スマホで魚の餌やりを遠隔管理、水産養殖スタートアップのウミトロンに新プロダクト

水産養殖業が抱える課題の解決をめざすスタートアップのウミトロンは1月25日、新プロダクトの「UMITRON CELL」を発表。導入第一弾として、愛媛県愛南町の養殖現場への設置を開始したと発表した。

UMITRON CELLは、スマートフォンを活用して生簀(いけす)への餌やりを遠隔管理することができるスマート自動給餌機だ。生簀への餌やりは洋上で行うため、天候不良時には危険な環境下での作業となる。そのため、餌やりを遠隔管理できるCELLを利用すれば、作業員の労働環境の改善が見込める。ムダな餌やりを削減することは環境負荷の低減にもつながるだろう。また、作業員がもつ餌やりの量などのノウハウをデータ化することで、業務プロセスを体系化できたり、それを次の世代に伝承しやすいことなどもメリットの1つだ。

同社はこれまでにも、IoTにより餌やりを最適化するプロダクト「UmiGarden」を提供していたが、UmiGardenは給餌機と魚をモニタリングするカメラや魚群探知機が相互に通信するタイプであるのに対し、CELLはそれらの機能を一括して提供する一体型のプロダクトという点で異なる。ウミトロン代表取締役の山田雅彦氏によれば、これにより「システムの安定性、基本スペック向上による解析の自由度、電源供給量の増加」を実現したという。

ウミトロンはCELLの第二ロットの製造をすでに進めており、一般販売の計画を視野に入れながら実証実験のパートナーを広く募集中だ。

インターネット最悪の道具箱、Shodan Safariを使えばどんなデバイスにも侵入できる

何であれインターネットに長くつないでおけば、いずれ誰かにハックされる。

メーカーは相変わらずわかりきったパスワードを設定してデバイスを出荷しているのが現実だ。 デフォールト・パスワードの情報は簡単に手に入るので無数のデバイスに誰でも簡単にadminとしてログインできる。それどころかパスワードが設定されていないシステムも多い。

Shodan Safariをご存知だろうか? ゲーム半分、社会への鬱憤晴らし半分といったサイトだ。ハッカーはここにShodan検索エンジンで発見した最悪の情報を投稿して拡散しようとする。Shodanはインターネットに接続されているシステムをすべて検索するデータベースで、これ自体はセキュリティー専門家にも便利なツールだ。Shodanの巨大な検索エンジンはIoTデバイスであれサーバーであれ、インターネットを通じて接続可能なシステムを片っ端からクロールしてタグづけする。

Shodanが収集する情報には開いているポート番号も含まれる。このポートがオープンしているなら多分ウェブカメラだ。このヘッダーが返ってくればバックエンドはブラウザで閲覧可能だ。Shodanはこれらの情報によってデバイスの種類や機能を推定する。

Shodanで発見した報を交換するShodan Safariはインターネット版のゴミ捨て場漁りだ。

ここにカメラからルーターまで、病院のCTスキャナーから空港の危険物探知機まであらゆるシステムの情報がある。驚くと同時に憂鬱になる。こうしたシステムには悪意あるハッカーが自由に侵入できるのだ。

プールと付属トイレからマリファナの鉢、はてはヤギ小屋まである。

Shodanの情報を見れば恐怖を感じるだろう。インターネット上のあらゆる危険への窓だ。このフォーラムを通じて拡散されているのはデバイスのパスワードだけではない。2段階認証コードから有権者の投票履歴誰かが今晩ジムに行く予定までアップされている。もちろんデバイス関連がメインだ。上でも触れたようにCCTVカメラの情報は非常に多い。自動車のナンバープレート、スマートホーム・デバイス、大人のおもちゃ、等々。何かをインターネットに接続すれば、必ずShodanに捕捉されると思ってよい。

デバイスのメーカーに覚えておいてもらいたいのは、どうしても必要があるのでなければ、インターネット接続機能を付加するなということだ。

以下にいくつか最悪のリークの例を挙げておく。読者が興味ある発見をした場合は、zack.whittaker@techcrunch.comまでメールされたい。

エアコン. (スクリーンショット: Shodan)

 

アラバマの空港の気象カメラ (スクリーンショット: Shodan)

 

インドの銀行ウェブシステム (スクリーンショット: Shodan)

 

牛肉処理工場 (スクリーンショット: Shodan)

 

セントルイスの教会の鐘楼の鐘をコントロールするシステム (スクリーンショット: Shodan)

 

イタリアのバイオガス生産、処理プラント (スクリーンショット: Shodan)

 

トリ。ただトリを写すだけにカメラらしい。 スクリーンショット: Shodan via @Joshbal4)

 

ロサンゼルスの醸造工場 (スクリーンショット: Shodan)

 

劇場の映画のプロジェクターを動かすWindowsアプリ スクリーンショット: Shodan via @tacticalmaid)

 

オランダの漁船の機関室 (スクリーンショット: Shodan)

 

ロンドンのヒースロー空港ターミナル3の爆発物探知装置 (スクリーンショット: TechCrunch)

 

魚の水槽のコントロール・システム (スクリーンショット: Shodan)

 

コロラド州コロラド・スプリングスの花屋の環境システム (スクリーンショット: Shodan)

 

Tesla PowerPackのウェブUI (スクリーンショット: Shodan via @xd4rker)

 

Instagramの自動フォロー・ボット.(スクリーンショット: Shodan)

 

薬剤師のターミナル (スクリーンショット: Shodan)

 

テキサス州のPhil’s BBQレストランのビデオ・コントロール (スクリーンショット: Shodan)

 

Kodak Lotemプリンター (スクリーンショット: Shodan)

 

すでにハックずみ(リックロールされている)芝のスプリンクラー (スクリーンショット: Shodan)

 

亜硫酸ガス探知機 (スクリーンショット: Shodan)

 

膝関節リハビリ機. (スクリーンショット: Shodan)

 

サポートが終了しているのに今だに存在を続けるWindows XP (スクリーンショット: Shodan)

 

家庭用エクササイズ・マシン (スクリーンショット: Shodan)

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滑川海彦@Facebook Google+

スマートウォッチ開発のヴェルトがシチズンと資本業務提携、プラットフォームを共同開発

アナログ型スマートウォッチなどのウェアラブル製品・サービスを開発するスタートアップ、ヴェルトは1月21日、シチズン時計との資本業務提携を発表した。シチズンからの出資金額は約3億円で、ヴェルトが第三者割当増資により株式を発行する。

両社は提携により、スマートウォッチをはじめとしたIoT端末のためのプラットフォーム「Riiiver(リバー)」を共同開発する。Riiiverは、専用腕時計のほか、スマートフォン、タブレットなどとのデバイスにも対応。IoTデバイスを起点に「ヒト、モノ、コトを有機的に結び付けるマイクロコミュニティ」として、シチズンが2019年夏にサービス提供開始を予定している。

また、ヴェルトが2019年度中に発売予定のスマートウォッチ「VELDT LUXTURE(ヴェルト ラクスチュア)」の製造・販売の一部をシチズンが担当する。ディスプレイに画像で針を表示するタイプのスマートウォッチとは違い、VELDT LUXTUREは三針モデルのアナログ時計をベースに、文字盤上に間接照明型の光で情報を表示する、というデザイン性の高いモデルだ。VELDT LUXTUREはRiiiverに完全対応する予定だという。

ヴェルトは2012年8月の設立。針を持つアナログ型をベースにしながら、ネットと連動して情報を表示したりモバイル決済に対応したりする、スマートウォッチとしての機能を持つ「コネクテッドウォッチ」を開発・提供している。

ヴェルトではこれまで、2016年にアコード・ベンチャーズ、サイバーエージェント・ベンチャーズから資金調達を実施。2017年にはファストトラックイニシアティブ、Darma Tech Labsほか投資家から約1.6億円を調達している。

民泊向けIoT鍵受け渡しサービス運営Keycafeが資金調達

Keycafe Smartbox 端末

本社をカナダのバンクーバーに構え、民泊やシェアリングエコノミー向けの鍵受け渡しサービス「Keycafe Smartbox」を運営・販売するKeycafeは1月21日、トヨタ自動車などが出資する未来創生2号ファンドを含む複数の投資家から資金を調達したと発表。出資金額は非公開とされている。

IoT鍵受け渡し端末のKeycafe Smartboxは主に民泊やカーシェアリングなどのシェアエコ関連サービスのユーザーに使われており、遠隔かつ無人での鍵の受け渡しを可能にしている。

利用方法はとても簡単だ。まず鍵のオーナーはアカウント登録し、アカウントに管理する鍵を追加。その上で近くのKeycafe設置場所へ行き、鍵に専用のキーホルダーを付けてSmartBoxに預ける。

ユーザーはアクセス権を付与された後、メールもしくはショートメッセージにてSmartboxの設置場所とアクセスコード、店舗の営業時間を受信。鍵を受け取りに行く。ユーザーはアクセス権を付与された後、メールもしくはショートメッセージにてSmartboxの設置場所とアクセスコード、店舗の営業時間を受信。鍵を受け取りに行く。

なお鍵の受領・返却時には自動的にオーナーにメールが送信される。

同サービスは北米・欧州・アジアを含む世界800ヵ所以上で展開。日本国内では現在、コンビニのやカフェなどの店舗を中心に東京・大阪・福岡・那覇など45ヵ所に展開されているが、今後も更に設置店舗を増やす予定だ。

同社は1つのアカウントで複数の鍵を管理できる、宿泊施設や不動産管理向けのサービス、また、日本の住宅宿泊事業法で必要とされる本人確認・宿泊台帳に対応しており、 鍵の受け渡しを行う前に本人確認やパスポート情報をゲストから入手して宿泊施設のチェックイン無人化・省力化を実現するサービスも開発・運営している。

Keycafeアジア太平洋地域代表・日本法人社長の小河内亮氏いわく、同社には不動産事業者やビル管理業者からの問い合わせも多いのだという。そのため、Keycafe Smartboxを「多様な事業者により使いやすい」サービスに進化させるべく、同社は調達した資金をもとにサービスおよび端末の開発、 そして世界展開を加速させていく予定だ。

相席屋アプリで性別・年代別分布をリアルタイム把握、QRコードの波が婚活にも!

セクションエイトは1月17日、「相席屋」の公式アプリ「Ai」の機能強化を発表した。主な機能強化としては、性別・年代別の来店人数のリアルタイム表示、ポイントシステムの自動化の2つ。相席屋とは1月17日現在で470万人のマッチングを実現している同社運営の婚活応援居酒屋。

リアルタイム男女別来店人数イメージ

性別・年代別の来店人数のリアルタイム表示とは、来客者の性別と年代を各店舗の座席表とともに表示する機能。「今、相席できるか」「どんな年代が来店しているか」がひと目でわかるという。さらに、各店舗の来客者の年代分布の傾向を1週間ぶん知ることもできる。

リアルタイム男女別来店者年代割合イメージ

相席屋は立地場所や時間帯によって客層が異なることも多く、残念な気持ちになることがあるが、今後は行き当たりばったりではなく自分の目的に合った店舗をピンポイントで探せる。性別と年齢の確認は、ユーザーがこれらの情報を事前登録したAiアプリのQRコードを表示させて、店舗の端末にかざしてもらうことでを取得し、店舗の相席管理システムに飛ばす仕組みだ。

来店時にQRコードを読み取ることで年齢や年代のデータを取得

アプリをインストールしていない来客者については、どの卓にどの年代の人がいて何分相席しているかといったデータを、スタッフが相席管理システムに入力しているそうだ。

ポイントシステムの自動化については、従来はビーコンを使ってポイントを付与していた店舗もあったが、正確に読み込めなかったり、ビーコン(Bluetooth Low Energy)の特性から、来店しなくても近くを通っただけで付与されるという問題があった。今回の改良で、アプリで表示したQRコードをハンディスキャナーで読み取ることで付与、使用できるようにしたという。アプリには年齢確認情報も反映されるため、来店ごとのID確認が不要になるメリットもある。

相席屋で貯めたポイントはネットマイル経由で、Tポイントなどに交換可能

ポイントは来店時に100ポイント以上付与されるだけでなく、友達紹介で50ポイント以上、店内イベントで100ポイント以上、誕生日にはなんと500ポイントが貯まる。さらに相席屋のポイントは、ネットマイルに1ポイント=1マイルで移行可能で、ネットマイル経由でTポイント(200マイル=100ポイント)やdポイント(500マイル=250ポイント)に交換できる。

相席屋の入店条件は写真付きの公的証明書を来店時に提示できる20歳以上の男女。相席時の一人当たりの料金は、30分間の飲み放題&食べ放題で、平日は税別1500円、金土と祝日前日は税別1800円。それ以降は1人あたり10分単位で、平日は税別500円、金土と祝日前日は税別600円が追加チャージされる仕組みだ。店舗では席替えカードを使った席の移動も可能なほか、マッチングした相手とはアプリ経由のチャットも可能だ。

相席屋アプリで性別・年代別分布をリアルタイム把握、QRコードの波が婚活にも!

セクションエイトは1月17日、「相席屋」の公式アプリ「Ai」の機能強化を発表した。主な機能強化としては、性別・年代別の来店人数のリアルタイム表示、ポイントシステムの自動化の2つ。相席屋とは1月17日現在で470万人のマッチングを実現している同社運営の婚活応援居酒屋。

リアルタイム男女別来店人数イメージ

性別・年代別の来店人数のリアルタイム表示とは、来客者の性別と年代を各店舗の座席表とともに表示する機能。「今、相席できるか」「どんな年代が来店しているか」がひと目でわかるという。さらに、各店舗の来客者の年代分布の傾向を1週間ぶん知ることもできる。

リアルタイム男女別来店者年代割合イメージ

相席屋は立地場所や時間帯によって客層が異なることも多く、残念な気持ちになることがあるが、今後は行き当たりばったりではなく自分の目的に合った店舗をピンポイントで探せる。性別と年齢の確認は、ユーザーがこれらの情報を事前登録したAiアプリのQRコードを表示させて、店舗の端末にかざしてもらうことでを取得し、店舗の相席管理システムに飛ばす仕組みだ。

来店時にQRコードを読み取ることで年齢や年代のデータを取得

アプリをインストールしていない来客者については、どの卓にどの年代の人がいて何分相席しているかといったデータを、スタッフが相席管理システムに入力しているそうだ。

ポイントシステムの自動化については、従来はビーコンを使ってポイントを付与していた店舗もあったが、正確に読み込めなかったり、ビーコン(Bluetooth Low Energy)の特性から、来店しなくても近くを通っただけで付与されるという問題があった。今回の改良で、アプリで表示したQRコードをハンディスキャナーで読み取ることで付与、使用できるようにしたという。アプリには年齢確認情報も反映されるため、来店ごとのID確認が不要になるメリットもある。

相席屋で貯めたポイントはネットマイル経由で、Tポイントなどに交換可能

ポイントは来店時に100ポイント以上付与されるだけでなく、友達紹介で50ポイント以上、店内イベントで100ポイント以上、誕生日にはなんと500ポイントが貯まる。さらに相席屋のポイントは、ネットマイルに1ポイント=1マイルで移行可能で、ネットマイル経由でTポイント(200マイル=100ポイント)やdポイント(500マイル=250ポイント)に交換できる。

相席屋の入店条件は写真付きの公的証明書を来店時に提示できる20歳以上の男女。相席時の一人当たりの料金は、30分間の飲み放題&食べ放題で、平日は税別1500円、金土と祝日前日は税別1800円。それ以降は1人あたり10分単位で、平日は税別500円、金土と祝日前日は税別600円が追加チャージされる仕組みだ。店舗では席替えカードを使った席の移動も可能なほか、マッチングした相手とはアプリ経由のチャットも可能だ。

このカスタマイズ可能な「寄生虫」を使って、詮索好きなスマートスピーカーからコントロールを奪い返そう

インターネットに接続された機器を別の機器の上に置くと何が起きるだろう?「カスタマイズ可能な『寄生虫』」Aliasの場合には、より多くのコントロールを手にすることができる。これは2人のデザイナー、BjørnKarmannとTore Knudsenによって作られた、スマートスピーカーに被せる形のIoTプロジェクトだ。

このラズベリーパイが搭載されたキノコ状デバイスの役割は、いつでも聞き耳を立てているAmazon Alexa(もしくはGooge Home)が、間違って家の中を詮索しないように、その耳へ甘いナンセンスをささやき続けることだ。

Bjørn KarmannによるプロジェクトAliasVimeo

Aliasはそれ自身のウェイクコマンドを聞いたときにのみ、寄生先のスピーカーへのノイズ供給を停止する。

仲介するIoTデバイスは自身のローカルニューラルネットワークを持っていて、オーナーはコンパニオンアプリのトレーニングインターフェイスを通して、自分が好きな名前(もしくは音)をそのデバイスに割り当てることができる。

オープンソースであるTensorFlowライブラリが、名前トレーニングコンポーネントに使用された。

ということで、市販のスマートスピーカーと話すために「Alexa」とか「Ok Google」と喋る代わりに、ウェイクワードをどのようなものにするかを選べるようになる。そうすることで、基本的にプライバシーに対して侵害的な技術に対して多少のコントロールを取り戻すことができるのだ(AmazonやGoogleのブランドネームを家の中で連呼する必要はなくなるし、第三者による悪ふざけの呼びかけにも強くなる。また偶然盗聴されてしまうこともなくなる)。

つまり、Alexaの名前を”Bezosallseeingeye”(Bezosのいつでも見張っている目)に変更したり、Googleホームを”Carelesswhispers”(不注意な囁き)と呼ぶことができるということだ。どうぞお好きなように。

Aliasはそのカスタムウェイクコマンドを聞くと、寄生先スピーカーへのノイズの供給を停止する。こうすることで、その下にあるスマートアシスタントが、通常通りコマンドを聞き取り応答することができるようになる。

「私たちは、冬虫夏草菌やウイルスたちが、自分の目的を果たすために如何に昆虫たちを適切にコントロールするのかを観察したことに触発されて、スマートホームシステムに対する私たちの寄生虫を作り出したのです」と、KarmannとKnudsenはプロジェクトの説明を書き記している。「そのため私たちは、より多くのパワーをデザイナーたちからプロダクトのエンドユーザーたちに与えることを通して、メイカーカルチャーがスマートホームテクノロジーと私たちの関係をどのように再定義してくれるかを示すために、プロジェクトAliasを始めたのです」。

AliasはIoTの豊かでクリエイティブな未来を垣間見せてくれる。ユニークでありながら、なお強力なコネクテッドテクノロジープロダクトを生み出す手段が、安価で手に入り易くなっているからだ。

そして完全にはあきらめたくはない人のために、IoTのプライバシー問題に対する部分的な解も与えてくれるものとなるだろう(とはいえ、セキュリティの観点からは、カスタムかつ制御可能なIoTが増えるほど、ハッキング可能な界面も増える。それは念頭に置いておくべき要素である。よりしっかりとしたプライバシーにむけてのカスタムコントロールは、かならずしも堅牢なデバイスセキュリティと噛み合うとは限らないのだ)。

もし自分用の「Alexa惑わしデバイス」を手に入れたい場合には、デザイナー2人が工作手順書を用意済であり、ソースコードはGitHubにアップロード済みである。あとは手を動かすだけだ。

プロジェクトAliasはもちろん、広告ターゲッティングなどを含むユーザーの興味の対象に関する洞察を音声コマンドから収集する、スマートアシスタントの根本的な追跡問題の解決策ではない。

そのためには、適切なプライバシー規制、もしくは…なんと言うかホストシステムに侵入してユーザーデータへのアクセスを阻止する新しい種類のソフトウェアウイルスが必要になるだろう。だがその種の技術は、今回紹介したクリエイティブな物理的IoTアドオンとは異なり、合法的なものではないだろう。

[原文へ]
(翻訳:sako)

スマホ不要の迎車「タクシーダッシュボタン」が新潟・宮城・沖縄で運用開始

モバイル・コマース・ソリューションは116日、スマホやパソコン、電話を使わずにタクシーを呼べるタクシー配車用IoTデバイス「タクシーダッシュボタン」の製品化を発表した。高齢者を中心とした電話によるタクシー配車依頼を円滑化するほか、タクシー会社の配車受付(電話応対)の負担軽減を目指すという。

タクシーダッシュボタン

タクシーダッシュボタンが導入されたのは、つばめタクシー(新潟県)、タクシーのぱんぷきん(宮城県)、北部観光タクシー(沖縄県)、つきしろ交通(沖縄県)。

本製品はSIMを内蔵しているので、Wi-Fi回線がない場所でも利用できるほか、通信設定の必要がないのも特徴だ。高齢者向けに音声案内や液晶での文字案内などを設けているほか、ダブルクリックなどがないシンプルなボタン操作を実現している。なお、電源は専用のACアダプターから供給する。

ボタンを押すだけで迎車依頼が完了

使い方は簡単で、タクシーダッシュボタンの電源を入れ、1もしくは2のボタンを押すだけ。1、2ボタンには、自宅や行きつけの病院など迎車場所を登録可能で、液晶画面にはタクシーの到着時間や号車番号が表示される。迎車場所は、利用者が申込書に住所をご記入することでタクシー会社側で登録・設定する。なお、タクシー料金は現地での支払いとなる。

タクシー会社での受け付けフロー

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Baidu Cloudがエッジコンピューティングのためのプラットホームをオープンソースで立ち上げ

中国のテクノロジー大手BaiduがCESで、オープンソースのエッジコンピューティングプラットホームOpenEdgeを発表した。それは同社の既存の商用プロダクトBaidu Intelligent Edge(BIE)のローカルパッケージ部位で、当然ながらそのサービス部位との相性は良く、共にエッジのノードやアプリケーションの管理を行なう。

これは言うまでもなくデベロッパー向けの発表だから、Baiduがそのリリースの場として、消費者製品の大会であるCESを選んだ理由はよく分からないが、でも中国のテクノロジー大企業が今やオープンソースの手練になってることは、疑う余地がない。それらBaidu, Alibaba, Tencentなどの企業はLinux Foundationの会員であることも多く、多くの堅固なプロジェクトを育てている。また主要なオープンソース企業たちも、今では中国を成長市場と見なしている。だからその中国で今、自分のプロジェクトをオープンソースにする企業が増えているのも、自然な成り行きなのだ。

Baidu CloudのVPでGMのWatson Yinは次のように述べる: “エッジコンピューティングはBaiduのABC(AI, Big Data, Cloud Computing)の重要な部位である。コンピュートをデータソースの近くに移すことによって、レイテンシーを大幅に減らし、帯域の無駄遣いもなくなり、エンドユーザーにリアルタイムで没入的な体験を届けることができる。またそれをオープンソースのプラットホームにすれば、デベロッパーが自分独自のエッジコンピューティングアプリケーションを作る過程が、大幅に単純化される”。

また同社のスポークスパーソンによると、そのオープンソースプラットホームにはデータ収集、メッセージ配布、AIの推論などの機能が含まれ、クラウドとシンクするためのツールもある。

Baiduは今日(米国時間1/9)さらに、同社がIntelとパートナーしてBIE-AI-Boxをローンチ、またNXP SemiconductorsとパートナーしてBIE-AI-Boardをローンチすることを発表した。Boxは車載ビデオの分析用、一方Boardはカメラやドローン、ロボットなどのアプリケーションで使える小型のボードだ。

CES 2019 coverage - TechCrunch

画像クレジット: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Lenovo、80ドルのGoogle Assitant対応アラームクロックを今春発売へ

AmazonのEcho Spot——枕元に置くフルカラーディスプレイ付き音声入力対応アシスタント——のアイデアは好きだが、AlexaよりもGoogle Assistantの方がいい、という人にとって選択肢は限られていた。

スマートフォンをドックに挿すことはできるが、同じとは言えない。Google Home Hubは、限られた場所に置くナイトスタンドとしてはちょっと大きすぎる。

Smart Home at CES 2019 - TechCrunch

そこに目をつけたLenovoがSmart Clockを作った——80ドルのGoogle Assistant内蔵ベッドサイド用デバイスだ。

前面の480×800タッチスクリーンには、時計のほか天気などの情報を表示できる。Googleカレンダーと同期させれば、ふだんの目覚まし時計の時刻を変更する必要があるとき事前に知らせてくれる。

音楽を聞くための小さなスピーカーを内蔵し、背面には他のデバイスを充電するためのUSBポートがある。全体はソフトなグレイの布地で覆われていて、どんなGoogle Homeデバイスともマッチするだけでなく、80ドルのデバイスとは思えないおしゃれな外観だ。

もちろんGoogle Assistantを中心に据えているので、音声制御オートメーションからテレビのリモコン操作までGoogle Homeでできることはなんでもこなす。

Echo Spotと異なり、Lenovoのクロックには内蔵カメラがない——ベッドルームで使うことを考えると、おそらく懸命な判断だ。

今春出荷予定だとGoogleは言っている。

CES 2019 coverage - TechCrunch

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Shiftallがスマホと冷蔵庫を連動させたクラフトビール自動補充サービスを発表

Shiftallは1月7日、自社開発の専用冷蔵庫と組み合わせたクラフトビールの自動補充サービス「DrinkShift(ドリンクシフト)」を発表した。これで夜中に「ビールがない!」と騒ぐ必要がなくなるが、飲み過ぎにはくれぐれも注意してほしい。

同サービスは日本時間1月9日から開催される「CES 2019」の 「J-Startup」パビリオン内で展示される。サービスは2019年開始予定だ。

DrinkShiftはスマホアプリと専用冷蔵庫を連動させることでビールの残数を計測、かつユーザーの飲むペースを学習することで、お気に入りのビールを的確なタイミングで自宅やオフィスに届ける。冷蔵庫とサーバー側アプリが連動し、配送日数・消費ペース・残数を計算。「ビールを切らすことがないタイミング」で追加のビール・セットを自動で発送する。

ユーザーはアプリで好きな銘柄のビールからなるセットを設定。ビールは国内外のクラフトビールを中心とした多数の銘柄を取り揃える予定だ。配送されるビールはアプリから都度変更することも可能なほか、プリセットされたビール・セットを選ぶこともできる。またShiftallでは個人の消費傾向を分析し「利用者ごと異なるおすすめセットを提供する」ことも予定している。

内容量は上段2本、下段12本。上段は冷蔵機能付きのショーケースとなっており、お気に入りのビールを展示するとともにグラスを冷やしておくことも可能だ。

サイズは315(幅)×434(奥行)×783mm(高)。専用冷蔵庫はキッチンではなく、書斎やリビングに置くことを想定しており、冷却方式は静音のペルチェ方式を採用、比較的コンパクトなサイズとなっている。

ShiftallはIoTメーカーCerevoから独立した新会社で、2018年4月2日にパナソニックが全株式を所得。Shiftallの代表取締役CEOは元Cerevo創業者の岩佐琢磨氏が務めている。

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ライブ配信可能なモータースポーツ向けセンシングデバイス「ZECH-1」

Cerevo(セレボ)は、走行状況をセンサーで捉えて可視化したデータとカメラ映像をリアルタイム合成しライブ配信できる、ストリーミング機能付きモータースポーツ向けセンシングデバイス「ZECH-1」(ゼックワン)を発表した。

ストリーミング機能付きモータースポーツ向けセンシングデバイス「ZECH-1」(ゼックワン)

2019年夏ごろの発売となり、価格は10万円程度を予定している。ZECH-1は、同社のスポーツ用品ブランド「XON」(エックスオン)の新たなラインアップとして加わる。

四輪レース車両に取り付け、OBD-IIコネクターに接続して使用

ZECH-1は、四輪レース車両の走行データを計測するセンシング機能に加え、XONシリーズ製品として初のライブ配信機能を搭載。走行データを記録するだけのデータロガーとは異なり、本体でリアルタイムに可視化情報を生成し、直接ライブ配信することで、走行データを活用してチームメンバーがリアルタイムに分析できるライブテレメトリ機能を搭載しているのが特徴。

撮影中の映像上に計測データをオーバーレイ表示可能

ライブ配信は、解像度が最大1080/60pで、3G/LTE回線を利用する。撮影中の映像上に計測データをオーバーレイさせた状態で共有できる点にも注目だ。

本体には6軸センサーやGPSを搭載しており、走行中の位置や速度に加えて加速度、角速度、車両の状態などのデータを配信できるほか、SDカードへの記録も可能だ。

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    ストリーミング機能付きモータースポーツ向けセンシングデバイス「ZECH-1」(ゼックワン)
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Cerevoが限定10台で1500万円のセンサー内蔵ロードバイクを発表

Cerevo(セレボ)は、同社のスポーツ用品ブランド「XON」(エックスオン)ラインの製品として、金属3Dプリンター出力したセンサー内蔵の高級IoTロードバイク「ORBITREC」(オービトレック)の生産数を世界10台限定と決定、トータルサービスを含めた価格を1500万円(14万ドル)と設定した。正式な受注開始は2019年内を予定している。

センサー内蔵の高級IoTロードバイク「ORBITREC」(オービトレック)

ORBITRECのオーナーになると、全身をくまなく採寸するために日本に招待される。採寸した数値を基にフレームを設計し、金属3Dプリンターで製造。唯一無にのロードバイクが最短約1カ月で完成する。ORBITRECの製造完了に合わせてオーナーを再度日本に招待して納車するそうだ。

「ORBITREC」は、デザイナーである柳澤郷司氏のデザインユニット「Triple Bottom Line」とDMM.make AKIBA、ABBALabが共同で開発したロードバイクフレームのコンセプトモデル「DFM01」を発展させた製品。オーナーの体に最適なジオメトリを実現するオーダーメイド・フレームを「ハンドメイドの精度」と「量産品の品質基準」で製作するため、チタン焼結型3Dプリント技術とカーボンファイバーチューブを組み合わせた構造となっているのが特徴だ。Cerevoによると、本格的なレースで使える軽量オーダーメイド・フレームとのこと。

Bluetooth接続されたスマートフォンの専用アプリ経由で通信

フレームダウンチューブに各種センサーを内蔵しており、走行中の精密なログを取得・分析できる機能も搭載する。スマホ連携スマート・サイクルデバイス「RIDE-1」(ライド・ワン)から取得したビッグデータを解析し、ライディングがより安全で楽しくなる情報をフィードバックする専用解析サーバを併せて開発したとのこと。ORBITRECとRIDE-1は、Bluetooth接続されたスマートフォンの専用アプリ経由で通信する。

具体的には、9軸センサー(加速度・角速度・地磁気)、温度、気圧、照度、GPSを搭載。走行中の場所や速度といった基本的な情報に加え、傾きや衝撃などフレームの状態も取得する。GPSによる走行ログと組み合わせることで、過去の走行履歴を車体のさまざまな情報とともに振り返り、分析できるという。

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Cerevoが限定10台で1500万円のセンサー内蔵ロードバイクを発表

センサー内蔵の高級IoTロードバイク「ORBITREC」

Cerevo(セレボ)は、同社のスポーツ用品ブランド「XON」(エックスオン)ラインの製品として、金属3Dプリンター出力したセンサー内蔵の高級IoTロードバイク「ORBITREC」(オービトレック)」の生産数を世界10台限定と決定、トータルサービスを含めた価格を1500万円(14万ドル)と設定した。正式な受注開始は2019年内を予定しているとのこと。

ORBITRECのオーナーになると、全身をくまなく採寸するために日本に招待される。採寸した数値を基にフレームを設計し、金属3Dプリンターで製造。唯一無にのロードバイクが最短約1カ月で完成する。ORBITRECの製造完了に合わせてオーナーを再度日本に招待して納車するとのこと。

「ORBITREC」は、デザイナーである柳澤郷司氏のデザインユニット「Triple Bottom Line」とDMM.make AKIBA、ABBALabが共同で開発したロードバイクフレームのコンセプトモデル「DFM01」を発展させた製品。オーナーの体に最適なジオメトリを実現するオーダーメイド・フレームを「ハンドメイドの精度」と「量産品の品質基準」で製作するため、チタン焼結型3Dプリント技術とカーボンファイバーチューブを組み合わせた構造となっているのが特徴だ。Cerevoによると、本格的なレースで使える軽量オーダーメイド・フレームとのこと。

Bluetooth接続されたスマートフォンの専用アプリ経由で通信

フレームダウンチューブに各種センサーを内蔵しており、走行中の精密なログを取得・分析できる機能も搭載する。スマホ連携スマート・サイクルデバイス「RIDE-1」(ライド・ワン)から取得したビッグデータを解析し、ライディングがより安全で楽しくなる情報をフィードバックする専用解析サーバを併せて開発したとのこと。ORBITRECとRIDE-1は、Bluetooth接続されたスマートフォンの専用アプリ経由で通信する。

具体的には、9軸センサー(加速度・角速度・地磁気)、温度、気圧、照度、GPSを搭載。走行中の場所や速度といった基本的な情報に加え、傾きや衝撃などフレームの状態も取得する。GPSによる走行ログと組み合わせることで、過去の走行履歴を車体のさまざまな情報とともに振り返り、分析できるという。

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  4. ORBITREC

    ORBITREC
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  8. XON SKI-1

    XON SKI-1

キッチンエイドもGoogleスマートディスプレイを発売

いや、これは理にかなっている、たぶん。キッチンは以前から、メーカーがこの種のスマートスクリーンの使いどころとして注目していた場所だ。だったら、キッチン用品メーカーのKitchenAid/Whirlpoolがその流れに乗ろうとするのは不思議ではない。

KitchenAid Smart Displayというシンプルな名前の製品は標準的なスマートスクリーンのように見える——Lenovo製品のデザインからいくつかヒントを得たと思わせる外観(ただしベゼルは異様に広い)。

しかし大きな差別化要因は、Yummly、同社が2年前に買収したレシピ検索エンジンだ。これとGoogle Assitantが組んだことで、レシピとクックングガイドが、10インチ防水ディスプレイの中心に据えられている。

正直なところ、KitchenAidブランドのデバイスを、たとえば、Google Home Hubをさしおいて選ぶ理由はおそらくない——たとえキッチン専用に使うつもりでも。しかし、KitchenAidが売り方さえ間違えなければ(Target、Lower’sなどのホーム/キッチンストアなど)、かなりの数を動かすことができるだろう。

Whirlpoolは新しいProバージョンのYummlyもCESでデビューさせ、カーラ・ホール、リチャード・ブレイズ、ジェット・ティラ、ダニエル・ホルツマンといったプロのシェフたちの技を同プラットフォームに取り込んでいる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

IoT時代の授乳室「mamaro」が新たに10箇所に導入

授乳室・オムツ交換台検索アプリ「Baby map」など育児関連のサービス開発を行っているTrim。Trimとの包括的業務提携契約を2017年3月に締結し、自治体に特化したサービスを展開するホープは12月27日、Trimが開発・運営を行っている設置型授乳室「mamaro」が新たに10箇所に導入され、合計で20施設に設置されたと発表した。

mamaroの自治体への導入提案はTrimとの提携に基づきホープが行っており、両社は協力して事業の全国展開を進めている。

mamaroは「手軽に設置」「安心・清潔」「コンテンツ配信」が特徴の設置型授乳室。授乳やおむつ交換などの際に赤ちゃんをケアできる完全個室の授乳室で、折りたたんだベビーカーも持ち込み可能なほどの広々とした個室となっている。

従来の施設との違いはIoT時代の「スマートな授乳施設」である点だ。Baby mapアプリから空き状況が見えるほか、不正利用を感知するセンサーを内蔵しているので不正利用を検知した際にはアラートがでる。ホープによると「安心して授乳できる環境が十分に整っておらず、トイレや更衣室を授乳室として利用する保護者の方が多く、空きスペースに簡易間仕切りで囲った仮設の授乳室で対応している自治体もあった」という。そのため施設を利用する住民や職員からの改善要望の声も多く、今回新たに10施設への施設に導入が決定した。

なお設置型授乳室には「mamaroView」というデジタルサイネージのメディアが搭載されており、施設案内など導入企業のオリジナルコンテンツを配信することが可能だ。

ホープは社会問題である「授乳室不足」の解消を目的とし、上記のとおり2017年3月よりmamaroの自治体への導入促進を行ってきた。

ホープによると「安心して授乳できる環境が十分に整っておらず、トイレや更衣室を授乳室として利用する保護者の方が多く、空きスペースに簡易間仕切りで囲った仮設の授乳室で対応している自治体もあった」という。そのため施設を利用する住民や職員からの改善要望の声も多く、今回新たに10施設への施設に導入が決定した。

mamaroが設置されている施設は以下のとおり。今後もさらに多くの施設に導入されることを期待したい。

ウミトロンがチチカカ湖でサーモントラウト向けIoTプロジェクト開始

Peru-Lake-TIticaca水産養殖に取り組むスタートアップ企業であるウミトロン(UMITRON)は12月4日、ペルーの大手信用組合であるAbacoとその子会社のPiscisとともに、米州開発銀行(IDB)グループのIDB Labから総額2.3億円のプロジェクト資金の獲得を発表した。

この資金を利用して、ペルーのチチカカ湖にお けるサーモントラウト養殖の効率化に取り組む。このプロジェクトは、ウミトロンのテクノロジーが地域経済の活性化と養殖環境の持続可能性の改善に繋がるとの期待からIDB Labによる支援が決定したとのこと。

Trout-salmon琵琶湖の12倍のスケールを誇るチチカカ湖は、年間を通した安定的な気候と水資源の豊富さから、ペルーにおけるサーモントラウト生産地として発展している。世界的なサーモントラウトに需要により、チチカカ湖での生産量は2016年に10万トン、2030年には22万トンを上回るペースで増加すると予測されているそうだ。

sdrしかし現在、チチカカ湖で養殖は人の手で日々餌やりをしているほか、餌代がコスト全体の70%を占めているという。また、水産養殖を持続可能な産業として継続させて行くには過給餌による環境負荷を低減させることが重要。ここでウミトロンのシステムを活用することで、ペルーの生産者はスマートフォンにインストールしたアプリを通して魚の観察や餌やりが可能になるとのこと。

同社は、IoT、衛星リモートセンシング、AIをはじめとした技術を利用して「UmiGarden」と呼ばれるシステムを提供しており、これを導入することでスマホでの魚の観察や餌やりが可能になる。これらの作業はすべてログに記録され、最適な給餌を学習していく仕組みだ。

世界的なサケ、マスの需要逼迫もあり、漁業を安定した産業として持続させるには養殖技術の進化や作業の効率化は急務。ウミトロンのシステムが今後ペルーでどのように貢献するのか、今後の展開にも注目したい。

中国JD.com、“スマート”小売体験提供でインテルとタッグ

中国JD.comは数カ月前にGoogleから5億5000万ドルもの資金を調達したが、アリババに次いで中国第二位のインベンターであるこの企業は、新たに別の米国テック大企業とタッグを組む。インテルだ。

JDとインテルは今日共同で、IoTテクノロジーを小売プロセスに持ち込むことに主眼を置いた“ラボ”を立ち上げると発表した。ここでの開発には新世代の自動販売機や広告体験などが含まれるようだ。

将来はほとんどオフラインーまたは中国のテック業界にいわせると、“オンラインからオフライン”ーだが、eコマースのメリットを実在店舗での買い物体験に合体させる。たとえば、客は店に来る前に注文しておいて店舗にはピックアップだけに来たり、レジ精算なしに商品を購入したり、“スマート棚”の恩恵を受けたり、購入する前に実在店舗でお試ししたり、といったことがすでにできる。

実際、TechCrunchは最近、北京にあるJDの“7Fresh”ストア旗艦店を訪れ、同社がとっているハイブリッドアプローチについてレポートした。

中国インターネット大企業Tencentが後ろ盾になっているJDの企業価値は300億ドル近くだ。JDはすでにパーソナライズされた買い物体験についてインテルと協業を始めているが、今回のラボは新プロジェクトをさらに進め、“グローバルマーケットへの導入を促進する”のにフォーカスする。

「デジタル化小売ジョイントラボは、インテルのアーキテクチャーを用いて次世代の自動販売機やメディア/広告ソリューション、将来の店舗で使われるテクノロジーを開発する」と2社は共同声明で述べている。

JDは現在、中国国内で7Freshを3店展開しているが、このネットワークを30店に拡大することをねらっている。また海外にもすでに進出していて、今年インドネシアでレジなし店舗を立ち上げるなど、東南アジアで事業展開している。

イメージクレジット: jonrussell Flickr(Image has been modified)

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(翻訳:Mizoguchi)

ラズベリーパイより簡単にIoT電子工作ができる「obniz」が1億円を調達、コンセプトは“ハードウェアのAPI化”

数年前、3Dプリンターやレーザーカッターなどが普及することで“製造業の民主化”が実現するという「メイカーズムーブメント」が大きな話題を呼んだ。

技術革新によって製造コストが大幅に削減されただけでなく、クラウドファンディングのように資金と顧客を募れる仕組みが登場したことで“おもしろいアイデアと熱量”を持った個人が、思いのままにものづくりにチャレンジできる環境が整い始めている。

今回紹介する「obniz(オブナイズ)」が目指している世界観もメイカーズの文化に近いかもしれない。このプロダクトが叶えてくれるのは「電子工作をやってみたい、IoTプロダクトを作ってみたい」というロマンだ。

詳しくは後述するけれど、クラウドサービスと専用の組み込みデバイスによってさまざまな電子部品をインターネット経由で、あらゆるプログラム言語で操作できるのが特徴。電子工作やIoT機器の開発ハードルを下げ、高度な専門知識のない人でもその魅力を体験できる仕組みを提供する。

そんなobnizを開発するのはCambrianRobotics(カンブリアンロボティクス)という日本のスタートアップ。小学生の頃からマイコンやパソコンのプログラムをやっていたという2人のエンジニアが立ち上げたチームだ。

同社は11月22日、UTECを引受先とする第三者割当増資により約1億円を調達したことを明らかにした。

JavaScriptで電子工作が可能に、面倒な初期設定は不要

上述した通り、obnizは“インターネットと連携して動くもの”を簡単に作れるサービスだ。

写真にあるブルーの組み込みデバイスをWifiに接続した状態でセンサーやモーターといった部品に繋げば、それらの部品をインターネット(API)経由であらゆるプログラム言語から操作できるようになる。

実際に使い始めるまでの工程はわずか3ステップ。まずはobnizをWifiにつなぎ、使いたいモーターなどを接続する。あとはスマホからobnizに表示されるQRコードを読み込み、表示されたプログラムを実行するだけ。IoT機器を作ってスマートホーム化に挑戦したり、ラジコンやロボットを作ったりいろいろと応用の幅も広い。

最大の特徴はそのハードルの低さだ。

obnizの場合、組み込みデバイスに接続されたモーターやセンサーを操作するのに必要なのは、ブラウザでプログラムを書いて実行するだけ。従来IoTプロダクトを開発する際に高い壁となっていた「組み込みデバイスにおけるファームウェアの作成(ハードウェアを制御するソフトウェア)」を必要としない。

SDKを使えばJavaScriptから利用が可能。obnizにつないだリアルな部品をHTMLの中で“プログラム上のオブジェクト”として扱えるようになる。

全くの初心者であってもブロックプログラムを通じて簡単な操作を実行することができる上に、専用のアプリも不要で複雑な環境構築で行き詰まる心配もない。

kickstarterのプロジェクトを経て(160万円以上を集めることに成功)2018年5月より開発ボードの販売をスタート。1台の価格は5980円で、すでに2000台以上の販売実績があるという。

エンジニアが趣味でIoT機器の電子工作をする際や教育用のコンテンツとして活用されるケースが多いそう。obnizが電子工作デビューというユーザーも一定数いて、中にはプログラミング未経験ながら挑戦する人もいるようだ。

何か動くものを自作したいとなった場合、今であればArduino(アルディーノ)やRaspberry Pi(ラズベリーパイ)が代表的な選択肢にあがるだろう。obnizは両者では少しハードルが高いと感じる層のユーザーにもリーチしていきたい考え。使いやすさと作れるものの幅が広い点をウリに「グローバルにおいて、動くものを作る際の選択肢として1番最初に想起されるような存在を目指したい」という。

また個人だけでなく企業におけるPoC(概念実証)などプロトタイプ作成や、IoTへの導入目的でも使われ始めている。具体的には遠隔地のデータ収集や装置の監視などでの利用が考えられ、とある装置の故障予知を目的とした実証実験も企業と計画しているとのことだ。

コンセプトは「ハードウェアのAPI化」

そもそもobnizはどのような背景で生まれたのか。CambrianRobotics創業者でCEOの佐藤雄紀氏によると、IoT開発の壁をなくし「すべてのエンジニア、個人が自由にIoTを作れるようにする」という思いが根本にあるようだ。

IoTプロダクトの開発にはその性質上、ハードウェアとソフトウェア、そしてネットワークなど複数の領域に関する知見と開発スキルが必要とされ、それが大きな障壁となってきた。特に難点となっていたのがファームウェアの開発だ。

「スマホアプリで言えばiOSとAndroidがあって、iOSアプリはAndroidの機種では動かない。それと同じようなことがいろいろな世界で起きていて、組み込みの世界における小さなコンピューターにおいても同様だ。メーカーが違えばiOSとAndroidぐらいの違いがあるため、同じ電子部品を使う際にもソフトを書き換える必要がある」(佐藤氏)

佐藤氏によると、一般的には使うセンサーや装置が変わるごとにファームウェアを書き直す必要があるそう。しかも「(そこで動くようなソフトは)LinuxやMacやiOSのように洗練されたシステムと違って、機械言語に近いレベルで書かないといけない」ため、できる人が限られているのだという。

「IoTを進めたい場合には必ずそういったエンジニアの力が必要になるが、そもそも人材が足りない。また回路やその上で動くファームウェアには詳しくても、クラウドに繋ぐためのネットワークの知識は別の領域になるので、余計に難易度があがる」(佐藤氏)

そんな状況を打破するために開発したobnizのコンセプトは“ハードウェア(電子部品)のAPI化”だ。

それこそ今ではさまざまなWebサービスがAPIを公開している。たとえば天気の情報を取得したいような場合、該当するAPIの使い方さえわかれば、詳しい知識がなくとも欲しい情報を取ることができる。ハードウェアにおいても同じような仕組みがあるべきだというのがobnizの考え方だ。

「たとえ温度に関するデータの取り方を知らなかったとしても、APIがわかっていることで、どんなエンジニアでもその情報を使える。そのような環境を整えていければ、電子工作やIoTが初めてのエンジニアもチャレンジしやすくなるし、企業でのIoT活用も進められると考えている」(佐藤氏)

電子工作にチャレンジしたいユーザーを後押しできるプロダクトへ

写真左からCambrianRobotics共同創業者でCEOの佐藤雄紀氏、同じく共同創業者の木戸康平氏

CambrianRoboticsの創業は2014年。佐藤氏と共同創業者の木戸康平氏は早稲田大学総合機械工学科の同級生。学生時代には他の友人も含めて起業し「papelook」という1000万DL超えの画像加工アプリの開発に携わった。

その後佐藤氏はスポットライト(連続起業家の柴田陽氏が創業、2013年に楽天により買収)にジョインし、ポイントサービス「スマポ」のiOSアプリや超音波ビーコン、超音波プロトコルの設計や開発を担当。高校時代からロボコンなどに関わっていたという木戸氏はpapelookで一緒に活動した後、大学院を経てKDDIで働いた。

そんな2人が再び合流して立ち上げたのがCambrianRoboticsというわけだ。

同社では今回調達した資金を活用して、開発やテクニカルセールスを中心とした人材採用を進めるほか、国内外でのマーケティングにも力を入れる方針。現在はプログラミング教育などコンシューマー向けのプロダクトを強化していて、ロボットやセンサーなどをセットにしたAIロボットキット、IoTホームキットの準備も進めている(クラウドファンディングのMakuakeで先行販売中)。

「もちろん今まで回路に携わっていたような人が便利に使えるツールでもあるが、回路などの知識がないWebエンジニアの人が『ハードにも挑戦してみたい』と思った時に、それを後押しできるようなプロダクトにしていきたい」(木戸氏)

「(個人法人問わず)obnizがあったからIoTを始められたという声がいろんな所から出てくるような、そんなプロダクトを目指したい」(佐藤氏)

ニューモデルRaspberry Pi 3 Model A+はコンパクトで強力なRaspberry Pi

Raspberry Pi Foundationが、新しい機種を発表した。そのRaspberry Pi 3 Model A+は、基本的にはRaspberry Piの中心的機種Bシリーズの、回路基板を小さくしたものだ。定価は25ドルで、Raspberry Pi 3 Model B+よりも10ドル安い。

機種についての記述は少々ややこしいが、しばらくご辛抱を。最良のRaspberry Piをお求めなら、3 Model B+を買うべきだ。それはプロセッサーが1.4GHzのARMv8クワドコアで、Wi-Fi, Bluetooth, Ethernet(最大300Mbps), USB 2.0, そしてHDMIがある。

今度のPi 3 Model A+は小型の機種のようで、Model B+の利点の多くを備えていて仕様も似ているが、RAMは1GBではなく512MB、ポートはUSB 2.0のみでEthernetポートはない。

しかし大量のRAMもEthernetも要らないニーズなら、それ自身としては実にまともなミニコンピューターだ。前にRaspberry Piで遊んだ人が見ても、最近のモデルは長足の進歩を遂げている。相当ヘビーなタスクでもこなせる、強力なプロセッサーだ。

たしかに、ビデオのトランスコードや大きな圧縮ファイルの解凍、ゲームのエミュレーションなどはラップトップの方が速いかもしれないが、24/7動きっぱなしのファンのないコンピューターなら、ほかにもっと安いのはない。Dockerはその上で快調に動くから、コンテナを使った方がメンテナンスは楽だろう。

もっと厳しい場所でRaspberry Piを使いたいなら、スリムなデザインで低電力型のRaspberry Pi Zeroが良い。ただしかなり遅い。Raspberry Pi Foundationは、同じ機種が必要なユーザーのために古い機種も売っている。でもそれらを買うことは、あまりお勧めしない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa