイエンド機とローエンド機が含まれる。これまでもわれわれはAppleが9月10日にイベントを開催し、そこでiPhoneを2機種発表するという情報を何度も聞いている。しかし今回のWSJの記事はこれをほとんど確定した事実という調子で報じているのが注目される。

WSJは発表される機種の内容については詳しく触れていないが、おそらくiPhone 5の後継機となる従来通り金属ボディーの5S(デュアル・フラッシュの内蔵やスペックの向上などが期待される)とカラフルなプラスティック製ケースで低価格のiPhone 5C(Sonny Dicksonからリークされた 上の写真のような)になるものと予想される。最終的な製品名がどうなるかはまだわからないが、基本的な内容は上記のとおりで間違いないはずだ。

もう一つ確からしいのは、iPhone 5Sにゴールドのケースが加わることだ。週末にわれわれが報じた後、AllThingsDも今朝確認した。発売開始が9月下旬になるというのも、これまでのiPhoneの発売スケジュール(発表後2週間で出荷開始)に合致する。

iPhoneを2種類一度に出荷するというのは供給上の困難が予想されるが、これまで何度も正確な観測を発表してきたアナリストのMing-Chi Kuoによれば、AppleはiPhone 5の製造能力を全面的にiPhone 5Cに振り向ける計画だという。

Appleのイベントに前後して最大のライバル、Samsungも新製品を発表するらしい。9月は仕事が忙しくなりそうだ。.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


E Ink、四半期ベースの営業利益は昨年比46%の落ち込み。出荷台数も昨年並みとの予測

KindleやSony ReaderといったE-reader(電子書籍リーダー)は5年前に登場してきたものだ。しかし既にその存在を危うくしつつあるようだ。ディスプレイメーカーのE Ink Holdingsの発表によると、四半期毎の営業利益は昨年比で48%の落ち込みとなり純損失が3360万ドルになったとのことだ。純損失を計上するのは初めてではないが、この4年間で最大規模となっている。また、2013年におけるE-readerの売り上げは1000万台から1500万台になりそうだとのことで、これは昨年とほぼ同様で既に成長傾向にないということが注目に値する。

E Inkの売り上げのうち、70%が電子ペーパー型ディスプレイからのもの。そしてそのほとんどはe-reader用となっている。電子ペーパーは消費電力が少なく、目に優しいというメリットがある。リフレッシュ速度が遅く、また白黒表示しかできないが、それでもE-readerやスマートウォッチなどの特定用途に向いているものだとして市場に受け入れられてきた。

今季の売り上げが伸びていない理由のひとつとして、E-readerのアップグレード時期にあたっているからだとする考えもある。つまり、需要の低下は季節変動要因によるものだという考えだ。しかしシェアのかなりの部分を占めるAmazonのKindleのアップデートは9月のイベント時期に行われており、今期の需要低下を時期的に当然のことであると結論付けるのは難しそうだ。

E Inkはホリデーシーズンになれば売り上げも伸びるはずだと強気の姿勢もみせている。しかし同時にE-readerへの依存度合いを減じたいとも考えている様子だ。また売り上げが伸びるかどうかは、アジアおよびロシアにおけるディスプレイ需要が伸びるのかどうかに強く依存しているという状況だ。

地域的にみれば、電子ペーパーの需要が伸びるところもあるのだろう。しかし全体的に考えれば、将来はさほど明るいものでもないように思える。北米および欧州での売り上げもE Inkが期待するほどのものにはなっていないようだ。E-reader以外にも7インチの格安タブレットが登場してきており、E-readerを選択する理由はなくなりつつあるのかもしれない。たとえばKindle Fireは159ドルだし、Nexus 7も269ドルという低めの価格設定となっている。

確かにE-readerに比べれば、タブレットによる電子書籍読書は快適さの面で劣るものかもしれない。しかし複数のデバイスを持ち歩くというのは、非常に負担になることでもある。E-readerというのは確かに一部の利用者からは絶対的な支持を集めるデバイスではある。しかし、そうした層に行き渡ってしまったとき、さらなる発展というのが望みにくいデバイスでもあるのだ。

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(翻訳:Maeda, H)


ベッドにくくりつける睡眠センサBeddit, 本体の資金募集額は達成したので次はクラウドアプリケーションに挑戦

最初は歩数計アプリだった。そしてその後、ありとあらゆるセンサが登場して、われわれの動きや運動、家で何をしているか、どんな睡眠をとっているか、などなどを調べ始めた。

先週は、フィンランドのヘルシンキ出身のBedditを取り上げた。同社はベッドに取り付ける睡眠センサのためにIndiegogoで資金募集をしていた。非常に感度が良くて、心拍数も計れるそうだ。同社は過去2年間、医療の専門家たちのための機器を作っていたが、今回149ドルという安価な消費社製品を出したのだ。

目標額の8万ドルには1週間ぐらいで到達したので、同社はさらに額を増やし、睡眠データのバックアップと共有のためのWebアプリケーションBeddit Cloudを作るための資金として20万ドルの目標額を掲げた。Beddit本体はBluetoothでモバイルアプリにつながる。

しかしBeddit Cloudができたら、BedditのユーザはプライベートなWebアカウントに自分の睡眠データを自動的にアップロードできる。そしてそのデータの時系列を視覚化して見たり、スプレッドシートにエクスポートしたり、ほかのユーザ(匿名)のデータと比較したりできる。

さらにそのデータを容易にソーシャルネットワークで共有できるし、またBeddit Cloud自身にも、Jawbone Upなどより汎用性のあるアクティビティトラッカーにもあるような、一般的なソーシャル機能も一部ある。そしてこのWebアプリケーションは、APIを公開してサードパーティ製のアプリの制作を可能にする。目標額を達成したら、Beddit Cloudは来年の第二四半期に立ち上げる予定だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


老人在宅モニタ機器の情報化とネットワーク化とモバイル(移動)化を初めて実現したAmulyte

テレビコマーシャルから流行語になった“I’ve fallen and I can’t get up”(転んじゃって起きれないの)は、今やお笑いネタにもされているが、でも実際にあなたのおじいさんおばあさんがそんな状況になったら笑い話ではすまされない。

カナダのWaterloo大学の同級生Jaclyn KonzelmannとPerry Haldenbyにも祖父母がいるので、今出回っている高齢者用のモニタリングシステムのどーしょーもない限界に気づき、もっと良いものを作ろう、と思い立った。それが、Y Combinatorの支援で立ち上がったAmulyteとその製品、ご老人用のより“スマートな”救命ガジェット(lifeline)だ。

Konzelmannは開口一番、“これまでの製品はどれも、30年前の技術を使って基地局だけに接続する”、と言う。そもそも、それを身につけた状態でずっと家の中にいるならよいが、ばあちゃんがちょっと散歩に出かけたときはどうなるのだ? バスに乗って遠くの友だちを訪ねた、なんて“想定外の”事件が起きたら?

ばあちゃんは、予約価格99ドルを払って、Amulyteを買うべきだったのだ。同社の、その名を“お守り(amulet)”に借りたガジェットは、首にかけたりポケットに入れておく小さなペンダントで、シンプルな外見だが中身は濃い。Amulyteはセルラー無線、WiFi、GPS、加速度計、そして全体をコントロールするマイコンを搭載しており、しかも電池は一週間もつ。最終製品はスピーカーとマイクを搭載して双方向通信ができるようになる予定だが、この小さなペンダントにそれらを詰め込むのが難しい。

もちろん、部品はユーザには見えず、見えるものは真ん中にある大きな’help’ボタンだけだ。そのボタンを押すと、あらかじめ設定されている連絡先全員に、音声やテキストで緊急情報が行く。深刻な状態なら、救急サービスも呼び出せるが、その区別の方法は目下検討中だ。

また緊急時でなくても、当人の身体情報をいつでもチェックできる。活動のレベルや位置などだ(WiFiを使うので屋内でもよい)。それらの情報はリアルタイムで送られ、介護担当者などがリモートで状態を知ることができる。もちろん、異変があれば駆けつける。

このような、ネット接続型のハードウェアの多くがそうだが、Amulyteもその利用に課金するつもりはない。Konzelmannは曰く、ハードウェアの代金だけでコストは十分にカバーできる。ただし月額30ドルの会費を払うと、携帯電話的にも使えるし、またAmulyteの健康モニタポータルにもアクセスできる。

老人モニタ器具/システムの革新を目指すスタートアップは、Amulyte以外にもある。バージニア州のBeCloseは昨年、独自の在宅モニタリングシステムを発売したし、Livelyは人間ではなく、家中のいろんな物の位置や状態を追う。それらの中でAmulyteの差別化要因は、家の外でも使えるし、介護者をはじめ複数の連絡先に情報が行くことだ(緊急時送信と常時モニタリングの両方)。文字通り“スマートな”製品だと言える。

ただし製品の完成と発売は数か月後だ。今二人はもっぱら、デザインを磨き上げ中で、いろんなプロトタイプ機を地元の老人ホームでテストしている。評判は概して良いが、消費社製品としての完成は来年初頭とのこと。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


自宅に個人用Dropboxを作るLima(元Plug)がChromecastに対応, Kicistarterの資金獲得額10位に

Plugが資金募集Kickstarterで開始してから、その後の36日は、驚異的だった。まず、Plugは商標権問題で名前を変えLimaになった。でもそのほかはすべて、元のままだ。その69ドルのアダプタをUSBのハードディスクにつなぐと、ディスクがパーソナルなDropboxになり、そこらのいろんなデバイスから使える。そして今度は、Chromecastでも使えるようになる。

使い方は、まずその小さなアダプタをルータと、一つまたは複数のUSBハードディスクにつなぐ。そして自分のコンピュータの上でLimaのアプリケーションを立ち上げると、あなたのファイルシステムの完全なシンク模像がLimaの上に出現し、ほかのデバイスからもアクセスできるようになる。家でも、外出先でも。この‘おうちでDropbox’の唯一の制限は、ストレージの容量がUSBドライブの容量に限定されることだ。

Limaの実態は、Linuxが動いている小さなコンピュータだ。そのLinuxはLimaのアダプタとユーザのデバイス(ルータ、コンピュータなど)をVPNで接続する。そうすると実感としては、ブラウザで自分のDropboxファイルにアクセスしてるのと同じになる。ただし、フォルダをどれかのデバイスにキャッシュできる、という便利なオプションがある。それは、Spotifyのオフラインのプレイリストボタンに似ている。また、料金を払う必要がないし、ファイルはAmazon S3など未知の場所に保存されず、あくまでも自分のデバイス上にある。Limaのアダプタは12月発売予定だ。

GoogleのChromecast対応は、SDKを利用してメディアのコンテンツを携帯やタブレットからテレビにストリーミングする。音楽でも写真でもビデオでもOKだ。100ドルちょっと(69ドル+35ドル)で、自分のコンピュータにあるものを、ソファに寝そべって見れるようになるのだ。

“Limaに保存されていたビデオはどれも自動的に再エンコードされる”、と協同ファウンダでCEOのSéverin Marcombesが教えてくれた。“各ビデオのh.264バージョンがLimaのキャッシュに保存される”。

この再エンコード(エンコード変換)は前から、Limaのユーザが自分のビデオを携帯やタブレットで見るために必要だった。とくに、ストリーミングビデオはh.264だけというiOSデバイスではそうなる。そこでチームは、それをさらに一歩進めてChromecastのサポートをiOSやAndroidのアプリに構築したのだ。

Limaのデバイスよりも印象が鮮烈なのが、Kickstarterでの資金募集だ。7月にぼくはこう書いた: “Kickstarterで資金募集が始まったが、目標額は69000ドルと比較的低い。このパリのスタートアップにはすぐに1000人ぐらいの支援者が集まり、目標額を達成するだろう”。ところが結果は、そんな生ぬるいものではなかった。

わずか12時間で、Limaは目標額69000ドルを突破した。24日で85万8000ドルを集めたLimaは、Kickstarterのテクノロジ部門で集めた資金額の第10位にのし上がった。10位内には、Form1(3Dプリンタ)やOculus Rift(拡張現実ヘッドセット)なども登場している。今野次馬たちの心は、100万ドルを突破するかどうかで、やきもきしている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))