オフラインでの子供の遊びを保護者に指南するKinspireの新アプリ

Kinspire(キンスパイヤー)という新しいスタートアップは、子供たちが夢中になる活動を保護者が簡単に見つけらるよう手助けしたいと考えている。それも画面を使わない活動だ。保護者や学校教師がともに吟味した数百種類の活動が紹介されているこのアプリは、新型コロナウイルスの大流行によって多くの家庭がソーシャルディスタンスの確保を要請され(The New York TImes記事)、普段どおりに子供同士が一緒に遊ぶ機会やその他の活動が奪われた時期に迎えられた。今や何百万もの小学生たちは、長時間オンラインで過ごし遠隔学習を強いられている。

このように子供のスクリーンタイムが急激に増加している現状を受けて、保護者たちは、できればオフラインで、子供たちが夢中になれる新しい活動を模索するようになった。

画像クレジット:Kinspire

「親として、私たちの生活にはKinspireが必要だと感じ、開発しました」と、理学博士で2児の父であり、Kinspireの創業者兼CEOのRob Seigel(ロブ・シーゲル)氏は説明する。「Kinpireができる前は、ウェブサイトやソーシャルメディアで活動を探して子供に勧めるのが、大変なストレスでした。そうした苦労の挙げ句、子供は決まって「やらない」と言います。Kinspireなら、ここだけで、子供がやりたい遊びを自分で探すことができます。パパが面白そうだと思うものではなくてね」と彼は話していた。

また彼は、遊び方の解説や必要な材料も、このアプリだけでわかるようにしたいと考えた。そしてアメリカで自宅待機が始まったころ、シーゲル氏は仲間を集め、アプリを作り上げた。

ローンチ時点で、Kinspireには画面を使わない活動が350以上紹介されている。ここには、ナショナル・パブリック・ラジオのポッドキャスト「Wow in the World」(世界の驚き)で放映されている実践型のSTEM(理工系)教育番組「Tinkerclass」(ティンカークラス)の活動も含まれている。この番組は、家にある日常的な物を「ティンカーする」(いじくりまわす)ことを子供に奨励するものだ。現時点で、これらのコンテンツはすべて無料で利用できる。

Kinspireコミュニティーは、最初にアプリでプロフィールを登録した後、「活動を追加」機能で活動の検索ができるようになる。シーゲル氏によると、内容は、AIモデレーション・サービスと人間による審査を組み合わせて厳選しているという。

初めてKinspireアプリを開くと、Instagram(インスタグラム)のような縦型の画像のフィードが現れる。ただし、そこにあるのはアーティスティックな写真やネタではなく、いくつもの面白いお勧めの遊びや活動が、スクロールで閲覧できるようになっている。それぞれの活動のカードには、Kinspireコミュニティーが撮影した写真が添えられている。コミュニティーには、学校教師、活動クリエイター、保護者、介護士などが参加している。

Kinspireの初期から参加しているクリエイターには、@naturallycuriouschildrenのNicole Roccaro(ニコール・ロッカロ)氏、@entertainmytoddlerのKari McManamon(カリ・マクマナモン)氏、@makethingsbox_のViviana Maldonado(ビビアナ・マルドナド)氏、@totsonlockのKira Silvera(キラ・シルベラ)氏が名を連ねている。

保護者は、年齢、屋内用か屋外用か、準備時間、保護者の立ち会いがどれほど必要か、活動のタイプ、必要な材料、どれだけ散らかるか(このあたり、子を持つ親が作ったのだなと感じさせる)といった項目でフィルタリングして、お勧めの活動を探すこともできる。

画像クレジット:Kinspire

後で試してみたいお気に入りの活動を保存しておくことも可能だ。

Kinspireのひとつの活動を終わらせた子供には、創造的または科学的な工作、自然探索、ごっこ遊び、料理、算数、音楽、マインドフルネスなどなど、多岐にわたる内容に応じてアプリ内のご褒美が贈られる。ご褒美の中には、デジタル・キャラクターの記章としてプロフィールに表示されるものもある。また、家で折り紙のキャラクターの作り方が印刷できるようになるご褒美もある。

このアプリは、ホームスクールや遠隔学習で学ぶ子供や、自宅待機の初期段階で憔悴してしまった子供のための新しいアイデア探しに苦労している家族にも役に立つ。

同社は、プレミアムなサブスクリプションプランを追加して収益化を図ろうと考えている。サブスクリプションを購入した保護者は、個々の活動クリエイターから、自分たちのためのオリジナルの活動をKinspire内で提供してもらえるようになる。またこの収益の分配金が、パートナーであるクリエイターの収入源にもなる。

さらにKinspireでは、活動の中で物が買える仕組みにも取り組んでいるも。これはテスト期間中にもっともリクエストの多かった機能だ。これが実現すれば、保護者は活動に必要な材料をAmazon(アマゾン)やら方々のショップで買い集めることなく、すべてKinspireで直接揃えられる。Kinspireは、そこから手数料を徴収する。

デンバーとニューヨークを拠点とするKinspireは、新型コロナ禍の最中、テクノロジーや子供の遊びに関する経歴を持つ仲間たちと、2020年5月に創設された。

創業メンバーのSara Berliner(サラ・バーリナー)氏は、Y Combinetor(ワイ・コンビネーター)が支援する新しいインタラクティブな動画プラットフォームでありクリエイター向けツールでもあるHellosaurus(ハローザウルス)のアドバイザーを務めている。Kinspireを創設する以前に、彼女は子供向けIPスタジオStar Farm(スター・ファーム)を共同創設し(2002年〜2008年)、現在はIngage(インゲージ)となっているScrollMotion(スクロールモーション)でKids & Family(キッズ・アンド・ファミリー)グループの立ち上げと開発を行っていた(2008年〜2012年)。さらに、Peekaboo Barn(ピーカブー・バーン)を開発したNight & Day Studios(ナイト・アンド・デイ・ステューディオズ)の最高戦略責任者も務めていた(2012年〜2018年)。彼女は2児の母親でもある。

Kinspireのその他の共同創設者であるロブ・シーゲル氏、Dave Tarasi(デイブ・タラシ)氏、Nate Ruiz(ネイト・ルイース)氏は、HeadsUp(ヘッズアップ)、Nodin(ノーディン)、SolidFire(ソリッドファイヤー)、NetApp(ネットアプ)といったスタートアップで合わせて20年の経験を有する。CEOのシーゲル氏は、2人の男の子の父親であり、HeadsUpの共同創設者でCEO、NodinのCTOを経験。SolidFireとNetAppではソフトウェア・エンジニアとしても活躍していた。

このスタートアップは、現在は自己資金で運営されているが、シードラウンドを調達中だ。

KinspirのアプリはiOS版とAndroid版が、米国とカナダで無料ダウンロードできる。

画像クレジット:Sue Barr / Getty Images
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(翻訳:金井哲夫)

数学嫌いはゲームアプリで克服できるのか?

銀行の入出金明細書を見て、いったい何が起こっているのかを理解しようとしたときの、独特の感覚というものがあるだろう。あるいは、税金の申告書類を書いているときにも似たような感覚に襲われるかもしれない。実はそうした感覚は、単になんとも言えない感覚というようなものではなく、科学的に認知された不安神経症のようなものだということが分かってきた。それは、MA(Mathematics Anxiety=数学不安症)であると、研究論文によって定義されている。日常生活だけでなく、教育現場でも、数学に対して抱かれる懸念、緊張、不安といったものだ。

そしてこれは、実際に世界中に広まっている問題であり、生涯にわたって悪影響を及ぼす可能性さえある。もし多くの人が、足し算や引き算をすることに怯えていれば、経済にもかなりの害が及ぶだろう。英国の約1700万人の成人(労働人工の49%)の計算能力は、小学生と同等のレベルだという。ある調査によれば、これにより英国経済に1年間で200億ポンド(約2兆8573億円)の損失が生じていると言われる。英国だけでもそれなら、他の国も合わせれば、いったいどんな数字になってしまうのか?

人の数学に対する不安感がこれほどのものでなれば、おそらくもっと多くの技術系の労働者がいるはずだ。算数に対する不安が大きい子どもの4分の3以上(77%)は、テストでは、履修課程の算数テストで、平均より上の成績を収めている。つまり、本当はSTEM(科学・技術・工学・数学)分野でもうまくやっていけるはずの生徒でも、このような不安が、そうした分野を選ぶことを妨げているのだ。

この問題は、恐怖に反応するのと同じ脳の部位、扁桃体にまで及ぶ。算数に対する不安が大きい子どもは、物理的な危険に対するのと同じようにストレスが高まり、攻撃・逃避反応さえ引き起こす

数学不安症の起源は、ほぼ6歳ころまでに蓄積された、否定的な数学学習体験の連続に根ざしている。したがって、子供たちを6歳までに数学に親しませることができれば、結局のところ経済や社会活動を促進することになるはずだ。

そこで、この問題に対処するため、数学が得意な2人の若い母親が、Funexpectedというスタートアップを共同設立し、この世界的な課題に取り組もうとしている。

彼女らが示した解決策は、学習に対する新たなアプローチを提供する「多感覚応用」のiOSアプリ。初期段階として大きな成功を収めている。リリースした最初の月に、Appleは、これを英国の「2019年9月のベストAppとゲーム」と「おすすめの新着App」として選んだ。さらに60を超える国々で、App Storeの子ども向けカテゴリの「おすすめApp」と「Awesome Kids Apps」に掲載されている。

今年の10月下旬には、このスタートアップはロンドン大学教育研究所(UCL Institute of Education)が主催するEDUCATEプログラムの教育技術イノベーターに選ばれた。同研究所は、教育技術に関して、英国における第1級の研究アクセラレーターであると広く認められている。また、先週の時点で、Apple Storesの実店舗のデモ機にも、Funexpectedのアプリが、Prisma、Alterlight、Headspace、その他の有名なアプリと並んで、インストールされる予定となっている。

さらに来年には、カリフォルニア大学バークレー校教育学部の認知と発達の教授、ドル・アブラハムソン(Dor Abrahamson)氏が、このアプリ用のゲームを作成することを計画している。

この自力で起業したスタートアップは、以前は投資銀行に勤めていたナタリア・ペレルディク(Natalia Pereldik)氏と、その友人のアレクサンドラ・カジロ(Alexandra Kazilo)氏が、共同で設立した。このアプリは、リリースから4週間で、世界50カ国以上で、3万5000以上のダウンロードを記録している。

それはどのようなアプリなのか?

アプリ自体は、日本、エジプト、グリーンランドなどの景色を背景にした、全部で11種のゲームを集めたもの。子どもは、画面にアニメーション表示されるオブジェクトをタップし、カットし、スライドさせ、つかみ、移動させて、ストーリーを先に進める。たとえば、あちこちの枝から取ってきたおいしそうな果物を、適切な量だけ猿に食べさせたり、正しい種類の魚を網で捕らえて、池に移すことで、論理的な思考を学ぶ。親も子どもといっしょに遊べる。このアプリはサブスク方式で、月額3.99ポンド(約570円)または年額31.99ポンド(約4560円)の料金が設定されている。

同社は大きな市場に取り組んでいる。世界のモバイル学習市場は、2016年に1093億ドルと評価され、2025年までに1792億ドル規模に達すると予測されている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

【ギフトガイド2019】ビルダーを目指す子供たちのためのSTEM玩具

TechCrunchの2019版Holiday Gift Guideへようこそ!ギフトのアイデアにヒントが必要だろうか?私たちがお手伝いしよう!これから12月末までギフトガイドを公開していく予定だ。他のガイドはこちらから見ることができる。

毎年恒例のSTEMグッズギフトガイドをアップデートして、コーディングトリックと電子的な魔法を使って、子供たちを誘惑し刺激を与える最新の製品を紹介しよう。そうご想像の通りだ!また今年も、ピカピカの一群が、子供向けのパッケージングを使って、スマートなコンピューティングについての壮大な主張を繰り広げている。

しかし、この市場に踏み込んでみると、昨年のこの時期以降、多くのSTEM玩具メーカーが消滅したり、他の企業に吸収されてしまっていることがわかる。たとばこの秋にLittleBitsがSpheroに売却されたり、6月にロボット掃除機の巨人であるiRobotがRoot Roboticsを買収したりしている。

生き残っているインディープレーヤーの中には、注目を集めるための戦術として、Kanoのディズニーキットなどビッグブランドからの知的財産権のライセンス契約に、大きく依存しているものもいる。他には学校への直接販売に力を注いでいるものたちもいる。例えば、昨年方向転換をしたSpheroは、現在littleBitsを取り込み拡張された教育ツールボックスを提供している。またOzobot は、教室に重点を置いているまた別の企業だ。だが、既にレポート済であるように、複雑なSTEM学習デバイスを学校に販売することは 必ずしも容易ではない。これからも、より多くの合併や廃業が控えているように思える。

おそらく、STEMコンピューターの代替メーカーとしては最も早いものの1つであるKanoが、テクノロジーの巨人であるMicrosoftと組んで、今年Windows搭載PCを初めて販売したというできごとは、おそらくキッドテック/エドテックの分野が難しい時期に差し掛かってることを示す兆候でもあるのだろう。

数年前にこのカテゴリーに火をつけた実験的エネルギーの一部は、売り上げや結果が伸び悩んだり、誇大広告に追いつきそこなってしまったりで、尻すぼみになっていることは明らかだ。親なら知っているように、子供は気まぐれな顧客なのだ。市場は少しばかりの動揺と共に反応した。また、提供されているものの中には、少々定型的で似通ったものになり始めているものもある。そして、まあ、ディズニーも。

それでも、すべての年齢の子供たちは、やり取りしている技術的な仕掛けでは満足できなくなってきている。とりわけ玩具メーカーたちにとって、ドラッグアンドドロップを使ったアプリ内コーディングを少し追加することで、おもちゃにSTEM要素を与えるのがかつてないほど簡単になったのでなおさらだ。LEGOのような主要メーカーでも、この動きのより大きな部分をつかもうとして、競走路に留まっている。大きな視点から眺めるならば、常にオリジナルでも野心的でもないとしても、過去数年に見たものよりも洗練された製品を見つけることができるだろう。

また子どもたちのコード革命を後押しする、という巧みなガジェットたちの約束も、繰り返し開封されて…捨てられることを繰り返したのちに、それほど大げさなもの言いではなくなって来ていると言っても良いだろう。現実は厳しい、ということだ。

手ごろな価格のスマートフォンとタブレットは、カテゴリーのトップで競争重ねている。それらは、ほとんどのSTEMガジェットよりも汎用性の高いオプションになり得るが、子供のスクリーニング時間(画面を見ている時間)に対する懸念が高まると、親たちは物理的に触れる代替手段を模索するようになる。一方、全てではないものの、ほとんどのSTEM玩具は基本的にBluetooth通信を行うため、それらを動かすにはモバイルデバイスが必要となる。

とはいえ、独創的で刺激的な部分は残っている、そして、テクノロジーやエンジニアリングだけでなく、創造的なスキルを教えることにより多くの焦点が当たっているのを見ることはうれしい。もちろん、このカテゴリーの中では、ひとそれぞれに向き不向きがある。もし子供が、アナと雪の女王のプリンセスドレスやスターウォーズ マントを着ていないものには触ろうともしない場合には、観念して通常の商品を買うことになる。あなたが検討するさいに、(技術)フォースと共にあらんことを!

Adafruit

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製品: Python for Kids
価格:35ドル(約3800円)
年齢:10歳以上

メイカー(個人もしくは小規模チームでもの作りを楽しむ人達)に的を絞ったエレクトロニクス愛好家ブランド Adafruit は、あらゆる種類のエレクトロニクス製品を販売している。また、ヤングエンジニア 向けの専用のサブセクションがあり、コンピューティングとエレクトロニクスへの関心を引き起こすことを目的として、あらゆる年齢の子供向けにさまざまな自社ブランドキットとサードパーティ製品を提供している。たとえば、この Python for Kids の本は、Pythonプログラミング言語を真剣に学習するための子供向けアプローチを採用している。そのため、退屈な灰色の教科書ではなく、漫画的イラスト、楽しい例代、パズル、そしてたくさんの色が散りばめられた教科書となっている。この本は、10歳以上の子供を対象としている。

さらに若い子供向けに、Adafruitはこの Snap Circuits Jr キットを展開している。これは8歳以上の子供向けにモジュールを組み合わせるだけで100以上のプロジェクトを作成できる工具不要のキットだ。

はんだ付けに多少慣れている年長の子供向けには、このSolar Powered SKULL Blinky LED Pendant がある。これはLumen Electronic Jewelleryによって考案されたバッテリー不要のメイカーアクセサリーだ。

Adafruitは、英国のスタートアップであるTech Will Save Us のキットも取り揃えている。たとえば、新進技術者向けのこのDIY Gamer Kitなどがある。まず最初の課題は、すべての部品を装着することだ(はんだ付けが必要となる)。部品が正しく装着できたら、子供はスネークやテトリスなどのクラシックゲームをプレイするのに最適な、マトリックス画面を備えたArduinoベースのハンドヘルドゲームコンソールを手にすることになる。

これは単なる例に過ぎない。Adafruitのマーケットプレイスサイトでは、小さなメイカー向けに、さらに多くのアイデアとキットを提供している。

訳注:邦訳が「たのしいプログラミング Pythonではじめよう!」として出版されている。

Brilliant

Brilliant product screenshot all devices

製品:
ギフトサブスクリプションコース価格:1か月25ドル(約2700円)から
年齢:13歳以上

説明:学習玩具を贈りたくない場合、Brilliant.orgが、STEMに焦点を当てたデジタルコース(選択肢は1か月または1年)のサブスクリプションギフトを提供している。そのコースの背後にある哲学は、楽しくてやりがいのあるパズルや問題解決を通じて、数学、科学、エンジニアリングのコアコンセプトを教えることだ。刺激を受け続けることができるように、超現実的な漫画的イラストレーションが添えられている。

このコースは子供専用として設計されているわけではないので、すべてのティーンに適しているとは限らない。しかし、すでに数学や科学にしっかりと取り組んでいる子供たちにとっては、論理と好奇心をさらに推し進めるための、心をくすぐるようなものがたくさん置かれている。

GoldieBlox

goldieblox cloud light

製品: DIY Floating Cloud Light
価格:30ドル(約3300円)
年齢:8歳以上

説明:派手なスライムを扱うティーンYouTuberハッカーのGoldieBloxがSTEMメイカーキットに巧妙なひねりを加えた。子供向けマルチメディア会社が、そのDIYプロジェクトビデオをオンラインでフォローするメーカーを設立した。このビデオの中で、彼らがDIY cloud lightを組み立てるところを見ることができる。そしてそれを新進ハードウェアハッカーのわが子に便利なキットの形 で贈ることができる。キットの箱には、ランプを組み立てるために必要なすべての部品と共に、STEM情報を記載したカードがいくつか含まれている。ただし、かなり軽い感じの学習内容だ。主な焦点は、明らかに楽しくて実用的な工作の方だ。接着剤とはさみを用意すること!

Kano

Kano Disney Frozen II Coding Kit

製品: Disney Frozen II Coding Kit
価格:80ドル(約8800円)
年齢:6歳以上

説明: 英国のスタートアップKanoは、現代的なSTEMデバイスビルダーの先駆けの1つである。鮮やかな色のDIY IoT新商品を提供するようになる前は、自分で組み立てるコンピューターを子供に提供し、コーディングを学ばせるというアイデアから始まった。最近では、共同ブランドの電子製品が投入されている。最初はハリーポッターコーディングキットだ。現実世界のジェスチャーと画面上のコードの間のインターフェイスとして、動きを検出する杖を提供する。そして今は、ディズニーとの関係に力を入れて、2年間のIPライセンス契約を結んでいる。ということで今年2019年は、Frozen II Coding Kitの登場だ。これは自分で組み立てるジェスチャーセンサーと、コンパニオンアプリからアクセスするディズニー風味のブロックベースのコーディングを組み合わせたものだ。子供は手を使ったジェスチャーで、画面上のお気に入りの漫画キャラクターとディズニーの風景を操作する。そのため、この製品を使うためには、互換性のあるタブレットまたはコンピューターが必要となる。

アナと雪の女王の歌うお姫様と雪だるまよりも、ディズニーのもう1つの巨大シリーズスターウォーズの方が好きな子供を持つ両親のためには、目をKanoのThe Force Coding Kitに向けるだけで良い。ほぼ同じ内容をSF仕立てで見せてくれる。##$_0A$####$_0A$##

製品: Kano PC

kano pc

価格:300ドル(約3万3000円)
年齢:K-12(4歳から19歳)

説明: Kanoは、今年コードを学ぶための機械を沢山用意した。同社の最新のDIYコンピューターであるKano PCは、本格的なWindows 10コンピューターだ。これは、シングルボードのRaspberry Piの上に構築されたオリジナルPCとは、抜本的に異なる出発点だ。いまやKanoを買うお金で1.44 GHzで動作するIntel Atom Quadコアチップセットを手にすることができる、それにはタッチスクリーンユニットとキーボードケースで構成されるプラグアンドプレイハードウェアが伴っている。もしMicrosoft Surfaceに子供バージョンがあったなら、基本的にこのようなものになっていることだろう。

ここまで聞いて、そして価格を知った時点で、なぜ普通のWindows PCを購入しないのかと疑問に思うかもしれない。Kanoは、デバイスにプリロードされた独自デザインの「専用アプリ」を強調することで、その疑問に答えようとしている。コーディングスキルや、プログラマブルグラフィクス、そしてコンピューターの内部動作に関する理解を行うためのガイド付き学習教材が提供される。コーディングの指導に対する同社のアプローチは、ブロックベースのドラッグアンドドロップインターフェイスから、Python、Javascript、およびターミナルコマンドを使って提供されるプロジェクトを使用する、コードタイピングまでの範囲をカバーしている。 したがって、Kano PCは非常に幅広い年齢層を対象としているのだ。とはいえ、それはWindows PCそのものでもあるため、子供が単にMinecraftをプレイするために使用していることに気付くことになるかもしれない…  

KinderLab

KinderLab Kibo

製品: KIBOロボットキット
価格:200ドル(約2万2000円)より
年齢:4歳〜7歳

|||UNTRANSLATED_CONTENT_START|||Description: KinderLab has been making screen-free programmable STEAM (that ‘A’ is for arts) robotics kits since 2014 but the company is now making a wider push to get individual parents on board by selling its kits on Amazon.|||UNTRANSLATED_CONTENT_END||| Kiboはどのような仕組みなのだろうか?子供たちは、さまざまな独自のセンサーや出力装置を、車輪付きロボットのポートに、接続することで遊んだり学んだりする。たとえばモーションセンサーや光センサーなどだ。会社が「アートプラットフォーム」と呼んでいる別のアドオンを使うことで、子供たちはロボットを飾り立てたりカスタマイズすることができる。新しいコンテキストやキャラクターに合わせることができるように、紙の帽子をデザインして貼り付けることができるのだ。コーディング要素は、ビルトインバーコードスキャナーを使って、物理的な木製コードブロックから命令を読み取ることができる。つまり、子供はスクリーンをまったく使用せずにロボットを「プログラム」できるのだ。

基礎的なエンジニアリングデザインコンセプトを教えるこのKinderLabのアプローチは、もともとは公的資金による研究プロジェクトとして始まった。同社は、Kiboが20年にわたる学習科学の知見(および教室での数年間のアクティブなプロトタイプテスト)を活用することで、教育価値を高めていると語っている。こうした学問的な背景は、カリキュラムに沿った豊富なコンテンツがKiboに付随していることを意味している。これは間違いなく、市場で最も充実した思慮深いSTEM製品の1つのように感じられる。子供たちが、自分のアイデアを取り込める余地を残している部分があることも素晴らしい。

Learning Resources

Learning Resources Coding Critters

製品: Coding Critters
価格:40ドル(約4300円)
年齢:4歳〜10歳

説明: Learning Resourcesは、2017年後半から、そのBotleyプログラマブルロボットを使用して、幼い子供たちがシーケンシャルコーディングの基本を学べるような活動をしてきた。2019年のSTEM玩具ラインナップに投入された新製品は、幼い未就学児を対象にした、プログラム可能な、遠隔操作できるペットのCoding Crittersだ。基本的なSTEMコンセプトを教えるための完全にスクリーンなしのアプローチは、電池式動物キャラクター上のボタンベースのコントロールと、参考にするテーマコードカード、および物語で役割を果たす親のためのストーリーブックを組み合わせることで実現されている。

LEGO

lego boost star wars

製品: Star Wars Boost Droid Commandersセット
価格:200ドル(約2万2000円)
年齢:8歳以上

スターウォーズファンのために、また別の製品だ。このレゴBoostキットは、ディズニー所有の映画シリーズの3つのクラシックドロイドを組み立てるために、子供たちに大量のレゴブロックとロボットパーツを提供する。Boostは、熟練者向けのMindstormsに比べれば、より初歩的なレゴロボットキットだ。Bluetooth制御のドロイドが組み立て終わったら、コンパニオンアプリを使って、子供たちはそれを制御したりプログラミングしたりすることができる。プログラミングではシンプルなドラッグアンドドロップコーディングインターフェイスを使用して、一連のミッションを実行させることが可能だ。

スターウォーズのサウンドエフェクトと音楽が含まれている。ただし、ソフトウェアを実行するには自分でタブレットを別途用意する必要がある。まあ、単に子供に基本的なレゴブロックの箱を買い与えて、想像力を発揮させることもできるのだが。

Makeblock

Makeblock mTiny

製品:mTiny
価格:180ドル(約2万円)
年齢:4歳以上

深圳に拠点を置くSTEMキットメーカーの Makeblockは、今年幼児向けの新しいかわいい学習ロボットを披露した。未就学児というターゲットを考慮して、mTinyには画面がない(ボットの感情的で形が変える目を画面の数のうちに入れない限りは)。その代わりに、パッケージには、センサー搭載のボットを制御し対話するためのコーディングカード、テーマに沿ったマップピース、そしてストーリーブックが含まれている。同社によれば、この製品はインタラクティブなプレイを通じて、論理的思考を育成するようにデザインされている。また、マーケティング資料は、コーディングロジックはもちろん、数学から芸術に至るさまざまなクロスカリキュラムの概念に子供たちが触れられることを、大々的に主張している。

mTinyを制御するために、子供たちは付属のタップペンを使用する。ジョイスティックとして利用することもできるし、コードカードをタップすることによって、コードベースのプログラミングを行うこともできる。これらのカードの順序によって、その動きとアクションが決まる。ボットは、テーマに沿った床タイルの模様を読み取って反応することもできる。

Mand Labs

Mand Labs

製品:KIT-1
価格:150ドル(約1万6000円)
年齢:8歳以上

このMand Labs製の電子ブレッドボードプロジェクトキットを与えられたなら、エンジニアの卵たちは実験に不足することはなくなるだろう。Kit-1には、165個の電子部品が含まれている。これは皆本物の部品で子供の遊びのために変更されたものではない。部品とともに54以上のプロジェクトと実験を行うためのツールとレファレンスブックが付属している。そこには、自動ナイトランプ、セキュリティアラーム、温度センサーなどを組み立てる、ステップ・バイ・ステップ式のプロジェクトが掲載されている。キットは電子機器への入口となるように意図されているので、子供たちはハンダ付けを行うのではなく、ブレッドボード上に回路を構築する。キットは工具箱スタイルのキャリーケースに収納されているので、友人の家に持っていくのも簡単だ。この製品には、より深い学習サポートのための、9時間分のHD学習ビデオも付属している。

Pai Technology

Botzees

製品:Botzees Robotics Kit
価格:100ドル(約1万1000円)
年齢:4歳

Pai TechnologyのSTEM玩具のラインナップには拡張現実の工夫が入っている。したがって、遊ぶための物理的なもの(この場合はブロックベースのロボット)と同様に、デジタル世界での拡張を行う「自分のコーディング」による仮想アドベンチャー要素もある。今年のラインナップの新製品は、Botzees Robotics Kitだ。箱の中には、6種類のセンサー搭載ロボットを組み立てることのできる部品が同梱されている。これらは、基本的なブロックベースのコーディングインターフェイスを備えたコンパニオンアプリを介して制御される。このアプリは、現実と仮想が融合した世界でのプレイを行うことができる30種類のインタラクティブなARパズルも提供している。同社によれば、これはシーケンス、ループ、条件ブランチなどの基礎的なコーディングコンセプトを教えるのに役立つという。とはいえ、子供のスクリーンタイム(画面に向き合う時間)を短縮したい親たちにとっては、ARへの集中はあまり歓迎すべきものではないだろう。Botzeesの可能性を引き出すためには子供がタブレット操作に没入する必要があるからだ。

Raspberry Pi

Raspberry Pi 4

製品:Raspberry Pi 4 Model B
価格:35ドル(約3800円)
年齢:状況により異る

Raspberry Piシングルボードコンピューターの最新版であるPi 4は、メモリと速度を向上させ、多くのポートを搭載し、オンボードのワイヤレスネットワークとBluetoothを誇っている。ベテランのメイカーたちにとって、可能性は本当に無限だ。しかし、子供たちにコードの学習を促したい親たちにとって、Pi Foundationの哲学は、意気込みをひるませるようなものかもしれない。これは世の中にたくさん見られるような、箱から出してすぐに使えるようなものの1つではないからだ。本当に学ぶためには厳しい挑戦が必要だというのが、そこにある哲学なのだ。つまり、Piを購入するということは、むき出しのボードと、学習サポートのための熱心なコミュニティが控えているOSが手に入るということなのだ。確かにすべての子供に適しているわけではない。しかし、すでに詳細を掘り下げて物事を把握する才能を示している有能な若者に挑戦課題を与えたい場合には、Pi 4は低予算で可能性の高い選択肢である(Piがマイクロプロセッサーシーンに登場して衝撃を与えてから、もっと基本的で(ただし高価な)すぐに使えるデバイスが山のように生み出されてきた)。

Sphero

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製品:RVR
価格:250ドル(約2万7000円)
年齢:5歳以上

Spheroはその球形の遠隔制御ロボットで最もよく知られているが、今年同社はクラウドソーシングで生まれたローバーロボットRVRを発表した。 従来型に近い四輪のデザインに、センサーが満載されていて、おり、様々な地形を走破できるものとして宣伝されている。RVRは(アプリを介して)箱から出してすぐに制御できるが、カスタマイズを行えるように、ポートにサードパーティのハードウェアを装着できるようにデザインされている。たとえば、Raspberry Pi、Arduino、BBC micro:bit、そしてSphero自身のlittleBitsなどだ。そのため、拡張可能で、ハードウェアのハッキングが可能で、プログラム可能なロボットプラットフォームとなっている。ソフトウェア側では、Sphero Eduアプリは、教育の可能性を拡大できるコーディングスタイルの選択肢を提供する。より詳しく言うなら、Draw&Drive、Scratch Blocks、そしてJavaScriptだ。

製品: Specdrums

Specdrums

価格:65ドル(約7000円)から
年齢:5歳以上

音楽エデュテックのスタートアップSpecdrumsはSpheroが行ったもう1つの買収相手だ。その学習製品はシンプルだ。色をタップして音を出すというものだ。これは、アプリにリンクされたウェアラブル機器、Bluetooth接続の光検出リング(またはペアリング)を使って実現される。なので、ここで行えるのは、コードを学ぶことではなく、たくさんの技術的スマートデバイスを使ってジャムセッションを学ぶことだ。SpecdrumsのMixアプリ は、音楽ループとキュレートされたサウンドパックを提供する。再生およびサウンド制作ツール、さらに独自のサンプルを記録する機能も同時に提供される。未来のミュージシャンが、音楽の遊び場として現実世界でループしながら、即興ビートをタップしてミックスするために必要なものすべてが提供されている。

標準キットには、1つのリングと1個の色付きのプレイパッドしか含まれていない。リングが2つになると、価格は100ドル(1万1000円)に上がる。キットを動作させるには、子供はスマートフォンまたはタブレットにアクセスしてアプリを実行し、音楽を再生する必要がある。

Ubtech

Ubtech

製品: JIMU Robot Mythicalシリーズ:FireBot Kit
価格:130ドル(約1万4000円)
年齢:8歳以上

深圳に拠点を置くUbtechは、長年にわたってSTEMロボットキットを作り続けている。2019年の新製品は、このモーター駆動でLED光を放つドラゴンだ。ブロックベースのJIMUシリーズの以前のキットと同様に、未来の技術者にとっての最初のステップは、指示に従い、すべての構成部品を使ってロボットを組み立てることだ。そして、コンパニオンアプリが、FireBotをプログラミングし、そのセンサーを動作させるためのドラッグアンドドロップコードブロックインターフェイスを提供する。

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(翻訳:sako)

Spheroがロボティック学習用のSTEMキットRVRを発売

100万ドル(約1億円)もの資金を集めた今年初めのクラウドファンディングキャンペーンを経て、Sphero(スフィロ)からSTEM/STEAMキットRVRが発売された。米国コロラド州に拠点を置く同社初のKickstarterキャンペーンの一環として2月に発表されたRVRは、あらゆる点でこれまでのSphero製品とは少し異なる。

まずはじめに、Orbotix以来、同社のプロジェクトの大半がリモートコントロールのボールデザインだったが、今回はそうではない。RVRは四輪システムで、それにも増して教育にフォーカスしている最近の動向に沿って、子どもがPythonやJavaScriptのようなランゲージを学習するのをサポートする。

RVRはまた、ロボティックスの基礎を教えるようなものになっている。しかしSpheroが記しているように、それでもRVRは箱から出してわずかな組み立てをすれば走らせることができる。加えて、ユーザーは同社が最近買収したlittleBitsのプロダクト、そしてRaspberry PiやArduinoのようなサードパーティーのボードをUSBポートを通じて搭載できる。

「今年初めにKickstarterでRVRを立ち上げたとき、反響の大きさに驚いた」と共同創業者でクリエイティブ責任者のAdam Wilson(アダム・ウィルソン)氏はリリースで述べた。「メーカー、デベロッパー、そして教師といった人たちが、実際にRVRを手にする前にキャンペーンが成功するようRVRに群がった。RVRはあらゆる年代、そしてあらゆるコーディング能力の人たちにアピールできている。人々がRVRで作るものを見るのが楽しみだ」。

RVRはSpheroのオンラインショップといくつかの小売店で販売されていて、価格は250ドル(約2万7000円)からとなっている。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

エンターテイメントロボットのReach Roboticsが業務停止

もしかするとApple Storeで売られているのを見かけたこともあるかもしれないが、クモのような形のMekaMon(メカモン)ロボットを作っていたReach Robotics(リーチロボティクス)が、業務を停止する。

「世界初のゲームロボット」と称されたMekaMonは、ビデオゲームであると同時にSTEMツールとしての側面を持っている。カーペットの上にポンと置いて、携帯電話をそれに向けて仮想拡張現実の敵と戦ったり、マルチプレイヤーバトルで他のMekaMonオーナーと対決したり、あるいはAppleのSwift Playgroundsでロボット用のカスタムプログラムを作ったりすることができた。

以下に示したビデオは数年前にReach Roboticsを取り上げたときに撮影したものだ。

Reach Roboticsは2013年に設立された。彼らがMekaMonロボットを2017年11月にリリースしたのはシリーズAで750万ドルを調達したわずか数カ月後のことだった

業務停止のニュースは、Reach Roboticsの共同創業者であるSilas Adekunle(サイラス・アデカンネ)氏のLinkedInで明かされた(もっともすでにThe Robot Reportが指摘していたが)。そこで彼は以下のように書いている

「消費者向けロボット分野は、特にスタートアップにとっては、本質的に挑戦的な領域です。過去6年間にわたって、私たちは変わらない情熱と工夫と共に、この課題に取り組んできました。開発の最初のトライアルからアクセラレーターそして資金調達ラウンドに至るまで、私たちはMekaMonに命を吹き込み、次世代の技術パイオニアたちの手に渡そうと、戦ってきました。

しかし残念ながら、Reach Roboticsは、少なくとも現在の形では、今日その旅の終わりを迎えることになりました」。

とはいえアデカンネ氏がロボットそのものを完全に諦めてしまうわけではないようだ。Instagram上の公開投稿の中で、彼は「Reach Roboticsは厳しいビジネス環境によって今日業務を停止しますが、現在は刺激的な新しいロボットベンチャーをヨーロッパで、そしてアフリカと中東では教育に関われることを楽しみにしています」と書いている。

一方、共同創業者のJohn Rees(ジョン・リース)氏は、LinkedInに次のように書いている

「現在全体の評価を続けてはいますが、端的に言うならば世の中で言われるように「ハードウェアはハードである」ということです。そしてクリスマスセール期間に依存する消費者向けハードウェアは、輪をかけてハードなのです」。

2019年は、消費者向けロボットにとっては、かなり厳しい年となっている。3月には、快活で楽しい振る舞いを目指したソーシャルロボットのJiboが、なんとも重苦しい内容のもうすぐ終了してしまうというニュースを、オーナーたちに対して個人的に配信した。

「いつの日か、今よりもずっと進化したロボットが現れて、誰もがそれを家庭の中に持つようになった日には」とロボットは語ったのだ「『Jiboがよろしくと言ってたよ』とお伝え下さい」と。

自律運転ラジコンカーと、WALL-Eのような友達ロボットCozmoを作り上げたAnki(アンキ)は4月に閉鎖された。

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(翻訳:sako)

ロボットは教室に居場所を見つけることができるのか?

数年前、投資家たちは、各家庭にロボットがある未来の到来に沸いた。Jibo、AnkiのCozmo、Mayfield RoboticsのKuriのようなロボットがブームとなり、ベンチャーキャピタルから数億ドル(数百億円)の投資を集めたのだ。そしてその後、上に挙げた3つの会社は、すべて潰れた。子ども用のハイテク製品に詳しいRobin Raskin氏をして「ハイテク玩具の世界の輝きは失われてしまったのか?」と言わしめることになった。

こうしたロボットと、そのメーカーが消滅してしまうのを見れば、いったいいつになったら、ロボットが私たちの生活の中で現実的な役割を果たす日が来るのだろうか、ほんとうにそんな日が来るのだろうか、と疑いたくなるのは当然だ。しかしロボットの中には、すぐには思いつきにくいようなところに居場所を見つけているものもある。学校だ。

ロボットが成功するためには、人間のニーズを満たし、実際の問題を解決し、そして使われ続けるようなアプリケーションを見つける必要がある。家庭では、現在の世代のロボットは、確かに子どもたちに数時間の娯楽を提供するかもしれない。しかし、やがて他の新しいおもちゃと同じように、見向きもされなくなってしまうのがオチだ。

しかし学校では、ロボットは、コーディングによって命を吹き込むことにより、デジタルと現実世界の溝を埋める役割を果たすことができるのを証明している。技術に明るい教師は、ロボットがプロジェクトベースの学習に活力を与えることができるのを目の当たりにしている。価値のある批判的な思考力と、問題解決のスキルの獲得を促すのだ。

K-12(幼稚園から小中高校まで)の学校が、いち早く最新技術を導入することに道を開くのは、今回が初めてではないだろう。40年前、Apple IIは、まず学校で広く採用された。デスクトップコンピュータが一般の家庭に入り込むより前のことだ。ノートパソコンも、まず学校で盛んに利用され始めたのは、よく知られた話だ。軽量で持ち運びもしやすく、クラス内での補習的な授業や、マルチメディア普及にも一役買った。さらにタブレットについても、いち早く採用したのは学校だった。目立った失敗もあったが、今ではK-12の教室の中のどこにでもあるものとなった。

K-12の学校におけるロボット類の進出は、新しいガジェットの可能性に興味をそそられたことによるものだけではなく、コンピュータサイエンスの教育に力を注ぐ必要性にも支えられたものだった。ほんの10年前には、STEM教育の要件として、コンピュータサイエンスを含めることを承認していたのは、わずか2、3の州しかなかった。今日では、ほぼすべての州が、コンピュータサイエンスのコースを、卒業要件の1つとしてカウントすることを認めている。そして17の州では、すべての高校に、コンピュータサイエンスのコースを提供することを義務付けている。

高校レベルで、コンピュータサイエンスの重要性が増していることが、小中学校の教育にも影響を及ぼすようになってきた。生徒を、州の新しいK-12コンピュータサイエンスの基準に導くための効果的な方法として、教師がロボットを利用するようになっているのだ。カリフォルニア州の教育委員会は、ロボットを使用することで、州の基準のうちの5つを満たすよう、学校に指示するまでになった。

教育者は、おもちゃとしてではなく、学習のための強力なツールとしての、ロボットの可能性を認識しつつある

教室で使われるロボットは、家庭用のロボットとは、設計レベルから根本的に異なるものだ。学習用として利用するには、家庭用にありがちな手軽なだけに底の浅い体験ではなく、生徒が数ヶ月から数年にわたって取り組み続けることができるような、深く多様な体験を提供できるものでなければならない。また教室で成功するためには、教師がそれに沿って教えられるよう、よく考えられたカリキュラムとともに提供されなければならない。ロボットは比較的高価なので、教師は長期間にわたって使える信頼性の高いものを必要としている。

LittleBitsやSpheroのような会社は、こうしたトレンドを見逃さなかった。これらの会社は、レゴのような伝統的な会社が支配していたK-12市場に向けて素早く舵を切り直した。またWonder Workshop(ワンダーワークショップ)のロボットは、アップルストアやアマゾンといった小売チャンネルを通して人気を得ることになったものだが、今では全世界で2万以上の学校に採用されている。今のところは、米国内のK-5(幼稚園から小学5年生まで)の教室の、ほんの一部で使われるようになっただけだが、彼らの成功は、投資家からの関心を集めるだけでなく、イノベーションを加速する可能性もある。ただし、それは、今だにSTEM教育のクラスや、ハイテク産業そのものを悩ましている、やっかいな公平性の壁と無縁ではいられないかもしれない。

玩具業界は、長年にわたり、男の子用と女の子用に分けて、製品を企画し、販売してきた。それが製品のデザインから広告にまでおよぶ、ある種の偏見を助長してきた。教室で使われるロボットのデザインは、すべての生徒にアピールするものでなければならない。たとえば、Wonder WorkshopのDashロボットの初期のバージョンは、駆動用の車輪が露出したものだった。

最初のユーザー調査で、同社は、生徒が車輪付きロボットを、車やトラックに見立てていることを理解した。言い換えれば、彼らはDashを男の子用のものと見なしていたのだ。そこでWonder Workshopは、Dashの車輪をカバーで覆うことにした。それは当たりだった。今では、同社のWonder League Robotics Competition(ワンダーリーグロボット競技会)の参加者のほぼ50%が女子で、毎年の優勝チームの多くが、女子だけで構成されたチームとなっている。

現在では、ロボットが人間の仕事を奪うようになるといったディストピア的な未来がまことしやかに語られがちだ。しかし教室用のロボットは、ますます多様化する教育のニーズに対応できるよう、実際に教師の役に立っている。さらに、生徒の実行力、創造性、そして他の人とのコミュニケーション能力を向上させるのにも一役買っているのだ。

教育者は、おもちゃとしてではなく、学習のための強力なツールとしての、ロボットの潜在能力を認識しつつある。そして幼稚園に通うくらいの年頃の子供たちは、ロボットを使うことで、数学的な概念を、より早く、深く理解することができるようになっている。今日、教室でロボットから学び、さらにロボットといっしょになって学ぶ機会を持っている生徒が、新しい世代のロボットを開発することになるかもしれない。将来にわたって私たちの生活の中で役割を果たすことができるようなロボットだ。彼らは、単なる技術の消費者としてではなく、技術のクリエーターとして成長していくだろう。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

レゴがSTEM教育用Star Warsキットを発売へ

レゴほどのシナジー効果を持ったブランドは、他にはまったく見当たらない。 レゴは長年にわたりStar Warsの最大のライセンシーの1社として知られている。そして今回初めて、そのライセンスを同社のSTEM教育用キット、レゴブーストに適用した。

デンマークに本拠を置くレゴは、今年のスターウォーズデーに合わせて、LEGO Star Wars Boost Droid Commanderセットの発売を明らかにした。レゴブーストシリーズに共通する教育的な性格は活かしつつ、Star Warsに登場する伝統的な3体のロボットを組み立てるものとなっている。

子供たちは、このキットを使ってR2-D2、ゴンクドロイド、マウスドロイドを組み立て、全部で40通りのミッションに沿って命令を与えることができる。その過程で、組み立てとプログラミングが学べるようになっている。史上最も人気の高い映画シリーズを前面に出すことで、勉強臭さを和らげようという効果的な手法だろう。似たようなアプローチは、数年前に登場したlittleBitsのDroid Inventor Kitも採用していた。しかしレゴは、Star Warsのキャラクタをうまく利用することにはずっと長けている。

このセットには、全部で1177ピースの部品と、カラーセンサー、距離センサー、そしてロボットを動かす制御付きモーターが含まれている。これらすべてを、Android、iOS、さらにはFire OSを搭載したデバイス上で動作する新たなBoost Star Warsというアプリで動かすことができる。このアプリには、Xウィングの戦闘を手助けしたり、潜んでいる反乱軍を探し出すといったミッションが仕込まれている。

このシステムの発売日は9月1日に設定された。続三部作の最終話「スター・ウォーズ/ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー」の封切りに合わせたものだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

ディズニーとLittleBits、女学生向けSTEM教育プログラムをローンチ

littleBits、ディズニー、ならびにUC Davisは「Snap the Gap」のローンチを発表した。

この非営利プログラムでは、オンラインプログラム、littleBitsスターターパック、およびSTEM分野の専門家による1年間のメンターシップを通じ、若い女性たちにSTEM教育を提供する。

Snap the Gapは、カリフォルニアに住む10歳から12歳の女性15000名を対象とした1年間のプログラムとして開始。参加者とメンターの募集はUCデイビスが管理する。

ニューヨークに本社を構えるlittleBitsは、長きにわたり、少しでも多くの若者がSTEM分野で活躍できる社会の実現に向け、事業を展開してきた。CEO、Ayah Bdeirいわく、littleBitsにとってSnap the Gapは同社にとって最大の事業となる。

LittleBitsは「2016 DISNEY ACCELERATOR」に参画していた。ディズニーとlittleBitsはそれ以来のパートナーだ。結果、LittleBitsはアベンジャーズやスターウォーズなどのIPを使用したキットを発売してきた。

Snap the Gapでは2年目以降、対象地域をカリフォルニア州以外にも拡大させる。Bdeirいわく「2023年にはアメリカ全土でプログラムを提供きるようにする」予定だという。

(本稿は米国版TechCrunchの記事を翻訳・編集したものです)

[US版TechCrunchの記事はこちら]

STEM玩具の作り方

冷えた土曜日の朝、僕の父親は灯油のヒーターに火をつけガレージ裏を温めていたものだ。彼はラジオをつけ、絶えずローカルの公共ラジオにあわせ、流れるWait, Wait, Don’t Tell MeHarry Shearerが蜘蛛の巣を通って入ってくる風のような静寂をやぶっていた。

「古い服を着ておいで」と彼は言い、そして暖かなキッチンをのぞいていた。僕はまだパジャマ姿でブツブツ言っていた。寒いガレージで牛乳コンテナボックスに座って車の修理をしたりするより、僕はテレビを観たり、コンピューターで遊んだり、本を読んだり、その他のことをしたかった。

しかし、これはあなたも経験したことだろう。1985年に車の修理をしなければならなかったらの話でー当時僕は10歳で、まだ父親も生きていたー僕たちはそうしていた。当時の古いエンジンはアクセスが可能だった。パックにされているものなど何もなく、プラスティックのカバーに覆われたり隠されたりしているものもなかった。かつては、車の下に配置されたブレーキラインをたどっていけた。どのベルトを締めるべきか、どこの継ぎ目から漏れているのか、点火プラグがどんな具合かということがみて取れた。それが私たちがしたことだ。ブレーキパッドを取り替え、オイルプラグを引き抜き、小さな穴から黒い油を上を切ったミルク差しのようなものに流し込んだりした。空回りを直すために小さなスクリューを回し、点火プラグの隙間をつくったり、タイヤを交換したりと、機械で車を上げずにできることは全てこなせていた。

ときに修理は簡単だった。11月のサンクスギビングの直後には両サイドをジャッキで持ち上げて冬用タイヤに交換した。そうして、オハイオリバーバレーまでの道中、シューシューというような音を立てながら滑らかに丘を超えていとこたちに会いに行ったりした。また我々は液体関係のものもチェックし、エアフィルターやオイルフィルターも交換した。

しかし、大きなトラブルのときには、父親はChiltonの修理マニュアルを参考にした。このマニュアルというのは、彼が所有したフォードのFairmontやフォルクスワーゲンのVanagonについて詳しく記していた。メカニクスについてのO’Reillyのように、ほとんどの車についてのマニュアルを作っていた。そうした本は車の修理に関する必要なこと全て網羅しているので、うす汚いガレージの中できれいに保存されていた。彼はその本を大事に扱った。

僕たちがマニュアルを引っ張り出すときというのは決まってそれなりの時間がかかる修理だった。父が銃を隠している場所やMayfairの古いコピーを避けながら銅線や雑誌といった父親のものを引っ張り出す間、灯油ヒーターがシューシュー音を立てていた。彼が僕の手を必要とするまで僕は自分で何かを作ろうとしていた。ある年、僕はバンジョーを作ったし(正しく弾かれたためしはない)、また別の年は肩に担うロケットランチャーを制作した。父親はよく道具を必要とした。モンキーレンチ、ニードルノーズ、11ミリ。それじゃない、別の。父が何年にもわたって集めた分類されていない、ボルトでいっぱいのジャー。父親はどこに何があるのかをよく知っていて、どんなときに必要とするかも知っていた。僕は、父が行うゆっくりの“外科手術”のアシスタントだった。

僕はその役を引き受けていた。父親が何かをねじる間、僕が手で支えていた。父親の大きな手が入らないところは、僕の小さな手でやっていた。僕はメタルの電球ケージにさわると火傷するかもしれないような問題のあるライトを持ったりもした。

あるとき、僕は熱い電球に水をまいた。すると、電球は爆発した。そして父親はケージからガラスを取り出し新しいライトを据え付けながら熱力学を説明した。

何時間にもわたるスローで几帳面な作業を終えたとき、父親は車のエンジンをかけ、僕たちはドライブした。変な音はなくなっていた(時に、より悪い状態になっていた)。ブレーキはよくきくようになり、ステアリングは強くなり、エンジンは低い音をたてていた。僕たちはホワイトキャッスルやBW3まで、あるいは高速まで走らせたりして、ちゃんと走行するか確かめた。いつもちゃんと走るようになっていた。

玩具ではなく、ツール

僕が最後に車を修理したのはヴァージニア州のFairfaxでだ。ブレーキパッドがすり減っていて取り替えようとした。どうやるかは知っていた。僕はChiltonを買い、パッドも用意した。そしてほんの少しスクリュージャッキを使って車を上げた。

僕はそのパッドを前後逆につけた。フロント用パッドを後部に、後部用パッドをフロントにつけたのだ。そして車はガラクタのように走った。

僕は諦め、すぐ近くのSears修理センターに車を持って行った。それは1999年ごろのことで、SearsがまだD.C.周辺のモールを牛耳っていたことのころだ。

「BIGGSさ〜ん!」。サービスにいたスタッフがテレビや圧縮空気工具のやかましい音越しに叫んだ。彼は笑っていた。

「なおしましたよ。しかし、あなたは大したことをしてましたよ」と彼は言い、請求書を渡した。

それはそれとして、これまでの知識は一瞬で消えた。それまでの20年間、洗剤液体を注入する以外にフロントカバーを開けることはなかった。なぜ、そしていつから車はメカニカルな馬ではなく、よりロボットに近いものになったのだろう。

しかしかつての寒い週末は無駄ではなかった。僕は問題の謎を解く術を、古い本で答えを探す術を、額面通りに受け取らないことを学んでいた。壊れている部分というのはいつも見えないところにありー継ぎ目、ヒビの入ったホース、鋳鋼部分の割れ目などーそれを突き止めるのは楽しい。だから僕は何かを学ぶことができた。僕は現実の問題を解くことで現実の問題をどう考えるかを学んだ。ワイヤを交換することでエレクトロニクスの知識を得た。そして忍耐も学んだ。

最近流行のSTEM玩具に話を移そう。そうした玩具は、僕の父が僕と一緒に寒い土曜の朝にやっていたことをするためのものだ。床を走り回る小さなロボットは、組み立てと学習を置き換えるものとなる。レゴのようにぴったりフィットするパーツのボックスとアニメ化されたコードは、どんな子どもにも十分なはずだ。

しかし玩具は玩具だ。僕は近ごろのSTEM玩具に批判的だった。というのもただの玩具だからだ。僕が少しは教育的だと思うものはScratchと、本当のはんだを使うAdafruitプロダクトだ。Nintendoラボや他のロボットなどは全てくだらない。

教育するのは親の責任だ。しかし、教育する機会はもはやそう多くはない。ゴールのない教育というのは空っぽだ。僕は壊してつくることで学んだ。全てが使い捨てである場合、壊してつくるというのは最近だと難しい。しかしおそらく望みはある。僕はコマンドライン、プロトコル、お気に入りのゲームのコードを見せることを子どもに約束した。僕の息子はビットコインを持っていて、その価格を株トレーダーのように追っている。娘は Raspberry Piのものを定期的につくっていて、彼女は自分の小さな手に持っているのは玩具ではなくコンピューターだということを理解している。僕が子どものころからの古いガジェットをあけ、接触部分をきれいにし、電池を交換しながら、どうやって壊れたものを直すかを学ぶのだ。僕たちのお気に入りのゲームはDungeons & Dragons Computer Labyrinthで、これはちょっとしたトラブルシューティングで復活させたものだ。

この些細な取り組みは、明らかに僕が父親としたものと同じではない。そのような朝を再現できるとは思わない。当時僕はそうした朝を嫌ったが、今では愛しい。おそらく、寒いガレージとNPRラジオの日々は終わりだ。そして全ての子どもたちが欲しいのはプラスティックで出力形成されたLogo Turtlesだ。しかし、やるように言われてではなく自らやりたいと感じ、プロジェクトの最後には外に出て草原の向こうから来る新鮮でクリア、そして未来に満ちた冷たい風の匂いをかぐという子どもがどこかにいると信じたい。そうしたフィーリングを与えることが僕たちの仕事だ。それを玩具におしつけることはできない。

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(翻訳:Mizoguchi)

暇つぶしプロジェクトがスター・ウォーズになるまで:littleBits成長の歴史

多くの魅力的なスタートアップたちと同様に、littleBitsもその歩みはサイドプロジェクトとして始められた――何の期待もなく、ベンチャーキャピタルへ早々と駆け込むということもなかった。暇つぶしのためのちょっとした試行錯誤のようなものだったのだ。MITを卒業したばかりのAyah Bdeirは、会社の萌芽が見え始めた当時は、ニューヨーク市の建築デザイン会社I-Beamのフェローだった。

 Bdeirはマンハッタンの広々とした貸オフィスの一角に腰をおろしながら「それは決して製品化や会社化を狙ったものではありませんでした。私がやっていたちょっとしたプロジェクトに過ぎなかったのです。私はそれを、2009年のMaker Fairに持ち込みました」と説明した。「小さなプースで私1人だけで、やって来た友人たちに見せていたのです。そうしたらあっというまに人だかりができて、子供たちが遊ぼうと行列を作り始めたんですよ。私は、子供たちに刺激を与え、学ぶことに興奮する力を与えることのできる本当のチャンスに気が付いたのです」。

ニューヨークのチェルシー地区にあるLittleBitsのオフィスには活気が溢れている。同社はその急速に成長するビジネスに対処するために2014年にこの場所に移動してきた。しかしそれからおよそ3年を経て、既にオフィスのキャパシティは限界に達しつつある。ある意味、良い時期に良い場所で始めることができたのだ、なにしろlittleBitsは、KickstarterとIndiegogoがSTEM玩具で溢れ、主要な玩具メーカーたちがことごとく子供たちにプログラムを教えようとし始める数年前に、ドアに足を滑り込ませることができていたのだから。

初めは大人向け

しかしスタートアップの成功は良いタイミングだけで決められるわけではない。Bdeirは、同社を設立する丸3年前の2011年には、同社のモジュラービルディングブロックをあれこれと工夫し始めた。最も初期の段階では、同社の製品の中核をなす部品である「bits」たちは、プロトタイプ用途に向けてデザインされていた。ハードウェアスタートアップをゼロから立ち上げることが、徐々に容易になりつつあるこの時代の中で、Bdeir自身は、発明家たちのビジョンを実現することを助ける、強力なツールを手がけているのだと考えていた。

「デザイナーたちはこれまでテーブルと椅子を作ってきましたが、それがDVDプレイヤーのデザインとなり、そしてコーヒーメーカーやスマート家電をデザインするようになっているのです」とCEOは説明する。「そうした人たちは電子回路のプロトタイピングを行なう必要があります。元々はlittleBitsはプロトタイピングのためのツールだったのです。子供たちのためのものではありませんでした」。

おそらくそれは市場への回り道だが――しかし重要な違いなのだ。こうしてlittleBitsは大人のデザイナーのためのツールとして始まった。それが意味することは、この製品は子供向けに企画を練り上げる委員会方式によってデザインされたわけではないということだ。Bdeirがもともと想定していた顧客を構成するデザイナーたちは、電気技術者やプロのプログラマーではなかったことは事実だが、生み出されたコア製品は、多くの子供用の製品に見られるような、簡略化されたものではなかったのである。

すべての年齢へ

しかし予想していなかった対象層の変化にも関わらず、littleBitsのコア製品はその最初のコンセプトからほとんど変化していない。過去6年の間に、スタートアップは提供する部品を拡大し、コンテンツ会社や教育プログラムとの多くのパートナーシップを行って来た。しかしBdeirがその卒業後の多忙でなかった期間に生み出した部品群は、今でもlittleBitsの中核をなしている。

「これはEasy-Bake Oven(子供用のクッキーオーブン)ではありません」と、彼女は微笑みながら説明した。「それは子供だましのものではありませんし、過度に単純化されてもいないのです。使いやすくされた実際のエンジニアリングそのものなのです。8歳の子供でも、あるいは実際のエンジニアでも、bitsとのやり取りは同じです。変えたのはマーケティングでした。変えたのは私たちがそれについて話す方法でした。つまり、これを使って次の発明をプロトタイプできますと言う代わりに、格好いいものや、ロボットを作れるよと言うことにしたのです」。

同社の成功を支えたのが、オープン性の取り込みだ。製品そのもののオープン性はもちろん、それが対象としている顧客に対してもオープン性を担保している。前者について言えば、同社は可能な場所では互換性を提供している。これが意味するのは、LEGOのような一般的なビルディングブロック向けのアダプターを販売したり、Minecraftプレーヤーを対象とした拡張キットを作成したり、そのキットをIFFFTやScratchのようなプロトコルで制御できるようにすることが可能だ、ということだ。

希望のレイ

参加者の巻き込みに関しては、Bdeirは彼女が会社の「隠れたミッション」と呼ぶものを引用した。それはlittleBitsを通して、女の子たちをエンジニアリングとプログラミングの世界へと連れ出すというものだ。もちろん、同社はこれまでにそのミッションを否定したことはないが、旧来は若い男の子たちに向けられていたそのカテゴリーに対して、特別に女の子たちを対象にしたキットを作り出したこともない。その代わりに、その製品は特にジェンダー中立となるようにデザインされている。明るい色や手書きの文字は、STEM教育への足がかりに興味のある誰にでも、アピールするようにデザインされているのだ。

そのミッションは、littleBitsの最新の製品――小さな会社にとって変革の可能性を秘めたあるパートナーシップにまで及んでいる。2016年に、同社はディズニーのアクセラレータープログラムに参加するチャンスを与えられた。例えばこれまでこのプログラムは、子供に焦点を当てたスタートアップのSpheroを、電子玩具カテゴリーのフォースとして確立する役を果たしたりしている。2015年には、スマートフォンで制御される単なる目新しい製品を、BB-8のリリースによって、映画と提携した最高にホットな商品へと変身させたのだ。

「私は3人の同僚を連れて、この夏ロスアンジェルスで過ごしました」とBdeirは言う。「ディズニーとのミーティングを通して、さまざまな部門、クリエイター、キャラクターアーティストたちと一緒に、私たちが一緒にできることを見つけようと、多くの時間を費やしました。私たちが最高の組み合わせだと思ったのが、スター・ウォーズでした」。

LittleBits自身もロボットを所有していたが、結局このニューヨークの会社は、世間が親しみを感じている方を選んだのだ。littleBits Droid Inventor Kitは、12月公開の「スター・ウォーズ最後のジェダイ」に先行して、フォースフライデー(9月1日金曜日)に各社から一斉にリリースされた様々なグッズの中の1つである。その中核にある同社のお馴染みのシステム(30個の部品から構成される)を使って、若いクリエイターたちは、不変の人気を誇る歩行ドロイドのR2-D2を、自分で組み立てることができる(「ドロイド」はスター・ウォーズの中でロボットの代わりに用いられる呼称)。

「スター・ウォーズ製品に着手したとき、私たちは単なるロボットではなく、ドロイドといういうアイデアの扉を本当に開いたのです」とBdeirは言う。「外装シェルは透明ですから、内部を見ることができます。そして、それをカスタマイズして、靴下を並べ替えるドロイドや、兄弟を守るドロイドや、食事を運ぶドロイドといった異なる機能を与えることが可能なのです」。

Bdeirによれば、新しいスター・ウォーズは、littleBitsに「隠されたミッション」を現実にする力を与えたということだ。「私たちは(女主人公の)レイをメンターとして使います。彼女は不要なものを取り除き、問題を解決し、様々な工夫を重ねる人(ティンカラー)です。彼女があなたの旅のメンターなのです」。

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(翻訳:Sako)

Amazon、科学おもちゃの定期購入サービスを開始

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今日(米国時間1/24)Amazonは、親たちに向けた新しい定期購入サービス、STEM Clubを公開した。月々19.99ドルで、毎月自宅に教育玩具が送られてくる。同社によると、おもちゃはAmazonが選び、必ず年齢に相応のものを送るという。そしてもちろん “STEM” [Science/Technology/Engineering/Mathematics]の名が示す通り、おもちゃは、科学、技術、工学、および数学の分野に焦点が絞られる。

ただしこの定期購入プログラムは、どんなSTEM玩具でも送るわけではなく、最近発売されたものかAmazonが独占で取り扱っている商品に限られる。

登録するには、STEM Clubのページへ行き、子供の年齢(3~4、5~7、または8~13)を選ぶ。最初のおもちゃは一週間以内に届けられ、送料は無料。それ以降は月に一度のペースで送られてくる。同サイトによるとサービスの提供範囲は米国のみ。

AmazonがSTEM玩具を扱うのはこれが初めてではない。2015年、同社はこの種の商品を探すための場所として、STEM Toys & Games Store開設した

もちろん、Amazonにとってこの新たな店舗の開設は、若き心を燃え立たせ、学習意欲を湧かせるためでなく、親たちのSTEM玩具への関心に乗じて自社の収支をよくすることが目的だ。先のホリデー期間、STEM玩具は2番目に来訪者が多かった部門であり、売上は最も多かった。

同じく、Amazonがこうした玩具の定期購入サービスを始める目的は、継続的な収入ストリームを確保できるもある。同社の”Subscribe & Save”[定期購入で節約]プログラムと同じように、Amazonはこの新しい定期購入サービスが、買い物客の間に「設定したら忘れる」とでも言える心理を植え付けることを期待している。

しかし、そもそも親がこれに登録するかどうかは、まだわからない。結局のところ ― あなたのことは知らないが ― 私たちは既に大量のおもちゃに囲まれている。毎月それが一つずつ増えていくの待つところなど私には想像できない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

映画「Hidden Figures」は、女の子たちをSTEMヒーローの道へと誘う

Girl goggles assembling electronics circuit at science center

【編集部注】著者のTracey Welson-Rossmanは 、技術職における男女格差を減らす活動を行う非営利団体TechGirlzの創業者である。

全ての世代の親たちが好んで使う格言に「あなたは食べているものになる(you are what you eat)」というものがある。同様の現象が職業選択の際にも起きることを指摘しておきたい。「あなたは見ているものになる」。

私が言いたいのは、私たちの多くが、多感なテーィンエイジャーの時代に影響を与えてくれた人に根ざす、キャリアや生涯を貫く情熱を持つということだ。おそらくそれは素晴らしい先生だったり、印象的な家族だったり、あるいは特に魅力的な映画やテレビのキャラクターだったりするだろう。

しかし残念ながら、映画の場合は、若い女の子たちのために強くて独立し魅力的な職業選択肢を示してくれる女性が登場することがとても少ないために、あまり社会に良い影響を及ぼしているとは言えない。まして科学や数学に興味を持つ女の子たちに、キャリアパスを示す女性主人公となると、その数はほとんど無いようなものだ。

これこそが、私が映画「Hidden Figures」のリリースに興奮している理由の1つだ。この映画はアフリカ系アメリカ人の数学者であるキャサリン・ジョンソンと、彼女の同僚であるドロシー・ヴォーンとメアリー・ジャクソンについての実際の物語を描き出すものだ。この女性たちは、多くの同僚たちと共に、ロシアを相手にした宇宙開発競争の最中、NASAの配下であるラングレー研究センターの一部門、West Area Computersに隔離されながら働いていた。彼らの仕事は、ジョン・グレンが米国の宇宙飛行士として初めて地球の軌道上を3周したことに直接貢献した。

これまでに私が話すことを見たり聞いたりしたたことがあるなら、メディアがハイテク業界のキャリアを描写する手法や、スマートな女性に対する社会の見方が、STEM関連分野でのキャリアを目指す女の子たちをとても少ないものにしているのだと、私が考えていることを知っているだろう。また私がテレビドラマ「Big Bang Theory 」の登場人物であるシェルドン・クーパーを、メディアによるSTEM職業人(特に技術職)への紋切り型の偏見(社会不適合で、パーカー(もしくはみすぼらしい服)を着た、白人男性たちによって占められている)の例として、呆れるくらいしつこく取り上げていることも知られているだろう。

ということで、私たちのボランティアたちや関わっている女の子たちが、Hidden Figuresの試写会に招かれたときには、私は少々緊張していた。私は、女性たちがその知性とSTEMに関連した貢献によって、重要な歴史上の人物として取り上げられる長編映画の登場を熱望していた。しかし、私はまた前述のシェルドン・クーパー役を演じていたジム・パーソンズが、映画の中に登場することにも気が付いた。ああ、この映画もまた、社会の共通の誤解に迎合することによって、その隠された強いメッセージを発信する、もう1つのハリウッド映画であることを運命付けられているのか?

映画やテレビ番組に、より多くの科学、技術、そして数学の女性リーダーを登場させることで、観ている女の子たちが自分自身の姿をその光の中に見出すことができるだろうか?

だが私は、映画がまさに待ち望んでいたものであったことを報告できることがとても嬉しい。これは本当に見る価値のある、魅力的なフィルムだ。映画の途中で、自発的な拍手で大いに盛り上がる観客たちの1人になれる経験など滅多にあるものではない!

そしてより深いレベルでも、描写は充実している。この映画の中で彼女たちは、華麗で活動的な母親、友人、そして同僚たちとして描かれている。重要なのは、当初彼らがその人種や性別故に、どれほど軽んじられていたかを描くことを躊躇していないところだ。しかしまた、宇宙に人間を送り出すという大きな目標が、こうした女性たちの能力に対する先入観を打ち砕いていく様子も描き出している。

私たちのグループは、参加する女の子たち、その母親たち、そしてボランティアで構成されているが、全員がこの映画の虜になった。彼らは、巨大な挑戦を乗り越えるために、女性たちがエンジニアや数学者としての能力を発揮し、その役割にスポットライトが当てられたこの映画を観ることを通じて、登場した女性たちの物語を知り、とても興奮した。以下に挙げるのは、映画を観た後の洞察に満ちた感想の一部だ:

「これは私の話です。それを信じて、同じようになるために、あなたもこの映画を観て下さい」。

「この映画は、エンジニアになりたいと願っている私の娘に、より一層の努力を決意させました」。

私は熱心な映画ファンとして、過去数年間で、強い女性主人公の数が増えているのは知っていた。しかしHidden Figuresで描かれたようなタイプの女性はまだ珍しい。私自身の考えや、女の子たちからの反応は脇に置くとしても、映画やテレビ番組に、より多くの科学、技術、そして数学の女性リーダーを登場させることで、観ている女の子たちが自分自身の姿をその光の中に見出すことができるだろうか?

2006年には女優のジーナ・デイビスが、この問いかけに正確に答えるために、Geena Davis Institute on Gender in Media(メディアにおけるジェンダーを考えるジーナ・デイビス研究所)を設立した。同研究所は、テレビや映画における女性キャラクターの差別的扱いにスポットライトを当て、その研究を後援している。2012年には、男女の役割や職業の描写を調べるために、映画、プライムタイムのテレビ番組、そしていくつかの子供番組の分析を行った。研究によって示されたのは、メデイア全体を通じてSTEMキャリアの描写は控えめであり、しばしばその他の分野に比べて物理学に重みがかけられているということだった。そしてスクリーン上でSTEMキャリアが描写されるとき、実世界の男女比に比べて圧倒的に高い比率で男性がその役に割当てられるのだ。研究全体の報告はここで読むことができる。

冒頭に挙げた私たちの格言に戻ろう。「あなたは見ているものになる」。Hidden Figuresは重要で啓発的な映画だが、これ1つだけで終わらせるわけにはいかない。このようなプロジェクトをもっと沢山実現していくことが大切だ。なぜならこれは若い女の子たちをSTEM関連のキャリアへと誘う強力な手段の1つなのだから。もし女の子たちのために、新しい針路を示したいのなら、ジーナ・デイビス研究所の研究で見つかった傾向を逆転させなければならない。

私はHidden Figuresが、業界の中で人びとが待ち望んでいた「目覚めの合図」となることを願うばかりだ。女の子たちに対するこの映画の影響を追跡することから始めよう。「ハンガー・ゲーム」と「メリダとおそろしの森」が世に出て以降、女性のアーチェリーに対する関心が高まっていることとの相関関係を研究した報告がある。どちらの映画も主人公は弓の使い手だ。研究によってわかったのは全国アーチェリー競技会への参加者数が前年に比べて倍増していることだ。きっとHidden Figuresの影響で、2018年に行われる調査までには、プログラミングコースを選択するアフリカ系アメリカ人の少女たちの、そして恐らく少女たち全般の数が劇的に増加するだろうと、私は確信している。

とはいえ、ボールを転がし続けるためにはどうすべきなのだろうか?エンターテイメントの中で強い女性のSTEM主人公の役割を、どうすれば増やしていけるかのアイデアを、共に考えて欲しい。ジョン・グレンは、キャサリン・ジョンソンを彼のチームの一員として信頼していた。彼は彼女がアフリカ系アメリカ人であることを全く気にしなかった。その仕事に最もふさわしいのが彼女だったというだけの話だ。これこそが、私たちが広く伝えなければならないメッセージだ。そうして行くことで、私たちは女性のコンピュータ科学者は例外ではなく普通のことなのだという認識に、社会を変えて行くことができる。ジョンソンの上司のアル・ハリスが言ったように。「私たちは皆でそこを目指すのだ、そうしなければ誰もそこには手が届かない」。

【訳注「Hidden Figures」という言葉には「隠されていた数字」(主人公たちが隔離された場所で数値計算の仕事をしていたことから)という意味の他に、「知られていなかった重要人物たち」という意味もある】

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(翻訳:Sako)

幼児に木製のロボットを使ってプログラミングを教えるPrimo Toys社のCubetto、コンピューターの画面をいっさい使わない

社名をPrimo Toysというスタートアップが今日(米国時間10/31)、3歳からの子どもを対象とするプログラマブルな木製ロボットCubettoを発売した。

アクセラレータPCH Highway 1を卒業し、Randi Zuckerberg(Markの姉)の支援を受けているこのロンドンのスタートアップは、まだ読み書きのできない子どもたちに、コンピューターの画面を使わない方法でプログラミングの基礎を教える。

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225ドルのCubettoキットには、キューブ型で車輪のある木製のロボットと、木製のゲーム盤、それに差し込むブロック、ロボットがその上を転がるマット、そして遊び方の本がある。

ブロックは、LOGOのようなシンプルなプログラミング言語にあるようなコマンドを表す。前へ、右へ、左へ、そして関数などだ。

子どもはブロックをゲーム盤の上に置いて、ロボットを、マットの上に配置したさまざまな障害物を迂回しながら動かすためのプログラムを書く、おっと、作る。

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Primo ToysのCEO Filippo Yacobによると、この新しい版のCubettoは、開発を2015年に開始した。

初期のCubettoは、2013年にKickstarterに出して成功したが、それはどちらかというと、もっと年上の子にプログラミングとハードウェアの基礎を教えるDIYキットだった。

今年の3月には、二度目のKickstarterキャンペーンをやり、Yacobによると、エドテック(edtech, 教育+テクノロジー)のカテゴリーでは新記録となる額を集めた。

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その新記録は、6553名の支援者出資者から160万ドルを集め、その後ネット上で2万の予約を獲得、それらはこれから、92か国に発送される予定だ。

Cubettoはアプリをいっさい使わないので、スマートフォンやタブレットのない子でも、好きなとき、好きなところで遊べる。Yacobによると、コンピューターの画面にいっさい依存しないため、子どもたちの社会性も発達する。

どういう意味かというと、画面があると子どもはそっちばかり見て画面上のものと対話的アクションをするので、ほかの子に関心を持たなくなるのだ。

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CEO曰く、“教え方/学び方の原理はMontessoriのやり方に負っている。それを、プログラミングという21世紀的なスキルに応用したんだ”。

Cubettoは今、家族向けに売っているが、今後は世界中の幼児教育や就学前教育の機関や施設、それに学校教育の教区〔教材採用決定権を持つところ〕にも売っていきたい、とYacobは言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

プログラミング学習ゲームを提供するCodeSparkが410万ドルを調達

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ロサンゼルスのスタートアップcodeSparkがシード資金410万ドルを調達した。同社は、まだ読み書きもおぼつかない年齢の子供たちに対してもコードの書き方を教えることのできる、ウェブとモバイルのゲームを提供している。

CodeSparkのゲームは4〜9歳の子供たちのために開発され、単にSTEMの概念を教えるだけではなく、男の子と女の子が同様に関われることを目標に置いている。例えば、ゲームには女の子のキャラクターも採用され、ストーリーの中で女の子を救うといった展開は含まれていない。

共同創業者兼CEOのGrant Hosfordによれば、このエデュテックスタートアップの最初のゲームであるThe Foos Codingは、これまで201の国の400万人の子供たちによってプレイされている。ゲームの人気を高いものにしている一因は、Hosfordと共同創業者兼CPO(Chief Product Officer)のJoe Shochetが、その内容を言葉でも数字でもなく、ビジュアルなものにしていることだ。

Hosfordは「言葉を使わないアプローチは、アクセシビリティとローカライゼーションの観点から、私たちにとってとても重要です」と語った。「このゲームは翻訳せずに中国でも米国でも遊べるというだけではなく、ADHDや失読症、あるいはその他の学習上の困難や障害を持つ子供でも、クラスメートと一緒にFoosを遊ぶことができるのです」。

codeSparkはFOOSコーディングゲームです。

codeSpark.orgのFoos Codingゲーム

Kapor CapitalIdealab、PGA Advisors、Felton Group、NewGen Capital、そしてUmang Guptaを含むエンジェルたちの協力の下で、codeSparkのシードラウンドを主導した。

CodeSparkはそのゲームを公立学校、図書館、非営利団体に対して無償で公開している。個々のユーザー(多くは自分の子供に自宅でゲームをプレイさせたい親たち)は、携帯電話やタブレットのためにcodeSparkゲームを購入しダウンロードすることができる。

本日同社は、codeSpark Academy with the Foosという名前のプレミアムサブスクリプションサービスを開始した。これは有償ユーザーに対して、継続的に新しいゲームとコンテンツを配信するものだ。このプレミアムサービスは、iOSおよびAndroidデバイスで利用可能だ。

codeSpark Academy with the Foosは、基本的にはThe Foos Codingの拡張版であり、子供たちにデザインやプログラムを促すパズルやエクササイズ、そして自作のゲームをシェアさせたり、他の子供がプラットフォーム上で作った作品を「リミックス」する機能などが含まれている。

Hosfordによれば、子供たちは「Foos Studio」を利用して既に700万のゲームを作成したということだ。

FOOSスタジオ

Foos Studio

Idealabの創業者Bill Grossは、高度な数学や読みのスキルを身につける前の子供たちにプログラミングを教えるユニークなアプローチが気に入って、codeSparkを応援しているのだと語った。

「まだこれからのことですが、コードは私たちの身の回りのもの全てに埋め込まれるようになります。私たちは米国や世界中に、その原理を理解するより多くの人びと必要としています。ループや、変数、そして順次実行などを理解できる人たちです。もし職業がコーディングでなくても、こうしたことは皆にとって大切なことになります」とGrossは語った。

現在Grossは、世界初のスタートアップインキュベーター Idealabの創設者として最もよく知られているが、かつてはKnowledge Adventureという教育ソフトウェア会社を立ち上げた経験を持っている。Knowledge Adventureは1996年に950万ドルでCendantによって買収されている。ということで彼はエデュテックマーケットの素人ではないのだ。

「当時の私は、子供たちにスキルアンドドリルで演習漬けにする代わりに、子供たちが学びと恋に落ちることを助けたいと願っていました。それ以来私は、インターネット、タブレット、個別化、適用学習といったものが提供する全ての能力を使って、そうしたことを行うことを夢見てきたのです」とGross。

Hosfordは、codeSparkは獲得したシード資金を、新しいカリキュラムの開発、国際的なユーザーベースの構築、一流のアカデミック研究者の行う第三者研究との協力によるゲームの効果の検証などに使っていくと話した。

いつの日か、codeSparkがコーディングの基礎を超えたカリキュラムを提供できる可能性を、Hosfordは見つめている。起業家精神が関心のある領域だ、と彼は話した。

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(翻訳:Sako)

デザインベース学習が子供たちに主体性を獲得させる

TORONTO, ON- JANUARY 17 The "Neat Freaks" from Donwood Park Jr. P.S. in Scarborough (L-R) Muskaan Butt, and Aneekah Sattar (both 11 years old) prepare their teams robot.  LEGO robots designed by some of Ontario's brightest young minds take over the joint Durham College (DC) and the University of Ontario Institute of Technology (UOIT) campus, as both institutions host the annual FIRST LEGO League's (FLL) Ontario East Provincial Championships.    January 17, 2015.        (David Cooper/Toronto Star via Getty Images)

【編集部注】著者のGian Paolo Bassi氏はSolidWorksのCEO

その年代の子供たちのほとんどが、デジタル機器に触れながらも、しばしば愚かなゲームをしたり猫の動画を見たりしている一方で、8つの小学校の教師たちと164人の4年ならびに5年生たちは、同じデバイスを新しい学びのために使っている。テキサス州とバージニア州の15の教室では、生徒たちは製造デザインとデジタル製造プロセスを使って、物理的なモデルを作成し、基礎となる数学的概念を学習して、意味のある文脈でそれらを利用している。

このFabLab Classroomは、STEM教育における「E」(Science、Technology、Engineering、MathのE)に焦点を当てた全米科学財団のパイロットプロジェクトである。このプロジェクトはノーステキサス大学で始まった。マサチューセッツ工科大学(MIT)で始められたNeil GershenfeldのFab Labの縮小版をモデルにしている。生徒たちはコンピュータ上で自分たちのプロジェクトを3Dで設計し、その後シンプルな素材を使用してアイテムを作る。

生徒たちや教師たちに利用可能な広い範囲のデジタルツールと設備が、K-12教育システム(小学校1年から高校3年までの12年間の教育システムの総称)を変容させている。Fab Labsとメイカースペースが子供たちに、設計し考案し学ぶことができる創造的な場所を提供する。ビデオゲーム(例えばMinecraft)とバーチャルリアリティ(VR)が、デザインベース学習ツール(design-based learning tools)として採用されている。学校で、共同作業スペースで、そして自宅で、3Dプリンタはより容易に利用可能になっている。こうしたすべてのツールとSTEM教育における幅広い取り組みが、とても若い年齢の子供たちに3D設計を行わせている。

自分自身が単なる消費者ではないことに子供たちが気がつくことを、いかに学校が手助けできるかが焦点である。

STEMに対する国家的な興味と熱意に不足はない。 オバマ大統領はよりSTEMに焦点を当てたカリキュラムが、アメリカの教育の困難とアメリカの製造業の衰退の是正を助けることができると考えている。米国教育省の事務次官Jim Sheltonはこう語る「STEM教育は全ての生徒にとって、彼らがこの先何をしたいかに関わらず重要です」

STEMの支持者たちは、新しい種類のツール、機械、および方法へのアクセスが増えることで、若者たちが触発されていると信じている。それは単に製造の民主化だろうか?それとも、メイカーマインドセットとハンズオン手段の更なる開放と、デザインベース教育による消費者から生産者への急激なメンタルシフトを引き起こすのだろうか?

「行動主体性の感覚」によって動かされる

子供の学問的な旅の早期に、これらのツールを提供するようにシフトすることで、私たちは単にデザインベース学習の大いなる機会を与えているだけではなく、生徒たちが自信をもってデザインと製作に取り組む能力の開発を助ける「行動主体性の感覚*」を身につけさせているのだ。ハーバード教育学大学院のAgency by Design(デザインによる行動主体性)プロジェクトによれば:

「メイカー中心教育の重要な目標は、若者や大人たちに、自分の世界を構築し形を整えるための力が与えられた(エンパワーされた)気持ちにさせる手助けをすることです。こうしたメイカーエンパワーメントの感覚の獲得は、個々人の物理的概念的環境の中のデザインを捉え関わることを学ぶことによって(別の言い方をすれば、デザインに対する感受性を磨くことによって)強く促進されます。この感受性は、若者や大人たちが物やシステムのデザインを間近に観察し熟考するとき、デザインの複雑さを探求するとき、そして自らを自分たちの世界のデザイナーであると理解するときに身に付くのです 」。

私はこれらのテーマを日々3D CADの顧客との会話の中で見聞きする。特に最近の大学卒業生たちからだが、K-12セグメントで働く私たちの教育チームからも見聞きするのだ。

それがSTEMと呼ばれようが、より包括的にSTEAM(AをArtのために追加)と呼ばれようが、生徒たちは真に学びに打ち込んでいる。生徒たちが教育レッスンを活気のあるものにする新しい仕組みで触発されている姿を見ることは心強い。たとえば新しく急速に拡張されているGoogle Expeditionsパイオニアプログラム(Google Cardboardを使って教師たちが生徒たちにVR体験を与える手助けをする)などだ。この没入的3D体験は、海底から火星の表面に至る仮想の旅を可能にする。

FIRSTロボット競技会では、Agency by Designが「デザインへの感受性」と呼ぶ活動に、米国の78000人以上の生徒が活発に参加している。生徒たちは、ボールを救い上げて投げたり、障害物を飛び越えたり、一見不可能な動作を行ったりといった、すべてが膨大なSTEM学習の成果を編みあげたメイカー精神の下で実現されるロボットを作るために、実世界に対する計算を行っている。

米国の教育ニュースをカバーする非営利、無党派のサイトThe 74によれば、ニューオーリンズのBricolage Academyの教室には欠けているものがあるらしい:椅子だ。最近では、The Maker Movement Is About More Than Science and Math — But Is All This Tinkering Really Effective?(メイカー運動は科学と数学以上のものだ — しかしこのティンカリングは本当に効果的なのか?)という表題のもとに、Mark Keierleberが次のような記事を書いている、「机の前に紙と鉛筆を持って座る代わりに、生徒たちは作業台の前に立ちLEGOやロボット、木のブロック、そして回路基板でティンカリング(いろいろ工夫しながら作ったり試したりすること)をしています」。

Bricolage Academyの生徒たちは、テキサス州とバージニア州の164人の生徒たちと同様に、氷山の一角に過ぎない。その氷山はいま、STEMのパワーやメイカー運動、そして新しいパーソナライズド学習を混ぜあわせた教育方法などを体験させることを始めることで、何百万人もの更なる生徒たちを海面へと浮かび上がらせようとしている。

これらの生徒たちと教師たちが使う言葉は、オバマ大統領や、教育省、 Agency by Designプロジェクトが使っているものとは異なるかもしれないが、伝えているメッセージは同じである:「驚くようなものを作る方法を学びたい」。

それは単にテクノロジーあるいはSTEMにフォーカスしたものではなく、それどころかメイカーマインドセットにだけ注目したものでもない。そうではなく、自分自身が単なる消費者ではないことに子供たちが気がつくことを、いかに学校が手助けできるかが焦点である。 彼らはデザイナーで、クリエイターで、メイカーで、そしてプロデューサーなのだ。今日の5年生は、生涯を通したSTEM学習者となるだろう。

訳注:*行動主体性の感覚:sense of agency(自分自身の行動を人からの指示ではなく自分自身で決めていく感覚)

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(翻訳:Sako)

XYZprintingの新しい3Dプリンターは、教室向けにデザインされている

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低価格の3Dプリンター・スキャナーでよく知られているに違いないハードウェアメーカー、XYZprintingが、初めて教育市場に焦点を合わせた製品、da Vinci miniMakerを229ドルで売り出す。K-12の理科系クラス向けに作られたエントリーレベルの3Dプリンターだ。

この低価格な3Dプリンターは使いやすさを意識したデザインで、プッシュボタンによるプリントや自動補正機能に加え、教室利用のための同社のソフトウェアセレクション、Educational Ecosystemが統合されている。

セットには、3DモデリングソフトウェアのXYZmaker、3Dギャラリー(デザイン済みの3Dモデルが予め登録されている)およびXYZprinting STEAMプロジェクトのカリキュラムが含まれている。プリンターは、Amazonで予約が可能、出荷予定は今年の秋で、子供たちが学校に戻るまでに届くはずだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

STEM〔科学・テクノロジー・工学・数学〕教育の将来は12歳女子の教育にかかっている

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最近、OECD(Organisation for Economic Co-operation and Development)のジェンダーが生徒の学業成績およびライフスタイルに与える影響を詳細に調査した結果を発表している。この調査は15歳の生徒を対象としており、学業成績にはその年齢で受験したテストの結果を用いている。

このレポートによれば、全体的には学校に滞在する時間、読書の成績など多くの面で女子生徒の成績は男子を上まっていたものの、成績上位同士を比較すると女子は依然として科学と数学で男子に大きく差をつけられていることが明らかとなった。OECDはこの理由を検討しているが、中でも重要なのは、数学能力に対する自信の自己報告に現れているが、男子に比べて女子が自信のなさが目立つことだろう。女子は男子に比較して、数学に関連する課題の解決に不安を強く抱く傾向が見られる。

「数学の問題を解こうとするときとても不安になります」、 「数学で悪い点を取りそうで心配です」というような文章に対する同意の率が女子は男子より高い。こうした科学、数学に対する自信のなさが、学業成績に影響を与え、最終的には女性がSTEM(科学・テクノロジー・工学・数学)系の職に就く機会を奪っていると考えられる。

女子がこうした不安を抱くようになるのはいつごろからだろうか? Verizonがジェンダー差別撤廃のために製作したビデオはこの点についてたいへんよい資料だ。女性はきわめて幼い頃からSTEM分野を追求することを妨げるような圧力を受ける。ある調査によれば、女性は12歳を境として数学や科学を嫌うようになり、この分野で男子と同等の成績を挙げることを期待しなくなる。そして成績の不振をその分野における自己の能力の欠如に求めるようになるという。

全米学力テスト(NAEP=National Assessment of Educational Progress)の結果によれば、科学と数学における女子と男子の成績の年齢と共に広がる傾向を見sている。そしてこの傾向が顕著に現れ始めるのが9歳から10歳までの間だ。

国際教育到達度評価学会(International Association for the Evaluation of Educational Achievementfound)などによって実施された標準化されたアチーブメント・テストでも同様の結果が現れている。科学と数学における男子と女子の成績は第4学年から差が開き始め、高校の最終学年まで女子は男子に離されていく一方だ。

こうした結果から、9歳から12歳までの教育はその後の女性の一生に非常に大きな影響を与えていることが分かる。高校では女性は化学、物理、数学などで高等教育を受ける道を自ら放棄するようになる。STEM系課程への進学を放棄することはSTEM関連の職に就くチャンスを放棄することに等しい。この点に関しては自分の体験から説明することができる―私は高校時代、科学と数学の上級科目を選択した数少ない女性の1人だった(私は微積分、物理、科学の上級コースを取っていた)。

小学生の女子にSTEM科目への興味を抱かせるには?

重要な問題は、女子の科学、数学分野での成績の低下と自信の喪失を防ぐために小学校教育でわれわれは何ができるのかだ。 9歳から12歳という決定的な時期に教育者はどういう努力を払うべきなのか?

女性のSTEM分野への進出を特に妨げて3つの要因がある思う。

肯定的コネクションを増やす: 神経精神医学の研究によれば、女子生徒が科学や数学を学ぶことに対して幼い頃から多数の否定的なコネクションが植え付けられており、これが女性のSTEM分野への進出を妨害している。

しかしSTEM系職種の雇用者は、採用にあたっていわゆる「ソフト・スキル」、つまりコミュニケーションやネットワークの効果的な利用の技術を重視する。こうした分野は実は女性がもともと強い。こうしたコミュニケーション能力、ソーシャル能力を活かすような肯定的コネクションを増やす強力なロール・モデルは女子をSTEM系エンジニアの道に進ませるために大きな効果があるだろう。チームのメンバーとして活動すること、所属するコミュニティーのために積極的に役立つこと、環境に敏感であること、これらをリーダーシップと結びつけることなども女性が優越する分野だ。

教育者はSTEM系職種が本質的に必要とする能力を女性が高いレベルで備えていることを強調することによって、女性が科学技術職を選び、成功することを助けねばならない。

リーダーシップに関する固定観念を打破する: STEM系科目を選択する(あるいはしない)上で女子が抱く自己イメージは非常に重要だ。 自己の成長を信じる成長的マインドセットの持ち主は固定的なマインドセットの持ち主よりも好成績を残すこと知られている。

スタンフォード大学の教授、Jo Boalerは、調査結果に基いて、成長的マインドセットを発達させた子どもたちは知性は習得することが可能であり、練習によって向上させることができると信じていることを発見した。こういう子どもたちは「努力は重要だ」という思考を身につける。また、課題に挑戦することを好み、失敗にもめげない。周囲からのフィードバックを自己改善のために役立て、他者の経験から学ぶことができる。

残念なことに、われわれの現行の教育システムは、生徒の能力についてきわめて固定的な見方をしている。教育者のマインドセットは最終的には生徒たちへのメッセージとして伝わっていく。われわれはょり多くの女子に、小学生の間に成長的マインドセットとリーダーシップ技術をを培わねばならない。そうすることによって中学、高校で適切な能力を身につける準備となる。

STEM職は他の分野に比べて急成長しており、失業率もはるかに低い

サンフランシスコを本拠とするグループ、Technovationはこうした課題に正面から取り組み、女子学生にSTEM職のクリエーティブな分野を紹介するだけでなく、起業家としてのマインドセットや技術を教えようとしている。

STEMの日常的、実用的な応用面を紹介する: 女子の数学に対するイメージは「複雑で分かりにくく、現実から遊離した退屈なもの」という方向に向きがちだ。こうしたイメージが結局女性をSTEM分野から遠ざけている。そこで数学や科学の日常における応用例を分かりやすく紹介することが重要になってくる。

教育者にはこの面でやることが多いだろう。女子に対し、ハイテク企業のイノベーションが日常生活をどれほど便利にしてきたが、学校で習う数学のコンセプトがやがてSTEM企業に就職する上でどれほど役立つかを詳しく紹介していく必要がある。こうした努力を助けるさまざまな補習ないし課外プログラムがデザインされている。ベイエリアを本拠とするNPO、Kids’ Visionは女子生徒がSTEMに対して否定的な自己イメージを抱くようになる前に、科学やテクノロジーに興味を抱かせるよう多様な努力をしている。

Kids’ Visionでは3年生から6年生までの小学生女子にシリコンバレーのテクノロジー企業を案内している。子どもたちはそこで働くエンジニア女性からSTEM職に就くためにはどういうキャリアパスがあるかを直接説明してもらうが、この生きたロールモデル教育も大いに効果がある。

女性は全米の職の約半分近くを占めるようになった。しかしSTEM職についてみると、女性はわずか25%にすぎない。 STEM労働者は長期的かつ維持可能な経済発展にとって決定的な要因の一つだ。経済はSTEM教育を受けた労働者を必要としている。STEM職の成長は急速なので他分野に比べて給与は高く、失業率も低い。

STEMへの女性の進出は女性にとっても経済にとっても重要だ.

第二に、STEM職の給与レベルは他分野より高い。アメリカ商務省の統計によれば、同学歴の場合、STEM職の女性は非STEM職の女性より20%も高い給与を得ている。.アメリカ商工会議所財団の年次給与調査によれば、アメリカにおけるすべての職の平均給与は3万4570ドルであるところ、STEMプロフェッショナルの給与の平均は7万6270ドルだった。またコンピューター科学者の給与は10万2190ドルだった。STEMへの就職は女性にとって経済にとっても win-winの関係であることが明白だ。

#ILookLikeAnEngineer運動は一つの出発点として非常に役立つだろう。 科学者、エンジニアは「こうあるべき」という固定観念に対して、多様なさまざまな人々が声を上げる、特に差別やハラスメントに直面している女性プロフェッショナルが声を上げることには大きな意味がある。この面では、TechnovationKid’s Visionなどのグループや運動も女性をSTEMに引き付ける上で有意義だ。

STEM〔科学・テクノロジー・工学・数学〕分野の職に将来もっと女性が就けるようにすることは、人権の擁護や性差別の撤廃という意味で重要であるだけでなく、世界の中のアメリカ経済にとってもきわめて重要な課題だ。われわれは女性の地位改善のためにもっと努力を払うべきだろう。

画像: Tatyana Vyc/Shutterstock

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

コンピュータと手でさわれる‘物’を併用する教育ゲームのOsmoが数学おもしろゲームNumbersを発売

iPad用のゲームアクセサリを作っているOsmoが今日(米国時間9/17)、子どもが遊んでいるうちに算数/数学*の概念が身につくゲームNumbersをローンチした。同社は、教師たちが今数学を教えるために使っている、無味乾燥でおもしろみのないワークシート(練習問題集)を駆逐したい、と考えている。〔*: 以下‘数学’に統一〕

Numbersは海の中を舞台とするゲームで、プレイヤーはゲームのアクセサリとして提供される物理的なタイルを使って、指定された数を右値とする等式を作り出す*。成功するたびに、泡の中に閉じ込められていた魚が自由になる。〔*: その意味については上のビデオを。〕

子どもたちのコンピュータやiPadとの接触機会は、近ごろとても増えているが、小学生が数学を勉強するために使っているツールは、ゼロックスマシンの登場以降、基本的にまったく変わっていない。Osmoは、新しいゲームでこの状況を変えられる、と考えている。

Osmoは2013年のDisrupt SFで、初めてTangible Play(触れるゲーム)をローンチした。触(さわ)れるというのは、iPad本体以外に物理的なピースを使う、という意味だ。たとえば同社が作ったMasterpieceは、子どもたちがiPadの画面の画像を実際の紙の上にトレースする。Tangramでは、物理的なタイルを並べて画面の画像と同じ形を作る。

Sharmaは、Numbersで数学に積極的に関わる子どもたちが増えてほしい、とくに女の子たちが、と言う。テクノロジ企業に女性が少ないことは、女の子がSTEM(science, technology, engineering and mathematics; 科学・技術・工学・数学)学科にあまり関心を持たないことが原因だ、と言われている。OsmoのファウンダParmod SharmaとJerome Schollerは、Numbersのような女の子でも夢中になれるゲームがあれば、そのギャップは填まる、と思っている。

Sharmaが数学教育に関心を持ったのは、自分の子どもたちの様子からだ。彼の幼い娘は、数学の授業にフラストレーションを感じているようだった。

“子どもたちが実際に自分でできることや、作れるものがあれば、もっと数学に関心を持つと思う”、とSharmaは語る。“これまでの数学教育は、それをトライしていない”。

彼は、数学をもっと気楽に楽しめるものにしたい、と考えた。そのために考案したNumbersは、右値がその数になる等式なら、何でも正解だ。ひとつの問題の解はひとつだけではない、ということを子どもたちは学ぶのだ。

Osmoは、教科書出版大手のHoughton Mifflin Harcourtとのパートナーシップを発表した。Osmoのゲームを利用する学校を増やすことが、その目的だ。今は、約4000の学校がOsmoを使っている。

OsmoのNumbersは今日(米国時間9/17)発売される。NumbersとMasterpieceとWordsとTangramsとNewtonをセットにしたGeniusキットは、小売価格が99ドルだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Appleが世界中のStoreで今年の‘Hour of Code’イベントのための学習会を開催

Appleは、今年のHour of Codeに参加する。世界中の若者と児童生徒たちにプログラミング教育への関心を喚起し、教育へのアクセスの機会を提供するこのイベントも、今年で第二回になる。Appleの参加は同社の小売部門Apple Storeで開催する1時間の無料ワークショップの形で行われる。各店では来場者に、基礎的なコンピュータ科学の入門編を提供する。

Houe of Codeを主催している非営利団体Code.org*は、今年もさまざまな企業の協力を得ながら、イベントを展開している。資金はMicrosoftなどから獲得し、年内に世界中で1億人の子どもたちが参加することを、目標にしている。〔*: Code.org過去記事(日本語)。〕

Appleのワークショップは12月11日に、合衆国とそれ以外の国のストアで行われる。昨年は合衆国のストアだけだった。またAppleは一週間にわたるComputer Science Education Weekを賛助して、さまざまな講演会などのイベントを展開する。そして未来のプログラマたちに、App Storeや同社のデベロッパポータルにある各種のリソースを、新しい学習スペースから紹介してイベントを盛り上げる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


電子版レゴブロックのlittleBitsとNASAが連携。宇宙を身近にする「Space Kit」を発売

「宇宙」ほど人々の興味を惹きつける存在が他にあるだろうか。テレビ時代の現在にあって、マーズ・ローバーの活躍やElon Muskの発言などは誰もがよく知っている。そのような時代背景もあって、モジュール組み立て式電子玩具を提供するlittleBitsがNASAと協力することになったのだろう。両者の提携により生み出されたのはlittleBitのSpace Kitだ。価格は189ドルとなっている。

実際に手に入れるまで、littleBitsで何ができるかを理解するのは難しいかもしれない。しかしいったん手に入れれば、組み立て式キットであるlittleBitsのの自由さや拡張性の高さに、きっと夢中になるに違いない。これほど効果的に電子工作の楽しさを教えてくれるものに出会ったことはないと言っても良いほどだ。モジュールは機能毎に色分けされていて、何をどのように繋げば良いのかを直感的に理解することもできる。

「littleBitsの各モジュールはブロック状になっていて、これを組み合わせてさまざまなものを作り出ことができます。さまざまなブロックを組み合わせて、無限の変化を楽しむことができるという意味では、レゴと同様のものだと言うことができます」と、最近TEDでも話をしたファウンダーのAyah Bdeirは述べている。「ただし、ただ組み立てて形を作るのではなく、そこにエレクトロニクスを加えて、“機能する”ものを作り上げたのです」。

littleBitsを使って一晩で作ったスピーカーモジュール

売上額などについて詳細なデータはもらえなかったが、この「21世紀のブロック型おもちゃ」は「70ヵ国、2000を超える教育機関などに対して、数十万台を売り上げています」とのこと。オープンソースライブラリーを活用して、「無限の組み合わせが可能なのです」とのことだった。

littleBitsが公式にリリースされたのは2011年のことだった。これまでにTrue VenturesKhosla VenturesFoundry Group伊藤穰一ニコラス・ネグロポンテJoanne Wilsonなどから1560万ドルの資金を調達している。元々は音と光を組み合わせて遊ぶツールだった。

そんなlittleBitsにNASAがアプローチしたのは2012年のことだ。宇宙開発について、より多くの人に知ってもらうきっかけを探してのことだった。技術系の学位取得を目標としない人にもロボットやエネルギー、あるいは通信設備などについての基礎的な理解をしてもらおうという、全米的な動きの一環であったわけだ。

littleBitsには「SPACE KIT」、「SYNTH KIT」や「BASE KIT」ないし「DELUXE KIT」などがあり、磁石接続式のモジュールがいくつか入っている。モジュールは「power」、「input」、「wire」、そして「output」の4種類に大別され、そのそれぞれにいろいろなモジュールが用意されている。たとえば「wire」には「double AND」や「double OR」がのモジュールがある。「output」には「fan」、「ブザー」などのモジュールが用意されている。さらに「SPACE KIT」にはNASAの科学者が記したサンプル回路についての説明書も同梱されている。サンプルにはたとえばオリジナルのウェイブ・ジェネレーター、スターチャート、人工衛星軌道計算ツール、マーズ・ローバー模型などの作り方が記載されている。

「他にもいろいろなところからパートナーシップの申し入れがありました。しかし、人間の本質にも関係のある宇宙をテーマにするNASAと組むことにしたのです。多くの人が宇宙に興味を持っています」とBdeirは言っている。「宇宙への興味を、より具体的に理解して、宇宙的な発見と私たちの日常の間の架け橋となりたいと考えたのです」とのこと。

これからもNASAとの協力関係を深めていく予定だとのこと(来るべき宇宙旅行時代に備えるのだ)。ハッカソンやワークショップもあちこちで開催していく予定にしており、より多くの人に科学技術の面白さを感じて欲しいと願っているとのことだ。

個人的には、ぜひとも7歳のときにこれが欲しかった。これを手にしていたら、きっとと同じような道を歩むことができたと思うのだ。

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(翻訳:Maeda, H