感染に導く新型コロナのタンパク質をモデル化、免疫療法のImmunityBioとMicrosoft Azureが協力

大量のグラフィクス処理能力を結合する取り組みが、現在のパンデミックの背後にある新型コロナウイルス(COVID-19)の治療法や治療薬の開発に取り組んでいる研究者に鍵となる力を与えるかもしれない。

免疫療法のスタートアップであるImmunityBioが、Microsoftと協力し、合計24ペタフロップのGPUによるコンピューティングパワーを使って、新型コロナウイルの原因であるSARS-CoV-2ウイルスを人間の細胞に入らせる、いわゆる「突起タンパク質」(スパイクプロテイン、Spike Protein)の極めて詳細なモデルを作ろうとしている。

この新たなパートナーシップには、スパイクプロテインのモデルを、従来のように数か月ではなくわずか数日で作れるようになる、という意味がある。この時間節約によりモデルが、ワクチンや治療薬を開発している研究者や科学者の仮想的な手に早く入るようになり、そして彼らは自分たちの仕事を、人間のACE-2プロテインのレセプターにくっつくことを彼らが防ごうとしているまさにそのプロテインの、詳細な複製を作るところまで前進させることができる。ウイルスの感染とは、まさにスパイクプロテインのその働きのことだからである。

科学者が研究している治療法のメインは、体内のウイルスの拡散を防止または最小化して、ウイルスがそれらのプロテインにくっつくのをブロックすることだ。そしてそのためのもっとも単純な方法は、スパイクプロテインがターゲットのレセプターに接続できないようにすることだ。新型コロナウイルスから回復した患者に自然に生成される抗体は、まさにそれをやっている。現在開発中のワクチンも、同じことを先回りしてやらせようとしている。また多くの治療薬は、ウイルスが新しい細胞をつかまえて体内で自分を複製しようとする能力を、弱めようとしている。

両社のパートナーシップの具体的な中身は、Microsoft Azureのクラスターからの機械学習アプリケーションが使用する1250のNvidia V100 Tensor Core GPU群がImmunityBioの320 GPUのクラスターによる分子モデリングワークと協働するかたちになる。そのコラボレーションの結果を、COVID-19の治療や予防に取り組んでいる研究者たちに提供し、彼らの研究開発努力の迅速化と有効化を促進する。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

米国のCDCが同国向けに新型コロナの自己チェックボット「Clara」をローンチ

米疾病管理予防センター(CDC)は先週末、COVID-19こと新型コロナウイルス感染症の潜在的な症状がある場合に、どうすべきかを判断するためのボットを導入した。Claraと呼ばれるこの「新型コロナウイルスセルフチェッカー」は、CDC財団およびMicrosoft AzureHealthcare Botサービスとのパートナーシップで作成された。

新型コロナウイルスは世界保健機関(WHO)によって世界的なパンデミック(大流行)だと宣言されているが、Claraは現在、米国に滞在している人の使用を想定している。CDCによると米国時間3月22日の現在、同国では1万5200人以上が同ウイルスに感染し、200人が死亡しているという。

Microsoft(マイクロソフト)は声明の中で、風邪やインフルエンザに似た症状を持つ患者をスクリーニングし、誰が「限られた医療資源へのアクセス」を必要とするかを判断することは「危機に対処する医療システムを圧倒する脅威へのボトルネックとなる」と述べている。同社のヘルスケアボットはAI(人工知能)を使用しており、CDCがより多くの質問に回答するのを助け、医療従事者が救急治療を必要とする患者の世話をできるようにすることを意図していると、同社は表明している。

しかし、Claraは診断や治療目的での使用を意図したものではない。質問を元にユーザーに症状を説明し、治療が必要な場合には推奨事項を提供する。

マイクロソフトは声明の中でまた、同社のHealthcare Botのカスタマイズ版は現在プロバイダーにより使用されており「新型コロナウイルスの感染を懸念する一般市民からのメッセージは、毎日100万件を超えている。この数は、増大するニーズに対応して急速に増加することが予想される」と述べている。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

セールスフォースがService CloudにAmazon Connectを導入

Salesforce(セールスフォース)とAWSは継続的なパートナーシップの拡大を発表した。両社のパートナーシップは2016年のインフラサービスに関する4億ドル(約434億円)の合意に始まり、昨年には両社間でのデータの統合に拡大されていた。今年は、セールスフォースは同社のService Cloudのコールセンターソリューションの一部として、Amazon ConnectでAWSのテレフォニーと通話のトランスクリプション(文字起こし)サービスを提供すると発表した。

画像:vgajic / Getty Images)

Service Cloudプロダクトマネジメント担当バイスプレジデントのPatrick Beyries(パトリック・ベイリーズ)氏は「我々はAWSと戦略的パートナーシップを組んでいる。そのためお客様は我々からAmazon Connectを購入すれば、あらかじめ統合されていてすぐに通話をトランスクリプションできるし、もちろん通話の録音もできる」と説明する。

セールスフォースはほかのテレフォニーベンダーとも提携しているので、顧客はAmazonのソリューションのほか、Cisco、Avaya、Genesysからも選択できるとベイリーズ氏は語っていることに注目だ。

こうしたテレフォニーのパートナーシップはService Cloudのコールセンターサービスに足りない部分を埋めるもので、セールスフォースから直接、通話そのものにアクセスできるようになる。テレフォニーベンダーが通話のトランスクリプションを処理し、それをセールスフォースに渡す。するとセールスフォースはEinstein(アインシュタイン)という同社のAIレイヤーを使ってトランスクリプトを「読み取り」、CSRとして次にとるべきアクションをリアルタイムで提示する。こうしたことはチャットなどのチャネルでは可能だったが、音声のやりとりではできていなかった。

ベイリーズ氏は「会話が進むと、消費者はどういう問題が起きているかを説明する。Einsteinはその会話を『モニタリング』している。会話が決定的な局面になるとEinsteinはその内容を理解し、具体的な解決策を担当者に示す」と言う。

セールスフォースはService Cloudのこの新機能を来年春に試験的に開始する。一般への提供は来年夏になる見込みだ。

わずか1週間ほど前にセールスフォースは、同社のMarketing CloudをMicrosoft Azureに移行する大規模なパートナーシップを発表した。最近の一連の発表は、セールスフォースはビジネスの理にかなっていれば複数のクラウドパートナーとこれからも協力していくことを示している。今回はAmazonの番だった。

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(翻訳:Kaori Koyama)

マイクロソフトの2019年9月締め四半期は絶好調だがAzureの成長率は下降が続く

Microsoft(マイクロソフト)の2020年会計年度の第1四半期(2019年7〜9月)の結果はアナリストの予想を大きく超えたが、しかしAWSと競合するAzureの成長率は引き続き減少している。

第1四半期の同社の売り上げは前年同期比で14%伸びて331億ドル(約3兆6000億円)になった。純利益は21%増の107億ドル(約1兆1600億円)、1株あたり1.38ドル(約150円)だ。

Office製品やLinkedInなどを含むMicrosoftのProductivity and Business Processes(生産性とビジネスプロセス)部門の売り上げは13%増えて111億ドル。LinkedInの売り上げは25%増加した。

一方、同社のIntelligent Cloud(インテリジェントクラウド)部門の売り上げは27%伸びて108億ドルだ。サーバープロダクトとクラウドサービスは30%伸びた。同社によると、Azureの売り上げは59%増加したが、この成長率は前年同期の76%に比べると落ちている。成長率はそれ以降落ち込みが続き、前四半期の成長率64%よりさらに下がっている。パーソナルコンピューティング部門は4%増加して111億ドルの売り上げだった。

同社の予想では、第2四半期(2019年10〜12月)0の売り上げは351億5000万ドル(約3兆8200億円)から359億5000万ドル(約3兆9000億円)の間だ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Microsoft Azureのアベイラビリティゾーンがやっとアベイラブルになった

どのクラウドを使う場合でも、あなたのアプリケーションの可利用性を高く維持するためには、そのアプリケーションとデータを物理的に異なる複数のリージョンに置きたいだろう。そうしないと、ひとつのリージョンがダウンするとアプリケーションもダウンする。しかし大手クラウドプラットホームはすべて、ひとつのリージョン内に‘アベイラビリティーゾーン(availability zone)’という概念を設けて、アプリケーションを同じリージョン内の二つのデータセンターでホストするオプションを提供している。すべて、と言ったが、Azureのアベイラビリティゾーンは昨年9月にベータでローンチし、今日(米国時間3/30)から一般供用される。

今日のローンチに先駆けてMicrosoftのAzure担当VP Julia Whiteは、データセンターのネットワークに関する同社の設計哲学はつねに、商用利用の顧客にできるかぎり広い圏域のリージョンを提供して、彼らの顧客との至近性を確保し、またローカルデータの独立性とプライバシーに関する法律を守ることにある、と述べた。たしかにAzureは競合他社に比べてリージョンの数が多く、今可利用なものが38、発表されているものが12ある。

“Microsoftのインフラストラクチャのアプローチはエンタープライズの組織を念頭に置いており、そのために多数のリージョンを設けている”、とWhiteは言っている。“このようなリージョンの設定は、容易でシンプルだからしているのではない。顧客が本当に望むものはこれだ、と信じているからだ”。

それぞれのアベイラビリティゾーンに独自のネットワーク接続と電力のバックアップがあり、リージョン内のひとつのゾーンがダウンしてもほかは無事だ。しかしリージョン全体に及ぶ災害はすべてのゾーンを遮断するだろうから多くの企業は、データを少なくともあとひとつの別のリージョンに保存したいだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

政府系顧客の獲得を目指すMicrosoftがAzure StackとAzure Governmentを統合へ

政府系クライアントの増加策としてMicrosoftは、同社のハイブリッドクラウドプラットホームAzure Stackを本年半ばにAzure Governmentと統合する、と発表した。Azure Stackにより政府諸機関はAzureのクラウドコンピューティングプラットホームを各自のプライベートサーバー上で動かせるようになり、Microsoftの各種クラウドサービスにもアクセスできる。これによりクライアントは機密データをより容易に保護できるようになり、それにはオンプレミスのサーバーに保存されるべき秘密情報も含まれ、そしてデータをめぐる規制へのコンプライアンスも確保される。

Microsoft Azureは、公共部門の顧客獲得をめぐってAmazon Web Servicesと競合しており、その競合では2013年にCentral Intelligence Agencyにサービスを提供する6億ドルの契約を獲得した後者が先を走っている。その契約についてCIAのCIO John Edwardsが昨年、それによって同機関がレガシーソフトウェアをより効率的かつ低コストでメンテナンスできるようになったため、“これまでで最良の意思決定だった”、と述べている。

しかしながらMicrosoftはAmazonに追いつく気でおり、そこで両社とも最近では政府系クライアントのためのサービスの導入に追われている。たとえば昨年の秋にAmazonは、アメリカの諜報機関のニーズに応じた“秘密リージョン”の提供を発表した。AmazonによるAWS Secret Regionの発表は、MicrosoftによるAzure Government Secretの発表の直後に行われた。それもやはり、秘密のワークロードをサポートする。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

MicrosoftがMariaDB Foundationに参加してAzure Database for MariaDBをローンチ

Microsoftが今日(米国時間11/15)、同社がMariaDB Foundationに参加することを発表した。この非営利団体は、MySQLを作ったデベロッパーたちによる人気の高いリレーショナルデータベースMariaDBの非商用化バージョンを支えている。そのプラチナスポンサーになったMicrosoftは、Booking.comやAlibaba Cloud、Tencent Cloudなどと横並びすることになる。

さらに今日Microsoftは、Azure Database for MariaDBというサービスを立ち上げた。これは、Azureの一員としてのマネージドデータベースサービスという意味で、ほかにもAzure Database for MySQL, 〜〜〜PostgreSQLなどの類似サービスがある。

MySQLは最初Sun Microsysytemsが買収し、今ではOracleがそのオーナーであるため、その私企業臭を嫌う多くのデベロッパーのためにMariaDBが開発された。いわばそれは、MySQLの身代わりリプレースだ。

MariaDB(とMySQL)のファウンダーMonty Wideniusが、今日の発表声明でこう書いている: “MariaDB Foundationの理事会は、MicrosoftをFoundationのプラチナメンバーとして歓迎する。私がMariaDBを作ったのは、MySQLをオープンソースのコミュニティに戻すためであり、その強力でオープンな未来を確実なものとするためだった。私はMicrosoftがそのビジネスをオープンなやり方で変えていく様相を間近で見てきたし、Microsoft Azureも確かにオープンであり、フレキシブルである。今のMicrosoftはGitHubの主要なコントリビューターの一員であるが、私たちは、Microsoftの技術者たちとそのデベロッパーのエコシステムが、それと同じようにMariaDBを支えていくことを、期待している”。

Wideniusのオープンソース観は、つねにきわめて実践的だ。数年前に彼はMariaDB Foundationを始めるためにSkySQLを去ったが、今ではそれはMariaDB Corpとなり、MariaDBデータベースの商用化をビジネスとしている。そしてその後彼は、MariaDB Corp.にCTOとして戻った

一方Microsoftは、このところ確実にオープンソース擁護派だ。今や同社は、Linux Foundationとその一部プロジェクトのスポンサーであり、またOpen Source InitiativeやCloud Foundry Foundationなどにも加盟している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

クラウドインフラストラクチャ市場ではAWSの支配が当分続きそう、後続との差は大きい

【抄訳】
AWSは今四半期でも、クラウドインフラストラクチャ市場の無敵のトップだ。いわゆる成長率ではMicrosoftやGoogle、Alibabaなどが高いが、彼らは分母が小さすぎるから、その成長はAWSから見れば痛くも痒くもない。

AWSの今四半期の売上は、45億7000ドルという巨額だ。この額はアナリストたちの予想45億1000万ドルを上回り、この成長率が続けば2017年の年商が180億ドルに達しそうなペースだ。

“でも、Microsoftのクラウド部門は年商200億ドルでしょ?”、と言うのは無意味な比較だ。なぜならそのクラウド部門なるものに大きく貢献しているのはAzureのようなインフラプラットホームではなくて、Office365などのSaaSビジネスだ。IaaSとかSaaSとか、クラウド方面の謎のような言葉は、この記事で勉強できるだろう。

クラウド市場を追い続けるアナリスト集団Synergy ResearchのJohn Dinsdaleによると、クラウド市場のマーケットシェアを云々するときはSaaSを別立てで計算すべきである。そしてIaaSとPaaSおよびプライベートクラウドを合わせた市場では、SynergyによるとAWSのシェアは35%だ(下図)。他社は、はるか後方に引き離されている。

【中略】

Synergyが作った上図を見ると、AWSはいわゆる“ダントツ”である。Microsoftも頑張ってはいるが、AWSには接近できない。同じくアナリスト企業のCanalysは、やや低い31%をAWSのシェアとしているが、市場の全体像としてはSynergyの結果とほぼ同じだ。

ちょっと意外なのは、これら競合サービスの成長率の高さかもしれない(上図および下図)。Canalysの数字では、AWSの成長率およそ40%に対してMicrosoftは90%、Googleはおよそ75%だ。でも、小額な売上増でも、分母が小さいと増加率は大きくなるのであり、いずれにしても当分は、AWSの牙城はびくともしない。

もちろんクラウド市場はまだ飽和にはほど遠くて、今後ますます大きくなると予想されるが、成長率の高いMicrosoftも含めて、AWSにとって‘脅威’と言えるほどのコンペティターはまだ存在しない。

CanalysのリサーチアナリストDaniel Liuは、こう言う: “AWSは多様なサービスとデベロッパーの大きな知名度により、先行馬としての優位を維持し続ける。しかし後続集団の中での先頭は、伝統的にエンタープライズに強く、Office互換性という有利性を持つMicrosoftだろう。Microsoftのもうひとつの強みは、強力なハイブリッドクラウドソリューションにおける技術と経験だ”。

一方AWSのCEO Andy Jassyは、自社の優位性についてそれほど楽観的ではない:

“これからの市場では、一人勝ちはありえない。この業界はコストが大きいし、サービスの品揃えの豊富さと最先端性が重要だから、30社が市場にひしめくということはありえないだろう。でも、成功者が複数社になることはほぼ確実で、それらの名を今挙げることはできない。でも長年のエンタープライズ顧客が多くて営業に大軍を抱える古顔たちが、きっとその中にはいるだろう”。

でも、少なくとも現状のクラウドコンピューティング市場では、各社間の売上規模の格差が大きく、またクラウドサービスの内容も多様なので、成長率等の数字を見るときは注意が必要だ。

〔訳注: 各社、発表している数字の部門分けなどがまちまちなので、成長率90%、75%のMicrosoftやGoogleが、成長率40%のAWSに追いつくのは何年後か、という単純計算も、一般に公表されている数字からはできない。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

CrayのスパコンがMicrosoft Azureにやってくる

クラウド・コンピューティングに意外なニュースが飛び込んできた。MicrosoftはCray提携し、同社のスーパーコンピューターとストレージをAzure から利用できるようにする。

Crayと聞けば、多くの読者は70年代から80年代にデザイン過剰のスーパーコンピューターを作っていた会社を思い浮かべるかもしれない(あの円筒形のタワー状本体の周囲にベンチが設置されたモデルだ)。

Crayは90年代には何度か浮沈を繰り返し、所有者も変わったが、その後、XCCSシリーズの成功で地位を取り戻した。最新モデルはNvidia GPUとIntelのCPUを採用し標準規格のスーパーコンピューターとなっている(一部のマシンはFPGAも採用している)。単一キャビネットのピークパフォーマンスがペタフロップ級のマシンに仕上がっている。

当然ながら、こうしたマシンは非常に高価だ。Crayのターゲットは現在もハイパフォーマンスを必要とする大学や研究機関だ。最近Crayのマシンは機械学習関連の作業で使われることが多い。

そうはいっても、数分で完了するようなバッチ・ジョブ1本のためにCrayをレンタルすることはできない。そこでMicrosoftとCrayはスーパーコンピューター・システムをMicrosoftのデータセンターに設置し、ユーザーがAzureクラウドサービスを通じてCrayのマシンに容易にアクセスできるようにしようと準備中だ。同様に、今後スーパーコンピューターを必要とするかもしれないユーザーも、Azureを利用すればCrayシステムを利用できる。Microsoftの広報担当者が私に語ったところでは、「Crayマシンはそれぞれが顧客のニーズに合わせて設定をカスタマイズできるようにする」ということだ。

今日(米国時間10/23)、Azure担当のMicrosoftコーポレート・バイスプレジデント、Jason Zanderはブログに 「Microsoft Azureは数多くのエンタープライズで採用され、その能力を十分に証明してきた。ユーザー各社はわれわれのクラウド環境で戦略的にもっとも重要度の高いタスクを実行している。今回は新たにCrayと共同することにより、Azureには専用のスーパーコンピューター能力が与えられる【略】」と書いている。

実はCrayがデータセンターにマシンを設置するのはこれが2度目だ。1991年ごろからCrayはMarkleyというあまり有名でないデータセンターに設置されている。Markleyはアメリカとヨーロッパでトータルで27万平方メートルにもなるデータセンターを運用している。

画像: Yiming Chen/Getty Images

〔日本版〕トップ画像はCrayfish(ザリガニ)とCrayをかけたもの。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AWSにならってGoogleのCompute Engineも秒制課金を導入、Microsoftはまだか

一週間前にAWSは、同社のEC2サービスの秒単位の課金への移行を発表した。Googleが今日、ほぼ同じ移行を発表したのも、当然だろう。

Google Compute Engine, Container Engine, Cloud Dataproc, およびApp Engineが依拠する伸縮性仮想マシンは、今日からただちに毎秒課金が開始される(AWSの秒課金開始は10月2日からだ)。この新しい課金方式は、プリエンプティブマシンと、同社のプレミアム(特別優遇)オペレーティングシステム(Windows Server, Red Hat Enterprise Linux, SUSE Enterprise Linux Server)が動くVMにも適用される。AWSの秒制課金は標準のLinuxインスタンスのみで、Windows Serverや他のLinuxディストリビューションは従来どおり時間制の課金だ。

AWSの秒制と同じなのは、Googleも最小課金量が1分であること。(30秒しか使わなくても1分)

なおGoogleはすでに、Persistent Disks, GPU, そして特定の割引利用では秒課金を導入している。

毎秒課金になっても多くのユースケースにおいて課金額はほとんど変わらない、とGoogleは言っているが、頻繁かつ急速にスケールアップ/ダウンを繰り返すようなアプリケーションもたくさんあり、そんなアプリケーションでは有意な差がある、とも言っている。Webサイトやモバイルアプリ、データ処理のジョブなどが、そんなアプリケーションの典型だ。

Compute EngineのプロマネPaul Nashが今日の発表声明で述べている: “課金額に大きな違いが生じないことが、これまで秒課金の要望が少なかった理由だと思われるが、みなさんが時間を気にせずに朝のコーヒーをゆっくりお飲みいただけるために、そのVMsの課金方式を最小を1分とする秒制にできたことは、本当に喜ばしい”。

Google自身がそれを白状することはないが、でもこれは明らかにAmazonへの対抗だ。表向きには、両クラウドコンピューティングサービスの機能を比較するページの、チェックボックスがひとつ増えただけだけどね。

ではMicrosoftはどうなる?

今のところ、Microsoftは同じ動きを見せていない。MicrosoftのAzure Compute部門のプロダクト担当Corey Sandersは同社のIgniteカンファレンスの会場で、私の質問にこう答えた: “Azure Container Instancesでは、数秒でスピンアップし数秒でスピンダウンするようなサービスは実質的に秒課金だから、秒制課金の先鞭をつけたのはむしろ弊社である。われわれは顧客にこのような粒度を提供することがコストの面で重要であることを、前から理解していた。他のクラウドがわれわれに見習って、顧客の課金に最良の柔軟性を提供しようとしている光景を目にすることは、実に嬉しい”。

通常の仮想マシンに関してはSandersは明言を避け、Microsoftはコンテナにフォーカスしたい、秒制課金がもっとも有意なのはコンテナだから、と述べた。“弊社のプラットホーム全体にわたって、課金の構造はつねに改善に努めている。それによって顧客がもっと容易に、そしてもっとアジャイルにプラットホームを利用できるようにしたい”、と彼は語った。でもMicrosoftが近く、比較ページに毎秒課金のチェックボックスを含めなかったとしたら、その方がビッグサプライズだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Azureが費用節減のための予約インスタンスを導入、新たなコスト管理サービスもローンチ

