Facebook、クリーブランド銃撃ビデオの経緯を発表

Facebookは、オハイオ州クリーブランドの男が自らの銃撃ビデオをアップロードしたことで非難を浴びている。その後容疑者は殺人を告白するライブビデオも投稿した。この殺人事件とその後のFacebookの対応は、凶悪なコンテンツの扱いについて問題を提起した。

Facebookの国際事業担当副社長、Justin Osofskyは声明を発表し、各事象と関連ビデオの時間経過を公開した。

Osofskyの声明は、Facebook上のコンテンツの監視責任をユーザーに委ねるものだが、会社としてもっと適切な管理が可能であることも認めている。Osofskyは、人工知能およびビデオのシェアに関する新しいポリシーが問題解決の糸口になりうること、およびFacebookは現在のレビュー手順を高速化する計画であることを語った。

「一連の悲惨な出来事を受け、当社の基準に反するビデオその他のコンテンツを、できる限り簡単かつ迅速に通報できるよう手順を見直している。今回のケースでわれわれは、最初のビデオの通報を受けておらず、2番目のビデオ(銃撃シーンを含む)の通報を受けたのは投稿から1時間45分以上経過したあとだった。3番目の容疑者がライブで告白したビデオも、通報が届いたのは中継が終了したあとだったとOsofskyは書いている

11:09AM PDT : 第1のビデオ(殺人の意思表示)がアップロード。Facebookへの通報なし。
11:11AM PDT : 第2のビデオ(銃撃現場)がアップロード。
11:22AM PDT : 容疑者が5分間のライブビデオで殺人を告白。
11:27AM PDT : ライブ中継終了、直後に通報あり。
12:59PM PDT : 銃撃ビデオが初めて通報される。
1:22PM PDT : 容疑者のアカウントを凍結、全ビデオを非公開に。

この経緯がFacebookの監視システムの欠陥を露見させている。Facebookは、議論を呼ぶコンテンツや暴力的コンテンツの識別をユーザーからの通報に頼っている。容疑者が告白したライブビデオは別のユーザーによってすぐに通報されたが、殺人そのもののビデオは通報されず、結果的に2時間近く閲覧可能な状態にあった。

「例えば人工知能はこの作業で重要な役割を担っており、ビデオの全編が再シェアされるのを防ぐのに役立っている(ビデオの一部をシェアすることは可能で、これは大衆の認識のためであり、多くのメディアがネットやテレビで使っている手法だ)」とOsofskyは言った。

AIがいくら進歩しても、ライブ中継を暴力行為の放送に使うことをFacebookが阻止できるかどうかはわからない。ライブストリーミングはこれまでにも、銃撃、せっかん、性的暴力などのビデオ共有に使われてきた。そしてユーザーは、Facebookがクリーブランドの殺人がライブ中継されるのを許したことに怒りを表す一方で、警察官がフィランド・キャスティル氏を射殺したビデオを削除する結果となった技術的欠陥にも激怒した。Osofskyはクリーブランドのビデオについて「われわれのポリシーおよびわれわれが支持するすべてに対する挑戦だ」と言った。しかし、時としてユーザーは、政治的に重要であるという理由で暴力的ビデオを残すことをFacebookに期待する。それは微妙なバランスであり、AI単独で解決できる問題ではなさそうだ。

「Facebookが殺人を阻止することはない。AIがどれほど賢くなったとしても、『おい、そのビデオで誰かが誰かを殺しているぞ、ストリームはやめろ』と言えるようになる日は当分来ないだろう」とMike MasnickがTechdirtに書いた。「無分別な殺人や暴力が起きると、人々は答えを探しに走るが、そこには答えがないこともある。しかも無分別な暴力に絡んで使われたツールに答えを求めることが有益だとはとても思えない」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

米規制当局、指定13か国からのフライトで携帯電話より大きい電子機器を禁止

米国規制当局は中東およびアフリカの航空会社各社に対して、近々乗客は携帯電話より大きい電子機器はチェックインしなくてはならなくなると通告した。数多くメディアが報じた。つまり、遠からず対象の航空会社の乗客はノートパソコン、タブレット、Kindle、ポータブルゲーム機などはチェックイン荷物に入れなくてはならなくなる。

この禁止令についてはいまだに情報が錯綜している。例えば、どの国のどの航空会社が対象なのかもはっきりしていない。CNNのJon Ostrowerは、この新たな措置の影響を受ける航空会社は10社以上に上ると報じているが、具体的な会社名は不明だ。

これまでにロイヤル・ヨルダン航空だけがこの件についてツイートしている(しかし後に削除した)。エミレーツ航空などの主要中東航空会社はどこもこのノートパソコン禁止令についてコメントしていない。本誌は対象となりうる航空会社数社に連絡を取っているがまだ返信はない。例えばカタール航空の予約係と話したところ、まったくこの電子機器規制については知らなかった。

アップデートサウディア航空もこの大型電子機器禁止についてツイートした。

運輸保安局(TSA)にも問い合わせたところ、国土安全保障省(DHS)を紹介された。DHSから受け取った声明は以下の通り。「本省は安全保障予防措置の可能性についてはコメントしないが、時期が来れば情報を提供する」。

ロイヤル・ヨルダン航空のツイート(後に削除された)

