マスク氏が完全自動運転システムは「すばらしいものではない」と発言、単一スタックを問題点として認める

Tesla(テスラ)が「AI Day」を開催してからまだ1週間も経っていない。技術的な専門用語が飛び交うこのライブ配信イベントは、同社が自律走行を実現するために最も優秀なAIおよびビジョンエンジニアを誘致することを1つの目的としていたが、すでにElon Musk(イーロン・マスク)CEOは「完全自動運転(Full Self-Driving、FSD)」技術について、ホットテイクを提供している。

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米国時間8月24日に投稿されたツイートで、マスク氏は次のように述べている。「FSD Beta 9.2は、私が思うに実際にはすばらしいものではありませんが、オートパイロット・AIチームは、できるだけ早く改善するために結集しています。我々は高速道路と市街地の両方で単一の技術スタックを持とうとしていますが、それには大規模な(ニューラルネットワークの)再トレーニングが必要です」。

これは重要なポイントだ。自律走行の分野では、多くの人が同様の発言をしている。Kodiak Roboticsの共同設立者兼CEOであるDon Burnette(ドン・バーネット)氏は、今のところ同社はトラック輸送に特化しているが、それはより簡単に解決できる問題だからだという。最近のExtraCrunchのインタビューで、バーネット氏は次のように述べている。

当社の技術のユニークな点は、特定の目的のために高度にカスタマイズされていることです。トラックの高速道路走行性能と都市部の乗用車の高密度走行性能の両方を、同じスタックやシステムで維持するというような要件が常にあるわけではありません。理論的には、すべての運転、すべての条件、すべてのフォームファクターに対応する汎用的なソリューションを作ることは可能ですが、それはよりはるかに難しい問題です。

TeslaはLiDAR(ライダー)やレーダーを使わず、光学カメラのみを使用しているため、ニューラルネットワークの「大規模な」トレーニングが必要である、というのは決して控えめな表現ではない。

マスク氏のツイートに間違いなく心を痛めているであろうAI・ビジョンチームには同情するが、これは同氏にとっては稀有な、明晰で正直な瞬間だ。通常、私たちはTeslaの自動運転に関するニュースを、特別に微調整されたでたらめメーターでフィルタリングしなければならないが、そのたわ言メーターは「完全自動運転」技術について言及されるたびに激しくビープ音が鳴る。念のため言っておくが、これは「完全」な自動運転ではなく、高度な運転支援であり、将来的にはより優れた自動運転を実現するための基礎となり得るものだ。

マスク氏はツイートのフォローアップとして、FSD Beta 9.3を使用しパサデナからロサンゼルス空港まで運転したところ「はるかに改善されていた!」と語っている。これを信じるべきだろうか?同氏は常に楽観主義者だ。2021年8月初め、マスク氏はTeslaが2週間ごとにカリフォルニア時間深夜にFSDの新バージョンをリリースすると述べていた。そして Beta 9は「隙のない」ものになると約束し、レーダーが会社の足かせとなっていたが、ピュアビジョンを完全に受け入れた今、進歩ははるかに速くなるだろうと語った。

おそらくマスク氏は、FSDシステムに関する悪評が相次いでいることから、その矛先をそらそうとしているのだろう。先週、米国の自動車規制当局はTeslaのオートパイロット機能に関する予備調査を開始し、駐車中の救急車両にTesla車両が衝突した11件の事故を挙げた。なぜ救急車両なのか、それはわからない。しかし、米国道路交通安全局(NHTSA)のウェブサイトに掲載されている調査資料によると、事故のほとんどは日没後に発生している。夜間視力の低下は多くの人間のドライバーに当てはまるが、自律走行の世界でそのような事故は許容できることではない。

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Aya Nakazato)

SpaceXがStarlinkの端末10万台を出荷、今後の打ち上げにはStarshipを利用する計画

Elon Musk(イーロン・マスク)氏のStarlinkプロジェクトは、人工衛星のコンステレーションにより、グローバルなブロードバンド接続を提供する。当プロジェクトがこのほど、10万台の端末を顧客に出荷した。

10万台の端末を出荷した。

2019年の11月に衛星の打ち上げを始め、翌年2020年には一部の顧客に月額99ドル(約10870円)でベータアクセスの提供を開始したが、その1年後に端末10万台は資本集約型のサービスにとって驚くべきペースだ。SpaceXはこれまでに1700基以上の衛星を打ち上げており、出荷された10万台の端末に加えて、50万台以上のサービスの追加注文を受けている。

同社は衛星の打ち上げに自社のFalcon 9ロケットを使っているため、ペースが速いのも意外ではないかもしれない。今や時価総額が最大の宇宙企業である同社にとって、このような垂直的統合こそが中心的な戦略だ。

Starlinkのベータ版顧客の多くは、従来のブロードバンドへのアクセスが限られているか、存在しない遠隔地や田舎に住んでいる。Starlinkは499ドルの初期費用がかかるが、その中にはサービスの利用開始に必要なユーザー端末(スペースXは「Disy McFlatface」と呼ぶ)、Wi-Fiルーター、電源、ケーブル、三脚などのスターターキットが含まれている。

画像クレジット:Starlink

しかしStarlinkの急速な成長は同社の積極的な戦略を反映したものだが、プロジェクトとしてはまだ始まったばかりだ。SpaceXにいわせれば、これは本プロジェクトの始まりに過ぎない。同社は最終的に、約3万個のスターリンク衛星を軌道上に打ち上げ、ユーザー数を数百万人にまで拡大したいと考えている。米国時間8月18日に連邦通信委員会(FCC)に提出した次世代Starlinkシステムの申請書によると、コンステレーションの構成を2つに分けて提案しており、そのうち1つは、同社の次世代重量物打ち上げ用ロケットStarshipを使用する。

完成後のコンステレーションは総衛星数2万9988基となり、SpaceXの提案によると、同社のFalcon 9ロケットを使用する別の構成もある。しかしいうまでもなく、ペイロードの大きさで有利なのはStarshipだ。

「SpaceXは新しい打ち上げ機Starshipの進んだ能力を有効利用する方法を見つけました。同機はより多くの質量を速く、効率的に軌道へ運ぶ強化された能力を持ち、また上段の再利用性も増しているため効率性はさらに良い」と同社の修正申請書にある。

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画像クレジット:SpaceX

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ロボット、チップ、完全自動運転、イーロン・マスク氏のTesla AI Dayハイライト5選

Elon Musk(イーロン・マスク)氏はTesla(テスラ)を「単なる電気自動車会社ではない」と見てもらいたいと考えている。米国時間8月19日に開催されたTesla AI Day(テスラ・AI・デー)で、イーロン・マスクCEOはテスラのことを「推論レベルとトレーニングレベルの両方でハードウェアにおける深いAI活動」を行っている企業であると説明した。この活動は、自動運転車への応用の先に待つ、Teslaが開発を進めていると報じられている人型ロボットなどに利用することができる。

Tesla AI Dayは、映画「マトリックス」のサウンドトラックから引き出された45分間にわたるインダストリアルミュージックの後に開始された。そこでは自動運転とその先を目指すことを支援するという明確な目的のもとに集められた、テスラのビジョンとAIチームに参加する最優秀のエンジニアたちが、次々に登場してさまざまなテスラの技術を解説した。

「それを実現するためには膨大な作業が必要で、そのためには才能ある人々に参加してもらい、問題を解決してもらう必要があるのです」とマスク氏はいう。

この日のイベントは「Battery Day」(バッテリー・デー)や「Autonomy Day」(オートノミー・デー)と同様に、テスラのYouTubeチャンネルでライブ配信された。超技術的な専門用語が多かったのだが、ここではその日のハイライト5選をご紹介しよう。

Tesla Bot(テスラ・ボット):リアルなヒューマノイド・ロボット

このニュースは、会場からの質問が始まる前にAI Dayの最後の情報として発表されたものだが、最も興味深いものだった。テスラのエンジニアや幹部が、コンピュータービジョンやスーパーコンピュータDojo(ドージョー)、そしてテスラチップについて語った後(いずれも本記事の中で紹介する)、ちょっとした幕間のあと、白いボディスーツに身を包み、光沢のある黒いマスクで顔が覆われた、宇宙人のゴーゴーダンサーのような人物が登場した。そして、これは単なるテスラの余興ではなく、テスラが実際に作っている人型ロボット「Tesla Bot」の紹介だったことがわかった。

画像クレジット:Tesla

テスラがその先進的な技術を自動車以外の用途に使うことを語ろうとするときに、ロボット使用人のことを語るとは思っていなかった。これは決して大げさな表現ではない。CEOのイーロン・マスク氏は、食料品の買い物などの「人間が最もやりたくない仕事」を、Tesla Botのような人型ロボットが代行する世界を目論んでいるのだ。このボットは、身長5フィート8インチ(約173cm)、体重125ポンド(約56.7kg)で、150ポンド(約68kg)の荷物を持ち上げることが可能で、時速5マイル(約8km/h)で歩くことができる。そして頭部には重要な情報を表示するスクリーンが付いている。

「もちろん友好的に、人間のために作られた世界を動き回ることを意図しています」とマスク氏はいう。「ロボットから逃げられるように、そしてほとんどの場合、制圧することもできるように、機械的そして物理的なレベルの設定を行っています」。

たしかに、誰しもマッチョなロボットにやられるのは絶対避けたいはずだ(だよね?)。

2022年にはプロトタイプが完成する予定のこのロボットは、同社のニューラルネットワークや高度なスーパーコンピューターDojoの研究成果を活用する、自動車以外のロボットとしてのユースケースとして提案されている。マスク氏は、Tesla Botが踊ることができるかどうかについては口にしなかった。

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Dojoを訓練するチップのお披露目

画像クレジット:Tesla

テスラのディレクターであるGanesh Venkataramanan(ガネッシュ・べンカタラマン)氏が、完全に自社で設計・製造されたテスラのコンピュータチップを披露した。このチップは、テスラが自社のスーパーコンピュータ「Dojo」を駆動するために使用している。テスラのAIアーキテクチャの多くはDojoに依存している。Dojoはニューラルネットワークの訓練用コンピューターで、マスク氏によれば、膨大な量のカメラ画像データを他のコンピューティングシステムの4倍の速さで処理することができるという。Dojoで訓練されたAIソフトウェアは、テスラの顧客に対して無線を通じてアップデートが配信される。

テスラが8月19日に公開したチップは「D1」という名で、7nmの技術を利用している。べンカタラマン氏はこのチップを誇らしげに手に取りながら、GPUレベルの演算機能とCPUとの接続性、そして「現在市販されていて、ゴールドスタンダードとされている最先端のネットワークスイッチチップ」の2倍のI/O帯域幅を持っていると説明した。彼はチップの技術的な説明をしながら、テスラはあらゆるボトルネックを避けるために、使われる技術スタックを可能な限り自分の手で握っていたかったのだと語った。テスラは2020年、Samsung(サムスン)製の次世代コンピューターチップを導入したが、ここ数カ月の間、自動車業界を揺るがしている世界的なチップ不足から、なかなか抜け出せずにいる。この不足を乗り切るために、マスク氏は2021年夏の業績報告会で、代替チップに差し替えた結果、一部の車両ソフトウェアを書き換えざるを得なくなったと語っていた。

供給不足を避けることは脇においても、チップ製造を内製化することの大きな目的は、帯域幅を増やしてレイテンシーを減らし、AIのパフォーマンスを向上させることにあるのだ。

AI Dayでべンカタラマン氏は「計算とデータ転送を同時に行うことができ、私たちのカスタムISA(命令セットアーキテクチャ)は、機械学習のワークロードに完全に最適化されています」と語った。「これは純粋な機械学習マシンなのです」。

べンカタラマン氏はまた、より高い帯域幅を得るために複数のチップを統合した「トレーニングタイル」を公開した。これによって1タイルあたり9ペタフロップスの演算能力、1秒あたり36テラバイトの帯域幅という驚異的な能力が実現されている。これらのトレーニングタイルを組み合わせることで、スーパーコンピューター「Dojo」が構成されている。

完全自動運転へ、そしてその先へ

AI Dayのイベントに登壇した多くの人が、Dojoはテスラの「Full Self-Driving」(FSD)システムのためだけに使われる技術ではないと口にした(なおFSDは間違いなく高度な運転支援システムではあるものの、まだ完全な自動運転もしくは自律性を実現できるものではない)。この強力なスーパーコンピューターは、シミュレーション・アーキテクチャーなど多面的な構築が行われており、テスラはこれを普遍化して、他の自動車メーカーやハイテク企業にも開放していきたいと考えている。

「これは、テスラ車だけに限定されるものではありません」マスク氏。「FSDベータ版のフルバージョンをご覧になった方は、テスラのニューラルネットが運転を学習する速度をご理解いただけると思います。そして、これはAIの特定アプリケーションの1つですが、この先さらに役立つアプリケーションが出てくると考えています」。

マスク氏は、Dojoの運用開始は2022年を予定しており、その際にはこの技術がどれほど多くの他のユースケースに応用できるかという話ができるだろうと語った。

コンピュータビジョンの問題を解決する

AI Dayにおいてテスラは、自動運転に対する自社のビジョンベースのアプローチの支持を改めて表明した。これは同社の「Autopilot」(オートパイロット)システムを使って、地球上のどこでも同社の車が走行できることを理想とする、ニューラルネットワークを利用するアプローチだ。テスラのAI責任者であるAndrej Karpathy(アンドレイ・カーパシー)氏は、テスラのアーキテクチャを「動き回り、環境を感知し、見たものに基づいて知的かつ自律的に行動する動物を、ゼロから作り上げるようなものだ」と表現した。

テスラのAI責任者であるアンドレイ・カーパシー氏が、コンピュータビジョンによる半自動運転を実現するために、テスラがどのようにデータを管理しているかを説明している(画像クレジット:Tesla)

「私たちが作っているのは、もちろん体を構成するすべての機械部品、神経系を構成するすべての電気部品、そして目的である自動運転を果たすための頭脳、そしてこの特別な人工視覚野です」と彼はいう。

カーパシー氏は、テスラのニューラルネットワークがこれまでどのように発展してきたかを説明し、いまやクルマの「脳」の中で視覚情報を処理する最初の部分である視覚野が、どのように幅広いニューラルネットワークのアーキテクチャと連動するように設計されていて、情報がよりインテリジェントにシステムに流れ込むようになっているかを示した。

テスラがコンピュータービジョンアーキテクチャーで解決しようとしている2つの主な問題は、一時的な目隠し(交通量の多い交差点で車がAutopilotの視界を遮る場合など)と、早い段階で現れる標識やマーク(100メートル手前に車線が合流するという標識があっても、かつてのコンピューターは実際に合流車線にたどり着くまでそれを覚えておくことができなかったなど)だ。

この問題を解決するために、テスラのエンジニアは、空間反復型ネットワークビデオモジュールを採用した。このモジュールのさまざまな観点が道路のさまざまな観点を追跡し、空間ベースと時間ベースのキューを形成して、道路に関する予測を行う際にAIモデルが参照できるデータのキャッシュを生成する。

同社は1000人を超える手動データラベリングチームを編成したと語り、さらに大規模なラベリングを可能にするために、テスラがどのように特定のクリップを自動ラベリングしているかを具体的に説明した。こうした現実世界の情報をもとに、AIチームは信じられないようなシミュレーションを利用して「Autopilotがプレイヤーとなるビデオゲーム」を生み出す。シミュレーションは、ソースやラベル付けが困難なデータや、閉ループの中にあるデータに対して特に有効だ。

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テスラのFSDをとりまく状況

40分ほど待ったときに、ダブステップの音楽に加えて、テスラのFSDシステムを映したビデオループが流れた、そこには警戒していると思われるドライバーの手が軽くハンドルに触れている様子が映されていた。これは、決して完全に自律的とは言えない先進運転支援システムAutopilotの機能に関する、テスラの主張が精査された後で、ビデオに対して法的要件が課されたものに違いない。米国道路交通安全局(NHTSA)は 今週の初めにテスラが駐車中の緊急車両に衝突する事故が11件発生したことを受け、オートパイロットの予備調査を開始することを発表した。

その数日後、米国民主党の上院議員2名が連邦取引委員会(FTC)に対して、テスラのAutopilot(自動操縦)と「Full Self-Driving」(完全自動運転)機能に関するマーケティングおよび広報活動を調査するよう要請した。

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テスラは、7月にFull Self-Drivingのベータ9版を大々的にリリースし、数千人のドライバーに対して全機能を展開した。だが、テスラがこの機能を車に搭載し続けようとするならば、技術をより高い水準に引き上げる必要がある。そのときにやってきたのが「Tesla AI Day」だった。

「私たちは基本的に、ハードウェアまたはソフトウェアレベルで現実世界のAI問題を解決することに興味がある人に、テスラに参加して欲しい、またはテスラへの参加を検討して欲しいと考えています」とマスク氏は語った。

米国時間8月19日に紹介されたような詳細な技術情報に加えて、電子音楽が鳴り響く中で、Teslaの仲間入りをしたいと思わない血気盛んなAIエンジニアがいるだろうか?

一部始終はこちらから。

画像クレジット:Tesla

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(文:Rebecca Bellan、Aria Alamalhodaei、翻訳:sako)

テスラはロボット「Tesla Bot」を開発中、2022年完成予定

ロボットを題材にしたWill Smith(ウィル・スミス)の奇妙な映画を覚えているだろうか?

ああ、私たちももちろん覚えていない。しかし、Elon Musk(イーロン・マスク)氏は覚えているようだ。Tesla(テスラ)は、身長5フィート8インチ(約173cm)のTesla Botを開発中で、プロトタイプは2022年中に完成する予定だという。このニュースは、米国時間8月16日夜に同社ウェブサイトで配信されたTesla’s inaugural AI Dayで発表された。

このロボットは、Teslaが取り組んでいる電気自動車以外のユースケースとして、ニューラルネットワークや高度なスーパーコンピュータ「Dojo」のを用いたものとして提案されている。

画像クレジット:Tesla

「基本的に、現在私たちが自動車で行っていることを考えると、Teslaは間違いなく世界最大のロボット企業です。なぜなら、私たちの自動車は車輪の上の半感覚的なロボットのようなものだからです」とマスク氏はいう。「完全な自動運転コンピュータ【略】は今後も進化し続け、Dojoやすべてのニューラルネットは世界を認識し、世界をどのようにナビゲートするかを理解しているため、それをヒューマノイドに搭載することは理に適っています」。

このロボットは「フレンドリーで、人間のために作られた世界を親しみやすくナビゲートすることを目的としています」とマスク氏は付け加えた。また、人間が簡単に逃げたり圧倒したりできるように開発しているとのこと。重量は125ポンド(約56.7kg)、歩行速度は時速5マイル(約8km)で、顔は重要な情報を表示するスクリーンになるという。

興味深いことに、マスク氏はこのロボットが、現在多くの人の生活を退屈な占める労働や買い物といった日常的な仕事を代わりに行うものだと考えている。彼は、肉体労働もできるようになり、それが経済に与える影響についても言及している。

「長期的には、ユニバーサルベーシックインカムが必要だと思います」とマスク氏はいう。「しかしながら、現在のところロボットがないため、それは実現できていません」。

最後にマスク氏はエンジニアに「私たちのチームに参加して、開発を手伝って欲しい」と呼びかけた。

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画像クレジット:Tesla

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(文:Aria Alamalhodaei、Rebecca Bellan、翻訳:Katsuyuki Yasui)

テスラが旧来のリン酸鉄リチウムバッテリーに賭けていることは、メーカーにとって何を意味するのか

Elon Musk(イーロン・マスク)氏は、鉄ベースのバッテリーに関してこれまでで最も強気の発言をした。Tesla(テスラ)は、エネルギー貯蔵製品と一部のエントリーレベルのEVにおいて、旧来の安価なリン酸鉄リチウム(LFP)セルへの「長期的なシフト」を行っていると強調した。

テスラのCEOは、同社のバッテリーは最終的に製品全体で鉄ベースが3分の2、ニッケルベースが3分の1になるだろうと思慮深く語り「これは実際に好ましいことです。世界には十分な量の鉄が存在していますから」と付け加えた。

マスク氏のコメントは、主に中国の自動車業界ですでに進行中の変化を反映するものだ。中国以外の地域でのバッテリー化学組成は大部分がニッケルベースで、具体的にはニッケル・マンガン・コバルト(NMC)とニッケル・コバルト・アルミニウム(NCA)である。これらの比較的新しい化学組成は、エネルギー密度が高いことから自動車メーカーにとって魅力的なものとなっており、OEM(完成車メーカー)におけるバッテリーの航続距離の改良に貢献している。

マスク氏の強気の姿勢がEV業界全体に真の変化をもたらしつつあるとすれば、中国以外のバッテリーメーカーが追随できるかどうかが問われるところだ。

LFP方式への回帰を示唆しているのはマスク氏だけではない。Ford(フォード)のCEOであるJim Farley(ジム・ファーリー)氏は2021年、一部の商用車にLFPバッテリーを採用すると発表した。一方、Volkswagen(フォルクスワーゲン、VW)のCEO、Herbert Diess(ヘルベルト・ディース)氏は、同社のバッテリーデーのプレゼンテーションで、VWのエントリーレベルEVの一部にLFPが使用されることを明らかにした。

エネルギー貯蔵の面では、マスク氏がコメントで言及した、Powerwall(パワーウォール)とMegapack(メガパック)でのLFPベースの化学組成の採用は、鉄ベースの処方を推進する他の定置型エネルギー貯蔵企業の潮流に沿うものとなっている。「定置型貯蔵業界は、より安価なLFPへの移行を志向しています」と、バッテリー調査会社Cairn Energy Research Advisorsを率いるSam Jaffe(サム・ジャッフェ)氏はTechCrunchに語った。

LFPバッテリーセルが魅力的な理由はいくつかある。まず、コバルトやニッケルのような極めて希少で価格が変動しやすい原料に依存していない(主にコンゴ民主共和国から調達されているコバルトは、非人道的な採掘条件のためにさらなる精査の対象となっている)。また、ニッケルベースの化学組成に比べてエネルギー密度は低いものの、LFPバッテリーははるかに安価に製造できる。電気自動車への移行を促進したいと考えている向きにとって、これは朗報となる。EVの普及には、1台あたりのコストを下げることが重要な鍵となる可能性が高いからだ。

マスク氏は明らかに、テスラにおける鉄ベースの化学組成に大きな未来を見出しており、同氏のコメントは、LFPが再びスポットライトを浴びるのに効果的な役割を果たした。ただし、それがショーのスターであり続けている場所は1つ、中国である。

中国によるLFPの独占

「LFPは中国でしか生産されていないといっても過言ではありません」と、調査会社Benchmark Mineral Intelligenceで価格・データ評価の責任者を務めるCaspar Rawles(キャスパー・ローレス)氏は、最近のTechCrunchとのインタビューで説明している。

LFPバッテリー生産における中国の優位性の一部は、大学や研究機関のコンソーシアムによって管理されている一連の主要なLFP特許に関連している。このコンソーシアムは10年前、中国のバッテリーメーカーとの間で、LFPバッテリーが中国市場でのみ使用されることを条件に、ライセンス料を徴収しないことで合意した。

こうして、LFP市場は中国が独占する形となった。

中国のバッテリーメーカーは、LFPへの構造的シフトのポテンシャルから最大の恩恵を受ける可能性がある。具体的にはBYD(比亜迪)とCATL(寧徳時代新能源科技)で、後者はすでに、中国で生産・販売されているテスラ車専用のLFPバッテリーを製造している。(一方、フォルクスワーゲンは中国のLFPメーカーGotion High-Tech[国軒高科]にかなりの出資をしている。)こうしたバッテリーメーカーの勢いはとどまる気配を見せていない。1月にCATLとShenzhen Dynanonic(深圳市徳方納米科技)は、中国の地方省の1つと、LFPカソード工場を2億8000万ドル(約307億円)の費用で3年をかけて建設する契約を結んだ。

業界アナリスト企業のRoskillによると、LFPの特許の存続期間の満了は2022年で、中国以外のバッテリーメーカーが生産の一部を鉄ベースの製品に移行し始める機は熟していることが予想されるという。しかし、LG Chem(LG化学)やSK Innovation(SKイノベーション)など、韓国の大手企業との合弁事業が多い欧州や北米のバッテリー工場はいずれも、依然としてニッケルベースの化学組成にフォーカスしている。

「米国がLFPの強みを生かすには、北米の製造業が必要となるでしょう」とジャッフェ氏は説明する。「今日、米国でギガファクトリーを建設する人々は皆、高ニッケル化学製品の製造を計画しています。現地で製造されるLFPバッテリーに対するアンメットニーズが非常に高くなっています」。

ローレス氏は、特に特許の有効期限が失効した後、数年のうちに北米と欧州である程度のLFPキャパシティが確保されると予想している。ドイツではCATLも、他のバッテリーメーカーSVOLT(蜂巣能源科技)も動きを見せているが、どちらも中国企業であり、その他のアジア企業や欧米企業がLFP市場で競争できるかについては疑問が残る、と同氏は指摘した(Stellantis[ステランティス]は2025年以降のバッテリーサプライヤーの1つとしてSVOLTを選定している)。

エネルギー貯蔵に関して、ジャッフェ氏は「定置型貯蔵システムのほとんどが最終的にはLFP系になることは避けられない」と考えているという。

しかし、米国の国内製造業にとってすべてが失われるとは限らない。「地元でLFP製造を確立するための好材料として、サプライチェーンがシンプルであることが挙げられます。リチウム以外にも、鉄とリン酸という2つの安価な材料が(米国で)大量に生産されています」とジャッフェ氏は付け加えた。

結局のところ、これはバッテリーの化学的性質の問題ではない。より有望な点は、テスラを含む自動車メーカーの動向からすでに明らかになっている。鉄ベースのバッテリーは主にエントリーレベルの低価格車に使用され、ニッケルベースのセルはハイエンドの高性能車に使用される。多くの消費者は、300マイル(約483km)から350マイル(約563km)の走行距離を持つ車よりも、数千ドル(約数十万円)安い200マイル(約322km)から250マイル(約402km)の走行距離の車の方に満足するだろう。

自動車メーカーは、垂直製造や既存のバッテリー会社との合弁事業を通じて、バッテリー供給をコントロールする方向に動き始めている。このことは、北米と欧州におけるLFPキャパシティの拡大は可能性が高いだけでなく、必然的であることを意味している。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Elon MuskTeslaバッテリー電気自動車FordVolkswagenPowerwallMegapack中国エネルギー貯蔵リチウムイオン電池

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Dragonfly)

SpaceXの大型ロケット「Super Heavy」と宇宙船「Starship」が初めて合体、全高120mは史上最大

SpaceX(スペースX)は、完全再使用型ロケットシステム「Starship(スターシップ)」の開発において、新たに大きなマイルストーンを達成した。同社は、29基のRaptor(ラプター)ロケットエンジンを全搭載したSuper Heavy(スーパーヘビー)ブースターのプロトタイプの上に、6基のエンジンを搭載したStarship宇宙船本体を設置するスタック試験を完了した。合体した宇宙船は、これまで開発されたロケットの中で最も全高の高い組立式ロケットとなる。

テキサス州南部にあるSpaceXの開発拠点で行われたこのスタッキングは、Starshipシステムを構成する2つの要素が初めて1つになったという点で重要な意味を持つ。これは、次のStarshipプロトタイプをテストミッションで打ち上げる際に使用される構成で、軌道到達が期待されている。

この巨大な複合ロケットシステムは、全高が約400フィート(正確には約390フィート、約119m)に達し、それが乗っている軌道発射台と合わせると、全体で約475フィート(約145m)となり、ギザの大ピラミッド(138.74m)よりも高い(牛久大仏は全高120m)。

スタッキングの実現は目覚ましい成果だが、この状態は長くは続かないはずだ。次のステップは、ロケットシステムの2つの部分を再び分離して、より多くの作業、分析、テストを行い、最終的な軌道飛行打ち上げテストに向けて再組み立てすることになると思われる。

軌道投入の打ち上げテストがいつ行われるかについては、現時点では明らかになっていない。解体、試験、再組み立てには時間がかかるはずだが、同社が年内の実現を目指していることは間違いない。

上のストリームはNASASpaceflightが配信したもの。

【更新】SpaceXのElon Musk(イーロン・マスク)CEOは、Starshipシステムの2つの部分が分離された後の次の作業についての詳細を明らかにした。同氏はツイートの中で、システムの次の課題はStarship宇宙船に最終的な耐熱シールドタイルを追加することであり、この作業は約98%完了していると付け加えた。他にも、ブースターエンジン、地上の推進剤貯蔵タンク、宇宙船のQDアームに熱保護を加えることも今後やるべきことのリストに含まれているという。

もちろん、SpaceXがStarshipを飛行可能な状態にするために越えねばならないハードルはそれだけではない。同社は、米国連邦航空局(FAA)から打ち上げライセンスを取得する必要がある。これは規制当局が環境アセスメントを完了するまで実現できないが、そのプロセスには数ヶ月かかる可能性がある。

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カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceXStarshipSuper Heavy宇宙船イーロン・マスク

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Aya Nakazato)

スティーブ・ジョブズ伝を著した元TIME編集長がイーロン・マスク氏の伝記を執筆中

Steve Jobs(スティーブ・ジョブズ)氏やBenjamin Franklin(ベンジャミン・フランクリン)、Leonardo da Vinci(レオナルド・ダ・ヴィンチ)などの人生を描いた伝記作家Walter Isaacson(ウォルター・アイザックソン)氏が、今度はElon Musk(イーロン・マスク)氏の人生とキャリアを記録することに取り組んでいる。Tesla(テスラ)のCEOは、米国時間8月5日のツイートでこのプロジェクトを発表した。

マスク氏は、アイザックソン氏が取材のため「これまでに数日間」自分とずっと一緒にいたと述べたが、その後、自叙伝をいつか出す可能性もまだあると付け加えた。この本がいつ発売されるのか、またこのプロジェクトがどれだけ進んでいるのかは不明だ。アイザックソン氏は、スティーブ・ジョブズ氏の伝記(タイトルはふさわしい「Steve Jobs / スティーブ・ジョブズ」)を2年以上かけて執筆し、同氏の仲間や同僚100人以上へのインタビューも行った。

マスク氏は何冊もの本の題材となってきたが、アイザックソン氏は同氏のストーリーをこれまでに書きつづってきた著者の中で、最も知名度の高い伝記作家だ。アイザックソン氏は現在テュレーン大学の教授を務めており、以前はAspen Institute(アスペン研究所)のCEOやCNNのCEOを務めていた。同氏は、2014年に開催されたTechCrunch Disruptのステージにも登場している。

マスク氏の人生とキャリアについての他の書籍には、同氏がインタビューに参加したAshlee Vance(アシュリー・バンス)氏による2015年の伝記「Elon Musk:Tesla, SpaceX, and the Quest for a Fantastic Future / イーロン・マスク 未来を創る男​​」、Ed Niedermeyer(エド・ニーダーメイヤー)氏の「Ludicrous:The Unvarnished Story of Tesla Motors(馬鹿げた話:テスラモーターズの真のストーリー)」、そして、2021年8月に発売されたTim Higgins(ティム・ヒギンズ)氏の「Power Play:Tesla, Elon Musk, and the Bet of the Century(パワープレー:テスラ、イーロン・マスク、世紀の賭け)」などがある。

マスク氏とヒギンズ氏は「Power Play」の中で、マスク氏とApple(アップル)のTim Cook(ティム・クック)CEOとの間で交わされた特に辛口のやりとりを記述した部分について、一時議論をしたことがある。ヒギンズ氏が著書の中で説明したこの会話は、2016年にクック氏がテスラの買収に興味を持ったとされることをめぐって交わされたもの。ヒギンズ氏によれば、マスク氏はクック氏に対し、興味はあるが、マスク氏がAppleのCEOに就任することが条件だと伝え、クック氏は「F—you(ふざけんな馬鹿野郎)」と答えたという。

マスク氏はツイートの中で、クック氏とは話したこともなければ、メールなど書面でやりとりしたこともないと主張した。これに対してヒギンズ氏は、この逸話は、当時のマスク氏の会話を聞いたという人たちが語ったものだと答えた。さらに同氏は、マスク氏にはこの逸話についてコメントする機会が何度も与えられたが「彼はそうしなかった」と付け加えた。

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Aya Nakazato)

イーロン・マスク氏のLoopのドライバーには同社の「偉大なリーダー」に関する台本が渡される

Elon Musk(イーロン・マスク)氏がラスベガスで展開している地下システム「Loop」のドライバーたちは、同社での運転歴を尋ねる乗客の質問をはぐらかしたり、衝突事故については知らないと宣言したり、マスク氏自身についての会話を遮断したりするよう指示されている。

TechCrunchは、公文書法を利用し、6月にオープンしたLoopの通常業務を詳細に記した文書を入手した。このLoopは、ラスベガス・コンベンション・センター(LVCC)の周辺で、改造したTesla(テスラ)車を使って参加者を輸送する。文書の中には、好奇心旺盛な乗客が質問してきたときに、新入社員が必ず従う「Ride Script(乗車に関する台本)」も含まれている。

この台本は、システムを構築・運営するThe Boring Company(TBC)が、新システムやその技術、特に創業者であるイーロン・マスクのパブリックイメージをコントロールすることにどれだけ真剣かを示している。

台本のアドバイスによれば「あなたの目的は、乗客に安全なドライブを提供することであり、楽しいドライブを提供することではありません。会話は最小限にして、道路に集中しましょう」「乗客はあなたに質問を投げかけてきます。質問される可能性のある内容と、推奨される回答がこちらです」。

乗客がドライバーに勤続年数を尋ねると、次のように答えるように指示される。「このトンネルをよく分かっているくらいには運転していますよ!」と答えるように指示されている。さらに「(何百回も運転しているとしても)1週間しか運転していないと思われると、お客様は安心できません。従って、勤務年数を話すのではなく、質問をかわすか、焦点をずらす方法を考えてください」とドライバーにアドバイスしている。

このシステムでどれくらいの衝突事故が発生したか(台本では「事故」という言葉を使っている)を聞かれたドライバーは、こう答えるように言われている。「非常に安全なシステムなので、よくわかりません。会社に問い合わせてみないとわからない」。TBCの従業員やドライバーの数、トンネルの掘削費用などを質問しても、同じように曖昧な答えが返ってくるはずだ(掘削費用は合計で約5300万ドル[約57億8800万円])。

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TBCでは、Tesla(テスラ)の先進的な運転支援システムであるAutopilotの使用が明らかに弱点となっている。クラーク郡は現在、自動緊急ブレーキや障害物を認識しつつ車線内にとどまる技術を含むさまざまな運転支援機能の使用をLoopシステム内のいかなる場所でも許可していない。

