アップルのサプライヤー、英スタートアップRockley Photonicsが採血なしで血糖値を測定できる非侵襲センサーシステム発表

アップルのサプライヤー、英スタートアップRockley Photonicsが採血なしで血糖値を測定できる非侵襲センサーシステム

Rockley Photonics

将来のApple Watchに非侵襲性の血糖値モニター、つまり「注射器で採血することなく、手首に装着したデバイスで血糖値を測定できる」機能が搭載される噂が以前より繰り返されています。そんななか、アップルのサプライヤーがそのソリューションを正式に発表しました。

今回の声明は、イギリスのスタートアップであるRockley Photonics社が発表したものです。同社は今年5月、スマートウォッチの背面から赤外線を照射して血圧や血糖値、血中アルコール濃度などを読み取る次世代センサーを開発していることや、アップルと継続的な「供給・開発契約」を締結していることを明らかにしていました

現在のApple Watchに搭載されたセンサーは、赤外線と可視光を組み合わせて心拍数と酸素飽和度を測定しています。Rockleyの次世代センサーは、これより感度が高い上、より多くの数値が測定できる完全上位の技術というわけです。

さてRockleyの発表によると、完全なフルスタック(複数種類)の「clinic-on-the-wrist」デジタル健康センサーシステムを開発したとのこと。

公開されたリストバンド型デバイスは、ハードウェアとアプリケーションファームウェアを統合しており、コア体温(体内深部温度)や血圧、身体の水分補給、アルコール、乳酸(ラクテート)、血糖値の傾向など、複数のモニタリングができると謳われています。

このセンサーは、非侵襲的に皮膚の下を探り、血液、間質液(体液)や真皮のさまざまな層を分析して、重要な成分や物理現象を検出するとのこと。こうしたバイオマーカーは、これまではベンチトップ型(卓上に置いて使う)機器でしか測定できなかったとされています。

また本技術は今後数ヶ月のうちに社内でテストが行われてから、2022年前半には第1世代の製品が商業的に利用できるようになる見込みとのことです。つまり2021年秋に発売と見られるApple Watch Series 7(仮)には間に合わないとの噂が裏付けられたかっこうです。

Rockley社のテストが成功するのか、上手くいったとしてApple Watchに採用されるのかはまだ未知数というほかありませんが、少なくとも数年のスパンでは期待を持てる状態になったと見てよさそうです。

(Source:Businesswire。Via 9to5MacEngadget日本版より転載)

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新型コロナ後遺症の検出にFitbitデバイスやApple Watchなどウェアラブル機器が役立つとの研究結果が公表

Apple

新型コロナウイルス感染拡大が始まって以降、Apple Watchなどウェアラブル機器で感染の初期症状が検出できるかどうかを調べる研究はいくつか行われてきました

そして新たに、感染した人々への長期的影響(いわゆる後遺症)もウェアラブル機器により追跡調査ができ、患者の回復に役立てられるかもしれないとの研究結果が公表されています。

医学専門誌「JAMA Network Open」に掲載された新たな論文(The New York Times経由)が根拠とするデータは、米カリフォルニア州のスクリプス研究所(生物医療科学の研究と教育を行う非営利の医療研究施設)の科学者たちが実施した試験から得られたもの。

この試験は2020年3月25日から2021年1月24日まで実施され、Fitbitsの機器やApple Watchなどを着用した3万7000人が参加し、研究用アプリ「MyDataHelps」が使われたとのことです。

この試験に関わった研究者らは、10月にウェアラブルの収集したデータと患者の自己申告を組み合わせることで、新型コロナの症状をより正確に検出できることを報告していました。

そして最新の報告では、感染から回復した後の持続的な健康への影響( ロング・コビッド(long COVID)とも呼ばれています)に焦点を当てて、データをさらに深く掘り下げています。

まず注目されたのはFitbitユーザーのデータであり、持続的な変化を検出できると示されたとのことです。感染症の専門家であるJennifer Radin博士は「新型コロナに感染した人の安静時心拍数の変化は、他のウイルス感染に比べてはるかに大きい」とともに「歩数や睡眠にも、より劇的な変化が見られます」と述べています。

また、新型コロナに感染した被験者は、最初に症状を訴え始めてから約9日後に安静時の心拍数が低下したことも判明。その後に心拍数は数ヶ月間も上昇し続け、正常に戻るまで平均79日もかかったとのことです。それに対して新型コロナではない(他のウイルス感染の)グループではわずか4日でした。

そして睡眠や身体活動のレベルも、他の疾患を持つ人に比べて、新型コロナに感染した人は基準値に戻るのが遅かったとも述べられています。

今回の研究はFitbitのデータに焦点を当てたものですが、Radin博士いわく「これは予備的な研究であり、将来的には他の多くの研究の可能性を秘めています」とのこと。

新型コロナ感染はたとえ軽症で済んだとしても、回復後に倦怠感や脱力、脱毛や味覚異常、動悸や食欲不振などの後遺症が長引くとの報告もあり、追跡調査や手厚いケアも必要なはず。こうした研究成果が日本でも反映されるよう祈りたいところです。

(Source:JAMA Network Open。Via 9to5MacThe New York TimesEngadget日本版より転載)

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【インタビュー】アップルがiOS 15で明らかにした「ヘルスケア」の未来、同社VPが語る初期Apple Watchから現在まで

Apple(アップル)が最近開催した世界開発者会議(WWDC)の基調講演には、iPhone、Mac、iPadの新機能が詰まっていた。2014年に最初のヘルスケアアプリがデビューして以来ほぼ一貫してそうだったように、それらの新機能には、個人のヘルスケアや健康を中心としたアップデートが含まれている。Appleがこの分野で行っている取り組みの影響は、すぐには評価できないことが多い。例えば、ヘルスケア関係の新機能は一般に、Appleのデバイスのソフトウェアで行われるユーザーインターフェイスの全面的な見直しほど目立つことはない。しかし全体として見ると、Appleは、個人が利用可能な、最も強力でわかりやすいパーソナルヘルスケアツールスイートを構築したようだ。そして、その勢いが衰える兆しは見えない。

筆者は、Appleの技術担当VPであるKevin Lynch(ケヴィン・リンチ)氏にインタビューする機会を得た。実はリンチ氏は、2014年9月のAppleの基調講演イベントにおいて、世界の舞台ではじめてApple Watchのデモを行った人物であり、Apple Watchが大きく成長するのを見てきただけでなく、Apple Watchにおけるヘルスケアの取り組みの進展に欠くことのできない人物でもある。Apple Watchがどのようにして今日の姿になったか説明してくれた。また、将来の展望のヒントも与えてくれた。

「これまでの進展ぶりに驚いています」と、最初のヘルスケアアプリについてリンチ氏は語った。「このアプリは実は、Apple Watchから始まりました。Apple Watchで、カロリー消費アクティビティと『アクティビティ』のリングを完成させるための心拍数データを取ったため、心拍数データを保存しておく場所が必要でした。それで、データを保存する場所としてヘルスケアアプリを作りました」。

Appleのヘルスケアアプリは2014年に、Apple Watchのアクティビティデータを保存する簡単なコンパニオンアプリとして始まった(画像クレジット:Apple)

そこでAppleは、中心になる場所ができれば、他の種類のデータも保存できるシステムを開発して、プライバシーを尊重した方法で開発者が関連データをそこに保存できるAPIとアーキテクチャも構築できることに気づいた、とリンチ氏は語る。最初の頃、ヘルスケアアプリは基本的にまだ受け身の格納庫で、ヘルスケア関係のさまざまな情報の接点をユーザーに提供していたが、Appleは間もなく、それをさらに発展させて他にも何かできることはないか、と考え始めた。そして、アイデアのきっかけはユーザーからもたらされた。

ユーザーに導かれた進化

ヘルスケアに対するAppleのアプローチの主要な転換点は、ユーザーがApple Watchの機能を使って、Appleが意図した以上のことを行っていることにAppleが気づいたときに訪れた、とリンチ氏はいう。

リンチは次のように説明する。「私たちは、ユーザーに心拍数を示そうとしており、実際、ユーザーは自分の心拍数を見ることができました。私たちは、心拍数を消費カロリーの測定に使っていました。しかしある時、こんなことがありました。ワークアウトをしていないときに心拍数を見て、心拍数が高いことに気づいた一部のユーザーが【略】医師に診てもらうと、心臓の異常が発見されたのです。Appleはそのようなユーザーから手紙を受け取るようになりました。今でも、私たちがしている仕事について手紙が来ます。それはとてもうれしいことです。しかし、初期のそうした手紙の中にはヒントを与えてくれたものがありました。『待てよ、実は同じことをバックグラウンドで自分たちでできるんじゃないか』ってね」。

その後Appleは、心拍数が高い場合にアラートを通知する仕組みを開発した。ユーザーがあまり動いていないときにApple Watchが異常に高い心拍数を検出すると、それをユーザーに知らせることができる。休息時の高い心拍数は、潜在的な問題に関する良い指標である。Appleは後に、異常に低い心拍数の通知も加えた。これはすべてユーザーがすでに利用できるデータであったが、Appleは、目ざといApple Watchオーナーがすでに享受しているメリットを、先を見越して機能として提供できることに気づいた。

2017年、心拍数が高いことを知らせる通知がApple Watchに導入された(画像クレジット:Apple)

そこでAppleは、似たようなインサイトを探り出せる検討対象の分野を増やすための投資を大きく増やし始めた。ユーザーの行動によって研究対象の新たな分野が特定されるのを待つのではなく(リンチ氏によれば、これはチームにとって依然として重要であるが)、ヘルスケア機能の発展への道筋を切り開くために、臨床医や医療研究者の採用を増やし始めた。

その成果の一例が、WWDCで発表された「Walking steadiness(歩行の安定性)」である。これは、Apple Watch装着者の平均的な歩行の安定度を簡単なスコアで示す新しい基準だ。

リンチ氏は次のように説明する。「歩行の安定性【略】は実は、転倒の検出から得られたものです。私たちは転倒の検出に取り組んでいました。本当にすばらしい取り組みだったのですが、進めていくうちに、ただユーザーの転倒を検出するだけでなく、ユーザーが実際に転倒しないようにサポートする方法についてブレインストーミングを行うようになりました。転倒するその瞬間にサポートするのはかなり困難です。実際に転倒し始めたら、できることは限られています」。

リンチ氏は、Appleが2018年に導入した転倒検出機能のことを言っている。モーションセンサーのデータを使って、突然の激しい転倒と思えるものを検出し、転倒した装着者をできれば助けるために緊急アラートを送る機能である。Appleは、10万人が参加した心臓と運動に関する研究でユーザーの転倒検出データを調べ、それを歩行の基準に関する同じ研究でiPhoneから収集したデータと結び付けることができた。

「(心臓と運動に関する研究のデータ)は、この機械学習に関する仕事の一部でとても役立っています」とリンチ氏は述べた。「それで私たちは、特に転倒と歩行の安定性を中心とした研究に重点を置き、歩行の安定性に関する従来の測定データ一式を、真実を語る資料として使いました。アンケート調査、臨床観察、受診と医師による歩行の様子の観察も同様です。そして1~2年の間、研究対象の人が転倒することがあれば、転倒に先立つ測定基準をすべて調べて、『転倒の可能性を測る本当の予測因子は何か』を理解することができました。その後、それを基にモデルを構築できました」。

iOS 15におけるAppleのヘルスケアアプリの「歩行の安定性」に関する測定基準(画像クレジット:Apple)

