イーロン・マスク氏がテスラ株1240億円超分を売却

Tesla(テスラ)のCEO、Elon Musk(イーロン・マスク)氏は、先週末にTwitterでフォロワーに所有する自社株の10%を売却すべきかどうかを問う投票を行った結果、約10億9000万ドル(約1243億円)分のTesla株を売却した。投票では57.9%が売却に賛成し、42.1%が反対した。そして今に至る。

米国時間11月10日に米証券取引委員会(SEC)に提出された複数の書類によると、マスク氏は210万株を超えるストックオプションのうち93万株以上を、1株あたり6.24ドル(約710円)で売却した。11月8日にTeslaの株価が4.8%下落したため、マスク氏の株は1株あたり1200〜1100ドル(約13万6800〜12万5400円)で売られた。

マスク氏は提出書類の中で、ストックオプションの行使に関連する納税義務を満たすために持ち株の一部を売却したことを明らかにした。同氏は、2012年に1株あたり6.24ドルで付与されたストックゲインに対して所得税を課せられているが、11月10日に1067.95ドル(約12万1800円)で取引を終えた今日の株価を見ると笑ってしまう。マスク氏がこれらのストックオプションを行使する場合、150億ドル(約1兆7000億円)超の税金が課せられることになる。

このニュースはまったく驚くべきものではない。マスク氏は以前から、保有するテスラ株の大規模な売却を公言しており、SECへの提出書類によると、同氏はすでに9月14日に株の売却を計画していたことが明らかになっていて、ツイッターでの動きは単なるショーだった。さらに、9月に行われたテックジャーナリストKara Swisher(カーラ・スウィッシャー)氏との対談で、マスク氏はストックオプションの大部分が2022年8月に期限切れになると述べ、第4四半期に売却することを多かれ少なかれ約束していた。

マスク氏は現在も1億7000万株以上を保有しており、持分は約17%だ。

画像クレジット:Britta Pedersen-Pool / Getty Images

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

イーロン・マスク氏が株売却の是非をツイッター投票で問う、背景には迫り来る多額の税金支払い

Tesla(テスラ)のElon Musk(イーロン・マスク)CEOが、6280万人のソーシャルメディアのフォロワーに対して、自身が保有する自社株の10%を売却することを支持するかどうかを尋ねたところ、米国時間11月8日月曜日の朝、テスラの株価は4.5%下落した。もっとも、いずれにせよマスク氏がまとまった量のテスラ株を売却する可能性は高い。

マスク氏の問いかけには、全投票数の約58%に相当する約350万人が賛成票を投じた。同氏はその後のツイートで「この投票結果がどちらに転んでもそれに従う」と述べている。彼の言葉を信じるならば、それは将来的に大量の株式売却が行われることを意味する。

最近、含み益が租税回避の手段になると言われていますが、私はテスラ株の10%を売却しようかと思っています。

これを支持しますか?

だが、このツイートは単なる芝居にしか見えない。マスク氏はすでに他の公式声明でテスラ株の大量売却を示唆していたからだ。9月にテクノロジー系ジャーナリストのKara Swisher(カーラ・スウィッシャー)と対談した際、マスク氏は自身が保有するテスラのストックオプションの大部分が、来年8月に期限切れとなることを認めている。「来年初めに失効するストックオプションをたくさん持っているので、第4四半期には大量のオプションを売却することになるだろう」と、マスク氏は語っていた。

2012年に役員報酬の一環として付与されたストックオプションにかかる税金も控えている(マスク氏は、テスラから給与を受け取っていないと頻繁に発言している)。2012年に1株あたり6.24ドル(約700円)で付与された株の譲渡益には所得税が掛かるわけだが、テスラの株価は現在1200ドル(約13万5000円)を超えている。オプションを行使した場合、150億ドル(約1兆7000億円)以上の税金が課せられることになる。

今回のツイート投票が、一時的に株価を押し下げる以上の影響をもたらすかどうかは不明だが、マスク氏のソーシャルメディア上における悪ふざけは、かつて株主との間で困った事態を引き起こしたことがある。2021年3月、マスク氏はテスラの投資家から、彼の「気まぐれなツイート」が、米国証券取引委員会との和解案に違反しているとして訴訟を起こされた。この和解案では、テスラの取締役会がマスク氏のソーシャルメディア活動を監視しなければならないことになっていた。

この時の訴状で引用されたツイートの中には、2020年5月にマスク氏が投稿した「Tesla stock is too high IMO.(私の意見を言わせてもらうと、テスラの株価は高すぎると思う)」というものもあった。

画像クレジット:HANNIBAL HANSCHKE/POOL/AFP / Getty Images

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

イーロン・マスク氏、Hertzが実際にはまだテスラEV10万台を発注していないとツイート

米国時間10月25日のHertz(ハーツ)のプレスリリースによると、同レンタカー大手はレンタル用にTesla(テスラ)Model 3を10万台発注したとのことだった。しかし11月1日、イーロン・マスク氏は「まだ契約は結ばれていない」と述べ、注文が確定したとは言い難いことをツイートしたと米Gizmodoが報じた。

Hertzの発表では、次のように述べられていた。「北米最大のEVレンタルフリートを提供るための重要な投資を行いました…【略】これには、2022年末までに10万台のTesla車を初期発注することが含まれています」。この発表とBloombergの報道は、欧州での販売に関する他の良いニュースと相まって、投資家のモチベーションを高め、Teslaの価値を1兆ドル(約113兆円)の大台に押し上げたかもしれない。

Hertzはつい4カ月前に、不良債権処理会社のKnighthead Capital Managementなどに60億ドル(約6800億円)で買収され、破産を脱したばかりだ。そのため、約42億ドル(約4780億円)相当のEV10万台を購入するという発表は、明らかに人々を驚かせた。

しかし、Gizmodoが指摘するように、Hertzは厳密には車両の契約書や発注書に署名したとは言っていない。「2022年末までに10万台のTesla車を初期発注」という表現は、2022年末までに車両の納入ではなく、発注そのものを意味するとも考えられる。Tesla自体は、この最初のニュースに関しては何もコメントしていなかった。

マスク氏のツイートは、ツイッターユーザー「Tesla Silicon Valley Club」に返信する形で投稿されたもの。元の投稿は、最近のTeslaの株価上昇に感謝していた。しかし、マスク氏は、Hertzとの契約が同社の売上や収益に影響を与えることはないと述べ、誇大広告を抑えようとしているように見えた。

「Teslaは生産台数よりも需要の方がはるかに多いため、Hertzに対しては消費者向けと同じマージンでしかクルマを販売しません。Hertzとの取引が、当社の経済力に与える影響はゼロです」と同氏は述べた。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Steve Dent(スティーブ・デント)氏は、Engadgetのアソシエイトエディター。

画像クレジット:Tesla

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(文:Steve Dent、翻訳:Aya Nakazato)

SpaceXのStarlinkがインド法人を設立、2022年末までにターミナル20万台の展開を目指す

KDDIがイーロン・マスク氏率いるSpaceXのLEO衛星通信サービスStarlinkをau通信網に採用

関係者によると、Elon Musk(イーロン・マスク)氏が率いるSpaceX(スペースX)の子会社Starlink(スターリンク)はインドで法人登録を行い、現地政府へのライセンス申請の準備を進めている。

Starlinkのインド担当ディレクターであるSanjay Bhargava(サンジェイ・バルガヴァ)氏は、11月1日にLinkedInへの投稿で「SpaceXがインドに100%出資の子会社を設立したことを喜んでお伝えします」と述べた。Starlinkのインド現地法人は、Starlink Satellite Communications Private Limitedという社名で登録されている。

インターネット企業がインドでサービスを提供するためには、現地法人が必要だ。ライセンスを取得すると仮定して、Starlinkは2022年12月までに16万以上の地区で20万台のターミナルを提供することを計画している。これは、8月時点で14カ国でユーザー10万人にターミナルを出荷した同社にとって野心的な目標だ。

PayPalの元幹部であるバルガヴァ氏は、10月初めに新しい役職に就いた。Starlinkはここ数カ月で、AMDのインドにおける政策活動を監督していたParnil Urdhwareshe(パーニル・ウルドワレシェ)氏をインド事業のマーケット・アクセス・ディレクターとして採用するなど、現地で重要な幹部を多数採用してきた。

SpaceXの広報担当者は、バルガヴァ氏の起用について9月に送った問い合わせに回答しなかったが、同社の最高経営責任者であるマスク氏は、週末にツイッターでこうした展開を認めた。

小型衛星を打ち上げて地球低軌道ネットワークを構築し、低遅延のブロードバンドインターネットサービスを提供している代表的な企業の1つであるStarlinkは、インドの農村地域へのサービス提供を目指していると、マスク氏はツイッターで述べ「サンジェイはX/PayPalを成功に導き、賞賛に値します」と付け加えた。

バルガヴァ氏はLinkedInへの別の投稿で「Starlinkは、十分なサービスを受けられない人々にサービスを提供したいと考えています。ブロードバンドプロバイダーの仲間や、志の高い地区のソリューションプロバイダーと協力して、人々の生活を改善し、救っていきたいと考えています」と述べた。週末には、インドの有力シンクタンクであるNiti Aayogと協力して、Starlinkの初期展開に向けて国内12地区を特定すると発表した。

インドでは、5億人以上がインターネットを利用しているにもかかわらず、同じくらい多くの人々がいまだにインターネットを利用していない。業界の推計によると、農村部に住む何億人ものインド人が、ブロードバンドネットワークにアクセスできていない。

「政府の承認プロセスは複雑です。今のところ、政府に申請中のものはありません。我々が取り組んでいる申請については、我々の側にボールがあります」とバルガヴァ氏は述べた。

「全インドでの承認に時間がかかる場合は、パイロット版の承認を迅速に得るというのが我々のアプローチです。今後数カ月のうちにパイロットプログラムの承認または全インドの承認を得られると楽観的に考えています」とバルガヴァ氏は先月話し、もし政府の承認を得られなかった場合、来年末までに配備する実際のターミナル数は目標よりはるかに少ないか、あるいはゼロになる、と付け加えた。

画像クレジット:Joan Cros / NurPhoto / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

テスラ、最新「完全自動運転」ベータ版ソフトウェアの問題が相次ぎ即座に撤回

Tesla(テスラ)のElon Musk(イーロン・マスク)CEOは、同社のフルセルフドライビング(FSD)ソフトウェアベータ版の最新バージョンがリリースされてから1日も経たないうちに、一時的にロールバックしたとツイートした。

「(FSDベータ)10.3でいくつかの問題が発生したため、一時的に10.2に戻しました」とマスク氏は米国時間10月24日にツイートした。「これはベータ版ソフトウェアでは想定の範囲内だと了承して頂きたい。社内のQA(品質保証)では、すべてのハードウェア構成をあらゆる条件下でテストすることは不可能であり、そのためのパブリックベータ版ということです」とも。

このニュースは、Teslaが「Autopilot(オートパイロット)」とブランディングされている先進運転支援システムの安全性について規制当局から非難を受けている中でのことだ。AutopilotはTesla車に標準装備されている。いわゆるFSDソフトウェアはプラス1万ドル(約110万円)で、より多くの自動運転機能を提供する。

関連記事:米当局がテスラのオートパイロット機能を調査開始、駐車中の緊急車両との衝突事故受け

ただし、Tesla車は自動運転ではない。先進運転支援システムであることに変わりはなく、FSDが作動していてもドライバーは十分な注意を払う必要がある。最近のMITの研究では、(Autopilot作動中に)ドライバーの注意力が低下する傾向にあり、それが安全上のリスクにつながることがわかっている。

関連記事:MITがテスラ車ドライバーは「オートパイロット使用時に注意散漫になる」研究結果を発表

バージョン10.3は、米国時間10月22日に一部のTeslaオーナーにリリースされる予定だったが、23日にマスク氏は、もう1日待つ必要があると述べていた。

「10.3の内部QAで、信号機での左折時の不具合が見つかった」と同氏は23日にツイートした。「現在修正中で、おそらく明日リリースする予定です」。

FSD10.3ベータ版ユーザーが投稿した動画には、危険がないにもかかわらず「前方衝突警告」が発せられたという例が複数あり、中には理由なく自動ブレーキがかかる車両もあった。また、ドライバーたちはソーシャルメディアに、オートステアオプションの消滅、トラフィックアウェア クルーズコントロール機能の問題、Autopilotのパニックなどの問題を投稿した。マスク氏は、Autopilotとクルーズコントロールの問題に取り組んでいるとツイートしている。

マスク氏は、FSDの次のバージョンのリリース日についてはまだ発表していない。

画像クレジット:Tesla

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Aya Nakazato)

イーロン・マスク氏、Starshipロケットは「規制当局の承認があれば」来月にも最初の軌道打ち上げの準備ができると語る

SpaceX(スペースX)の「Starship(スターシップ)」ロケットは、テキサス州南東部で現在も開発が進められており、発射塔の建設や、宇宙空間に到達した際の動力源となる真空仕様の「Raptor(ラプター)」エンジンの搭載など、重要な要素に大きな進展が見られる。Elon Musk(イーロン・マスク)氏は、規制当局の承認が得られれば、来月にも初の軌道宇宙飛行を試みる準備ができると述べている。

SpaceXがこの試みを実施するためには、これまでテキサス州ブラウンズビル郊外の開発拠点で行ってきたStarshipのテスト飛行と同様に、米国連邦航空局(FAA)の承認が必要になる。FAAは基本的に、SpaceXが打ち上げ時に何か問題が発生しても最小限のリスクで済むように、必要な安全対策をすべて講じていることの証明を求めている。

Starbase(スターベース)発射塔が完成に近づき、初の軌道飛行に向け、StarshipとSuper Heavyブースターがスタンバイ

SPadre

すべてが順調に進めば、規制当局の承認を得た上で、来月にはStarshipの最初の軌道打上げに向けた準備が整います。

Elon Musk

この開発段階では、それも決して有り得ないというわけではない。SpaceXはすでに開発プログラムの中で、多くのStarship試作機が爆発するのを目にしてきた。だが、SpaceXのテストには、地球の大気圏内における高高度飛行テストや、制御された着陸に向けた宇宙船の降下など、いくつかの成功例もある。

SpaceXの次の大きなマイルストーンは、Starshipとブースター部分の「Super Heavy(スーパー・ヘビー)」のコンボを完全に積み重ねたバージョンを、地球の大気圏を超えて宇宙空間に飛ばすことだ。マスク氏によれば、技術的にはその準備は整っているとのことだが、FAAが最近行った打ち上げライセンス付与に関するパブリックコメントの募集が示唆するところによれば、規制当局の承認が得られるまでには1カ月以上かかる可能性もある。

先週行われたタウンホールミーティングでは、次のステップに進む前にFAAがSpaceXと一緒に検討・対処しなければならない多くの問題を、賛成派と反対派の両方が声をそろえて提起した。しかしながら、FAAはテストを目的とした一時的なライセンスを発行し、進行中の打ち上げ許可を再検討することで、これらの問題の解決を先送りする可能性もある。

画像クレジット:SpaceX

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

テスラは標準モデルEVに旧来の安価な鉄ベースのバッテリーのみを採用

Tesla(テスラ)は米国時間10月20日、標準モデルであるModel 3とModel Yに、グローバル市場全体で鉄ベースの電池を採用すると発表した。同社の第3四半期業績報告では、テスラのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏が何カ月も前から示唆していた、この安価なバッテリーの役割が大きくなっていることが裏付けられていた。

このLFP(リン酸鉄リチウム)電池は、旧来の安価な電池化学技術を利用したもので、中国では人気がある。これに対して中国以外の地域では、EV(電気自動車)用電池はニッケル・マンガン・コバルトやニッケル・コバルト・アルミニウムなどのニッケル系が主流だ。しかし、LFP電池にはコスト削減だけでなく、コバルトやニッケルなどの希少な原材料に依存しないという魅力もある。特に、テスラのCFOであるZach Kirkhorn(ザック・カークホーン)氏は、水曜日の投資家向け電話会議で、ニッケルとアルミニウムの価格に影響が出ていることを認めている。

LFP電池が中国以外であまり見られない理由は、中国がLFP市場を独占することを許している一連の重要なLFP特許に関係している。

だが、それらの特許は間もなく切れるため、テスラはその時期を狙っているように見える。実際テスラの幹部は、LFP電池の生産を車両の生産地と同じ場所で行うつもりだと示唆している。

関連記事:テスラが旧来のリン酸鉄リチウムバッテリーに賭けていることは、メーカーにとって何を意味するのか

テスラのパワートレイン・エネルギーエンジニアリング担当SVPであるDrew Baglino(ドリュー・バグリーノ)氏は、投資家に対して「私たちの目標は、車両の主要部品をすべて同じ大陸上で生産すること、たとえ距離は近くなくても車両が生産されている場所と同じ大陸で生産することです」と語った。「それが私たちの目標です。私たちはその目標を達成するために、社内でサプライヤーと協力して、最終組立レベルだけでなく、可能な限り上流レベルに遡れるように取り組んでいます」。

またテスラは、自社設計のカスタムセルを採用した4680バッテリーパックの最新情報を、ごく簡単に少しだけ発表した。テスラは、4680バッテリーは、より高いエネルギー密度と航続距離を実現できるとしている。バグリーノ氏によると、4680は構造試験と検証がすべて予定通り行われており、来年の初めには車両に搭載される予定だという。しかし、現行のスケジュールには満足しているものの「これは新しいアーキテクチャーであるため、予想外の問題がまだ存在する可能性があります」とバグリーノ氏は述べつつ「セル自身の観点からは、デザインの成熟度と製造の準備は、いまご説明したバッテリーパックのスケジュールに合致しています」と付け加えた。

画像クレジット:Tesla

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:sako)

「テスラに対する偏見がある」とマスク氏が非難したNHTSAの顧問任命を、米運輸長官が擁護

Tesla(テスラ)のElon Musk(イーロン・マスク)CEOは、Missy Cummings(ミッシー・カミングス)氏が米国で最上位の交通局の重要な顧問に任命されたことについて、Twitter(ツイッター)で懸念を表明したが、米国運輸長官のPete Buttigieg(ピート・バッティジエッグ)氏は、マスク氏に懸念があるなら直接自分に話すようにと提案した。

Reutersによると、バティジエッグ氏は米国時間10月20日に開催されたイベントで「もしマスク氏が懸念を抱いているのであれば、ぜひ私に電話して欲しい」と、記者団に語ったという。「我々には道路を走るすべての車両が安全であることを確認する責任があります」。

マスク氏は、Duke University(デューク大学)の工学・コンピューターサイエンス教授であるミッシー・カミングス氏が、米国運輸省道路安全局(NHTSA)の安全顧問に任命されたことに憤慨している。「客観的に見て、彼女の実績はテスラに対する甚だしい偏見がある」と、マスク氏は米国時間10月19日に語った。

NHTSAの最近の行動は、政治的な動機があり、テスラに対して強い偏見があるように見えました。今回のミッシー・カミングス氏の起用は、その説を裏付けるものに思えます。イーロン・マスクさん、感想は?
マット・スミス

客観的に見て、彼女の実績はテスラに対する甚だしい偏見があります。
イーロン・マスク

デューク大学で「Humans and Autonomy Laboratory(人間と自律性の研究室)」を率いるカミングス氏は、マスク氏といつでも「喜んで座って話をします」と答えた。

カミングス氏もTwitterを頻繁に利用しており、そこでテスラの運転支援技術とその展開方法についてしばしば懸念を表明している。9月には、テスラがその「Full Self-Driving(フル・セルフドライビング)」ソフトウェアのベータプログラムに参加を認めるユーザーを選別するために「安全スコア」を導入したことを批判する一連のツイートを行った。

しかし、彼女のテスラに対する批判はもっと昔にまで遡る。2年前、カミングス氏は、テスラの先進的運転支援システム「Autopilot(オートパイロット)」について「モードの混乱を引き起こしやすく、信頼性が低くて安全性に欠ける」と(これもTwitterで)述べ、NHTSAはテスラにこの機能を停止するよう求めるべきだと続けた。

カミングスがNHTSAの安全顧問に指名されたことは、NHTSAが今後、先進運転支援システム(ADAS)やテスラに対してより保守的な姿勢をとることを示唆していると考えられる。

もちろん、NHTSAとテスラはこれまで馴染みがなかったわけではない。道路安全局は2021年8月、テスラのクルマが駐車中の緊急車両に衝突した12件の事件を発見し、Autopilotについて安全性調査を開始した。この規制当局はまた、2017年の死者を出した事故と、それ以降にテスラのADASが関与した25件の事故に対しても調査を行っている。

関連記事:米当局がテスラのオートパイロット機能を調査開始、駐車中の緊急車両との衝突事故受け

8月の時点では、テスラのFSDが完全な自動運転を実現できると思うかと尋ねるツイートに対し、カミングス氏は次のように答えている。「私の予想では、絶対無理」。しかしそれは、彼女が必ずしもLiDAR(レーザー光のパルスで距離を測定する光検出・測距技術)こそが解決策だと考えていることを意味するわけではない。カミングス氏は、完全な自動運転はディープラーニングの進化によってもたらされる「不確実性の下で行われる推論の完全な再考」なしには実現できないという考えを述べている。

テスラの支持者たちは「Autopilot Users for Progress(進歩のためのオートパイロット・ユーザーたち)」というバナーの下、Joe Biden(ジョー・バイデン)大統領とNHTSAのスタッフに対し、利益相反や偏見の懸念に関して人事の見直しを求める請願運動をChange.orgで開始した。

画像クレジット:Christopher Goodney/Bloomberg / Getty Images

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

イーロン・マスク氏のBoring Companyがラスベガス地下ループ拡張の初期承認を取得

Elon Musk(イーロン・マスク)氏のBoring Company(ボーリングカンパニー)は米国時間10月20日、ラスベガスの地下トンネルネットワークを介して、Tesla(テスラ)車に乗った乗客を輸送する交通システムを構築するために必要な最初の承認を取得した。

クラーク郡当局が特別使用許可とフランチャイズ契約を承認したことにより、Boring Companyはラスベガス・コンベンション・センターのキャンパスを結ぶ現在長さ1.7マイル(約2.7km)のVegas Loopシステムを、ラスベガス・ストリップ沿いのカジノ、市のフットボールスタジアム、UNLV(ネバダ大学ラスベガス校)など51のステーションを持つ29マイル(約46km)のルートに拡大することができる。また、最終的にはマッカラン国際空港まで延伸する。この承認については、Las Vegas Review-Journal(ラスベガス・レビュー・ジャーナル)が最初に報じた。

Boring Companyはトンネルの費用を負担するとこれまでに述べているが、クラーク郡当局は10月20日、その点を繰り返し強調した。クラーク郡との契約によると、フランチャイズ契約は50年間続くことになっている。

このプロジェクトは重要なマイルストーンを通過したものの、まだ完了したわけではない。今回の特別使用許可は、Boring Companyが各駅やトンネルの土地使用許可や建築許可を申請するためのものだ。同社はラスベガス市から別途フランチャイズ契約の承認も得なければならない。

画像クレジット:Ethan Miller / Getty Images

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

米道路交通安全局がテスラに対し、秘密保持契約と無線ソフトウェアアップデートについて説明を要求

米国道路交通安全局(NHTSA)が、同国の電気自動車メーカーであるTesla(テスラ)宛に2通の書簡を送った。1つは同社が「フルセルフドライビング」ソフトウェアのベータ版に早期アクセスするオーナーに、秘密保持契約を要求していること、そしてもう1件は、規制当局がリコールを届け出る必要があるとしている問題を修正するために、無線ソフトウェアアップデートを使用したこと、以上の2点を同局は問題視している。

今回送られた書簡は、NHTSAがテスラの先進運転支援システム「Autopilot(オートパイロット)」の自動運転機能や、ソフトウエアの無線アップデートに関連するテスラの慣行について、監視の目を強めていることを示している。

テスラの製造販売する車両には「Autopilot」と呼ばれる運転支援システムが標準装備されている。さらに購入者が1万ドル(約113万円)の追加料金を支払うと、より高度な機能が利用できる「フルセルフドライビング(FSD)」システムにアップグレードすることができる。このソフトウェアは、Elon Musk(イーロン・マスク)CEOが繰り返し約束しているように、いつかは完全な自動運転走行が可能になると言われているものだ。

FSDは数年前からオプションとして用意されており、これまで着実に値上げと新機能の追加が行われてきた。しかしながら、現状ではテスラのクルマは完全な自動運転ではない。FSDには、自動駐車場機能「Summon(サモン)」や、高速道路の入り口から出口まで、インターチェンジや車線変更を含めてクルマを導くアクティブガイダンス運転支援システム「Navigate on Autopilot(ナビゲート・オン・オートパイロット)」が含まれる。さらにFSDの最新ベータ版では、高速道路や市街地での運転を自動化するとされている。しかし、これはまだレベル2の運転支援システムであり、ドライバーが注意を払い、ハンドルから手を離さず、常に車両をコントロールできる状態でいることが求められる。

米国時間10月12日付の1通目の書簡では、テスラが先進運転支援システム「Autopilot」で、低照度下における緊急車両の検知方法をソフトウェアアップデートで修正した際に、リコールを届け出なかった理由を説明するよう求めている。NHTSAの見解では、車両の安全性に関わる部分を修正するために、無線ソフトウェアアップデートを使用する場合は、リコールを届け出る必要があるとしている。

「テスラも認識しているように、米国の安全法は、自動車および自動車機器の製造者に対し、製造した自動車または機器に自動車の安全性に関わる欠陥があると判断した場合、または適用される自動車安全基準に適合していないと判断した場合、NHTSAに通知してリコールを実施する義務を課している」と、NHTSAは記している。

NHTSAの記述によれば、リコール通知は、メーカーが安全上の欠陥や不適合を知った時点から、または知るべきであった時点から、5営業日以内にNHTSAに届け出なければならないとされている。

「車両の安全性に不合理なリスクをもたらす欠陥を緩和するために無線アップデートを配信する製造者は、それにともなうリコール通知をNHTSAに適時提出する必要がある」と、この書簡は続いている。

同じく10月12日付の2通目の書簡は、テスラがいわゆるFSDのベータ版早期アクセスプログラムに、秘密保持契約を用いていることに言及したものだ。FSDの購入者はすでに料金を支払っているが、テスラはオーナーがベータ版ソフトウェアにアクセスするためには、秘密保持契約を結ぶことを要求している。さらに9月には、マスク氏がさらに別の要件も制定した。それは最新のベータ版にアクセスできるオーナーを選定するために、個人の運転データを使用して安全スコアを算出するというものだ。

「NHTSAは、潜在的な安全上の欠陥を評価するための重要な情報源として、消費者からの報告に依存している。そのため、ベータ版早期アクセスプログラムの参加者が、NHTSAに安全上の懸念を報告することを妨げたり、思いとどまらせたりするような合意は容認できない」と、同局は書簡に記している。

「さらに、特定の情報を公開することを制限する行為は、NHTSAの安全性に関連する情報を取得する能力に悪影響を与える。FSDのベータ版早期アクセスにともなう秘密保持契約が、NHTSAの監督責任の遂行を妨げないことを保証するため、当局はテスラに対して添付の特別命令を発行する」。

なお、マスク氏は今週、Twitter(ツイッター)で、テスラが秘密保持契約の要求を取り下げることを示唆している。

イーロン・マスク氏へ。FSDベータ版の秘密保持契約が解除されました。

Whole Mars Catalog

パンチングロールによる提供を予定しています。

Elon Musk

しかしながら、NHTSAはさらなる情報を求めており、テスラは11月1日までに両方の要求に答える必要があると、同局は述べている。

画像クレジット:Christopher Goodney/Bloomberg / Getty Images

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

テスラがベルリンのギガファクトリーで巨大イベント、12月の生産開始を発表

Tesla(テスラ)CEO、Elon Musk(イーロン・マスク)氏は米国時間10月9日、ベルリンの新しいギガファクトリーで大パーティーを開催し、まばゆい照明とテクノミュージックから観覧車、回転木馬、アーケード、ベジタリアン・フード・トラックまでを揃えた会場で、環境保護団体による訴訟で紛争中の工場における生産開始を発表した。

「私たちは数カ月以内、基本的に11月か12月の生産開始を目指しており、最初の12月中に最初の車両を出荷できることを願っています」とマスク氏がイベントで話し、数千人のファンの喝采を浴びた。「ただし、生産の開始はどちらかというと簡単な部分です。難しいのは大量生産につなげることです」。

量産は週に5000台か「願わくば1万台」とマスク氏はいう。同工場ではModel Y、およびバッテリーセル数百万個を生産する予定だ。Teslaは、300ヘクタールの施設に隣接する50GWh(ギガワット時)のバッテリー工場に58億ドル(約6520億円)を投資する計画を提示しており、マスク氏は年内のバッテリーセル量産開始を約束した。Volkswagen(フォルクスワーゲン)が計画するザルツギッター工場の生産能力は40GWhを予定している。

ベルリン-ブランデンブルクのTeslaギガファクトリー建設は、2年前に例外的な手続きによって当局の承認を得たのち、環境の懸念から最終承認を妨げていた地元の反対にも関わらず、ほぼ完成している。マスク氏の法外なイベントからは、現地の人々を取り込もうとする意図が感じられ、 「Stranger Things(ストレンジャー・シングス 未知の世界)」で、新たな別世界の扉を開くために、独立記念日の祭典を行って土地を貸しているロシア人たちの票を獲得し注意をそらそうとしたクライン市長の漫画的な行動を思い起こさせる。

2021年6月、フィンランドの政党である緑の同盟とブランデンブルク自然生物多様性保護連合は、環境破壊の懸念から工場の塗装部門、鋳造部門、プレス部門の機械試験の即時中止を求める訴訟を起こした。 2020年、複数のNGOが近隣の絶滅危惧種のトカゲとヘビの自然生息地を保護するために差止命令を要求した。

地元民は、オンライン住民協議プロセスで検討されている800件以上の苦情を提出しており、10月14日に締め切られる、とBloomberg(ブルームバーグ)は伝えている。それが過ぎてから環境当局による最終決定が下される。

こうした反対にも関わらず、Teslaの工場が認可される可能性は95%だとブランデンブルク州経済相は言っている。このTesla工場は、現在ヨーロッパ全体から広く雇用しており、ドイツ東部の主要な景気刺激策であると見ている多くの政党が賛成している。

マスク氏は批判派に対し、工場の水の使用は「比較的少なく」、バッテリー生産は「持続可能」であると言って工場を擁護した。

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nob Takahashi / facebook

マスク氏はスペースXの新都市「スターベース」の発電所とロケット燃料に必要な天然ガスをどうやって調達する?

SpaceX(スペースX)が世界最大のロケットのテストを開始する前に、ある環境関連の文書にFAA(米連邦航空局)の承認を得る必要がある。そこに、燃料の調達先についての重要な詳細が欠けていると専門家は指摘する。

FAAは9月、SpaceXのStarship(スターシップ)とSuper Heavy(スーパーヘビー)ロケットのプログラム環境アセスメント(PEA)の草案を発行し、パブリックコメントを募った。Elon Musk(イーロン・マスク)氏は、スターシップとスーパーヘビーロケットをまもなく軌道に乗せ、その後、火星に送ることを目指している。142ページに及ぶ草案の対象は、マスク氏が新都市「スターベース」の建設を希望しているテキサス州ボカチカにおける、SpaceXの施設での建設と日常業務だ。飛行前のオペレーション、ロケットのテスト、打ち上げと着陸、燃料・水・電気の供給などが含まれる。

新しい前処理システムで、天然ガスを精製・冷却し、スターシップとスーパーヘビーロケット用の液体メタン燃料にする。その上、新しい250メガワットのガス火力発電所向けに、さらに多くのガスが必要となる。この規模の発電所は、通常10万以上の世帯に電気を供給し、コストは数億ドル(数百億円)に上ることもある。PEAはロケットの打ち上げについて大きく取り上げているが、新しい発電所についてはほとんど触れていない。特に、1日に必要な数千万立方フィートのガスが、メキシコ国境近くにあるSpaceXの遠隔施設にどのように運ばれるのかが明らかにされていない。

バーモント大学ロースクールのPat Parenteau(パット・パレントー)教授は「PEAにこのような記述がないのは異例であり、連邦政府の国家環境政策法(NEPA)に違反している可能性があります」という。

「NEPAは、いわゆる『Look-before-You-Leap(跳ぶ前に見よ)』法です」とパレントー教授は話す。「連邦政府の意思決定者に、ある行動が環境に与える影響と、それを回避する方法を知らせるための法律です」。

発電所への天然ガス運搬には一般的にパイプラインを利用する。連邦政府機関の関係者がTechCrunchに語ったところによると、SpaceXは2021年の初め、リオ・グランデ・バレー国立野生生物保護区を通る、今は使用されていない天然ガスパイプラインの再利用について問い合わせてきたそうだ。

「彼らはメタンの輸送に、現在彼らが行っているようにトラックを使うのではなく、パイプラインを再利用したいと考えています」と匿名の関係者は述べた。

しかし、この関係者と州の記録によると、そのパイプラインは2016年に永久に放棄された。その関係者がTechCrunchに語ったところによると、廃止されたパイプラインには現在、テキサス大学リオグランデバレー校のインターネット接続用の光ケーブルが設置されているという。

大規模発電所と定期的なロケット打ち上げの両方を支えるのに十分な天然ガスをトラックで運ぶのは、かなりの大仕事になる。TechCrunchが話を聞いたあるエンジニアによると、毎年タンカーで何千回もの運搬が必要になるという。

2021年初めにブルームバーグが最初に報じたように、SpaceXは自らガスを掘削することに興味があるとさえ表明している。同社は、放置された複数のガス井の所有権をめぐる争いの中で「SpaceXには、輸送やガス市場への販売に依存しない、異なる経済的な動機で天然ガスを利用する独自の能力があります」と記している。

SpaceXがどの方法を選択するかにかかわらず、環境への影響はPEAで開示されるべきだったとパレントー教授はいう。

「メタンは非常に強力な温室効果ガスです。裁判所は、メタンが絡むプロジェクトを誰かが提案する際には、ガス井、パイプライン経由の輸送、ガスが燃やされる下流での影響までを考慮しなければならないとしています」。

スターベースについて調査している環境エンジニアのブログによると、PEAでは、熱酸化装置、アンモニア貯蔵タンク、ガスフレア焼却装置など、ガス発電所やガス処理施設によくある設備についても言及していない。これらはすべて、二酸化炭素排出量や大気汚染など、環境に影響を与える。

FAAは次のような声明を出した。「評価書の草案は、米国家環境政策法など適用される環境関連法令を順守して作成されました」。

SpaceXはコメントの要求に応じなかったが、マスク氏は米国10月7日木曜日に開催されたTesla(テスラ)の株主総会で、同社の化石燃料への依存について触れた。「人々は炭素税がテスラの利益になると言っています」と同氏は発言した。「私は、『それはそうですが、SpaceXには不利です』と言いました」と述べた。そして、大気中のメタンは最終的に二酸化炭素に分解されることを指摘した。「メタンのことはあまり気にしなくていいです」と締めくくった。

ガス発電所の正確な位置は不明だが、広さは約5.4エーカー(約2万2000平方メートル)、高さは最大150フィート(約46メートル)の構造物で、昼夜を問わず1年を通して連続して稼働する。また、PEAによると、小規模(1メガワット)の太陽光発電所もあり、SpaceXはそれを拡張したいと考えている。

同社がガス発電所を必要としているのは、新しい海水淡水化プラントを稼働させるためだ。このプラントでは、打ち上げ時の防音や消火のために、年間数百万ガロン(数百万リットル)もの真水を生産する。また、空気から液体酸素を作るために、大量の電力も必要となる。

適用される連邦規則はNEPAだけではない。パレントー教授と別の専門家によると、250メガワットの発電所は通常、米大気浄化法の下で、重要な新規大気汚染源として認定される。そうなれば、長期にわたる環境審査が別途必要とされる。

「NEPAが制定されてから50年以上が経過しているにもかかわらず、このようなことをする機関があるとは驚きです」とパレントー教授はいう。「誰も気づかないことを期待しているのではないでしょうか」。

11月1日にパブリックコメント期間が終了すると、FAAは最終版のPEAを発行し(安全性に関する発見事項を付す可能性はある)、SpaceXに許可を出すか、あるいは通常は数年を要する、より詳細な環境影響評価書(EIS)を作成する意向を表明する。

最終版PEAがNEPAや大気浄化法の要件を満たしていなければ、地元のコミュニティや環境団体がFAAにEISの作成を求める訴訟を起こし、スターシップの軌道への打ち上げがさらに遅れる可能性がある。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Mark Harris、翻訳:Nariko Mizoguchi

イーロン・マスク氏がテスラ本社のテキサス州オースティン移転を発表

Tesla(テスラ)のElon Musk(イーロン・マスク)CEOは、同社の本社をカリフォルニア州パロアルトから、最近テック企業やリモートワーカーが急激に増えているテキサス州オースティンに移転すると発表した。マスク氏はこのニュースを、2021年のTesla, Inc.年次株主総会でアナウンスした。この総会は、例年のようにベイエリアではなく、Teslaのオースティンにあるギガファクトリーで行われた。

また、マスク氏は、Teslaは今後もカリフォルニア州での活動を継続的に拡大し、フリーモントのギガファクトリーの生産量を50%増加させると述べたが、どのようにしてそれだけの生産量増加を実現するかについては詳しく説明しなかった。同工場では現在、年間約50万台のModel 3(モデル3)とModel Y(モデルY)、さらに年間約10万台のModel S(モデルS)とModel X(モデルX)を生産することが可能だ。

Teslaは2020年5月、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するために、必要不可欠とみなされない事業を制限して、カリフォルニア州フリーモントにある同社の製造施設を閉鎖するよう命じられたことをめぐり、同州アラメダ郡を提訴し、自分の事業を州外に持ち出すと脅していた。同社はわずか2週間後に訴訟を取り下げたが、マスク氏は確かに気が立っており、こうツイートした。「率直に言って、堪忍袋の緒が切れた。Teslaは今後、本社と将来のプログラムを直ちにテキサス州かネバダ州に移すだろう。もしフリーモントの生産活動を維持するとしても、それはTeslaが今後どのように扱われるかにかかっている。Teslaはカリフォルニア州に残された最後の自動車メーカーだ」。

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マスク氏は今回の株主総会では、アラメダ郡とのドラマについては触れなかった。むしろ、テキサス州への移転は、労働者にとってよりアクセスしやすい場所にあることが理由の1つだとしている。

「家を買うのも大変だし、遠くから通勤せねばならず大変です」とマスク氏は述べた。「ベイエリアでは、工場の規模を大きくするのには限界がある。オースティンでは、工場は空港からものの5分くらい、ダウンタウンからは15分のところにあります」とも。

同氏は、Teslaはコロラド川に近いオースティンの敷地に「エコロジカルパラダイス」を建設することを計画していると述べた。

イベントの中でマスク氏は、Cybertruck(サイバートラック)に関する最新情報も提供し、2022年末に生産を開始し、2023年には「量産」すると述べた。Tesla Semi(セミ)とRoadster(ロードスター)は2023年末までに生産が開始され、それに続くことになる。

マスク氏は遅延の理由として、継続的な半導体不足を含む複数のサプライチェーン問題を挙げている。

「特にSemiは多くのセルが必要で、たくさんのセル(と)チップを必要とします」と同氏は述べた。

Teslaは2017年にSemiのプロトタイプを、そして2019年にCybertruckを発表したが、両モデルともその後度重なる延期に直面しており、常にサプライチェーンの問題が挙げられている。

関連記事:テスラがセミトラックの発売を2022年に延期、Cybertruckの遅延も示唆

マスク氏が車両生産の状況を説明する前に、株主総会ではさまざまな議案が決議された
Institutional Shareholder Servicesが反対票を投じたにもかかわらず、マスク氏の弟であるKimbal Musk(キンバル・マスク)氏、21st Century Fox(21世紀フォックス)の元役員でメディア界の大物Rupert Murdoch(ルパート・マードック)氏の息子であるJames Murdoch(ジェームズ・マードック)氏が取締役に再選された。

株主会は、2021年12月31日に終了する会計年度におけるテスラの独立登録会計事務所としてのPricewaterhouseCoopers(プライスウォーターハウスクーパース)の任命を批准することを含め、ほぼすべての議題についてTeslaの取締役会の提案を承認した。しかし、投資家たちは3つの提案項目について取締役会の勧告に反した。通常、株主らはTeslaが設定したラインに沿って投票するが、2021年、投資家たちはTeslaの取締役を3年ごとではなく1年ごとに再選に立候補させることを決議した。

また、株主総会では、Teslaが従業員の多様化に向けた取り組みについて、より詳細な情報を公表することを求める決議がなされた。これは、Teslaが、フリーモントにあるEV工場での差別や人種的虐待を容認していたと告発した元黒人契約社員のOwen Diaz(オーウェン・ディアス)氏に、1億3700万ドル(約151億円)の損害賠償を支払うよう命じられた2日後のことだ。

関連記事:テスラに人種差別訴訟で151億円の支払い命令

Morgan Stanley(モルガン・スタンレー)が出資する責任投資会社Calvert Research and Managementの副社長兼コーポレート・エンゲージメント・ストラテジストであるKimberly Stokes(キンバリー・ストークス)氏は「多様性に富んだインクルーシブなチームがより多くのイノベーションを支えることは、リサーチで明らかになっています」と述べた。「Teslaの2020年DEIレポートには、投資家が同社のパフォーマンスを長期的に同業他社と比較するのに、十分な量的・質的情報がありません。この報告書で1つ明らかになったのは、Teslaの顧客基盤が進化し、より多様化している中で、マイノリティの従業員が過半数を占めているにもかかわらず、テスラのリーダーシップは83%が男性、59%が白人であるということです」とも。

Calvertの提案では、Teslaに対し、人種と性別の包括的な内訳を含む、ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みに関する年次報告書の発行を求めている。

画像クレジット:Mason Trinca for The Washington Post / Getty Images

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(文:Rebecca Bellan、Aria Alamalhodaei、翻訳:Aya Nakazato)

初の民間人だけの宇宙ミッション成功、Inspiration4の着水はSpaceXにとって始まりにすぎない

いとも簡単に彼らは帰還した。

Inspiration4のクルーが米国時間9月18日夜にフロリダの東海岸に着水し、晴々しく帰還した。ほぼ完全に民間人だけの初の宇宙ミッションとなった。着水から1時間弱してSpaceX(スペースエックス)のGo Searcher回収船がResilienceと命名されたCrew Dragonカプセルを曳航した。その後クルーはヘリコプターでNASA(米航空宇宙局)のケネディ宇宙センターに移送され、そこで標準的なメディカルチェックを受けた。

ミッションの成功はElon Musk(イーロン・マスク)氏、全ミッションを遂行したSpaceX(そして広範にとらえると技術開発の資金を提供したNASA)にとって重要な勝利だ。そしておそらく、はっきりと宇宙旅行時代の幕開けを告げるものだ。

SpaceXの有人宇宙プログラム担当シニアディレクター、Benji Reed(ベンジ・リード)氏は、潜在顧客からのプライベートミッションについての問い合わせが増えている、と報道陣に語った。「年に少なくとも3〜6回ミッションを実施できる」とも述べた。

もちろん、今回のミッション司令官のJared Isaacman(ジャレッド・アイザックマン)氏は宇宙に行った初の富豪ではない。2021年夏、 Richard Branson(リチャード・ブランソン)氏とJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏もそれぞれが所有するVirgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)とBlue Origin(ブルーオリジン)が開発した宇宙船で宇宙飛行を楽しんだ。しかしその宇宙飛行はかなり短いものだった。ベゾス氏と同乗者3人は宇宙に行き、15分もせずに地球に帰還した。必然的に放射線アーチを描く移動だった。

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それとは対照的に、Inspiration4のクルーは最高高度590キロメートルで地球を周回しながら3日間を過ごした。この高度は国際宇宙ステーションよりも高く、宇宙にいる人間の中で最も「外側」にいたことを意味する。ミッションの間、クルーは1日あたり平均15回地球を周った。

軌道にいる間、クルーはいくつかの科学実験を行った。その大半は宇宙旅行が人体に及ぼす影響を理解することを目的とする自身のデータ収集だ。クルーはまた、SpaceXが「キューポラ」と呼ぶ大きなドーム型の窓で宇宙の写真を撮ったりして過ごした。

決済処理会社Shift4 paymentsで財を成したアイザックマン氏以外のクルーは、医師助手で子どもの頃にがんを患って克服したHayley Arceneaux(ヘイリー・アルセノー)氏、地球科学者のSian Proctor(シアン・プロクター)氏、ロッキード・マーティンのエンジニアであるChris Sembroski(クリス・センブロスキー)氏だ。クルーの中でアルセノー氏が宇宙に行った最も若い米国人で、かつ義足をつけて宇宙に行った初の人間であり、プロクター氏は宇宙ミッションを行った初の黒人女性だ。

この歴史的なミッションの費用はすべてアイザックマン氏によるものだが、同氏とSpaceXはどちらも費用が合計でいくらだったのかについては口を閉ざしている。このミッションはセント・ジュード研究病院のための2億ドル(約218億円)の募金活動として行われ、ここにアイザックマン氏が1億ドル(約109億円)、マスク氏が5000万ドル(約55億円)を寄付した。さらに募金活動には市民から6020万ドル(約65億円)が寄せられた。

Resilienceが安全に人を宇宙に運び、そして連れ帰ってきたのは今回が2回目だ。2021年5月の最初のミッションCrew-1では宇宙飛行士4人(NASAの3人、日本の宇宙航空研究開発機構の1人)を国際宇宙ステーションへと運び、そして宇宙飛行士を地球に連れて帰った。SpaceXは今後6カ月でいくつかの有人ミッションを実施する予定で、ここにはNASAと欧州宇宙機関の代わりに行う国際宇宙ステーションへのミッション、Axiom Spaceの依頼で行うプライベートAX-1ミッションが含まれる。

関連記事:NASAとAxiom Spaceが初の民間人のみによる国際宇宙ステーションへの宇宙飛行について発表

「SpaceXにとても感謝しています。すばらしいフライトでした」とアイザックマン氏はカプセルが帰還した後に述べた。「まだ始まったばかりです」。

着水の一部始終は下の動画で閲覧できる。

画像クレジット:SpaceX

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

テスラの「フル セルフドライビング」のベータ版ソフトは運転成績が良い者だけが使える

Tesla(テスラ)のCEO、Elon Musk(イーロン・マスク)氏によると、同社は今後、個人の運転データを利用して、議論を呼んでいる同社の「フル セルフドライビング」(FSD)ソフトを購入したオーナーが、より多くの自動運転機能を約束する最新のベータ版にアクセスできるかどうかを判断するために、個人の運転データを使用するという。

米国時間9月16日夜のマスク氏のツイートによると、FSD Beta v10.0.1のソフトウェアアップデートはすでに一部の選ばれたオーナーに公開されているが、9月24日からより広く利用可能になるという。

現在1万ドル(約110万円)のFSDにお金を払っているオーナーは「ベータリクエストボタン」によりベータソフトウェアにアクセスできる。マスク氏のツイートによると、ベータソフトウェアをセレクトしたドライバーは、Teslaの保険計算アプリにより自分の運転行為にアクセスする許可を求められる。

「運転が7日間良好であれば、ベータ版へのアクセスが認められる」とツイートでは述べられている。

Teslaの車両には、「Autopilot(オートパイロット)」と運転支援システムが標準で装備されている。さらに1万ドルを払うと、オーナーは「フル・セルフドライビング」すなわちFSDを購入できる。FSDは、いつか完全な自律走行を実現するとマスク氏が繰り返し約束しているソフトウェア

絶えず値上げが行われているFSDは、その度に機能が増えている。これまで何年間もオプションとして提供されていたが、Teslaの車両は自動運転車ではない。FSDには駐車機能の「Smart Summon」と、オートパイロットにもある「Navigate」がある。これはハイウェイのオンランプやオフランプに導く常時動いているガイダンスシステムで、インターチェンジや車線変更のガイドもする。

最新のFSDベータ版は、高速道路や市街地での運転を自動化するという。しかし、これはレベル2の運転支援システムであり、ドライバーは常に注意を払い、ハンドルから手を離さず、コントロールする必要がある。このベータ版ソフトを使用したオーナーの体験談が投稿されているが、その能力についてはさまざまな意見がある。ある動画では、車両は市街地走行をこなしているが、多くの動画では、曲がり損ねたり、縁石に近づきすぎたり、前に進まなかったり、あるケースでは歩行者に向かって急に逸脱したりして、ドライバーがコントロールしている様子が見られる。

画像クレジット:Tesla

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hiroshi Iwatani)

テスラが規制当局の監視下にある中国でイーロン・マスク氏は同国自動車メーカーを称賛

中国で開催されたWorld New Energy Vehicle Congress(WNEVC)に事前収録で参加したElon Musk(イーロン・マスク)氏は、珍しく原稿どおりのスピーチの中で、中国の自動車メーカーに対して融和的かつ賛辞的なコメントを述べ、米国での発言スタイルとは一線を画した態度を取った。

「中国の多くの自動車メーカーがこのような(EVやAV)技術を牽引していることに大きな敬意を表します」と、後ろの窓にリングライトが映り込んでいる部屋から同氏は語った。もしかしたらクライシスコミュニケーションの専門家がフレームの外にいて、彼に準備した発言を続けるように促しているのではないかと疑ってしまいそうな光景だった。

しかし、おそらくマスク氏に外からの働きかけは必要ないだろう。中国は電気自動車においては世界で最も収益性の高い市場の1つであり、2020年のTesla(テスラ)の売上高全体の約5分の1(66億6000万ドル、約7321億円)を占めている(規制当局への提出書類による)。

米国は引き続きTeslaの最大の市場のひとつだが、同社は2019年に上海ギガファクトリーを開設して「Model 3(モデル3)」と「Model Y(モデルY)」を製造するなど、中国での事業拡大を積極的に進めている。Teslaは、EVスタートアップ企業であるXpengXpeng(シャオペン、小鵬汽車)や、検索大手企業のBaidu(バイドゥ、百度)など、中国の自動車メーカーとの競争に直面している。

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「私の率直な見解は、中国の自動車メーカーは世界で最も競争力があるということです。ソフトウェアを得意とする企業が揃っており、設計から製造、そして特に自律走行まで、自動車産業の未来を最も形作るのはソフトウェアです」とマスク氏はメッセージの中で述べた。

世界で最も人口の多い国のEV市場への参入は最初は波乱含みだったが、Teslaはそれを好転させることに成功した。2020年、Tesla Model 3は中国で最も売れたEVとなった。また、Teslaは中国以外の自動車メーカーで唯一、現地法人の完全所有を認められており、同国では前例のない自治権を得ている。それは、マスク氏が過去に公の場で指摘した事実だ。

2020年のBattery Dayイベントで、マスク氏はこう述べていた。「中国に100%自社工場を持つ唯一の外資系メーカーであることは、非常に注目に値すると思います。このことはあまりよく理解されず、評価もされないことが多いのですが、中国に唯一の100%出資の外資系工場を持つことは本当に大きな意味があり、それが多大な利益をもたらしているのです」。

そうは言っても、すべてがバラ色というわけではない。2021年に入ってからは、消費者と規制当局の両方から否定的な報道が相次ぎ、2月には中国政府当局が車両の安全性に関する懸念から同社の幹部を召喚して会議を開いたこともあった(これに対してテスラは「政府部門の指導を真摯に受け止め、事業運営上の欠点を深く反省している」と述べた)。

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その後、4月に開催された上海モーターショーで、Tesla車のオーナーだという女性が同社に抗議する事件が起きた。Bloombergはその数ヵ月後、Teslaがさまざまな悪いPRと闘うために、中国のソーシャルメディアのインフルエンサーや自動車業界の出版物と関係を築こうとしていると報じた。

また、マスク氏はこの事前に録画された挨拶の中で、自動運転車とデータセキュリティに関する質問に答え、それは「一企業の責任だけでなく、業界全体の発展の礎となるもの」だと述べた。この問題は、中国軍がその施設にTesla車を駐車することをドライバーに禁止したというニュースが出た後、特にセンシティブな話題となっている。Tech Wire Asiaが報じたところによると、中国は8月、コネクテッドカーにおけるデータセキュリティの強化を目的とした新しい規制を発表した。Teslaをはじめ、Ford(フォード)やBMWなどの自動車メーカーは、中国国内に現地データストレージセンターを設立する動きを見せた。

「Teslaは、インテリジェントなコネクテッドカーのデータセキュリティを確保するために、すべての国の国家当局と協力していきます」と同氏は付け加えた。

画像クレジット:JayInShanghai

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Aya Nakazato)

テスラはテキサス州の中絶禁止法に対して声を上げるべきだ

9月第1週目の週末、ある読者が編集部に宛てて、テキサス州が先週可決した中絶禁止法について、なぜテック企業が声を上げるべきなのかを礼儀正しく尋ねてきた。

この読者は「アメリカン航空が中絶と何の関係があるのか」と述べ、企業が中絶賛成派と中絶反対派の両方に対応することは不可能であり、自分たちのビジネスとは無関係な問題に立ち向かうことを求めれば、米国の政治化を助長するだけだとの見方を示した。

この見方は広く受け入れられている。米司法省は米国時間9月10日、この法律に異議を唱える決定を下し、Merrick Garland(メリック・ガーランド)司法長官が「明らかに違憲である」と表現したことは、その見方を補強するものだ。結局のところ、ローンスター・ステート(テキサス州)で起こったことに反発すべきなのは、企業ではなく議員なのではないか、ということだ。

だが、テック企業、特にTesla(テスラ)が陰から現れ、この法律を打破すべき理由は他にもある。

妊娠中絶の制限が雇用側の医療費増加につながることは事実だが、テキサス州の法律がテック企業に特に大きな影響を与えるとすれば、雇用へのインパクトだ。社会的企業であるRhia Venturesの調査によると、女性の60%が、中絶へのアクセス制限を試みる州で職につくことを躊躇すると答えている。男性は、かろうじて過半数が同じ回答だった。

テキサス州の中絶禁止法はまた、テック企業に警鐘を鳴らす超法規的な執行メカニズムを生み出す。新法は、中絶手術を行った人だけでなく、故意か否かを問わず、女性が中絶をするのを手助けした人を、その中絶と直接の関わりをもつかどうかにかかわらず、私人が訴えることができる。さらに、原告が勝訴した場合、多額の金銭的な見返りを得る。各被告は1万ドル(約1億1000万円)に加え、関連費用や原告の弁護士報酬を負担することになる。

この判例が、消費者のプライバシーなど、テック企業が関わる問題に適用された場合を想像して欲しい。ヒューストン大学法律センターのSeth Chandler(セス・チャンドラー)教授は、米ABCニュースで今週次のように話した。「SB8(中絶禁止法)が開発したレシピは、妊娠中絶に限られるものではありません。人々が好まないあらゆる憲法上の権利に利用することができるのです」。

テック企業は、テキサス州の妊娠中絶の議論に横槍を入れることは、政治的には電線に触れるのと同じことだと主張するかもしれないし、その見方に共感するのは簡単だ。Pew Research(ピューリサーチ)によると、米国の約10人に6人が「すべての場合、またはほとんどの場合、中絶は合法であるべきだ」と答えているそうだが、どちらの側も感情が高まっている。

それでも、企業はこれまでも物議を醸すような問題に対し、自社の価値観を守るために安全を確保しつつも立ち上がってきたし、企業の圧力が有効であることも示してきた。2016年には、Apple(アップル)やCisco(シスコ)、そしてアメリカン航空を含む約70社の大手企業が、トランスジェンダーの人々が自分の性自認に合った公共トイレの使用を禁止するノースカロライナ州の法律を阻止する法的活動に参加した。この法律は「不当な差別」を容認するものであり、企業の多様な労働力を確保する能力を損なうと主張したのだ。厳しい経済的影響に直面し、2017年までにこの禁止法案は撤回された

Lyft(リフト)、Uber(ウーバー)、Yelp、(イェルプ)Bumble(バンブル)などのひと握りのCEOらは、すでにテキサス州の新法に反対する、公的にはっきりとした立場をとっている。一方、Salesforce(セールスフォース)は9月10日、Slackメッセージで従業員に、もし自分自身やその家族が今、リプロダクティブ・ケア(妊娠・出産・避妊などに関するケア)にアクセスできるかどうかを心配しているのであれば、会社は引っ越しを支援すると伝えた。

Teslaのような企業は、同州の政治にさらに大きな影響を与える可能性がある。Elon Musk(イーロン・マスク)氏による同州への移転は、当地のテックシーンにおける関心に火をつけた。テキサス州のGreg Abbott(グレッグ・アボット)知事は、マスク氏の影響力を強く認識しており、新法が成立した翌日には、マスク氏が同州の「社会政策」を支持していると述べた。

スターベースと呼ばれる新都市を建設する計画や、Tesraが地域の電力会社になる計画など、テキサス州で多くの金銭的な利害関係があるマスク氏は、これまでのところ、この法律についての見解を明らかにしていない。この問題について聞かれ「一般的に、政府は国民に自分の意志を押し付けることはまずすべきではなく、そうする場合には国民の累積的な幸福を最大化することを目指すべきだと考えています」と答えた。また「政治には関わりたくない」とも述べた。

その考えは間違っている可能性がある。フロリダ州やサウスダコタ州など、少なくとも7州の議員や幹部が、テキサス州の新法をクローズアップして検討しており、同様の法令を検討していると述べているからだ。

2019年5月には、Twitter(ツイッター)のJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏やBloomberg(ブルームバーグ)のPeter Grauer(ピーター・グラウアー)氏を含む200人近くのCEOが、中絶禁止はビジネスに悪影響を及ぼすと宣言するニューヨーク・タイムズ紙の全面広告に署名した。広告には「中絶を含む包括的なリプロダクティブ・ケアへのアクセスを制限することは、従業員や顧客の健康、自立、経済的安定を脅かす」とある。

もしマスク氏が、政府は「国民に自分の意思を押し付けることはない」と本当に信じているのなら、連邦政府が長期にわたる苦しい戦いをしている間に、テキサス州でも公の場に立つべきだ。そうすることで同氏が失うものはほとんどなく、得るものは大きい。

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画像クレジット:emptyclouds / Getty Images

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(文:Connie Loizos、翻訳:Nariko Mizoguchi

テスラのRoadsterの出荷は早くても2023年、イーロン・マスク氏がほのめかす

生産・出荷がずれ込んでいるTesla(テスラ)車両リストにRoadster(ロードスター)を加えよう。​​CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は9月1日、パフォーマンスEVのRoadsterは、以前発表されていた2022年出荷に間に合わないだろうと述べた。「2021年はかなりクレイジーなサプライチェーン不足の年でした。ですので、もし17の新プロダクトの全てが出荷されなくても問題ではないでしょう」とRoadshow見つけたツイートの中で述べた。Roadsterは2023年に出荷されるはずだとマスク氏は付け加え、「おそらく2022年にドラマは展開されない」とも書き込んだ。

Teslaは次世代Roadsterを2017年に発表した。当時、同社は2020年にデビューさせる予定だった。その2020年は同社がスーパーカーについて大した情報を共有することなく過ぎ去った。そして2021年初めにマスク氏はRoadsterの生産が2022年に始まるかもしれないと述べた。Roadsterの生産が実際に始まるかは、大きな「もし」がつく。Tesla Semiの生産を遅らせている世界的なチップ不足は2023年まで続くことが予想されていて、マスク氏のツイートはさらにずれ込む可能性をほのめかしている。

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画像クレジット: Tesla

編集部注:この記事はEngadgetに掲載された。筆者Igor Bonifacic氏はEngadgetの寄稿者。

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(文:Igor Bonifacic、翻訳:Nariko Mizoguchi

マスク氏の地下交通システム「Loop」は約束した無人ではなく運転手必須のテスラ「オートパイロット」を採用

正式公開から2週間足らず、The Boring Company(ザ・ボアリング・カンパニー)がラスベガスで運営するLoop(ループ)システムに初のセキュリティ侵害が発生した。

6月21日、Internationl Beauty Show(インターナショナル・ビューティー・ショウ)最終日の午前、地下を走行する同システムのTesla(テスラ)車団に「無許可車両」が侵入したことが、Loopの運営管理者とクラーク郡当局で交わされたメールでわかった。当該メールはTechCrunchが情報開示法に基づいて入手した。

一連のメールには、侵入事件以外にもLoopの運用に関する新たな詳細が記されていた。システムの非Teslaの電気自動車への驚くべき依存、Tesla車両に運転支援システムであるAutopilot(オートパイロット)の使用を許可する計画、および社内でテクノロジーが自律システムではないと位置づけられていることなど。

The Boring Company(TBC)はラスベガス市警察に侵入事件の捜査を依頼した。「無許可車両のドライバーは協力的で最終的にシステム外へと誘導された」とあるメールに書かれていた。

セキュリティ侵害による負傷や死亡はなかったが、TBCにとってなんとも不名誉な事件であることは間違いない。同社は5300万ドル(約58億2000万円)をかけた同システムのセキュリティと安全性をLVCC(ラスベガス・コンベンション・センター)に売り込んでいた。

TBCとLVCCの間で結ばれた経営合意によると、システムは「偶発的、悪意による、あるいはその他の無許可車両のトンネル内侵入を防ぐための物理的障壁」を備えることになっていた。システム進入路の防犯ゲート、地上駅を囲う数十基のコンクリート製車止めポールなどだ。

TBCもLVCCも、本事象に関する問い合わせに答えていない。TechCrunchはいずれかの回答が得られ次第本稿を更新する予定だ。

オートパイロットにチャンス到来

TechCrunchが入手したメール群は、スリルを求めた侵入者以上の情報を提供している。

そこにはTBCがLVCC Loopを走るTesla車の台数を62から70に増やし、Teslaのオートパイロットテクノロジーの使用を許可する計画の詳細が書かれている。これまでTBCは、全車両の運転支援テクノロジーを無効化し、人間ドライバーに操作させている。

新たな運用計画では、7つのアクティブセーフティ技術として、自動緊急ブレーキ、前方・側方衝突警報、障害物対応加速、死角監視、車線逸脱抑制、緊急車線逸脱警報、および2つの「フル・オートパイロット」技術である、車線中央維持と交通量感知型クルーズコントロールの仕様を要求している。

TBCがオートパイロット利用の必要性を説明するためにネバダ州クラーク郡の建築物・防火局に送ったレターをTechCrunchが他のメールとともに入手した。

TBCのプレジデントであるSteve Davis(スティーブ・デービス)氏は、当該機能を無効化することは「実績ある公道仕様技術」から「積極的に安全レイヤーを取り除く」ものであると書いた。デービス氏は「Tesla車でオートパイロットを作動させていたドライバーは、オートパイロットあるいは能動的安全機能を使用していなかったドライバーと比べて走行1マイルあたりの衝突が1/4以下だった」というTeslaの2021年第1四半期安全レポートの記述を引用した。「ここで明らかにされているように、Tesla車のこれらの機能を無効化することは事故の可能性を高めるものです」とデービス氏は書いた。

しかし、幹線道路交通安全局(NHTSA)は先週、いくつかの衝突事故を受けて同テクノロジーの正式な安全調査を開始した。

クラーク郡建築物・防火局責任者のJerry Stueve(ジェリー・スチューブ)氏はメールで次のように返信した。「我々はこの件を検討する予定ですが、『autodrive』(自動運転)という用語の定義とそれに何がともなうかをより明確にしていただければ、当部におけるこの要望の評価に役立つと思われます」。

「『オートパイロット』という用語がしはしば曖昧であり、車両とシナリオによって多くの異なる意味をなしうることに同意します」とデービス氏は返信した。(ここでデービス氏は上司であるElon Musk[イーロン・マスク]氏と意見を異にしているようで、マスク氏はオートパイロットの名前に対する批判に対して、誤解を与え「ばかげている」と反論している)。

「これらは『自律走行車』(autonomous)でも『自動運転車』(self-driving)でもありません」とデービス氏は続けた。「Teslaのオートパイロットと能動的安全機能を利用することで運転中の安全性に新たなレベルを加えることができますが、この機能を利用するためにはいつでもハンドルを取り戻せる十分注意深いドライバーが常に必要です」。

オートパイロットvs自律走行運転

TBCがLVCCに初めてLoopシステムを売り込んだ時の約束と矛盾することもあり、この区別は非常に重要だ。2019年、工事契約署名前に提出した地上利用申請書でTBCは次のように書いた。「Tesla Autonomous Electric Vehicles(AEVs、テスラ自律走行電動自動車)は高速、地下トンネルの乗客を3か所の地下駅まで運びます」。

2019年7月の計画書には「自律走行電動自動車の地下トンネルにおける活用は、既存の建造物や輸送システムに関わる妨害や対立を最小限にする独自の輸送ソリューションです」と書かれている。以来、同社は他の申請書類に同じような文言を使用しており、ラスベガス地域に数十の駅を設置する提案書も同様だ。

2021年1月、TechCrunchはLVCCとTBCの間で交わされた経営合意文書を入手し、そこにはこう書かれていた。「LVCCがPeople Mover Systemを購入した理由の1つはPeople Mover System車両の自律走行する能力にある【略】本契約書は、システムが有人運転を自律走行に切り替え、2021年12月31日までに、価格交渉を前提に、この変更を運用に織り込む意志があることを認識している」。

その期日はほぼ間違いなく守られない。2021年6月、スチューブ氏はデービス氏に次のように話した。「プロジェクトのはじめに話したように、自律走行運用の承認には、大がかりな監視、試験、検証が必要です。このプロセスには非常に多くの時間がかかります」。

それに答えてデービス氏は「私たちが自律走行あるいは自動運転の機能、運用を要求していないことを明らかにさせていただきたい」と述べている。

Loopの中の人間たち

問題は2つある。第1はTeslaのオートパイロットシステムが当面、ドライバーなしでは完全な動作ができないこと。第2は、おそらくもっと深刻で、Loopは国の標準が定める地下輸送システムの安全要求を満たすために、強くドライバーに依存していることだ。その種のシステムの乗客は、モノレールであれ電動車を使う地下的であれ、停電、火災、洪水などの非常時の安全が保証されなくてはならない。

TechCrunchがメールとともに入手したLVCC Loopの設計文書にはこう書かれている。「(我々の)訓練されたドライバーはシステムの安全面で重要な役割を果たします。緊急時にドライバーが乗客を適切に安全な場所に誘導する行動は、主要なリスク軽減措置です」。

TechCrunchが入手したいくつかの文書がこれを裏づけている。火災の際、ドライバーは「乗客の降車を補助し、歩ける乗客を最も近い出口に誘導する。ドライバーは口頭で指示を与える他乗客を身体的に補助すること場合もある」。ドライバーが乗客を率いて歩く場合「頻繁に振り返って全員がすぐ後に続いていることを確認する」。

ドライバーは、手に負えない問題がある乗客の判定と対応に責任を持ち、オートパイロット自体の動作状況の監視も行うとTBCはいう。「Loopにはドライバーが同乗し、能動的安全機能の使用を監督して必要に応じてブレーキや操舵を取って代わる人間が常に存在することを保証します」とデービス氏が6月に述べている。

TechCrunchが入手した数十件の文書と数百通のメールの中に、LVCC Loopの将来拡張の詳細や、TBCが完全自律走行に移行する方法や日程について書かれたものは1つもない。

Loopが米国土木学会の定める自律走行システムの安全原則に合致しているかについての質問に対して、TBCは次のように回答した。「自律走行運用に特有の基準はLVCC Loopには当てはまりません、なぜなら当システムは車両を操作するドライバーを有するからです」。

果たしてTBCがクラーク郡に伝えていることが、あるいはLVCCに伝えていることが、将来のLoopの運行にどれほど近いものなのかを知るには、時を待つしかない。

ちなみに、もしLoopの車両がまだドライバーレスではないのなら、LVCCはせめて全車両がTesla最新のモデルになると期待できるのか?おそらく違うだろう。

Loopのもう1つの要件は、米国障害者法(ADA)を遵守していることだ。クラーク郡担当者への7月のメールで、TBC幹部は、LVCC LoopのためにTesla以外のADA準拠電動車を購入する予定であることを明かした。

メールに具体的モデル名は書かれていなかったが、短距離用鉛酸蓄電池を備え、Tropos Motors(トロポス・モーターズ)の電動多目的車、Able(エーブル)と同じ仕様だ。この件に関してTroposもTBCも質問への回答はない。

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画像クレジット:Ethan Miller / Getty Images

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(文:Mark Harris、翻訳:Nob Takahashi / facebook

テスラがテキサス州での電力販売を計画

8月中旬にテキサス州の電気規制当局に提出された申込書によると、Elon Musk(イーロン・マスク)氏のTesla(テスラ)は電気自動車、ソーラーパネル、蓄電バッテリー以外にも目を向けていて、いま顧客に直接給電したいと考えているようだ。この申し込みについてはEnergy Choice Mattersが最初に報じた。

2021年8月16日テキサス州の公共事業委員会に提出された申込書は、Teslaの子会社Tesla Energy Venturesのもとに、いわゆる「電力小売事業者」(REP)になるためのものだ。規制緩和されたテキサス州独自の電力マーケットでは、REPは通常、発電事業者から卸電力を購入し、顧客に販売する。現在、REP10社以上が公開市場で競合している。

Teslaはまた、同州でいくつかの実用規模バッテリーの申し込みも提出した。オースティン周辺に立地するギガファクトリー近くにある250メガワットバッテリーとヒューストン近くの100MWのプロジェクトだ。これらのプロジェクトは電力供給会社になるという取り組みとは関連がないが、全体として同社のエネルギー事業の野心的なロードマップを露わにしている。

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テスラはすべての家庭を分散型発電所にしようとしている

想像して欲しい。Teslaが顧客に電気を販売するだけではなく、ブローカー顧客がTeslaのPowerwallやソーラーパネル製品からの余剰エネルギーを電力網に販売できるかもしれないのだ。明らかに、あらゆる家庭を分散型発電所に変えるというマスク氏のビジョンを実現する1つの方法だ。

公共事業委員会へのこの最新の申し込みの6カ月前、前代未聞の大雪によってテキサス州の送電網の大半が何日間も停止し、何百万人という人が氷点下の数日間を電力なしで過ごすことを余儀なくされた。このウィンターストーム後にREP数社が事業をたたんだ。こうした企業は卸電力の価格をメガワットアワーあたり9000ドル(約99万円)にしていた(季節平均価格は約50ドル、約5500円だ)。

ボカチカにあるSpaceXの広大な施設を含め、多くの事業をカリフォルニアからテキサスに移したマスク氏は当時、Twitterでテキサス州の送電事業者を批判していた。

マスク氏は、テキサス電気信頼性評議会は「Rを獲得していない」と述べ、頭字語でR(Reliability、信頼性)に言及していた。

Tesla Energy Venturesは公共事業委員会に、同社のモバイルアプリやウェブサイトの活用を含め、販売促進するのにTeslaの既存のエネルギー部門を使うと伝えた。「具体的には、(Tesla Energy Venturesは)Tesla製品を所有している既存顧客をターゲットとし、モバイルアプリとTeslaウェブサイトを通じて顧客に小売を販促します」と申込書には書かれている。「TeslaモバイルアプリとTeslaウェブサイトに加えて、申込者の既存の『Tesla Energy Customer Support』組織は顧客獲得の取り組みにおいて顧客サポートとガイダンスを提供するよう訓練されます」。

Ana Stewart(アナ・スチュアート)氏がTesla Energy Venturesの社長となっている。スチュアート氏は2017年からTeslaで規制クレジット取引担当ディレクターを務めている。その前は同氏はTeslaが買収したSolarCity(ソーラーシティ)で働いていた。

申し込みの整理番号は52431だ。

画像クレジット:Darrell Etherington

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi