Waymoが運転手不在の自動車送迎サービスをフェニックスで一般公開

Google(グーグル)の自動運転プロジェクトから、親会社のAlphabet(アルファベット)のグループ企業になったWaymo(ウェイモ)は、ドライバーレス自動車の送迎サービス(Ride-Hailing、ライド・ヘイリング)の様子を一般公開した。

同社によると、米国時間10月8日からWaymo Oneサービスのメンバーは、フェニックス地域で家族や友人を完全にドライバーレスの送迎サービスに連れて行けるようになるという。既存のWaymo Oneの会員は、ドライバーレスライドを最初に利用できる。さらに同社によると、今後数週間のうちに、Google PlayとApp Storeから入手可能なアプリを通じて、より多くの人が直接サービスに参加できるようになるという。

Waymoは「その乗り物の100%が完全にドライバーレスになる」と述べた。その100%の主張には少し説明が必要だ、一般の人々は、ハンドルの後ろに人間が乗っていない何百台ものWaymoブランドのCHRYSLER PACIFICA(クライスラー・パシフィカ)のミニバンが、フェニックスの600平方マイル(約1554平方km)以上のエリア全体に突然氾濫することを期待してはいけない。

同社は現在、約600台の車両を保有しており、そのうち約300~400台がフェニックス地域にある。Waymoは、これらの車両のうち何台がドライバーレスライド専用になるのか、正確な数は明らかにしなかった。しかし、WaymoのCEOであるJohn Krafcik(ジョン・クラフシック)氏は最近のインタビューで、フェニックス地域にはさまざまな車種が存在するとTechCrunchに説明している。これらの中には「ライダー専用」のものもあれば、訓練を受けた安全オペレーターが運転するものもある。また、一部の車両はテストにも使用される。

クラフシック氏はTechCrunchの取材に対し「あらゆる面で準備ができています。しかし、準備ができているかどうかを知るにはどうすればよいいのかのでしょうか」と話し、「以前から安全面には自信を持っていたのですが、私たちには素晴らしい初期ライダーのグループがいて彼らがサービスに磨きをかけるのを助けてくれました」と続けた。「これらの初期のライダーが『満足と喜びを提供しているかどうか』を判断するのに役立った」と締めくくった。

今年後半には、Waymoは訓練を受けた車両オペレーターによる乗り物の提供を再開し、容量を追加し、より広い地理的エリアにサービスを提供できるようにする予定だ。クラフシック氏によると同社は現在、車内の衛生と安全のために、最前列と後部座席の間の車内バリアを追加しているところだという。

Waymoは約100平方マイル(約260平方km)のエリアで活動している。Waymo Oneのメンバーに提供されるドライバーレスまたはライダーのみのサービスエリアは約50平方マイル(約130平方km)だと同氏。

さまざまな注意点があるが、今回の取り組みはマイルストーンであり、同社が過去10年間に達成した数多くのマイルストーンのうちの1つとなる。過去5年間は特に盛りだくさんで、視覚障がい者のSteve Mahan(スティーブ・マハン)氏が2015年にオースティンの街中で同社のFireflyプロトタイプに乗って「初ドライバーレスライド」を体験したことに始まる。2017年には、カリフォルニア州キャッスルにあるWaymoのテスト施設のクローズドコースで、十数人のジャーナリストがドライバーレスライドを体験した。そして昨年11月、TechCrunchはフェニックス郊外の公道をWaymo Pacificaのミニバンで初めてのドライバーレスライドを体験した。

このようなデモやテストが続く中でも、同社は商用製品の規模を拡大していった。2017年、Waymoはアーリーライダープログラムを開始。このプログラムでは、NDA(秘密保持契約)に署名した一般市民の中から審査を受けたメンバーが、フェニックス地域での自動運転車の走行が可能になった。これらの自動運転車はすべて、ハンドルの後ろに人間の安全運転手が付き添っていた。

Waymoはその後、NDAに縛られることなく公共利用を目的とした自動運転配車サービス 「Waymo One」 を立ち上げた。繰り返しになるが、これらの乗り物はすべて運転席に人間の安全オペレーターを配置しており、必要に応じて運転を引き継ぐことができる。 その後同社は、初期のライダープログラムのメンバーをよりオープンなWaymo Oneサービスに徐々に移行させた。また、乗車料金の実験を開始し、サービスエリアを拡大した。現在同社は、フェニックス地区の全プログラム(アーリーライダーとWaymo1)を対象に料金を請求している。なお、人間の安全オペレータ付きのWaymo Oneサービスは、アリゾナ州チャンドラーと同様にフェニックス郊外においても約100平方マイル(約260平方km)の営業エリアを持つ。

Waymoが、人間の安全運転手のいない車に人を乗せる準備ができていることを示す、最初の意味のある兆候が現れたのは昨年秋。アーリーライダープログラムのメンバーが、間もなくドライバーレスライドが利用できるようになることを示すメールを受け取ったときとなる。

その後、限定された無料のものだったがドライバーレスライドは実現した。ここで重要なのは、NDAの保護を受けたアーリーライダープログラムの対象となっていたことだ。Waymoは、2020年の総ライドの約5~10%がNDAのもとで早期ライダーの独占グループのために完全にドライバーレスになるまでゆっくりと規模を拡大していった。その後、新型コロナウィルスの感染蔓延が発生したことでサービスを停止した。同社は現在、アリゾナ州とカリフォルニア州で安全運転手によるテストを続けている。ただしスタッフの間では、新型コロナウィルスを終息させること、カリフォルニアの山火事によって引き起こされる大気の質の問題に対処するという二重の問題についていくつかの懸念が生じている。

Waymoは新型コロナウィルス対策のために「ユーザーにマスクの着用を義務づけ、全車両に手指消毒剤を用意し、クラフシック氏が言うところの車両内に送られる空気量を4~5回増加させる『キャビンフラッシュ』を毎回乗車後に実施するなど、新たな安全ルールを追加した」と述べている。

クラフシック氏はまた「Waymoは近々オール電化のJaguar I-Paceを追加し、まずは公道でテストを実施し、その後早期ライダープログラムに追加する予定だ」と述べている。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Waymo、自動運転

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(翻訳:TechCrunch Japan)

視覚障がい者が自動運転タクシーを呼ぶ際の困難をWaymoはどう解決か、12月のSight Tech Globalで探ろう

想像してほしい。視覚に障がいがあって車の運転ができないとしたら、あなたの生活はどう変わるだろうか。私はそれを毎日、家で目の当たりにしている。私の妻は法律で認められる盲人で、とても忙しい人なのだ。妻はUberとLyftを敬愛している。いつでも、どこへでも行ける素晴らしい選択肢を提供してくれているからだ。だから1年前、Waymoの自動運転タクシーにちょっと乗る機会を得たときに、彼女はどれほど喜んだか。セイフティドライバーは彼女に、シートベルトを締めて「スタート」ボタンを押すように言った。まったくなんということか。スタートボタンはどこにあるの?

彼女の外出の用件はフェニックスですでにサービスを開始しているWaymoの自動運転タクシー開発におけるアクセシビリティへの取り組みについて話すことだったので、私たちは皆笑ってしまった。WaymoはフェニックスのFoundation for Blind Children(FBC)と緊密に連携して体験のフィードバックを集め、サンフランシスコのLighthouse for the Blindにも助言を求めている。12月2~3日に開催されるバーチャルイベントのSight Tech Globalでは、Waymoのアクセシビリティへの取り組みを紹介する。このイベントは、AI関連テクノロジーが障がい者支援技術やアクセシビリティに今後どのような影響を与えるかをテーマとする。参加は無料で現在登録を受け付けている

Waymoのアクセシビリティのセッションには重要な人物が3人登場し、Waymoの取り組みを紹介する。Clement Wright(クレメント・ライト)氏(LinkedIn)はWaymoでユーザーエクスペリエンスとアクセシビリティを担当するプロダクトマネージャーだ。ライト氏は、障がいを持つ人も含めてすべての利用者が安全で快適で便利にWaymoの完全ドライバーレスサービスを利用できるよう努めている。Marc Ashton(マーク・アシュトン)氏(LinkedIn)は、フェニックスに本拠地を置くFoundation for Blind ChildrenのCEOで、視覚障がい児教育のリーダーとして全米で知られている。自身の息子に視覚障がいがあることからアシュトン氏はこの分野に関心を持ち、2007年にCEOになった。Bryan Bashin(ブライアン・バシン)氏(Lighthouse for the Blindサイト)はサンフランシスコにあるLighthouse for the BlindのCEOだ。このNPOはカリフォルニアのほか世界中の視覚障がい者に教育、トレーニング、支援、コミュニティを提供している。バシン氏は大学生の頃から視覚に障がいがあり、キャリアの大半を視覚障がい者の平等、アクセス、トレーニング、メンタリングに捧げてきた。

Waymoはアクセシビリティに優れた自動運転車両の利用を追求しているが、これは簡単なチャレンジではない。ライト氏は「現在、タクシードライバーは厳密な運転以外の業務をこなしている。ドライバーはピックアップ時に窓を開けて乗客と話したり、乗客が車を見つけられるようにしたりする。我々がWaymo Driverの構築にあたって取り組んでいる最大の課題のひとつは、人間の乗務員がいない車で利用者の付加的なニーズを理解することだ」と語る。

WaymoはFBCの成人メンバーと連携し、Waymoタクシーを呼ぶときに使うモバイルアプリのフィードバックを得ている。例えばアプリからタクシーのクラクションを鳴らして車を見つけるメカニズムなどだ。ライト氏は「特定の人々、例えば視覚障がい者を支援するために組み込んだ機能が実はその他の利用者にもとても役立つということを、我々は何度も目にしてきた。このことから我々はインクルーシブデザインにさらに幅広く取り組むようになった。特定の利用者のニーズから重要な課題を理解し、それを活かしてすべての人に役立つソリューションを構築する」と語っている。

自律車両には、法律上の盲人である130万人の米国人などの障がい者が安全で効率よく目的の場所へ移動できるようにする可能性がある。Waymoがプロダクト開発サイクル全体でアクセシビリティにどう取り組んでいるかを詳しく知り、全盲とロービジョンの両方のユーザー、そして視覚障がいをもつ人々の代表にあたる協力組織からのフィードバックが開発プロセスにおいて果たす重要な役割を探ろう。12月2~3日に開催されるSight Tech Globalのセッションに参加してほしい。今すぐ無料で申し込める

Sight Tech Globalではスポンサーを募集している。現在、Verizon Media、Google、Waymo、Mojo Vision、Wells Fargoがスポンサーとなっている。イベントはボランティアによって運営され、イベントの収益はすべてシリコンバレーにあるNPOのVista Center for the Blind and Visually Impairedの収入となる。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Waymoとボルボが電気ロボタクシー開発で「独占」提携

Waymo(ウェイモ)の自動運転ソフトウェアが勢力範囲をさらに広げている。今度はVolvo Car Group(ボルボ・カー・グループ)との提携だ。米国時間6月25日、両社はWaymoの自動運転ソフトウェアを配車サービス用に開発する新型電気自動車に組み込むための「独占」提携を発表した。

ボルボとWaymoは、「まず共同でWaymo Driver(ウェイモ・ドライバー)を、配車サービスのために新規開発する業務用電気自動車プラットフォームに組み込む」という以外に、今回の提携に関する詳細や具体的な方向性などはほとんど示さなかった。「まずは共同で」という言葉からは、その後がまだまだあることを推察できる。この新しい車両プラットフォームは、SAEの定位によるレベル4の自動運転に対応することを私たちは把握している。つまり、特定の地域内、または特定の天候や道路状況において、あらゆる運転操作が行えるというものだ。

この提携には、高性能電気自動車のブランドPolestar(ポールスター)やLynk & Co. International(リンク・アンド・カンパニー・インターナショナル)など、ボルボグループ傘下のすべての企業も含まれると、ボルボグループのCTOであるHenrik Green(ヘンリク・グリーン)氏は、あらかじめ用意された声明の中で強調していた。

「完全自動運転車には、これまでにないレベルで道路安全性の改善をもたらし、人々の生活、仕事、移動に革命を起こす可能性があります」とグリーン氏は声明の中で述べている。「Waymoとの提携により、Volvo Cars、Polestar、そしてLynk & Co.に新しいエキサイティングなビジネスチャンスの幕が開きます」

「独占」とは、提携関係を説明するときに使われる言葉でもある。しかし、具体的な詳細情報がなければ、それが何を目標とし、この「独占」が実際に何を表すかを知るのは難しい。ここでは、Waymoのレベル4自動運転ソフトウェアを説明する際に独占という言葉が使われていた。つまり、この2つの企業は共同開発を進めるか、あるいはその技術スタックの内部作業で秘密情報を共有する可能性を示唆している。また、この提携が、ライセンス契約の可能性を含む形式になっていることもうかがわせる。

これまでWaymoは、自動車メーカーと提携するという戦略を採ってきた。Waymoが、ハードウェア一式、ソフトウェア、コンピューターシステムのデザインを取り仕切り、その後、自動車メーカーと共同で、Waymo Driverと呼ばれるシステムの組み込みに対応した車両を開発するというものだ。こうした提携は、主に配車サービスでの利用を念頭に置いているが、地域ごとの配達、トラック輸送、さらには自家用車に適した形にカスタマイズすることも可能だ。

両社間のライセンス契約が成立すれば、それはWaymoとFiat Chrysler Automobiles(フィアット・クライスラー・オートモビルズ、FCA)との提携に似たものになるだろう。2018年5月、FCAはWaymoとの契約を拡大し、クライスラーのミニバンであるPacifica Hybrid(パシフィカ・ハイブリッド)を最大6万2000台、Waymoに供給すると発表した。さらに同時にFCAは、一般消費者向け車両にWaymoの自動運転車技術を組み込むための、同技術のライセンス契約の道を探っているとも話していた。

Waymoは、Jaguar Land Rover(ジャガー・ランドローバー)と、同社の完全電気自動車I-Pace(アイペース)を最大2万台を購入するサプライヤー契約を結んでいる。また2020年6月には、Waymoは、Renault(ルノー)と日産との間で、商用自動運転車による人や荷物の輸送をフランスと日本で行う可能性を研究するための提携も結んだ。

だがVolvoには、Uber(ウーバー)の自動運転部門Uber Advanced Technologies Group(アドバンスト・テクノロジーズ・グループ、ATG)との契約もまだ継続していることを忘れてはいけない。VolvoもUber ATGも、4年間の提携関係は今も続いていることを認めている。この提携の下で、Volvoは、自動運転車用に開発した車両をUberに供給している。この特製Volvo XC90には、Uberの自動運転ソフトウェアの利用に必要なハードウェアが搭載されている。Uberはそれを受け取り、自動運転ソフトウェア・スタックを統合する。Volvoは「自動運転対応車両を数万台供給する包括協定をUberと結んでいる」と話している。

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(翻訳:金井哲夫)

Waymoが米国フェニックスでの配車事業を来週にも再開へ

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で3月末に事業を一時停止していたWaymoは、5月11日にアリゾナ州で配車ビジネスを再開すると発表した。

Waymoはサンフランシスコやデトロイト、ロサンゼルスなどの他の都市で事業を再開する前に「当社のチーム、パートナー、地元住民および州当局」との話し合いの結果、フェニックス地域で配車事業を再開することを決定したと述べている。

アリゾナ州での自宅待機命令は5月15日までだが、学識経験者は同州がまだ新型コロナウイルス拡大のピークに達していないとの懸念を示しており、州政府に協力していた一部の関係者は最近、予測やモデル化作業を「一時停止」するよう求められたと、ワシントン・ポスト紙に語っている。

同社の発表によると、これは「安全に事業を再開するための段階的なアプローチ」の第1段階であり、テスト車両から始まり、最終的には自動運転車による配車サービスであるWaymo Oneまでの提供を再開するという。

Waymoは地方自治体や州政府、米疾病予防管理センター(CDC)による安全ガイダンスに従っていると述べた。同社が実施した安全対策には、1人で車両を運転している場合を除き、車両内や施設ではフェイスマスクを着用することを従業員に義務付けることや、AutoNationとの提携により1日に数回車内を清掃することなどが含まれる。

またWaymoによると、最大キャパシティを制限したり、作業エリアにソーシャルディスタンスのガイドラインを取り入れたり、チームのための安全性と衛生トレーニングを作成したり、産業医療従事者と協力して施設に入る前に人々をスクリーニングしたりするとしている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

著名自動運転車エンジニアがUberに仲裁を強制する申立てを提出

Levandowski

営業秘密訴訟の渦中にいた、著名な自動運転車エンジニアであるAnthony Levandowski(アンソニー・レヴァンドウスキ)氏は、彼の元従業員が彼に科された1億7900万ドル(約190億円)の判決の少なくとも一部の費用を負担しなければならないと要求して、Uberに強制仲裁を申し立てた。

3月末に提出された強制仲裁の申し立ては、レヴァンドフスキ氏の破産手続きの一部である。これはUberと、前Google、現在Alphabetの傘下にある自動運転プロジェクトのWaymoを巻き込み、紆余曲折を経た長い法的な物語の最新章である。

この申し立ては、Uberにレヴァンドフスキ氏との補償契約を遵守するよう強制する最初の法的措置である。Uberは、2016年にレヴァンドフスキ氏の自動運転トラックのスタートアップ企業であるOttoを買収したときに補償契約を締結している。この契約でUberは、レヴァンドフスキ氏の元雇用主であるGoogleからの請求に対してレヴァンドフスキ氏を補償するとしている。

Uberは、米国証券取引委員会に提出された配車会社の年次報告によると、利害が少なくとも6400万ドル(約69億円)になると見ている。一方で2020年3月にGoogleに1億7900万ドルを支払うように命令されたレヴァンドフスキ氏は、明らかにそれ以上を狙っている。

関連記事:米裁判所が自動運転技術の元エンジニアにGoogleへ約192億円を支払うよう命じる

「Uberは彼に対する補償義務の一部として、弁護の掌握を主張したため、アンソニーは過去3年間、彼の個人的弁護をUberに委譲していました。その後、Uberは結果が気に入らず、突然態度を変え、彼を補償しないと言ったのです。Uberの行為は間違っており、アンソニーは自身の権利を守る必要があります」と、レヴァンドフスキ氏の弁護士であるGoodwin ProcterのNeel Chatterjee(ニール・チャテルジ)氏はTechCrunchに電子メールで送った声明で述べている。

背景

レヴァンドフスキ氏は、2009年のGoogle自動運転プロジェクトのエンジニアおよび創設メンバーの1人だった。このプロジェクトは社内でプロジェクトChauffeur(ショーファー)と呼ばれていた。このGoogleの自動運転プロジェクトは後にスピンアウトしてAlphabet傘下事業のWaymoとなった。今週提出された裁判所の文書によると、レヴァンドフスキ氏はChauffeurプロジェクトに関する仕事に対してGoogleから約1億2700万ドル(約137億円)を受け取っている。

レヴァンドフスキ氏は2016年1月にGoogleを去り、他3人のGoogle出身者、Lior Ron(リオ・ロン)氏、Claire Delaunay(クレア・ドロネー)氏、Don Burnette(ドン・バーネット)氏とともに、自動運転トラックの会社であるOttoを立ち上げた。UberはOttoの創業から8カ月も経たないうちに買収した。

最近の申し立てによると、Uberは買収が完了する前に外部のフォレンジック調査会社であるStroz Friedbergを雇い、レヴァンドフスキ氏と他のOtto従業員の電子機器を確認するなどのデューデリジェンスを実施した。調査の結果、レヴァンドフスキ氏が自分のデバイスにGoogleに属するファイルを所有していたこと、および証拠が破壊された可能性があることが判明した。

Uberは法科学的な証拠にも関わらず、以前の雇用に関連してGoogleから提起される訴訟からレヴァンドフスキ氏を保護する広範な補償契約に同意している。レヴァンドフスキ氏は受け取った補償金1億2700万ドル(約130億円)の一部または全部をGoogleが取り返そうとするのではないかと危惧していた。

その予想が実現するのにそれほど時間はかからなかった。買収の2カ月後、Googleはレヴァンドフスキ氏とロン氏に対して2件の仲裁要求をした。Uberはどちらの仲裁の当事者でもなかった。しかし、レヴァンドフスキ氏を擁護する補償契約に基づき、巻き込まれることになった。

Uberはその義務を受け入れ、レヴァンドフスキ氏を弁護した。仲裁が行われている間、Waymoは営業秘密の盗難を理由に2017年2月にUberに対して個別に訴訟を提起した。裁判となり和解に至ったこの訴訟でWaymoは、レヴァンドフスキ氏が企業秘密を盗み、それをUberが使用したと主張した。この和解でUberは、Waymoの秘密情報をUberのハードウェアとソフトウェアに組み込まないことに同意した。また、UberはシリーズG-1ラウンド720億ドル(約7兆7600億円)の評価ごとに、Uber株式の0.34%を含む和解金を支払うことにも同意した。当時の計算で、これはUberの株式で約2億4480万ドル(約264億円)に相当した。

一方、仲裁委員会は2019年3月にGoogleの元従業員それぞれに対して仮仲裁裁定を下し、レヴァンドフスキ氏に対する判決は1億2700万ドル(約136億円)となった。この判決にはレヴァンドフスキ氏とロン氏が共同で責任を負う100万ドル(約1億780万)も別途含まれている。Googleは、利息、弁護士費用、その他費用の要求を提出し、12月に最終的裁定が下された。

ロン氏は2月に970万ドル(約10億4500万円)でGoogleと和解したが、レヴァンドフスキ氏は判決に異議を唱えた。サンフランシスコ郡高等裁判所は3月に彼の申し立てを棄却し、レヴァンドフスキ氏が責任を負う仲裁合意を彼が遵守することを求めるGoogleの申し立てを認めた。

Googleとレヴァンドフスキ氏、Uber間の法廷争いが進められ、レヴァンドフスキ氏は刑事起訴された。2019年8月、彼はGoogleで働いていた間の33件の営業秘密の窃盗および窃盗未遂について連邦大陪審により起訴された。先月、レヴァンドフスキ氏は米国地方検察官と法的合意に達し、営業秘密の窃盗1件の罪を認めた。

これから

レヴァンドフスキ氏の弁護士は、最終判決が彼に対して下されたとき、Uberはその補償契約を果たさなかったと主張している。レヴァンドフスキ氏はUberが支払いを拒否したため、連邦破産法第11条を申請せざるを得なかったと語った。

「Uberとレヴァンドフスキ氏は補償契約を締結していますが、Uberが最終的にそのような補償に責任があるかどうかは、同社とレヴァンドフスキ氏間で係争になる可能性があります」とUberは述べており、SECに提出された年次報告書でも同様の表現を使用している。

レヴァンドフスキ氏の法務チームがUberに仲裁を強制するよう裁判官を説得できたとしても、結果が肯定的であるとは限らない。仲裁には数カ月かかることがある。最終的に、レヴァンドフスキ氏が敗訴する可能性もある。しかしこの申し立てにより、レヴァンドフスキ氏は、法律用語を利用してではあるが、発言することでGoogleとUberでの彼の雇用の詳細を共有することができる。それらの中には、Googleの従業員を採用するレヴァンドフスキ氏の活動についてUberが何を(そしていつ)知っていたか、およびレヴァンドフスキ氏が彼のノートパソコンにダウンロードしてフォレンジック調査中に発見された情報に関する詳細が含まれる。

Uberとレヴァンドフスキ氏の間の最初の亀裂は、裁判所文書の時系列によると、2018年4月に発生している。申し立てで示された主張によると、このときUberはレヴァンドフスキ氏に対し、仲裁で彼を弁護するためにかかった費用の返還を要求する意思があると伝えている。当時Uberはレヴァンドフスキ氏に対し、返還要求の理由の1つはレヴァンドフスキ氏が「黙秘権の不当に広範囲な行使を通じて自身の供述で証言を拒否した」ためであると述べている。レヴァンドフスキ氏はGoogleとの仲裁中、黙秘権を供述に使用している。

裁判所文書によると、Uberはレヴァンドフスキ氏に黙秘権を放棄して仲裁中に証言することを要求したことはない。レヴァンドフスキ氏は、Googleと仲裁委員会に対して、彼が証言する意思があることを直ちに通知し、仲裁審問の前に供述することを申し出たと語った。

■Uberに仲裁を強制するために米国破産裁判所に提出されたアンソニー・レヴァンドフスキ氏の申し立て)
Levandowski-Uber Motion to Compel by TechCrunch on Scribd

画像クレジット:Justin Sullivan / Getty Images

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(翻訳: Dragonfly)

Waymoも新型コロナの影響で全自動運転車サービスを停止

Waymo(ウェイモ)は自動運転車のパイロットサービスの一部停止期間を延長し、これには完全無人運転車のテストも含まれることを、米国時間2月20日の金曜日に認めた。Alphabet(アルファベット)傘下のWaymoはすでに、セーフティードライバーが同乗する自動運転車の運用を停止しているが、新型コロナウイルスの拡散の可能性を最小限に抑えつつ、完全自動運転車のテスト走行を続ける予定だった。

これらの完全自動運転車は、フェニックスにおける公共配車サービスの顧客と、地域配送サービスのパイロットプログラムとして利用されている。これらの事業も停止するという同社の決定は、Waymoが3月17日に最初の決定を下して以来、さまざまな州でますます厳格な移動と労働に関する制限をもたらしてきた、米国におけるCOVID-19こと新型コロナウイルス感染症の状況に対する一貫した危機感の高まりを反映していると思われる。

またWaymo以外にもCruise、Argo AI、Pony、ai、Uber(ウーバー)などが自動運転車のテストを一時停止している。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

Waymoが新型コロナ対策で完全ドライバーレスを除くロボタクシーサービスを停止

Waymoは3月17日、新型コロナウイルス(COVID-19)流行を受けて、フェニックスエリアで展開しているWaymo Oneサービスの一時取りやめを明らかにした。このサービスは、訓練を受けたセーフティオペレーターが運転席に乗り込んでいる自動運転車の配車をユーザーが依頼できるというものだ。同社はまた、カリフォルニアでの公道試験も中止している。

しかしウェブサイトでの発表によると、Waymoは一部のオペレーションを継続している。それは、セーフティドライバーを必要としない完全ドライバーレス車両だ。これらのドライバーレス車両は、一部のメンバー向けのアーリー・ライダー・プログラムの一環としてフェニックスで展開されている。

Waymoアーリー・ライダー・プログラム、Waymo Oneサービスどちらも、チャンドラーやテンペなどの郊外を含む限定区域内でフェニックス住民を輸送するのに自動運転のChrysler Pacificaミニバンを使用している。昨秋まではこれらの「自動運転乗車」すべてで運転席にはセーフティドライバーが乗り込んでいた。

昨年10月、Waymoはアーリー・ライダー・プログラムのメンバーに、セーフティドライバーが乗り込まないドライバーレス車両による乗車の提供を始めた。

Waymoはドライバーレス車両をきれいに保つ策を強化した、と話す。車両は1日に数回清掃・消毒される。また、乗車する人が利用できるよう、全車両に消毒製品を備え付けた。

以下が発表全文だ。

我々のライダー並びにWaymoコミュニティ全体の健康と安全のために、新型コロナウイルスの状況を鑑みて、Metro Phoenixでの訓練を受けたドライバーが乗り込むWaymo Oneサービスを当面取りやめる。

ローカルデリバリーやトラック輸送とともに、フェニックスでの完全ドライバーレスオペレーションはアーリー・ライダー・プログラムとして継続される。

適切な距離を保つことの重要性を認識し、またCDCや地元当局が共有している衛生ガイドラインを守りながら、我々はライダーやパートナーのためにドライバーレス、デリバリー、トラッキングのサービスを提供する。ドライバーを取り除くことは、移動をより安全なものにするだけでなく、こうした不安定な状況でライダーの健康をサポートするのにも貢献する。

我々は今後も注意深く新型コロナウイルスの状況を見守り、サービスに変更が生じる場合はライダーにお知らせする。それまでは我々のライダー・サポートチームがあらゆる質問に答える。

Waymoスタッフ一同みなさんの健康を願っている。

こうした動きは、新型コロナウイルス感染拡大を抑制しようと特別対策を取っている国のガイダンスに基づくものだ。また、少なくとも1件の事案が影響している。その事案とはWaymo One車両のドライバーが、新型コロナウイルス感染例が確認されたと聞いたためにアリゾナ州チャンドラーにあるIntel(インテル)のキャンパスでのピックアップを拒否したというものだ。

カリフォルニア州外での輸送やトラックテストを含むUPSとのパートナーシップは継続される。

画像クレジット:Dllu / Wikimedia Commons under a CC BY-SA 4.0 license

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(翻訳:Mizoguchi

Waymoが自動運転車の次世代技術をJaguar I-Paceで試験中

2年半ほど前Waymo(ウェイモ)のエンジニアらは、前世代を改良し、そして自動運転の乗用車からセミトラックまでさまざまな車両に対応する能力のあるハードウェアセンサーの開発に着手した。

そしていまWaymoは、手始めに全電動のJaguar I-Pace車両でこれまでの取り組みの成果を披露している。

Waymoは次世代のハードウェアシステムをJaguar I-Paceに搭載し、機械学習モデルを訓練するためのデータ収集に活用している。今後は運転席にセーフティードライバーが乗り込んだ自動走行モードでのJaguar I-Paceテストを開始する。マイルストーンを達成したら、大きなトレーラートラックに着手する。公道でのI-Pace試験は今後も継続され、ゆくゆくはWaymoの社員が配車を依頼して乗車できるようになる。最終目標はI-Paceを現在フェニックスエリアで展開されているWaymo Oneサービスに組み入れて展開することだ。

これはWaymoの第5世代ハードウェアだ。研究と開発に10年以上かけられ、前世代のものよりも高性能なはずだ。Waymoによると、実際そうだという。

もちろん、自動運転車両を商業展開するビジネスのために、最も有能でしっかりとしたハードウェアを製造することは、たとえ多額のコストがかかったとしてもそれは問題ではない。新たなハードウェアのコストは前世代の半分で、デザインと製造過程のシンプル化によりコスト抑制を達成している。

次世代ハードウェアはラボではなくライン製造される。ただし、Waymoはどこで製造するかは明らかにしていない。これらハードウェア一式のインテグレーションはデトロイトにあるWaymoの施設で行われる。

こうした改良には資金が必要だ。開発、テスト、有効化、そしてゆくゆくは対応した自動運転車両の商業展開にかなりの資金が注がれる。絶えず現金を必要とするために、AVスタートアップの数社は撤退した。

Alphabet(アルファベット)傘下の企業として、Waymoは他社とは少し異なった、そして居心地のいいポジションにいる。だからといって資金調達をしなくていいわけではなく、Waymoは22億5000万ドル(約2370億円)を調達した。同社は先週、Silver Lake、Canada Pension Plan Investment Board(カナダ年金制度投資委員会)、Mubadala Investment Companyがリードする投資ラウンドを発表した。これはWaymoにとって初の外部からの資金調達で、Magna、Andreessen HorowitzAutoNation、そして親会社のAlphabetも参加している。

次世代テックの中身

一連のハードウェアはカメラ29台を含む新しいビジョンシステムを有する。これにより視野をオーバーラップさせて道路のあらゆる方角の視野を確保し、500メートル先の停止サインもとらえることができる。

Waymoはまた、より自動運転車に適するよう、レーダーのアーキテクチャや信号出力、シグナル処理能力のデザインにも変更を加えた。

Lidar(light detection and ranging radar、光による検知と測距)はWaymoのハードウェアの重要な部分だ。同社は能力の改善とコスト抑制のためにLidarの開発に時間、人、資金とかなりのリソースを注入した。Lidarは自動運転の根幹をなすものであり、2017年に同社は前Google(グーグル)エンジニアのAnthony Levandowski(アンソニー・レヴァンドフスキー)氏によって企業秘密が盗まれ、Uberがその秘密を使用したとして、Uberを相手取って訴訟を起こした。

Lidarは第5世代システムと変わらない。基本的には周囲の3D図を提供するデジタル画像化のフォームであり、それが主な機能だ。しかし重要な変更も加えられた。

Waymoは、周囲360度の視野を確保するために中距離Lidarと長距離Lidarを1つのルーフトップユニットに結合させた。同社はまた、新たに周囲の長さを計測するセンサーを開発した。これは車両の4カ所に設置する。これらの短距離Lidarは画像解像度と精度を高めるためのもので、近接物体感知と回避が必要になったときスピードを緩めるのに最も有用だ。

こうした短距離Lidarのアップグレードは、Waymoの自動運転車両を向上させるという野心以上のものとなっている。同社は2019年3月に短距離センサー(Laser Bear Honeycombというものだ)を自動運転車両以外の産業向けに販売する計画を発表した。

当時、Waymoは最初にロボティクス、セキュリティ、農業テクノロジーに照準を当てると言っていた。こうした販売はWaymoが自動運転テクノロジーをより早く展開し、また大量生産することでセンサーをリーズナブル価格にするのに寄与する、と同社のLidarチームの責任者Simon Verghese(サイモン・ベルギーズ)氏は昨年にMediumで書いている

WaymoはすでにLaser Bearユニット販売で売上を上げていると話したが、具体的な販売台数や販売先は明らかにしなかった。

画像クレジット: Waymo

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(翻訳:Mizoguchi

米裁判所が自動運転技術の元エンジニアにGoogleへ約192億円を支払うよう命じる

自動運転車のエンジニアでスタートアップの創業者でもある、Anthony Levandowski(アンソニー・レヴァンドフスキ)氏は、Uber(ウーバー)とWaymo(ウェイモ)との間で争われている機密情報裁判の中心人物である。このほど同氏は、Google(グーグル)退社を巡る契約問題を収束させるために、1億7900万ドル(約192億円)を支払うよう命じられた。Reuters(ロイター通信)が 最初にこの裁判所命令を報じた

昨年12月、仲裁委員会はレヴァンドフスキ氏とLior Ron(リオール・ロン)氏が不当競争行為を犯し、競合するトラック輸送に特化した自動運転車会社であるOttoを設立するためGoogleを退社した際、同社と交わした契約に違反したという裁定を下した。2017年にUberはOttoを買収した。米国時間3月4日、サンフランシスコ郡裁判所は委員会の決定を承認した。

ロン氏は先月Googleと970万ドル(約10億4000万円)で和解している。しかしレヴァンドフスキ氏は決定に不服を申立てた。サンフランシスコ郡最高裁判所は米国時間3月4日、同氏の申立を却下して同氏に和解契約を守らせるためのGoogleの請願を許可した。

和解金は必ずしもレヴァンドフスキ氏個人が支払う必要はない。この種の義務は会社との契約あるいはその他の奇妙な法律によって、同氏の雇用主に帰せられる場合があるからだ。しかし、同氏は本日付で破産申請をしており、1億7900万ドルの負債は自身の資産額よりはるかに大きいと表明している。同氏の資産は5000万~1億ドルと推定されている。

レヴァンドフスキ氏の代理人は本件についてのコメントを拒んだ。

【編集部注】本稿にはDevin Coldeway(デビン・コールドウェイ)記者が協力した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

自動運転のWaymoが初の外部資金調達で約2430億円を確保

以前はGoogleの自動運転車プロジェクトで、現在はAlphabet傘下となっているWaymo(ウェイモ)は3月2日にSilver Lake、Canada Pension Plan Investment Board(カナダ年金制度投資委員会)、Mubadala Investment Companyがリードするラウンドで22億5000万ドル(約2430億円)を調達したと発表した。

Waymoにとって初の外部資金調達となる。その他の出資者はMagna、Andreessen Horowitz、AutoNationそして親会社のAlphabetだ。

「我々はOEMやサプライヤーパートナー、提携企業、そして世界で最も経験のあるドライバーを構築して展開しようとしているコミュニティとコラボしながら、ミッションに対して常にチームスポーツのように取り組んでいる」とWaymoのCEO、John Krafcik(ジョン・クラフシック)氏は3月2日に投稿したブログの中で述べた。「今日、我々は投資家と重要な戦略的パートナーを加えることでそのチームを拡大する。こうしたパートナーは過渡期にあるプロダクトをつくるのに成功しているテック企業をサポートしたり、投資したりといった何十年にもわたる経験を我々にもたらす。今回注入される資本とビジネスの知見により、世界中でWaymo Driver展開をサポートするために、Alphabetとともに我々は従業員やテクノロジー、オペレーションにさらに投資する」

今回のラウンドは、Waymoが営利企業になろうと努めてきたさまざまな活動に続く動きだ。活動の多くはフロリダのような新ロケーションでのマッピングと、自動運転車両テクノロジーのテストだ。その一方で、カリフォルニア州マウンテンビューや、フェニックスエリアで展開する車両の拡大も続けてきた。

Waymoは長らくテストと、フェニックス郊外での自動運転車両を使ったWaymo Oneと呼ばれるオンデマンド配車サービスの立ち上げに注力してきた。

しかし他方面での拡大も行ってきた。配達や輸送、カスタムライダーセンサー販売開始計画など、自動運転車両技術を応用したロボティクスやセキュリティ、農業テクノロジーなど自動運転車両以外の企業向けの新たな事業の模索だ。

2020年1月、Waymoはテキサスとニューメキシコの一部でマッピングと、自動運転長距離トラックのテストを行うことを発表した。

Waymoはまた買収や提携を通じても事業を拡大させてきた。2019年12月に同社は、オクスフォード大学コンピューターサイエンス部門からのスピンオフであるLatent Logicという英国企業を買収した。同社は、Waymoのシミュレーション研究を強化しうるイミテーションラーニングと呼ばれる機械学習のフォームを使っている。この買収でWaymoは同社初の欧州エンジニアリングハブをオクスフォードに設置する。

2019年春にWaymoは、4月に廃業したロボティックスタートアップのAnkiからエンジニア13人を採用した。このロボティクス専門家の中にはAnkiの共同創業者で前CEOのBoris Sofman(ボリス・ソフマン)氏も含まれる。ソフマン氏は自動運転トラック輸送部門のエンジニアリングを率いている。

Waymoはまた、フランスや日本で商業自動運転車両を乗客輸送と荷物配達でどのように活用できるかを調べる独占的パートナーシップRenault(ルノー)、そして日産と結んだ。

画像クレジット: Waymo

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(翻訳:Mizoguchi

自動運転車のWaymoが小荷物配送でUPSと提携

Waymo(ウェイモ)は、自動運転ミニバンのクライスラー・パシフィカを使用して、米国アリゾナ州フェニックスでUPSの小荷物配達を開始する。これは、配送流通会社のUPSと結んでいる幅広い提携の一環だ。

米国時間1月29日に両社は、フェニックス中心部で自動運転車による集荷のパイロットテストを行うことを発表した。すでにWaymoが自動運転車を運用しているのと同じ地域だ。自動運転ミニバンはUPSの営業所から地域の配送センターに荷物を移動する。このパイロットテストでは消費者への配達は行わない。

これはパイロットだが、目標は「2社が連携していくための長期計画」を協力してつくっていくことだ」と両社ともに語った。Waymoの最高執行責任者であるTekedra Mawakana(テケドラ・マワカナ)氏は、この提携によってWaymoドライバーによる集荷の支援方法の開発を続けることができる」と付け加えた。なお「Waymoドライバー」とは、自社の自動運転車とソフトウェアシステムを指す同社による略称だ。

現在Waymoは600台を超える自動運転車を運行しており、その大部分がアリゾナ州で行われている。Wyamoはパシフィカ・ミニバンの何台かの後部座席を取り外して荷物配送用に改造した。

アリゾナのパイロットでは、Waymoで教育を受けた人間ドライバーが乗車して運行を監視する。

WaymoはUPSが提携した最初の自動運転テクノロジー企業ではない。自動運転トラック会社のTuSimpleは、フェニックスとエルパソの両都市間を毎日2回UPSのために往復している。昨年UPSは、TuSimpleの少数株を取得したことを発表した。両社がアリゾナ州で自動運転トラックのテストを開始してからわずか数カ月後のことだった。

出資はUPSのベンチャーキャピタル子会社であるUPS Venturesが行った。金額は公表されていない。

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Waymoの自動運転トラックがニューメキシコとテキサスでのテストを開始

Waymo (ウェイモ)は米国時間1月23日、米国テキサス州とニューメキシコ州の一部で、自動運転長距離トラックのためのマッピングを開始し、最終的にはテストを行うことを発表した。これがロボタクシービジネスを超えてコアビジネスを拡大しようとしているAlphabet(アルファベット)の子会社の最新の動きだ。

Waymoは、1月23日朝のツイートで、ここが「興味深く有望な商業ルートである」ために、これらのエリアを選んだのだと述べている。またWaymoは同時に、同社の自律運転システムブランドである「Waymo Driver」を、「新しい輸送ソリューションを作成する」ためにどのように使うことができるかを探求したいと述べている。

Waymoによれば、テキサス州は特に貨物輸送量が多いため、主に州間高速道路(インターステート)に集中する予定だということだ。このプログラムは、WaymoのChrysler(クライスラー)のミニバンであるPACIFICA (パシフィカ)を使ったマッピングから開始される。

マッピングと最終的なテストは、ダラス、ヒューストン、そしてエルパソ周辺の高速道路で行われる予定だ。ニューメキシコでは、ウェイモは主に州の南部に焦点を合わせている。

州間高速道路10号線(I-10)は、両州にまたがる重要な高速道路であり、すでにアリゾナ州ツーソンとカリフォルニア州サンディエゴで事業を展開する自律運転トラックスタートアップTuSimpleのテスト区域となっている。TuSimpleは、I-10を使ってツーソンからフェニックスに沿ってテストを行い貨物を運んでいる。同社はまた、ニューメキシコとテキサスのI-10上でテストを行っている。

Waymoはロボタクシーを追求していることが最もよく知られているが、その自律運転システムをクラス8トラックに統合し、2017年8月からアリゾナでのテストを開始している。同社はその年の後半には、アリゾナの道路でのトラックのテストを中止している。だが同社は2019年5月に、アリゾナでのトラックテストを再開した。

アリゾナの初期のテストは、その地域でのトラックの運転に関する初期情報を収集することを目的としていたが、今回のアリゾナでの新しいトラックテストラウンドは「プログラム開発のより高度な段階を示すためのものだ」と当時のWaymoは述べている。

Waymoは、アリゾナ、サンフランシスコ周囲、そしてアトランタを含む米国の数カ所で自律運転トラックをテストしてきた。2018年には、同社は自動運転トラックを使用して、アトランタにあるGoogleのデータセンターに貨物を配送する計画を発表している。

Waymoのトラック輸送プログラムは、この1年間で注目度が高くなっている。6月には、13人のロボット専門家グループを編成している、そのグループの中にはAnkiの共同創業者で元CEOのBoris Sofman(ボリス・ソフマン)氏も含まれており、彼は自律トラック部門のエンジニアリングをリードしている。

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(翻訳:sako)

WaymoロボタクシーのアプリがApp Storeに到着

Waymoの自動運転ミニバンをもっと楽に呼べるようになる。米国フェニックス地区でこのWaymo Oneサービスを開始してから1年後に、同社はiOSアプリを立ち上げる。ということは、同社は徐々に大規模な商用サービスに変わりたいのだ。フェニックスの住民はこのアプリをiPhoneにダウンロードしてユーザー登録をし、これからは直接、同社の自動運転車を呼び出せる。

GoogleからスピンアウトしてAlphabet傘下の企業になったWaymoは、商用ロボタクシーの限定サービスWaymo Oneを2018年12月にフェニックス地区で開始した。そのWaymo One自動運転車サービスと付属アプリは、初乗り客を申し込んだフェニックスの住民だけが利用でき、それは選び抜かれた常連客だけを同社の自動運転ミニバンに乗せることを狙っていた。

4月になると、そのアプリはGoogle Play storeに登場した。そしてWaymo Oneがローンチして1年となる今、ついにApp Storeに現れた。それまでの数か月でアプリはかなり改良され、呼び出しを簡単にしてはやく呼べるようになった。ユーザーはアプリから車のクラクションを鳴らせるので、Waymoの説明によると、視力の弱い人でもピックアップで自分の車を見つけられる。

これでWaymoは、本当に運転者のいない車も利用する本格的な商用サービスに、また一歩近づいた。これまでは、呼ばれたWaymoの自動運転車には必ず人間の安全ドライバーがいて、ハンドルを握っていた。同社は11月に、完全に運転者不在の車の利用を開始した。

関連記事: 運転手のいないWaymoの自動運転配車サービスを利用して感じたこと

実はかなり前から、WaymoにはAndroidとiOSのアプリがある。乗りたいと思った人はWebサイトから申し込んで、そのあとにアプリを入手できた。初乗り客として認められたら、アプリをダウンロードできるところのリンクを教えてもらえる。

こうやってWaymoにお客さんとして認めてもらえても、UberやLyftのような簡単な呼び出しはできない。乗客として認められても、まず待ち行列に並ばなければならない。そしてその後、守秘義務合意に署名してからWaymo Oneの公共サービスへ移行する。それからなら、ゲストを乗せることも、体験を公に語ることも許される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

運転手のいないWaymoの自動運転配車サービスを利用して感じたこと

「おめでとう! この車はあなただけのもの。前列に誰も乗っていません」とWaymo(ウェイモ)のアプリからのポップアップ通知にはある。「この乗車は違ったものになります。車には誰も乗っておらず、Waymoが運転を引き受けます。この無料乗車を楽しんで!」。

ほどなくして、誰も乗っていないChrysler Pacifica(クライスラー・パシフィカ)のミニバンが現れ、フェニックス郊外チャンドラーの公園近くの目的地まで運んでくれる。フェニックスでは、Waymoが2016年から自動運転車両をテストしてきた。Googleの自動運転プロジェクトとして始まり、Alphabet傘下のWaymoは以前にも自動運転車両のデモを実施している。12人以上のジャーナリストがキャッスルにあるWaymoのテスト施設で運転手なしの乗車を2017年に体験している。全盲のSteve Mahan(スティーブ・マーハーン)氏も2015年、オースティンの一般道路でWaymoのFireflyプロトタイプでドライバーレス乗車を体験した。

しかし今回のドライバーレス車両への乗車は異なるものだ。無防備な左折が含まれるだけでなく、混雑した道路やWaymo Oneアプリが使用されるからだ。つまり、ドライバーレス配車サービスの始まりとなる。このサービスは現在アーリーライダープログラムのメンバーが使用していて、ゆくゆくは一般にも提供される。

これは同社が展開を約束し、何年もの間達成できていなかったマイルストーンだ。

WaymoのCEOであるJohn Krafcik(ジョン・クラシク)氏は、2017年にリスボン・ウェブ・サミットでのステージで「完全自律走行車の時代がきた」と宣言した。クラシク氏の自信、それに伴うブログ投稿は、「自律走行に向けた競争はほぼおしまい」であることを暗示した。しかし実際はおしまいではなかった。

クラシク氏のコメントから約2年が過ぎ、コンピューターではなく人間が運転する車両がフェニックスの道路で展開されている。アリゾナでのWaymoのほとんどの自動運転車両の運転席にはセーフティードライバーが乗り込んでいる。そしてごく少数のドライバーなしの車両はテスト使用に限定されてきた。

いくらか進歩はあったものの、ドライバーレスの未来というWaymoの約束は、停滞によって永遠の幻であることを運命付けられていたようだった。しかしそれもこれまでの話だ。

Waymoはどれくらいのドライバーレス乗車を提供するのかは明らかにしないが「オペレーションを引き続き強化する」と表明している。私たちが知っている事実は次の通りだ。アーリー・ライダー・プログラムには数百人の顧客がいて、こうした顧客がサービスを利用できる。アーリー・ライダーはドライバーレス車両の乗車をリクエストはできない。その代わり、ライダーの近くにドライバーレス車がいれば提供される。

もちろん、このマイルストーンには留意点もある。Waymoはこの「完全ドライバーレス」の乗車を特定のエリアに限定して実施している。アーリー・ライダー・プログラムのメンバーは居住地の郵便番号に基づいて選ばれていて、秘密保持誓約書に署名する必要がある。そして乗車は、今のところ無料だ。

私はシートベルトを締め、誰も座っていない運転席を調べたが、それでも不安を感じずにはいられなかった。少なくとも動いている間は。

「これで仕事は終わり」と思うのは間違いだろう。ユビキタスな自律走行をようやく手にしたというより、ドライバーレスモビリティの開発という長いであろう章の始まりだ。

未来的な楽しいドライブ

ドライバーレス車両の乗車は未来的な楽しいドライブのように聞こえる。しかし、人間の不在が多くの実務的、そして心理的な困難を伴うことは初めから明らかだ。

シートに座ってベルトを締めて態勢を整えるやいなや、ドライバーレス乗車についての質問や懸念を解決するため、車は自動的にWaymoの乗客サポートチームにコールする。これは乗車体験における、わずかな人の介在となる。

私は2016年後半から公道を走行する自動走行車両に乗車してきた。そうした乗車の全ては、運転席にセーフティードライバーが乗っているものだった。

時速45マイル(時速約72km)で走る車両の空の運転席を見るのは、あるいは郊外を走りながらハンドルが勝手に動くのを見るのは、当然のことながらシュールなものだ。この感覚は「1カ所を除いてすべてが普通の絵」というような夢に似ている。「人の顔をした時計、ブーツを履いた猫が杖を持って歩いている」というような夢だ。

公園からコーヒーショップまでの10分の乗車は「自動走行」車両のものとかなり似ていた。信号が黄色になった時の左折や、周囲の交通状況に応じてどう加速するかなど、自動運転システムの運転に感銘を受ける時もあった。車両は停止ラインのところで意図的に少しずつ前に進むという、人が行うような運転スキルをマスターしているようにも思えた。

過度に注意深いスペース感覚、必要以上の経路探索といったいくつかの典型的なクセだけが、コンピューターがコントロールされているという事実に反した。典型的な乗客、特に運転チューリングテストのバージョンを定期的に練習しない人はそうした癖に気づかないかもしれない。

「十分安全」はどれくらい安全?

公道を走行する完全ドライバーレス車に私を乗車させるというWaymoの決断は、同社の自信を示している。しかし同社はその自信の元を強調することができなかった。

WaymoのプロダクトディレクターSaswat Panigrahi(サスワット・パニグラヒ)氏は、Waymoがチャンドラーでにおいてドライバーレスでどれくらい走行してきたか、そしてWaymoドライバーが完全ドライバーレス乗車のリスクに対応できるほどに「十分安全」だったことを証明する特定のベンチマークを明らかにするのは却下した。現実世界における1000マイルと、シミュレーションでの100億マイルを引用しながら、 Panigrahi氏はWaymoの自信は「全体論の絵」から来ている、とした。

「自律走行運転は一つのメトリックだけに頼れないほどに複雑なものだ」とPanigrahi氏は話した。

自立走行分野に関して最もある疑問が「十分安全というのがいかに安全なのか」ということであることを考えた時、それはたとえフラストレーションがたまるものであっても、道理にかなった議論だ。私のドライバーレス乗車がWaymoの幅広いテクニカル面での熟達を、または比較的難しくないルートで単なる自信を反映しているかどうかは、なんとも言えない。

Waymoのドライバーレス乗車は現在のところ無料で、チャンドラー、メサ、テンピーの一部を含む限定されたエリアで提供されている。ドライバーレスの範囲はWaymoがフェニックス郊外で提供しているスタンダードな乗車の範囲よりも狭い。これは、自信のレベルがまだ、かなり状況によって異なることを示唆している。セーフティードライバーが乗り込んだWaymo車両ですら、配車サービスで最も人気の目的地の1つである空港への乗車提供は行なっていない。

ドライバーレスの複雑さ

Panigrahi氏はドライバーレス乗車の増加についての質問をそらし、数字は増え続けていて、今後も増加が見込まれると述べるにとどまった。Waymoは全部でおおよそ600台の自動運転車両を保有している。同社によると、それらの大半はフェニックスにある。

しかしながら、Panigrahi氏は車両台数の制限は、研究から得たことをアーリー・ライダーの体験に活かすためだと明らかにした。

「これは、他の誰かから学ぶことができない体験だ。本当に新しいものなのだ」とPanigrahi氏は述べた。

ドライバーレスモビリティの最も難しい課題は、運転席に誰も乗っていない状況に乗客が接したときのみ発生する。たとえば、ドライバーレスのWaymoが緊急車両を感知して脇に車両を停め、緊急サービスがコントロールすることを可能にするテクノロジーやプロトコルを開発するのは、集中的なテストと地元当局とのコラボを必要とする複雑なタスクだった。

「これは、完全ドライバーレスを実施する前に取り組んでいたことだった。私たちはあまり心配していない」とPanigrahi氏は話した。

ユーザーの体験はドライバーレス配車サービスの別の要点となる。Waymoがかなりの時間とリソースを注いできたエリアだ。ドライバーがいなくなると、ユーザーの体験はかなり困難な課題を抱えることになる。

ピックアップやドロップオフ、行き先の変更など、乗客とUberまたは Lyftドライバーとの間で交わされる毎日のやり取りは、ドライバーがコンピューターの場合複雑なものになる。Waymoのユーザー体験研究のチームがまだ取り組んでいると認める分野だ。

走行レーンを維持したり、障害物を避けたりといった特定の運転能力において、コンピューターとセンサーはすでに人間を上回っているかもしれない。しかし人間が備えるフレキシビリティと適応能力に欠けている。

人間はあまり努力しないでもできることだが、いかに複雑な状況をコントロールしたり回避したりできるか、という学習はかなりの経験とテック企業が嫌っていると思われる行動心理学のような分野の研究を要する。

テックの問題だけではない

Waymoの初期のドライバーレス乗車は、テクノロジーだけでは解決できない新たな課題が満載の開発新段階の始まりを意味する。人間の行動の研究、都市部の道路の端での確率的な相互作用におけるノウハウの構築、そして地元当局との関係とプロトコルの向上は、すべてかなりの時間を要するものだ。これらはWaymoがテクノロジーだけで取り組める課題ではなく、他人を理解できる人間による骨の折れる作業を要する。

こうした課題のいくつかは、比較的簡単だ。たとえば、ウォルマートの入り口にかなり近いところで客を降ろすのは実際にはかなりの歩行者がいるためにあまり利便性のいいものではない、ということをWaymoが認識するのに時間はさほどかからない。しかし、ピックアップとドロップオフが1つの原理(たとえば入り口近くがいい、というものなど)に基づかないことを理解するのは、Waymoの車両がマスターすべき、密かな難題となる。

自動運転の拡大ペースは遅く、フラストレーションがたまるが、Waymoがそうした課題を抱え、解決するために時間をかけているという事実は心強い。

自動運転テクノロジー開発の初期段階では、コンピュータードライブの製造という、純粋にテクニカル的な課題にフォーカスしていた。Waymoのコンピューター“ドライバー”を社会に組み込むには、人々が互いに、そして周囲の環境とどのようにやり取りすかという、よりミステリアスで複雑なものを理解することが要求される。

自動走行モビリティが根本的にいかに我々の社会や町に影響を及ぼすかを考えたとき、テクノロジー業界を引っ張るデベロッパーの1つが人々を理解し、受け入れるのに時間を費やしているというのには安心感を覚える。

【編集部注】筆者のEd Niedermeyerは、作家・コラムニストでポッドキャスト「The Autonocast」の共同主宰者。今年8月に「The Unvarnished Story of Tesla Motors」を出版した。

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(翻訳:Mizoguchi)

WaymoがB2Bでの自動車部品の配送試験へと自動運転サービスを拡大

自動運転技術を開発するWaymo(ウェイモ)は米国時間10月29日、自動車販売会社のAutoNationとのビジネスを拡大したと発表した。この提携は、Waymoがアリゾナ州フェニックスで車両サービスを提供し、AutoNationの顧客が販売店に向かう際にWaymoが自動運転による輸送手段を提供するという、昨年のWaymoとAutoNationによる既存の提携に基づいている。

現在、このパートナーシップは第3段階、つまりB2B輸送でのプロダクト輸送に移行している。アリゾナ州フェニックスのWaymoの車両は、AutoNationのToyota Tempeと同地区のサードパーティーによる修理店舗との間で、自動車部品の輸送に使用されることになる。

Waymoは主に乗客の輸送に注力しており、許可を得て自動運転車を使った試験配車サービスをフェニックス試験地区で開始し、運用している。Alphabet(アルファベット)傘下の同社CEOのJohn Krafcik(ジョン・クラフティック)氏は、日曜日(10月27日)にデトロイトにて記者に対し、無人での配送は乗客輸送よりも早く実現する可能性が高いと語り、日常的に繰り返し輸送される商品の配達ルートでの最新の試験に、Waymoが取り組んでいる理由を説明した。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Waymoが交通渋滞を深く把握するためロサンゼルスの3Dマップを作成中

Alphabet(アルファベット)傘下で自動運転車を開発するWaymo(ウェイモ)は、ロサンゼルスの渋滞をより深く理解し、その技術が同地に適しているかどうかを判断するため、交通量の多い一部の地域で3Dマップの作成を開始した。

今のところ、Waymoは自動運転のクライスラー・パシフィカのミニバンを3台だけロサンゼルスに持ち込み、ダウンタウンとミラクル・マイルとして知られるWilshire Boulevardの一部を地図化している。

Waymoの従業員はまず車両を運転し、街の3Dマップを作成する。これらのマップは、GoogleマップやWazeとは異なる。Waymoによると、道路の種類や距離、寸法だけでなく、車線の合流点、共通のターンレーン、縁石の高さなどの地形的特徴も含まれる。これらのデータは標識や横断歩道の長さ、信号の位置などの道路情報と組み合わされる。

Waymoはカリフォルニア州で自動走行車両をテストする許可を得ており、ロサンゼルスにて車両を展開することも可能だ。しかしこれまで、同社はマッピングと調査を実施している。Waymoがロサンゼルスに進出する目的は、ロサンゼルスの交通事情や、同社のAV技術が将来どのように利用されるかを知ることだ。
WaymoはPhoenixの郊外で運用しているWaymo Oneのような、乗車プログラムをローンチする計画はないと伝えている。Waymo Oneでは、人間のセーフティードライバーがハンドルの前に控える自動運転車に乗車可能だ。

Waymoは自動運転車のテストをカリフォルニア州のMountain Viewとその周辺で開始し、その後にミシガン州のNoviやMich、ワシントン州のKirkland、サンフランシスコ、そして最近ではフロリダ州でも実施している。しかし、同社の活動の大部分は日差しが強く、また埃の舞うPhoenixの郊外とMountain Viewで進められてきた。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

Waymoが研究コミュニティが無償で津かっる自動運転のオープンデータセットをリリース

Waymo(ウェイモ)は、その重要な自動運転の蓄積データを、新しいOpen Data Setとして開放し、研究目的での利用を可能にする。このデータセットは商用利用向けではないものの、その「研究」の定義は極めて広く、大学はもちろん、他の企業の研究者も対象になっている。

昨年Waymoに入社する前に、ZooxとGoogleの両社に勤めていたこともある、Waymoの主任科学者兼研究責任者であるDrago Anguelov(ドラゴ・アンゲロフ)氏によれば、このデータセットは「これまで研究向けにリリースされた自動運転データセットの中で、最大かつリッチで、最も多様なものの1つ」だということだ。アンゲロフ氏は、ブリーフィングの中で、このデータ提供を推進し始めた理由を、この分野で仕事を進めているWaymoやその他の企業たちが「適切なデータセットが不足しているために、現在動きが鈍くなっているから」だと述べた。

「私たちは、最終的に学界の研究者たちが適切な質問を発することができるように、私たちのできる寄与を行うことを決断しました。そのためには研究者たちは適切なデータを必要としているのです」とアンゲロフ氏は語る。「そして私は、このことはこの分野にいるすべての人を助けることになると思います。私たち自身がこうした課題を解決できないと言っているわけではありません。しかし、効率、拡張性、必要なラベルの量に関しては、改善の余地が常にあります。これは発展途上の分野なのです。現状を考えると、あまりインパクトのない仕事を行うのではなく、主に他者を巻き込んで、私たちの問題を考えてもらい、私たちと一緒に仕事をしてもらおうとしているのです」。

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WaymoのOpen Data Setは、路上の自動運転車によって収集された1000個の運転セグメントを研究者たちに提供することで、ギャップを埋めようとしている。それぞれのセグメントは20秒の連続運転のデータを表したものだ。含まれる運転データには、アリゾナ州フェニックスで行われたもの、ワシントン州カークランドのもの、カリフォルニア州マウンテンビューのものが含まれる、そしてまた夜間や雨天、夕暮れ時などの様々な運転条件のものも提供されている。セグメントには、Waymo製の5つのライダーから収集されたデータと、正面および側面を向く5つの標準カメラのもの(高解像度でキャプチャされた360度のビューを提供)、そしてWaymoがライダーと画像データを融合するために使う同期データが含まれる。車両、歩行者、自転車、そして標識などの対象物にはすべてラベルが付けられている。

これまでのWaymoは、特にその収集されたデータに関してはより閉鎖的な企業の1つであり、その長い経験こそが競争上の優位性であることをしばしば口にするプレイヤーでもあった(Waymoは、当初GoogleのX Labとして、2009年に公式に産声を挙げた)。同社はまた、自動運転技術のライバルであるUberが、Waymoの元チームメンバーを雇用した際には、Uberとの間で知的財産権に関する有名な法廷闘争を行った。当然のことながら、このデータが実際にどのくらい「オープン」に利用できるかについて、懐疑的な人もいるだろう。

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Waymoの製品リーダーであるVijaysai Patnaik(ビジェイサイ・パトナイク)氏によれば、「研究」利用は多くの分野をカバーしていると説明する。ご想像のとおり、データセットには特定のライセンス契約が伴うがが、パトナイクは、ブリーフィング中に、誰がデータをどのような目的で利用するのかについて、彼らがどのように想定しているのかも説明した。

「想定されているのは、例えば学部やPhDの学生たちや、この分野に興味を持っている様々な大学の教授たちです、そして独立研究機関や、ロボット研究所なども含まれるでしょう」とパトナイク氏は語った。「ベイエリアにはそうした人たちがたくさんいます。【中略】企業は、ライセンス契約に準拠している限り、このデータセットを使用できます。あるいはドラゴ(アンゲロフ)のような個人や、他の組織内の彼のチームなども対象に含まれるでしょう」。

自動運転に取り組む他の企業も似たようなアプローチを採用しており、最近の例としてはLyftArgo AIの2つが挙げられる。とはいえWaymoは路上の実際の走行時間と走行距離に関して、この分野では圧倒的な優位を誇っている。このため自動運転と関連するロボット分野(コンピュータービジョンを含む)の研究者たちは、おそらく彼らのリリースするものを見たいと熱望するだろう。

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(翻訳:sako)

ダーウィンの進化論に倣って自動運転車のAIを訓練するWaymoとDeepMind

Alphabet傘下で自動運転とロボタクシーの会社であるWaymoは、自動運転車のソフトウェアを強化するために人工知能を改良し、進化させるための訓練に力を入れている。最近同社は、やはりAlphabet傘下でAIを専門とするDeepMindと協力して、新たな訓練方法を開発した。質の高い訓練を効率的にできるようにすることを目指したもの。

両社が協力して開発した訓練方法は、Population Based Training(PBT、集団に基づく訓練)と呼ばれている。これは、より良い仮想ドライバーを育成するというWaymoの課題に対応するために考えられた方法で、その成果は印象的なものとなった。DeepMindがブログ記事で明らかにしたところによれば、PBTはWaymo車両が搭載する多くのセンサーによって発見された歩行者、自転車、バイクを認識して、それらの周囲に箱を描くニューラルネットワークで、誤認識が24%も減少したという。そのうえ、訓練に必要な時間とリソースの両方を削減することもできた。Waymoがこれまで採用していた標準的な方法に比べて、いずれもほぼ半減することができたという。

ちょっと戻ってPBTとは何かについて見てみよう。これは基本的に、ダーウィンが唱えた進化の仕組みからヒントを得た訓練方法だ。基本的にニューラルネットは、何かを試してみて、その結果を何らかの標準に対して評価し、その試みが期待した成果に比べて、より「正しい」か、より「間違っている」かを確認する。Waymoが使用していた訓練方法では、同じタスクに対して独立して動作する複数のニューラルネットを走らせていた。それらは、いわゆる「学習率」が異なるように設定されていた。言い換えれば1つのタスク、例えば画像の中の物体を認識するようなタスクを試みる際に、毎回アプローチに変化をつけられるようにしていた。学習率が高いほど、結果の質の変化も激しい。かなり良い結果が出ることもあれば、ものすごく悪い結果となることもある。一方、学習率が低いと進歩は緩やかとなる。急激に改善されたりする可能性は低いのだ。

このような比較による訓練は膨大なリソースを必要とし、どれが正しい答えを出したかということを判断するためには、担当エンジニアの直感に頼る必要があった。またエンジニアは、ダメなニューラルネットを「間引き」して、より良い結果を出すニューラルネットに処理能力を割り振るために、関連するコンポーネントを大規模に手動で検索する必要もあり、非常に労力がかかるものだった。

DeepMindとWaymoが、この実験によって試したのは、基本的にその間引きのプロセスを自動化すること。つまり、成果の上がらない訓練を自動的に切り上げて、そのタスクに対して最高の成果を発揮したニューラルネットから派生した、より見込みのあるものに置き換える。そこが、進化の過程に似ているというわけだ。いわば、人工的に「自然淘汰」を起こさせる。それこそが、この方法のキモとなる部分だ。

この方法に潜む落とし穴を回避するために、DeepMindは予備的な研究の後で、やり方を少し修正した。たとえば、モデルの評価を高速化し、15分間隔とした。また、確固とした評価基準とサンプルセットを作成し、テストによって現実の世界でも良好な性能を示すニューラルネットが生成できるようにした。訓練のために与えられた特定のデータに対してだけ、良好なパターン認識エンジンとして機能するようなものではない。

最後に両社は、一種の「孤立集団」によるアプローチも開拓した。限定されたグループの中でだけ、互いに競い合うニューラルネットの亜母集団を作ったのだ。つまり、島に取り残されたりして、大きなグループから切り離された動物の集団のようなものだ。大陸にいる親類と比べて、異なる特徴を発達させ、時にはよりうまく適応した特性を示すこともある。

すでに私たちの日常生活に組み込まれている技術に対して、深層学習と人工知能が実際にどのような影響を与え、さらに人間の生活に食い込んでくるのか。見ているだけでも、極めて興味深い。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

カリフォルニア州がWaymoに自動運転タクシーによる乗客輸送を許可

Googleの社内ベンチャーとしてスタートしたWaymoだが、現在はAlphabet傘下の独立の企業に成長し、収益化を目指している。TechchCrunchは同社がこのほどカリフォルニア州当局から自動運転タクシーで実際に乗客を運ぶ許可を受けたというニュースをつかんだ。これはWaymoが商用サービスを実現する上で画期的な出来事だ。

米国時間7月2日にカリフォルニア州公共サービス委員会(CPUCは、州の実験的プログラムである自動運転車乗客サービスにWaymoが参加することを許可した。同社もこれを確認し、広報担当者はこの許可の意義と同社の目指すところについて次のようにコメントした。

CPUCの決定により、我々はこのパイロットプログラムに参加できることとなった。社員はサウスベイ地区内でWaymoの自動運転車によるタクシー業務を実施し、乗客を運ぶことができる。Waymoの自動運転テクノロジーへのアクセスをさらに多数のカリフォルニア住民に普及するという目標に向けての次のステップが実現した。当社はすでにアリゾナ州フェニックス地区でWaymo Oneによってこうしたサービスを提供している。

CPUCから得た許可は、すでにカリフォルニア州自動車局から受けている許可とは異なる。こちらは自動運転車を州内公道でテストすることを許可するもので、60社がこの許可を得ている。

今回得たのはWaymoが自社の自動運転車(現在はChrysler Pacificaハイブリッド、今後はJaguar I-PACE電動車)を用いて乗客を輸送する許可だ。ただしいくつかの制限が課せられる。料金を得ることはできないし、安全を確保するために人間のドライバーが運転席にいることを必要とする。また乗客を乗せて走行した距離や安全措置などの詳細をCPUCに報告しなければならない。

また安全ドライバーは自社の社員でなければならないという条項に関して、CPUCはWaymoが申請していた適用除外を承認した。これにより同社はサードパーティーに安全ドライバーの派遣を委託できる。この点についてWaymoは「安全ドライバーの一部は自社の正社員が加わるが、Waymoが計画しているような実験の規模の場合、非常に多数の安全ドライバーが必要となる。これは自動運転車の安全確保に専門化し高度なノウハウを持つサードパーティーと契約することによって効率的に実現できる」と申請書で述べている。

Waymoは安全ドライバーは全員が同社独自のトレーニングプログラムを受講すると述べた。

自動運転車によるタクシー業務の実験に参加する許可を得たのはWaymoが初めてではない。昨年12月にZooxが最初の許可を受けた後、Pony.ai、AutoXも参加が認められた。

Waymoはカリフォルニア州で長年自動運転車を実験してきた。ただしタクシー業務の実験を始めたのはアリゾナ州だった。これはカリフォルニアに比べて許可を受けなければらない規制の数が少なかったからだ。

Waymoは自動運転車に関する技術センターをアリゾナ州チャンドラーに設け、2016年以来テストを繰り返している。その後Waymoは自動運転タクシー業務の商用化に向けてテストを前進させ、2017年4月には実際に乗客を運ぶテストを開始した。これにより実験の幅が大きく広がった。

昨年12月にアリゾナ州フェニックス地区で開始されたWaymo Oneは商用タクシーサービスの実験で、乗客に料金を請求できる。ただし依然としてWaymoで訓練された安全ドライバーの乗務を必要とする。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Waymoが自動運転車でのLyft客ピックアップを開始

自動運転開発企業のWaymoが、ごく少数の車両を使ってフェニックスのテストゾーンでLyft客のピックアップを開始したとCNBCが報じた。これを利用するには、乗車をリクエストするLyftユーザーは、指定されている自動運転のテストゾーンであるフェニックスのエリア内で乗降しなければならない。

このトライアルに使用されているWaymoの車両は10台以下で、Waymoはゆくゆくは計10台以上にする計画だが、当面はまだだ。これは、このオプションを利用すると見込まれる人がそれほど多くはないことを意味する。しかし、利用を選択すれば、Waymoのバン(セーフティードライバーが乗車する)か、従来のLyft車両かを選べるようになる。

WaymoLyft5月に提携を発表しているが、WaymoはLyftとの提携と並行して、自動運転車による自前の配車サービスの展開も継続するつもりだ。

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(翻訳:Mizoguchi)