NASAのジェット推進研究所が開発した緊急時用人工呼吸器をFDAが認可

アメリカの食品医薬品局(Food and Drug Administration, FDA)が、同局のCOVID-19ガイドラインに示されている緊急時の使用を、NASAのジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory, JPL)の技術者たちが新たに設計した人工呼吸器に対して認めた。NASAは昔から頭字語が大好きなお役所なので、この人工呼吸器も早速「VITAL」という頭字語で呼ばれている。それは、Ventilator Intervention Technology Accessible Locally(現地で使用できる人工呼吸器インターベンション技術)の略だ。その設計は、コロナウイルスの危機の間は誰もが無料で使用できる。

JPLが開発した緊急時用人工呼吸器は挿管式人工呼吸器で、鎮静剤を投与した患者の気道のずっと下の方まで呼吸管を挿入して呼吸を助ける。それはもっとも重症のCOVID-19患者用とされ、しかも機器の不足時には、それまでに患者が使っていた正規に承認された人工呼吸器を他に回してから使う、となっている。

NASAによると、VITALのいちばん興味深い点は、これまでの人工呼吸器に比べて部品点数が「きわめて」少ないことだ。だから組み立てもはやく、メンテナンスに時間と専門技術者を要しない。ただし数年間使える従来のハードウェアと違って推奨使用期間は3〜4か月とされ、あくまでもCOVID-19の患者専用とされている。つまり、今後もいろんな医療状況で使用できる一般的な人工呼吸器ではない。

しかしそれでも、NASAのJPLは、FDAの認可を得たことを機に、そのハードウェアの商用生産のパートナーを探している。大量生産により、それを必要とする多くの病院に配布したいのだ。

COVID-19によって需要が増えたため、これまでにもさまざまな緊急時用人工呼吸器が登場している。でもNASAのJPLというと、技術者集団としてのイメージも高いし、もっとも深刻な緊急時用とされているこの製品は、技術的にも優れているものと思われる。

画像クレジット: NASA/JPL-Caltech/Getty Images

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Curativeは画期的な新型コロナ検査方法で米食品医薬品局の認可を取得

診断法のスタートアップであるCurative(キュラティブ)は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染を診断する画期的な検査方法について、米食品医薬品局(FDA)から非常事態時に限った使用認可を取得した。

同社によると、この検査方法は3月末からすでにロサンゼルス市に導入されており、5万3000人の住民が検査を受けているとのことだ。

Curativeの検査では、被験者に咳をしてもらい痰を採取することで、肺の奥のウイルスが検出できるのだと広報担当者は話している。

FDA最高科学責任者Denise Hinton(ダニース・ヒントン)氏がデジタル署名した書簡では、Curativeの検査が以下のように解説されている。

この製品の使用にあたっては、最初に口腔咽頭(喉の)スワブ、鼻咽頭スワブ、鼻腔スワブ、および口腔液検体よりSARS-CoV-2核酸を抽出し分離、純化する。次に、純化した核酸をcDNAに逆転写した後に、PCRによる増幅および認可されたリアルタイム(RT)PCR装置を用いた検出を行う。このCurative-Korva SARS-Cov-2検査は、EUA(緊急使用時許可)の要請により提出された認可手順に解説されているとおり、衛生研究所で一般的に使われているすべての市販マテリアル、またはその他の認可されたマテリアルおよび認可された補助的試薬が使用できる。

dot.LAで最初に紹介されたCurativeは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校と提携する医療研究施設KorvaLabs(コーバラブズ)と共同で検査処理を行っている。

この検査方法は、米国での検査数に歯止めをかけているサプライチェーン不足の回避を目指している。現在米国では、検査キットに必要な重要部品の調達が世界的な新型コロナウイルスのパンデミックの影響で調達困難に陥っているため、検査キット不足が続いていると同社は話す。

Curativeは、検体採取と抽出キットの部品の多くを代替する製品の生産に取り組んでいる。それを同社は、磁気シリカビーズを使用しない大規模なRNA抽出方法と呼んでいる。

同社は、もともと敗血症のための画期的な検査方法の開発を目指して2020年1月に創設されたのだが、新型コロナウイルスが世界中に蔓延するようになり、その検査に方向を切り替えた。

「私たちの目標は、新型コロナウイルス検査キットの直交的なサプライチェーンを構築することです。それにより、公共衛生と米疾病対策センターの足かせとなり生産拡大を阻んでいる材料を買わずに済むようになります」と、同社はウェブサイトで述べている。「私たちはまた必要な試薬を提供することで、医療研究所の稼働率向上を目指す事業にも協力しています」。

Curativeは、同社の検査方法は2つの点で優れていると話す。その検体採取法は、医療従事者を危険にさらすことが少ないため個人用保護具の必要量を少なくできる点、そして、代替サプライチェーンを使うことで、素早く検査を拡大できる点だ。

同社は既に1日におよそ5000件の検査を可能にしており、1日に2万個のキットを生産している。検査結果は31時間ほどで届けられる。

「多くの人が検査できる体制は、我が国の新型コロナウイルス対策には欠かせません。認可を得たことで、私たちはさらに生産量を増やし、全国に私たちの検査キットを届けます」と、Curative Inc.の創設者でありCEOのFred Turner(フレッド・ターナー)氏は話す。「私たちは、ロサンゼルス市とロングビーチ市と共同で、数千の人々がドライブスルー施設で検査が受けられるようにしましたが、この検査をさらに全国の大勢の人々にも拡大できるよう、既に万全の態勢を整えています。同時にこの検査キットを使った自宅での検体採取を許可するよう、私たちはFDAとの協議を続けています。認可が得られれば、さらに検査数を増やせます」。

新たに認可されたことで、同社は全国のさらに多くの販売業者と事業を広げることが可能になる。

Curativeの検査は既にロサンゼルスとロングビーチで導入され、ロサンゼルス郡、ロサンゼルス郡消防局、ロサンゼルス郡保安局によって組織的に実施されている。検査キットは消費者に直接販売されるものではなく、医師による注文が必要だと同社は話している。

ベンチャー投資企業のDCVCの支援を受けているCurativeだが、DCVCが有限責任社員に、望むならCurativeの検査キットが手に入ることを示唆する手紙を出したことで、早くも物議をかもした。

DCVCの手紙には以下のように書かれていた。

新型コロナウイルスの症状があり、すぐに検査を受けられない場合は、速やかにお知らせください。我々のポートフォリオに含まれているある企業との特別な関係を通じて、検査キット(簡単で早くて安全な唾液または痰のスワブによるテスト)の送付を手配します。検査結果は1〜3日で郵送されます。

これに続くブログ記事で、DCVCの共同経営者たちはその主旨を以下のように説明した。

州境をまたぐ遠隔治療を可能にする規制変更に伴い、DCVCのすべての知人のみなさんに、Carbon (Health)の優れた医療ケアと完全な検査方法のことを知っていただきたいと考えたのです。そしてもちろん、それには私たちのL.P.で働く方々も含まれます。彼らも我々同様、この厳しい時期に際し、自分自身や家族に対して難しい決断を下しています。

Carbonは素早く患者に優しい電子患者研修により今のペースを保っていますが、Curativeの検査能力が加わったことで、今後10日間で1日あたりの検査数が1万件に拡大される見通しです。この医療戦力の合体が、すべての人への医療を、まさに「手配する」のです。

私たちの表現が傲慢に聞こえたでしょうか? それについて言い訳はしません。誤解された方がいれば、とても残念に思います。誰であれ「割り込み」は許されません。私たちは、友人のみなさんと私たちのコミュニティーに、いつでも質の高い医療を受けることができ、しかも私たちのポートフォリオにある最先端技術を活用できることをお伝えしようと努めているのです。

新型コロナウイルスのアウトブレイクに対処する上で、正確な検査が最重要であることに変わりはないが、数多くのスタートアップ企業が革新的な診断方式の開発に取り組んでいる。

ハーバード大学免疫学者William Hanage(ウィリアム・ヘイネージ)氏は、Business Insiderに「社会で実際に何が起きているのかを正確に知ることが、このパンデミックに対処する上での重要な鍵になります」と話している。

画像クレジット:Andriy Onufriyenko / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:金井哲夫)

米食品医薬品局が新型コロナ治療薬候補の一部に危険性ありと再警告

FDA(米食品医薬品局)は、ヒドロキシクロロキンとクロロキンの重大な副作用について再度警告した。両医薬品は抗マラリア(および皮膚エリテマトーデスなど)薬として以前から使われているが、最近新型コロナウイルス(COVID-19)治療薬の候補として臨床試験が行われていた。しかし研究者がJAMA(ジャーナル・オブ・アメリカン・メディシン)に 発表した論文によれば、試験は「重大な副作用」のため試験は急遽中止されている。

論文によると両薬品は「初期の結果」において22人の患者の死亡を含む重大な危険が認められ、試験は中止されたという。初期試験では薬剤の大量投与を受けたグループの死亡率は39%に上った。少量投与のグループでも死亡率は15%あった。双方を総合すると死亡率は27%だった。

「試験の結果は同薬剤の大量投与に対して強い懸念を示すものとなった。毒性のリスクが効能を上回ることが明らかだった」と研究グループは所見を述べている

4月24日のFDAの警告では特にこの臨床試験には言及していないが、81人の患者を対象としており、フェーズII臨床試験として最大規模のものだった。今回FDAは「ヒドロキシクロロキンを単独あるいは他の薬剤と併用して投与された新型コロナウイルス患者の死亡に関する報告を受けている」と注意を呼びかけている。「他の薬剤」には抗生物質のアジスロマイシンが含まれている(JAMA論文によれば被験者全員がアジスロマイシンの投与を受けていた)。治験者には心臓の鼓動が遅くなるQT間隔延長や逆に速くなる心室性頻拍などの危険な症状が見られ、一部の例では死亡の原因となったという。

ヒドロキシクロロキンとクロロキンはトランプ大統領が新型コロナウイルスの治療薬として有望だと述べたことで注目されたが、フランスにおける初期の小規模調査な研究で治療薬としての可能性が認められたものの、安全性に関しては科学的証拠が得られるような臨床試験は行われていなかった。医薬品として承認されたのはあくまで抗マラリヤなどに処方されることを前提としており、大量投与には重大な副作用があることは以前から知られていた。

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

緊急用人工呼吸器のSpiro Waveが米食品医薬品局の認可を取得して新型コロナ需要に応える

新型コロナウイルス(COVID-19)重篤患者の治療に必要な人工呼吸器の不足を補う新規プロジェクトが、米国時間4月20日に大きな節目を達成した。米食品医薬品局(FDA)の緊急時使用認可(EUA)が下りて、同プロジェクトの機器の使用と量産が認められた。「Spiro Wave」(スパイロ・ウェイブ)と呼ばれるそのハードウェアは緊急用の自動人工蘇生器で、1台5000ドル(約54万円)で製造できる。技術者、医師、研究者らからなる開発チームはすでに製造を開始して、介護施設に提供している。

Spiro Waveは、基本的に手動の人工蘇生器の機能を再現する。人工蘇生器は、緊急時に救急患者に手動で人工呼吸を行う持ち運び可能な装置だが、Spiro Waveはその作業を自動化し、かつ従来の手動式と同じタイプのバッグを使うので、機材の供給が容易だ。

Spiro Waveはマサチューセッツ工科大学(MIT)のオープンソースプロジェクトであるE-Vent(イーベント)のプロトタイプデザインを基にしている。E-Ventは新型コロナ危機による機器不足を緩和する位置手段として、MITの研究者らが開発した。Spiro WaveをつくったのはNewlab(ニューラブ)、10XBeta(テンエックス・ベータ)、Boyce Technologies(ボイス・テクノロジーズ)の共同ファウンダーたちからなるチームで、E-Ventのデザインを出発点にすることで、緊急用人口蘇生器の設計と製造をわずか数週間で成し遂げることができた。

製造パートナーのBoyce社は、ニューヨーク市クイーンズ地区にある同社のLong Island City製造工場で、1日に最大500台作ることが目標だといっている。最初の数百台は既に今週からニューヨーク市内の施設に届けられている。同チームは、FDAの医療機器製造許可を取得している海外パートナーを探して製造規模を拡大し、さらに多くの台数を供給することを考えている。

開発チームによると、これは本格的な人工呼吸器を置き換えることものではないという。緊急時の現場で、人工蘇生器で十分だが、手動式では操作者の配置や長期の利用が現実的ではないという場面に使用することで、機材不足を緩和することを目的としている。緊急時使用許可が与えられている他の多くの機材と同様、これは正式なFDA認可を受けた機器や治療方法を完全に置き換えるものではないが、革新的でスケーラブルな解決方法であり、過大な負荷のかかる医療機関における治療レベルに大きな違いをもたらすだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

米国食品医薬品局が新プログラム導入で新型コロナ治療法の開発を加速

米国時間3月31日、米国食品医薬品局(FDA)は「新型コロナウイルス治療法をできるだけ早く市場に出す」ために公共・民間組織の密接な協同作業を支援する新しいプログラムを発表した。米国保健福祉省のAlex Azar(アレックス・アザー)行政官がプレスリリースで語っている。「新型コロナウイルス治療加速プログラム」(CTAP)と呼ばれるそのプログラムは、FDAが資源や人材を再投入するために、民間企業の研究者、科学者に「規制に関する助言、ガイダンス、技術支援を最速で与える」ことを目的にしている。

同局の提供した情報によると、CTAPは、新しい治療方法をFDAが認可するために必要な臨床試験や手続きを行う企業や研究者にかかる負担を軽減するために、すでにFDA内部で行われていた多くの作業を正式にするということのようだ。

一般社会の言葉で表現すると、FDAはさまざまな手続きを迅速化するために、臨床試験結果の評価を24時間以内に行い、一部の治療方法を患者単位に適用する例外的あるいは研究目的の利用に関する申請を「原則として3時間以内」に処理する。またFDAは、さまざまな組織やプログラムに適用できる合理的な手順を作り、テンプレート化された戦略によって処理時間をさらに短縮することも考えている。

FDAは内部組織の再編成によってこれを可能にした。別の仕事をしていた医療と規制の担当者を新型コロナ関連の承認専門にしている。

この種のプログラム導入の意味については何らかの議論が出てくるに違いない。一方でこのプログラムは新しい手法や、立証されていないが有望な技術を開発しているバイオテックのスタートアップを、FDAの密な協力によって支援できるようにする。しかしもう一方では、FDAは新型コロナ治療に関する強引とも思わえる決定に対してすでに批判を受けており、抗マラリア薬ヒドロキシクロロキンの緊急使用許可もその1つとなっている。

小規模な試験の結果は、この薬品が新型コロナ患者に一定の効果がありうるとしているが、問題は「ありうる」という部分であり、別の小規模な試験では一般的な抗ウイルス治療も同程度に効果的であることを示している。つまるところ、決定的なことをいうだけのデータはいずれにせよまだ存在していないということであり、この緊急使用許可に関していえば、新型コロナ治療のために備蓄することは、この薬品の一般的利用方法である関節リウマチの治療への利用が難しくなることを意味しており、患者の重篤度を進める恐れがある。

現在の新型コロナウイルスのパンデミックは、感染拡大と影響力において、少なくとも近代医療時代におけるウイルス蔓延という意味で前例のないものである。FDAは独自の方法でこの状況に対処する必要があるが、お役所仕事の効率化に対するプレッシャーがどんな結果を生むのか、批評家や識者が目を光らせていることは間違いない。

画像クレジット:Bloomberg / Contributor / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

5分間で陽性がわかる米食品医薬局が新たに認可したAbbottの新型コロナ検査

ヘルスケアテクノロジーのAbbottが開発した新しいCOVID-19の検査方法は、結果が出るまでの時間がこれまでで最速で、しかもその場でできるため検査機関への往復がする必要がない。現在、全世界的なパンデミックを起こしている新型コロナウイルスを検査するこの方法は、米国のFDA(食品医薬局)から緊急時使用許可を受けており、来週から生産を開始する。毎日50000セットも生産できるという。

このAbbott ID NOW COVID-19という検査は、診断プラットフォームAbbott ID NOWを使用する。検査装置は小さな台所用品ほどのサイズで、陽性の結果は5分間、陰性は15分間以下で出る。臨床の現場や診療所などでも検査できるようになること、また検査とその結果が出るまでの時間が短くなることから、非常に有用な手段になる。

他の国で使われてきた高速検査や、結果の精度を確認しないFDAの新しいガイドラインによる高速検査方法と違い、この検査は患者から採取した唾液や粘液を使う分子検査法を利用する。

この検査が利用可能になった良いニュースであるのは、検査に使用するAbbottのハードウェアID NOWが、米国ではすでに臨床現場即時遺伝子検査用として広く普及しているためだ。ID NOWは医師のオフィスや救急病院、集中治療室などの医療施設に設置されていることが多い。

Abbottによると、この新しい迅速検査と3月18日にFDAの緊急時使用認可を受けた施設での検査と合わせて4月には500万回の検査が可能になるという。

検査が、新型コロナウイルスによるパンデミックに対処する上で初期の問題の1つだ。1人あたりの検査実施数で、他国に後れをとっていた。そのためウイルスの拡散とそれによる呼吸器疾患を正確に調べることもできなかった。患者は、検査まで待つ日数が長すぎると不満の声をあげており、接触の可能性が高くてそれらしき症状が出ていても、これまでは迅速な対応を受けることができなかった。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

米FDAが新型コロナ検査で本人も綿棒を使えるようにガイドラインを改訂

FDA(食品医薬品局)は新型コロナウイルス検査のガイドラインを改訂した。検査を患者にとって簡単かつ不快感を少なくするとともに保護マスク、防護面、手袋、白衣などの個人防護具(PPE)の供給問題も軽減することが目的だ。

改訂の結果、被験者は検査のために自分で綿棒を使い、鼻孔の浅いところから検体を採取できるようになる。既存の手順では、専門医療従事者が鼻孔の奥深くから検体を採取する必要があった。しかしながらこの変更は、自宅での検体採取に関するFDAガイドラインを変えるものではない。自宅での検査は、FDAが先週定めたガイドラインによって現在も禁止されている。ウイルス検査のスタートアップが自宅用検査キットを配布することはできなくなっている。

被験者は認定医療機関またはドライブスルー検査機関に行く必要があり、検査を受けるためにはまずCDC(疾病予防管理センター)の審査基準を満たなくてはならない。Mike Pence(マイク・ペンス)副大統領はこれについて、検査環境は最前線で働く医療従事者の安全性を高めるとともに、個人防護具資源の流出を減少させる効果もあると言っている。

ペンス副大統領はまた、すべての州および民間検査機関は、検査結果をCDCに報告することが法律で義務付けられていることを付け加えた。これまで陽性の結果のみを報告する州があり、米国における検査人数と陽性反応の人数比率が歪められていたという。

画像クレジット:Alex Kraus / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Modernaは臨床試験中の新型コロナワクチンを早ければ今秋にも医療スタッフに提供する計画

新型コロナウイルスのワクチン開発にはさまざまなハードルがあり、1年から1年半はかかるとみられていた。しかしワクチンの臨床試験を米国で最も早く開始することを発表していたModernaは、3月23日にさらに詳しい情報を発表した。これによると、同社は一部のグループ、おそらくは医療スタッフ向けに、早ければ2020年秋にもワクチンの提供を開始する計画を進めているという。

ModernaはFDA(食品医薬品局)からの緊急使用許可の利用を検討している。新しい医薬品や検査手法の臨床試験が承認されるためには複雑な手続きが必要だが、現在の緊急事態を受けて新型コロナウイルス関連の診断ツールに関しては、通常の手続きを経ないで進めることが認められている。Modernaのワクチンについてもこれに似た特例が認められるようだ。Modernaのワクチンは米国のNational Institute of Allergy and Infectious Diseases(国立アレルギー感染症研究所)と共同で開発されたもので、臨床試験段階に入る最速のワクチンとみられている。

通常のワクチンと異なり、Modernaのワクチンは新型コロナウイルスを不活性化したものではなく、ウイルスのメッセンジャーRNA(mRNA)を利用している。mRNA法は実際のウイルスが被験者の体内に入らないこと方法で、ワクチンからウイルスに感染してしまうリスクがない。 COVID-19に限らず、不活性化不十分による事故の可能性は、従来のウイルス自体を利用したワクチンの試験や実用のあらゆる段階で問題となり得る。

3月16日に、Modernaはワシントン州における臨床試験の最初のステップとしてボランティアグループにワクチンを提供し始めた。動物実験を行わず異例のスピードで臨床試験を開始したとはいえ、このワクチンが医薬品として一般に入手可能となるのは少なくとも1年後だと考えられていた。Modernaのワクチンが有効であり副作用もないならば、型破りなほど短期間で医療スタッフに対して限定的に利用可能になれば、最前線で働く人々の感染リスクを大いに減少させることができるだろう。

Modernaのワクチンは、COVID-19ウイルスに似ているが無害なタンパク質を投与することで人体に反応を起こさせる。これによりワクチンを投与された身体は、有害なタンパク質と実際のウイルスの撃退に効果的な抗体を生み出すようになる。他にも多数のRNAベースのワクチンや免疫療法が開発中だが、これまでのところ臨床試験段階に到達したのはModernaのみだ。がん細胞のmRNAベースの治療を専門とすModernaは、ボストンで創立されたスタートアップで2018年12月に上場している。

画像:Scott Eisen / Getty Images

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滑川海彦@Facebook

医療系ビッグデータ分析のOM1が約55億円を調達

ヘルスケア業界にビッグデータ分析を提供するOM1が新たに5000万ドル(約55億円)を調達した。営業、マーケティングと製品開発を強化し、その臨床的知見をより多くの病院や大手製薬企業に提供しようとしている。

同社のようなデータ分析スタートアップに資金が集まるのは、データへのアクセスがヘルスケアの効率向上と費用の低減に大きく貢献すると広く認識されているため。データを活用すれば、製薬会社は食品医薬局に新薬の有用性を説明しやすくなるし、病院や医師は、どの治療方法が最良の結果につながるかをデータの活用で探ることができる。

OM1のCEOで創業者のドクターであるRichard Gliklich(リチャード・グリクリッヒ)氏は、「臨床データは、ヘルスケアにおいて最も重要なものだ。OM1は今回獲得した資金で、さまざまな臨床結果やエビデンスをより速く提供できるようになり、顧客はより有効的にそれらのデータを利用できる」と語る。

OM1に対する最新の投資には、Scale Venture Partnersがリードし、General Catalyst(GC)やPolaris Partners、7wire Venturesといった既存の投資家も参加した。この投資にともなって、Scale Venture Partnersのマネージングディレクター、Rory O’Driscoll(ロリー・オドリスコール)氏は、同社の取締役会に席を得た。

オドリスコール氏は、声明で「AIとデータが多くの産業における変化を推進している。OM1は、AIとデータをヘルスケアにおける変化に結びつける最先端にいる。医療と介護をより良いものにしていく過程に弊社が加われたことに、感激している」と述べている。

同社は特に、免疫、リウマチ、循環代謝系、筋骨格系、特定の中枢神経系、および行動保健技術といった分野の治療法にフォーカスしている。

同社は、グリクリッヒ氏がGeneral Catalystの常勤役員だった2015年に創業した。グリクリッヒ氏は、医薬や医療技術の結果を定量化して評価しそれらの標準化を図る国レベルの取り組みにも主席調査官として参加しているが、OM1はそれらのサポートも行っている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

抗うつ剤における30年ぶりの大進歩、米食品医薬品局がエスケタミン点鼻薬を承認

米国の食品医薬品局(Food and Drug Administration、FDA)は米国時間3月5日、新しい抗うつ剤の承認を発表した。ケタミン誘導体エスケタミン(esketamine)を用いるこの抗うつ剤は、うつ病治療の歴史において数十年ぶりの大きな進歩だ。

Johnson & Johnson(ジョンソン・エンド・ジョンソン)がSpravato(スプラバート)という名前で発売するこの薬は、経口抗うつ剤と併用する点鼻薬(ないし鼻腔噴霧剤)で、そのほかの治療法に反応しない患者を対象とする。スプラバートはProzac(プロザック)以来久しぶりの、FDAが承認する重要な抗うつ剤だ。これまでの抗うつ剤に比べて副作用が少ないとされるプロザックが発売されたのは30年以上前で、それはほかの薬に比べて即効性がある点でも注目された。

FDAがケタミンを麻酔薬として承認したのは1970年だが、どんな用途にせよ、エスケタミンを承認するのはこれが初めてだ。ケタミンはレクリエーション薬として人気があったが、医師は、抗うつ剤などの治療法に反応しない患者に何年も前から、適応外として処方してきた。FDAの諮問委員会は、14対2(棄権1)で2月に承認した。

FDAによるエスケタミンの承認には但し書きがあり、それはリスク評価軽減戦略(Risk Evaluation and Mitigation Strategies、REMS)のもとに使用しなければならない。その流通と配布の方式は制限され、安全性への重視により薬物による鎮静化や人格解離を避けるとともに、濫用や誤用の可能性のある配布を行ってはならない。患者はその点鼻薬を自分で投与するが、それは医師の診察室や医療機関においてのみ許される。スプラバートを家に持ち帰ってはならない。

スプラバートの有効性は、3回の短期治験と1回の長期治験で評価された。各4週間の短期治験のひとつでは、ときには2日以内に、プラセボ(偽薬)との対比でスプラバートと経口抗うつ剤の組み合わせが「統計的に有意な効果」を示した。ほかの2回の短期治験は、効果が既定の統計的試験の規準を満たさなかった。

長期治験では、安定化し二つの医薬の組み合わせを継続した患者が、経口抗うつ剤とプラセーボの点鼻薬を投与した患者に比べて再発までの時間が「統計的に有意に長かった」。

画像クレジット: Janssen

〔訳注: ネット上に散在する情報によると、ケタミンやエスケタミンはいわゆるドラッグの一種としてその健康被害が懸念されている。したがって、個人的な入手や使用を試みるべきでない。〕

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

医療へのアクセスは、自宅検査サービスから始める方法もある

ScanaduCorなど、多くの自宅検査システムが今もFDA(食品医薬品局)の認可を待っている。一方、簡単な検査であれば自宅で採取した検体を検査機関に送ることで実施できる。数多くのスタートアップが、STD(性感染症)や食物アレルギーの検査サービスを提供している。

テキサス州オースチン拠点の自宅用検査システムのスタートアップ(TechCrunch Disruptのバトルフィールド参加企業でもある)、Everlywellは、検査を低価格で誰もが使えるようにすることを目標にしている。2年前にデビューして以来短期間に大きく成長した。ファウンダーのJulia Cheekは本誌に、現在Everywellは数百万ドルの売り上げを生み、米国の46州に出荷していると話した。最近の発表によると、200万ドルのシード資金を獲得し、計500万ドルとなった資金をサービス拡大に役立てている。

これまでにEverywellは、食物アレルギー、甲状腺、代謝の検査や受胎能検査など8種類の検査サービスを提供しており、それぞれの機能の状況を正確に把握できるようにしてきた。

MyLabBoxというスタートアップは、自宅など自分の都合に合わせて使用できる様々なSTD検査を提供している。費用は保険が適用されないと(自宅検査は殆どが対象にならない)高く感じるかもしれないが、FSA/HSAなどの医療費積立制度の払戻しを受けられる場合もある。

アメリカの医療保険をどうするかについては議論が続いているが、こうしたスタートアップは医療産業に新たな分野を拓くものであり、非正規雇用者など健康保険に加入していないことの多い人たちが少ない費用で医療を受けられるために役立つだろう。

手順はは実に簡単だ。オンラインで注文すると検査キットが郵送されてくる。検査の種類によって血液または唾液の試料を採取し、指示にしたがって検査機関に郵送する。

この種のスタートアップのアイデアは、苦境に立たされている血液検査会社、Theranosがかつて目指していたものと似ている部分もある。Theranosは設立当初、一滴の血液で数百種類の病気の検査が可能だという大きな約束を掲げた。しかし、結果を知るためにはWalgreenの提携検査に行く必要があった。

最近の検査スタートアップは、自分で採取した検体を第三者の検査機関で正確に測定する方法を提供している。こうした検査は、医者に行くかどうかを決める前に結果を知りたいという人たちにも適した方法といえる。あなたは性感染症にかかっている、と言われるかもしれない人と対面することは大きな恐怖だ。

どちらのスタートアップも検査結果の正確性を約束している。私はEverlwellで食物アレルギーの検査をして、腹痛の原因となる食物を識別するのに役立った ―― 原因の一つはグリーンピースだったが、検査の前には思いもよらなかった。

私自身、医療へのアクセスが良好とはいえない状態だが(これも問題だが別の機会に)、数多く出てきた新たな医療スタートアップは、保険料を支払うことなく自分の体の中で起きていることを知る安定した方法を提供してくれるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

23andMeにパーキンソン病など10種類の遺伝子リスク情報の提供がやっと許可された

米食品医薬品局(Food and Drug Administration, FDA)が今日(米国時間4/6)23andMeに、一般消費者に対して有料で行った遺伝子テストの結果として、10種類の疾病(下表)のリスクは報告してもよい、と決定した。その中には、後発性アルツハイマー病とパーキンソン病も含まれる。

2013年11月にFDAは、23andMeが個人のゲノム検査をして、その結果としての健康情報を提供する行為の、一時的な停止を命じた。その後2015年10月にFDAは同社に、きわめてまれな遺伝病の遺伝子を子に伝えるかもしれない検体に関しては、彼らの健康および担体(保因者)状態を提供してもよい、とした。この決定のきっかけとなったのは、それより少し前に23andMeが、Bloom Syndromeと呼ばれる遺伝性疾病の検査に成功したことだ。この非常にまれな劣性遺伝子疾患は、低い身長とがんの素因のあることが、その特徴である。

今朝の発表でFDAは23andMeに、以下の10の疾病に関する情報を消費者に提供してもよい、とした:

“消費者は特定の遺伝子リスク情報に直接アクセスできるようになる”、とFDAのDevices and Radiological Health担当ディレクターJeffrey Shurenが声明文で述べている。“しかし遺伝子リスクは大きなパズルのピースの一つにすぎない、と理解することが重要である。遺伝子リスクがあるからといって、必ず疾病を発症するとは限らないのである”。

FDAが23andMeにこれまで情報の提供を禁じていたのも、消費者間における上記のようなネガティブな誤解の蔓延を恐れたからだ。しかしながら消費者は、乳がんなど一部の遺伝子病については、自分がその予防策をとるべきか、知りたいだろう。遺伝子健康リスク(genetic health risk, GHR)検査のねらいも、まさにそこにある。ご存知のように女優のAngelina Jolieは、母からBRCA遺伝子を継承していることを知ってから、乳がん予防のために切除手術を行った。

この発表によって23andMeは、医師の処方がなくても消費者に遺伝性疾患の検査結果を渡してもよい、唯一の企業になる。すでに23andMeの顧客であるアメリカの住人は、今月後半以降に報告を受け取ることができる。ほかの国に関しては、規制の問題などがあるだろう。

23andMeのスポークスパーソンによると、これらの報告提供事業は今後長期にわたるが、今月は後発性アルツハイマー病、パーキンソン病、遺伝性血栓性素因、α1-アンチトリプシン欠乏症、そしてゴーシェ病の担体ステータスレポートの提供が開始される。そのほかの疾患は、そのあとになる、という。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

自宅でできる精子チェックが流行中?!

精子の状態を自宅でテストするツールがはやっているようだ。先週にはハーバード大学の開発した、安価かつ手軽に精子の運動能力チェックを行うアプリケーションが話題になった。そして今回紹介するYOも出荷を開始した。FDA認可のデバイスと、簡単に使えるアプリケーションをセットにして、精子の状態をチェックするものだ。

不妊の原因の40%ほどは、精子の運動不全によるものだとのこと。誰もが気になることではあるが、これまでは医院で精子を放出してチェックする必要があった。手間もかかり費用も高額なこともあり、検査に二の足を踏む人も多かった。

もちろん、これまでにも自宅で精子チェックをするためのツールは、ドラッグストアなどで売られていた。製品には「医院でのチェックと同等の正確さ」云々と記されていた。見たことがないという人は、妊娠検査キットや避妊具などが並ぶコーナーにあるはずなのでチェックしてみるといい。しかしドラッグストアで売られてきた精子検査キットでは、精子の量のみをチェックするようになっていた。実際のところ、泳動能力の方がより重要なのだ。

FDA認可キットとしてはTrakというものもあった。しかしこちらも精子の量のみを検査するもので、また価格も200ドルというものだった(今回紹介しているYOは50ドルを下回る価格となっている)。

Yoは、SpermCheckやTrakなどと異なり、ハーバード発のツールと同様の検査を行うようになっている。ともに運動精子濃度(MSC:motile sperm count)をチェックするようになっている。数ではなく、有効に機能している精子を率を判別しようとしているわけだ。

なお、衛生面を気にする人も多いことだろう。精子は専用のスライドにのせて、特別のデバイスに装着するようになっている。装着後7分ほどでテスと結果がアプリケーションで確認できるようになる。

結果について医者に相談したりしたいと考える人もいるだろうし、また運動精子濃度以外にも考慮すべきことはある。Yoについて意見を求めた医師によれば、精子の形や環境なども考慮すべきだとおことだった。たとえば周りの温度によっても精子の運動能力は影響を受ける。また熱い風呂や、スキニージーンズなども影響を及ぼすことがあるらしい。

しかし、とにもかくにも現状を理解するための、手軽でかつ安価な第一段階調査として役立つのは間違いないようだ(精子の状況が健全であれば、不妊の原因を他に求めることができる)。

YO(ともだちに「よーっ」と挨拶を送るアプリケーションと混同しないように)はAndroidおよびiOS版が提供されている。ハードウェアの方は、ロサンゼルスのMedical Electronic Systems (MES)が開発している。同社は20年前から、商用の精子チェックツールの開発を行なっている。

YOについては、以下のビデオも参考になるだろう。

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(翻訳:Maeda, H

民間遺伝子検査スタートアップ23andMeをFDAがやっと認可…今回はブルーム症候群のみ

合衆国食品薬品管理局(U.S. Food and Drug Administration, FDA)は23andMeに、ブルーム症候群(Bloom Syndrome)の遺伝子検査キットの販売を認めた。

ブルーム症候群は希少な劣性の遺伝子疾患で、背が低いことと、がんになりやすい性向がその特徴だ。この疾患を持つ子の親には、その症状がまったくない。

23andMeは、医療機関等ではなく消費者に直接、遺伝子検査を提供しているので、個人が自分の遺伝子にブルーム症候群の形がある/ないことをチェックでき、その疾患を持つ子が生まれないように努めることもできる。

23andMeは2013年に、家庭用遺伝子検査キットの販売を停止するよう命令された。FDAの承認を得るための必要条件を、満たしていなかったからだ。そのキットは254種の疾病マーカーを検査できた。FDAはこれらのキットを医療器具と分類し、一般大衆に売るためには認可が必要、とした。今回のように医師の承認なくFDAがこの種の検査を承認したのは、初めてのことだ。

FDAはブルーム症候群のキャリアスクリーニングテストをclass IIに分類している。それは、消費者直販をするためには特別のコントロールが必要、という意味だ。このキットは発売前のFDAによるレビューを、免れている。

FDAのCenter for Devices and Radiological Healthの、標本検査室長Alberto Gutierrez, Ph.D.は、“消費者が直接、自分や家族の個人的遺伝子情報を、FDAに認可された専門企業等から得なければならない必要性はほとんどない、とFDAは信じている”、と言っている。原則として23andMeのような民間企業はなくてもよい、という立場だ。

今回の承認は対象がブルーム症候群というたった一つの遺伝子異状に限られている。しかし今後は、そのほかのタイプの遺伝子検査も認められるかもしれない。23andMeのCEO Anne Wojcickiはブログ記事で、“今回の認可により、今後の公的認可申請のための足がかりができた”、と書いている。

彼女は曰く、“この認可は一つのキャリアのステータスを検査するだけだが、今後はもっと多くの検査の認可を得て、総合的なプロダクトを揃え、合衆国の顧客に健康情報を提供していきたい。それが、うちの使命だ”。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))