標識などを瞬時に訳してくれるGoogle Translateが、対応言語を27ヵ国語に拡大

google_translate_hindi-2

自国語の通じない国を旅行したことはおありだろうか。最近ではそうした際に利用できるツールがいろいろと登場してきている。しかしそんな中でも、Google Translateが、No.1ツールとしての地位を獲得しているのではなかろうか。

手軽さでいってもナンバーワンで、6ヶ月前からはインスタント翻訳の機能も備えるようになった。これは、買収したWord Lensの機能を利用したもので、標識などにカメラを向けると、直ちに(かつ驚くほど正確に)内容を翻訳してくれるというものだ。

その機能はこれまで7ヵ国語で利用できるものだったが、このたび27ヵ国語に拡大されたのだ。これにより利用可能な言語は英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語、ブルガリア語、カタロニア語、クロアチア語、チェコ語、デンマーク語、オランダ語、フィリピン語、フィンランド語、ハンガリー語、インドネシア語、リトアニア語、ノルウェイ語、ポーランド語、ルーマニア語、スロバキア語、スウェーデン語、トルコ語、そしてウクライナ語となった。iPad版およびAndroid版の双方で、アップデートの提供を開始したところだ。

インスタント翻訳および音声翻訳のスピードはニューラルネットワークを活用することで実現しているのだそうだ。仕組みについてはGoogle TranslateのソフトウェアエンジニアであるOtavio Goodがブログで説明している。なかなか難しい内容だが、テクノロジーに興味のある人には面白い内容だろう。

個人的には、ついには他言語を学ぶことなく、テクノロジーの力により理解できる時代になってきたのかと感慨深く思う。これはたとえばGPSに似ているだろうか。そちらの方も仕組みはよくわからないものの、手放せないツールとなっている。ついには外国語も「理解せずとも使える」段階になりつつあるのかもしれない。

(訳注:原文にはこの後、Google TranslateのプロダクトマネージャーであるJulie Cattiauへのインタビューが掲載されています)

原文へ

(翻訳:Maeda, H

Androidに最悪の脆弱性発見―ビデオメッセージを受信するだけでデバイスが乗っ取られる

2015-07-28-android

まるで出来の悪い映画のようだ。善玉の主役が悪玉の世界転覆計画を暴こうとしている。善玉は悪玉のスマートフォンをハックする。それがなんと相手のデバイスにメッセージを送るだけでできてしまう。アプリをダンロードさせることもメールを開かせることも必要ない。相手の電話番号さえ知っていればいい。それだけで、ジャーン! 相手の携帯の乗っ取り完了だ。

研究者によれば、おそろしいことに、これは映画ではなくて現実なのだという。大部分のAndroidデバイスがこの脆弱性を抱えている。

要点はこうだ。

  • Zimperium Mobile Labsのプラットフォーム侵入対策担当副社長、Joshua Drakeによれば、「95%のAndroidデバイスにこの脆弱性が存在する」という。
  • ハッカーは悪意あるコードを仕込んだビデオ・メッセージを送信する。このメッセージはAndroidのサンドボックスを迂回し、リモート・コードを実行する。この時点で攻撃者はストレージ、カメラ、マイクなどデバイスのほぼ完全なコントロールを得る。
  • このハッキングはStagefright攻撃と名付けられた。 StagefrightというのはAndroidがビデオを処理するメディア・ライブラリーの名前で、悪意あるコードはこの部分で実行される。
  • 多くのAndroidのバージョンでは、デバイスはユーザーが手動でメッセージを開かなくとも、着信と同時に処理を始める。つまり悪意あるメッセージを受信しただけで乗っ取りの過程が開始されてしまう。
  • 攻撃者は、理論的には、乗っ取りが完了したらメッセージ自体を削除してしまうことが可能だ。するとメッセージを受信したという通知以外には後に何も残らない。ほとんどのユーザーはこうした通知はスワイプして忘れてしまうだろう。
  • このバグはAndroid v2.2 (Froyo)で導入された。ZimperiumではAndroid 5.1.1 (Lollipop)までのすべてのバージョンでこの攻撃の有効性を確認した。その中でもJelly Bean (4.1)より古いデバイスがもっとも脆弱性が高いという。

良いニュースは、このバグはオンライン・アップデートでパッチ可能なことで、Googleはすでにそのパッチを配布ずみだ。

しかし悪いニュースは、このパッチの配布はそれぞれのデバイスのメーカーを経由しなければならないという点だ。つまり時間がかかる。Froyo、Gingerbread、Ice Cream Sandwich搭載のデバイスには長い間アップデートされていないものがある(11%近くのAndroid携帯がそうだという)。こうしたデバイスは最後までパッチを受け取れないかもしれない。

この攻撃に対してAndroidユーザーが身を守る方法があるかどうかは不明だ。もし何らかの方法があることが分かればすぐに紹介する。

われわれの問い合わせに対してGoogleの広報担当者は以下のようにコメントした。

「われわれはこの問題に関するJoshua Drakeの貢献に感謝している。Androidユーザーのセキュリティはわれわれにとってももっとも優先される課題だ。Googleはすでにこの脆弱性を解消するパッチをメーカーに提供ずみだ。このパッチはあらゆるAndroidデバイスに適用できる。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google、Googleマップ上に過去の訪問地履歴を表示する機能を公開(Googleはなんでも知っている!)

3955197105_21d2a70850_o

FoursquareないしSwarmは、「チェックイン」という行動よりも、よりその「場所そのもの」を扱う方向へと進んでいるようにみえる。その流れに乗ってか、Googleも「Your Timeline」という機能をリリースした。これまでに出かけたことのある場所を表示するものだ。情報を閲覧できるのは自分のみで、これは「ソーシャル」なものではない。

ただし。

この機能には気味の悪さを感じる人もいることだろう。標準でオンになっているオプションをそのままにしておくと、Googleにはこれだけのデータが伝わることになるのだ。現在のところこの機能はAndroid版およびウェブ版のみで提供(順次公開中)されている。Google Photosを使っているのなら、訪問した場所とともにその場所に関連する写真も表示されるようになる。

「Your Timeline」がどのようなものかを示しておこう。

2015-07-15 13_47_42

Google Mapチームの説明を見てみる。

これまでに出かけた場所を簡単に一覧できたらと思ったことはないでしょうか。昨年夏に訪問したミュージアムや、あるいは数カ月前にふと立ち寄ったバーのことを思い出すきっかけになるかもしれません。と、いうわけでGoogle Mapsに新しい機能を追加しました。適用ユーザーを徐々に広げている最中ですが、Google Mapsのメニューに「Your Timeline」というメニューが表示されるようになります。特定の日、1ヶ月ないし1年前に訪問した場所をチェックできるようになります。日常の行動や、あるいは旅行の思い出、あるいはちょっと出かけてみた場所などを手軽にデータとして振り返ることができるようになるわけです。

もちろんGoogleはあくまでも肯定的な表現で説明している。しかしスマートフォンのロックが解除されれば、自分の行動がすべて筒抜けになるということを意味する。いつ、どうやってモーテルに出かけたかなどという情報が「自由に」閲覧されてしまうのだ。そんな秘密がすぐそこに転がっているのなら、つい自分のパートナーのスマートフォンをチェックしたくなるという人も多いのではなかろうか。

「やばい」と思った人はアカウント情報ページにて、機能をオフにしておくことを(老婆心ながら)おすすめする。

Screen Shot 2015-07-21 at 4.53.49 PM

「後ろ暗いところなどない」と思う人はそのままで大丈夫。忘れていた過去を思い出すきっかけとなってくれることだろう。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

BlackBerryはBlackBerry、OSがAndroidでも関係ない

ci_ss-hwoaavffk

ここ1か月ぐらい、噂の定番といえば、BlackBerryがAndroid機を作っている、というお話だった。勝てない敵なら仲間になれ、だね。

今日は、その最初のAndroid機のリーク写真が登場した。

無限にネタを持っているEvan Blass(別名evleaks)がポストしたそのデバイスは、裏表両面に曲面があり、SamsungのGalaxy S6 Edgeに似ていなくもない。BlackBerry “Venice”という名前らしいが、それはたぶんコードネームだろう。

[Passportがだめだったのにまたおかしなのを出すなんて、BlackBerryはアホだね。]
[そうでもないよ。Veniceはなかなかルックスが良い。]

さらによーく見ると、このデバイスのシルエットはBlackBerryが3月のMobile World Congressでそれとなく見せていたものと酷似している。ただしそのデバイスは、BlackBerry自身のOS、BB10だったようだ:

[両曲面で全面タッチディスプレイでしかもスライド方式のキーボードがあるぜ!]

上の画像ではたしかにスライド式のキーボードがあるが、噂のAndroid機にもあるのか、それは分からない。リーク画像は見づらいが、その可能性は否定できない。

最初のAndroid機にスライド式のキーボードがあれば、それはBlackBerryらしくて良いんでないかい。Android市場は競争が激しすぎるが、でも少なくとも最新の機種の中には、しっかりした物理キーボードのあるやつはない。

こんなデバイスは、スマホブームに乗り遅れた人たちにアピールしそうだし、昔のBlackBerry機に今でもしがみついているおじさんおばさんたちを、その気にさせるだろう。OSはAndroidかもしれないが、それはたしかにBlackBerryだもんね。Android市場でメジャーになることはありえなくても、AndroidベースのBlackBerry、という新ジャンルを確立するかもしれない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

YouTubeの60fpsビデオがAndroidとiOSアプリにもやってくる

4481461680_845dd529ca_o

数か月前にYouTubeはデスクトップで60fpsのビデオをローンチし、その後ライブのビデオストリーミングにも60fpsを持ち込んだ。そして今日からは、60fpsのなめらかなビデオをYouTubeのiOSとAndroidアプリでも見られることになった。

YouTubeのメインのプラットホーム上ですでに見られるものが、モバイルにも持ち込まれるのは、時間の問題でしかなかった。YouTubeによると、60fpsは今やデスクトップとApple TVとPlayStation 3と4でも見られます、ということだ。

60fpsは、過剰仕様かもしれない。それに一部の映画ファンは30や24のフレームレートに固執するだろう。でもゲームファンは60fpsをお目当てにするだろうし、実際すでにYouTube上には60fpsのゲームビデオがたくさんある。それらはもともと、高いフレームレートを前提に作られているのだから。

今では、消費者向けのビデオカメラも高フレームレートをサポートしているものが多いから、720p60や1080p60の投稿ビデオもかなりあるし、企業等からのリリースもある。

今年の初めにYouTubeは60fpsの4Kビデオを導入した。これはスマートフォンやデスクトップコンピュータの最新の機種でも過剰仕様だと思うが、今日発表された60fpsなら、ほとんどの現行機種が対応できるだろう。

 

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

研究結果:開発者は人気低下iOSアプリの復活にマイナーアップデートを利用する

apps-ios7

アプリのアップデートは、開発者にとって失われつつある自社ソフトウェアへの関心を再燃させ、ダウンロードを活気づけるための戦略的ツールである。それがイタリアの学者グループによる、アプリ開発者がどうやって注目を引くためにアップデートを利用しているか、その戦略がAndroidおよびiOSでどこまで効果的かを研究した結果だ。

Updates Management in Mobile Applications. iTunes vs Google Play[モバイルアプリケーションにおけるアップデート経営。iTunes vs Google Play]と題したこの論文は、Google PlayストアおよびApple iTunesストアのアプリアップデートの効果を比較検証するものであり、研究者らはアップデートのダウンロード促進の効果はiOSの方がAndroidよりも大きいという結論を下した。

彼らはヨーロッパ5ヵ国のiTunesおよびGoogle Play各ストアで、トップアプリ1000本を6ヵ月にわたって追跡した。アップデートが公開されるのは、開発者がアプリ実績の「悪化」に気付いた時に多いと論文は書いている。

「研究結果は、アップロードがダウンロードを促進すること、および公開されるのはアプリの成績が悪い時であることを確認した。われわれはこの結果を、アプリ開発者がアップデートを「復活に賭ける」戦略として使っていることの証だと理解している」と彼らは書いた。

AndroidおよびiOSの開発者らは、研究者らが言うところの「著しく高い頻度」でアップデートを発行しているが、アップデートの頻度はAndroidの方が高い ― Google Playではアプリが平均28日でアップデートされるのに対し、iTunesでは59日毎だった。

著者らは、Google Playでアプリのアップデートが「大きな影響」を与えていない理由について、品質レビュープロセスがないためだと示唆している ― そのために「高品質、低品質両方のアップデート」が公開され、Google Playにおけるアプリの「過剰なアップデート」はダウンロード全体の与える影響を稀薄化している。
<
一方iOSアプリでは、デベロッパーがマイナーアップデート(バグ修正あるいは微小な変更)を、ストアでのアプリ成績を向上させる「戦略ツール」として使っている。メジャーアップデート(アプリの機能に重要な変構をもたらす)には開発期間がかかり、多くの労力が伴うためだ。

