新型コロナ需要で空前の成長をみせるInstacartが240億円調達

これまでにない成長をみせているInstacart(インスタカート)は、需要に対応するため新たに資金を調達した。サンフランシスコ拠点の同社は米国6月11日、DST GlobalとGeneral Catalystがリードするラウンドで2億2500万ドル(約240億円)を調達したと発表した。本ラウンドには既存投資家のD1 Capital Partnersも参加し、Instacartのバリュエーションは137億ドル(約1兆4600億円)になった。

Instacartの創業者でCEOのApoorva Mehta(アプオルワ・メフタ)氏の声明によると、調達した資金はショッパーとパートナーに投資し、広告事業と法人事業を打ち切る。そして顧客エクスペリエンスに注力する。また、顧客が時間通りにグローサリーを受け取れるよう、技術・オペレーションのインフラにも投資する。グローサリー注文は対前年比500%増となっている。

今回の調達ラウンドは、武器を所持していなかった黒人のGeorge Floyd(ジョージ・フロイド)氏が警察に殺害されたことを受けて人種問題の緊張が高まっている最中に行われた。フロイド氏の死亡から間をおかずして多くのテック企業がこの悲劇について意見を表明した。Instacartは「実行可能な変化をサポートするため」内部チームに100万ドル(約1億円)を投資する、とメフタ氏は先週ツイートした。100万ドルのうち50万ドル(約5000万円)は店舗内のショッパーとチームにあてられる。そして残りはEqual Justice Initiativeのような非営利組織に提供する。

Instacartのショッパーで活動家のVanessa Bain(ヴァネッサ・ベイン)氏の上記ツイートで言及されていた1000万ドル(約10億円)という数字は、ショッパーが引き続き独立請負業者と分類されるよう、無記名投票対策にInstacartが費やした総額だ。

消費者のためにグローサリーを買って届けるというサービスを独立請負業者にかなり頼っているInstacartは、ショッパーを250%近く増やす計画を発表した。同社のサービスは米国とカナダの3万店で利用可能だ。

Y Combinator卒業生のInstacartは、米国の世帯の85%、カナダの世帯70%超が同社のサービスを利用できるとしている。

新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックでは、同社のサービスは人々にグローサリーを届けるために命をかけて業務を行ったエッセンシャルワーカーによって、重要なものとなった。何百万という家庭がグローサリーストアに行き健康をリスクにさらすことなくグローサリーを入手するのにInstacartのプラットフォームを利用した。その間、同社は需要に対応するため多くのショッパーを雇用している。売上高が増え同社は初の黒字となった、とThe Informationは報道している。しかし急激すぎる成長の中で、多くのショッパーはInstacartとその運営方法に対し納得できずにいる。

ショッパーは何年間も、少なくとも2016年からInstacartに不満を募らせてきた。2016年に独立請負業者はチップ廃止をめぐってInstacartアプリのボイコットを行った。それ以来、独立請負業者と分類されるフルサービスのショッパーは絶えずInstacartに対し声をあげてきた。昨年10月にショッパーは、賃金アップとチップのデフォルト設定を少なくとも10%にするよう求めて抗議活動を行った。新型コロナパンデミック中には、安全を確保するための備品、報酬、疾病手当ポリシー延長を求めて全米でストを行った。これまでにInstacartは一部変更を加えたが、要求の多くはそのままだ。

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(翻訳:Mizoguchi

Instacartがショッパーの不満を受けてチップに関するポリシーを変更

Instacart(インスタカート)は米国時間6月5日、増加するショッパー(編集部注:顧客に買い物品を届ける人のこと)を「チップ釣り」から守るために、チップに関するポリシーを変更すると発表した。チップ釣りとは、顧客が多めのチップでショッパーを引きつけ、グローサリーを受け取った後にチップをゼロにするという酷い手法だ。新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックで人々が買い物に行けなくなってInstacartの需要が急増したのにともない、このチップ釣りが出てきた。

Instacartは、チップ釣りは稀で配達後のチップ削除はオーダー全体の0.5%に満たない、という。また、新型コロナパンデミックが始まってから、ショッパーへのチップの総額は倍増したとしている。しかしポリシーの変更は、同社のショッパーの待遇改善を示している。外出禁止令で人々が家にこもりグローサリーストアーに行かない間、ショッパーたちは重要な存在だった。

Instacartは現在、配達後にチップを削除する顧客にフィードバックを求めている。頻繁にチップを削除する顧客を利用不可にする、ともしている。加えて、チップ額を変更できる期間を3日から24時間に短縮する、と述べた。

チップ額を変更できる期間の短縮は、ショッパーが最終的なチップを待たなければならない時間を短くすることになる。

チップに関する変更に加え、Instacartは2019年に導入したキャッシュアウト機能をアップデートする。すぐにお金を必要としているショッパーのために、配達を完了した24時間後にチップを引き出せるようにする。同社はまた、Visaカードを使用しているショッパー向けに2020年7月末までキャッシュアウトの手数料を免除する。キャッシュアウト機能はカナダでも使えるようになる。

こうした措置の背景には、Instacartのショッパーたちが不満を募らせていることがある。同社は新型コロナパンデミックと外出禁止令による需要増大を受けて、ショッパーの数を250%近く増やす計画を発表した。そうしたアグレッシブな採用が火に油を注ぎ、アプリのバグやチップ釣り、感染を予防するためのキット配布の欠如など根本的な問題をInstacartは解決していない、と一部のショッパーは指摘する。

2020年3月に、ショッパーは待遇改善を求めてストライキを実行した。その中で、デフォルトのチップ割合を10%に戻すよう要求した。今回のポリシー変更にはチップ割合に関するものは含まれていない。デフォルトのチップ割合は5%だ。

新型コロナ禍において、ギグワーカーは必要不可欠な業務の担い手だ。Instacartがショッパーをそうした存在として扱おうとポリシーを変更するまでにかなり時間がかかった。

画像クレジット:Instacart

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(翻訳:Mizoguchi

買い物代行のInstacartが新型コロナに関する新ポリシーと25万人の新規雇用を発表

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大で外出が制限されているため、買い物代行のInstacart(インスタカート)は積極的な雇用を続けている。米国時間4月23日の発表によると、同社は消費者の需要に応え「1時間以内配達、即日配達」に戻すために、ショッパー(注文された品物を顧客に届ける人)を新たに25万人雇用すると発表した。

雇用の発表に加え、同社は新型コロナウイルスの疾病手当の拡大、パートタイムとフルタイムの両方のショッパーに対するボーナス、健康・安全キットに必要なショッパーのアプリ内チェックインなど、新しいポリシーも多数実施する。Instacartは、わずか1カ月でショッパーのネットワークを250%以上拡大する計画を発表したことになる。

2020年3月に同社は、既存の20万人に加え新たに30万人のフルタイムのショッパーを雇用すると発表していた。この目標は達成され、今回発表された分を追加するとショッパーのネットワークは75万人になる見込みだ。同社は4月前半に、ケアチームを1200人から3000人と2倍以上に増やすことも発表した。

Instacartの最近の雇用は、レイオフに見舞われる企業がある一方で必要なビジネスの需要は突出して増えていることを表している。積極的な雇用と新しいポリシーにより、Instacartのショッパーが最近訴えていた、顧客からの空前の需要によるストレスが多少緩和されるかもしれない。

3月にInstacartのショッパーの一部がストライキを決行し、個人用の防護装備、注文1件につき5ドル(約540円)の危険手当、デフォルトのチップの最少額の変更、既往歴がある人に対する疾病手当の拡大などを会社に対して要求した。

Instacartはこのうちいくつかの要求に応えた。3月に同社は疾病手当のポリシーの拡大と非接触支払いオプションの概略を説明した。また、ショッパーがもっと柔軟かつ迅速に配達に対応できるように新しい機能を導入した。

今回のInstacartの発表はショッパーと顧客に対する質の高いサービスを取り戻そうとするものだが、問題が起きたときの対処にはまだ改善の余地がある。先週、Instacartはコストコとの提携により処方薬の配達を開始すると発表した。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Kaori Koyama)

Instacartがコストコと提携し処方薬の配達を開始、数カ月内に全米で提供

オンライングローサリー配達のInstacart(インスタカート)は、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックによる需要の高まりを受け、Costco(コストコ)との提携を通じて処方薬配達サービスを開始する。

Instacartは4月16日、アリゾナ、カリフォルニア、デラウェア、フロリダ、イリノイ、ニューヨーク、ワシントン、ワシントンD.C.にある200店近くのコストコで配達サービスを提供すると明らかにした。このサービスは最初にカリフォルニア南部とワシントンのいくつかの店舗で試験展開され、数カ月内に全米に拡大するとのことだ。

オンライン処方サービスを利用している顧客は、処方薬の用意ができた時にコストコ薬局からテキストメッセージを受け取る。テキストには処方薬の配達の日時を選ぶリンクが含まれている。顧客がリンクをクリックすると、コストコのサイトにリダイレクトされる。そこで顧客は処方薬を確認し、またグローサリーや家庭用品をInstacartのコストコ配達オーダーに加えることができる。注文は、顧客の安全とプライバシーを確保するため、手が加えられないよう封かんされて配達される。

Instacartはまた、ほとんどの処方薬注文でコンタクトレス配達を提供する。Instacartのショッパーは、薬注文確認のための顧客IDをスキャンでき、サインは不要だ。顧客はまた、新しいサービスで最大1週間前に配達のスケジュールを組むこともできる。

新しいサービスは新型コロナ禍での需要を受けてのものだとInstacart社長のNilam Ganenthiran(ニラム・ガネンティラン)氏は述べた。

「多くの人にとって、グローサリー買い物には新鮮な農産物、肉、魚介類、貯蔵用食品だけでなく、かなり必要とされる医薬品の入手も含まれている」とガネンティラン氏は話した。

新型コロナ拡大でInstacartのグローサリーサービスに対する需要はうなぎ上りだ。同社が先週受けた注文は昨年同期比400%増だった。顧客が費やす額も増えている。顧客の買い物カゴの平均サイズ、つまり注文ごとにInstacartで使う総額は前月比25%増とのことだ。

需要増を受け、同社は3月1日以来マーケットプレイスに新たに150店舗近くを加え、さらに利用しやすいようにした。顧客の増加に対応するため、スタッフも増やしている。

Instacartは4月10日に「ケア」チームを1200人から3000人に倍増させたことを発表した。チームはInstacartの利用方法についての質問に答えたり、配達に関する問題などに対応したりする。

このスタッフ増強前の3月には、個人保護用品や危険手当の支給、チップのデフォルト設定、疾病手当の延長を求めるショッパーがストライキを行った。

画像クレジット: Instacart

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(翻訳:Mizoguchi

買い物代行のInstacartが空前の需要対応でサポートチームを倍増

新型コロナウイルス(COVID-19)による外出禁止を受け、Instacartはグローサリー配達サービスに対するこれまでにない需要に直面し、ショッパーや顧客、提携する小売店のサポートを強化する。

Instacartは4月10日、ケアチームのスタッフを1200人から3000人に倍増すると発表した。ケアチームはInstacartの仕組みや配達、住所間違い、そのほか一般的なトラブルなどについての質問に答えている。

このニュースの前に、Instacartのショッパーが先月、個人保護用品や危険手当、チップのデフォルト額アップ、疾病手当の拡大適用を求めてストライキを行った。

先週だけでも需要が対前年比で300%以上増えていて、Instacartは雇用を大幅に増やしている。先月の活動しているInstacartショッパーは35万人で、その2週間前の20万人から大幅に増加している。

そしてInstacartは、5月までにケアチームに加わる1万5000人を追加で採用し、契約したことも明らかにした。ケアチームのスタッフは総数1万8000人となる。

Instacartが新たに採用した人の一部は、観光・旅行業界で最近解雇された、経験のある人だ。

需要が増えるにつれショッパーにはこれまでになく負担がかかっていて、ケアチームは拡大するショッパーネットワークを正常に機能させるための同社の新たな試みのようだ。同社は先月、賃金ポリシーの拡大や非接触の支払いオプションを明らかにした。また、配達をよりフレキシブルに、そして早くすることを目的としたショッパーのための新機能も導入した。

今週初め、客による「チップ釣り」というひどい手法が発覚した。それは、アプリを通じての請求書に客は大きな額のチップを記載して、グローサリーをピックアップするようショッパーをおびき寄せる。そしてショッパーがグローサリーを届けた後に、客はチップを小額に、あるいはゼロにするというものだ。

グローサリーが届いてから3日後までチップの額を変更できるというのは、Instacartのアプリを通じて提供されているオプションだ。

Instacartによると「チップ釣り」はまれだ。注文の99.5%では、客はチップを上方に調整したり、全く調整しなかったりする。同社はまた、客が少なくとも最低額のチップを払うよう、客によるチップ入力部分から「チップなし」というオプションを削除した。

こうした機能のアップデートは好影響をもたらすだろうが、その一方でグローサリーが届けられた後に客がチップ額を変更することをInstacartはまだ禁止してはいない。チップは所詮、客次第のものであるため、新たなケアチームもまた「チップ釣り」からショッパーを守ることはできないだろう。

加えて、ショッパーはチップのデフォルト額をコロナ禍の間は10%にするよう求めているが、Instacartはチップ最低額を変更していない。

ケアチームの大量採用は「チップ釣り」ではなくサービス需要増に関係している、と同社は話している。

画像クレジット: Instacart

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(翻訳:Mizoguchi

買い物代行のInstacartもショッパーにマスク、消毒剤、体温計を配布へ

Instacart(インスタカート)はフルタイムで働くショッパー(Instacartで買い物品を顧客に届ける人のこと)への健康・安全キットの配布を開始する。同社は2日、キットにはフェイスマスク、手指消毒剤、体温計が含まれると明らかにした。

このキットは来週から無料でショッパーに提供される。Instacartによると、ショッパーはInstacartショッパー電子メールで登録してキットをリクエストできる。需要に対応するため、同社は毎日在庫をアップデートする。店内での買い物業務を担うショッパー向けには、それぞれの小売店舗のショッパーにフェイスマスクを提供する。

「手指消毒剤やフェイスマスクのような個人用保護品は入荷が遅れ、また世界的に品薄になっているが、それらをヘルスケアワーカーから奪うことなく積極的に確保するために当社のチームは昼夜問わず取り組んでいる」とInstacart会長のNilam Ganenthiran(ニラム・ガネンティラン)氏は声明で述べた。「グローサリーや日用品の入手で頼れる必須のサービスを我々は顧客に提供したい。その一方でInstacartのショッパーに安全でフレキシブルな収入の機会を提供する。新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が拡大するにつれ、今日の健康や安全のためのソリューションは、明日のために必須のものだ。当社のチームは、ショッパーコミュニティがこうした状況でも守られるよう、新しいサービスや機能を導入すべく素早く取り組んでいる」。

今回の発表は、一部のギグワーカーによるストライキが展開されている中でのものだ。3月27日、Instacartショッパーのグループはストライキの計画と同社が要求に応じるまで職場復帰しないと発表した。労働者に個人用保護品を無料で提供すること、オーダー1件あたり5ドル(約540円)の危険手当を上乗せすること、デフォルトのチップを10%にすること、疾病手当を新型コロナの影響を受けやすい持病を抱えている人にも適用すること、そうした福利厚生の資格申し込みの期限を4月8日以降に延ばすことを要求している。

これを受けInstacartは申し込み期限を延ばし、デフォルトのチップを顧客が払うチップ額に設定した。しかしこれでは十分でないとショッパーは話す。Mediumへの投稿の中で、労働者はInstacartの対応を「侮辱的」で「質の悪い冗談」と形容した。

「行動を起こすのにこんなに時間がかかるとは、まったく忌まわしい。しかしストライキがInstacartの行いを変えるのに効果的であることがわかったのは収穫だった」と投稿に書いた。

労働者への危険手当や新型コロナでかなりのリスクを負う人への支払いはまだだ。労働者に不穏な動きが広がる中で安全プロトコルを引き上げる企業はInstacartだけではない。Amazon(アマゾン)は、倉庫で働く従業員やWhole Foods(ホールフーズ)の従業員向けにサージカルマスク配布を開始すると明らかにした。

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(翻訳:Mizoguchi

ギグワーカーの活動家たちが仲間を支援する非営利団体を立ち上げる

著名な活動家ギグワーカーであるVanessa Bain氏(ヴァネッサ・ベイン)と、活動家仲間のSarah Clarke氏(サラ・クラーク、仮名)が作ったGig Workers Collectiveは目下、公益法人の登記を申請しているが、その望みは大きい。

「ギグワーカーが賃金カットなどの問題に遭遇したときの最初の相談窓口になりたい。ここに来れば安心という場所にしたい」とクラーク氏は本誌にそう語った。

同団体の計画は、ギグワーカーの公正な賃金と待遇改善を目指して戦い続けることだ。Instacartのショッパーでも、UberやLyftのドライバーあるいはPostmatesやDoorDashの配達員であっても、ギグワーカーが自分たちを効果的に組織化でき、苦情を申し立て、そして自分たちの権利代表者であれるようにしたい。

クラーク氏は「ヴァネッサと私はこれまで4年間、ギグワーカーのための団体を作ろうと努力してきた。週に40時間、ギグワーカーとして働きながらそのために活動してきた。団体活動に専念できたら、もっといろんなことができるだろう」と語る。

ベインとクラーク氏は数年間、いくつかのキャンペーンを主導してきた。最近のものは、Instacartに抗議する6日間の全国キャンペーンだ。2019年はチップや謝礼の扱いの改善を求める72時間のストライキを敢行した。

現在、同団体は5名のギグワーカーの役員と、同じく6名のギグワーカーの協力者で構成されている。

さらにクラーク氏は「資金があれば、お金がかかることもできる。今は何もかも、私たちのポケットマネーでまかなっている。適切な資金を得て、キャンペーンのワーカーたちに給与を払いたい」と話す。

というわけで、この若い団体の次のステップは資金の獲得だ。ただし紐付きの資金は困るため相手を選ぶのが難しい、という。

彼女によると、ワーカーファーストで考えないと何ごともうまく行かないそうだ。

関連記事: The year of the gig worker uprising…2019年はギグワーカーが起ち上がった年だ(未訳)

画像クレジット: The Washington Post/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Instacartが配達人のための賃金即座支払い機能を追加

Instacartは米国時間3月27日から、食品を配達する個人ショッパーが配達で稼いだ金を早く使えるようになる新機能を提供する、と発表した。この新機能Instant Cashoutは支払いプラットフォームStripeとの提携のもとに構築され、ショッパーがアプリで賃金をデビットカードに送れる。

これまでショッパーは賃金支払いを受けるまでに1週間ほど待たなければならなかった。その代わりInstant Cashoutでは、ショッパーはすぐさま支払いをデビットカードに送ることを選択できる。

Instacartによると、Instant Cashoutのセットアップには5分もかからない。セットアップすれば、ショッパーは毎日24時間いつでも好きな時にこの機能を使えるようになる。

この機能は今日からマサチューセッツ州ボストンやオレゴン州ベンドなどを含むいくつかの選ばれた都市でスタートする。今年6月までには全Instacartショッパーが使えるようになる見込みだ。

ショッパーは、自分が住むエリアでこの機能が利用可能になれば電子メールで通知を受ける、とInstacartは話している。

この機能は、過去数年のInstacartとショッパーとの不安定な関係をリセットしようとしている最中に導入される。

先月、Instacartは議論を巻き起こしたチップポリシーへの変更を破棄した。その変更では、ショッパーへの賃金を相殺するのに顧客のチップを使っていた。いくつかのケースでは、利用客がチップは賃金とは別にボーナスとしてショッパーに払われると信じてチップを支払いに上乗せしていたが、実際にはショッパーは本来よりも少ない額しか受け取っていなかった。というのも、かなりのチップがInstacartがショッパーに保証した最低支払いに使われていたからだ。

ショッパーからの反発を受け(そして集団訴訟の脅威から)、InstacartのCEOであるApoorva Mehta氏はチップポリシーがミスガイドであることを認めて謝罪し、今後はショッパーへのチップを会社が取るのはやめると話した。Instacartはまた、会社がとったチップをさかのぼって補償した。そして最低支払額を上げた。

ショッパーへの支払いをめぐる問題にInstacartが直面したのは、これが初めてではなかった。

Instacartはショッパーを独立契約者と過って分類して業務にかかる費用を支払わなかったとして集団訴訟を起こされ、2017年に460万ドルを支払うことで決着した。その結果、Instacartは多くの顧客がチップのことだと考えていたアプリ内のサービス料を説明する部分を変更しなければならなかった。

その前には、ショッパーからの苦情を受け、Instacartはコミッションにチップがすべて行くというオプションを削除した。

支払いに素早くアクセスできるようになるこの方法をほとんどのショッパーが歓迎するだろうが、これは本当に画期的な機能というわけではない。事実、Instacartは他のギグエコノミー事業者に追いついただけにすぎない。例えば、UberLyftPostmatesDoorDashはすでに即座の支払いを提供している。

この機能が開発中であることは数カ月前から噂になっていたので、今日の発表は一部の人にとっては大きなサプライズではないだろう。しかし、支払いをめぐる問題が続くようであればInstacartを見切ろうと考えていたショッパーを引き止めるのには役立つかもしれない。

訂正:この記事はInstacartがこのニュースを発表しようと計画していた3月28日に掲載されるところを、エラーのために今日3月27日に掲載された。Instacartの許可を得て記事はそのまま掲載された。

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(翻訳:Mizoguchi)

Instacart、米国全世帯の70%が利用できるように

2017年の終わり、Instacartは米国最大の食品小売の一つ、Krogerと提携を結んだ。それは、KrogerのチェーンRalphsとの契約という小さなものだった。

しかし今回Instacartは、Krogerとの提携を拡大する。新たにKrogerの75ものマーケットでInstacartのデリバリーが使えるようになり、これによりKrogerでのInstacart利用は全米で50%増えることが予想される。提携拡大は10月末までに完了し、Krogerの1600店舗超で利用可能となる。

こうした動きはAlbertsons、Aldi、Sam’s Club、そしてLoblawとの提携という、Instacartの勢いに乗ったものだ。

結果的に現在、全米世帯の70%がInstacartを利用できる状態にある。昨年、Instacartは2018年末までに全米世帯の80%に利用してもらえる状態にもっていきたいと抱負を語っていたが、最近の資金調達はこのスタートアップを目標達成に向けバックアップしているようだ。

2月、InstacartはCoatue ManagementやGlade Brook Capital Partners、そして既存の出資者から2億ドルを調達。これによりInstacartの企業価値は42億ドルとなった。

AmazonがWhole Foodsを買収して以来、Instacartはそれにチャレンジするという構図だった。しかし、多くの意味で、そのチャレンジは好機につながった。140億ドル近くの買収は、食品小売業界における急速な変化に拍車をかけた。オンラインでの食品購入とAmazonの配達に太刀打つために既存の小売に残されたのは、独自の配達プラットフォームを取得(または構築)するか、Instacartと提携するかという選択だった

Targetのようないくつかの小売は独自のプラットフォームを購入した。しかしAlbertsonsやSam’s Clubといった他の大手小売はWhole Foodsの買収後、Instacartとの提携に傾いた。

一連の動きを受け、結果的にInstacartの提携先は300以上にものぼり、Instacartを利用しての買い物客は今年、最高の5万人となった。

こうした成長が続けば、今後はInstacartがサービスの質をいかに維持するかが課題となる。しかし、Instacartはプラットフォームのテコ入れに向けて確実に手を打っている。サンフランシスコでピーク時の配達をPostmatesに手伝ってもらうという試みを始めた。

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(翻訳:Mizoguchi)

食料品配達のInstacartが4億ドル調達 ― バリュエーションは34億ドル

食料品配達を手がけるInstacartが約4億ドルの資金調達を完了したことが明らかとなった。今回のディールの内情に詳しい情報提供者によれば、バリュエーションは34億ドルとのこと。巨大な規模となった今回の資金調達の噂を最初に報じたのはAxiosだった。Instacartの幹部から今回の件についてコメントを得ることはできなかった。

過去数年間、サービス料金の引き上げと給料の引き下げを行ったInstacartは論争の的になっていた。同社のこれまでの累計調達金額は2億6000万ドルで、バリュエーションは20億ドルと報じられていた。

Instacartが前回の資金調達を終えたあと、同社の競合は行き詰まりを見せていた。例えば、Good Eggsは経営陣の刷新とレイオフをせざるを得ない状況に追い込まれてる。そして、インドでライドシェアリングサービスを提供するOlaは、同社の食料品配達サービスを完全にシャットダウンしている。

今のところ、Instacartのサービスを利用できるのはアメリカ国内のみに限られる。U.S Department of Agricultureの最新の調査によれば、アメリカの一般家庭では合計で年間7270億ドルの食料品が消費されているという。

InstacartのAporva Mehta氏

これまでにもTechCrunchでお伝えしたように、Instacartは単純にデリバリーサービスだけから収益を得ているわけではない。同社のサービスでは、食料品の値段に加えて、最寄りのストアでのピックアップと自宅までの配送(1時間以内で到着)のそれぞれの方法で配送料がかかる仕組みになっている。

しかし、Instacartはそれに加えて、消費者向けブランドを同社のプラットフォーム上で宣伝し、その代わりに彼らから広告料を受け取っている。従来の食料品店では、目のつきやすい棚に商品を並べる際にはブランドに料金を課しているが、それと同様の仕組みだといえる。

Bloombergによれば、本調達ラウンドをリードしたのはSequoia Capitalだ。InstacartはY Combinatorの「startup factory」から2012年に誕生したスタートアップ。Sequoiaの他にも、Andreessen Horowitz、KPCB、Whole Foodsなども同社に資本参加している。Whole Foods MarketsとCostCoのスーパーマーケットの中にはInstacart会員専用の特設エリアが設けられており、支払いをスピーディに終えることができる専用レジ「express lanes」も設置されている。

Instacartの競合となるのは、ShiptPostmatesStorePowerなどの企業だ。今回Instacartが巨額の資金調達を完了したことにより、これらの競合はプレッシャーを感じているのかもしれない。一方、Instacartは今回の資金調達によって競合を出し抜くチャンスが生まれたといえるだろう。

 

― 本稿では、Ryan Lawler氏がこの件の追加報道に協力をしてくれた。

宮崎県産の野菜を1時間で都内に届ける「VEGERY」が正式ローンチ、東京・根津にはリアル店舗も

ベジオベジコ代表取締役社長の平林聡一朗氏(左)とVEGEO VEGECO 根津店長の杉本恭佑氏(右)

ベジオベジコ代表取締役社長の平林聡一朗氏(左)とVEGEO VEGECO 根津店長の杉本恭佑氏(右)

TechCrunchの読者であれば、日用品のデリバリーサービスである「Instacart」については聞いたことがあるだろう。ユーザーがオンラインで注文した日用品を、Shopperと呼ばれるクラウドソーサーがスーパーで購入してユーザーのもとにすぐ届けてくれるサービスだ。また2016年には日本でもフードデリバリーサービスの「UberEATS」が上陸した。こちらもUberが集めたクラウドソーサーが、ユーザーの注文した飲食店の料理を自転車やバイクを使って届けてくれるというものだ。

これらのサービスは普段、クラウドソーシングのように余剰リソースを用いた「シェアリングエコノミー」という観点で語られることが多いが、もう1つ重要なのは、注文してすぐにモノを届けてくれるという「オンデマンド」を実現したデリバリーサービスであるということだ。今日はそんなオンデマンドなデリバリーサービスがスタートしたので紹介したい。ベジオベジコは1月13日、野菜を中心とした生鮮食品のデリバリーサービス「VEGERY」の正式サービスを開始した。App Storeより無料で専用アプリをダウンロードできる。

VEGERYは同社が直接契約した農家が生産する宮崎産の野菜を中心とした生鮮食品のデリバリーサービス。ユーザーがアプリ上で野菜を選択し、届けて欲しい時間帯(最短で約1時間)を選択すれば、同社のスタッフがその時間帯に自宅まで野菜を届けてくれるというもの。商品代に加えて390円の送料がかかる。

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「VEGERY」のアプリ。グッドパッチがUIを担当した

2016年11月からステルスでサービスを開始。サービスが好調だったことから(ノンプロモーションながら1カ月以内のリピート率が30%。毎週商品を買うユーザーが全体の25%。コンバージョン(ここではアプリを立ち上げて購入する割合を指す)は10%、単価で3000〜4000円という数字が出ているのだそう)本日正式なサービスローンチに至った。

ローンチ時点では約90種類の野菜および加工品を販売する。サービス提供エリアは渋谷区、世田谷区、港区、目黒区の一部のエリア。渋谷に自社の配送のセンターを立ち上げており、約15人のスタッフが、自転車やバイクで配送を行う体制を作った。4月をめどに都内23区をカバーし、Androidアプリもリリースする予定だという。

VEGERYのローンチにあわせて、東京・根津にリアル店舗(超オシャレな八百屋だ)「VEGEO VEGECO 根津」もオープンしている。また、B Dash Ventures、ドーガン・ベータ、宮崎太陽キャピタルからシードマネーを調達したことも明らかにしている。金額は非公開としているが、1億円程度とみられている。

ベジオベジコではこのシードマネーをもとに、都内の配送センターや宮崎での集配体制など物流オペレーションを自前で(ただし宮崎〜東京の配送については運送会社と提携)構築しているという。

ベジオベジコはECサイト構築などを手がけるアラタナと、同社が立ち上がった宮崎県の地元企業との合弁で2011年にスタートした会社(当時の社名は「あらたな村」)だ。代表取締役社長の平林聡一朗氏はアラタナのインターン経験を経て、3年前に代表に就任。VEGERYの前身である宮崎県産野菜の定期購入サービスを開始した。その後アラタナは2015年3月にスタートトゥデイの子会社となったが、そのタイミングで株式の一部をアラタナ代表取締役社長の濵渦伸次氏が個人で譲受。グループから独立して事業を展開してきた。

当初は「スムージー用の宮崎県産野菜」とうたい定期購入サービスを展開していたベジオベジコ。芸能人やモデルなども利用していたそうだが、よりスケール感のあるビジネスを検討した結果がこのVEGERYなのだそう。「日本はコンビニエンスストアもどこにでもあって便利だが、いざ東京で新鮮な野菜を買うのはなかなか難しい。宅配サービスもあるが時間がかかるし、欲しい野菜だけ買えない。Instacart的に『欲しいモノだけ1時間で届く』というサービスができないか考えていた」(平林氏)

ビジネスのスケールを考慮し、物流まわりのオペレーションも自前で整えた。実はデリバリーサービスの多くは、利益を出すのが非常に難しいという。原価率3割程度のピザの宅配ならまだしも、原価率6割、7割のネットスーパーでマネタイズしようとすると厳しくなる。スタートアップとしては大きな投資が必要となるが、将来的なスケールやコストを考慮し、自前で物流サービスを構築するというのが最良だと判断したという。

また、根津にオープンしたリアル店舗も今日から営業中だ。インテリアデザイン監修をワンダーウォールの片山正通氏、ロゴ等のキービジュアルをアートディレクターの平林奈緒美氏が担当した。リアル店舗はブランディングの意味合いも強いようだが、今後は店舗を拠点に配達エリアを拡大することなども検討しているという。

海外を見れば「Amazon Fresh」のような生鮮食品の即時デリバリーサービスも登場しているが、VEGERYではまず野菜の種類を拡充し、その後食肉など取り扱い領域を拡大していく予定だという。ベジオベジコでは当面の目標として月商1億円という数字を掲げている。

VEGEO VEGECO 根津の店内に並ぶ野菜

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人が集まるためのスペースのレンタルマーケットプレースPeerSpaceが早くもシリーズAで$5Mを調達しニューヨーク進出を目指す

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一時的な集会の会場を貸し借りするマーケットプレースPeerSpaceが創業1年ちょっとでシリーズAに到達、Foundation Capitalが率いるラウンドで500万ドルを調達した。これまでの投資家Structure Capitalも、このラウンドに参加した。

同社のやり方はAirbnbに似ているが、目的は個人のB&Bではなくて、複数の人が集まるスペースだ。古くからある貸し会議室やカンファレンス会場などでなく、そこらに適当に空いてる場所のクリエイティブな利用を目指す。

協同ファウンダのRony Chammasは曰く、“ユーザたちは、仕事を離れたお楽しみ会などをつまらない古めかしい施設でやるなんてうんざり、と言うね”。でもユニークな集会スペースのレンタルマーケットは、早くもコンペティタが出現している。

たとえばモントリオールのBreatherも、イベントや集会のためのクリエイティブなスペースを貸し借りするプラットホームだ。イスラエルのSplacerも、同様のマーケットプレースとして急成長している。この二社は今のところニューヨークに展開している。

PeerSpaceは1年あまり前に150万ドルのシード資金と80万ドルの借金で創業し、このプラットホームを開発してきた。するとすぐに、LinkedInやInstacart、General Assemblyなどなどの先輩スタートアップたちが集会スペースを予約するようになり、今では計700万ドルの資金を調達するまでになった。

PeerSpaceは創業地のサンフランシスコとロサンゼルスが主な市場で、同社によると、前四半期は70%の成長、3四半期の前年比では1000%近い成長を見た。

Chammasともう一人の協同ファウンダMatt Bendettは、今回の資金を、これまでの勢いを維持し、サービスをニューヨークにも展開するために使う、と言っている。ニューヨークと言えば、前述のSplacerやBreatherともろに競合することになる。

最終的には合衆国の主要都市すべてでPeerSpaceを利用できるようにしたい、と彼らは言っている。実質的にはすでにシアトルでは、やってるそうだ。PeerSpaceの社員はまだいないが、スペースのレンタルを提供している企業数社とは契約している。

同社はCOOとして、SquareからRusty von Waldburgをスカウトし、ロジスティクスという企業経営の重要な側面をやってもらうことにした。このほか取締役会には、元AirbnbのCFO Andrew Swainと、前述FoundationのPaul Hollandを招聘している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。