Pixel 4aの予測レンダリングにはイヤホンジャックと画面パンチホールが存在

Pixel 3a

今週はガジェット関連のニュースが最も少ない週だ。クリスマスが終わり、新年までもう間もない。その後はCESからMWCへと突入するわけだが、今ここにあるのはGoogle(グーグル)の次期スマートフォンがどうなるかという噂だけだ。

これは、OnLeaksと91MobilesによるPixel 4aの予測レンダリングだ。この端末は、間違いなくGoogleにとって重要なものになるだろう。Pixel 3aのおかげで、同社は昨年の販売不振から回復した。そしてPixel 4aにはいくつかの特徴がある。ディスプレイからは長年存在していたノッチがなくなり、正面にパンチホールカメラを採用するようだ。

さらに魅力的なのは、このデバイスにはイヤフォンジャックが存在していることだろう。2020年には、これはミッドレンジ向けスマートフォンの中でも際立った機能になるはずだ。同社がPixel 3aのリリースの頃に語ったように「多くの人がイヤフォン、ヘッドフォンを持っている」ということだ。

その他の注目すべき特徴としては、背面に四角い突起があり、これはPixel 4から引き継がれたデザイン要素である。おそらくPixel 4aは、フラッグシップモデルの卓越したデュアルカメラを採用するかわりに、シングルカメラを搭載するだろう。それでもGoogleは優れたML(マシンラーニング)ソフトウェアのおかげで、たった1つのセンサーでも優れた撮影性能を達成してきた。

ディスプレイは前モデルから0.1〜0.2インチほど、わずかに大きくなる。この端末は、おそらくGoogle I/O 2020が開催される5月頃に登場することが報じられている。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

AppleがiPhoneの常時接続化に向けて通信衛星の技術を開発中か

Bloombergの報道によると、Apple(アップル)は、数名の航空宇宙技術者を雇用してチームを作り、衛星やアンテナの設計者らとともに人工衛星技術の開発を行なっている。それは、廃棄される可能性もある初期的段階の秘密プロジェクトだが、チームの目的はデータを直接iPhoneなどのユーザーに送受する通信衛星の技術開発であり、Appleのデバイスをサードパーティのネットワークを必要とせずにインターネットに接続することを目的にしている。

さらにBloombergによると、必ずしもAppleは人工衛星そのものを内製しようとしているのではない。むしろ、開発しているのは送信機や地上局が軌道上の通信装置へのデータ送信に用いる機器装置類のようだ。それによりAppleからのデータがAppleのデバイスへ直接送られるようになったり、デバイス同士の接続が携帯電話キャリアのデータネットワークを使わずに実現する。また、位置サービスもより正確になり、地図や案内情報が改善されるという。

Appleは航空宇宙および人工衛星の業界から技術者と役員を雇用した、と言われる。その中にはかつてSkybox ImagingにいたMichael Trela(マイケル・トレラ)氏とJohn Fenwic(ジョン・フェンウィック)氏も含まれ、両人がチームを引っ張る。2人は以前Googleの人工衛星と宇宙船部門を率いたことがある。新たな被雇用者の中には、Aerospace Corporation(エアロスペース・コーポレーション)の役員Ashley Moore Williams(アシュリー・ムーア・ウィリアムズ)氏や、ワイヤレスネットワーキングとCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)の業界における重要人物たちがいる。

データネットワークを宇宙からデバイスへ直接提供するという考え方は、一見すると馬鹿げているようにも思える。データ通信衛星の多くは、情報をエンドポイントのデバイスにリレーする地上局との通信を要する。でもそれは、初耳のコンセプトではない。例えば、今年、2019年に本誌が取り上げたUbiquitilink(今のLynk)は、電話機と直接通信する新しい種類の低地球軌道通信衛星コンステレーションを作ろうとしている。

Lynkの初期目標は、衛星通信ネットワークによる直接接続の方がiPhoneの通常、利用するキャリアサービスよりも優れている、と主張している。同社はユーザーが利用している地上局ベースのネットワークよりも、圧倒的に速い接続が可能なグローバルローミングを提供したいと考えている。しかもそれは、ローカルなインフラに依存しない。また、予備機としても機能するので、メインのネットワークが落ちたときでも、テキストメッセージのやりとりや通話といったデータ集約的な使い方でなければ十分に使用できる。

Appleが現在行っていることには未知の要素が多すぎるが、それがiPhoneに事故や災害に強い常時接続の能力を持たせるものなら非常に興味深い。どんなときでもiMessageや音声通話やナビが使えて、何もない平常時にはキャリアのデータプランでストリーミングなどを楽しむ、というモバイルライフが想像される。

[原文へ]
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

GoogleがカナダのゲームデベロッパーTyphoon Studiosを買収

Google(グーグル)はゲームストリーミングプラットフォームであるうStadiaに消費者の関心を引こうと、ゲームスタジオ買収案件を物色しているようだ。同社は12月19日、モントリオール拠点のTyphoon Studios(タイフーン・スチュディオ)を買収したと発表した。

従業員26人という約3年前に設立された若いスタジオは、実はまだゲームを1つもリリースしていない。しかし、「Journey to the Savage Planet」が来年1月後半にリリースされる見込みだ。楽しみにしている人のために付け加えると、このゲームは「複数のプラットフォーム」向けに開発されている。リリース直前にStadia商品に変わることはなさそうだ。

Typhoonは、Ubisoftで幹部を務めたSébastien Puel(セバスチャン・ピュエル)氏が率いるカナダのStadiaチームに加わることになる。Googleは、前EA幹部のJade Raymond(ジェイド・レイモンド)氏がトップを務めるStadia Studiosを含め、開発の取り組みについて闊達に語ってきた。

Gamesindustry.bizとのインタビューで、レイモンド氏は「プラットフォームでコンテンツをリリースするために、Googleは複数のファーストパーティ・スタジオを設けたいと考えている」と詳細を述べていた。

「いくつかの異なるファーストパーティ・スタジオを設けることを含め、我々は計画を持っている。また、インディデベロッパーやその他の外部パートナーが制作した専用のコンテンツを展開する出版組織も設ける」とレイモンド氏はインタビューで話した。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

YouTube MusicがSpotifyに対抗して3つの新プレイリストを追加

YouTube Musicは、3種類のパーソナライズされたプレイリストを導入することで、Spotify、Apple Musicといったサービスの要素を取り込もうとしている。その3つのプレイリストとは、SpotifyのDiscover WeeklyをパクったようなDiscover Mixと、New Release Mix、そしてYour Mixだ。Discover Mixについては、以前のテスト中に出回ったことで、すでに発見されていた。現在では3つすべてのプレイリストが世界中のYouTube Musicユーザーに提供されている。

これらの新しいミックスを導入する同社の計画は、この秋のTechCrunch Disrupt SF 2019で発表されていた。YouTubeの最高製品責任者、ニール・モハン(Neal Mohan)氏は、機械学習と人間のキュレーションを組み合わせることで、提供する音楽サービスを改善する計画について話していた。

Discover Mixは、SpotifyのDiscover Weeklyに非常によく似ている。ユーザーが、新しいアーティストや好きな音楽を見つけられるよう、手助けすることに焦点を当てたもの。ユーザーが、これまでに聴いたことのない曲や、好きなアーティストの曲ながら、あまり知られていないものを紹介してくれる。しかし、競合の音楽サービスと異なるのは、このプレイリストは、YouTube MusicとYouTube、両方の聴取データの履歴を活用して作成されること。

このミックスは、毎週水曜日に更新され、リスナーに毎週50曲を提供する。

New Release Mixは、名前から想像できるように、ユーザーのお気に入りのアーティストや、ユーザーが気に入りそうだとYouTubeが考える他のアーティストによる、すべての最新リリースを取り上げるもの。これは、ほとんどの新曲のリリースと同様、毎週金曜日に更新されるが、必要に応じてそれ以外の日に曲が追加されることもある。

最後のYour Mixは、ユーザーのお気に入りの音楽と、まだ聴いたことのない、好きそうな曲を組み合わせたプレイリスト。中身は、普段の聴き方の傾向によって選ばれる。このミックスは、定期的に更新され、常に最新の状態に保たれる。

もちろん、YouTube Musicを長い時間聴けば聴くほど、ミックスは良いものになる。しかしYouTubeによれば、ユーザーが設定で自分の好きなアーティストを選んだり、実際に数曲を聴くだけで、すぐにパーソナライズされたミックスの提供が可能になるという。

このようなプレイリストの登場は、現在Googleがストリーミング音楽サービスに熱心に投資するようになっていることと無関係ではない。この秋には、YouTube Musicは、Google Play Musicに代わって、新しいAndroidデバイスに付属するデフォルトの音楽アプリになった。そして最近の報告によれば、Spotifyの主要市場であるインドでは、遅れて参入したにもかかわらず、YouTube MusicはSpotifyやJioSaavnより優位に立っているという。

新しいプレイリストは、iOS、Android、およびウェブ版のYouTube Musicで、すでに利用可能となっている。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

小型衛星群でブロードバンド接続を提供するKuiperプロジェクトにアマゾンが本腰

Amazonは、目下開発中の人工衛星星群による高速インターネットサービスであるKuiperのプロジェクトに、専用の本社オフィスとR&Dセンターを用意した。このプロジェクトでは小さな衛星の集団を低地球軌道に乗せてインターネットへの接続を提供し、世界中のどんな僻地でも良質な通信を可能にする。

ご存知の方も多いと思うが、このようなプロジェクトはほかにもいろいろある。例えばSpaceXは、そのStarlinkコンステレーションのための衛星の打ち上げをすでに始めている。そのサービスは最初は北米地区、そして最終的には地球全域で供用される。ソフトバンクなどがパートナーになっている。OneWebもやはり、衛星群を打ち上げて1月の供用開始を目指している。そしてGoogle、というか親会社のAlphabetは、上層大気気球のLoonによって、接続困難地域への接続を提供しようとしている。

Amazon Kuiperは、何千もの衛星を複数年にわたり何回にも分けて低地球軌道へ打ち上げる方式だ。複数の小さな衛星を使うやり方は、従来一般的だった1つまたは少数の静止衛星を打ち上げる方式に比べて、サービスの質がいい、リーチが広い、最終的にローコストであるなどの利点がある。

今度のオフィス施設や研究開発施設はシアトルのAmazon本社に近いワシントン州レドモンドに置かれ、まだ何もタイムラインが発表されていないKuiperプロジェクトに対してAmazonが本腰であることを示している。施設の総面積は約2万平米で、2つの建物にR&Dのラボとオフィス、そして衛星ハードウェアのプロトタイピングを行う製造施設まで置かれる。 Kuiperチームの引っ越しは来年のようだ。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アマゾンやアップル、グーグル、Zigbeeがスマートホームのオープン標準化で協力

コネクテッドホーム分野の大手各社は、オープンソース標準の策定に取り組んでいる。Amazon(アマゾン)、Apple(アップル)、Google(グーグル)、Zigbee Allianceなどの有力企業がこの取り組みを主導する。

このほかにも、IKEA(イケア)やLegrand、NXP Semiconductors、Resideo、Samsung SmartThings(サムスン・スマートシングス)、Schneider Electric、Signify(元Philips Lighting)、Silicon Labs、Somfy、Wulianなど、多数の主要パートナーが参加している。

その目標は明確なようだ。Connected Home over IPのプロジェクトは、企業やデバイス間における互換性を向上させるために設計された、接続規格の策定を目指している。現状はかなり分離しており、各企業は独自規格をかなり深く掘り下げ、多くの小規模なサードパーティーのメーカーに対応を求めている。

それは今後もある程度続くだろうが、より多くのデバイスが互いに接続できるようになれば、消費者にとっては間違いなくプラスになるだろう。その狙いは、ハードウェアメーカーがAlexa、Google アシスタント、Siriなどと連携するデバイスを簡単に作れるようにすることだ。

共同発表では、「このプロジェクトは、スマートホームデバイスは安全で信頼性が高く、シームレスに使用できなければならないという、共通の信念に基づいて構築されている」としている。「このプロジェクトは、インターネットプロトコル(IPアドレス)に基づいて、スマートホームデバイス、モバイルアプリ、クラウドサービス間の通信を可能にし、デバイス認証のためのIPベースのネットワークテクノロジーの特定の標準を定義することを目指している」。

セキュリティとプライバシーも、リストの上位にくるべきだ。これらのトピックは、私たちがより多くのデータをコネクテッドデバイスに明け渡す時に最も重要かつ増大する懸念だ。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

Googleがクラウドネイティブのセキュリティに対するアプローチを詳解

Googleのさまざまなホワイトペーパーは、同社が特定の問題をどのように解決するのかを、長年にわたって大規模に詳述してきた。それが、定期的に新しいスタートアップのエコシステムを生み出したり、他の企業が独自のツールを拡張する際の方針を左右することもある。米国時間の12月17日、同社はクラウドネイティブ・アーキテクチャをどのようにして安全に維持するかについて、詳しく説明した新しいセキュリティホワイトペーパーを公開した。

画像クレジット:Beata Zawrzel/NurPhoto/Getty Images

BeyondProdという名前が示すように、これは数年前に同社が最初に導入したBeyondCorpと呼ばれるゼロトラストシステムを拡張したもの。BeyondCorpが、セキュリティを、境界にあるVPNとファイアウォールから切り離し、個々のユーザーとデバイスに転嫁しようとするものだったのに対し、BeyondProdは、Googleのゼロトラストアプローチによって、マシン、ワークロード、サービスを接続する方法に焦点を合わせたものとなっている。

当然ながらBeyondProdも、BeyondCorpとほとんど同じ原則に基づいており、末端のネットワーク保護、サービス間の相互非信頼、既知のコードを実行するトラステッドマシン、自動化および標準化された更新のロールアウト、隔離されたワークロードを含むものとなっている。もちろん、これらはすべて、クラウドネイティブ・アプリケーションの保護に焦点を当てたもの。そうしたアプリは、一般にAPIを介して通信し、最新のインフラストラクチャ上で実行される。

「つまりこうしたコントロールは、内部で実行されるコンテナとマイクロサービスがデプロイされ、相互に通信し、隣り合って安全に実行できることを意味します。これにより、個々のマイクロサービス開発者に、セキュリティと、基盤となるインフラストラクチャの実装の詳細に関する負荷をかけることなく、セキュリティを実現できるのです」とGoogleは説明している。

Googleはもちろん、同社のGKEや、ハイブリッド型クラウドプラットフォームAnthosといった独自のサービスを通じて、こうした機能のすべてを開発者が利用できるようにすると明言してしている。さらに同社は、企業が多くのオープンソースツールを使用して、同じプラットフォームに準拠したシステムを構築できるようにすることも強調している。そこには、Envoy、Istio、gVisor、その他のプラットフォームが含まれる。

「BeyondCorpが、境界ベースのセキュリティモデルを超えるものとして、われわれのアプローチを進化させてくれたのと同じように、BeyondProdはプロダクションセキュリティに対するアプローチにおける同様の飛躍を実現するでしょう」と、Googleは言う。「BeyondProdモデルに含まれるセキュリティの原則を、各自のクラウドネイティブのインフラストラクチャに適用することで、当社の経験を活用して、ワークロードの分配、通信のセキュリティ保護、他のワークロードへの影響、といった部分を強化できるのです」。

このホワイトペーパー全体は、ここで読むことができる。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

Googleがまたも活動家社員を解雇、特権的アクセスを乱用したという理由で

Google(グーグル)はまたも活動家の社員を解雇した。解雇されたKathryn Spiers(キャスリン・スピアーズ)氏は、プラットフォーム・セキュリティーチームで、ウェブサーフィン中の社員に会社のガイドラインやポリシーを自動的に通知するブラウザーツールのコードを主に書いていた。

ピアーズ氏によると、Googleは彼女が同僚に労働者の権利を教えるためにブラウザー通知を作ったために解雇したという。同氏がそのツールを作るきっかけは、Googleが組合つぶしの会社を雇ったというニュースや、Googleが組織化を試みた社員に報復措置をとったとの疑いからだった。通知には「Google社員には『保護された団結行動』に参加する権利がある」と書かれていた。

「Google在籍中、同社に全幅の信頼を寄せ、常に疑わしきを罰せずとして来た人たちが、Googleはあらゆる理由をつけて労働者を標的にしていると言うように変わるのを見てきた」とピアーズ氏はTechCrunchに話した。「会社は社員のそんな気持ちを裏切り、Googleに対する信頼を失わせるような行動を繰り返してきた。私がブログに書いたように『透明性のないGoogleは、信頼できないGoogleだ』」。

そのブラウザーツールを作ったことに対して、Googleは事前警告なくピアーズ氏を解雇したとされている。それはGoogleがサンクスギビング・フォーと呼ばれる4人組を解雇したのと同じ日の出来事だった。4人はGoogleは自分たちが組合を作ろうとしたために解雇されたと主張した。同氏によると、Googleは3回にわたって彼女を尋問し、組織運動や職場を混乱させる意図があったかどうかを追及した。

「取り調べは非常に攻撃的で違法なものだった」とピアーズ氏はMediumに書いた。「弁護士とも誰とも相談することは許されず、職場で権利を行使したことについて、私や同僚に罪を負わせようと執拗に圧力をかけた。そして12月13日の金曜日、Googleは会社のセキュリティーポリシーに違反したとして彼女を解雇した。

「特権的アクセスを乱用して社内セキュリティーツールを改変した社員1名を解雇した。これは重大な違反行為である」とGoogle広報はTechCrunchに話した。。Googleの技術基盤セキュリティー・プライバシー担当のバイスプレジデントであるRoyal Hansen(ロイヤル・ハンセン)氏は社員宛てに送ったメールで「ピアーズ氏はチームの許可なくビジネス的正当性もなくポップアップを作成した」と書いた。

「はっきりさせておきたい。この問題はメッセージがNLRB(全国労働関係委員会)の通告や労働者の権利に関係していたことが理由ではない」とハンセン氏は書いた。「この決定はポップアップがどんな内容であった場合でも同じだった」。

「周知の通り、我々は社員が当社の社内ツールやシステムに対する特権的アクセスを適切に遂行すると信じている。セキュリティー・エンジニアとして持っていたアクセス権を乱用したことは信頼責任に対する許されない違反行為である」と同氏は付け加えた。

現在ピアーズ氏は弁護士を立てて不当労働行為の訴訟を準備している。全国労働関係委員会に提出した訴状の中で同氏の弁護士は、Googleによる尋問および解雇は「ピアーズおよび他の社員が保護された団結行動の権利を行使することを阻止するために行われた」と主張している。

ピアーズ氏がMediumに書いた記事によると、Google社員の中には作業効率を上げるためや趣味や関心を共有するためにコードを改変している者もいるという。彼女は昨年のストライキの際に、何者かがデフォルトの壁紙をLinuxペンギンが抗議のプラカードを持っている画像に変えたことにも言及した。

「会社はこのような行動に対して攻撃的対応を行ったことはかつてなかった」とピアーズ氏は書いた。「常に称賛されている会社カルチャーの一部とされている」。

Kathryn Spiers氏

一連の出来事は、保護された行為である組織活動を理由にGoogleがサンクスギビング・フォーを解雇したことに対し、4人が全国労働関係委員会に不服申立てを行ったのに続くものだ。11月にGoogleは、Rebecca Rivers(レベッカ・リバーズ)氏とLaurence Berland(ローレンス・バーランド)氏を会社ポリシーに違反したとして休職にした。当時Googleは、一人は業務に関係のない機密文書を検索、共有し、一人は一部のスタッフの個人カレンダーを盗み見たと語った。二人を支援する抗議の後、リバーズ氏とバーランド氏は他の二人の社員とともに解雇された。

サンクスギビング・フォーは、臨時雇用、ベンダー、契約社員らに対するGoogleの扱い方や、組織活動した社員に対する報復措置、税関国境警備局と会社の関係などさまざまな話題を取り上げていた。

ピアーズ氏も同様にさまざまな問題について組織活動を行っていた。Googleに入社した最初の週に同氏は、軍用ドローン契約を更新しないよう会社に要求する書簡に署名した。Googleの税関国境警備局との関係についても活動を組織した。

「Googleは税関国境警備局が人種差別や外国人嫌悪の移民ポリシーを強制する手助けをすべきではない」とピアーズ氏は言った。「Googleの警備局との関係について社内で投稿したが、コミュニティーの管理チームに削除された」。

昨年のストライキ以来、何人もの社員が組織活動を理由にGoogleから報復を受けている。ストライキ主催の中心人物だったMeredith Whittaker(メレディス・ホイッテカー)氏とClaire Stapleton(クレア・ステイプルトン)氏は報復措置を報告した。その後ホイッテカー氏ステイプルトン氏はGoogleを辞めてそれぞれの生活を送っている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

App Annieが2019年のモバイルアプリやゲームのiOS/Android総合トップ10を発表

App Annie(アップ・アニー)が発表した今年の年間レポートによれば、世界のモバイルユーザーは2019年末までにApp StoreとGoogle Play から合計1200億回のダウンロードを行うことになるという。

これは2018年から5%のアップで、再インストールやアップデートのダウンロードは含まない新規ダウンロードだけの回数。ダウンロード回数の新記録という、注目すべき数字だ。2019年の両ストアの売上合計は900億ドル(約9兆8650億円)に近づいており、対前年比で15%のアップだ。このレポートには今年のダウンロード回数、売上などのトップ10もリストアップされている。

世界で最もダウンロード回数が多かったアプリ(ゲームを除く)の顔ぶれは今年も比較的安定していた。シンガポールに本拠を置くショートビデオのLikeeが唯一の新顔だった。ここではTikTokが4位となり、FacebookグループのInstagramだけでなくSnapchat、Netflix、Spotifyも上回った。ただし今年もダウンロード回数トータルではFacebookグループが圧倒しており、Messengerが1位、Facebook本体が2位、WhatsAppが3位だった。

ゲームのダウンロード回数はアプリよりはるかに入れ替わりが多く、トップ10のうち7タイトルが今年の新顔だった。カジュアルカーレースのFun Race 3D、人気シューティングゲームのモバイル版であるCall of Duty: Mobileがこの乱戦に割り込んだのが目立つ。

アプリ売上ではゲームが圧倒的な割合を占めるが、今年のトレンドはサブスクリプションの伸びだった。ゲーム以外のジャンルでの売上の成長は写真とビデオ、エンタテインメント分野が中心となり、App Annieではこのトレンドは2020年に継続するものと予測している。今年大人気となったDisney+のサブスクリプションの売上も来年はリスト入りしてくるかもしれない。この分野ではHBO Max、NBCUのPeacock、ジェフリー・カッツッェンバーグのQuibiといったメジャーなサービスの開始も予定されている。

App Annieが報じたとおり、すでに多くのアプリがサブスクリプション・モデルを採用している。2019年9月を終期とする年度で、ゲーム以外の売上トップ100のアプリの95%はアプリ内課金によるサブスクリプションだった。アプリ、ゲームのパブリッシャーがサブスクリプションを採用するトレンドは今後も継続し、消費者の支出を押し上げるだろうと同社は予測している。

昨年はNetflixが首位だったが、今年はデートアプリのTinderがNetflixを押しのけて1位となった。昨年は「ゲーム・オブ・スローンズ」のおかげで好調だったHBO NOWが今年はトップ10入りを果たせなかった。かわりにLINEマンガが滑りこんだ。Tencent VideoとiQIYIは昨年と同順位だったが、YouTubeは7位から5位に上昇し、逆にPandoraは5位から6位に順位を落とした。

App Annieでは今年は「ブレークアウト」という新しいジャンルを作り、今年人気が出たアプリ、ゲームをリストアップした。これはダウンロード数、売上の各分野で対前年比伸び率が最大だったタイトルだ。ダウンロード回数では7位だったYY IncのLikeeが今年のブレークアウト・アプリのトップとなっている。2位も同じYY IncのNoizz、4位も同社のアプリでインドで人気が出たソーシャルゲームのプラットフォームのHagoだった。ブレークアウトの3位はByteDanceのHeloとなっている。Good Job Gamesのタイトルが1位から3位まで独占しているのが目を引く。

売上のブレークアウトにはYouTube、iQIYI、DAZN、Tencent Videoなどが入っている。顔ぶれは他のトップ10に近い。ゲーム分野ではハイパーカジュアル系タイトルがトップ10のうち7つを占めた。話題のリリース、任天堂のマリオカートツアーとActivisionのCall of Duty: Mobileもランクインしたが、やはり消費者の支出はハイパーカジュアルのようだ。

【Japan編集部追記】App Annieには日本におけるiOSアプリ、ゲームについてのリストも公表している。

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

グーグルがTransfer Serviceでクラウドへのデータ移行を容易に

Google(グーグル)は米国時間12月12日、オンプレミス(自社運用)システムからクラウドへとデータを移行したい企業のための新サービスこと、Transfer Serviceを発表した。この新しいサービスは、数十億単位のファイルやペタバイトサイズの大規模なデータを転送するためのものだ。これはグーグルの同様のサービスを補完し、ハードウェアアプライアンスやFedEx経由でデータセンターにデータを送ったり、SaaSアプリケーションからGoogleのBigQueryサービスへのデータ転送を自動化したりできる。

Transfer Serviceではデータをクラウドに移行する際に、すべてのデータの整合性を検証する。エージェントは自動的に障害を処理し、使用可能な帯域幅を最大限に使用して、転送時間を短縮する。

この処理の際には、オンプレミスサーバーにエージェントをインストールし、コピーしたいディレクトリを選択して、サービスにジョブを実行させるだけだ。また、Google Cloudのコンソールから転送ジョブを監視および管理することができる。

明確な使用例は、アーカイブと災害復旧だ。さらにグーグルは、ワークロード(とそれに伴うデータ)やアナリティクス、機械学習のユースケースを改善し、システムをシフトさせたい企業もターゲットにしている。

Google Cloudが最近ローンチしたサービスの多くがそうであるように、Transfer Serviceも企業顧客に焦点を当てている。グーグルは企業に対してワークロードをクラウドに移行しやすくしたいと考えており、またほとんどのワークロードでは大量のデータの移行も必要になる。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

グーグルのリアルタイム翻訳ツールがスマホにも登場

今年初めにスマートスピーカーとディスプレイ向けに配信された後、Google(グーグル)のリアルタイム翻訳モードがついにモバイル対応となった。この機能は米国時間12月12日から、世界中のAndroidとiOS端末に配信される。

この機能はGoogle アシスタントと連携して動作する。「ねぇGoogle、私のドイツ語の翻訳者になって」や、「ねえGoogle、タイ語を話すの手伝って」と話しかければこの機能が起動し、リアルタイムで翻訳されたトランスクリプト(書き起こし)と音声が表示される。この機能では会話を続けるのに役立つ、GmailにおけるSmart Reply(返答の推測)も表示される。

スマートディスプレイやスピーカーで利用可能な29言語から拡大され、この機能は44言語(全リストはこちら)で利用できる。機能はGoogle アシスタントに統合されており、追加の翻訳アプリをダウンロードする必要はない。この機能とGoogle レンズを組み合わせることで、グーグルのアプリは旅行向けアプリとして急速に有用性を高めている。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

グーグルのリアルタイム翻訳ツールがスマホにも登場

今年初めにスマートスピーカーとディスプレイ向けに配信された後、Google(グーグル)のリアルタイム翻訳モードがついにモバイル対応となった。この機能は米国時間12月12日から、世界中のAndroidとiOS端末に配信される。

この機能はGoogle アシスタントと連携して動作する。「ねぇGoogle、私のドイツ語の翻訳者になって」や、「ねえGoogle、タイ語を話すの手伝って」と話しかければこの機能が起動し、リアルタイムで翻訳されたトランスクリプト(書き起こし)と音声が表示される。この機能では会話を続けるのに役立つ、GmailにおけるSmart Reply(返答の推測)も表示される。

スマートディスプレイやスピーカーで利用可能な29言語から拡大され、この機能は44言語(全リストはこちら)で利用できる。機能はGoogle アシスタントに統合されており、追加の翻訳アプリをダウンロードする必要はない。この機能とGoogle レンズを組み合わせることで、グーグルのアプリは旅行向けアプリとして急速に有用性を高めている。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

Google Cloudに安価な汎用仮想マシン「E2ファミリー」を追加

米国時間12月11日、Google(グーグル)はGoogle Cloud PlatformE2シリーズのバーチャルマシンタイプを追加したことを発表した。新しい汎用コンピュートインスタンスは大幅なコスト削減を可能にする。料金は現在のN1インスタンスと比較して最大31%安くなるという。

E2ファミリーは標準的なIntel(インテル)およびAMDのCPUをサポートするが、グーグルによれば独自のCPUスケジューラにより「仮想CPU、メモリをダイナミックに物理的CPU、メモリにマッピングし可用性を最大限に高める」ことができるという。さらに新システムは仮想マシンの作動場所についても柔軟であり、必要があれば別のホストに簡単に移動できる。これらの特徴を実現するため、グーグルは専用のCPUスケジューラを構築し、「レイテンシーの大幅な低減をもたらし、並列処理に必須なコ・スケジューラとしてLinuxのデフォルトシステムより優れている」という。新しいスケジューラのウェイクアップレイテンシーはマイクロ秒以下であり、コンテキストスイッチも高速だという。

グーグルがここで強調している効率化は他のマシンタイプにも適用できそうだ。 おそらく今後のアップデートでGoogle Cloudの他のインスタンスファミリーにも同様の改善がなされていくだろう。

グーグルは新しいインスタンスがライバルの同種のプロダクトより優れていると断言しているのが興味深い。同社は本日の発表で「他のクラウドベンダーの同種のプロダクトと比較してい、E2バーチャルマシンは複雑な料金計算や人為的なスロットリングの必要なしにCPUを連続的に高負荷で稼働させるこことができる。これが可能となったのはCompute Engine仮想化テクノロジーとダイナミックなリソース管理能力の長年にわたる積み重ねによるものだ」と述べている。AWS、Azureの同種のマシンとE2ファミリーを比較したベンチマークの結果を見たいものだ。

これまでの例と同様、Googleでは事前に設定したコンフィグレーションのインスタンスのセットを提供する。最小構成はvCPUx2、メモリ8GB、最大はvCPUx16、メモリ128GB。さらに負荷の小さいワークロードの場合、Google Cloudは新たにE2ベースで既存のf1-micro、g1-smallのマシンタイプを提供する。構成はvCPUx2、メモリは1GBから4GBでof RAMでCPUのベースラインパフォーマンスは0.125 vCPUから0.5 vCPUまでとなっている。

【Japan編集部追記】 E2マシンタイプは米国、ヨーロッパでは提供されているが、まだ東京、大阪リージョンでは提供されていない。アジアでは台湾、シンガポール・リージョンで提供されている。

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

Googleが2019年の検索ランキングを発表、国内1位は?

Googleは12月11日、2019年の検索ランキングを発表した。日本国内の急上昇ランキングは、千葉県などに甚大な被害をもたらした「台風19号」が1位、新元号の「令和」が2位、One Teamが流行語大賞に輝くなど国内が熱狂した「ラグビーワールドカップ」が3位になるなど、今年の世相を色濃く反映したランキングになった。

  1. 台風19号
  2. 令和
  3. ラグビーワールドカップ
  4. あなたの番です
  5. ドラクエウォーク
  6. オリンピックチケット
  7. 京都アニメーション
  8. 鬼滅の刃
  9. 吉本興業

全世界の急上昇ランキングは、ラグビーワールドカップではなく、「India vs South Africa」や「Bangladesh vs India」などクリケットワールドカップ関連と考えられるキーワードが上位を占めた。その中でiPhone 11が5位にランクインするなど、相変わらずの注目の高さが見てとれる。

  1. India vs South Africa
  2. Cameron Boyce
  3. Copa America
  4. Bangladesh vs India
  5. iPhone 11
  6. Game of Thrones
  7. Avengers: Endgame
  8. Joker
  9. Notre Dame
  10. CC Cricket World Cup

サイトでは日本や全世界だけでなく、各国の検索ランキングも確認できる。

Google Pixelに着信の自動判別機能が加わる、後から背景をボカす撮影機能も

Google(グーグル)は米国時間12月9日の朝、初の「feature drop」の提供を発表した。これは同社が毎月定期的に機能を拡張するための配信で、最初のバージョンでは、すでに発表されていたものを含め、多くのアップグレードが行われる。

最も大きな変更点となるのが、通話を遮断する機能のアップデートだろう。米国のPixel 4ユーザーから利用できるこの機能は、知らない発信者や自動音声電話の発信を選別してくれる。スパムでない場合、ユーザーはメッセージをテキストとして通知で受け取ることが可能だ。Googleによると、機能は以下のように動作し、すべての情報はそのユーザーにしか通知されないという。

写真に関する機能もアップデートされた。たとえ撮影時に機能をオンにしていなくても、後から人物写真の背景をぼかせるようになる。

Pixel 4のビデオ通話アプリであるGoogle Duoは、一人でも二人でも人を中心にくるよう配置してくれる自動フレーミングが可能になるなど重要な改良が加えられている。この機能は同社のスマートホームディスプレイ、Google Nest Home Max(その前にはFacebookのスマートディスプレイ、Portalでも)に搭載されているズームインやズームアウトで人間をフレームに表示してくれる機能をより洗練させたもののようだ。

Google DuoとPixel 2〜4の組み合わせでは、通話中に背景をぼかすことができるようになった、Pixel4に採用されたスクロールとアニメーションの表示をなめらかにするスムーズディスプレイは、通信の接続が不安定な場合でもなめらかに再生されるように改善されている。

また、すでに発表されていたように、非常に便利な自動文字起こしアプリのRecorderが古いPixel端末にも配信されること。そしてリアルタイムで字幕を生成してくれるLive CaptionがPixel 3と3aに追加されたことも注目すべき点だろう。さらに、英国やカナダ、アイルランド、シンガポール、オーストラリアのユーザーには、まもなくGoogleアシスタントのアップデート版が提供される。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

ストックフォトShutterstockの中国検閲問題はハイテク企業が対中関係を見直すべき契機

あまりに強烈な印象を残すために1枚の写真がその時代の象徴となることがある。1989年の天安門事件の際に無名の青年が戦車の隊列の前に立ちふさがっている写真がその1つだ。フォトグラファーの Jeff Widener(ジェフ・ワイドナー)氏はこの写真で軍隊によって強権的に自由を弾圧しようとする中国の支配体制とそれと戦う市民の姿を世界の目に焼き付けた。

この写真は「インターネットの万里の長城」と呼ばれる中国の巨大検閲システムの内側でほとんど見ることができない。「無名の反逆者」ないし「タンクマン」の写真がブラックホールに投げ込まれ、中国の十数億人の記憶から消されたのはジョージ・オーウェルの小説「一九八四年」そのままだ。

Baidu(百度)などの中国の検索エンジンが政治的検閲を受けていることは今ではよく知られている。売上の大半を国内で上げている中国企業が、中国共産党によって定められた法や規則に抵触しないよう細心の注意を払っていることは、賛否は別として十分理解できる。

しかし現在問題になっているのは検閲に従い、協力しているのが中国企業に限らないという点だ。検閲協力企業には西側のハイテク企業が多数含まれている。しかし自由主義国の企業の社員は中国の反自由主義的政策の強制を助けるような作業をすることに強い不快感を抱いている。

最近の例の1つはストック写真を提供するShutterstockだ。同社は中国の「グレート・ファイアーウォール」検閲システムに協力したことが暴露されて強い非難を浴びている。先月、ベテラン・ジャーナリストのSam Biddle(サム・ビドル)氏がThe Interceptに掲載した記事によれば、Shutterstockは自由主義的価値を守ろうとする従業員と上り坂の広大な中国市場でなんとしてもシェアを獲得したい経営陣の間で深刻な分裂に見舞われているという。

ビドル氏は「Shutterstockが検閲機能を実装したことは社員の間に即座に強い反発をもたらした。180人以上のShutterstock社員が検索ブラックリストを作製する機能に反対する請願に署名し、中国市場でシェアを獲得するために自由主義的価値を放棄するものとして会社の姿勢を批判した」と書いている。

Shuttersotckの方針はこの請願でもまったく変わらず、LinkedInのプロフィールによれば、同社にフロントエンドのデベロッパーとして10年近く勤務したというStefan Hayden(ステファン・ヘイデン)氏が辞職するだけに終わった。

今日は私のShuttersotock最後の日となる。ここで9年間働いてきたが、倫理上の見解の相違が解決しないため会社を離れることとした。

しかしこの問題が政治的時限爆弾であることはShutterstock自身も認めざるを得なかった。同社が最近、SECに提出した年間財務報告によれば、重要リスク要因として「検閲機能」と「中国市場へのアクセス」を挙げている。

【略】

つまりこれがカギだ。「市場アクセス」のためならShutterstockは同社がよって立つ基盤である映像コンテンツへの自由なアクセスを犠牲にしてもいいというわけだ。これはストック写真を提供するSutterstockだけに限った問題ではない。この数週間、中国に対する姿勢が激しく批判されているNBAもこうした状況に置かれているのだろう。

Shutterstockの社員が自由とデモクラシーのために立ち上がったのは素晴らしいことだ。たとえ社内で十分な支持を得られなくとも、そうした価値をもっと重視する会社に移ることはできるはずだ。

残念なことに、ドルと元を追求するのに夢中でそれが自身のビジネスの根本的な価値を蝕むことを考ない企業、特にハイテク企業が多すぎる。売上と倫理の間に矛盾が起きればをそのつど慎重に比較衡量することが企業の方針とならないかぎり、この腐食は蓄積する。そうしてShutterstockが直面しているような困難に行き当たるだろう。

中国経済の急成長によって倫理問題の困難も一層拡大された。自由主義経済の企業が中国大陸でビジネスをする際に求められる根本的価値に関する内省と敏感さは新たなレベルに高まったといえる。しかし多くの企業の経営陣はこうした価値とそれが社員、株主にもたらすすリスクに関してきわめて貧弱な知識しか持っていないようだ。

今年初め、Google(グーグル)に中国問題が起きたときに「インターネットが社会の他の要素と切り離されたテクノロジー分野だという考えは100%死んだ。シリコンバレーの企業、社員には倫理的にものを考えるという困難が挑戦が待ち受けている。我々の行動はすべてなんらかの意味で妥協だ。新しい価値を創造すること―これこそシリコンバレーのスタートアップの環境でもっとも重要とされることだが―この創造そのものが著しい不平等の源となっている」とコメントした。

私は中国から撤退したGoogleの決断に全面的に賛成したが、Googleの正しさも相対的なものだ。第一、現在決定を迫られたのであれば決定は違ったものになっていただろう。またGoogleの行動があらゆる面で非の打ち所がないというつもりもない。しかし追求すべき価値が何であるかについて考えてきた点では他の多くのハイテク企業をしのぐと思う。

米国企業はそのビジネスを可能にしている米国社会の自由主義的価値を守るために全力を挙げるべき時期だ。.妥協を重ねていけば最後には守るべき価値をすっかり失ってしまうだろう。

中国は無視するにはあまりに巨大な存在だろう。しかし、いかなる企業も自由かつ民主的な社会を守るという根本的な責任を無視してはならない。 「無名の反逆者」が戦車の隊列の前に立ちふさがることができたなら、米国企業の経営陣は社員ととも倫理的に正しい諸価値を守る隊列の先頭に立つことができるはずだ。

画像:: Ashley Pon/Bloomberg/ Getty Images

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

GoogleのAI音声認識の自動文字起こしがPixel 3/3aでも利用可能に

Pixel 4が発表された10月のGoogleのハードウェアイベントで強く印象に残ったデモが、AI音声認識を利用した自動文字起こしアプリだ。このRecorderアプリは最新のAIテクノロジーを利用してユーザーの音声を聞き取り、リアルタイムでテキストを生成するもので驚くほど誤りが少なかった。残念なことにこの時点ではRecorderは新しいPixel 4専用のアプリだった。

Android Policeが発見したところによれば、RecorderはPixel3/3aなど以前のPixelデバイスのユーザーにも利用可能になっているという。このアップデートは米国時間12月5日に行われたもようで、Sensor Towerも確認している。ただしGoogleからの告知がなかったため、ダウンロード数はまだ1000回以下だ。

voice recorder

GoogleではRecorderアプリを広い範囲で利用可能にするつもりだと以前から明らかにしていた。最近のRedditのスレッドで、Googleの担当者は「今後のアプリのアップデートでさらに広い範囲のPixelユーザーが利用できるようになる」と述べていた。ただし日時については明らかにしなかった。

ボイスレコーダーは無数に出回っているが、リアルタイムで文字起こしができるアプリは非常に少ない。Otter.aiのように文字起こしをサポートする場合でも、結果には間違いが多く意味が取りづらい文章になっていた。ただ正確性を欠くにせよ、長い録音で目的の箇所を検索するには文字起こし機能は便利だった。

Googleの10月のイベントのデモではRecorderアプリの文字起こし精度は従来のアプリとは比べて非常に高かった。もちろんこの時点ではまだ一般公開されていなかったわけで、異なる声質、訛り、背景雑音であっても精度を維持できるかどうかは不明だった。また発言者を区別してマーキングする機能がなかった。これは会議やインタビューなど発言者が複数となる録音では重要な機能だ。

そういう問題はあっても当初のテストは成功で、ウォールストリートジャーナルのJoanna Stern(ジョアンナ・スターン)氏のレビューは好意的だった。ただし話し方によって多少の問題があったようだ。他のレビューでもデザインに多少問題はあっても機能は強力だという評価が多かった。TechCrunchのPixel 4のフルレビューでも文字起こし機能がテストされており、Brian Heater(ブライアン・ヒーター)記者は高い点数を与えている。

pixel voice recorder

まだ多少の欠点はあるにせよ、Recorderがライバルに比べて大きく有利なのはオフラインで作動可能だというだ。録音、文字起こしはすべてデバイスのアプリ内で完結する。ユーザーが明示的に転送しない限りデバイスの外に内容が漏れることはない。これはセキュリティ上非常に重要な要素となるが、同時に飛行機の中や屋内で携帯網に接続できない状態でも利用できることを意味する。

また組み込まれている「高度な検索」機能を利用すると特定の単語、フレーズ、音を検索キーにできる他、録音中のどの箇所で発言されたのかも表示されるので再生したい場所に素早くジャンプできる。

Googleはリアルタイム音声認識、文字起こしの機能をこれまでさまざまな場所で利用してきた。例えば、Live CaptionはYouTubeの字幕生成機能に似ているが、ユーザーのAndroidデバイスに保存されたビデオやオーディオのファイルからリアルタイムで字幕を起こせるテクノロジーだ。

Recorderアプリは無料でGoogle Playからダウンロードできる。

我々はGoogleに「Pixel以外のAndroidデバイスでRecorderを利用できるようにする計画があるか?」と問い合わせているが、まだ回答がない。

【Japan編集部追記】アプリは上のリンクからPixel 3にインストールできる(Pixel 3のPlay Storeから検索しても表示されない)。インターフェイスは日本語化されており、録音も正常にできる。なお、自動文字起こしも英語では非常に高精度で実行されたが、日本語音声にはまだ対応していないようだ。

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

Androidのフォーカスモードがベータ段階を終了、新たにスケジューリング機能が加わる

Googleが米国時間12月4日にローンチしたFocus Mode(フォーカスモード)という機能で、Androidデバイスの一連のデジタルウェルビーイング(Digital Wellbeing)ツールが一層充実した。このモードを使うと、ユーザーはソーシャルメディアのアップデートやメールの通知など、集中心を削ぐ雑事雑念を一定時間シャットダウンし、仕事などに集中できる。フォーカスモードは5月に開催されたGoogleのデベロッパーカンファレンスであるGoogle I/Oで発表されたが、これまではベータ状態だった。

Do Not Disturb(おやすみモード)と違って、音や振動を消すとか、ビジュアルな邪魔物をブロックすることはできない。フォーカスモードは、指定したアプリを無効にするだけだ。

このモードを使うにはまず、最も邪魔になるアプリをDigital Wellbeing機能で指定する。FacebookやYouTube、Gmail、ゲームなどがあなたの集中心を奪っているかもしれない。それらのアプリを一時的にポーズにして、通知が来ないようにする。そのアプリを開こうとすると「それはさっきポーズにしたでしょ」と注意される。

ベータテスト中にGoogleは、ベータテスターのフィードバックがフォーカスモードの新しい拡張機能、つまりアプリの一時中断機能の開発につながったとしている。これにより、例えば午前9時から午後5時までの勤務時間など、選択した曜日と時間にアプリ通知を継続的にブロックできる。

フォーカスモードを一時停止するオプションもある。これにより、ブロックされたアプリをしばらく使用し、完全に無効にすることなくフォーカスモードに戻ることができる。さらに、仕事やその他のタスクを予定よりも早く完了した場合、フォーカスモードの設定を変更することなく、その日のフォーカスモードだけをオフにできる。

このフォーカスモードは、Googleがデジタルウェルビーイングを充実させる努力の一環だ。この機能が始まった2018年には、GoogleのPixelスマートフォンだけが対象だった。そしてその後は徐々にAndroid全体広がり、親が子どものアプリ利用を管理するペアレンタルコントロールのFamily Linkなども含まれるようになった。

Googleのデジタルウェルビーイングアプリは、本来のDigital Wellbeingの枠組み以外にもある。その中には、スパム通知をメールボックスに放り込む、クロックをアンロックする、自分でデバイスをチェックしなくても重要な情報がプリントされるなどの機能がある。

Googleが開発したセッティングやコントロールのツールにも、YouTubeの視聴を休憩する、Gmailのオートメーション、Google Homeのダウンタイム時のセッティングなど、ウェルビーイング的なものがある。

Googleによるとフォーカスモードの新バージョンは本日ベータを終えて、デジタルウェルビーイングとペアレンタルコントロールをサポートしているすべてのデバイスへ展開中だ。具体的には、Android 9と10を搭載するスマートフォンが含まれる。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Google CEOのサンダー・ピチャイ氏が親会社AlphabetのCEOを兼任へ

Google(グーグル)の共同創業者であるLarry Page(ラリー・ペイジ)氏とSergey Brin(セルゲイ・ブリン)氏はGoogleのCEO、Sundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏がペイジ氏に替わってGoogleの親会社、AlphabetのCEOに就任すると発表した

ピチャイ氏は引き続きGoogleのCEOを続ける。これを機にブリン氏はAlphabetのプレジデントから退く。

Alphabetが 創立されたのは2015年で、当初は「Google本体とその他の賭け」を分離することことが目的だった。「その他の賭け」と呼ばれた諸企業には自動運転テクノロジーのWaymo、ライフサイエンスのVerily、バイオテックのCalico、都市開発のSidewalk、気球を利用した遠隔地のインタネット接続のLoonなどが含まれる。

GoogleのCEOにピチャイ氏が就任し、検索ビジネスの指揮を取るようになると、ペイジ氏は努力の中心をGoogleからAlphabetに移していった。ペイジ、ブリンの両氏は本日の発表で「AlphabetとGoogleはもはや2人のCEO、1人のプレジデントを必要としない。今後はサンダーがGoogleとAlphabet双方のCEOを兼ねる」と書いている。

ピチャイ氏はしばらく前からGoogleの顔として広く認識されているが、ページ氏、ブリン氏がグループの公的役職から去ることで指導力を一層高めることになるだろう。ピチャイ氏は声明で次のように述べた。

「私はAlphabetがテクノロジーを通じて世界の大きな問題の解決に取り組んできたことに強い感銘を受けてきた。新しい地位に就いた後も、引き続きラリー、サーゲイとともに働けるものと期待している。時を経ても変わらぬ使命、価値感、共同作業の文化は2人が築いたものだ。この基礎の上に更に新しい未来を築いていきたい」。

ピチャイ氏、ペイジ氏についてブリン氏は以下のようの書いている。

サンダーは謙虚さと我々のユーザー、パートナー、社員を日々益するようなテクノロジーへの強い情熱を強化した。スンダーはAlphabetの創立からGoogleのCEO、Alphabetの取締役などを通じ、我々と密接に15年間働いてきた。我々はAlphabetという組織と価値観を守り、テクノロジーを通じて大きな挑戦を続けていく能力に関してサンダーを全面的に信頼している。Alphabetの創立以來、スンダー以上に優れた人材を我々は知らない。サンダーはGoogleとAlphabet両社の未来を切り開いていくためにまさに理想的な選択だった。

またペイジ氏、ブリン氏は今回の動きをグループからの離脱ではなく、新たな段階と位置づけて「我々はこれまでもいわゆる管理職ではなかったし、今後もGoogleとAlphabetに深くコミットしていくことに変わりはない。特にグループの長期的ビジョンに関して、取締役会のメンバーとして、株主として、また共同創業者として積極的に関わっていくつもりだ」と述べた。

東部時間午後5時4分(日本時間12月4日午前7時4分)現在、Alphabetの株価は時間外取引で0.68%アップした。

画像:Alex Wong / Getty Images

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

アップルとグーグルの地図がロシアのクリミア併合を反映

国際政治というのはたいてい対応が難しいものだ。しかし対立の最中にあっても、地図や検索機能など公平なサービスを提供しようとする企業はどちらかの側につかなければならない。論争の的であるロシアによるウクライナからのクリミア併合に関しては、Apple(アップル)は少なくともロシアの肩をもつことにした。そしてGoogle(グーグル)もまたロシアの要望に沿う措置を取った。

黒海北部にある大きなクリミア半島は、クリミアを巡ってウクライナ国内が政治的に不穏な状態だった2014年にロシアの支配下に置かれた。世界のリーダーたちはこの動きについて「ロシアがウクライナの危機を利用するために故意的に扇動し、軍事力を持ってウクライナの主権を侵した」と表現した。

一連の動きについての議論はまだ続いている一方で(実際、動きそのものもある意味まだ続いている)、アップルやグーグルのような企業は地図アップデートのために、歴史の評価を待つだけの余裕はない。両社とも過去にはクリミアの都市をウクライナの一部として表記していた。しかしロシアが公に両社に苦情を入れ、クリミアをロシア以外の領土と表記することは犯罪行為ととらえられると警告した。そして、両社はロシアに譲歩した。

アップルの地図と天気のアプリはいま、ロシアから閲覧するとクリミアのロケーションをロシアの一部として表示する。ロシア当局は11月27日、「アップルは義務を果たした。アップル端末のアプリはロシアの法に則るものになった」と述べた。

もしあなたが米国から閲覧すると、アップル、グーグルともに中立的なスタンスのようなものを表示する。中立と呼ぶスタンスがあればの話だが。クリミア半島は、アップルとグーグルの地図ではロシアとしてもウクライナとしても表示されず、かなり特異な状態だ。

具体的には、Googleマップではクリミアとヘルソン州(ウクライナの州)の境の北部にははっきりとした線がある。これは他の州の間に引かれている線よりもずいぶん太い。境界線上のヘルソン州をクリックすると、説明とアウトラインが表示されるが、クリミア側をクリックすると何も表示されない。クリミアの都市をランダムにクリックすると、通常は国が表示されるところには何も書かれていない。

アップルとグーグルの地図では、通常はタマン湾をはさんで表示されるクリミアとロシアの境界線がない。湾をはさんだ片側はっきりとロシアの領土と表示されるが、もう片側は国の表示がない。

いつ、どのように地図に変更を加えることを決めたのか、私はグーグルとアップルにコメントを求めたので、返事があればアップデートする。両社とも、現地の法律を遵守しなければならないという事実によって決断を正当化することが考えられる。しかし、同じロケーションに2つの法律が存在している場合はどうなるのか。

アップデート:グーグルの広報は「我々は紛争地域を客観的に表示するよう務めている。Googleマップのローカル版があるところでは、名称や境界線の表示に関しては当地の法律に従う」と話した。

私の主張は、どちらかの肩をもつことではなく、アップルやグーグルのような企業がこうした状況にとても苦慮していて、そうした企業が提供する情報は完全なものでもなければ厳然たるものでもないということだ。今回のケースでは、場所によって異なる結果を表示し、国際的な懸念にもかかわらず特定の政府に譲歩し、論争を避けるためにサービスの一部を非機能的なものにした。

グローバル企業が提供するサービスで情報を調べるとき、心に留めておくべきことがある。それは、そうした企業は客観的なソースではないということだ。

画像クレジット:MLADEN ANTONOV/AFP/Getty Images / Getty Images

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)