Facebookが陰謀メッセージが刻まれたVRヘッドセットを誤って出荷

いまや毎週の恒例行事になりつつあるFacebookの恥ずかしい出来事が、4月12日の金曜日にまた発表された。同社の次世代バーチャルリアリティーヘッドセットのコントローラーに、製品版に載せる意図のなかった「イースターエッグ」メッセージが隠されていた。

「数万台」の未出荷消費者商品に「This Space For Rent」や「The Masons Were Here」といったフレーズが、またデベロッパー向けユニットの一部には「Hi iFixit! We See You!」さらには、おそらく最悪とおぼしき「Big Brother Is Watching」といった言葉が内部に刻まれていた。

この告白はFacebookのVR製品責任者であるNate Mitchell氏による一連のツイートによって公表された。

同社は2種類のバーチャルリアリティー新製品を発売に向けて準備中だ。399ドルのスタンドアロン型Oculus Quest VRシステム、および399ドルのPC接続型Oculus Rift Sだ。対象となるユーザーはかなり異なっているが、両システムとも今回問題の発覚した同じTouchコントローラーを使用している。

大部分においてこれは単なるばかばかしい笑い話だ。ハードウェアの完成品にいわくありげなフレーズが書かれているのはちょっと恥ずかしいことではあるが、こじ開けない限り見えないので利用者に与える影響は事実上ゼロだ。それこそiFixitでもなければこじ開ける理由がない。

とはいうものの、ヘッドセットをこじ開けた消費者やデベロッパーがこうしたフレーズを見つけるよりはきれいなほうがいいことは間違いない。昨年あれほど多くのプライバシー問題を起こした会社にとって、内部に「Big Brother Is Watching」と刻まれたデバイスを一部のデベロッパーに届けることは最善の策ではない。

原文へ

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

FacebookがPayPal幹部のペギー・アルフォード氏を取締役に指名

Facebookの取締役会が過去最大の変革を迎えようとしている。米国時間4月12日、同社はPeggy Alford(ペギー・アルフォード)氏を同社の取締役会に指名することを発表した

「ペギーは、ビジネスマネジメントから財務業務、プロダクト開発まで多くの異なる分野に専門知識を有する稀有な人物だ」とFacebookのCEOであるMark Zuckerber(マーク・ザッカーバーグ)氏が指名について語った。「彼女は我が社が直面しているチャンスと課題の両方への取り組みに役立つ素晴らしいアイデアを持っていることを私は知っている」。

現在アルフォード氏はPayPalのコアマーケット担当SVPを務めており、Facebook初の黒人女性取締役になる。以前同氏は、ザッカーバーグ氏と彼の妻であるPricilla Chan(プリシラ・チャン)氏の大型慈善基金「Chan Zuckerberg Initiative」の最高財務責任者だった。

Facebookはアルフォード氏の指名に伴い、いくつか重大な退任を発表した。長年Facebook取締役を務めたReed Hastings(リード・ヘイスティングス)氏とErskine Bowles(アースキン・ボウルズ)氏が会社を去ることは、この改革の大きさを象徴している。 NetflixのCEOであるヘイスティングス氏と民主党の元大統領首席補佐官であるボウルズ氏は、いずれも2011年から取締役を務めてきた。両者ともFacebookの最近の方向性に関して重要な役割を担った。ヘイスティングスはトランプ政権支持について同じく取締役のPeter Thiel(ピーター・ティール)氏と激しく衝突したと報じられており、一方ボウルズ氏は、ロシアの同社プラットホームへの政治的介入に関して上層部を叱責したことがよく知られている。

アルフォード氏の任命は、5月30日の株主総会で決議される。「Facebookに入る機会を得られたことで何よりも楽しみなのは、困難な問題に正面から向き合うと同時に、長年培ってきたつながる体験の素晴らしさを改善し続けるこの会社の意欲と活力だ」とアルフォード氏が任命を受けて語った。そして「マークをはじめとする役員たちとともに、人々が繋がりコミュニティーを作るための創造的な方法を新たに創り出すことを待ち望んでいる」とコメントした。

原文へ

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ザッカーバーグ氏の個人的警備にFacebookは22億円超を支出

2018年は確かに、Facebookにとって厳しい年だった。その年、Cambridge Analyticaのスキャンダルと人々の高まる怒りによろめき続けた同社は、創業者に対する憎悪にも対応しなければならず、彼と家族の安全を護るために巨額を出費した。

FacebookのCEOであるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏の年俸は1ドルであり、ボーナスもないが、しかし主にセキュリティ関連のそのほかの報酬として数百万ドルを取得している。米国時間4月12日の午後発表されたSECの文書の中で同社は、2018年にザッカーバーグ氏が2200万ドル(約24.6億円)のそのほかの報酬を取得したことを明かしている。2017年にはそれは、900万ドルあまりだった。

2018年の数字のうち260万ドルは、ザッカーバーグ氏のプライベートジェットによる個人的旅行のための支出だが、そのほかの2000万ドル(約22億円)近くは彼個人のセキュリティ費用に関連している。

彼は2018年の個人的旅行や住居の警備費用として、税引き前の額で995万6847ドル(約11億円)が支払われている。さらにそのほかに、彼と彼の家族の個人的セキュリティに関連するそのほかの費用として、税引き前の手当1000万ドルを会社は支払っている。これらをすべて合わせると、2017年の彼の個人的警備の費用の3倍近くになる。

同社のそのSEC文書は、次のように述べている。「弊社の高い社会的可視性に鑑み、弊社の報酬および企業統治委員会は、ザッカーバーグ氏の、彼が弊社のファウンダーであり、CEO、会長、および過半数株主であることに直接起因する彼の安全性への具体的な脅威に基づく、安全性の懸念に対処するために、彼に全体的なセキュリティ事業’を授権している。

個人的セキュリティ事業に基づく報酬は、FacebookのCOO Sheryl Sandbergにも与えられている。彼女は2018年にそのほかの報酬を380万ドル取得しており、うち290万ドルは彼女の個人的セキュリティ費用である。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Instagramストーリーの公開範囲にバグがあった

米国時間4月10日、またもFacebookのアプリにバグが発覚した。Instagramのストーリーの公開範囲を設定するプロセスにバグがあり、フォローしていないユーザーにも表示されてしまう例が起きて起きていた。

Facebookの声明によれば現在は修正ずみだというが、TechCrunchが最初にこの問題を知ったのはInternetRyanが自分のInstagramストーリーのトレイに見知らぬユーザーが現れたの気づいたとツイートしたときだった。InternetRyanは私をメンションして調査するよう促した。 下にエンベッドしたスクリーンショットはInteretRyanが撮ったもので、名前が黒く塗られているユーザーをフォローしていないことは青い「Followする」ボタンが表示されていることでも明らかだった。TechCrunchがこの問題を Instagramに問い合わせたところ、「バグが存在したが、修正された」という回答があった。

Instagramではさらに原因を調査中だが、バグそのものは気づいてから数時間後には修正したという。フォローしていないユーザーのプロフィール画像をクリックしてもInstagramのプライバシー設定機能に弾かれてしまい、コンテンツそのものを見ることはできなかったのは幸いだった。Facebookのストーリーズには影響はなかった。しかしこのバグは5億人といわれるInstagramストーリーズのユーザーのプライバシーを正しく処理できる能力がFacebookという企業にあるのかどうかについて深刻な疑問を投げかけることになった。

Instagramの広報担当者は以下のように声明した。

われわれは少数のユーザーのInstagramストーリーのトレイにフォローしていないユーザーが表示されるという問題が起きたことを認識している。アカウントが非公開に設定されていれば、ストーリーの内容をフォローしていないユーザーが見ることはできない。この問題の原因となったバグはすでに修正されている。

この1年はFacebookのプライバシーとセキュリティーのチームにとって多難なものとなった。メディアで大騒ぎされたフェイクニュースや大統領選介入疑惑などの政治的問題を別としても、FacebookとInstagramgは数々の技術的トラブルに襲われた。Facebookでは」1400万人のユーザーのプライバシー設定が勝手に変わってしまった680万のユーザーの写真が投稿できなかったなどの問題が起きた。Instagramはバグでフォロワーアカウントが壊れたりフィードが横にスクロールしてしまったりした。Facebookでは昨年、5000万人の個人情報が漏洩するという大惨事が起きたが、先月は創立以来最大、最長のダウンに見舞われた。

FacebooとInstagramは過去に人類が経験したことがない大規模ネットワークを作り上げた。この巨大なスケールはFacebookを極めて資本効率の高い企業に押し上げたが、同時に多数の技術的問題も浮上することとなった。ひとたび不具合が起きればその影響も巨大となる。これだけ問題を起こしている以上、早急にFacebookのシステムに対する監査体制の整備が必要とされる。

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

テック企業大手のサービスのアルゴリズムによる偏向を防ぐ法案を民主党が提出

民主党の議員たちが、巨大テクノロジー企業の表面下に潜んでいるアルゴリズムによる偏向(algorithmic biases、アルゴリズミックバイアス)を抑止する法案を提出した。そのAlgorithmic Accountability Act(アルゴリズム説明責任法)と呼ばれる法案は、民主党上院議員のRon Wyden氏(オレゴン州)とCory Booker氏(ニュージャージー州)が提出し、下院では民主党下院議員Yvette Clarke氏(ニューヨーク州)が提出者となる。

この法案は時宜を得ている。先月だけでも、Facebookは求人広告における差別的扱いで集団訴訟を示談に持ち込み、また住宅都市開発省からは住宅広告のターゲティングツールで同様の民事訴訟を提起された。この法案は年商5000万ドル以上の企業をが対象だが、100万以上のユーザーのデータを保持している企業はほとんどすべて、この要件に当てはまるだろう。

関連記事: 米住宅省が住宅広告におけるFacebookの広告ターゲティングを差別として告訴

米国時間4月9日、上院で提出されたダークパターンデザインを禁ずる法案(用語解説)と同じく、このアルゴリズム説明責任法(PDF)も監督省庁は連邦取引委員会(Federal Trade Commission、FTC)になる。そして法案によるとFTCは企業に、自分たちのアルゴリズムによる意思決定システムに対する「インパクト評価」を命じることができる。その評価は、自動化システムの中にある「正確性、公平性、偏り、差別、プライバシー、そしてセキュリティ」に関するありうる結果を査定し、問題が見つかった場合は修正を要求される。

法案に関する声明の中でBooker氏は、ユーザーに買う機会のない家や、就く機会のない仕事や、その存在を知ることのできない金融サービス等を提供する、テクノロジーの差別的実践を非難した。

Booker氏はこう言っている。「この法律は企業に、自分たちのツールの正確さや公平さ、偏り、そして差別を頻繁に評価することを要求する」。

大手テクノロジー企業の偏向は今やホットな話題だが、この問題に対する政党のアプローチはかなり違った角度からも行われている。米国時間4月10日、たまたま上院の司法小委員会が上院議員Ted Cruz氏を座長とするヒアリングを行った。Cruz氏は、FacebookやTwitterが右寄りのユーザーを冷遇しているとする、根拠のない主張を繰り返す共和党員たちのリーダー格の人物だ。

一方民主党の議員たちは、アルゴリズムによる偏向のプラットホーム以外の問題にも関心があるようだ。

Clarke下院議員はこう言っている。「大企業が彼らの自動化システムの意図せざる影響に背を向けないようにするアルゴリズム説明責任法は、21世紀のテクノロジーが確実に、疎外ではなく力づけのツールになるよう導く。そしてまた、すべての消費者のセキュリティとプライバシーを強化する」。

関連記事: ‘Hateful comments’ result in YouTube disabling chat during a live-streamed hearing on hate(ヘイトをめぐる公聴会にヘイトコメントが殺到、未訳)

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

iPhoneを狙う強力なスパイウェアが登場

セキュリティ研究者は、当初Android用に設計された強力な監視アプリが、今やiPhoneユーザーをターゲットにしていることを発見した。

このスパイアプリは、モバイルセキュリティ会社Lookoutの研究者が見つけ出したもの。その開発者は、Appleが発行したエンタープライズ用の証明書を悪用してApp Storeをバイパスし、無警戒な被害者のデバイスに感染させるのだ。

このアプリは、キャリア支援ユーティリティを装っている。いったんインストールされると、密かにユーザーの連絡先リスト、音声録音、写真、ビデオ、その他のデバイス情報、さらにはリアルタイムの位置情報までも入手することができる。遠隔操作によって、デバイス周囲の会話を聞くことさえできるという。誰が標的にされたのかを示すデータはないが、研究者によれば、このマルウェアを供給していたのは、イタリアとトルクメニスタンの携帯電話会社を装う偽サイトだった。

研究者は、以前に発見されたAndroidアプリの開発者との関連を指摘している。そのアプリは、やはりイタリアの監視用アプリメーカー、Connexxa社によるもの。同社のアプリは、イタリアの捜査当局に採用されていることでも知られている。

そのAndroidアプリとは、Exodusという名で、犠牲者となった数百人は、自らそのアプリをインストールしたか、インストールさせられていた。Exodusは多様な機能を持ち、さらに追加のコードを勝手にダウンロードしてスパイ機能を拡張することもできる。それによって、デバイスのrootアクセスを取得し、そのデバイスのほぼすべてのデータにアクセスすることが可能となる。つまり、電子メール、キャリア関連データ、Wi-Fiのパスワード、その他多くのデータが曝されてしまう。これはSecurity Wthout Bordersの見解だ。

普通のiPhoneアプリのように見えるスクリーンショット。それでいて、密かに被害者の個人データやリアルタイムの位置情報などを、スパイウェア企業のサーバーにアップロードしている

どちらのアプリも、バックエンドとして同一のインフラを利用している。ただし、iOS版の方が、いくつか特別なテクニックを使っている。たとえば、証明書のピンニングなどにより、ネットワークトラフィックの解析を困難なものにしている。これをTechCrunchに説明してくれたのは、Lookoutのシニア・スタッフ・セキュリティ・インテリジェンス・エンジニアのAdam Bauer氏だ。

「これは、このソフトウェアの開発に、専門家グループが関与していることの1つの証拠です」と、彼は言う。

Android版はGoogleのアプリストアから直接ダウンロードできようになっていたが、iOS版については広く配布されたわけではない。そうする代わりConnexxaは、Appleが開発者に対して発行したエンタープライズ向けの証明書を使ってアプリに署名した、とBeauer氏は述べている。それによって、この監視アプリのメーカーは、Appleの厳密なApp Storeのチェックを回避したのだ。

Appleは、これはルール違反だとしている。証明書はあくまで社内アプリ用であり、それを外部の一般ユーザーが利用できるよう流出させることを禁止しているからだ。

これは、他の何社かのアプリメーカーと似たような手口を使ったもの。TechCrunchが今年のはじめに発見したように、エンタープライズ用の証明書を悪用して、Appleのアプリストアの精査を回避するモバイルアプリを開発する手法だ。App Storeを通して供給されるすべてのアプリは、Appleによる認証を受けなければならない。でなければ、そもそも動作しない。しかし、FacebookGooleをはじめとする何社かは、自社内でのみ利用可能なエンタープライズ証明書を使って署名したアプリを、外部のユーザーに渡していた。Appleは、これはルール違反であるとして、FacebookとGoogleが使用していたエンタープライズ証明書を無効にすることで、それらのアプリが実行できないようにした。その結果、両社の違法なアプリが利用不可になっただけでなく、同じ証明書で署名されていた他のすべての社内用アプリも動かなくなった。

Facebookは、丸1日の間、Appleが新しい証明書を発行してくれるまで、通常の業務を遂行することができなかった。

AppleがConnexxaに発行した証明書(画像:提供)

しかも、エンタープライズ用の証明書を悪用していたのは、FacebookとGoogleだけではない。TechCrunchの調査では、何十ものポルノとギャンブルのアプリが、App Storeの認可を受けず、エンタープライズ証明書で署名され、Appleが定めたルールを迂回していた。

今回の研究者による調査結果の公開を受けて、AppleはConnexxaのエンタープライズ証明書を無効にし、すでにインストールされていた同社のアプリをすべてオフラインにして実行できなくした。

それによって、どれだけのiPhoneユーザーが影響を受けたのか、研究者には不明だという。

Connexxaは、コメントのリクエストに応えなかった。Appleもコメントを避けた。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

サイバー犯罪のグループはFacebook上で繁栄を続けている

Facebookで何を買えるかを知ったら、誰もが驚くだろう。場所さえ知っていれば、何でも買える。Ciscoのセキュリティグ研究チームTalosの連中が、フィッシングや盗んだ認証情報、スパムなど、不法もしくはいかがわしい手段でお金を得ているFacebookのグループをたくさん見つけた。研究者たちが見つけた74のグループは、メンバー数の合計が38万5000人にも達する。

意外にも、それらのグループは自分たちの活動を隠そうとしていない。例えばTalosは、クレジットカードの番号を3桁のセキュリティコード(CVVコード)つきで売っている投稿を見つけた。持ち主本人の顔写真つき、というのもある。研究チームによると:

これらのグループの大半は、“Spam Professional”、“Spammer & Hacker Professional”、“Buy Cvv On THIS SHOP PAYMENT BY BTC ”、“Facebook hack (Phishing)”などなど、すぐにそれと分かる名前を使っている。そんな露骨な名前であるにもかかわらず、彼らはFacebook上で最大8年も存続し、その間にメンバーを何万人も獲得している。

盗んだ認証情報だけでなく、政府機関や企業などのシェルアカウントも売られており、彼らは大量のお金を移動する専門的技能を自慢し、偽のパスポートや本人認定文書などの偽造を売り込んでいる。

サイバー犯罪に関わっているFacebookユーザーが暴かれたのは、今回が初めてではない。2018年にBrian Krebs氏が報じた120のグループは計30万名以上のメンバーを抱え、フィッシング、スパミング、ボットネット、オンデマンドのDDoS攻撃などの犯行に手を染めていた。

Talosの研究者たちはブログでこう説明している。「Krebsが見つけたグループは恒久的に無効にされたが、それから数か月後にTalosは、一連の新しいグループを発見した。その一部は驚くべきことに、Krebsが報じているグループと同一または類似の名前だった」。

Talosの研究員のJaeson Schultz氏はこう書いている。「一部のグループは直ちに削除されたが、特定のポストだけを削除されたグループもいる。最終的にはFacebookのセキュリティチームにコンタクトして悪質なグループの大半を即座に取り除いたが、今でも新しいグループが次々と誕生しており、一部は今すでに活発に活動している」。

サイバー犯罪グループはFacebookが毎日のようにやらされているもぐらたたきゲームの、もぐらたちの一部にすぎない。Facebookは規模があまりにも大きく、その大きさに見合うだけの防犯対応能力を確保しないために、ここで述べたような不法かつ有害な活動は、今後も人の目の行き届かないあちこちの隅っこで、栄え続けるだろう。

Facebookのスポークスパーソンは次のように語った。「これらのグループはスパムや金銭的詐欺を禁じている当社のポリシーに違反しているので削除する。もっと警戒を強めねばならないことは分かっており、我々はこのような活動と戦うために分厚い投資を行っている」。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

フランスの新デジタル経済大臣セドリック・オに聞くハイテク産業の規制方針

フランスのエマニュエル・マクロン大統領の下で黒子として働いていたら、突然大臣に抜擢された。あなたならどう感じるだろうか?これは今週、Cédric O(セドリック・オ)氏身に起きた出来事だ。彼は先週の日曜日にデジタル経済大臣に任命された。私は、任命後、初めてのジャナーリストとして彼にインタビューができた。

セドリック・オ氏は、何年もの間、フランスのテクノロジー・エコシステムと意見を交わしてきたが、カメラやマイクの前に立つことはなかった。大統領官邸であるエリゼ宮殿では、フランス企業の株式と技術全般を見守る担当責任者を務めていた。私もこれまで、彼の業績に関する記事をいくつも書いてる。

50人のハイテク企業のCEOを招き、マクロン大統領と「公益のためのテクノロジー」について懇談させた。数十人のベンチャー投資家や有限社員をパリに招待し、フランスのテクノロジー・エコシステムにより多くの投資を行うよう説得した。適正化の状況をフランスの規制当局に捜査させるようFacebookを説得した。それでも、彼の名前は表に出ることがなかった。

スポットライトを当てられた今、テクノロジーに関するあらゆる物事を担当するこの大臣に、ぜひとも考え方を聞いておかなければならない。ハイテク企業への規制は、経済と社会構造の礎石となる。彼はそこに、強い思いを持っている。

巨大ハイテク企業の規制

いろいろな理由はあるが、私たちの会話は、いつもハイテク企業の規制に行き着く。この問題では、セドリックは企業と欧州各国との、明確な規制の枠組みと新しいタイプの規制担当者との狭間の微妙な立場にある。彼は、その関係を崩したいと思っているわけではない。

「プラットフォームには、何らかの規制をかける必要があります。私は、マーク・ザッカーバーグ氏の論説に完全に同意します」とセドリック・オ氏は私に話した。「何が合法で何が違うかは、プラットフォームが決めるべきではありません。しかし、規制を実施しその結果を出すことに関しては、彼らに責任があります」

彼によると、ザッカーバーグ氏が法律を書くべきではなく、フランスの規制当局はコンテンツに注目すべきではないという。すべては、適正化へ向けた作業であるべきだと言うのだ。

「銀行の規制と同じです。当局は、銀行が効率的なシステムを導入しているかを見て監査します。私たちも、そうしたかたちを考え方をするべきだと思うのです」

また彼は、コンテンツを削除すること(だけ)を意味するものではないと話す。ソーシャルネットワークには、削除すべきでないコンテンツが削除されないよう責任を果たす必要もある。

理想的な世界には、ソーシャルネットワークが特定の書き込みの状況を問い合わせられる中央所蔵庫がなくてはならないと、セドリック・オ氏は考えている。

「たとえば、マリーヌ・ル・ペン(フランスの政治家)がISISの虐殺動画を公開する場合は、行政が管理するものでなくても、所蔵庫が必要です。プラットフォームはその所蔵庫に問い合わせることで、状況がすぐにわかります」とセドリック・オ氏は言う。

複数のプラットフォームが構築するニュートラルな所蔵庫と言えば想像しやすいだろう。もちろんこれで、クリストチャーチのテロなどに見られるような問題をすべて阻止できるわけではない。複製だと見抜かれないように、ほんの少し手を加えてその動画のアップロードを繰り返す人たちが大勢いるからだ。

フランスの規制当局に目を向けると、セドリック・オ氏は、まだ何も固まっていない言う。CSA(視聴覚最高評議会)やAECEP(電子通信郵便規制庁)には、そしておそらく複数の規制当局がひとつになって、新しい権限を備えることができる。だが、HADOPI(不正ダウンロード取り締まり法)が、これらの中のどの位置に納まるかは不透明だ。いずれにせよフランス政府は、規制を欧州レベルに強化したいと考えているのだ。

どの場合も、セドリック・オ氏は先を急がない。新しい規制の枠組みを導入する前に、政府は、ソーシャルネットワークがコンテンツを適正化する方法を把握しておかなければならないからだ。フランス規制当局はFacebookの協力を得て、同社の方法がどのように機能するかを見てきた。その最終報告は、間もなく発表される。

新しい高みへ

この数週間で、フランスのスタートアップ数社が巨額の投資を獲得している。なかにはユニコーン企業に達したものもある。フランスのテクノロジー・エコシステムを数年間見てきた人間なら、さほど驚くことではない。しかし、セドリック・オ氏は、フランスのハイテク産業のイメージを向上させなければならないと考えている。なぜなら、評判が悪いからだ。

「(議会での)私への最初の質問は、デジタル包括性についてでした。私も何度も聞いてきた問題で責め立ててきたのです。『スタートアップはよいが現実とかけ離れている』というのです」と、パリで開催されたLa French Techの演壇で話していた。

「ひとつ、変えなければならないことがあります。そしてそれは、将来に向けた私からのメッセージになります。フランスのテクノロジー・エコシステムは重要だということです。もし、自分の子どもや孫に仕事を与えたいと思えば、スタートアップなしには考えられません」

調査によれば、フランスと英国は、欧州で最初にベンチャー投資の取り引き数と総投資額で1位の座を争っているという。フランスにも、世界有数の工科大学がある。シリコンバレーの最大手ハイテク企業で働くフランス人データ科学者やAI専門家を見れば、その実力がわかる。

しかし、フランスの上場企業を見ると、そのほとんどがインターネットやパソコンが登場する以前に設立されている。

「(官邸では)私は、スタートアップにではなく、大企業にフランスの出資が集中していることを心配しています」とセドリック・オ氏は言う。インタビューの朝、彼は何度も同じ数字を口にした。「米国では、純雇用創出数の50パーセント近くが、ハイテク産業関連なのです」。

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

WhatsAppがフェイクニュース拡散防止のために新しいプライバシー設定を追加

米国時間4月2日、WhatsAppはフェイクニュースや誤報の広がりをおさえてユーザーを保護するための新たな方法を発表した。この新しい機能を使ってユーザーは、誰が自分をグループに追加する権限を持つかを制御できる。同社はこれを「悪用を制限し」、ユーザーの電話番号を保護するのに役立つとしている。これに関連して、アプリにはさらに保護を高める機能として招待のシステムが導入され、招待を受け取ったグループを調べてから参加するかどうかを決められるようになる。

インドの選挙に先立ってWhatsApp Messengerにインド国内でファクトチェックの情報受付窓口が設けられた翌日に、プライバシーの設定ができるようになった。

ほかのソーシャルプラットフォームと同様に、WhatsAppもフェイクニュースの拡散の舞台となってきた。例えばブラジルでは、WhatsAppのプラットフォームは嘘、陰謀説、誤解を招くプロパガンダであふれていた。

この種の偽りの情報は常に家族や友人から届くわけではなく、グループチャット、それも本人の意に反して追加されたチャットに入ってくることがある。

WhatsAppの最大のマーケットのひとつであるインドは、まさにこの状況に当てはまる。

ウォール・ストリートジャーナルが報じた通り、インドの政党は、カースト、所得レベル、宗教ごとに構成されたグループに対してメッセージを爆発的に拡散させるためにアプリを使う。WhatsAppの親会社であるFacebookがフェイクニュースを厳しく取り締まるようになってから、偽情報の数は急速に増えた。昨年の偽情報の報告数は1日に数十件だったが、それが1日に数百件となった。またWhatsAppは世界中で1カ月に200万件の疑わしいアカウントを削除しているとウォール・ストリートジャーナルは伝えている。

グループに追加されるかどうかをユーザーが制御できる機能はある程度は役に立つだろうが、これはユーザーが設定を深くたどって変更した場合に限られる。

このレベルの保護は、オプションで選択するのではなく、デフォルトで有効になっているべきだろう。

この新しい保護機能を有効にするには、「設定」を開き、「アカウント」→「プライバシー」→「グループ」とタップしてから、誰が自分をグループメッセージに追加できるかを「なし」「連絡先」「全員」の3つのオプションから選択する。「なし」を選択するとグループに招待されたときは常に自分が招待を承認する必要があり、「連絡先」を選択すると自分がすでに知っている相手だけが自分をグループに追加できるとWhatsAppは説明している。

「なし」か「連絡先」のいずれかの設定に変更した場合、あなたをグループに招待しようとする人には個人間のチャットでプライベートな招待を送るようにと指示が表示される。このようにして、WhatsAppの連絡先に登録されていない人からの招待を受けてグループに参加する方法は残されている。ただしあなたが承認しない場合、招待は3日で無効になる。

これは誤報やフェイクニュースの拡散を減らすことを目的としてここ数カ月にWhatsAppが変更してきたことのひとつだ。同社は昨年夏にメッセージの転送に制限をかけ転送されたメッセージにはラベルを付けるようにした。新しいスパムメッセージの警告システムのテストも実施していた。

WhatsAppは、新しい設定は一部のユーザーに対して米国時間4月2日に導入され、数週間以内にWhatsAppのユーザー全体に範囲を広げるとしている。この機能を利用するには、最新版のアプリが必要だ。

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

Facebookがあなたのバーチャルコピー作成に一歩近づいた

ソーシャルメディアに現れる自分は、これまではちょっとマンガっぽく表現されてきた。このことは、Facebookという会社がVRアバターシステムのようなアバター設計のサービスにどうアプローチしているかを考える上で興味深い。

Oculus Avatarsシステムは数々の変遷を経てきた。以前は表情が硬かったが、米国時間4月3日に人間のように豊かな表情をつくれるアップデートを公開した。Oculusの「Expressive Avatars(表情豊かなアバター)」は、確かに不安を感じるものではあるが、野心的なものでもある。

同社はこのアップデートについて「ユーザーからのフィードバック、および機械学習、エンジニアリング、デザインに関する長年の研究と革新が実を結んだ」と述べている。

リアルに近づくと現れる「不思議の谷」の概念は幾度となく取り上げられているが、この表現はリアルに近づいているのに実際には何もないということがさらに不安な気持ちにさせる。それは確かだ。Oculusは当初、人間が実際にどのように見ているかに基づいてアバターシステムを構築する際に広く向きを変えることを重視していたが、最新のExpressive Avatarsのアップデートで方向性が変わったようだ。

ブログの投稿で同社は、リアリズムに舵を切ることのリスクは認識しながらもこのトレードオフには価値があると強調している。人々は、人間のように見え、人間のように振る舞うアバターで交流したいと望んでいることがわかったと、同社は述べている。

2016年、私たちは確実にわかっていることを表す目的で知らないことを示すことはしないという意識的な決定をした。それ以来私たちは、弊社のハードウェアを高い信頼性で動きをシミュレートするのにどう役立てるかだけでなく、機械学習とすでに理解されている前例によってかすかなシグナルを大きな社会的存在に変えられることについても多くを学んだ。

新しいアバターの口と目の動きは、これまで以上にリアルだ。Facebookが続けてきた小さなアップグレードは、成功への大いなる挑戦だった。

この方向性を選んだのは、ちょっと危険なことかもしれない。Facebookの本当の理想は、完璧なデジタルバーソンを再現することだ。同社はすでに、人間によく似たアバターシステムの設計を手に入れている。現時点での限界は、コンシューマが利用するシステムが貧弱であることと、センサーが正確に捉えたもの以外のやりとりや動きをそれほど高度に推論できるプラットフォームではないということだ。

Facebookの新しいアバターシステムは、米国時間4月3日にOculusのモバイルとPCプラットフォーム上で利用可能になっている。

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

5.4億件のFacebookデータがサードパーティーのサーバーに公開で保存されていた

セキュリティー専門家によれば、Facebookに投稿された何億件ものデータが誰でも見られる状態でサードパーティーのサーバーに保存されているという。

2組の巨大なユーザーデータ・ファイルが2社のサードパーティーのサーバーにパスワードなしで保存され、簡単にアクセス可能であることをセキュリティー専門企業のUpGuardが発見した。

同社のレポートによれば、メキシコのデジタルメディア企業であるCultura Colectivaは、5億4000万件のFacebookレコード(コメント、「いいね!」、ユーザー名などを含む)をAmazon S3のサーバーにパスワードなしで保存していた。つまり誰でもこのデータにアクセス可能だった。別の例は現在は閉鎖されているカリフォルニアに本拠を置くアプリメーカーのAt The Poolのもので、さらに秘密性の高い個人情報が含まれていた。これは2万2000人のユーザーの友達リスト、関心、写真、所属するグループ、投稿の地理的情報などのデータがスクレイピングで取得されていた。

UpGuardによれば、両社ともデータ削除の要請に応じていないという。TechCrunchがFacebookに取材したところ、広報担当者は「Amazonにデータをオンラインでアクセスできないようにするよう依頼した」と述べた。

広報担当者によれば、Facebookから得た情報を公開データベースに保存することをFacebookは禁じているという。 また「今のところこれらのデータが悪用された証拠は得られていないが、引き続き調査中」とのことだ。

このところデータの漏洩問題が続くFacebookだが、英国の政治分析会社によって ユーザーの同意を得ずに8700万件のFacebookデータがスクレイピングされていたことが報告されている。これらの情報は大統領選において最初、テッド・クルス候補、後にドナルド・トランプ候補のキャンペーンを助けるために役立てられたという。

こうした問題を受けて、Facebookはバグ・ハンター・プログラムをスタートさせ、Facebookデータをリークさせているサードパーティーないし、そのアプリの発見に努めることとした。

UpGuardは2018年にLocalbloxが4800万件のデータをスクレイピングによって取得していたことを発見している。

UpGuardのサイバイーリスク調査責任者であるChris Vickery氏はTechCrunchのインタビューに答えて、「こうした(リークの)発見は一般ユーザーのデータを大量に収集するソーシャルメディア企業に潜む危険性を示すのだ」と述べた。

Vickery氏によれば、「エンドユーザーの個人情報を収集することは危険だ。データの量が増えるほど危険性も大きくなる」という。

画像:Getty Images

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

Facebookでライブ中継されたクライストチャーチ事件を受け、Facebook COOは制限方法を「検討中」

New Zealand Herald(ニュージーランド・ヘラルド)紙に掲載された公開文書で、FacebookのCOOであるSheryl Sandberg(シェリル・サンドバーグ)氏はクライストチャーチの2カ所のモスクで50名の死者を出したショッキングな銃乱射事件について、ようやく言及した。ニュージーランド史上最悪の銃乱射事件で、その一部の映像が犯人によってFacebookでライブ中継された。

しかし自らのサイトのテクノロジーが恐ろしい事件の中継に使用されたにもかかわらず、Facebookはその後の2週間ほぼ沈黙を続けた。サンドバーグ氏はこの文書でその沈黙を破り、悲しみの家族と揺れる国家に言及した。文書には同サイトがよりよい対応ができたのではないかという趣旨の文言が含まれていたが、未だにこのような出来事への対応に苦慮している面をうかがわせた。

「多くの人々が、Facebookのようなオンラインプラットフォームがどのようにして悲惨な事件のビデオの拡散に使われたのかを追求しておりそれは当然のことだ」とサンドバーグ氏は書いた。「我々は何が起きたのかを検証し、ニュージーランド警察と密に連絡を取り合い操作に協力していくことを約束する」。

サンドバーグ氏は、同社が再アップロードを識別する技術の開発に取り組んでいることも付け加えた。文書には、具体的な対策やポリシーの計画案は書かれていなかった。

「我々はもっと努力すべきだという声を聞いており、われわれもそれに同意する」とサンドバーグ氏は言った。「このテロ攻撃を受け、当社は3つのプロセスを進めている。Facebook Liveの使用にあたってのルールの強化、我々のプラットフォームでのヘイト行為対策の強化、およびニュージーランド国民への支援。まず、それまでの行動規範の違反などによって、ライブ中継を利用するたの制限を強める方法を検討している」。

FacebookとYouTubeはいずれも、こうしたテロ攻撃の画像拡散にプラットフォームが寄与していることについて広く批判の対象になった。YouTubeは酢馬宅声明を発表し、「当局と協力して取り組む」旨を伝えた。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

FacebookのCEO、投稿コンテンツやプライバシーで規制を求める

編集部注この記事は米国時間330日に掲載された)

Facebook幹部による意見表明が相次ぐ忙しい日だった。Facebookはクライストチャーチでの銃乱射事件に関して沈黙を続けていたが、米国時間330日の朝早くSheryl Sandberg氏がその沈黙を破り、そして今度はMark Zuckerbergマーク・ザッカーバーグ)氏氏が行政や他機関にFacebookが扱うデータに対し規制を強化するよう求めている。彼は、厳しい規制を引き出し、それを吟味していくことを思い描いているようだ。

ザッカーバーグ氏は自身のページとワシントンポスト紙の両方で同時に書簡を公開した。ワシントンポスト紙での掲載は政府関係者に訴えるのに理想的な手段だ。ここ数年集中砲火を浴び続けてきた氏は、主要4分野で外部による監査を厳しくする必要があると述べた。

有害なコンテンツ
ソーシャルアプリが評価される、全体にかかるルールや基準を定める。

公正な選挙
政府が政治広告や問題広告の定義を明確にする。

プライバシー
違反した場合には罰則を科すことができるGDPRスタイルの規制をグローバルで導入する

データポータビリティ
アプリから別のアプリへとデータを移管できるようにする

4つの各分野は、Facebookの最近の履歴を示している。いくつかの論争が一度にFacebookを襲い、Facebookの近年は苦闘と失策に満ちている。議会の前で証言するよう求められるCEOはそうはいない。Facebookは信じられないほどの量のデータを保有・管理していて、ターゲティング広告や対人関係から、ニュースサイクルや選挙に至るまで、全てにおいて主要な役割を果たしている。

私はこの2年間のほとんどの時間を有害なコンテンツや公正な選挙、プライバシーといった問題にあててきた。私が思うに

Mark Zuckerbergによる投稿、2019330日土曜日

Facebook白人ナショナリズム白人分離主義」のコンテンツを禁止することを発表して3日たち、「政治家は、しばしば私にFacebookが言論に対してあまりにも大きな影響力を持っていると言うが、正直、その通りだ」とザッカーバーグ氏は書いている。そして彼は、人々が全ての責任をFacebookに押し付ける前に設置した独立監視委員会など、様々な国の政府との取り組みについて書いている。

1つ考えられるのは、サードパーティーの機関が有害なコンテンツの投稿を監視する基準を設け、そうした基準を企業が守っているか評価することだ」「規制は、何が禁止されるのかベースラインを設け、有害コンテンツを最小限に抑えるシステムの構築を企業に求める、ということになるかもしれない」とザッカーバーグ氏は続けている。

また、選挙での不正操作や政治広告をめぐる規制を強化するよう求めてもいる。米住宅都市開発省は今週はじめ、Facebookのターゲティング広告が公正住宅法に反しているとして告訴している。

しかし、こうしたザッカーバーグ氏の意見表明はいくぶん虚しく響く。というのも、これら4分野で改善を図るために政府のサポートなしにFacebookができることはたくさんあるからだ。

Facebookの有害コンテンツポリシーは長い間紛らわしくて矛盾が多く、そして現実とかけ離れたものだった。たとえば、Infowarsの陰謀論者Alex JonesFacebookから追放されたが、Instagramからは追放されていない。悪者は問題のある投稿を広めるのにソーシャルネットワーク間を渡り歩くことができる。Facebookは傘下の全アプリにポリシー適用を強制すべきで、追放するかどうかを内部で話し合う代わりに倫理に基づいて公に判断すべきだ。そして、最悪の反則者を引きずり下ろすのを調整するために、仲間のソーシャルネットワークとより協力すべきだ。

公正な選挙については、今週Facebookは大きく前進した。すべてのアクティブ非アクティブの政治広告キャンペーンをキーワードで検索できるAd Libraryに収めた。しかし、宣伝につながる政治的記事を従来のキャンペーン広告と横並びにされたくないニュース出版元からの圧力を受け、Facebookはそれらを例外とした。そうした広告はいまだに選挙権を持つ人に影響を与えることができる。それらは別に扱われるべきだが、それでもリサーチのためにアーカイブ化されるべきだ。

プライバシーに関しては、すべきことが山ほどある。改善すべき大きなものとしては、ストーカーを避けられるよう、人々が電話番号を含む検索から完全にオプトアウトできるようにすることが挙げられる。他のユーザーのアドレスブックにあなたの連絡先がアップロードされた時、Facebookがどのようにあなたの連絡先情報を使うのか、さらにコントロールされるべきだろう。

最後にデータのポータビリティだが、Facebookの取り組みは遅々としている。1年前TechCrunchは、他のソーシャルネットワークで友達を探すのにフレンズの名前のリストをエクスポートするのをFacebookがいかに制限しているか、詳細な記事を掲載した。Facebookはそうしたソーシャルグラフを、ユーザーがアプリを切り替えてもコミュニティを保てるよう、真に交換できるようにしなければならない。そうすれば、Facebookをやめることがユーザーにとって実行可能なオプションになり、Facebookはユーザーに真摯に向き合わざるを得なくなるだろう。

そうした取り組みを実行すれば、ザッカーバーグ氏は寛大にみてもらおうとリップサービスをばらまいているわけではないことを当局に示せるだろう。それはひいては、社会に対する姿勢を改める用意ができていると示すことになるはずだ。

イメージクレジット: Chip Somodevilla / Getty Images

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

米住宅省が住宅広告におけるFacebookの広告ターゲティングを差別として告訴

米国の住宅都市開発省は米国時間3月28日、Facebookを住宅に関する差別で告訴した。訴状によると、Facebookは同社の広告ターゲティングツールで公正住宅法(Fair Housing Act)に違反した。そのツールは、売り手が掲載物件を人種や性、出身国などによって制限することを許しているという。

この告発は、昨年8月に行われた調査の結果に基づいている。調査は公式の苦情に対応して行われ、その苦情は住宅販売者や家主が人間のさまざまなカテゴリーで広告をターゲティングできる(従って差別もできる)と非難している。

Ben Carson住宅都市開発省長官は声明で次のように述べている。「Facebookは人間の特性や住所に基づいて人びとを差別している。コンピューターを用いて個人の住宅の選択を制限することは、人に門前払いを食らわすような差別でありうる」。

一方Facebookは、本誌に宛てた声明で「その決定は意外だ」と言っている。続けてFacebookのスポークスパーソンは「住宅都市開発省の訴状に詳説されている差別に対応するための『有意義な措置』を講じた」と言っている。

その説明はこうだ。「昨年弊社は、誤用されるおそれのある何千ものターゲティングオプションを排除し、そして先週は、全米公正住宅連盟やACLUなどの団体との歴史に残るような協定により、住宅やクレジットや求人などの広告をFacebookに掲載するやり方を変えることになった。弊社は真剣に解決方法を見つけようとしているが、住宅都市開発省は、ユーザーデータのような機密情報への、安全対策を欠いたアクセスに固執している。弊社は今日の展開(告訴されたこと)に幻滅しているが、今後もこれらの問題に関して人権問題の専門家たちとの協働を続けていきたい」。

先週、FacebookはACLU, Outten & Golden LLP、および全米通信労働者組合との合意により、法的問題を回避した。その交渉は、1964年の人権法第8条の遵守に関わるもので、Facebookは住宅と求人の広告から性と年齢と人種に基づくターゲティングを取り去り、(住宅と求人の)案件リストのためのワンストップポータルを新たに作ることになった。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Facebookが数億人のパスワードを平文で保存していたと認める

Facebookでまたセキュリティー上の問題が見つかった。

コンピューターセキュリティを専門とする調査報道ジャーナリストのBrian Krebsは自身のサイトで「長年にわたってFacebookは数億アカウントのパスワードを平文で保存している」とするレポートを発表した。 Facebookは米国時間3月21日、公式ブログで事実だと認めた

FacebookのPedro Canahuati氏によれば、問題が発見されたのはは1月に行われた定例のセキュリティチェックの際で、パスワードを見ることができるのはFacebook社内の担当者だけだという。しかしKrebsは「Facebookでは2000人のエンジニア、デベロッパーがパスワードを含むログにアクセス可能だ」と指摘している。しかもFacebookがこの失態を認めたのは事実が判明してから何カ月もたち、外部のジャーナリストであるKrebs氏に指摘されてからだった。

Krebs氏によれば、バグは2012年にさかのぼるという。FacebookのCanahuati氏はブログでこう述べている。

我々のログインではユーザー以外がパスワードを見ることができないようにマスクするシステムを採用しており、これ(をチェックする際に平文で保存していること)がわれわれの注意を引いた。パスワードは社外からアクセスすることはできないし、社内でも悪用されたり、不適切なアクセスを受けたという証拠はまったく発見されていない。

しかしどのようにしてこの結論に達したのかは説明されていない。Facebookは数億人のユーザーにこの問題を通知するという。またInstagramのユーザーにも通知がいくはずだ。これには途上国など接続スピードが遅く、通信量が高価な地域向けの軽量版であるFacebook Lightのユーザーも含まれる。

Krebs氏は「6億人のユーザーが影響を受ける可能性がある」としている。これは同社の27億人のユーザーの約5分の1だが、この数字はまだFacebookによって確認されていない。

またどのようにしてこのバグがシステムに入り込んだのかもまだ説明されていない。パスワードを誰でも読める平文のまま保存するというのはもちろん適切な方法ではない。Facebookのような大企業はパスワードを保存する際にソルトを付加してハッシュ化するのが普通だ。どちらのテクニックも攻撃を著しく困難にする。この方法を用いればシステム側もパスワードの内容を知る必要がない。

昨年、TwitterGitHubでも似たような(ただしそれぞれ異なる)バグが発見された。両社ともパスワードにスクランブルをかけず平文のまま保存していた。

いずれにせこのバグはFacebookを襲っている一連のセキュリティ問題の最新の例だ。Facebookがユーザーの許可を得ずにサードパーティーに個人情報にアクセスすることを許す契約を結んでいた問題は刑事事件として捜査されることが報じられた。 最近の一連のセキュリティ問題は議会への証人喚問政府の諸機関による調査をもたらしている。

Facebookが事実を確認するのに長時間かかった理由、またデータ漏洩が発生した場合、米国、ヨーロッパにおいてはそれぞれ法で定められた通知義務が発生するがその通知を行ったのかどうか、Facebookにコメントを求めた。今のところ冒頭で紹介したブログ記事以上の回答は得られていない。

なおFacebookのヨーロッパにおける運営を管轄するアイルランド政府のデータ保護局は「Facebookからこの問題に関する通知を受けた。さらに詳しい情報を求めている」としている。

画像:Getty Images

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

独禁法推進派がもくろむFacebookの分社化

議会の反トラスト法委員会の、新たに任命された議長に呼び出されたら、いよいよ心配すべき時が来たと覚悟すべきだろう。

ニューヨークタイムズ紙に掲載された論説で、ロードアイランド州選出のDavid N. Cicilline議員は、連邦取引委員会に対し、反トラスト法に抵触する可能性がないかどうか、Facebookの活動を調査するよう求めた。Cicilline氏は、同社が密かな報酬と引き換えに10代の若者のデータを収集していたというTechCruchの独自の調査報告や、その他のスキャンダルを論拠としている。

「何か悪事が明らかになるたびに、Facebookは否定、中身のない約束、謝罪キャンペーンを順番に繰り返します」と、Cicilline氏は書いている。「それでも、何も変わりません。だからこそ私は、反トラスト法と、商業および行政法に関する下院小委員会の委員長として、Facebookの行為が反トラスト法に違反しているかどうかの調査を求めます」。

Cicilline氏の論説は、本来は有効な規制機関であるはずのFTCに圧力をかけることを狙ったものだ。それが現在までFacebookに対して何もできていないために、「重大な信頼性の危機に直面している」と、Cicilline氏は非難している。またCicilline氏は、FTCに対して行動を促す一方で、同じ論説では、Facebookの行為の何が特に問題と考えているのかについて、洞察に満ちた見解を提示している。ちなみに、Cicilline氏が今年、反トラスト法と商業および行政法に関する下院司法の小委員会の有力メンバーに選出された際に、元ニューヨーク市長のBloomberg氏は、彼のことを「ハイテク業界に関する最も強力な人物」と讃えた。

その委員会は、今やハイテク大企業の解体を主軸に据えるまでに関心を高めつつある民主党によって率いられている。そして、シリコンバレーを牛耳る独占的な黒幕に対して、反トラスト法に沿った行動を起こすための強力なメカニズムになり得るものと考えられている。

「何年もの間、プライバシー擁護団体は、Facebookが同意した契約に基づく責務を果たしていない可能性があると、その委員会に警告してきました。委員会は、命令を遂行させることができなかっただけでなく、FacebookによるWhatsAppとInstagramの買収を阻止することもできませんでした。Facebookの支配の拡大を許してしまったのです」と、Ccilline氏は書いている。そして、その巨大企業に何らかの打撃を与えるには、数十億ドル規模の罰金が必要だとしている。先月にもレポートしたように、FTCは数十億ドル規模の罰金を検討していると伝えられているものの、そのような大金による懲罰は、まだ実行に移されていない。

同議員は、Facebookの「略奪的な買収戦略」も問題にしている。将来競合しそうな企業を、脅威となる以前に買収するものだ。それにより、イノベーションが妨げられることになる。Cicilline氏はまた、競合しそうな製品からのAPIアクセスを制限するという同社の決定は、このソーシャルメディアの巨人の「反競争的行為の証拠」だとみなしている。

Cicilline氏は、Facebookがプライベートメッセージング機能を実現するために、自社のいくつかの製品を統合するというマーク・ザッカーバーグ氏の最近の発表を、もはや当然のごとく皮肉に満ちた目で見ている。それは「反トラスト法の施行を妨げようとする危険な権力の掌握」だとしている。2020年の大統領選挙に向けて、反トラスト的な向かい風が勢いづくであろうことを考えると、そうした見通しは、Facebookが今後直面しなければならないことを、はっきりとわれわれに垣間見せてくれる。

「米国の半トラスト法の関連機関は20年以上に渡って重大な独占状態を追求してきませんでした。その間に、企業の集中と独占の脅威は、歴史的レベルに達してしまったのです」と、Cicilline氏は書いている。

「厳格な施行が、長い間先送りにされてきたことは間違いありません」。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

Instagramの新機能、投稿写真の商品を選べばその場で購入できる

Instagramはまったく新しい収入源を開拓している。ついに、その米国内の1億3000万人のユーザーは、ショッピング用の投稿に載っている商品に付いたタグをタップするだけで、直接アプリの中で買えるようになる。あらかじめ支払い情報を登録しておくことは必要だ。「Checkout on Instagram」は、Adidas(アデイダス)、Kylie Cosmetics(カイル・コスメティクス)、Warby Parker(ワービーパーカー)をはじめとする、20以上のトップブランドを対象に、米国時間3月19日から米国内で使えるようになる。もはや、顧客を各ブランドのウェブサイトに誘導して購入してもらう必要はなくなった。

Instagramの広報担当者はTechCrunchに、「販売手数料を設定して、チェックアウトを可能にするための仕組みや設備の費用をまかない、取引に関連するコストも埋め合わせます」と説明した。その「販売手数料」として販売者に請求する金額を尋ねたところ、担当者は「今のところその具体的な数字は公表していません。非公開ベータ期間中に、手数料についても販売者と試行しています。それによって、消費者が払う商品の価格が変わることはありません」と答えた。このことからしてInstagramでは、向上が期待できる顧客転換率の見返りとして、販売者に高めの手数料を請求し、アプリ上で購入するための料金をユーザーの支払額に上乗せするようなことはしないようだ。

Checkoutの導入によって、Instagramの広告ビジネスもさらに繁栄するだろう。そこから購入に至るまでに必要なステップも短縮されるので、Instagramを利用したほうが、投資に対する見返りが大きいとブランドに納得させることができるからだ。現時点では、Checkoutボタンは、発表時にパートナーとなっている販売者によるオーガニックな投稿にのみ表示され、広告には表示されない。しかし、Checkout機能を付加した広告は、Instagramにとって金脈になる可能性もある。というのも、Facebookのニュースフィード広告ビジネスの先行きは怪しく、CEOのマーク・ザッカーバーグ氏も、2019年のロードマップに不可欠なものとして、商取引を挙げているからだ。

Checkoutのタグは、非公開ベータに参加しているブランドのフィード投稿、ストーリーズ、発見タブのコンテンツに表示される。Instagramではいずれ、より多くの企業に、この機能を公開する予定だ。ユーザーが投稿をタップして商品のタグを表示し、それを開くと、これまでの「View on Website」ボタンの代わりに「Checkout on Instagram」ボタンが表示される。

初めて利用する際には支払い情報を入力する。それは保存されて、その後の買い物にも使われる。「保護された支払い情報を1カ所に保存しておけば、毎回ログインしたり、同じ情報を何度も入力しなくても、お気に入りのいろいろなブランドの商品を購入できます」と、Instagramは説明する。ブランドごと別々にサインアップしなければならないと、ユーザーはイラついて、カートに商品を入れただけで、途中で放棄してしまうことも少なくない。それを防ぐことができるのも、この機能の重要なメリットだ。TechCrunchでは、最近Instagramがストーリーズで、「資金調達中」のステッカーをプロトタイピングしていることをレポートした。それも同様に支払い情報を保存するものだった。Instagramが、支払い情報のデータベースを構築したいと考えているのは確かだろう。

ユーザーが何かをInstagram内で購入した後は、自分のプロファイル内に新設された「Orders」セクションでトラッキングできるようになる。そこには、注文の状況が表示され、オプションで注文をキャンセルしたり、返品や販売者に連絡することも可能となる。そして注文が出荷されたら、Instagramから直接通知を受け取ることになる。興味深いのは、Instagramでは、メッセージ機能に領収書発行機能を付加していない。FacebookのMessengerとは対照的だ。

販売者は、連絡先や住所など、注文を処理するための必要最小限な情報しか知ることができない。支払い情報は通知されないのだ。ユーザーは、任意で、販売者に電子メールのアドレスを伝えて、その後に商品やサービスの情報などを受け取ることもできる。Checkout on Instagramでは、ユーザーが販売者のウェブサイトで直接購入した時に比べて、少ない情報しか販売者に伝わらない。しかしInstagramは、その購入がどの投稿で発生したのかという情報は、販売者に伝えるとしている。

ユーザーは、PayPal、Visa、Mastercard、American Express、そしてDiscoverによる支払いが可能となっている。Instagramでは、販売者が、Shopify、BigCommerce、ChannelAdvisor、CommerceHub、その他のツールを、Checkout機能と統合できるようにすることを計画している。またInstagramは、Checkout機能の使われ方が、ユーザーがよく見るコンテンツのランキングのヒントとしても利用される可能性を認めている。支払いはPayPalによって処理される。そのビジネス分野には、Facebookも侵略するつもりはない。PayPalに支払う手数料は、おそらくInstagramが受け取る販売手数料から出ることになる。

「私たちが商品にタグを付けることによって、顧客にとって買い物がより便利なものになります」と、Warby Parkerの共同創立者兼CEOのNeil Blumenthal氏は述べている。「Checkoutは、買い物の体験を一歩進んだものにします。その場で買いたいとひらめいた商品を見つけた人にとって、より直感的でシームレスな買い物ができるようになるのです」。発表時にパートナーとなっている全ブランドを挙げておこう。Adidas、Anastasia Beverly Hills、Balmain、Burberry、ColourPop、Dior、Huda Beauty、H&M、KKW Beauty、Kylie Cosmetics、MAC Cosmetics、Michael Kors、NARS、Nike、NYX Cosmetics、Oscar de la Renta、Outdoor Voices、Ouai Hair、Prada、Revolve、Uniqlo、Warby Parker、そしてZaraだ。

今のところ、開発中と伝えられていたInstagramの独立したショッピングアプリが登場する兆候は見られない。その代わり、発見タブの中に専用のショッピングチャンネルを設置し、ストーリーズにタグも追加した。6カ月前のことだ。また最近我々は、私的に保存した投稿のコレクションを公開できる、Pinterestに似たような機能を、Instagramがプロトタイピングしているのを発見していた。その機能は、インフルエンサーにとってCheckoutが使える商品を他の人に勧めるのに適した手段となるだろう。Facebookはこの5年をかけて、さまざまな「購入」ボタンを試してきた。それが今ようやく自然な居場所に落ち着いたわけだ。

Instagramは、アプリの外にリンクする権利を必死に守り続けてきた。それは、コンテンツを着実に消費し続けてもらうためだ。今や世界で10億人以上のユーザーを抱えるまでに成長したInstagramは、人々の注目をずっと内部に閉じ込めてきた。そしてついに、その中で販売する権利を売るための準備が整ったのだ。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

Facebookはニュージーランド銃撃映像の20%をブロックできず

Facebookは、ニュージーランドで死者50人を招いた銃乱射事件のライブストリーム映像を、事件発生から24時間以内に150万件削除したことを発表した。

FacebookのMia Garlick氏は一連のツイートで、120万件のビデオをアップロード時点でブロックしたと語った。襲撃を「賞賛あるいは支持」するビデオも削除された。音声検出などの自動化技術および人間によるコンテンツ監視を組み合わせ使用したとGarlick氏は言った。

Facebookは、30万件のビデオがチェックにかからずアップロードされ、20%の失敗率となった理由については言及しなかった。

数値はFacebookが把握したビデオのアップロード総数だけに基づくいわゆる“vanity” statistics「虚栄の」統計データ」だ。TechCrunchは、襲撃から12時間以上経過してから投稿された ビデオをいくつか発見した。Facebookに対して、ビデオが削除されるまでの間の閲覧数、シェア数、リアクション数などの関与データの公開を要求する声もある。それらの数値の方がビデオの流布状況をずっと正確に示す測定値であると批評家は言っている。

米国時間3月15日に起きた襲撃は、ニュージーランドのクライストチャーチで礼拝中の人々が標的たった。警察は、最初の銃撃から約30分後に銃撃犯を拘束したと言った。

28歳の殺人容疑者はスポーツイベントなどの撮影によく用いられるヘッドマウントカメラを使用してFacebookでビデオをライブストリームした。Facebookは容疑者のアカウントを銃撃から1時間以内に停止したが、ビデオはすでにFacebook、Twitter、YouTubeなどで拡散されていた。容疑者は本人が攻撃直前に投稿した「マニフェスト」でファシストを自称していた。IT企業各社は、白人ナショナリズムに関連した暴力の脅威の可能性に対する対策のなさを 批判されている。いわゆるイスラム国グループ支援や児童虐待画像の流布を助長するコンテンツに対した時と比べて行動が遅かったと指摘されている。

ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は米国時間3月17日に、Facebookをはじめとする巨大メディアはこのような事件に対する接し方を再考する必要があると述べた。Facebookのナンバー2、Sheryl Sandberg氏は事件後、アーダーン首相に接触したと報じられている

Facebookにコメントを求めたところ、Garlick氏のツイート以上の情報は得られなかった。

Videos of shooting tragedy in New Zealand continue resurfacing on social media

原文へ

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iPhoneのいちばんのウリ「プライバシー」を強調するAppleの広告

Apple(アップル)米国内で3月14日から、ゴールデンタイムに新しいスポット広告のオンエアを始めた。プライバシーに焦点を当てたこのCMには会話はない。「Privacy. That’s iPhone」(プライバシー。それがiPhoneです)というシンプルなメッセージが表示されるだけ。

一連のユーモラスな場面は「あなたにもちょっとしたプライバシーが必要なときがある」ということを再認識させる内容。それ以外には、たった1行のテキストがあるだけ。それはAppleが長期的にも短期的にも主張しているプライバシーに関する1つのメッセージと呼応している。「あなたの生活にとってプライバシーが大切なら、あなたの人生が詰まった携帯電話にとっても大切なはず」。

このスポット広告は、米国で木曜の夜からゴールデンタイムに放送され、NCAAのバスケットボールトーナメント、March Madnessまで続く。その後、いくつかの他の国々でも放送されることになっている。

洞穴の中にでも隠れていたのでない限り、Appleがプライバシーを、他社と差別化するための要因と位置付けていることに気づかない人がいるはずはない。数年前からCEOのティム・クック氏は、Appleが自社のプラットフォーム上でのプライバシーに対するユーザーの「権利」をいかに大切に考えているか、それが他の会社とはどのように異なっているのか、ということを、ことあるごとに公に明確にしてきた。Appleがそうした立場を取ることができた背景には、Appleの当事者としてのビジネスが、ユーザーとの、かなり直接的な関係に依存してきたことがある。Apple製のハードウェアを購入したユーザーは、同時にそのサービスを受け入れるように、ますますなっているのだ。

これは、GoogleやFacebookのような他のハイテク大企業のモデルとは対照的だ。そうした会社は、ユーザーとの関係の中に収益化の戦略を実現するためのしかけを忍び込ませている。それはユーザーの個人情報を(ある程度匿名化した形で)扱うアプリケーションとして、広告主にとって魅力的なものに仕立ててある。もちろん、ユーザーにとっても便利なものに見えるはずだ。

とはいえ、倫理的に優位な立場をマーケティング戦略として利用することに落とし穴がないわけではない。Appleは、最近、iPhoneを盗聴器にしてしまうことを可能とするFaceTimeのハデなバグ(すでに修正されている)を発見した。また、Facebookが、App Storeの認証を操作していたことが露見したことは、その時代遅れになったEnterprise Certificateプログラムの見直しが必要となっていることを明らかにした。

今回の「Private Side」のスポット広告の象徴的な画面が、プライバシーとセキュリティの概念をかなり密接に関連付けているのは、非常に興味深いことだった。それらは独立した概念ながら、互いに関連していることは明らかだ。このスポットは、これらが同一であると主張する。セキュリティを無視してプライバシーを守ることが難しいのは当然だ。しかし、一般の人にとってこれら2つの違いはほとんどないようなものだろう。

App Store自体はもちろん、まだGoogleやFacebook製のアプリをホストしている。それらは、その他の何千というアプリと同様、さまざまな形でユーザーの個人データを扱っている。Appleが主張しているは、ユーザーがiPhoneに預けたデータを積極的に保護しているということ。そのために、デバイス上で加工し、最小限のデータだけを収集し、可能な限りユーザーとデータを分離し、さらにデータの扱いをコントロールできる、透明性の高いインターフェイスを可能な範囲でユーザーに提供しているのだ。それはすべて真実だし、競合他社よりも、はるかにまともな取り組みだろう。

それでも、まだやるべきことは残っていると感じられる。Appleは自社のプラットフォーム上で個人データを扱っているので、何が社会規範に則しているのかという判断を下さなければならないからだ。もしAppleが、世界で最も収益性の高いアプリケーション市場に出回っているものの絶対的な裁定者となるつもりなら、その力を利用して、我々のデータによって生計を立てている大企業に対して(そして小さな会社に対しても)、もっと強い態度に出てもよいのではないだろうか。

私がここまで、Apple抱えていた問題について述べたのは、皮肉のつもりではない。それでも、Appleがプライバシーをマーケティングの道具にすることは、傲慢と言えるほど大胆なものだと考えたがる人もいるだろう。私個人としては、状況によってはプライバシーを危険にさらすことがあったとしても、プライバシーを守ろうと組織的に努力している会社と、「プライバシーの侵害をサービスとする」ビジネスを展開することで存続しているような、この業界の他のほとんど会社との間には、かなり大きな違いがあると考えている。

基本的には、プライバシーを前面に出すのはむしろ使命であり、いくらかバグがあったとしても支持できることだと思う。しかし、プライバシーから利益を得るプラットフォームを運営しておきながらそれについて沈黙しているのは、ある意味まやかしようなものだ。

もちろん、そんなことを言うのは、キャッチフレーズとしては長すぎだろうが。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

Facebookがリベンジポルノを検出できる新たなAIテクノロジーを発表

Facebookは米国時間3月15日、人工知能を使った新たなツールを発表した。そのツールとは、リベンジポルノの検知を手助けするというものだ。かなり個人的な写真がオンラインに投稿され、そして同意のない状態でシェアされると、写真に映っている人にその後、破壊的な結果をもたらすことになりえる。このテクノロジーでは、AIと機械学習を使ってFacebookやInstagramで許可なしにシェアされたヌードに近い写真やビデオを検知することができる。

今回の発表は、これより先にFacebookが展開してきた写真マッチングテクノロジーのパイロットに続くものだ。このマッチングではユーザーが直接、個人的な写真やビデオをFacebookに提出するようになっている。被害者の団体と提携して展開されているこのプログラムは、そうした写真がプラットフォームでシェアされるのをフェイスッブックが阻止できるよう写真の「デジタル指紋」を作る。これは、Facebookが現在、児童虐待の写真がサイトに投稿されるのを防ぐのに使用しているテクノロジーに似ている。

しかしながら、リベンジポルノに関する新しいAIテクノロジーでは、被害者は報告する必要はない。被害者はコンテンツを報告しようと思っても時に報復を恐れているため、報告を不要とするのは重要なことだ、とFacebookは説明する。もしくは、写真やビデオがシェアされていることに被害者が単に気づいていないこともある。

新しいシステムそのものがどのように機能するか詳しい説明はなかったが、単にヌードを検知する以上のものであるとのことだ。

システムが写真やビデオを検知すると、Facebookのコミュニティ運営チームの特別な訓練を受けたメンバーが写真をレビューし、Facebookのコミュニティ基準に違反するようなら削除する。ほとんどのケースでFacebookはその結果としてアカウントを使えないようにする。もし、そうした措置が間違いである可能性があるなら、その旨をアピールすることはできる。

今回のテクノロジーとすでに展開中のパイロットプログラムに加え、Facebookはまた、リベンジポルノの報告に関する他の手順をどのように改善できるか見直した、とも語っている。例えば、被害者は報告後に素早い対応を求めていて、ロボットによる返答は求めていない、ということが明らかになった。また他の被害者は報告ツールの使い方を知らず、存在すら知らなかったりもした。

リベンジポルノ被害を受けると、その後に不安やうつ、自殺願望、PTSDなど精神面で困難を抱えることがあり、リベンジポルノ問題を解決するのは必要不可欠だ、ともFacebookは述べた。そして、被害後に職を失ったり、同僚との関係が壊れてしまったりと、キャリア面で影響を受けることもある。加えて、昔ながらのコミュニティに所属する人がつまはじきにあったり、コミュニティから追放されたり、迫害を受けたり、または肉体的に危害を加えられたりするかもしれない。

被害者からの通報について「被害者が耐えているトラウマを認識する」方法を探していなかったことをFacebookは認めている。通報のツールとプロセスがより「簡単、クリア、そして共感できるもの」になるよういま再評価を進めている、とも語った。

Facebookはまた、専門家と開発したFacebookのSafety Centerの中に、被害者をサポートするハブ「Not Without My Consent」も立ち上げる。このハブは、被害者がサポートを受けられる団体や手段にアクセスできるようにし、Facebookにコンテンツを報告する手順を詳しく案内する。

Facebookが言うには、今後数カ月内にリベンジポルノヘルプライン(英国)、Cyber Civil Rights Initiative(米国)、Digital Rights Foundation(パキスタン)、SaferNet(ブラジル)、 大学教授 Lee Ji-yeon (韓国)といったパートナーと共同でより地域や文化に根ざした被害者サポートツールキットを構築することにしている。

リベンジポルノはパブリック・シェアリングのための世界規模プラットフォームを提供することに伴う多くの問題の一つだ。Facebookはさまざまな面での失敗を白状し始めている。この失敗には、データプライバシー違反や偽情報の拡散、オンラインハラスメント、いじめなどが含まれる。

CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は最近、同社のプロダクトを、暗号化して相互運用されるメッセージネットワークに統合するというプライバシー重視策を発表した。しかしこの動きはFacebook内部の騒動を巻き起こし、複数のトップが社を離れることになった。

社会からの要望に応える形でさまざまな変革が今後予定されているが、多くの人がすでにFacebookへの信頼を失くした。12歳以上の米国民のFacebookユーザー数の割合が67%から62%へと、この10年で初めて減少した、とEdison Researchは指摘している。それでもFacebookはいまだに巨大なプラットフォームであり、20億人超のユーザーを抱える。たとえユーザーがFacebookをやめることを選んだとしても、それでもソーシャルネットワークを使っているユーザーによってリベンジポルノやオンラインいじめの被害者になることを防げるわけではない。

イメージクレジット: Jaap Arriens/NurPhoto

原文へ

(翻訳:Mizoguchi)