Adobe(アドビ)のアナリティクス部門からの報告によると、米国時間7月15日から始まるAmazonの大売り出し「Prime Day 2019」(Amazonプライムデー)は、米国のeコマース市場にまた大きなインパクトを与えることになりそうだ。その予想によると、米国のオンライン売上の計10億ドルあまりを占める上位リテーラー各社の売上は、Amazonプライムデーの間に昨年の60%に対して79%増加する。そしてAmazonプライムデーにより、米国のeコマースの売上が20億ドル(約2160億円)を超える。ホリデーシーズンを除けば、2018年のレイバー・デー(労働者の日)と2019年の戦没将兵追悼記念日と並ぶ三度目になる。
Adobe Digital Insights(ADI)の主席アナリストであるTaylor Schreiner(テイラー・シュライナー)氏はこう語る。「Amazonプライムデーが人工的なホリデーになるため、Amazonのコンペティターである他の大型eコマースも余禄に与ると考えられる。結局のところ彼らは、Amazonプライムデーに売上が伸びるという経験をすでに5年近く味わっているのだ」。
なお、上の20億ドルはAmazonの売上を含む米国限定の金額だ。
しかしAmazonプライムデーそのものは、かなり国際的に展開されている。今年は初めてアラブ首長国連邦が加わるほか、英国やスペイン、シンガポール、オランダ、メキシコ、ルクセンブルク、日本、イタリア、インド、ドイツ、フランス、中国、カナダ、ベルギー、オーストリア、オーストラリアなどでも並行してこの売り出しが行われる。
Amazonの上位ライバルであるWalmart(ウォルマート)やTarget、eBay、Best Buyなども本日、独自の売り出しを行う。それにならうかたちで実施する中小のeコマースも少なくない。というか、RetailMeNotの当初の予想記事によると、Amazonプライムデーの日に自店の売り出しをぶつけるリテーラーは250店に達する。昨年それは194店、2015年の初めてのAmazonプライムデーのときはわずか7店だった。
とくにeBayは、やや汚い手でAmazonプライムデーに対抗しようとしている。同社は昨年のプライムデーでAmazonに不手際(サーバーの過負荷)があったことにひっかけて、今年の便乗売り出しを「Amazonをぶっつぶす特売」、すなわちCrash Saleと呼んでいる。
またウェブサイトモニタリングのCatchpointによると、昨年の経験のおかげで今年のAmazonは、プライムデー開始日の東部時間午前10時までは、モバイル、デスクトップともに安定している。ウェブサイトのロード時間は、売り出しがなかった先週と変わらないぐらい速い。
それは、サイトの安定性が大きく向上したためか、それとも、今年は消費者の出足が鈍いのか。昨年はEcho Dotをプライムデーの始まる前から24ドル99セントに大幅値下げするというでっかい目玉があったけど、今年のプライムデーではEcho Dotを22ドルで特売している。結果は、今日の夜までにはわかるだろう。
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)