CoreOSのTectonicコンテナプラットフォームがMicrosoft Azureをフルサポート

本日(米国時間8月17日)CoreOSは、KubernetesベースのTectonicコンテナ管理プラットフォームの、Microsoft Azure対応を発表した 。これまでは、ベアメタルサーバとAWS上へのコンテナデプロイメントだけが完全にサポートされていた。3月に登場したAzureへのベータサポートに続く今回の新規リリースで、Tectonicはサポート対象の3つのプラットフォームにまたがるマルチクラウドデプロイメントへの統合サポートを提供することになった。

「Microsoft Azureに向けてのTectonicsの安定版メジャーリリースは、マルチクラウドに対応し、インフラと運用をより効率的かつスケラーブルなものにするというお約束に向けた、非常に重要なステップです」と語るのはCoreOSのTectonicプロダクトマネージャーRob Szumskiだ。「Azure向けTectonicは、Kubernetesインフラストラクチャを初めから正しく構築し、展開サイクルをスピードアップすることで、時間とコストを節約します。ハイブリッドクラウドのデプロイメントが可能なことで、インフラストラクチャ責任者たちは、ユーザーをクラウドコンピューティングやクラウドサービスにロックインしないプラットフォームの自由度と柔軟性を手に入れることができます」。

Tectonicのその他のアップデートとしては、Google謹製コンテナオーケストレーションサービスの最新リリースであるKubernetes 1.7への完全サポートも含まれる。最新リリースへのアップグレードはワンクリックで完了し、アップデート中にダウンタイムが発生しないことが約束されている。これはKubernetesの初期版と比べると大きな利点だ。当時はどのようなプラットフォームを選んでもアップグレードは一苦労だった。

また新機能としてインバウンドトラフィックをより詳細に制御できるようにするネットワークポリシーのサポート(アルファ版)が入り、コンテナの展開中に問題が発生した場合のアラートを、あらかじめ設定しておくこともできるようになった。

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(翻訳:Sako)

Microsoft、IoT Centralをスタート―企業向けフル機能のクラウドIoTサービス

今日(米国時間4/20)、MicrosoftはIoT Centralをオープンした。これは企業向けにInternet of Things〔モノのインターネット〕を実現するクラウド・ベースの新しいサービスだ。企業はIoTに関する専門的知識を持った人材やハードウェアを社内に準備することなしに、IoTを組み込んだシステムを構築、運用することができる。基本的にIoT-as-a-Serviceといってよいだろう。

これに伴いMicrosoftは企業IoTにAzure Stream Analyticsを導入し、IoTデバイスからのデータ取得の効率を高めるとしている。このアナリティクスには時系列データを扱うことに最適化されたまったく新しい機能が組み込まれている。

今回発表されたもっとも重要なサービスはIoT CentralとAzure Time Series Insightsの一連のツールだ。MicrosoftのIoT事業のディレクター、 Sam Georgeは私のインタビューに答えて、「この新サービスの趣旨は多数の新しい機能を提供することによって既存のAzure IoT Suiteを大幅に強化することだ」と述べた。多くの企業にとって IoTの組み込みは同業ライバルとの差別化を図る上で有力な手法だ。しかしそのためには大量の専門的能力を必要とする。Georgeによれば「IoTは有力な差別化の手段だが、同時に、多くのビジネス分野でIoTを実現するために特別な能力を必要とすることも判明した」とGeorgeは言う。

企業がIoTソリューションを実現することを助けるのがIoT Centralの役割だ。「このサービスを利用するカスタマー企業はクラウドに関する特別な知識、スキルは一切必要ない。IoT CentralはMicrosoftが100%責任を持って運営する。IoTを導入、運用するために必要なITインフラはそっくりMicrosoftが提供する。企業は目的とするビジネスから得られたデータを解析するだけよい」という。また多数のビジネス分野向けに事前に構築された標準パッケージも用意されている。

ただしユーザー企業はデータのストレージ、解析エンジンをMicrosoftに依存せざるを得ない。これは企業側の柔軟性を失わせるという副作用をもたらすかもしれない。

時系列データを解析するAzure Time Series Insightsは現在プレビュー版で提供される。このサービスは簡単にいえばMicrosoftが提供する新しいデータベースだ。Microsoftはこのテクノロジーをずっと以前からAzureへアクセス・ログを記録するのに用いていた(つまりこのシステムは毎日数十億のイベントを処理してきた)。さまざまな例外はあるものの、IoTデータは基本的に時系列で得られる場合が多い。Time Series Insightsは分析、視覚化、対話性等がすべて時系列データの処理に最適化されており、何らかの異常を発見する能力も優れているという。既存のソフトウェアに接続するためのAPIもデベロッパーに対して提供される。

Microsoftが発表したもう一つのサービス、Azure Stream Analyticsはさまざまなエッジデバイス〔データのエントリーポイントとなる機器〕上で作動する。つまりこれらのデバイスはそれ自身でリアルタイム・アナリティクスを実行可能で、得られたデータをすべてAzureサーバーに送信する必要がない。クラウド・ソリューションは何百万ものデバイスのデータを解析する必要があるが、個々のデバイスが得るデータのすべてが重要であるというわけではない。またRaspberry Piのような小さなコンピューターでもAzure Stream Analyticsをローカルで実行する能力を十分に備えている。そのためインターネットインターネット接続が不安定な状況でもエッジデバイスから信頼性のあるデータ取得が可能となる。

Georgeによれば、MicrosoftはIoTは今後さらに成熟したテクノロジーとなり、ますます多くの有用な情報がエッジデバイスとの間でやり取りされるようになると考えている。Stream
Analyticsはこの方向に向けてのMicrosoftの第一歩だという。

もちろんMicrosoftはIoTクラウド分野での唯一のプレイヤーではない。 しかし企業がIoTを導入する際、GoogleやAWSのようなライバルと比較してMicrosoftの方がはるかに助けになるとGeorgeは考えている。「現在さまざななビジネス分野を横断してこれら3つの超巨大クラウドが存在する。しかしその中でオンプレミスのITに対する緊密なサポートも含めてIoTに特化したサービスを提供しようとしているのはAzureクラウドだけだ。これはライバルと比較して重要な差別化要因だと思う」とGeorgeは述べた。

画像: NicoElNino/Getty Images

〔日本版〕下のビデオはMicrosoftによるIoT Central紹介

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Microsoft、Azureクラウドへの移行を助けるツールを各種発表

MicrosoftはAzureの最初期からエンタープライズ向けのハイブリッド・クラウドに力を入れてきた。これは企業がクラウド・サービスを利用しながら並行して自社のデータセンターでもソフトウェアを動かす環境を指す。Microsoftがマーケティングを行っている企業の80%は現在でもクラウド移行にあたってハイブリッド・アプローチを希望しているという。そこで今日(米国時間4/12)、Microsoftは企業がクラウドに移行することを助ける各種のツールを発表した。

こうしたツールの中でももっとも重要なのは、Cloud Migration Assessment〔クラウド移行アセスメント〕だ。Microsoftは企業の既存のITインフラをスキャンし、各種サービスをAzureへ移行するコスト(およびクラウド化によって削減できるコスト)を見積もりしてくれる。

Azureのハイブリッド・サービスを利用するユーザーはまたWindows Serverのライセンス料金の割引を受けることができる。Azure Hybrid Use Benefit ではWindows Serverが最大40%割引となるのでユーザーとしてミッションの一部をAzureクラウドに移行することが非常に魅力的となる。

またAzure Site Recoveryツールもアップデートを受けた。このサービスはエンタープライズの事故復旧を助けるものだが、同時に既存のバーチャル・マシンをAzureに移行するツールとしても利用できる。利用者にはMarquette UniversityやUnited Airlines (UAがアプリケーションを自社サーバーから無理やりAzure移そうしているのかどうかは不明だが)のような大きな組織が含まれる。今日のアップデートでAzure Hybrid Use Benefitがスタートしたが、同時に発表されたバーチャル・マシンをAzureに移行することを助ける各種の機能が利用可能になるのは数週間後の予定。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

MicrosoftがAzure Container Service Engineをオープンソース化、Kubernetesのネイティブインテグレーションも発表

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オープンソースのKubernetesコンテナ管理プロジェクトは、おそらく、今日利用可能なさまざまな競合するコンテナ管理サービスの中で最も人気があるものだ。Kubernetesのオープンソース側のホスト役を果たしているCloud Native Compute Foundationは、初めてのKubernetesカンファレンスを今週主催する。当然ながら、数日の内に私たちは相当な数のコンテナ関連ニュースを目にすることになるだろう。

その筆頭はMicrosoftである。同社はそのAzure Container Service(ACS)のコアエンジンのソースコードをオープンにするだけではなく、ACSに対するKubernetesのネイティブインテグレーションに関しても、そのプレビューを公開する。加えて、MicrosoftはMesosphere’s DC/OSへの対応も続けていて、DC/OSの最新版に対するサービスもアップデートする。

「コンテナが仮想化の次の進化です、組織をこれまでよりも更にアジャイルにしてくれるのです」と、MicrosoftのCompute for Azureの責任者のCorey Sandersは、本日のアナウンスの中に書いている。「私はこれを毎日のように顧客から教えられています!一度アプリを書けば、どこへでもデプロイすることができます。開発でも、テストでも、そして本番環境でも。コンテナはどのようなハードウェアでも、どのようなクラウドでも、そしてどのような環境でも変更せずに実行することができるのです。要するに、それらはアジャイルなDevOpsに対する真にオープンでポータブルなソリューションを提供してくれるのです」。

マイクロソフトは、ユーザーに対してコンテナのオーケストレーションプラットフォーム(Docker Swarm、DC/OS、Kubernetes)の選択肢を提供する戦略を続けている。Kubernetesに関しては、Microsoftはすでに最近の2年の間、そのインフラ上で、このGoogleがインキュベートしたコンテナ管理プラットフォームをサポートしていた。「今日は、私たちはこのサポートをさらに進め、Azure Container Service上のKubernetesのプレビューリリースをアナウンスします」とSandersは書いている。「この深くネイティブなKubernetesへのサポートは、Azure上におけるコンテナオーケストレーションエンジンに対する、また別の完全なオープンソースの選択肢を提供します」。

Microsoftはまた、コンテナイメージのためのプライベートリポジトリであるAzure Container Registryのプレビュー版を、11月14日にローンチすることも発表した。既にAzureの上に各自がプライベートなDocker Registryをセットアップすることはできていたが、それは手動プロセスで、開発者にリポジトリインフラストラクチャの管理を委ねるものだった。AmazonGoogleの両者が、既にこの機能を提供していることを考えると、Microsoftが今この競争に参加してくることは驚きではない。

これに加えて、Microsoftはまた、Visual Studio、Visual Studio Team Service、およびフリーでオープンなVisual Studio Code Editorのような開発ツールから、マルチコンテナLinuxアプリケーションをデプロイするための、より沢山のツールを11月14日に提供することもアナウンスした。

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(翻訳:Sako)

サティア・ナデラが語る、人工知能が変革するMicrosoft

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MicrosoftのCEOサティア・ナデラは同社の開催する大規模な開発者会議Igniteのステージで、ディープラーニングと人工知能がどのように同社を変えていくのかについてのビジョンを発表した。

「AIは私たちの野心の交点に位置するのです」。ナデラは「大規模なデータに意味を与え、それを知性へと変換していくことを」AIがどのように可能にするのかを指摘した。彼はAIを書籍やウェブの登場になぞらえつつ、私たちは程なくあまりにも大量のデータを生み出してしまうので「どのように物に名前をつければよいかも分からない地点に辿り着くだろう」という冗談を口にした。

しかし、それはまた、問題も生み出している。「この情報爆発の中で、足りないままなのは人間の意志と時間です – このすべての情報の中から意味を見出す私たち自身の能力が不足しているのです」と彼は語った。

マイクロソフトの中で、この転換は現在、Cortanaのようなエージェントや、SwiftKeyおよびOffice 365のようなアプリケーション、そしてCortana Intelligence SuiteやAzure cloud computing platformのような開発者向けツールとプラットフォームといったいくつかのエリアで進行している。

サトヤ・ナデラ

エージェントについては、ナデラはその野心として狙っているのは「テキスト入力を受け入れ、音声入力を受け入れ、あなたを深く知っている。あなたの文脈、あなたの家族、あなたの仕事を知っていて、そして世界を知っている」ような知的アシスタントを作ることだと述べた。そしてまた、このエージェントは束縛を受けずに、どのプラットフォーム上でも、どのアプリケーションの中でも使えなければならないと強調した ‐ たとえそれがMicrosoftの制御下にないものであったとしても。

「Office 365で行われたことは、単にクラウドへの移行ではありません」とナデラ。「最も意義深い転換は、Office 365のアプリケーションを支えるデータはグラフ構造になっているという事実です。そして信頼できる、プライベートな保存方法で、私たちはこのデータを意味付けて、知性を生み出すことができるのです。それこそがOffice 365で行われた本当に意義深い転換なのです」。