つまり、何度もマイナーアップデートを繰り返しているiOSアプリは、開発者が関心の低下と戦うために戦略的行動に出ている兆候だ。

彼らはこう指摘する:

われわれは、アプリの実績が低くなると開発者がマイナーアップデートを発行する確率は高まるが、メジャーアップデートには影響を与えていないことも見つけた。この結果から、マイナーアップデートのみが、過去の低い実績に対する戦略的ツールとして使われている証拠だと解釈している。

その他の研究結果:

  • トップアプリの殆どは無料(Google Playのトップ1000中有料アプリはわずか17)
  • iOSでトップ1000に有料アプリの占める割合は高い(8.3%)
  • アプリ内購入のあるアプリは、iOSの方がGoogle Playよりも一般的でiOSアプリの過半数(56.2%)にアプリ内購入があり、Google Playアプリでは1/3以下(29.7%)だった。
  • App Storeダウンロード数はGoogle Playの方がApp Storeより5倍程度多い。
  • トップ1000アプリのユーザー評価は両ストア共に4つ星以上だったが、ユーザー評価の件数はGoogle Playが2倍。
  • iOSアプリのトップ1000は、平均してGoogle Playのトップ1000よりも古く、人気Androidアプリの回転率の高さを示している。
  • いずれのストアでも約1/3(35%)のアプリがローカル(ダウンロードの40%以上が作成者の国からとい定義)。

The research paper can be viewed here.

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Adobe、Android版のPhotoshop Mix、Brush CC、Shape CC、Color CCをリリース

2015-06-16-adobeandroid

今日(米国時間6/15)、Adobeは新しいAndroidアプリ4種類をリリースした(スケジュールよりやや早い)。PhotoshopやLightroomなどAdobeの人気アプリは以前からiOS版が提供されているが、これまでAndroid版の開発は遅れていた。しかし今日からCreative Cloudの契約者はPhotoshop MixBrush CCShape CCColor CC をGoogleのプラットフォームで利用できるようになった。

KkL2emq8NCDtAe9cnGuMu22eb891bzHxHJXzCvnhVBkIoLt4ir19hAYFmtZStgl4rhw=h900

AdobeのCreative Cloud担当シニア・マーケティング・ディレクター、Scott Morrisによれば、ユーザーからの要望が強かったためAndroidプラットフォームをサポートすることに決めたのだという。開発チームはまずAdobeのCreative SDKをAndroidに移植するところから始めねばならなかった。そこでユーザー向けのアプリをリリースするまでないかなりの時間がかかったという。Morrisはまた「Androidにはたいへん数多くの多様な機種が市場に存在するため開発は非常に難しかった」と述べた。

Adobeのモバイル化の戦略は、Creative Cloudを一挙にモバイル化するのではなく、単機能の比較的シンプルなアプリを順次リリースしていくという方向のようだ。

たとえば、Brush CCはモバイル・デバイスで取り込んだ写真やグラフィックをブラシに変換して、Adobe Photoshop CCやIllustrator CCで利用するアプリだ。

同様にShape CCは画像をキャプチャーしてPhotoshopなどで利用できるベクトルグラフィックスを作成する。〔 Color CC (aka Kuler) は日本Play Storeでは未公開〕

Photoshop Mixはこれらとはやや異なり、Photoshopの基本的な機能が提供される画像編集アプリとなっている。

Morrisによれば、今後Androidは全体としてiOS同様にサポートされていくことになるという。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google、I/Oカンファレンスで機械学習の力を見せつける

img_0485

今年のI/Oのキーノート講演がGoogle史上最も派手だったと言う人はいないだろう。もしあなたが、飛行船から新型のGoogle Glassを持った人々が飛び出してくることを期待していたなら、間違いなく失望していただろう。代わりにGoogleは、比較的控え目なキーノートの中で、Androidをモノのインターネットに対応させる段階的なモバイルOSの改善や、デベロッパーの収益化、広告、アプリの分析などをやりやすくするための新しいツールの数々を発表した。

しかし、私を引きつけた3つの消費者向けGoogle新製品は、Google PhotosAndroid MNow On Tap、そして ― キーノート講演にはなかったが ― Inbox for Gmailの最新アップデートだった。いずれも、自然言語、高度な機械学習、およびこの数年Googleが注力してきた知識グラフデータベースを一定レベルで活用している。

例えばGoogle Photosは、現時点で最高の写真検索エンジンと呼べるものを塔載している。単に “trees”、”flowers”、”mountains” 等を検索すれば、自分の写真集の中からそれを見つけてくる。Photosは、Google+の写真機能を独立させたスタンドアロン版で、大部分の機能を既に実現していたが、今回Googleは検索機能を改善した。

Google “Now on Tap” は、アプリの中で起きていることを理解して追加のコンテキスト情報を提供し、それに関するユーザーの質問に答える。Googleのデモは大きな賞賛を浴びた。実演者がSpotifyで(なぜかGoogle Musicではなく)スクリレックスの楽曲を流し、Now on Tapを立ち上げて「彼の本名は?」と尋ねる。Googleがこれに答えるためには、アプリで何が演奏されているかを理解し、「彼」が誰を指しているかを理解した上で知識ベースを深く堀り下げなければならない。

tomorrowland-final

Inboxは、なぜかキーノートでは触れられなかったが、今やこの知識と自然言語を理解することによって、誰かがあなたに何かをして欲しいことに気付くと、自動的にリマインダーを生成する。さらに、今後の旅行に関する複数のメールを認識して、一つのグループにまとめることもできる。

Microsoftは、Cortanaでこの一部をやり始めており、Appleも似たようなツールを考えているに違いないが、Google製品が他を一歩リードしていると感じた。つまるところ、10億以上の項目に関するデータの知識グラフを利用できる会社は他にいない。そして良くも悪くも、Google以上にあなたやあなたのオンライン習慣(おそらくオフラインも)を知り、そのすべての情報にコンテキストを与えられる人はいない。

Google I/Oのキーノートは、いわゆるサプライズには欠けていたが(ただし翌日のATAPキーノートは補って余りあった)、上記3つの機能だけでも、ことユーザーを理解することに関してGoogleがライバルを大きく引き離していることを示している。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleがオンライン学習のUdacityとパートナーしてAndroid開発のナノ学位を立ち上げ、エジプト語へのローカライズも

uda

今日(米国時間5/28)サンフランシスコで行われたデベロッパカンファレンスI/OでGoogleは、Udacity とパートナーして6コースから成るAndroid開発のナノ学位日本語参考記事)をローンチする、と発表した。

