GoogleがAWSからの移行促進のためデータインポートツールOnline Cloud Importを提供

Googleは今日(米国時間6/20)、他のクラウドからデータをインポートするツールOnline Cloud Importを立ちあげた。AWSのストレージサービスS3や、そのほかのHTTP/HTTPSサーバからGoogleのCloud Storageへの乗り換えを勧誘することがねらいだ。今現在はユーザ数を制限したプレビューなので、使ってみたい人はここで登録をする。

Google、Microsoft、Amazonなどを筆頭として今はクラウドコンピューティングサービスの競争が激しくなっているので、デベロッパは多くのイノベーションと料金の値下げという漁夫の利を享受している。多くのサービスが、自社プラットホームへのロックインはない、と宣伝しているが、引っ越しはそれほど簡単ではない。

それはまだ当分変わらないと思われるが、しかしOnline Cloud Importは、AWSからGoogleのCloud Platformへのデータの移送は、同社の“高性能なネットワークにより”容易である、と主張している。

このツールはGoogle Cloud Storageへ単純にデータを転送するだけでなく、バックアップのセットアップもする。また、ファイル作成日やファイル名などでフィルタリングして、特定のデータだけを移送することもできる。

また、当然かもしれないが、S3(など)からGoogleへ、という移送は行うが、その逆はサービスしてくれない。

Googleのデータインポートツールは前からあるが、ユーザフレンドリな、という形容詞を付けられるのは今回のが初めてだろう。10TB未満のデータ転送には、コマンドラインツールgsutilを使うことを、Googleは推奨している。またデータ量が数百テラバイトを超える場合は、ハードディスク本体ををGoogleのアップロードセンター(スイス、日本、インド、合衆国)に送るべきだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


AmazonもEBSでSSDストレージをローンチ―料金はGoogleより安く、3000 IOPSをサポート

GoogleがSSDベースのクラウド・ストレージリリースした翌日の今日(米国時間6/17)、 Amazonもこれと非常によく似たSSDストレージを発表した。Elastic Block Store (EBS)においてこの新しいGeneral Purpose SSDボリュームは、標準的なHDDベースのボリュームとすでにSSDを導入している高価なProvisioned IOPSボリュームの中間に位置づけられる。

EBSはパーシステント・ストレージを提供するAmazonサービスで、そのボリュームはEC2クラウド・コンピューティングのインスタンスから利用できる。

今回新設されたGeneral Purpose SSDボリュームはProvisioned IOPSと異なり、入出力に関して追加料金ないし前払い料金を一切必要としない。データセンターはオレゴンとバージニアが利用でき、料金は1月1GBあたり0.10ドルから。他のリージョンからの料金はこれよりやや高くなるが、それでもGoogleのSSDストレージの1月1GBあたり0.325ドルよりずっと安い。

Amazonはこのタイプのストレージはボリュームあたり 毎秒3000回の入出力(IOPS)バーストを30分にわたってサポートできると約束している(ボリュームのサイズにはよらない)。Provisioned IOPSボリュームは48000 IOPSが可能だが、これはほとんどのアプリケーションで過剰性能だろう。新しいgeneral-purposeボリュームはAmazonがProvisioned IOPSのために開発したのとと同一のテクノロジーを用いているという。

Amazonによると、SSDベースのボリュームはHDDベースに比べて10倍のIOPSを処理でき、レイテンシーは10分の1、パフォーマンスの安定性も高いという。またこの新しいSSDベースのボリュームはバーストモードで3000IOPSを処理できるため、HDDにくらべてブート時間が半分になるとしている。

Amazonは今後SSDストレージをEBSの標準オプションとしていく方針のようだ。これまで標準であったHDDベースのストレージは今後はEBSMagneticボリュームと呼ばれる。”

昨日、SSDストレージを発表した際にGoogleは「入出力に対して追加料金を課さない」ことを強調した。Amazonが新しいSSDストレージでも入出力に料金を課さず、単純なストレージ容量のみの従量制ととしたのはおそらく偶然ではないだろう。デベロッパーはこれまでもAmazonの料金システムが複雑過ぎると不満を漏らしてきたが、SSDストレージの料金システムはAmazonが今後より単純な従量制に移行する前触れなのかもしれない。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


グリーンピース、Amazonを叩き、Apple、Google、Facebookを賞賛(最新レポートによる)

環境監視団体のGreenpeaceは、世界の有力インターネット企業の環境成績に再び注目し、この 最新レポートによると、Apple、Facebook、およびGoogleが環境に優しい電力によるインターネットを率先しているのに対し、Amazon、具体的にはAWSが全員の足を引っ張っている。

AWSは、世界最大級の分散型ホスティングサービスだが、その二酸炭素排出量の詳細は、同社顧客にも一般にも公開されておらず、これがGreenpeaceのランク付けルールに抵触した。Amazonは同レポートで最も透明性の低い会社であるだけでなく、同団体の独自調査によると、わずか15%しかクリーンエネルギー源を使っていない。Greenpeaceは、エネルギー成績に関して同社はライバルから離される一方であると言っている。

成績上位者たちは、はるかに多くのクリーンエネルギー源を使い、石炭や原子力などの悪玉を避けることでGreenpeaceの点数を稼いでいる。Appleは、Greenpeaceによると、クリーンエネルギー源100%でiTunesとiCloudを運用している。その一部は同社の太陽光発電所から供給されており、米国の民間所有では最大の同発電所は、同社ノースカロライナ・データセンターも維持している。Facebookは全体の半分をクリーンエネルギー源に依存しており、同社とInstagramが使用しているノースカロライナおよびアイオワのデータセンターに電力供給するための、再生可能エネルギープロジェクトに投資している。Googleも多くのクリーンエネルギーを使用しており、同社のウェブ資産の34%(Gmail、YouTube、Google Playを含む)をクリーンに運用している。

