数百億円台のAIラウンドがあってもおかしくない理由

スタートアップとマーケットの週刊ニュースレター「The TechCrunch Exchange」へようこそ。

準備OK?ここではお金の話、スタートアップの話、IPOの噂話などをお伝えする。

先週、Scale AI(スケールAI)が3億2500万ドル(約353億5000万円)のシリーズE調達を行った。TechCrunchも書いたように、この会社はデータラベリングの分野で活躍している。そして、ここ数年は資金調達にも大いに力を入れてきた。2019年にTechCrunchは、同社の当時22歳のCEOが1億ドル(約109億円)のラウンドを組んだことを記事にしている。そして2020年12月には約35億ドル(約3807億3000万円)の評価額で1億5500万ドル(約168億6000万円)を調達した。今では70億ドル(約7兆6000億円)以上の価値がある。

すごい話だよね?さて、先週初めにわかったのだが、どうやら2021年は、AIスタートアップにとって、全般的にとんでもない年になっているようだ。PitchBookのデータによれば、2021年の初めから4月12日までに、米国でのAIスタートアップの取引は442件、金額にして116億5000万ドル(約1兆2672億9000万円)に達している。そして、最近発表されたMicrosoftによるNuance AI(ニュアンスAI)の買収は、さらにこうした事象を加速させるかもしれない。

Sapphire VenturesのJai Das(ジェイ・ダス)氏に、AIベンチャー市場についての意見を、The Exchangeに寄せてもらった。同氏は、この分野の第1四半期における競争状況に対する、私たちからの質問に対し、第1四半期における「AI/MLスタートアップへの投資活動は、絶対にトチ狂っていますね」と答えた。

ダス氏によれば「AI / MLスタートアップは、日常的に一流のVCファームから5、6通の条件規定書を受け取っていますし、ARR(年間経常収益)の150~250倍の資金調達ができています」とのことだ。

このことを少し考えて欲しい。2020年私たちは、公開ソフトウェア企業が新たな高みに達したのを目にしてきたが、たとえ積極的なスタートアップのラウンドであったとしても、上の数字は非常に大きなものだ。経常収益が100万ドル(約1億1000万円)に過ぎないAIに特化したスタートアップが、25億ドル(約2719億5000万円)の評価を受けることを想像してみて欲しい。なんてこった。

しかし、AI投資のペースはどうだろうか?聞くところでは、多くのスタートアップで、ラウンド開始から終了までの時間に対する短縮に次ぐ短縮が行われているという。ダス氏は、この状況を説明するために「ほとんどの企業は、投資が実際に行われるはるか前にデューデリジェンスを完了しています」とメールで述べている。つまり「投資を行う時点ではもはやデューデリジェンスを行う必要がない」ということだ。

それって本当に意味があるのだろうか?もしラウンドが先制的なものならば、事前に徹底調査をしなければならない(これはダス氏が後ほどコメントで強調したことだ)。そうでなければ、盲目的に投資したり、動きの速い他の企業に取引を先取りされてしまうことになる。

今週のThe Exchangeでは、国内のベンチャーキャピタル市場についても、シード案件やニュースで話題になるような超レイトステージ投資に焦点を当てつつ掘り下げてみた。アーリーステージのベンチャー投資に関するコメントとして、EYの米国Venture Capital責任者であるJeff Grabow(ジェフ・グラボウ)氏からのコメントが寄せられた。

そのプレシード、シード、ポストシードについてのコメントの中で、私たちの注意を特に引くものがあった。予測に関するものだ。グラボウ氏は次のように語る。

2021年第1四半期のプレシード資金調達は、例年と比較すると好調でした。現在利用可能な資金が豊富で、技術的なソリューションで新市場を開拓できる、投資可能なテーマが数多くあることから、全体的な環境は引き続き堅調に推移すると考えています。このことから新型コロイナウイルス後の環境は、バラ色に描かれています。

これは私たちの社内での予測と同じだ。2021年第1四半期は、少なくとも米国のベンチャーキャピタル活動は非常に活発だったため(近々、海外事情も伝わってくるだろう)、2021年は多くの点で記録的な年になると思われる。大きく減速する傾向もみられないので、記録は更新されることだろう。そしてグラボウ氏もこうして新型コロナウイルスの流行が終了した後のベンチャー環境が、かなり魅力的なものになることを、はっきりと予想している。

ということで、記録は更新されるだろう。問題はその大きさがどれくらいになるのかということだ。

Coinbaseの直接上場に関するその他の情報

終わった話をあれこれいうつもりはないが、Coinbase(コインベース)の直接上場について、いくつか情報を追加しておこう。

消費者向け取引アプリRobinhood(ロビンフッド)の、ライバルであるPublic.com(パブリックコム)が、The Exchangeに対して、Coinbaseの株式に対する小口取引の関心がどれほどのものだったかを教えてくれた。いつもの広報担当者であるMo(モー)氏によれば、米国時間4月14日、Coinbaseは取引数で「公開されている全銘柄の中で最も人気があった」という。そしてさらに特筆すべきは、同じ日に「(投稿数で計測した)ソーシャルアクティビティが前日に比べて70%増加した」ことだ。

消費者トレーディングのブームがいつまで続くかはわからないが、これはかなりすばらしい指標値だ。

また、Similarweb(シミラーウェブ)は、2021年1月のcoinbase.comへのアクセス数が8640万件に達したことなどの、いくつかのデータを紹介している。いやあ、こいつはすごい。また、この月は新規訪問者数が再訪問者数を上回っている。このデータは、Coinbaseが第1四半期に大きな結果を出した理由を説明している。ということで現在の疑問は、こうした強気の動きを維持できるのかどうか、あるいは率直に言って、特に暗号資産の取引に対する消費者の関心が、株式取引のブームよりも長持ちするかどうかという点だ。

先週ポッドキャストなどでも何度か話題に出た、CoinbaseのシリーズDを主導した投資家のTom Loverro(トム・ラベロ)氏は「私たちはまだ暗号資産の第2ラウンドに立ったに過ぎません」と語っている。ということで、これらの話題は何度も何度も繰り返し出てくるだろう。ということでもう1度。

その他のことなど

さて記事の文字数の目標に達することができるように、先週のIPO市場に関するメモをいくつか。

まず、AppLovin(アプラビン)のIPOは計画どおりには進まなかった。モバイルアプリケーションに特化したハイテク企業の同社は、範囲の中央値である1株あたり80ドル(約8702円)という控えめな価格がついた後、最初の2日間の取引で価値が下落した。金曜(米国時間4月16日)終了時点では、1株あたり61ドル(約6636円)になった。

The Exchangeは、AppLovin社のCFOであるHerald Chen(ヘラルド・チェン)氏に、IPO当日にインタビューを行った。チェン氏との会話からは、上場したことで買収をより加速できるのではないかと感じることができた。流動性のある株式を所有しているということは、これまで以上に買収されやすくなったということだ。またS-1ファイリングによれば、AppLovin社は、他の企業を買収し、そのビジネスプロセスを実行して、収益を得ることができると主張している。

もしそれが実現できるなら、公開市場から同社に対する見方は少し厳し過ぎるかもしれない。現在の状況下で、ソフトウェア会社がIPO後に苦労しているのを見るのは少し奇妙なことだ。

また、チェン氏はThe Exchangeに対し、公開に先立つ会社説明会の際にマルチクラスの株式構造(株式に議決権などの差をつけること)についての反発は見られなかったと語っている。マルチクラス株式の悪影響については、同僚のRon Millerと一緒に書いたことがある。チェン氏は、たとえ議決権の異なる複数クラスの株式を保有していても、1人の人間が会社を完全にコントロールすることはできないと述べている。率直に言って、それが問題なのだが。

AppLovinの取引には注目して行くつもりだ(その数字に関する以前の記事はこちら)。

最後に。自動運転トラック会社のTuSimple(トゥーシンプル)が先週上場し、Similarwebが上場を申請した。また、UiPath(ユーアイパス)が価格帯を引き上げるか否かといった、幅広いIPO市場の動向にも注目している。私たちはその点について予測を行っている

そして週の終わりになって、Squarespace(スクエアスペース)がS-1(上場目論見書)を公開した。記事はこちら、続報も予定している。

ではまた。

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:sako)

暗号資産取引所Coinbaseが上場、初値は381ドル、時価総額は一時11.3兆円超

米国時間4月14日、直接上場したCoinbase(コインベース)の取引が始まった。基準価額250ドルだったCoinbase株の初値は1株当たり381ドルと約52%上昇した。この時点のCoinbaseの時価総額は完全希薄化ベースで996億ドル(約10兆8230億円)だった。本稿執筆時点でCoinbaseはさらに値上がりして1株あたり400ドルを超え、時価総額は1040億ドル(約11兆3040億円)を超えた。

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Coinbaseの基準価額に基づく時価総額は完全希薄化ベースで653億ドル(約7兆960億円)だった。

Coinbaseの市場デビューは、拡大する暗号資産(仮想通貨)経済を追い風に大きな期待を受け、莫大な価値を生み出している。同社の非上場企業時代には未公開株投資家らが資産を投じ企業価値は最大80億ドル(約8700億円)に上った。

同社の新たな価値は以前の数字を小さく見せるものであり、長年の出資者への大きなリターンを暗示している。今日からは一般投資家も同社の株式に手を出すことが可能になり、多くの人々がその権利を行使しようとしている。TechCrunchはこの上場について読者に尋ねた。取引開始前の調査結果は暗号資産ユニコーン株の行方を示す逆指標となっている。

Coinbaseに1株当り250ドルより多く払うか少なく払うか?

Coinbaseの前途は興味深い。同社は豊富な資産を有し、直近の四半期で莫大な利益を上げた。しかしCoinbaseは、暗号資産の価格水準とその結果による取引規模の影響と切り離し、Bitcoinなどの価値が下落した際の成長と収入の後退に耐えられる未来をまだ描いていない。

しかし暗号資産信者にとって、Coinbaseの上場は勝利だ。従来型取引所での伝統的企業上場が暗号化経済の記念すべき瞬間である、というのは皮肉だが、何ごとも段階的に進んでいくものだ。おそらく次の主要暗号資産企業の市場デビューは、分散型取引所で起きるだろう。

カテゴリー:ブロックチェーン
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画像クレジット:Steve Jennings / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nob Takahashi / facebook

クラウドキッチンスタートアップJustKitchenがカナダのTSX Venture Exchangeに上場へ

クラウドキッチンのスタートアップであるJustKitchenは米国時間4月15日木曜日の朝、トロント証券取引所(TSX)のVenture Exchangeの取引を開始する。すでに同社は3000万ドル(約33億円)の評価額で800万ドル(約8億7000万円)を調達しており、普通株式による直接上場を行う。

JustKitchenによると、これは北米で最初ではないにしても、クラウドキッチン企業として初期に上場した会社の1つとなる。同社は2020年に台湾で事業を開始し、現在はカナダで法人化され、香港、シンガポール、フィリピン、米国にも進出する計画だ。TSX Ventureは、業種によって一定のしきい値に達するとメインボードに移行できる、スタートアップを含む新興企業のためのトロント証券取引所のボードだ。

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「これは市場に参入するための非常に便利な方法で、特にゴーストキッチン業界ではアーリーステージであり、多くの滑走路があります」と、共同創業者兼CEOのJason Chen(ジェイソン・チェン)氏はTechCrunchに次のように語っている。「私達はできるだけ早く事業を開始し、市場に進出する必要性を感じていました」。

JustKitchenのIPOラウンドには、(2020年同社のアクセラレータープログラムに参加した)以前からの投資家であるSparkLabs Taipeiや、トロントの投資機関、リテール顧客などが参加した。チェン氏によると、JustKitchenの発行済み株式の半分以上は同社の役員、取締役、従業員が所有しているという。

JustKitchenがTSX Venture Exchangeへの上場を決めた理由の1つは、チェン氏がカナダの資本市場と密接な関係にあることだ。同氏は投資銀行家として勤務した後、台湾に渡ってスタートアップを立ち上げた。またJustKitchenの役員の中にも、TSX Venture ExchangeのLocal Advisory CommitteeのメンバーであるDarren Devine(ダレン・ディバイン)氏をはじめ、カナダの資本市場で活躍している人が数名いる。

これらの要因のため、JustKitchenの今回のボードへの上場は自然な選択だったと、チェン氏はTechCrunchに語った。その他の理由としては、企業が一定の基準(時価総額や純利益率など)をクリアすれば、自動的にTSXのメインボードに進めることや、他国での二重上場が容易であることなどが挙げられる。JustKitchenも、米国のOTCQBとドイツのフランクフルト証券取引所に上場する準備を進めている。

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カテゴリー:フードテック
タグ:JustKitchenゴーストキッチンカナダ新規上場台湾

画像クレジット:JustKitchen

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Coinbaseが直接上場の基準価額を1株あたり250ドルとし時価総額7兆円超に跳ね上がる

米国最大の暗号資産取引所であるCoinbaseが、その直接上場の基準価額を1株あたり250ドルに設定した。最新のSEC提出書類によると、同社の完全希釈後の株数は2億6130万株で、評価額は653億ドル(約7兆1110億円)になる。同社の最新のS-1/A文書による単純株数196,760,122(1億9676万余)では、Coinbaseの価値は492億ドル(約5超3580億円)とやや細くなる。

どちらの株数を使って計算しても同社の価値は、2018年の80億ドル(約8710億円)を大きく上回る。

同社の直接上場基準価額の発表直後には「もっと安くてもいい」という声が多かった。Coinbaseは新株発行で株を売ってはいないため、その株価が急上昇してもベンチャーキャピタルから責められることはないが、でも設定した基準価額が、同社の価値の保守的すぎる予想に対する反応なら、ややユーモラスではある。

いずれにしても、同社の非上場時からの投資者にとっては大当たりだ。およそ4年前の2017年には、CrunchbaseのデータによるとCoinbaseの価値はわずかに16億ドル(約1740億円)だ。そのときのラウンドの投資家や、もちろんもっと初期からの資金調達に対しては、1株250ドルの株価はそのときの彼らの出資額の約40倍に相当する。

Coinbaseの直接上場は、同社が2021年第1四半期決算報告の初見を発表したときギアがトップに入った。そのときTechCrunchは、同社の最近の成長は驚異的で、売上は2020第4四半期の5億8510万ドル(約640億円)から、2021年の最初の3カ月は18億ドル(約1960億円)にスケールした、と報じた。その新しい数字は、すでにホットな企業の上場デビューにさらに火をつけた。

今度のCoinbaseがどれぐらいから始まり、どこまで企業価値が高くなるか、この際、賭けてみよう。すごい見せ場になるだろう。

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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上場間近のCoinbase、絶好調の2021年第1四半期決算を読み解く

一般向け暗号資産取引プラットフォームであるCoinbaseの2021年第1四半期決算が発表されたが、成長ぶりは著しく同時に着実に利益を出していることが判明している。

Coinbaseの今回の2021年第1四半期の速報値の発表直接上場を4月14日に控えたタイミングで行われた。同社は巨大な資金力があり、知名度も高いため新株を発行して一括売り出すという伝統的な方法ではなく、直接上場という新しい方式を採用する。

関連記事:Coinbaseが4月14日に直接上場へ、4月6日に最新の財務情報発表予定

我々は今回の発表でCoinbaseが明らかにした最新の数字を2021年の2月25日に公開されたS-1上場申請書の数値と比較して検討した。

  • MTU(月間トランザクション利用ユーザー)は 610万人で2020年末の280万人から大きく成長している。
  • プラットフォーム上の暗号資産は2230億ドル(約2兆4400億円)。2020年末は903億ドル(約9800億円)だった。
  • 取引高は3350億ドル(約3兆6600億円)。2020年末は1931億ドル(約2兆1100億円)。
  • 収入は18億ドル(約2000億円)。2020第4四半期は5億8510万ドル(約640億円)だった。
  • 純利益は「約7億3000万ドルから8億ドル(約800億円から880億円)」で、2020年第4四半期の1億7880万ドル(約200億円)から増加。
  • 調整後のEBITDAは「約11億ドル(約1200億円)」で、2020年第4四半期の2億8770万ドル(約320億円)から増加。

2020年第4四半期から2021年第1四半期までのCoinbaseの成長は極めて大きいため対前年比はあまり意味がない。たとえば2020年第1四半期の収入は1億9060万ドル(約208億8000万円)で2021年第1四半期の10分の1強だった。2021年第1四半期の同社の調整後利益だけでも前年同期の5倍以上だ。

こうした数字は同社が(近づいているとする)1000億ドル(約10兆1000億円)ないしそれを超える会社評価額の根拠を固めるものとなるかもしれない。

Coinbaseはプレスリリースでいくつかの警告を述べている。暗号資産の価値は「短期間で大きく変動するため、四半期末ごとの状態の代わりにサイクル全体の平均を測定する」という。同社はまた、将来暗号資産取引が減少しても投資が現象、停滞することはない述べた。

MTU、取引総額、これにともなう取引収入は現在、将来ともにBitcoinの価格、暗号資産価値の急激な変動により変動する。このため将来の収入の予測は非常に困難であり、四半期ごとの収益性に影響を及ぼす。支出面では、Bitcoin価格が下落する時期があり得ることを認識しているが、そうした時期にも投資を最優先する。これは会社規模をスケールさせることが使命の達成のために必須であり、この業界自体、発展の初期段階にあると我々が信じているからだ。(強調はTechCrunch)

簡単にいえば、収入が減少した場合、短期的に投資家の期待に沿うのではなく、収益性を犠牲にしても将来に向けた企業規模の拡大を優先するということだ。Coinbaseはこの点、投資家へのメッセージを明確にしている。「Coinsbaseは投資家の意を迎えるために四半期ごとの業績を調整しない。そういうことを期待しているなら我々の株を買うべきでない」ということだろう。

将来に関して、Coinbaseは2021年通期の業績についてガイダンスを示している。同社は3つのシナリオを提示した。1つ目は「暗号資産価の時価が増大し、暗号資産価格の変動がが中程度から高程度」という想定だ。この場合はMTU700万人と推定している。第2は「暗号資産時価総額は横ばい、価格変動は低~中程度」の場合で、550万MTU、3つ目は「2018年に見られたような大幅な暗号時価総額の減少が起き、その後の暗号資産価格の変動は低水準」の場合で年間400万MTUを想定している。

しかし、最高のシナリオでも610万から700万MTUを提示しているからといって同社が成長の停滞を予想しているわけではない。同社はリリースの中で「機関投資家による収入」というセクションで「2021年には、機Coinbaseの四半期はばかばかしいほど上出来だったが、これは同社のみにとどまるものではなく、暗号資産ビジネス全体がそうだった。関投資家の関心が高まり、取引手数料およびカストディフィーの収益が意味のあるレベルに拡大する」と予想している。つまりCoinbaseの株を買うことはBitcoinその他の暗号資産の先行きに賭けることとほぼ同義となる。というわけで4月14日はおもしろいことになりそうだ。

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タグ:Coinbase暗号資産新規上場

画像クレジット:Steve Jennings / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:滑川海彦@Facebook

Coinbaseが4月14日に直接上場へ、4月6日に最新の財務情報発表予定

米国時間4月1日に米国の代表的な仮想通貨取引プラットフォームの1つ、Coinbaseは「4月14日に直接上場を行う」と発表した。また同社は別のリリースで、4月6日の取引終了後に財務情報のアップデートを行うとしている。

Coinbaseの上場が迫ってきたのは市場にとって非常に興味深いタイミングだ。ハイテクスタートアップ企業には需要の低下を懸念して株式公開を延期するものも出ていたが、Coinbaseは株式公開に突進している。その理由の1つは、伝統的な新株発行による株式公開に付きものの売出し価格設定を行わないこととにもあるだろう。この直接上場方式では明示的価格設定による新株売出しを行わず、単に基準価格を示すだけで発行済株式が取引所で売買できるようにする。

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Coinbaseが取引開始前に新しい財務情報を発表するというのは興味あると同時に、ありふれた行動でもある。というのもTechCrunchは株式公開を目指す民間企業がこういうタイミングで財務情報を公開した前例を思い出せない。

しかし多くの企業が最初の申請から実際の上場までかなりの時間が経過した場合、S-1申請書で発表した情報を更新することはよくあることだ。つまりCoinbaseが「2021年第1四半期の実績(推定)」と「2021年の財務見通しを提供する」と決めたことはそう珍しい行動ではない。

公表予定の情報はCoinbaseの上場後の取引価格で影響を与えるだけでなく、特に仮想通貨の分野の場合、一般投資家の小口取引がどの程度の割合を占めるかにも洞察を与える。今日の市場では複数のスタートアップでは取引利益によって総収入の重要な部分を生み出している。最新情報の公開は歓迎されるだろう。

Coinbaseの上場後のティッカーシンボルは「COIN」となる。

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:滑川海彦@Facebook

「建設DX」のスパイダープラスが上場、現場出身の創業者「俺にわかるものを作れ」

今、デスクレスSaaSが熱い。物流ラストワンマイルの変革を目指す207は、TechCrunch Startup Battle Online 2020で優勝を飾った。また、製造工場から紙をなくすカミナシは、2021年3月シリーズAで約11億円を調達している。

そして2021年3月30日、「建設DX」を推進するスパイダープラスがマザーズに上場した。SPIDERPLUSは、建設現場の施工管理者(現場監督)の業務を効率化するクラウドアプリだ。

大量の図面をiPadに収める

ビルやマンションといった大型の建設現場では、現場監督がA1サイズの図面(紙)を大量に持ち歩く光景は日常的だ。さまざまな箇所の検査を行う中で、図面にメモを記入したり、記録写真を数百枚から数千枚という単位で撮影していく。現場を巡回し終えると、現場監督は事務所に戻り「どの写真がいつどこで撮影されたものか」などの整理を行い、最後に報告書を作成する。この膨大な「まとめ作業」は深夜にまで及ぶことも珍しくないという。

このような「建設現場の非効率」を解決するのがSPIDERPLUS(スパイダープラス)だ。同アプリは、建築図面をクラウド上で管理することができ「iPad1台」で、現場での業務が完結させられる。大量の図面、記録写真、検査記録をいつでもどこでも参照できるため、現場で起こりがちな「忘れた書類を事務所に取りに帰る」こともなくなる。現場での記録写真やメモは、クラウド上で図面に直接紐づけることができ、後の「まとめ作業」も削減可能だ。つまり、現場監督は1台のiPadで現場での検査からレポートの作成までを一気通貫で完結できるというわけだ。

スパイダープラスの導入効果は明確にあらわれている。同社が行ったアンケートによると、ユーザーの40%以上が月20時間以上の業務時間の削減に成功した。現場監督の残業時間が月間約50時間に及んでいたある電気設備工事業者では、スパイダープラスを導入したことで月100時間近くの業務時間削減に至ったという。

画像クレジット:スパイダープラス

現場出身の創業者

スパイダープラス創業者兼CEOの伊藤謙自氏も、かつては作業着を身にまとい建設現場で働く職人の1人だった。2010年頃に初代iPadが発売された頃「こんな便利なものがあるのに、なぜウチの会社には未だに紙や色鉛筆が転がっているんだ」と疑問に思ったことが、スパイダープラス誕生のきっかけとなった。

伊藤氏は早速、幼馴染でともに上京していたエンジニアの友人に相談。伊藤氏のアプリのアイデアを聞いた友人は「作れると思う」と答え、そこからスパイダープラスの開発が始まった。この友人が、現在同社でCTOを務める増田寛雄氏だというからおもしろい。

建設現場出身であり、同時にSaaS創業者でもある伊藤氏の口癖は「俺にわかるものを作れ」だ。同社はあくまでも現場目線に立った使いやすいプロダクトを作ることで、顧客の支持を獲得してきた。現場でアプリを使うユーザーからは「スパイダープラスはとにかく簡単に使える。ボタンが1つしかないくらいにシンプルだから」との声が聞こえてくるという。

それでも、2011年のリリースからしばらくは顧客に受け入れられない期間が続いた。とにかく現場に足繁く通い、顧客と対話を重ねてプロダクトの改良を続ける他なかったという。転機は2013年の東京オリンピック開催決定だった。建設業界の人手不足が顕在化し、大手企業を中心に「建設DX」を真剣に検討する機運が高まり始めた。このニーズに、それまで「もがきながら」地道に改良を続けてきたスパイダープラスがフィットしたのだ。

スパイダープラスは、2017年から3年連続で契約社数を昨対比200%伸ばし、2021年1月時点で鹿島建設をはじめとする大手ゼネコンやサブコンなど約800社が導入し、約3万5000人のユーザーが利用する。既存顧客の売上継続率を測るNRRは145%、また解約率は0.6%という。

建設DXはスパイダープラスの独壇場というわけではない。Forbes JapanのCloud Top 10に選出されたアンドパッドをはじめ、今後さらに競合が増える可能性は十分にある。しかし、アプリ開発前より行う保温断熱工事業を「祖業」として継続するスパイダープラスの視線の先にあるのは、あくまで顧客だ。同社は「建設業者」として顧客と同じ目線に立ち続けることで、他のSaaS企業との差別化を図る。上場企業となった今こそ、現場を重視するスパイダープラスの姿勢は大きな強みになるだろう。

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無名スタートアップから企業価値3.8兆円のRPAユニコーンに登りつめたUiPath成長の軌跡

TechCrunchが2017年にUiPathのシリーズAを取り上げた時、この会社はロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)と呼ばれるほとんど知られていないエンタープライズソフトウェア分野に取り組むルーマニアの小さなスタートアップだった。

その後、同社は次々と数十億ドル(数千億円)の企業評価額をつけられる成長を遂げた。複数の調達ラウンドを経て、2021年2月の7億5000万ドル(約790億円)のラウンドでの評価額は、驚きのの350億ドル(約3兆8399億5000万円)だった。

米国時間3月27日、UiPath(ユーアイ・パス)は速射砲のような進化過程の次期ステップとして、上場のためのS-1書類を提出した。この会社がどれほどの速さで上昇してきたかを知るべく、これまでの資金調達の歴史を見てみよう。

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画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

RPAは、最近ではSAP(サップ)、Microsoft(マイクロソフト)、IBM(アイビーエム)、ServiceNow(サービスナウ)などの大手エンタープライズソフトウェア会社が参入したことでよく知られている。RPAを導入することで、企業は保険の申請などの面倒な作業を自動化し、業務を自動的に遂行することで、人間は必要不可欠な作業に専念できる。例えば人がメールからスプレッドシートに数字を移し替える代わりに、RPAが自動的にやらせることができる。

2019年6月に大手調査会社のGartner(ガートナー)はRPAについて、エンタープライズソフトウェアで最も急成長している分野であり、年間60%の伸びで投資家だけでなく大手エンタープライズソフトウエア企業もひきつけていることを報じた。RPAの成長スピードは成熟とともに鈍化したものの、2020年9月のGartnerレポートによると、成長率は19.5%と堅調で2021年の売上総額は20億ドル(約2190億円)に達すると予測している。Gartnerは、UIPath、Blue Prism(ブルー・プリズム)、Automation Anywhere (オートメーション・エニウェア)らのスタンドアロンRPAが市場をリードしていると伝えている。

市場規模は、会社評価額と比べてやや小さく感じるが、この分野まだ生まれたばかりだ。この日のS-1申請書類には、獲得可能な市場規模(TAM)は600億ドル(約6兆5713億円)、というバラ色の展望が描かれている。TAMの予測は概して大きめになる傾向があるが、UIPathはこの数字について、純粋なRPAから同社が「Intelligent Process Automation(インテリジェント・プロセス・オートメーション)」と呼ぶものへと変遷することを見込んでいると説明している。そこにはRPAだけでなく、プロセス発見ワークフロー、ノーコード開発などさまざまなかたちのオートメーションが含まれている。

実際、TechCrunchがプロセスオートメーション市場の急成長について書いたように、UiPathがさらに成長するためには、これらの分野へも進出する必要があるだろう。特に、エンタープライズオートメーション市場を巨大企業と競っていることを考えればなおさらだ。

UiPathは上場前の沈黙期間の真っ只中にいる間に、Cloud Elements(クラウド・エレメンツ)の買収を発表した。APIインテグレーションを提供する会社で、エンタープライズのオートメーションにとって重要な要素だ。UiPathの共同ファウンダーでCEOであるDaniel Dines(ダニエル・ダインズ)氏はこの買収について、オートメーションツールのための大型プラットフォーム構築のためだと語った。

「Cloud Elementsの買収は、当社が柔軟でスケーラブルなエンタープライズ向けプラットフォームを構築し、顧客企業を完全オートメーション化する方法の一例にすぎません」と同氏は声明で述べた。

声明の多くはCEOトークだったが、会社がより大きなオートメーションストーリーを描いていることを示す真実もあった。同社は並外れた資金調達で得た現金を使って、独自のビジョンを拡大し、プロダクトロードマップに欠けている部分を埋めるための小さな買収を始められる。

同社が急速に展開する市場で戦うためには、それ以上のことを成し遂げる必要がある。事業のさまざまな部分を多くのベンダーが狙っているからだ。上場への旅を続ける間に、UiPathはより多様なオートメーション分野のさまざまな部分に手を広げ売上を増やす新たな方法を見つける必要があるだろう。

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画像クレジット:Visual Generation / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ロボティック・プロセス・オートメーションのUiPathがIPO申請

米国時間3月26日午前、よく知られたロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)のユニコーンであるUiPath(ユーアイ・パス)が上場申請した。

同社はこのS-1書類提出に至るまでに、非公開企業として数十億ドル(数千億円)の資金を獲得しており、史上有数の資金豊富なスタートアップに数えられている。たとえば2020年だけを見ても矢継ぎ早に資金を調達し、12カ月以内にシリーズEシリーズFを完了している。

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UiPathの申請書類には同社の急成長ぶりが詳しく書かれている。2020年1月31日までの会計年度から2021年1月31日までの会計年度の間に、UiPathの売上は3億3620万ドル(約368億8000万円)から6億760万ドル(約666億6000万円)へと81%近い成長を見せた。この売上増によって、GAAP純利益は2020年1月年度の-5億1990万ドル(約-570億4000万円)から2021年1月の-9470万ドル(約-103億9000万円)へと改善された。

UiPathの非公開市場での企業価値は、2020年7月の102億ドル(約1兆1191億2000万円)から、2021年2月の350億ドル(約3兆8399億5000万円)へと跳ね上がった。

同社に出資している27の投資家にとって、今回のIPO申請は非常に重大な出来事になる。もしもUiPathがその恵まれた非公開評価額を維持できれば、IPOは成功と見ることができる。しかし、最新ラウンドの出資者たち(Alkeon CapitalとCoatue、両者はシリーズEもリードした)は、同社の市場価値がさらに上昇することを望んでいる。

果たして、UiPathの公開市場価値が350億ドルを超えるかどうか、それはまだわからない。

同社の財務状態は、急成長企業らしく会計2020年度の出費は非常に大きかった。UiPathは営業・マーケティングコストから研究開発費、一般管理予算にいたるまで最新年度で切り詰めた。その結果同社の総利益率は費用削減の効果で大きくなった。そしてその結果、収益性と現金創出が劇的に向上した。

S-1書類によると「UiPathの2020年1月末会計年度と2021年1月末会計年度の営業キャッシュフローはそれぞれ、-3億5940万ドル(約-394億2000万円)と292万ドル(約3億2000万円)、フリーキャッシュフローは-3億8040万ドル(約-417億3000万円)と260万ドル(約2億8000万円)」だった。これは著しい好転であり、同社のGAAP純利益率の向上よりも目覚ましいと言えるだろう。

UiPathからはさらに情報がでてくるはずで、中でも4半期決算の詳細は「今後の目論見書の修正」に入ると同社は言っている。

全体を通じて、UiPathは最新会計年度で営業面の大幅な増益を果たした。これは上場するソフトウェア会社の誰もができることではない。

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nob Takahashi / facebook

シリコンバレーは中国のQ&Aサイト最大手Zhihuから何を学べるか

中国最大のQ&AプラットフォームZhihu(知乎)がIPOレンジの最安値、1株あたり9.50ドル(約1040円)でニューヨーク証券取引所に上場した。この上場価格での企業価値は53億ドル(約5809億円)だ。

ZhihuのIPOでの調達額と同時に行われた私募の合計額は7億7250万ドル(約846億円)で、引き受け人は追加のADS購入のオプションは行使しないと思われる。Zhihuのかなりの浮揚を受け、一部のシリコンバレーのエグゼグティブや投資家たちは、かつて単に「中国のQuora」とみなされていた中国発の創業10年の会社により注意を払うようになりそうだ。

Zhihuは古代中国語で「知ってる?」という意味で、Q&Aは依然としてZhihuの事業の中核だ。しかしZhihuのサービスは同社の2年前に設立されたQuoraを上回るものになった。

「Quoraは良いプロダクトだと思います。しかし本日のQuoraは10年前のQuoraと依然として同じです」とKai-Fu Lee(カイフー・リー)氏は話した。同氏の投資会社Sinovation VenturesはZhihuのシード投資家で、持分13%とZhihuの最大の社外株主だ。

「Zhihuはすでに成長し、知識を中心に据えた多面的なスーパーアプリになる道を歩んでいます。一方のQuoraはいまだにアプリがあるQ&Aウェブサイトです」とリー氏は付け加えた。同氏はAIの専門家であり、熱心なZhihu寄稿者だ。

Q&A促進はさておき、Zhihuはプレミアムなコンテンツ、ライブのビデオとオーディオ、オンライン教育など、同社が知識を共有するのに準備が整ったと確信している形式を倍増させた。

Zhihuの上場目論見書によると、売上高の70〜80%は広告からのものだが、メンバーシップやeコマースといった他の事業も売り上げに貢献するようになっている。これは同社が収益源の多様化に取り組んでいることを示している。

中国スタートアップが進んで「自らを刷新し、成功を解体する」ことは米国企業と異なる点だとリー氏はみている。

「中国のスタートアップは、もし自らがそうしなければ競合相手がそうすることを知っていて、彼らは夢としてのスーパーアプリ構築に向けて野心的だからです。米国の企業は本当に良くて軽いものを作り、他の企業と提携し、快適なゾーンにとどまる傾向があると思います」と2000年代後半にGoogle Chinaのトップを務めたリー氏は話した。

「シリコンバレーと米国の企業は、物事を異なる風に行うというアイデアやインスピレーションに関し、中国に目を向けるべきだと真に思います」。

利益相反

2019年から2020年にかけて、Zhihuの月間アクティブユーザー数は4800万人から6850万人に成長し、これは同プラットフォームが最初に魅了した中国のテックエリートの零細企業、投資家、学者を超えて発展したことを示している。新米の母親がZhihuで出産後のアドバイスを求めるかもしれないし、 Foxconnの従業員が同サイトで工場の話しを共有するかもしれない。

Zhihuの売上高は2019年に6億7050万元(約112億円)だったのが、2020年には14億元(約234億円)に成長し、一方で純損失は10億元(約167億円)から5億1760万元(約86億円)に縮小した。商業化はZhihuのオープンユーザーコラボレーションに根ざす原理と一致しない、と思えるかもしれない。往々にして回答者には経済的インセンティブは与えられないが、純粋に楽しみのために参加している。しかしZhihuは最初から営利目的で、結局収入を必要としている。

プロダクトの商業利益とユーザーの利益のバランスを取るのは常にデリケートな問題だ。結局、広告やプラットフォーム上で許されているスポンサー付きのコンテンツの種類について慎重で計画的になる。抑制はより少ない広告の売上高を意味するかもしれないが、2016年に中国検索大手Baiduに降りかかった医療広告スキャンダルはユーザーの信頼をいかに簡単に失くし得るかを示した。一方、ぴったりとはまり、責任ある広告は広告主とプラットフォームの両方に大きなリターンをもたらし得る。

イノベーティブな面では、すべてのユーザーがZhihuの新機能に感謝したわけではない。Zhihuはショートビデオのアンティー(割り当て金)を増やした。これは多くの中国人ユーザーが情報を受け取っているものを通じてデフォルトのものとなった。よりリーズナブルな接続性とDouyinやKuaishouのような業界先駆者のおかげだ。しかし一部のユーザーは、本質的にショートビデオはエンターテインメントに近く、よりシリアスでテキストにフォーカスしたZhihuにとって邪魔だと主張する。

Zhihuにはバランスを取るべき他の利益もある。同社の株主にはTencent、Baidu、Kuaishouが含まれ、これらの企業自身が広範な機能を持つ「スーパーアプリ」だ。いずれもZhihuとトラフィック取引を持っている。例えばZhihuコンテンツは、自前の検索エンジンを持つWeChatでの検索結果に表示される。

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大手企業と手を組むことは小さいプレイヤーにとってユーザー成長を促進するかもしれない。その一方で、外部への依存はかなりのシェアを早期にあきらめて、ライバルとなり得る複数の味方の関心をかき立てることになり、スタートアップを無力にするかもしれない。

リー氏は、Zhihuの特定のパートナーとの関係についてコメントするのは却下したが、Zhihuにはパートナーに関して「過度の依存」はなく「パートナーとの自然な仕事上の関係」を維持していると指摘した。

「これはZhihuのチームの純粋さと野心にも言えることで、より多くの友人を作って独立を維持することを望んでいます」と同氏は話した。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Zhihu新規上場

画像クレジット:NYSE

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(文:Rita Liao、翻訳:Nariko Mizoguchi

TuSimpleのIPO申請で明らかになった中国と関係がある自動運転スタートアップのハードル

米国と中国の政府が技術的なデカップリング政策を推進する一方で、民間のテック企業は両国のリソースを活用し続けている。自律走行車の分野では、中国のスタートアップ企業、あるいは中国とのつながりが深いスタートアップ企業が米中両国で事業を事業を展開したり、投資を模索するのはよくあることだ。

しかしこれらの企業が成熟してグローバルに展開するにつれ、中国との関係がより綿密に調査されるようになってきた。

サンディエゴに本社を置く自動運転トラック企業のTuSimpleは、今週NASDAQ(NASDAQ)にIPOを申請したが、その目論見書には、中国の資金源による規制リスクが記載されていた。

関連記事:中国の自動運転トラックスタートアップTuSimpleがIPO申請

米国時間3月1日、対米外国投資委員会(CFIUS:Committee on Foreign Investment in the United States)は、中国最大のマイクロブログプラットフォームSina Weibo(新浪微博)を運営するSina Corporation(新浪公司)の関連会社であるSun Dreamによる投資について、TuSimpleに書面による通知を求めた。Sun DreamはTuSimple社の最大の株主であり、クラスA株式の20%を保有している。WeiboのCEOであるCharles Chao(チャールズ・チャオ)氏とCFOのBonnie Yi Zhang(ボニー・イー・ジャン)氏は、ともにTuSimple社の取締役だ。

米国政府がSun Dreamの投資が同国の国家安全保障を脅かすと判断した場合、同投資家はTuSimpleから投資撤退するダイベストメントを指示される可能性があると、その要請書は指摘している。

WeRide.ai、Pony.ai、AutoXなど、中国に拠点を置く自律走行スタートアップはカリフォルニア州に研究所を置き、米国でのテストを行うための規制当局の許可を得ているが、ほとんどの企業は米国での商業計画を明らかにしていないようだ。

一方TuSimpleは今のところ米国に焦点を当てており、同社のレベル4セミトラックのうち50台は米国で、そして20台は中国で使用されている。

中国の自動運転スタートアップのある幹部は、匿名でTechCrunchにこう語った。「中国と強い繋がりがあることが、彼らの米国に焦点を当てた戦略にとって足かせになり得ます」。

TuSimpleは、IPO前の沈黙期間中であるためコメントを差し控えた。

このような障害は、米国市場(またはその同盟国)を狙う中国系テック企業にとっては目新しいニュースではない。有名な例では、CFIUSはByteDance(バイトダンス)が10億ドルを投じて買収したMusical.lyをTikTok(ティックトック)に統合する際に、国家安全保障に関する調査を開始した。2020年12月の時点では、CFIUSはByteDanceとの間で売却完了に向け「交渉を行っている」とロイターが報じていた

自動運転関連のベンチャー企業は中国との関係を断ち切るためにダイベストメントという道もあるが、Momentaの幹部が指摘したように、グローバルな結びつきが強い業界で短期的にサプライチェーンの独立性を実現するのは、より複雑なことかもしれない。

カテゴリー:モビリティ
タグ:TuSimple新規上場中国

画像クレジット:TuSimple

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(文:Rita Liao、翻訳:Aya Nakazato)

中国の自動運転トラックスタートアップTuSimpleがIPO申請

TuSimple(ツー・シンプル)は多様な戦略的投資家集団が支援する自動運転トラックの会社で、Volkswagen AGの大型トラック部門であるThe Traton Group、Navistar,Goodyear、および運送会社のU.S. Xpressが出資している。米国時間3月23日、同社は上場申請書を提出した。

TuSimpleは、最近特に電気自動車や自動運転車のスタートアップでトレンドとなっている特別買収目的会社(SPAC)との合併ではなく、伝統的方法で上場しようとしている。

提出された書類によると、発行する株数と売出し価格の範囲はまだ決まっていない。TuSimpleは普通株をNASDAQ Global Select Marketにティッカーシンボル「TSP」で登録するつもりだ。Morgan Stanley、Citigroup、およびJ.P. Morganが引受会社になる。

3月23日に提出された同社のS-1書類によると、TuSimpleは償還可能型転換優先株の販売および株主からの借入を事業の主な費用に充ててきた。同社の主たる資金源は3億1080万ドル(約337億5000万円)の現金および現金相当物で、150万ドル(約1億6000万円)の制限つき預金は含まれない。現金および現金相当物は、主に銀行口座にある預金および預金証明書からなる。

S-1書類によると、TuSimpleの2020年営業損失は1億7790万ドル(約193億3000万円)で、前年の8480万ドル(約92億2000万円)から2倍以上なった。2018年の営業損失は4500万ドル(約48億9000万円)だったという。同社の2020年12月31日時点の累積赤字は4億520万ドル(約440億3000万円)だった。

普通株保有者に起因する2020年の純損失は1億9880万ドル(約216億1000万円)で、前年の1億4500万ドル(約157億6000万円)より増えた。

売上は2020年に180万ドル(約2億円)へと増加した。前年は71万ドル(約8000万円)だった。

2015年に設立されたTuSimpleは、今やAurora、Embark、Kodiak、Waymoが名を連ねる小さくても活気のある業界における自動運転トラックスタートアップのはしりだった。TuSimpleの創業チームおよび初期の出資者であるSinaとComposite Capitalは中国出身だが、多くの事業は米国内で運営されており、グローバル本社はサンディエゴにある。TuSimpleはエンジニアリングセンターとトラック基地をアリゾナ州ツーソンに置き、無人運転を支援する施設を最近テキサスに作った。なお無人運転車者は非常時用ドライバーが常時同乗している。TuSimpleは北京と上海でも操業している。

事業拠点とパートナーが米国主体であるにも関わらず、同社株式の大部分は中国投資家が保有している、とS-1目論見書に書かれている。クラスA株式の主要株主はSun Dream Inc.(20%)、Composite Capital Master Fund(7.28%)、およびNavistar(6%)など。現在NavistarはVolkswagen GroupのTheTraton Groupが所有している。TuSimpleの共同ファウンダーであるMo Chen(モウ・チェン)氏とXiaodi Hou(シャオディ・ホウ)氏は、クラスA株式をそれぞれ9.1%と8.5%持っている。2人はクラスB株式を50%ずつ保有している。

Sun Dreamを最終的に支配しているCharles Chao(チャールズ・チャオ)氏は取締役の1人だが、おそらく最もよく知られているのはSinaの会長としてだろう。SinaはWeiboの親会社だ。

カテゴリー:モビリティ
タグ:TuSimple新規上場自動運転トラック

画像クレジット:TuSimple

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Robinhoodが株式公開に向け秘密裏に上場申請

米国時間3月23日にBloomberg(ブルームバーグ)が報じAxiosが確認したところによると、Robinhoodが株式公開に向けて秘密裏に申請を行ったという。多額の資金を調達している同社は、消費者にゼロコストの株取引サービスを提供する米国のフィンテック企業だ。

非公開でのIPO申請はここ最近では一般的になってきており、Robinhoodが数字を公開する前に非公開で申請するという決定は驚くべきものではない。しかし非公開で申請したということは、我々が予想していたよりも同社が株式公開に近づいていることを示唆している。

Robinhoodは以前から、2021年のIPOを計画していると予測されていた。同社は非公開のIPO申請に関するTechCrunchからの問い合わせにはまだ回答していない。

最近の申請で物議を醸しているにもかかわらず、Robinhoodが近い将来の上場に関心を持っているかもしれない理由はいくつかある。議会でいくら時間をかけてもユーザーの自殺による悪いPRでも、SECとの和解でも、今日の株式市場が成長を好むという事実を変えることはできず、同社にはその素質が十分にある。また最近のIPOは一般投資家からの評価が高く、公開市場での流動性を追求するには最適な時期だといえるだろう。

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同社の収益は2020年に大きく拡大したが、これについては米TechCrunchがRobinhoodの受注フローに対する支払い、つまりPFOFの収入という視点から取り上げている。同社は議会で、この特定の収入源がトップラインの大部分を占めていると述べており、これはPFOFの成長が同社の全体的な成長にとって妥当であること意味する。さらに米TechCrunchが報じたように、これらの数字は2020年に急激に上昇し、2020年第1四半期には約9100万ドル(約98億8000万円)、2020年第2四半期には約1億7800万ドル(約193億3000万円)、2020年の第3四半期と第4四半期には約1億8300万〜2億2100万ドル(約198億7000万〜239億9000万円)に達した。

Robinhoodはまた、消費者向けのサブスクリプションなどからも収益を得ている。

Robinhoodが非公開で申請したということは上場が近いことを示唆しているが、おそらく2021年第1四半期の数字を公表するにはまだ十分ではない。申請書を入手次第、詳細をお伝えしよう。

カテゴリー:フィンテック
タグ:Robinhood新規上場

画像クレジット:Towfiqu Photography / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:塚本直樹 / Twitter

ウェブサイトビルダーのSquarespaceが1.1兆円の評価額で327億円調達、秘かに上場申請済み

ウェブサイトビルダーとして長い歴史を持つSquarespaceが、100億ドル(約1兆1000億円)という驚異的な評価額で3億ドル(約327億円)の資金を調達した。

新たな投資家はDragoneer、Tiger Global、D1 Capital Partners、Fidelity Management & Research CompanyおよびT. Rowe Price Associates, Inc.のアドバイスによるファンドとアカウント、そしてSpruce Houseだ。以前からの投資家であるAccelとGeneral Atlanticもこのラウンドに参加した。

Squarespaceの創業者でCEOのAnthony Casalena(アンソニー・カサレナ)氏によると、新たな資金により同社の成長を促進し、またそのプロダクト群の拡大を図りたいという。

実はこの資金調達の2カ月足らず前、同社は直接上場またはIPOによる上場を秘かに申請している

関連記事:ウェブサイト構築とホスティングサービスのSquarespaceが非公開でIPOを申請

自分のウェブサイトを作りたいという人をこれまで何百万人も助けてきたSquarespaceは2003年に創業され、2010年にAccelとIndex Venturesが共同でリードするシリーズAで3850万ドル(約42億円)を調達するまで自己資本のみでやってきた。

同社のネット上でのウェブサイト制作とそのホスティングをするサービスは、今ではeコマースにも手を広げ、オンラインの店舗もホストしている。2014年には新たに4000万ドル(約44億円)を調達したが、おそらく最もよく知られているのは2017年に多くの人をあっと言わせたGeneral Atlanticによる2億ドル(約218億円)の二次ラウンドだ。そのときの投資前評価額は15億ドル(約1635億円)だった。今回の評価額が100億ドルであるため、3年ほどで5倍以上になっている。

当時TechCrunchは、Squarespaceは黒字企業で売上は前年比50%増の約3億ドル(約327億円)と報じている。しかし今回のラウンドに関してはコメントもなく、同社のウェブサイトにリリースがあるだけだ。

ニューヨークに本社のあるSquarespaceは、1200名ほどの社員がNY本社をはじめアイルランドのダブリンやオレゴン州ポートランド、カリフォルニア州ロサンゼルスなどのオフィスで働いている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Squarespace資金調達新規上場

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Hiroshi Iwatani)

カスタマー・エクスペリエンス・スタートアップのSprinklrがSECにS-1を非公開申請

ニューヨークに拠点を置くカスタマーエクスペリエンスのスタートアップSprinklrは米国時間3月15日、IPO(株式公開)の可能性に先駆けて内容非公開のS-1を申請したと発表した。

「Sprinklr社は、本日、米国証券取引委員会(SEC)に対し、同社の普通株式の新規公開に関連して、Form S-1による登録届出書の草案を非公開にて申請したことを発表しました」と同社は声明で述べている。

具体的な株式数と価格帯については、SECから株式公開の承認を得た後で決定するとしている。

Sprinklrは2020年、27億ドル(約2900億円)の評価額で2億ドル(約218億4000万円)を調達した。これは同社にとって4年ぶりの資金調達だった。当時、創業者兼CEOのRagy Thomas(レイジー・トーマス)氏は、2020年には4億ドル(約436億7000万円円)のARR(年間経常収益)を見込んでいると予測していたが、これは上場企業として出発するには十分な数字だ。

関連記事:顧客体験管理のSprinklrが4年ぶりに資金調達、評価額2869億円で212億円調達

トーマス氏はまた、Sprinklrの次の資金調達はIPOになるだろうとも語っており、その言葉どおりの結果となっている。2億ドルの資金調達の際に同氏は「私はこの事業の道筋を公表してきましたが、次の資金調達のマイルストーンはIPOになります。新型コロナウイルスのパンデミック時は1年ほど先の話でしたが、タイミングが早まったようです」と語っている。

SprinklrはカスタマーエクスペリエンスマネジメントをCRMが自然な延長線上にあるものと考えており、その巨大な市場は1000億ドル(約10兆9187億円)の価値を持つ可能性があるとトーマス氏は述べている。しかし同氏は、Salesforce(セールスフォース)やAdobe(アドビ)といった大規模な競合企業との戦いであることも認めており、それは2020年の資金調達の理由にもなっている。

Sprinklrは2009年にソーシャルメディアのリスニングに焦点を当てて設立されたが、2017年にソーシャル分野の事業にマーケティング、広告、リサーチ、カスタマー、eコマースを加えたことで、カスタマーエクスペリエンスへの取り組みを強化すると発表した。

Crunchbaseのデータによると、Sprinklrはこれまでに5億8500万ドル(約638億7000万円)を調達しており、ベースプラットフォームに機能を追加しながら途中で11社を買収するなど、買収意欲も非常に意欲的だ。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Sprinklr新規上場カスタマーエクスペリエンスCRM

画像クレジット:Bloomberg/ Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:塚本直樹 / Twitter

ハイテク不動業のDomaもSPACブームに乗って3250億円の大型上場を目指す

サンフランシスコに拠点を置くハイテク不動産事業のスタートアップ、Doma(以前のStates Title)はCapitol Investment Corp. Vと合併することによって上場する計画を発表した。Capitol VはSPAC(特別買収目的会社)であり、買収額は株式、社債を含めて30億ドル(約3250億円)規模となるという。

CEOのMax Simkoff(マックス・シムコフ)氏は、2016年9月にく「住宅ローンを即時に成立させるテクノロジー主導ソリューション」を生み出すことを目指してこのスタートアップを設立した。当初は不動産取引にともなくリスクをカバーするタイトル保険の処理を主な目的としていたためためStates Titleという社名だった。しかし契約処理全般、またこれにともなくエスクロ(預託保証)など「不動産取引のあらゆる側面」を扱うことなってため事業内容に拡大し、社名も変項した。

Domaは特許を取得済みの機械学習モデルを開発した。このテクノロジーは、タイトル処理にかかる時間を従来の5度からわずか1分程度に短縮した。これにより住宅ローンの契約に関する期間を苦痛きわまりない「50 日以上」からわずか1週間以内に短縮することができた。スタートアップはChase、Homepoint、Sierra Pacific Mortgageなどの有力な金融会社をユーザーに持っており、すでに80万件以上の不動産取引をクロージングしてきたという。

社名の変項は上場後の将来を考慮に入れたもので、タイトル保険以外に住宅ローンやその保証などの分野に事業を拡大する計画だ。

上場によって得られる資金は「企業規模の拡大、新たな市場への参入、新しいプロダクト開発」などへの投資を継続、拡大するために利用されるという。

PIPE(上場資金を私募により拠出した投資家)にはBlackRock、Fidelity Management & Research Company LLC、ソフトバンクグループのメンバーであるSB Management 、Gores、 Hedosophia、Wells Capital.が運用するファンドやアカウントなどが含まれている。またDOMAの以前からの株主であるLennarもPIPEに参加している。Ziillowの共同ファウンダーで元CEOのSpencer Rascoff(スペンサー・ラスコフ)氏も個人としてPIPEに加わっている。

さる2021年2月中旬、DomaはHSCM Bermudaから社債による1億5000万ドル(約162億8000万円)の資金調達を完了したことを発表した。HSCMは2020年5月にDomaに対して6億2300万ドル(約676億3000万円)の評価額で1億2300万ドル(約133億5000万円)のシリーズCの大型ラウンドによる投資を行っている。

更新:Domaのビジネスの現状

同社の成長は2019年から2020年にかけては緩やかなものだった。GAAP基準による収入は3億5810万ドル(約388億7000万円)から4億980万ドル(約540億4800万円)に増加した。不動産エージェントに支払った保険料を除いた収入(留保保険料および手数料)は2019年に1億7980万ドル(約195億1000万円)に落ち込んだが、2020年に1億8970万ドル(約205億9000万円)になると予想している。2020年の数字は決算報告では「推定」と警告されている(ただし2021年3月の時点では2020年の確定数字は「推定」に非常に近いものになるとしているので概数として利用するのはさしつかえないはず)。

他のいくつかの指標もネガティブだ。Domaは調整後EBITDAが2021年に赤字幅が2020年の1900万ドル(約20億6000万円)から6660万ドル(約72億3000万円)に拡大すると予想している。しかし2023年については大幅に改善されると楽観的な見通しを立てている。

同社では2021年のGAAPベースの収入は4億1640万ドル(約451億9000万円)エージェントへの支払い後は2億2640万ドル(約245億7000万円)という緩やかな成長を見込んでいる。2022年と2023年にはさらに大きな大きな成長を予測している。だいぶ先の予想なので今のところこれらの数字は割り引いて考る必要があるだろう。

Domaはまた、2021年には決算数字が悪化すると予想している。保険料・手数料収入に占める調整後粗利益は、2020年の48.3%から2021年は39.5%に低下ししている。GAAP会計基準からだいぶ離れた数字を問題にすることになる点は注意しなければならないが、同社が財務実績の悪化が差し迫っていると公表している点には注目すべきだろう。

2020年のDomaの純損失は3510万ドル(約38億1000万円)だったが、費用支出が同等なら、2021年は1億310万ドル(約142億2000万円)に拡大する見込みだ。SPAC経由で株式上場を目指す他のスタートアップ同様、ビジネスに調整が必要な要素を残したまま市場にデビューすることになる。しかしDomaは新型コロナワクチンの入手が順調になってきたことにより近くパンデミックが抑え込まれると見ている。同社は将来展望については非常に強気だ。

つまり現在はプロップテック(proptech、ハイテク不動産事業)を始めるのに非常に良いタイミングだと考えている。

更新:SPACフェスティバル

Domaは株式公開を目指す多数のプロップテック企業の仲間入りを果たした。最近も16億ドル(約1737億1000万円)のベンチャー資金を調達した不動産仲介ビジネスのスタートアップCompassS-1上場申請書を提出している。

関連記事:ソフトバンクなどから総額約1710億円調達した不動産仲介スタートアップ「Compass」が上場申請

2020年にベンチャー投資家のChamath Palihapitiya(チャマス・パリハピティヤ)が創立した白紙委任会社(SPAC)、Social Capital Hedosophia IIはOpendoorとの合併を発表し、これによって非公開の不動産スタートアップであったOpnendoorを上場させた。

Porch.comも2020年12月にSPACを利用して上場している。また日本のSoftBankが支援するシリコンバレーのViewはSPACとの合併で米国時間3月9日にNASDAQに上場している。同社は、テクノロジーを利用した窓ガラスの製造と交換などを行うスマートウィンドウ企業の1つで時価総額16億ドルを目標として上場を開始した(Yahoo Financeでは時価総額はまだ判明していない)。

【追記】トップの小切手のイラストはSPAC企業が事業目標を示さないことから「白地小切手会社」と呼ぶことにかけたもの。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Doma不動産SPAC機械学習

画像クレジット:Lawrence Anareta / Getty Images

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(文:Mary Ann Azevedo, Alex Wilhelm、翻訳:滑川海彦@Facebook

Courseraは3月5日に上場を申請する計画

オンライン教育のプラットフォームであるCourseraは、新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックの間も成長が途絶えることなかった。情報筋によると、米国時間3月5日に株式上場のための申請書類を提出することになったという。引受人や引受企業との話し合いは2020年から行われてきたが、3月5日は同社のIPO過程の、最初の法的手続きとなる。

マウンテンビューに本社を置く同社は2012年に創業され、プライベートマーケットにおける最後の評価額、2020年7月のシリーズFにおけるそれは、24億ドル(約2600億円)だった。ブルームバーグはCourseraの最新の企業価値を50億ドル(約5420億円)としている。

最新の資金調達で同社のキャッシュバランスは3億ドル(約330億円)となり、それは同じくオンライン学習プラットフォームCheggの上場前とほぼ同額だ。CourseraのCEOであるJeff Maggioncalda(ジェフ・マッジョンカルダ)氏は、IPOへ向かう意思を最終的に表明した。

Courseraは、パンデミックの間に多忙だった。同社は同じく上場を計画している大規模オープンオンラインコースのUdemyと並んで、そのビジネスにエンタープライズ部門を加えた。それはCoursera for Campusと名づけられ、大学などが自分でオンラインコースを開設することを助ける。この、入学試験やクレジット制もあるソフトウェアは、世界の3700を超えるカレッジなどが利用している。この事業の収益は不明だが、UdemyのUdemy for Businessの場合は年商2億ドル(約220億円)弱で安定している。2021年2月に同社は、企業の公共性を表すB Corp証明を取得した。それは、企業の社会的および環境的パフォーマンスが高いことを表している。また同社は、単なる民間企業から公益企業(public benefit corporation)に転換した。

EdTech企業を主に支援しているVC企業GSVが、Courseraのファンドの最大の部分を受け持っている。GSVの先の発表では、そのFund Ⅱの総額は1億8000万ドル(約200億円)となっている。

EdTech企業が、マーケットの熱気が衰えず、リモート教育が授業の主流であり続ける間に上場を志向するのは、理に適っている。最近上場した同業他社のうち、NerdyとSkillsoftはSPACを利用して公開市場にデビューした。そして、上場した場合のCourseraはこれらの新進企業だけでなく、ベテランのEdTech公開企業である2UやChegg、K12 Inc、Zovio Solutionsなどとも肩を並べることになる。

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Courseraは、コメントの求めに応じなかった。

カテゴリー:EdTech
タグ:Coursera新規上場

画像クレジット:MirageC/Getty Images

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Hiroshi Iwatani)

医療インシュアテックのOscar Healthが1株当たり39ドルでIPO、企業価値は1兆円超に

米国時間3月2日夜、ITを活用した医療保険会社Oscar Health(オスカーヘルス)は、IPO価格を1株当たり39ドルに設定した。この最終価格は同社がIPOガイダンスで提示していたよりも1株当たり1ドル高い。当初Oscar HealthはIPO価格の目標を32~34ドルとしていた。

そして、3704万1026株が39ドルで売られ、うち3639万1946株は会社自身から提供された。引受会社のために予約されている株(詳しくはこちらを参照)を別にして、Oscar Healthは最低14億4000万ドル(約1541億8000万円)相当の株式を39ドルで売ったことになる。売却で得た金額の98%は同社の会計に組み込まれた。

出資しているThrive Capital、Founders Fund、Formation 8、CapitalG、Fidelty、Alphabet、Coatue、Tiger Globalらにとって、この日は金融クーデターだった。

しかし、会社の民間出資者にとってはどれほどよい結果だったのか?それを知るためには1株当たり39ドルで同社の価値がいくらになるかを計算する必要がある。OscarはSEC(証券取引委員会)提出したS-1/A書類で見込んでいたよりも多くの株式をIPOで売却したため、株数の確定が少々面倒だ。単純計算によるIPO価格に基づく同社の会社価値は79億2000万ドル(約8477億3000万円)強だ。しかしIPO投資グループのRenaissance Capitalは、行使されていないストックオプションなどを含む追加の株式を勘定に入れた完全希薄化後の会社価値を95億ドル(約1兆168億円)と推定している。

Oscar HealthのIPOはいくつかの意味で成功といえるだろう。資金調達の面では、最終IPO価格を初期の株価範囲と比べると、当初の計画よりも多くの金額を調達した。会社価値の面でも、知られている最後の私的評価価値である2018年のシリーズGで設定された32億ドル(約3425億2000万円)の数倍に相当する(PitchBook dataのデータよる)。そのラウンドと今回のIPOの間にも同社は民間資金を調達しているが、当時の会社価値の数字は入手できていない。

3月3日午前に始まるOscar Healthの取引は、インシュアテック、それも医療インシュアテックというサブニッチの試金石として注目に値する。同社のIPO価値に関するこれまでのTechCrunchの記事はさておき、投資家はOscar Healthに改めて価値を付け直した。本当の意味で株式市場に出た後、今後同社がどのように振る舞っていくのか見ていきたい。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:Oscar HealthIPO

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ソフトバンクなどから総額約1710億円調達した不動産仲介スタートアップ「Compass」が上場申請

総額16億ドル(約1710億円)のベンチャー資金を調達したニューヨークに拠点を置く不動産仲介のスタートアップCompassがが新規上場のために証券取引委員会にS-1申請書を提出した。新型コロナウイルスによるパンデミックで経済活動が急減速したこととにともない、スタッフの15%のレイオフを余儀なくされたのはちょうど1年前のことだ。

同社は現在、SoftBank Vision FundがCompassの3分の1強を保有して筆頭株主となっている。Crunchbaseによれば他の投資家にはカナダ年金投資委員会、Fidelity、Wellington Management、Qatar Investment Authority(カタール投資庁) どが含まれている。

同社が最新の資金調達は2019年7月で、会社評価額64億ドル(約6835億5000万円)で3億7000万ドル(約395億2000万円)のラウンドを実施した。同社はハイテクアルゴリズムにより売手、買手、仲介者の三方を益する不動産業界向けマーケットプレイスを構築している。

企業が上場を申請すると我々は、その財務状況を非常に詳しく知ることができるようになる。Compassは通年ではまだ赤字だがここ数年、売上は急増している。

S-1上場申請書によれば、同社の収入は2016年の1億8680万ドル(約199億5000万円)から2020年にはなんと37億ドル(約3951億9000万円)に膨張している。売上増加は主として直近の2年間の成長によるものだ。Compassは多数の不動産エージェントと契約するビジネスモデルであるため、売上の大部分は代理店に直接支払われる。2020年には約30億ドル(約3204億3000万円)の手数料が支払われた。Compassは2020年の純損失は2億7000万ドル(約288億4000万円)で、これは過去2年間とほぼ同額だ。

プラットフォームを利用した取引総数は2018年の2万7000件から2020年には14万5000件に急増し、総取引額(同社が仲介した不動産の価値)も340億ドル(約3兆6320億円)から1520億ドル(約16兆2360億円)へ約5倍に増加した。手数料は不動産価値に対する一定の割合で計算されるためトランザクションの額は売上に直接反映されることになる。2020年12月31日現在、同社のラットフォーム上に登録しているエージェントは1万9385人となっている。

ただしCompassはパンデミック以前からもそれなりのトラブルを抱えていた。2019年9月にWall Street Journalは過去18カ月間に最高財務責任者、最高マーケティング責任者、最高技術責任者を含む多くの幹部社員が同社を離れたと報じている。

【更新】この記事はCopassプラットフォーム上のエージェントの数をアップデートしている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:CompassIPO不動産Softbank Vision Fund

画像クレジット:Smith Collection/Gado / Getty Images

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(文:Mary Ann Azevedo, Danny Crichton、翻訳:滑川海彦@Facebook

ナイジェリア発のIROKO、2022年にロンドン証券取引所AIMでの上場を計画

ナイジェリアに拠点を置くメディア企業のIROKO(イロコ)が、今後12か月以内にロンドン証券取引所(LSE)のオルタナティブ インベストメント マーケットで株式公開を申請するとみられている。

2011年にJason Njoku(ジェイソン・ンジョク)氏Bastian Gotter(バスチャン・ゴッター)氏によって設立されたイロコは、ナイジェリアの映画産業「ノリウッド」の映画コンテンツを配信し、そのコンテンツ数は世界最大を誇る。

この報道によると、同社は2000万ドル(約21億円)から3000万ドル(約32億円)を調達し、8000万ドル(約84億円)から1億ドル(約105億円)の評価を得ることになるという。 

ンジョク氏は2019年10月に、ロンドン証券取引所またはアフリカ大陸の現地取引所のいずれかで株式公開することになるとほのめかしている。しかし翌年、同社は激動の一年を過ごすことになり、CEOは株式公開のプロセスに関して完全な無言を貫いた。

2020年、同社はビデオオンデマンドサービス「iROKOtv」のアフリカでのユーザー1人当たりの平均収益(ARPU)を7~8ドル(約730円~840円)から20~25ドル(約2100円~2600円)に引き上げる計画を立てていた。最初の4か月間はその目標が達成できそうに思われたが、パンデミックによるロックダウンの恐れがある中、ナイジェリアやその他のアフリカ市場では一般消費財への支出額が減少した。その後、登録者数は70%減少し、5月には同社の従業員の28%が無給休暇を余儀なくされた。しかし、iROKOtvの現地市場の数字とは対称に、ロックダウン中に国際的な加入者数が200%増加し、その結果25~30ドル(約2600円~3200円)のARPUを記録した。

しかし8月、さらなる悲報が同社を襲う。CEOが150人の従業員を解雇すると発表したのだ。ンジョク氏はこの決定の理由として、ナイジェリアの通貨であるナイラの切り下げ、国の放送規制当局による規制の猛攻、アウトバウンドマーケティングチームの縮小を挙げている。

同社は成長を維持するため毎月30万ドル(約3200万円)以上を費やしていたが、アフリカ大陸における事業拡大への取り組みの停止を決め、代わりに米国と英国を中心とした国際市場に焦点を当てた。それが功を成し、年間25ドル(約2600円)から60ドル(約6300円)へと150%の値上げを実現している。ンジョク氏は、この決定によって同社が軌道に乗り、これまでの数年間よりもキャッシュポジションを高めることができたと述べている。 

「アフリカでの成長に費やすコストを劇的に減らしました。私たちはアフリカに集中していましたが、マーケティングやそれを促す何に対しても、結果的には何もできませんでした。そのため、もっと理にかなう市場に集中することにしたのです。当社の国際事業は2020年には有機的に2桁の成長を遂げており、しばらくの間はこの成長が続くと予想しています」と同氏はTechCrunchに語ってくれた。

イロコはアフリカ市場から完全に撤退したわけではなく、ステルスモードに入ったと考えれば良い。過去8年間アフリカで最も強力な独立系SVOD会社の1つとして支配的な地位を築いてきた同社は、アフリカ大陸でのあらゆる改善から必ず恩恵を受けることになるだろう。

とはいえ同社は収益の80%をアフリカ外の国から得ており、海外の取引所での上場が同社の取り組みを強化するために有益になることは間違いない。ナイジェリア証券取引所やその他の現地取引所は、アーリーステージのハイテク企業を上場させた歴史がない。そのため、ンジョク氏にとっては短期的にはロンドン証券取引所の方が理にかなっている。

また、イロコが目指す時価総額は1億ドル(約105億円)程度と一次市場にしては小規模だ。同社がLSEのオルタナティブ インベストメント マーケット(AIM)への上場を選択しているのはこのためだ。LSEのサブマーケットであるAIMは、小資本企業のために特別に作られている。それでも将来的には、英国のスポーツ賭博会社GVC(ジーブイシー)やオンラインファッション小売業者ASOS(エイソス)のように、評価額の成長に応じて主要市場に進出する計画もある。

株式を公開する際、ほとんどの企業はプライベートエクイティの時よりも多くの資金を調達する傾向にある。しかしイロコの場合はそうではない。2016年1月の最後の価格決定ラウンド(シリーズE)で総額約3000万ドル(約32億円)を確保した同社だが、2022年に株式を公開する際にはそれ以下、またはそれと同程度の金額を調達する予定だ。ダウンラウンドのように見えるが、なぜ同社はもっと調達する予定がないのか、ンジョク氏に尋ねてみた。

「これ以上必要ないのです。正直に言うと、1000万ドル(約10億5000万円)から1500万ドル(約16億円)は経営のために使用され、残りは株主のための副次的なものになるでしょう。イロコは未公開企業としての評価額が7000万ドル(約74億円)を超えたことはなかったので、目標の範囲内であればダウンラウンドにはなりません。特に、この間にイロコのために調達した資本金の総額に近い金額でROKをイグジットしたことを考えると、すでに初期投資家と株主に1100万ドル(約12億円)を返却しています。Canal+(キャナル プリュス)によるROKの買収で得た資金はまだ残っており、2023年まで半年ごとに入ってきます」とンジョク氏はいう。

イロコが2019年7月にVivendi(ヴィヴェンディ)傘下のキャナル プリュスにROK Studios(ROKスタジオ)を売却した際、取引条件は非公開のままだった。しかしCEOの発表から買収の見積もりが3000万ドル(約32億円)前後だと推測できる。この取引によって得た収益のおかげで同社は2020年の荒波を乗り越えることができた可能性が高く、2022年のIPO後も同様となる可能性がある。 

イロコと同じく今後2年以内に株式公開を予定しているのは、ナイジェリアに拠点を置く、評価額10億ドル(約1050億円)の決済会社Interswitch(インタースイッチ)だ。しかし2002年に設立されたインタースイッチとは異なり、イロコは設立からわずか10年しか経っていない。10年以内に上場したインターネット企業はJumia(ジュミア)だけで、同社は設立から7年後に上場している。イロコは創業11年目にしてこの偉業を達成させようとしており、株式の18%を保有するンジョク氏は次のステップに進むには十分な時期だと考えている。  

「非上場企業として達成できることは、上場しても同じように達成することができるでしょう。 いつも支えてくださっている会員の皆様にもIPOの機会を提供する予定ですので、会員の皆様にもその価値を享受していただけると思います。常にパイオニアであり、実験的であることを恐れないというのがイロコの特徴です。プロセス全体をオープンソース化していくつもりなので、もし私たちが成功すれば、後に続くアフリカの他の企業も私たちの経験から恩恵を受けることができるでしょう」と、同氏は今後の抱負を語る。 

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:新規上場 アフリカ メディア

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(文:Tage Kene-Okafor、翻訳:Dragonfly)