これはビギナーのためのコースではなく、まだAndroid未経験のプロのデベロッパにAndroidモバイルアプリの“正しい書き方”を教える。コースが終了したらGoogleが彼/彼女を実際に雇うこともありえるほど、本格的な特訓教育を行う。

Udacityのそのほかの学位プログラムと同じく、ビデオ教材の視聴は無料だが、卒業証書や教育助手へのアクセスが必要なら、今回のコースでは月額200ドルの有料になる。

Udacityの協同ファウンダでCEOのSebastian Thrunによると、受講者は学位を得るために、6つのコースといくつかのプロジェクトを終了しなければならない。たとえばあるコースでは、アプリの中でSpotifyのAPIを使いなさい、と求められる。Udacityのそのほかの学習プログラムと同様に、実践的知識の獲得が最大の目的で、したがってコースよりもプロジェクトの意義がとても重要だ。

Thrunは曰く、“ねらいは、受講者が実践を通じて、Androidプログラミングに関して完全な自信を持てる状態になること。多項選択(三択四択〜〜)のテストなどは、やらない。いわばそれは、Googleが同社のデベロッパに持っていてもらいたいと願っている知識や技術をすべて叩き込む、というナノ学位コースだ”。

学位取得までの所要(許容)時間は6〜9か月、開始日は決まっているが、途中のペースは受講者が自由に決めてよい。

Google Play Services

Googleは、このプロジェクトに本気であることを示すために、年末に50名の学生を本社に招待して三日間のサミットを行う。その内容は、ハッカソン、雇用担当者とのミーティングなどだ。要するにGoogleは、実際に何名か雇うぞ、という姿勢を見せたいのだ。

さらにGoogleは、エジプト政府とパートナーしてこの学位の6つのコースを現代標準アラビア語(Modern Standard Arabic)にローカライズする。Udacityとしても、ここまでやるのはこれが初めてで、ビデオにアラビア語で字幕を入れるのではなくて、コースの全コンテンツをアラビア語化するのだ。

Googleはエジプトの学生2000名に奨学金を提供し、就職説明会や各種の集会を行う。Thrunによるとこれは、Udacityにとってもアラビア語圏に進出していくための好機であり、その地域に良質な教育を持ち込むと同時に、良質な就職機会も開拓していきたい、という。そして、“あそこらの戦争の数を減らしたいね”、とThrunは語る。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Chromecastが自動再生、キューイング、第二画面、マルチプレーヤーゲームなどを新たにサポート…革命的なユーザインタフェイスへ

driver-speedboat-paradise

GoogleのChromecastは、この検索の巨人を秘かに本格的なホームエンタテイメント企業に変えてしまいそうな、かわいらしい外見にパワーを秘めたメディアエンジンだ。このおちびエンジンに対応しているアプリケーション(もっとも典型的にはYouTube)のユーザが画面上の小さなボタンを押すと、コンテンツをテレビの大画面で楽しめる。この“Castボタン”はこれまで、合衆国だけでも15億回押された。そしてChromecastは、Googleのほかの船も浮上させている…たとえばYouTubeでは、Chromecastユーザの総視聴時間が従来より45%増加した。

Chromecastやその対応デバイス(Nexus Player、Nvidia Shieldなど)は、今年のI/Oカンファレンスで発表されるいくつかの新しい機能により、さらにパワーアップする。一言で言うと、これまでの単純なストリーミングマシンから、本格的なメディアデバイスに変身し、Chromecastとその操作デバイス(スマホなど)は、近未来のホームシアターやメディアルームの基本装備になる。Chromecast向けの開発をやっているデベロッパや、一般ユーザは、期待をふくらませて待つ価値があるだろう。

オートプレイとキューイング

ストリーミングTVがふつうのTVらしくなるためには、長時間の連続視聴が可能でないといけない。たとえばNetflixのようなWebアプリケーションでは、とくにユーザが操作しなくても複数のコンテンツを次々と‘上映’することができる。今度からChromecastでも、それができる、しかも、どんなコンテンツでも。

これをデベロッパのボキャブラリで言うと、最初のビデオが再生されているときに次のビデオをバッファリングしてキューを作り、一つのコンテンツが終るたびに次のコンテンストをユーザが指定する、という手間をなくす。しかもユーザはキューをコントロールして並び順を変えたり、新しいコンテンツを途中に入れたりもできる。これだけ高度なキューイングは、今のNetflixでもできませぬ。

今このAPIを導入しているアプリケーションは、NBA Game TimeとRed Bull TVぐらいだが、ほかのメディアアプリケーションも視聴者を長時間釘付けにするために当然導入するだろう。

ゲームマネージャAPI(マルチデバイス/マルチプレーヤーを簡単に)

複数のユーザが複数のデバイスを使ってChromecast対応のゲームを楽しめることは、元々この製品の大きな売りの一つだったが、これまでは乗り気でないデベロッパが多かったため、各人のスマートフォンをコントローラにしてTVに映しだされるゲームをシェアする遊び方は、あまり盛り上がらなかった。

I_O_Rolocule

しかし今度からはGame Manager APIというものが導入されるので、デベロッパにとって仕事がすごく簡単になる。ゲームに参加するデバイスはiOS、Android、Chromecast対応デバイスなど何でもよく、デベロッパはそういうマルチプレーヤー体験を容易に作れる。ローンチタイトルとして提供されるCatch Phraseは、よくあるパーティーゲームだが、この機能の活用例としては好適だ。

“マルチデバイス/マルチプレーヤは機能は最初から好評だったけど、それをもっと、デベロッパにとって使いやすくしたい、と考えた”、Chromecast担当VP Rishi Chandraはこう語る。“今では、モバイルゲームのデベロッパのほぼ全員が、このユーザ体験を作り出そうとしている”。

そこでGoogleは、TV画面上で共有されるスコアボードなど、共通的な機能を管理できるようにし、また個々のプレーヤーとデバイスのレベルでの、正しいセッション管理ができるようにもした。こうしてついに、Game Manager APIが誕生した。

ぼくはいつも感じていたんだけど、モバイルゲームも一人プレイはもう古い、マルチデバイス/マルチプレーヤには、未開拓の大きな可能性がある。これまでは、開発の難度と、参加〜プレイの容易化単純化正確化がネックだった。でもこの二つの大きな難点を、このAPIは克服できる。

リモートディスプレイAPI(iOSとAndroid)

