Chrome 31ベータにデベロッパー向け新機能―ウェブ支払、モバイルアプリのフルスクリーン・モードなど

今日(米国時間10/3)、GoogleはChromeブラウザのデスクトップ、モバイルの最新ベータを公開した。ユーザーに直接見える部分には目立った変更はないが、デベロッパーにとっては重要な機能がいくつも追加されている。やがてChromeのユーザー体験が大きく拡張されることになるだろう。

たとえばAndroid版ではデベロッパーは簡単にフルスクリーン・モードでアプリを起動するショートカットが作れるようになった。このモードでは通常のChromeのUIはまったく表示されず、アプリが画面全体を利用することができる。

デベロッパー側の作業はごく簡単で、ウェブサイトのソースコードにメタタグを一つ追加するだけでよい(<meta name=”mobile-web-app-capable” content=”yes”>)。

Android版、Windows版、Chrome OS版ではユーザーに支払情報を簡単に求めることができるようになった。新しく提供された requestAutocomplete()機能を用いると、ブラウザ付属のインタフェースを通じて支払情報を得ることができる。ユーザーはブラウザに記録された既存の支払い情報を自動補完で入力することができる。モバイルでのクレジットカード情報の入力は特にエラーが起こりやすいので、これはデベロッパーにとってもオンラインストアにとってもありがたい機能だ。

またデスクトップ版ChromeとChrome OS向けのPNaCl(ポータブル・ネーティブコード・クライアント)URLハンドラー、アプリのディレクトリ・アクセスなどがある。PNaClはC/C++のソースコードをコンパイルしてChrome内で実行可能モジュールを作成する。URLハンドラーはChromeアプリを自動的に起動するURLを生成する。デベロッパーはたとえば文書をChromeベースのドキュメント・エディタでを開くように設定することができる。ディレクトリ・アクセスはその名のとおり、ユーザーが承認した場合、Chromeアプリがローカル・ドライブの特定のディレクトリにアクセスすることを許す。これはChromeアプリとネーティブ・アプリの間でファイルをやりとりするのを容易にする。

その他、WebMビデオにアルファ・チャンネルが追加され、新しい2Dキャンバスが提供されている。

新機能の詳細はこちら

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Android用Remote Application Framework(RAF)はモバイルに本物のマルチスクリーン体験をもたらす

Androidには実はAirPlayのようなものがない。MiracastやMirrorlinkはやや似ているが、でも、Appleのそれのように第一画面にあるものとは無関係に第二画面の体験を作り出すことはできない。そこでデンマークのSolution57はRemote Application Framework(略称RAF)を作ったのだが、こいつはAppleより上で、Androidデバイスにくっつけたディスプレイが従来のデスクトップPCに接続したディスプレイのように使える。

RAFを使うと、Androidデバイスは、リモートのディスプレイ上にアプリが動いている体験を作りだし、同時にホスト側のデバイス上では別のソフトを動かせる。ホストデバイスがすべてのアプリを動かし、受信側はそのコンテンツを表示する。アプリが違えば当然UIも違う…たとえば手元のデバイスでゲームを楽しみながら接続した第二のディスプレイ上ではGPSソフトを動かせる。一つのシステムが、二つのディスプレイ上の二つのアプリを動かす。それはたとえばMacBook Proに第二のモニタをつないだときなどと同じだ。

ただし、それと完全に同じではない。RAFの場合は、つながれた側のディスプレイは何らかのOSを必要とする。だからRAFははじめ、車載用に最適のインフォテイメント(infotainment, information+entertainment)システムだ、ともてはやされた。たとえばGMやNissanの車載システムが、QNXなど、ノンAndroidのOSを使っていてもよい。ユーザは、その車載システム本来のツールを使ってもよいし、あるいは自分のAndroid携帯がそれを完全に乗っ取った状態で使ってもよい。それはちょうど、AppleがiOS 7で提案した車載機能と同じだ。

RAFを使うためにAndroidもその上のアプリも何ら変更の必要はないが、Solution57のディレクターRafal Malewskiがぼくに語ったところによると、RAFがMirrorlinkの正式仕様の一部になれば、たいへんありがたいそうだ。

“自動車業界がモバイルと車載系の統合を本格的に採用して正規に普及していく場合に、これがMirrorlinkの拡張スペックとして採用される必要がある”、と彼は説明する。“今はCar Connectivity Consortiumと接触して、彼らの関心のほどを探っているところだ”。

そしてその一方でSolution57は、すでに二社のOEMに売り込んで、車載系以外のリモート技術を実現しようとしている。消費者向けのVNCクライアントもあり、それはAndroid、iOS、QNX、Windows、Linuxなどで使える。Malewskiは、今後はもっと、ありとあらゆる種類のアプリケーションがありえる、と言う。たとえばウェアラブル製品のセカンドスクリーンとか、Androidゲーム機用のスマートコントローラ。スマートテレビなどだ。

Solution57が究極的に望んでいるのは、GoogleがこれをAndroid本体に採用することだ。つまり、Solution57の買収である。今はOEMへのライセンス提供というビジネスモデルだが、RAFを統合した最初のデバイスの発売は、予定どおりいけば来年の半ばだそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


なしくずし的に進む企業の脱PC→モバイル化: スプレッドシートコラボレーションのSmartsheetもAndroidアプリを

SaaSを提供しているサイトがAndroidアプリも出す、という例が増えている。モバイルアプリは依然としてiPhoneが支配的だが、モバイルへのシフトという世の中の流れはSmartsheetのような企業にも、モバイル化の拡大努力を否応なく強いている。

Smartsheetはエンタプライズ向けのコラボレーション型スプレッドシートをSaaSとして提供している。その同社が今日(米国時間9/17)、二つの理由により、初のAndroidアプリをローンチした。顧客の半数以上が同社のサービスにモバイルデバイスからアクセスしていることと、今ではアプリが重要な経営資源だからだ。

SmartsheetのCEOで社長のMark Maderによると、今では新規顧客の約50%がiPhoneやiPadで30日間無料の試用サービスをトライしたあとに登録している。そのコンバージョンレート(顧客化率)は、Webサイトの試用サービスでSmartsheetを知った人たちの3倍である。

SmartsheetのAndroidアプリは、リードオンリーではなく実際に仕事ができる。スプレッドシートのルック&フィールやコラボレーション機能はWebと同じで、ガントチャートやカレンダーなどの管理ツールもある。

しかし、ビジネスアプリケーションのモバイル化は、Smartsheetが初めてではない。2010年以降は、Zendeskなどの企業数社がAndroidアプリを提供している。ユーザが十分納得するような豊富な機能性を盛り込んでAndroidアプリを提供しても、もはやその一社だけの強力な差別化要因にはならない。

Mhelpdeskも、協同ファウンダのRyan ShankがTwitterで言ってるところによれば、ユーザの半分はAndroidからだ。彼によると、Mhelpdeskは修理や機器据え付けなど現場の技術者を支援するサービスなので、安いAndroidタブレットの利用が好まれているそうだ。このような、企業におけるAndroidの浸透はStrategy Analytics社の調査結果も示している。とくにAndroidタブレットは、安いことに加えてセキュリティが良くなっているので企業の採用が増えているという。また、個人でAndroidタブレットを買う人も増えていて、その多くが職場にも持ち込まれている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Androidのアクチベーション累積総数が10億台を超える, 近くスマートウォッチも?

Appleは今朝(米国時間9/3)、これまで噂が増殖していた9月10日のイベントを正式に発表して波紋を呼んだが、Googleがそれを黙って放置するはずがない。Google+のSundar Pichaiのポストによると、これまでにアクチベートされたAndroidデバイスは10億台を超える。Androidのアクチベーションはここ数か月とくに急増しているから、それは意外な数字ではないかもしれない。7月にCEOのLarry Pageは、Androidの一日あたりのアクチベーション数は150万、総数は今年の初めに9億に達した、と言った。

もっと不思議なのは、Androidの次のバージョンのニックネームだ。デザートの名前を表す一般名詞、という伝統を捨てて、Android 4.4は、最初に考えられていた“Key Lime Pie”ではなく、特定の商品名である“KitKat”になるのだ。ただしまだ、ローンチの日程は発表されていない。KitKatはご存知のようにNestleのチョコレート菓子だが、Googleが払うブランド使用料あるいはNestleが払う広告費相当額などはまだ公表されていない(※下記)。ただしAndroid 4.4の宣伝は、すでに大々的に始まっている。

※: アップデート: GoogleがBBCに対して確認したところによると、KitKatを発案したのはGoogle側で、使用にあたって両社間にお金の行き来はなし、とのこと。

Nestleはすでに、奇妙な相乗り宣伝を開始している。Androidのロゴが印刷されたKitKatを見つけた人は、Nexus 7とGoogle Playのクレジットをもらえるのだ。まるで、Willy Wonkaだね。実際にそれは、店頭でもう始まっている。両社の合意は、今年バルセロナで行われたMobile World Congressで隠密裡に形成されたようだ。でも、6か月も隠しおおせたとは、すごいね。Androidのロゴ入りKitKatは5000万個も発売されたというのに。

しかしAndroidの話題は、新バージョンのニックネームだけじゃない。どうやらAndroidは、そのスコープを拡大するようだ。できたてほやほやのAndroid KitKitのランディングページには、“Android体験をすべての人に届ける”、という目標が掲げられている。つまり、今後はいろんなハードウェアに拡大する、ということか(Google Glassにかぎらず)。Motorola Mobilityの買収やAsusやLGとのハードウェアパートナーシップによってスマートフォンとタブレットには進出したが、昨年は無発表でWIMM Labsを買収したりしているから、Android KitKatはスマートウォッチにも載るかもしれない。

[Sundar Pichaiの画像に見られる等身大のAndroid KitKatを作ったのは、Themendousだ。]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、 Nestlé®と提携してAndroidの次世代版をKit Kat®と命名―緑色のロボットを印刷したチョコレート5000万個が売りだされるらしい

Googleは次世代Androidとなるv4.4をKitKat’と命名したが、そのためにNestléと契約を結んだという。Kit Katというコードネームは今朝(米国時間9/3)GoogleのSundar Pichai上級副社長がブログで発表し、即座に大量のコメントを呼び込んでいる。しかしGoogleは単にKit Katの名称を利用しただけではなかった。

GoogleのAndroidのaboutページに行くと、例によってAndroidロボットのかっこうをした大きなKit Katチョコレートの画像が出迎える。しかもページの最後のリンクをたどると「KitKat4.0―お菓子の未来がやってきた」というKitKatチョコレートの専用CMサイトに誘導される。インターネットの巨人と世界的食品メーカーという思いがけないコラボレーションだ。

われわれがGoogleに取材したところ、「両社の間に金銭的やりとりは一切ない」とのことだった。それでもお互いにメリットがあるクロスプラットフォーム契約となっているようだ。

ちなみにアメリカではAndroidサイトのリンクはHersheyチョコレートのサイトに飛ぶ。現在世界の大部分でKitKatを製造販売しているのはNestléだが、Rowntree社(後にNestléが買収)がHersheyにアメリカでの製造販売のライセンスを与えた関係でこうなっているのだという。このためGoogleが契約した相手がHersheyなのかNestléなのか当初混乱が生じた。.

今日のBBCニュースによると Androidのグローバル・パートナーシップ担当ディレクターのJohn Lagerlingは「この提携は金銭のやりとりはない。意外性があって面白いから企画した。たしかに以前コードネームとしてKey Lime Pieを考えたこともあったが、食べたことのある人の数が少なすぎるのでボツにした」と語ったという。LagerlingはKit Katになった経緯をこう説明する。

Googleのキッチンにいつも備え付けてあるお菓子の一つがKitKatだった。そこで誰かが「KitKatはどうだい?」と言い出した。

当時われわれはKitKatに関する権利をどこの会社が持っているのかも知らなかった。「使わせてくれ」といっても難しいだろうと思った。しかしダメモトでNestleに話を持っていくことにした。われわれは去年の11月の末に飛び込みでいきなりNestléのイギリスの広告代理店の代表番号に電話してタイアップを提案した。

すると翌日、スイスのNestlé本社から電話があって、カンファレンス・コールで話し合った。Nestléは24時間でOKと言ってきた。.

Nestléのマーケティング責任者の Patrice BulaがBBCに語ったところでは、Googleとの提携は即決だったという。世界中のコンビニやスーパーの店頭でAndroid4.4のプロモーションができるというのはGoogleにとって巨大な利益だ。いっぽうNestléも延べ10億台にも上るAndroidデバイスにKit Katという名前のOSがインストールされるならたいへんなブランド力の増強になる。

とはいえ、Googleは広告代理店でありライバルの食品会社の広告も扱っているのに、特定の会社とこのような大規模なクロスプラットフォーム・プロモーションをすることには私自身はいささか疑問を抱いている。いずれにせよ、NestléはAndroidのマスコットを印刷したKitKatを5000万個も製造するという。

Googleの社員も本社に巨大な彫像が立って初めて新Androidのコードネームを知ったようだ。記事トップの写真はGoogleのSundar Pichai上級副社長の撮影。

この記事のタイトルのアイディアはMike Hayにもらった。,

アップデート: マスコットの彫像は以前どおりThemendousの作成。去年われわれはJelly Beanの製作過程を取材した。 運送されるKit Katの彫像。.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Pressyは、Androidフォン待望のカスタマイズ可能なハードウェアボタン

タッチスクリーン技術の普及によって、殆どの物理的ボタンが携帯電話から追放された。しかし、このKickstarterプロジェクトは、スマートフォンにもっと賢い物理キーを付けたいと思っている。Pressyは、Androidフォンのヘッドフォンジャックに差し込むハードウェアボタンで、カスタマイズして様々な機能を起動することが可能だ。

例えば、もしあなたが写真を撮ったらいつもすぐソーシャルネットワークにアップロードしたい、と思っているなら、その機能をPressyアプリで作ることができる。もちろん、この種のことをするアプリは他にもあるが、Pressyのポイントは、いつでも手の届くところにあるハードウェアだというところだ ― だから望んだ機能を実現するために必要なアクション回数を減らすことができる。

(無料の)Pressyアプリを使うと、Pressyキーのクリックと長押しの組み合わせによって、様々な種類のショートカットを作れる。これが素晴らしいのは、あくまでもショートカットを間違えずに覚えていればの話で、こっそり写真を撮るつもりが、懐中電灯を光らせてしまったら大変だ。あるいは、Wi-Fiをオンにするつもりで、ママに「今行くところ」とSMSを送ったり。

起動するアプリの設定をカスタマイズすることもできるので、普通の写真用ショートカットの他に、〈完全にコソコソ〉した写真用ショートカットを作り、画面もフラッシュもシャッター音も消したまま撮影する設定にすることもできる。かなり薄気味悪い奴になりたければ、だが。

もしヘッドフォンジャックを、そう、本当のヘッドフォンのために使いたい時はどうするか? Pressyの製作者はそれも考えてある。キーはジャックから外して専用のキーチェーンにしまうことができる ― そして、ヘッドフォンのボタンもPressyキーとして働くので、ショートカットを起動するためにポケットを探る必要はない。

この賢いマイクロボタンの値段は? 17ドルでPressyの基本セットが手に入る。ただし、出荷は来年3月なので少々我慢が必要だ。プロジェクトは、目標の4万ドルに向かって順調に進んでいるようで、46日を残してすでに3万ドル以上を集めている。これぞハードウェア・ハッキング!

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(翻訳:Nob Takahashi)


Twitter、初心者にも分かりやすいようUIをアップデート―会話を今までと逆に「時間順」に表示

【抄訳】Twitterは先ほど会話のタイムライン表示の順序をひっくり返した。通常のタイムラインの表示は今までどおり「最新のツイートがトップ」のままだが、ツイートにリンクされた会話については「いちばん古い返信がトップ」に表示される。

リンク・ツイートは青い縦線で関連していることが表示され、全体がボックスの中に収まっている。このアップデートで会話を追ってストーリーを読み取ることがTwitterに慣れない初心者にも容易になった。しかしこのアップデートの理由は単にそれだけではなく、もっと深いところにある。つまり会話をより人間的にして、Twitterらしさを薄めることを狙ったのだろう。

会話で最新の返信が最後に表示される新しいUIはTwitter.comだけではなく、iPhoneとAndroidアプリにも導入されている。

下に会話を拡張表示したサンプルを掲載しておく(オリジナル・ツイートをクリックないしタップしないと返信はすべて表示されない)。

右端のタイムスタンプを見ると、従来とは逆に上から下へだんだん新しくなっていくのが分かる。時間の順序で会話を読めるこのやり方の方が話の流れを理解しやすいと私自身も感じた。

Twitterのコミュニケーション方式は、サードパーティーのデベロッパーがイニシアチブを取って@記号によるメンションやRTなど独特の機能が追加されるにつれて、初心者には理解が難しいものになってきた。

そうした追加機能がなければTwitterの魅力は半減するだろう。しかしTwitterが開かれたメディア企業を目指すなら、新しいユーザーにも容易に理解できるようにUIを改良する配慮が必要になってくる。

とはいえ、新しい会話ビューは長年のユーザーの間に賛否の議論を巻き起こしているようだ。たとえばあるツイートに返信があるとオリジナルのツイートと関連する会話が全て一括してタイムラインで上に押し上げられる。たしかに会話の流れは理解しやすくなったが、逆にタイムラインの流れは把握しにくくなったという意見も出ている。つまりTwitterは個別の会話の理解を、タイムライン全体の把握より優先したのだろう。

新UIについてもうひとつ付け加えると、ツイートを拡張表示しない状態では従来通り、フォローしている相手のツイートだけが表示される。しかし会話を拡張すると、フォローしていない相手からの返信も含めてすべての会話が表示される。【後略】

画像: John Verive /CC Flickr

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


スマホアプリブームの終焉と希望の兆し

世界的に続くスマホ&アプリブームですが、日本でもソーシャルゲームが一時の勢いを失いつつあるようです。海外では元々日本程ブレイクした(=儲かった)ソーシャルゲームサービスはありませんでしたが、それでも世界的なスマホの普及を背景に様々なモバイルアプリやサービス会社が登場し、多額の投資が行われてきました。シリコンバレー在住の著名投資家兼ブロガー、アンドリュー・チェンによると、米国でもモバイル関連の投資は最近一段落しており、その背景にはモバイルビジネスで成功する確率が以前に比べ格段に難しくなっているからということです。今回は彼が考えるその難しさの理由と、将来に対する希望的考察を書き連ねたスマホ関連ビジネスを手がけている人には気になる記事を。 — SEO Japan

モバイルの“古典的な”成長式の崩壊

かつて、モバイルで短期間に急激な成長を遂げるための公式は以下のようなものだった:

  1. 非常に優れたものを作る
  2. 巨大なPRローンチと同時に、Apple/Googleにあなたのことを取り上げてもらう
  3. 自分のアプリがチャートに入るのを見る
  4. それをさらに前へ押し出すために安いインストール広告を購入する
  5. ほら、急上昇だ!(さめのヒレでないことを願う

記憶に残る範囲では過去数年はこれが機能し、物事は上手くいっていた―新しいスタートアップと自営のデベロッパーにとっては特に。しかし、次第にこの古典的な公式は、それに置き換わるものも存在しないままに機能しなくなった。あなたは、よりリッチで大きなモバイルエコシステムがモバイルの成長を達成するための機会を増やすために姿を現したのだと期待するかもしれないが、モバイルにおける最初のけん引力を獲得することはずっと難しくなったのだ。(追伸:もしも、モバイル成長への新しいアプローチを開発することに興味があるなら、私にメールをして欲しい。)

それは単に時間の問題だった。エッセイ‘The Law of Shitty Clickthroughs’の中で私が議論しているように、全てのマーケティング戦略は時間が経つにつれて悪い結果をもたらしていく。マーケティングでは、先行者が勝る(少なくとも最初は)―もしあなたが何か新しいことをすれば、それが新しい種類のクリエイティブだろうと新しい獲得チャネルだろうと、人々は新種の戦術に反応するため、あなたは高いレスポンス率を目にすることになる。しかし、次第にあなたの戦術は業界中の“ベストプラクティス”になるため、顧客はそのテクニックに慣れてレスポンス率は下がる。

モバイルの牽引力をもたらすチャンネルの中で、再び歴史は繰り返したのだ。次のような要因を含め、エコシステムがどのように成熟したのか議論しよう:アプリストアの競争の激化、より高いCPI率、エディトリアル・ダイナミクス、全体的な投資トレンド。

巨大なアプリストアで困難になった製品の差別化

最も明白なことを最初に取り上げよう―アプリの数が非常に増えた。これまで新しいアプリは非消費と戦っていたかもしれないが、全ての主要モバイルカテゴリにおいて、アプリの合計数が非常に増加しているのだ。総数だけを見てみると、2009年~2010年に成功したアプリが、今は4~8倍の競争に直面している。

あなたが写真アプリ、もしくは買い物、メッセージ、ローカル、映画、ニュースのアプリを作っていようと、各カテゴリには2つから3つの非常に質の高い競合相手が存在する。新しいモバイルデベロッパーは、もはやアマチュアの作ったアプリの第一波とは戦っていないのだ。近頃では、それはもっと難しくなっている。

以下は、アプリの数のものすごい増加を示す最近のグラフだ:

インストール毎のコスト(CPI)の増加

最初、アプリインストールにかかる広告費用は比較的安かった。あなたにはたくさんの選択肢があった―モバイルアドネットワーク、やる気を起こさせるインストールプロバイダ、“Free App A Day”サービスやもっと大胆な選択肢まで色々だ。もっと重要なことに、たくさんの企業がそれをしていたわけではなかったので、価格は低かった。

このCPIが、需要の増加と供給の欠如の両方が原因で急上昇したのだ。Appleがいくつかのプロバイダーを禁止したり警告をしたりしたため、ほんの短い間に、有料インストールの供給が縮小した。同様に、モバイルゲームは、iOSとAndroidにおける膨大なマネタイゼーションの可能性を見いだした―彼らは、最大インストールごとに数ドルまで、インストール単価を著しく引き上げた。

以下は、2012年の前半にかけてCPIが上昇するのを示している表だ。ちなみに、今はこれよりも高くなっていると聞いている:

プラットフォーム独自の戦略目標

AppleおよびGoogleストア内のエディトリアルチームは、確実にいくつかのアプリを助けることができるし、実際にそうしている。しかし、それらは、消費者のニーズ、そしてプラットフォームの目標に向けて歪められている。

Appleに関しては、ストア内にある全100万のアプリのニーズを保守点検することよりも、ユーザーがインストールする最初の25のアプリが有名ブランドからの素晴らしい体験であることにより関心を持っているという印象だ。消費者としては、もちろんこれを高く評価するが、それは新しい無名のデベロッパーが市場に参入する助けにはならない。

Googleに関しては、ここ数四半期に彼らと会ったいずれのチームも、彼らがタブレットデバイスに多くの関心をはらっていると言う。彼らは携帯電話でのマーケットシェアを獲得しているが、iPad対Androidタブレットの数字は異なるストーリーを見せている。もしあなたがGoogle Playで取り上げられたいのなら、たとえ市場が小さいとしても、彼らはタブレットアプリを作ることを強く推奨する。また、彼らは、Google+にも多くの関心をはらっているが、それはまた別の話だ。

実験的なモバイルアプリに対する投資が枯渇

投資家たちはモバイル市場全体に対しては今でも楽観的な展望を持っているが、リスクの高い新しい消費者モバイルのスタートアップに資金を展開することには多くの確信があるようには見えない。私の感覚では、‘2009年~2012年の優れた消費者モバイルの実験’が実施され、そこではたくさんのシードキャピタルが幅広いモバイル企業に投入された感じがするが、今そのモチベーションは変化した。

YCombinator Demo Dayの企業の構成がいかに変化したかを見てみるのだ―私が参加した2011年後半のイベントでは、50%以上が消費者モバイルだった。今ではそれは、SaaSやコンシューマーハードウェアや、マーケットプレイスなどだ。モバイルは時々登場するが、もはや主要な焦点ではないのだ。

希望の兆し

上で述べた困難にもかかわらず、私は今でもモバイルの未来に関して非常に楽観的だ。それは今でも、新しい会社を築く上で最高のプラットフォームであるが、私たちは、自分たちが2013年に直面している新しい困難を受け入れて取り組むことを選択しなければならない。過去に機能したことを単に繰り返すだけでは十分ではないのだ―さもなければ、私が以前に書いたように、1999年のように失敗するモバイル企業の新しい世代を持つことになるだろう。

それはますます困難になっているが、モバイルにあるチャンスは今でもコンピュータ業界の始まり以来最大だ。Nielsenが先月(2013年6月)レポートしたように、アメリカ国内のスマートフォン所有は辛うじて過半数を超えている。いくつかのアプリが1億以上のインストールを達成したことは素晴らしいが、数十億のマーケット全体においては、まだ私たちは始まったばかりなのだ。私たちには、今後10年にわたって期待することがたくさんある。


この記事は、@andrewchenに掲載された「Mobile traction is getting harder, not easier. Here’s why.」を翻訳した内容です。

どれも納得ではありますが、よくよく考えるとInstagramやZynga等、一部スマホベースで成功した(Zyngaは微妙ですか)サービスも多いですが、スマホ・モバイル発のビッグ・プレイヤーは余り存在していないですよね。AppleやGoogleがプラットフォームを牛耳っていることもあるでしょうし、FacebookやTwitter等の既存勢力もスマホ化を頑張っていますし。記事では触れられていませんが、スマホ・モバイル初の圧倒的プレーヤーでいえば、LINEやWhat’sApp等のモバイルアプリベースのインスタントメッセンジャーがどこまで成長できるのか、ということでしょうか。記事の最後にもあるようにまだまだ始まったばかりのスマホ・モバイルシーン。今後の展開からまだまだ目が離せません。 — SEO Japan [G+]

Minuumが公開ベータに。Androidユーザーは新しいタイプのキーボードを3.99ドルで試せる

トロント大学が出資したインタラクションデザインのスタートアップ、Whirlscapeが、 今日(米国時間8/19)ベータ版を一般公開したIndiegogoのキャンペーンで資金調達に成功した後限定トライアルを行っていた。 Whirlscapeの最初の製品はMInuum Keyboardで、QWERTYのフルキーボードを1行に圧縮して画面を解放し、テキストの予測候補をたくさん表示してユーザーがあまり考えることなくタイプできるようにしたソフトウェア入力メソッドだ。

MiniuumはIndiegogoで8万7354ドルを集め、当初の目標であった1万ドルをはるかに上回った。支援者たちはこのキーボードアプリをAndroidのベータ版として早期に利用できたが、このたびGoogle Playストアで公開されたことでユーザー基盤は拡大されるだろう。Whirlscapeは、ベータ版にもかかわらず料金を3.99ドル徴収する決断を下した。これはキャンペーン当初から多くの関心が寄せられていたことを示す確かな証だ。実は、支援者たちは利用するために5ドルを払っているので、以前と比べればディスカウントだと同社は言っている。

Androidのキーボードソフトウェア会社は、製品に課金することが多い。SwiftKeyも有償で、かつ価格は3.99ドルなので、前例のないことではないし,無料で提供しておいて後から課金することはその逆よりも難しい。

これまでのところMinuumユーザーの定着率は高く、Indiegogo経由で早期利用に登録した9500人のうち、過去2ヶ月間に約8000ユーザーがアクティブだ。WhirlscapeのMaria Lioutaiaによると、iOSバージョンは開発者向けのデモアプリとして年末に提供予定だ(Appleは、ユーザーがデフォルトのソフトウェアキーボードを変更することを許していないので、開発者はMinimumを自社アプリに組み込む必要がある)。Androidのスマートフォンまたはタブレットを持っているユーザーは、今すぐ公開ベータに参加できる。

Minuumは最初に公開されて以来、数多くの更新を経てきたが、Whirlscapeの次の作業である複数言語へのローカライズが完了するまで、ベータの称号は残る。

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スマートフォンの売上台数がついにフィーチャーフォンを抜く(2013 4-6月期)…Androidの支配はいよいよ強力

調査会社のGartnerがスマートフォン市場に関する最新の報告書を発表し、その2013Q2の数字によると、ついに避けられない事態が訪れた。スマートフォンの売上がフィーチャーフォンの売上を始めて上回ったのだ(全世界ベースで台数ベース)。ここ数年Androidが一貫してダムフォン(dumbphones)の首を締め上げてきたが、いよいよ市場の転換点に到達したようだ。

Gartnerによると、世界のスマートフォンの売上は2013Q2で前年同期を46.5%上回り、2億2500万台となった。対してフィーチャーフォンは21%減少し2億1000万台であった。スマートフォンの増加率がとくに著しいのは、アジア太平洋地域(74.1%) 、ラテンアメリカ(55.7%)、および東部ヨーロッパ(31.6%)だが、そのほかのすべての地域でも増加している。IDCの最近の市場データでは、AndroidがQ2の全世界市場でシェア80%に接近している。このGoogle起源のモバイルOSは明らかに、昨日(きのう)までのフィーチャーフォンユーザを食って伸びている。

スマートフォンのグローバルな成長はどの企業にとっても上げ潮になっているが、とりわけ好調なのが今やAppleを抜いてマーケットリーダーであるSamsungだ。このGartnerの報告書では、Samsungのシェアは全市場の1/3近く、31.7%となり、2012Q2の29.7%よりも拡大した(下表)。AppleのiPhoneは台数では伸びたがシェアは2012Q2の18.8%から2013Q2では14.2%に落ちた。市場の底辺をねらってiPhoneの低価格機を出すというのも、当然の動きだ。iPhoneの販売台数は2013Q2で前年同期比10.2%増加したが、同じ時期のスマートフォン全体の増加率(前述46.5%)には及ばない。

SamsungとApple以外では、アジアの3社(LG, Lenove, ZTE)がそれぞれシェア4~5%のレベルで3位争いをしている(下表)。Lenovoは、Lephoneという機種が中国で人気なのだ。

Gartnerによると、Appleの平均販売価格(average selling price(ASP))はQ2にかなり落ち込み、2007年のiPhoneのローンチ以来最低となった。それはiPhone 4の売れ行きが強含みだったためで、これまた、量確保のためには廉価版iPhoneを出す、という動機につながる。もちろんそうなればASPはさらに落ちるが、市場の成長を今引っ張っているのは低価格機だからAppleも背に腹は変えられない。

この件に関してGartnerのアナリストAnshul Guptaは、“Appleに必要なのは新しい旗艦機であり、単純に低価格機を出すのはむしろリスクが大きい”、と述べている。“その低価格機はiPhone 4と横並びで300~400ドル程度になると思われるが、それは今のiPhone 4以上に、Apple全機種間の共食い現象を激化させるだけに終わるだろう。いくら現行旗艦機のお買い得な兄弟機を気取っても、結局は安価な新製品というマーケティングに傾いてしまうのではないか”。

もうひとつ2013Q2で注目すべきは、MicrosoftのWindows Phoneが始めてBlackBerryを抜き、プラットホーム(モバイルOS)として3位に躍り出たことだ(下表)。2010年にWindows Phoneがローンチしたとき、Steve BallmerとNokiaのCEO Stephen Elopは、スマートフォン業界に第三のエコシステムを作る、と意欲を述べた。エコシステムと呼ぶにはまだ勢いが足りないようだが、とりあえず売上では3位を確保した。

2013Q2でWindows Phoneのグローバルマーケットシェアは3.3%(2012Q2は2.6%なので↑)、対して悩めるBlackBerry OSは2.7%(2012Q2は5.2%なので↓)だった。Guptaはこう記す: “Microsoftは本四半期で台数とシェアを伸ばしたが、これからより多くのユーザにアピールしていくためにはアプリデベロッパの関心を育むことが重要である”。

プラットホーム~OSのシェアとしては、Android+iOSでグローバルマーケットシェア93.2%を占める。デベロッパがこの二つのプラットホームを優先するのは当然であり、それ以外のプラットホームに力を向けるためには特別のインセンティブが必要だ。下表のように、Androidのシェアは79%と驚異的であり、前年同期の64.2%から大きく伸びたのも、やはりフィーチャーフォンからの乗り換え層をさらったからだ。

フィーチャーフォンの低下はNokiaにとって悪いニュースだ。同社のスマートフォンは実質、Windows Phoneという名の負け犬だし、主力のビジネスは今でもフィーチャーフォンだ。Nokiaは2013Q2に6100万台のフィーチャーフォンを出荷したが、前年同期の8300万台よりは落ち込んだ。しかしそんなNokiaも、スマートフォンでは機種~価格帯の多様化により善戦している。NokiaのWindows Phone機Lumiaの売上は、Gartnerによると、前年同期比で112.7%増加した(倍増以上)。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ベータテストサービスTestFlightが扱ったアプリ40万に達す, 大吉と出た買収効果

モバイルアプリのベータテストをやってくれるTestFlightが、着実に伸びており、とくに最近90日では、同プラットホームにアップロードされる新作アプリの量が大幅に増えた。TestFlightは今ではオーナー企業がBurstlyだが、扱ったアプリの総数が40万に達した。40万がどれだけすごいかというと、それはiTunes Storeのアクティブなアプリの半数に近い。しかもそのうちの15万あまりが、過去3か月以内に来たものだ。

TestFlightの過去3か月のこれまでの記録は、3月に発表された10万だった。Androidアプリは、5月にSDKがベータでローンチされて以来今日までで1500本となる。しかし今ではベータを脱しているので、今後はAndroidデベロッパの全員が利用できることになり、急増が期待される。

iOSバージョンは完全に改作され、効率と安定性が上がった。とりわけゲームのパフォーマンスが向上し、クラッシュデータも漏れなく集められるようになった。改作されたクラッシュ報告では、各問題に“解決済み”のマークを付けられ、さらにクラッシュにまつわる状況を、デベロッパのための参考情報として、より詳細に書けるようになった。またアプリのパフォーマンス分析とクラッシュ報告が一体化され、ユーザ保持率(リテンション)やユーザのフローに対する、クラッシュの影響が分かるようになった。

昨年3月にBurstlyに買収されたTestFlightは、その後もFlightPathなどの新製品を発表、Android対応化、SkyRocketによるモバイルデベロッパのための収益化オプションなど、積極的に業容を拡張してきた。買収がチームのやる気に火を付けた例である、と協同ファウンダのBen Satterfieldは説明する。

彼は買収の時点で本誌のJosh Constineに、“TestFlightは立派な製品だと思うが、買収されなかったら全員、それと心中していたかもしれない。でも今では、朝起きるたびにもっと大きなことを構想できるようになった”、と買収効果について説明している。

同社の最近の急激な伸びは、買収から1年あまり経った今、その効果が大きく花開いている姿を示している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


AndroidとChrome OSにとってPCの全世界的低迷はビッグチャンス

世界のPC市場はこのところ一貫して縮小傾向が続いていて、今メーカー企業は次の成長製品を躍起になって探している。たとえばPCメーカーとしては大手に属するAcerは、WSJ紙によると、Windowsに代わる次世代製品を見つけて、主力製品をそれに切り替えたいと願っている。このような声はやがて、Acerの独唱から業界全体の合唱に変わると思われるが、それはGoogleにとっては大きな朗報だ。

Acerは、PC市場の縮小ぶんをWindows以外の製品で補おうとしている。しかもそれを、迅速にやりたい。スマートフォンとタブレットはAndroidに当然落ち着くが、昨夜(米国時間8/7)行われたAcerの四半期決算報国でAcerのJim Wang社長は投資家たちに向かって、“Chromebookに新たな市場がある”、と述べた。

すでにAcerには、Chromebook C7がある。その199ドルの製品はこれまでのネットブックとの共通点も多いが、OSがChrome OSだ。このGoogleのデスクトップオペレーティングシステムは、Chromeブラウザの機能を拡張してOSふうに仕立てたソフトウェアだ。Wangによると、2013年ではAcerの売上の10~12%がChrome OSとAndroid製品になり、2014年にはこの比率が30%に跳ね上がる。2013Q2に関しては、Chromebookの社内売上シェアはわずか3%だが、もはや空きというもののない、凝り固まったPC市場における、まだ実験的なOSの成績としては、3%は大きい。

他社の見方も、ほぼ同様だ。AsusのJonney Shih会長の見解では、Windows RTは元気のないPC市場に活を入れることに成功していない。しかしその一方で、Nexus 7には将来性を感じるので、先月に出た新バージョンでもGoogleとのパートナーシップは継続している。

これまでは、PC市場の低迷とAppleの活況、という構図があった。PCの売上減vs.iPadの急成長、という状況は、WindowsノートブックからiPadへの乗り換えが起きている、とさえ思わせた。しかし前四半期では初めてiPadの売上がダウンした。それは2013年の初めに出た新バージョンの影響もあると思われるが、しかしPCの低迷から漁夫の利を得ているのはApple製品だけではない、ということの兆候かもしれない。

GoogleのモバイルOS(Android)を載せたタブレットはなかなかファンをつかめなかったが、しかしこのところ調子を上げてきた。対照的にWindowsは、この市場で依然として苦戦している。まだ微々たる勢力のChrome OS製品も、関心を持つ人は増えている。対してWindowsは、7が8になったからといって関心層が増えるということはない。これまでのPCをおもしろくないと思い始めた消費者が、何か新しいものを探すとき、店頭でChrome OSに出会うことは重要かもしれない。少なくともメーカーたちは、これまでどおりのMicrosoft中心のビジネスを、これからもだらだら続けるよりは、何か新しいものに賭けてみることが重要、と感じ始めている。しかもMicrosoftは、Windows 8.1で、8に導入したイノベーションの一部を撤回しているではないか。

Googleには、PC業界の低迷に乗ずるためのビジネスインフラが、かねてからある。同社のライセンスモデルは、既存のメーカーの、インフラをもっと有効利用したいという欲求に迅速に応じやすい。同社のモバイルオペレーティングシステムは今とても好調だから、各メーカーが採用しやすい。またGoogleブランドは今や、世界的な認知と信頼を獲得している。

ちょっと前までは、タブレットにAndroidを採用し、ノートブックにChrome OSを使うことは、Acerのようなメーカーにとっても、試す価値のないリスクだった。Windowsは、一定の売上を必ず確保できる安定的な投資対象だった。でも、今は違う。疲弊している消費者向けPC市場に大きな揺さぶりをかけるには、今が絶好のチャンスだろう。

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スマートフォンの世界市場でAndroidのシェアは80%―iOSとBlackBerryは減少(IDC調べ)

IDCの最新のレポートによれば、2013年第2四半期のAndroidスマートフォンの出荷数は対前年同期比で73.5%と急増し、1億8740万台となったという。これにともなってAndroid携帯のスマートフォン市場におけるシェアは79.3%になった。

2位はiOSで、3120万台が出荷され、シェアは13.2%だった。それでもAppleのiOSは、第3位を大きく引き離しているし、対前年比の出荷台数で 20%の増加だ。

Windows Phoneは870万台の出荷、3.7%のシェアだった。しかしWindowsPhoneも対前年比で77.6%増と成長率はAndroidなみだった。これに対してBlackBerryは予想どおり、主要プラットフォーム中で最大の打撃を被り、2012年第2四半期の4.9%から今期の2.9%へと大きくシェアを減らした。出荷台数は1170万台にとどまった。

IDCによれば、Androidの急増の大きな要因はSamsungのGalaxy S4の好調ぶりにあるという。しかしLG、Huawei、Lenovo、ZTEも同様に2桁成長の好調だった。参加者のほぼ全員にAndroidプラットフォームは満足をもたらしている。低価格のニッチ市場を狙うメーカーも途上国で大いに成功している。

Windows Phoneの成長はこのOSで81.6%のシェアを占めるNokiaの努力に全面的に依存している。BlackBerryはIDCがこの種の調査を始めて以来、最低の水準に落ちこんだ。IDCは「まだBB10に注目する必要がある」としているが、一時スマートフォンのキングだったこのカナダのメーカーの将来への見通しは暗い。

今回の大見出しははっきりしている。Androidの圧勝、だ。製品の選択肢の広さと、特に現在フィーチャーフォンからスマートフォンへの転換が進んでいる途上国で、予算が限られたユーザーでも手の届く価格が優勢の原因だろう。この秋にもリリースが噂されているiPhone 5をベースにしてプラスティック筐体を採用した低価格のiPhoneの重要性がますます高まった。

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GoogleがもうすぐローンチするAndroid Device ManagerはなくしたAndroid機をWebから見つける

Appleのユーザはかなり前から、自分のiPhoneなどを紛失したときに、iOSにあるデバイスロケータ(device locator, デバイスの所在を見つける)やリモートワイピング(remote wiping, 遠隔データ消去)機能を利用できるが、Androidのユーザにはサードパーティ製のアプリしかなかった。それが、もうすぐ変わる。Googleの今日(米国時間8/2)の発表では、今月の終わりごろにAndroid Device ManagerというWebサービスがローンチし、ユーザはどこかにあるはずの自分のデバイスの位置を知ったり、呼び出し音を鳴らしたり、リモートワイプしてデータが悪者の手に渡らないようにできる。

対象機は、Android 2.2以上を搭載した機種で、今日の発表から推測すると、Android Device Managerのサイトには紛失したデバイスにpingする機能があるようだ。そのほかにどんな機能があるのか、それはまだ分からない。

当然というか、このサービスはAppleのFind My iPhoneの機能にとてもよく似ている。呼び出し音は最大音量で鳴らせるから、愛機があなたのカウチのクッションの下にあっても分かる。デバイスの位置は地図上に示される(これも当然)し、リモートワイプはほんの数クリックで完了する。Appleの、紛失した携帯にメッセージを送る機能とか、リモートでロックするツールは、ないようだ。

とくに新しいものは何もなく、一部のOEMは自社製品にすでにそんな機能を搭載しているが、Googleからやっと正式に出たということは、Androidユーザにとって喜ばしいことだろう。

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やっぱりAndroidはモバイル時代のWindowsか?

柔軟で拡張性の高いOSがサードパーティーのハードウェア・メーカーに開放されて市場に独占的地位を築いた。どこかで聞いた話? デジャヴ?

実際、AndroidとWindowsの並行関係は驚くほどだ。ではAndroidはMicrosoftがWindowsで陥っているような落とし穴を避けられるだろうか?

ともあれまず現在のAndroidと95年のWindows 95の類似点をおさらいしてみよう。

  • Androidはほぼ無数のフォームファクターのハードウェアによって断片化(多様化といいたければそうも言える)されている。 サードパーティーのメーカーのAndroidサポートは(Windows同様)、きわえめて広範囲で、根強い。
  • Androidの柔軟性と自由性はありとあらゆる種類のアプリケーションが爆発的に生まれることを可能にしたが、アプリ市場にマルウェアや屑アプリが蔓延するなど無法状態も招いている。インターネット初期のWindowsも同様の無法時代を経てきた。
  • AndroidはAppleがパイオニアとして切り開いた市場に後発で参入した。その際にサードパーティーのハードウェア・メーカーを味方につける戦略を採用し、Appleのハードウェア製造、販売能力を凌駕することに成功した。世界市場でAndroidタブレットのシェアははiPadを2対1で上回っている。Windowsもよく似た道筋を通ってAppleを圧倒した。
  • サードパーティー・メーカーはデバイスごとの利益を最大にしようとして、Android OSに過剰なカスタマイズを行い互換性の障害となっている。またくだらない独自開発のアプリをプレインストールしてユーザー体験を損なっている。ハード・メーカーの過剰なカスタマイズとプレインストール独自アプリがユーザーを苛立たせているのは現在のWindowsも同じだ。
  • Androidデバイスは全体としてはiOSデバイスより安価だ。最小限の業務ができればよいというならWindowsノートはMacbookよりずっと安価だが、一方でおそろしく複雑なグラフィックス処理をリアルタイムで実行したいというゲームマニアは大金を投じてスーパー・ゲーム・マシンを買うことができる。Macにはそういう自由はない。iOSデバイスと巨大スクリーンのハイエンドAndroidデバイスの関係はこれに似ている。.

ただし、AndroidとWindowsを比較する上でもっとも重要な点は製品寿命だろう。 Windowsは1985年以来市場に君臨し続けている。ハードウェアで優位に立ったOSは驚くほど寿命が長い

1985年以来コンピュータは大きく姿を変えてきたが、Windowsも同様だった。スマートフォンとタブレットもこれから大きく変貌していくだろう。またモバイル時代が到来してもわれわれが依然としてPCを使っているのと同様、今後どのような新しいコンピューティングの波が押し寄せようと、10年後もわれわれがスマートフォンとタブレットを使っていることは間違いない。AndroidはMicrosoftのWindows戦略にならってハードウェアとソフトウェアのもっとも重要な2つのセグメントに支配権を打ちたてようとしているようだ。

「いやAndroidはシェアが大きいだけで、iOSこそユーザーに愛され、もっとも利益を上げているOSだ」という声も聞こえてきそうだ。しかし歴史が教訓となるならば、スマートフォン戦争は短期の利益率やアプリの数の競争ではなく、スマートフォンというプラットフォームを5年、10年、15年に渡って支配するのは誰かという戦いになる。その誰かは日増しにAndroidであるらしく思えてくる。

ここで決定的に皮肉なのは、Microsoftの過去の戦略をそのまま採用して大成功を収めたAndroidに対してMicrosoft自身が苦戦を強いられていることだ。Microsoftが早期にモバイル分野で自分自身のWindows戦略を採用することに気づいていれば状況は大きく変わっていただろう。 

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クラウドをテレビに持ち込むDellのProject Ophelia, やっとテスターたちが実機を手中に

Googleの35ドルのドングルChromecastが今週メディアを賑わせたが、テレビのHDMIポートに挿入するおかしなガジェットを作っているのはMountain Viewの連中(==Google)だけではない。

DellがAndroid内蔵のドングルProject Opheliaを発表したのはさかのぼって1月だが、そのとき言われた発売予定日がとっくに過ぎてからは、わずかにあった世間の関心もかき消えてしまった。でも今回はやっと、まだ本格立ち上げは数か月後らしいが、ともかくテスターたちに配るための初期製品ができたようだ。

Project Opheliaは、CES 2013で初お目見えした。OpheliaをテレビなどHDMI入力のあるディスプレイにつなぐと、Android 4.0が立ち上がって、Webを閲覧したりGoogle Playストアからアプリをダウンロードしたりできる。もちろんこういう製品は前からあり、テレビに〔主にUSBで〕つなぐための小さなAndroidデバイスは、あちこちのクラウドファンディングサイトに登場しただけでなく、中国の大量注文サイトにも、非常に多種類現れた。今となっては、ずいぶん昔からあるような気さえする〔今でもAmazonやYahooオークションの業者店などで数種類が売られている〕。

しかしOpheliaの大きな差別化要因は、Dellのクラウドコンピューティング技術Wyseだ。それがあるためユーザは、いろんなことができる。たとえば自分のPCやサーバ上のファイルにリモートアクセスできたり、CitrixやVMwareの仮想マシンに接続できる。DellはOpheliaの大企業利用をあくまでも強調したため、お値段は100ドル近くとされた。でも、もっとも異様なのは、PCメーカーとしての巨大企業が、こんな奇妙でマイナーな製品に手を出したことだ。

しかしPC市場の現状を見れば、Dellほどの企業がOpheliaのような変な製品を出す理由も理解できる。PCの需要は落ち込み、消費者はモバイル製品に乗り換えつつある。だから、PCメーカーでしかなかったDellにとっては、今のPC市場の動向がDell自身の大きな傷ともなる。たとえば同社の最近の決算報告では、消費者向けPCの売上が前年比で9%落ち込んだ。だからOpheliaのような、一見ぱっとしない製品への進出も、消費者と企業の両方に売れるとして自己正当化される。でも、企業や一般消費者がそれを欲しがるためには、お値段と機能だけではだめだろう。Ophelia(オフィーリア)が、あの有名なシェイクスピア劇のヒロインと同じ運命にならないことを、Dellのために心から祈りたい。

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Android 4.3に隠し機能を発見。アプリケーション毎に細かなパーミッション設定が可能

大方の予想通り、Googleは水曜日に行われたイベントにて、AndroidのチーフであるSundar PichaiよりAndroid 4.3の発表を行った。カメラインタフェースの改善、Bluetooth Low Energyのサポート、アニメーションの円滑化などのパフォーマンス改善、制限付きマルチユーザーアカウントの導入などが行われた。ただ、そうしたものがアップデートの全てではなかった。Googleは公にしていなかったが、Android Policeが隠し機能をスクープした。その隠し機能とは、アプリケーション毎に特定パーミッションをオン・オフする設定機能だ。

この機能はApp Opsと呼ばれる。アプリケーション毎に、位置情報や通知機能の利用といったパーミッション設定を細かく行うことができるようになっている。Android Policeでも報じているように、このApp Opsのフロントエンドとして利用できるアプリケーションも既にGoogle Playに登録されている(Android 4.3が必要となる)。

App Opsの目的は、Android利用者に、アプリケーション毎のパーミッション設定を柔軟に行なってもらえるようにすることだ。バッテリーの浪費をやめさせたり、あるいは絶え間ない通知をオフにするような機能を提供する。App Opsにわかりやすいインタフェースを与えるなら、セキュリティないしプライバシーの面から言っても非常に便利なものとなるに違いない。利用者は細かなところまで意識しつつ、細かくセキュリティ設定を行うことができるようになるのだ。

インストールするのを躊躇していたようなアプリケーションについても、利用者のこだわりに応じて設定することができるようになれば、インストールしてみようと考えるようになるかもしれない。そうなれば開発者にとっても良い話となり得る。

但し、Android Policeの言うように、App Opsは確かに目的に応じた動作はするものの、まだ完璧というわけにはいかないようだ。たとえばFacebookアプリケーションを対象にテストしてみると、アプリケーションが特定の動作をした後にのみ、当該動作を許可するかどうかが表示されるようになるらしい。こうした混乱要素があるがゆえに、GoogleはこのApp Ops機能を公式にアナウンスしていないのだろう。機能をいつ頃までにチューニングして正式リリースする予定なのかについて、Googleに問い合わせているところだ。新しいことがわかったらぜひお伝えしようと思っている。

尚、利用者側から見ると、アプリケーションの一部機能が動作しないのが、設定をいじったからなのかどうかがわかりにくいという面もあるだろう。同様の問題は、通知トレイ内での設定が、着信音をならすかどうかなどのメイン設定を上書きしてしまう機種があることで既に顕在化している。アプリケーション毎の設定ができるようになれば、利用者側の混乱はきっと大きくなることだろう。Android Policeは、App Opsの設定によってアプリケーションの正常動作が妨げられている際には、システムレベルで通知できるようにすべきであるとしている。但し、パーミッションを厳しく設定すれば、そうした通知が溢れ出すことも想定される。するとせっかく通知機能を導入しても、利用者がオフにしてしまうということになるかもしれない。

あるいはこのApp Opsというのは、そもそも一般利用者に公開するために導入したものではなく、とりあえず制限付きマルチユーザーアカウントを導入するためのものとして作成されたものなのかもしれない。

モバイルプラットフォームでのマルウェアは、Android環境上に蔓延しているという話もある。Androidのセキュリティ機能に対する不安も広がりつつあり、GoogleとしてはApp Opsのような機能を導入しなければならない状況にあるとも言える。App Opsのようなものがあれば、勝手に音声通話を利用されたり、SMSマルウェアをインストールされてしまったりということが減るものと思われる。もし完全には防げないにしても、どのアプリケーションがあやしげな動作をしているのかを確認する手段ともなり得ると思われる。

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(翻訳:Maeda, H)


新型Nexus 7の発表で初代機の下取り持ち込みが急増, iPadユーザは知らん顔

GoogleのNexus 7のニューバージョンには、LTEやタブレットでは最高の高精細ディスプレイなど、ビッグな改良が盛り込まれている。そこで、ガジェット買い取りサイトGazelleによると、多数の初代オーナーが旧型機の下取りに訪れている。Nexus 7の一日の持ち込み数は、先週に比べて4倍だという。

とくに火曜日と水曜日にかけては持ち込み数が先週比で5倍になった。それはGoogleの新バージョン発表の前日と当日にあたる。同社がiPad以外のタブレットも受け取るようになったのは今年の初めからだが、今ではそれら全体の1/4近くがNexus 7だ。

Googleからの発表日となった水曜日当日は、Nexus 7の持ち込み数が最大を記録し、第二位の日のさらに約5倍になった。第二位の日とはNexus 7の新モデルがリークされた7月17日だ。それは、できるだけ早く持ち込んで高値で買ってもらおう、という根性の表れだ。

このニュースは、Nexus 7のオーナーがそれを気に入っていること、そして新型を欲しがっていることを、物語っている。旧型機を売って、そのための資金の一部にしたいのだ。しかし、それだけではない別の面もある。新型Nexus 7が発表された日に、iPadの下取り持ち込みは増えなかったのだ。つまりGoogleは、iPadのオーナーをiOS教から改宗させることには、成功しなかった。

そもそも最初から、Nexus 7は、その、目で見て分かるメリットにもかかわらず、iPadキラーにはなれなかった。Apple陣営は現状に満足しているようだが、しかしタブレット市場はまだ今後の成長の余地が大きい。その空きスペースに向けてGoogleは伸びていくのか、それとも既存ユーザの買い替えブームで終わるのか、どっちになるかな?

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、Android 4.3を正式発表。制限付きマルチユーザープロファイルや、Bluetooth Smart、OpenGL ES 3.0を採用

Android 4.3は、4.2から劇的な進化を遂げているとは言えないかもしれない。しかし本日のアナウンスにて、いろいろと面白い進化が報告されているところだ。開発者および利用者の双方にとって注目に値するところがいろいろとありそうだ。カメラインタフェースが改良され、全体的にパフォーマンスは向上し、アニメーションもスムーズになり、そして実装が待たれていたBluetooth Low Energyもいよいよ採用された。

Muti-User Restricted Profiles

これは4.2で実現されたマルチユーザーアカウントを拡充するものだ。新たに導入されたのはRestricted Profile(制限付きアカウント)だ。タブレットで、ペアレンタルコントロールを実施する際に便利な機能だ。どのアカウントで実行されてるかによって、アプリケーションのパフォーマンスやサービス範囲を制限することができるようになっている。アプリケーション内販売機能をオフにしたりすることもできる。もちろん用途はペアレンタルコントロールのみに限るものではなく、企業内で利用する際の各種設定を行なって従業員に提供することもできる。

Bluetooth Improvements

Bluetooth Low Energy(Bluetooth Smart)の採用により、バッテリーの心配をすることなく、対応アクセサリを繋ぐことができるようになった。スマートウォッチや、ヘルスないしフィットネス関連周辺機器を接続するのにも便利だ。

OpenGL | ES 3.0

ゲーム開発者にとっては、これが最も大きな変更点となるだろう。レンダリング能力が格段に向上する。ステージ上のデモでも大変に素晴らしいパフォーマンスを発揮していた。J.J. Abrams風のレンズフレアや、いろいろなビジュアルイフェクトを楽しめるようになるわけだ。デモでは1080p環境でのリアルタイムレンダリングが行われている。

DRM APIs

ハードウェアレベルでのDRMエンクリプション機能を実装することにより、より充実したメディアライブラリを提供できることとなる。

アナウンスされているアップデートは、本日よりNexusタブレットに対する適用が開始される。また、新たなNexus 7でも4.3が搭載されることとなる。

(訳注:本家記事は更新中でありますが、訳者日本時間に縛られているため、ここまでの内容でいったん公開しておきます)

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(翻訳:Maeda, H)


有料アプリますます減少–2010年は80%が無料, 2013年は90%に

モバイルのアプリケーションはますます無料が多くなる、という傾向が続いている。アプリの市場を分析しているFlurryの最新レポートは、およそ35万本のモバイルアプリケーションを調べた結果として、iOSのアプリは2010年から2012年にかけて約80から84%が無料、2013年には一挙に90%が無料、と報じている。

無料のアプリに売上がない、という意味ではない。広告やアプリ内購入、そのアプリの有料バージョン(広告がない、など)、などで収益を得ているアプリも少なくない。ちなみに、広告のないバージョンへのアップグレード費用は通常、99セントとか1ドル99セントという額だ。

ただし、有料バージョンに乗り換えるユーザはあまり多くない。レポートを書いたFlurryのアナリストMary Ellen Gordonは、“広告がないことやコンテンツが高品質であることよりも、無料であることが好まれている”、と説明している。

また、ほかの調査報告書などでも言われていることだが、今回のレポートもやはり、AndroidのユーザはiOSのユーザよりもモバイルアプリにお金を払いたがらないことを指摘している。無料製品を含めた2013年4月のアプリの平均価格は、Androidが6セント、iPhoneが19セント、iPadが50セントだった。

Flurryの推定では、iPadのユーザは高収入なのでお金を払ってでもアプリを買う。しかし実は、それがすべてではない。iPadの初期には、画面が大きいのだからアプリのお値段も高い、という市場の動向だった。iPadの初期採用者は高所得者だった、あるいは、iPadアプリは開発に多くの時間を要する、といった事情があったのかもしれない。いずれにしても、そういった初期の価格政策が、iPadがタブレット市場の首位に立ち、大衆的に普及した今日でも、そのまま持続しているのだ。

デベロッパの多くが、iOSとAndroidの両プラットホームでアプリを無料にする動機は何だろう? Flurryによるとそれは、デベロッパ界隈におけるA/Bテストや価格に関する実験の結果だ。そういう一連の事前的な市場調査の結果として、有料はノー、という結果をデベロッパたちは得ている。有料にすると、そのお値段が99セントでも、需要はガタ落ちになるのだ。

モバイルアプリは、テレビやラジオやインターネットのようなものになりつつある、とレポートは結論している。広告は嫌でも、それが無料の代償なら我慢するのだ。テレビにもラジオにもインターネットにも、電話をすれば(クリックすれば)買える、という売上発生経路があるように、アプリにはアプリ内購入というものがある。人気上位のアプリでは、これの売上額が非常に大きい。この夏のぶっちぎり大ヒットCandy Crush Sagaは、一日の売上が60万ドルを超えている、と言われる。

しかし、市場に新規参入したデベロッパがアプリストアの上位に食い込むことは、ますます難しくなっている。今年の初めにDistimoが公表したデータは、iPhoneの上位パブリッシャー中わずか2%が新人、Google Playストアではわずか3%、と言っている。アプリの製作というビジネスは、長期的に見てなかなか厳しい。アプリ内購入で稼ぐためには、その前に、アプリがたくさんダウンロードされなければならない。そしてまさにそのことが、今ますます難しくなっている

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))