ボーイングが州の在宅命令に従い中型ジェット機787の生産を中断

米国時間4月6日の発表によると、Boeing(ボーイング)は知事の在宅命令に従って南カリフォルニア工場におけるボーイング787の生産工程をすべて中断し、実質的に同社の商用航空機の製造を完全に休止する。

休業は4月8日の第2シフトの終わりに始まる。

ボーイング787担当の同社副社長Brad Zaback(ブラッド・ザバック)氏は「我々のチームメイトの健康と安全を守り、州全体のウイルスの拡大と、我々のグローバルなサプライチェーンの信頼性に対するその影響、ひいてはそれらが787の事業にもたらす影響を評価することは、我々の責務である」。

ボーイングはすでに、シアトル地域の工場を閉鎖している。米国時間4月5日に同社は、ワシントン州のピュージェットサウンド地域とモーゼズレイクの工場における今後の生産も次の発表があるまで中断すると発表している。それらの閉鎖はワシントン州における新型コロナウイルス(COVID-19)の拡散と、それによるサプライチェーンの不安定化が原因だ。

787の生産再開の日程は発表されていないし、同社のその他のオペレーションに関するガイダンスもない。

Boeing South Carolina(BSC)の社員でリモートワークが可能な者は、それを継続する。それができない者は10日間の有給休暇になる。同社によると、それは規定の倍の期間という。閉鎖がさらに続くようなら、従業員は有給休暇の継続または、退社による緊急時失業保険のどちらかを選ぶことになる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

新型の超音速飛行機2機種とスペースプレーンをStratolaunchが発表

航空機を高高度で空中発射させるスタートアップStratolaunch(ストラトローンチ)は、いくつかの変遷を経験しつつも、3月30日、超音速飛行機2機種とスペースプレーン1機種の詳細なデザインを公開した。どちらも同社の航空母機から発射される。すべて計画通りに進めば、試験飛行は、この3つのうちいちばん早いもので2022年に始まる。そこまでの資金は十分にあると同社は話している。

Stratolaunchは、もともと2011年にMicrosoftの共同創設者Paul Allen(ポール・アレン)氏によって設立された。アレン氏は惜しくも2019年に亡くなり、現在この会社は、Steve Feinberg(スティーブ・フェインバーグ)氏率いる投資家グループによって運営されている。だが新しい経営陣も、大気圏を飛ぶ超音速飛行機を開発するという設立当初と変わらない目標を掲げている。

3月30日の月曜日、同社はそのミッションを拡大し、貨物も人も運べる新型スペースプレーンによる宇宙飛行に進出することを発表した。機体は完全に再利用可能。つまり、貨物を搭載して通常の滑走路で離着陸できる能力を有していることを意味している。

だが、Stratolaunchの最初の目標は、超音速自動航行飛行機Talon A(タロンA)を実現させることだ。こちらもまた完全に再利用可能なタロンAは、全長はおよそ28フィート(約8.5メートル)、翼長は11.3フィート(約3.4メートル)。1分間以上の超音速モードで飛行し、自動航行により通常の滑走路に着陸させることを目的とした実験機だ。Stratolaunchの航空母機から発射できるが、通常の飛行機と同じように、滑走路から自動航行での離陸もできるよう設計されている。

この飛行機の第1の目的は、さまざまな機器を搭載して超音速飛行中のデータを収集するテストベッドになることだ。これまでシミュレーションでしか得られなかった状況を現実に体験する、事実上の実験室となる。Stratolaunchの航空母機からは、最大で同時に3機のタロンAを発射できる。

より大型の超音速機Talon Z(タロンZ)については、その性能と目的に関する詳細は明かされなかった。スペースプレーンBlack Ice(ブラックアイス)も、軌道上での実験手段を求める顧客にその機会を提供することが主な目的のようだ。だが、貨物の積載量と、将来的に人を乗せる場合の搭乗員数を考えると、実際に地球軌道上での運輸業に適している。さらに衛星配備の能力も備えていそうだ。

