Waymoが無人ロボタクシーサービスをサンフランシスコの従業員に提供

Alphabet(アルファベット)の自動運転部門のWaymo(ウェイモ)は米国時間3月30日、サンフランシスコの従業員に完全自律走行車による乗車の提供を開始したと発表した。

Waymoは、プレシディオからキャンドルスティックポイントの最奥部まで広がる「サンフランシスコの初期サービス領域」内で、乗客だけが乗り込む運行を開始し、そこから徐々に拡大していく予定だ。

このニュースの約1カ月前には、同社はカリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)から許可を取得後、人間のオペレーターを乗せたロボタクシーの乗車でベイエリアの住民に課金し始めると発表した。また、8月にはWaymoのTrusted Testerプログラムが始まった。このプログラムでは、サンフランシスコの人々が登録して、やはり人間のオペレーターを乗せたWaymo Driver搭載の全電動自動車ジャガーIペースを無料で呼び出すことができるようになった。

サンフランシスコは、Waymoとその最大のライバルであるGM(ゼネラルモーターズ)の自動運転子会社Cruise(クルーズ)との間で、ある種の戦場と化している。Cruiseは2022年2月上旬、自社の完全自律走行の配車サービスの一般提供を開始したが、乗車料金を徴収するためには、まだCPUCの許可を得る必要がある。Waymoは、最終的にドライバーレス乗車で課金するための許可をすでに申請しているかどうかについては明らかにしなかった。

ただし、アリゾナ州フェニックスでは、CruiseはWalmart(ウォルマート)と共同で自律走行配送の試験運用を行っている。最近その試験運用は拡大されたものの、Waymoはロボタクシーの優位性を確立している。同社は2016年からフェニックスでテストを行っており、2020年にはそこで完全自律走行の公共配車サービスを導入した。サービスを通じて毎週数百回の乗車を提供している。

Waymoは2022年3月30日、フェニックスでのルーツを深め、Waymo Driverが最近自律走行距離50万マイル(約80万キロメートル)を達成したイーストバレーからダウンタウンに拡大することも明らかにした。これまでと同様、同社は自律走行スペシャリストを運転席に乗せての乗車をまず自社従業員に提供し、その後、同社のTrusted Testerプログラムを通じて一般の人々にもサービスを開放する予定だ。

Waymoの共同CEOであるDmitri Dolgov(ドミトリ・ドルゴフ)氏は声明で「安全で堅牢、かつ汎用性のある自律走行ドライバー、すなわちWaymo Driverを構築し、その能力と性能を地域や製品ラインの間でうまく移行させることに我々は注力しています」と述べた。「これまでの経験から、第5世代Driverをサンフランシスコですばやく、そして自信を持って展開することができたのと同じように、サンフランシスコとフェニックスのイーストバレーでの経験の組み合わせは、何百万マイルの実走行に基づき、何十億マイルのシミュレーション走行によって後押しされ、すでにフェニックスのダウンタウンでの当社の進歩を導き、完全自律配車サービスの将来の拡張のための準備となっています」。

Waymoは、現時点ではサンフランシスコとフェニックスでの保有車両数は共有しないと述べた。

画像クレジット:Waymo

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

Waymoがサンフランシスコでロボットタクシー乗車料金の徴収を開始

Alphabet(アルファベット)の自動運転部門であるWaymo(ウェイモ)は、カリフォルニア州公益事業委員会から、サンフランシスコで自律走行車によるライドヘイリングに乗車した人に料金を課すことを認める許可を得た。ただし、許可の規定に従い、人間のセーフティオペレーターが立ち会う必要がある。

このカリフォルニア州公益事業委員会(CPC)からの許可取得は、同社がサンフランシスコで自律走行車を商用化するための最終ステップの1つだ。2021年9月、カリフォルニア州自動車局はWaymoに同市での運転者同席許可証を与え、それにより同社は自社の自律走行車が提供するサービスの対価を受け取ることができるようになった。

この許可は、Waymoが特別にロボットタクシーサービスに料金を課すことを許可するものではなかったが、同社は自律配送から収益を得ることができた。11月、同社はスーパーマーケットチェーンのAlbertsons(アルバートソン)と提携し、サンフランシスコで一部の顧客に食料品を配達している。

Waymoは2021年8月から、サンフランシスコで十分に精査された個人のグループである「Trusted Tester」プログラムのメンバーに無賃乗車を提供している。これは、乗車体験に関する詳細なフィードバックを提供してもらい、同社のサービスに関する学びを手助けするものだ。同社によると、テスターは秘密保持契約書にサインしてプログラムに参加し、ウェイティングリストは数万人に上るという。

今後数週間のうちに、WaymoのSFサービスエリア内であれば24時間365日どこでも有償で乗車できるよう、同社はこのプログラムを発展させる予定だ。

Waymoの広報担当者であるNick Smith(ニック・スミス)氏はTechCrunchに「我々は完全自律走行体験を一般に展開するための道筋を、段階的なアプローチで進めています」と語っている。「それは、私たちがアリゾナで取ったアプローチで、これは 私たちの安全への焦点に深く基づいています。そしてそれは、私たちが今後運営するどの都市でも取るであろうアプローチです。まず、自律走行モードで自律走行スペシャリストがハンドル操作を管理する状態で開始し、選ばれたテスターに、料金を徴収開始する前に無料で乗車を公開します。最終的には、ライダーのみのモード(他に誰も乗っていない状態)での運行に移行します。アリゾナでは、何千人ものライダーがライダーのみのモードで何万回もの移動をこなした実績があり、この方法はサービス運営に関する学びを得るのに役立っています」と語る。

同社は、同社の自律走行型Jaguar I-PACEを何台保有しているのかは共有していないが、最新のCPUC四半期報告書では、Waymoは報告期間中のある時点でライダーによる移動に利用できる車両を約100台保有していたことが判明した。

同社のライドヘイリングサービスであるWaymo Oneは、アリゾナ州フェニックスですでにドライバーレスサービスとして提供されており、このサービスがどの程度のコストになるかの指標となるはずだ。最近のCNBCのレポートによると、5mil(約8km)を14分かけて走った場合、結局1分あたり約1ドル(約115円)のコストがかかったという。Uberの平均的な乗車時間は1分あたり約0.40ドル(約46円)である。

「価格設定は合理的で、サンフランシスコの他のサービスと競争力のあるものになる予定ですが、現時点で共有できる具体的な内容はありません」とスミス氏は語る。

Waymoが有料乗車に完全移行したら、サンフランシスコのTrusted Testerの無料乗車を停止すると、スミス氏は述べた。

同市におけるWaymoの最大の競合であるCruise(クルーズ)は、Waymoがドライブレスの許可を得たのと同じ日にカリフォルニア州陸運局からドライブレスの展開許可を得ており、2月初旬から一般市民に対して人間のセーフティ・オペレーターを介さない無料乗車を提供している。Cruiseは、それらの乗り物を有料化するためのCPUCの許可をまだ待っているところだ。Waymoは、DMVにドライバーレス許可証を申請したかどうかについてコメントするのを避けた。

関連記事:Cruise、サンフランシスコの公道で自動運転タクシーの一般乗車開始へ

画像クレジット:Waymo

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Akihito Mizukoshi)

Waymo、ロボタクシーの安全性の詳細を秘密にすることを裁判所に認められる

カリフォルニア州の裁判所は米国時間2月22日、Alphabet(アルファベット)の自律走行部門のWaymo(​​ウェイモ)はAV技術に関する特定の詳細を秘密にしておくことができると判決し、同社は勝訴した。

同社は1月下旬、自律走行車の展開許可に関する一部の情報、およびカリフォルニア州車両管理局と同社との間の電子メールの一部を、身元非公開の第三者によって提出された公文書請求から削除するために、同局を提訴していた。

カリフォルニア州上級裁判所サクラメント支部による今回の判決は、少なくとも自律走行車業界においては、公共の安全に関わるが企業が企業秘密を含むと主張する情報への一般公開に関して、より広範な企業秘密保護の前例となる可能性がある。

Waymoは訴訟の中で、企業秘密の開示を迫られれば、自動運転技術への投資が損なわれ、車両管理局はもはや企業が自社の技術に関する情報を透明性を持って共有する安全な相手ではなくなるという「業界全体での冷え込み効果」があると主張した。

「Waymoがカリフォルニア州車両管理局に提出した許可申請書に含まれていた競争上重要な企業秘密の開示を除外する仮処分申請を裁判所が認めるという、正しい判断が下されたことをうれしく思います」と、Waymoの広報担当者はTechCrunchに語った。「当局と共有する詳細な技術情報は、必ずしも一般と共有することが適切ではないと認識している一方で、当社の自律走行技術と運用に関する安全性およびその他のデータをオープンに共有し続けます」と述べた。

カリフォルニア州でテストや展開を考えている他の自律走行技術企業と同様、Waymoもその安全対策や技術に関する情報を車両管理局に提出しなければならず、その後、車両管理局はより具体的な質問でフォローアップしていた。車両管理局はWaymoの許可申請情報の公文書請求を受けた際、企業秘密が漏れる可能性があると判断したカ所を検閲する機会をWaymoに与えた。Waymoはそれを実行し、車両管理局は主要部分を黒塗りにした状態で第三者にパッケージを送付した。Waymoによると、依頼者はこの黒塗りに異議を唱え、巻き込まれたくない車両管理局はWaymoに車両管理局に対して一時的な差止命令を求めるよう助言したという。その後、裁判官は2月2日に差止命令を出し、これによりWaymoは編集されていない形での資料の開示を永遠に禁止する差止命令を求めるための時間を稼いだ。

Waymoが訴訟を起こしたのは、同社のAVが特定の条件を識別して走行する方法、AVが人間のドライバーに制御を戻す状況を判断する方法、AV車両へのサポートを提供するタイミング、離脱事故や衝突事故への対処方法などの詳細を保護したいためだ。

「これらの研究開発には何年もかかり、莫大な資金を伴います」と、裁判所に共有されたWaymoの宣言文にはある。「WaymoのAV開発は、Waymoが2016年に独立する前、2009年にGoogleの一部として始まり、したがってWaymoのAV開発は12年以上にわたります。Waymoは、AV製品の研究開発に実に多大な投資を行ってきました」。

しかし、実際に企業秘密が含まれているかどうかは、その情報を一切見ることができないため、判断が難しい。

「問題は、その情報を他者と共有しないことによって純粋に経済的価値を得られるかどうかです」と、nuTonomy(Aptivが買収)の元顧問で、ニューヨークのイェシバ大学カルドゾ法科大学院の法学教授Matthew Wansley(マシュー・ワンズレー)氏はTechCrunchに語った。

例えば、物体を知覚する問題や、他の要因がどのように極端なものになるかを予測する問題を詳細に説明するソフトウェアの不具合は、技術の仕組みに関する情報が明らかになり、競合他社がそれを真似るか、特定のビジネスに対する自社の相対的な位置を評価する可能性があるため、非常に機密性が高いとワンズレー氏は指摘する。したがって、企業がそのような情報を公にしたくないのは理に適っている。しかし同氏は、当局がこの技術が完璧ではないことを知っていて、リスクをゼロにすることより、むしろリスクを減らすことに関心があると確信している。もし規制当局が守秘義務のもとにさらなる情報を求めたら、自身は情報共有に傾くだろうとも述べた。

「Waymoが提出した訴状に目を通しましたが、同社が話している情報のカテゴリはかなり広いです」とワンズレー氏は話した。「同社が送った情報の中に企業秘密があるのでしょうか ?おそらく、いくつかあるはずです。送った情報のすべてが含まれているのでしょうか? おそらく、ほとんどではないでしょう。ただ1つ驚くのは、同社が企業秘密だと言っているものが、実際にすべて企業秘密であった場合です。しかし、同社が当局と共有する具体的な情報を知らない限り、知ることは困難です」。

そして今、市民は知る由もない。ビジネス界はこの結果を成功だと思うかもしれないが、カリフォルニア州や一般市民は自律走行車に関して正当な公共安全の懸念を抱いているかもしれないし、当局が自分たちの代わりに判断してくれるとは思っていないかもしれない。

AV技術は非常に複雑で高度なものであり、また当局の多くの職員は必ずしも技術者ではない。市民は、公聴会や学術研究などを通じて、重要で社会に直結する決定が適切に行われているかどうかを検証する権利があると主張する人もいる。

「ある面では、これが単なるブラックボックスである場合、公共の乗り物に対する社会の信頼をどのように醸成するかという核心に触れるものだと思います」とAlston & Birdのパートナーで知的財産権訴訟を専門とする弁護士のRyan Koppelman(ライアン・コッペルマン)氏はTechCrunchに語った。「そして、これは自律走行車の根本的な問題で、データを入力し、データを出力し、その結果が安全であることを示しているだけなのです。ですので企業は、ブラックボックスで何が起こっているか、あなたは知る必要はない、ただ安全だと認識し、我々を信頼してくれ、というでしょう。そして、ブラックボックスを覗き見して署名した車両管理局を信用しなさい、それで社会にとっては十分でしょう、ともいうでしょう」。

Waymo側は、自社の技術に対する不安を解消するために、一般市民と共有している情報の幅を指摘した。例えば、AV安全報告書を発行し、米運輸省に安全自己評価を提出し、法執行機関との対話ガイドと安全手法の詳細な説明を公表している。

画像クレジット:Waymo

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

自律走行トラック輸送のWaymo Via、新たな提携で20万の荷主・輸送業者へのアクセスが可能に

Waymo(ウェイモ)の自律走行型トラック輸送・貨物部門であるWaymo Viaは、商業化に向け長期的な戦略パートナーをまた1つ確保した。

Waymo Viaは、荷主と輸送会社をつなぐ貨物物流技術サプライヤーであるC.H. Robinson(C.H. ロビンソン)と、今後数カ月以内にC.H. Robinsonの顧客の1社向けに、Waymoの試験車両がテキサス州で貨物を輸送する試験運用を開始すべく準備を進めている。

この試験運用は、あらゆる運送業者が利用できるWaymoのAV技術と、C.H. Robinsonの300万超のトラック運送レーンに関する物流データおよび約20万の荷主と運送業者のネットワーク(その多くはWaymoが関心を寄せる中・小の運送業者)へのアクセスを組み合わせることを目的とした、両社のより大きな提携の一部だ。

「この提携は、北米全域でAVがどのように、どこで発展し、どのように運送業者をサポートするかに影響を与える可能性を秘めています」とWaymoの広報担当者はTechCrunchに語った。「Waymo Viaは、安全性と効率性を最適化する自律型ソリューションを提供します。C.H.Robinsonは、物流業界特有のニーズのために技術を進化させ、荷主と運送業者にとって最も利益があるところに適用するのをサポートするために、十分な物流の専門知識とデータをもたらします」。

Waymo Viaは1月、運送会社のJ.B. Hunt(J.B.ハント)が、Waymoが今後数年以内に実現すると予想している完全自律型貨物輸送ルートの最初の顧客になると明らかにした。2021年末にWaymo ViaはPeterbiltの大型トラックでUPSの貨物を輸送するという延長されていた試験運用を終了した。

2月16日に発表されたこの最新の提携では、今後数年にわたってC.H.Robinsonの顧客と複数の試験運用を実施する予定だ。WaymoもC.H. Robinsonも、使用する車両台数、試験運用の開始時期、期間など、初期パイロットに関する具体的な情報は共有しなかった。ただし、試験運用はダラスからヒューストンへの輸送レーンに沿って行われると述べた。

C.H. Robinsonとの提携は、Waymoに新しいビジネスモデルであるDriver-as-a-Service(ドライバー・アズ・ア・サービス)を柔軟にする機会を与える。ここには、WaymoのAVシステムであるWaymo Driver向けに設計・装備されるトラックを製造する、Daimler Truck(ダイムラー・トラック)などOEMとの提携が含まれる。目標は、輸送業者やフリートがこれらのトラックを購入することだ。このトラックには、自動運転トラックに必要なすべてのハードウェアが搭載され、Waymo Viaはハードウェアとソフトウェアの継続的なサポートとサービスを提供する。

要するに、Waymoはフリートを組み立て、所有し、運用しようとしているのではない。Waymo Viaのトラック事業商業化責任者であるCharlie Jatt(チャーリー・ジャット)氏は2月15日の記者会見で「Waymo Driverを搭載したトラックを、業界のオプションとして提供したい」と述べた。「そして、C.H. Robinsonのような貨物・物流の専門企業が本当にその技術を活用してビジネスを改善し、荷主顧客へのサービス提供でそれらの資産を運用することができるようになります」。

Waymoは、フェニックスでのロボタクシーサービスを通じて、完全自律走行車を商業的に実行可能な規模にした経験があるが、Waymo Driverを貨物に適用するのに最も適した場所については、まだ学ぶべきことがたくさんある。そのためC.H. Robinsonとの提携は有益だ。両社は長距離トラック輸送は、特に人間のドライバーを確保するのが難しいため、自律走行ドライバーを最も必要としている分野だという仮説を立てており、C.H. Robinsonのデータはその仮説を確かめるのに役立つ。

C.H. Robinsonにとっては、Waymo Viaとの提携は単に技術のためのAV技術導入にとどまらない。C.H. Robinsonの最大の関心事は、運送会社がビジネスの効率性を見出すのを支援することであり、それはドライバー不足の影響で苦労している自社の顧客にさらなる効率をもたらす。

C.H. Robinsonの最高コマーシャル責任者であるChris O’Brien(クリス・オブライエン)氏は、記者会見で次のように述べた。「年末に運送会社と行う典型的な会話は、『C.H. Robinson、来年のキャパシティはどうなっているのか』というものです。そして、その約束に基づいて、運送会社は雇用、そしてトラクターやトレーラーのリースや購入を決定するのです。ですから、我々は自律走行を、他とは違う、効率的で省力化され、ドライバーを短距離輸送に充てることができるオプションを提供できる、もう1つの方法だと考えています」。

画像クレジット:Waymo

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

CruiseとWaymoを追う中国の自律走行車企業AutoXがサンフランシスコでテスト開始へ

米国とお膝元の中国の両方で事業展開する自律走行車企業AutoX(オートエックス)は、最大のライバル企業が商用化に向け忍び寄っているサンフランシスコに進出する。

2016年からサンノゼ広域圏で車両のテストを行ってきたAutoXは、ロボタクシー事業を開始し、サンフランシスコにオペレーションセンターを建設する計画を明らかにした。このセンターでは、車両のハウジング、メンテナンス、充電のほか、車両が現地で収集したデータの処理、センサーのキャリブレーションなどを行う予定だ。Professor Xとも呼ばれる、AutoXのCEOであるJianxiong Xiao(ジアンション・シャオ)博士によると、同社はサンフランシスコのローカルチームを構築するために採用を行っているとのことだ。

AutoXはまず、同社の最新の第5世代AVプラットフォームと冗長ドライブバイワイヤシステムを搭載したハイブリッド車のFiat Chrysler Pacifica(フィアット・クライスラー・パシフィカ)を用いて、人間の安全オペレーターが運転席に乗り込んでのテストを始める予定だ。同社はすでに、カリフォルニア州自動車局(DMV)から、人間の安全オペレーターが乗り込んでの試験が可能な「ドライバー付き試験許可証」と、人間の安全オペレーターなしで試験が可能な「ドライバーレス試験許可証」の両方を取得している。しかし、AutoXのドライバーレス試験許可は第3世代の車両に対するものであり、またエリアがサンノゼに厳しく限定されているため、同社はサンフランシスコの最新システムを使ったドライバーレス試験も行うために、DMVにその許可の拡大をリクエストする必要がある。

Dongfeng Motor(東風汽車)の支援を受けているAutoXは、サンフランシスコでのテストのためにいつドライバーなしにする予定かは明言しなかったが、サンノゼでのドライバーレステストは継続すると述べた。

AutoXは、Cruise(クルーズ)やWaymo(ウェイモ)といった企業が実際に商業運転を開始している中で、サンフランシスコに進出する。Cruise、WaymoどちらもDMVから車両配備の許可を得ており、自律走行車を使った運行で課金することができる。Cruiseはまだ、ロボットタクシーサービスの料金を請求する前に、カリフォルニア州公益事業委員会から最終的な許可を得る必要があるが、General Motors(ゼネラルモーターズ)傘下の同社は、ドライバーレスの配車サービスを一般向けに開始する際に、投資家のソフトバンクから13億5000万ドル(約1564億円)を追加で調達したばかりだ。

DMVが2日に発表した年次離脱報告書によると、Waymoは2021年にカリフォルニア州の公道で230万マイル(約370万キロメートル)の自律走行を行っており、これは競合他社を大きく上回っている。そして、Cruiseが人間のセーフティドライバーの有無にかかわらず、約90万マイル(約144万キロメートル)を走行して2位だった。

同データによると、安全オペレーター付きで約5万マイル(約8万キロメートル)しか走行していないAutoXは、自社車両のドライバーレステストを一切報告していない。とはいえ、AV開発企業は、プライベートコースやクローズドコースで行ったテストを報告する必要はない。

AutoXはカリフォルニア州に車両44台を保有しているとのことだ。DMVのデータによると、2021年にAutoXの自律走行テストに使用されたのは全車両のうちわずか6台だった。同社は、新型コロナウイルス感染症の影響でテストの規模を縮小したことが原因だとしているが、2022年は再び強化する。

また、AutoXは中国でも大規模な事業拡大を図っており、1000台のロボタクシーを広州、上海、北京、深センの各都市に配備しているという。同社はロボタクシーの乗車回数は公表していない。

AutoXは、計算プラットフォームや各種センサーを含むフルスタックハードウェアの自社開発能力を頻繁にアピールしている。このような技術の開発に加え、サンフランシスコでの事業拡大や中国でのロボタクシーの増車などを考えると、相当な額の資金が必要になる。

同社が最後に公に発表した資金調達は2019年のシリーズAで、この投資によりAutoXの総調達額は1億6000万ドル(約185億円)となった。参考までに、AutoXの中国における競合他社のほぼすべてが2021年に資金調達を行っている。Momenta(モメンタ)は12億ドル(約1390億円)、Pony.ai(ポニーエーアイ)は11億ドル(約1274億円)を調達し、WeRide(ウィーライド)は5カ月の間に6億ドル(695億円)超を、比較的若い企業のDeeproute.ai(ディープルートエーアイ)は2021年9月時点で3億5千万ドル(約405億円)を調達している。

AutoXがなぜ少ない資金でこれだけの事業を行えるのかという疑問に対して、シャオ氏はTechCrunchに、確かに今後数カ月のうちに資金を調達しようとしているが、これまでの投資家からの支援に加え、ロボタクシーサービスに対する中国の巨大市場に頼っていると語った。

画像クレジット:AutoX

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

Waymo、一部の自動運転車技術データをさらに22日間秘匿可能に

米国時間1月31日、Waymoは自動運転車の運用に関する一部の詳細データを一般に公表しないでもよい件に関して、小さな勝訴を勝ち取った。

Alphabet傘下の同社は先に、カリフォルニア州自動車局に対して、その自動運転車の展開許可証からの情報の一部を非公開とし、また、自動車局と同社との間のメールも、名称など非公開のサードパーティーから公開リクエストがあった部分を非公開にできるよう、訴訟を起こしていた。1月31日に判事はWaymoに対して、同社は一時的制限命令を発行して、非公開とされた情報をさらにあと22日間、非公表にしてもよいことになった。

これを恒久的な差し止めとしてWaymo側を安心させるか否かに関しては、2月22日に別のヒアリングが行われる。そのヒアリングでは、一部の情報が公開記録から永久かつ継続的に取り除かれていても良いか否かを検討する。

Waymoなどの自動運転車の開発者は、カリフォルニアでテストし展開するかぎり、州自動車局から一連の許可証を獲得しなければならない。カリフォルニア州の許可証を申請するために企業は、その安全対策と技術と、自動車局が通常求めるその他の情報を提出する必要がある。

Waymoの許可証に向けて記録公開リクエストがあると、自動車局は同社を招いて、企業秘密の部分を尋ねる。Waymoが、自動車局が尋ねた質問までも含めて企業秘密部分を指定すると、自動車局はそれら重要部分がブロックされたパッケージをサードパーティに送る。情報要求者がその黒塗りに抗議すると、自動車局はWaymoに、Waymoが消去部分のない公表を禁じる差し止め命令を要求しない限り、情報をリリースしなければならないと告げる。Waymoによると、自動車局は同社にアドバイスして、一時的な禁止令(一時的制限命令)を申請するよう勧めた。

今回のヒアリングで自動車局は、一時的な禁止令の申請に反対しなかったという。この件における自動車局のやや受け身の役割は、同局がどちらか一方の側にはつかない、というサインであり、最終決定を法廷に委ねている。

Waymoが守りたい(一般公開したくない)詳細は、自動運転車が何らかの状況を見つけても走行を続ける場合のやり方であり、人間ドライバーに任せるべきと判断するのはどんなときか、いつAV車隊のサポートを提供するのか、制御不能や衝突のインシデントにどう対応するのか、といった情報だ。同社は、サクラメントの州最高裁にこれらの件の訴訟を提出している。

同社の主張では、情報の公開はWaymoやAV技術への投資者にとって有害であるだけでなく「業界全体に水をさす」という。

訴状によると「AVのカリフォルニア州における展開に利害を有する市場参加者は、企業秘密の開示履歴が明らかとなれば、この技術を開発する貴重な時間とリソースへの投資に向かう積極性を失うだろう」という。

また他社も、どれだけの情報を自動車局と共有すべきかに関して引っ込み思案になってしまい、民間部門と行政との間の透明な対話よりも、業界は規制の精神の理解ではなく、規制を表面的に遵守するだけの態度を選ぶだろう。これによって、もしも自動車局がAVの規制を作って実施するために必要な全面的な展望を持っていなければ、技術の安全性が脅かされるだろう。これが、訴状でのWaymoの主張だ。

さらに他方では、Aptivが買収したnuTonomyの前法務部長で、ニューヨークにあるイェシーバー大学のカードーゾ・ロースクールの法学教授Matthew Wansley(マシュー・ワンズリー)氏は以前TechCrunchに、Waymoが隠したい情報のすべてが企業秘密といえるか、それは疑問だが、その隠された部分を実際に見ないかぎりは真相は分からないという。

画像クレジット:Waymo

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hiroshi Iwatani)

物流J.B. HuntがWaymoの自動運転貨物輸送の最初の顧客に、提携を拡大

自律走行車両企業のトラック輸送・貨物輸送部門であるWaymo Via(ウェイモ・ヴィア)は、物流企業のJ.B. Hunt Transport Services(J.B. ハント・トランスポート・サービス)との既存の提携を、試験から長期戦略提携に拡大する。

この契約の一環として、J.B. HuntはWaymo Viaの完全自律走行のドライバーレス貨物輸送の最初の顧客となる。Waymo Viaは今後数年以内にドライバーレス輸送を達成すると見込んでいる。

WaymoとJ.B.Huntは2021年に、米国内で最も交通量の多い貿易回廊の1つであるテキサス州のヒューストン・フォートワース間のI-45で「試験走行」を開始した。Waymoによると、Waymo Driver自律走行プラットフォームを搭載したWaymoのDaimlerトラックは、試験終了までに86万2179ポンド(約391トン)の貨物を輸送し、衝突やスピード違反などはなく、100%の定時集荷・配達を行い、貨物は100%無傷だったという。試験走行には毎回、商業免許を持つトラックドライバーとソフトウェア技術者が同乗してオペレーションを監視した。

J.B. Huntのサステナビリティ最高責任者兼執行副社長であるCraig Harper(クレイグ・ハーパー)氏は声明で「2021年行ったWaymo Viaとの試験走行は、自律走行技術を当社の業務内でどのように導入できるかを実際に理解する上で本当に役に立ちました。この戦略的提携はその勢いを継続し、顧客にとって価値あるソリューションとするために詳細をさらに模索していきます」と述べた。

画像クレジット:Waymo

2022年以降、両社はテキサス州の同じルートでさらにいくつかの試験を開始し、ドライバーレスの自律的オペレーションに備えるつもりだ。

Waymoは、J.B. Huntとの次の試験で達成したい具体的な目標について、ドライバー・アズ・ア・サービスモデルを固めるということ以外は共有しなかった。ここには、WaymoがDaimlerなどのOEMと提携して、Waymo Driverを搭載した自律走行トラックを製造することが含まれる。これらのトラックは、J.B. Huntのようなフリートや運送業者が直接購入し、Ryderのようなパートナーによってサービスが展開されることになる。

Waymoの広報担当者であるJulianne McGoldrick(ジュリアンヌ・マックゴールドリック)氏は「これは長期的なビジョンです」とTechCrunchに語った。「そうしたビジョンにスケールアップするまでの間、我々はトラックのテストフリートを有し、そうした車両と当社の自律走行専門家とで行う試験は、当社が完全に自律走行オペレーションに到達した時に、J.B. Huntのような顧客のために人間のドライバーなしで貨物輸送するためのすべての基盤が整っているよう、その運用慣行を得るためにあります」。

提携中にWaymoとJ.B.Huntはまた、自動運転トラックを使用した集合的進歩についてより多くを学ぶために、共同で運用および市場調査を行うことを計画していて、さらにはJ.B. Huntのデジタル貨物マッチングプラットフォームであるJ.B. Hunt 360との技術統合を検討する。

もちろん、テキサス州などの道路を走る自動運転トラックは、Waymoのものだけではない。Waymo Viaの競合相手の1社であるTuSimple(トゥシンプル)はこのほど、初のドライバーレス自律走行トラックを完成させ、その技術は事実上、より進歩的なマイルストーンだ。Aurora(オーロラ)とKodiak Robotics(コディアック・ロボティクス)も、テキサス州で試験的に貨物を運んでいる。

そうしたことについて、Waymoは心配していない。Alphabet傘下の同社の戦略は、自律走行に必要な条件を満たすことよりも、パートナー企業とより緊密に連携することだと、マックゴールドリック氏はいう。

「この業界における多くのパートナーシップやコラボレーションは、主に単発の試運転や試験が中心で、あまり肉付けされていませんでした」と同氏は指摘した。「今回の複数年の契約はすべてをカバーするものであり、単に試験のための試験を行うのではなく、パートナーとの協力関係を深いものにすることを示しています。完全な自律走行がどのようなものか、パートナーと一緒に作り上げ、準備が整ったときにできるだけ成功するようにしているのです」。

画像クレジット:Waymo

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

アルファベット傘下Waymoが中国メーカー「Geely」と提携、米国での配車サービス用電動AVを製造へ

Alphabet(アルファベット)の自律走行技術部門であるWaymo(​​ウェイモ)は、中国の自動車メーカーGeely(吉利)と提携し、全電動の自動運転配車サービス車両を製造する。WaymoのAVシステムであるWaymo DriverをGeelyのZeekr車両に統合し「数年内」に米国市場で使用する予定だ。

Waymoは生産開始時期やこれらの車両が路上を走るようになる時期など具体的なタイムフレームを示していないが、この提携はWaymoがOEM提携に向けたマルチプラットフォーム・アプローチを追求していることを示している。Waymoの現在の配車サービス車両は、Jaguar(ジャガー)のI-PacesとChrysler Pacifica(クライスラー・パシフィカ)のハイブリッド構成で、アリゾナ州フェニックスで自律走行による乗車を提供している。また、 Fiat Chrysler automobiles(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)を傘下に持つStellantis(ステランティス)との提携を拡大し、ローカル配送サービスも行っている。Waymoの広報担当者によると、吉利との計画によるWaymoの既存の提携への影響はないとのことだ。

Geelyが2021年3月に立ち上げた高級EVブランドZeekrは11月、初のプレミアムモデルである洗練されたクロスオーバーを中国で発売した。Waymoのバージョンは、レンダリング画像ではミニバンのような外観で、スウェーデンのヨーテボリでカスタム設計とエンジニアリングが行われている。米国に出荷された後、Waymoがライダー、センサー、カメラなどのハードウェアとソフトウェアを含む同社のDriverを車両に統合し、自社の配車サービスフリートで展開する予定だと同社は話している。

関連記事:中国自動車メーカーGeelyがTeslaら対抗でラグジュアリーなEVブランド「Zeekr」を立ち上げ

Waymoのブログ記事によると、Zeekrの車両は「ライダーファースト」に設計されていて「よりアクセスしやすいフラットフロア、Bピラーレス設計による容易な乗降、低い踏み込み高、ゆったりした頭上と足元のスペース、完全に調節可能なシート」を備えている。完全なドライバーレス化を見据えてハンドルやペダルがない代わりに、ゆったりとくつろげるよう頭上と足元のスペースは十分に確保され、リクライニングシートやスクリーン、充電器も手の届くところに設置される。

Cruise(クルーズ)やArgo AI(アルゴAI)など他のAV企業も、専用の配車サービス用EVの計画を明らかにしている。Cruiseは2020年、ライドシェア向けのOriginを発表した。9月にはArgoとVolkswagen(フォルクスワーゲン)が共同開発した自律走行バンのID Buzz ADの計画を明らかにし、2025年にドイツのハンブルクで自律走行配車プールシステムの一部として商業展開する予定だ。

画像クレジット:Waymo

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

Waymoの自動運転車がサンフランシスコで歩行者をはねる、当時はマニュアルモードつまり人が運転していた

サンフランシスコで現地時間12月15日夕方に歩行者をはねたWaymo(ウェイモ)の自動運転車「Jaguar I-Pace」はマニュアルモードだった、と同社はRedditに投稿された第1報に回答するかたちで語った。Waymoによると、その時車両はマニュアルモードになっていた。実際に運転していたのは、ハンドルを握っていた人間のセーフティドライバーだったということだ。

この事件を説明したKWilletsによるRedditへの投稿には、サンフランシスコのローワー・ハイト地区に停車しているWaymoのテスト車両の写真が掲載されていた。現場には消防車と数人の救急隊員も写っている。目撃した事故後の様子を記したKWilletsの投稿には、こう書かれている。

2021年はこれ以上悪くならないと思っていた矢先、ドーンという音が聞こえた。何事かとベッドから飛び起きた。

近隣の誰かが向こう側のライドシェアの車両から降りてきて、1人が道を横切って渡り、もう1人は車両の後ろで明らかに写真を撮っていた。サンフランシスコ市警察のパトロールが立ち止まって、道を渡るときには気をつけなさいとか何とかを言っていたところに、近くの車線をWaymoが通り、渡り終えた人をはねた。彼は車に戻る途中だったのだと思う。被害者は意識があり、その後立っていたが、より正確な診断のためにサンフランシスコ総合病院に行ったという。無事であることを祈る。

Waymoなんてものはないと言われても、僕とおじいちゃんはあると思っている。

その後、この事件はTwitterで取り上げられ、さらに注目を浴びた。WholeMars Catalogの名でツイートしている有名なTesla(テスラ)ファンのOmar Qazi(オマール・カジ)氏とのやり取りの中で、Waymoの広報担当者が回答し、車両がマニュアルモードになっていたと述べた。

TechCrunchがWaymoに連絡を取ったところ、同社は以下の声明を出した。

米国時間12月15日の夕方、サンフランシスコのハイト通りのウェブスターとブキャナンの間のブロックで、当社の車両が衝突を起こしました。車両がマニュアルモードで走っていたときに、道路にいた歩行者と接触しました。歩行者は現場で怪我の手当てを受け、救急車で病院に搬送されました。当社の車両が走行する地域社会の信頼と安全は我々にとって最も重要であり、地元当局と連携してこの事件の調査を続けていきます。

Waymoは、カリフォルニア州、特にマウンテンビューとサンフランシスコ周辺において、何年も前から自動運転車のテストを行っている。Waymoはサンフランシスコでのテストを活発化させており、その結果、自動運転車全般、そしてより具体的には同社自身に注目が集まるようになった。例えば同社の自動運転車が次々と同じ行き止まりの道に入り、Uターンを余儀なくされたことから、Waymoは地元のニュースに取り上げられるようになった。

Waymoは自動運転車の規模について正確な数字を提供していないが、TechCrunchに対し「サンフランシスコに数百台の車両を保有している」と語った。同社のサンフランシスコでの活動は2021年、特に8月にTrusted Testerプログラムを開始し、研究プログラムを従業員だけでなく、一部の一般人にも開放して以来、活発になっている。このプログラムでサンフランシスコの人々は、同社の全電動の「Jaguar I-PACE」の自動運転車に乗ることができる。依然として、セーフティドライバーが運転席に座っている。

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

CruiseとWaymoがサンフランシスコでのロボタクシーサービス開始の許可を得る

カリフォルニア州自動車局が、General MotorsのEV/AV部門であるCruiseと、Alphabet傘下のWaymoに、有料で展開される自動運転サービスの認可を発行した。

米国時間9月30日にCruiseは「driverless deployment permit(ドライバーレス展開許可証)」を受け取った。これは、フロントシートに安全ドライバーがいない状態で提供されるサービスで料金を受け取ってもよい、というものだ。Waymoの「drivered deployment permit(運転者同席許可証)」は、自動運転の間に関しても課金してよいが、ただし前席に運転者が必要だという意味だ。どちらも理論的には自動運転のデリバリーサービスに課金できるが、ロボットタクシーサービスの課金許可には一歩遠い。その最後のハードルは、カリフォルニア州公益事業委員会(California Public Utilities Commission、 CPUC)の許可が必要だが、サンフランシスコにおける商用ライドシェアの立ち上げ日限についてはWaymoもCruiseも明言していない。

カリフォルニアの路上で自動運転車をビジネスにしようとしているのは、彼らだけでなない。2020年の12月には、州の公道上での商用の自動運転サービスに関して、自動運転デリバリーのNuroがカリフォルニア州自動車局から許可をもらう最初の企業になった

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CruiseとWaymoはそれぞれ2015年と2014年から公道上で安全ドライバーありの自動運転車をテストしている。そして2020年10月からと2018年10月からは、安全ドライバーなしでやっている。Cruiseはまた、カリフォルニアで6月に乗客ありの自動運転走行を許可された。そこで同社は過去数カ月、社員に無料乗車を提供している。8月にWaymoは、サンフランシスコでTrusted Testerプログラムを開始した。それによりサンフランシスコは、安全ドライバーありで無料の、自動運転電動Jaguar I-Paceをシェアできる都市の1つになった。

Cruiseは最新の認可により、その自動運転のChevy Boltベースの車隊をサンフランシスコの一部の公道上で午後10時から午前6時まで最高時速30マイル(約48.3km)で商用サービスに使用できる。Waymoはその小型自動運転者の車隊をサンフランシスコとサンマテオ郡の一部の公道で時速65マイル(約104.6km)m、時間制限なしで運用できる。どちらも、雨や薄霧の中でも走行可能だ。

ベイエリアでの商用サービスやデリバリーサービスの開始の計画については、両社とも口をつぐんでいる。2020年11月にCruiseとWalmartはアリゾナ州スコッツデールと提携して前席に安全ドライバーを乗せた配達を開始した。Waymo Viaのローカルデリバリー事業も、2020年1月からアリゾナ州フェニックスで操業しているが、それは訓練されたオペレーターが同乗して、UPSやAutoNationのようなクライアントにサービスを提供している。

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画像クレジット:Cruise

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hiroshi Iwatani)

カリフォルニア州は2030年までに自動運転車のゼロエミッション化達成を義務化

2030年から、カリフォルニア州で運用される小型車の自動運転車はゼロエミッションでなければならない。SB500はGavin Newsom(ギャビン・ニューサム)カリフォルニア州知事は、米国時間9月23日に署名した法律で、温室効果ガスの排出削減を目的に、内燃機関の新車販売を制限するための最新の取り組みとなる。ニューサム知事は2020年に、2035年までにガソリン車とディーゼル車の新車販売を事実上禁止する大統領令に署名した。同年、同州の大気資源局は、2045年までにカリフォルニア州で販売されるすべての新型トラックの排出量をゼロにすることを義務づけている。

Cruise(クルーズ)のグローバル・ガバメント・アフェアーズ部門の責任者であるPrashanthi Raman(プラシャンティ・ラマン)氏は、Engadgetに寄せた声明の中で、「これが業界標準となることを確実にするためのカリフォルニア州のリーダーシップに感謝します。AV業界は、都市における温室効果ガスの排出量削減をリードする素地があり、そのために私たちは当初から電気自動車やゼロエミッションの車両を運行してきました」という。Cruiseは、自律走行型配送サービスのスタートアップであるNuroを含むEmission Zero Coalitionへの参加を通じて、SB500を支援した。

環境保護庁によると、2019年以降、米国の温室効果ガスの唯一最大の排出源は運輸部門であり、その半分以上を小型車が占めている。しかし、現在、カリフォルニア州の道路を走る約1500万台の自動車のうち、自律走行車はごく一部に過ぎない。さらに、カリフォルニア州で完全自律走行型タクシーサービスをテストしている代表的な企業であるCruiseWaymoは、電気自動車ハイブリッド車だけで車両を運用している。今回のカリフォルニア州の動きは、自律走行車が将来的に大きな汚染源となることを防ぐためのものであり、特に完全自動運転のタクシーサービスが通勤者の間で人気になれば、その危惧は現実のものとなる。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のIgor BonifacicはEngadgetの寄稿者。

画像クレジット:Screenshot/GM

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(文:Igor Bonifacic、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Waymoが自動運転用センサーLiDARの他社への販売を停止

CEOの交代からわずか1カ月、Waymo(ウェイモ)は正式にカスタムセンサーのサードパーティへの販売を停止する。これにより、Alphabet(アルファベット)傘下の自動運転企業Waymoは販売事業をわずか2年で終了することになる。Waymoはこの決定をロイターに認め、Waymo One配車サービスとWaymo Viaトラック配送部門でWaymo Driverテックを展開することに専念する、と付け加えた。

今回の動きは、長らくCEOを務めたJohn Krafcik(ジョン・クラフシック)氏の退社に続くものだ。クラフシック氏に代わって同社の役員、Tekedra Mawakana(テケドラ・マワカナ)氏とDmitri Dolgov(ディミトリ・ドルゴフ)氏が共同で舵取りを担うことになった。一部の人はクラフシック氏の意図的なアプローチは商業化を妨げていると考えていた。2021年8月初め、Waymo はシミュレーションで200億マイル(約322億キロメートル)、公道で2000万マイル(約3220万キロメートル)の走行というマイルストーンを達成した。数日前にはサンフランシスコで選ばれた客にロボタクシーの提供を開始した。

同社は2019年に、レーザー光のパルスで距離を測定する技術であるLiDARを自動運転車両ライバルを排除する企業への販売を開始した。当初は短距離センサー(Laser Bear Honeycombとして知られる)をロボティクス、セキュリティ、農業テクノロジー部門の企業に販売する計画だった。同社のウェブサイトにあるフォームにはドローンやマッピング、エンターテインメントといった産業も対象と記載されている。

Waymoの第5世代Driverテクノロジーは、車が日中問わず、そして雨や霧といった悪天候の中でも周囲360度を「見ることができる」よう、レーダー、ライダー、カメラなどのセンサーアレイを使っている。シミュレーションと実世界での運転テストは機械学習ベースのソフトウェアを使って分析される膨大なデータセットを集めるのに役立った。ロイターが引用した匿名の情報筋によると、Waymoは次世代LiDARで自社開発のテクノロジーと外部サプライヤーを使う意向だ。

編集部注:本記事の初出はEngadgetに。著者Saqib ShahはEngadgetの寄稿ライター。

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画像クレジット:Waymo

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(文:Saqib Shah、翻訳:Nariko Mizoguchi

自動運転のWaymoがサンフランシスコでロボタクシーサービスを開始

Alphabet(アルファベット)傘下の自動運転スタートアップWaymo(ウェイモ)は、サンフランシスコで限定利用者向けにロボタクシーサービスを開始した。

米国時間8月23日、同社はWaymo One Trusted Tester(ウェイモ・ワン・トラステッド・テスター)プログラムを同市で正式に開始した。Waymoの第5世代自動運転システムを搭載した全電動車、Jaguar I-PACEの車団を使用する。この自動運転システムWaymo Driver(ウェイモ・ドライバー)というブランドが付けられており、公道での自動運転2000万マイル、シミュレーションで100億マイル以上の走行実績から情報を得ている。

Waymo One Trusted Testerと呼ばれるこのプログラムは、数年前に同社がアリゾナ州フェニックスで開始した最初の商用ライドシェアリングサービスの戦略を踏襲している。Trusted Testerプログラムは、Waymoが2017年4月にフェニックス都市圏でスタートした「Early Rider」プログラムの再ブランド版だ。4年以上の時を経てその乗客(Rider)たちはもはや「Early」ではないことから名称変更に至った、とWaymoの広報担当者は言っていた。

フェニックスでは、WaymoはEarly Rider参加者の一部をWaymo Oneサービスに移行するよう招待した。ユーザーはサービスの印象を公に発表することが可能で、以前のプログラムに参加していない友人や家族を招待することもできた。その後Waymoはサービスを全員に向けて公開した。

サンフランシスコ市民はWaymo Oneアプリをダウンロードして、プログラムへの参加の意志を表明できる。同サービスでは開始時のグループを、車椅子の利用など輸送におけるさまざまなニーズをもつ多様な背景の人々で構成する、とWaymoは言っている。最初のグループに何人参加するのか、何台のJaguarが街を走りまわるのかは公表していないが、利用者には利用に関する詳細なフィードバックを数多く返すこと、および守秘義務契約に署名することを求めている。

Waymoはテスト参加者に対し、自動運転サービスを日々の移動ニーズに利用するよう推奨している。現時点で利用は無料で、サンフランシスコのサンセット、リッチモンド、パシフィック・ハイツ、ノイバレー、カストロ、ヘイト・アシュベリーなどの地区を対象地域として開始される。サービスは週7日、1日24時間利用可能だと広報担当者がTechCrunchに語った。

同社はいわゆる “autonomous specialists”(自律運転スペシャリスト、セーフティドライバーの新たな名称)を運転席に同乗させ、運行状況の監視と安全な体験の確保を行う。このセーフティドライバーは契約労働者でフランス企業のTransdev(トランスデヴ)に雇用されている。Waymoは運行スタッフの派遣を長年Transdevに依頼している。

Waymoの乗客サポートチームとは、乗車中に質問があった時、車載画面のボタンをタップするか、アプリを経由していつでも連絡がとれる、と広報担当者は言った。

Waymo初のライドシェアリング・サービスはフェニックスで開始されたが、そのルーツはカリフォルニア州、それもマウンテンビューのシリコンバレー飛び地にある。大サンフランシスコ湾岸地域では10年以上テストを続けている。

2021年初めに同社は、従業員向けに自律運転乗車を提供してロボタクシーサービスのテストを開始した。

Trusted Testerプログラム開始のニュースの1週間前、Waymoはテキサス、アリゾナ、カリフォルニア3州の自律運転トラック事業を拡大すること、およびテキサス州ダラス郊外にトラック・ハブを建設していることを発表した。同社はクラス8トラック向けの第5世代Driverのテストをテキサス州で開始しており、J.B. Huntなどの運送会社の貨物を運んでいることから、このDriverシステム最新の応用は、Waymoが完全無人運転の推進に成功していることの証か、あるいは最近調達した25億ドル(約2746億円)を有効活用していることを示す兆候のどちらかだ。

関連記事:Waymo Viaがテキサス、アリゾナ、カリフォルニア州で自動運転トラックのオペレーションを拡大中
画像クレジット:Waymo

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nob Takahashi / facebook

自動運転のWaymoがサンフランシスコでロボタクシーサービスを開始

Alphabet(アルファベット)傘下の自動運転スタートアップWaymo(ウェイモ)は、サンフランシスコで限定利用者向けにロボタクシーサービスを開始した。

米国時間8月23日、同社はWaymo One Trusted Tester(ウェイモ・ワン・トラステッド・テスター)プログラムを同市で正式に開始した。Waymoの第5世代自動運転システムを搭載した全電動車、Jaguar I-PACEの車団を使用する。この自動運転システムWaymo Driver(ウェイモ・ドライバー)というブランドが付けられており、公道での自動運転2000万マイル、シミュレーションで100億マイル以上の走行実績から情報を得ている。

Waymo One Trusted Testerと呼ばれるこのプログラムは、数年前に同社がアリゾナ州フェニックスで開始した最初の商用ライドシェアリングサービスの戦略を踏襲している。Trusted Testerプログラムは、Waymoが2017年4月にフェニックス都市圏でスタートした「Early Rider」プログラムの再ブランド版だ。4年以上の時を経てその乗客(Rider)たちはもはや「Early」ではないことから名称変更に至った、とWaymoの広報担当者は言っていた。

フェニックスでは、WaymoはEarly Rider参加者の一部をWaymo Oneサービスに移行するよう招待した。ユーザーはサービスの印象を公に発表することが可能で、以前のプログラムに参加していない友人や家族を招待することもできた。その後Waymoはサービスを全員に向けて公開した。

サンフランシスコ市民はWaymo Oneアプリをダウンロードして、プログラムへの参加の意志を表明できる。同サービスでは開始時のグループを、車椅子の利用など輸送におけるさまざまなニーズをもつ多様な背景の人々で構成する、とWaymoは言っている。最初のグループに何人参加するのか、何台のJaguarが街を走りまわるのかは公表していないが、利用者には利用に関する詳細なフィードバックを数多く返すこと、および守秘義務契約に署名することを求めている。

Waymoはテスト参加者に対し、自動運転サービスを日々の移動ニーズに利用するよう推奨している。現時点で利用は無料で、サンフランシスコのサンセット、リッチモンド、パシフィック・ハイツ、ノイバレー、カストロ、ヘイト・アシュベリーなどの地区を対象地域として開始される。サービスは週7日、1日24時間利用可能だと広報担当者がTechCrunchに語った。

同社はいわゆる “autonomous specialists”(自律運転スペシャリスト、セーフティドライバーの新たな名称)を運転席に同乗させ、運行状況の監視と安全な体験の確保を行う。このセーフティドライバーは契約労働者でフランス企業のTransdev(トランスデヴ)に雇用されている。Waymoは運行スタッフの派遣を長年Transdevに依頼している。

Waymoの乗客サポートチームとは、乗車中に質問があった時、車載画面のボタンをタップするか、アプリを経由していつでも連絡がとれる、と広報担当者は言った。

Waymo初のライドシェアリング・サービスはフェニックスで開始されたが、そのルーツはカリフォルニア州、それもマウンテンビューのシリコンバレー飛び地にある。大サンフランシスコ湾岸地域では10年以上テストを続けている。

2021年初めに同社は、従業員向けに自律運転乗車を提供してロボタクシーサービスのテストを開始した。

Trusted Testerプログラム開始のニュースの1週間前、Waymoはテキサス、アリゾナ、カリフォルニア3州の自律運転トラック事業を拡大すること、およびテキサス州ダラス郊外にトラック・ハブを建設していることを発表した。同社はクラス8トラック向けの第5世代Driverのテストをテキサス州で開始しており、J.B. Huntなどの運送会社の貨物を運んでいることから、このDriverシステム最新の応用は、Waymoが完全無人運転の推進に成功していることの証か、あるいは最近調達した25億ドル(約2746億円)を有効活用していることを示す兆候のどちらかだ。

関連記事:Waymo Viaがテキサス、アリゾナ、カリフォルニア州で自動運転トラックのオペレーションを拡大中
画像クレジット:Waymo

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Waymo Viaがテキサス、アリゾナ、カリフォルニア州で自動運転トラックのオペレーションを拡大中

Alphabet(アルファベット)の自動運転部門であるWaymo(ウェイモ)は、テキサス州、アリゾナ州、カリフォルニア州での自動運転トラック事業を本格的に拡大するために、ダラスにトラック専用のハブを建設し、車両マネジメントサービスでRyder(ライダー)と提携するという2つの動きを行っている。

このニュースは、Waymoが自動運転プラットフォームWaymo Driver(ウェイモ・ドライバー)とそのチームの継続的な成長のために、25億ドル(約2754億円)の資金調達を発表してからわずか2カ月後のことだ。同社の広報担当者によれば、Waymoは、クラス8のトラック(約15トン以上)に搭載した第5世代のDriverのテストを強化していて、テキサス州ヒューストンとフォートワースを結ぶ州間高速道路45号線に沿ってJ.B. Hunt(J.B.ハント)などの運送業者の貨物を運搬し、Daimler Trucks(ダイムラートラック)と協力して堅牢なレベル4車両プラットフォームを開発しているという。Society of Automotive Engineers(自動車技術者協会)によると、レベル4の自動運転とは、あらかじめ設定されたエリア内限定なら人間がいなくても、車が自動運転可能であることを意味している。

関連記事:Waymoが米テキサスで自動運転トラックのテストを物流大手J.B. Huntと共同実施へ

Waymoは、国内で最も忙しい地域の1つにサービスを提供するために、ダラス・フォートワースに、同社の自動運転トラック事業であるWaymo Via(ウェイモ・ビア)専用の9エーカー(約3万6000平方メートル)の新しいトラック輸送ハブの建設をすでに開始している。このハブは商用利用のためにデザインされており、同社がこの地域で規模を拡大し、より大規模で複雑な自動運転テストを実施する際には、何百台ものトラックを収容することが期待されている。Waymoは、このハブはテキサス州での事業をI-45(高速45号線)に沿って、I-10とI-20の間に展開するのに役立つとしている。この場所は、州境を越えた長距離路線をサポートし、Waymoのフェニックスのオペレーションセンターと連携するのに適した場所だ。Waymoは、来年の前半にこの施設に入居する予定だという。

ここで、Ryderとのパートナーシップの出番だ。ダラスのハブは、Waymo Driverのテストを行うだけでなく、Waymo Driverが幹線道路を走って、人間のドライバーがファーストマイルとラストマイルの配送を担当できるようにするための、自動運転と手動運転を組み合わせた高速道路の近くにあるトランスファーハブモデルをテストするための中心的な拠点となる。このモデルを拡大するには、高度な組織化が必要だが、Ryderの車両マネジメントサービスと、500以上の施設で標準化された車両メンテナンス技術が、その役目を果たしてくれるはずだ。

このパートナーシップには、新しいダラスの施設を含むWaymo Viaのすべてのハブとテストサイトにおける車両のメンテナンス、検査、ロードサイドアシスタンスが含まれている。Ryderの規模と影響力、そしてWeymoの自動運転車両データへのアクセスを使って、両社は自動運転トラックのメンテナンスと最適化されたパフォーマンスの青写真作りにも取り組んでいく。

Ryderのチーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)で新製品開発責任者でもあるKaren Jones(カレン・ジョーンズ)氏は「このパートナーシップは、当初は車両メンテナンスに焦点を当てていますが、自動運転トラックの大規模展開を成功させるために、自動運転トラックの運用面で協力する機会はたくさんあると考えています」と述べている。「すでに、トラックのサービス性や、近い将来に計画しているトランスファーハブモデルに最適化できるように、Waymoのダラスの新施設のレイアウトやデザインについて協力しています。クラス8トラックの自動運転技術は急速に展開していて、Ryderはトラックの整備だけでなく、自動運転にともなう独自の物流管理においてもリーダーとなる準備を進めています」。

関連記事:Waymoは「自動運転」という表現をもう使わないと宣言するが業界には賛否両論

画像クレジット:Waymo

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(文: Rebecca Bellan、翻訳:sako)

Waymoが自動運転テックハブのピッツバーグにオフィスを開設

かつてGoogle(グーグル)の自動運転車プロジェクトで、現在はAlphabet傘下の独立会社である Waymo(ウェイモ)は米国東部で事業を拡大する。同社は米国時間7月22日、ピッツバーグにオフィスを開設すると発表した。鉄鋼の街として知られるピッツバーグで自動運転車両テクノロジーを開発・試験する一連の企業の輪に加わる。

同社はエンジニア12人ほどの採用から開始し、ベイカリー・スクエア地区にあるGoogleの既存のオフィスを使用する、とWaymoの動きに詳しい情報筋はTechCrunchに語った。7月22日時点でWaymoのウェブサイトに掲載されているピッツバーグエリアの求人は3件のみだが、同社は間もなく追加する。

新しいチームの一部メンバーは自動運転車両の意思決定を専門とするピッツバーグ拠点のテックスタートアップ、RobotWitsから加わる。ここにはRobotWitsの創業者でCEOのMaxim Likhachev(マキシム・リハチョフ)氏、そしてエンジニアリングやテクニカルのスタッフが含まれる。WaymoはRobotWitsを買収していないが、RobotWitsの知的財産権を買収した、と情報筋は述べた。

Waymoの自動運転プラットフォームWaymo Driverをピッツバーグで展開する計画は現在のところない、とも情報筋は付け加えた。その代わり新しいチームはモーションプランニングの開発、リアルタイムのルートプランニング、Driverの開発に取り組む。これまでのところ、Driverはアリゾナ州大都市圏のフェニックスで展開されてきた。同社のWaymo Viaトラッキング・貨物サービスはトラック運送会社J.B. Hunt Transport Servicesとテキサス州でテストされることになっている。

自動運転技術のライバルであるAurora、Motional、Argo AIはすでにピッツバーグにオフィスを設置済みだ。カーネギーメロン大学の人材で、ピッツバーグ市も自動運転エンジニアリング開発のための正真正銘のハブとしての地位を確立した。ピッツバーグはまた、自動運転トラックに取り組んでいるLocomationを含む、多くの零細AVスタートアップの拠点でもある。

Waymoはすでにサンフランシスコのマウンテンビュー、フェニックス、ニューヨーク、ダラス、インドのハイデラバードにオフィスを構えていて、ピッツバーグはこのネットワークに加わる。

関連記事:Waymoが米テキサスで自動運転トラックのテストを物流大手J.B. Huntと共同実施へ

カテゴリー:モビリティ
タグ:Waymoピッツバーグ自動運転

画像クレジット:Dllu / Wikimedia Commons under a CC BY-SA 4.0 license.

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

Waymoが米テキサスで自動運転トラックのテストを物流大手J.B. Huntと共同実施へ

Waymo(ウェイモ)は、輸送・ロジティクスの主要顧客であるJ.B. Hunt Transport Servicesのために貨物を運搬する計画だ。2社がいう「テストラン」が米国で最も交通量が多い商業回廊で実施される。

Waymoのトラッキングと貨物輸送サービスWaymo Viaが州間高速道路45号線を使ってテキサス州のヒューストンとフォートワース間で荷物を輸送する。トラックはWaymo Driver自動走行プラットフォームで動くが、Waymoの「自動走行スペシャリスト」、ライセンスを持つトラックドライバー、そしてソフトウェア技術者がオペレーションをモニターするために各トラックに乗り込む。

J.B. Huntと、Alphabet傘下のWaymoが協業するのは今回が初めてではない。両社はここしばらく自動走行トラックの試験展開のために準備してきたようだ。

「我々はここしばらくオペレーションとマーケット調査でJ.B. Huntと緊密に連携を取っていて、自動走行テクノロジーを展開するために今後も協業を続けます」とWaymoはブログへの投稿で述べた。「長期の準備に備えて、通常のメンテナンスのための最善のプラクティス、今後の施設レイアウトがどのようなものか、どのレーンが自動走行テクノロジーに最適かなどを探ります」。

Waymoはこのテストランで何台のトラックを使用するのかTechCrunchと情報を共有するのは却下したが、広報担当は「どのように協業できるか、共同で長期計画を立てるという目標を持った」期間限定のパイロットとなる、と話した。

Waymo Driverはレベル4プラットフォームであり、理論的に人間のセーフティドライバーが運転席に乗り込まなくても走行できるが、それは(天候がいいなど)特定の条件下に限定される。

WaymoはDaimlerトラックにWaymo Driverを搭載するためにDaimler Trucksとも提携した。この他に電動ロボタクシーの開発でVolvoと、自動貨物バンの開発でFiat Chrysler Automobilesとも提携している。

関連記事:Waymoとボルボが電気ロボタクシー開発で「独占」提携

カテゴリー:モビリティ
タグ:Waymoロジスティクステキサス自動運転トラックJ.B. Hunt

画像クレジット:Waymo

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

ドライバーレスタクシーサービスWaymoがGoogleマップで予約可能に

フェニックスの郊外で自動運転車を使って営業しているライドシェアサービスWaymo Oneを、Googleマップでアクセスしたり予約したりできるようになった。

米国時間6月3日に行われたWaymoの発表によると、最初はAndroidユーザーのみだが、完全な自動運転車のライドシェア機能をマップアプリから使えるのはこれが初めてだ。この共同事業は、2つのAlphabet傘下企業を一緒にするだけでなく、大衆的知名度や親しみやすさを上げたいという、Waymoの意欲の表れでもある。

Waymoは米国でおよそ600台を保有しているが、そのうち300から400はフェニックスにある。ただし、そのすべてがWaymo Oneの運転手不在の自動運転車として使われているわけではない。Waymo Oneのサービスは運転者のいない完全な自動運転車だけを使い、運転席に安全管理者はいない。またGoogleマップに出現したら、それが確実に完全自動運転車であることを意味している。フェニックス地域ではテストのために走っている車両もあるが、Waymo Oneのサービスで使われている自動運転車の正確な台数をWaymoは明らかにしていない。

Waymo Oneが@Googleマップにいるよ。フェニックス都市圏にいてライドシェアオプションをタップしたら#WaymoDriverが動かしている完全自動運転車を呼べるんだ。

ただしプロセスでは、少々アプリを使い分ける必要がある。Googleマップでは、Waymo Oneの車両に直接アクセスして、予約や支払いをする方法がないため、Waymoアプリに移動して予約を完了しなければならない。ユーザーはまず、Android端末からWaymoのフェニックス都市圏(チャンドラーやメサ、テンピの一部を含む)にある場所への行き方や帰り方の入力が必要だ。またユーザーは、ライドシェアまたはトランジットのタブをタップすると、Waymoでの料金と到着時刻の予想が出る。

既存のWaymo One利用者はWaymoアプリに誘導されて乗車予約ができるが、新規利用者はPlayStoreに誘導されアプリをダウンロードすることになる。

関連記事:運転手のいないWaymoの自動運転配車サービスを利用して感じたこと

カテゴリー:モビリティ
タグ:GoogleGoogleマップWaymo自動運転ロボタクシー

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hiroshi Iwatani)

企業秘密窃盗で18カ月の実刑判決を受けていた元Googleエンジニアにトランプ前大統領が恩赦

企業秘密を盗んだ罪で18カ月の実刑判決を受けていた元Google(グーグル)のエンジニアで起業家のAnthony Levandowski(アンソニー・レヴァンドウスキ)氏が、Donald Trump(ドナルド・トランプ)前大統領から恩赦を受けた。

米国時間1月19日深夜に発行されたこの恩赦は、レヴァンドウスキ氏が刑務所の独房入りを免れることを意味する。このほか、同氏を含む全部で73人に恩赦が与えられ、70人が減刑された。レヴァンドウスキ氏は2020年8月に刑期を迎えたが、この事件を担当したAlsup(アルサップ)判事は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の脅威が過ぎるまで、刑務所に出頭する必要はないと述べていた。

「私の家族と私は前に進む機会を与えていただいたことに感謝し、そして大統領と私を支持し弁護してくださった方々に感謝しています」と、レヴァンドウスキ氏はTechCrunchに語った。

レヴァンドウスキ氏の恩赦は、Founders Fund(ファウンダーズ・ファンド)の共同創設者Peter Thiel(ピーター・ティール)氏やOculus(オキュラス)の創設者Palmer Luckey(パーマー・ラッキー)氏、裁判弁護士のMiles Ehrlich(マイルズ・アーリッチ)氏とAmy Craig(エイミー・クレイグ)氏、実業家で投資家のMichael Ovitz(マイケル・オヴィッツ)氏など、テクノロジー企業の創設者や投資家によって支持された。他にも、Founders FundのパートナーであるTrae Stephens(トレイ・スティーブンス)氏や、Thiel Capital(ティール・キャピタル)のCOOであり、The Thiel Foundation(ティール財団)の会長でもあるBlake Masters(ブレイク・マスターズ)氏など、ティール氏の組織に関係のある人々もレヴァンドウスキ氏を支援している。

以下は、恩赦を支持した人々の名前を含む、ホワイトハウスが投稿した全文だ。

アンソニー・レヴァンドウスキ:トランプ大統領はアンソニー・レヴァンドウスキ氏に恩赦を与えました。この恩赦は、James Ramsey(ジェームズ・ラムゼイ)氏、ピーター・ティール氏、マイルズ・アーリッチ)氏、エイミー・クレイグ氏、Michael Ovitz氏、Palmer Luckey氏、Ryan Petersen(ライアン・ピーターセン)氏、Ken Goldberg(ケン・ゴールドバーグ)氏、Mike Jensen(マイク・ジェンセン)氏、Nate Schimme(ネイト・シンメル)氏、トレイ・スティーブンス氏、ブレイク・マスターズ氏、James Proud(ジェームズ・プラウド)氏らの強い支持を得ています。レヴァンドウスキ氏はGoogleの自動運転技術の開発を主導した米国の起業家です。レヴァンドウスキ氏は民事訴訟から生じた刑事上の起訴訴因に対して有罪判決を受けました。特筆すべきは、判決を下した判事がレヴァンドウスキ氏を「我が国が必要としている輝かしい、革新的なエンジニア」と評したことです。レヴァンドウスキ氏は自分の行動に大きな代償を払い、公共の利益のために自分の才能を捧げることを計画しています。

レヴァンドウスキ氏は、自動運転車業界の中では好き嫌いが分かれる人物である。彼は誰の目から見ても、彼を最も厳しく批評する人の間でさえも、優秀なエンジニアであることは確かだ。彼の勇敢さと危険をいとわない姿勢は、好感が持てる親しみやすい性格と相まって、多くの支持者やライバルを獲得した。

だが、レヴァンドウスキ氏は泥棒のような技術者と誹られ、Uberにあっさりと解雇され、1億7900万ドル(約185億円)の賠償金で破産を余儀なくされた。彼はまた、自動運転車開発初期の先駆的なスターエンジニアとして称賛も受けている。同氏は2009年、内部でProject Chauffeur(プロジェクト・ショーファー)と呼ばれていたGoogleの自動運転プロジェクトの創設メンバーの1人だった。法廷文書によると、彼はProject Chauffeurにおける仕事のために、Googleから約1億2700万ドル(約132億円)もの大金を受け取ったという。

2020年8月にレヴァンドウスキ氏を有罪に導いた刑事事件は、レヴァンドウスキ氏、Uberそして元Googleの自動運転プロジェクトで現在はAlphabet傘下の事業となっているWaymo(ウェイモ)を巻き込んだ数年におよぶ法律大河ドラマだ。

レヴァンドウスキ氏は2016年、 Lior Ron(リオル・ロン)氏、Claire Delaunay(クレア・ドローネ)氏、Don Burnette(ドン・バーネット)氏という3人の経験豊富なエンジニアとともにGoogleを退社し、自動運転トラックを開発する企業としてOtto(オットー)を設立。それから8カ月も経たないうちに、UberはOttoを買収した。この買収から2カ月後、Googleはレヴァンドウスキ氏とロン氏に対して2件の仲裁要求をした。Uberはどちらの仲裁でも当事者ではなかったが、レヴァンドウスキ氏との間に結んでいた補償契約に基づき、同社はレヴァンドウスキ氏を弁護せざるを得なかった。

仲裁が進む一方で、それとは別にWaymoは2017年2月、企業秘密の盗難と特許侵害を理由にUberを相手取り訴訟を起こした。Waymoはこの訴訟で、レヴァンドウスキ氏が企業秘密を盗み、それがUberによって使用されたと主張していたが、2018年に和解に至った。

この和解では、UberはWaymoの機密情報を自社のハードウェアやソフトウェアに組み込まないことに合意した。Uberはまた、シリーズG-1ラウンドの評価額720億ドル(約7兆4510億円)に対するUberの株式の0.34%を含む金銭的和解金を支払うことにも合意した。これは当時、Uberの株式で約2億4480万ドル(約253億円)に相当した。

レヴァンドウスキ氏はWaymo対Uber訴訟の被告ではなかったが、彼はすぐに大きな障害に直面することになった。

2019年8月、米連邦地方検事は、レヴァンドウスキ氏がGoogleに勤務していた間に、33件の企業秘密の窃盗および窃盗未遂を働いたとして、単独で起訴した。2020年3月、レヴァンドウスキ氏と連邦地検は司法取引で合意に達し、レヴァンドウスキ氏は33件の訴因のうち、Project Chauffeurに関連する数千のファイルをダウンロードしたことを認めた。これはChauffeur Weekly Update(ショーファー・ウィークリー・アップデート)として知られているもので、四半期ごとの目標や週ごとのメトリクスのほか、プログラムが直面した15の技術的な課題の要約や、以前に克服した課題に関するメモなど、さまざまな詳細が含まれているスプレッドシートだ。

連邦地検は27カ月の懲役を求めたが、レヴァンドウスキ氏は罰金、12カ月の自宅監禁、200時間の社会奉仕活動を求めていた。アルサップ判事は最終的に、自宅監禁は「将来すべての優秀なエンジニアに企業秘密を盗むことを可能にすると判断し、懲役刑をその答えとする」と判断した。

アルサップ判事はレヴァンドウスキ氏に18カ月の実刑を言い渡したが、新型コロナウイルス感染症の流行が収まるまで出頭期日を延期していた。レヴァンドウスキ氏は、Waymoへの返還金75万6499.22ドル(約7820万円)と罰金9万5000ドル(約980万円)を支払うことにも同意した。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Waymoは「自動運転」という表現をもう使わないと宣言するが業界には賛否両論

Waymo(ウェイモ)は自社の技術に10年以上使い続けてきた「Self-driving(セルフドライビング、自動運転)」という用語の使用を止め、代わりに「Autonomous(オートノマス、自律走行)」と呼ぶことにした。

見るからに小さな変更だが、これにより同社の技術は何をして、何をしないかが明確になるとAlphabet(アルファベット)傘下のであるWaymoは話す。またこれは、Tesla(テスラ)がその先進運転支援システムの説明に使っている「Full self-driving(完全自動運転)」という言葉と自社(さらには業界全体)との距離をとるための取り組みとも見られている。

「この1年間、私たちはその言葉の重要性と、『自動運転車』といった用語がWaymoのような自律走行車メーカーの製品を正確に表現しないことの意味を考えてきました」と米国時間1月6日に公開された同社のブログ記事に書かれている。「Waymoの車両は、自分から走るわけではありません。むしろWaymoは、運転操作の自動化を目指しているため、自律走行のほうが正確な表現となります。先進運転支援システムと自律走行技術といった、大きく異なる技術の説明を1つの用語でひっくるめてしまうことは、『Autonowashing(オートノウォッシング)』と呼ばれています。そこには深刻な安全性の問題が潜んでいます。人々は一貫して、運転支援機能の能力を過大評価する傾向があるとの研究結果もあります」。

【訳注】Autonowashingとは、実際はそこまで自動化されていないにも関わらず、それを隠蔽(ウォッシュ)して自動運転ができるかのように思わせる用語のこと。

自動運転という用語を止めるWaymoの決断は、他の自律走行車メーカーからは、業界全体への行動の呼びかけとして見られている。だが、業界が用語の明確化と一般大衆の啓蒙の必要性に基本的に合意しているにも関わらず、Waymoが受け入れた具体的な用語体系に賛同しない企業もある。

TechCrunchが話を聞いた業界内部の一部の人たちや企業創設者たちは、「自動運転」という用語を使わなくなれば、不本意ながらその用語をTeslaに譲ってしまうことになりかねないと懸念している。啓蒙のほうに労力を振り向けるべきだと示唆する声もある。

「私たちは、この技術の無人運転へ適用を追究しつつ、自家用車やトラックを運転するテクノロジーと運転者を支援するテクノロジーとの違いを明確にする用語を使いながら、その恩恵について人々の認識を高めてもらう取り組みをしています」と、Aurora(オーロラ)のCEO、Chris Urmson(クリス・アームソン)氏はいう。「他の企業の誤解を招くマーケティング活動に同調して技術の名称を変えるよりも、私たちが目指す命を救う技術を定義する明確な用語に沿うことのほうが、業界としては重要であるという考えに私たちも同意します」。

そうしたWaymoへの反発は、ひとつには業界内の同社の立ち位置に関する認識が影響している。WaymoはもともとGoogle(グーグル)の自動運転車プロジェクトであり、技術開発と自律走行車の商品化で先陣を切る企業だ。同社の事業はこの新興市場において、大きな責任と影響力を背負っているからだ。

今回の発表にともない、啓蒙キャンペーンの名称を「Let’s Talk Self-Driving(自動運転を語ろう)」から「Let’s Talk Autonomous Driving(自律走行を語ろう)」に変更したWaymoは、自家用車の先進運転支援システムを、自動運転または半自律走行と説明し宣伝してきた自動車メーカーのこれまでのやり方が混乱を招いたと主張する。この呼称変更の元凶としてWaymoがTeslaを名指しすることは決してないが、「オートパイロット」や「FSD(フル・セルフ・ドライビング、完全自動運転)」といった用語を使うTeslaは、自動車と安全に関連する数多くの団体のみならず、自動車メーカーの間にも批判を巻き起こしている。

Waymoは、自動運転車として宣伝されている乗用車、トラック、SUVに乗るドライバーたちは、その技術の能力の限界を理解しておらず、間違った使い方をしかねないとの調査結果について語っている。同社が取り上げたのは、2019年に実施された調査だ。回答者の半数が、運転車が決してハンドルから手を離してはいけないシステムの場合でも、その運転支援機能は手放し運転が可能だと信じていたという。

ドライバーが運転席にいなくてもクルマが自動的に運転してくれる技術をどう表現するかに関連する疑問や混乱は、もう何年間も消えずにいる。自律走行、自動化運転、無人運転、自動運転といった用語が、この10年間、入れ替わり立ち替わり使われてきた。復活して人気を得ることなく、時とともに消えていった用語もある。「完全自律走行」は、ごく最近になって自律走行言語学に加わった新語だ。当のWaymoも、自動運転という言い方を止めると発表したブログ記事の中で、状況に応じて「自律走行」と「完全自律走行」を使い分けている。

「自動運転」という用語は、自律走行車技術を開発し商品化しようとする企業にとっては頼もしい存在だ。Argo AI(アーゴエーアイ)、Aurora(オーロラ)、Cruise(クルーズ)、Motional(モーショナル)、Nuro(ニューロ)、Voyage(ボイエージ)といった同業界の他主要メーカーは、彼らの取り組みを各ウェブサイトで「自動運転」と称している。Zoox(ズークス)は、自律走行配車サービスを自称するはみ出し者だ。

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(翻訳:金井哲夫)