スクリーンの二重化(デュアルスクリーン…ゲーム画面はTV、コントローラ画面はスマホ)はもちろんゲームにとって大きな意義があるが、Chromecastおよび対応ハードウェアを操作するAndroidとiOSアプリのための(ゲームに限らない)ジェネリックなAPI、Remote Display APIは、デュアルスクリーンの意義をさらに大きくする。これによりたとえば、TV(+Chromecast、〜対応デバイス)の画面にカーレースが映っていて、スマホ上では仮想ステアリングホイールを操作する、ということができる。あるいはTVの大画面を利用して写真の編集〜修正をやっていて、その細かい操作をスマホ上のUIでやる、といった“適材適所”の役割分担ができる。

i_o 2Pixlr

 

このAPIの初期のバージョンを実際に使っているのが、Autodesk Pixlrだが、これを見るとまさに、マルチディスプレイが新しいタイプのユーザインタフェイスだ、ってことを実感できる。Chromecastはこの、コンピュータシステムの歴史上かつてなかった、斬新な利用インタフェイスを支えるのだ。クリエイティブアプリ/アプリケーションはもとより、世界中のユーザ数がもっとも多い生産性アプリ/アプリケーションにとっても、これは朗報だ。それに、デスクトップアプリケーションがもっと多様な状況でモバイルにリプレースされるためにも、こんなインタフェイスがその基盤に必要なのだ。対象を見る画面は大(&高精細)、手による操作は手元の小型デバイス、という理想の仕事環境が、今後、社会の至るところで普及するだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Android Mの開発者プレビューを動かしてみた(ビデオ)

android-m1

Android Mはまだ開発の初期段階にある。しかしGoogleは、テストデバイスで確認するためのデベロッパー・プレビューを公開した。さっそくNexus 5に搭載して新機能などの確認を行なってみた(上のビデオをご覧ください)。当然ながら作りこみが不十分なところもあるものの、新機能の様子などを体感することができるだろう。

アプリケーションのドロワーやボリューム調節機能などの細かな変更点も、実際に使い勝手的には大きな改善と言えそうな感じだ。アプリケーションを名前で検索したり、あるいはアルファベット順に並べて探すことができるのは、大量のアプリケーションをインストールしている人にはとても便利な機能だろう。ボリューム調節では通知音やアラーム音などを簡単に設定できるようになっている。

新OSには「Google Now on Tap」という機能も搭載される。但し、現状のプレビュー版では、その実際の動作はまだほとんど確認できない状況だ。しかしどのようなタイミングでどういった機能が実行されるのかということを確認することはできる。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

Google I/O:Android M(5.x)のプレビュー公開―指紋スキャナー、Google Pay、アクセス許可、バッテリー改善など新機能多数

2015-05-29-androidm

今日(米国時間5/28)、サンフランシスコで開幕したGoogle I/Oデベロッパー・カンファレンスで、前評判どおり、次世代のモバイルOSのデベロッパー・プレビュー版がリリースされた。このAndroid M(正式名称はユーザー向け公開時に発表される)ではGoogleは細部の洗練とパフォーマンス改善に力を入れたようだが、新機能も数多く盛り込まれた。

Android Mではデザイン面での大きな変更はなかったが、これは当然だろう。前回のメジャー・アップデート、Android 5.x LollipopdでGoogleは新しいUI、Material Design言語とそれに関連する多数の新機能が導入され、多くのデベロッパーは現在もそのマイグレーションの対応に追われている。

私は今週、Googleのプロダクト・マネージメントの責任者、Brian Rakowskiに取材した。その際Rakowskiは「去年のI/OでLollipopを発表して以後、われわれの開発チームは多くのことを学んだ。その経験のの多くが今回のAndroid Mに生かされている」と語った。

プレビュー版のリリースにはSDKのアップデート、AndroidエミュレーターおよびNexus 5、Nexus 6、Nexus 9、Nexus Playerハードウェア向けのテスト用システムイメージが含まれる。Googleでは今回のリリースで「数千のバグフィックス」を行ったという。またプレビュー期間を通じて随時システムイメージをアップデートとするとしている。一般公開はこの秋を予定している。

今回、スマートフォンおよびタブレット向けAndroid Mに加えて、Android Wear版とAndroid for IoT版のプレビューもリリースされた。

Android Mの主要な新機能は以下のとおり。

Google Now On Tap

Google Now がコンテキスト化された。Google Now On Tap〔長押しGoogleナウ〕と呼ばれる新バージョンはユーザーが現在スマートフォンないしタブレットで何をしているかを読み取り、それに応じた内容を表示するようになった。

たとえば、ハングアウトで友達とテキストでチャットしていて Mad Max と入力したとする。このとき、ホームボタンを長押しするとGoogle Nowが起動し、ユーザーがそのときアプリ内で会話していたコンテキストに応じた情報が提供される。この場合であれば、Mad Maxの新しい映画について、公式サイトや付近の映画館の上映時間、YouTubeの予告編や映画情報サイトへのリンクなどが表示されるだろう。

これはOSレベルの機能なのでアプリのデベロッパーはGoogle Now On Tapを利用するために特に何もする必要はない。TechCrunchの詳しい記事はこちら

google-io-20150155

Android Pay

Android Pay mark

ここ数ヶ月、Apple Payの影が巨大化するにつれ、Google Walletが失敗だったことが明らかになっていた。GoogleはAndroid Payでモバイル支払システムを再構築する。今回は広くベンダーやAT&T、Verizon(近くTechCrunchの親会社になる)、T-Mobileなどのキャリヤと提携し、販売されるAndroidデバイスにAndroid Payをプレイン

Apple Payと同様、Android Payはeコマースと現実店舗での支払の双方で利用できる。デベロッパーはPay APIを呼び出すだけで簡単に実装できる。

  1. google-io-20150097.jpg

  2. google-io-20150092.jpg

Uユーザーは通常のロック解除方法でもPayを利用できるが、次項で紹介する指紋スキャナーでの認証が可能だ。

Google Walletは存続するが、今後はピアツーピアの支払手段として重点が置かれることになる。

OSレベルでの指紋スキャナーのサポート

噂どおり、Android Mは指紋スキャーをサポートした。すでに一部のスマートフォン・メーカーが独自に指紋スキャナーを装備していたが、システム・レベルでのサポートはなかった。しかしメーカーの独自サポートと、間違いなくAppleのTouch IDに影響されて、GoogleもOSレベルでの指紋スキャナー機能の提供に踏み切った。当然だがこの機能はデバイスのアンロックと支払の認証に用いられる。

google-io-20150100

アプリへの各種アクセス許可

App Permissions settings

これまでAndroidユーザーはアプリをインストールするとき連絡先、カメラ、写真、その他アプリが要求するアクセスを許可しなければならなかった。しかしユーザーがなぜアプリが、たとえば、連絡先へのアクセスを必要とするのか理解できず、そのためインストールを中止することがしばしばあった。

Android Mではアプリのアクセス承認プロセスが一新された。インストール時の一括アクセス許可の要求は廃止された。ユーザーがアプリをインストール後、最初に起動したときにアプリはアクセス許可を要求するようになった。また一括して許可を要求するのではなく、アプリが実際にそのアクセスを必要とするときに限って許可要求を行うように改められた。

たとえばカメラアプリであれば、最初の起動の際にカメラ、マイク、写真へのアクセス許可を要求する。しかし連絡先へのアクセスは、ユーザーが写真やビデオを友達と共有しようとしたときに初めてアクセス許可の要求が表示される。こういう方式ならばユーザーは何のためにその許可が必要なのか理解しやすく、許可するかどうかを適切に判断できる。

  1. google-io-20150097.jpg

  2. google-io-20150092.jpg

Doze〔休眠〕モード

USB Type C macro image

この新しいモードは、これまでの「省電力」モードとは異なる。「省電力」モードはユーザーが実際にデバイスを利用するときのモードだが、Rakowskiの説明によると、Dozeモードはユーザーがデバイスをしばらく放置しておいたときに実行されるモードだという。このときAndroidのハードウェアの大部分は休止状態に入るが、メールやSNSなど数分ごとにデータを更新しようとするアプリが多いため、休止状態でもデバイスはたびたび目を覚まさせらている。新しいDozeモードは、自動的にアプリの同期回数を減らす。

Rakowskiによれば、Nexus 9の場合、このDozeモードはバッテリーを50%も節約するという。ただしDozeモードの実行中であっても優先度の高いメッセージや目覚ましのアラームなどは間違いなくリアルタイムで実行されるという。

google-io-20150105

Chromeカスタムタブ

ウェブのブラウジングでは、GoogleはChromeカスタムタブを発表した。これはネーティブ・アプリ内からリンクを開いたときにリンク先を表示するChromeの特別なタブで、ネーティブ・アプリ内で作動しているようなルック&フィールを提供する。ユーザーがリンクを開く前にそのコンテンツは事前にフェッチされているので表示がきわめて高速化される。またカスタムボタンで即座にアプリに戻ることができる。

google-io-20150087

またGoogleはAndroidでUSB-Cのサポートを行うよう努力中であり、デバイス・メーカーにUSB-Cのサポートを働きかけているという。近くUB-Cポートを装備したAndrodデバイスが発表されるようだ。.

今回発表された新機能を利用しようとするデベロッパーはCanaryチャンネルから最新のAndroid Studio (1.3)をインストールする必要があるだろう。この最新バージョンはAndroid Mをサポートしており、またCとC++のエディタ、デバッガ機能を備えている(この機能はゲーム・デベロッパーから長く望まれていた)。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

スマートウォッチのPebble、2000万ドルを集めながら破綻の噂

o92a4724

スマートウォッチメーカーのPebbleにトラブルが起きているらしい。会社に近い筋によると、同社は成長を維持する上で困難に遭遇し、Sillicon Valley銀行に500万ドルの融資および500万ドルの与信枠を要望した。シリコンバレーのベンチャーキャピタルらは、同社からの新たな資金調達要求を却下している。

PebbleのCEO Eric Migicovskyはコメントしていない。

同社は最近驚異的に成功したKickstarterキャンペーンで2000万ドルを集め、現在150人の従業員を抱えさらに雇用している。クラウドファンディングによる資金注入 ― 手数料差引後約1800万ドル ― にもかかわらず、会社は成長を維持するためにVC資金を求め、今度は「沈まないために」銀行融資に頼った。

情報源によると、多くの従業員が、Apple、Androidその他のライバルに直面するにつれ、会社の方向性に不満を感じているという。例えば、Olio watchが発売されれば、Pebbleのインディー・スマートウォッチの看板を奪われるかもしれない。Pebbleは最近、フラグシップ機の99ドル白黒Eペーパーウォッチの後継として、Pebble Timeを発表した。新機種はカラーEペーパー画面を採用し、内蔵マイクロホンを持つ。

しかし、会社はすべてを失ってはいない ― 今のところ。私が話した匿名の社員は、慎重ながらも楽観的だった。しかしGlassdoorの3月の記事によると、彼らの雇用プロセスは ― 元Appleハンチョーで法務顧門のJeff Hymanが運営している ― 評判が悪い。

「うちは若い会社だ。Pebbleの前途は非常に明るい。これまでの道のりは素晴らしかった」と匿名を希望する現従業員は言った。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

未来のヒット製品があるかも! 500 Startupsデモデーから本誌お気に入り4つを紹介

screen-shot-2015-05-12-at-4-34-12-pm

今年もこの時期がやってきた ― われわれは今マウンテンビュー市のスタートアップアクセラレーター500 Startupsのデモデー会場にいる。

今日(米国時間5/12)30の会社が、自分たちの製品とビジネスモデルを投資家と報道陣に売り込み、売上、対象市場、成長について魅力的なデータを見せた。中でも、いくつかの会社の口上がわれわれの琴線に触れた。

われわれを唸らせた以下の4組(発表順)を紹介する。

Alfred 500 Startups demo dayAlfred ― 古いAndroid端末を、Dropcamスタイルのどこかれでもアクセスできるホームセキュリティーカメラとして再利用する。初年度に100万台の端末がサービスに参加し、文字通り何トンもの電子部品がゴミになるのを防いだ。彼らのアプリは、ユーザーにとって毎日の習慣にもなり、家のネコや子供や留守宅を1日平均10回チェックしている。

Raur 500 Startups demo dayRaur ― 人気番組のフィードをを自分のライブや録音コンテンツと組み合わせて、スマートフォンのアプリ1つだけでポッドキャスティングサービスを作れる。この組み合わせによるアプローチは、今すぐ楽しめるコンテンツたくさんあるだけでなく、将来はオーディオのためのPerisocpeやMeerkatになり得ることを意味している。

GridCure 500 Startups demo dayGridCure ― スマート電力グリッドの分析システム。彼らの主張によると、電力会社は何十億ドルもまけて家庭や会社にスマートメーターを設置したが、大量のデータを活用するためのソフトウェアを作っていない。GridCureを使えば、電力会社はどこの電力を再配置すべきか(全体のエネルギー損失を減らす)を調べたり、「盗電」を示す不自然な動きを検知することができる。

Yellowdig 500 Startups demo dayYellowdig ― 「学校現場のSlack」(チャットアプリ)。90年代かと思われる寄せ集めのバックエンドソフトウェアと誰もチェックしない大学のEメールを置き換える。これまでに7000人の学生によるテストを終え、2016年までに100校の大学で使われることを目標としている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

フォルクスワーゲンのApple Watchアプリは、未成年ドライバーにスピードの出し過ぎを警告する

vw-app

ドイツの自動社メーカーVolkswagenは今日(米国時間5/5)、同社のモバイルサービスの一環としてApple Watchアプリを提供すると発表した

VWのCar-Netサービスは、2014モデルイヤー以来同社モバイルアプリに様々な「スマート」機能を提供してきた。エアコンのリモート設定、窓の閉め忘れや駐車した場所の確認、燃料・バッテリーの監視などすべてがiOSおよびAndroidアプリで利用できる(正直に言うなら、両プラットフォーム共デザイン要素はかなり奇妙だ)。そして近々、新たなiOSアプリのアップデートによって、腕の上にもやってくる。

いずれの機能も気が利いているが、「必須」と呼べるものではない。ちょっと気を引いたのが、スピードや境界の警告が腕に送られることだ。自分が10代のドライバーだった頃(スマートフォンによる超接続時代の直前)を思いだすと、両親は私が午後の殆どをどこで過ごしていたかも、両親が寛大にも与えてくれた何トンもの金属の塊を、私が責任を持って転がしているかどうかも全く知らなかった。

Car-Netアプリがあれば、家族内の特定のドライバーがスピード制限を越あたり、一定の地域境界を越えた時にアラームを鳴らすことができる。スマートフォンにそれが載っているだけでも親にとっては感激だが、携帯電話の通知は容易に見逃がされてしまう。

Apple Watchなら話は違う ― ポイントは通知を最重要なものだけに限定することだ。ユーザーがその努力をすることを前提にすれば、Car-Netのメッセージは十分目立つ。もしうるさすぎるようになったら、おそらく安全運転について子供たちとじっくり話し合うか、彼らの居場所を監視しなければならないときだろう。

他に便利そうな機能としては、Apple Watchを使ったリモート解錠(2016年モデル以降)だある。もちろん、ドアをアンロックしたりトランクを開けたりする手段はすでにあるが、Apple WatchのApple Payによって、荷物や幼な子を抱えて列に並んでいる時にiPhoneやサイフを取り出さずに済むようになったのと同様、コートのポケットやバッグのキーを探す必要を取り除くことは、日常のフラストレーションを取り除くはずだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Android版Chromeの新しいプッシュ通知をFacebook、Pinterest他がいち早くサポート

2015-04-21-chromelogo

先週lアップデートされたAndroid版Chromeブラウザにはウェブサイトがモバイル・ユーザー向けにプッシュ通知を発行する機能が追加されていた。これはウェブ版がネイティブ・アプリと競争することを助けようとするものだ。この機能をどのサイトが最初にサポートするかが注目されていたが、今朝(米国時間4/20)、Googleは、Beyond the Rack、eBay、Facebook、FanSided、Pinterest、Product Hunt、VICE News、Roost 、Mobify他がプッシュ通知機能を採用したと発表した

Googleによれば「これらのサイトは数週間以内に実際にプッシュ通知を有効にするだろう」という。

多くのパブリッシャーで、モバイル・ウェブサイトにはネーティブ・アプリより多数のユーザーがいるが、ウェブサイトはアプリほどユーザーとの対話性がよくない。そもそもアプリが人気を集めた原因がそこにある。新しい情報がある場合、アプリならホーム画面のアイコンに赤いサインを付加したり、さらには新情報の見出しをプッシュ通知で表示することができる。

push2

しかし最新版のAndroidおよびデスクトップ向けGoogle Chromeは、 新しいウェブ規格に基づくプッシュ通知をサポートしており、ウェブサイトは専用アプリ同様にユーザーにアップデートをプッシュ通知することができるようになった。この機能はモバイル・ウェブのデベロッパーから長年にわたって強く要望されていた。

ユーザーがプッシュ通知をサポートするサイトを訪問すると、Chromeはダイアログボックスを表示し、ブラウザを通じてプッシュ通知を受け取るかどうかユーザーに選択させる。ユーザーがイェスを選択した場合、デベロッパーはユーザーにリアルタイムでアップデートを送るなどさまざまな情報を提供できる。Androidデバイス上でこれらのプッシュ通知はネーティブ・アプリの場合とほぼ同様のルック・アンド・フィールを備えるが、管理するのはAndroid OSではなく、Chromeブラウザだ。【中略】

push-message-b27d1cc8a4b125907d658982bbe5be2d

ただし、パブリッシャーが複数のプッシュ通知チャンネルを持っていた場合(いちばん可能性が高いのはウェブ版とアプリ版の双方でプッシュ通知を行うケースだろう)、ユーザーが一方を許可したことを忘れてもう一方も許可すると、だぶって通知を受けることになる。この問題についてはいくつかの解決法が提案されている。

medium_sidebysde

また最新版のAndroid向けChromeでは、プッシュ通知の他にユーザーがウェブサイトをタップ1回でホーム画面に追加できるようになっている。ユーザーがFlipboardやMediumなどのサイトが気に入った場合、いちいちGoogle Playからアプリをダウンロードしてインストールしなくてもモバイル・ウェブサイトをホーム画面に追加するだけでそれに近い効果が得られるわけだ。

[原文へ](滑川海彦@Facebook Google+

Google、Androidの汎用手書き入力アプリを公開。絵文字も認識

google_handwriting

2015/04/15/google-launches-handwriting-input-for-text-and-emoji-on-android/
今日(米国時間4/15)Google Researchは、最新プロジェクト、Google Handwriting Input公開した。これでAndroid 4.0.3以降のユーザーは、音声やお気に入りのキーボードに加えて、古き良き手書き入力をどのAndroidアプリでも使えるようになった。

GoogleHandwritingInputこの新しいツールは、82の言語と20種類の筆記体を識別できる。

私の手書き文字は判読不能で悪名高いが、Googleの新ツールはこの曲がりくねった筆記体の殆どを大きな問題もなく読み取った。活字体では事実上全く問題ない。

Handwriting Inputで気が利いているのは、手書きの絵文字も識別することだ(そう、私のウンコ絵文字もたちどころに認識した。

これがGoogle初の手書き認識でないことは指摘しておくべきだが、Android全体で使える手書き入力のサポートは初めてだ。以前からGoogleは、Google翻訳アプリ、モバイル検索およびGoogle Input Toolで手書き認識をサポートしている。