ボット・アット・マイクロソフト

彼はまた、Outlookの「優先」受信トレイやSkypeのリアルタイム翻訳、Wordのよりスマートなスペル修正機能、そしてWordの新しいツールであるTap(訳注:文書を書いている際に文脈に応じて既存の文書を1タップで呼び出せる機能)などが、どのようにこのAIを活用していくのかについて述べた。

ナデラは特に同社のCRMツールであり主要な収入源であるDynamics 365が、この技術を如何に活用できるかについて強調した。「たとえば販売というものを考えてみましょう」と彼は語る。「どのようなビジネス・アプリケーションでも、いつでも世界を明示的にモデル化していました。[…中略…]しかし、ここには1つの切実な問題があります:ほとんどの販売アクティビティはCRMシステムの外で発生するのです。だからここで考えているAIの目標は、あなたの販売データモデルの意味を分析することができるようになることなのです。CRMシステムの内部だけではなく外部でも」。

この文脈の中で、ナデラはまた、同社が6月に買収したLinkedInからの関係データがいかに活用できるかを説明した。

開発者のためには、このAIに開発者自身の独自アプリケーションからアクセスするためにCortana Intelligence Suiteが用意されている。ツールセットには、今やボットフレームワークも含まれている。ナデラは、どのビジネスもある時点になれば会話エージェントを利用すると考えている。

Microsoftは現在、ファンタジーフットボール(訳注:実在の選手を使って仮想的なチームを作り、仮想的なゲームを楽しむこと)のボットを作成するためにNFLと協力している、またUberは現在、ドライバーと乗客を認証するためのCortana Cognitive Servicesの顔認識ツールを使っている。ナデラはまた、Microsoftがボルボと協力して、ドライバーの注意力が散漫になっていることを検知する(そして警告を行う)システムの開発を行っていることを述べた。

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これらの技術をMicrosoftのHoloLens複合現実ヘッドセットと組み合わせることによって、「私たちの時代の、2つの最先端の魔法技術」を手にすることができる。例えば、 Lowe’sは顧客は台所をHoloLensを使ってデザインできるアプリケーションを開発している、しかし同社は今日また、複数のセッションから集められたデータをどのように利用できるかについても説明を行った ‐ その中には人の視線を追跡したデータを集めたものも含まれている ‐ 体験を改善し、アイテムの並べ方をよりスマートにするためにデータを役立てることができるのだ。

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マイクロソフトが「クラウドファースト、モバイルファースト」の世界に私たちが住んでいることを語るのが大好きであることを考えれば、ナデラがさらにMicrosoftのAzure cloudについて語ったことは驚きではない。彼は、ディープラーニングモデルを訓練するために、AzureがどのようにGPUベースのマシンへアクセスを開発者達に提供するのか、そしてどのように最近FPGAの利用を始めたのかについて強調した。ナデラはこのFPGAを使ったクラウドを「初のAIスーパーコンピューター」と呼んだ(とはいえFPGA代わりにカスタムチップを実際に利用しているGoogleこそが、おそらく「初」の冠を主張しても良いだろう。この手のデプロイメントで最大規模のものではないとしても)。Microsoftのコグニティブサービスの一部は既にこのプラットフォーム上で動作していて、Azureはそのネットワークインフラストラクチャの速度向上のためにそれを使用している。

「ここで大切なのは私たちのテクノロジーではありません」クロージングとしてナデラはこう語った。「私にとって本当に大切なのは、皆さんの情熱、皆さんの想像力、そして私たちが作成した技術を使って皆さんができることです。一体どんな社会問題を、そしてどんな産業を、みなさんは再構築してくれるのでしょうか。それこそが本当に私たちが夢見ていることなのです。かつて私たちが皆さんの指先に情報を連れてきたように(訳注:かつてビル・ゲイツはInformation at Your Fingertipsという標語を掲げていた)、私たちはAIを皆さんのものにしたいのです」。

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(翻訳:Sako)

MicrosoftのAzure Media Servicesにビデオの要約を自動作成、タイムラプス生成、ビデオ画面に対するOCRなど、多くの新機能が加わる

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ビデオ関連のワークフローを支えるツールをクラウドから提供しているMicrosoftのAzure Media Servicesが、相当賢くなるようだ。今日ラスベガスで行われた2016年NAB show〔放送機器のカンファレンス〕でMicrosoftは、同社がビデオ用の機械学習サービスのために開発したツールの一部を、Media Servicesが利用していく、と発表した。

これによりたとえば、Media Servicesはソースのビデオからいちばんおもしろい部分を取り出したり、ビデオ全体の要約を素早く作って見せたりできる。

また、これらのツールには顔認識の技術や、人間の感情を見分ける能力も加わる。感情の判別は同社のCognitive Servicesがすでに、静止画像に対して行っている 。これらの技術や機能により、たとえば、何かのイベントで行われたスピーチに、人びとがどのように反応したかが分かるようになるだろう。あなたのキーノートがあまりにも長かったら、人びとの感情は、楽しい→無関心→うんざり、と変わっていくだろうね。

Microsoftは今、Hyperlapseというものも作っている。それは、いわゆるタイムラプスビデオをAzure Media Servicesの中へ作り込める機能だ。この機能はすでに公開プレビューをやっており、最初、最大1万フレームまで、という制限があったが、今はない。

そのほかの新しい機能としては、動きの検出、音声をテキストに変換するインデクサーが新たに6つの言語(計8言語)に対応、ビデオ中のテキストに対する動き検出とOCR機能、などがある。たとえば、ふつうの、キーワードによる検索の結果に、ビデオも含まれるようになるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

MicrosoftがAWSのLambdaに続いてサーバー不要のイベント駆動型クラウドサービスAzure Functionsをローンチ

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Microsoftが今日(米国時間3/31)行われた今年のBuildデベロッパーカンファレンスで、デベロッパー自身がそのためのインフラを作らなくてもイベント駆動のトリガーを作れる、というサービスのプレビューを発表した。

ご存知のようにAWSは昨年のre:Inventカンファレンスで、Lambdaと呼ばれる同様のサービスを発表したが、競争の激しいパブリッククラウドプラットホームの業界だから、Microsoftもそれを黙視できない。Microsoftの、AWS Lambda相当サービスの名前は、Azure Functionsという。

Microsoftから見ればそれは、同社のPaaSサービスの拡張であり、デベロッパーはJava, Python, C#, phpnなど自分が使い慣れている言語でイベントトリガを作れる。そしてそれはAzure上はもちろん、そのほかのサードパーティによるプライベートやハイブリッドのクラウドでも使える。

Microsoftはこれを主に、IoT用と位置づけている。デバイスやセンサーから情報が来ると、それがイベントをトリガーして自動的に何かを起こす。

Azure Functions demo

なお、Googleも最近、Google Cloud Functionsという似たような名前で、同様のツールのアルファを開始した

ファンクションをプラットホーム側で(イベント駆動で)動かすわけだから、ユーザー(デベロッパー)はサーバーが要らない。この考え方は、なかなか魅力的だ。デベロッパーはイベントトリガーを作る、あるいはそれぞれ独自の意味を持った一連のトリガーを作る。するとクラウドサービスがそれら(から起動されるファンクション)を動かしてくれる。そのために必要な計算機資源やメモリ、ストレージなどはクラウドプラットホーム側が手配する。イベントそのものは、単なる引き金(トリガー)だから、一瞬しか存在しない。

それ(ラムダファンクション)は、小さな自己完結的なアプリケーションをデプロイする権限をプログラマーの手に渡し、デベロッパーがアプリケーションを壁の向こうにいるオペレーション(ops)に渡してデプロイしてもらう、という状況がなくなる。デプロイは、デベロッパーが自分でやる。なぜなら、オペレーション相当部分は、Microsoftなどのクラウドプロバイダが、適正なリソース配分を自分でやりながら担当し、アプリケーションのデプロイを行い、イベントのトリガーを扱っていくからだ。

もちろんこれによって、複数のイベントが同時並列的に発生したり、トリガーが別のトリガーをトリガーするといったドミノ効果が起きることもありえる。そして最終的には、いろんなイベントにトリガーされたアクティビティのコンスタントなフローが常在し、それら個々の小さな(大量の)イベントに課金するMicrosoftは、確実に収益を積むだろう。

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MicrosoftのマイクロサービスプラットホームAzure Service Fabricが一般公開へ

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Microsoftが今日(米国時間3/31)、Azure Service Fabricから“プレビュー”のラベルを外した。それは、ステートフルとステートレスの両方のDockerベースのマイクロサービスを、クラウドとオンプレミスで動かすサービスだ。

Service Fabricは、Microsoft自身もAzureの中核的インフラストラクチャの多くを駆動するために使っており、一般のデベロッパーはこれをMicrosoftの次世代PaaS技術の上で利用することにより、高度にスケーラブルなサービスを構築できる。

このサービスの基本的な考え方は、デベロッパーをアプリケーションのコードに集中させ、オーケストレーションやスケーリングはすべてMicrosoftが面倒見る、というものだ。デベロッパーはService Fabricを使って、自分のコードをパッケージし、デプロイするが、その際、それらを支えるサーバーのアーキテクチャをまったく気にする必要がない。今日のキーノートでMicrosoftは、リアルタイムマルチプレーヤーゲームのAge of Ascentのデベロッパーたちが、Service Fabricを利用してそのマイクロサービスを、必要に応じてスケールアップ/ダウンできるところを見せた。

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そのService Fabricが今日から一般公開されるので、MicrosoftはそれをLinuxとWindowsの両方のサーバーでサポートする、と約束どおりの発表をした。どちらの実装も今はまだプレビューだが、それによりデベロッパーはツールをハイブリッドなデプロイ環境でも利用でき、AWSなどほかのクラウド上のランタイムも使えるようになる。

さらにMicrosoftは、Service FabricのプログラミングフレームワークをLinux上でオープンソースにする。

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MicrosoftはAzure Service Fabricを、この前のBuildデベロッパーカンファレンスで初めて発表した。ということは、それをSkypeやCortanaなどで、すでに内部的には使っているにもかかわらず、一般供用までには相当の時間をかけたことになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Microsoft AzureがAWSからの移行を容易にし、ハイパフォーマンスコンピューティングのサポートを充実

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Microsoftが今日(米国時間7/9)、同社のクラウドコンピューティングプラットホームAzureのアップデートを発表した。このアップデートには、大規模で計算集約的なアプリケーションを動かすための新しい機能二つと、AWSからAzureへの移行を容易にするためのAzure Site Recoveryの新機能が含まれている。

Microsoftは1年前にInMageを買収し、そして直ちに、その複数のクラウド間移行技術をAzure本体に組み込んだ。それがAzure Migration Acceleratorのプレビューリリースにつながり、物理マシンや仮想マシン(VMware、AWS、Hyper-V)を容易にAzureへ移行できるようになった。そして今回は、そのサービスが実質的に、Azure Site Recoveryに統合された。

Microsoftは、AWSと違ってAzureではハイブリッドクラウドが持つ利点をユーザ企業が十分に享受できる、と主張している。今日の発表声明ではMicrosoftのクラウドプラットホームのマーケティング部門トップMike Schutzが、“AWSでは統一的で完全なハイブリッドクラウドソリューションの利点を十分に発揮できない場合が多い”、と述べている。“今回の新しい機能により、Azureへの全面的移行が容易になり、Microsoft Cloudが提供するハイブリッドの柔軟性と自由を享受できるようになる”。

またAzure Site RecoveryをOperations Management Suiteのユーザも利用できるようになり、これによりアドミンは、オンプレミスとパブリッククラウド(Azure、AWS)にまたがるワークロードを管理できるようになる。

一方、ハイパフォーマンスコンピューティングの方面ではMicrosoftは二つの新しい機能により、Azureによるワークロードの管理をデベロッパがさらにコントロールできるようにしている。まず仮想マシン上でLinuxのRemote Direct Memory Access機能を使い、複数のマシン間のデータ移動を大幅に高速化する。またMicrosoftは同社のハイパフォーマンスコンピューティングパックをアップデートして、既存のオンプレミスのソリューションをAzureクラウドへ容易に拡張でき、それらをクラウドでデプロイできるようにした。

さらにまた、同社が昨年買収したGreenButtonの技術から生まれた、大規模なバッチジョブのジョブスケジューリングと管理を行うAzure Batchが、今日から一般供用される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Microsoft、ハイブリッドクラウド戦略を強化―Azureがオンプレミスのデータセンターで稼働へ

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Microsoftは以前からエンタープライズ・ユーザーに対するハイブリッド・クラウドの提供に力を入れてきた。今週、Microsoftはこの戦略をさらに一歩推し進め、Microsoft Azure Stackを発表した。この新サービスはAzureのクラウド・アプリの導入、運用、管理をあらゆるデータセンターに提供するものだ。データセンターは企業のオンプレミスのものであってもホスティング会社のものであってもよい。

Azure Stackはソフトウェアによるネットワーキング、ダイレクトアタッチストレージの共有、バーチャルマシンの運用とセキュリティー管理、オンプレミス・データセンターのクラウド運用モニタなどMicrosoftのクラウド・テクノロジーを広汎に提供する。IT管理者のための新しいプライベート・クラウドのソリューションだ。デベロッパーにとっても専用アプリを既存のデータセンターで運用するのが容易になるだけでなく、スケールを拡大する必要が生じた場合でも即座に対応が可能になる。

MicrosoftはAzure Stackの上でマイクロサービスを走らせるためにAzure Service Fabricという新しいサービスもリリースした。デベロッパーは新しいAzure Resource Managerを使って、パブリック・クラウドのAzure上でもプライベートなデータセンターのAzure Stack上でも自由にアプリケーションを運用できる。 .

現在のところ、Azure StackがサポートするのはWindowsとLinuxのバーチャルマシンだ。エンタープライズ・ユーザーの大部分がこの両プラットフォームを利用しているとMicrosoftは考えている(ただしコンテナへのシフトも広がっている)。今後Microsoftはさらに広汎なAzureサービスをAzure Stackに導入する計画だ。

このサービスにはAzure Preview Portalが統合されているので、デベロッパーは必要とするサービスを自分でローカルクラウドにプロビジョニニングできる(また必要が生じればそのままパブリッククラウドにも展開できる)。 このサービスにはさまざまなエンタープライズ向け課金機能も含まれる。現在IT部門はクラウドサーバーをプロビジョニングするためにそれを迂回することに決めたグループに対処しなければならない。新しいソリューションによってこうした必要がなくなる。

Microsoftのクラウドプラットフォーム・マーケティングのゼネラル・マネージャー、 Mike Schutzは私の取材に対して「Microsoftはカスタマーのデータセンターをクラウドの拡張と考えている。カスタマーはAzureを自らのプライベートクラウドの拡張と考えることができるようになるだろう」と述べた。

Azure Stackは今年の夏の終わり頃にプレビュー版が公開される予定だ。一般向けに正式リリースされるのはWindows Server 2016と合わせて2016年になる。

またMicrosoftは今日(米国時間5/4)、IT部門がオンプレミス、パブリックの双方でクラウド・アプリケーションを運用することを助けるためのOperations Management Suiteを発表した。これは。アプリケーションがどこで、どんなプラットフォーム(Azure、AWS、Windows Server、Linux、VMWare、OpenStackをサポート)上で作動していてもモニターできるツールで、Azureチーム自身がクラウドを運用する際に得た豊富な経験がフィードバックされているという。

このツール・スイートにはログ解析、セキュリティー、運用オートメーション、アプリケーションとデータの保護の各ツールが含まれる。 将来Microsoftはさらにクラウド・ベースのパッチ、インベントリー、アラート、コンテナ管理などのサービスを加えていく計画だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Microsoftはクラウド企業への変身を志向する…2018会計年度の商用クラウドの売上を$20Bと予測

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Microsoftが今日(米国時間4/29)のデベロッパカンファレンスBuildで、2018会計年度(2017年半ば以降)に同社の商用クラウドの売上(年商)が200億ドルに達する、と発表した。Microsoftがここで“商用クラウド”と言っているのは、Azureと企業向けのOffice 365などのことで、その売上が一四半期あたり約50億ドルになる、というのだ。

それは、大金だろうか? まさに、そのとおりだ。同社の商用クラウドの今の年商は63億ドルだ。これは前年比で8億ドルの増になる。Microsoftの2017会計年度は今からほぼ9四半期後だが、それまでに各四半期ごとに10億ドルあまりの成長を達成する必要がある。今のペースから、大きく飛躍しなければならない、ということだ。

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ということはMicrosoftは、商用クラウドがなるべく早く同社の収益の柱になってほしい、と期待しているのだ。同社の最新四半期の総売上は、217億ドルだった

企業としてのMicrosoftは、WindowsやOfficeのユーザをオンラインの有料会員に変えたいと画策している。消費者向けのOffice 365は急成長して、最新四半期では会員が前四半期比で35%も増えた。Office 365の1250万の消費者会員ユーザは、同社にとって重要な継続的売上源だ。

つまりMicrosoftのクラウド化は、今や実際に起きていることであり、同社は投資家たちに、その成長がはやいのだ、と訴求している。これまでクラウドでは影が薄かったMicrosoftは、今やクラウド化に積極的に挑戦しようとしている。もしも目標の200億ドルに達しなかったら、同社のクラウド化はまだ道半ば、ということになる。

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Mesosphereの総合化プロダクトDatacenter Operating System(DCOS)がMicrosoft AzureとAWSに上陸

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さまざまなサーバで構成されるデータセンターを単一のエンティティとして扱えるためのサービスを提供しているMesosphereが、重要な結実期を迎えた。今日(米国時間4/29)同社は、Microsoft AzureとAmazon Web Services(AWS)の両クラウド上で、同社のDatacenter Operating System(DCOS)の公開ベータローンチした。オープンソースのApache Mesosをベースとする同社の技術にとって、これは大きな前進だ。

デベロッパはDCOSを使ってHadoopやCassandra、Jenkins、Googleのコンテナ管理サービスKubernetesなどのLinuxアプリケーションをクラスタ上で容易に動かすことができ、処理需要の増減に応じてのスケーリング、そのためのリソースプロビジョニングは、DCOSが自動的に行う。Mesosの基本機能により、これらのアプリケーションにとってデータセンターは、共有リソースの単一のプールになる。〔データセンター全体を一台のPCのように操作/管理できる。〕

TwitterやYelp、NetflixはすでにMesosを使っており、AppleもSiriのバックエンドをMesosの上で動かしている。

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今日行われたMicrosoftのデベロッパカンファレンスBuildで、AzureのCTO Mark Russinovichが、Mesosphereを使ってAzure上でクラスタをローンチするやり方を見せた。彼はその、200のノードから成るクラスタを素早く始動し、その上で2000のDockerコンテナをローンチした。Azureは今日、ややカスタムなデモを見せたが、AWSを使っているデベロッパもそれと同じ機能を同プラットホーム上で利用できる。

これまでMesosphereという名前だったはずのプロダクトがなぜ今日から急にDCOSになるのかというと、それまで同社はそのサービスを、Mesosの“スタック”に焦点を当てて語っていたのに対し、昨年の終わりごろからはそれらの関連サービスのすべてをDCOSへとパッケージングして、選ばれた少数のデベロッパにアーリーアクセスを提供し始めていたからだ。そして今日からは、すべてのデベロッパがここを窓口として、公開ベータにサインアップできる。

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Microsoft Azureが4KエンコーディングやNoSQL DocumentDB、自然言語検索など高級機能を続々サポート

Microsoftは今日(米国時間3/5)、同社のクラウドコンピューティングプラットホームAzureに関する発表をいくつか行った。その一部は、前に発表したサービスがプレビューを終えたというもので、NoSQLデータベースDocumentDBや検索SaaS Azure Search、そして仮想マシンの新しいインスタンスタイプ2種などだ。 また、新たにローンチしたAzure Media Services Premium Encoderは、Azureの通常のエンコーダサービスに加えてより高度なエンコーディングを必要とする企業のためのツールだ。

そのPremium Encoderは、放送品質のコーデックや4Kファイル、クローズドキャプション、それに複数言語のオーディオトラックをサポートする。またレターボックスの検出と削除、ビデオへのオーバレイ、などもできる。

DocumentDBは昨年の8月にデビューし、4月8日に公式にプレビューを終える。それはMicrosoft独自のJSONベースのNoSQLドキュメントデータベースで、予約スループットの大きさに応じて三種類のパフォーマンスレベルが提供される。コレクション(collection、RDBのテーブルにほぼ相当)ごとにそれぞれ異なるパフォーマンスレベルを割り当てられるので、ユースケースのニーズに応じた、無駄のないきめ細かい課金体系が可能だ。

プレビューを立ち上げてから以降これまでMicrosoftは、Hadoopの統合やJava SDKのサポート、時間制課金、ラージドキュメントのサポート、などの新しい機能をDDBサービスに加えてきた。

Azure Searchも発表は8月だったが、DocumentDBと同じく今日プレビュー期を終えた。デベロッパはこのツールを使って自分のアプリケーションに検索機能をもたせられるが、そのためのバックエンドはすべてMicrosoftが担当する。その検索対象は、DocumentDBやAzure SQL Database、SQL Serverなどのデータベースでもよい。またデベロッパは、BingやMicrosoft Officeの検索ツールが使っているのと同じNLP(自然言語処理)機能も利用できる。

さらに今日プレビューを脱するのはAzureのA10とA11インスタンス、これらは8/16コア、RAM 56/112GB、という計算集約的なインスタンスで、Microsoftによれば、ビデオエンコーディングやリスクモデリング/シミュレーションなどを動かすのに適している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa


Microsoft、クラウドベースの機械学習プラットフォームAzure MLを発表を正式リリース

企業には日々四方八方から大量のデータが流れこんでくる。顧客、ソーシャルメディア、モバイルアプリ、センサー、Excel表計算ファイル等々、その種類と量は増えるばかりだ。Microsoftは企業のビッグデータ処理を助けるためクラウド上の機械学習のAPIを公開した。

今日(米国時間2/18)、MicrosoftStrataカンファレンスで、クラウド機械学習サービス、Azure Machine Learningを正式に発表した。このサービスは6月にベータ版が公開されていたが、今回の正式リリースを機に機能のアップデートも行われた。

われわれは6月の記事で、「Azure MLはXboxやBingですでに使われている機械学習機能を利用している。またデベロッパーが未来予測アプリを開発するために使うテンプレートとワークフローも用意される。これによって機械学習アプリを開発するスピードは大幅に加速されるという。サービスのプロバイダはAzure MLプラットフォーム上で各種のウェブサービスを開発できるだけでなく、APIを公開することも可能になる」と解説した。

Azure ML担当のコーポレート・バイスプレジデント、 Joseph Sirosh,はMicrosoftで現在の地位に就く前にAmazonで長く機械学習を担当していた。Siroshによれば、人気のあるデータ処理言語Rに加えて、今回のアップデートで新たにPythonがサポートされたという。

「われわれはPythonを追加したが、これは多くのデータ・サイエンティストに好まれている言語だからだ。Pythonのエコシステムは巨大だ」と SiroshはTechCrunchに語った。

またSiroshによれば「われわれはPythonの追加以外にも多数の改良を行った。Azure Machine Learningはプラットフォームだ。デベロッパーはPythonの短いコードをコピー&ペーストするだけで新たなAPIが作成できる」という。

新しいAzure MLプラットフォームはPythonに加えてHadoopとSparkもサポートした。 これでビッグデータを処理するための標準的ツールはプラットフォームを選ばず、ほぼ全面的にカバーされることになる。

このプラットフォームの真の強みは簡単にAPIを作成し、即座にカスタムデータ処理を開始できるところにある。

「クラウドは『最後の1マイル』問題も解決した。以前このようなサービスではまずデータ・サイエンティストがビッグデータを分析してパターンを見出し、IT部門がそれに応じてアプリケーションを開発するという手順を踏む必要があった。このプログラムのコーディングがきわめて手間のかかる作業であり、何週間、何ヶ月もかかっていた。しかしAzure MLならアプリケーション開発は数時間ですんでしまう」と Shiroshは6月の記事で説明している。

Siroshは今回プラットフォームのサポート範囲が広がったことに満足している。「データサイエンティストはクリック数回で新しいAPIを発行できるようになった。アプリケーションにはRとPythonのコードを組み合わせて利用できる。ユーザーには信じられないほど広い選択肢が提供される」と述べた。IBMやSASも同種のサービスを提供しているが、Azure Machine Learningプラットフォームほど統合的なサービスは他にないという。

「Azure MLは完全に統合され、マネージされたツールセットだ。ユーザーは新たにハードやソフトを用意する必要が一切なく、クラウドで完結した高度な機械学習とビッグデータ分析が実行できる」ということだ。

またAzure MLでは機械学習とデータ処理のツールが提供されるだけでなく、ユーザーは自ら開発したアプリやAPIを他のユーザーと共有できる。Siroshは「これはデータサイエンティストが新しいアイディアを試すのに絶好の環境だ」と強調した。

マーケットプレイスには現在、20件のテスト・プロジェクトが登録されているが、Siroshは「マーケットプレイスの可能性は巨大だ。将来、エンタープライズのあらゆるデータ処理ツールがこのマーケットプレイスで得られるようになるだろう」予測する。

Azure MLは標準的なデータの視覚化ツールを備えているが、さらに高度な視覚化のためにはMicrosoft Power BIIPython Notebookと連携させることができる。

画像:CanStockPhoto

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Microsoft、シリコンバレーに求愛―YCのスタートアップ各社に50万ドル分のAzureを提供

今週、Y CombinatorとMicrosoftは提携プログラムを発表した 。これによると、MicrosoftはY Combinatorの現在のクラスにAzureクラウド・コンピューティングを無料で提供し、インキュベーションを助けるという。

このプログラムにより、参加スタートアップにはそれぞれ50万ドル分のAzure利用クレジットと3年間のOffice 365への無料アクセス権が与えられる。50万ドル分のクラウド・コンピューティング能力の提供はMicrosoftにとっては何でもないだろうが、Y Combinatorに参加している若いスタートアップにとっては莫大なものだ。厳しい審査を通ってクラスへの参加を認められた際にY Combinatorから投資されるキャッシュの何倍にもなる。これはたいへん興味深い試みだ。

Microsoftは世界各地でアクセラレータ・プログラム を実施している。たとえばイスラエルではMicrosoft Venturesが主体となっている。このチームは以前Bing Fundと呼ばれ、その立ち消えになっていた育成事業の後継だと思われる。Microsoft Venturesの以前のボス 、Rahul Soodは私の問い合わせに対してTwitterで「 MicrosoftはBing Fundを中止した」と確認した。

(アップデート:Microsoftの広報担当者とチャットした。それによると、Bing Fundは活動を中止した後、事実、Microsoft Venturesに吸収された。同事業は数件の投資を行ったが、現在は積極的に活動していない。Microsoftは現在スタートアップに対する直接投資は行っていない、とのことだ。)

なおYCのスタートアップにクラウド・コンピューティングを提供するのはAzureだけではない。Amazonは10万ドル分のAWSを提供、Digital Oceanは1万ドル、Herokuは5万ドルをそれぞれ提供している。しかし今回のMicrosoftが提供するクラウド・コンピューティングの価値は他のプロバイダーの提供分を合計したものの2倍にあたる。

このプログラムの一環としてMicrosoftはY Combinatorのファウンダーたちを対象として1日がかかりで解説とプレゼンテーションを行う。これにはMicrosoftのチーフ・エバンジェリスト、Steve GuggenheimerとAzureの責任者、Scott Guthrieが加わる。

私は対象となるY Combinatorのファウンダーの何人かと話をしたが、一人は「すごくびっくりした。実にすばらしい」と語り、「これまでAzureを使うことを考えていなかったが、こうなればもちろん使う。Azureだけを使うことになるかもしれない」と付け加えた。

このプログラムは将来有望なスタートアップのFounderたちの「ハーツ・アンド・マインズ」をMicrosoftがつかむために大いに役立つだろう。Azureを50万ドル分使えるということは、近い将来、それだけの資金を節約できるということだ。小さなスタートアップにとって非常に大きな意味を持つのは明らかだ。

現在シリコンバレーではAmazonのAWSはクラウド・コンピューティングのデファクト標準だ。しかしY CombinatorのクラスへのAzureの無料提供が今後も繰り返されるなら、この勢力図を少しではあれ、変えるかもしれない。Y Combinatorのクラスのファウンダーたちのうち、どのくらいがAWSでなくAzureを選ぶか注目したい。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Windowsアプリケーションをクラウドで動かすMicrosoftのAzure RemoteAppがベータを終えて一般公開へ

5月にMicrosoftは、 同社のAzure RemoteAppサービスの公開ベータを発表した。名前のとおりこのサービスは、ユーザがアプリケーションを仮想化してAzure上で動かし、リモートでそのアプリケーションを利用する、というものだ。ユーザの使用機はWindows PCでもMacでもモバイルでも何でもよい。そして今日Microsoftは、 RemoteAppが12月11日にベータを終え、SLAも提供される、と発表した

それまでAzureのアカウント保有者が無料で使えたRemoteAppは、一般公開とともに有料制になり、月額10ドル(40時間まで)プラス従量制(1時間0.175ドル、上限17ドル)のベーシックプランと、月額15〜23ドルのスタンダードプランの二つのプランが提供される。後者は、Officeのような大型アプリを使う場合に向いている。なお、一般公開されてから最初の30日は無料の試用期間だ。

Microsoftはかねてからクラウドのハイブリッド(パブリック+プライベート)展開を重視しているので、RemoteAppはも企業ユーザが自社のサーバ上で自社のアプリケーションをホストするためにも使える。そのためのサーバアプリケーションとしてMicrosoftは、Remote Desktop Session Hostという、まさにその名のとおりの機能を持つソフトウェアを提供する。社員は自分の会社の認証情報(Active Directoryを含む)や、自分のMicrosoftアカウントで、これにサインインできる。

これらすべての、大企業にとってのアドバンテージは自明だ。企業のIT部門は、社員たちが使う主なアプリケーションをすべてAzureにインストールしたことによって、それまでの面倒な日常的作業から解放され、日常のアドミンワークが楽になる。これまではCitrixのXenAppなどが同様のサービスを提供していたが、従来ずっとサードパーティ任せだったMicrosoft自身も、今後ますます大きくなるエンタプライズクラウドサービス市場を、自己の収益源の一環にする気になったようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


GoogleがCompute Engineにオートスケーリングを提供

Googleのクラウドコンピューティングプラットホームはいつも増築工事が行われているが、今日発表されたのは、同社のIaaS Compute Engineのオートスケーリングサービスだ。今それは、ベータで提供されている。

この新しい機能によりCompute Engineでは、処理量の需要に応じて新しいマシンが自動的に動きだす。たとえば、ユーザのCPU利用が一定の値を超えたり、HTTPのロードバランサが入信トラフィックにスパイクを検出したら、新しいマシンをスタートさせてその負荷を分散できる。このオートスケーラをGoogleのCloud Monitoring APIからトリガさせて、アプリケーション固有の何らかの値をスケールアップの契機としてもよい。ユーザにとってのメリットは、万一の用意のために当面使わないマシンを手当しておかなくてもよい、ということ。必要時には自動的に動きだすから、無駄な経費が生じない。

同社は今月初めに行われたCloud Liveイベントでこの機能を予告していた。ただし、いつから供用開始か、が不明だった。しかしそのイベントの席でGoogleは、システムが毎秒150万リクエストぐらいになっても十分対応できることを示した。

オートスケーリングはAmazonのAWSには2009年からある(Amazonは”auto scaling”、Googleは”autoscaling”)。Microsoft AzureのWebサイトやクラウドサービスや仮想マシンのオートスケーリング(auto-scaling)は昨年6月からある。しかしこれまでGoogleはユーザに、App Engineのサービスを利用してCompute Engineのアプリケーションのスケーリングとオーケストレイションを自動化することを、推奨していた。そのやり方は有効だったが、今後は単純にオートスケーラの2〜3の設定をするだけのことに比べると、面倒でエラーになりがちだった。

Googleにしては、この機能の提供に手間取りすぎた、と言えるだろう。

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クラウドの価格競争に勝者なし

今週初めにGoogleは、Google Compute Engineの料金を一律に10%値下げした。費用はきわめて低くなり、ほとんど誰にとっても、インフラをクラウドで動かすためのコストは些細なものとなった。でもクラウドの価格競争がこれ以上続けば、最終的にどこまで安くなり、そして実際にどこかが最終的な勝者になるのだろうか?

最低の料金とはもちろんゼロだが、しかしこれらの企業には経費が発生するし、クラウドコンピューティングのビッグスリー、Google、Amazon、MicrosoftにとってIaaSは副業だが、サービスを無料にすれば株主が黙っていないだろう。今それは、ゼロに急速に近づいているとはいえ。

そして今週は、OracleがそのDatabase as a Serviceの料金をAmazonと同程度まで値下げすると発表して、世間を(少なくともぼくを)驚かせた。長年、料金が高いことで有名だったOracleが、価格戦争に加わるというのだ。ビッグスリーにはそれなりの来歴と状況があるが、Oracleはエンタプライズソフトウェア(およびハードウェア)で高い利益を得てきた企業だから、おどろきだ。

でもこれが、今日のクラウドの料金の現状だ。SalesforceやBox、Zendesk、WorkdayなどのSaaSたちはこのような値下げ競争に走らないようだが、インフラ屋さんたちはこぞって値下げ合戦に参加し、下向きのプレッシャーが今も続いている。そのうち、店をたたんでしまう企業も、出現するのだろうか。

どれだけ料金が安くなっても、今だにクラウドを疑問視する企業は少なくない。でもそんなCIOたちも、どこまで、クラウドの低料金を無視できるのか? 今や、インフラの自前化にこだわることは、良い経営判断とは言えないし、大企業がクラウドサービスに対してどれだけ不安を抱いていても、その低料金は無視できないだろう。

しかし、悪魔は細部に宿るとも言う。インフラの一部をビッグスリーに移行すると、テレビのケーブル企業と同じく、最初はお試し料金だ。お試し期間が終わり、なかなかいいから使い続けようとすると、料金の高いプランを押し付けられる、という定石がある。

今後クラウドベンダが全員この手を使う、という兆しはもちろんない。むしろ今は価格競争が激しいから、それはできない。他社が値下げに走っているときに、高料金のサービスを顧客に押し付けるなんて。

でも、ここがベンダにとって難しいところだ。これ以上の価格競争は、もうそれほどの営業効果を上げないかもしれない。しかも計算機使用の料金は、定額制ではない。彼らが料金を下げ続ける理由は、実際の料金が動く標的だからだ。コンピューティングのコストは、ハードウェアと電力が無料にならないかぎりゼロにはならない。ビッグスリーはある時点で、この危険なゲームをこれ以上続けるのか、決断しなければならないだろう。

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Microsoft Azure上のWordPressホスティングに高スケーラビリティバージョン登場

今日では、世界中のWebサイトの約1/4WordPressで動いている(本誌TechCrunchもまさに)。しかしWordPressは、トラフィックが猛烈に多い大規模サイトへのスケールアップが容易にできるコンテンツ管理システム(CMS)とは言いがたい。通常のキャッシングはもちろん有効だが、非常に大きなサイトを運用したり、Redditなどのようにビジターの巨大なスパイクに頻繁に対応しなければならない場合は、安価な仮想プライベートサーバでは間に合わない。Microsoftは、Azure Websitesと名づけたAzure上のサービスでWordPressサイトの容易なセットアップとホスティングサービスを提供してきたが、今日(米国時間9/11)からはそれのスケーラビリティバージョンを提供することになった。

これからは、AzureユーザがAzureのApp Galleryへ行くと、そこでMicrosoftが”Scalable WordPress”(スケーラブルなWordPress)と呼ぶものを動かせる。ほんの数クリックで、今後のすべてのメディア資産を保存するためのAzure Storageがセットアップされ、またWordPressの既有のプラグインの多く(よく使われるもの)は、パフォーマンス向上のために最適化されているので、ユーザはそれらを利用できる。そしてAzure上の標準のWordPressインストールと違って、ちょっと料金の高いハイエンドなMySQLデータベースが使われる。

Microsoftの基本的なねらいは、企業ユーザのための、高負荷なWordPressホスティングの提供だ。それでなくてもWordPressは利用者がとてつもなく多いから、今や“WordPressホスティング”という一大産業が存在しており、WP EnginePantheonFlywheelなど専業のWordPressホスティング企業がしのぎを削っている。そして彼らもやはり、企業ユーザをねらっている。しかもAzureと違って彼らは、サイトの完全な管理も代行する。Azureの場合、サイトの管理はユーザの自己責任だが、それでもMicrosoftは、WordPressインスタンスのセットアップの容易さと、上述の強力なスケーラビリティに惹かれる企業顧客が少なくない、と想定している。

今日のアップデートと並行してMicrosoftは、VPNによって仮想マシンやクラウドサービスに安全に接続する能力の提供を開始する。このほか、ロール(役割)に基づくアクセスコントロールや、ライブストリーミング、コンテンツ保護、メディアのインデクシング(音声認識による)などに関するAzure Media Servicesの新機能も今回のアップデートに含まれる。またAzureのAPI管理サービスは一般的に可利用となるSLAが提供される、という意味)。

 

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MicrosoftのAzureがDockerコンテナを管理するGoogleのツールKubernetesをサポート

6月にMicrosoftは、GoogleのオープンソースツールKubernetesによるDockerコンテナの管理機能をAzure導入すると発表したが、今日(米国時間8/28)ついにその約束が果たされる。この統合化の作業をやったのは主に、同社の子会社Microsoft Open Technologiesで、ここはいわばMicrosoftのオープンソース技術部門、そしてオープンソースコミュニティへのインタフェイスだ。

MicrosoftのKubernetesサポートでクールなのは、Kubernetesのセットアップを視覚化できるダッシュボードをAzureのチームが作ってくれたことだ。そのAzure Kubernetes Visualizerというすばらしい名前のダッシュボードは、Microsoftによると、“これによってAzure上のKubernetesを実験したり学んだりするのがすごく容易になる”、という。実はこのVisualizerは元々、Microsoftが先月初めて全社的に行ったハッカソン成果の一つなのだ。

AzureにDockerとKubernetesがあれば、デベロッパは自分のコンテナを作ってそれらをAzureのストレージデバイスにパブリッシュしたり、Azureに保存している、あるいはメインのDocker Hub上でホストされているコンテナイメージを使ってAzureのクラスタを展開したり、さらにクラスタの構成、アップデート、それに削除もできるようになる。

ということはつまり、これからはAzure上でGoogle Compute Engineなんかと同じツールを使ってDockerコンテナの管理ができるのだ。Microsoftのプレスリリースもそう書いているから、ちょっとへんな気分になる。でもDocker、あるいはそれに代表される新しいコンテナ技術は急速に人気を増し、今や誰もが先を争ってその技術身につけようとがんばっている。その“誰もが”に、ついにVMwareまで仲間入りしたのは、Dockerが今では真の脅威になってきたからだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))