Stratolaunchのブラックアイスを使った取り組みは、Virgin Galactic(バージン・ギャラクティック)とVirgin Orbit(バージン・オービット)が行おうとしている商用有人宇宙飛行と小型衛星の運搬に近いものがある。この2つのVirgin系企業も、通常の滑走路から離陸する航空母機から宇宙船を発射する方式だが、開発計画はずっと先を行っている。Stratolaunchも、航空母機の最初の試験飛行を2019年に成功させた。彼らは、2023年のタロンAによる商用サービス開始を目指している。

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(翻訳:金井哲夫)

Google Travelで目的地のアクティブな旅行情報や航空会社のキャンセルポリシーが強調表示に

Google(グーグル)は米国時間3月24日、モバイルとデスクトップの両方のGoogle Travelに小さいが重要な機能を追加したと発表した。

Google Travelでフライトやホテル、アクティビティを検索すると、目的地のアクティブな旅行情報がハイライト表示されるようになった。さらに、現在のCOVID-19こと新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、ほとんどの航空会社がフライトの変更やキャンセルのポリシーを変更しているため、Googleはフライト結果ページに航空会社のポリシーへのダイレクトリンクを追加した。

これらは小さな変更だが、残念ながら必要なものだ。誰もが現在の米国務省によるレベル4の「旅行すべきでない」という勧告を知っているだろうが、今後数カ月の間にいくつか地域でポリシーが変更され、あるいは他の地域では変更されないだろう。

航空会社については、新型コロナウイルスのパンデミックへの対応がまだ流動的であることは、注目に値する。例えば多くの会社は現在、5月に予約されたすべての便をキャンセルできるように、キャンセルポリシーを延長している。またほとんどの航空会社が当面の間、限定的なフライトスケジュールで運航しているが、航空業界がこの危機の影響に対処しようとする今後数週間のうちに、この状況は容易に変わる可能性がある。

航空会社間のポリシー変更に対応するため、Googleはヘルプセンターで新しい文書を公開し、ほとんどの主要航空会社のポリシーへのリンクを掲載している。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

UPSとドイツのWingcopterが共同で配達用多目的ドローンを開発

宅配大手のUPSがドイツのWingcopter(ウイングコプター)と共に、新しいタイプの配達用ドローンを開発している。米国でも世界でも今はロジスティクス企業のドローンによる配送が増えているが、新型機はその方面の需要を狙っている。Wingcopterはすでに電動の垂直離着陸機(eVTOL)を設計しており、最大航続距離約120kmで、許容最大風速は70mで最大約240km/hでフライトさせることができる。

Wingcopterは、UPSのドローンデリバリ子会社Flight Forwardと提携する。昨年の7月にできたこの子会社が、UPSの商用ドローンデリバリ事業を担当する。2019年10月にFlight ForwardはFAA(連邦航空局)から、荷物配達用ドローン専門の航空会社として認可を得ている。

Wingcopterはすでに、ドローンの商用利用のデモを終えており、例えば2020年始めに製薬企業Merckとのデモで、同社の自動操縦eVTOLによる小型荷物のドイツ国内Merk事業所間の配送に成功した。また、UNICEFなどの救援団体とのパートナーシップにより、僻地に医薬品や救命器具などを運んだ経験もある。

このコラボレーションには、Wingcopterの航空機を米国における商用配送に使用する認可を得る目的もある。認可が下りれば、今後両社はこの垂直離着陸タイプの多様な機種を開発して、いろんなニーズに応えていくだろう。ヘルスケアやホスピタリティ、小売業など、想定される需要分野は少なくない。

Wingcopterの主な利点は、ホバーリングや垂直離陸から低ノイズの前進飛行に切り替えができることだ。そのため人口過密地帯での利用に適している。同社のティルトローターの設計は、この垂直飛行と水平飛行をスムーズに切り替えられるだけでなく、雨や強風といった悪天候下でも安定飛行できるという利点もある。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ソニックブームのない音速飛行へ、NASAの超音速機X-59の仮想コックピットのテストが完了

NASAは研究開発用の超音速航空機「X-59」で、最終的には静かな超音速飛行による商業航空の実現を目指している。同機はこのほど、パイロットに大空の完全に仮想的な視野視界を与えるシステムのテストに成功し、夢の実現に一歩近づいた。

そのシステムはeXternal Visibility System(頭字語の先頭にXを付けたがるNASAの好みに合わせるとXVS)と呼ばれ、前を向いたカメラとディスプレイの組み合わせにより、拡張現実で増強された視野視界をパイロットに提供する。その拡張現実、すなわちARが提供する情報は目的空港へ向かうためのガイダンスや、空域に他の航空機が入った場合の警告や警報、離着陸の際のさまざまな情報や重要な合図などだ。

コックピットに座ったパイロットの前には4Kのモニタがあり、センサーと4Kカメラが捉えた情報がそこへ出力される。機体の下部にもカメラが収納されており、着陸時などの低速飛行の際に出てきて重要な視野視界を提供する。

XVSは最初、テスト機Beechcraft King Air UC-12Bに搭載して検証され、搭乗したパイロットがディスプレイを見ながら他機の検出機能を確認した。テストには、このままでは衝突しそうな非常に難しい状況も含まれた。

そもそもなぜXVSのようなものが必要かというと、X-59は大音響のソニックブームのない静かな超音速飛行を目指しているので、機体のデザインに今の商用機と違って完全に近い流線型を採用したからだ。だから従来機のような上部の操縦室の出っ張りなどがない。操縦室は完全に仮想化されている。規制をクリアして超音速機が陸地の上や人口過密地帯の上空を商用機として飛ぶには、静音が絶対的な条件だ。

X-59には前面の窓はないが透明な天蓋はある。そしてテストパイロットによると、XVSがもし失敗しても天蓋からの視野視界と航空機のセンサーおよびアビオニクスシステムからの情報を利用して飛ぶことはできる。

現在建造中のX-59はLockheed Martin(ロッキード・マーティン)が作っていて、最初のフライトは2021年を予定している。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

空飛ぶタクシーのLilium、AudiとAirbusの元幹部を招聘

未来的な空飛ぶタクシーサービスのための垂直離着陸機を開発するLiliumは、AirbusAudiから大物の元幹部を招き入れ、テクノロジーを向上し市場にサービスを提供する準備を進めている。

Mirko Reuterは、Audiで自動運転の責任者を務めていた人物で、無人飛行の責任者として取締役に就任する。Jakob Waeschenbachは元Airbusの機器組立責任者、Rochus Moenterは元Airbusの財務・投資部門担当副社長で、それぞれ飛行機組み立て責任者、および法律顧問・法務責任者としてLiliumに加わる。

Liliumは2015年にDaniel Wiegand、Sebastian Born、Patrick Nathen、およびMatthias Meinerによって共同設立され、そのビジョンは独自の垂直離着陸機のネットワークを構築することで航空移動のコストを削減し、パリからロンドンまで乗客を1時間以内に運ぶことにある。

Audiで長年自動運転の長を務めたReuterは、無人航空機システムに必要なプロセスと技術の開発を受け持つと同社は声明で述べた。

「私は、社会のあらゆる分野で広く使われる効果的で利用しやすい輸送を可能にする革新的サービスを開発する、という当社のミッションに全力を注いでいる。Liliumは新しい革命的な輸送手段を開発しており、その一端を担えることを非常に嬉しく思っている」とReuterが声明で語った。

Liliumは2019年に最初の機体を送り出す準備を整えるなか、経営チームを強化していると記事は伝えている。2017年、同社は9000万ドルの新たな資金調達を行い Tencent、国際民間銀行資産管理グループの LGTAtomico、Skype共同ファウンダーのNiklas Zennströmが設立したLiliumのSeries A支援者、およびTwitterのEv Williamsが共同設立した初期ステージVCファンドのObvious Venturesらが出資した。

こうした投資や有力幹部の入社は、益々競争の激しくなるこの業界でLiliumのビジネスに信用を与える(そう、空飛ぶタクシー業界は競争が激しい)。

ドイツの自動車メーカーDaimlerは、Volocopterを支援する投資家コンソーシアムに参加して約2850万ドルを出資し、配車サービスのUberはブラジルのEmbraerやスロベニアのPipistrelと組んで、独自の空飛ぶタクシーを開発している。実は飛行機メーカーのAirbusも、独自の無人空飛ぶタクシーVahanaを開発中で、数年のうちに市場に出したいと考えている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

飛行車PAL-V Libertyの実生産バージョンがスイスのモーターショーに登場した

飛行車は意外と身近に迫ってきている。たとえばPAL-V Libertyは、スイスのジュネーブで行われたモーターショーで実際に見て触(さわ)れる実物だ。この空中飛行車の実生産バージョンがショーで展示されるのはこれが初めてだが、われわれは運良く見ることができた。

PAL-V Libertyの外観は、航空機というよりも自動車的だが、路上というよりも超特殊なサーキットで見かけるかもしれないようなレースカー、といったところ。細いボディーの前の方に二つのシートが横に並んでいるが、これはふつうのデザイン。そして飛行用の折りたたみ式回転翼が上にある。

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この車は、エンジンが路上用と飛行用の計二基ある。そして実は、‘ジャイロプレーン’(gyroplane)と呼ばれるクラシックな航空機のデザインをベースにしている。それは、空中を航行できることが実証されているデザインだ。しかもPAL-V Libertyは、ヨーロッパではEASAの、アメリカではFAAのルールに従って飛行できることが認められている。また、路上の安全基準も満たしている。

ただし、飛ぶためにはパイロットの免許が要る。離着陸には小さな飛行場+滑走路も必要だ。飛行モードとドライブモードの切り替えに5−10分を要するが、広い空き地を持ってる人なら、それも気にならないだろう。

お値段は40万ドルからだ。上に書いたいろんな要件のほかに、銀行の協力も必要かもしれない。最初の予約購入者にキーを渡せるのは2019年、それまでにすべての検定をパスしていればね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

肉眼で見えないドローンを見つけるDedroneがAirbusと組んで空港など広い領域でドローン発見に一役

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飛んではいけない、あるいは飛んでいてほしくない空域を飛んでるドローンを、人間の肉眼以上の能力で検出するDedroneが、民間航空機のメーカーAirbusの電子部門とパートナーして、広い空間や遠い場所におけるドローン検出機能を提供することになった。

Dedroneの技術がAirbusの長距離レーダー技術と統合される。後者は地上のセンサーと、クラウド上のデータ分析/報告ソフトウェアにより、構成されている。

そのレーダーと(それからのデータ)により、Dedroneのドローン検出システムのレンジが、無障碍の空間では最大3キロメートルまで拡大される。DedroneのCEO Joerg Lamprechtはそう語る。

Dedroneの標準のハードウェアは、主に分散的に利用されている。すべてのデータセンターにセンサーがセットアップされ、それらの周辺には木々や外国の大使館、企業の敷地、スタジアムなどもある。それらの中には、ドローンによる盗み見行為を禁じたい施設や敷地などもある。…広い範囲の分散利用が適しているケースだ。

しかし、空港や水処理施設、原発、自動車のテストコースなどの大規模施設では、分散よりもAirbusのレーダーが提供するような長距離の検出能力を、集中的なセットアップで利用したい。

Lamprechtによると、“わが社のシステムにはいつも、市場で手に入る最良の技術を統合している。監視カメラやマイクも使うし、周波数スキャナも使う。そして今回は、Airbusのレーダーの能力を使い、新しい業界に利用を広げる”、ということである。

Dedroneはドローンを見つけてモニタリングするだけで、撃墜や特定領域への進入妨害行為はしない。

システムをオープンにし、今回のAirbusの場合のように新しいハードウェアやデータソースを統合できるDedroneは、これからもますます、いろんな物理的ないし空域的なセキュリティシステムと併用されるだろう。たとえばドローンが重要なインフラに衝突する前に妨害する装置との、協働もありえる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))