群は、整備士にこれらが作動していないかどうかを確認することを義務付けているほどだ。

文書には「初期点検チェックリストに基づくアクションの完了に加えて、整備スタッフは、手動によるループ操作のため、ハンドル操作やブレーキ・加減速アシスト(通称Autopilot)などの車両の自動機能が無効化されていることを確認します」と書かれている。TechCrunchが閲覧した車両整備プランによると、その後の確認はCWPMの技術者によって毎日行われる。

万が一乗客が、Loopのテスラ車がAutopilotを使用しているかどうかを尋ねた場合は、ドライバーは回答するだろう。しかしこれに関する内容は、TechCrunchが入手した文書では「公共の安全に関わる機密事項」とされ、他の多くの技術的な詳細と同様に編集されていた。

この決定について、TechCrunchは関係者に何度も説明を求めたが、回答は得られなかった。

名前を言ってはいけないあの人

台本には、マスク氏自身に関する質問への回答も含まれている。「この種の質問は聞かれることが非常に多く、非常にデリケートな質問です。当社の創業者に対する世間の関心は必然的なものであり、会話の大部分を占める可能性があります。可能な限り簡潔に、そしてそのような会話を止めるために最善を尽くしてください。乗客がその話題を強要し続ける場合は、『申し訳ありませんが、本当にコメントできません』と丁寧に伝え、話題を変えてください」。

にもかかわらず、このスクリプトには、マスクのよくある質問に対する答えがいくつも用意されている。マスクはどんな人かと聞けば、こんな答えが返ってくるはずだ。「彼はすごい人です!刺激的 / やる気にさせてくれる、など」。

さらにこんな追い打ちをかける。「彼の元で働くのは好きですか?」と尋ねると、北朝鮮のような答えが返ってくる。「はい、彼はすばらしいリーダーです!私たちがすばらしい仕事ができるようにやる気を与えてくれます」。

乗客が、マスク氏がどのようにビジネスに関わっているのか疑問に思った場合、ドライバーは次のように答えるだろう。「彼は会社の創設者であり、非常に深く関与し、サポートしてくれています」。また、マスク氏の不規則なツイートについての質問は「イーロンは有名人なのです。私たちはただ、すばらしい移動体験を提供するためにここにいるのです!」と跳ねのけられる。

しかし、ある質問は、すべての人がマスクの下で働くことに満足しているわけではないことを示唆しているようだ。「新聞で読んだ彼についての記事で、彼は『意地悪な上司である/マリファナを吸う/従業員に休暇を取らせない / など』というのは本当ですか?」ドライバーはどちらかというと曖昧な返事をするだろう。「その記事は見ていませんが、私の経験ではそんなことはありません」。

余談だが、TechCrunchが入手した数百ページに及ぶトレーニング文書や業務マニュアルには、Loopでの薬物使用やハラスメントを防止する強いポリシーが詳細に記されているが「休暇」という言葉は出てこない。

認められている技術

クラーク郡は現在、Loop内での自動運転機能の使用を禁止しているため、しばらくは人間のドライバーがシステムの一部となる可能性がある。しかし、クラーク郡に提出された設計・運用文書によると、このシステムには他にも多くの先進技術が導入されている。地下のLoopに設置された62台のテスラには、非接触型決済システムに使用される固有のRFIDチップが搭載されており、車道、駅、駐車場に設置された55個のアンテナの上を通過すると、その位置が特定されるようになっている。

また、各車両は、速度、充電状態、乗車人数、シートベルト着用の有無などのデータを24のホットスポットに送信する。乗客が気を付けるべきなのは、車内に設置されたカメラからの映像も常時ストリーミングされていることだ。これらのデータは、Loop内に設置された81台の固定カメラの映像とともに、コンベンションセンターから数ブロック離れた場所にあるオペレーションコントロールセンター(OCC)に送られる。映像は最低でも2週間は録画・保存される。

OCCでは、オペレーターがカメラの映像やその他のセンサーを監視し、セキュリティ上の脅威や、ドライバーの携帯電話の使用やスピード違反などの問題を発見する。OCCは、Bluetoothヘッドセットや車載用iPadを使ってドライバーと通信し、メッセージや警告、トンネル内の車両の位置を地図上に表示する。車両には、駅構内での時速16.09キロメートルからトンネルの直線区間の時速64.37キロメートルの範囲で厳しい速度制限があり、前の車と6秒以上の間隔を保たなければならない。

2021年の春に行われたテストでは、クラーク郡の職員が、一部のドライバーが規則を守っていないことを発見したことが文書に記されている。「速度制限について質問したところ、何人かのドライバーは、直線および / またはカーブしたトンネルの速度を間違って答えていた。駅、急行レーン、傾斜部の速度については誰も答えられなかった」とある文書には書かれている。「ドライバーは乗客にシートベルトを締めるようにアナウンスしておらず、質問されても、任意であるまたは必要ないと『答えていた者がいた』」。

また、何人かのドライバーは、前の車との安全のための距離を6秒維持できていなかった。TBCはクラーク郡に対し、これらの分野で再教育を行うと答えた。

TBC、クラーク郡、およびLVCCを管轄するラスベガスコンベンション・観光当局は、この件に関する複数のコメント要求に答えなかった。

LVCVAは最近、Alphabet(アルファベット)がスピンアウトした都市型広告代理店Intersection Media(インターセクション・メディア)とLoopシステムの命名権を販売する契約を結び、450万ドル(約4億9100万円)の利益を見込んでいる。

TBCは現在、近隣のホテルにサービスを提供するためLoopの2つの拡張工事を行っているが、最終的にはストリップとラスベガスのダウンタウンの大部分をカバーし、40以上の駅を持つ交通システムを構築したいと考えている。このシステムは、TBCが資金を提供し、チケット販売によってサポートされることになる。

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画像クレジット:Ethan Miller / Getty Images

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(文:Mark Harris、翻訳:Dragonfly)

マスク氏はアップルのApp Store手数料を「インターネットにおける税」と呼ぶ

Elon Musk(イーロン・マスク)氏は、App Storeの独占訴訟においてEpic Gamesを支持している。TeslaのCEOは米国時間7月30日の朝、Apple(アップル)のApp Storeの料金を「インターネットに対する事実上の税。Epicは正しい」とツイートした。

Epic GamesとAppleの法廷闘争は何年も続くことは間違いなく「Fortnite」のメーカーは世論を味方につけることも目的としていることを隠していない。マスク氏のこの信任投票は、本テーマについてまだ明確な意見を持っていない消費者に影響を与える可能性がある。

Appleは、不満のある開発者は、自社製品をAndroidやiOSのモバイルウェブに移すことができると公に主張してきたが、Epic Gamesなどは、Appleがアプリに対する取り組みは、独占状態に他ならないと主張している。

なぜマスク氏がこの問題を取り上げたのかは、あまり明確ではない。マスク氏は、自分と関係のない争点について外野から意見を述べることはほとんどない。現在、マスク氏の会社はいずれもApp Storeからの課金に強く影響を受けていないようだが、水面下で何かしらのアクションが起きている可能性はある。

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(文:Lucas Matney、翻訳:Katsuyuki Yasui)

テスラがセミトラックの発売を2022年に延期、Cybertruckの遅延も示唆

電気自動車メーカーのTesla(テスラ)は、サプライチェーンの問題とバッテリーセルの入手可能性が限られていることから、電動セミトラックの発売を2022年に延期すると、米国時間7月26日に行われた第2四半期の決算発表の中で述べた。

テスラのElon Musk(イーロン・マスク)CEOは、以前からバッテリーの供給が限られていることについて警告しており、2017年11月にプロトタイプが初公開された電動セミトラック「Tesla Semi(テスラ・セミ)」にもその影響が及ぶ可能性があるとしていた。2021年1月、マスク氏はTesla Semiのエンジニアリング作業が完了し、2021年中に納車が開始できる見込みであると述べながらも、ただしバッテリーセルの入手状況によって生産能力が制限される可能性があるという警告を付け足した。

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この警告は、明らかに根拠のあるものだった。株式市場が閉まった後に掲載された株主への書簡には以下のように書かれている。

2021年にベルリンとオースティンで始まるModel Y(モデルY)の生産は計画通り順調に進んでいると、我々は考えています。しかし、それぞれの工場における生産量は、多くの新しい部品や製造技術の導入が成功するかどうか、サプライチェーン関連の問題が継続するかどうか、そして地域の許可を得られるかどうかによって左右されます。

これらの工場に集中するため、また、バッテリーセルの入手量が限られていることやグローバルなサプライチェーンの問題を考慮して、Semiトラックのプログラム開始時期を2022年に変更することにしました。なお、Model Yに続いてオースティンでの生産を予定しているCybertruck(サイバートラック)の製品化も進展しています。

業績発表や決算報告書の中では言及されていないものの、今回の延期は、同社の重要な幹部でTesla Semiの開発および最終的な量産に携わっていたJerome Guillen(ジェローム・ギレン)氏の退社にともなうものだ。ギレン氏が6月に退社したのは、同氏がSemiを含む自動車部門全体の社長職から、より責任の軽い大型トラック部門の責任者という職務に移されてからわずか3カ月後のことだった。ギレン氏は、2018年9月から2021年3月まで、テスラの自動車事業全体を率いていた。

一方、2021年後半に生産開始が予定されているCybertruckも、2022年にずれ込む可能性があるようだ。マスク氏は質問に答えなかったが、決算説明会ではマスク氏のコメントだけでなく、テスラのエンジニアリング担当VPであるLars Moravy(ラース・モラヴィ)氏のコメントからも、2022年にシフトする可能性が示唆されている。

電動ピックアップトラックであるCybertruckは、今のところ試作のアルファ段階にあり、車両の基本的なエンジニアリングとアーキテクチャが完成している。現時点ではModel Yが優先されるものの、2021年後半にはCybertruckをベータ段階に移行させる予定だと、モラヴィ氏は述べている。

「モデルYの生産が軌道に乗ったら、Cybertruckをテキサスで生産する準備に入ります」と、モラヴィ氏は付け加えた。

マスク氏は、おそらくCybertruckが2021年に発売されるという期待を緩和させるためか、Cybertruckを生産することの難易度について言及した。

「Cybertruckを完成させることは、新しいアーキテクチャーであるがゆえに困難が予想されます」と、マスク氏は語った。「すばらしい製品になるはずですし、もしかしたら当社のこれまでで最高の製品になるかもしれません。しかし、そこには根本的に新しい設計思想が多く含まれているのです」。

そして同氏は、これまでテスラの他の自動車が試作から量産に移る際に主張したことを繰り返した。すなわち「生産は難しい」ということだ。

「これまでの繰り返しになりますが、試作や少量生産は実際に簡単でも、大量生産されるものは、これは本当に重要なことなのですが、1万点にも及ぶそれぞれ異なる部品やプロセスの中で最も時間がかかることに合わせた速度で進みます」。

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タグ:TeslaバッテリーCybertruckトラックイーロン・マスク

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ついにテスラの太陽電池・エネルギー貯蔵事業が売上原価を超える、売上げ約882.6億円

Tesla(テスラ)は、電気自動車の販売を主な収益源としているが、最新の四半期業績報告書の中では、エネルギー貯蔵と太陽光発電事業の成長が確認できる。

テスラのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏によると、エネルギー貯蔵製品のために十分なチップを入手できれば、同部門への需要はさらに明るくなるという。

テスラは米国時間7月26日、太陽光発電、家庭・企業向け蓄電装置Powerwall(パワーウォール)、大規模蓄電装置Megapack(メガパック)の3つの主要製品を含む、発電・蓄電事業から8億100万ドル(約882億6000万円)の売上を発表したが、これは120億ドル(約1兆3200億円)近くある総売上のほんの一部に過ぎない。小さいながらも、この部門は蓄電や太陽光発電の販売を強化している。この部門の売上は前四半期比で62%増え、2020年の同四半期比では116%以上の伸びを示している。テスラは太陽光発電とエネルギー貯蔵の売上を分けていない。

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さらに重要なことは、太陽電池・エネルギー貯蔵事業の売上原価が7億8100万ドル(約860億5000万円)であったことだ。すなわちエネルギー貯蔵関連製品の生産・販売にかかる総コストが、初めて売上額を下回ったことを意味する。これは良いニュースだ。

当然のことながら、総設置量も増加している。テスラは、2021年第2四半期に、前年同期比205%増の1274メガワット時(MWh)のエネルギー貯蔵装置を設置した。また、2021年の第2四半期に設置された太陽光発電量の合計は85MWhで、2020年第2四半期から214%増加している。補足すると、テスラの太陽光発電とエネルギー貯蔵の総設置量は、2019年第2四半期と2020年第2四半期の数字を比較するとほぼ横ばいだった、これはパンデミックによってビジネスが全般的に停止したためと思われれる。

大事なのは売上の伸びだ。2019年、テスラは太陽光発電とエネルギー貯蔵事業からの売上を3億6900万ドル(約406億6000万円)と報告した。2020年第2四半期時点での売上は停滞し、同事業からの収益は3億7000万ドル(約407億7000万円)にとどまった。今回の四半期は、2019年と2020年の同じ四半期にテスラが達成した売上の倍以上の数字となった。

何が変わったのだろう?新型コロナウイルス以外にも、テスラはいくつかのMegapackプロジェクトが稼働し始めていることや、太陽光発電とPowerwall(パワーウォール)を組み合わせた製品の人気が高まっていることを指摘している(太陽光発電設備を設置せずにPowerwallを注文することはできなくなった)。またテスラのウェブサイトに掲載されている概算によると、Megapack1台の価格は税抜きで約120万ドル(約1億3000万円)だ。テスラによれば、いくつかの州では、最も早い納入が2023年になるという。

だが、テスラのエネルギー貯蔵事業は困難に直面している。マスク氏によると、Megapack、Powerwallともに需要が供給を上回っており、バックログが増えているのだ。世界的なチップ不足のため、その需要に応えることができないのだという。

テスラは、Powerwallに自動車と同じチップを使用しており、マスク氏は、供給が少ない間は自動車を優先すると表明している。

マスク氏は業績説明会で「この大幅な不足が解消されれば、Powerwallの生産を大幅に増やすことができます」と語っている。「来年には、Powerwallを年100万台のペースにできるチャンスがあると思います、おそらく週に2万台のペースということです。繰り返しますが、セルの供給や半導体に依存します【略】世界が持続可能なエネルギー生産に移行する中で、太陽光や風力が注目されていますが、その不安定さを考えると、安定した電気を供給するためにはバッテリーパックが必要なのです。そして、世界中の電力事業を見れば、膨大な量のバックアップバッテリーを必要としていることがわかります」。

マスク氏は、長期的には、テスラと他のサプライヤーが蓄電需要に対応するためには、合わせて年間1000〜2000GWhが必要になると述べている。マスク氏によると、同社はセルサプライヤーに2022年に供給量を2倍にするよう要請しているが、この目標はサプライチェーンの問題に左右されるとマスク氏は注意を促している。現在の同社の戦略は、セルの供給をオーバーシュートさせて、それをエネルギー貯蔵製品に振り向けるというものだが、チップが不足した場合と同様に、その場合でも自動車の生産が優先されるだろうとマスク氏は述べている。

バッテリー計画

バッテリーの話題は、開発中の4680バッテリーに集中していたが、マスク氏は、安価なLFP(リン酸鉄リチウムイオン)を一部の製品に利用したいというテスラの意図にも触れた。具体的には、すべての固定蓄電池を鉄系電池に移行し、ニッケル・マンガン・コバルト(NMC)バッテリーやニッケル・コバルト・アルミニウムバッテリーから撤退する可能性が高いということだ。

「おそらく3分の2が鉄、3分の1がニッケルになるのではないかと思います」とマスク氏はテスラの計画について語った。「実際これは良いことなのです、なにしろ世界には膨大な量の鉄がありますから。一方、ニッケルとコバルトは非常に少ないのです」。

ニッケル系として残る3分の1のバッテリーは、より長距離巡航型の電気自動車に使用される。また、その他のEVもすべてLFPバッテリーに移行するが、これは中国で生産している車両ではすでに行われている。

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:sako)

イーロン・マスク氏がテスラはビットコインが環境に優しくなれば受け入れを再開する「可能性が高い」と発言

Tesla(テスラ)のElon Musk(イーロン・マスク)CEOは米国時間7月21日、Crypto Council for Innovation(クリプト・カウンシル・フォー・イノベーション)が主催したオンラインのパネルディスカッションにおいて、暗号資産の採掘に使用される電力の50%が再生可能エネルギーになった時点で、Bitcoin(ビットコイン)による支払いの受付を再開する「可能性が高い」と述べた。これは、先月のTwitter(ツイッター)における同氏の発言と合致するものだ。

テスラは、2021年2月にビットコインによる支払いの受け入れを始めた。同時期に同社は、歴史的な15億ドル(約1650億円)分のビットコインを購入している。だが、そのわずか3カ月後には、環境問題を理由にこの決定を撤回した。

暗号資産はエネルギー使用の点で悪評を受けている。それは確かに非常に多くのエネルギーを消費するからだ。少なくとも、暗号資産の多くはそうである。世界の2大暗号資産のビットコインとEthereum(イーサリアム)は、Proof of Work(プルーフ・オブ・ワーク)と呼ばれる仕組みを使ってネットワークを動かし、それぞれの暗号資産の新しいブロックを「鋳造」している。この「Work(作業)」は、複雑な暗号の問題を解くことであり、マイナー(採掘者)はこれに取り組むためにハイエンドのグラフィックカードを組み合わせて作業を行う。大規模なマイニングセンター(採掘工場)では、何千ものGPUが24時間稼働している。

イーサリアムは、プルーフ・オブ・ワークからプルーフ・オブ・ステーク(proof-of-stake)と呼ばれるエネルギー使用量を大幅に削減する方法に移行することをすでに表明しているが、ビットコインはこの移行の可能性が低いようだ。だから「環境にやさしく」なるということは、ビットコインの根本的な部分を大きく変えるのではなく、マイニングセンターを動かすエネルギー源を変えることになる。

ビットコインのグローバルなマイニングネットワークは、明らかに再生可能エネルギーに依存しているものの、グリッドがどれほど分散化されているかを考えると、再生可能エネルギーの使用率について正確な洞察を得ることは非常に困難だ。明らかなのは、マスク氏がビットコインの現在または将来の「環境への優しさ」を判断する出発点には、グローバルネットワークからの前例のない透明性が必要だということ。そしてマスク氏はおそらく、個人の見解によるデータに基づいて、いつでもこの判断を下せるように、多くの余裕を持とうとしているだろうということだ。

マスク氏の今回のコメントは意外ではない。同氏は6月に「採掘者による適正な(~50%)なクリーンエネルギーの使用が確認され、将来的に前向きの傾向が見られるようになれば、テスラはビットコインによる決済の受け入れを再開します」とツイートしている。

コインテレグラフ

ご覧になりましたか?

イーロン・マスクがまた非難されていますが、今回は何のためでしょうか? Sygnia(シグニア)のCEOであるMagda Wierzycka(マグダ・ウィアジッカ)氏は「ビットコインで見られるのは、1人の非常に強力で影響力のある個人による価格操作です」と彼を非難しました。

イーロン・マスク

これは正確ではありません。テスラは市場を動かすことなく簡単にBTCを清算できることを確認するために、保有資産の10%以下を売却しただけです。採掘者による適正な(~50%)なクリーンエネルギーの使用が確認され、将来的に前向きの傾向が見られるようになれば、テスラはビットコインによる決済の受け入れを再開します。

しかし、マスク氏はコメントに十分な余裕を持たせている。「ビットコインの採掘者を再生可能エネルギーに移行させようとする意識的な努力があるなら、テスラはそれをサポートできます」と、同氏は会談の後半で付け加えた。ビットコインの採掘の大部分は中国で行われていた。中国では安価な石炭と水力発電により、わずかながら経済的な採掘ができたからだ。しかし、マスク氏はこれらの石炭発電所の一部が閉鎖されていることを指摘した(中国の採掘者の大部分は、中国政府による採掘の取り締まりを受けて国外へ移住し始めている)。

ビットコインの環境への影響に関するマスク氏の懸念は、ビットコインのコミュニティで議論を巻き起こしていることにも留意しておくべきだろう。ビットコインは、その実際のエネルギー消費量に比べて、過剰な監視を受けている、という意見もある。今回のオンライン討論に参加したTwitter(ツイッター)のJack Dorsey(ジャック・ドーシー)CEOは、ビットコインの再生可能エネルギーへの移行を促すことはできると実際に主張を続けている。決済企業のSquare(スクエア)の「Bitcoin Clean Energy Initiative(ビットコイン・クリーン・エナジー・イニシアティブ)」プログラムが発表した報告書では、ビットコインの採掘によって、再生可能エネルギーが現在よりもさらに安価で経済的に実現可能になると主張している。

今回のマスク氏のコメントは、これまでと同様にあいまいな表現ではあるものの、同氏が依然として暗号資産市場に大きな影響力を持っていることを示している。ビットコインの価格は、4月に6万3000ドル(約694万円)以上の史上最高値を記録した後、7月19日には3万ドル(約330万円)を下回った。しかし、この億万長者の創業者がオンライン討論会で、自分や会社の保有量をより詳細に明らかにしたところ、ビットコインの価格は反発した。

マスク氏個人やテスラのビットコイン保有に加えて、同氏の航空宇宙企業であるSpaceX(スペースX)もビットコインを保有している。マスク氏は、個人的にイーサリアムと(もちろん)Dogecoin(ドージコイン)も保有していると付け加えた。彼のコメントを受けて、3つの暗号資産の価格は上昇した。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:TeslaElon Muskビットコイン暗号資産

画像クレジット:ARK Investment Management

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(文:Aria Alamalhodaei, Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

テスラのスーパーチャージャー充電ネットワークを2021年後半に他社EVにも開放とマスクCEO

Tesla(テスラ)のElon Musk(イーロン・マスク)CEOは、2021年後半に同社のグローバルな充電器ネットワークを他社の電気自動車も利用できるようにすると、米国時間7月20日にツイートした。マスク氏は以前より、テスラがこのアイデアに前向きであることを示唆する発言を繰り返していた。

これまで、同社が2万5000台の充電器からなる「Supercharger(スーパーチャージャー)」ネットワークを、いつ、どのように開放するのか、詳細は明らかになっていなかったが、現時点でもわかっている情報は少ない。例えば、最初にどこの充電ステーションを開放するのか、どの自動車メーカーがテスラと合意しているのか、テスラのオーナーが優先されるのか、などの詳細は依然として不明だ。しかし、マスク氏は2021年末までに開始すると述べ、ようやくタイムラインのようなものを明らかにした。

さらに、別のツイートでは、テスラが充電器を設置しているすべての国で、最終的には他社のEVにもネットワークを開放すると述べている。テスラのスーパーチャージャー充電器は北米、アジア、欧州に加え、中東のアラブ首長国連邦とイスラエルにも設置されている。

多くの人が、なぜテスラは他社のEVと互換性がない独自の充電コネクタを作ったのかと、疑問を抱いているのはおかしなことです。イーロン・マスクが技術を進歩させていたときに、サポートしなかったのはどういうわけでしょうか。彼のチームはフリートを充電できる信頼性の高い手段を作り出したというのに。対処してください!

テスラティーノ

当時はまだ規格がなく、航続距離の長い電気自動車を製造するメーカーはテスラしかなかったので、私たちは独自のコネクターを作ることにしました。

低電力充電と高電力充電の両方に対応した、非常にスリムなコネクターです。

とはいえ、2021年の後半には我々のスーパーチャージャーネットワークを他のEVにも開放する予定です。

イーロン・マスク

テスラのスーパーチャージャーの技術を共有するか、あるいはその充電ネットワークを他の電気自動車にも開放するかということについて、マスク氏は何年も前から語ってきた。2014年の時点では、業界全体で使用できる互換性のある規格を構築するために、設計をオープンにしても構わないとマスク氏は語っていた。これが実現すれば、テスラと競合する他社の電気自動車が、スーパーチャージャーネットワークで充電できるようになる。

マスク氏はそれ以来、さまざまなイベントや決算説明会で、この件についてあれこれ発言してきた。2018年には、決算説明会で質問に答えて「スーパーチャージャーネットワークは壁に囲まれた庭ではない」と述べ、他のEVが使えないように設計されているわけではないということを表現する意味の発言をした。しかし、現時点でスーパーチャージャーが他社のEVと互換性がないことには注意する必要がある。

「壁に囲まれた庭にするつもりはないと、私たちは常に言い続けてきました。私たちは喜んで、他の自動車メーカーを支援し、当社のスーパーチャージャーステーションを利用してもらうようにしたいと思っています」と、マスク氏は2018年に語っている。「他の自動車メーカーは、使用量に応じた費用を負担するだけでいいのです。ただし、我々の充電出力を受け入れることができる性能や、あるいは少なくとも我々の充電コネクターに対応するソケットまたは変換アダプターを備えている必要があります。このように、私たちはすっかり受け入れる用意があるのですが、今までのところ、それを望む他の自動車メーカーは1社もありません。しかし、これは私たちが反対したからではありません。けっして壁に囲まれた庭ではないのです」。

電気自動車の急速充電に使用される一般的なコネクターには、CCS(Combined Charging System、通称コンボ)とCHAdeMO(チャデモ)の2種類がある。CCSは、欧州や北米で近年普及が進んでいるオープンな国際規格の直流コネクタだ。

テスラは独自のコネクタを採用しているため、他社のEVがスーパーチャージャーネットワークを利用するためには、メーカーがそのEVのオーナーにアダプターを提供または販売する必要がある。しかし、欧州では事情が異なる。テスラは欧州で販売する「Model 3(モデル3)」には、CCS直流コネクタを採用している。つまり、欧州に設置されているテスラのスーパーチャージャー充電器は、CCSに対応したケーブルがすでに用意されているのだ。そのため、テスラが最初にスーパーチャージャーネットワークを開放する地域は、欧州になる可能性が高い。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:Tesla電気自動車Elon Musk充電ステーション

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

テスラがオーナーを使い安全ではない自動運転ソフトのテストを行っているとコンシューマーレポートが懸念

サンフランシスコの交通量の多い道路で、自動運転モードのTesla(テスラ)が中央車線から左折する。車両は意図していないバスレーンに飛び込んでしまう。角を曲がったところで駐車中の車の列に突っ込みそうになり、ドライバーがハンドルを握ることになる。これらのシーンは、自動車評論家のAI Addict(AIアディクト)氏が撮影したもので、他にも同様のシーンがYouTubeにアップされている。これらは、携帯電話で話し中の人間なら誰でもやってしまいそうなミスだというかもしれない。しかし、私たちはAIがもっと頼りになることを期待している。

2021年7月初めから、テスラはこれまでのADAS(先進ドライバー・アシストシステム)が行っていたような、カメラとレーダーの利用ではなく、カメラだけを使ったADASであるFSD(Full Self-Driving)バージョン9ベータ の配信を開始した。

無防備な左折などの危険な運転をしている映像や他のテスラのオーナーからの報告を受けてConsumer Reports(コンシューマーレポート)は、米国時間7月20日に声明を発表した。それは今回のソフトウェアアップグレードは、公道での安全性に問題があると考えられるというもので、必要なソフトウェアアップデートが行われた後、同社が所有するSUV「Model Y」で独自にソフトウェアアップデートの内容をテストするとしている。

試作品のソフトウェアを動かすことは、大変だが楽しみでもあります。修正すべき多くの既知の問題を抱えていたので、ベータリストは遅れていました。

ベータ9では、ほとんどの既知の問題には対処できていますが、未知の問題もありますので、ご利用時にはこれ以上ない細心の注意を。

テスラは常に安全性を最優先しています。

コンシューマーレポートは、テスラが既存の所有者とその車両を、新機能をテストするためのモルモットとして利用しているのではないかと懸念している。テスラのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、同社の立場を強調するように、ドライバーに対して「未知の問題もありますので、ご利用時にはこれ以上ない細心の注意を」と、運転中に気を抜かないように呼びかけた。テスラ車のオーナーの多くは、フィードバックのためにベータ版ソフトウェアを提供するテスラのアーリーアクセスプログラムに登録しているので、自分が何をしようとしているのかを理解しているが、それ以外の一般の道路利用者たちはそのような試験に同意していない。

テスラのアップデートは、全国のドライバーに向けて配信されている。コンシューマーレポートはテスラに対して、各州の個別の自動運転規制を考慮しているかどうかについての詳細な情報を求めたが、回答は得られていない。29の州が自動運転に関連する法律を制定しているが、それらは州によって大きく異なっている。Cruise(クルーズ)、Waymo(ウェイモ)、Argo AI(アルゴAI)などの他の自動運転技術企業は、コンシューマーレポートに対して、私有地でソフトウェアをテストするか、訓練を受けたセーフティドライバーを監視役として使用していると回答している。

コンシューマーレポートの安全政策担当マネージャーのWilliam Wallace(ウィリアム・ウォレス)氏は声明の中で「自動車技術は本当に急速に進歩しており、自動化は多くの可能性を秘めていますが、政策立案者たちは強力で意味のある安全規制を導入するために踏み出す必要があります」という。「さもないと一部の企業が、安全に対する責任を負わないまま公道を私的な実験場のように扱うことになります」。

2021年6月には米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)が、SAEレベル2のADASまたはSAEレベル3、4、5の自動運転システムを搭載した車両の製造者および運用者に対して、衝突事故の報告を義務付ける命令を発令した。

NHTSAの管理代行者であるSteven Cliff(スティーブン・クリフ)博士は、声明の中で以下のように語っている「NHTSAの最大の使命は安全です。衝突報告を義務付けることで、NHTSAは重要なデータにアクセスできるようになり、これらの自動運転システムに現れる可能性のある安全上の問題を迅速に特定することができます。実際、データを集めることで、連邦政府が自動運転車の安全性をしっかりと監視しているという国民の信頼を得ることができるのです」。

FSDベータ9ソフトウェアには、ドライバーの監視下で交差点や市街地を巡航するなど、より多くの運転タスクを自動化する機能が追加されている。しかし、他の道路利用者と車の位置関係や、スクーターに乗った女性が通り過ぎる様子まで詳細に表示される優れたグラフィックによって、ドライバーは肝心な時に支援してくれるはずの技術そのものに注意を奪われてしまうかもしれない。

コンシューマーレポートのAuto Test Center(オートテストセンター)のシニアディレクターのJake Fisher(ジェイク・フィッシャー)氏は、次のように述べている。「テスラがドライバーに注意を払うように求めるだけでは十分ではありません。システムが作動しているときにドライバーが集中しているかを確認する必要があるのです。適切なドライバーサポートなしに、自動運転システムの開発をテストすることは、死亡事故につながる可能性があるというだけでなく、実際に悲劇が起きることもわかっています」。

フィッシャー氏は、テスラはドライバーが道路を見ていることを確認するための車内ドライバーモニタリングシステムを導入すべきだという。これは 2018年にフェニックスで、道路を横断していた女性をはねて死亡させたUberの自動運転テスト車両のような事故を防ぐことが目的だ

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画像クレジット:Bloomberg / 投稿者許諾済

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:sako)

イーロン・マスク氏がSolarCity買収に関する訴訟で買収の正当性を主張

Elon Musk(イーロン・マスク)氏は米国時間7月12日朝、2016年の26億ドル(約2870億円)でのTesla(テスラ)によるSolarCity(ソーラーシティ)買収をめぐる訴訟で証言した。訴訟では株主のグループが、買収は業績が悪化していたSolarCityの「救済措置」だったと主張している。株主たちはSolarCity買収費用のTeslaへの返済を模索している。

2017年にデラウェア地方裁判所に提出された訴状では、SolarCityが買収当時、破産に近い状態だったと主張している。SolarCityの取締役会長で最大株主だったマスク氏は買収の恩恵を直接受け、同氏の一部の友人や家族も同様だったとも申し立てている。SolarCityの創業者のLyndon Rive(リンドン・ライブ)氏とPeter Rive(ピーター・ライブ)氏はマスク氏のいとこだ。

SolarCityは「一貫して利益を上げるのに失敗し、増大する債務を抱え、持続不可能なレートで現金を使った」と原告は主張している。訴状にはまた、SolarCityが10年で30億ドル(約3310億円)超の借金を抱え、その半分近くの返済期限が2017年末だったともある。Teslaによる買収は株主の85%が賛成して承認された。

マスク氏の弁護士は、買収はTeslaを輸送・エネルギー会社へと変えるCEOの長期的なビジョンの一部だったと話す。買収クロージングの頃にTeslaのウェブサイトに掲載された「Master Plan、Part Deux」というタイトルのブログ投稿の中で、マスク氏はSolarCityとTeslaの合体は、Powerwall(Teslaの家庭・産業用蓄電プロダクト)と屋根設置型ソーラーパネルを組み合わせたビジョンを実現するための鍵だと述べている。

カウアイ島のソーラーストレージ施設立ち上げで出席者による調査を受けるModel X。Teslaは2016年11月にSolarCityを買収した。

ワシントンポスト紙のWill Oremus(ウィル・オレマス)氏が法廷の外からツイートしたところによると、7月12日の証言の中でマスク氏はTeslaがModel 3の生産期限に間に合わせるためにソーラー事業からフォーカスをシフトせざるを得なかった、と述べた。USA Todayの記者Isabel Hughes(イザベル・ヒューズ)氏も、マスク氏が同社のソーラー事業部門の業績不振をパンデミックのせいにした、と法廷からツイートした。マスク氏は原告団の弁護士Randall Baron(ランドオール・バロン)氏の質問を受けた。バロン氏は2019年の宣誓証言でマスク氏を「恥ずべき人」と呼んだ人物だ。

マスク氏の弁護士は、同氏が買収に関する幅広い議論と交渉に関与していなかったと話すが、原告側は不関与が「表面的」だったと主張している。この訴訟の最大の疑問は、マスク氏が買収取引に過度の影響を及ぼしたかどうか、そしてマスク氏や他の役員メンバーが取引に関する情報を株主から隠したかどうかだ。

訴状に名前が挙がっている他の役員メンバー、Robyn Denholm(ロビン・デンホルム)氏、Ira Ehrenpreis(アイラ・エーレンプレイス)氏、Antonio Gracias(アントニオ・グラシアス)氏、Kimbal Musk(キンバル・マスク)氏、Stephen Jurvetson(スティーブン・ジャーベンソン)氏は2020年6000万ドル(約66億円)、そして弁護士費用と訴訟費用の1680万ドル(約19億円)を保険で支払うことで和解した。マスク氏が唯一の被告となった裁判は新型コロナウイルスパンデミックのために1年延期されていた。

裁判は10日間続く見込みだ。審理が行われているデラウェア地方裁判所は陪審員がおらず、代わりに裁判官副長官のJoseph Slights III(ジョセフ・スライツ3世)氏が審理を行う。スライツ氏が買収は不適切だったと判断しても、Teslaが当時SolarCityに払った26億ドルよりかなり少ない額を支払うようマスク氏に命じる可能性がある。

カテゴリー:その他
タグ:イーロン・マスクTeslaSolarCity買収裁判

画像クレジット:Yichuan Cao/NurPhoto / Getty Images

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

「Starlink衛星通信端末は製造コストの半値以下で提供」とマスクCEO、黒字化までもうしばらく時間がかかりそう

Starlink(スターリンク)が黒字化するまでには、もうしばらく時間がかかりそうだ。この衛星ネットワークを利用して世界中に高速ブロードバンドを提供するというSpaceX(スペースX)のプロジェクトは、顧客にベータ版キットを約500ドル(約5万5300円)で販売しているが、実際にはそれ以上の製造コストがかかっていると、Elon Musk(イーロン・マスク)CEOは米国時間6月29日のインタビューで語った。

このベータ版キットには、顧客が衛星に接続してブロードバンドアクセスを可能にするユーザー端末(アンテナのようなもの)が含まれている。「率直に言って、現時点ではその端末で損しています」と、マスク氏は語った。「この端末のコストは1000ドル(約11万500円)以上するので、当然ながら私がその費用を補助しています」。SpaceXではそれと同じ機能を持ちながら、より低コストで製造できる次世代端末の開発に取り組んでいると、マスク氏は続けた。

このプロジェクトに対するSpaceXの全体的な投資額は、当初は50億〜100億ドル(約5530億〜1兆1055億円)の間になると見られていたが、長期的には300億ドル(約3兆3164億円)に達する可能性があるとのこと。それは同社が今後も改良を続け、携帯電話通信網の技術に対して競争力を維持していくためだと、マスク氏は語った。

バルセロナで現地時間6月29日に開催されたMobile World Congress(モバイルワールドコングレス)のバーチャル基調講演で、このように語ったマスク氏は、Starlinkの現在の状況について他にも詳細を述べている。このプロジェクトは今後12カ月以内に50万人以上のユーザーを獲得できる見込みで、約12カ国で運用されており、それは「毎月増えている」とのこと。

SpaceXは衛星バージョン1.5の打ち上げも間近に控えているが、これはレーザーによる衛星間リンクを備え、高緯度や極地での継続的な接続を可能にする。来年にはバージョン2の打ち上げが予定されており「性能は格段に向上する」とマスク氏は強調した。

望遠鏡で観測すると光の筋に見えるStarlink衛星(画像クレジット:SpaceX)

このプロジェクトでは、2つの大手通信会社との提携に取り組んでいるというものの、マスク氏はその社名を明かさなかった。

Starlinkは、SpaceXが成し遂げた再利用可能なロケットの飛躍的向上抜きには考えられないプロジェクトだ。「しかし、まだ私たちは、Starship(スターシップ)の開発によって、これを次の段階へと進化させる必要があります」と、マスク氏はいう。この新型ロケットは、迅速に再利用できることを目指している。つまり現在の航空機のように、一度の飛行を終えたら地上でそれほど時間を要せず、すぐに再発射が可能になるということだ。

Starshipは、月面に基地を建設したり火星に都市を建設するというマスク氏のビジョンの鍵となるものだ。SpaceXでは今後数カ月以内に、Starshipによる初の軌道への打ち上げを試みたいと考えていると、マスク氏は語った。SpaceXは、Starshipの打ち上げシステムと地上との間で「高データレートの通信を実証する」ために、Starlink端末を新しい宇宙船に搭載して飛行させる承認申請を、連邦通信委員会(FCC)に提出した。

関連記事:SpaceXがStarship軌道試験でStarlinkインターネットを使った接続品質の実証を行う予定

カテゴリー:宇宙
タグ:イーロン・マスクMWCMWC 2021StarlinkStarshipSpaceX

画像クレジット:Mobile World Congress

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

MWC 2日目。本当にやってる?イーロン・マスク登場

ちょっと聞いて欲しい。イベントが初日に活力がなくなりつつあるのは良い兆候ではない。Mobile World Congress(モバイル・ワールド・コングレス)の開幕は、Samsung(サムスン)が見出しを飾り、いくつかの提携の発表と、実際にハードウェアを発売する次のイベントの紹介に同じ時間を割いた。主催者であるGSMAについて語らないわけにもいかず、イベントの運営は、いつもの年でも、おそろしく大変であることを私は繰り返し伝えるべきだろう。2020年のイベント中止は断腸の思いだったに違いなく、今回の実施方法を決定するにあたっても同様だっただろう。ただしまったく別の理由で?

見どころがなかったわけではない。それは何かって?Elon Musk(イーロン・マスク)氏の動画?あれは「この男をどう思うか」によらずあらゆる意味で大きかった。彼を好きでも嫌いでも、見た人はこの人に対して何らかの強烈な印象をもったことだろう。

画像クレジット:Mobile World Congress

Dogecoin(架空の暗号資産)の高僧はSpaceX Starlink(スペースエックス・スターリンク)についてうれしそうに語った。「正直をいうと、私たちは今あの端末で損をしています」とマスク氏がインタビューで言った。「この端末はコストが1000ドル(約11万円)を超えるので、当然今はそのコストを私が補助しています」。懐が深いのはいいことだ。

彼は2022年に新バージョンの人工衛星を出すことを約束した。「能力がずっと高くなります」。

これまでHuawei(ファーウェイ)は消費者よりネットワーキングに大きく焦点を当てている。ただし、あらゆる報道は消費者向きデバイスの発表に焦点を当てているが、MWCがネットワーキングのショーであることを加味することが大切だ。同社は5Gネットワーキングハードウェアを数多く発表し、その中にはMIMO(複数入出力)製品もいくつかあった。

ネットワークといえば、TechCrunchの(そう、今のところの)親会社のことを完全に忘れていた。Verizon(ベライゾン)は5Gブランドをつけたロボットをたくさん発表した。同社は未来のロボット・コミュニケーションにおける携帯通信の重要性を強調した。

CSO(最高戦略責任者)のRima Qureshi(リマ・クレシ)氏がReuters(ロイター)の記事でこう語っている「5Gを使えばロボットは他のロボットやあらゆる種類のデバイスと、これまでまったく不可能だった方法でつながることができます」。

画像クレジット:Huawei

たしかにロボットは良い見世物になる。私の知るところでは、このBoston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)風の四本脚は、Ghost Robotics(ゴースト・ロボティクス)の製品であり、Verizonは2021年1月のCES(コンシューマー・エレクトコロニクス・ショウ)にも持ち込んでいた。

関連記事:可愛らしく活動的な、ダイレクトドライブ方式の四足ロボット

 

もし選らべたとして、私なら2021年夏にバロセロナで有人イベントを開催しただろうか?ない。それはない。主催者のGSMAは金銭的なり何らかの理由で選択肢を持っていたのだろうか?それは答えるのが難しい質問だ。イベントを運営する会社にとって、大きなショウを1つ中止するだけでも莫大なショックなのである。

果たして私はこのショーの概要紹介を木曜日まで続けるべきなのかどうか。もちろん何か興味深いものが登場するか、イーロン・マスク氏が人のまばらなコンベンションセンターをホバーボードで飛び回る動画でもあれば別だが。しかし期待はしていない。

関連記事:リアルでも開催されているMWC 2021、初日まとめ

カテゴリー:イベント情報
タグ:MWCMWC 2021Elon MuskHuawei

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(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook

曖昧だから良い? 米国の暗号資産規制がイノベーションを取りこぼさないワケ

曖昧だから良い? 米国の暗号資産規制がイノベーションを取りこぼさないワケ

Photo by Jon Sailer on Unsplash

編集部注:この原稿は千野剛司氏による寄稿である。千野氏は、暗号資産交換業者(取引所)Kraken(クラーケン)の日本法人クラーケン・ジャパン(関東財務局長第00022号)の代表を務めている。Krakenは、米国において2011年に設立された老舗にあたり、Bitcoin(ビットコイン)を対象とした信用取引(レバレッジ取引)を提供した最初の取引所のひとつとしても知られる。

暗号資産取引所に上場するコインの数は日本の数倍。機関投資家や上場企業による積極的なBitcoin(ビットコイン)投資で今年の強気相場を牽引する。「コンテンツ大国」であるはずの日本よりも先に、アーティストやミュージシャン、スポーツ選手、セレブがデジタルアート販売やバーチャルリアリティ(仮想現実)のインフラ整備を目的としてNFT(ノン・ファンジブル・トークン)のブームを作る。そして、著名電気自動車メーカーCEOが有名なテレビ番組に出演して柴犬がトレードマークの「Dogecoin」(ドージコイン)について語る……。

上記は、2021年に入って米国の暗号資産業界が成し遂げたアチーブメント(実績)の一部です。5月はBitcoinをはじめ暗号資産マーケットは大幅に調整しましたが、米国市場に悲観ムードはあまり見られない印象です。「投機」や「ハッキング」といったネガティブなイメージから脱却できない日本とは雲泥の差で、暗号資産に対する温度差は激しいのは明らかだと思います。

一体なぜなのでしょうか?

もちろん様々な理由が考えられますが、その1つには、暗号資産を含めて新たなイノベーションに対する規制について、日米間で考え方に大きな違いがあるからと考えています。

日本は暗号資産大国だった

驚くことに実は、数年前まで日本は暗号資産のメッカでした。

Bitcoin創設者(または創設グループ)の名前がSatoshi Nakamoto(サトシ・ナカモト)であることに関係しているかどうかは定かではありませんが、Bitcoinの開発者や熱狂的なサポーターが国内外から東京に集まっていました。ニューヨーク・タイムズの記者であるナサニエル・ポッパー氏が2009年~2014年にかけて世界中のBitcoin関係者に直接取材して書いたルポタージュ「デジタル・ゴールド──ビットコイン、その知られざる物語」(ISBN:978-4-532-17601-3)では、東京が重要な舞台として登場します。ハッキング事件が起きるまで世界一のBitcoin取引高を誇った取引所Mt.Gox(マウントゴックス)は、東京に拠点を持っていました。実際、2018年頃までは、円建てのBitcoin取引高が全体の50%以上を占めていました。

何を隠そうクラーケンCEOであるJesse Powell(ジェシー・パウエル)も日本に魅了された1人です。当時、ハッキングを受けたMt.Goxを支援するために、たびたび東京を訪れました。

しかし、現在、東京は暗号資産のメッカとはとてもいえなくなってしましました。シェアの半分以上を占めていた円建てのBitcoin取引高は、7%未満まで落ち込みました。Bitcoin投資だけではありません。DeFi(分散型金融)やNFTブーム、ステーブルコインの台頭といった暗号資産の技術が基盤となるイノベーションについていけず、米国から大きく出遅れてしまっています。

イノベーションを定義できるのか? 日米規制の違い

突然ですが、読者の皆さんは、暗号資産やブロックチェーンの領域にかかわらず、今後、どのようなイノベーションが出現して世の中を変えていくのか完璧に予想することができますか?

どんな著名な起業家や経済学者、歴史学者であっても、答えは「NO」だと思います。また、最先端の研究に携わっている人でも、自分の分野以外のイノベーションを予測することは不可能でしょう。

それにもかかわらず、法律でイノベーションの形を厳格に定義して、基本的には、「その定義に合うイノベーションだけを認める」「定義に合わないものは認めない」といった杓子定規な運用をしている国があります。日本です。

消費者保護・マネロン対策の面では評価されている日本の規制

暗号資産の分野に関していえば、日本では、2017年の4月に資金決済法が改正され、暗号資産が法的に定義され、暗号資産を取り扱う事業者は仮想通貨交換業(現在は暗号資産交換業)としての登録が義務付けられました。この暗号資産規制は、日本が世界に先駆けて導入したものであり、導入当初は、事業者に金融機関並みの投資家保護やマネーロンダリング(マネロン)対策(AML)、テロ資金供与対策(CFT)などを求めたことが暗号資産市場に制度的な安定性を与えるものだと、おおむね好意的に評価されていました。

ただし、2014年のMt.Gox事件以降も、日本では2018年のコインチェック事件をはじめとして、巨額暗号資産の流出事件が相次ぎました。そしてこうした事件が起こる度に当局は事業者に対する規制を強化しており、現行の規制水準は、セキュリティに関するものを中心に一部金融機関の水準を上回っているのではないかと思います。

日本の法律と規制は、イノベーションを進めるという観点からは難点が多い

一方で、現状の規制では、暗号資産の商品性や技術的特殊性がほとんど考慮されていないなど課題が多いのも事実です。具体的には、日本では資金決済法で暗号資産の定義がきっちりと決められているため、定義に当てはまらない場合は、たとえイノベーションとして世界を変えるほどのプロダクトであっても、いくら海外で暗号資産として流通していても、日本国内ではそれが認められません。「やって良いこと」を毎回事前に決めてしまう日本の法律と規制は、イノベーションを進めるという観点からは難点が多いのではないかと感じています。

米国では、必要最低限の事項をリトマス試験紙のように判定し、最初から法令でがちがちに縛ることはしない

対照的に米国では、法律は「原則(プリンシプル)ベース」です。新しいイノベーションに基づくサービスが出てきた時、「すでに存在するサービスに該当しないか?」「犯罪に使われないか?」「詐欺ではないか?」「マネーロンダリングに使われないか?」など、必要最低限の事項をリトマス試験紙のように判定し、最初から法令でがちがちに縛ることはしない、というのが基本スタンスです。

例えば、2013年に米連邦捜査局(FBI)はBitcoinを使った決済を導入していたインターネット上の闇サイト「Silk Road」(シルクロード)の創業者を麻薬取引や詐欺、マネロンなどの罪で逮捕・起訴しました。また2019年、ニューヨーク州南部地方検察局は、北朝鮮で開催されたカンファレンスに参加して暗号資産に関する知識を提供したとしてEthereum Foundation(イーサリアム財団)の関係者を逮捕しました。

米国では、上記のように要所要所で取り締まるべきところは厳格に取り締まっていますが、基本的に、個別具体的なプロダクトやサービスレベルでは原理原則を守る限りは見守る方針があるようです。逆に言えば、企業やスタートアップは原理原則を守りながら新たなイノベーションにチャレンジすることが可能となっていると思います。

さらに米国では国レベルでも規制当局の数が多いこともあり、暗号資産の定義はバラバラです。米証券取引委員会(SEC)は「証券」、米商品先物取引委員会(CFTC)は「コモディティ」、米内国歳入庁(IRS)は「財産」と独自に定義づけをしています。現在の暗号資産はいまだ黎明期にあり、暗号資産というイノベーションが今後どのように進化していくのか、その全貌が把握できない中では、この曖昧さや統一感のなさが逆に柔軟性につながっているのではないかと感じています。

イノベーションを取り込む議論を!

暗号資産のイノベーションは、日進月歩ならぬ「秒進分歩」で進んでいます。日本国外では、DeFi(分散型金融)やステーブルコインといった既存金融サービスをブロックチェーン上で実装する動きが活発化しています。

DeFiの例としては、暗号資産の貸借取引(暗号資産を貸出して報酬を得る取引)のプラットフォームがあります。ここでは、暗号資産を貸出して報酬を得たい人と暗号資産を借入れたい人のマッチングばかりか、貸出・借入と報酬の授受も自動化されています。伝統的な金融では、証券会社、短資会社、証券金融会社、証券取引所といったプレイヤーが複雑に絡み合って成立している貸借取引の世界をプログラム上で実現し、さらに仕組みの改善を恒常的に行っている点は、私のような証券業界に長くいた人間からすると驚きに値します。

ステーブルコインは、法定通貨などを裏付けとして、ブロックチェーン上で発行されるもので、日本円や米ドルといった既存の法定通貨にペッグするように設計されています。こうしたステーブルコインの代表例には、テザー(USDT)やUSDC(USDコイン)があり、暗号資産市場で国際取引を行う際に、銀行を用いた国際送金の代替として活発に利用されています。銀行の国際送金は、資金の到着まで数日必要であり、手数料も高額ですが、ステーブルコインはこうした課題をブロックチェーン上で解決しています。

日本の暗号資産に関する法令が立法当時にどこまでイノベーションを意識していたか定かではありませんが、DeFiやステーブルコインの例を出すまでもなく、暗号資産におけるイノベーションは今後も加速度的に進化していくでしょう。

イノベーション、技術革新には不可逆性があります。つまり、一度誕生したら、過去にさかのぼって消すことはできず、それとうまく付き合っていくほかないのです。この点を念頭におくと、日本の暗号資産に関する法令・規制がイノベーションを取り込むという観点において、投資家の利益になっているか、国際競争上不利な状況になっていないか、法的により柔軟な対応は可能かどうかなどなど、議論を進めていく必要があるのではないかと感じています。

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テスラが超高速モデル「Model S Plaid」の発売イベントを開催

Tesla(テスラ)はついに、待ちに待った、そして一度は予定を変更した、超高速モデル「Model S Plaid(モデルSプレイド)」の発売イベントを、カリフォルニア州フレモントの工場で開催した。同社CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は「金曜日の夜に25台の納車から開始して、その後は週に数百台の規模へと拡大していき、次の四半期には週に1000台に達する予定」と、このイベントで語った。

このModel Sの最新仕様に大きなサプライズはなかった。新設計のバッテリーパック、改良されたヒートポンプ、そしてモーターにカーボンで覆われたローターを採用し、空気抵抗係数は0.208という新記録を達成した。この数値は、おそらく新進気鋭のEVメーカーであるLucid Motors(ルーシッド・モーターズ)を揶揄することになるだろうと、マスク氏は強調した。2021年末に生産開始が予定されているLucid Air(ルーシッド・エア)の空気抵抗係数は0.21だ。

Tesla Model SのデザイナーであるFranz von Holzhausen(フランツ・フォン・ホルツハウゼン)は「いくつかの記録を破る」ための準備として、ハンマーを振り回しながらイベントを開始。そして、ダブステップの心地よいサウンドに合わせて、黒く輝くモデルSでテストコースを走り、ステージに滑り込んできたマスク氏を紹介した。

「このフレモントで最初に製造されたModel Sを納車してから9年が経ちました。ほぼ10年目となる今、私たちはPlaidでまったく新しいレベルに到達したと思います」と、マスク氏は会場に集まった多くのファンに向けて語った。「ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、私たちの商品企画は映画『スペースボール』から取ったもので、星が格子状(plaid)に見えるほどの高速という意味です。なぜこのように馬鹿げたほど速いクルマを作るのか。それは持続可能なエネルギーの未来にとって、非常に重要な意味があると、私は考えているからです。電気自動車が、間違いなく最高のクルマであると、示す必要があるということです。持続可能なエネルギーのクルマは、最速のクルマであり、最も安全なクルマであり、あらゆる面で最も優れたクルマになる、ということを明確にする必要があるのです」。

この4ドアセダンの電気自動車は、0-60mph(約96km/h)を1.99秒で加速する。マスク氏によれば、これまで市販車が破れなかった2秒の壁を初めて破ったという。最高出力は1020馬力。最高速度は(適切なタイヤを装着した場合)時速200マイル(322km/h)に達する。そして1/4マイル(約400m)を9.23秒で走り切ることができると、マスク氏と同社のウェブサイトは述べている。バッテリーは1回の充電で390マイル(約628km)の距離を走行可能だが、デュアルモーター構成では412マイル(約663km)まで伸びると、マスク氏は付け加えている(Model S Plaidは3モーターを搭載)。急速充電の速度が向上したことにより、わずか15分の充電で187マイル(約300km)の距離を走ることができるという。

この新型Model Sには新しいバッテリーパックも搭載されているが、マスク氏はその詳細については語らなかった。モーターのローターにカーボンスリーブを採用したことについては、かなりの時間を割いて説明した。カーボンスリーブローターは、その難しさから量産型の電気モーターに採用されたのは初めてのことだとマスク氏は主張する。その結果、モーターの最大回転数は20000rpmに達した。

Plaidの空調システムを動かす新型ヒートポンプは、寒冷地における航続距離を30%向上させ、キャビンの暖房や凍結を溶かすために必要なエネルギーが50%少なくて済むため、寒冷地でのバッテリー劣化を抑えられると、マスク氏はいう。

画像クレジット:Tesla(スクリーンショット)

Model Sのインテリアにもいくつかのアップデートが施された。米国運輸省道路交通安全局も注目する大胆な操縦桿型ステアリングホイールや、横型になった17インチ「シネマティック・ディスプレイ」、ベンチレーション機能内蔵フロントシートなど、すでに明らかになっていたものもある。GPUはPlayStation 5(プレイステーション5)レベルらしい。TechCrunchは、このイベント中に、車内でCD Projekt Red(CDプロジェクトレッド)の「Cyberpunk 2077(サイバーパンク2077)」をプレイしている人がいたことに気づいた。

このクルマのソフトウェアは、ドライバーの行動から学習し、ドライバーのニーズに適応するように設計されている。例えば、自宅の車庫から公道までドライブウェイをバックで出ることが多い人の場合、クルマはその場所をジオコーディングし、 Autopilot(オートパイロット)システムがドライバーに代わって自動的にその動作を行うようになる。

「クルマがあなたの心を読み、あなたの必要な操作は最小限で済むようになります」と、マスク氏は述べている。

12万9990ドル(約1420万円、日本での価格は1599万9000円)からという価格で販売されるModel S Plaidの最初の納車は、その性能をさらに引き上げた「Model S Plaid+(モデルSプレイドプラス)」の生産取り止めをマスク氏が正式発表したのと同じ週に行われた。テスラが5月に自社ウェブサイトで予約受付を中止したことで、Plaind+の発売は中止されたのではないかと憶測されていた。

関連記事:マスク氏がTesla Model S Plaid+発売に対し正式にブレーキ

「今週、Model Sはプレイド速度へ」と、米国時間6月6日にツイートしたマスク氏は「Plaid+はキャンセルされました。必要ありません。Plaidのスピードがあまりにも速いので」と続けた。

マスク氏はこのクルマの運転感覚が「言葉では表現できない大脳辺縁系の共鳴」のせいで宇宙船に似ているとツイートしているが、それがどういう意味なのかはわからない。

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画像クレジット:Screenshot/Tesla

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

マスク氏がTesla Model S Plaid+発売に対し正式にブレーキ

Tesla(テスラ)のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、同社Model S Plaid+の生産計画を正式に中止した。Model S Plaid+は、2021年6月最初の顧客に提供される電気自動車の次期Plaidバージョンのスーパーチャージモデルだ。

マスク氏は、Plaidが非常に優れているため別のバリエーションは必要ないことをその理由を挙げている。

「Model Sは今週、Plaidのスピードに合わせました。Plaid+はキャンセルされます。必要ありません。Plaidのスピードはとても良いものだから」ととマスク氏は米国時間6月6日にツイートしている。

Tesla Model S Plaidのパワートレインは、0から60mphまで1.99秒で到達し、最高速度は時速200マイル(約322km)、推定航続距離は390マイル(約628km)であると同社のウェブサイトに掲載されている。パワートレインは1020馬力を発揮し、価格は11万2990ドル(日本では1499万9000円)からとなっている。2021年5月下旬、マスク氏は、最後の調整を終えるために、このEVセダンの納車イベントを6月10日まで延期するとツイートしましている。マスク氏は、3つのモーターを搭載したPlaidを運転は、宇宙船のような感覚だと表現した。

中止されているPlaid+は、2022年半ばまで発売されず、マスク氏はその性能と航続距離をさらに向上させると約束していた。価格も15万ドル(日本では1799万9000円)に跳ね上がっており、Teslaはウェブサイトでの予約受付を停止していたためPlaid+は発売されないのではないかという報道や憶測も流れていた。6月6日のマスク氏のツイートは、その説を裏づけるものとなった。

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Katsuyuki Yasui)