これが日常的利用でどこまで有用かは不明だ。最新のスワイプキーボードのおかげで、Androidでの入力はすでに十分高速で正確だ。しかしGoogleが指摘しているように、標準キーボードでの入力が難しい言語も数多く存在する。特にGoogleが例に挙げた、複雑な書体を持つ南アジア系言語や表意文字を用いる中国語等では、多くのユーザーにとって手書き入力の方が容易かもしれない。すでにGoogleはそれら多くの言語向けに専用の手書き入力方式を提供しているが、Google Researchチームによると、この新アプリは従来の取り組みを統合し、デバイス上、クラウドべースどちらによる文字認識も可能にした。

新アプリはGoogle Playストアで入手可能。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アプリ解析ツールの「App Ape」にプレミアム版、今後は海外展開も

メイン_App Ape Analytics Premium リリース画像

FULLERは4月13日、同社の提供するスマートフォンアプリ利用動向調査ツール「App Ape Analytics」のプレミアム版サービスを開始した。

App Ape Analyticsは、数万台に上るAndroid端末をサンプルにした統計データをもとに、アプリの利用情報や詳細情報、性別年齢を含めるユーザーのデモグラフィック情報を閲覧し、スマホアプリ市場やアプリの競合分析が可能なツール。データは、FULLERのアプリを導入したユーザーから取得している。

FULLERによると、これまでのApp Ape Analytics アルファ版および法人向けのApp Ape Analytics エンタープライズ版の累計顧客数は3000を突破。コロプラやKingといった大手のゲーム開発会社から広告代理店、官公庁など幅広く利用されており、すでに単月黒字化も見えているそう。

今回提供するプレミアム版では、時間帯別のアクティブ率やHAU(時間ごとのアクティブユーザー数)、アプリの同時所持率(あるアプリを持っているユーザーがどのアプリを併用しているのかの割合)などの閲覧が可能。これによってテレビCMや時間限定のアプリ内イベントなどの効果測定が可能になるとしている。なおデータはCSV形式のファイルとしてダウンロード可能。

HAU_App Ape Analytics Premium リリース画像

FULLERは2月にGlobal Catalyst Partners Japan、朝日新聞社、インフォテリア、オプト、コロプラ、日本交通およびnanapi代表取締役の古川健介氏ら個人投資家複数名から2億3000万円の資金調達を実施したことを明らかにしている。

この調達した資金をもとに、今後は海外のサンプルデータも拡充していく予定。海外向けに複数のスマートフォンアプリを提供していくとしている。「データの精度はユーザーから評価されており、国内のサンプルが足りないという話はない。今後は国内のサンプルを100万人に増やすというよりは、各国10万人のサンプルを持ちたい」(FULLER代表取締役社長の渋谷修太氏)

 

Gmail Androidアプリがアップデート―サードパーティーも含めてすべてのメール・アカウントが一括管理できる

今日(米国時間3/30)、GoogleはAndroid版Gmailアプリアップデートした。今回いちばん重要な変更点は、統一インボックスだ。複数のメール・アカウントを持っている読者が多いだろうが、これまではGmailアプリでいちいちアカウントを切り替えねばならなかった。 しかし統一インボックスの導入で、「すべてのインボックス」の表示を選択することができるようになった。これでわずらわしいアカウント切り替え操作の必要がなくなった。

mobile drawer shot copy

たいへん便利になったが、Googleがこの機能をローンチするまでにこれほど長くかかったのは少々驚きだ。iOSでは以前からAppleのメール・クライアントが同じ機能を提供している。

Googleによれば、新アプリでは検索の自動補完の精度も改良されているという。Googleはどのような点が改良かされたのか明らかにしていないが、どうやら既存のメールの内容をより詳しく分析することで自動補完により正確な候補を表示できるようになったということらしい。

もう一つの新機能は、Gmail以外のメール(Gmail for Androidはその名前とは違ってサードパーティーのメールをサポートしている)の送受信も簡単にできるようになったことだ。Yahooメール、 Outlook.com、 IMAP/POP利用のメールなどすべてのメールがGmailと同様に単一のインボックスから送受信し、管理ができる。

またワンクリックで添付ファイルをGoogleドライブに保存できるようになった。添付ファイルのプレビューも拡大された。

これらの新機能のGmail iOSアプリへの導入についてはまだ情報がない。

〔日本版〕 Gmailの日本版アプリもすでにアップデートされている。Google Play Storeからダウンロード可能。アプリをアップデートすると概要紹介ビデオを表示できる。また「他のメールアカウントを追加」の画面が表示される。後でアカウントを追加するにはアプリのホーム画面から三本横棒のアイコンをタップして一番下までスクロールし「設定」を開いて「アカウントを追加」を選択する。

Conversations View Final

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

FacebookがAndroidデベロッパ向けに便利なオープンソースツール3種をローンチ

今週行われたFacebookのデベロッパカンファレンスF8で発表されたものの多くがiOS関連だったが、今日(米国時間3/26)はAndroidデベロッパ向けに三つのオープンソースのツールがリリースされた。

最初のYear Classと名付けられたライブラリは、ユーザが使っているデバイスの古さ新しさに合わせてデベロッパがアプリの機能を自動的に変えられる。たとえば古いデバイス向けにはアニメーションの方式を変えたり、最新のスマホ向けには美麗な表示機能を有効にしたりする。Year Classは生物個体の出生年別分類を表す“年級”という意味で、CPUのスピードやコアの数、RAMのサイズなどから、ユーザデバイスがどんだけ古いか新しいかを判断する。下図は、各年の代表的な機種だ(もちろんAndroidに限定)。

第二のツールNetwork Connection Classは、同じくClassでも出生年ではなくネットワーク接続のクォリティを表す。たとえばHSPAという言葉は、実際の接続速度を表していない。Facebookによると、HSPAの実効速度には最大で5倍の開き(差)がある。

そこでデベロッパは、このツールを使ってユーザごとの実効速度を知り、アプリの機能を調整できる。Year Classに比べるとセットアップのためのコードが多くなり、また実効速度を知るためには最初にかなりの量のデータを集めなければならない。

第三のツールFrescoは、Androidアプリ用の画像ライブラリだ。とくに、アプリが複数の画像をロードしようとしたときに、巧妙なメモリ管理と画像のストリーミングにより、メモリ不足に陥らないようにする(GIFアニメなんかは、サイズが大きくなりがちだ)。

そのほかこのライブラリには、プレースホルダを表示する機能や、画像をキャッシングする機能がある。技術的な詳細は、ここで読める。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa