ハッカーLapsus$はOkta侵入前にSitelのパスワード一覧にアクセスしていた

TechCrunchが確認したまだ報じられていないコンピューター侵入の新たな詳細をつづっている文書によると、Lapsus$のハッカーは2022年1月に顧客サービス大手Sitel(サイテル)のネットワークに侵入し、その数日後に認証大手Okta(オクタ)の内部システムにアクセスするのに漏洩した認証情報を使用した。

ハッカー集団Lapsus$が約2カ月前にOktaの内部アプリとシステムにアクセスしていたことを明らかにするスクリーンショットを公開し、顧客は3月22日にOktaの1月のセキュリティ侵害を知った。Oktaはブログ投稿で侵害を認め、その後、同社の法人顧客のうち366社、つまり顧客ベースの約2.5%が侵害の影響を受けていることを認めた。

今回の文書は、Sitelの侵害に関するこれまでで最も詳細な説明で、これによりハッカーは後にOktaのネットワークにアクセスすることができた。

Oktaは、シングルサインオンプロバイダーとして、世界中の数千の組織や政府機関に利用されており、従業員はメールアカウントやアプリケーション、データベースなど、企業の内部システムに安全にアクセスできるようになっている。

独立系セキュリティ研究者のBill Demirkapi(ビル・デマーカピ)氏が入手し、TechCrunchと共有した文書には、ハッカーが最初にSitelのネットワークに侵入してから1週間以上経った1月25日に送られたSitelの顧客とのやり取りや、インシデント対応企業Mandiant(マンディアント)がまとめた3月17日付のSitel侵入に関する詳しいタイムライン(Oktaと共有されたもの)などが含まれている。

文書によると、Sitelは2021年に買収したOktaの顧客サービス会社Sykesが所有する古いネットワーク上のVPNゲートウェイでセキュリティインシデントを発見したという。VPN(仮想プライベートネットワーク)は、企業のネットワークにリモートアクセスするために悪用される可能性があるため、しばしば攻撃者のターゲットとなる。

タイムラインには、攻撃者がリモートアクセスサービスと一般公開されているハッキングツールを使用してSitelのネットワークを侵害して入り込み、Lapsus$がアクセスできた5日間にネットワークへの可視性を深めていった様子が詳細に記されている。Sitelは、自社のAzureクラウドインフラも侵害されたと述べた。

タイムラインによると、ハッカーは1月21日未明にSitelの内部ネットワーク上の「DomAdmins-LastPass.xlsx」と呼ばれるスプレッドシートにアクセスした。このファイル名からして、スプレッドシートにはSitel従業員のLastPassパスワードマネージャーからエクスポートされたドメイン管理者アカウントのパスワードが含まれていることがうかがえる。

約5時間後、ハッカーは新しいSykesユーザーアカウントを作成し、組織への幅広いアクセスを持つ「テナント管理者」と呼ばれるユーザーグループにそのアカウントを追加し、後に発見されてロックアウトされた場合にハッカーが使用できるSitelのネットワークへの「バックドア」アカウントを作成したと思われる。Oktaのタイムラインによると、Lapsus$のハッカーはほぼ同時期にOktaのネットワークに侵入していたようだ。

タイムラインでは、ハッカーが最後にSitelのネットワークにアクセスしたのは1月21日午後2時(協定世界時)で、パスワードのスプレッドシートにアクセスしてから約14時間後だった。Sitelは攻撃者を締め出そうと、全社的にパスワードのリセットを行った。

Oktaは3月17日付のMandiantの報告書を受け取った後、Sitelの侵害についてもっと早く顧客に警告しなかったことで批判にさらされている。同社の最高セキュリティ責任者David Bradbury(デイビッド・ブラッドベリー)氏は、同社が「その意味を理解するためにもっと迅速に行動すべきだった」と述べた。

本稿掲載前に連絡を取った際、Oktaはコメントできなかった。SitelとMandiantは記事の内容に異論はなかったが、コメントを控えた。

Oktaはここ数カ月でLapsus$ハッキング・恐喝グループに狙われたいくつかの有名企業の1社にすぎない。Lapsus$グループは、12月にブラジルの保健省を標的にしたサイバー攻撃で同国民のワクチン接種情報など50テラバイト分のデータを盗み出し、ハッキングシーンに初めて登場した。それ以来、このグループはポルトガル語圏の企業数社Samsung(サムスン)、NVIDIA(エヌビディア)、Microsoft(マイクロソフト)、Oktaなどのテック大手を標的とし、Telegramチャンネルの数万人の購読者にアクセスや盗んだデータを売り込み、一方で被害者の盗んだファイルを公開しない代わりにしばしば変わった要求を突きつけてきた。

英国の警察は先週、事件に関連する7人を逮捕したと発表したが、いずれも16歳から21歳の若者だった。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

マイクロソフト、クラウドでゲームを構築する仮想マシン「Azure Game Development VM」を提供開始

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間3月23日、サンフランシスコで開催されているGame Developers Conference(GDC)において「Azure Game Development Virtual Machine」をローンチしたことを発表した。Unreal Engine、Perforce Helix Core、Parsec、Incredibuild、Blender、HPのリモートデスクトッププラットフォームTeradiciなどとの提携により、Microsoftのクラウドプラットフォームは、数分でセットアップできるゲーム開発ワークステーションをクラウド上で提供するようになった。この新しいVMは現在、パブリックプレビューが開始されている。

Microsoftによれば、ゲームスタジオは、デフォルトで構築されたワークステーションからスタートし、これをベースイメージとして、Azureの使い方に習熟するにつれてカスタマイズしていくことができるという。また、同社は、この最初のイテレーションをベースに、時間をかけて新しいツールを追加し、パートナーネットワークとの統合を深めていく予定だ。

Microsoft Azure担当主席ソフトウェアエンジニアのBen Humphrey(ベン・ハンフリー)氏は、23日の発表でこう述べている。「Microsoftでは、ゲームクリエイターにとってAzureが最適の選択肢となり、クラウドの利点を活用していただけるよう、取り組みの強化に注力しています」。

この開発ワークフローの中核となるのが、バージョン管理システム「Perforce Helix Core」と、デフォルトのCI/CDソリューション「Azure DevOps」である。

画像クレジット:Microsoft

Microsoftは、このようなシステムがあれば、 分散型ゲーム開発チームの仕事がいっそう便利になると主張している。特化したローカルハードウェアが不要になるだけでなく、チームが一元化されたサーバーから作業することが可能になるからだ。

新しい仮想マシンに加えて、MicrosoftはGDCの発表で、プラットフォームに依存しないAzure PlayFabサービスの新機能を発表した。新しいリアルタイム通知、マルチプレイヤーセッションを管理する新しい「PlayFab Lobby Service」、さらにそのまんまなネーミングで「PlayFab User Generated Content」と呼ばれる、ユーザー作成コンテンツをゲームに統合する新サービスも発表している。

ネーミングについてさらに話すと「ID@Azure」はエンタープライズグレードのID管理システムのように聞こえるかもしれないが、これは「クラウドでゲーム開発を加速させる」ための同社のプログラムで、本日ベータ版が公開された。これは無料のプログラムで、ゲーム開発者は例えばPlayFabの無料プランにアクセスできる他、追加のサポートやツールにアクセスできる。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Den Nakano)

マイクロソフトにハッカーが不正侵入、BingとCortanaのソースコードを公開

Microsoft(マイクロソフト)は、ハッキンググループLapsus$による不正侵入を明らかにした。

Lapsus$がBing、Bing Maps、Cortanaのソースコードの一部を含むtorrent(トレント)ファイルを投稿した数時間後、Microsoftは米国時間3月22日のブログ投稿で、従業員1人のアカウントがハッキンググループによって侵害され、攻撃者がMicrosoftのシステムに「限定アクセス」して同社のソースコードを盗んだことを発表した。

Microsoftによると、顧客のコードやデータは漏洩していない。

「当社のサイバーセキュリティ対応チームは、侵害されたアカウントを修復し、さらなる不正活動を防止するために迅速に取り組みました」と同社は述べた。「Microsoftはセキュリティ対策としてコードの機密性に依存しておらず、ソースコードの閲覧がリスク上昇につながることはありません。この不正行為者が侵入を公表したとき、当社のチームはすでに脅威情報に基づき、侵入されたアカウントを調査していました。今回の公開により当社の行動はエスカレートし、当社のチームは介入して操作の途中で中断させることができ、より大きな影響を抑えることができました」。

Microsoftは、アカウントがどのように侵害されたのか詳細を共有していないが、同社の脅威インテリジェンスセンター(MSTIC)が複数回の攻撃で確認したLapsus$グループの戦術、テクニック、手順についての概要を提供した。当初、Lapsus$の攻撃は南米と英国の組織を標的としていたが、その後世界の政府機関やテクノロジー、通信、メディア、小売、ヘルスケア分野の企業へとターゲットを拡大した。

Microsoftによると、同社がDEV-0537として追跡しているLapsus$は「純粋な強奪と破壊のモデル」で活動し、他のハッキンググループとは異なり「痕跡を隠さない」という。これは、このグループが標的型攻撃を実行するために、企業の内部関係者を公募しているためのようだ。Lapsus$は組織への最初のアクセスを得るために多くの方法を使用し、通常ユーザーのIDとアカウントを侵害することに重点を置いている。標的とする組織の従業員をリクルートするだけでなく、ダークウェブフォーラムから認証情報を購入したり、公開されている認証情報のリポジトリを検索したり、パスワードを盗み出すRedlineを展開するなどの方法を取っている。

Lapsus$はそうして漏洩した認証情報を使用して、仮想プライベートネットワーク、リモートデスクトップインフラ、Okta(オクタ)のようなID管理サービスなど、標的企業のインターネットに面したデバイスやシステムへアクセスする。このハッキンググループは1月にOktaへの侵入に成功している。Microsoftによると、Lapsus$は少なくとも1件の侵害において、組織へのログインに必要な多要素認証(MFA)コードにアクセスしようと、従業員の電話番号とテキストメッセージを制御するためにSIMスワップ攻撃を行った。

ネットワークにアクセスした後、Lapsus$はより高い権限や幅広いアクセス権を持つ従業員を見つけるために一般公開されているツールを使って組織のユーザーアカウントを探り、Jira、Slack、Microsoft Teamsなどの開発・コラボレーションプラットフォームを標的にし、さらに認証情報を盗み出す。また、ハッキンググループはMicrosoftへの攻撃と同様、GitLab、GitHub、Azure DevOpsのソースコードリポジトリへのアクセスを得るためにこれらの認証情報を使用する。

「DEV-0537が組織のヘルプデスクに電話をかけて、サポート担当者に特権アカウントの認証情報をリセットするよう説得しようとするケースもありました」とMicrosoftは付け加えた。「このグループは、事前に収集した情報(例えばプロフィール写真)を使用し、ネイティブの英語を話す人物にヘルプデスク担当者と会話させ、ソーシャルエンジニアリングの誘惑を強化しました」。

Lapsus$一味は、既知の仮想プライベートサーバ(VPS)プロバイダに専用インフラを設置し、消費者向け仮想プライベートネットワークサービスNordVPNを活用してデータを流出させる。ネットワーク検出ツールの起動を避けるために、ターゲットに地理的に近いローカルのVPNサーバーを使用することさえある。盗まれたデータは、将来の恐喝に使用されるか、一般公開される。

ハッキンググループLapsus$は、NVIDIA(エヌビディア)やSamsung(サムスン)を含む多くの有名企業を危険にさらし、ここ数週間でその名を知られるようになった。今週初めにはOktaの内部システムのスクリーンショットが投稿され、Oktaが最新の被害者であることが明らかになった。OktaはLapsus$がサードパーティのカスタマーサポートエンジニアを危険にさらしての情報漏洩であることを認め、1万5000の顧客の約2.5%に影響を与えたと説明した。

1月の5日間の間に発生したこの侵害について、Oktaが顧客に今まで通知しなかった理由は今のところ不明だ。

画像クレジット:Jaap Arriens / NurPhoto / Getty Images

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(文:Carly Page、翻訳:Nariko Mizoguchi

マイクロソフトがZ-Codeを使ってAI翻訳サービスを改善

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間3月22日、同社の翻訳サービスを改訂したことを発表した。新しい機械学習技法によって、多数の言語間における翻訳が著しく改善されるという。「spare Mixture of Expert(Mixture of Expertを出し惜しみする)」アプローチを使用するという同社のProject Z-Code(プロジェクト・ズィー・コード)を基盤とする新モデルは、盲検法評価で同社の以前のモデルより3~15%高いスコアを記録した。Z-CodeはMicrosoftのXYZ-Codeイニシアチブの一環で、複数の言語を横断してテキスト、視覚、音声を組み合わせることによって、これまで以上に強力で有効なAIシステムを作る。

「Mixture of Experts」はまったく新しい技法というわけではないが、翻訳の場面では特に有効だ。システムはまず、タスクを複数のサブタスクに分割し、それぞれを「expert(エキスパート)」と呼ばれるより小さい特化したモデルに委譲する。次に、どのタスクをどのexpertに委譲するかを、独自の予測に基づいてモデルが決定する。ごく簡単にいうなら、Mixture of Expertsは複数のより特化されたモデルを内包するモデルと考えることができる。

画像クレジット:Microsoft

「Z-Codeを使うことで、驚くほどの進展が見られました。それは、単一言語と複数言語のデータに対して転移学習(transfer learning)とマルチタスク学習の両方を使って最先端の言語モデルを作ることができたからです。これで品質と性能と効率性の最善の組み合わせを顧客に届けることができます」とMicrosoftのテクニカルフェロー兼Azure(アジュール)AI最高技術責任者のXuedong Huang(シュードゥン・ホァン)氏はいう。

この結果、例えば、10種類の言語間で直接翻訳することが可能になり、複数のシステムを使う必要がなくなる。すでにMicrosoftは固有表現抽出、文章要約、カスタム文章分類、キーワード抽出など、同社AIシステムの他の機能の改善にZ-Codeモデルを使い始めている。しかし、翻訳サービスにこのアプローチを利用したのはこれが初めてだ。

翻訳モデルは伝統的に著しく巨大で、製品環境に持ち込むことは困難だった。しかしMicrosoftのチームはsparse(スパース)アプローチを採用し、タスクごとにシステム全体を動かす代わりに、少数のモデルパラメータのみを起動する方法を選んだ。「これによって大幅にコスト効率よく実行できるようになります。家の暖房を1日中全開されるのではなく、必要な部屋を必要な時だけ暖めるほうが安くて効率がよいのと同じことです」とチームがこの日の発表で説明した。

画像クレジット:Keystone/Getty Images / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Epic Games、「フォートナイト」有料コンテンツの収益をウクライナ人道支援に寄付へ

Epic Games、「フォートナイト」有料コンテンツの収益をウクライナ人道支援に寄付へ

Epic Games

Epic Gamesが、3月20日から4月3日までの2週間分の『Fortnite』における収益をウクライナの人々に向けた人道支援活動に寄付することを発表しました。プレイヤーはゲームをプレイし、V-Bucksやコスメティックパックといった有料アイテムを購入することが、ロシアによる軍事侵攻で苦しめられているウクライナの人たちの助けにつながります。

EpicはFortniteだけでなくギフトカードの販売による収益金も含めてDirect ReliefやUNICEFといったウクライナ支援を行っている計4つの団体に送るとしています。さらにマイクロソフトも、Microsoft StoreでのすべてのFortniteに関するコンテンツからの純収入を寄付することに同意したとのこと。Epicはさらに多くの組織が参加すると述べています。

ただ、ウクライナでは日々ロシアの攻撃が続いており、決済パートナーなどからの入金を待つのは時間がかかりすぎます。そのため、Epicはトランザクションを監視して有料アイテムの売上げ金額を速やかに送金する予定とのこと。

ゲームプレイにおける収益をウクライナ支援に充てるアイデアとしては、Riot Gamesが3月7~12日の間、『League of Legends』『Valorant』などにおけるバトルパスや『League of Legends』での新しいBeeスキンの販売による収益をプレイヤー募金として寄付するとし、3月9日の時点で200万ドル以上を集めたと発表していました。ほかにもItch.ioHumble Bundleといったゲーム販売プラットフォームが、収益全額をウクライナの被害者たちを支援する団体に寄付するバンドルを販売しています。

(Source:Epic GamesEngadget日本版より転載)

マイクロソフトの「PeopleLens」プロジェクトは視覚に障がいをもつ子どもが社交的ヒントを学ぶ手助けをする

視覚障がいがある成人にとって困難なことの1つに、目が見える人たちの社交、会話に使われるボディランゲージを理解して参加することがある。PeopleLens(ピープルレンズ)はMicrosoft(マイクロソフト)の研究プロジェクトで、ユーザーに周囲にいる人たちの位置と名前を知らせて、会話をより豊かで自然なものにすることが目的だ。

晴眼者は部屋で周囲を見渡すだけで、どこに誰がいて誰が誰と話しているかなど、社交的な手がかりや行動に役立つ数多くの基本的情報を瞬時に得ることができる。しかし視覚障がい者は、現在、誰が部屋に入ってきたのか、誰かがその人を見て会話を促したのかどうか、必ずしも知ることができない。これは、集団への参加を避けるなど孤立や非社交的行動につながる。

Microsoftの研究者たちは、視覚障がいをもって生まれた子どもがその情報を得て有効に活用するために、テクノロジーをどう役立てられるかを知りたかった。そして作ったのがPeopleLens、ARメガネで動作する高度なソフトウェア群だ。

メガネに内蔵されたセンサーを使って、ソフトウェアは知っている顔を認識し、その人のいる場所と距離を音声によるヒントで示す。クリック、チャイム、名前の読み上げなどだ。例えばユーザーの頭が誰かに向くと小さなぶつかる音が鳴り、その人が3メートル以内にいれば続けて名前が読まれる。その後高くなっていく音によってユーザーがその人物の顔に注意を向ける手助けをする。他にも、近くにいる誰かがユーザーを見たときにも通知音が鳴るなどの機能がある。

PeopleLensソフトウェアとその3D表示(画像クレジット:Microsoft Research)

これは、この種のデバイスを一生身につけるということではなく、さまざまなヒントに気づき、社交的な反応を見せる能力を向上するための支援ツールとして使うことが目的だ。他の子どもたちが視覚を利用して学習する非言語的スキルを身につけるためにも役立つ。

現在のPeopleLensはまだまだ実験に過ぎないが、これまでに研究チームはかなりの年月を費やしてきている。次のステップは、英国内で5~11歳の長期間デバイスをテストできる子どもたちを集め、同世代分析を行うことだ。自分の子どもがあてはまると思う人は、MicrosoftのパートナーであるUniversity of Bristol(ブリストル大学)の研究ページで申し込みができる。

画像クレジット:Microsoft Research

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Nob Takahashi / facebook

アマゾン、マイクロソフト、グーグルの3社がロシアでのクラウド販売を停止

ウクライナでの戦争が続く中、Exxon(エクソン)、Visa(ビザ)、McDonald’s(マクドナルド)、Coca-Cola(コカ・コーラ)などさまざまな企業がロシアでの販売を停止している。Adobe(アドビ)、Apple(アップル)、PayPal(ペイパル)といったテック企業も、ここ数週間のうちにこれに加わっている。

我々はAmazon(アマゾン)、Microsoft(マイクロソフト)、Google(グーグル)、IBM、Cloudflare(クラウドフレア)といった世界トップクラスのクラウドインフラストラクチャベンダーに、ロシアのウクライナ攻撃に対する各社の対応を問い合わせた。各社とも、公開ブログ記事をそのまま伝えたいメッセージとして共有したが、Google Cloudだけは例外で、自社の立場を表明する簡単な声明をTechCrunchに送っている。

AWSは3月4日のブログ記事で、ロシアに同社のデータセンターはなく、方針としてロシア政府とは取引していないことを示した。また、ロシアの顧客はいるが、いずれも本社はロシア国外にあるとし、販売停止には至らなかったと述べていた。しかし3月8日、同社はブログ記事を更新し「ロシアとベラルーシにおけるAWSの新規サインアップを停止した」と変更した。

Microsoftもロシア向けの販売停止という措置をとった。「本日、ロシアにおけるMicrosoftの製品およびサービスの新規販売をすべて停止することを発表します」と、Brad Smith(ブラッド・スミス)氏はこの措置を発表した3月4日のブログ記事で書いている。その中にはAzureのインフラサービスも含まれていると思われる。

3大クラウドインフラベンダーの最後を飾るGoogleについては「現時点では、ロシアではGoogle Cloudの新規顧客を受け入れていないことが確認できています。引き続き、動向を注視していきます」と述べている。

IBMも同様の立場をとっており、Arvind Krishna(アルヴィンド・クリシュナ)CEOが書いた3月7日のブログ記事で、ロシアでの販売を停止することを発表している。「先週のウクライナ戦争に関する発表に対し、多くの方からご意見をいただきました。まず、はっきりと申し上げておきたいのは、当社はロシアでのビジネスをすべて停止したということです」とクリシュナ氏は投稿の中で述べた。

Cloudflareは純粋なクラウドインフラベンダーではなく、ロシアやウクライナを含む世界中の数百のデータセンターを通じて、安全なインターネットアクセスの提供を支援している。インターネットプロバイダーである同社は、ロシアでのサービス停止を求める声がある中で、同国でのインターネットを維持することが重要だと考えている。

「さらに、ロシア国内におけるCloudflareの全サービスを停止するよう求める声も複数寄せられています。当社はこれらの要請を慎重に検討し、政府や市民社会の専門家と議論を行いました。それらの専門家と協議した結果、ロシアに必要なのはインターネットアクセスの拡大であって、縮小ではないというのが我々の結論です」と同社はブログで書いている

今週発表されたIDCのレポートによると、これらの措置をとるクラウド企業が受ける経済的影響は、おそらくわずかなものであろうということは注目すべき点だ。「IDCは、ロシアとウクライナのICT支出が急減し、ゆっくりと回復すると予測していますが、この減少による世界的な影響は幾分限定されています。この2カ国を合わせても、欧州の全ICT支出の5.5%、世界の1%を占めるに過ぎません」と同社は報告している。

画像クレジット:Ralwel / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Den Nakano)

規制上のハードルをすべてクリアし、Microsoftが2.3兆円のNuance買収完了へ

Microsoft(マイクロソフト)は2021年に、200億ドル(約2兆3000億円)でNuance Communications(ニュアンス・コミュニケーションズ)を買収すると発表した。同社はヘルスケア分野への進出を実現しようとしたが、規制がますます厳しくなる中、確実に買収できるというわけではなかった。しかし、ようやく規制上のハードルをすべてクリアし、同社は米国3月4日、買収が成立したと発表した。

Satya Nadella(サティア・ナデラ)CEOはビデオ声明で、NuanceをエンタープライズAIのパイオニアと呼び、両社が協力して何を達成できるかを楽しみにしていると述べた。「私たちは共に成果ベースのAIの未来を切り開いていきます。医療従事者が患者との時間を増やし、文書作成に費やす時間を減らせるようにします。私たちは共に、業界の主要なワークフローを安全にクラウドに移行することを支援します。そして、一緒にAIの力を使って、あらゆる業界の組織が摩擦のない、一人ひとりにあわせた顧客体験を実現できるよう支援します」と同氏は話した。

ナデラ氏の発言は、同社がNuanceの技術を、第一の対象であるヘルスケア以外にも幅広く活用する意向を強く示唆するものだった。既存のソリューションを基盤としてMicrosoftの膨大なリソースを活用し、金融サービス、小売、通信などの他分野にも導入していく。それがどのように実現されるかは、時間が経てばわかる。

MicrosoftとNuanceの統合に関して、今日のような発表に至るということが、決まりきっていたわけではない。業界の一般的な常識では、Microsoftはこの買収によってどの市場も支配することはないだろうと考えられていた。ただ、政府が最大のハイテク企業、もっと言えば競争に悪影響を与える可能性のあるメガディールをより厳しく見ている規制環境では、統合の実現が明白だとは言えなかった。

昨年、米司法省がこの取引を承認し、その後EUからも承認を受け、最後のハードルとして残った英競争市場局(CMA)の承認を待っていた

今週、CMAはこの取引を承認し、今日の発表にこぎつけた。CMAは声明の中で、両社が統合された場合、Nuanceが主に事業を展開してきた医療用トランスクリプション市場の競争に悪影響を与えるという証拠は見つからなかったと述べた。

「競争市場庁(CMA)は、Microsoft CorporationによるNuance Communications, Inc.の買収により、競争を著しく低下させるという現実的な見通しは生じないと判断しました」と同庁は調査結果の発見事項要約に記した。

これを受け、MicrosoftとNuanceは、2016年のLinkedIn(リンクトイン)の260億ドル(約3兆円)の買収に次ぐ、ナデラ時代における最大の買収の1つを進めることになる。なお、Microsoftは、1月に発表した690億ドル(約8兆円)のActivision/Blizzard(アクティビジョン・ブリザード)の買収案件が完了していないが、こちらはまだ承認プロセスを通過していない。

画像クレジット:JOSEP LAGO / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

グーグルはロシアでの広告販売を停止しマイクロソフトは販売と営業の全体を停止

先週のロシアのウクライナ侵攻と隣国への侵略行為の継続に対し、テクノロジー業界からのさらなる応答としてGoogle(グーグル)とMicrosoft(マイクロソフト)は、どちらもロシアでの販売を停止していると言われる。

私たちの理解ではGoogleが停止したのは同社自身の広告の販売で、それは昨晩(米国時間03/03)始まって、その後の数時間で展開された。そのニュースは今朝、ロイターが報じた。

それはGoogleが初めてではなく、その前にSnapとTwitterもロシアでの広告の販売停止を発表した。ただし広告事業の規模は、Googleの方が相当大きい。

Googleが行うのはロシアにおけるすべての広告の停止であり、検索広告とYouTubeとディスプレイ広告のすべてが含まれ、停止は直ちに実行される。すなわちロシアの人たちは、広告のないGoogleのサービスやアプリを見ることになる。

ただし自国で独立のジャーナリストが前例のない弾圧に遭っているときであっても、ロシア以外の国では広告は健在で、ロシアの広告主がそのスペースを買うことは普通にできるし、それらの国で広告は普通に掲載される。

つまり、ロシアの出版物がGoogleの広告ネットワークを利用して国外で広告を掲出し、コンテンツの収益化を追求することは十分に可能だ。一方今朝ロシア議会で議決された法律により、軍に関する「不正な」情報を拡散した記者は最大で15年の懲役になる。

関連記事: Airbnbがロシアとベラルーシでの全業務を停止

一方Microsoftも、ロシアでの販売停止を発表した。今日のブログで同社は、「ロシアでのMicrosoftのプロダクトとサービスの今後のすべての販売を停止する」と言っている。

これには、Bingの広告やその他のMicrosoftのサービスも含まれるのだろう。目下本誌は、その確認を求めている。

そのブログ記事でMicrosoftの副社長Brad Smith氏がこう言っている: 「さらにまた私たちは、合衆国と欧州連合および連合王国と緊密に協力して、ロシアにおける弊社事業の多くの側面を、政府の制裁に準ずる形で停止しつつある」。

Googleの広告販売の制限という、対象の限られた動きは、同社が火曜日(米国時間03/01)に発表した措置の拡張だ。そこでは「情報の質の向上」という言葉が使われ、しかもそれは2月24日の早朝にロシアの侵攻が始まった直後、そしてヨーロッパの指導者たちがまる一日を費やして、ロシアの偽情報に対して断固たる行動を採るようテクノロジープラットホームに圧力をかけた直後のことだった。

最初Googleは、クレムリンにつながったメディアであるRussia Today(RT)とSputnikのYouTubeチャンネルをヨーロッパで禁じるつもりだったが、すぐにそれは、その二つのメディアのアプリを同じくヨーロッパではPlay Storeから外すことになった。それは、二つのメディアのYouTubeチャンネルに対する全EU的制裁が、法的有効になる水曜日(米国時間03/02)よりも前だった。

その前には、「ロシアの国営メディアがわれわれのプラットホームを利用して収益化を図ることの無期限停止」を発表していた。すなわち、RTのようなメディアはGoogleのプラットホームから広告収入を得たり、広告を買ったりすることができない。

しかしGoogleが今日確認したのは、特定メディアではなくロシア全域的に、広告の販売を凍結することだ。

広告販売の停止について、Googleの広報はこう説明している:

尋常ならざる情況に鑑み、私どもはロシアにおけるGoogleの広告を停止します。状況は急速に進化しておりますので、今後も引き続き適切な時期にアップデートを共有いたします。

現時点では、有料の消費者向けサービスやGoogle Playのアプリ販売など、広告以外の販売は停止しない。また、ロシア人が検索やマップ、YouTubeなどの情報サービスにアクセスすることも従来どおり可能だ。

ロシアがウクライナに侵攻して以来、Googleからの発表は細切れ状態だが、危機の進展に伴い一貫性のある対応を編み出すことが、Googleにとっても難しいからだろう。

それに対しMicrosoftは、もっと決定的だ。今週初めには、ロシアの「国が支援する偽情報」を狙った各種措置の包括的なパッケージを発表し、そして今日はそれを総括的な販売禁止に拡張した。

今週初めには、Apple(アップル)もロシアでの製品の販売を停止すると言い、Apple Payなど一部のサービスも制限した。また同社のApp Storeからは今週、RTとSputnikを全世界的に外した。ロシア市場だけは例外だ。

Facebookの親会社であるMetaの出方は、よくわからない。侵攻が始まったときこのソーシャルメディア大手は、RTとSputnikの降格など一連の制限を発表したが、本稿を書いている時点(米国時間03/04)では、このアドテックの大手でもある同社は、ロシアにおける広告の販売を停止していない。これについても、本誌は一応質問状を提出した。

もちろん、デジタルサービスへのアクセスという点では、ロシア人が今直面している難儀は私企業による禁止だけではない。ロシアの銀行に対する広範な制裁によって、同国では、一部のテクノロジーサービスへのアクセスも困難になっている。

(文:Natasha Lomas、翻訳:Hiroshi Iwatani)
画像クレジット: NurPhoto/Getty Images

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マイクロソフト、ロシアでの新規販売を全面停止

ウクライナ侵攻を受けてロシア市場から製品を撤退させるハイテク企業は、Apple(アップル)だけではない。Microsoft(マイクロソフト)は、ロシアにおけるすべての製品とサービスの新規販売を「停止」し、米国、英国、欧州連合(EU)の制裁を尊重すべく、ロシアでのビジネスの「多くの業務」を停止している。この動きの数日前に、Microsoftは自社のプラットフォーム上でロシアの国営メディアを制限し、またウクライナの副首相は同社にロシアのXboxアカウントをブロックするよう要請した。

Microsoftは、この撤退は事実上必要なことだととらえている。Brad Smith(ブラッド・スミス)社長によると、このような「具体的な措置」が最も大きな影響を与え、ウクライナの状況の進展に応じて「追加の措置」が取られることになる。Windowsの生みの親である同社は、ロシアによる侵攻を「不当で、いわれのないものであり、不法」とし、ロシアのウクライナに対するサイバー攻撃を特定し、それに対抗する努力を指しながらロシアを明確に批判していた。

Microsoftの動きは、ロシアのテックの使用に大きな影響を与える可能性がある。Windows、Office、そしてMicrosoft 365やAzureといったサービスなど、多くの国でそうであるように、ロシアでもMicrosoft製品はコンピューティングにおいて重要な役割を担っている。既存のユーザーがアクセスできなくなることはないかもしれないが、新しい製品を購入したり、サブスクリプションを更新したりする必要がある人にとっては問題となる可能性がある。Microsoftに、このことがロシアのPCベンダーにどのような影響を与えるか尋ねた。ベンダーがWindowsベースのコンピュータを販売する場合はライセンスが必要だ。

正確な影響がどうであれ、販売凍結はGoogle(グーグル)、Meta(メタ)、Reddit(レディット)、Twitter(ツイッター)などハイテク企業による一連の締め付けに続くものだ。ロシアはこれらの行動に対して必ずしも屈することはないだろうが、同国には明らかに協調した圧力がかかっている。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のJon FingasはEngadgetの寄稿者。

画像クレジット:Jakub Porzycki/NurPhoto / Getty Images

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(文:Jon Fingas、翻訳:Nariko Mizoguchi

マイクロソフトがVC・アクセラレーターと提携しアフリカで1万社のスタートアップを支援

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間3月3日、アフリカ大陸のアクセラレーターやインキュベーターとのパートナーシップを含む一連のイニシアチブを通じて、今後5年間でアフリカのスタートアップ1万社を支援する計画を発表した。

同社はまた、ベンチャーキャピタル投資家と提携し、5億ドル(約577億円)の「潜在的」投資を引き出すことで、アフリカにおけるスタートアップの資金調達アクセスを向上させる計画も発表した。Microsoftは、すでにBanque Misr、Global Venture Capital、Get Funded Capitalと協力しているという。

これらの取り組みは、同社で最近設立されたAfrica Transformation Office(ATO、アフリカ変革推進室)を通じて実施される。ATOは、官民組織との提携により、アフリカにおけるMicrosoftの戦略的イニシアチブを推進していく。

ATOスタートアップ部門リードのGerald Maithya(ジェラルド・マイティヤ)氏はこう述べている。「ベンチャーキャピタル投資家とのこれらのパートナーシップを確立する上での我々の目標は、Microsoft、VC投資家、そしてスタートアップの間の潜在的なパートナーシップのネットワークを広げ、それによって、適格なスタートアップが利用できる資金を増やすことです」。

Microsoftは、Grindstone、Greenhouse、FlapMax、Seedstarsなどのアクセラレーターやインキュベーターと提携し、市場、技術スキル、投資機会を提供すると述べている。

スタートアップにさまざまなリソースやメンターへのアクセスを提供するセルフサービスハブであるMicrosoftのGlobal Founders Hubは、アフリカのスタートアップにも提供される予定だ。Founders Hubには、Microsoftの法人顧客やエンタープライズ顧客に共同販売する機会も含まれている。

ATOのマネージングディレクターであるWael Elkabbany(ワエル・エルカバニー)氏は、こう語った。「アフリカは、世界のスタートアップランドスケープの中で、デジタルイノベーションの盛んな拠点となる大きな可能性を持っています。アフリカのデジタル経済だけでなく、グローバルな社会にも貢献できるような、ローカルな発明が爆発的に増えることが我々の野望です」。

Microsoftは、アフリカのスタートアップをターゲットにしたイニシアチブを打ち出すテック企業のリストに加わることになる。Google(グーグル)は2021年、アフリカ大陸の初期および成長段階のスタートアップを対象とした5000万ドル(約57億7300万円)のAfrica Investment Fund(アフリカ投資基金)を立ち上げ、同社のGoogle for Startups Accelerator Africaプログラムを引き継いだ。

画像クレジット:Microsoft

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(文:Annie Njanja、翻訳:Den Nakano)

Mac版OneDrive同期アプリがついにAppleシリコンにネイティブ対応、一般公開開始

Mac版OneDrive同期アプリがついにAppleシリコンにネイティブ対応、一般公開開始

Microsoft

マイクロソフトは昨年末、macOS版クラウドストレージOneDrive同期アプリがM1 Mac向けにパブリックプレビューとして利用可能になったと発表していました。それから約3ヶ月を経て、ついにM1、M1 ProおよびM1 MaxといったAppleシリコン(アップル独自開発プロセッサ)上でネイティブ動作する一般公開版がリリースしたと明らかにされています。

説明では、Appleシリコン用のOneDrive同期アプリが「GA(Generally Available)」版として利用できるようになったとのこと。MS的に「GA」とは、ベータテスター以外の誰でも利用できる一般公開版のこと。具体的にはバージョン22.022であり、最新版がインストールされているかどうかはアプリの環境設定で確認できます。

MSいわく、ネイティブ対応版は「OneDriveがAppleシリコンのパフォーマンス向上をフルに活用できる」とのことです。これまでも非ネイティブ対応版、すなわちインテル製チップ向けアプリもAppleシリコンMac上で動かせましたが、あくまでRosetta2経由であり、電力やRAM消費が最適化されていませんでした。

一般にM1ほかAppleシリコンは「消費電力が控えめのわりに高パフォーマンス」の傾向があることが好評です。ネイティブ対応したOneDriveアプリ最新版では、その恩恵が十分に受けられることになりそうです。

最初のM1チップ搭載Macが2020年末に登場してから、はや1年以上も経ちました。OneDriveアプリのネイティブ対応はようやくの感もありますが、他のクラウドストレージアプリも対応が遅れぎみです。Googleドライブの正式対応も昨年10月のことであり、Dropboxも今年はじめにベータテストを始めたものの、まだ一般公開には至っていません。

ともあれ各社クラウドストレージアプリのネイティブ対応が進めば、Appleシリコン搭載のMacBook各種が内蔵バッテリーだけで稼働できる時間も長くなるはず。今月のイベントで登場すると噂の「M2」搭載13インチMacBook Proは現行モデルよりバッテリー持ちが良くなるとの予想もあり、出先での作業がいっそうはかどるかもしれません。

(Source:Microsoft OneDrive Blog。Via 9to5MacEngadget日本版より転載)

LinkedInがイスラエルのウェブ分析Oribiを92〜104億円で買収、マーケティングテクノロジーの拡充を図る

専門分野に関して人々とつながり、仕事を探したい人のためのソーシャルネットワークで、8億1000万人以上のユーザーがいるMicrosoft(マイクロソフト)傘下のLinkedIn(リンクトイン)は、独自プラットフォーム上で長年、マーケティングや広告のビジネスをしている。同社は米国時間2月28日、インターネットのさらに幅広い範囲にわたる分析やインサイトを提供したいという同社の野望を示していると考えられる買収を発表した。LinkedInが買収したのは、マーケティングのアトリビューションテクノロジーを専門とするテルアビブのスタートアップ、Oribiだ。この買収により、LinkedInはイスラエルに初めてのオフィスを開設することになる。

買収を発表したブログ記事では条件は明らかにされていないが、情報筋によると買収額は8000万〜9000万ドル(約92億1600万〜103億6800万円)とのことで、他のメディアでもこの金額が報じられている。PitchBookのデータによると、OribiはSequoia、TLV Parnters、Ibexなどから2800万ドル(約32億2500万円)近くの資金を調達し、Google(グーグル)のローカルアクセラレーターとしても若干の資金を得ている。

この買収は2つの点で興味深い。1つめとして、これはLinkedInが同社の中で急速に成長している分野であるマーケティングと広告のサービスへの投資を続けていることの現れだ。最高プロダクト責任者のTomer Cohen(トマー・コーヘン)氏は米国時間2月28日のブログ記事で、マーケティングサービスの売上は対前年比で43%成長したと記している。しかしLinkedIn上では5700万社ほどの企業が「ブランドのページを作成」し、毎週2万4000件以上のバーチャルイベントが作成されていることを考えると、利用している企業にさらに機能とツールを提供すればさらなる成長の余地が大いにあることは明らかだ。ここ数年で、LinkedInはこの分野を拡大するための買収を1件しかしていない。その1件は、2019年Drawbridgeの買収だ。

そしてもう1つ、Oribiの買収はLinkedInのマーケティングに関する大きな変化をはっきりと示している。以前にTechCrunchでお伝えしたように、Oribiのミッションはウェブ分析を民主化することだ。つまり同社は、小規模な企業が簡単に独自の分析を構築、実行してマーケティング戦略の影響を測定できるようにすることを目指している。大企業ならそのためのチームがいるだろうが、小さい組織はリソース不足のためたいてい諦めざるを得ない。

Oribiの創業者でCEOのIris Shoor(アイリス・ショーアー)氏は以前にTechCrunchに対し「アナリティクス企業の多くは、ハイエンドを狙っています。もっぱら技術的なリソースや他とのインテグレーションに基づいたソリューションを提供しています。Mixpanels風、Heap Analytics風、Adobe Marketing Cloud風といったものです」と述べていた。

注目すべき点として、OribiはGoogle Analyticsなどと競合している。つまりLinkedIn(そしてこれに関連してMicrosoft)が、Googleの圧倒的なデジタル広告・マーケティングマシンに立ち向かっていくことにもなる。

米国時間2月28日にコーヘン氏は次のように記している。「Oribiのテクノロジーを我々のマーケティングソリューションプラットフォームに統合することで、お客様はさらに充実したキャンペーンのアトリビューションを利用して広告戦略のROIを最適化できるようになります。お客様は自動のタグとコードフリーのテクロノジーを活用して、ウェブサイトのコンバージョンを簡単に測定し効果的なオーディエンスを構築できます。しかもすべてプライバシーを最優先に設計されています」。

LinkedInはOribiの従業員が何人ジョインするかを明らかにしていない。ただし「創業者で経験豊かな起業家であるアイリス・ショーアー氏を含むOribiのチームの数人」がLinkedInにジョインして、LinkedInの新しいテルアビブオフィスで働くと記されている。

画像クレジット:LinkedIn China via Weibo

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Kaori Koyama)

マイクロソフト、XboxダッシュボードにTwitchストリーミングの統合を復活

Microsoft(マイクロソフト)は、すべてのXbox Series X/SとXbox Oneユーザーを対象に、XboxダッシュボードにTwitch(トゥイッチ)ストリーミングの統合を復活させると、米国時間2月23日に発表した。同機能は2021年10月からテストされていた

Microsoftは、Xbox Oneのダッシュボードに初めてTwitchを追加してから数年後の2017年に、Twitchとの統合を削除していた。その間、XboxからTwitchへのストリーミングを希望する消費者は、Twitchアプリからそれを行うことができた。

ストリーミングを開始するために、ゲーマーは、Xboxガイドの「capture and share」タブに移動し、Xbox Series X/SまたはXbox Oneコンソールで「live streaming」を選択することができる。iOSまたはAndroidモバイルデバイスでQRコードをスキャンするか、PCまたはモバイルデバイスのいずれかでURLにナビゲートして、Twitchアカウントをリンクする必要がある。アカウント連携が完了したら「go live now」ボタンを選択し、コンソールにダウンロードしたゲームのライブ配信を開始することができる。

次に、ヘッドセットとウェブカメラを接続し、ストリームのタイトルを設定することができる。Xboxは、ユーザーがオプションパネルからゲームとマイクのオーディオレベルを管理する機能を搭載している。また、パーティチャットを管理し、解像度とビットレートを手動で設定するオプションもある。ストリーミングの途中でゲームを交換したい場合は、ゲームをプレイしていないときに一時停止画面が表示され、その後、コンソールが自動的にTwitchでプレイしているゲームを更新する。

画像クレジット:Xbox

Xboxは、Twitchにアクセスするために使用するどのデバイスでも、ストリームを視聴することができると述べている。Xbox本体では、あなたをフォローしているプレイヤーは、あなたがTwitchでライブを行ったときに通知を受け取るように選択することができる。Xboxの通知に移動して、ライブストリーミングの設定を調整することで、これを有効にすることができる。

「世界であらゆることが起こっている今、私たちは友人、家族、コミュニティとつながっていることがこれまで以上に重要なっています」と、Xboxプラットフォームサービスのソフトウェアエンジニア、Brenna Duffitt(ブレナ・ダフィット)氏は、この発表についてのブログ投稿で述べている。「私たちは、みなさまからのフィードバックを受け、このファンに人気のある機能を再設計し、これまで以上に優れたものとして復活させることができ、とてもうれしく思っています。今日から、XboxとTwitchは、あなたのXboxからライブストリーミングをこれまで以上に簡単にするために提携します」。

Twitch統合の復活は、2016年のBeam Interactive(ビーム・インタラクティブ)の買収に基づいた自社のゲームストリーミングサービスであるMixer(ミキサー)を放棄したことを受けてのことだ。Mixerは2020年に閉鎖され、Microsoftは代わりにFacebook Gaming(フェイスブック・ゲーミング)のサービスにユーザーを誘導した。

Microsoftは、Twitch統合の開始に加えて、ユーザーのフィードバックに基づく新機能を近日中にリリースする予定だと述べたが、その内容は明らかにしていない。

画像クレジット:Xbox

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

Windows 11でAndroidアプリを動かせる最小要件が公開―第8世代Core i3・Ryzen 3000以上、8GBメモリー以上

Windows 11でAndroidアプリを動かせる最小要件が公開―第8世代Core i3・Ryzen 3000以上、8GBメモリー以上

Microsoft

米マイクロソフトは今週、Windows 11の最新アップデートを配信し、米国にてAndroidアプリサポートをプレビュー版として一般提供を開始しました。それに続いて、Androidアプリを動かせるWindows 11 PCの最小要件が公式に明らかにされました。

本機能はAmazon Appstoreを通じて、Windows 11ユーザーがAndroidアプリダウンロードや利用できるようにするもの。2022年2月現在ではKindleやAudibleのほか、ロードモバイルやKhan Academy Kidsなど約1000本のアプリが提供されています。とはいえ、Windows 11が動くすべてのPCでAndroidアプリ動作がサポートされるわけではありません。

そこでMSは新たなサポートページを公開し、Androidアプリを使うため必要なPCの最小要件を以下の通り詳しく説明しています。

  • RAM(メモリー):8GB(最小) 16 GB(推奨)
  • ストレージ:ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)
  • プロセッサ:Intel Core i3 第8世代(最小)以上、AMD Ryzen 3000(最小)以上
  • Qualcomm Snapdragon 8c(最小)以上
  • プロセッサアーキテクチャ:x64またはARM64
  • 仮想マシンプラットフォーム:この設定を有効にする必要あり。詳しくはこちら

これらは過去3年のうちに10~15万円程度のPCを購入していれば、さほど厳しい条件とは思われません。

注意すべき点があるとすれば、インテルとAMDプロセッサでの「どれだけ古くても許容されるか」という違いでしょう。インテル製の場合は第8世代Core i、つまり5年前(2017年)の製品がサポートされているのに対して、AMD製は3年前(2019年)のRyzen 3000で線引きされています。

もっともRAMは8GB、ストレージはSSDであればいいという緩さであり、排除されるユーザーはあまり多くはなさそうです。あとはプレビュー版であれ、速やかに日本向けの一般提供を望みたいところです。

(Source:Microsoft。Via WindowsLatest9to5GoogleEngadget日本版より転載)

マイクロソフト、ハラスメント対策のためAltspaceVRのソーシャルハブをシャットダウン

Microsoft(マイクロソフト)は、AltspaceVRアプリ内でのハラスメント対策としていくつかの変更を加えると発表した。同社は米国時間2月16日付けで「Campfire」「News」「Entertainment Commons」のソーシャルスペースを削除した。これらのスペースは、AltspaceVRのユーザーが自由に集まり、互いに語り合うことができるハブだった。しかし、その自由度の高さゆえに、ハラスメントの問題が絶えなかった。

AltspaceVRのSafety Bubble(セーフティーバブル)機能は、デフォルトですべてのユーザーにとってオンになっている。これは、自分のアバターのパーソナルスペースに他の人が入ってこないようにバリアを作るものだ。また大事な点として、Microsoftによると、同アプリではこれから、新しい参加者が初めてイベントに参加したときに自動的にミュートになるとのこと。また、これらの変更を補完するために、モデレーションを強化し、イベントコンテンツの評価を改善することを同社は約束している。

今後数週間のうちに、Microsoftは、AltspaceVRにアクセスするために、Microsoftアカウントの使用を義務付けるという。その結果、保護者は同社のファミリーセーフティ機能を利用して、子どもがアプリ内で過ごせる時間を制限できるようになる。

MicrosoftのMR部門責任者であるAlex Kipman(アレックス・キップマン)氏は、次のように述べている。「AltspaceVRのようなプラットフォームが進化していく中で、既存の体験に目を向け、それが現在および将来のお客様のニーズに適切に応えているかどうかを評価することが重要です。これには、人々が共通の関心事を持つ人々とよりよくつながることを支援すると同時に、彼らがアクセスする空間が不適切な行動やハラスメントから安全であることを保証することも含まれます」。

今回の変更は、他のVRプラットフォームがそれぞれのハラスメント問題に取り組んでいる中で行われた。2月初め、Meta(メタ)はHorizon WorldsPersonal Boundary(パーソナルバウンダリー、境界線)という機能を導入した。これは、AltspaceVRのSafety Bubbleのように、自分のパーソナルスペースに人が入ってくるのを防ぐためのものだ。より広く解釈すれば、今回の変更は、Microsoftが何らかの形でメタバースの開発に取り組んでいることを示しているようにも見える。最近の報道では、同社のMR部門は、Metaのような競合他社にかなりの数の従業員を奪われたといわれている。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Igor Bonifacic(イゴール・ボニファシッチ)氏は、Engadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Microsoft

[原文へ]

(文:Igor Bonifacic、翻訳:Aya Nakazato)

マイクロソフト、ハラスメント対策のためAltspaceVRのソーシャルハブをシャットダウン

Microsoft(マイクロソフト)は、AltspaceVRアプリ内でのハラスメント対策としていくつかの変更を加えると発表した。同社は米国時間2月16日付けで「Campfire」「News」「Entertainment Commons」のソーシャルスペースを削除した。これらのスペースは、AltspaceVRのユーザーが自由に集まり、互いに語り合うことができるハブだった。しかし、その自由度の高さゆえに、ハラスメントの問題が絶えなかった。

AltspaceVRのSafety Bubble(セーフティーバブル)機能は、デフォルトですべてのユーザーにとってオンになっている。これは、自分のアバターのパーソナルスペースに他の人が入ってこないようにバリアを作るものだ。また大事な点として、Microsoftによると、同アプリではこれから、新しい参加者が初めてイベントに参加したときに自動的にミュートになるとのこと。また、これらの変更を補完するために、モデレーションを強化し、イベントコンテンツの評価を改善することを同社は約束している。

今後数週間のうちに、Microsoftは、AltspaceVRにアクセスするために、Microsoftアカウントの使用を義務付けるという。その結果、保護者は同社のファミリーセーフティ機能を利用して、子どもがアプリ内で過ごせる時間を制限できるようになる。

MicrosoftのMR部門責任者であるAlex Kipman(アレックス・キップマン)氏は、次のように述べている。「AltspaceVRのようなプラットフォームが進化していく中で、既存の体験に目を向け、それが現在および将来のお客様のニーズに適切に応えているかどうかを評価することが重要です。これには、人々が共通の関心事を持つ人々とよりよくつながることを支援すると同時に、彼らがアクセスする空間が不適切な行動やハラスメントから安全であることを保証することも含まれます」。

今回の変更は、他のVRプラットフォームがそれぞれのハラスメント問題に取り組んでいる中で行われた。2月初め、Meta(メタ)はHorizon WorldsPersonal Boundary(パーソナルバウンダリー、境界線)という機能を導入した。これは、AltspaceVRのSafety Bubbleのように、自分のパーソナルスペースに人が入ってくるのを防ぐためのものだ。より広く解釈すれば、今回の変更は、Microsoftが何らかの形でメタバースの開発に取り組んでいることを示しているようにも見える。最近の報道では、同社のMR部門は、Metaのような競合他社にかなりの数の従業員を奪われたといわれている。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Igor Bonifacic(イゴール・ボニファシッチ)氏は、Engadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Microsoft

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(文:Igor Bonifacic、翻訳:Aya Nakazato)

Windows 11でAndroidアプリを実行可能に、米国でAmazon Appstoreプレビュー提供開始

2021年10月、Microsoft(マイクロソフト)はAmazon(アマゾン)との提携によって、Windows 11パソコンでAndroid(アンドロイド)アプリを実行するテストを開始した。ただし、その機能を利用できるのはWindows 11 Insider Program(インサイダー・プログラム)に参加しているベータテスターのみで、アプリは50種類ほどに限られていた。そして米国時間2月15日、同社は利用範囲を拡大し、Microsoft StoreにあるAmazon Appstore Previewで1000種類以上のアプリやゲームを提供開始した。

この公開と合わせて、MicrosoftはWindows 11のTaskbar(タスクバー)の改善およびMedia Player(メディア・プレイヤー)とNotepad(メモ帳)アプリのデザイン変更も行っている。

当初、Androidアプリのベータテスターは、AmazonのKindle(キンドル)アプリ、The Washington Post(ワシントン・ポスト)、Clash of Kings(クラッシュ・オブ・キングス)、Coin Master(コインマスター)、Lego Duplo World(レゴ・デュプロ・ワールド)などのアプリを試すことができた。この体験は、新しいWindows Subsystem for Android(ウィンドウズ・サブシステム・フォー・アンドロイド)を利用したAndroidプラットフォーム上に構築されており、IntelのBridge Technology(ブリッジ・テクノロジー)を基盤としている。AMDとIntel両方のデバイスに対応しているが、Windows 11の動作要件を満たしていることが条件だ。

Amazon Appstore Previewの利用可能範囲拡大は、技術面の準備作業が必要だったため2月15日午前から公開が始まっている。ただし、完全に統合された体験はまだ提供されていない。

これで米国のWindows 11ユーザーは、Amazon Appstore PreviewをアクセスしてAmazonと提携している1000種類以上のアプリとゲームをダウンロードできるようになる。Audible(オーディブル)、Subway Surfers(サブウェイサーファーズ)、Lords Mobile(ロードモバイル)、Khan Academy Kids(カーン・アカデミー・キッズ)などだ。利用するためには、まずMicrosoft Storeを開き、アップデートする必要がある(Microsoft Store > LibraryからGet Updatesをクリック)。そこでお気に入りのアプリやゲームを検索して、Amazon Appstore経由でダウンロードできる。アプリはWindowsの一部と感じられるように動作するというコンセプトなので、Windowsの入力やスナップ機能などのウィンドウ操作とも統合される。

 

タスクバーの改善も本日公開される。Windows 11でデザイン変更されたタスクバーは、数多く苦情受けており、ユーザーは画面の下に固定され、ユーザー独自のショートカットを追加できないタスクバーに不満をもっている。Microsoftはフィードバックに耳を傾け、その問題を修正する予定だが、この日のアップデートは別の問題に対応するためのものだ。

第2モニター上のタスクバーにも時刻と日付が表示され、タスクバーの左端にライブの天気情報が表示されるようになった。Microsoft Teams(マイクロソフト・チームズ)のユーザーは、タスクバーからミュート / ミュート解除やウィンドウ共有ができるようになり、ビデオ会議がスムーズに行えるようになる。

これらの機能は当初、2022年2月のセキュリティ以外のプレビューリリースで提供される予定だった。

一方、Media Playerは、キーボード愛好家のためにショートカットキーとアクセスキーが強化された他、アクセシビリティ機能が改善された。NotepadアプリにはWindows 11のDark Mode(ダーク・モード)機能を受け継いだ新しいユーザーインターフェースが加わり、メニューの簡易化、複数レベルのundo(やり直し)、カラフル絵文字対応、検索・置換の体験改善などが行われた。

こちらのアップデートは、Settings > Update & Security > Windows UpdateからCheck for Update(更新の確認)で要求できる。

Microsoftは、2022年にはWindows 11を、年次更新に加えて、今以上に更新頻度を高めると言っている。

画像クレジット:Microsoft

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

マイクロソフト、アクティビジョン・ブリザード買収の規制対策でMicrosoft Storeがオープンであることを表明

Microsoft(マイクロソフト)は、世界有数の人気ビデオゲームの数々を傘下に収める計画に対する議会の圧力を和らげようとしている。同社は2022年1月、Activision Blizzard(アクティビジョン・ブリザード)を687億ドル(約7兆9400億円)で買収する意志を表明した。実現すれば史上最大規模のゲーム買収になる。

この買収は必ずしも不幸な運命にあるわけではないが、今はMicrosoftにとって規制当局の注目を引くことがリスキーな時期だ。米国では、議員と規制当局がこのテック巨人の同業者たち、具体的にはMeta(メタ、前Facebook)、Apple(アップル)、Amazon(アマゾン)らに強く焦点を合わせている。ソーシャルネットワークや広告、オンラインマーケットプレイスに関する議論の中にMicrosoftの名前は出ていないため、これまでこの巨大企業はそのサイズにも関わらずかろうじて当局の網の目をくぐってきた。

しかしActivision Blizzardとの取引が審議の対象になると、それが続く可能性は低い。2022年2月初めにBloomberg(ブルームバーグ)は、この買収提案がFTC(連邦取引委員会)の審査を受けるだろうと報じた。現在のFTC委員長であるLina Khan(リナ・カーン)氏は、過熱するテック業界の統合を破壊することに精を出している反トラスト学者だ。

MicrosoftのBrad Smith(ブラッド・スミス)プレジデントは、2月9日のブログ投稿で、規制当局の話題に直接触れ、あくまでも協調的な姿勢を打ち出しながら、規制当局の提案を受けて同社が採用する予定の「Open App Store Principles(オープンアプリストア原則)」の概要を示すとともに、世界で最も人気のあるゲームタイトル群を手に入れる同社自身の計画を発表した。

Microsoftは、この新たな方針を規制の変化に適応するための予防的取り組みであると説明しているが、同時に、連邦政府がこの買収を承認することへのアピールであることは明白だ。

生まれつつある新時代のテック企業規制は利益とリスクの両方をもたらす、と私たちは認識しています。それは1つの企業にとってだけでなく、私たちの業界全体にとってのことです。すでに指摘されているように、どんな新たな規制にもリスクがあり、公正なヒアリングと十分な検討が必要です。しかし当社は一企業として、規制と戦うのではなく順応することに今後も焦点を当てていきます。当社が20年にわたり反トラスト法を遵守し、自らの経験から学んで来たことが理由の1つです。変わることは簡単ではありませんが、新しいルールに順応し、革新を起こすことは可能であると私たちは信じています」

スミス氏がここで提示した原則は、規制当局の関心対象である問題にいくつも触れており、アプリストアのデータを使ってデベロッパーと競争しないこと、自己優先を行わないことへの誓約も含まれている。さらに同社は、自社の決済システムの使用をデベロッパーに強要しないこと、あるいは他のプラットフォームでの有利な取引についてデベロッパーが顧客とやり取りするのを妨げないことも約束している。

Microsoftは、一連のオープン化原則はWindows(ウィンドウズ)向けに作ったガイドラインを改変したものだが、Xboxにも「今日から」適用するつもりだという。気になるのは、同社が約束した中に、Microsoft Storeでの決済オープン化に関する重要事項が入っていないことだが、他の原理を実行に移すことで穴埋めしていくつもりだと話した。

当社は、アプリストアのデベロッパーがアプリ内決済で我々の決済システムを使用することを強要しません。

当社は、アプリストアのデベロッパーが、我々のアプリストアで他のアプリストアよりも有利な条件を提供することを強要しません。

当社は、当社以外の決済処理システムを使用する、あるいは他のアプリストアで異なる取引条件を提供することを選択したデベロッパーをに不利に扱いません。

当社は、デベロッパーが価格設定や提供するプロダクト、サービスなど、合法的ビジネス目的のために、自社アプリを通じて顧客と直接やり取りすることを妨げません。

スミス氏はさらに、今回の取引を巡る懸念のいくつかについても直接答えた。同氏は、取引が成立した場合でも、「Call of Duty(コール・オブ・デューティー)」はSony(ソニー)のPlayStation(プレイステーション)で「既存および将来の契約に関わらず」引き続きプレイ可能であることを確認した。これでSonyコンソールのオーナーが置き去りにされる心配はなくなった。

「Nintendo(ニンテンドー)の成功しているプラットフォームのサポートにおいても同様の手段を講じる予定です」とスミス氏は書いている。「業界にとってもゲーマーにとっても当社のビジネスにとってもこれが正しい行動だと信じています」。

スミス氏は「Activision Blizzardの他の人気タイトル」も同じ扱いを受け、ただちにMicrosoft独占になることはないことを強調した。「Call of Duty」以外に、Activision Blizzardとの契約には、「OVerwatch(オーバーウォッチ)」「World of Warcraft」「Diablo(ディアブロ)」「Starcraft(スタークラフト)」「Hearthstone(ハースストーン)」「Candy Crush(キャンディークラッシュ)」など数多くのヒットゲームが含まれる。

ゲーム・コンソール戦争は新時代に入った

Microsoftがこの巨大契約を、ゲーマーをゲーミング方程式のXbox側に引き寄せるために使わないことはとても考えられないが、ゲーム機戦争はかつてほど重要ではなくなっている。少なくとも、我々がこれまで考えていたような意味では。

Epic(エピック)対Apple(アップル)裁判の際、Microsoftはハードウェア販売には補助金を出しており、Xboxコンソールで利益を上げていないことを認めた。ゲーム売上とゲームサブスクリプションサービスが、実際にゲーム機メーカーが利益を上げる仕組みではあるが、ハードウェアもまったく関係ないわけではない。アプリモデルとよく似て、ゲーミングでも顧客をソフトウェアストアに呼び寄せ、確保し続けることがすべてだ。みんなの欲しがるハードウェアを作ることは、そのための主要な手段の1つだ。

ユーザーが他のメーカーのコンソールでゲームをプレイすれば、そのライバルは分け前(30%が標準的)を受け取るが、それでも自分たちは利益を得る。Microsoftにとって、彼らのゲーミングエコシステムをどこまでオープンにすべきかは、その計算と、ヒットタイトル(特にサブスクリプションとゲーム内購入のあるもの)を他のプラットフォームでもプレイ可能にしておくことによる顧客ベースの拡大との均衡がすべてだ。

スミス氏はブログでこの現実を明確に認め、アプリストアはゲーム業界の未来でも現在でもあると指摘した。「Windowsがオープンで広く使われるプラットフォームへと進化してきたように、ゲーミングの未来も同様の道をたどると私たちは見ています。【略】私たちのビジョンは、ゲーマーがどのゲームもどのデバイスでもどこででもプレーできるようにすることで、クラウドからのストリーミングもその1つです」とスミス氏はいう。

もちろん現在のアプリストアの仕組みは将来の変更対象だ。現在、議会を通過しようとしている反トラスト法案、American Innovation and Choice Online Act(米国のオンラインでのイノベーションと選択に関する法案)は、企業が自社プラットフォームで自己を優先的に扱い、競合相手を不利な立場に置くことを明示的に禁止するだろう。別の法案、Open App Markets Act(オープンなアプリ市場法案)もソフトウェアプラットフォームが過去10年間追求してきた壁に囲まれた庭を取り壊そうとしている。両法案とも、2022年1月に委員会を通過しており、Microsoftのような企業に重くのしかかる可能性は高い。たとえ、アプリストアや他のソフトウェアマーケットプレイスを崩壊させかねない一連の変更がゲーミングプラットフォームを対象としないとしても。

「私たちはワールドクラスのコンテンツがあらゆるプラットフォームを通じてすべてのゲーマーにもっと簡単に届くようにしたいのです」とスミス氏は書いた。「コンテンツ制作におけるイノベーションと投資が増え、流通の制限を減らすよう私たちは推進していきます。要するに、世界にはオープンなアプリ市場が必要であり、それにはオープンなアプリストアが必要なのです」。

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画像クレジット:Anadolu Agency / Contributor / Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nob Takahashi / facebook

マイクロソフトがMac版OneDriveの苦情に対応、全ファイルをローカル保持する方法を説明

マイクロソフトがMac版OneDriveの苦情に対応、全ファイルをローカル保持する方法を説明

マイクロソフトがmacOS 12.1以降のOneDriveアプリにつき「ファイルのローカル保存」オプションをなくし、実質的にファイルオンデマンドを強制したことで、ユーザーから様々な苦情が寄せられていました

この件につきMSが「Files On-Demand Experience(ファイルオンデマンド経験」を紹介するブログ記事を更新し、全てのOneDriveファイルをMacローカルに保持しておく方法などを説明しています。

現在テスト中のmacOS 12.3ベータでは、OneDriveが同期機能に使っていたKernel拡張が利用できなくなり、代わりにアップルのFile Providerフレームワーク使用が必須となりました。これを受けてMSはOneDriveアプリを更新したところ、ファイルオンデマンド機能を強制することになったわけです。

ファイルオンデマンド機能とは、全てのファイルをローカルに保存してストレージを圧迫することなく、必要になったときにクラウドからダウンロードして使えるようにする仕組みのこと。

最新版のOneDriveアプリでは本機能を無効にするオプションが削除されており、基本的にファイルはローカル保存されません。アプリ更新後には、同期済みのファイルがMacローカルから消されたとの声もありました。

なぜ、ファイルオンデマンドを事実上の強制としたのか。MSはブログで同機能をWindowsでは2017年に、Macでは2018年から提供しており、初めはオプトイン(ユーザーの同意を得てから有効にする)のみだったのが、デフォルトでオンに切り替える上で、どのぐらいのユーザーがオフにするかを慎重に監視してきたいきさつを説明。そしてWindowsとMacともに本機能を無効にしてるユーザーは非常に少数だったことを語っています。

そして「お客様のセットアップで何か問題が発生した場合は、サポート担当者にご連絡いただき、問題を診断させていただきます」とのことです。つまりMacでのトラブルは以前より劇的に減っており、それでも苦情があれば個別に対応すると示唆しているようです。

その一方でMSは、全ファイルをMacローカルに保持しておくことが「一部のユーザーにとって重要なシナリオ」だと認めており、そのための最良の方法は、「常にこのデバイス上に保持する」を選んでファイルをピン留めすることだと述べています。

さらにフォルダをピン留めしておくと「現在その中にある全コンテンツと、新たに追加されたコンテンツが端末に保持されます」として、ファイルをフォルダごとローカル保存する(1つずつピン留めしなくてもいい)方法を教えています。

このやり方を使えば、OneDriveの全ファイルをローカルに保持できます。まずFinder上でOneDriveフォルダを参照し、アイコン表示に切り替え、アイコン間の空白を右クリックして「このデバイスで常に保持」を選ぶという手順です。

マイクロソフトがMac版OneDriveの苦情に対応、全ファイルをローカル保持する方法を説明

Microsoft

これで当面は凌げる見込みですが、MSは「macOSとWindowsの両方で、この機能をより簡単に設定できる方法を積極的に検討しています」と付け加えています。

さらにMSは、一部ユーザーがOneDriveフォルダを閲覧する際に表示が遅いと経験した理由や、その回避策についても説明しています。詳しくはブログ記事をご確認ください。

最後にApp Store版アプリでのオートセーブに関する問題にも言及されていますが、こちらは最新版の「(バージョン)22.002.0201.0005で修正されています」と追記されています。

ともあれ、当面は「Finder上でOneDriveフォルダごとピン留め」により全ファイルをMacローカルに保持できるわけです。今後、よりMacユーザーに寄り添ったアップデートがやって来ると期待したいところです。

(Source:Microsoft。Via MacRumorsEngadget日本版より転載)