この禁止令がいつまで有効なのかもわかっていない。初期の報道では禁止期間が96時間かと思われたが、どうやら航空会社が指示に従うまでの猶予期間が96時間らしい。

TSAが発令したとGuardianが報じているこの命令の理由もはっきりしていない。しかし、テロリストの脅威が迫っているとの情報に対する行動である可能性はある。

ほとんどの航空会社が、リチウムイオン電池を電源とするあらゆる機器のチェックインを禁止していることを踏まえると、今回の決定は実に紛らわしい。これらの航空会社を利用する乗客は、対象デバイスをチェックインできるのか、一切持ってはいけないのか、いずれかを意味することになる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、デベロッパーによる監視目的のデータ利用を明確に禁止

Facebookは今日(米国時間3/13)、米国自由人権協会(ACLU)、およびColor of Change and the Center for Media Justiceからの高まる圧力にこたえて、FacebookおよびInstagramのデータを監視目的に使用することを明確に禁止するとデベロッパーに伝えた。

ACLUは、デベロッパーがFacebookのAPIで収集した情報を使って、法執行機関向けのツールを作っていたことを何度か暴露してきた。Facebookはその都度データへのアクセス権を取り消す決定を下してきた。昨年10月、ACLUの報告によって監視ソフトウェア会社のGeofeediaが、Facebook、InstagramおよびTwitterのデータを利用していたことが明らかにされた。同社は活動家の投稿をソーシャルメディアで収集して法執行機関に売り渡していた。Twitterは昨年、ソーシャルメディア監視会社のSnaptrendsおよびMedia Sonarのアクセスを遮断した。後者は#BlackLivesMatter や #IAmMikeBrown といったハッシュタグを追跡することで活動家を識別していた。

Facebookは、この種の監視行動はそもそも同サービスのポリシーに反していると主張してきた。しかし同社のボリシーは今日改訂され、デベロッパーは「同社から得たデータを監視目的のツール提供のために使用」できなくなった。Twitterは同様の宣言を昨年11月に発表している。

「目的は当社サービスのポリシーを明確にすること。過去数か月間、既存のポリシーに違反して監視目的のツールを開発・販売していたデベロッパーに対してわれわれは強制措置を講じてきた。基本的なボリシーを誰もが理解し遵守することを徹底させたい」とFacebookのプライバシー責任者代理のRob Shermanが規約改定の発表記事で語った。

Facebookは、監視ツールを作るデベロッパー数社と縁を切っており、他の数社にはアプリをポリシーに準拠させるよう働きかけている。

「ソーシャルメディア・プラットフォームは黒色人種の人たちが世間の不平等を訴える重要な場となっている」とColor of ChangeキャンペーンのBrandi Collinsディレクターは言う。「われわれはFacebookとInstagramの今回の行動を称賛すると共に、多様性と平等の価値を認めると公言する全企業が立ち上がり、ソーシャルメディアによる侵略的監視が、低所得層の肌の色の黒い人々や茶色の人々を標的にするために利用されることを防ぐ必要がある」

しかし、Facebookが監視は規則違反だと言っただけでデベロッパーが言うことを聞くとは限らない。現在Facebookは、自動と手動による検出に加え、ユーザーやACLUなどの支援団体の協力も得てポリシーに違反する製品を見つけようとしている。

ACLUとColor of Change and the Center for Media Justiceは、次の段階としてFacebookが積極的にポリシーを強制すべきだと言っている。これはFacebookがすでに実行していると主張していることでもある。「FacebookとInstagramは人的およびシステム的な監視機構を導入して、デベロッパーあるいはエンドユーザーによる規約違反行為を効果的に検出し、違反者には迅速に対処すべきだ」と、連名の 書簡でFacebookに伝えた。

デベロッパーはFacebookのデータの用途を開示する必要があり、Facebookはアプリを検査して規則に沿っていることを確認している。Facebookによると、ケースによってはさらに広範囲な監査を行ってデベロッパーがデータを悪用していないことを確認しているという。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ニューヨークのテクノロジーハブの設計構想を市長のBill de Blasio自らが明かす…テク世界への参加基盤の拡大を目指す

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ニューヨーク市長のBill de Blasioと彼のチームが、25万平方フィートのテクノロジーハブUnion Squareの設計構想を発表した

12月に発表されたこのハブには、スタートアップのための5万8千平方フィートの“自由スペース”や、3万6500平方フィートのテクノロジー教育訓練センターがある。教育訓練事業は、ニューヨーク市コンピューター科学教育財団や、テクノロジー教育企業General AssemblyとPer Scholas、成人再教育/職業教育団体FedCapとCode to Work、クイーンズ自治区のテクコミュニティCoalition for Queensなどの手により展開される。

アンカーテナントのCivic Hallは、1000名収容のイベントスペースを運用する。そのコンセプトは、ファウンダーでCEOのAndrew Rasiejによると、“テクノロジーは公共の利益を増進する”だ。

De Blasioは、アドテック企業AppNexusのニューヨーク本社で今日(米国時間2/17)の午後行われたイベントで、ハブの設計構想を明らかにした。そして、それに対する彼の期待も語った。

Tech Hub food hall

ニューヨーク市のテック・コミュニティは、“この国でもっとも人びとの多様性があり”、そして“この国でもっとも社会を意識したテック・コミュニティだ”、と賞賛した市長はテクノロジーハブについて、“ますます多くの*ニューヨーカーたちが、この、ふつうというレベルを大きく超えているすばらしいテック・エコシステムの恩恵に与れるようにしたい”、と述べた。〔*: 再就職を求める成人、女性、マイノリティ、障害者、性的少数者など多様な層のテク社会参加。〕

“それこそが、民主主義を守ることである”、という締めくくりの言葉には喝采が起きた。“この言葉の意味は、みなさんにもおわかりいただけたと思う。情報の公開性と、自由なディベートと、どんな人でも迎え入れる社会を求める熱気が、この都市(まち)にはある。このすばらしいハブで私たちがすることも、そんな大きな熱気の一部だ”。

名前のとおりこのハブは、ニューヨークのUnion Squareにできる。今は電子製品のお店PC Richard & Sonsがあるところだ。建設は2018年に始まり、2020年にオープンする。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Apple、米規制当局宛の文書で自動運転車への意欲を表明

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Appleは米国道路交通安全局に政策提言書を提出し、成長しつつある自動運転車市場への参入意志を公に表明した。

最初にこの公式声明を報じたのはWall Street Journalだ。

Appleの自動車製品の詳細は声明文に書かれていない。しかし次の記載がある。

「Appleは機械学習技術を用いて自社の製品およびサービスをさらに賢く、直感的に、パーソナルにする。当社は機械学習とオートメーションの研究に多大な投資をしている。自動化システムが様々な分野に応用される可能性には大いに期待しており、自動運転はその一つだ」

Appleの製品基準責任者、Steve Kennerが書いたこの文書は、以下に挙げることを実現するための政策を提唱している:自動運転中に起きた事故の責任を明らかにすること、ユーザーのプライバシー、サイバーセキュリティーおよび身体的安全を確保すること、および自動運転車が公共に与える影響をできる限りプラスにすること。

もちろん急成長している業界に新たな規制を加えることは、新しいブランドや仕事や技術的ブレークスルーの機会を損うこともあれば、広げることもある。

Appleが強く提唱しているのは、自動者業界の新規参入者を既存のリーダーと同等を扱う政策だ。例えば、新しい自動車メーカーは自動運転車に関する情報を、安全に管理された方法で路上テストする前に、公開しなくてもよくするようにと声明は提言している。

この提唱は、Appleが結局ソフトウェアやOSだけではなく、自社ブランドの自動運転車を製造するつもりなのではないかという憶測を呼んでいる。

同文書は道路交通安全局(NHTSA)に対しても、ドライバー個人のプライバシーを保護する政策を作るよう勧告している。

Kennerが次のように書いている:

「Appleは、衝突または異常接近に関する状況および力学的データを、各企業が出所を特定されない形で共有することに同意する…データを共有することによって、業界は一社だけでは作り得なかった普遍的なデータセットを構築できる…

しかし、データ共有がコストやプライバシーを犠牲にすることがあってはならない。企業はプライバシーに関する個人の基本的権利を守るのに必要なリソースに投資すべきだと、Appleは信じている」。

Appleカーの噂は長年ネットを賑わせており、同社が自動車部門のトップにBob Mansfield指名したことで新たな展開を迎えた。Mansfieldはかつて、MacBook AirやiPad等の製品を扱う技術チームを率いていた。

しかしこの異動の後、Appleは組織変更を行い、自動運転車の「頭脳」の開発に注力すると報じられた。

もしAppleが、自動者業界参入に際して、ハードウェアとソフトウェアの両方を支配するという勝利への脚本に忠実であり続けるなら、いずれ同社の名を冠した自動運転車を目にする日が来るのだろう。

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オバマ大統領曰く:官民が協力して2030年までにアメリカ人を火星に送る

Dragon Mars LandingArtist's rendition of a Dragon spacecraft landing on the surface of Mars.Credit: SpaceX

オバマ大統領は、2030年までにアメリカ人を火星に送り、「安全に地球へ」帰還させること、および長期的目標として火星での長期滞在を可能にすると発言した。CNNの論説が伝えた。大統領はこの目標を達成するために、官民が一体となって宇宙開発に協力することが必要であることを強調し、その証として2年以内に民間企業がISSに宇宙飛行士を送り込むだろうと語った。

オバマ氏の書簡は、アメリカの初期宇宙計画の興奮を彷彿させる。宇宙開発競争が宇宙物理学分野の発展に寄与しただけでなく、テクノロジー全般や医学分野をも著しく進歩させたことを思い出させる。さらに大統領は、「優れた資質を持つ新しい世代の科学者や技術者に刺激を与え、アメリカを最先端であり続けさせる」効果を生んだことも付け加えた。

オバマ大統領は、火星で液体の水を発見したことをはじめとするNASAの近年の偉業を改めてたたえ、アメリカが民間パートナーと本格的に協力して、人間を火星に送り、滞在させ、安全に帰還させる長期的ミッションを進めていることを繰り返し強調した。今年、NASAは企業6社に対して6500万ドルを提供して、深宇宙への有人飛行計画の開発およびテストを行うと発表した。

大統領は名前こそ挙げていないが、アメリカの火星到達の鍵をSpaceXとBoeingが握っている可能性は高い。両社は、オバマ大統領が言及したISSへの宇宙飛行士輸送サービスを、民間で初めて提供する見込みだ。

居住環境の開発は、人類が火星計画を実現する上で鍵となる要素であり、例えば放射線への長時間暴露等、解決すべき問題がある。Elon Muskは SpaceXの火星計画を紹介するプレゼンで、暴露リスクに関する質問を軽く受け流し、旅行中の被曝量は「致命的」ではないと答えた。

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Penceのような副大統領はアメリカのイノベーションの文化の構築にとって害になるだろう

WESTFIELD, IN - JULY 12:   Republican presidential candidate Donald Trump greets Indiana Gov. Mike Pence at the Grand Park Events Center on July 12, 2016 in Westfield, Indiana. Trump is campaigning amid speculation he may select Indiana Gov. Mike Pence as his running mate. (Photo by Aaron P. Bernstein/Getty Images)

【抄訳】〔長い記事なので、いちばんメインの問題(==差別)だけを訳出します。〕
Donald本人のツイートによって、インディアナ州知事Mike PenceがDonald Trumpの副大統領候補になることが公式に決まった。しかしPence知事のテクノロジー産業に関するこれまでの政策は、なるべくおだやかな言い方を心がけても、拙劣だ。

自分のテクノロジー政策をかさ上げする必要性を知っていると思われる知事は、彼が選ばれる直前まで、インディアナ州のための彼の“新しい”イノベーションと起業家育成プランを声高に宣伝してきた。それらのイニシアチブは今週スポットライトを浴びたが、でもそれは、多様なコミュニティの安全を保証することを当の知事がプライオリティとして掲げないことと、著しい対照を成しているように見える。その保証を求める闘争が深刻化して、SalesforceやAngie’s Listなどのテク企業も巻き込まれ、インディアナ州はこれまでの数百万ドルの投資の成果を失ったのだ。それらの投資が戻ってくる保証も、今のところはない。

【中略】

知事は、Salesforceは自分が誘致した、州の雇用に貢献した、と自慢する。しかしPenceの在任期間中にSalesforceのCEO Marc BenioffがIndiana州の社員に払った 給与額はわずか5万ドル程度であり、その後社員たちは州外への転勤を望んだ。彼は、社員がインディアナ州に出張しなければならない業務を、すべてキャンセルした。

なぜ企業のCEOがそんなことをするのか? Pence知事はReligious Freedom Restoration Act(RFRA)(宗教の自由回復法)を支持し、そして署名した。この法律は、自分の宗教的自由がLGBTQの安全と受容のために脅(おびや)かされている、と信ずる個人の権利を保護する。下のビデオは昨日(米国時間7/14)SalesforceのBenioffがリツイートしたものだが、その法の意図がLGBTQのコミュニティを差別することにあるのかという主旨の質問に、知事が回答を拒否している。

Marc Benioffのツイート: [ゲイに反対で差別を支持するMike Pence。彼は1年前、全国的にLGBT差別をプッシュした。]

SalesforceやAngie’s Listなどのテク企業は、RFRAに強力に反対している。Salesforceが同州では事業を今後拡大しない、と脅(おど)したためPence知事は、LGBTQのコミュニティに対する差別を擁護するためにこの法を利用することを防ぐ、という“修正”に署名した

この問題がとくに厄介なのは、Pence知事が自分を、テクノロジーの味方、Salesforceの味方として売り込んでいることだ。Salesforceは、シリコンバレーに対抗してシリコンプレーリー(prairie, 大草原)をインディアナ州に作るという、Pence知事の促成栽培のような進歩的政策に惹かれたわけではない。Salesforceは2013年にインディアナ州のメールマーケティングソフトの企業ExactTargetを、その優れた製品とスケーラビリティに惹かれて買収したのだ〔州の企業誘致で来たのではない〕。その結果同社はインディアナ州に大きな支社を置くことになり、3000名の社員を求めた。州政府は同社の雇用創出への報酬として税を優遇したが、友好的関係はそこまでだった。

しかし小さな企業はもっとまずい。Salesforceなどと違って、できたてほやほやのスタートアップには、Salesforceがやったような、大企業の威力で社員たちを守る力がない。インディアナ州は、起業家を育成するだけでなく、高成長のハイテク企業が州から逃げ出さないための政策を必要とする。300万ドルのインキュベーション資金で新進のファウンダーを惹きつけるのは簡単だが、それだけでは今後の州間競争に勝てる保証はない。彼らの資金調達額が大きくなり、口コミが広がると、競争力のなかった若い企業が、強い競争力を持つようになり、資金・政策等の環境次第では、インディアナ州に固執しないようになる。そこに、シリコンバレーの投資家たちが、その鷹のような目をつけるに決まっている。

インディアナ州に必要なのは、スタートアップが州に長期的にとどまりたいと思うような、環境と政策だ。

【中略】

インディアナポリスのビジネスコンサルタント企業Visit Indyによると、州ではなく当市だけでも、RFRAによる企業投資の損失は6000万ドルを超える。Angie’s Listはインディアナ州における4000万ドルの事業拡張計画を凍結した。インディアナ州も、州知事がPenceでさえなければ、すばらしいテク企業を何社でも誘致できたかもしれないのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

イラン政府、メッセージングアプリのデータをイランのサーバーへ移動することを強要

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イラン人ユーザーを持つメッセージングアプリは、1年以内にそのデータをイランのサーバーに移す必要がある、とReutersが伝えた。プライバシーの問題が起きることは必至だ。

イラン政府は、メッセージングアプリ上の、プライベートおよび準プライベートな会話を追跡できるようにしたがっている。イランでは多くのソーシャルネットワークが既にブロックされているが、政府はさらに管理を強めたいようだ。

メッセージングアプリの中でもWhatsAppとTelgramがイランでは非常に人気が高く、政府はそこで交わされる会話を監視することができない。ユーザーはTelegramでグループを作って何百という人たちとやりとりできる。

例によって、悪魔は細部に宿っている。サーバーをイランに移すだけでは足りないかもしれない。WhatsAppは最近エンドツーエンド暗号化の展開を完了した。この暗号化によって、WhatsAppは通信される会話を読むことすらできない。暗号化された会話を読めるのは、そこに関わるWhatsAppユーザーだけだ。

AppleのiMessageも、暗号化されたメッセージング手順の一例だ。Appleはメッセージを政府に渡すことができない。

同様に、Telegramはエンドツーエンド暗号化を有効にして、「秘密の会話」を開始できる。イランのTelegramユーザーがこの機能に気付いていれば、イラン政府はその会話を読むことができない。標準では、Telegramの会話はTelegramのサーバー上で暗号化されていない。

インターネットに制約のある他の国々と同じく、FacebookやTwitterのアカウントを作る術はある。VPN(Virtual Private Network)をインストールすれば、イランのISPはあなたがブラウズしているところを見られなくなる。そして今、イラン政府はメッセージングアプリと新たなイタチごっこを始めたがっている。

今日のニュースは、暗号化が表現の自由の基盤を成していることを改めて証明した。FBIが裏口を要求するたびに、世界中の、ただ政府を自由に批判できるようになりたい無数の人々も危険に曝される。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アリゾナ州デュシー知事、民泊禁止を阻止する法案に署名

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アリゾナ州のダグ・デュシー知事は、市や自治体による、Airbnb、HomeWay等の短期滞在の広告や利用の禁止を阻止する法案、SB 1350に署名した

同法案に署名することは、政治的主張を通したというだけではなく、アリゾナ州知事が、共有経済を推進する同州で公共政策を進める一歩でもある。

知事の考えでは、同法は旅行者がホテルチェーンを利用する代わりに、地域経済の利益に直接貢献するのを後押しするという。事実上これは、ウインウィンの状態である。

ロビー団体、Travel Technology Associationの代表者は、新法を支持している。

Travel Technolgy Association(AirbnbからExpediaまでをメンバーに擁する業界団体)で、短期レンタルポリシーのリーダーを務めるMatt Kiesslingは、SB 1350の承認について声明で次のように語った

「SB 1350によって、アリゾナ州は公共政策に関して前向きであり、ピアツーピア経済を支援すると共に、あらゆる利害関係者の公平を保つ資勢を明らかにした」。そして、「本法案はまさに全員にとっての勝利である ― 短期滞在をアリゾナ旅行者の選択肢として残し、地域コミュニティーに膨大な経済利益をもたらすと共に、税徴収も合理化できる。」

これまでのところ、これは米国内で短期滞在レンタルの利用を保護し、事実上推進する最初の大きな一歩であり、他の州が追随する際の枠組みにもなるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google、「ペイデーローン」の広告を禁止へ

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Googleは今日(米国時間5/11)、ペイデーローン(給料担保金融)の広告を禁止すると発表した。こうした融資の高い利息と短い支払い期間が、借り手の負債を増しているためだ。

ペイデーローンは、低所得者に手軽な現金を提供するが、借り手はその後短期間に借金を返す必要がある。返済できなければ、法外な利率によってたちまち借金地獄に追いやられる。

「ポリシーを見直す際に調査した結果、この種の貸付けは、返済不能と高い貸し倒れ率を招いていることがわかった」とGoogleのグローバル製品ポリシー責任者、David Graffが、ポシリー変更を発表したブログ記事で言った。「この変更は、われわれのユーザーを詐欺的で有害な金融製品から保護するためである」。

Googleは過去にも様々なカテゴリーの広告を禁止している ― 違法ドラッグ、銃、タバコ、その他Googleが推進する家族に優しいイメージから外れる製品の広告は許していない。ユーザーにとってリスクのある広告も禁止している。昨年だけで、詐欺やフィッシングに関連する広告を7.8億件以上禁止したと同社は言っている。

Googleはペイデーローン広告の定義を、返済期間60日以内、年利36%以上の貸し付けを行うものとしている。同ポリシーは2016年7月13日に有効となるが、住宅ローンや学生ローン等、他の金融広告には影響を与えないとGraffは書いている。

以前からGoogleにこうした修正を求めてきた擁護者たちは、この発表を歓迎している。

「お金に困った人がインターネットに助けを求めた時、1000%の利子を要求するペイデーレンダーの広告に遭遇すべきではない」と、ジョージタウン大学ローセンター、Center on Privacy and Technologyのエグゼクティブディレクター、Alvaro Bedoyaは言う。「今日、世界最大の検索エンジンが、『われわれはその片棒をかつぎたくない』と宣言した。この種の広告をGoogleが禁止することで業界標準が作られ、他のインターネット会社も後に続くだろう」

人権グループらは、ペイデーローンに反対して政府や民間業界にロビー活動を行い、有色人種を不釣り合いに標的とし、経済的困難にある人々を食い物にしていると糾弾してきた。米国の約1/3の州が、ペイデーローンを禁止する法を定めている。

BedoyaはGoogleの決定を人権の勝利であるの観迎しており、Yahoo、Microsoft等の主要検索エンジンがGoogleに追従することを望んでいる。

現在GoogleのAdWordsは、ユーザーが「ペイデーローン」等の関連ワードを検索した場合に、ペイデーローンの広告を表示している。しかし、7月の禁止以降は完全に排除される。ペイデーローンの情報は、通常の検索結果に表示されるが、広告はなくなる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

FBIはイスラエル企業と協力して、サンバーナーディーノ事件のiPhoneをアンロックしようとしている

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イスラエル企業のCellebriteが、サンバーナーディーノ銃乱射事件に関与したiPhone 5cをアンロックする手段を探しているFBIから指名されたことを、イスラエルの新聞、Yedioth AhronothReutersが報じた。Cellbritechは、法執行機関や諜報機関向けに科学捜査方法を開発している。

月曜日(米国時間3/21)米司法省は、第三者からiPhone 5cのアンロックへの協力が提案されたため、第一回聴聞の延期を要請した。Appleは延期に反対しなかった

今後FBIは、この代替手段が功を奏するかどうかをこの第三者と協力して解明しなければならない。司法省は4月5日までに結果を法廷に提出する見込みで、もしこの方法が有効なら訴訟は棄却される。

去る2月、All Writs Act[全令状法]に基づいて当初の政府要求がなされた。しかし、全令状法は代替手段が存在する場合には適用されない。このため政府は、AppleのみがこのiPhoneをアンロックできることを証明する必要があった。

そして司法省が最初にとった行動はまさしくこれだった。

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Mashableが入手した、Apple、司法省、および裁判所の三者間で月曜日(米国時間3/21)に行われた電話会議の記録によると、その第三者は間際になって現れた。

「この可能性を知ったのは今日になってからで、今日の午前に、Appleが必要ではない可能性がわかった」とTracy Wilkinson連邦検事補は言った。「そしてわれわれには、現時点でこれを表明する誠実な理由がある」。

しかし、今日に至るまでの間この第三者を巡ってちょっとした謎があった。どうやらそれはCellebriteらしい。FBIは電話会議のあった日に会議の直前にCellbriteと契約を交した。

TechCrunchはCellbriteに接触したが、会社はコメントは拒んだ。

カリフォルニア州選出共和党下院議員、Darrell Issaは司法省の戦略をかねてから批判しており、今週の方針転換はFBIと司法省が全令状法の適用を急ぎすぎたことの証明だ。「政府は、今後サイバーセキュリティーの未来に劇的な影響を与えるであろう広範な権限に頼る前に、あらゆる可能な手順を踏むことが重要だ」と、IssaはPoliticoの取材に答えてで語った。「この訴訟で、それができていなかったことは明白だ」。

Cellbriteがごく短時間のうちにOS 9のセキュリティーツールを発見し、最近になってデータをアクセスできる確信を得た、という可能性もある。

さらには、FBIはこの選択肢の存在をずっと以前から知っていて、司法省は本訴訟に悲観的だった可能性もある。プライバシーとAppleにとって有利な前例を作るよりも、延期の後に訴訟を棄却する方が得策だろう。

いずれにせよ、月曜日の電話会議でAppleは、この新たな手法の詳細が必要であることを明確に示した。これは、訴訟がすぐ取り下げられなかった理由でもあり、Appleがこのセキュリティーホールを修正したかったためだ。

そしてもし2番目のシナリオが正しければ、FBIはテロ悲劇に乗じて前例を作ろうとしていたことを意味する。これが、1台のiPhoneの問題ではなく、FBIは18ヵ月前に公開されたiOS 8以来のiOS暗号を弱体化する方法を探している、ということをわれわれは既に知っている。

Apple vs FBI

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

米FCC委員長、現行体制を擁護。周波数入札の拡大要請を拒否

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FCCのTom Wheeler委員長は、近く行われる周波数入札で小規模キャリア向けに予約される帯域の拡大を要求する、T-Mobileらからの申入れを却下した。

Wheelerはブログ記事で、「現在予約されている30Mhzというサイズは、予算の限られた事業者による低帯域の利用を可能にしつつ、競争入札を運用するためのバランスを保っている」と主張した。

この発表に先立ち、T-Mobile、Sprint、Dishら小規模キャリアーは、AT&TとVerizonが入札で容易に彼らを負かすことを恐れ、予約帯域を少なくとも40MHzに広げるよう強固なロビー活動を行った。また司法省反トラスト当局は、FCCに対して小規模キャリアの要求に「大きなウェイト」を置くよう、先週要請したばかりだ。

委員会の決定は、多くの小規模キャリアにとって極めて重要な意味を持ち、T-Mobile CEO John Legereはその熱のこもったビデオでアメリカ国民に向かって、FCCに対して「行動を起こせ」と声を上げるよう要求した ― この国が “dumb and dumber”([アホとアホ以下]彼がVerizonとAT&Tを指す愛称)に乗っ取られないために。

T-Moblieは、Wheelerの今日のブログ記事に答えて以下の陳述文を発表した:

「低周波数帯はAT&TとVerizonにとって聖杯だ。もし他人が手にすれば、ビッグ2は価格競争を余儀なくされ、彼らの顧客だけで年間200億ドルを節約できる。これが、携帯電話を持つ人全員がこの手続の結果を享受できる理由であり、FCCは司法省の声に耳を傾けるべきであること、および多くの議員や多くの消費者団体が、予約帯域拡大のために行動を起こしている理由でもある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

調査結果:プライバシー侵害が続けば、若者はソーシャルメディアを捨てるかもしれない

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政府機関や秘密ハッカーグループによるデータ監視とプライバシー侵害が暴露されたことを受け、最新調査によると、若者たちはソーシャルメディアに人生の詳細を注入したことへの後悔を感じている。

今週(奇妙なことに)USA Networkから発表された調査レポートによると、若者の55%が「もしやり直せるなら」ソーシャルメディアを完全に捨てると答えた。また、もし重大なプライバシー侵害が続くなら、75%の若者は個人ソーシャルアカウントを休止する可能性が「ある程度」あり、23%の若者は「極めて高い」。

若きアメリカ人たちのネットでのプライバシーは著しく阻害されており、殆どの人々が個人データはクラウドよりタンスにしまっておく方が安全だと信じている。実際、調査結果によると物理的ファイリングシステムは若者たちにとって「最も信頼できる」個人データ保管方法だった。

これは、あと一つWikiLeaks爆弾が落とされれば、若者がソーシャルメディアから集団脱走することを意味しているのだろうか?もしそうなら、私はかなりショックを受ける。

プライバシーに関して若者が公言する信念と、実際に自分のデータが利用された時どう対応するかの解離は、この報告書から読み取れる興味深い点だ。別の調査結果によると、彼らはソーシャルメディアの持つ有用性を認識しており、実際に企業が彼らのデータをどう使うかは問題にしていない。

スノーデンの漏洩後に若者たちのネットプライバシーに対する考え方を調べた、Pew Researchの主要な調査では概要にこう書かれている:

「まとめると、若い成人たちは、年長のアメリカ人以上に企業が自分の個人データを利用することを許し、それは彼らにとってソーシャルネットワークの価値との交換であると考えているが、政府による安全とプライバシーに関する暗黙の取引については懐疑的だ。

若者のプライバシー感覚は、堀り下げれば複雑なテーマだが、少なくともこの報告書は、ユーザーのプライバシー問題の扱いが、IT企業にとっていかに重要であるかを明らかにしている。一部の企業 はこの話題に強い関心を見せているようだが、もし他の企業が、これを若者たちのはったりだとして無視すれば、惨事を招きかねないと報告書は示唆している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

米連邦通信委員会、厳格なネット中立性を定めた新規則を採択―ISPはコモンキャリヤに分類

今日(米国時間2/26)、アメリカ連邦通信委員会(FCC)は、予想通り、ネット中立性を定める新たな規則を委員の投票により採択した。民主党任命のトム・ウィーラー(Tom Wheeler)委員長と2名の委員の3名が賛成し、共和党任命の委員2名は反対した。

今回のFCCの新規則案は採決の直前に重要な修整が行われたことで注目を集めていた。これは当初案に有料で優先権を買い取る抜け穴になり得る重大な弱点があることをGoogleが指摘したことに対処したものだった。ネット中立性に対するGoogleの立場は、この大きな貢献で明白だろう。

オンライン・マーケットプレイス、EtsyのCEOは投票に先立って、「インターネットのネット中立性を守るためにFCCが鮮明な線を引いたことを賞賛する」と述べた。

FCCではミニヨン・クライバーン(Mignon Clyburn)委員が最初に発言し、「アメリカを形作る人々はFCCの新規則に満足するはずだ」と述べた。クライバーン委員は今回の採決を「FCCとして3度目に重大な試み」と位置づけた。クライバーン委員はまた、これまで報道されていたとおり、Googleが指摘した抜け穴を防ぐ修整を含めて、当初案の改定に同委員が積極的に関与したことを認めた。同委員はまた料金に関する新規則に対して「懸念をもつ必要はない」と述べた。

ジェシカ・ローゼンウォーセル(Jessica Rosenworcel)委員は「インターネット経済は世界の羨望の的だ。われわれアメリカがこれを発明した。これに続いてアプリ経済がまさに台頭の時期を迎えている。インターネットはわれわれの時代の印刷機であり、町の広場である」と述べた。

インターネットはブロードバンド業者が支配するにはあまりにも重要な分野だ

— FCC Chairman Tom Wheeler

ローゼンウォーセル委員は、今回の採決に先立ってパブリック・コメントに公衆から膨大な数の意見が寄せられたことを指摘し、「400万のアメリカ人がコメントを書いた。…ネット中立性の解釈に関する意見の相違はそれとして、その決定の過程は民主主義の活きた見本であり、アメリカ人が等しく支持すべきものだ」と述べた。

共和党任命のアジット・パイ委員は「FCCがインターネットの自由に政府の規制を持ち込んだ残念な結果だった。FCCは正当な手続きに違反するオバマ大統領の介入を許した」と述べた。パイ委員は「新規則は問題を解決しない。それどころか新規則そのものが最大の問題だ」と強く非難した。

同じく共和党任命のマイケル・オライリー(Michael O’Reilly)委員は特にFCCがブロードバンド接続業者を1934年通信法2条(Title Ⅱ)に定めるコモンキャリヤ(公益通信事業者)に分類したことに反対した。 「ネット中立性を保護する規則などは一切必要ない。それより私がFCCが2条を改悪しようとしていることに強い懸念を覚える。これは巨大かつ不当な越権行為だ」と述べた。同委員はまたFCCが2条の一部条項の適用を控えるとしたことを非難した。

ウィーラー委員長は、「政府であれ民間事業者であれ、インターネットへの自由かつオープンなアクセスを支配するようなことがあってはならない。インターネットはブロードバンド業者が支配するにはあまりにも重要な分野だ」と述べた。同委員長はまた「新規則は政府がインターネットを密かに支配しようとする試みだ」とする非難はナンセンスだと述べ、「米国憲法修正第1項が言論の自由を支配する試みでないのと同様、新規則はインターネットを支配する試みではない」と反論した。

新規則に関しては反対勢力からの訴訟が予想される。ウィーラー委員長はインターネット接続事業者を公益事業と分類するために2条(Title II)を適用したが、事業者は長年この事態を恐れていた。つまりFCCでの可決は大きな前進ではあるものの、アメリカにおけるネット中立性はまだ安全ではない。また議会でも数週間前から激しい議論が始まっている。

フォロー取材中…

〔日本版〕アメリカの1934年通信法(Communications Act of 1934)の2条(Title Ⅱ)はCommon Carrier(公益通信事業者)について定めており、FCCが各種の規制を事業者に強制する際にもっとも強力な手段となる。これまでインターネット接続事業者の地位については「事実上のコモンキャリヤである」という認識は広がっていたものの、AT&Tその他の巨大ISPの強い反対により、法的には明確にコモンキャリアであると位置づけされていなかった。

新規則はISPを2条に定めるコモンキャリヤに分類するもので、その影響は極めて大きい

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


オバマ氏、民間企業にサイバーセキュリティー情報の提供を促進する大統領命令に署名

バラク・オバマ大統領は、民間会業と米国政府の間で、協業およびオープンな共有を増やしていくことを要請した。今日(米国時間2/14)スタンフォードで行われたホワイトハウス・サイバーセキュリティー・サミットで語った。

そうした協業を推進する一方でオバマ大統領は、サイバー脅威との戦いとアメリカ人のプライバシー保護を両立することの難しさを認めた。「アメリカ国民を守りつつ、政府に間違いなくその能力を乱用させないことは容易ではない。サイバーワールドは、開拓時代の西部のようなものであり、ある意味でわれわれは保安官になる必要がある」と彼は記念講堂の聴衆に語りかけた。

サイバーセキュリティー脅威の際に、政府と民間企業の情報共有を促進するために、オバマ氏は講演の最後に大統領命令に署名した。条項の一つは情報共有分析機関(ISAO)の推進で、これは政府と民間企業が情報共有を行う接点の役目を果たす。

同命令は他に、機密情報の共有を承認する政府機関として国土安全保障省を追加し、両者間におけるスムーズな情報共有を確保した。

オバマ氏はスピーチの中で、政府も民間企業も単独でサイバー脅威に立ち向かうことはできない、パートナーとして団結し情報を共有する必要があると語った。

大きな問題は、果たして民間企業にこの情報を提供する意志があるかどうかだ。未だに多くの企業は、彼らの消費者情報が米国政府に渡っていたという、エドワード・スノーデンの暴露に動揺しており、それ以来自らのデータに暗号化を施している。

オバマ氏は、アメリカ市民をサイバー脅威から守りつつ、プライバシーの権利を保護することの難しさを認めた。彼は、Symantec、Intel、およびPG&E等の企業が、政府の新しいサイバーセキュリティー機構への取り組みを進めていることに言及し、テクノロジー開発のプロセスを大聖同の建築になぞらえた。

「その大聖堂の意義は、テクノロジーだけでなくわれわれがこのシステムに蓄積する価値にある。それはプライバシーとセキュリティーであり、つながることである。壮大なる大聖堂とわれわれ全員がその一部になる」と彼は話した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Google、各国政府からのデータ要求件数を公表。削除要求は減少


Googleは半年に一度、過去1年間にどの国の政府がユーザーのデータを要求したかを、要求回数、削除要求したコンテンツ数等に分けて世界に公表している。

公開されるデータは12ヵ月前の数字なので、その価値はやや薄れる。リアルタイム情報がわかればもっと面白いのはもちろんだが、それでも数字は興味深い。2013年後半、Googleが受けたコンテンツ削除要求数は減少した。わずかな変化はそれ自身注目に値しないが、その理由は興味深い。

2013年前半の削除要求回数がやや減少していることに気付くだろう。これは、同期間中にトルコからの要求が急増し、その後減少したためである。一方ロシアからの要求は前回報告時より25%増加している。タイおよびイタリアからの要求も増えた。

もし各国の国内混乱と、その国あるいは国民からのデータ要求数を比較したグラフを作ったらどうなるだろう。私は、ほぼ直接の相関があることに少額賭けたい。

もっと興味深いのは、データ要求数が、混乱の先行指標になっているのか遅行指標なのかだ。果たして政府からの要求は、抗議行動等が起こるより前なのか後なのか?

Googleが来年公開する2014年のデータで、ロシアの数字が上昇することに賭ける人はいるかな?

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Google、2015年は監視法改革の重大な年になると宣言


来年は監視法改革にとって重大な時になる、とGoogleは考えている。その意気込みは、同社がTake Action[行動を起こそう]ハブに特設ページを作り、「インターネットを全員にとってより安全にするため」の嘆願書的なものへの署名を呼びかけているほどだ。

なぜGoogleは、2015年が重大な年になると思っているのか? 同社は、「2015年6月、米国愛国者法の重要部分が失効する時、私たちはアメリカを大規模な監視から守る大きなチャンスを迎えます」と宣言している。これは真実だ。Googleは、「私たちは来たる年に行動を起こすべく準備しておく必要があります」と続ける。

現在米国政府による監視の一部を支える、愛国者法の重要部分が失効することは、政治的に大きなニュースだ。Googleをはじめとする大型IT企業は、コミュニティーの組織化とロビー活動の両面で何らかの行動を起こすだろう。

Googleの政治活動支出は、ここ数年で急増しており、一団体当たり金額で国内最高になった。この出費の増加はもちろん、ITの政治進出と政治のIT進出という名目と、ぴったり一致している。

Googleは、現在までに何人分の署名が集まってるかという質問に回答していない。Googleは、同社のTake Actionキャンペーンには300万人以上のメンバーがいると言っている。

もし2015年が本当に監視法改革の年になれば、少々失望をもたらした2014年を越えることができる。米国愛国者法は、NSA改革の一歩になると見られていたが、上院を通過することができず年内改革の望みは断たれた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook