SaaSアプリのセキュリティプラットフォームAdaptive Shieldが約4億円調達

テルアビブ拠点のセキュリティスタートアップAdaptive Shield(アダプティブ・シールド)が8月12日、ステルスモードから抜け出してVertex Ventures Israelがリードする400万ドル(約4億円)のシードラウンドを発表した。Adaptive Shieldのプラットフォームは、企業がセキュリティ問題対策としてさまざまなセッティングを定期的にスキャンすることでSaaSアプリケーションを保護するのをサポートする。

同社の共同創業者2人はイスラエル国防軍で出会った。そこで彼らはサイバーセキュリティについて訓練を受け、その後、Adaptive Shieldを立ち上げる前に数多くのセキュリティ企業で働いた。Proofpointでクラウド研究を率いていたAdaptive ShieldのCEOであるMaor Bin(マオール・ビン)氏は、取り組んでいる企業が少ない喫緊の問題としてSaaSセキュリティを掘り下げることに決めた、と筆者に話した。

写真は9つのアプリがAdaptive Shieldプラットフォームにモニターされている例。各アプリのトータルスコア、影響を受けているカテゴリーやフレームワーク、スタンダードが含まれる(画像クレジット:Adaptive Shield)

「周囲にある問題をみると、重要で緊急の問題を解決したいと思う」とビン氏は話した。「ビジネスアプリケーションよりも大事なものは何か。全ての情報がそこにあり、人々が毎日オンプレミスインフラをクラウドに移動させるのを目にしている」

企業が独自のセキュリティセッティングや利用者権限のあるさまざまな種類のSaaSアプリケーションを受け入れるにつれ、セキュリティチームは往々にして手一杯になるか、あるいはシステムオーナーではなく、アクセスすらできないかもしれないためにシンプルにこうしたSaaSツールにフォーカスしなくなる、とビン氏は主張する。

「あらゆる企業が今日、変幻自在のセキュリティリスクを解決せずにSaaSサービスをかなり使用している」とVertex Ventures IsraelのゼネラルパートナーEmanuel Timor(エマニュエル・チモール)氏は話す。「我々はこの複雑な問題を優雅に解決するAdaptive Shieldのビジョン、そして顧客の関心のレベルと素早いソリューション受け入れに感銘を受けている」。

オンボーディングは至って簡単だ、とビン氏は筆者に示した。SaaSアプリでユーザーを登録し、Adaptive Shieldを通じてサービスにログインする。同社は現在、GitHub、Office 365、Salesforce、Slack、SuccessFactors、Zoomなどを含む標準的なSaaS企業アプリケーションのほとんどをサポートしている。

「最も重要な差別化要因の1つは当社がサポートするアプリケーションの数だと考えている」とビン氏は述べた。

Adaptive Shieldはすでに有料顧客を抱え、ここにはさまざまな分野のFortune 500企業も含まれる。同社はまた、世界が新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックに見舞われる前にクローズした資金の一部を、顧客のためのさらなるインテグレーション構築にすでに注いでいる。ラウンドがクローズするやいなや同社はすぐさま採用を開始し、現在は米国での販売を担う初の人材の採用プロセス中だ。

画像クレジット: Doron Letzter

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

従業員同士の自律的協業を促すプラットフォームを開発中のBeaTrustが約3億円を調達

従業員同士の自律的協業を促すプラットフォームを開発中のBeaTrustが約3億円を調達

BeaTrust(ビートラスト)は8月11日、シードラウンドにおいて、J-KISS型新株予約権の発行による総額約3億円の資金調達を実施した。引受先は、サイバーエージェント・キャピタル、DNX Ventures、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、STRIVE、One Capital,、Delight Ventures、PKSHA SPARXアルゴリズム1号、みずほキャピタル、複数の個人投資家。

調達した資金は、主にプロダクト開発、人材採用への投資に用いる予定。オンライン上における社員の新しい働き方を模索している大企業からスタートアップ企業まで、有効かつタイムリーなソリューションを提供する。

BeaTrustは2020年3月にGoogle出身者のCEO原邦雄氏と共同創業者久米雅人氏が創業。「世界中の人々のスキルや経験、専門知識を可視化し、お互いをつながり易くし、コラボレーションを促進してイノベーションを加速する」というミッションのもと、従業員同士が自律的に協業し、持続的にイノベーションが起こせるような文化、環境作りを支援する統合型デジタルプラットフォームを開発している。

とりわけリモートワークといった多様な働き方が模索されている中、従業員間の新たな情報共有方法やオンラインコラボレーションのあり方が求められており、従業員同士での協業を促すプラットフォーム「BeaTrust」を今秋リリース予定。

BeaTrustは、従業員のスキルや経験・これまでの仕事内容や趣味などを全従業員同士が簡単に検索できるプラットフォームという。今秋のプロダクトリリースでは、「従業員の業務内容やスキル・経験の可視化」「チーム構成・組織体制の把握」「横断的かつスピーディで強力な検索機能」「コラボレーションを生み出すためのコンタクト情報などの表示」に関する機能を予定している。

従業員同士の自律的協業を促すプラットフォームを開発中のBeaTrustが約3億円を調達

関連記事
シード投資にスピードと透明性を―、投資契約書「J-KISS」を500 Startups Japanが無償公開

VISAプリペイドカードアプリ「バンドルカード」運営のカンムが11.3億円を調達

VISAプリペイドカードアプリ「バンドルカード」運営のカンムが11.3億円を調達

VISAプリペイドカードアプリ「バンドルカード」(iOS版Android版)運営のカンムは8月7日、第三者割当増資として、11.3億円の資金調達を2020年7月31日に完了したと発表した。引受先はセブン銀行。創業以来の資金調達は累計約44.3億円。

調達した資金は、バンドルカード会員獲得の強化、2020年12月リリース予定の新プロダクト(「投資×決済」をテーマにした個人向け金融サービス)の開発に投資する。業容拡大を見越し、優秀な人材の採用活動にも注力するという。

2011年1月創業のカンムは、バンドルカードを2016年9月にローンチ。バンドルカードは、誰でもカード払いができ、アプリ上ですぐに発行できる点が支持され、専用アプリのダウンロード数は2020年6月末時点で250万となったという。

今般の新型コロナウイルス流行による経済活動自粛の中でも、巣ごもり需要からくるオンライン決済ニーズは高まり続けており、決済金額は2020年3~6月にかけて月間最高記録を更新したとしている。

VISAプリペイドカードアプリ「バンドルカード」運営のカンムが11.3億円を調達

今後は、カンムのビジョンである「心理的unbankedをソフトウェアで解決する」の実現に向け、現行の決済事業に投資分野の新サービスを組み合わせた個人向けの金融プラットフォーム構築を戦略として推進。個人がさまざまな金融サービスを利用する際の心理的なハードルを下げ、自然に使いこなせる世界を目指す。心理的unbankedとは、心理的な理由から金融サービスを使いこなせていない人を指す同社の造語。

またプラットフォームの構造としては、アプリの一元的な統合ではなく、投資・保険・決済などユーザーが抱える個別の金融課題に対してそれぞれにシンプルでわかりやすいソリューションを提供するという。

関連記事
FinTechスタートアップのカンムがVISAプリペイドカードを発行へ、その意図は?
クレジットカード連携特典サービスを実現するカンム、クレディセゾンと提携

提携プラットフォームのCrossbeamが約26億円調達、他社連携時のデータ統合を自動化

営業部隊が他の企業と提携するときは、アカウントマッピングと呼ばれるプロセスで共通の顧客や見込み客を探す。通常これはスプレッドシートで管理され、ほぼ手作業で行われる。米国フィラデルフィアのスタートアップであるCrossbeam(クロスビーム)は、提携データの統合を自動化する方法を考えた。同社は8月6日、シリーズBで2500万ドル(約26億円)を調達したと発表した。

Redpoint Venturesがこのラウンドをリードした。既存の投資家からFirstMark Capital、Salesforce Ventures、Slack Fund、Uncork Capitalが、新しい投資家としてOkta Venturesと提携の業界団体であるPartnership Leadersが参加した。全体としては典型的なVCと戦略的投資家の興味深い組み合わせであり、Crossbeamはビジネスが成長するに従い彼らと連携できる可能性がある。

今回の資金調達は、2018年の350万ドル(約4億円)のシードラウンドと、1年前の1250万ドル(約13億円)のシリーズA(未訳記事)に続くものだ。同社はこれまで合計で4100万ドル(約43億円)を調達した。

Crossbeamの着実な成長に注目した投資家がCEO兼共同創業者のBob Moore(ボブ・ムーア)氏にアプローチしてきたと同氏は語る。同氏によると、本当は来年までは資金調達しないつもりだったが、訪れた機会を利用することにした。

このプラットフォームには自然なネットワーク効果が組み込まれており、現在900社以上が利用している。新しい会社は参加すると提携先に声をかける。声をかけられた提携相手は、別の提携先に声をかけることができる。こうして労力をかけずに一定の販売活動が生まれる。

「資金調達活動は行なっていなかったが、Redpointが当社に目をつけた。彼らはプロダクトの実現可能性を理解していたのだと思う。また、彼らのポートフォリオ企業やそれ以外の企業がどの程度利用していたかも見ていた」とムーア氏はTechCrunchに語った。

画像クレジット:Crossbeam

プロダクトへの関心を高めるために、同社は新しい無料利用枠も発表した。従来の限定的な無料トライアルと月額500ドル(約5万3000円)の「スターターレベル」に代わるものだ。従来、スターターレベルに移らなかった場合、トライアルが終了するとデータが失われていた。

「このアイデアはデータから得た。参加企業が一度ドアを開けて実際にデータにアクセスできれば、彼らにとって非常に大きい価値が生まれ、非常に高いROI(投資効果)が実現されることがわかった。無料トライアルでデータが消える心配もない」とムーア氏は説明した。

ムーア氏によると、同社には現在28人の従業員がいる。今後数カ月以内に新しい人員を採用する野心的な計画があり、2021年初頭までに従業員は50名に達すると見込む。ムーア氏は「会社が人事面で大きく変化するにつれ、多様性が計画の最前線かつ中心に据えられた」と語った。

「Crossbeamに限って言えば、当社は多様性、公平性、包摂性、そして会社にいる人々のために当社が生み出す文化的経験を採用プロセスに確実に組み込んだ」と同氏は述べた。具体的な人数は明かさなかったが、特に最近の採用で進捗があったと語った。

同社はフィリーにオフィスを構えているが、新型コロナウイルス直撃前も従業員の約半数が在宅で勤務する「リモートファースト」の組織だった。「当社の文化は、リモートチームのメンバーが会社生活のあらゆる面で一流の市民でいられるよう構築されたものだと思う。そのため当社ではすべての仕組み、技術、手続きが整っていた。オフィスを閉めても想定どおりスムーズに移行できた」と同氏は述べた。

画像クレジット:Klaus Vedfelt / Getty Images

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

IoTデバイスに特化した検索エンジンを開発するCensysが約16億円調達

インターネットデバイスの検索エンジンであるCensys(センシス)は、おそらくあなたが耳にしたことがない最大の検索エンジンの1つだ。

Google(グーグル)がウェブ上の情報を見つける検索エンジンなら、Censysはデータをホストするコンピューター、サーバー、スマートデバイスなどのインターネットデバイスを見つける検索エンジンだ。インターネットに接続されたデバイスを探しながら継続的にマッピングを行い、企業のファイアウォールの外側からアクセス可能なデバイスを特定することを可能にする。その目的は、ウェブからアクセスできるシステムを捕捉し、セキュリティの脆弱性のため悪用される可能性があるデバイスを把握する手段を企業に提供することだ。

Censysは、GV(ジーブイ)とDecibel(デシベル)がリードしたシリーズAで1550万ドル(約16億円)を調達した。Greylock Partners(グレイロックパートナーズ)も参加した。

米国ミシガン州アナーバーに本拠を置くインターネットセキュリティのスタートアップの最高経営責任者兼共同創業者であるDavid Corcoran(デービッド・コーコラン)氏は、「当社は一流のセキュリティ人材に積極的に投資する計画であり、営業、エンジニアリング、リーダーシップチームの拡大に向け、来年には従業員数を約50人から100人に倍増させる計画だ」と語った。

「世界一流の投資家から投資を受けたことを大変嬉しく思っている。当社はこの勢いを止めることなく、絶え間なく変化する環境で企業のセキュリティ管理に革命を起こし続ける」とコーコラン氏は述べた。

資金調達はこれ以上ないタイミングで行われた。同社だけがインターネットデバイス検索エンジンというわけではなく、ライバルにはBinary Edge(バイナリーエッジ)やShodan(ショーダン)がいる。しかし同社によると、インターネットマッピングテクノロジーの改善に2年を費やしており、以前よりインターネットらしくなっている。

元々はオープンソースのZMapスキャナーの開発・保守を行っていたチームが構築した新しいスキャンエンジンは、他のセキュリティ会社よりもインターネット上のデバイスが44%多いと同社は主張する。チーフサイエンティストであるZakir Durumeric(ザキール・デュルメリック)氏は、「企業は新しく脆弱なシステムがオンラインになると同時に確認できるようになる」と語った。

Censysはアナーバー地域で成長しているセキュリティ企業の1つ。ほかにも同地域最大級の会社としてDug Song(ダグ・ソング)氏が共同で創業したDuo Security(デュオセキュリティ)がある。同氏はCensysの取締役も務める。

「見えないものを保護することはできない。だが今日のダイナミックなIT環境で多くの組織は、リスクのある全てのシステムとアプリケーションを攻撃者が見つける前に必死に探し出そうとしている」とソング氏は言う。「Censysは防御側が必要とする『可視化の自動化』によって力を貸す。それによりリスクをしっかり理解し、先回りできる。そして小規模なセキュリティチームでも大きなインパクトを与えることができる」

画像クレジット:Censys

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

AI医療機器スタートアップのアイリスが資金調達を実施、累計調達額が約29億円に

アイリス

AI医療機器スタートアップのアイリスは8月6日、資金調達を実施し、2017年11月創業からの累計資金調達額が約29億円となったと発表した。引受先は、トヨタ自動車を主な出資者として、スパークス・グループ運営の「未来創生2号ファンド」、CYBERDYNEと同社子会社運営のCEJファンド(サイバニクス・エクセレンス・ジャパン 1号投資事業有限責任組合)。

調達した資金は、AI医療機器のさらなる研究開発の加速とグローバル展開に向けた準備、優秀な人材の獲得に利用する。

アイリスは、AI技術を用いた高精度・早期診断対応のインフルエンザ検査法の開発を進行。2019年4月には第一種医療機器製造販売業を取得、2019年5月には塩野義製薬とBeyond Next Venturesを引受先とする12.5億円の資金調達を実施。冬季には大規模な臨床試験を実現し1万人以上のデータを収集するなど成長を続けてきた。

2020年6月にはPreferred Networksとの取り組みを開始し、同社が開発するAI医療機器の上市に向けた支援を実施している。

アイリスは、技術開発と事業のさらなるスピードアップを目指しており、また、開発する機器や技術は広く世界に向けて提供できると考えているという。こうした背景から今回、知能化技術への投資に注力する「未来創生2号ファンド」および医療機器の豊富な海外展開実績を有するCYBERDYNEからの資金調達を実施した。

今後もインフルエンザAI診断支援機器だけでなく、他疾患への展開など、アイリスがミッションとして描く「すべての医師が匠の医療技術を共有し育てることのできる社会の実現」を目指すとしている。

なおアイリスは8月4日、AIエンジニアの吉原浩之氏が所属するチームが、世界的AIコンペティションプラットフォームKaggleの「Prostate cANcer graDe Assessment (PANDA) Challenge」(PANDA Challenge)においてGoldメダルを受賞したことを発表している。また吉原氏は、これまでに獲得していた3つのSilverメダルとこの受賞で、Kaggle Masterの称号を獲得した。同社は、吉原氏が参加したPANDA Challengeは前立腺癌の生体組織診断という医療分野コンペティションにあたり、参加によって得られた技術はアイリスのAI医療機器開発にも大いに活かされるとしている。

東大・仏国立研究所発スタートアップのコーピー、AI運用・品質管理プラットフォーム「CONFIDE」をプレローンチ

東京大学・フランス国立情報学自動制御研究所(Inria)発のAIスタートアップであるコーピーは8月6日​、ドメイン特化AIの運用・品質管理を簡単に実現可能にするサービス「CONFIDE」(コンファイド)をプレローンチした。あわせて最先端技術を用いた包括的なAI開発・運用コンサルティングの提供も開始しる。さらに、DEEPCORE、Deep30、その他の金融機関から合計1億円強の資金調達も発表した。今回調達した資金は、人材強化と「CONFIDE」の正式版ローンチ、事業者への導入のために投下する計画だ。

CONFIDEは、製造業における外観検査AIや、自動走行における物体検知AIなどの領域(ドメイン)に特化したAI。12月に正式版をローンチ予定で、現在CONFIDEを用いたAIの運用・品質管理を試してみたい企業やCONFIDEを用いたサービスの共同開発を希望するパートナー企業を募集中だ。

特徴は、同社が研究を続けてきたXAI/QAAI技術を導入して精度を高めている点。なお、XAI(eXplainable AI)とはAIの判断根拠を説明可能にする技術の総称、QAAI(Quality Assurable AI)はAI​システムに特化した品質検証技術と品質保証プロセスを指す。同社は、AI品質保証研究を専門とする国立情報学研究所のの石川冬樹氏とXAI研究の第一人者である原 聡氏を技術顧問に迎えている。

新たに開始するコンサルティング業務は、すでに運用しているAIシステムや予算をかけて開発したもののPoCで終わってしまっていたAIシステムなどに対する品質検証サービス。QAAI技術を用いて網羅的に品質検証を行うことで、どこに品質的な課題があるのかあぶり出し、どのように改善していけばいいか提案する。

同社は「現在本格的に導入されているAIシステムは、リコメンデーションやOCRのような特定領域や特定技術、非ミッションクリティカルな領域や機械学習による不確かさの影響が少ない領域や技術に限られており、ほとんどのケースでは、PoCより先に進んでいない」と感じており、「特にシステムの判断ミスが人命を脅かす危機に直結する領域や、社会的、経営的危機に直結する領域においては、機械学習を含むAIシステムがほとんど本導入に至っていないのが現状」との認識から、同社のXAI/QAAI技術を用いてこれらを解決することを目指している。なお、XAI/QAAI技術の詳細については同社の技術顧問を務める石川氏が公開している資料を参照してほしい。

月4万円〜の定額で全国のワーケーション拠点に住み放題、「ADDress」がシリーズBの資金調達

広島県尾道市にオープンした、ADDressの広島県内第1号拠点。室内からは対岸の向島(むかいしま)が一望できる。

月額住み放題の多拠点居住プラットフォーム「ADDress(アドレス)」を運営するアドレスは8月6日、Bonds Investment Group(旧社名:オプトベンチャーズ)をリード投資家とし、山口フィナンシャルグループ傘下の山口キャピタルが運営するUNICORNファンドおよび個人投資家らから第三者割当増資による資金調達を実施したことを明らかにした。

ADDressは月額4万円からの定額で、全国の拠点に自由に住める多拠点コリビング(Co-living)サービスだ。個室を確保しながら、シェアハウスのようにリビングやキッチンなどを共有。空き家や空き別荘のオーナーと契約することで、遊休不動産の活用とコスト抑制を図っている。

5月20日には、ホテル・旅館・ゲストハウスなどの宿泊施設との連携強化を発表。リモートワークやワーケーションといった、コロナ禍を機に拡大する新しい働き方を支援し、職住融合型の滞在個室の提供を図る。

今回の第三者割当増資の引受先は以下の通り。

  • BIG2号投資事業有限責任組合(Bonds Investment Group
  • UNICORNファンド投資事業有限責任組合(山口キャピタル
  • 藤野英人氏(レオス・キャピタルワークス代表取締役社長)
  • 児玉 昇司氏(ラクサス・テクノロジーズ代表取締役社長)
  • 重松 大輔氏(スペースマーケット代表取締役社長)
  • 月岡 隆氏(個人)

ADDressは、広島県の尾道と山口県の岩国にそれぞれ県内第1弾となる拠点を展開。北九州市の門戸港にも進出するという。

本調達は、アドレスにとってシリーズBラウンドに当たる。同ラウンドは継続中で、複数の事業会社やVCなどから追加調達を実施して2020年9月中に完了する予定とのこと。調達金額は非公開だ。

量子コンピューティングのRigettiが約83億円のシリーズCラウンドをクローズ

IBM(アイビーエム)やMicrosoft(マイクロソフト)、D-Wave(Dウェーブ)といった業界大手に挑む量子コンピューティングスタートアップのRigetti Computing(リゲッティ・コンピューティング)は米国時間8月4日、7900万ドル(約83億円)のシリーズC資金調達ラウンドをクローズしたと発表した。本ラウンドはBessemer Venture Partnersがリードし、Franklin Templeton、Alumni Ventures Group、DCVC、EDBI、Morpheus Ventures、Northgate Capitalが参加した。

BessemerのTomer Diari(トマー・ディアリ)氏、Veritas Softwareの前CEOのMark Leslie(マーク・リーズリー)氏がRigettiの役員会に加わる。

2020年初め、TechCrunchはRigettiが当時少なくとも7100万ドル(約75億円)の調達(未訳記事)を模索しておりダウンラウンドになるようだと報じた。Rigettiの広報担当は今回のラウンドでのバリュエーションについて詳細は明らかにしなかった。

「本ラウンドにより当社は量子のアドバンテージをマーケットに届けるという目標に一歩近づいた」とRigettiの創業者でCEOのChad Rigetti(チャド・リゲッティ)氏は述べた。「当社はスケーラブルで、エラーが修正される量子コンピューティングの構築にフォーカスしていて、クラウドを介した現行システムへの高パフォーマンスアクセスをサポートしている。実用的なアプリケーションのためにデザインされた特有のハイブリッドコンピューティングアクセスを提供する」。

Rigettiは現在、同社のマシーンへのアクセスのためにクラウドベースのサービスを提供している。また現在プレビュー中のAWSのBraketサービスを通じても提供している。Rigettiは最近、昔のコンピューターを上回る量子コンピューターを作るための860万ドル(約9億円)のDARPA(米国防高等研究計画局)賞を受賞した。

「ひと度、量子のアドバンテージが達成されると、量子コンピューティングが途方もなく価値あるものにならない分野はない」とFranklin Equity Groupの副社長でポートフォリオマネジャーのJonathan Curtis(ジョナサン・カーティス)氏は話した。「Rigettiは先端テクノロジー、素晴らしい専従チーム、そして重要な商業・政府・市場開拓の関係を備えていて、この重大な新興マーケットにおいて数少ないリーダーの1社だと確信している」。

量子コンピューティングは長い間多くの約束をしてきたが、過去数年は実際に前進している。さまざまな企業が現実世界のユースケースのほとんどにまだ十分に対応できないワーキングシステムを構築しているが、これは多くのことを約束している。Rigettiは、おそらく他社よりもそうだろうが、こうした現実世界のユースケースにフォーカスしてきた。

「我々が科学の境界をサイエンスフィクションの領域に押し込み続けるにつれ、量子コンピューティングは高パフォーマンスコンピューターにおけるパラダイムシフトを起こす」とディアリ氏は述べている。「量子テクノロジーは生物学、化学、ロジスティック、材料科学において目覚ましい発展を生み出す可能性を秘めている。Rigettiが生産レベルのシステムに向け、最もクリアな近道を提供すると我々は確信している」。

画像クレジット:Steve Jennings/Getty Images for TechCrunch / Getty Images

原文へ
(翻訳:Mizoguchi

不動産管理会社・不動産投資家向け資産運用・管理のWealthParkが9億700万円を調達

不動産管理会社・不動産投資家向け資産運用・管理のWealthParkが9億700万円を調達

WealthParkは8月5日、シリーズBラウンドとして総額9億700万円の資金調達を完了したと発表した。累計調達額は計18億9800万円となる。引受先は、SBIインベストメント(SBI AI&Blockchain 投資事業有限責任組合)、みずほキャピタル(みずほ成長支援第3号投資事業有限責任組合)、あおぞら銀行、日本政策金融公庫、国内外複数の個人投資家。

WealthParkは、主力事業として、不動産領域における資産運用・管理プラットフォームを不動産管理会社向けを中心として展開。2020年7月末現在、70社超の不動産管理会社、1万3000名以上の不動産投資家がサービスを利用しているという。また複数の海外管理会社にもサービスを提供しており、不動産投資家のニーズに対応したクロスボーダー展開も進めている。

不動産管理会社・不動産投資家向け資産運用・管理のWealthParkが9億700万円を調達

今後は、金融機関との連携による電子取引利便性の向上や各種手続きのオンライン化を計画しており、不動産管理会社、不動産投資家により多くの機能をオンラインでデジタルに提供することを計画。また同社提供のプラットフォームは「不動産」の領域にとどまらず、「テクノロジー」をキーワードに、不動産管理会社とともに、「ウェルスマネジメント」の領域へと事業領域を拡大していくという。

WealthParkは、不動産管理会社向けに、業務効率化・管理支援ツールを提供。また不動産管理会社と、その顧客である不動産オーナー間のコミュニケーションツールとして、4言語(日本語・英語・繁体字・簡体字)対応のモバイルアプリ(iOS版Android版)を用意。6ヵ国・地域でサービスを展開している。

「食べチョク」運営のビビッドガーデンが6億円を調達、ヤマト運輸との連携などサービス強化

「食べチョク」運営のビビッドガーデンが6億円を調達、ヤマト運輸との連携などサービス強化

こだわり生産者が集うオンライン直売所「食べチョク」運営のビビッドガーデンは8月5日、第三者割当増資として総額6億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、リード投資家のジャフコ、既存株主のマネックスベンチャーズ、VOYAGE VENTURES、デライト・ベンチャーズ、NOW。

調達した資金は、食べチョク強化のためのマーケティング・人材採用・物流構築にあてる予定。食べチョク物流構想の第1弾として9月頃からヤマト運輸と連携を開始し、生産者や購入者に対し新たな価値の創出を目指す。

食べチョク物流構想では、食べチョクサイトとヤマト運輸のシステム連携により、生産者は出荷指示の取得から伝票発行、配達状況確認までをワンストップで行えるようになる。煩雑な受注・出荷業務の効率化し、今後さらなる事業拡大を支援していく。

また、各種出荷効率化に取り組むことにより、食べチョク特別送料の提供が可能となったという。通常配送料金から最大47%OFFとなる料金で購入・発送が可能としている。

2016年11月創業のビビッドガーデンが運営する食べチョクは、こだわり生産者から直接食材や花きを購入できるオンラインマルシェ。2020年7月に登録生産者数2200軒を突破し、8000品を超えるこだわりの逸品が出品されている。

扱っている食材は、野菜・果物をはじめ、米・肉・魚・飲料と、花き類。また好みに合う生産者を選んでくれる野菜定期便「食べチョクコンシェルジュ」、旬の果物が届く定期便「食べチョクフルーツセレクト」を用意しており、定期的なお取り寄せが行える。

また、友達と分けあえる「共同購入」の機能や販売前に商品を取り置きできる予約機能なども展開し、ライフスタイルに合わせた様々な買い方を楽しめる。

関連記事
生産者と消費者を直接つなぐオンラインマルシェ「食べチョク」が2億円調達

東大IPCがアドリアカイムに3億円出資、迷走神経を刺激し心筋梗塞領域を縮小させる治療機器を開発中

東大IPCがアドリアカイムに3億円出資、迷走神経を刺激し心筋梗塞領域を縮小させる治療機器を開発中

東京大学協創プラットフォーム開発(東大IPC)が運営する協創プラットフォーム開発1号投資事業有限責任組合(協創1号ファンド)は8月4日、アドリアカイムに対して3億円の出資を行ったと発表した。同社は、迷走神経を刺激することで心筋梗塞領域を縮小させる世界初・新発想の治療機器の開発を進めている。

東大IPCは、アドリアカイムの技術が日本生まれの世界初新発想コンセプトであること、未解決の治療ニーズ(アンメット メディカル ニーズ。Unmet Medical Needs)に対応するものであることなどの理由からこの度の出資を決定した。今後のアドリアカイムの事業について、東大IPCは積極的に支援する。

アドリアカイムは、オリンパスで医療機器の研究開発に長年携わってきた⼩林正敏CEOや今林浩之CTOが2018年11月に設立した医療機器スタートアップ。国⽴循環器病研究センターとの長年の共同研究の成果を活かし、急性心筋梗塞患者の慢性心不全への移行を軽減するための世界初の迷走神経刺激デバイスの開発を進めている。

急性心筋梗塞患者は、日本国内で10万人、アメリカでは100万人が毎年発症し、大部分の患者さんが救急搬送されて手術を受けているという。近年、カテーテル治療などの治療体制が進歩し、急性心筋梗塞で直接的に命を落とす患者さんは減ったものの、退院後に予後不良となる患者もいるそうだ。

アドリアカイムが開発を進める治療デバイス「ARIS」(開発コード名)は、急性心筋梗塞患者の迷走神経を刺激することで心筋梗塞領域縮小を図るもの。薬剤で実現できない迷走神経の賦活化を電気的刺激で実現し、より高い治療効果を目指しているという。

今回、東京大学大学院新領域創成科学研究科 久田俊明名誉教授(UT-Heart研究所 代表取締役会長)のチームが開発したヒト心臓モデルを用いたシミュレーターの技術を活用。同シミュレーション技術は、従来動物実験に頼っていた電気刺激による神経賦活の現象を予測解析し、同医療機器の開発に大きく貢献した。開発段階の医療機器の検証手法として、非常に有効であり、今後も多方面への活用が期待されるとしている。

東大IPCの協創1号ファンドは、東京大学関連スタートアップの育成促進と、東京大学を取り巻くベンチャーキャピタルの質・量の充実を中心にすえて運用することで、東京大学の周辺に持続可能なイノベーション・エコシステムを構築し、世界のスタートアップ創出拠点のひとつとなることへの寄与を目的としている。

具体的な運用として、今までに6つのベンチャーキャピタルへのLP出資(ファンド オブ ファンズ)と、16社の東京大学関連スタートアップへの直接投資を行い、現在も積極的に東京大学関連スタートアップへの直接投資を行っている。

関連記事
DMM.make AKIBAが東大IPC起業支援プログラムを通じスタートアップを支援
ゴミテック、道路点検AI、小型衛星エンジンなど、東大IPC起業支援プログラムが新たな支援先を発表
漫画の自動翻訳、手術支援AI、下膳ロボ、昆虫食など、東大IPC起業支援プログラムが第4回目の支援先を発表
東大IPCが新たな起業支援プログラム開始へ、JR東日本スタートアップや三井不動産らと連携

会員管理・予約・決済システム「hacomono」開発のまちいろが1億円調達、月額制店舗の顧客管理を一気通貫

フィットネスクラブやヨガスタジオなど月額払いが基本の店舗のための会員管理・予約・決済システム「hacomono」を開発・運営するまちいろは8月5日、1億円の資金調達を発表した。第三者割当増資による調達で、引受先はALL STAR SAAS FUND。

写真に向かって左から、まちいろ代表取締役の蓮田健一氏、同社取締役CTOの工藤 真氏、写真下がALL STAR SAAS FUNDマネージングパートナーの前田ヒロ氏

ALL STAR SAAS FUNDは、投資家の前田ヒロ氏がマネージングパートナーを務めるシンガポール拠点のVCであるBEENEXTが、日本企業向けに6月16日に設立した総額5000万ドル(約53億円)のファンド。BEENEXTではこのほか、アジア向けとして総額1.1億ドル(約117億円)「Emerging Asia Fund」も設立しており、2ファンドの合計総額は1億6000万ドル(約170億円)となっている。

関連記事:シンガポール拠点のVC「BEENEXT」がアジア・日本向けに総額約170億円の2ファンドを組成hacomonoは、フィットネスクラブ、ヨガ教室、ダンススクールなど、月額払い店舗における予約・決済・入会手続きをワンストップで管理できるシステム。会員顧客のPCやスマホ端末上で手続きが完結するため、、店頭での事務手続きや支払手続きを省力化できる。店舗側では、月額料金の引き落としや未払徴収に関する業務も自動化されるため、スタッフ業務軽減も図れるという。

店内物販についてもQRコード決済が可能な専用レジを設置することで、スタッフと会員の現金の受け渡しを省略できる。

新型コロナウイルスの蔓延を影響もあり非対面で顧客対応できるhacomonoの需要は伸びており、同社によると導入店舗数は2020年1月と7月の対比で200%と2倍に増えているという。

今回調達した資金は、プロダクト開発・UI/UX面の強化、カスタマーサクセスチームの拡充に投下する予定。2019年7月のサービスローンチから1年で80店舗への導入に成功しており、2020年中に200店舗、2021年中に1000店舗以上の導入を目指す。

Eコマース運営などを手掛けるheyがオンライン予約システム運営のクービックの全株式取得、hey本体も資金調達

STORESキャッシュレス化やEコマース対応なDXを支援するデジタルストアプラットフォーム「STORES」​を開発・運営するヘイは8月4日、オンライン予約システム「Coubic」(クービック)を開発・運営するクービックの全株式を取得し、グループ化することを発表した。今後クービックのサービスは、STORESブランドに統合される。

Coubic併せて本体のheyも資金調達を実施し、財政基盤のさらなる強化を図る。具体的には、米投資会社のBain Capital、香港投資会社のAnatole、米金融機関のGoldman Sachs、米決済会社のPayPal、YJキャピタル、および既存株主であるWiLなどを引受先とする第三者割当増資によって、シリーズEラウンドをクローズした。調達金額は非公開。調達した資金は、スタッフの数を従来の200名規模から400名規模に倍増させ、開発とサービスの強化を進める計画だ。

ヘイ代表取締役社長の佐藤裕介氏はプレスリリースで「今回の資金調達とクービックのグループ化を通じて、コロナウイルスの感染拡大と事業者の みなさまの営業自粛にまつわる課題を解決するためにリリースしてきた、売上金の早期出金 やオンラインストア開設サポート、ビデオ会議サービス「Zoom」との連携によるオンライ ンレッスン予約の簡易化などのニューノーマルに対応した個人、中小事業者向け機能の展開 をより加速していきます」と語る。

また クービックの代表取締役社長を務める倉岡 寛氏は「heyへの参画で、heyとクービックの仲間で、さらに『めんどくさい』ことが減り、楽しみによって駆動される経済に支えられた社会となることに貢献していきたいと考えています」とコメントを寄せている。

ケータリングのノンピが約2.1億円調達、法人オンライン飲み会専用の食事配送「オン飲みBOX」開始

ケータリング ノンピ オンライン飲み会 オン飲みBOX

ケータリングサービスのノンピは8月3日、第三者割当増資として約2.1億円の資金調達を発表した。今回の資金調達により、さらなる経営基盤の強化を図るとともに、オンライン飲み会専用の食事配送サービス「オン飲みBOX」を開始した。

オン飲みBOXは、法人のオンラインコミュニケーションを促進するための新サービスとして、オンライン飲み会に最適化された食事の開発や、幹事向け受付サービス、配送オペレーションの仕組化を進めるとしている。

同社はこれまで、社員食堂の遊休資産を活用し調理した食事を提供する法人向けケータリングサービスを展開。官公庁、スタートアップ、外資系企業のキックオフや歓送迎会、新人歓迎会など年間約8000件のサービス提供実績があるという。

新型コロナウイルス感染拡大の影響などによりテレワーク・リモートワークが急速に普及した一方、同社顧客から、「オンラインキックオフ向けの食事を提供してほしい」「オンライン送別会を実施するから参加者の自宅にケータリングを届けてほしい」という要望があった。それらニーズに応える形で開発したのが「オン飲みBOX」としている。

オン飲みBOXは、調理・梱包した食事を1人分1箱としてパッケージングし、クール便で参加者の自宅に送付(全国配送可)。オンライン飲み会開催当日または前日に到着するように送り、参加者全員で同じ食事をとれるという。最大400名まで対応でき、全社員のオンラインキックオフやオンライン送別会などで利用できる。

ケータリング ノンピ オンライン飲み会 オン飲みBOX

 

ケータリング ノンピ オンライン飲み会 オン飲みBOX

またオン飲みBOX利用の際は、オンライン飲み会の開催日1週間前までに、申し込む必要がある。幹事から参加者のメールアドレスをノンピに送付すると、同社にて配送先住所や配送時間を収集する。幹事のオペレーションを最小限に抑えると同時に、参加者のプライバシーを守れるとしている。また、費用清算は一括での対応となる。

ケータリング ノンピ オンライン飲み会 オン飲みBOX

なおノンピは、100社限定で1社10名分までの半額トライアルを開始した。締め切りは8月31日まで。詳細は、「オン飲みBOX」ページを参照。

ノンピは、Google japan food teamの元総料理長や、外資系ホテルの元シェフなどを中心に構成された、食のプロフェッショナルチーム。ケータリングサービスにおいては、官公庁や外資系企業を中心に、年間約1万0000件の提供実績があるという。また、川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム内「ミュージアムカフェ」や、埼玉スタジアム2OO2「VIEW BOX」、三菱地所本社内カフェテリア「SPARKLE」、食事と空間にこだわる8ヵ所のフードプロデュースも実施した。

関連記事
Google級の良質な社食を多くの企業へ、社食の遊休資産を使ったランチケータリングのノンピが2億円調達
オフィス向けケータリングサービスのZeroCaterが410万ドルを調達
シェフと企業をつなぐケータリングのマーケットプレイス運営のHungry、評価額約110億円突破

キャンピングカーと車中泊スペースシェアなど「バンライフ」のCarstayが約5000万円を調達

VANLIFE バンライフ Carstay キャンピングカー 車中泊

キャンピングカーと車中泊スペースのシェアサービスなど「バンライフ」プラットフォーム事業を展開するCarstay(カーステイ)は8月3日、初の第三者割当増資として約5000万円の資金調達を発表した。引受人はサイバーエージェント・キャピタル、ライフタイムベンチャーズ、平井誠人氏、田端信太郎氏を含む個人投資家。これにより、金融機関からの借入を含めCarstayの資金調達の総額は1.3億円となった。

今回の資金調達は、2020年6月末に正式リリースした、日本初のキャンピングカーのカーシェアサービス「バンシェア」のデザイン改善、システム追加開発、ユーザー獲得のマーケティングに投じる。

また、CarstayのCMO(Chief Marketing Officer/最高マーケティング責任者)に、ZOZO 元執行役員の田端信太郎氏が就任。同氏はマーケティング・PRのプロフェッショナルとして、経営に参画、事業戦略の立案から遂行までを通じて、更なるバンライフの普及拡大、事業の成長を図るという。

新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大防止のため、3密(密閉・密集・密接)を避けられる旅行手段として車旅や車中泊、新たなライフスタイルとしても「バンライフ」が注目されており、Carstayのユーザーは急増、7月は過去最高の予約件数を記録したという。現在、「バン シェア」には50台のキャンピングカー、車中泊スポットのシェアサービス「カーステイ」には200箇所が登録されている。

2018年6月創業のCarstayは、「誰もが好きな時に、好きな場所で、好きな人と過ごせる世界をつくる」というミッションを掲げ、“移動”を基盤にあらゆるサービスを提供する概念「MaaS」(Mobility as a Service)領域で新しい旅と暮らしのライフスタイルVANLIFEをテーマに事業を展開するスタートアップ企業。今後、5G・自動運転社会の到来で必要となる「快適な移動」と「感動体験」を「VANLIFE」プラットフォームの提供を通じてデザインするとしている。

関連記事
「バンライフ」をスタイルではなくライフそのものにするKibboのキャンピングカーパーク改革

GitHub解析でエンジニア転職とエンジニア組織の生産性向上を支援するFindyが総額7.7億円を調達

ファインディ Findy

GitHub解析によるエンジニアスキルの見える化をコア技術に、エンジニア転職とエンジニア組織の生産性向上を支援するファインディは8月3日、第三者割当増資と融資を合わせ、総額7.7億円の資金調達を発表した。引受先は、リード投資家のグローバル・ブレイン(既存投資家)、ユナイテッド、SMBCベンチャーキャピタル、KDDI(KDDI Open Innovation Fund 3号)、JA三井リース、HAKUHODO DY FUTURE DESIGN FUND(博報堂DYベンチャーズ)、みずほキャピタル。

今回調達した資金を活用し、プロダクト開発やマーケティング、営業活動の強化、また新規株主の事業会社・CVCとの協業も視野に事業拡大に努めるという。

ファインディは、エンジニアと企業の高精度マッチングから開発力強化までを一貫して支援するスタートアップ。エンジニアのスキルおよび企業の魅力度を見える化する独自アルゴリズムを核に、2017年5月より「Findy転職」、2018年2月より「Findy Freelance」を開始。2020年4月からエンジニア組織の生産性自動診断・生産性向上サービス「Findy Teams」β版を提供している。

関連記事
GitHubをAIで解析して“スキル偏差値”算出、エンジニアのキャリア選びを支援するFindyが2億円調達
Global Brain Alliance Forrum 2019のピッチバトル審査員賞はクラウドポートに決定

全エンジニアがGoogle出身のスマイルロボがNEDOスタートアップ事業化支援公募で採択、新たな資金調達も実施

スマイルロボティクス

スマイルロボティクス(スマイルロボ)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)実施の2020年度「研究開発型スタートアップ支援事業/シード期の研究開発型スタートアップに対する事業化支援」(NEDO STS事業)第1回公募において、ロボティクス領域から唯一のスタートアップ企業として採択されたと発表した。

さらに、NEDO認定VCのANRIから、新たに追加の資金調達を完了したことも明らかにした(NEDO STS事業への採択は認定VCからの出資が条件)。

スマイルロボは「ロボット技術で全人類を笑顔に」をミッションに、東京大学情報システム工学研究室(JSK)出身で元Googleのロボットエンジニアが集まり、2019年に創業したロボット開発スタートアップ。

同社は、ロボット制御技術・ディープラーニング技術を活用し、飲食店のホールなどを中心に「片付け」のオペレーションを省力化すべく「モバイルマニピュレーター型自動下膳ロボット」の開発を進行。NEDO STS事業第1回公募関連の交付決定先一覧によると、他にロボティクス領域案件は見当たらず、スマイルロボが「唯一のロボットスタートアップ」として採択されたことになるという。

今回のNEDO STS事業の助成金、ANRI・DEEPCOREから新たに追加で調達した資金は、ソフトウェアエンジニア・ハードウェアエンジニアの採用強化、モバイルマニピュレーターの研究開発および実証実験に用いる。

同社ロボットは、「自律走行型のロボットアーム」といえる「モバイルマニピュレータ型」である点が大きな特徴。社会実装においては、「アームのない搬送ロボットとは異なり、例えば飲食店では、顧客(もしくは店員)が『ロボットとテーブル間の皿の乗せ替えをする』必要がない」、「自律走行型であり、テレプレゼンスでの『遠隔操作』や『床にガイドを貼る』必要がない」というメリットがあるとしている。

また昨今のコロナ禍による社会的な非対面化ニーズ・自動化ニーズの高まりを受け、「飲食店においては、従来の『下膳』に加えて『配膳』なども含む『運搬作業全般』への対応」、「飲食店に限定せず、様々な施設における『つかむ・はこぶ』作業を自動かつ非対面で行えるような対応」に関する開発を、現在急ピッチで進めているという。

関連記事
“下膳ロボ”で飲食店の片付けを自動化、Google出身エンジニア創業のスマイルロボティクスが資金調達

妊活・不妊治療領域D2C「MEDERI」がTLMやエンジェル投資家から3000万円の資金調達

MEDERI ubu メデリ ウブ

自宅でできるもっとも身近な妊娠準備をコンセプトにプロダクトを展開するMEDERI(メデリ)は7月31日、第三者割当増資として3000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先はリード投資家のTLM、個人投資家複数名。調達した資金は、主にプロダクトの拡充、プロモーション活動に用いる。

MEDERIは2020年3月にウーマンウェルネスブランド「Ubu」(ウブ)をローンチ。20〜30代の女性へ妊娠・出産・不妊治療に関する「正しい知識」の伝達や、自分と向き合う時間の確保、マインドセットの実現をサポートしている。

第1弾プロダクトであるサプリメントとコーチングの定期ボックス「Ubu Supplement」は、クラウドファンディングにて先行会員募集プロジェクトを実施。公開24時間で目標金額200万円を達成し、終了時点で150名以上の方からの支援があった。

MEDERI ubu メデリ ウブ

また2020年7月30日、公式ECサイトにて感染症や妊娠と重要な関わりがあることがわかっている膣内フローラのチェックキット「Ubu Check kit」について、100名限定で先行予約販売を開始した(9月上旬配送予定)。

関連記事
「起業は甘くない、困難だらけだとわかっている」、それでもウーマンウェルネスD2Cブランドを立ち上げるまで

東大・松尾研発AIスタートアップDeepXが総額16億円の資金調達、建機自動化や工場内作業自動化の事業化加速

DeepX

東京大学松尾研究室発のAIスタートアップDeepXは7月31日、第三者割当増資として、総額16億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、未来創生2号ファンド(スパークス・グループ運営)、フジタ、SBIインベストメント運営ファンド、経営共創基盤。

今回調達した資金は、建機自動化や工場内作業自動化、自動化モジュール提供などの事業化を加速させるために、エンジニアや計算資源を中心に投資する。特に、認識技術や制御技術の少数データでの開発可能性や実空間での頑健性、汎用性、説明可能性などを追求する。

2016年4月創業のDeepXは、「あらゆる機械を自動化し、世界の生産現場を革新する」というミッションを掲げて活動する、東京大学松尾研究室発のAIスタートアップ。多くの産業で問題となる労働力不足、熟練作業者不足、過酷作業などの現場の課題の解決を目指し、AIをはじめ様々な技術を駆使し、あらゆる機械の自動化、幅広い作業の自動化を推進していくという。

関連記事
東大・松尾研発AIスタートアップACESがAI活用のプレスリリースデジタル管理を開始、テレ東とタッグ
東大・松尾研発AIスタートアップACESが資金調達、画像認識アルゴリズムをパッケージ化して提供へ