次は何か?Greenpeaceは、全主要ウェブ企業に対して、100%再生可能エネルギーを使用し、自社のエネルギー源を透明化するよう訴えている。最終的に彼らは、インターネットの巨人たちが、もっと強く再生可能エネルギー源に移行するための明確な戦略を見出すことを望んでいる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Googleに負けじとAmazonがS3, EC2, ElastiCache, Elastic MapReduce, RDSを大幅値下げ

Amazonが今日(米国時間3/26)、同社のクラウドプラットホーム上の一連のサービスの料金値下げを発表した。値下げの対象となるサービスは、ストレージサービスS3、クラウドコンピューティングプラットホームEC2、ElastiCache、Elastic MapReduce、およびクラウドデータベースRDSで、この値下げによりAmazonのプラットホーム上でアプリケーションを運用する費用が、Googleが今週初めに発表した額に接近する。

S3の場合は、標準ストレージの料金が、最初の1テラバイトまでは1ギガバイトあたり3セント、低冗長性ストレージでは2.4セントになる。EC2は、クラウドコンピューティングのインスタンスの価格が最大40%値下げされる。

データ保存料が49テラバイトを超えるユーザには、さらにストレージの料金値下げが適用されるが、標準ストレージの場合の最低料金は2.6セントで、これより安くはならない。2.6セントはGoogleの今の料金と同じで、Googleはいろんな区分けをなくして単一の料金制にした。

標準ストレージの最初の1テラバイトに関しては、それまでの使用料が85セント/GBだから、ものすごい値下げだ。Amazonによると、今回の値下げ幅は全体として36%から65%のあいだとなる。

EC2は、最大の値下げ幅が40%になる。たとえば標準のm3.mediumインスタンスは、これまでの1時間11.3セントが1時間7セントになる。それはGoogleのベーシックなインスタンス、n1-standard-1インスタンスと同額だ。

値下げされないインスタンスもある。たとえばメモリの最適化を伴う高額なインスタンスcr1.8xlargeインスタンスは、1時間3.5ドルのままだ。メモリ最適化インスタンスでもlargeでないインスタンスは、大きく値下げされる。また最小のインスタンスであるマイクロインスタンスも、1時間2セントに据え置きだ。

なお、予約インスタンスも大幅に値下げされる。

データベースサービスRDSも、多くのインスタンスタイプが40%値下げされる。キャッシュノードElastiCacheは34%安くなり、Elastic MapReduceは27~61%の範囲内で値下げされる(EC2の値下げに加えてさらに、という意味)。

値下げの適用開始日はGoogleの値下げと同じく4月1日だ。

明らかに、Googleの値下げ攻勢がクラウド業界に大地震を発生させたようだ。Amazonの次は、当然ながら、Microsoftだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


AmazonがEC2の報告ツールをローンチ…使用状況, 料金などを視覚化

Amazon Web Servicesのユーザは今日から、クラウドコンピューティングプラットホームEC2の報告ツールを使える。EC2の通常インスタンスや予約インスタンスが今どのように使われているのか、料金はどれぐらいになっているか、などが、簡単に分かる。

Amazonはこれまで、そのクラウドコンピューティングプラットホームのパワーを、New Relicみたいに美麗なグラフや使用状況リポートの背後に隠すことを、あまりしてこなかった。しかし最近では、徐々にユーザの要望に応えるようになってきた。今月初めにはBilling Console(課金情報コンソール)をローンチして、ユーザが利用しているAmazonのサービス全域にわたるクラウドコンピューティングの費用を、ユーザ専用のダッシュボード上で、AWSらしくないきれいなグラフなどで見せるようにした。

今日のアップデートは、サービス全域ではなくEC2だけが対象だ。Amazonによると、今度ローンチした使用状況報告機能は、“インスタンスの使われ方や利用パターンに関する情報をユーザに提示して、EC2の使い方の最適化を図っていただく”、というものだ。

この新たなツールで使用状況が分かるのは、EC2の通常のインスタンス(レギュラーインスタンス)と予約インスタンス(リザーブドインスタンス)の両方だ。報告内容は、タイムフレームや可利用性ゾーン、インスタンスタイプ、購入オプション、タグ、プラットホームなどで分類できる。予約インスタンスに関しては、使用状況と累積料金、オンデマンドのインスタンスを使った場合との費用比較、などが表示される。

費用(料金)や使用状況に関する現状データをユーザに親切に見せる、という点では、最近のAWSはCloudabilityや、RightScaleのCloud Analyticsなどに近くなった。これらの専門ツールは、AWSだけでなく利用しているすべてのクラウドについて現状を見せてくれるが、とにかくAWSがこういう報告ツールを提供して、ユーザの声に耳を傾けるようになったのは、とても良いことだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Microsoft Azureがストレージを値下げ, Amazonの値下げに追随

今週の初めにAmazon Web Servicesは、そのクラウドストレージサービスS3を値下げし、今日(米国時間1/24)はMicrosoftがそれに続いて、同社のクラウドストレージサービスを値下げしている

ローカルな冗長ストレージはAzureとAmazonで料金が同じになり、Azure Storageのトランザクション料金は、同じくAmazonと歩調を合わせて50%カットされた。さらにMicrosoftのLocally Redundant Disks/Page Blobs Storageは28%値下げされた。

昨年4月にMicrosoftは、AWSのどんな値下げにも合わせていくと言ったから、今日の値下げ発表は意外ではない。Microsoftによると、Azureのストレージの値下げは完全にグローバルだから、リージョンによってはAmazonよりも安くなるそうだ。

Microsoftは今日の発表声明の中で、料金はもちろんユーザにとって重要だけれども、同社は“信頼性とスケーラビリティの点でもベストを”提供する、と言っている。具体的には、同社の冗長ストレージオプションではデータが400マイル離れた別のデータセンターで複製されるから事故や災害に強い。またAzureのユーザは仮想マシンのストレージを永続性のストレージとして確保するが、AWSではEBS上のストレージが特別料金になる。したがってこの種のストレージに依存する顧客にとっては、Azureの方が安上がりである、と。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazon、S3料金を最大22%、EBSを最大50%値下げ―新しいEC2インスタンス・タイプを提供

このところAmazonはほとんど毎月のようにAmazon Web Services (AWS)はサービスの値下げを行っている。今週はS3EBS値下げされた。これに加えてSSDベースの一般的用途のM3インスタンスが2種類、新たに提供された。

新インスタンスはミディアムとラージの2サイズで、料金は0.113ドルからスタートする。 M3は以前のM1を置き換えた高速なインスタンスだ。AWSがM3をリリースしたのは昨年だが、今回ミディアムとラージというインスタンスが新設された。Amazonによれば、CPUパワー、RAM、ネットワーク能力が適切にバランスされ、広い範囲のアプリケーションの実行に向いているということだ。

デフォールトの設定では、ミディアムは4GBのSSDストレージ、3.75GiBのRAM、1基のバーチャルCPUからなる。つまりCPUやメモリーに大きな負荷がかかるようなアプリケーションの実行には向いていない。ラージ・インスタンスは32GBのSSDストレージ、7GiBのRAM、2基のバーチャルCPUで構成される(下の表参照)。

これらの新しいインスタンスはAWS GovCloud以外のすべてのAWSリージョンで利用可能だ。

非常に巨大なストレージ容量を必要とするS3ユーザーに対し、Amazonはクラウドストレージの料金を劇的に値下げした。5000TB以上のユーザーについては22%の値下げとなる。それ以外のユーザーの場合はそれ以下の率だが、1TB以下でも11%の値下げだ(下の表を参照)。新料金は2月1日から適用される。

Elastic Block Storageでもストレージ容量、I/Oリクエス回数とも大幅な料金引き下げが行われた。 一部のリージョンでは最大50%の値下げになっている。こちらも2月1日からの適用。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Googleのクラウドプラットホームが課金APIを提供, デベロッパが費用モニタツールを自作できる

クラウドを使うと複雑なアプリケーションでも比較的簡単に動かせるようになるが、でもその費用を細かく把握するのが困難になる。今日(米国時間12/23)Googleは、同社のクラウドプラットホーム上でアプリケーションを動かしている場合の費用を比較的容易にモニタし分析できる方法の提供を開始した。

今でもデベロッパやユーザは、Google Cloud Consoleで費用とその内訳を見ることができる。それは十分に使えるツールだけどでも、経費をもっと細かく節約するために費用モニタツールを自作したくなったらどうするか? 今回登場したBilling APIを使えば、デベロッパが自分で作ったダッシュボードやツールの中で、これまでかかった費用や今後の額の推計などを見ることができるのだ。

ただしそれは、リアルタイムのデータではない。一日に一度、情報がJSONやCSVのファイルでGoogle Cloud Storageのバケットに保存され、そこへ、Cloud Storage APIやGoogleが提供しているコマンドラインツールからアクセスできる。

AmazonのAWSでも、同様の方法で課金データを取得できる。AWSのAccount Billing APIはAmazonのストレージサービスS3のストレージに課金データのCSVファイルを保存し、デベロッパはそのファイルにアクセスする。

もちろん、課金データと内訳を日々チェックしたいというニーズは前からある。Cloudabilityなどのツールは、Amazon AWSなどの課金の仕組みがややこしいことを、自分たちの商機にしようとしている(AWSでアプリケーションを動かしている人にだれでもいいから、課金の詳細を理解しているか聞いてみよう)。GoogleやAmazon自身が近日中に、そういう便利なサービスを提供することは考えにくいから、デベロッパとしてはサードパーティのサービスを利用するか、あるいはAWS/Google CloudのAPIを使ってツールを自作するか、どっちかの方法しかない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


AmazonのリアルタイムデータストリーミングサービスKinesisが公開ベータへ, 問題点も露呈

AmazonのリアルタイムデータストリーミングサービスAmazon Kinesisが、公開ベータに入った。デベロッパがこのサービスを利用すると、クラスタ群の面倒なお世話を自分ですることなく、単純にリアルタイムアプリケーションを構築展開できる。しかし、新しいタイプのリアルタイムアプリケーションプラットホームと喧伝されてはいるものの、11月に行われたAWSのRe:Inventカンファレンスでローンチして以来今日まで、いくつかの欠点も浮かび上がってきた。

AWSのKinesisは、毎秒何千ものデータストリームをストリーミングする。デベロッパは、データの量やデータソースの数を制限されず、必要に応じて自由にスケールアップ/ダウンができる。AmazonのCTO Werner VogelsはRe:Inventのステージで、このプラットホームは、多数/多種類のセンサがいろんなやり方で情報を送信しているようなところでのデータ処理で真価を発揮する、と述べた。彼は、センサを利用してデータを記録するアプリケーションは今後各方面で増えるだろう、と言った。たとえば建設現場では、Kinesisが送ってくるデータを見ながら、コンクリートを基礎に流し込むベストのタイミングを判断できるだろう。

Kinesisは複数の可利用性ゾーンに対応でき、またそれらの複製も可能なので、高い可利用性を提供できる。データを複数のストリームにシャーディングでき、一つの分割単位が毎秒1000回のライト(書き込み)トランザクションと最大20のリード(読み取り)トランザクションを扱える。

下のKinesis入門ビデオは、Dellのクラウド担当シニアディレクターBernard Goldenが先週作ったものだ。

AWSはKinesisを、Hadoopに代わるものと位置づけているが、Hadoopは主に、既存の大量データをバッチで処理するためのフレームワークだ。またHadoopとその周辺には多様な要素から成るエコシステムがあり、たとえばその一員であるYarnは、コンピューティングリソースをクラスタで管理し、リアルタイム処理にも対応するので、リアルタイムアプリケーションのベースになりえる。

またG Gordon Worley IIIはブログで、KinesisはTwitterがオープンソースしているデータ処理ツールStormに似ている、と言っている。〔記事: Amazon Kinesis compared to Storm〕

Kinesisを試用したWorleyは、Kinesisはエラスティックで、負荷に応じて自動的にスケールするからEC2のクラスタを自分で管理する負担がない、と言っている。Amazonの主張どおりなら、KinesisはStormのやや面倒なセットアップに比べて相当簡単に、クラスタの運用ができるだろう、と彼は書いている。

同じくWorleyは、AWSはHadoopのバッチ処理に比べて敷居は低いが、しかし全体的に見てKinesisは、複雑なデータストリームの統合化には向いていない、とも言っている。

しかしKinesisの欠点は、個々のKinesisアプリケーションが単一のプロシジャで成り立っているため、Stormにできるような複雑な処理は、複数のKinesisアプリケーションを互いに接続しないとできないことだ。ぼくには、この点が心配だ。

Kinesisは、データをストリーミングする点で、従来のデータ分析サービスに比べて新しいと言える。しかしAWSは必ずしもその始祖ではないし、またデータ分析分野のリーダーでもない。オープンソースのコミュニティには今でもさまざまなオプションが増えつづけており、それらは、AWSとそのプロプライエタリなインフラストラクチャに、十分代わりうるものだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


AWSがHadoopビッグデータのクェリツールImpalaをサポート

Amazon Web ServicesにImpalaのサポートが加わった。これはClouderaがGoogleに倣って開発したクェリツールで、大量のデータを並列処理によりリアルタイムで処理する。Impalaでは、デベロッパがAWSのElastic MapReduceの上で、SQLふうの言語を使ってクェリを行える。それは高速でアクセス性も良く、オープンソースの分散コンピューティングシステムHadoopでSQLの利用が増えていることを示す一つの例でもある。またImpalaは、より広い視野で見ると、この市場ではGoogleの影響がとても大きいことを示す例の一つでもあり、新しいデータプラットホームや従来よりもリッチなアプリケーションエコシステムを作ろうとする人たちの多くが、Googleの先行製品を参考にしている。

昨年世に出たImpalaの場合は、GoogleのDremelがベースだ。これはビッグデータ分析におけるGoogleの先駆的製品、広大なクラウド宇宙の全域にわたって保存されているデータをクェリするMapReduceの後継製品で、GoogleのPM William Vambenepeによれば、DremelはGoogleのデータ分析プラットホームBig Queryのベースでもある。Hortonworksが発表したTezは、同社のStingerプロジェクトの一環で、HadoopをクェリするデータベースHiveを使用する。Hortonworksによると、Stingerは通常のSQL文によるクェリをペタバイトクラスの大規模データに対し、従来の100倍のスピードで実行する。

Citus Dataの分析データベースも、やはりGoogle Dremelがベースだ。これはPostgreSQLデータベースに対する並列処理で高速なクェリを行う。またMapRはApache Drillを使って大量データに対する高速クェリを提供する。そしてHadoopをベースとする分析データベースJethroDataも、Google Dremelのやり方に倣っている。

“Adaptive Analytical Platform”でこれらすべての企業/製品に先行するHadaptは、オープンソースのApache HadoopにSQLのネイティブ実装を持ち込んでいる。

Dremelの大きな影響力の理由

Hadoopは、ペタバイトのオーダーでデータを処理するTwitterのようなインターネット企業にとって重要な技術だ。また既存の企業にとっても、昨今はデータの量がこれまでになく増加しているので、Hadoopのありがたみが増している。Impalaは、こういった新世代のデータユーザに、利便を提供する。Impalaを使えば、高度な専門技術がなくても、データをクェリできるのだ。

これまでのHadoopは、高度な知識能力を持つ専門技術者でないと扱えないしろものだった。そういう人たちは初期のデータサイエンティストと呼ばれ、プログラミングの能力とクラスタの管理能力、そしてデータ分析の技術を持っていた。そういうビッグデータ技術者たちは、大量のデータをそれぞれ独自のやり方で処理し分析していたインターネット企業から巣立ってきた。たとえばJeff Hammerbacherは、Facebookを辞めてClouderaの協同ファウンダになった。Yahoo!でApache Luceneを使ってオープンソースの検索エンジンを作っていたDoug Cuttingは、そのプロジェクトのためにHadoopを作って利用した。Luceneも、その初期の作者がCuttingだ。そのCuttingも、今ではClouderaで仕事をしている。

Googleは、MapReduceで先陣を切った。それは、ノードの集合を、データを並列処理するためのクラスタとして扱った。複数のクラスタに亙ってデータをマップし、それを縮小(reduce)して答えを得た。

そしてそのMapReduceを超える技術であるGoogle Dremelは、次世代のHadoop技術の柱となる製品だ。それは、そのほかの、HivePigといったオープンソースのプロジェクトとともに、成長し続けるエコシステムを形成し、それらが一体となって、より高級な言語でMapReduceの複雑さ~難解さを抽象化する。

Dremelの強みは、データ分析がバッチでなくリアルタイムの瞬時であることだ。しかしそれは最初、Googleの…主にオンライン広告のための…大規模な関係データベースGoogle F1をクェリすることを、目的として開発された。

ImpalaもDremel同様、その分析能力が売りだ。したがってそれは、ビジネスインテリジェンス(BI)のための視覚化技術Tableauなどの、補完製品とみなされることが多い。Impalaでデータを迅速にクェリし、その結果をBIツールが利用するのだ。

Hadoopそのものは、アプリケーション開発のためのプラットホームではない。しかしImpalaのようなアプリケーションに奉仕するツールの普及および多様化に伴って、Hadoopがアプリケーションのベースとなる機会が今後ますます増えるだろう。たとえば今年の初めに発表されたHadoopの最新バージョンでは、MapReduceを抽象化してスケジューラやリソースマネージャとして使うYarnの新バージョンが同梱された。これによって、それまでのHadoopでは難しかったスケーリングが可能になる。

Hadoopから生まれるアプリケーションのエコシステムは、すでにImpalaやYarnにその兆しがある。どちらのツールもHadoopの外見を単純化し、エンドユーザ(アプリケーションデベロッパ~BIユーザ)の能力を深化する。またConcurrentが商用化したHadoopのためのアプリケーションフレームワークCascadingがある。TwitterEtsyAirbnbなどが、その顧客として名を連ねている。

この市場(ビッグデータアプリケーション市場)は、長年Googleが先頭を走ってきた。しかしHadoopとプラットホームレイヤのイノベーションにより、Googleと後発グループとの差は縮まりつつある。

画像提供: Electric Sheep, Creative Commonsによる)

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazonの新しいデスクトップ・クラウド・コンピューティング、WorkSpacesがiPadにやって来た

Amazonが最近リリースしたAmazon WorkSpacesはVMware的なバーチャル・デスクトップ・サービスだが、このほどiOSプラットフォームに対応し、iPadから利用できるようになった。

現在WorkSpaceの限定プレビュー版にアクセスできるユーザーは新しいアプリを利用してiPadを一種のクラウドデスクトップに変えることができる。文書の編集、ウェブアプリの利用、社内メールの送受信など多くの日常業務がWindowsのUIを通じて実行できる。

この多機能デスクトップ・クラウド・コンピューティング・サービスは11月のre:Inventカンファレンスで発表された。ターゲットは企業ユーザーで、IT部門がデスクトップのカスタマイズし、ノートパソコン、Androidタブレット、Kindle Fire、iPadなどのデバイスから社内資源へのアクセスも管理できる。

他方、AWSはユーザーのためにコンピューティングのインフラとOSを提供し、ネットワークの設定と運営を管理を行う。サービスにはバーチャル・マシン、クラウドストレージ、ActiveDirectoryの統合、ユーザー認証などが含まれる。ハードウェアやストレージに障害が発生した場合でも一切ユーザーを煩わせることなく自動的に復旧が行われる。ユーザーはWindowsOSサーバ互換であればローカルに持つディスク・イメージをAWS上に移して稼働させることも可能だ。

AndroidベースのAmazon WorkSpacesアプリはAmazonのAppstore(Google Playストアではない)ですでに公開されている。iPad versionがリリースされたのは昨夜(米国時間12/3)だが、大きなPRは行われなかった。

例によって料金には競争力がある。実際、上級副社長のAndy Jassyは11月のre:Inventで「Workspacesは既存のプロバイダーが提供するオンプレミスのバーチャル・デスクトップ・ソリューションに比べて半額ですむ」と述べている。

標準パッケージはCPUが1つ、50GBのストレージが提供され1ユーザー当たり月額35ドルだ。パフォーマンス・パッケージは1ユーザー月額60ドルでCPUが2つと100GBが提供される。Amazonの既存のユーザーがWorkspacesにアップグレードする場合は15ドルのライセンス料がかかる。またMicrosoftOffice、Trend Microのアンチウィールスなどの追加アプリを利用するユーザー向けにStandard Plus、PerformancePlusというオプションが用意されている。

Workspacesはまだ限定評価版として公開されており、ユーザーは評価版の利用をAmazonに申し込み、招待を受ける必要がある。ただし申込者の全員がすぐに招待を受けられるわけではない。順番待ちのリストの登録され、空きができた時点で招待が送られてくるという仕組みだ。

Amazon自身は最近Kindle Fireに企業向け機能をいろいろ追加して企業向けにも売り込みを図っているものの、WorkSpacesのiPad版を待望していたユーザーは多かったはずだ。なにせAppleによればFortune500の企業の94%、Global 500の企業の85%がiPadを利用ないしテストしているという。

iPad向けWorkSpacesアプリはこちらから。.

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


APIの呼び出しをリアルな条件でテストしてモバイルアプリの品質向上を支援するテスト自動化サービスRunscope Radar

APIのトラフィックをモニタするRunscopeが、APIとバックエンドのサービスのテストを自動化するためのツールを提供して、モバイルアプリのクォリティを向上させようとしている。

そのRunscope Radarと呼ばれる新しいサービスは、今日のAWS re:Inventカンファレンスでローンチし、バックエンドのAPIの変化~変更に対する不安や心配を緩和しようとする。アプリのメンテナはこのサービスを使うことによってバックエンドサービスがアプリが期待するデータを確かに返していることを確認でき、アプリがクラッシュするおそれを回避する。しかしテストは一歩間違えると顧客の体験を損ないかねない脆いプロセスである。そこでRunscope Radarは、アプリのバックエンドサービスが変わってもアプリが壊れない、という設計方針に立っている。つまり、将来的には、顧客の体験を損なわずにサービスを改良する方法を提供することがねらいだ。

Radarを使用するデベロッパは、それにリクエストとパラメータセットのリストを与えて、APIの動作を判定する。リクエストは、アプリに実際に登場するような、リアルなものでなければならない。

テストは、その完了や失敗を顧客に通知する。このサービスはCircleCi、GitHub、Heroku、Jenkins、TeamCityなどを統合して、コミットと、ビルドと、展開の各段階でAPIテストを走らす。

たとえば、あるAPIを消費するデベロッパは、そのAPIがエンドユーザの体験を阻害しないことを確認したい。もしもAPIが壊れたら、通信が妨害される。

RunscopeのCEO John Sheehanは、今日のプレゼンのあとでこう言った: “サービスが壊れたらアプリも壊れる。アプリを駆動している内部的なサービスですら、常時可利用であることが必要だ”。

今ではAPIがデベロッパによって広く利用されているが、その信頼性はまだまだ確立途上だ。API自身は単一でも、それを呼び出すデバイスやプラットホームは千差万別だからだ。

APIの信頼性を管理する方法も、今はまだほとんどない。企業はAPIのプロバイダにチェックを入れることによって、とりあえず安心感を得ているのだ。

Runscopeは、APIの利用が一般化すればするほど需要が増えるサービスを提供している。APIのテストは今もっぱら手作業で行われているから、自動化が急務だ。今後はAPIを提供するスタートアップもアプリケーションはモバイルアプリのみ、というところが増えてくるから、なおさらテストの自動化が重要だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazonがスーパーコンピュータなみの最速EC2インスタンスC3を主要リージョンで提供開始

Amazonが今日(米国時間11/14)のre:Inventカンファレンスで、EC2の最速のインスタンスタイプを発表した。その改良版C3インスタンスは、AmazonのCTO Werner Vogelsによると、処理能力のパフォーマンスが最高である。今日はストレージにSSDを使うなど、ストレージとI/Oに関して最適化されたI2インスタンスも発表されたが、C3はそれと並ぶ新たなインスタンスタイプだ。

Amazonの説明によると、このインスタンスタイプは、Hadoopなどを使ってビッグデータの分析を行う、3Dのレンダリングをする、工学系やシミュレーションのアプリケーションを動かすなど、計算集約的なワークロードを抱えるデベロッパに向いている。

この新しいC3インスタンスは、プロセッサとして2.8 GHzのIntel E5-2680 v2 Ivy Bridgeを使用し、最小のc3.largeインスタンスはRAM 3.75GB、ヴァーチャルコア2、EC2コンピュートユニット7から成る(==Amazon独自のインスタンスのスピード分類概念)。最大のc3.8xlargeインスタンスは、ヴァーチャルコア32、RAM 60GB、ECU 108から成る。プロセッサは、ベクタ指向のデータ処理を効率化するためにIntelのAdvanced Vector Extensionsをサポートする。

この高性能なインスタンスタイプはネットワークのパフォーマンスも向上し、またストレージはすべてSSDを使用する。Amazonはこれらのインスタンスを使った26496コアのクラスタを立ち上げて、その性能をスーパーコンピュータの上位500のスコアと比較した。その結果このクラスタは481.18テラフロップを達成して56位にランクされた。

これらの新しいインスタンスが可利用となるリージョンは、US East(Northern Virginia)、US West(Oregon)、EU(Ireland)、Asia Pacific(Singapore)、Asia Pacific(Tokyo)、Asia Pacific(Sydney)である。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


大量のデータストリームをリアルタイムで処理分析するAmazon Kinesisサービス

Amazonが提供を開始した新サービスKinesisは、データをリアルタイムでストリーミングするとともに、その際、毎秒何千ものデータストリームのデータ処理を行う。このサービスにより、リアルタイムアプリケーションのデベロッパは、複数のソースから大量のデータを取り入れることができ、データ処理量のスケールアップもダウンも自在に行える。

Kinesisは、複数の可利用性ゾーンにまたがって多数のストリームを作れる。ストリームには、それらに固有の容量とかレートの制約がない。入信データはすべて、複数の可利用性ゾーンにわたって複製される。一つのストリームに複数のライターとリーダーがあってよい。このサービスはデータを複数のストリームに分割*し、それぞれが1000回のライトトランザクションと最大20のリードトランザクションを処理する。〔*: shard, sharding, シャーディング, ひとつのデータ単位を複数のサーバ負荷として分割すること。〕

Kinesisの課金はデータ処理量とそのパッケージのされ方に応じて行われる。AWSのブログによると、PUTに関してはPUT操作100万回に対して0.028ドル、ストリーム分割は1分割1時間あたり0.015ドルとなる。ゲームのデータを1時間ぶん集めるとすると、一例として、分割に0.3ドル、PUTコール3600万回で1.01ドル、計1.31ドルになるだろう。

CTOのWerner Vogelsは、複数のセンサからのデータを記録するストリーミングを例に挙げている。たとえば建設現場では随所にセンサを配備し、それらのデータをたえずウォッチすることになる。たとえば環境条件を記録して、コンクリートを基礎に流し込むタイミングを決めるだろう。Amazon Kinesisを利用すると、そういったデータをリアルタイムで処理し、さまざまなアプリケーションへ送り込むことができるのだ。

彼が挙げている例でも、データはどんどんスケールしていくだろうから、それらを無事に取り入れて、毎秒々々処理分析する能力が必要だ。このように、今日および明日の世界は、データをどのように測定し、それらに対し何をどうアクションするかで定義されるのだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


AmazonのAWS re:Invent会場周辺でIBMとRackspaceが大型バスや女の子集団で(むなしい)対抗キャンペーン

Amazon Web Services(AWS)は競合他社にとってますます難攻不落の強敵になりつつある。今週行われたAWSのデベロッパカンファレンスre:Inventで、IBMやRackspaceも会場周辺で存在を誇示していたが、それらを見てもAWSとの落差の大きさをあらためて痛感してしまう。

先週IBMは、AWSよりも優れていると主張する広告で叩かれた。その広告はIBMを哀れっぽく見せ、むしろAmazonを一層有利にしたようだ。Amazonは、競争者をけなすことよりも、顧客に奉仕することが重要、と反撃したのだ。

今朝(米国時間11/13)の総合セッションではAmazonのSVP Andy Jassyが、IBMがラスベガスの通りを走らせた、車体に派手な広告を描いたバスを笑いながら批判し、IBMは顧客を馬鹿にしている、と言った。バスの車体のその広告は、古めかしくてわざとらしいマーケティングのスタイルを表している。

Rackspaceもやはり、自社に不利なことをやっている。同社は、デベロッパがAWSのカンファレンスへ行かないようにしたいので、AWS re:Inventの会場となったラスベガスのVenetian Hotelの外に、ショートパンツ姿の女の子たちをたくさん立たせて、同じくラスベガスのTreasure Island HotelのバーGilley’sで行われたRackspaceのパーティーの招待状を配らせた。

同社も、AWSの後塵を拝している。デベロッパたちが魅力を感じる部分がない。しかしRackspaceのクラウドサービスは、ひまがありすぎて、もっとワークロードが必要だ。そのためにはデベロッパをもっとたくさん集めてアプリケーションを作ってもらう必要がある。だからAWSのカンファレンスが行われているときに数万ドルを投じてパーティーを開き、ビールと安っぽいおつまみ料理をプログラマたちに大盤振る舞いするのが当然である、と同社は考えたのだ。

“ぜひいらしてください”、女の子の一人に声をかけられた。“お料理も飲み物も無料ですから、すてきなパーティーですよ”。

Rackspace的ブロマンス(bromance)*は、ほとんど品(ひん)がないし、IBMのお粗末な広告キャンペーンも効果があったとはとても思えない。要するに、今や、AWSとこれら二社との差が、あまりにも大きすぎるのだ。両社のおかしなマーケティングスタイルは、ますますその差を際立たせる。AWSのカンファレンスの会場周辺でうろつくために投じるお金は、真摯な差別化のために使うべきだろう。〔*: bromance, 男性同士の性行為を伴わない(ゲイではない)仲良し関係。日本語解説(1)(2)(3)。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


もうサードパーティのストリーミングサービスは要らない, AWSがGPUインスタンスにより自前でサービスを提供

ラスベガスで行われているAmazonのデベロッパカンファレンスre:Inventで今日(米国時間11/13)、モバイルデベロッパ向けの新しいサービスが発表された。そのサービス、Amazon AppStreamは、同社が最近ローンチしたEC2のGPUインスタンスを利用して、ストリーミング機能を必要とするアプリケーションのデベロッパが、どんなモバイルデバイスに対しても簡単にHDでストリーミングできる、というサービスだ。このインスタンスタイプはもっぱらモバイルデベロッパ向けに売り込みされているが、でもデスクトップアプリケーションがこのサービスを使えない理由はない。

現状は制限付きのプレビューなので、利用したいデベロッパはここで登録する。

Amazonによると、この新しいサービスによりデベロッパは、“再現性の高い、リッチなグラフィクスを要するアプリケーションを多様なデバイスの上で動かせるようになり、しかもそのアプリケーションは始動が速く、AWSクラウド上のコンピューティング/ストレージリソースのすべてにアクセスできる”。

ストリーミングには、Amazonが開発した新しいプロトコルAmazon STXが使われる。それによりデベロッパは、複雑な3Dゲームの対話的なHDビデオから、彼らのアプリケーションの計算集約的な部分に至るまで、あらゆるものを、クラウドからストリーミングできる。EC2のg2インスタンス(GPUインスタンス)を使えば、デベロッパはグラフィクスのすべてをクラウドでレンダー(render, 描画処理)できる。

AppStreamを使用するアプリケーションは、デバイスのセンサをすべて利用でき、それらのデータをクラウドへ送れる。

Amazon Web Services担当SVPのAndy Jassyが今日のキーノートで述べたところによると、この新サービスが提供されることによってデベロッパは、これまでモバイルデバイスでは利用の困難だったリソース(高品質なストリーミング+使いやすいAPI)に容易にアクセスできるようになる。モバイルは、デバイスが小さいので重要な処理はどうしてもクラウドに依存することになる。今人気の高いモバイルアプリの多くが、すでにモバイルの上で(とりわけAWSの上で)動いている。というわけで同社の主張によると、“アプリケーションの可利用性はそれが利用されるエンドユーザデバイスの性能…コンピューティングパワー、ストレージ、グラフィクスのレンダリング能力…に制約されない”、ということになる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Jeff BezosはAWSがAmazonの最大のビジネスになると見ている

今日(米国時間11/13)の記者会見でAmazon Web ServicesのSVP Andy Jassy が、同社CEOでファウンダのJeff Bezosは、AWSがAmazonの最大のビジネスになるかもしれないと思っている、と述べた。

Amazonの2012年度の売上は610億ドルと報告されている。AWS単独の売上は公表されていないが、ほぼ35億ドルで急速に成長中、というのが世間の定説だ。

Amazonのビジネスの土台はeコマースで、それは今でも同社のメインの事業だ。しかし安価なコンピューティングとストレージへの需要は着実に増加を続けており、アプリケーション開発はいよいよ盛況、スマートフォンなどの大衆的普及によりインターネット人口も増える一方だ。

Bezosは以前、AWSはリテイルビジネスと肩を並べるビッグビジネスになるかも、と言ったが、今回はリテイルをすら抜くと言った。彼の展望の中では、クラウドビジネスへの確信が固い、ということだ。

Jassyの言葉をそのまま引用しよう:

JeffはAWSビジネスの現状に大きな喜びを感じており、長期的にはAWSがAmazonの最大のビジネスになるかもしれない、と考えている。Amazonの経営スタッフの全員が、そう考えているといっても、過言ではない。

Gartner Researchの調査結果などによると、AWSはパブリッククラウド市場における圧倒的なダントツである。AWSの売上は、二位以下の14社をすべて合わせた額よりも大きい。

彼の見解は楽観的すぎるかも知れないが、IT市場全体の規模はとても大きい。それは1兆ドルのビジネスであり、それが今大挙してクラウドへ移行しつつある。AWSがその1/10弱のシェアを握っただけでも、今のAmazonの全売上より大きいのだ。Bezosはつねに、根拠のない発言はしない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazon、新しいバーチャルデスクトップサービス、WorkSpacesをスタート―「料金はライバルの半額」

Amazonは今日(米国時間11/13)開催されたAWS re:Inventカンファレンスで Amazon WorkSpacesという新しいバーチャル・デスクトップ・サービスを発表した。Amazonによれば、従来の同種のサービスに比べて料金は半額だという。

このサービスは本日から利用可能で、デスクトップ、ノートパソコン、スマートフォン、タブレットその他あらゆるデバイスからアクセス可能で、すべてのデバイスで同期する。ユーザーはたとえばノートパソコンでセッションを閉じた後スマートフォンでセッションを開いてシームレスに作業を続けることができる。バーチャル・デスクトップは本質的にはWindows Serverだが、UIはWindows 7的に改造してある。

上級副社長のAndy Jassyによれば、Amazon WorkSpacesは従来のオンプレミスの有料バーチャル・デスクトップ・サービスに比べて半額程度の負担ですむという。

料金体系は2種類ある。標準パッケージではバーチャルCPU x 1と50GBのストレージが提供される。パフォーマンス・パッケージはバーチャ CPUx 2と100GBのストレージとなる。標準パッケージは1ユーザーあたり月額35ドル、パフォーマンス・パッケージは1ユーザー当たり月額60ドルとなる。AWSの既存のユーザーがバーチャル・デスクトップに移行を希望する場合は15ドルのライセンス料がかかる。

下の表は、ユーザー1000人の場合、オン・プレミスのバーチャル・デスクトップ環境の運用経費とAmazon Workspaceを利用した場合の経費を比較したものだ。Workspaceの場合ハードウェア、ソフトウェアのコストはゼロ、利用料金とバーチャル・デスクトップの管理経費のみがかかるという計算で、約6割の経費削減が可能になるとしている。

イベントのキーノートでJassyは「これまでのバーチャル・デスクトップはアプリケーションの開発や複雑なシステムを運用する管理者向けが主だった。しかし今後は外出中もオンラインで作業を続ける必要がある何百万というホワイトカラー労働者に対してコンピューティングのインフラを提供するサービスとななっていくだろう」と述べた。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


AmazonのDynamoDBは各月に数兆のリクエストを処理, SimpleDBは姿を消しそうだ

今日(米国時間11/12)のAWS re:InventカンファレンスでAmazonの役員が、NoSQLデータベースDynamoDBは今では一(ひと)月に数兆のリクエストに対応している、と言った。なお、AWSのもう一つのNoSQLデータベースSimpleDBは、 AWSのプロダクトページから姿を消している。世界最大のクラウドサービスは、今後NoSQL DBをDynamoDBに一本化するつもりだろう。

その役員、AmazonのJames Hamiltonが見せたスライドには、DynamoDBの成長の軌跡が描かれている。月間リクエスト数は、2月の1.2兆から10月には約2.2兆になった。しかもそれは、一つのリージョンの数字だ。

DynamoDBは2012年にローンチし、NoSQLデータベース市場で早くも先頭集団を走っている。SSDを使っているので高速であること、使い方がシンプルであること、高性能でしかもインターネットに対応した十分なスケーラビリティが、好調の原因だ。

最近までAWSは、SimpleDBをほかのデータベースと一緒にリストに載せていた。 Amazon RDS、Amazon DynamoDB、Amazon ElastiCache、そしてAmazon Redshiftが‘ほかのデータベース’だ。今では、所在を知ってる人か、検索して見つけた人しかアクセスできない。

AWSがSimpleDBをローンチしたのは2007年で、性能やスケーラビリティの要求が高くないユーザには十分利用できた。

その後Amazon DynamoDBが市場に闖入し、MongoDBやCassandraなどNoSQL DBの既存勢力を脅かし始めた。

SimpleDBの今後についてAWSに問い合わせたが、まだ回答はない。しかし、今日明日突然に消えてなくなることは、ないだろう。

一方DynamoDBは、トップクラスのNoSQLデータベースサービスとして、上述のように利用が増大している。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


StackdriverのAWSモニタリングは異常時対応を自動化し, エンドポイントのチェックも行う

Amazon Web Services(AWS)をモニタするサービスStackdriverに、ユーザが処理方針(ポリシー)を設定できる自動化ツールがいくつか加わる。それらは、問題が起きたときアラートするだけでなく、ユーザがあらかじめ指定した対応処理を行う。ユーザがサーバをいちいち手作業で停止/始動しなくてもよい。今日(米国時間11/11)Stackdriverはさらに、WebサイトやサードパーティのAPIなど、エンドポイントをモニタする機能をローンチした

これらの新しいサービスはStackdriver Proの現ユーザと年内に登録したユーザに提供される。その後は、これらの機能は同社が近く発表する”Elite”プランの一部になる。今年の12月31日までにProのユーザになった者は、この新しいプランに自動的にアップグレードされる。

自動化機能

どのモニタサービスにも、異状をアラートしてくれる機能はある。アプリケーションがメモリ不足になったとか、おかしなプロセスがサーバのパフォーマンスの足をひっぱっている、など。関係データベースのインスタンスがメモリ不足になっているので、容量を増やしてやる必要があるかもしれない。これらはいずれも重要な通知だが、担当が午前2時に起こされて対応しなければならないのは、たいへんだ。そこでStackdriverの自動化機能は、ユーザが対応方法をあらかじめ設定しておき、システムのステータスが一定の閾値を超えたらそれらを自動的に実行する。AWSの必要なAPIを呼び出すことも、Stackdriverがユーザに代わってやる。

すなわちユーザが手作業でインスタンスの始動や停止を行うのではなく、パフォーマンスが劣化したらユーザがあらかじめ設定した対策プロセスが自動的に動きだす。また、そのプロセスが終了したら通知を受け取ることもできる(メール、SMS、PagerDutyなどで)。また、放っておけば直る/元に戻るを期待して、対応プロセスの始動時間を遅らせる、という設定もできる。

今このStackdriver Automation機能にできることは、インスタンスのリブート、Elastic Block Store-backedのインスタンスを移動する〔参考〕、RDSのインスタンスの容量を増やす、などだ。同社の協同ファウンダIzzy Azeriによると、そのほかのプロセスも今対応を準備中だ。

エンドポイントモニタリング

Stackdriverのアラート機能はすべて、新たにできたエンドポイントモニタリングシステムと連係している。同社によればこのシステムは、“アプリケーションモニタリングの最後に残った一切れであるエンドポイントのチェックを、世界中のユーザ環境や場所に対して行う”、というものだ。これによりたとえば、アプリケーションが依存している何らかのAPIの正常動作をチェックすることができる。Stackdriverのモニタリングシステムの詳細はここにある。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))