実はAppleは、歩行の安定性の機能によって、ヘルスケアやフィットネスの業界では非常にまれなことを成し遂げた。個人のヘルスケアを中心として、臨床的に検証された、意味のある新しい測定基準を作ったのだ。ヘルスケアアプリでは、AppleのiPhoneのセンサーを通して受動的に収集されたモーションセンサーのデータに基づいて「とても低い」から「低い」または「OK」までのスコアが示される(リンチ氏の話では、iPhoneの方が、腰の位置にあるので測定基準をより正確に検出できるという)。おそらくこのデータは、ユーザーが本当に意味ある改善を実際に行うのに役立つだろう、とリンチ氏はいう。

「別のすばらしい点は、すぐに使えるということです」と氏は述べた。「変えるのが難しいものもある中で、歩行の安定性に関しては、改善するためにできるエクササイズがあります。それで、私たちはそうしたエクササイズをヘルスケアアプリに組み込みました。ビデオを見てエクササイズを行い、転倒する前に、安定性を改善するために努力できます」。

歩行の安定性というのはおそらく、ヘルスケアに関してAppleが重視する分野を最も効果的に具現化した機能である。持ち歩くデバイスが、周囲を取り巻く一種のプロテクターに変わるのだ。

「インテリジェントな保護者」

Appleのヘルスケアアプリは、追跡対象の測定基準を概観するのにうってつけである。Appleは、目に映るものを理解することを容易にする、入念に吟味した状況認識情報のライブラリを着実に構築してきた(例えば、研究室のアップデートされた新しいディスプレイでは、結果がiOS 15でわかりやすい言葉に変換される)。しかし、革新の点でAppleが比類のない位置にいる分野の1つは、先を見越した、または予防的なヘルスケアである。リンチ氏は、歩行の安定性の機能はそうした努力の進展の結果であることを指摘した。

「歩行の安定性に関する取り組みは、私たちが『インテリジェントな保護者』と考えているこのカテゴリーに属します。『どうすれば、他の方法では見ることも気づくこともないかもしれないデータを使ってユーザーを見守るサポートができるだろうか。そして、変化の可能性を知らせることができるだろうか』ということです」と同氏は語る。

「インテリジェントな保護者」のカテゴリーは実のところ、当初はApple Watchとヘルスケアの計画に含まれていなかったことをリンチ氏は認めている。

「最初の頃は、『インテリジェントな保護者』について今のような考え方はしていませんでした。Apple Watch初期にユーザーから寄せられた手紙によって、私たちは、本当に意味のあるアラートをユーザーに通知できることに気づきました。ユーザーからの手紙のおかげで、本当に意義深いひらめきを得られました」。

Apple Watchの転倒の検出(画像クレジット:Apple)

そのような手紙は、ヘルスケアの機能に取り組むチームに今もひらめきを与えており、チームに動機付けを与えてその仕事が正しいことを証明するのに役立っている。リンチ氏は、Appleが受け取った1通の手紙を引用してくれた。ある人が父親にApple Watchを買ってあげたが、父親は自転車で外出中に自転車から溝に落ちてしまった。Apple Watchはその転落を検出し、父親の意識がないことも検出した。幸いにも、Apple Watchは緊急連絡先と911番に通知するように設定されていて、その両方に通知が送信された。Apple Watchによって地図上の場所が息子に通知されたので、息子は現地に駆けつけたが、現場ではすでに救急医療隊員が父親(幸い大事には至らなかった)を救急車に乗せているところだった。

リンチ氏は次のように語る。「『人について私たちが感知して知らせることができることとして、他に何があるだろうか』と考えたことはたくさんあります。ヘルスケアに関する取り組みの中で、私たちは、臨床的な観点から人について知るべき真に意味のある事柄とは何か、という点について常に話し合っています。また、人について感知できることについて科学的な観点からどう考えるべきか、という点についても話し合っています。この2つの点が重なる部分にこそ、収集データを理解して活用するための鍵があります。あるいは、疑問に対して臨床的にしっかりとした根拠に基づく回答を出すためのデータを構築する新しいセンサーを開発するヒントが得られる可能性があります」。

個人のヘルスケアに対するコミュニティとしてのアプローチ

iOS 15でAppleのヘルスケアアプリに加えられる別の大きな変更は共有だ。ユーザーと家族や、医師など世話をする人の間で、ヘルスケアのデータを非公開で安全に共有できるようにする。ユーザーは、共有するヘルスケアのデータを正確に選ぶことができ、いつでもアクセスを無効にできる。Apple自体がデータを見ることは決してなく、データはデバイス上でローカルで暗号化され、受信するデバイスのローカルメモリーで復号化される。

iOS 15でのAppleのヘルスケアアプリの共有(画像クレジット:Apple)

ヘルスケアの共有は、インテリジェントな保護者に関するAppleの取り組みの自然な拡張である。これによって、個人のヘルスケアは、常にそうであった状態、つまり個人がつながっているネットワークによって管理される状態に引き上げられるからだ。しかも、現代のテクノロジーとセンサー機能によって拡張されている。

リンチ氏は次のように説明する。「見守り対象の相手はその情報を見たり、変化の通知を受け取ったりすることができ、見守る人は小さなダッシュボードで情報を見ることができます。特に年配者やパートナーの世話をする人にこれが大いに役立つことを願っています。一般的に言って、ヘルスケアの過程で相互にそうしたサポートができるようになります」。

リンチ氏は、単に他の方法では見いだせなかったデータを明らかにすることが目的ではなく、実際には、ヘルスケアに関連した家族間のコミュニケーションを活発にしたり、普通なら決して生じないような個人的なつながりの扉を開けたりすることが目的だということを指摘している。

「最近どれくらい歩いたかとか、よく眠れるかといった話を自然にすることがないような状況で、会話が促されます。そうしたことを共有する気があるなら、さもなければしなかったような会話ができます。医師とのやり取りでも同じです。医師とやり取りするとき、医師は患者の普段の健康状態をあまり見ていないかもしれません。サイロ思考になって、その時の血圧など、部分的にしか診ません。では、医師と話すときに、どうすれば短い時間で全体像を伝えて、会話の内容を豊かにするサポートができるでしょうか」。

医師との共有は、医療提供者の電子医療記録(EHR)システムとの統合に依存するが、リンチ氏によれば、そのシステムでは相互運用可能な標準が使用されていて、さまざまなプロバイダーがすでに米国を広くカバーする準備を整えている。この機能を利用する医療従事者は、ユーザーが共有するデータをWeb表示のEHRシステムで見ることができる。データは一時的に共有されるだけだが、医療従事者は患者のために、簡単に特定の記録に注釈を付けて、永続的なEHRに保存し、必要に応じて診断結果や治療過程をバックアップできる。

EHRには導入と相互運用性の点で困難な問題に直面してきた歴史がある。この点についてリンチ氏に尋ねると、同氏は、Appleが何年も前にEHRとの連携に取り組み始めた当時は、実際に機能させるためにApple側に多大の技術的な負担が求められたと語った。幸い、業界は全般的に、もっとオープンな標準の採用に向かった。

「業界は、もっと標準化された方法でEHRに接続する方向に大きく変化してきました。確かにAppleは、EHRに関するすべての問題に取り組み、改善を支援するために努力してきました」とリンチ氏は語る。

ユーザーとの長期的な関係を築くメリット

ユーザーと医師の両者にとって、Appleのヘルスケアアプリが持つ大きな潜在的メリットの1つは、長期にわたって大量のデータにアクセスできることである。Appleのプラットフォームにこだわり、ヘルスケアアプリを使ってきたユーザーは、少なくとも7年ほど心拍数のデータを追跡してきたことになる。その理由で、iOS 15の別の機能であるHealth Trends(健康のトレンド)は、将来に向けてさらに大きな影響力となる可能性を秘めている。

iOS 15のAppleの健康のトレンド機能(画像クレジット:Apple)

リンチ氏は次のように説明する。「トレンド機能では、長期的な変化を調べ、各分野で統計的に重要な変化の特定を開始します。最初は20ほどの分野が対象となります。注意すべきトレンドが現れ始めたら、それを強調表示し、その様子を表示することができます。例えば、休息時の心拍数に関する現在と1年前のデータを比較できます」。

これもまた、Appleの心臓と運動に関する研究と、Appleがその研究から継続的に引き出したインサイトの結果である。Appleはこの研究の間、提供するインサイトの微調整に大いに力を注いだ。活用できるインサイトをユーザーに提供すると同時に、過剰な負荷や混乱の増大を回避するためだ。

「健康のトレンドのような機能を扱う場合、インサイトでユーザーを圧倒したいとは思いません。しかし、示すべき関連情報がある場合は、それを抑えたいとも思いません。どのように調整すべきか考えました。私たちは、心臓と運動に関する研究で得たデータを調整することに力を注いだので、それが公開されている様子を見ると胸が高鳴ります。これは何度でも言います。これは長期的な変化を理解する本当に強力な方法になると思います」。

ヘルスケアの未来は「融合」にあり

Appleのヘルスケアに関する今日までのストーリーは主に、iPhoneやApple Watchに搭載されている、最初は別の目的を持っていたセンサーを通じてヘルスケアに関するすばらしいインサイトが継続的に提供されたことによって成り立っている。以前はまったく不可能で、実際的ではなかったことだ。その状況は、Appleが、Apple WatchやAppleの他のデバイスに統合できる新しいセンサー技術を探し出して、日常のさらに多くの健康問題に取り組むという、意図的な戦略へと進展した。また、Appleは引き続き、既存のセンサーを使う新しい方法を見つけ出している。iOS 15に追加された、睡眠中の呼吸数の測定が主な例である。一方で、さらに多くのことを行うため、次なる新しいハードウェアの開発にも取り組んでいる。

しかし、将来のヘルスケア機能の観点から見ると、さらに可能性を探るべき分野は、センサーの融合である。歩行の安定性は、iPhoneとApple Watchが単に独立して機能する結果ではなく、Appleがそれらを組み合わせて活用するときに得られる成果である。Appleのソフトウェアとハードウェアの緊密な統合によって強化される分野もある。そのような分野は、デバイスとそのデバイスに搭載されているセンサーで構成されるAppleのエコシステムとして増殖し、成長を続ける。

インタビューの最後に、AirPodsのことを考慮に入れるとどんな可能性が開かれるのか、リンチ氏に尋ねた。エアポッドにも独自のセンサーがあり、iPhoneやApple Watchでモニタリングされるヘルスケア関連データを補完できるさまざまなデータを収集できるためだ。

「現在すでに、いくつかのデバイス間でセンサーの融合を行っています。ここには、あらゆる種類の可能性があると考えています」とリンチ氏は語った。

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Dragonfly)

カメラ内蔵のApple Watch用バンドを発売するWristcam、求められている「手首にカメラ」機能

6月初旬、Facebook(フェイスブック)が独自のスマートウォッチを発売を計画しており、ファーストパーティ製ハードウェアの展開に向けて大きな一歩を踏み出そうとしているという情報が報じられた。この報道で最も興味をそそられた点は、そのスマートウォッチには1つではなく2つのカメラが搭載されているということだった。他のウェアラブル機器メーカーも、手首に装着するデバイスで動画や画像を撮影することに挑んでいるものの、この機能は今のところ主流にはなっていない。

業界のリーダーであるApple(アップル)も、このアイデアに飛びついているようには見えない。そこでWristcam(リストカム)という企業は、4K画像と1080p動画を撮影できる独自のカメラを搭載したバンドを発売し、アップルに代わってこの機能を実現することにした。同社はクラウドファンディングで資金を集めることに成功し、2020年12月にその製品を発表した。

そして先日、WristcamはMarker LLC(マーカーLLC)が主導したもっと伝統的な資金調達方法で、2500万ドル(約27億7000万円)を調達した。同社のAri Roisman(アリ・ロイスマン)CEOはTechCrunchの取材に「今回の資金調達は、チームの拡大、Wristcamの生産、市場投入、ウェアラブル用のコンピュータビジョンエンジンの研究開発などに使用します」と語っている。

この資金の一部を使って、同社は2022年初頭までに社員数を実質2倍に増やし、12月の「パブリックベータ」開始以降に寄せられた要望や懸念に対するアップデートを提供する。今後はライブビデオなどの機能も追加される予定だ。

Wristcamはすでに「数千台」の販売実績があると、メーカーは述べている。公式サイトでは、現在299ドル(約3万3000円)で販売されている。この価格は、Apple Watch SE(アップル・ウォッチSE)より20ドル(約2200円)高い。同社によると、2021年初めに新型コロナウイルスの影響からサプライチェーンの問題が発生したが、現在はそれを乗り越え、日々の注文に対応しているという。

Facebookが手首からの撮影に明らかな興味を示しているにもかかわらず、ロイスマン氏はアップルからカメラ内蔵ウォッチが登場する可能性については心配していないという。

「カメラはiPhone戦略の中核として、1000ドル(約11万円)を超えるProを含め、デジタル一眼レフカメラと同等の品質を追求する方向を続けると、私は考えています」と、CEOはいう。「その一方で、Apple Watchは健康測定やウェルネスに焦点を当てた製品であり、電力とデータ、筐体スペースを消費するような、iPhone戦略と競合する機能が搭載されることは今後もないでしょう」。

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画像クレジット:Wristcam

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

今秋リリースのアップルのwatchOS 8にマインドフルネスと呼吸追跡の機能

読者のみなさんは2021年のWWDCではwatchOSの大きなアップデートは発表されないと思っていたのではないだろうか。Apple(アップル)のウェアラブルの出荷台数はiPhoneほどではないが、Apple Watchはスマートウォッチ市場を完全に独占していて、同社にとってかなりの成功となっている。

誰も驚きはしないだろうが、同社はマインドフルネスによりフォーカスしたアプローチを取っている。まだCalmやHeadspaceといったサービスに取って代わるものではないものの、自分に向かい合ってより意識することをユーザーに促す、待ち望まれていた新しいアニメーションが人気の呼吸機能に加わる。

また、これまではバックグラウンド機能だった呼吸トラッキングも、長期的なトラッキングやノーティフィケーションなどでwatchOSのエクスペリエンスの前面にくる。

もちろん、新しいフェイスなしにはwatchOSアップデートとはいえない。Appleは写真がロックスクリーンとしてうまく収まるよう、ポートレートモードをフェイスに加える。Watch Photosアプリも新しいレイアウトとなり、ウォッチからMailやMessagesといった同社のアプリへ写真を共有する機能も加わる。

Fitness+にも大量の新しいコンテンツが加わる。ここにはAlicia Keys(アリシア・キーズ)、Lady Gaga(レディー・ガガ)、Keith Urban(キース・アーバン)といったアーティストのワークアウト向けのものが含まれる。太極拳やピラティスもサポートするワークアウトのリストに加わる。

そして最後に、しかしもちろん多くの人にとって最後ではないが、watchOSはGIFをサポートするようになる。ベータ版が2021年7月から提供され、watchOS 8は今秋正式に展開される。

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

Apple Watchで心疾患発見を目指す、慶應医学部 木村雄弘先生に訊く(WWDC 2021)

Apple Watchで心疾患発見を目指す、慶應医学部 木村雄弘先生に訊く(WWDC 2021)

アップルの開発者イベントWWDC 2021は、日本時間6月8日午前2時から始まります。世界開発者会議WWDCといえば、 iOS / macOS / watchOS等の新機能に加え、これから登場するデバイスやサービスの可能性をいち早く開発者に紹介する場です。

「アップル史上もっともパーソナルな製品」として2015年に登場した Apple Watch も、世代を重ねるごとに心電計や血中酸素濃度計、睡眠計測など新たな機能を導入し、フィットネスやヘルスケアの分野で新たなアプリやサービスの可能性を開いてきました。

WWDC 2021を前に、そうしたアップルのテクノロジーで社会を変える取り組みとして、一般のApple Watchユーザーを対象にした心疾患の臨床研究アプリ Apple Watch Heart Study をリリースした慶應義塾大学医学部の循環器内科特任講師 木村雄弘先生にお話をうかがいました。

ウェアラブルで心疾患の早期発見を目指す

まずは臨床研究 Apple Watch Heart Study と同名のアプリについて。慶應義塾大学医学部が2021年2月から開始した Apple Watch Heart Study は、Apple Watch の睡眠計測・心電図記録・心拍計と、着用者が手動で回答する質問表を組み合わせて「心電図はいつ計測するのがもっとも有効なのか?」を解明するための研究。

Apple Watch は日本国内では2021年1月末に心電図アプリが解禁されましたが、常時着用するウォッチでも心電図は常時計測できないため、ユーザーが手動でアプリを起動して30秒間指を当てる必要があります。

しかし木村先生によると、たまたま心電図をとったときに異常が見つかることは稀。心筋梗塞などの予防には、異常が出ているときの心電図が手がかりとして役立ちますが、診療に役立つタイミングで都合よく取得できるとは限りません。

「調子が良いときに測っても良いと出るのは当たり前。一度計測して結果が良かったからといって、必ずしも病気がないって話にはならないんですね。いかに異常があるときを捉えるか? が非常に大事で、その心電図一枚で治療の方針が変わることもあります」(木村)。

Apple Watchで心疾患発見を目指す、慶應医学部 木村雄弘先生に訊く(WWDC 2021)

Apple Watch

Apple Watch Heart Study ではこの問題に対して、Watchの心拍計と睡眠検出、毎朝の質問票、自覚症状があった場合に手動入力する動悸記録を組み合わせて、ライフスタイルや生活パターンとの関連性を見つけ出し、将来の心疾患予防や診断に役立てることを狙います。

対象は一般のApple Watchユーザーすべて(20歳以上、日本語が理解できること。心電図記録は22歳以上)。具体的には、アプリをインストールして説明の確認と同意を済ませたら、あとは毎晩就寝時にApple Watchを着けること、毎朝質問票に答えること、もし脈が飛んだ、胸が痛い等の症状があったら手動で選択肢を選んで入力することで参加できます。今回の取り組みで収集するのは7日分のデータ。

一般のApple Watchユーザーを対象とした研究とは別に、慶応義塾大学病院で心房細動患者を対象にした研究も実施しています。そちらでは臨床の現場で使われる医療機器での計測と、Apple Watchを使ったデータとを比較し、機械学習で不整脈が発生しやすい条件を推定するアルゴリズムを構築します。一般のApple Watchユーザーを対象とした研究は、この患者グループの研究で得られたアルゴリズムが一般にどれほど適用できるのかの答え合わせともいえます。

あくまで臨床研究へ協力するためのアプリなので、参加しても個人の診療に役立ったり、健康改善につながるわけではありません。ただし記録へのモチベーション維持のために、毎日の計測結果には睡眠中・日中の心拍数などを元にシンプルなロジックで生成された「コメント」がつくため、睡眠中の心拍傾向を見て飲酒・寝不足などを見直す契機にはなるかもしれません。

医療のDXとWWDCへの期待

Apple Watch Heart Study の実務責任者である木村先生と、アプリを開発した株式会社アツラエの担当者お二方にお話をうかがいました。

Apple Watchを使った臨床研究に取り組んだきっかけは?

・個人的に、Apple Watchは心拍計が使える初代モデルから利用していた。健康のためを意識しなくても、時計として着けているだけで心拍や運動など役立つデータを常時記録できることが大事。

・一度の検査だけではなかなか分からない。「病院で良い検査結果を出そうと思うと、たとえば一週間酒を止めたとか、そういうことができてしまうんですよ」。家庭で実際にどういう生活をしているかを医療に反映させるためには、常時計測できるApple Watchを使う必要がある。

・特に心電図アプリケーションについては、医療機器ではないApple Watchである程度信頼できるデータが取得できる、本当に革命的なことが起きた。一回測って終わりではなく、継続して有意義に使ってもらうにはどうするか、が今回の研究に至る経緯。

心疾患は高齢者に多いと思いますが、Apple Watchを着けている高齢者は多くありませんね

「高齢者こそApple Watchだ!と思います」。慶應で臨床研究をする際は、意図的に高齢の方にお願いすることもある。たしかに操作から覚えてもらう必要はあり、利用者と医療従事者の双方にもっとデジタルリテラシーが必要になるが、自分の健康状態を意識するきっかけにもなる。高齢者こそ使ったほうが良いんだよ、ということを啓発していきたい。

高齢者といえば、Watchを使った「見守り」のアプリケーションについてはどうでしょうか

・ICT技術的には非常に簡単。医療者としても、電子カルテにプラスアルファのヘルスケアデータとして管理できれば非常に有用。

・ただ簡単にできたとしても、異常があったときに誰が対応するのか、具体的にどこまでの緊急性をもって対応するのか? など、リソースの配分やマネジメントをどうするかのルールが統一できていない。体制づくりが必要。

(注:Apple Watchを使った見守りサービスを独自に提供している企業はあります)

セコムがApple Watchで見守りサービスなどを開発。今年秋より順次提供

アプリ作成について。実際のアプリ開発を担当したアツラエとはどんなふうに仕事を進めたんでしょうか。苦労した点があれば教えてください

・ユーザーからすれば、医学研究って堅苦しいとか、たくさん質問票が出てきて面倒くさい! といった点が問題になる。打破するにはユーザーインターフェース、UXできれいなデザイン性を持たせることが重要。それができるデベロッパーを探していて辿り着いたのがアツラエ。研究参加にあたっての同意など、必須のステップをユーザーフレンドリーに構築していただけた。苦労としては、オンラインの打ち合わせを中心に進めざるを得なかったこと。(木村)

・アツラエは前身の会社に遡れば2008年から、クライアント向けのiOSアプリ開発をお手伝いしてきた。iOS / iPadOSと使いやすいデザインには自負もあった。苦労したのは、このコロナ禍でなかなか先生にもお会いできずオンライン打ち合わせで進めたこと。

・UI、UXの開発については、木村先生が求めるものに対してどこまで省略できるのか、遊びをもたせるか、を汲み取るのが重要だが、対面ならば表情や口調も大きな手がかりになる。オンラインでは、本当に喜んでくれているのだろうか? ユーザーに役立つものができているのだろうか? を探り探りで進める必要があった(アツラエ有海)。

・技術的には、開発時点で国内での心電図アプリケーションがまだ解禁されておらず、テストに苦労した(アツラエ早川)。

(日本国内での心電図アプリケーション解禁は1月22日、Apple Watch Heart Studyアプリ配信はわずか一週間後の2月1日)

今回の臨床研究で得られた成果は、今後具体的にどのような形で活かされるのか。「心臓病予防アプリ」への課題は

「最終的な結果はただ研究で終わらせることなく、医療のDXとして提供できるような形を考えています」(木村)。一つ大きな壁は、医学的なアドバイスや計測結果を出すとして、どこまで言えるのか、(認可的な意味で)医療機器の扱いになるか否か。診断を与えることではなく、日々の生活を見守り、自分の変化に気づかせることがおそらく一番重要。長い時間をかけて医療機器を作るんだ! ではなくても、ヘルスケアに貢献できるソリューションは色々ある。

・必ずしも医療機器の精度でないとしても、個々のユーザーに対していま測ったほうがいいのかな、いま病院にいったほうがいいかなという気づきを与えること。知らないうちに見守られていて、変化を教えてくれるものが増えていけば、早期発見や健康寿命に貢献していくことになる。今回の研究も、ソリューションはとしてはそうしたところを目指したい。

Apple Watch Series 6からは、医療機器としての数字ではないものの「血中酸素ウェルネス」でSpO2も取得できるようになりました。今後さらにこんなデータが取れればと期待しているものは

・色々とうわさはあり、今度のWWDCでもジェスチャ検出など新しいものが出てくるようだが、大事なのは同じ機械で計測し続けること。

・計測したデータに医療機器と同じ精度があるかどうかまで立ち戻らなくても、同じ機器で計測し続けた変化量は、その個人にとっては評価できるものになる。もちろん、これが欲しいあれが欲しいという期待はあるが、いずれにしても個人に紐付けられたデータであれば非常に貴重なものになると考えている。

次のWWDCへの期待をお願いします

「WWDCには毎年驚かされていて、素人ながら分かる範囲の開発者向け動画はすべて見るようにしています」。毎年大幅に変わるが、今回のアプリでも睡眠計測やウィジェットなど、新しい機能をできるだけ使うようにお願いした。うわさの血糖値やジェスチャは大変興味深いと思っている。(木村)

・アクセシビリティ・デイで発表済みのジェスチャ操作はどうなるのか、自分たちのアプリに組み込めるか? は注目。日本国内のアプリはアクセシビリティが行き届いていないことが多く、いちデベロッパーとして注目していきたい。過去でいえば、watchOS 2でガラリと変わったこと、6でできることが一気に増えたのが印象深い。Apple Watchのアプリ開発は今後もっと注目されてくるのではないかと思っている(アツラエ早川)。

・プランニングの観点から。毎年WWDCの時期には、クライアントから自社のアプリにこの新機能は使えるんじゃないか、どう変わるのかと問い合わせや提案が増える。応えるためにいち早くプロトタイピングをしたり、社内でディスカッションするのが恒例行事 (アツラエ有海)。

WWDC 2021 のキーノートは日本時間で6月8日午前2時から。Engadgetでも速報体制でお伝えします。

病院がアプリを処方する時代。iOS活用で進む未来の医療
Apple Watch Heart Study

Engadget日本版より転載)

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:Apple / アップル(企業)Apple Watch(製品・サービス)医療(用語)慶應義塾大学(組織)ビッグデータ(用語)日本(国・地域)

SpotifyがようやくApple Watchでオフライン視聴できるように

Spotify(スポティファイ)とApple(アップル)の関係においては、当然のことながらときに対立することがあった。結局のところ、AppleはSpotifyの最大のライバルとなっているストリーミングサービスを運営している。しかし、Apple WatchとSpotifyはそれぞれの部門で大差でトップの座を維持している。そして協業することは最終的にベン図で重なっている部分のかなりの数のユーザーに利便性を提供する。

Spotifyは米国時間5月21日、明らかに最もリクエストの多かった機能の1つをとうとうスマートウォッチに持ってくると発表した。プレミアム会員は同日から音楽とポッドキャストをオフライン視聴のためにApple Watchにダウンロードできるようになった。つまり、ユーザーはジョギングするときスマートフォンを家に置いたまま出られるようになる。

新機能は標準的なダウンロードとシェアとなる。ユーザーはアルバム、プレイリスト、ポッドキャストの横にある3つの楕円をクリックし、それから「Apple Watchにダウンロード」をクリックする。ダウンロードされると、緑の矢印がタイトルの横に登場する。そしてヘッドフォンをペアリングすると、ウォッチから直接ストリームできるようになる。

Samsungはすでに同様の機能を同社のGalaxy Watchシリーズを含むスマートウォッチに提供している。また、I/O開発者会議での発表によると、Google Wear OSのウォッチでも間もなく提供される。もちろんApple Musicはかなり前からApple Watchでのオフライン視聴を提供しており、Pandoraも同様だ。DeezerもSpotifyに負けず数日のうちにApple Watchにダウンロードできるようになる。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:SpotifyApple Watch音楽音楽ストリーミングスマートウォッチ

画像クレジット:Spotify

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

Apple Watchに検知した手の動きで操作する「AssistiveTouch」機能が追加

Apple Watchの小さな画面を正確にタップすることには、ある種の根本的な難しさがある。障がいのある人には、純粋に不可能な場合もある。その対策として、Apple(アップル)は、手のジェスチャを検出してカーソルを制御し、画面の操作を行うことができる「AssistiveTouch(アシスティブタッチ)」という新モードを導入すると発表した。

この機能は、アップルの製品群におけるアクセシビリティに重点を置いた改良の一環として発表されたが、中でもApple Watch用のAssistiveTouchは、ユーザー層全体に大評判となる可能性が高いと思われる。

AssistiveTouchは、Apple Watchに内蔵されたジャイロスコープと加速度センサー、そして心拍センサーからのデータを利用して、手首と手の位置を推定する。ピースサインとメロイックサインの区別はまだできないものの、今のところ「ピンチ」(人差し指と親指を接触させる)と「クレンチ」(ゆるく拳を握る)を検知して、基本的な「次へ」や「確認」の操作を行うことができる。例えば、電話がかかって来た時、拳を握りしめればすぐに受けることができる。

だが、最も印象的なのは「Motion Pointer(モーション・ポインター)」と呼ばれる機能だ。これは、AssistiveTouchメニューで選択するか、手首を大きく振ると起動する。すると、画面にポインターが現れる。手を動すとその動きを検出して、ポインターを画面上で動すことができるので、画面の端に持っていって「スワイプ」したり、ピンチやクレンチして操作することが可能になる。

いうまでもなく、これは時計を操作するのに片手しか使えない人にとって非常に役に立つ機能ではあるが、どうしても必要としているわけではない人にとっても、例えばエクササイズマシンや杖などに片手を添えたまま、スマートウォッチを操作できるというのは、きっと便利であるに違いない(この操作方法は、他のプラットフォームでも使えるのではないだろうかと考えずにいられない……)。

画像クレジット:Apple

Apple WatchのAssistiveTouchは、アップルが今回のニュースリリースで発表した数多くのアクセシビリティに関するアップデートの1つに過ぎない。他にも以下のようなものがある。

  • Apple Storeでの接客やサポートで利用できる手話通訳付きビデオ通話「SignTime(サインタイム)」
  • 「Made for iPhone」認証アクセサリに新たに加わる補聴器のサポート
  • VoiceOver(スクリーンリーダー)を使った画像説明機能の向上
  • 集中したり落ち着くために役立つ「background sounds(背景音)」発生機能(私はこれを使うつもりだ)。
  • 一部のボタンやスイッチの働きを、口で発する言葉ではない音(「ポップ」や「イー」など)で代用できるSound Actions for Switch Control(言葉や動きが不自由な人のための機能)
  • 酸素チューブ、人工内耳、ソフトヘルメットを装着している人のためのMemojiのカスタマイズ機能
  • App Store、Apple TV、Apple Books、Apple Maps(「マップ」アプリ)で、障がいのある人向けのアプリや作品、有益な情報などを紹介。

これらはすべて、5月20日の「Global Accessibility Awareness Day(グローバル・アクセシビリティ・アウェアネス・デイ)」に合わせて発表されたものだ。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleApple Watchアクセシビリティ

画像クレジット:Apple

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

iOS 14.5「Apple Watchでロック解除」はマスク姿なら本人含め誰でもロック解除可能に

iOS 14.5「Apple Watchでロック解除」はマスク姿なら本人含め誰でもロック解除可能に

iOS 14.5およびWatchOS 7.4アップデートを適用することで、Apple WatchがあればマスクをしたままiPhoneのFace IDでロックを解除できるようになりました。使用方法と注意点をお伝えします。

同機能を利用するにはまず、iPhoneとApple WatchをそれぞれiOS 14.5以降とWatchOS 7.4以降にアップデートする必要があります。

iOS/iPadOS 14.5配信開始。ついに「マスクしたままFace IDロック解除」が実現

アップデート後、「iPhoneの設定 > Face IDとパスコード」に「Apple Watchでロック解除」という項目が追加されています。そのメニューでトグルスイッチをONにするとApple Watchを身に着けている場合に、マスク姿でもロックを解除できるようになります。

iOS 14.5「Apple Watchでロック解除」はマスク姿なら本人含め誰でもロック解除可能に

なお、利用するにはいくつかの条件があります。

まず、Apple WatchはiPhoneとの通信圏内にあり、かつ腕に装着していなければいけません。仕事中は外してキーボードの横に置くような人は、注意が必要でしょう。また、Apple Watchにパスコードでロックをかける設定にし、その上で、Apple Watchのロックを解除しておく必要があります。これは、他の人がApple Watchをこっそり身に着けて、iPhoneのロックを解除してしまうのを防ぐためでしょう。

マスク姿なら本人以外でもロック解除可能

機能を有効化する際に、下記の注意事項が表示されます。具体的には「マスク姿であれば本人以外でもロック解除が可能になる」とのこと。

iOS 14.5「Apple Watchでロック解除」はマスク姿なら本人含め誰でもロック解除可能に

この機能が発表された際、Face IDでの認証を若干甘くし、その分のセキュリティをApple Watchを身に着けているということで担保するものだと考えていましたが、実際ではそうでないようです。

同機能を用いてロック解除すると、Apple Watchに通知が来るので、意図せず解除された(本人ではないのに解除された)場合には、Apple Watchからロックすることもできます。ちなみに機能を有効にした後、マスク姿ではなく、通常のFace IDでロック解除した場合には通知は出ませんでした。

iOS 14.5「Apple Watchでロック解除」はマスク姿なら本人含め誰でもロック解除可能に

また、マスクでなくとも手で口元を押さえても、マスク姿と判断される様子。逆に目元を隠すとFace ID、Apple Watchでのロック解除のどちらでも認識はされませんでした。

Apple Payの認証には非対応。できるのはiPhoneのロック解除のみ

そんなApple Watchによるロック解除、Apple Payでの支払い時の認証がどうなるのか気になるところですが、残念ながらここでは利用できませんでした。

あくまでもApple Watchを使ってできるのは、iPhoneのロック解除のみで、Face IDの代わりになるものではないようです。

iOS 14.5「Apple Watchでロック解除」はマスク姿なら本人含め誰でもロック解除可能に

これができないと魅力が半減な気もしますが、他の人でも利用可能になってしまうのでセキュリティ上は必要なのでしょう。レジでの支払い時には、引き続き、パスコードを使うか、マスクをちょっとずらしてFace IDで認証する必要がありそうです。

Engadget日本版より転載)

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iOS 14.5でマスク着用時でのApple WatchによるiPhoneのロック解除、アプリ追跡の透明化、キス絵文字が追加
マスク着用中でもApple WatchでiPhoneのロック解除が可能に

カテゴリー:セキュリティ
タグ:iOS(製品・サービス)iPhone(製品・サービス)Apple / アップル(企業)Apple Watch(製品・サービス)Apple Pay(製品・サービス)

iOS 14.5でマスク着用時でのApple WatchによるiPhoneのロック解除、アプリ追跡の透明化、キス絵文字が追加

先週開催されたビッグイベントで、Apple(アップル)はiOSの最新アップデートが間もなく登場することを予告した。そして米国時間4月26日、すべてのユーザーに向けてiOS 14.5が公開された。このアップデートは、モバイルOSの中でも特に大きなアップデートの1つになりそうだ。

ユーザーから最も待ち望まれていたアップデートは、Apple Watchを使ってiPhoneのロックを解除できるようになったことだろう。これはアップルのウェアラブルデバイスにとって便利な機能が追加されたのはもちろんだが、それよりも重要なのは、マスクをしているユーザーがフェイスアンロックの回避策を期待していたことを考えると、このアップデートは1年間待ち望まれたものだと言えるだろう。

関連記事:マスク着用中でもApple WatchでiPhoneのロック解除が可能に

画像クレジット:Apple

マスクを装着すると、iPhoneはデフォルトでApple Watchに接続され(watchOS 7.4がインストールされた後に)、触覚的なブザーとともにApple Watchに通知が送られる。

セキュリティ面でも、アプリのトラッキングの透明性が追加され大きな話題となった。TechCrunchのAnthony記者は2021年4月初めの投稿で、この機能について解説している。

Apple(アップル)が新しいルールを施行することになるため、iPhoneユーザーはおそらくより多くのリクエストを目にするようになるだろう。これらのリクエストはアプリを利用しているさまざまな時点で表示されるが、すべてのリクエストではアプリが「他社のアプリやウェブサイトでのあなたの行動を追跡できるかどうか」を尋ねる標準的なメッセージが表示され、その後に開発者からのカスタマイズされた説明が表示される。

そのため多くのポップアップ通知が表示されるようになるだろうが、それには正当な理由がある。

画像クレジット:Apple

その他の追加点は以下のとおりとなる。

  • たくさんの新しい絵文字が登場する。キスをするカップル、燃えるようなハート、性別の追加など。
  • 追加の声(現在はデフォルトの声の設定はない)と、緊急電話番号のダイヤル機能などを含むSiriのアップデート
  • AirTagへの対応
  • Apple Podcastアプリのデザイン変更
  • AirPlay 2を有効にしたデバイスにFitness+をストリーミングできるようになった
  • リマインダーに日付、優先度、タイトルを指定できる
  • 音声コントロールのアクセシビリティに関するアップデート
  • 「この先で事故が起きています」「道路に何かがあります」などのSiriコマンドを使って、ユーザーは交通事故をマップに直接報告できる。また、スピードチェックも搭載された
  • News+ タブが再編成され、関連する記事や出版物を見つけやすくなった

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleiOSiOS 14アップデートAirTagポッドキャストFitness+絵文字Apple Watch

画像クレジット:Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:塚本直樹 / Twitter

Apple Watchで心不全の悪化を検知できるか、トロントの研究病院グループが調査開始

トロント市にある研究病院グループUniversity Health Network(UHN)で実施している新しい研究により、ますます関心が高まっている健康分野の治療方法が変わる可能性がある。Heather Ross(ヘザー・ロス)博士が主導するこの研究では、心不全を発症した患者の健康状態が悪化する可能性をApple Watchで早期に警告できるかどうかを調査する。

この研究では、最終的に約200人の患者を対象に調査することを目指しており、すでに25歳から90歳という幅広い年齢層の参加者が多数登録している。研究では、Apple Watch Series 6とその内蔵センサーを使って、心拍数、血中酸素濃度、一般的な活動レベル、6分間歩行試験時の全体的なパフォーマンスといった信号を監視する。ロス博士率いる研究者たちは、このデータを、より正式な臨床試験から得られた測定値と比較する。この測定値は、通常の定期健診時に心不全患者の回復状況を観察するために医師が現在使用しているものだ。

ロス博士とそのチームが期待しているのは、Apple Watchのデータから見える兆候と、実証済みの医療診断および監視装置から収集された情報の相関関係を特定できることだ。Apple Watchが心不全患者の健康状態を正確に検知できることを検証できれば、Apple Watchは治療とケアの面で大きな可能性を秘めていることになる。

「米国には心不全を抱える成人がおよそ650万人います」とロス博士はインタビューの中で話した。「北米では40歳以上の5人に1人が心不全を発症します。そして心不全発症後の平均余命は2.1年ほどで、生活の質にも大きな影響が出ます」。

この統計は心不全が「蔓延しつつある疫病」であることを示しており、ロス博士がいうには、医療制度に「米国では現在1年間に約300億ドル(約3兆1877億円)」の費用がかかっているとのことだ。その大部分は、予防可能な原因によって生じる健康状態の悪化により、必要となる治療費用だ。こうした原因は、適切なタイミングで患者の行動を変えさえすれば回避できる。ロス博士によると、現在、心不全患者の治療法は「断続的」なものである。つまり患者は、3カ月から6カ月おきに通院し、診断看護師のような訓練を受けた専門家の監視下で、高額な機器を使用してさまざまなテストを受ける必要がある。

「治療法についてある程度考えてみると、私たちはそれを逆向きに捉えていました」とロス博士はいう。「私たちは、比較的自然な方法で患者を継続的に監視するにはどうすれば良いかということを考えています。継続的に監視すれば、患者が実際に入院する前に患者の状態変化を検知できます。これはApple(アップル)にとって大きなチャンスです」。

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ロス博士によると、現在の推定では、処方された薬の正しい服用、症状の正確な監視、食事摂取の監視といった適切なセルフケアを含め、患者が取る対策によって入院の半数近くを完全に回避できるということだ。アップルのヘルスケア担当副社長であるSumbul Desai(サンブル・デサイ)博士は、治療の水準を高め、良好な長期の治療成績を得るための重要な要素の1つは先を見越した行動である、という見方に同意している。

「医療の世界において、多くの治療では、状態に対する事後対応に焦点が当てられていました」と同氏はインタビューの中で語っている。「自分の健康にもう少し積極的に取り組むべきだという考えは、私たちを本当に力づけますし、その考えから生まれる成果を想像するとワクワクします。私たちは、まず、こうした研究から科学の基礎を身に付けることが非常に重要だと考えていますが、その可能性に取り組むことを心から楽しみにしています」。

デサイ博士は、約4年の間、アップルのヘルスイニシアティブを率い、それ以前もキャリアの大部分を、スタンフォード大学(現在も准教授として在籍)で学術的な取り組みと臨床的な取り組みの両方に費やした。継続的な治療の価値を直接知っている同氏は「この研究は、個人の日常的な健康管理においてApple Watchが果たす役割の中に可能性が見いだされたことを示している」と述べた。

「日常生活を送っている個人のある時点の記録を得ることができるのは非常に便利です」と同氏はいう。「医師であれば、診察の際に『日常生活でお変わりありませんでしたか?』と聞くこともあるでしょう。日常のデータが手元にあり、それを会話に盛り込むことができれば、患者との関わりが非常に強くなります。私たちはこれまでにない方法でインサイトを提供できると信じており、この特定分野でさらにどんな情報が得られるかを考えると本当にワクワクします。私たちはユーザーである患者と医師の両方から、そのようなデータがどれほど価値のあるものかをすでに聞いて知っています」。

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ロス博士とデサイ博士の両氏は、Apple Watchについて、設定と学習が簡単で、健康とフィットネス以外のさまざまな目的に適うことや、継続的な治療法における主要な要素であることに触れ、消費者が手軽に使えるデバイスとしての価値を強調している。

「私たちは、人々が自分の健康管理において、より積極的な役割を担うべきであると強く信じています。そして、Apple Watchは強力なヘルスケアツールであると自信を持って言えます。大切な人とつながったり、メッセージをチェックしたりできるデバイスで、安全をサポートしたり、もっと体を動かして健康を維持することを促したり、全般的な健康に関する重要な情報を提供したりできるからです」とデサイ氏はいう。

「Apple Watchは、デサイ博士が述べたようなすべての機能を必要とする人のための、デバイスに組み込まれた強力なヘルスケアツールです」とロス博士は付け加えた。「しかし、これは強力な診断ツールでもあります。このヘルスケアツールを正しく評価できれば、Apple Watchは無限の可能性を秘めたツールになります。このパートナーシップでは、まさにその評価を行っています」。

この研究では、前述のように200人の参加者を対象としているが、登録者数は毎日増えている。3カ月にわたり積極的なモニタリングを実施した後、患者の転帰に関連して収集されるデータを2年間継続して調査する予定である。収集されたデータはすべて完全に暗号化された形式で格納される(ロス博士は、アップルをパートナーにするもう1つの利点として、アップルのプライバシーに関する実績を挙げた)。そして登録者は参加後でも、調査の途中でいつでもやめることができる。

結果が出たとしても、それは大規模な検証プロセスの第一歩にすぎない。しかしロス博士は、心不全と治療についての基本的な考え方を変えることによって、最終的には「治療法が改善され、公平なケアを受けられるようになる」ことを期待していると述べた。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:医療AppleApple Watchコラム

画像クレジット:Apple

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Dragonfly)

Apple WatchでPCR検査より1週間早く新型コロナの陽性診断予測可能、マウントサイナイ医科大学発表

マウントサイナイ医科大学の研究者によると、Apple Watchをはじめとしたウェアラブルハードウェアにより、現行のPCR検査よりも最大1週間早く新型コロナウイルス(COVID-19)の陽性診断を効果的に予測できることが、「Journal of Medical Internet Research」に査読済み論文として発表された。

Warrior Watch Study 」という調査では、Apple WatchとiPhoneのアプリを使いマウントサイナイ医科大学のスタッフが参加した。参加者はアプリを使用して健康データのモニタリングと収集を行い、新型コロナウイルスの潜在的な症状やストレスを含む、その他の要因について直接的なフィードバックを1日ごとに記入し提供するよう求められた。

研究期間中、研究チームは「数百人の医療従事者」の参加を募り、2020年4月から9月までの数カ月間に渡ってデータを集めた。この研究の著者らが観察していた主要な生体信号は心拍変動(HRV)で、人の神経系への負担を示す重要な指標となる。この情報が新型コロナウイルスに関連して報告された症状に関する情報(発熱、疼痛、空咳、胃腸の問題、味覚および嗅覚の消失など)と組み合わせられた。

Warrior Watch Studyでは検査の確定診断が出る1週間前までに感染症を予測できただけでなく、診断後すぐに参加者のHRVパターンが正常化し、陽性検査から約1~2週間後には正常に戻っていたことも明らかになった。

この研究の実際の医療現場への影響について、この研究の著者らは結果を予測し、リスクのある他の人々から個人を分離するのに役立つと述べている。最も重要なことは、これにより遠隔で行う手段が提供されることで、介護者は身体検査やPCR検査を行うことなく新型コロナウイルスの発症を予測または検出できるようになり、発症が疑われるリスクの高い状況下において予防措置を講じるのに役立ち、感染力が強くなる前に伝播を予防できる可能性がある。

この研究は現在進行中で、新型コロナウイルスがケアワーカーの健康に与えるその他の影響について、睡眠や身体活動といった要因が疾病とどのように関連しているのかを含めて、Apple Watchのようなウェアラブルデバイスとその搭載センサーが他に何を伝えることができるかを検討するために拡大していく予定だ。

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:新型コロナウイルスマウントサイナイ医科大学Apple Watch

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Darrell Etherington、翻訳:塚本直樹 / Twitter

慶應大病院が全国のApple Watchユーザーを対象とする睡眠中・安静時の脈拍に関する臨床研究開始

慶應義塾大学病院が全国のApple Watchユーザー対象とする臨床研究開始、App Storeでアプリ配信

慶應義塾大学病院は2月1日、全国を対象とするApple Watchヘルスケアビッグデータの構築と医学的な網羅的解析を目的に、Apple Watchを利用した臨床研究「Apple Watch Heart Study」の開始を発表した。研究責任者は副病院長陣崎雅弘氏、実務責任者は循環器内科特任講師木村雄弘氏。

同院独自の研究用iPhoneアプリケーション「Heart Study AW」は、App Store(日本)よりダウンロード可能。同臨床研究の対象者は以下の通り。また参加同意後、いつでも自身の意思で同意を撤回し、参加を取りやめられる。

  • 日本語を理解できる20歳以上の日本国民の者
  • iPhone(iOS 14.0以降)、Apple Watch(watchOS 7.0以降)の利用者
  • 上記を利用し、App Store(日本)から研究アプリケーション「Heart Study AW」をダウンロードできる者
  • 同研究の参加に同意できる者
  • Apple Watchを睡眠中7日間装着し質問票に回答できる者

慶應義塾大学病院は、今回の臨床研究について類を見ない試みとしており、今後家庭でのデジタルヘルスケアと適切な医療との連携に貢献することが期待されるという。なお、本臨床研究は慶應義塾大学病院が行うもので、Appleが共同研究などで関与するものではない。

同院は、日常生活で着用し、血中酸素ウェルネスや脈拍数などの生体情報を自動的に計測・記録できるApple Watchが、心電図アプリケーションで心電図も記録できるようになり、家庭で可能な予防医療の幅が広がりつつあると指摘。同種の機器が取得するデジタルヘルスケア情報を医療に橋渡しするには、これら情報を集約したヘルスケアビッグデータベースを構築・解析して実際の医療に応用できる情報を抽出することが必要とされるという。

そこで同臨床研究では、Apple Watchの心電図アプリケーションで測定する心電図や脈拍などの様々なヘルスケアデータと、同院独自の研究用iPhoneアプリケーション「Heart Study AW」(App Store)で収集する睡眠・飲酒・ストレスなどに関する調査データを解析することで、睡眠中・安静時の脈拍と生活習慣との関連について、分析を行う。

また、アプリケーション経由でなされる「脈がとぶ」「脈が速い」などの動悸の申告を元に、心電図やヘルスケアデータの変化を解析するという。

心電図は心臓に異常がある時に記録することが重要なものの、病院での限られた検査時間中に症状や異常が現れない場合、病気を検出することが困難という。同研究により、家庭でApple Watchのような機器を使用し的確に心臓の異常を記録できるタイミングはどのような場合であるのかが明らかになり、病気の早期発見につながることが期待されるとしている。

同院に通院する患者対象の研究と、全国のApple Watchユーザー対象の研究の2種類で構成

同研究は、対象者の異なるふたつの研究から構成。そのうちひとつは、「Apple Watch Heart Study慶應義塾版」を利用したもの。同院に通院する心房細動患者の協力のもと、臨床現場で使用している心電図検査(2週間。Holter心電図、携帯型心電図)と、Apple Watchおよび心電図アプリケーションから得られる脈拍データと心電図との比較を行う。

また、ヘルスケアデータを睡眠・飲酒・ストレスとの関係に関して人工知能で解析し、どのような時に不整脈になりやすいかを推定するアルゴリズムを構築する。

全国のApple Watchユーザーを対象とした「Apple Watch Heart Study」では、睡眠中および可能な範囲での日中安静時のApple Watch装着と、動悸などの症状の記録の協力(7日間)を依頼。

慶應義塾大学病院が全国のApple Watchユーザー対象とする臨床研究開始、App Storeでアプリ配信

Apple Watchで収集するデータを活用し、日本におけるヘルスケアビッグデータの構築と解析を行うとともに、慶應義塾版で開発するアルゴリズムを一般国民のデータに対して適用。生活スタイルや申告された症状のデータに焦点を置いた解析を行うことで、適切な精度となるよう評価・改修を行う。

収集したデータは、学会や論文での発表を予定。取りまとめられた情報を医学雑誌、データベース(UMIN-CTR)上などに公表する場合には、統計的な処理が行われ、個人の情報は一切公表しないとしている。

なお同研究は、慶應義塾大学病院が内閣府より受託している戦略的イノベーション創造プログラム「AI(人工知能)ホスピタルによる高度診断・治療システム」研究開発事業(研究責任者:病院長 北川雄光)として実施。Apple提供の臨床研究用フレームワークを利用したアプリ開発の技術的サポートをAppleから受けている。また、ジョンソン・エンド・ジョンソングループBiosense Webster, Inc.のInvestigator-Initiated Study Programからの資金提供および指定寄附の支援によって実施される。

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タグ:Apple / アップル(企業)Apple Watch(製品・サービス)医療(用語)AI / 人工知能(用語)慶應義塾大学(組織)ビッグデータ(用語)日本(国・地域)

マスク着用中でもApple WatchでiPhoneのロック解除が可能に

Fitness+のAirPlayでのサポートに加えて、米国時間2月1日に配布されたiOS 14.5のデベロッパーベータでは、同モバイルオペレーティングシステムにいくつかの重要な新機能が追加されている。間違いなく最も重要なのは、フェイスカバーやマスクを着用しているユーザーのためのApple Watchによるロック解除機能だ。

この待望の機能は、これまで広く普及していなかったマスクがパンデミックにより世界各地で着用されるようになった約1年後に登場した。もちろんApple Watchは昔からMacのロックを解除する機能があったので、今回の統合はかなり理に適ったもののように思える。

iOS 14.5からApple WatchユーザーはiPhoneのFace IDとパスコードの設定より、ロック解除を選択できるようになる。この機能を有効にすると、Apple Watchは触覚によるブザーを鳴らし、装着者に端末のロックが解除されたことを知らせる。この機能を利用するにはApple Watchのロックを解除し、iPhoneに近接している必要がある。

もう、人前でマスクを下げるはない(Touch IDに懐かしさを感じている人もいるだろうが)。

この追加機能は、iOSの一般ユーザー向けバージョンのリリース時に組み込まれることだろう。また、Siriに緊急連絡先への呼び出しを依頼する機能や、開発者の許可が必要なアプリのトラッキングコントロールも含まれている。さらに新しいXboxとPlayStationのゲームコントローラーのサポートも追加されている。

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タグ:AppleApple WatchiPhoneiOS

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(文:Brian Heater、翻訳:塚本直樹 / Twitter

セレブがウォーキングをリードしてくれるApple Fitness+の新機能

Apple(アップル)が変化球を投げてきた。Fitness+(フィットネスプラス)アプリのPremierプランがローンチされてから1カ月半ほど経つが、同社はiOSの(そしてリビングルームの)範囲を超えた運動の新次元をもたらすアドオンの提供を開始する。

米国時間1月25日より、Fitness+のサブスクリプション登録者は、著名人のゲストが入れ替わりホストになってウォーキングをリードする「Time to Walk」(タイム・トゥー・ウォーク、歩く時間)が利用できるようになる(訳注:対象地域はアイルランド、米国、英国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド)。

初回の顔ぶれを見てもわかるとおり非常に多様なキャストが登場するこのアドオンは、本日のソフトウェアアップデートで実装される。最初の4人は、おそらく2021年の時点で最も広く愛されている有名人であるカントリーシンガーのDolly Parton(ドリー・パートン)、NBAのゴールデンステート・ウォリアーズのパワーフォワードだが、スポーツ選手ということですべての人に愛されているとはいい難いDraymond Green(ドレイモンド・グリーン)、ミュージシャンのShawn Mendes(ショーン・メンデス)、ドラマ「Orange Is the New Black(オレンジ・イズ・ニュー・ブラック)」のスターであるUzo Aduba(ウゾ・アドゥバ)だ。

画像クレジット:Apple

最初の4つのエピソードは、Apple Watch Workout(ワークアウト)アプリのアクティビティーカードとして提示される。実際、これらのエピソードは間もなく、アプリのフィードにカードで現れる。今後は、1週間に1つのペースで追加される予定だ。

この体験は、一見した限りでは、実にストレートなものだ。基本的にAppleは、ゲストに実際に歩いてもらいながら録音を行っている。アプリからは音楽が流れ、Apple Watchの小さな画面に画像が映し出される。彼らと一緒に歩いているような、ちょっとした没入感を与える工夫だ(だが、気が散るほどではない)。Apple Musicのプレイリストに曲を保存することもできる。エピソードも、聞き返したいときのために保存しておける。車イスを使っている人には、この機能は「Time to Push(押す時間)」として示される。これは、数年前にAppleがローンチした車イス向けフィットネスのトラッキング機能の上に追加される。

これを利用するためにはApple Fitness+のサブスクリプション登録が必要となる。部分的にApple One Premierプランに深く組み込また機能だからだ。またどちらも、ワークアウトの基本的な構成要素としてMusicなどの他のAppleのサービスと直接リンクされている。

私はよく歩く人間だ。時間と距離が許せば、クルマや公共交通機関は使わずに歩くことにしている。だが2020年は、ワンルームのアパートから外に出るいい訳として、またどこのジムも閉鎖されてしまったので運動する手段として、特にウォーキングが重要になった。率直にいって、パンデミックを生き抜くための大変に重要なファクターだ。

画像クレジット:Apple

歩くとき、私は音楽かポッドキャストを聞く。以前は「歩きながら瞑想」を試したこともあるが、結局その体験は「静かなる内省」を中心としたもので、59番街の橋を渡ってマンハッタンの中心部まで歩こうという気力を奮い立たせてくれるものではなかった。Time to Walkは、ある意味その逆だ。誰かと一緒に歩く擬似体験をさせてくれる。彼らが歩くとき、そこに意識の流れのようなものが伝わってくる。その途中で個人的な話をいろいろ絡ませてくる。もちろんこれは、多くの人、特にクリエイティブな仕事をしている人にとって、ウォーキングは頭を真っ白にするためのツールだという考えに基づいている。

「ウォーキングは世界で最も人気の高い運動であり、自分の体にとって、最も健康的な行動の1つでもあります。ウォーキングには、単に運動するという以上のものもあります。頭を空っぽにできる。問題の解決法を思いつく。新しい視野が開けるなどです」とAppleのJay Blahnik(ジェイ・ブラニク)氏はリリースの中で述べている。「このような困難な時期においても、多くの人に許された活動にウォーキングがあります。Time to Walkは、毎週オリジナルのコンテンツをApple WatchのFitness+にお届けします。ユーザーのみなさんがウォーキングの力を通して体を動かし続けられるよう、非常に多様で、魅力的で、セレブなゲストたちが、インスピレーションとエンターテインメントを提供します」。

以前のFitness+と同じく、この新機能も、世界各地(特に米国)がいまだにパンデミックによるシャットダウンに苦しんでいる今の時期をよく見計らって出されている。毎日、新たな変異種発見のニュースが伝えられ、これまで普通に行ってきたことが、やりにくくなってきている。Time to Walkは、私たちのウォーキングに楽しい仲間を加えてくれる取り組みだ。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:AppleApple WatchApple Fitnessフィットネス

画像クレジット:Apple

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(翻訳:金井哲夫)

SpotifyがApple Watchで直接ストリーミング再生可能に、iPhoneを持たずにランニングできる

Spotifyは米国時間11月3日、Apple Watchアプリでスタンドアロンストリーミングのサポートを開始したことを認めた。この機能のテストは2020年9月に発見されていた(9to5Mac記事)。SpotifyがApple Watchアプリをデビューさせた約2年後の登場となる

スタンドアロンストリーミングに対応しているため、ユーザーはiPhoneをテザリングしなくても、Wi-Fi接続や携帯電話経由でSpotifyの音楽やPodcastを聴くことができる。

スタンドアロンストリーミングに対応していないことは、Spotifyのコアなユーザーにとって不満だった。ランニングなどの運動しているときでも、iPhoneを持っていかなければならなかった。またiPhoneを持って歩くのが面倒なときもある。

これからは、Spotifyのユーザーは自分の手首からBluetoothヘッドフォンやAirPodにストリーミングできるようになる。

ただしアプリでは、一部のユーザーにはまだベータだと表示される。

Apple WatchのSpotifyアプリ(画像クレジット:TechCrunch)

Spotifyアプリのアップデートは9to5Macによって米国で発見された。9月のテストグループに参加していないにもかかわらず、より多くのユーザーがこの機能を目にするようになったという。

Spotifyは、Apple Watchでスタンドアロンでのストリーミング機能を提供する最初の音楽サービスではない。Apple(アップル)自身のサービスであるApple Musicに加えて、Pandoraが2020年2月にスタンドアロンでのストリーミング機能のサポートを始めている

この点においてSpotifyアプリは、YouTube Musicの先を行っている。YouTubeは10月中旬にストリーミング音楽サービスのApple Watch版を発表した(YouTubeブログ記事)ばかりだが、それはYouTube Musicアプリのリモコンのようなものだ。

SpotifyはTechCrunch宛の声明でローンチを認めたが、アップデートに関する公式の発表はまだ行われていない。

「私たちは、デバイスやプラットフォームに関係なく、ユーザーがいつでもどこでも好きなときにSpotifyを楽しめるようすることに注力している。最初のテスト期間を経て、現在はApple Watch上でSpotifyのストリーミング機能を展開しています」とSpotifyの広報担当者は述べている。さらにこの展開がグローバルなものであることも認めている。

Spotifyのウェブサイトによれば、直接ストリーミングするには、Apple Watch Series 3以降、watchOS 6.0以降(7.1以降推奨)と携帯電話接続またはWi-Fiのいずれかが必要になる。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:SpotifyApple Watch

画像クレジット: Spotify

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Apple Watchの「ソロループ」が本体を送り返さなくてもサイズ交換できるように

「アップルバンドゲート事件」と呼びたい人もいるかもしれない。Apple Watchの最新機種、Series 6を巡る最近のオンライン騒動だ。Solo Loop(ソロループ)の発表は、先週のイベントでちょっと目立った話題だった。時計のバンドがハードウェアイベントの中心になることなどめったにあることではない。

よくあることだが、発売されるやいなや返品が相次いだ。もちろんそれは、どんな新製品でもあることだが、ここではいくつかの理由で問題が複雑化している。まず、この締め具のないバンドは、いろいろな太さの手首にフィットするようにさまざまなサイズが用意されている。そして、店頭で試すことか難しい昨今の事情がことをさらにややこしくした。

返品した人たちは多くのイライラを募らせた。オンラインのサイズ測定で適切なサイズを見つけるのは困難だと多くの人が報告した。そして、返品するためにはApple Watch全体を送り返さなくてはならないことに、さらに不満を顕にし人がたくさんいた。

画像クレジット:Apple

その後アップルは問題の一部に対応することを発表した。まず、ユーザーは(時計全体ではなく)バンドだけを店頭または郵送で交換できるようになった。ただしそれは、自分に合うサイズの交換品があることが前提だ。アップルは一部のスタイルやサイズの在庫を揃えるのに苦労しているらしい。さらにアップルは、バンドの価格表を修正して、ぴったりのサイズを見つけるための追加情報を載せた。測定用ツール(ベルト見本)をプリントし、切り取って手首に巻く。決してハイテクでも理想的でもない方法だが、ピンチを脱するためには役立つに違いない。

ちなみに私はこのバンドをかなり気に入っている。つけ心地は快適で伸縮性のある素材がよく動きにフィットする。私はブレイデッド(組み紐)バージョンが特に好きだ。ただし、アップルは私の手首のサイズを三角測量したらしく何種類か送って試させてくれた。その中のひとつがぴったりだった。誰もが自宅でこんなことはできないので、上のツールを使ってできるだけ近いものを見つけることになる。

そしてもうひとつ、これは快適さだけの問題ではない。新しい血中酸素飽和度測定のように、適切にフィットすることを必要とする機能もあるので、ぴったり合っていないと別のイライラ体験をしかねない。

画像クレジット:Brian Heater

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple Watch Series 6ファーストインプレッション、血中酸素計測機能と新バンドソロループに注目

実際のところ、私は新しいApple Watchの完全なレビューにまだ取り組んでいる最中だ。本稿執筆投稿の時点では、私はまだ24時間未満しかこのデバイスを触っていない。正直に言うと、従来はアップルのイベント後のプレススクラムの中で、これまでよりもはるかに多くの時間を検証に割いていたので、今回の記事を完全なレビューと呼ぶのは抵抗がある。レビューを予定しているどんなデバイスでも、良質な時間を過ごすことが重要であり、ウェアラブルにとってそれは特に重要だ。

スマートウォッチという言葉を快適に使えるようになるまでには、スマートウォッチが生活の一部になっている必要がある。私はこれまでwatchOS 7をSeries 5にインストールして多くの時間を過ごしてきたので、OSとデバイスの間にある重要な違いのいくつかについては安心して議論することができる。

Apple Watchのデザイン言語は、長年にわたっていくつかの微妙な審美的な改良を加えながら、プロダクトラインの寿命を通して多かれ少なかれ一貫している。アップルがこれらの製品を何台販売してきたか、そして同社がこの分野をいかに支配し続けているかを考えると、なぜ同社がデザインを大幅に変えないのかは理解できるだろう。製造中止になったSeries 5と共通のDNAを多く持つ、低価格のApple Watch SEにとってはその価値は2倍になるかもしれない。

デザイン言語は変わっていないものの、ケースカラーにはいくつかの新色がある。従来のシルバー、スペースグレイ、ゴールドアルミニウムに加え、ブルーと新しい(PRODUCT)REDが加わった。アップルが私に送ってきたのはブルーで、正直なところ微妙で深い色合いにはちょっと驚いている。ほとんどの照明では、派手な色合いというよりも青みがかって見える。ほとんどのユーザーにとっては、それがベストなのかもしれない。深い青はどんな環境にもマッチしそうだ。一方、(PRODUCT)REDの実物はiPhoneの同色に近い色みだった。

そして、本当に目立つことを望むなら、さまざまな種類のバンドがある。これは依然としてApple Watch専用になっているが、現時点では市場には多くの選択肢があり、品質は別としてサードパーティーの選択肢も多い。正直なところ、1週間ほど経って破れたもので最近ひどい目にあったサードパーティー製バンドもあるのだが。今回追加されたバンドの中では、おそらく「ソロループ」シリーズが最大の注目で、バックルやマジックテープなどがまったくないのが特徴だ。

ソロループとブレイデッドソロループの2つの主要なスタイルとたくさんの異なる色があるが、私はどちらかというと編み込まれたブレイデッドソロループが好きだ。今回登場したものは私の好きな布バンドによく似ているが、少しデザインが異なる。価格は、ソロループが5280円(税別4800円)、ブレイデッドソロループが1万780円(税別9800円)。

ちなみに私は、ストレートなシリコンモデルは好きではないし、ゴム状シリコンバンドのファンになったこともない。一方でソロループは伸縮性に優れており、12種類のサイズの中から自分に最適なサイズを選びたいと思う。自宅で計測して注文することもできるのだが、近くのアップルの直営店が営業しているのであれば、店舗でサイズ調整したほうがいいだろう。

ハードウェア面でのSeries 6の最大の追加は、血中酸素(血中酸素飽和度)センサーだ。アップルは同機能を提供する最初のスマートウォッチメーカーではないが、新型コロナウイルスの感染蔓延の中で、より多くの人々がこのような数字に注目している。

【Japan編集部追記】血中酸素飽和度は、血液中の酸素の量を示す。正常値で99~96%。体に疾患があったり体調不良などを起こしていると数値が低下する。医療機関などで人差し指や中指に挟み込んで利用するパルスオキシメーターを同様の機能を提供するが、医療機器として認定されているかどうかは別問題。なお、日本国内では現在のところ医療機器としては認定されておらず、あくまで健康と運動の状況を自己把握するための目安だ。

この新しい血液酸素センサーは、Apple Watchの文字盤の裏にある4つのLEDクラスターと4つのフォトダイオードで構成されている。完全に再設計されたバッククリスタルに組み込まれたこの新しいセンサーは、「血中酸素」アプリと連動して血中酸素濃度を測定する。検査はバックグラウンドで行われるが、アプリを使って手動で計測することもできる。計測には約15秒かかるが、手の動きの量やバンドの締め具合や位置など、正確な計測には注意点がたくさんある。実際に私は何度か繰り返して計測しなければならなかった。

アップルは、血液中の酸素濃度が実際に何を意味するかについて、もっと状況に即した情報を提供してくれれば素晴らしい。私が思うに、大多数の人々は何が健康レベルを構成するのかを知らない。とはいえ、ずっと歩くのは難しいし、健康状態のレベルは個人差があり、アップルは人を診断しようとは考えていないだろう。しかし同社は、健康モニタリングに関して新型コロナウイルスについて何度か言及している。

Apple Watchは初期の研究にも参加していたようだが、残念ながら明らかな理由から新型コロナウイルスへの感染を確認することはできない。むしろ、ほかのバイタル機器と同様に、潜在的な健康問題を早期に発見することができるだけだ。なお、廉価版のApple Watch SEはECG(心電図)モニタが搭載されていない点には留意してほしい。

新Apple Watchシリーズの発表と、これまでのハンズオンで一番残念だったのは、バッテリー寿命があまり変わっていないことだ。私は今回アップルが、新しい睡眠トラッキングと同時に大きなアップグレードを発表することを本当に望んでいた。バッテリー容量がアップしなかった代わりに、アップルはユーザーは寝る直前か、朝にApple Watchを充電することを提案する機能を搭載した。就寝前に充電が必要な場合、watchOSが警告をポップアップ表示するのだ。

バッテリーについては、初期の段階ではわずかにアップグレードしたとの報道もあったが、公式発表では寿命は18時間でSeries 5と同じだ。私はこの記事を書いている時点で約8時間半のために時計を着用しているし、セルラー回線も利用して残量は74%になっている。アップルによると「Series 6が搭載するS6プロセッサは前モデルよりもバッテリー効率がいい」としている。また前モデルに比べてより速く充電できる点には注目だ。約90分でフル充電になるので寝る前に満タンにしておくこともできる。

Fitness+サービスは悲しいことに少し待たなければならないが、睡眠トラッキングとフィットネス機能の詳細については楽しみだ。私は時計のベルトを下にしてひと晩使ってみた。どうやら私は7時間31分寝たようです。それは今週の、TechCrunch主催イベントDisrupt 2020と、アップルの新製品ラッシュの疲労によるだろう。これまでのところ追跡はかなり基本的なものだが、時間がたてばもっと充実した情報が提供されるだろう。いまのところ、iOS側の新しいベッドタイム機能に加えて、ベッドでの時間と睡眠時間に制限されている。もちろん、一晩の心拍数も随時計測してくれる。

【Japan編集部追記】Fitness+のサービスは、Apple Watchですでに測定可能な、心拍数、消費カロリー、走行速度、走行距離などのさまざまな健康データに基づいて作られている。このサービスには、iPhone、iPadまたはApple TVで見ることのできる数多くのワークアウトビデオが入っている。ユーザーがビデオを開始すると、Apple Watch側で対応するワークアウトアプリが自動的に動き出す。サービスは、オーストラリア、カナダ、アイルランド、ニュージーランド、英国、および米国で今年中にスタートするが、日本での提供は未定となっている。

watchOS 7で導入された手洗い機能はそれなりに機能するが、バスルームの音響やシンクにはまだ多くのバリエーションがあり、指の間で石鹸がつぶれる音を聞いているときでも問題になることがあった。私の場合は、バスルームのシンクに少し問題があったのかもしれない。

しかし、洗面所で手や皿を洗うと15秒のカウントダウンが自動的に始まったのはうれしかった。「ヘルスケア」アプリでは、手洗いの平均時間や1日あたりの回数など、時間の経過に伴う指標を収集してくれる。予想されるのは奇妙なことだが、アップルが指示するタイミングは最高だった。

これまでのところ、Series 6はApple Watchの飛躍的な前進ではない。しかし、アップルがユーザーの健康について真剣に取り組んでいるのは評価できるポイントだ。Fitness+が利用可能になったときにハードウェアを見直すのは素晴らしいことだ。

Series 6は、40mmサイズのセルラー版が5万9180円(税別5万3800円)から、GPS版の40mmサイズが4万7080円(税別4万2800円)からで発売される。一方、SEも40mmサイズのセルラー版が3万8280円(税別3万4800円)、GPS版が3万2780円(税別2万9800円)からとなっっている。旧モデルで併売されるSeries 3はGPSモデルのみで、38mmサイズが2万1780円(税別1万9800円)からとなっている。

完全なレビューは、新しいApple Watchを実際に長期間使用したあとだ。

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アップルハードウェアイベント

画像クレジット:Brian Heater

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Gillmor Gang:テーブルステークス

Magic Keyboardを搭載した11インチのiPad Proがかなり気に入っている。毎日が土曜日のようなパンデミック禍の世界では、タブレットが王様だ。生活の混沌とした流れの中で確実なものがなくなり、方向性の規準は、どのような形でも価値がある。適切な環境作りは任意とはいえ必須だ。大局的な戦略はナイアガラの滝だが、筆者はゆっくりと、一歩一歩、少しずつ方向を変えた。どういうことか?

まず、タブレットは他のデバイスと一線を画している。ラップトップとスマートフォンの中間に位置しているため、何らかの妥協が必要だろうか。そうではない。ワークフローにステップを追加するたびに、一貫性のある全体として再構成される。次の通知が支配的な世界では、コンテキストスイッチが切り替えを行い、ハンドオフはない。ほんの1分程度でiPadは簡易媒体となる。電話が鳴る。Apple Watchで取り急ぎ応答し、iPadで左上にある電話アイコンをクリックして電話として使う。

説明も議論もするまでもないかもしれないが、このプラットフォームの反復的な改善を積み重ねることで、実質的な生産性をある程度達成できる。企業向けのものでも、メディアハッカー向けのものでもないが、この新しいデジタル世界の中で環境を形作る上での明らかな進歩を実感している。筆者は徐々に、しかし確実にプロセスをiPad Proに移してきた。Gillmor Gangのプロダクション、より正確には、編集、ミキシング、レンダリング、投稿、注釈付け、テスト、すべてが単一のデバイス上で行われるようになった。

初めの段階で、Macでしか動かないという理由から、編集プラットフォームとしてFinal Cut Proは使わないことにした。LumaFusionよりパワフルだが、iPadにソフトウェアを接続するとiOS 13とFilesアプリの新機能が光る。Magic KeyboardにはUSBコネクタが搭載されており、外付けドライブを接続できるが、OS/10と同じように使うには少し手間がかかる。内蔵カメラがあるMacならZoomからすぐにファイルを移動可能だ。

ランドスケープモードのディスプレイの側面にカメラを設置するような形で、Appleがこうした機能上の支障の解決方法を提供するのではないかと考えていたが、Magic KeyboardはiPadをポートレートモードにすることはできず、16:9のZoomも機能しない。とはいえ、これまでのキーボートとは異なり、Magic Keyboardはバックライトキーを採用している。わずかにパワー不足のキーボードではあるが、今ではiPad Proがメインのライティングツールになり、MacBook Airを上回っている。Magic Keyboardは300ドル(3万1800円)と高価だが、Appleの細部へのこだわりがあり、プラットフォームの進化に信頼性を感じている。

Magic Keyboardに搭載されているトラックパッドも同じように、実用面で特異的な要素がある。画面のタッチプラットフォームとMacのテキスト編集精度を載せた天秤は揺れ動く。しかし、この2つの世界の間をナビゲートする方法をすぐに学ぶことができ、将来的には機能的なハイブリッドの要素に基づいて実装が構築されるだろうと直感する。筆者はMac OSとiOSの将来についてマスコミの意見を追ってきたが、今ではパワーシフトが終わったという観測に落ち着いてきている。IntelからAppleの社内チップに移行することによるプライスパフォーマンスが見込まれるからだ。

あるいは、モジュール化されたアプリやサービスのプロセスフローを保持したい気持ちからくるモメンタムが問題を処置している感覚もあるかもしれない。筆者はQuipを使って記事を書いているが、iPad版にはMac版のような文字数カウント機能がない。そこでAppleに標準搭載されているPagesアプリの機能を模索し、解決策を得た。これらの共通サービスはすぐにテーブルステークスになると予想している。

iPadには、技術的な表層の下に方向性を持った進化の力が見える。全体的な視点でとらえると、バックライト付きキーボードは取るに足らないもののように思えるが、Appleはこのプラットフォーム上で何が支障となっているかを十分に認識しており、Work From Anywhere(働く場所を自由に選べるデジタルワークプレイス)の局面で必要となる将来の拡張機能を見据えている。大きなアイデアだけでなく小さなアイデアを着実に採用することで、予期せぬ変動やわずかな障害も封じ込める変革の巨匠へと成長していく。自身のコンピューティング体験を仮想化するためにツールと方策の統合に多くの時間を費やしたが、今のこの時節、こうした些細な積み重ねが重要な意味を持つのだ。

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Gillmor Gang出演者:Frank Radice(フランク・ラディス)、Michael Markman(マイケル・マークマン)、Keith Teare(キース・ティアー)、Denis Pombriant(デニス・ポンブリアント)、Brent Leary(ブレント・レアリ―)、Steve Gillmor(スティーブ・ギルモア)。2020年9月4日(金)にライブ撮影。

制作・監督:Tina Chase Gillmor(ティナ・チェース・ギルモア)@tinagillmor

@fradice、@mickeleh、@denispombriant、@kteare、@brentleary、@stevegillmor、@gillmorgang

詳しくは、Gillmor Gangニュースレターを購読するか、こちらからTelegramのグループに参加して通知フィードを受け取ってください。

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(翻訳:Dragonfly)

アップルがスマートウォッチ「Apple Watch Series 6」「Apple Watch SE」を発表、9月18日発売

アップルがスマートウォッチ「Apple Watch Series 6」「Apple Watch SE」を発表、9月18日発売

アップルは9月16日、スマートウォッチ「Apple Watch Series 6」、「Apple Watch SE」を発表した。それぞれ発売は9月18日予定。

Apple Watch Series 6の税別価格は、GPS+Cellularモデルが5万3800円から、GPSモデルが4万2800円から。Apple Watch SEは、GPS+Cellularモデルが3万4800円から、GPSモデルが2万9800円から。

Apple Watch Series 6

Apple Watch Series 6は、血中酸素濃度センサーと常時表示Retinaディスプレイを搭載。

Apple Watch Series 6の裏蓋にあるクリスタルには、緑色と赤色のLEDと赤外線LEDの4つのクラスターと、4つのフォトダイオードが組み込まれており、これらが血中酸素濃度センサーとして機能している。LEDが手首の血管を照射すると、フォトダイオードがその反射光の量を読み取る。これらは、血中酸素濃度アプリとの連携により、体に取り込まれた酸素レベルのチェックをはじめ、通常よりも高い(または低い)心拍数を検知した時のアラート発信に利用可能。現在の心拍数を測定することもできる。

アップルがスマートウォッチ「Apple Watch Series 6」「Apple Watch SE」を発表、9月18日発売

常時表示Retinaディスプレイはスリープ状態にならず、画面の情報をいつでも確認可能。表示領域は、44mmケースが368×448ピクセル、40mmケースが324×394ピクセル。腕を下げている場合でもApple Watch Series 5に比べて最大2.5倍明るく、屋外でも視認しやすくなっている。

また、iPhone 11搭載SoC「A13 Bionic」をベースとする64bitデュアルコアプロセッサー「S6 SiP」を採用しており、最大20%高速化しており、18時間のバッテリー駆動時間を実現した。「Ultra Wide Band」(UWB)と呼ばれる無線通信に対応するU1チップおよびアンテナを内蔵しており、自動車の鍵としての利用も想定している。50メートルの耐水性能も備える。

アルミニウムケース、ステンレススチールケース、チタニウムケースといったケース3種類およびカラーバリエーション、各種バンドも発表された。

Apple Watch SE

Apple Watch SEは、いわばApple Watch Series 6の廉価版にあたり、Retinaディスプレイを搭載。血中酸素濃度センサー(血中酸素濃度アプリ)と電気心拍センサーは採用していないものの、高心拍数と低心拍数の通知や現在の心拍数測定は可能。

またプロセッサーは、64bitデュアルコアプロセッサー「S5 SiP」を内蔵している。50メートルの耐水性能も備える。

アップルがスマートウォッチ「Apple Watch Series 6」「Apple Watch SE」を発表、9月18日発売

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Apple Watch Series 6は血中酸素飽和濃度が測定可能
Apple Watch Series 6は血中酸素飽和濃度機能を搭載、(PRODUCT)REDモデルあり
アップルのハードウェアイベントのライブ中継はここで観られる(日本時間9月16日午前2時から)