ご存じない方もおられるかと思うが、Microsoftは今週、フロリダ州オーランドで例年のIgniteカンファレンスを行っている。その主役はあくまでも同社のおなじみのプロダクティビティアプリケーションだが、最近のMicrosoftはクラウドコンピューティングプラットホームAzureの話題も少なくない。今日(米国時間9/25)発表されたAzureのアップデートの中には、予約インスタンスのローンチや、数か月前にMicrosoftが買収したCloudynの統合による、新たなコスト管理ツールなどがある。

MicrosoftのScott Guthrieは今日の発表で、“クラウドの信頼性の核はそのコストだ。いきなり巨額な請求書が来ないことだ”、と言っているが、一般ユーザーが事前にクラウド利用の費用を正確に見積もることは難しい。そこで今回発表されたCloudynをベースとするAzure Cost Managementサービスは、Azureの顧客全員に無料で提供され、クラウドのROIの最大化を助け、クラウドコンピューティングのリソースの利用状況を把握できるようにし、そしてその費用の管理を支える。

予約インスタンス(reserved instances)はAmazonのAWSには前からあるので、新しいコンセプトではないが、むしろ、Microsoftの導入の遅さが意外でもある。予約インスタンスは、ユーザーが最初に1年から3年の長期利用契約を結び、通常のオンデマンドの利用の最大72%の費用節約を獲得する。Microsoft独自の仕様は、途中でキャンセルして払い戻しを受けられることだ。AWSでは、途中でキャンセルするためにはユーザーがサードパーティのバイヤーを見つけなければならない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Microsoft Azureにバースト的なワークロードのための新しいVMタイプが登場

Microsoftが今日(米国時間9/11)、同社のクラウドコンピューティングプラットホームAzureの、新しいタイプの仮想マシンをプレビューで発表した。この、バースト的なワークロードに適しているとされる、その名もBシリーズマシンは、今のところもっともローコストなAzureマシンで、CPUの利用度を目的に応じ選べる(下表)。Webサーバーや小規模なデータベース、開発/試験環境などのワークロードに向いているだろう。

このBシリーズのマシンは、バーストできるパフォーマンスを提供するという意味でAWSのT2インスタンスに似ており、仮想CPUのフルパワーを必要としないときは使わないぶんをクレジットとして築ける点でも同じだ。Googleのf1-microとg1-smallのインスタンスも、ほぼ同じだ。マシンがアイドルのときクレジットを蓄えられるから、通常のVMよりも費用を節約できる可能性があり、しかも必要なときには十分なパワーを利用できる。

Microsoftが提供するこのBシリーズマシンには6つのバージョンがあり、いちばん安いのはシングルコアのVMと1GBのメモリで1時間1.2セント、そして最高は8コア32GBのマシンで1時間37.6セントだ。これらはLinuxマシンの場合の料金だが、Windowsマシンの場合は例によってやや高くなる。プレビューの間は、料金はこれらの半額である。

これらの新しいマシンタイプが提供されるのは、最初はアメリカ(West 2, East)、ヨーロッパ(West)、アジア太平洋(Southeast)のゾーンのみだ。プレビュー期間に利用してみたいデベロッパーは、クォータをリクエストする必要がある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Microsoftが完全な管理を伴うイベントルーティングサービスAzure Event Gridを立ち上げ

Microsoftが今日(米国時間8/16)、Azure系列の新製品をプレビューとして発表した。それは、イベントベースのアプリケーションを作りやすくするためのツールだ。

そのAzure Event Gridは、画像やビデオがアップロードされた、ボタンがクリックされた、データベースがアップデートされた、などなどのイベントをAzureの正式のオブジェクトとして扱う。Event GridはMicrosoftの既存のサーバーレス製品Azure FunctionsやAzure Logic Apps(の足りない機能)を補完して、完全に管理されたイベントルーティングサービスへのアクセスを与える。この新しいサービスにより、どんなイベントに対しても、それを受け入れて反応する柔軟性が与えられる。それらは、Azure内部で起きるイベントでも、あるいはサードパーティのサービスや既存のアプリケーションで起きるイベントでもよい。

Event Gridを使うと、イベントを特定のエンドポイント(あるいは複数のエンドポイント)へルートしたりフィルタできる。

“サーバーレス”という言葉は、最初から一貫して誤称だ。たしかにアプリケーションはサーバーを呼び出さないけど、イベントに応じて何かをやるのは依然としてサーバー、というかサーバー上のコードだ。サーバーレスプラットホームの基本的なコンセプトは、このモデルではイベント駆動のアプリケーションを、それを支える低レベルのインフラストラクチャ(サーバーなど)をまったく気にせずに作れる、という点にある。

たとえば、MicrosoftのAzure ComputeのディレクターCorey Sandersによると、Event Gridは、マイクロサービスを作るためのMicrosoftのプラットホームService Fabricの上にあるが、デベロッパーはそのサービスについて何も知る必要がなく、プラットホームがすべての面倒を見る。

Event Gridはwebhookのエンドポイントとして、どんなアプリケーションからでも入力を取れるから、Azure FunctionsやLogic Appsなどよりもやや進んでいる。“目標は、顧客が管理でき操作できる正式のオブジェクトとしてのイベントを提供することだ”、と、Sandersは語る。基本仕様としてEvent Gridは、Azure Blog StorageやResource Manager, Application Topics, Event Hubs, Azure Functions, Azure Automation, そしてLogic Appsをサポートしている。またCosmosDBデータベースサービスやIoT Hubなどの新しいサービスも、年内にはサポートされる。IoTアプリケーションはイベント駆動が定石だから、IoT Hubのリリース時点でイベントのサポートがなかったのが、むしろ意外だ。

標準的なサーバーレスアプリケーションとインテグレーションはLogic Appsがあれば十分かもしれないが、Event Gridを使えばオペレーションのワークフローの一部を自動化でき、たとえば新しい仮想マシンやデータベースの立ち上げなどにも、自動的に対応できるようになる。

Event Gridの料金は処理するオペレーションの数による。最初の10万オペレーションは無料、そしてその後、100万オペレーションごとに60セントだ。現在のプレビューの時点では、30セントとなる。ひとつのオペレーションは、入力処理、高度な数値演算、デリバリの試み、管理タスクの呼び出しなどだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Microsoft、数千名規模のレイオフ報道を正式に認める

一週間にわたる報道を受け、Microsoftは組織再編の計画を正式に認めた。本誌が先日報じたように、変更には営業チームの再編成がともなうため、数千名の社員に影響を与えることが予想される。その後の報道にある対象人数は、「最大3000名」から5000名近くまでさまざまだ。少ない方の数字を挙げたCNBCは、レイオフの約3/4は米国以外で実施されることを付け加えた。

Microsoft自身はまだ具体的な数字を出していない。従業員に解雇について伝えるプロセスが始まったことを認めただけだ。それ以外、TechCrunchに提供されたメモには、前回報じた数千名規模になるであろうレイオフについて曖昧に書かれているだけだった。

「Microsoftは弊社の顧客およびパートナーにこれまで以上のサービスを提供するために組織を変更する。本日一部の従業員に対して解雇の可能性を伝えた。他の企業と同じく弊社は定期的に経営状況を見直している。その結果、一部の部門への投資を増やしたり、必要な時には配置転換を行うこともある」とMicrosoftの広報担当者が声明で述べた。

レイオフは今日から始まる予定であり、改変後の営業チームはクラウドサービスのAzureに集中する。新しいアプローチでは、エンタープライズおよび中小規模の顧客が主要ターゲットとなり、従来の政府、石油・ガス、製薬などからは離れる。タイミングは例年同社が大きな人事異動う行う会計年度末と一致している。

7月3日にEVPのJudson Althoffが書いたスタッフ・メモに、事業方針の変更について書かれている:「適切なリソースを適切な顧客のために適切な時に配置する」。

メモには解雇人数を減らす計画について何も書かれていないが、Althofは昨年末にビジネス営業チームの責任者になって以来、過去の営業方針を公然と批判しており、Azureの販売に関して今まで以上にカスタマイズを強化する計画を打ち出していた。

Featured Image: Bloomberg/Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

パブリッククラウドプラットホームにおけるAWSの王座は今後も揺るがず

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Amazonは木曜日(米国時間2/2)の決算報告の中で、同社のクラウド事業部Amazon Web Servicesの収益についても発表したが、それらは意外性とはほど遠いものだった。AWSの成長率そのものは、そのライバルのように突出してはいないが、それでも47%の高率、142億ドルという驚異的な四半期売上で35億3000万ドルの利益を上げた。

Microsoft Azureなどの方が成長率が高い、とはいっても、彼らはそもそも、最初から分母が小さい。AWSは巨体になりすぎて、子どもの体の敏捷さを失っているだけだ。

MicrosoftやIBM, Google, そしてOracleやAlibabaまでも、クラウドの高い成長率を誇っているが、彼らを全部合わせてもマーケットシェアではAWSに及ばない。しかも彼らが今後どれだけ売上を稼いでも、市場そのものがものすごい高率で成長している。つまり長期的に見れば、彼らは一定のサイズのパイの分け前を争っているのではない。

今ではいろんな市場予測があって、どれが正しいのかよく分からないけど、IDCの数字では、昨年のパブリッククラウドの市場規模は950億ドルだ。同社は、3年後にはこの倍以上、すなわち2020年には1950億ドルと予想している。これが正しければ、どのクラウド企業にも巨大な市場機会があることになる。

同じくIDCが予測する2020年の全企業のIT支出の総計は、2兆7000億ドルだ。少なくとも当面は、全IT支出の中でクラウドサービスへの支出が、微々たる比率であることが分かる。

これよりも楽観的なForresterは、2020年のパブリッククラウドの市場サイズを2360億ドルと予測している。どんな数字になるにせよ、市場そのものが急成長していることは明らかである。

それはマーケットシェアを争う各社にとっては良いニュースだが、AWS自身も急成長していくわけだから、それに追いつくのは難しい。Amazonは10年以上も前に業界で初めて、パブリッククラウドをInfrastructure as a Service(サービスとしてのインフラストラクチャ)、すなわちIaaSとして市場化したが、その後数年間にわたり、この新しい業態に挑戦する競合他社は一社も出現しなかった。

今日では、Synergy Researchの数字によれば、マーケットリーダーであるAWSのマーケットシェアはとてつもなく大きい。変化の激しい市場だから一概に言えないとはいえ、Synergy ResearchのチーフアナリストJohn Dinsdaleの説では、AWSに追いつくことはMicrosoftにとってすら、非常に難しい。

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Dinsdaleは語る: “単純に数字だけから言っても、AWSと二位以下との差があまりにも大きいから、短期的には首位争いと言えるほどの競争はありえない”。しかもAWSは、大きなマーケットシェアに安住することなく、次々と新しいイノベーションを打ち出している。

“AWSはインフラへの巨大な投資を継続しており、サービスの幅の拡大と実行性能の向上にも継続的に努めている。そのビジネスは顧客企業の成長と共に成長し、また今では重要な存在であるAWSを、母体であるAmazonが長期的に支えている。数字から言っても、ビジネスの論理から言っても、規模とマーケットシェアでAWSに匹敵するような競合他社は、近未来においては存在し得ない”、とDinsdaleは言葉を継ぐ。

だから今後しばらくは、すべてのパブリッククラウドベンダが、驚異的な業績をあげるにしても、それはAWSのシェアを奪ってのことではない。むしろ、今でもAWSのマーケットシェアは拡大を続けており、新しい機能やサービスを非常に頻繁に加え続けているから、資本力と企業力で負けていないMicrosoftやGoogleでも、AWSのマーケットシェアに食い込むことは、当分のあいだ難しいだろう。

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Microsoft Azureのマイクロサービスデプロイ管理ツールService FabricがLinuxでも使える

A Microsoft logo sits on a flag flying in the grounds of the Nokia Oyj mobile handset factory, operated by Microsoft Corp., in Komarom, Hungary, on Monday, July 21, 2014. Microsoft said it will eliminate as many as 18,000 jobs, the largest round of cuts in its history, as Chief Executive Officer Satya Nadella integrates Nokia Oyj's handset unit and slims down the software maker. Photographer: Akos Stiller/Bloomberg via Getty Images

MicrosoftのAzure担当CTOで(ときどき小説家の)Mark Russinovichは、マイクロサービスを強烈にプッシュする。彼によると、エンタープライズアプリケーションも含めて大半のアプリケーションが、やがてマイクロサービスを使って構築されるようになる。このところさまざまなクラウドサービスやデベロッパーツールを商材としているMicrosoftも、当然その市場に食い込みたい。そこで同社はService Fabricと呼ばれるサービスおよびツールでもって、マイクロサービスベースのアプリケーションの、より容易な運用を支援しようとしている。これまでService FabricはWindowsのみだったが、9月26日からはService FabricのLinux用インストーラーを公開ベータで提供する。

Russinovichの説明では、Microsoft自身は社内的にマイクロサービス方式を7年前から使っている。クラウドが今のようにメジャーな存在になると、それは小さな企業でも十分使える技術だろう、と彼は言う。“マイクロサービスとクラウドは車の両輪だ”、そうだ。クラウドを利用すればマシンを一瞬にして立ち上げることができる。その上にマイクロサービスの層を置けば、アジャイルな開発が前よりもずっと容易になる。マイクロサービス方式なら、アプリケーションの全体やそのほかのパーツにさわることなく、目的のコンポーネントだけをアップデートできるからだ。

“10年近く前に開発されたService Fabricは、Windowsと.NETが舞台だ。しかし最近ではますます多くの顧客が、アプリケーションの構築方法に関して、どこでも、そしてどんなオペレーティングシステムの上でも使えるプラットホームを求めている”。

Servic FabricはMicrosoftが長年社内で使ってきただけに、実戦で鍛えられ、機能も完備している。Russinovichが強調するのは、Microsoftのこれまでの体験を通じて、ロールバックやバージョニング、自動治癒などの機能を導入してきたことだ。“これのアクセス性を広げることによって、マイクロサービスを一層普及させたい”、と彼は語る。

スタンドアロンのLinuxインストーラーにより、ユーザー(主にオペレーター)はService Fabricを使って、オンプレミスやハイブリッド、あるいはマルチクラウドの、マイクロサービスのデプロイを管理できる。

Linuxへの移行に伴いMicrosoftは、コマンドラインのツール一式と、EclipseおよびJenkinsのサポートをデベロッパー向けに提供する。“われわれの究極の目標は、デベロッパーが自分の選んだOSの上でService Fabricのアプリケーションを構築でき、それらをどこででも動かせるようになることだ”、とRussinovichは今日(米国時間9/13)の発表声明に書いている。

〔参考記事: (1)(2)(3)。〕

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Microsoft、企業データを保護するAzure Information Protectionサービスを発表

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今日(米国時間6/22)Microsoftは、企業がサーバー・端末間でやり取りするデータを保護するための新しいプロジェクトを発表した。新しいAzure Information Protectionサーヒスは、Azure Rights Managementサービスと同社が最近買収したイスラエルのセキュリティー会社、Secure Islandsの技術に基づいて作られている。新サービスは来月パブリックプレビューを開始する予定。

「情報が企業ネットワークの境界を越えて移動し、企業の支配下にない多くの端末に送られる可能性もある時代、企業はデータを根元で保護する必要がある」とMicrosoftは今日の発表で説明した。「このような状況の中、データの置かれた場所や、誰とシェアされているかに関わらず、ファイルレベルでデータ損失を防ぎ、情報を追跡するソリューションを持つことが益々重要になっている」。

このデータを保護するために、Azure Information Protectionサービスではユーザーがデータに、その情報源、コンテキスト、および内容に基づいてタグ付けできる。この分類は自動あるいはユーザー主導で行われ、ラベル付けされたデータには、管理者がタグに応じて異なる保護レベルを与えることができる。

こうしたクラス分けと保護レベルはデータがモバイル端末に移動する際にもついて回る。

殆どの部分は、Microsoftの現在あるAzure Rights Managementの機能とあまり変わらない。しかしMicrosoft広報によると、Azure Information Protectionサービスは、データのクラス分けとラベル付けにSecure Islandsの技術を利用している。従来のAzure Right Managementのクラス分けツールは、企業のITポリシーまたはユーザー主導によるものでで、ドキュメントの内容を見ることはできなかった。

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Microsoftがクラウドプラットホームの10億ドル相当の利用を全世界の非営利活動に無償提供

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MicrosoftのCEO Satya Nadellaが今日(米国時間1/19)、今後3年間、Microsoft Cloudサービスにおいて非営利団体に10億ドルの寄付を行う、と発表した

計画では、Azure, Office 365, PowerBI, オンラインCRMなどMicrosoftのクラウドプラットホーム上で、合計約7万の非営利団体をサポートする。

今日の発表声明で、Nadellaはこう述べている: “Microsoftは、われわれの世代におけるもっとも変える力のある技術であるクラウドコンピューティングサービスを寄付して、この惑星全域の、使命を追求されておられる組織に力をお貸しする。今後は、7万あまりの組織が技術にアクセスし、それを、大きな社会的問題の解決に利用して、究極的には人間の状態を改良し、新たな成長を平等に前進させるだろう”。

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またMicrosoftの計画では、Azureのストレージとコンピューティングリソースへの無料アクセス助成を、大学の研究員に拡大する。現在、約600の研究事業がこの助成を受けているが、今後はその対象者を50%増やす。

さらにこれらのサービスには、“新しいローコストなラストマイルインターネットアクセス技術とコミュニティトレーニングへの投資”が組み合わされる。これの実際の意味は、たとえばアフリカにおける、テレビの(電波帯の)ホワイトスペースをインターネットアクセスに利用するプロジェクトをサポートすることだ。Microsoftは、2017年までに15か国で20の同種プロジェクトをサポートする計画だ。

根っからの皮肉屋であるぼくなんか、この3年が終わったときどうなるのか、と疑問に思わずにはいられない。こういう、初期利用の無料サービスは販促的な試用期間として提供されることが多く、無料期間が終わればプラットホームの正規ユーザになることが期待される。大学を対象とする事業も、同様だ。学生が卒業したら、これまで大学で使い慣れていたサービスを継続して利用するだろう、というわけだ。

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Microsoft AzureがVMを値下げ、新たに高速大容量ストレージ併設のGSシリーズVMを提供開始

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Microsoftが今日(米国時間9/2)、同社のAzureクラウドコンピューティングサービスの二つのアップデートを発表した。ひとつはパフォーマンスが最適化されるGクラスのVMに新しいタイプを導入、もうひとつは計算力に重点を置くDクラスVMを値下げしたことだ。

GクラスVMはAzureクラウド上のもっともハイエンドのマシンで、したがって料金ももっとも高い。Windowsが動き、最高月額は7180ドルにもなる。今度からこのGクラスのマシンに、高仕様ストレージを伴うGSというタイプが新たに導入され、そのストレージの最大仕様は64TB、毎秒80000I/O、最大スループットが2000MB/sとなる。

これまでのGシリーズと新しいGSシリーズはともに、VMが帯域20Gbpsのネットワーキングをサポートする。そのスループットは、競合他社の倍、だそうだ。

担当マネージャCorey Sandersによると、この有料ストレージオプションを導入したのは、顧客の要望による。Gシリーズのユーザは、大きなデータベースを必要とすることが多いのだ。

“そういうワークロードが増えているから、ストレージのスループットの増大を求める声が頻繁に聞かれるようになった”、と彼は語る。彼によると、GSシリーズのVMはMySQLやMicrosoftのSQL Serverなどだけでなく、MongoDBのようなNoSQLデータベースも高いスループットで利用できる。

Sandersによると、Azureの顧客の一部はデータウェアハウスや、あるいはExchange、Dynamicsのようなエンタプライズアプリケーションを稼働するためにこれらのマシンに着目している。

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今回のアップデートでMicrosoftは、DシリーズVMの最大27%の値下げを行う。このVMはWebアプリケーションのフロントエンドや、メインのデータ処理/供給層で使われることが多い。Sandersが説明する値下げの動機は、このDシリーズをいわば、Azure利用の入り口と位置づけ、今後なお一層のユーザ増を図りたいためだ。値下げは、10月1日から有効となる。

さらに今後Azureから、メッセージングサービスService Busを利用できるようになり、より高いアップタイムと、より予測可能なパフォーマンスが約束され、VMの診断能力も提供される。

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Microsoftが.NETをオープンソースにしてLinuxとMacにポート

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昨年11月にMicrosoftは、これまでWindowsオンリーだった.NETプラットホームの中核的機能の一部をLinuxとMacに持ち込む、と発表した。今日(米国時間4/29)同社のデベロッパカンファレンスBuildで同社は、LinuxとMac OS X用の.NET Coreランタイムの完全な形のプレビューを披露した。

さらにMicrosoftは、Windows用.NETフレームワークの完全な形のリリースキャンディデート(リリース候補)を、デベロッパが即使える状態で発表した。

しかしもちろん最大の呼び物は、Windows以外のプラットホーム向けに.NET Coreがリリースされたことだ。Microsoftのデベロッパ部門担当VP S. “Soma” Somasegarによると、これからのMicrosoftは従来のようにデベロッパにWindowsを使わせるのではなくて、Microsoftがデベロッパが今使っているものに合わせていく。.NET Coreももちろん、そういう動きの一部だ。

Microsoftによると、.NETをクロスプラットホームにするのは、そのエコシステムを大きくすることから、メリットを得たいからだ。同社は最初の発表の直後に、.NETをクロスプラットホームにし、しかもオープンソースのプロジェクトとしてそうする、と述べた。そのための推進組織としてMicrosoftは昨年、.NET Foundationを立ち上げた。

オープンソースの世界で活発に振る舞うMicrosoftの姿を、異様と感じる人もいるかもしれないが、実は最近のMicrosoftは、いろんなオープンソースプロジェクトに積極的にコードを寄与貢献している。

.NETフレームワークの発表の前にも同社はすでに、Roslyn .NET Compilerプラットホームをオープンソースにした。今年の初めにMicrosoftが、オープンソース担当の子会社MS OpenTechを閉鎖したのも、これからはオープンソースプロジェクトへの取り組みをMicrosoftの本体内に位置づけるためだ。

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