ソフトバンクの好調な決算報告から同社が語らないWeWork回復の内情を探る

日本のテレコムコングロマリットであるSoftbank(ソフトバンク)のジェットコースター的な決算はいつもビジネスニュースの目玉になってきた。過去数年間同社が絶好調だと説明してきたストーリーの柱の1つはWeWorkだった。しかし問題のオフィスシェアリング企業の大失敗で好調さは一瞬で吹き飛んでしまった 。

数年前にWeWorkを包んでいたホットな炎は薄れ、「Billion Dollar Loser(10億ドルの敗者)」といった本にも取り上げられたWeWorkだが、最近のソフトバンクの財務プレゼンでは、WeWorkは滅多にスポットライトを浴びなくなっている。986億ドル(約10兆3800億円)であるVision Fund最大の投資先の1つであるにもかかわらず、2020年12月の同ファンドの四半期報告でも触れられていない。投資家向けプレゼンでも同社についての言及はない(ポートフォリオ一覧のページにはWeWorkのロゴが掲載されているが他社のロゴの中に埋もれている)。

財務から会社運営まで、ありとあらゆる悪いニュースを発してきたWeWorkだが、新型コロナウイルス流行後の世界における位置は予想よりもずっと良いようだ。

米国時間2月8日のソフトバンクが出した決算報告書の脚注を注意して読めば、WeWorkに関連したいくつかの良いニュースが埋もれているのに気づくだろう。WeWork向けの各種財務数字は2020年の最初の四半期と比較して13億6000万ドル(約1430億円)も改善している。

WeWorkが陥った不安定な状況を考慮して、ソフトバンクはその財務状況健全化のために家賃やローン支払いなど義務的経費をまかなうために多額の資金を確保していた。しかしソフトバンクによれば「主にWeWorkの信用状況が改善された」ため、2021年はWeWorkへの与信リスクが大きく改善されたという。WeWorkには、9カ月前のような財務的補助輪の必要性が薄れているという。

もちろんこうした数字は新手の会計操作かもしれないが、WeWorkのパフォーマンスが改善されしつつあることは、同社が再び上場を目指すことが期待されているというこの数週間の噂を裏づけている。

先週、Wall Street Journalは「ソフトバンクがSPAC(特別買収目的会社)を介して100億ドル(1兆500億円)でWeWorkの上場を図っている」という噂を報じた。この目論見はまだ正式に発表されておらず、SottBankはさらに2社、合計3社のSPACを設立しようとしている。つまりWeWorkを自社に統合する可能性は低いだろう。

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100億ドルという時価総額は2019年9月のロードショーでWeWorkが投資家を煽っていた強気な価格をはるかに下回っているが、それでも同社が2年前の首に重しのついた失敗企業ではなくなった可能性があることを示している。

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(文:Danny Crichton、翻訳:滑川海彦@Facebook

シンガポール拠点のライドシェアSWAT Mobilityが資金調達、日本におけるサービス開発に投資

シンガポール拠点のライドシェアSWAT Mobilityが資金調達、日本におけるサービス開発に投資

シンガポール拠点のモビリティスタートアップ「SWAT Mobility」の日本法人SWAT Mobility Japanは2月8日、資金調達を発表した。調達額は非公開。引受先はグローバル・ブレインが運営するグローバル・ブレイン7号投資事業有限責任組合(GB7号ファンド)など。またグローバル・ブレインは事業開発や知財戦略など多面的に成長支援を行う。

調達した資金により、日本におけるサービス開発への投資や、モビリティに関する国内の様々な課題解決を主導していく。

日本では、地方の人口減少と付随する移動人員の減少、路線バスの撤退などによる地域公共交通の利便性低下といった課題を抱えており、それら解決のため、独自アルゴリズムの開発強化からサービス展開までさらに投資していくという。

また、都市部を中心とする営業員・保守員の「移動」効率化、営業車両の削減によるコスト最適化を実現する、都市型法人向けライドシェアサービスの展開も進める。

SWAT Mobilityは、テクノロジーの力で「移動」に関する様々な課題解決を進め、効率的で消費者にとって最適な移動を実現する社会に向けて取り組む。

SWAT Mobilityは、最小の車両台数で、複数の乗客を効率良く相乗りさせる高精度のルーティングアルゴリズムを保有し、オンデマンド相乗りサービスを世界7カ国(シンガポール、日本、フィリピン、タイ、ベトナム、インドネシア、オーストラリア)で展開。

オーストラリアでは、オンデマンド公共バス(MetroConnect)を運行。トヨタ・モビリティ基金との協力の下、コロナ禍における医療従事者の通勤負担削減のためオンデマンド送迎サービスをタイ、フィリピン、インドネシアで運行した。

日本では、新潟市における市街地オンデマンドバス導入に向けた実証実験や、J:COMと共同で営業社員を対象とした都市型法人向けライドシェアサービスの活用を進めるなど、MaaS(Mobility as a Service)の観点から日本の市場環境に合わせた取り組みを実施済み。

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注文から15分でグローサリーを配達するCajooがパリでサービス開始

730万ドル(約7億7000万円)を調達したフランスのスタートアップCajoo(カジュー)を紹介しよう。同社は現地時間2月4日、携帯電話から注文したグローサリーを15分後に受け取れるサービスをパリで立ち上げた。

「私は2020年8月中旬にBolt(ボルト)を離れ、2人の創業者と一緒に15分で配達する会社を立ち上げました」と共同創業者でCEOのHenri Capoul(ヘンリ・カプル)氏は筆者に語った。Boltでの経験のおかげで、同氏はおそらくロジスティックとマーケットプレイス大規模運営について多少は知っている。他の創業者メンバーはGuillaume Luscan(ギヨーム・ラスカン)氏とJeremy Gotteland(ジェレミー・ゴッテランド)氏だ。

Cajooは他のサービスとどう違うのだろうか。フランスにはInstacart(インスタカート)もなければ、他のグローサリー配達専門サービスもない。その代わり、多くのスーパーチェーンが配達サービスを提供している。スーパーのウェブサイトやアプリからグローサリーを注文し、翌日か2日後に配達される。

一部の小売業者はより迅速な対応を試みている。CarrefourのLivraison ExpressやMonoprixのMonoprix Plusなどだ。AmazonもAmazon Prime Nowのサブサービスを通じて一部のグローサリーを配達できる。ただ注文品を受け取るまでに30分、1時間、あるいは2時間かかる。

しかしDeliverooやUber Eats、他の同様のサービスの成功が示すように、人々はいますぐ届けてほしいのだ。ユニットエコノミクス、労働法、小型店舗や自治体への影響のために性急さは持続不可能だと筆者は考える。それでも、Cajooにとっては十分な需要があるようだ。

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Cajooはフルスタックのアプローチで差別化を図りたいと考えている。同社は自前のマイクロフルフィルメントセンターを運営している。独自の製品棚卸表を持つ。できるだけたくさんの配達用車両を管理する。そしてもちろん顧客に直接販売する。

また、Glovo(グロボ)は顧客の地元のグローサリー店からの配達を提供している。しかし同社は数週間前にフランスから撤退した。店舗から直接購入することでは十分なマージンを生み出せなかったようだ。スペインでGlovoは自社運営するダークストアにフォーカスしている。

Cajooは、パスタやシャンプー、キャンディなど近くの店にあるようなあらゆるものを扱う。またワインやビール、スナックも注文できる。これらは儲けの多い部門であることが、Uberによる11億ドル(約1160億円)でのDrizly(ドリズリー)買収で証明されている。

関連記事:Uberがアルコール宅配サービスのDrizlyを約1150億円で買収へ、Uber Eatsの収益性アップを狙う

そしてCajooは現地時間2月4日、パリの9区とその周辺でサービスを開始した。パリ全体をカバーするのにマイクロフルフィルメントセンター10カ所が必要で、展開するのに数カ月かかると同社は考えている。

Cajooはまた、空き店舗、空きガレージ、新しいオーナー待ちの小型倉庫が数多くあるという現在の経済危機の恩恵も受けている。

「当社モデルの差異化要因は当社がマーケット価格で製品を提供するというところにあります。MonoprixやCarrefour Expressの店舗と同じ価格で、そして配達料金は2ユーロ(約250円)以下です」とカプル氏は話した。

Cajooは配達料金から売上高の大半を生み出そうとはしていない。配達料金は1回にアイテム1つだけ注文するということがないためにする、最低の設定になっている。その代わり同社は他の小売企業と同様、製品そのものからマージンを得る。

FrstとXAngeがCajooのシードラウンドをリードし、Chauffeur-Privé(のちにKaptenにブランド名を変更した)の2人の共同創業者も参加した。

筆者は配達スタッフに関する同社の計画について尋ねた。2020年Gurvan Kristanadjaja(グルヴァン・クリスタナジャジャ)氏がLibérationで報じたように、フランスではフードデリバリー企業で働く請負労働者に関して深刻な問題がある。たとえばFrichtiの配達スタッフのかなりの割合が不法移民だ。DeliverooやUber Eatsの一部の配達員は不法移民にアカウントを貸している。

Cajooは配達をさばく従業員を雇用し、彼らに電動自転車を貸与するつもりだとカプル氏は話した。しかし同社はまた請負業者やフリーランサーなどのパートナーとも協業する。

「当社はDeliverooやUber Eatsと同じスタンダードにしたくありません。適切な配達スタッフを雇用し、労働許可を持っていることを確かめることは重要なことです」と同氏は述べた。各マイクロフルフィルメントセンターにはトイレや次の注文を待機する場所も設置される。

人気が出るにつれてCajooが長期にわたって高品質を維持できるかどうかが今後重要になる。少なくとも、同社のサービスは正しい考え方で始まっている。

画像クレジット:Cajoo

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画像クレジット:Cajoo

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(文:Romain Dillet、翻訳:Nariko Mizoguchi

配車サービスGrabが東南アジアでの新型コロナワクチン接種拡大を支援するプログラムを発表

東南アジアの配車サービス・オンデマンドデリバリー大手Grab(グラブ)は米国時間2月3日、新型コロナワクチン接種へのアクセスを拡大するためのプログラムを発表した。同社の目標は、2022年までに全従業員、ドライバー、配送パートナーを対象にワクチン接種を実施することだ(医学的に接種を受けられない人を除く)。また、Grabは各国政府と協力し、アプリを通じてワクチンに関する情報を提供すると述べ、ラストマイルのワクチン配布や、接種センターへの送迎サービスを提供するための協議を行っているという。

同社は現在、東南アジア8カ国で事業を展開している。シンガポール、カンボジア、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、タイ、 そしてベトナムだ。Grabは、各国政府のワクチン接種プログラムを支援しようと名乗りを挙げた多くの民間企業の仲間入りをしたことになる。米国ではMicrosoft(マイクロソフト)、Oracle(オラクル)、Salesforce(セールスフォース)、Epic(エピック)などのハイテク企業がその中に含まれる。一方、中国最大の配車サービスであるDidi Chuxing(滴滴出行)は、13カ国のワクチン接種プログラムを支援するために1000万ドル(約10億5000万円)の基金設立を約束している。

「少しでも早く集団免疫を獲得できれば、我々の地域社会と経済の再建を早急に開始することにつながります。パンデミックとの戦いのいくつかの大きな局面で、官民のパートナーシップは重要な役割を果たしてきました。このコラボレーションは続けていくべきです」。

ドライバーと配送パートナーに対しては、国のワクチン接種プログラムでカバーされていない新型コロナワクチンの費用を助成するとGrabは述べている。また、同社はグループ長期医療休暇保険を拡大し、ワクチン接種による潜在的な副作用の結果としてドライバーが失った収入をカバーするという。従業員とその近親者においても、各国のワクチン接種プログラムでカバーされていない費用はすべてGrabが負担するとのこと。

ワクチン教育の面では、Grabのアプリは政府や保健当局の情報を目立つように表示し、新型コロナワクチンに対する国民感情を理解するためのユーザーアンケートを実施していく。Grabによると、同社アプリは2億1400万回以上ダウンロードされているという。

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タグ:Grab 新型コロナウイルス

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(文:Catherine Shu、翻訳:Nakazato)

カリフォルニア最高裁がギグワーカーを個人事業主に分類するProp 22を違憲とする訴訟を棄却

カリフォルニア州最高裁判所は米国時間2月3日、同州のライドシェアドライバーのグループとService Employees International Union(国際サービス従業員労働組合)が提出した、Proposition 22を違憲とする訴訟を棄却した。

「私たちの声を聞かなかった最高裁判所の決定に失望しています。しかし、生きるための賃金と基本的人権を勝ち取るための私たちの戦いを止めることはできません」と原告の1人であるHector Castellanos(エクトル・カステリャノス)氏が声明で語った。「私たちは、Uber(ウーバー)やLyft(リフト)のように自身の利益を改善するために、民主主義を覆し私たちの権利を侵害する会社から、カリフォルニアの労働者を守るためにあらゆる手段を講じるつもりです」。

本訴訟は、Prop 22は州議会がギグワーカーのための労働補償制度を制定、施行することを困難にしていると主張している。さらに、Prop 22は投票法案は単一争点に限るという規則に違反していること、および何を法案の修正条項とするかを憲法に反して定義していることも主張している。現在Proposition 22の修正には、議会の7 / 8という圧倒的多数を必要だ。

「私たちはカリフォルニア最高裁判所がこのメリットのない訴訟を却下したことを喜んでいますが、驚いてはいません」とProp 22を支持し「Yes on 22」キャンペーンに協力したライドシェアドライバーのJim Pyatt(ジム・パイアット)氏は声明で語った。「私たちはこの判決が、ドライバーを圧倒的に支持してProp 22を通過させた有権者の意志を無にしようとするグループに対して、行動を中止するよう強い信号を送ることを望んでいます。この投票提案はカリフォルニア州の政治的立場を越える60%近い有権者から支持されたものであり、そこには何十万人ものライドシェアドライバーも含まれています。今こそ、カリフォルニア有権者の大多数を、そしてProp 22に最も影響を受けるドライバーたちを尊重するときです。

一方、Uber、Lyftをはじめとする各社はProp 22と同じような法案を他州でも推進する考えだ。UberとLyftのアンチ「ギグワーカーは従業員」のスタンスを考えると、UberとLyftが個別に、他の州や世界で同様の法案を推し進めるといったのも驚きではない。

たとえばLyftは独立請負人としての分類を推進する外部団体を複数設立した。Illinoisans for Independent WorkNew Yorkers for Independent Workがそのうちの2つだ。前者は2020年6月に設立されLyftが120万ドル(約1億3000万円)の資金を提供している。提出資料による。同団体の表明された目的 は「本組織の思想と独立した仕事の価値を共有する立候補者を支援すること」となっている。

しかし本誌が以前報じたように、Prop 22の実現は一部のギグワーカーが従業員の地位を得ようとする戦いの終わりを意味していない。協調した取り組みは2021年も進められており、来たるべき次の立法バトルに備えて準備を続けている。

関連記事:ギグワーカーと労働組合がギグワーカーを個人事業主に分類するProp22を州憲法違反として提訴

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タグ:Proposition 22UberLyftカリフォルニアギグワーカー裁判

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(文:Megan Rose Dickey、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Uberがアルコール宅配サービスのDrizlyを約1150億円で買収へ、Uber Eatsの収益性アップを狙う

Uber(ウーバー)は米国時間2月2日、アルコールデリバリーサービスのDrizlyを買収する計画を発表した。約11億ドル(約1150億円)の買収には株式と現金が含まれており、2021年前半に完了する見込みだ。計画では、DrizlyのマーケットプレイスがUber Eatsアプリに直接組み込まれる予定だが、同社は当面の間Drizlyのスタンドアロンアプリの提供も維持するとしている。

確かに、両社のマーケットプレイスには適合性がある。Uberは基本的なライドシェアと配送技術を提供しているが、Drizlyは同社がUber Eatsをさらに収益性の高いサービスに発展させるのを助けることができる。

「Cory Rellas(コリー・レラス)CEOと彼のすばらしいチームは、Drizlyを信じられないほどのサクセスストーリーに育て上げ、前年比300%以上の利益を上げています」と、UberでCEOを務めるDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏はリリースで語った。「DrizlyをUberファミリーに取り込むことでDrizlyをUberの利用者に知ってもらい、数年後にはそのプレゼンスをグローバルな拠点に拡大することでその軌跡を加速できます」。

このサービスは米国全土の市場で着実に展開されているが、現地の酒類に関する法律が拡大のハードルとなっている。2021年1月にはアトランタをサービスリストに加え、地元の十数軒の市場や酒屋と提携して配達地域を拡大した。Uber Eatsのように、Drizlyはサービスを提供する市場で地元の小売店と提携している。Drizlyによると、同社のサービスは北米の1400以上の都市におよんでいるという。パンデミックに関連したロックダウンも、アルコールデリバリーの魅力を拡大するための一助となっていることは間違いない。

Crunchbaseによると、2012年に設立されたボストンを拠点とするDrizlyは現在までに1億2000万ドル(約130億円)弱の資金を調達している。その中には、2018年後半のシリーズCで調達した3450万ドル(約36億円)が含まれている。最近では、同サービスはデータ漏洩に見舞われた。2020年7月に公開されたこの出来事では、最大250万件のアカウントが影響されたとみられている。

Uberによると、Drizlyの株主への支払いの約90%はUberの株式で行われ、残りは現金で支払われると予測されている。この買収は、規制当局の承認待ちとなる。

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(文:Brian Heater、翻訳:塚本直樹 / Twitter

UberのAutocab買収を英国の競争監視当局が調査

タクシーやPHVのグローバルトリップマーケットプレイス「iGo」を運営するタクシーと自家用車業界向け予約・配車ソフトのSaaSメーカーことAutocabを買収するUberの計画は、英国の競争監視機関である競争・市場庁(CMA)によって調査されていることが米国時間1月29日に明らかになった。

競争監視機関はこの合併について、詳細な調査を行うかどうかを決定する期限を3月26日としている。

Uberは2020年8月、英国を拠点とするAutocabを買収する意向を発表した。

従来のタクシーや自家用車会社と競合する配車サービスを提供するUberが、Autocabの代替旅行予約市場を閉鎖したり、自社の配車サービスが展開されている一部の市場で閉鎖したりした場合、競争上の問題が生じる可能性がある。

買収を発表した時点でUberは、AutocabによるSaaSとiGoの国際展開をサポートする計画だと述べていた。この動きはまた、配車サービスが新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの間に需要が逼迫していることから、Uberのドライバーが自社のプラットフォーム以外から配送などの仕事を得る機会を増やすことを意図しているようだ。

それにもかからず、AutocabのマーケットプレイスであるiGoとUberの中核的な乗車サービスとの重複は、競争のリスクについての疑問が生じる可能性がある。

CMAはこの合併について、2月12日までにコメントを提出するように求めている

「この取引がもし実施されれば、CMAはEnterprise Act 2002の合併条項の下で、関連する合併状況を作り出すことになるかどうかを検討しており、またもしそうであれば、そのような状況が商品またはサービスに対する英国の市場内の競争を実質的に減少させることになると予測されるかどうかを検討しています。この評価を支援するため、CMAは利害関係者から取引に関するコメントを募集します」。

Uberの広報担当者はこの調査について「私たちは英国のCMAの調査に全面的に協力し、可能な限り迅速に調査を終了できるようにしています。この買収は消費者にとってプラスであり、地元のオペレーターの成長を助け、ドライバーに真の収益機会を提供すると私たちは確信しています」と述べた。

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(文:Natasha Lomas、翻訳:塚本直樹 / Twitter

月定額のマイカー賃貸サービス「カルモ」を展開するナイルが50億円超の資金調達

月定額のマイカー賃貸サービス「カルモ」を展開するナイルが50億円超の資金調達

デジタルマーケティング事業、メディアテクノロジー事業、モビリティサービス事業を営むナイルは1月18日、総額約37億円の第三者割当増資を実施し、さらに複数金融機関から合計13億円を上限とする融資契約を締結、総額で50億円超の資金調達を実施したと発表した。

引受先は、DIMENSION、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、環境エネルギー投資、博報堂DYメディアパートナーズ、SBIグループ、日本ベンチャーキャピタル、グリーベンチャーズ、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム、その他個人投資家。累計資金調達額は55.7億円となった。

今回の資金調達により、同社は「おトクにマイカー 定額カルモくん」におけるマーケティング活動を強化、またより価値あるサービスとすべく、自動車整備工場や自動車ディーラー、サービスステーションなど自動車関連事業者様とのアライアンスを強化・拡充していく。さらに、モビリティサービス事業のみならず、同社運営の各事業との親和性が高い企業のM&Aについても積極的に検討するとしている。

月定額のマイカー賃貸サービス「カルモ」を展開するナイルが50億円超の資金調達

同社は、2018年1月に定額カルモくんをローンチ。頭金なし・ボーナス払いなし、税金、自動車損害賠償責任保険料コミコミで月1万1700円という月額料金から新車に乗れるサービスとなっている。

同サービスは自動車購買プロセスにおけるDXをテーマとし、完全非対面でのインターネット販売にて展開。過去3年間で累計4万5000件に及ぶサービス申込みがあったという。

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タグ:カルモ資金調達(用語)日本(国・地域)

ギグワーカーと労働組合がギグワーカーを個人事業主に分類するProp22を州憲法違反として提訴

カリフォルニア州の配車サービスのドライバー団体と、サービス従業員国際連合(SEIU)は、米国時間1月12日、同州住民立法案Proposition 22を、カリフォルニア州の州憲法に違反するとして提訴した。この訴訟の目標は、カリフォルニア州のギグワーカーを個人事業主に分類することを決めたProp 22の撤廃だ。

カリフォルニア州最高裁判所に起こされたこの訴訟は、同州議会によるギグワーカーのための補償制度の立法化と施行が、Prop 22によって阻害されると訴えている。またProp 22は、住民投票は1つの問題に限定することを定めた法令に違反し、州憲法に違反して規定された法令の修正条項であると主張している。現状では、Prop 22の修正には立法府の8分の7という圧倒的多数の賛成を必要とする。

「私のような配車サービスのドライバーは、毎日家計のやりくりに苦労しています。Uber(ウーバー)やLyft(リフト)といった企業が、我々の幸福よりも自社の利益を優先させているからです」とこの訴訟の原告であるサオリ・オオカワ氏は声明の中で述べている。「Prop 22によって、彼らは我々の健康と安全をないがしろにしているばかりか、私たちの州憲法も踏みにじっています。私は、この問題が、我々の労働から利益を得ている裕福な企業幹部ではなく、法律を作ってもらおうと私たちがが選出した人たちに懸かっていると思い、この訴訟に参加しました。裁判所はProp 22が企業の権力掌握のためだけのものであることを認め、Prop 8やProp 187と同様、Prop 22が憲法違反の法令という汚名を着ることになると信じています」

この訴訟は、ギグワーカーとテック企業との間で続けられてきた長い戦いの中の新たな一戦だ。その間、UberとLyftは、Prop 22と同等の法律を他の地域にも求めてきた。UberもLyftも、ギグワーカーは従業員ではないというスタンスを保っているため、両社がそれぞれ個別に、同様の法律が他の地域や他の国でも施行されることを望むと語ったところで、驚くにはあたらない。

Uber、Lyft、DoorDash(ドアダッシュ)からは、すぐにコメントは得られなかった。だが、Prop 22を支持するYes on 22キャンペーン、またはProtect App Based Jobs & Services(アプリベースの仕事とサービスを守れ)運動の支援者が、TechCrunchに以下の声明を送ってくれた。

「アプリベースのドライバーの大半を含む1000万人近いカリフォルニアの有権者は、歴史的にも新しい保護が受けられ、ドライバーの独立が保てるProp 22を通過させました」と、Prop 22を支持するUberドライバーJim Pyatt(ジム・パイアット)氏は述べている。「政治的な立場を超えて多くの有権者たちが明確な主張を繰り広げ、Prop 22を圧倒的大差で承認しました。疑いようのない民主主義による人々の意志をむしばもうとする無意味な訴訟は、法廷の審議を耐え抜くことはできません」。

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タグ:Proposition 22カリフォルニア裁判ギグワーカー

画像クレジット:JOHANNES EISELE/AFP via Getty Images / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

テレワークスペース・シェアの「テレスペ」が「ワイン飲み放題付きテレワーク」プランを提供開始

テレワークスペース・シェアの「テレスペ」が「ワイン飲み放題付きテレワーク」プランを影響開始

テレワークスペースのシェアサービス「テレスペ」を運営するテレワーク・テクノロジーズは1月12日、パートナーズダイニング運営の「ワインバルESOLA 新宿店」において、12時〜20時までの日中を電源/Wi-Fi付きテレワークスペースとして利用できる「ワイン飲み放題付きテレワーク」プランの提供開始を発表した。飲み放題の付かないプランも用意している。

利用料金は、ワインセルフ飲み放題プランが1人1時間税込1000円から、飲み放題なしプランは1人1時間税込300円から。

緊急事態宣言により夜営業ができなくなった飲食店において、昼営業時間帯とランチ時間以降のアイドル時間帯を活用し新たな収益としつつ、テレワークを行うビジネスパーソンにワークスペースを提供することで、店舗の認知を高めて本業の飲食業へ集客する効果も期待できるとしている。

テレワークスペース・シェアの「テレスペ」が「ワイン飲み放題付きテレワーク」プランを影響開始

  • 利用可能日:1月11日より開始済み。当面継続して提供
  • 実施店舗:ワインバルESOLA新宿店(東京都新宿区歌舞伎町1-16-3 セレサ陽栄新宿ビル 5F)
  • 利用時間:12時~20時(お酒の提供は19時まで)
  • 利用人数:1名または2名
  • 利用料金:ワインセルフ飲み放題プラン1人1時間税込1000円から、飲み放題なしプラン1人1時間税込300円から
  • 提供内容:電源とWi-Fiが完備されたテーブル席を用意。ワインセルフ飲み放題プランは赤ワイン、白ワイン、スパークリングワインのセルフ飲み放題。店舗で追加料金を払うことでフード類も提供も可能
  • 利用方法:LINE上で「テレスペ」を友達登録およびクレジットカードを登録した上で、直接店舗へ来店。予約はできないため、来店前にテレスペで残り席数の表示を確認するとスムーズに利用できる

コロナ禍での飲食店、特に夜を主体とするワインバルなどのお酒業態は売上が回復しないためにランチ営業を行わざるを得ない状況となっている。しかしいきなりランチ営業を始めても、飲食客が「ランチ営業を行っていることの認知」を得るまでには時間がかかっているという状態が全国の飲食店でおきているという。

また、ランチとディナーの間のいわゆるアイドル時間も来客はまばらであり、ランチとアイドル時間を合わせた昼間時間の集客が、お酒業態では課題となっている。

コロナ禍でテレワークが急速に進んだことにより、多くのビジネスパーソンは在宅で仕事行っている一方、自宅での仕事は、ON/OFFの切り替えができずに難しい、家族やパートナーも在宅ワークで集中できない、小さなお子さんやペットなどに気を取られて集中できないなど、満足度は決して高いものではないとしている。

飲食店の昼時間をテレワークスペースとして提供することで、飲食店、ビジネスパーソン、それぞれが抱える課題を解決できるのではないかと検討した結果、店舗の本業であるワインバルの特徴を生かして、今回「ワイン飲み放題付きテレワーク」プランの提供に至ったという。

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カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:酒・アルコール飲料新型コロナウイルス(用語)テレスペテレワーク・テクノロジーズ日本(国・地域)

東京で大学入試の受験生を応援、NearMeとUnitoが空港送迎付き3泊4日ホテル宿泊プランを販売

NearMeとUnitoが空港送迎付き3泊4日ホテル宿泊プランを販売、東京で大学入試を受ける受験生向け

Unito(ユニット)NearMe(ニアミー)は1月8日、東京で大学入学試験を受ける受験生に向けて、3泊4日間の宿泊と空港〜ホテル間の送迎を包括したプラン「受験生応援プラン」を販売開始したと発表した。

学生にとって一世一代のイベントである大学受験のシーズンが開始される。新型コロナウイルスが猛威をふるう中、受験のため東京への移動に不安を持つ方は多いと予想される。UnitoとNearMeは、今回協業したプランにより少しでも移動から宿泊までをスムーズかつ安全に行うことで、受験生の努力が最大限に発揮できる一助になれば幸いとしている。

NearMeとUnitoが空港送迎付き3泊4日ホテル宿泊プランを販売、東京で大学入試を受ける受験生向け

  • プラン名:空港送迎付き受験生応援プラン
  • 宿泊日数:3泊4日
  • 宿泊場所:都内各所(希望エリアに合わせホテルを提案)
  • 部屋タイプ:完全個室
  • 料金:税込4万9500円。1泊あたり1名税込7700円で追加泊が可能。追加料金税込2万7500円により、2名1室での利用も可能
  • 申し込み:「空港送迎付き受験生応援プラン」ページより申し込み

料金に含まれるもの

  • 1名1室あたり宿泊施設料金 3泊4日込
  • 成田/羽田 往路ハイヤー 1名利用分料金込
  • 成田/羽田 復路ハイヤー 1名利用分料金込

ニアミーの新型コロナウィルス対策

  • 乗車中の車内換気を徹底
  • 全乗務員は運行前に検温を行い、マスクを着用
  • アルコール消毒を設置し、乗車の際には乗客にも対応を依頼
  • 前日までに乗車する方を決定し、感染者が出た場合早急に対応
  • 降車後の清掃の際、乗客の触れる箇所にアルコール消毒を実施
  • 乗客同士が隣接しないよう、少人数/大型車で展開
  • 乗車する方にはマスクの着用を依頼

Unitoは「暮らしの最適化」を追求するProp Tech Company。メイン事業としては、「家をシェアして、家賃を節約しよう。」というコンセプトに「帰らない日の家賃がかからない」日本初の料金システム「リレント」(Re-rent)を採用した新しい住まい「unito」の開発・運営を行っている。また、月に3・5・10日間だけ都心に家を持てる「urban」(アーバン)などの販売を通して、新しい暮らしを提案・提供している。

2017年7月設立のNearMeは、リアルタイムの位置情報を活用して地域活性化に貢献する「瞬間マッチング」プラットフォーム作りを目指し、まずシェアリングエコノミーのMaaS(Mobility as a Service)領域からスタート。

2019年8月、空港版のオンデマンド型シャトルサービス「スマートシャトル」の「nearMe.Airport」(ニアミー エアポート)を開始。独自AIを発展させ、ルーティングの最適化をはかってきた。

このルーティングの技術を活用し、コロナ時代においても、不特定多数ではなく、少人数かつ誰が乗車したか追跡できる方法で活用可能な通勤シャトル「nearMe.Commute」(ニアミーコミュート)や、快適な移動を創造する「タクシーの相乗り(nearMe.)」アプリ(Android版iOS版)、またオンデマンド型シャトルサービス「スマートシャトル」を展開している。

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コワーキングスペースの「いいオフィス」が2.4億円を調達、新プランに向けシステム開発強化

コワーキングスペースの「いいオフィス」が2.4億円を調達、新プランに向けシステム開発強化

「働き方を自由にする」をテーマにコワーキングスペース事業を展開する「いいオフィス」は1月5日、第三者割当増資による合計2.4億円の資金調達を発表した。引受先は、江口勝義氏(エグチホールディングス 代表取締役)、高原直泰氏(沖縄SV CEO)、NKC ASIA、ほか個人投資家。累計資金調達額は4億円となった。

調達した資金により、店舗開拓とブランディング、さらに新プランに向けたシステム開発を強化する。

いいオフィスでは、コワーキングスペース「いいオフィス」を全国をはじめ海外にも展開。国内外問わず月額制でどこでもご利用できるサービスを提供している。国内外270店舗を運営しており、2020年度中には契約ベースで400店舗の展開を目指し、さらなる店舗開拓を進めている。

同社によると、リモートワーク・テレワークが急速に広がり、「働き方改革」が進んだ一方、労働環境が充実しているとはいえない「在宅ワーク」により、効率低下や社員の孤立化など、新たな問題も発生しているのが実情という。また、リモートワークやテレワークは「会社に行かなくていい」ではなく、「働く場所」=「快適でアクセスしやすい労働環境」を充実させることが不可欠と指摘。

電車・車を使って遠くにある快適な労働環境へ移動するのではなく、「今いる場所の近く」で、「快適で、人とのつながりを構築できる労働環境」がある「働き方の未来」を目指すという。「まるでコンビニのように働く場所」にアクセスできれば、「働き方」はより自由になるとしている。

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公共交通機関にライドシェアリングサービスを提供するThe Routing Companyが500万ドルを確保

James Cox(ジェームズ・コックス)氏は、Uberでのキャリアの大半をライドシェアリングによる渋滞緩和の問題解決に費やしてきた。

Uber Poolサービスの設計者の一人で、自動車の排気ガス削減の手段としてライドシェアリングを長年提唱してきたコックス氏は、MITで開発された技術を活用するチャンスに飛びついた。公共交通機関のための動的ルーティングと車両管理システムをより洗練されたものにするという技術である。

この技術は現在コックス氏が率いるスタートアップ、The Routing Company(ザ・ルーティング・カンパニー)の中核をなすものだ。これは同社の共同創設者で最高技術責任者を務めるAlex Wallar(アレックス・ウォーラー)氏がMITの博士課程時代に開発したソフトウェアをベースにしており、車両分布の最適化に焦点を当てている。同氏はMITのコンピューターサイエンス・人工知能研究所の所長であるDaniela Rus(ダニエラ・ルス)氏やポスドク研究員のJavier Alonso Mora(ハビエル・アロンソ・モーラ)氏などの共同研究者と協力し、リアルタイムの最適化を公共交通機関に適用できるプラットフォームを開発した。

ウォーラー氏は4月にMenno van der Zee(メノ・ヴァン・デル・ジー)氏のもとへ研究を持ち込み、The Routing Companyの基盤となるプラットフォームを共同開発している。
コックス氏は当初同社のアドバイザーとして参加していたが、ウォーラー氏とヴァン・デル・ジー氏が開発した技術を見て、同氏は全面的に参加することを決意する。

MITのディープテックファンドであるThe Engine(エンジン)がリードする500万ドル(約5億2000万円)の新規資金を始め、合計650万ドル(約6億7000万円)の資金を獲得した同社は、そのテクノロジーを世界中の交通機関に提供しようとしている。

「The Routing Companyをサポートできることを嬉しく思います。彼らは大規模な動的シェアライドのコードを解読しました」とThe EngineのゼネラルパートナーであるReed Sturtevant(リード・スタートバント)氏は語る。「都市のためのスマートなライドシェアリングソリューションは波及効果を生み出します。移動手段の革新により混雑が迅速に低減され、勤務先の都市に居を構える余裕のない人々の通勤時間を短縮し、その環境を改善してくれるでしょう」。

これまで民間企業が消費者に対して提供しようとしてきたサービスを、誰もが享受できるようにするというものだ。

スタートアップによる民間の通勤サービスは数多く失敗に終わっている。The Routing Companyは、公共の都市交通機関と競合するのではなく協働することで、直面する問題を回避したいと考えている。

アメリカだけでも公共交通機関は740億ドル(約7兆6500億円)のビジネスとなっているが、新型コロナウイルスの影響を受けて苦しい状況が続いている。

「過去に当社や他のライドシェアリング会社がシェアライドアルゴリズムを構築していたとき、シェアライドにおける問題を解決する複雑さはリアルタイムで対処できませんでした」とコックス氏はUber在籍時の経験を語った。「リアルタイムでは解決できないものであると認識していましたが、私たちは交通機関を顧客にすることにしたのです。彼らは大容量のルートと需要への対応力はありますが、低密度および中密度のエリアではその要素が弱くなります。そこに支援の機会が存在します」。

コックス氏は新会社について、低所得で低密度の地域社会に特に影響を与える問題を解決するものだと考えている。これらのエリアは概して従来の公共交通機関によるサービスが行きわたっていない。The Routing Companyが提供するツールを使用することで、これらのエリアにサービスを提供するための新しい車両群の編成が可能となる。

The Routing Companyは、乗客のためのアプリ、ドライバーのためのアプリ、交通機関のための車両管理プラットフォームを含むパッケージを販売し、様々な価格オプションを試している。コックス氏は初期の顧客にいくら課金しているかについて明らかにしなかったが、収益モデルは1台の1か月当たりの料金、または1台当たりの収益のパーセンテージに基づいていると述べている。

「各ドライバーはアプリをダウンロードするリンクを受け取ります。乗客はワンプッシュワンボタンのシャトル方式でそのアプリにアクセスすることができます。また電話でオペレーターに予約を入れることができるツールを作りました」と同氏は続ける。

過去にライドシェアリングのために開発されたアルゴリズムは、個人の位置情報と目的地を使ってピックアップのパラメータを設定するというものだ。The Routing Companyのモデルは真逆のアプローチをとっており、まず車両全体の位置と既に確立されたルートに焦点を当て、どの車両が乗客をピックアップするのに最も適しているかを判断する。

待ち時間は都市および配備した車両の数により異なってくるが、コックス氏によると乗客の待ち時間を10分以内に抑えることが目標だという。すでにスコットランドの1都市がこのサービスを利用しており、非公開の米国4都市およびオーストラリア1都市と契約済みである。

「多くのスタートアップがシャトル分野の起業を試みてきましたが、その多くが抱える問題はユニットエコノミクスが機能しないということです。当社のアプローチは確固とした適切な技術を有しており、これにより公共交通機関と競合するのではなく、彼らを強化することができるのです」とコックス氏は述べている。

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タグ:ライドシェア 資金調達

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(翻訳:Dragonfly)

電気自動車を活用した電力需給調整とカーシェアを展開する「REXEV」が約7.4億円調達

電気自動車を活用した電力需給調整とカーシェアを展開する「REXEV」が約7.4億円調達

電気自動車(EV)を活用した電力需給調整およびカーシェアリング事業を行う「REXEV」(レクシヴ)は12月21日、第三者割当増資による総額約7.4億円の資金調達を発表した。引受先は、リードインベスターのジャフコ グループ、三井住友ファイナンス&リース、エースタート、大阪ガス、京セラ、東芝など。

調達した資金は、さらなる技術開発、MaaSとの連携、地域レジリエンス向上のためのEV活用の検討、サービス開発に利用する。また引受先企業とは、技術面・営業面でも協力していく。

REXEVは、EVが備えるモビリティと蓄電池の二面性に着目し、これらの価値総和を最大化することにより、環境と経済のどちらも持続可能となるソリューションの実現を目指しているという。またe-モビリティへの充電電力を再生可能エネルギーの普及に合わせ転換していくことで、経済的かつ社会全体での環境対策に資する、「Well-to-Wheel」(WtW。油田からタイヤまで。資源の採掘から車が走るところまでの意)の考え方を取り入れた事業展開を行っていくとしている。

REXEVは、持続可能な社会の実現を目指し、エネルギー企業の新規事業開発、企業のコスト削減および環境対策を支援。またカーシェアリングサービス「eemo」(イーモ。Android版iOS版)を神奈川県小田原市を中心に2020年6月に開始。全車EVを採用しており、カーシェアリングで貸し出す一方、貸し出されていないEVは電力の調整力として電力需給調整などに活用している。

小田原市および湘南電力と協定を締結し事業を行っており、再生可能エネルギー利用の最大化と、電力の安定化を目指して独自のエネルギー・マネジメント技術を開発。

また小田原市とは防災に関する協定を結び、災害時にはEVを電源として利用し、避難所などでの電力供給を無償で行う。現時点で小田原・箱根地域で34台が稼働しており、2022年度末までの実証期間中に100台まで規模を拡大する予定。

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家に帰らない日は家をホテルとして貸し出し家賃を節約できる「unito」が総額1億円を調達

家に帰らない日は家をホテルとして貸し出し家賃を節約できる「unito」が総額1億円を調達

家をシェアして家賃を節約する「unito」(ユニット)提供のUnitoは12月10日、第三者割当増資と金融機関からの融資による総額1億円の資金調達を2020年12月までに実施したと発表した。引受先は、グリーベンチャーズ1号投資事業有限責任組合、IT-Farm Corporation、SEホールディングス・アンド・インキュベーションズ、ガイアックス、速水浩二氏、須田将啓氏、藤野英人氏、高橋理志氏、その他個人投資家。

調達した資金は、unitoの暮らしをより快適にするためのプロダクトやシステムの開発、マーケティングにあてる予定。

またあわせて、unito正式版リリースとともに、サービスページをフルリニューアル。家賃予算にあわせて「住む日数を調節した家」を表示する日本初の「リレント(Re-rent)システム」を搭載したと明らかにした。家賃で諦めずに理想の暮らしを検索できるとしている。

unitoとは、家に帰らない日は、宿泊者にホテルとして家(部屋)を貸し出すことで、家賃を節約する「リレント」を採用した、新しい「家」という。敷金・礼金ゼロ、更新料ゼロ、退去費用ゼロで、帰らない日分の家賃を下げる形で家を利用できる。2020年2月にローンチし、2020年11月度には累計宿泊数が1万7000泊を突破。また累計流通総額が1億円を突破した。

家に帰らない日は家をホテルとして貸し出し家賃を節約できる「unito」が総額1億円を調達

直営の「unito CHIYODA」、「unito Ebisu」の2拠点に加えて、ホテルや民泊などの宿泊施設とも提携し、都内を中心に様々なタイプのお部屋を取り揃えている。

家に帰らない日は家をホテルとして貸し出し家賃を節約できる「unito」が総額1億円を調達

同サービスの新ページでは、希望のエリアと予算を選択し物件を検索すると、予算に合わせて家をシェアする日数が調節された家を一覧表示する機能を用意。同社は、物件が希望の家賃になる、世界初の検索システムとしている。

家に帰らない日は家をホテルとして貸し出し家賃を節約できる「unito」が総額1億円を調達

家に帰らない日は家をホテルとして貸し出し家賃を節約できる「unito」が総額1億円を調達

この検索システムを利用することで、「このエリアは、相場が高いから、希望の家賃では住めない」と家賃であきらめることなく、「でも、週末は毎週実家に帰っているから、その分、家をシェアすれば、予算内で希望のエリアに住める!」と、家をシェアすることで理想の暮らしを手に入れられるという。

家に帰らない日に、宿泊によって家をシェアした場合には、利用後にお部屋にクリーニングが入るため、掃除の負荷を低減できる。アメニティの補充も行われるので、月々の固定費を抑えられる。

また同社は、三井住友海上と提携し、安心してunitoで暮らせるunito専用保険の自動付帯を開始。unitoの部屋の設備を破損してしまったり、相手を怪我させてしまった場合に最大3億円の補償が受けられる。

Unitoは「暮らしの最適化」を追求するProp Tech Company。メイン事業としては、「家をシェアして、家賃を節約しよう。」というメッセージを持つ、帰らない日は、ホテルとして家を貸し出すことで、家賃を節約する「リレント」を採用した新しい家「unito」の開発・運営を行っている。また、月に3・5・10日間だけ都心に家を持てる「urban」(アーバン)などの販売を通して、新しい暮らしを提案・提供している。

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タグ:資金調達(用語)unito日本(国・地域)

電動マイクロモビリティシェアのLuupが大東建託から資金調達

電動マイクロモビリティシェアのLuupが大東建託から資金調達

電動マイクロモビリティのシェアリングサービス「LUUP」(ループ)を展開するLuupは12月3日、大東建託を引受先とする資金調達を発表した。

今回新たに資本参画した大東建託は、日本全国で113万218戸の居住用の賃貸建物を管理(2020年3月末時点)。Luupは短距離移動インフラを創ることを目指しており、そのためには街の不動産との連携が必須となっている。大東建託が管理する物件へのLUUP導入によって、「LUUPがあるなら住みたい街・家」の実現を目指す。

Luupは、電動・小型・ひとり乗りのマイクロモビリティのシェアリング事業を通して、日本に新たな短距離移動インフラの構築を目指すスタートアップ。電動アシスト自転車や電動キックボードのみならず、電動・小型・ひとり乗りの電動マイクロモビリティを包括的に取り扱い、ファースト・ラストワンマイルの移動手段を確立し、全ての人が自由に移動できる未来の実現に取り組んでいる。

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タグ:資金調達(用語)Luup日本(国・地域)

UberがフードデリバリーPostmatesの買収を完了

Uber(ウーバー)は米国時間12月1日、Postmates(ポストメイツ)買収の完了を発表した。このディールは7月に明らかにされていた。情報開示時に26億5000万ドル(約2765億円)だった全株式による買収だ。Postmatesは自前のブランドやフロントエンドを維持しながらUberとは別のサービスとして業務を続ける一方で、ドライバーの共有などバックエンド業務の一部は統合される。

Uberは合体後の組織について、また2社にとって買収が何を意味するのか、ブログへの投稿で詳しい考えを明らかにした。同社はともに働く加盟店のメリットになると考えている。そして正式なディールクローズとともに、加盟店サイドで顧客フィードバックを収集を促進する新たな取り組みも発表した。

Uberはそれを「地域的なリスニングエクササイズ」と呼んでおり、2021年初めから展開することにしている。この取り組みでは、地方のレストラン協会や商工会議所の協力を得てその地域の経営者の懸念を聞き取る。Uberの双方向マーケットプレイスの片方の側との協業を改善するために数年前に同社がドライバーのフィードバックを集めた取り組みと同じようなもののようだ。

加盟店のニーズにフォーカスすることは、現在のグローバルパンデミックを考えるとかなり重要だ。パンデミックでは外出制限や安全のための勧告に従おうと人々は配達を選ぶようになり、Uber Eatsはフードサービスやグローサリー業界において重要なインフラ構成要素となっている。

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タグ:UberPostmates買収

画像クレジット:David Paul Morris/Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

インド政府がUberやOlaなどのライドシェアサービスにおける手数料率上限を規定

インドでは、OlaUberのようなライドシェア企業は、乗車料金の最大20%までしか取ってはならない。インド政府が米国時間11月27日に発行したガイドラインではそうなっている。特にソフトバンクが投資しているこの2社は重要な海外市場で苦戦しているだけに、この決定はこたえるだろう。

このガイドラインによってインドでは初めて、アプリベースのライドシェア企業に規制が及ぶことになる。また、UberとOlaがともに採用しているピーク時の高料金にも制限がかかる。

ガイドラインによると、OlaとUberおよびそのほかのアプリを利用するライドシェア企業は、最大で基本料金の1.5倍までしか料金を請求することができない。ただし、基本料金の50%を下限とする割引料金を提示することはできる。またドライバーの労働時間は1日12時間を上限とし、企業はドライバー全員に、保険をかける必要がある。

UberとOlaはこれまで、乗車料金のうちドライバーの取り分を公表したことはなかったが、業界の推計では、両社とも乗車料金の最大74%が税引き後のドライバーの取り分だ。新しいガイドラインではそれが、80%以上となっている。

ライドシェアの乗車料金の制限と、ドライバーへの保険の義務化で両社ともに経費が増える。しかも両社はこの数カ月におよぶパンデミック期間中に、コスト削減のためドライバーの数を減らしている。南アジアは多くの巨大国際企業が次の成長市場として惹かれているが、現在のところ過去に前例のない不況に陥っている(Bloomberg記事)。

UberもOlaも11月27日の時点でコメントを出していないが、このガイドラインは両社の足かせになるだけではない。私有の車による共有カー、すなわちカープーリングサービスも認めている。ただしそれには制限があって、市内の乗車は1日4回まで、都市間は週に2回までとなっている。

バンガロールのマーケティング調査およびコンサルティング企業であるRedseerの共同出資者Ujjwal Chaudhry(ウジワル・チャウドリー)氏によると、政府によるこのガイドラインの影響は良い面も悪い面もある。

「ポジティブな面としては、この業界が正式に認められ、また安全規則の改善で、車やドライバーを集める側の企業に対する消費者の信頼が増すことだ。しかし全体的に、このガイドラインのエコシステムの成長に対する影響はネガティブだ。高料金を制限したことによって、現在、50万人いるドライバーの収入は減少し、6000万から8000万いるといわれるユーザーにとっては、料金と待ち時間が増える結果になるだろう」とチャウドリー氏は声明で述べている。

ガイドラインのルールは、ライドシェアを取り巻くそのほかの要素にも触れている。ライダーまたはドライバーに課せられるキャンセル料は総料金の10%を超えてはならない。料金は100ルピー(約140円)を超えてはならない。カープーリングサービスを利用する女性客は車の共有者を女性に限定できる。また事業者はコントロールルームを24時間運用しなければならない。

インドのアプリを使用するライドシェア市場は、OlaとUberが支配している。どちらも自分たちがトップだと主張しているが、両社に投資しているSoftBankによると、インドではOlaがUberを若干リードしているとのことだ。

関連記事:Uberは昨年インドで週1400万回、業界トップの乗車を提供

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:UberOlaインド

画像クレジット:Indranil Aditya / NurPhoto / Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

超迅速に食品配達を行うことしかわかっていないデリバリースタートアップDijaが21億円を調達間近

TechCrunchが入手した情報によると、Deliverooの元上級社員が設立した英国のスタートアップDijaは2000万ドル(約20億9000万円)の資金を調達した。

​複数の情報源によると、ラウンドはまだ完了していないが、元IndexとLocalGlobeのVCであるOphelia Brown(オフィーリア・ブラウン)氏が設立したアーリーステージのベンチャーキャピタルであるBlossom Capital(未訳記事)が主導しているという。​他に誰が候補に挙がっているのか明らかではないが、非常に競争が激しく、このスタートアップは複数の一流ファンドからオファーを受けていたと私は理解している。​Blossom CapitalとDijaはコメントを避けている。

コンビニエンスストアとデリバリーの分野で活躍しているDijaは、Deliverooで長年上級職を務めたAlberto Menolascina(アルベルト・メノラシナ)氏とYusuf Saban(ユスフ・サバン)氏によって設立された。

メノラシナ氏は以前、大手テイクアウトデリバリー企業のCorporate Strategy and Developmentのディレクターを務め、それ以前はいくつかの役職を歴任していた。彼はまたイタリアでInstacartスタイルの食料品配達企業であるEverli(旧Supermercato24)を共同設立し、Just Eatでも働いていた。

サバン氏はDeliverooのCEOの元チーフスタッフで、投資銀行モルガン・スタンレーでも働いていた。

つまり2人とも、スタートアップからスケールアップまでの食品物流業界での経験豊富な人物だ。​メノラシナ氏とサバン氏はDeliverooのシリーズD、E、Fの資金調達ラウンドにも貢献した。

​一方、Dijaの詳細はほとんど明らかにされていない。「ダーク」コンビニエンスストア・モードを利用してコンビニの商品や生鮮食品のデリバリーを提供を行う。人口の多い都市部にハイパーローカルフルフィルメントセンターを建設し、超迅速なデリバリーを行うことくらいしかわかっていない。米国のAccelやSoftBankが出資するgoPuff、あるいは英国のスタートアップWeezy(未訳記事)のようなものだ。

​とはいえ、このモデルは試されたすべての場所でまだ証明されたものではない。しかし、Dijaが良いスタートを切る資本集約的なレースになる可能性が高い。もちろん、パンデミックの中、誰もが食料品をオンラインで購入するようになっている。つまりこれまでと同じく、成功するかどうかはタイミングがすべてだ。

関連記事:日用品を30分以内に届けるデリバリースタートアップのgoPuffが4100億円超の評価額で約400億円を調達

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:Dija食品配達配達資金調達

画像クレジット:Shelyna Long / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

米証券取引委員会がギグワーカーに報酬として株式を提供する際のルールを発表

証券取引委員会(SEC)が、ギグワーカーに公開企業や非公開企業が株式で報酬を提供する場合のルールを発行した。

このルール策定のほんの数週間前には、カリフォルニアの住民投票が、ギグワーカーを被雇用者とする法律を覆すイニシアティブを支持した。そのイニシアティブは、雇用という身分をギグエコノミー企業が守るべき一連の要求で置き換えた。それらは実労働に対する最低賃金の120%以上の賃金、稼働距離1マイルあたり30セントの経費、ヘルスケア給付金、執務時の負傷に対する労災保険、差別や性的いやがらせに対する保護、交通事故の責任者保険などだ。所得保証と経費払い戻しはドライバーの実稼働時間を反映し、空車時は対象とならない。

今回、証券取引委員会は、企業はギグワーカーに株式を報酬の一形式として支給してもよいという新たな臨時収入の可能性を加えた。

委員のElad Roisman(エラッド・ロイスマン)氏とHester Peirce(ヘスター・パース)氏は「経済と労働の形が進化するにともない、我々の規制においてもそれを反映する変化を積極的に試してみる必要がある」と声明で述べている。

提案されているルールは、ギグワーカーへの株式報酬を5年間に拡張している。その間に株の発行者は委員会に、ルールの有用性を評価するための情報を提供する。

SECのガイドラインには、ギグワーカーに支給される株式が報酬であり、資金調達と混同されないようにするための、ある種の保護措置がある。

この新しいルールには、ワーカーが自由にコメントを送ることができる。

今回提案されたガイドラインでは、サービスをマーケットプレースから提供しているギグワーカーも株式報酬の対象になる。サービスの消費者は対象にならない。委員会は、仕事がモノを売ることであるようなギグワーカーも株式報酬の対象になるかを検討している。

「ギグエコノミーは社会に定着した。私たちが提案しているのは、証券法の特定領域に手を加えて、ギグワークに参加している多くの米国人を法が許容できるようにすることである。なぜならその新しいルールにより、ギグワークが誰もが待ち望んでいた収入源になるだけでなく、長期的な投資も築くからだ。我が国の経済がパンデミックから癒えるにともない、多くの低所得者や失業者が、ギグワークが提供する柔軟性と所得機会に惹かれるだろう。私たちの見方では、本日の提案はこれら重要な労働者の福利を改善し、彼らに強力な役割を紹介する方法である。我が国の資本市場はその役割を、引退に備えた資産育成や次世代への継承として演じることができるであろう」と委員たちは声明で述べている。

関連記事:Uberが「ギグワーカーは個人事業主」というカリフォルニアの住民立法を世界展開へ

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:ギグワーカー

画像クレジット:BRENDAN SMIALOWSKI / Staff / Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa