アメリカ製品の使用を禁じられたZTE、AndroidのライセンスでGoogleと相談中か

昨日(米国時間4/16)はZTEにとって厳しい一日だった。1年前、イランと北朝鮮に対する制裁を守らなかったことで有罪を認めた同社は、アメリカ商務省からさらなる鉄槌を喰らい、アメリカ企業は向こう7年間、同社に製品を売ることができなくなった〔虚偽報告で〕。

推定によると、それは同社製品に使われている部品の1/4以上に相当し、Qualcommなど有名大企業の製品も含まれる。また無形のアメリカ製品としては、同社Androidハンドセットの重要部位である、OSに関するGoogleのライセンスも含まれる。Bloombergの匿名情報筋によると、ZTEはモバイルのオペレーティングシステムの今後について検討するため、弁護士がGoogleの役員に会っている、といわれる。

有形部品の多くは、自国である中国のメーカーなどからも購入できるが、オペレーティングシステムはどうなるのか。まともな選択肢は、残されていない。たとえば、アプリなどをすべて同社が作って揃えなければならないだろう。OSそのものの開発にも、手を出さざるをえないかもしれない。

ZTEの一件がAndroidの今後の命運を左右するとは思われないが、Googleが失うものは大きい。アメリカ市場だけでも、同社製スマートフォンのマーケットシェアは12.2%で、Apple、Samsung、LGに次いで4位だ。Googleとしては、有力なハードウェアパートナーをできるだけ多くつなぎ留めておきたいのはやまやまだが、ただしそれは、商務省の逆鱗に触れない場合に限る。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

もしもFacebookが月額11ドルになったなら

Facebookの広告をなくすために金を払えといわれたら、あなたは広告の価値を認めるのか、いっそう不快に感じるのかどちらだろうか。Facebookが広告のない購読オプションを検討するなか、彼らがいくら収入をあげるかということ以上に深い疑問が湧いてくる。Facebookは、ソーシャルネットワーキングを使うための代償方法をユーザーに選ばせる機会を与えられている。しかし、選択が人々を幸せにするとは限らない。

2月に私は、Facebookがユーザーを広告主に売る代りにユーザーに月額購読料を払わせることでデータプライバシー問題の反発を和らげられるかを考察した。重要なポイント以下の通り。

  • Mark Zuckerbergは、月額料金を払えない人たちを含め、Facebookは誰もが無料で利用できるべきだと主張する。つまり有料購読はオプトインであり、全員が支払いを強制されるものではない。
  • ビジネスモデルの一部をユーザーの滞在時間を最大化することから切り離すことによって、Facebookは広告収入を犠牲にすることなく、ユーザーに質の高い時間の使い方を提供できる。
  • 月間購読料金はFacebookの広告収入を補てんする必要がある。2017年、Facebookは米国とカナダで2億3900万人のユーザーから199億ドルの収益を上げた。つまり、平均的ユーザーは毎月7ドル払わなくてはいけない計算になる。

しかし私の分析は、払える人だけが広告をなくせることをユーザーに伝える心理的副作用や、広告主が普遍的リーチを失うこと、および実際に誰が金を払うのかという現実を無視している。さらに一方では、有償化することによってユーザーのターゲット広告に対する嫌悪を引き起こすおそれがあることも無視している。

全員にとって良いことはなにか?

Zuckerbergは議会で、Facebookが有料購読を始める可能性について2度聞かれているので、この話には意味がある。Zuckerbergは広告支援アプリのメリットを認めながらも、ユーザーがプレミアム版を買えるようにする可能性を否定していない。「料金を払えば広告を表示しない、というオプションを今すぐ提供するつもりはない」とZuckerbergは言い、後に詳しくこう説明した。「総合的には、広告体験がいちばん良いと思っている。一般に人はサービスに金を払わなくてすむのがいいと考えている。世界にはサービスに金を払えない人もいるので、広告モデルはわれわれのミッションにいちばん合っていると思う」。

しかし「今すぐ」という言葉に、いつかは購読料を払えるようになるかもしれないというかすかな希望が見える。

Facebook CEO・ファウンダーのMark Zuckerbergは米国下院エネルギー・商業委員会のFacebookに関する公聴会で証言している。2018年4月11日(写真:SAUL LOEB/AFP/Getty Images)

しかし、広告をなくす以外にわれわれは何に金を払うことになるだろうか。すでにFacebookは、プライバシーを心配するユーザーが広告そのものを見なくなるのではなく、一部の広告ターゲティングからオプトアウトすることを可能にしている。無料のインターネットサービス標榜するZuckerbergを考えると、Facebookが高価値なサービスを作って有料購読者だけに提供することは考えにくい。

Spotifyは、有料ユーザーのみが好きな曲をオンデマンドで聞けるが、広告支援ユーザーはシャッフルでしか聞けない。LinkedInでは、有料ユーザーは誰にでもメッセージを送ることができて、雇用者に対して「主要な志願者」として表示される。Netflixはそもそも有料ユーザーしか…使えない。

しかしFacebookはソーシャルネットワーキングを人間の権利だと考えているので、政治のニュースや赤ん坊の写真を取り除くニュースフィードフィルターなどの追加機能は全ユーザーに提供したいと思っているはずだ。またFacebookは、LinkedInの購読者が自分のプロファイルを見に来た人を知ることのできるような、プライバシーを侵す機能を売ることもないだろう。実は、Facebookが広告を外す以外にプレミアムのみの機能を提供することはないと私は思っている。しかし、そうなるとなかなか売るのが難しい。

一方、特定の地域年齢層全員にリーチしようとする広告主は、ユーザーが広告からオプトアウトできることを喜ばないかもしれない。新しい映画やレストラン・チェーン、選挙運動などを宣伝するとき、ターゲットユーザーに対する浸透率は高いほうがいい。購読モデルは、企業の利用をかきたててきたFaceook広告の高い遍在性に穴をあけることになる

反感か感謝か

しかし最大の問題はFacebookが広告の収益化に非常に長けていることだ。この会社はユーザーから料金を徴収することなく、膨大な金額を稼いでいる。2017年の売上は400億ドルだった。広告を見るかわりに現金を払うようにと人を説得するのは難しいかもしれない。そして、払うような人は平均よりずっと広告価値が高いかもしれない。

Facebookが1ユーザーあたり最も稼いでいる米国・カナダ市場を見てみよう。世界のどこよりも可処分所得が多い地域であり、広告料金も高くできる。米国・カナダのユーザーは毎月平均7ドルの広告収入を生み出す。しかし、購読料金を払う意志と能力のある人たちは平均的ユーザーよりもおそらく裕福なので、ぜいたくな企業は彼らに広告を打つために高い料金を払うだろうし、そんなユーザーは平均的ユーザーよりFacebookで過ごす時間が長いので、さらに多くの広告を見る。

びっくりするような値段になるかもしれない。なぜならFacebookが裕福なハードコアユーザーの広告収入を補てんするためには、月額11~14ドルくらい徴収する必要があるからだ。

ボーナス機能もないのに無料で使えるものに払う金額としては、あまりにも高い。払える人であってもその多くは正当性を見いだせないだろう。購読料を払っているほかのメディアと比べてFacebookに費やす時間の方がずっと長いのだが。そして、本当に払えない人たちはこれまで何年間も気にせずスクロールしてきたFacebook広告に対して突然嫌悪の念を抱くようになる。自分はFacebookのデータ源から逃げるお金を持っていない、ということを広告を見るたびに思い出す。

しかし、人々がその正反対の感情をもつ可能性も同じくらいある —— 高額な購読料金を払わないですむなら広告を見るのもそれほど悪くない。

概して人はタダで手に入るのものに価値を認めない。値札を突きつけられることによって、自分たちが参加しようとしている価値交換への認識が高まるかもしれない。ソーシャルネットワーキングの運用には金がかかるので、ユーザーは何かの形で支払わなくてはならない。広告を見ることがFacebookを存続させ、実験室いっぱいの未来プロダクトの開発を続けさせ、投資家を喜こばせる。

仮にFacebookがユーザーの4%か1%、いや0.1%しか購読料を払わなかったとしても問題ではない理由はそこにある。Facebookは購読という選択肢を用意することで、ユーザーを自分で選んだという気持にさせるだけでなく、すでに無料で得ているものの価値を見つめなおす機会も与えるからだ

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

郵便とAmazonの関係を非難したTrumpは米郵政公社の徹底調査を命令

大統領は昨晩(米国時間4/12)おそく、郵政公社(U.S. Postal Service, USPS)の評価を目的とする大統領令を発行した。その命令は、郵便サービスを“財政的に持続不可能”、と呼び、“特別調査団によるUSPSの財務と運営の徹底的な評価”を求めている。

Trumpはかねてから、郵便を標的にしてきた。その最初の攻撃的ツイートは2013年にさかのぼり、そのとき彼は、土曜日の郵便配達を廃止する計画を嘆いた。しかし最近では、郵便サービスは彼のAmazonに対するひたすらな攻撃の砲火を浴びてきたようだ。

12月にTrumpは、再びUSPSをTwitterで攻撃し、“1年に数十億ドルを失っているのに、Amazonなどに請求する荷物の送料があまりにも安く、Amazonをより裕福にし、郵便局をますます貧しく無力にしている”、と述べた。

ただしもちろん、AmazonとUSPSの関係は、それほど単純明快ではない

The New York Times言っているように、この大統領令はAmazonを名指ししてはいないが、しかしTrumpはこれまで、このオンラインリテールの巨人への攻撃を日に日に強めてきた。その怒りの多くはファウンダーのJeff Bezosに当てられたもののようで、彼はたまたまThe Washington Post紙のオーナーでもある。同紙はこれまで、大統領をおだてるような記事をあまり書いていない。

6月に彼は、Bezosをやっつけるときの二つのお気に入りの標的をくっつけたキャメルケース*のハッシュタグを作り、こう書いた: “ときどき、インターネット税を払わない(払うべきだ)Amazonの守護神と呼ばれる#AmazonWashingtonPostは、フェイクニュースだ!”。〔*: camel-case, 大文字小文字が入り混じって駱駝の背のこぶのようになっている綴り。〕

率直に言って、例をもっとたくさん挙げることは可能だが、でも先日本誌でTaylor Hatmakerが書いた記事のリンクをここに載せる方が簡単だ。この記事はTrumpのJeff Bezos攻撃ツイートを、すべて集めている。長いリストだから、のんびりくつろいでいるときにお読みいただきたい。ところで、大統領令の全文はここにある

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ザッカーバーグ、ビジネスモデルの変更については語らず

Facebookは、Cambridge Analytical問題と同社のプライバシーポリシー全般について下院でも証言した。ひとりの議員が、様々な問題に関してFacebook CEO Mark Zuckerbergを鋭く追求した。

カリフォルニア州下院第18選挙区選出のAnna Eshoo議員は、冒頭に基調を打ち出した。「はじめに、今この国の民主主義制度はストレステストを受けていると私は信じている」と彼女は言い、「われわれの個人情報を悪用の懸念を考慮することなく売ることは無責任極まりない」と付け加えた。

Eshooは自分の支持者にZuckerbergにしたい質問を提案するように求めた。その結果、4分間の濃密なイエスかノーかの質問群ができあがった。

ZuckerbergはEshooの質問に対してイエスかノーかを順調に答えていたが、ビジネスモデルの質問はそう簡単ではなかった。「個人のプライバシーを守るためにビジネスモデルを変更する意志はありますか?」と彼女は尋ねた。

「議員、われわれはデータ量を減らすための変更をこれまでに行い、今も続けています…」とZuckerbergは言った。Eshooは発言を制止して、自らの質問を一言一句変わらず繰り返した。

「議員、おっしゃている意味がよくわかりません」とZuckerbergは言った。

それ以前の質問も実に効果的だった。「あなたはこの国の民主主義を守るべきプラットフォームを運営することの道徳的責任を負っていると考えていますか? イエスですかノーですか?と彼女は尋ねた。短いためらいのあと、Zuckerbergはイエスと答えた。

その後Eshooは、ユーザーのサードパーティー企業への個人データ提供に関する包括的オプトインのオプションを提供するつもりがあるかを尋ねた。

「議員、はい、私たちのプラットフォームのしくみはそうなっています。アプリが個人データを利用する前には必ずオプトイン手続きが必要です」とZuckerbergは言った。

「一言言わせていただくと、これはデータを集めるための地雷源なので、そのことが明確にわかるように一般人の言葉で『あなたのデータに対して私たちがやろうとしているのはこれです。よろしいですか?』と言うべきはありませんか。つまり、これはぼやかされていると私は思っています。おわかりですよね?」とEshooは言った。

さらに興味深いことに、ZuckerbergがFacebookは「大量データを利用できる」サードパーティー・デベロッパーを取り調べていると言ったとき、Eschooは納得しなかった。

「それはどういう意味ですか?」とEshooは言った。Zuckerbergは内部調査に関する自分の答を繰り返しただけで、大量データの意味や、誰が該当するかを明らかにしなかった。

Cambridge Analyticaのデータに関するある基本的な質問をしようと考えた議員はほかにいなかった。Eschooは、悪意のあるサードパーティーに売られたデータの中にZuckerbergのデータは含まれていたのかと尋ねた。Zuckerbergは「イエス」とだけ答えた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

これがマーク・ザッカーバーグの議会証言の草稿だ

水曜日(米国時間4/11)に予定されているMark Zuckerbergの公聴会に先立ち、下院エネルギー・商業委員会はFacebook CEOの準備された声明文を公開した。

その中でZuckerbergは、Facebookは一貫して楽観的な企業であり、人々をつなぎ、発言の場を与えることに集中していることを説明した。しかしZuckerbergは、一連の理想主義的思考が、Facebookの持つツール群を悪用される可能性に関する判断を誤らせたかもしれないことを認めた。

しかし、ツールが害を与えるために使われるのを防ぐための努力が十分ではなかったことは明白だ。たとえば、偽ニュース、海外からの選挙妨害、ヘイトスピーチ、さらにはデベロッパーやデータのプライバシーなどが挙げられる。われわれは自分たちの責任を十分に捉えていなかった。それは大きな間違いだった。私の間違いであり申し訳なく思っている。私はFacebookを立ち上げ、経営してきたのでそこで起きるとの責任は私が負う。

声明は、Cambridge Analyticaスキャンダルとロシアの選挙妨害にも言及し、それぞれの状況で何が起こり、問題を解決するためにFacebookが何をしているかを詳しく説明している。

Zuckerbergは米国時間10日に上院で、12日に下院で証言する。本誌は両方の公聴会を報じる予定だ。

Zuckerbergの声明全文を下に埋め込んである。

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ケンブリッジ・アナリティカ、Facebookデータ8700万人分入手を否定…実際には3000万人

本日(米国時間4/4)Cambridge Analyticaは、同社が8700万人分のユーザーデータを不正に入手したとするFacebookの発表に反論した。実際にはDr. Aleksandr Koganの調査会社、Global Science Researchから「ライセンスを受けたデータは3000万人分以下」だと主張している。さらに、2016年の米国大統領選挙でトランプ陣営に雇われた際にこのデータは利用しておらず、Facebook から通知を受けたあと直ちに原データを削除し、派生データの削除作業を開始したことも言明した。

Cambridge Analyticaの声明全文を以下に引用した。本誌はFacebookに、2社の主張の食い違いについてコメントを求めたが拒否された。

Facebookのプライバシーポリシーと強制力の弱さは、あのCambridge Analytica騒動を引き起こし、Facebookの時価総額を1000億ドル近く下げるスキャンダルへとつながった。そんな批判にFacebookが耐え続けるなか、言った言わないの議論は今後ますます激化しそうだ。

本日(米国時間4/4)Facebookは、影響を受けた可能性のある人数は最大8700万人であり、対象になるユーザーにはニュースフィードのトップで通知すると発表した。さらに同社は利用規約を改訂して外部デベロッパーとの関係を明確化するとともに、広範囲にわたるAPI制限を発表した。これによってFacebook上に作られた数多くのアプリが動作不能に陥るが、プライバシー侵害を未然に防ぐことができる。Zuckerbergは記者団との電話会議でニュース全般について洞察を述べた

Cambridge Analyticaは、同社のデータ取扱いに関するFacebookの主張を繰り返し否定してきたが、Facebookは撤回しなかった。むしろFacebookは自らが戦おうとしている悪用の事例として、また世界中のデベロッパーを善悪を問わず取り締まることを正当化する理由として、Cambridge Analyticaを利用した。

Cambridge Analytica、GSRのデータセットに8700万件のレコードが含まれていたとする発表に反論

本日Facebookは最大8700人分の情報が調査会社GSRによって不正入手されたと発表した。Cambridge AnalyticaがGSRからライセンスしたデータは3000万人分以下であり、契約書にも明記されている。それ以上のデータは受け取っていない。

当社は2016年の米国大統領選挙で行った業務にGSRデータを使用していない。

当社がGSRと交わした契約には、すべてのデータは合法的に入手されなくてはならないと記載されており、現在この契約書は公文書扱いになっている。当社はGSRがこの契約に違反したことを知ったとき同社に対して法的措置をとった。Facebookが当社にデータが不正入手されたことを知らせてきたとき、われわれは直ちに原データをサーバーから削除し、当社のシステム内にある派生物を探して削除するプロセスを開始した。

一年前にFacebookが追加の保証を求めてきた際、当社は社内監査を実施し、全データ、全派生物および全バックアップが削除されていることを確認し、それを示す証明書をFacebookに提出した。

現在当社システム内にGSRデータが残っていないことを示すために、独立した第三者による監査を実施している。

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ザッカーバーグ、4月11日に下院で証言へ

Mark Zuckerbergは4月11日に下院エネルギー・商業委員会で証人台に立つことになった。今日午前、Greg Walden(共和党・オレゴン州選出)委員長と委員会の有力メンバーであるFrank Pallone, Jr.(民主党・ニュージャージー州選出)が発表し、ZuckerbergがFacebookのユーザーデータ利用および保護について語ることを明らかにした。

議会が準備した声明書には以下のように書かれている:

この聴聞は消費者データの重大なプライバシー問題を解明し、ネット上の個人データに対して起きていることを全米国民が理解するための重要な機会だ。委員会での証言を引き受けたZuckerberg氏の姿勢に感謝するとともに、4月11日のわれわれの質問に対する彼の回答に期待している。

証言は、Facebookが同社史上類をみない危機を迎えている中で行われる。

2014年、Aleksandr Koganが開発したサードパーティー製クイズアプリが約5000万人分の原プロフィールデータを収集した。同アプリをダウンロードしてアンケートに参加したのはわずか27万人程度だったが、当時Facebookは、サードパーティーが友達の友達の情報まで取得することを許していた。

現在Facebookはこのデータの共有を許可しておらず、2015年には収集したデータが削除されたことを示す証明書の提出を要求した。

Koganは、集めたデータを政治調査会社のCambridge Analyticaに売り、同社はその情報をソーシャルネットワークなどでターゲット層を識別するために用いて有権者に影響を与えようとした。2016年、トランプ陣営はCampridge Analyticaと契約を結んだ。

一連の新事実が暴露されたことで、インターネット全体に#deletefacebook運動が広まった。しかしユーザーの反応はそれだけではなかった。

3月21日、Zuckerbergはこのスキャンダルに対する最初の回答を公開し、「仮に、私がFacebookでもっとも事情をよく知る人物であり、証言する最適な立場にあるなら、よろこんで応じるつもりだ」と付け加えた

そのわずか2日後、下院および上院はZuckerbergに通告を送り、彼が証言すべき人物であることを伝えた。3月27日にCNNは、Zuckerbergは自分が証言しなくてはならないという事実を受け止めるべきであり、Facebookは彼が証言台に立つ日に備えて準備を始めるべきだと報じた。

その日は、4月11日に決まった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、ロシアの「荒らし」コンテンツを公開、関連アカウント135件を削除

Facebook は、選挙に介入し大衆を欺こうとするロシアのネット荒らしを阻止し、ユーザーや政府の信頼を取り戻すべく、かつてないレベルの情報公開を行っている。同社はアカウント削除の統計情報および問題のアカウントがシェアしたコンテンツの事例を公開した

Facebookはロシア政府あるいは選挙妨害組織であるInternet Research Agency(IRA)とつながりのあるアカウント70件、Facebookページ138件、およびInstagramアカウント65件を削除した。Facebookのセキュリティー責任者、Alex Stamos は、IRAの「偽アカウントを使って人々を欺き操ろうとした」ことについて「Facebookとして彼らがいてほしくない理由がそこにある。最近われわれがこのページ群とカウントを削除したのは、IRAが操っているという理由のみによるものであり、コンテンツに基づいたものではない」

削除されたアカウントの95%がロシア語で使用され、ロシアおよびアゼルバイジャン、ウズベキスタン、ウクライナを含む近隣諸国のロシア語話者をターゲットにしていた。108万人のユーザーが該当するFacebookページを少なくとも1件フォローしており、問題のInstagramアカウントを最低1つフォローとしているユーザーが49万3000人いた。該当アカウント全体で計16万7000ドルの広告費を2015年以来使ってきた。

Facebook CEO Mark Zuckerbergは、IRAによる選挙妨害工作を発見して以来、「われわれは国民国家による海外選挙の妨害を防止する手段を改善し、高度なAIツールを開発して偽アカウント削除全般に役立ててきた」 と書いた 。さらにZuckerbergは、Facebookがセキュリティーおよびコンテンツのレビュースタッフを倍増するという約束をまだ半分した果たしていないことも語った。今年は1万人を2万人に増やす予定だったが、現在1万5000人がFacebookでこの仕事をしている。

そうした努力の結果、国民国家が海外の選挙を妨害することは以前より困難になった。ZuckerbergはFacebookに次のように 書いている。「今日のアップデートの結果、われわれはIRAがロシア自身の人々の操作に使っている匿名大規模ネットワークを突き止めた。これはFacebookから悪を完全追放するための次期ステップだ』

同社の取組みを隠したり政府に要求されるまで待つことなく詳細を開示することによって、Facebookは自分たちが手をこまねいているだけではないことを人々に納得させられるかもしれない。

当初Facebookは、IRAが購入した広告を1000人のユーザーが見たと言っていたが、後に、無償の一般投稿を数えたら1.26億人がこのプロパガンダグループの記事をFacebookとInstagramで見たことがわかった。以前Facebookは、IRAの宣伝記事12万件を配信したInstagramアカウント170件と、コンテンツ8万件を配信したFacebookページ120件を使用停止にした。

情報を小出しにしたり、当初は小さい数字を出すようなやり方からは、Facebookが乱用の実態を小さく見せようとしているかのようにみえる。しかしCambridge Analyticaスキャンダルが勃発してからの数週間、Facebookは批判に対して徐々に透明性を高めるとともに受け入れる姿勢を見せている。

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カリフォルニア州自動車局が自動運転車試験の規則を改定

自動運転車という事業は今、厳しい検証にさらされている。それには、アリゾナ州テンピーにおけるUberの自動運転車が起こした死亡事故や、 TeslaのModel Xの同じく死亡事故がからんでいる。後者の事故は、Teslaの半自動システムAutopilotが関連している。今日(米国時間4/1)、カリフォルニア州自動車局は、自動運転車に関する新しい規則を採用した。

自動車局は本誌にくれた声明で次のように述べている: “カリフォルニア州自動車局は州法に基づき、公道上の自動運転車の安全な試験と展開のための規則を開発している。2018年4月2日に施行されるその規則により自動車局は、自動運転車の運転者を欠く試験と展開に関し許可を発行する権限を持つ。申請書が受理されると、それは綿密に精査される。自動車局は、その申請が、法と規則が定める安全運用要件のすべてを満たしている、と明らかになるまでは、いかなる許可も認めない”。

自動運転車の試験に、新たに三つの区分が設けられた: 1)運転者を伴う試験、2)運転者を欠く試験、3)実車展開(実配備)。規則の新しい成分の多くは、運転者を欠く試験と展開に関連している。

たとえば、運転者を欠く試験を行うためには、事前にその車両を、制御された条件下で事前に試験しなければならない。またそれらの車両は、SAE Level 4または5の定義を満たしていなければならない。展開にあたっては、企業はその車両が道路の状況をに検出し反応できることを確証しなければならない。また、サイバー攻撃等を検出できるための、ベストプラクティスを守った走行をしなければならない。

中でも多くの人びとにとって関心があるのは、安全ドライバーのいない自動運転車の運用と、自動運転車の実用展開だ。今日まで、展開の許可を申請した企業はなく、また完全な自動運転車の試験は一社しか申請していないそうだ。申請は、10日間かけて検査される。

自動車局は曰く: “申請の完備が認められたら次は、その徹底的な検証が行われる。申請書が完全でも、その検証にはタイムラインを設けていない。何日かかるか、事前には分からない”。

自動車局は、運転者のいない試験を申請している企業の名前を明かさないが、それがUberでないことは確実だ。先週Uberは、3月31日で期限切れとなったカリフォルニア州での自動運転車の試験を、再申請しないと決めた

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マーク・ザッカーバーグがもっと恐れる7つの質問

FacebookのCambridge Analytica問題はもっと巨大なスキャンダルの始まりにすぎないのだろうか。その答えは今のFacebookがどれほど透明であるかにかかっている。CEO Mark Zuckerbergは、データのプライバシー改善について声明と計画をつい先ほど発表したところだが、最も重要な疑問のいくつかに対する回答を避けていたほか、謝罪にもいたらなかった。

この複数年にわたる騒動にFacebookがどう具体的に対処したかは、大衆が過去を水に流して再びニュースフィードに戻ってくるか、規制当局が急襲し、ユーザーが大挙して去っていくのかを決める重要な別れ道だ。世界中のジャーナリストが情報を探り、政府当局がZuckerbergの証言を求めることで、真実はすこしずつ明らかになっていくはずだ。

  1. Facebookはどこまで追求したのか。2015年にCambridge AnalyticaがFacebookのユーザーデータを削除すると約束したとき、実際に削除されたかどうかをFacebookはどこまで厳しく調べたのか?なぜ公表しなかったのか? (Zuckerbergはいつそれを知ったのか? Zuckerbergはリベラルと見られることや、保守的政治団体を調査することを懸念したのか?)
  2. Cambridge Analyticaが不正入手したFacebookデータを使っていたことを、Facebookはどうやって知ったのか。当時Facebookの社員はドナルド・トランプ陣営と直接関わっていたのか?(Facebook社員はトランプ陣営のサンアントニオ事務所でCambridge Analyticaと机を並べて作業していた。だとすれば怪しいデータを見てみぬふりをしていたのか?)
  3. Cambridge Analyticaは不法なFacebookデータを別ルートでも入手していたのか。Aleksandr Koganのアプリ以外のアプリやFacebookグループのメンバーリストをスクレーピングしたり、他のデベロッパーからデータを買い取ったりしたのか。(トランプ陣営によるFacebookや他のソーシャルネットワークデータの熟練した利用状況からみて、彼らはこれ以外のデータも使っていた可能性が高い。)
  4. ロシア人ハッカーあるいはロシア政府発のデータをCambridge Analyticaがトランプ陣営の選挙運動に利用した証拠はあるのか?(証拠がある場合、Facebookはロシアとトランプ陣営の共謀を示す証拠になりうるのか?)
  5. FacebookはCambridge Analyticaの今後の捜査に関わるデータや広告を所持しているのか?(もしCambridge Analyticaが実際にデータを不正使用したのなら、どんなコンテンツに利用されたのか、ほかに誰が支援していたのか?)
  6. Facebookはなぜ、Cambridge Analyticaに関するThe Observerなどのニュース記事を法的措置を用いて排除しようとしたのか? スキャンダルの贖罪に真剣に取り組んでいたのではなかったのか?(一連の法的措置を承認、実行したのは誰か。その後彼らに何が起きたのか?)
  7. Facebookは不正入手されたデータのセキュリティーをどうやって守ったのか。Facebookが監査する予定の疑わしいデータ以外にも、データのコピーを保存しているデベロッパーは山ほどいるはずだ。(ほかのデベロッパーによる不正利用のニュースが今後出てくる可能性はあるのか?)

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Apple、中国ユーザーのiCloud暗号化キーを中国サーバーに移行

AppleはReutersに対して、同社が中国当局の要請に従ってiCloudのデータを中国のデータセンターに移行しなければならなかったことを伝えた。全ユーザーのデータが中国に移管されるのではない。中国本土在住で、かつAppleアカウントを作るときの国登録を中国にしたユーザーのみが対象だ(香港、マカオ、台湾は対象外)。

中国政府はiCloudデータへのアクセスをずっと容易に要求できるようになる。人権用擁護活動家らは、民主主義支持者の逮捕につながることを懸念している。

この変更以前、暗号化キーはすべて米国内に保管されていた。これは、iCloudに保存されているユーザーデータを中国当局がアクセスするためには、米国の法制度を経由する必要があったことを意味している。Appleは中国企業と提携して中国のデータセンターを運用している。

Appleは、米国内ではすでにiCloudデータの提出要求に応じている。サンバーナーディーノの射撃犯のiPhone 5cを巡り、AppleがFBIと争った件を思い出すかもしれない。しかし、あのときはFBIがiCloudのデータだけでなくiPhone本体のデータをアクセスするためにiPhoneのバックドアを要求したものであり、今回とは事情が異なる

Appleは、iCloudデータの暗号化キーを常に保管してきた。これは、Appleのサーバー上のデータは暗号化されているが、Appleはこのデータを復号する方法をもっていることを意味する。たとえばユーザーがパスワードを忘れた時でもAppleがデータを復活させることができるので便利だ

もしあなたがiMessageのことを心配しているのなら、そのメッセージプロトコルは、メッセージが送信者の端末で暗号化され、復号化は受信者の端末で行われるように作られている。Appleがメッセージを読むことはできない。

ただし、ユーザーがiPhoneを使い始めるときにiCloudを有効にすると、iPhoneデータのバックアップをiCloudにアップロードする、というのが標準設定だ。このバックアップには、削除していないiMessageの全会話のデータベースが含まれている。Appleは、iCloudサーバー上にiMessageデータを保存する際、エンドツーエンドの暗号化を施す準備を進めているが、まだ実現していない。

Appleは中国ユーザーに対して、今回の変更についてしばらく前から通知を送ってきた。おそらくAppleは、機微な情報をもつユーザーは、移行前にiCloudへのバックアップとiCloudとのデータ同期を無効にしておくことを願っているのだろう。

これで中国当局は、Appleの現地パートナーに対して、中国の法手続きに沿ってユーザーデータの引き渡しを要求できるようになった。現地パートナーは(Appleも)この命令に従うほかはない。

Appleの声明は示唆的だ。「iCloudがこうした法の対象になることにわれわれは反対したが、最終的には成功しなかった」と同社はReutersに言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

モンタナ州の知事が行政命令でネット中立性規則をISPたちに強制へ

インターネットの中立性を廃するという、FCCのめちゃくちゃ不人気な決定に対し、行政も企業もそして個人も、このオバマ時代の規制を維持すべく、さまざまな努力をしている。その中で、モンタナ州のSteve Bullock知事は、地方行政の官僚主義をぶち破ってISP(インターネット・サービス・プロバイダー)たちに、それまでのネット中立性規則を守るよう強制している。

二期目の民主党知事であるBullockはThe New York Timesに、今日(米国時間1/22)署名する行政命令により、州との契約のあるいかなるISPも、既存のWebサイトへのアクセスをブロックしたり、追加料金を徴収することを禁じられる。知事はインタビューでこう述べている: “モンタナ州とビジネスをしたいならば、ネットの中立性に関する規格に従わなければならない”。

この新しい規則は今年の7月1日以降に新たに契約、または再契約される契約に適用される。対象となるISPには、一部の大手も含まれている。すなわちAT&T, Charter, CenturyLink, そしてVerizonは、現在すべて州と契約している。

現在行われている反対運動は、22の州の司法長官が提訴した訴訟をはじめ、時間のかかるものが多い。しかし州の行政命令は、知事が署名しただけで発効する。同じ週には、Mozillaが同様の訴訟を起し、また49名の民主党議員らが、規則再興の方法を提案している。

しかし、実効が早いと思われるBullockの行政命令も、お金持ちのISPたちが反対訴訟をするなど、前途は険しいだろう。でも最終的にモンタナでうまくいけば、ほかの州がその成功に見習うことはありえるだろう。

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22の州の司法長官がネット中立性の廃棄を阻止するための訴訟を提訴

22の州の司法長官が今日(米国時間1/16)提訴した訴訟が、オバマ時代のネット中立性規則を廃棄する連邦通信委員会(Federal Communications Commission, FCC)の、異論の多い票決を阻止しようとしている。

提訴を呼びかけたのはニューヨーク州のSchneiderman司法長官で、彼はネット中立性規則の撤回を、“ニューヨーク州の消費者と企業、および、自由でオープンなインターネットを重視する者全員にとって大惨事”、と呼んだ。

ワシントンの連邦控訴裁に提出された訴状は、カリフォルニア、コネチカット、デラウェア、ハワイ、イリノイ、アイオワ、ケンタッキー、メイン、メリーランド、マサチューセッツ、ミネソタ、ミシシッピ、ニューメキシコ、ノースカロライナ、オレゴン、ペンシルベニア、ロードアイランド、バーモント、バージニア、ワシントン、ワシントンDC、以上各州の司法長官が共同署名している。

付属の声明文でSchneidermanはこう付言している: オープンなインターネットとそれがもたらす自由な意見交換は、われわれの民主的過程にとって決定的に重要である。ネット中立性規則の廃止はインターネットサービスプロバイダー(ISP)を門番に変え、消費者よりも利益を優先することを彼らに許し、彼らはわれわれがオンラインで見たり、したり、言ったりすることをコントロールできるようになる”。

FCCの票決を覆(くつがえ)そうとする大規模な共同的取り組みは、これが初めてではない。今、民主党49名と共和党1名の上院議員が、FCCが票決した、「インターネットの自由の復活(Restoring Internet Freedom)」という、いかがわしい名前のついた規則の不承認に向けて協調している。

またD.C.の非営利団体Public Knowledgeは今日D.C.の控訴裁に、ネット中立性規則の撤回の合法性を審査するよう、保護陳情書を提出した。

FCCの票決の直後には、社会活動団体Free Pressが、FCCを起訴する計画を発表した。同団体は、“現FCC委員長Paiの論拠にはいくつかの点で深刻な欠陥がある”、としている。

アップデート: 今週はMozillaも連邦裁に陳情書を提出した。Firefoxのメーカーはそのブログ記事で、“FCCの決定は登記から10日後に発効するとなっているが、それはまだ起きていない。しかしながら、国レベルの法はさらに曖昧である。この問題の重要性に鑑(かんが)み、法定の期日はすでに過ぎているにもかかわらず、まだ訴えが有効であると法廷が判断することもありえると考え、ここにあえて陳情書を提出するものである”、と述べている。

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Facebook、ロシアの米選挙介入について「悪いことは起きる」と回答

Facebookは米国大統領選挙に影響を与えた同サービスの責任、特に「フェイクニュース」とロシアが購入した広告について攻撃の的になっている。

水曜日(米国時間10/18)、ラグナビーチで開催されたWSJ D.Liveでこれについて質問されたFacebookのVP David Marcusは、はじめに同ソーシャルメディアが世界に与えたプラスの影響について延々と語って話をそらし、「毎月20億人が使うプラットフォームを運用していれば…ときには悪いことも起きる」と締めくくった。

MarcusはFacebookが「議会の特別委員会と協力して」米国政治に関するロシアによる同サービスの利用状況を調査したと語った。「起きたことが再び起きないようにシステムを作る」ことが会社の優先課題だとMacsusは言った。

MarcusはFacebook Messenger プラットフォームの責任者として、「少数の」ロシア関連事象がMessengerサービス上で起きたことを認めたが詳細は語らなかった。

今後は「広告をレビューする人員を数千人雇用し、世界中の注目される選挙に関わる活動をすべて検査する」と同氏は語った。

Marcusは、「完全というものは存在しない」が「われわれの計画が正しいことには絶対的確信がある」と付け加えた。

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ティム・クック、Appleで働く「ドリーマーズ」250人を支持すると発言

Tim Cookは、IT業界トップとして就任前のトランプ氏と膝を交え、新大統領のテクノロジー政策を手助けすべく語り合ったひとりだった。しかし、当選後には選挙戦中の発言が軟化することに希望を寄せていた多くの人たちと同じく、Apple CEOは態度を変える理由をいくつも見つけた。死者3名を出した先月のシャーロッツビルの暴動の後、Cookは声明を発行しトランプの対応との不一致を強調した。

今日(米国時間9/4)午前CookはTwitterで、DACA(若年不法移民の在留合法化プログラム)の支持を拡大すると発言した。来週トランプ大統領が同プログラムを終了するというニュースを受けての行動だ。2012年にオバマ大統領が署名した「ドリーマーズ」プログラムは、不法滞在している若年移民を国外追放から保護するものだ。Cookはツイートで、現在同社が250人のドリーマーを雇用していると説明した。

[私はドリーマーたちを支持する。彼らは等しく尊重され、アメリカの価値に根差すソリューションを享受する権利がある]

先週トランプ大統領は記者に向かって、同プログラムの終了を考えていたことを告げ、報道はその決定が翌週火曜日、レイバー・デー休日の翌日に発表されるであろうと密かに付け加えた。この動きは当初から大統領キャンペーンを煽ってきた数々の約束の延長にあたる。選挙戦のキックオフイベントでトランプ氏は、メキシコは「ドラッグを持ち込んでいる。犯罪も持ち込んでいる。やつらはレイプ犯だ。そして中には、良い人たちもいるだろうと想像している」と聴衆に語った。

トランプがプログラムの終了を強硬に考えているというニュースに、Cookを始め、Amazon、Google、Netflix、その他の主要IT企業のトップが動き、トランプ大統領にDACAを継続するよう依頼するレターを書いた。「ドリーマーズはわれわれの会社そして経済の未来にとって不可欠な存在」とレターには書かれている。「会社は彼らと共に成長し職を生み出していく。ドリーマーズはわれわれが国際競争で今後も優位を保っていける理由でもある」。

DACAが終了すれば「78万人の勤勉な若者」が国外追放の危機にさらされる、とレターは指摘する。Cookは今日のツイートで、このプログラムは会社にとって単なる抽象的な政治ではないと説明した。もしDACAが終了すれば、AppleだけでなくFortune 500企業の72%に当たる現在ドリーマーを雇用している会社が具体的な損害を被る。

プログラム廃止の考えは、トランプの所属政党の中でさえ議論を呼んでいる。先週金曜日(米国時間9/1)、下院議長のポール・ライアンは大統領の行動に懸念を表明し、記者団に向かってこう言った「やるべきではないと実際思っている。これは、議会が修正すべき問題だと信じている」。

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Apple、オープンなインターネットを支持する意見書をFCCに提出

秋のiPhoneイベントの日程が決まった直後、Appleはネット中立化のために一肌脱ごうとしている。FCC宛ての書簡の中で、Appleの公共政策担当副社長、Cynthia Hoganはオープンなインターネットを擁護し、通信プロバイダーが一部のトラフィックを優先し、他社のスピードを絞るような行動を可能にする法制に警告を発した。

「ブロードバンド提供業者は、合法的なウェブサイトやサービスに対して、ブロック、バンド幅制限、そのほかの差別的行為をすべきではない。わかりきったことだが、これはFCCがこの10年以上続けているネット中立化アプローチの基本理念だ。オンライン製品やサービスの提供者は、使用するブロードバンド提供者から妨害されることなく、安全確実に自社の顧客とつながる保証が必要だ」とレターには書かれている。

Appleが反対表明しているのは、インターネットの高速レーン、別名「有償優先化」。ブロードバンド会社がコンテンツ提供者に対して高速アクセスを販売することを許すしくみだ。

「有料高速レーンは、コンテンツに中立なインターネット通信を、コンテンツ業者の支払い能力や支払いの意志に応じて扱いを変えるしくみに変えようとしている。そうなればインターネットの競争は歪んだものになり、コンテンツ提供者は、通信業者と協定を結ぶか、さもなくば低速レーンに甘んじてサービスの質の低下によって顧客を失うかの選択を迫られる」。

Appleが恐れているのは、ブロードバンド業者か「勝者と敗者」を作ることであり、これは大企業は支払いが可能だが、新興企業は不利をこうむるシナリオだという。

「Appleは、新たな法的規制を受け入れる意向をもっているが、それはその規制が、強力かつ施行可能で法的に維持可能な保護政策を伴う場合に限られる。要するにインターネットは、消費者にとって非常に重要であるとともに、イノベーションにも不可欠であり、保護されず不確かな状態にしておくことは許されない」。

ストリーミング・エンターテイメントの主要プラットフォームの1つであるAppleにとって、ネット中立性を勝ち取ることによって明確な利益を享受する ―― そしてその利益は、同社がオリジナルコンテンツの開発に積極的な投資をすることによってのみ成長が見込める。

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YouTubeがISIS志願者を説得反論するビデオツールRedirect Methodを立ち上げ…広告のターゲティング技術を応用

テロにデジタル技術で対抗するGoogleのビッグな実験が今日から始まる。この実験は同じAlphabet傘下のシンクタンクJigsawと協力して、YouTube上のISIS関連のプロパガンダを葬り去ろうとする。これからは、ISIS志願者が特定のキーワードを使って既知の過激派のコンテンツを検索すると、テロリスト集団を批判し彼らに対抗するビデオへリダイレクトされる。このプロジェクトは、Redirect Methodと名付けられている。

Redirect Methodのホームページにはこんな説明がある:

“Redirect Methodは、Adwordsのターゲティングツールと、厳選されたYouTubeビデオを使って、ネット上の過激主義に対抗する。それらのビデオは、世界中の人びとからアップロードされたものだ。その主な対象は、ISISのメッセージに感化されやすい一部のオーディエンスで、彼らを、ISISの誘い言葉の嘘をあばく厳選されたYouTubeビデオへリダイレクトする。このオープンな方法はISISの離脱者たちへのインタビューに基づいて開発され、ユーザーのプライバシーを尊重し、そのほかのタイプの暴力組織の募兵談話対策にも利用できる。”

Redirect Methodはこれまでの8週間のパイロット事業で32万のビューワーに対応し、ISIS志願者が検索する事柄や、プロパガンダへの反論として有効/無効な語り口等に関し、重要なインサイトが得られた。たとえば、ドキュメンタリービデオや市民ジャーナリズムの作品は、ISISを称揚する説話を打ち砕く効果が大きく、また宗教をめぐるディベートや、ISISの離脱者たちが登場するビデオも効果があった。

リダイレクトされるきっかけとなる検索キーワードは、“Baqiyah wa Tatamadad (“留(とど)まれ、そして広がれ”)や、尊敬と名誉を意味する“Al Dawla Al Islameyah”など、信仰精神を鼓舞するものが多い。

Googleの本質は本来、巨大広告企業なので、ISISの志願者に到達するためのターゲティングなんか、お手のものだ。消費者へのターゲティングと、方法は変わらない。

Jigsawから孵化したRedirect Methodは、オープンな青写真として一般公開されているから、Google以外の企業や団体が過激派対策に利用してもよい。

イスラム(と名乗る)過激派以外の、もっと多様なタイプのテロや暴力賞賛行為への応用性について、今Googleに問い合わせているから、コメントが得られ次第この記事をアップデートしよう。〔Redirect Methodのホームページに答はある。〕

YouTubeのチームはブログにこう書いている: “Redirect Methodの実際の効果は、コンテンツへのエンゲージメントの大きさで分かるだろう。近くその結果を発表する予定なので、お楽しみに。”

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

気候変動に関する世界的協定から離脱したらアメリカの産業にダメージ、とヒラリー・クリントンが主張

気候変動に関する国際協定にアメリカが留まるか脱けるか、トランプ大統領の決断をめぐっていろんな噂がある中*、前国務長官ヒラリー・クリントンが、水曜日(米国時間5/31)にカリフォルニア州ランチョ・パロス・ヴァーディーズで行われたCode Conferenceで、大統領に辛辣な言葉を進呈した。〔*: 日本時間6月1日午前9時現在〕

現国務長官Rex Tillersonや、大統領がパリ協定に留まるよう勧奨する署名運動にサインした多くの企業役員たちの意向を受けてクリントンは、協定の放棄はアメリカとその企業にとって悪である、と述べた。

“クリーンエネルギーの輸出で世界のリーダーになるのは、どこの国でしょうか”、クリントンは中国やヨーロッパにおける国家的支援と、それらの国々における再生可能エネルギー産業の活況を強調した。

“その大きな市場を誰かが手中にしようとしているとき、私たちはそれを捨てようとしているのです”、とClintonはぶち上げた。

パリ協定に署名していない国はシリアとニカラグアの二か国だけであることをクリントンは指摘して、大統領の翻意を促した。

クリントンはさらに、再生可能エネルギーや気候変動に取り組んでいる企業に現政権が示しているネガティブな認識は、グローバル市場におけるアメリカ企業の競争力を削いでいる、と主張した。

これらの企業がアメリカ政府の支持を得られないのは、“恥ずかしいことです”、とクリントンは述べた。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

パテント・トロールに示談金を払わずに完勝する方法、Cloudflareの先行技術調査戦術に学ぶ

“トロールに餌をやるな”、と教えられる。しかし企業向け多目的逆プロキシサービスとして今や著名なCloudflareは、彼らから儲けの源泉を取り上げることによって、トロールを餓死させようとしている。

テクノロジー企業に対する特許訴訟はほとんど日常化しているので、多くの企業は高価な法務費用(そして短くない法廷関与時間!)を負担するよりも、示談ですませてしまうことが多い。企業がそうやって早くケリをつけようとするので、特許訴訟は原告トロールにとって濡れ手で粟の金儲け手段になっている。トロールたちはテクノロジー関連の特許を1ドル程度の安値で買い、その特許をネタにお金持ちの企業から示談を引き出す。

しかし先月Blackbird Technologiesと名乗るトロール企業がCloudflare(そしてクラウドプラットホームのFastly)を、プロキシシステムのエラーメッセージに関する1998年の特許で訴えたとき、Cloudflareは反撃を決意した。このCDN企業はProject Jengoと名付けた懸賞プロジェクトを立ち上げて、Blackbirdが保有する70あまりの特許のすべてを無効にすることをねらった。

Project Jengoは、特許が“先行技術”(prior art)である証拠を見つけるために、総額5万ドルの資金を用意した。その特許が謳っている技術が、特許が申請される前に広く使われていたことを示す証拠だ。先行技術の証拠は、特許侵犯の主張を‘根拠なし’にする。そして5万ドルの資金のうち2万ドルは、CloudflareとFastlyの訴訟に関わっていた特許を無効化するために使われ、残る3万ドルは、Blackbirdのそのほかの特許の無効化に投じられる。

CloudflareのCEO Matthew Princeがブログに書いている: “Blackbirdは2014年の9月以来107件の訴訟を起し、今後も同社の特許を使ってそのほかの企業を訴訟していくだろう、と思われた。そこで、Blackbirdの特許に先行技術の有無を調べることが重要であり、それによって今後彼らが弊社やそのほかの企業を訴訟できないようにする必要があった”。

その調査の結果、Project Jengoの訴訟ではCloudflareの勝訴が確定し、一般的なパテントトロールの事案と違って同社は、示談(〜和解金支払い)を回避できた。

Cloudflareの法務部長Doug Kramerはこう語る: “迷惑行為に対しては、示談で済ませる企業が多い。しかし弊社は、いかなる点でも示談にするつもりはなかた。示談は、問題の劇症化に貢献するだけである。すべての企業が、立ち上がって戦う必要がある”。

CloudflareはProject Jengoでトロールの特許訴訟を無効にしただけでなく、Blackbirdのトップも訴追している。同社は弁護士たちが創り、テクノロジーとはまったく無縁の企業だ。パテントを買ってそれらに関する訴訟を起こすことが、彼らの“事業”である。それは非倫理的である、とCloudflareは主張し、Blackbirdの弁護士たちを訴えている。

今Blackbirdにコメントを求めているので、得られ次第この記事をアップデートしよう。

アップデート: “Blackbird Technologiesは弊社に対するCloudflareの申し立てを検討した。これらの申し立てには訴訟としての理非がまったくなく、したがって弊社としては強力に、それらから弊社を守りたい”、BlackbirdのCEO Wendy Verlanderは、本誌にこう語った。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

マーク・ザッカーバーグ、F8でクリーブランドの銃撃事件に言及

F8カンファレンスの壇上、Facebook CEO Mark Zuckerbergは、先週末に起きたクリーブランドの銃撃事件について語った。容疑者は殺人現場をビデオに撮りFacebookに投稿していた。男はその後Facebookのライブ中継で自らの犯行について語り、Facebookは暴力的コンテンツの検閲が十分ではないと批判された。

「われわれは共通の認識を持つにも努力している。ただ様々な意見を求めるだけでなく、人々の気持ちを一つにすることに。われわれにすべきことはたくさんある。グループやコミュニティを作り、情報を共有しあえる社会を作り、コミュニティの安全を守るために、数多くの製品計画が進められている」とZuckerbergは言った。「われわれのすべきことはたくさんある。クリーブランドの悲劇でそのことを思い知らされた。Robert Godwin Sr.の家族と友人たちに心から哀悼の意を表するとともに、このような悲劇を繰り返さないためにこれからも努力を続けていく」

銃撃ビデオの事件を受け、Facebookは暴力的コンテンツに関するユーザーからの通報を確認するスピードを改善すると語った。昨日(米国時間4/17)Facebookは、銃撃ビデオが投稿されてから2時間近くたつまで報告されなかったことを公表した。同社は人工知能を使って暴力的ビデオを検出し、シェア方法に制限を加えることも示した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook