光造形3DプリンターのFormlabsが新たな資金調達ラウンドでユニコーンの仲間入り

光の力で樹脂を硬化するユニークな3Dプリンターで脚光を浴びたFormlabsが、ユニコーンになった。マサチューセッツに本社を置く同社はこのほど、1500万ドルの新たな資金調達を行った。これにより同社の調達総額は1億ドルになり、またハードウェアスタートアップにしては珍しく、評価額が10億ドルを超えた。その最新の資金調達は4月の3000万ドルの後続投資で、New Enterprise Associatesがリードした。

3Dプリンティング業界の現状から見ると、このマイルストーンは二重の意味で印象深い。3Dプリントは、最初に長年の誇大な期待があり、そしてバブルがはじけ、競争が激化した。しかし2012年にほそぼそとKickstarterで生まれたFormlabsは、デスクトップサイズの業務用3Dプリンターで最初から明確な差別化を図った。

その技術はたちまち、ハードウェアのプロトタイプを作っている連中に歓迎された。彼らは以前から、MakerBotなどでおなじみのプラスチック沈積型3Dプリンターよりも精細な3Dプリント技術を求めていた。近年同社は、デスクトップの製造技術をさらに強化し、同社の既存の技術と共に、製造業のための3Dプリントという、需要のきわめて多い世界に売り込みをかけている。

今回の資金調達と並行してFormlabsは、GEの元CEO Jeff Immeltを取締役会に迎えた。

Immeltはプレスリリースでこう述べている: “同社の重要な成熟期にFormlabsで仕事ができることは、きわめて喜ばしい。チームはこれまで傑出した進歩を示し、デスクトップ3Dプリンターの中では最良の製品を作り、エンジニアリングやヘルスケア、製造業などきわめて多様な業界で成功を収めている。同社は2011年の創業以来、競合他社を大きく抜き去り、3Dプリンティングにおけるリーダーになっている。今後さらに多くの業界から採用が増え、技術も前進していく中で、私は同社の次のフェーズを支援していきたい”。

Formlabsは現在、北米、ヨーロッパ、およびアジアに500名の社員を抱えている。

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消費者用3Dプリンターの決定版を自称するUltimakerのUltimaker 3はプリントヘッドが2つあり、異なる素材で同時プリント可能

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Ultimakerが同社の3Dプリンターの最後のメジャーアップデートをしてから、すでに3年あまりが経つ。その間、このオランダの企業は、大型機Ultimaker 2 Extendedやポータブル機Ultimaker 2 Goを出したりした。とくに後者は、こんな奇妙な副産物を生み出した。でも同社はこれまで、もっぱら、もっと本格的に新しい新製品に取り組んでいたのだ。

同社のCEOによると、その本格的な新製品Ultimaker 3は、“3年間の開発の成果であり”、とりわけ消費者に好まれると思われるのは、その斬新なルックスと、そこから予感・期待される新しい機能の数々だ、という。

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その新しい機能のトップに来るのが、デュアルエクストルージョンシステム(dual-extrusion system)、つまりプラスチック押出成形のためのヘッドが、二つある。色や性質の異なる2種類の素材を、同時に使用できる。まるで、2色のソフトクリームのように。

内部的機能もアップグレードされ、細かい幾何学的な形状もプリントできる。またプリントベッドが自分で高さを調節するので、よくあるプリントエラーを避けられる。NFCセンサーが素材が変わるときのタグを検出し、それをプリントの機構に伝えるので、ユーザーはプリントをよりきめ細やかにカスタマイズできる。

Ultimaker 3にはモニタ用のカメラがあるので、リモートでプリンティング過程を監視できる。そのために、Wi-FiとEthernetとUSBのポートがある。これら全体を動かし統括するソフトウェアは、Curaと名付けられている。発売は今日(米国時間10/18)で、お値段は3495ドルだ。

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複数の素材を最高40μの解像度でプリントするプロ用3DプリンターPam、9000ドルで予約販売中

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Pollenの新しい3Dプリンターは、市場への参入がやや遅すぎたかもしれないが、その不利に負けないだけの価値はありそうだ。そのプロ向けの機種Pamは、40μまでの高い解像度を誇り、しかも4種類の素材をミックスしてさまざまな性質のオブジェクトを作れる。いわばラグジュアリー仕様の3Dプリンターだ。

たとえばPamでは、レンズ付きのサングラスをプリントできる。複雑なプロトタイプを作ったり、ファッションショー用の小物、半透明のランプ、なども作れる。剛体、軟体、撓(たわ)むものなど、物性もさまざまだ。

プリントされたものを、いろいろ見たが、たしかにこれまでの平均的な3Dプリンターよりずっと良い。使用できる素材は、熱可塑性樹脂、シリコン、各種複合素材、充填用の素材など、さまざまだ。このほか天然繊維やカーボン、金属粒なども使える。最大温度は350°Cだ。

PamをWi-FiまたはEthernetに接続して、Webブラウザーからコントロールする。プリントを行うソフトウェアはプリンター本体にあるから、コンピューターと接続する必要はない。オブジェクトをリモートでプリントすることもできる。

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発売予定は2017年4月だが、でも同社はすでに数社の企業と、複数台納入の契約を結んでいるようだ。それらの企業は、製品の実際の製造ラインで3Dプリンターを使う気らしい。

Kickstarterで資金を集めるようなレベルの3Dプリンターではなく、本格的な企業利用を想定した機種、と言えるだろう。

今、9000ドル(8000ユーロ)で予約を受け付けている(送料と付加価値税は別途)。でも発売開始後のお値段は、これらの倍になる予定だ。プロ用の3Dプリンターだから、こんなもんだろう。ニッチの高級機として、けっこう売れそうな気がする。

CrunchBaseの同社ページ

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

XYZprintingの新しい3Dプリンターは、教室向けにデザインされている

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低価格の3Dプリンター・スキャナーでよく知られているに違いないハードウェアメーカー、XYZprintingが、初めて教育市場に焦点を合わせた製品、da Vinci miniMakerを229ドルで売り出す。K-12の理科系クラス向けに作られたエントリーレベルの3Dプリンターだ。

この低価格な3Dプリンターは使いやすさを意識したデザインで、プッシュボタンによるプリントや自動補正機能に加え、教室利用のための同社のソフトウェアセレクション、Educational Ecosystemが統合されている。

セットには、3DモデリングソフトウェアのXYZmaker、3Dギャラリー(デザイン済みの3Dモデルが予め登録されている)およびXYZprinting STEAMプロジェクトのカリキュラムが含まれている。プリンターは、Amazonで予約が可能、出荷予定は今年の秋で、子供たちが学校に戻るまでに届くはずだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Rinkak運営のカブクが7.5億円のシリーズA資金調達、「工場デジタル化」で追い風

3Dプリンタを使ったデジタルものづくりプラットフォーム「Rinkak」を運営するスタートアップ企業、カブクが今日、総額7.5億円のシリーズAの資金調達をクローズしたことを発表した。すでに4億円分についてはリードインベスターとなったグローバル・ブレインから2015年8月に先行して発表があったが、今回のラウンドには電通デジタル・ホールディングス三井住友海上キャピタルも投資に参加している。カブクは2013年1月創業で、TechCrunch Tokyo 2013スタートアップバトルのファイナリスト。これまでサイバーエージェント・ベンチャーズフジ・スタートアップ・ベンチャーズから2014年6月に2億円を調達するなど、エンジェル投資によるシードも含めると総額約10億円の資金を調達している。東京・渋谷に拠点を置き、社員は15人。

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Rinkakは、iPhoneケースやアクセサリ、フィギュアの3Dデータをクリエイターがアップロードし、それを消費者が購入するというマーケットプレイスだ。成果物の物珍しさと3Dプリンタという話題性からコンシューマー向けの印象も強いカブクだが、いまビジネスとしての伸びに手応えを感じ始めているのは、C向けのRinkakではなく、むしろデジタル工場向け(BtoF)のクラウド基幹システム「Rinkak 3D Printing Manufacturing Management Service(MMS)」なのだそうだ。

デジタル工場向けのセールスフォースのようなもの

カブク創業者の稲田雅彦CEOによれば、Rinkak 3D Printing MMSは「デジタル工場向けのセールスフォースのようなもの」で、製造業におけるサプライ・チェーン・マネジメントに相当する部分を担うシステム一式をクラウドで提供している。

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3Dプリンタの普及はプラスチックを溶かして造形するプロトタイピング向けのものからスタートしているが、2014年に産業3Dプリンタ関連の特許が切れて、キヤノンやリコーが産業プリンタを出荷し始めたことで現在は転回点を迎えているという。レーザーで溶かす、紫外線で硬化させるといった方式などにより、プロトタイピングではなく最終製品を作れる段階になってきている。

例えば、カブクがトヨタと共同で取り組んだi-Road関連のOpen Road Projectでは、パーツの一部は3Dプリンタによる「打ち出し」となっているが、素人目にはそれが従来のような金型や削りだしによって製作されたパーツなのか3Dプリンタによるものなのか区別が付かないレベルという。素材価格の低下とあいまって、3Dプリンタが適する領域が「プロトタイピング→少量生産→大量生産」と徐々に広がってきている。3Dプリンタを製造の本番に使おうという「マス・カスタマイゼーション」は、最近「インダストリー4.0」と言われはじめたトレンドにおける重要な1つのピースで、カブクの大型資金調達の背景には、この流れがある。

「弊社顧客の中に、例えば北米市場だと航空宇宙とか医療といった単価の高い領域で顧客がいて、年率50%以上伸びている工場もあります。最終製品を、従来のように削り出しで作ってロボットでアセンブリするというのではなく、3Dプリンタで作るという流れが出てきています。数千ロット以下なら3Dプリンタのほうが安いという現在の採算分岐点は、今後2、3年で数万とか、数十万ロットになっていくでしょう」(カブク稲田CEO)

コスト低下はコンシューマー領域でも起こっていて、2年前だとiPhoneケースを作るのに原価2000円強、売値5000〜6000円といった相場だったものが、現在では原価数百円で売値が1500〜2000円となりつつあるという。

ただ、コンシューマー領域はボリュームが大きくならないとビジネスとしては成立しないため、まだ市場の立ち上がりに時間がかかりそうだ。カブクがロフトと組んで多店舗展開している「ロフトラボ3Dフィギュアスタジオ」も、そうだ。これは102台のカメラと3Dプリンタを使って人物をまるごとフィギュア化する面白い取り組みで、将来的には、かつて駅前の写真館で写真を撮ったように、子どもの成長の記念として利用する可能性など市場の広がりが感じられるものの、まだまだこれから。

一方C向けに比べると、デジタル工場向けソリューションは、すでにニーズも市場の伸びも大きい。

背景にあるのは、3Dデータを扱う工場で、これまで利用されていたソフトウェアパッケージが、年間ライセンスだけで数千万円かかっていた上に、それを稼働させるPCが高スペックである必要があったこと。ちょうど、既存会計パッケージ市場にクラウドサービスのfreeeやマネーフォワードなど安価で使いやすいものが登場してきているのと同じ構図で、Rinkak 3D Printing MMSは、既存の専門パッケージソフトの領域をクラウドで置き換えつつあるのだという。このパッケージソフトの役割は、営業案件の管理に始まり、3Dデータの整合性チェック、製造装置の運用管理、後工程の処理、梱包作業などといった一連の業務を管理する統合システムだ。3Dデータのチェックについては、クラウドによる分散処理などにより、多くの資金を集めている米国スタートアップ企業のShapewaysにも負けていないと稲田CEOはいう。

既存パッケージ市場があるとはいえ、そもそも工場の受注・生産管理がデジタル化されていないケースも多く、紙のメモを使っている工場などもまだまだあるという。現在Rinkak 3D Printing MMSの顧客数は数百工場で月間30%ずつ伸びているというが、このうち8割は欧米顧客。日本の工場はデジタル化への対応が遅れていて、電話やファクスが現役ということも。トヨタやオリンパスといった企業の先進的な取り組みを横目に、徐々に製造業のマインドセットが変わりつあるのが現状だと稲田CEOは見ている。

カブクでは工場側を「サプライ・サイド」、法人であるか個人であるかを問わず製作を依頼する側を「デマンド・サイド」と定義していて、その両者が集まるマーケットを作っていくことで「モノづくりの民主化」を目指すという。ちょうど証券取引所をモデルにしてAdTechが興隆したように、デジタルモノづくりもマーケットとなるだろうという。もしマーケットとなって世界中のデジタル工場を繋げていくことができれば、データだけをやり取りして「現地生産」することで物流も最適化できるだろうと話している。

プラスチックレジンを使う超小型3DプリンタiBox Nanは299ドル

【抄訳】

FormlabsのForm 1+はステレオリソグラフィー方式の3Dプリンタでお値段は3299ドル、大量のデスクスペースを占領するし、あなたの貯金から大金を持っていく。もっと気軽に3Dプリントを楽しめる方法はないか? その願いをかなえてくれるのが、上のビデオに登場する小さなマシンだ。

上のビデオでは、iBox Nanoちゃんがチェスのピースを3Dプリントする様子が、コマぬきで撮影されている。UV LEDを使ってレジンを硬化する方式はFormlabsと同じだが、手のひらに乗るぐらい小さなNanoは、わずかに299ドルだ。

レジンを使用する3Dプリンタは、これまでの、プラスチックフィラメントを使うFDMプリンタと違って細かい細部を作れるから、Nanoは小さな物を作るのに適している。

Nanoを動かし制御しているのは、ローコストのマイコン、Raspberry Piだ。プリンタの筐体はレーザーでカットして作ったアクリルの箱なので、射出成形に比べるとコストが安い。安いことは良いことだ。

【中略】

ファウンダのTrent Carterは、3Dプリンタを1年以上使っている100世帯に対して市場調査/消費者調査を行った。そして、ほとんどの人が小さな物しかプリントしないことを見つけた。

彼は曰く、“その理由は、大きな物は10-12時間もかかることがあるし素材の費用もばかにならない。4x4x4″ぐらいの大きさの物だと14−18時間かかり、材料費は30-60ドルはする。もちろん時間や費用は、プリンタのスピードや素材の種類で違うけど”。

“Nanoがプリントしたチェスの駒のルーク(下図)は30mm x 20mmで、所要時間は約2時間、レジンの費用は約50セントだ!”

もちろん小さな物をプリントするのに向いているが、小さな部品を組み立てて大きな物を作ってもよい。プリント精度はZ軸で0.39ミクロン(この値が小さいほどザラザラが少ない)が最小だ。ただし、速いプリントをご希望なら、100ミクロンぐらいが適している。最大プリントサイズは40 x 20 x 90mmだ。Nanoは今、Kickstarterで商用生産のための資金を募っている。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


脅威! ピンタンブラー錠を瞬時に解錠できるバンプキーが3Dプリンターで簡単に作れる

バンプキーというのはロックスミス(または悪い奴)が使う非常にシンプルな解錠ツールだ。バンプキーは錠前の種類に合わせていちいち作る必要があるため、多種類の錠前をバンプキーで開けるには相当の手間がかかった。しかし3Dプリンターのおかげでもうそうではなくなったかもしれない。

下のビデオにはJos WeyersとChristian Hollerが標準的な錠前にプラスティックのバンプキーを差し込みハンマーで軽く叩いて繰り返し解錠するところが撮影されている。2人は鍵穴の写真を撮るだけでバンプキーを3Dプリンターで出力する方法を編み出した。出力されたキーブランクのプラスティックに慎重にいくつかの刻み目を入れるだけでバンプキーの出来上がりだ。

鍵穴にバンプキーを差し込み、軽く回しながらハンマーで叩くと簡単に解錠される。

この2人は別にこの方法でオフィスや家に忍び込もうとしているわけではない。逆に普通の錠前がいかに頼りにならないものか警告を発しているのだ。カメラと3Dプリンターさえあればどんな鍵でも開いてしまうというのは怖い話だ。

via Wired

〔日本版〕バンプキーというのはリンク先の説明にもあるように、ピンタンブラー錠に差し込んで軽く叩くことによって2分割されたピンを上に飛ばすツールだ。飛ばされたピンが下がってくるとき、上下のピンの間に一瞬隙間ができる。解錠する方向にバンプキーに軽く圧力を掛けていると、このピンの隙間がシアライン(錠前の固定されたケースと回転部分の接する線)を通るときに回転が始まり解錠されてしまう。

ピッキングガンに似ているが全部のピンを一度に解放できるので時間がかからず、技術もほとんどいらない。Wikipediaには「現在、日本で市販されている錠前はバンピング対策ずみ」とあるが、対策にも強弱があり、2005年以前に製造された錠前は未対策のものが多いようだ。

ただバンプキーの断面形状は鍵穴の写真からデータを取れるだろうが、キーの長さと刻み目の数、適切な深さは錠前の種類ごとに異なる。このデータがあれば3Dプリンターで完成版のバンプキーを出力できるが、データがない場合は手作業で試行錯誤するか同種の錠j前を分解して測定することになり、かなりの手間がかかる。

3Dプリンターで銃を作るというのは話題としてセンセーショナルなだけで実用性は低いが、もし未対策のピンタンブラー錠のバンプキー作成データがネットに出回ると、その被害は非常に深刻なものになる可能性がある。(合鍵作成業者は必要なデータを持っている)。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


物体をスキャンしてコピーしたり、ファックス風に転送する3D複合機のZeus登場

未来は既にそこにあるが、まだそれが広まっていないだけなのだそうだ。「未来を実現した」と宣伝しているのはZeusというマシンだ。3Dプリンターの一種で、物体をスキャンしてコピーしたり、インターネット経由で他のプリンターに物体を「ファックス」することができる。3D版の「複合機」とでも呼ぶべきものだろう。

製作したのはAIO Roboticsで、価格は2499ドルだ。プリント可能なサイズは8インチ×6インチで高さが5.7インチだ。スキャンできるのは高さ5インチまでとなっている。操作は前面の7インチタッチスクリーンで行う。射出パーツは交換可能になっている。システム的には非常にシンプルなものと言って良いだろう。印刷精度は80ミクロンで、スキャンは125ミクロンとなっている。

現在、安い3Dプリンターは200ドル程度となっていて、また3Dスキャナーも同程度の価格となっている。しかしそれらを組み合わせて、イメージ通りの出力を得ることは難しい。またプリンター間でデータを共有するのにも手間がかかることが多い。Zeusはそうした中にソリューションを持ち込むもので、確かに需要のあるところだろう。もちろん関連技術が急速に進化発展している中、さまざまな競合機種が登場してくることになるのだろうとは思う。

Zeusは現在プレオーダーの受け付け中だ。出荷は夏頃を予定しているとのこと。物体を手軽に複製できるというのは、デザイナー、アーティストやメーカーにとって非常に魅力的なことだと思う。すごい時代になったものだと、つくづく感じてしまうのだ。

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(翻訳:Maeda, H


Adobe、 Creative Cloudをメジャー・バージョンアップしてPhotoshopで3Dプリントをサポート―新たに30日無料試用できる

今日(米国時間1/16)、Adobeは定期購読ベースのCreative Cloudのメジャー・アップデートをリリースした。 さまざまな新機能が追加された中でも、目玉となるのはPhotoshopでの3Dプリントのサポートだ。

その他の主要なアップデートとしてはPhotoshopでは写真の歪みの補正、Illustratorではフリーハンドで直線や曲線が描きやすくなった新しいペンシル・ツールなどがある。また InDesignではEPUBのサポートが改良された。またフォントツールのTypekitではフォントがどんなデスクトップアプリからもアクセスできるようになると同時にPDFファイルや印刷用ファイルにフォントを含めることが可能になった。

このアップデートを機に、Adobeはすべての30日間試用の期限をリセットした。つまり2012年の5月のローンチ以降、この30日間無料試用に登録したユーザーは今後さらに30日の無料試用ができる。

今回のアップデートが極めて広範囲で大幅なものになったため、Adobeでは以前のバージョンを試用したユーザーにも再度、最新版を体験してもらいということのようだ。

Photoshopで3Dプリント

しかしなんといっても今回のアップデートで最大の注目はPhotoshopが3Dプリントをサポートするようになったことだろう。

ただし、Photoshopでは簡単な3Dモデルを作ることはできるが、このアプリケーションの本来の目的がそこにないことは明らかだ。この点についてはAdobe自身もはっきり認めており、モデリング自体はサードパーティのツールを利用し、そのデータをPhotoshopにインポートするようユーザーに勧めている。つまりユーザーは3Dモデルにテクスチャーを追加したり、Phontoshopお得意の細部の精細な仕上げを行うのにこのアプリを利用することになる。

Adobeによれば、新しいPhotoshopは3Dモデリングと3D出力の中間段階を処理するのに最適な環境を提供するという。PhotoshopはOBJ、STL、3DS、Collada、KMZなどほとんどあらゆる3Dフォーマットをインポートして3D出力することが可能だ。これには3Dプリント時に必要とされる枠組み、支柱などの付加も含まれる。また3D出力にあたって障害となるような点も事前に発見してくれるので、ユーザーは出力の失敗で時間と材料を無駄にせずにすむ。

またAdobeは3Dプリンタの大手、MakerBotと提携し、Photoshopから同社の3Dプリンタにネーティブで出力できるようになった。また3D出力サービスのShapewaysとも同様の提携をしている。Shaspewaysの場合はPhotoshopから色彩、素材などに応じた詳細な仕上げリプレビューができるだけでなく出力料金の概算も行われる。しかもこうした3Dプリント処理がほとんどワンクリックの容易さで実行されるという。

MakerBot以外にもAdobeは他の主要なデスクトップ3Dプリンタをサポートしており、またAdobeがまだサポートしていない場合でもユーザーが自身でデバイスプロファイルを作成することが可能だ。

Adobeには現在3Dモデリング・ツールはないが、今後Photoshopの機能ないし独自のアプリとして3Dモデリングが提供されるようになるかもしれない。

パースペクティブ・ワープ

3Dプリントに加えてPhotoshopには2013年5月にMAXカンファレンスでデモされたパーステペクティブ・ワープと呼ばれる新機能が加えられた。

この機能は今週Adobeのデザイン・エバンジェリストのTerry Whiteがプレスカンファレンスでデモをしたが、 異なるアングルで撮影された写真を合成するのに非常に有効だ。Photoshopには従来から多数のワープ・ツールが存在するが、どれもパーステペクティブを操作すると直線が曲線に歪んでしまうという問題があった。

Adobeではこの機能は主に既存の写真のレンズ歪みの補正や複数の写真の合成に使われるものと想定しているが、野心的なデザイナーはきっと何か斬新な利用法を考え出すことだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


PCBを作れる安価な3DプリンタEx1, Cartesian Co.がKickstarterで資金募集中

3Dプリンタはプラスチックの小さなウィジェットを作るのには良いけど、もっと複雑なもの、たとえば電子回路の基板なんかにはどうかな? オーストラリアと合衆国にまたがるスタートアップCartesian Co.は、安価な3DプリンタでPCB(プリント回路基板)作ることを考え、Ex1と名づけたそのプロトタイプを市販の製品として完成させるべく、Kickstarterで3万ドルの資金を募集している。

回路基板をプリントできる3Dプリンタは、これが初めてではないが、彼らが主張するのは、価格をメーカーフレンドリなレベルにまで下げたことだ。“これは世界初の、ホビイストでも買える回路基板プリンタ”だ、と彼らは言っている。“インクジェット方式だけど、これまで5万ドル以下のPCBプリンタはなかったのだ”。

Kickstaterの支援者は、最初が899ドル、次が1199ドル、そのあとは1499ドルでEx1を入手できる。そして最後が、1999ドルだ。それでも、5万ドルに比べれば安い。

Ex1は、回路を試作しようとするときの、ブレッドボードよりはましなもの、を目指している。手彫りでPCBを作る方法もあるが、相当に難しい。Ex1を使えば、便利、かつ、気軽、かつ安価に回路を試作できる。その価格は、学校やワークショップや子どもたちの利用を想定して決められた。電子工学で遊ぶ子どもが増えることを、彼らは期待している。

“ふつうの3Dプリンタが機械的/物理的なプロトタイピングにもたらしたもの(個人やホビイストにできる、“メーカー”化)を、電子回路にもたらしたい”、と彼らは言う。“3Dプリンタは今みたいにポピュラーになる前に、数十年の歴史を背負っている。誰でも買えるようになったのは、ごく最近だ。高度な技術製品を大衆化すること、これが、これまでなかった完全に新しい種類のプリンタにわれわれが取り組んだ理由だ”。

Ex1は、ナノサイズの銀の微粒子をインクジェット方式で基板材の表面に吹きつけて、回路を形成する。そのとき銀に加える添加剤が、接着材であると同時に、回路の伝導性の鍵だ。

基板材は、紙、プラスチック、ステッカー、布、シリコン、さらに木、ガラス、セラミックなど、さまざまなものを試してきた。また“どんな面の上にでもプリントできる”ための、コーティング材も作っている。

まず個々の部品(抵抗器、コンデンサ、etc.)は、ハンダ付けまたは伝導性のある糊で基板材に取り付ける。伝導性のある糊は、ハンダごてを使わないので、Ex1をさらに便利に気軽に使える。

またPCBの設計そのものを単純化するために、Ex1のソフトウェアは、回路図として描いたものをそのままプリントする。

“ふつうのユーザはCADの名人でなくてもよい。ネット上の何百万という既存の設計の中から、自分の目的に合ったものをダウンロードすればよい。うちのプリンタも、それと変わらないぐらい簡単で、今まで誰もできると思わなかったことができるのだ。そのためのインフラストラクチャはすでにあるから、今後はコミュニティを大きくして、もっともっと容易で簡単なものにしていきたい”。

“みんなに、物作りの未来を楽しんでほしい。ハッカーたちも、学校の児童生徒も、このプリンタがあればそれができるんだ。たとえば中学や高校の教室で、電子回路についてただ教科書等で学ぶのではなく、実際に回路を作って動かせる学習経験が一般的になったら、未来はすごいことになるだろう”。

Cartesian Co.はブリスベーンのインキュベータiLabに育てられ、最初の資金とオフィススペースとメンタリングを得ている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


初めての一般消費者向け3Dプリンタを目指すZimがKickstarterの資金募集で好調

3Dプリンタの市場は、これから先急成長するようだ。3Dプリントの魅力が一般に知れ渡り、“メーカー”呼ばれる人たちやホビイスト、それに本誌のJohn Biggsのような人たちの専有品ではなくなり、一般消費者や企業ユーザが気軽に手を出せるものになってきた。でも3Dプリンタがその広い市場に入っていくためには、使いやすさが重要だ。そこらのおじさんおばさんたちを、びびらせない雰囲気も必要。

消費者向けを意識した製品の例が、タッチ画面で操作するZeusのオールインワンコピー機で、今Kickstarterで資金を募集している。そして今回ご紹介する自称“消費者指向の3Dプリンタ”は、そこら中にプラスチック原液を吐き散らかすようには見えないプリンタを売り出すべく、同じくクラウドファンディングを求めている。そのZimと呼ばれる製品は、Zeusと違って機能は3Dプリントだけだ。3Dオブジェクトブのためのスキャナーやコピー機能はない。でも一般大衆に新しい技術を売り込むためには、できるだけシンプルであるべきかもしれない。

“今売られている3Dプリンタは、かなり技術や知識のある人でないと使えないものが多い。しかも実際に最初の3Dオブジェクトのプリントを開始するまでに、組み立てや調整で数時間もかかる”、Zimを作っているコネチカット州StamfordのZeepro社は、Kickstarterのページでこう主張している。“私たちが作りたいのは、買って箱から出したらすぐに使えるパーソナル3Dプリンタだ”。

Zimは、消費者製品に必要な、完全なプラグ&プレイを目指している。プリント工程に余計なものがなく、プリンタをインターネットに接続→モデルをダウンロード→Zimのアプリケーションを開く→プリントする、…それだけだ。すっきりとしたアルミ製の筐体、プリンタに付いているカメラが撮影するプリントの進捗状況を、スマートフォンのアプリで見られる(長時間プリンタのそばにいなくてもよい)、フィラメントの色はカートリッジ方式で簡単に変えられる(カートリッジはユーザが充填可能)、などなど、消費者向けの配慮が行き届いている。

ネット接続はEthernetとWiFiの両方を提供、Zimのアプリからだけでなく、Webブラウザからリモートでも操作できる。プリントヘッドがデュアルエクストルーダなので、同時に2色プリントができる。また、ワンエクストルーダ方式で素材に水溶性のPVAを使うと、下のビデオのように、複雑なオブジェクトを単純な工程でプリントできる。

Zimのプリント精度は1レイヤが50ミクロン、最大体積は205立方インチ(5.9”x5.9”x5.9”)だ。そしてプリントの最大速度は110 mm/s。

しかし3Dプリンタは、お値段も普及を阻んでいる要因だが? Gartnerの予想では、今後大型の多国籍小売り企業が扱うようになり、需要が増えると価格は大幅に下がるというけど。

ZimのKickstarter支援者特別価格は599ドル、発売予定は2014年3月だ。一般小売価格は、これより高いだろう…899ドルぐらいか。今Kickstarter上では目標額30万ドルの約2/3が集まり、締切りまであと20日を残している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


イラスト制作クラウドソーシングのMUGENUPが1億3000万円を調達、3Dデータ制作効率化も

ゲームアセット等のクラウドソーシングサービスを運営しているMUGENUPが1億3,000万円の資金調達を実施した。MUGENUPにとってシリーズBとなるこのラウンドにはIGPI(経営共創基盤)、SMBCベンチャーキャピタルの2社が参加した。

MUGENUPは主にゲーム内のキャラクターのイラストを取り扱っているサービスでゲーム制作会社とクリエイターを仲介する役割を担っている。現在このサービスに登録しているクリエイターは約1万人となっている。

MUGENUPが特徴的なのは発注者とクリエイターの間に入り、必ず仲介している点だ。クリエイターが自身のポートフォリオを提示するとMUGENUPがスキルのレベルをチェックし、彼らのスキルに応じてタグを登録しておく。そして、発注(コンペ)の際にイラストにも必要なスキルなどのタグが設定されており、クリエイターとイラストのタグをマッチングさせることで受注者を決定させているという。

また、クリエイターとMUGENUPの担当者がコミュニケーションを取るためのグループチャットも用意されており、このチャット上でイラストに赤入れできる機能などを備えている。このように2つシステム–クラウドソーシング、制作プラットフォーム(グループチャット)–を展開している。

だが、ここまでクラウドソーシングサービスを運営するスタートアップだとご紹介してきたが、MUGENUP代表取締役の一岡亮大氏は「クラウドソーシングの会社でも、イラスト制作の会社でもなく、デザインデータを効率よく大量に作ることをテーマにしている会社」だという。

このテーマの入り口の1つとしてクラウドソーシングサービスを提供してきたそうだ。現在MUGENUPでは2Dのイラストが主であるが、最近では3Dのデータも扱っておりグループチャット上で2Dと同様に3Dデータも確認、赤入れできるシステムの構築も完了したところだ。

すでにフィギュア作成も進んでいるようで、今後はこのような需要が増すと予想している。このような3Dデータも含めデザインデータを解析し、市場を効率化していくことが目標だと一岡氏は語る。

というのも、例えばフィギュアを3Dプリンタで出力する際に、キャラクターの羽と体の素材が違う場合などは収縮率も調整しなければならず、その微妙な調整は各社の職人だけが知っている状態であり、非常に効率が悪いそうだ。そのためMUGENUPでは、このようなデータを蓄積/分析し、共有することで効率化を図りたいという。

今後も現状のサービスはもちろん継続するが、今回調達した資金はこうしたデータ解析や3Dデータを扱えるクリエイター確保のためのマーケティングに投下していくとのこと。


FABtotumは工作マニアの夢―3Dプリンター、スキャナー、カッター、フライス盤などがひとつのボックスに

FABtotumは多様な工作機能がオールインワンになった3Dプリンターだ。カッター、フライス盤、彫刻機、さらに既存のオブジェクトをクローンするための3Dスキャナーなどプロトタイプを作るのに必要な工作機能がすべて含まれている。

ただし、今すぐに現物を手に入れることはできない。このプロジェクトを推進しているイタリーのスタートアップは現在、Indiegogoで5万ドルの資金を調達している最中だ。このチームはクラウド資金調達とは別に本格的な投資家も探している。創立は2011年でこれまでは個人的に調達した資金で運営されてきたという。Indiegogoの資金調達はゴール目前だ。

FABtotumの共同創業者、Marco Rizzutoはこう説明する。

これまでの3Dはデジタル・ファイルから実物を出力するという単一機能のマシンだった。これは柔軟性に欠けるし、プロフェッショナルな目的での利用ではたとえプロトタイピングにせよ、すべてがポリマー素材ですむわけではない。われわれは独自のテクノロジーによる4軸スキャナーでオブジェクトをスキャンするところからデジタル情報と実物をシームレスに融合させてすべての作業がこの一台で完結するようなシステムを目指した。

ユーザーは興味をもったオブジェクトをスキャンしてデータを友だちに送り、友だちはそのまま3D出力してもよいし、3Dデザイン・ソフトで修正、加工してもよい。ユーザーはFABtotumの切削系機能を利用して、スタイロフォームやPCB素材を成形することができる。つまりデザイナーやエンジニア、ホビーイストがプロトタイピングの際に通常行っているような作業がすべてFactotumでできる。

こうした多機能マシンは使い方が複雑になることが避けられないので、一般ユーザーが使いこなせるようになるのは先のことになるだろう。しかし安価にすばやくプロトタイプを作ろうとする熱心な日曜工作家やスモールビジネスからは熱烈に歓迎されそうだ。歓迎の度合いは、FABtotumのIndiegogoキャンペーンが締め切りまであと1月を残して60人の出資者から3万8000ドルを集めていることでも分かる。

Rizzutoによれば、FABtotumの直接のライバルはMicrofactoryのハイブリッド・マシンやAio Roboticsの3D-ファックス/プリンター、Zeus(Kickstarterで来月から資金調達を開始する予定)などだという。しかしFABtotumは価格やカスタマイズ性でライバルより優れているとRizzutoは言う。

FABtotumはレーザースキャン(高速用)、Zプローブによるスキャン(高精細度)の両方を備えている。3Dプリントの精度はZ軸で0.47マイクロメートル。最大出力寸法は210x240x240mmだ。

699ドルの出資で既存の3DプリンターをFABtotum式万能マシンに改造するキットが入手できる。999ドル出資すれば3Dプリンターを含めたフルキット(組立はユーザー)が得られる。早期出資者は849ドルで組み立て済みのFABtotumを入手できたが、この枠はすでに売り切れだ。組み立て済みのFABtotumは1099ドルになる。

〔日本版:FABtotumはfactotum(ファクトータム=雑用係、、何でも屋)の語呂合わせ〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


シンガポールの300ドル3Dプリンタ–Kickstarterで目標額の14倍に,しかし会社は今後ソフトウェアに注力

Pirate3DのBuccaneerプリンタはKickstarterにおける資金募集に成功し、目標額10万ドルの14倍を上回る143万8765ドルを集めた。

このシンガポールのスタートアップは今年の5月に、比較的安価な3Dプリンタをひっさげてテクシーンに闖入してきた。BuccaneerはKickstarter上で347ドル(出資者価格は247ドル)、Makerbot Replicator 2.0の2199ドルよりも相当安い。最近発売を開始したForm Oneは、Kickstarterで2299ドルだ。

このプリンタは消費者製品と位置づけられ、Pirate3Dはドラッグ&ドロップでダウンロードできるオブジェクトライブラリをWeb上に開設している。CADなんかとまったく無縁なしろうとでも、十分に3Dプリントを楽しめる。Web以外にAndroidアプリもあるので、スマホやタブレットからのダウンロードもできる。

Pirate3Dは、オブジェクトライブラリのユーザインタフェイスを一般人向けに使いやすくすることに、とくに力を入れている。なぜなら、協同ファウンダのRoger Changによると、3Dプリントというビジネスは、ハードウェアよりもむしろソフトウェアに、長期的な生き残りの鍵があるからだ。“安い3Dプリンタなんて、これから、いろんなところが続々出してくるからね、しかもBuccaneer互換で”、…だからハードウェアはメインの経営資源にはなりえない。

この業界では、ハードウェアではそっくりさんが続々出てくるから、それらにやられないために、Pirate3Dは今後は社内にハードウェアチームを抱えない、すべてアウトソースする、という極端なプランを抱えている。

そっくりさんを作ったメーカー企業も、完全な互換性のためには、Pirate3Dのソフトウェアライブラリに依存するだろう。だからPirate3Dは、ソフトウェア主体の企業として、しかもリーダー的な存在として、生き残ることができる。同社は、Buccaneer用のオブジェクト規格Smart Objectsのライブラリを作るためのSDKを近くリリースし、コミュニティがこのオブジェクトでいっぱいにあふれるようになることを、期待している。

Kickstarterで集まった予約は、3000台を超えている。製造は今、シンガポールのメーカー企業に発注して行っている。…とは言っても、実際の生産は中国で行われるのだが。

うまくいけば、最初のプロトタイプが出るのが今年の12月、本格発売は来年の2月、とChangは言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


347ドルの3DプリンタPirate3D BuccaneerがKickstarter支援者には247ドルで

さあ、あなたも急いでKickstarterへ行こう。3DプリンタPirate3D BuccaneerKickstarterに登場し、最初の350名の支援者はこの347ドルの製品を247ドルで買える。

同社のファウンダによると、この3Dプリンタは家庭用および入門用という位置づけで、本誌のJohn Biggsはそのクォリティについて疑念を表明している。できあがった物の表面が、ざらざらしている、と彼は言うのだ。でも、347ドル(急げば247ドル)にしては上出来だと思うけど。

プリントの精細度は100ミクロンで、一番人気のMakerbotと同じだが、後者、Makerbot Replicator 2.0は2199ドルする。最近発売を開始したForm Oneは、Kickstarterの支援者向けの価格が2299ドルだった。

Pirate3Dの協同ファウンダRoger Changによると、お値段はともかくとして、ねらいはCADソフトのことなど何も知らないビギナーの関心をそそることだ。このプリンタにはSmart Objectsと名付けたオブジェクトライブラリがあり、ユーザはオブジェクト(のデータ)をカスタマイズして自分のプリンタに送り込める。そのためのAndroidアプリを、Pirate3Dのサイトからダウンロードできる。

Pirate3Dはシンガポールの会社で、協同ファウンダはChang、Brendan Goh、Tsang You Jun、そしてNeo Kok Bengだ。

〔関連記事: Pirate3D Buccaneerがわずか10分で目標額10万ドルに到達(未訳)。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


今度は3Dプリントでピストルが完成…鋼鉄もすこし使っています

銃の部品専門のThingiverse、と呼びたいDefense Distributedは、しばらくAR-15用ロアレシーバーの3Dプリントに取り組んでいたが、今度はついに、Liberatorと名付けた3Dプリント拳銃を完成させた。完全にABS樹脂による3Dプリントだが、撃針だけは違う。とにかく(略称)DefDistは銃の作り方をオープンソースにすることが使命だと自称しているから、またその成果が一つできたわけだ。

Forbes誌が実際に試してみて、ファウンダのCody Wilsonはオープンソースの計画を彼のサイトでリリースする、と言っている。実射が可能で、口径も変えることができる。

金属探知機で見つかるように、一部に鋼鉄も使っている。それは、Undetectable Firearms Actという法律に違反しないためだ。

この火器の実用性や信頼性については、何とも言えない。ABS樹脂の品質はプリンタによって違う。でも、プリンタと樹脂が上質で運が良ければ、これが手の中で爆発することはないだろう。

まだ情報が少なすぎるが、でも今週はまた、銃保有の権利をめぐる議論がにぎやかになりそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Gigabotは、縦横高さ60センチの物体を作れる大判3Dプリンター

テキサス州オースチン拠点のre:3Dが、KickstarterでGigabotのキャンペーンを開始した。これは大判の3Dプリンターで、24×24x24インチ(一辺61センチ)の枠内で制作するように設計されており、 Makerbotなどのプリンターよりずっと大きい作品を作ることができる。価格はキットが2500ドル、完成品が4000ドル。

同社は4万ドルのプレッジ(出資)が目標だったが、すでに6万ドルを超えているので、1万3824立方インチのクリスマスプレゼントを作りたい人にも間に合いそうだ。

開発チームはプロジェクトをSXSWで発表した。会社はSamantha Lynne SnabeesとMatthew Fiedler、および製造やデザインの経験者数名が立ち上げた。次のように言っている。

私たちre:3Dは、この世界で最大の問題は、視野を大きくすることによって解決できると信じている。だから私たちは、初の持ち帰れる大判3Dプリンターを設計することを目標にプロジェクトを立ち上げた。重要なのは3Dプリンティングの驚くべきテクノロジーを利用、発展させることだけではない。もし成功すれば、このテクノロジーを利用する市場全体を思い描くことができる。現状維持に苦闘してきた市場で、誰もが最先端技術を使って1日で物が作れるようになる。私たちの3Dプリンターを製品レベル品質にして、世界中のスモールビジネスの手に渡るようにすれば、そのコミュニティー、ビジネス、さらには世界全体が柔軟性を維持できるようになるだろう。

プリント材料は主にPLA(ポリ乳酸)で、これは加熱された制作プレートを持たないためだが、将来は提供する計画だ。PLAは工業的には好ましくない場面もあるが、この植物由来プラスチックは非常に有用で実用的だ。

プロジェクトはここで見られる。等身大の自分の頭をトウモロコシ由来の樹脂でプリントするところを想像してみてほしい。

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(翻訳:Nob Takahashi)