Waymoがアリゾナにて自動運転トラックのテストを復活へ

Alphabet傘下で自動運転技術を開発しているWaymoは、自動運転トラックのテストをアリゾナにて復活させる。

Waymoの自動運転車両であるハイブリッド仕様のクライスラー・パシフィカは、Waymo Oneの配車サービスにて利用されており、チャンドラーやフェニックス郊外にて日常的な光景となった。しかし、自動運転されるクラス8の大型トラックは、アリゾナでは1年以上運用されていない。

Waymoは自動運転システムをクラス8トラックに統合し、2017年8月にアリゾナにてテストを開始した。しかし同社は2017年中に、アリゾナの公道でのテストを中断していた。

Waymoによれば、アリゾナでの初期テストは地域でトラックを運転する際の初期情報の収集を目的としたものだった。そして新たなテストは、プログラムの開発においてさらに進んだ段階にある。

テストはフェニックス地域の高速道路にて実施され、その後に拡大される。Waymoは実際にどれだけのトラックが使用されるか、アリゾナ州に何台あるのか、いつフェニックス郊外にテスト地域を拡大するのかについての詳細を明かしていない。

また、Waymoは空のトラックと荷物を積んだトラックの両方をテストする。荷物を積んだトラックは試験目的のみで、商業目的ではない。

自動運転車両には2人の訓練されたセーフティードライバーが乗車し、もし必要なら運転を替わる。

Waymoは自動運転トラックを米国のいくつかの地域で実施しており、その中にはアリゾナやサンフランシスコ、、アトランタも含まれる。2018年、同社はアトランタにてGoogle(グーグル)のデータセンターに向かう荷物を配送する計画を発表した。

Waymoの自動運転トラックは、アリゾナ州の高速道路にてTuSimpleを含む最低でも1社と共有される。同社は高速道路10号線に沿って、トゥーソンとフェニックスの間にて自動運転車両(セーフティードライバーが乗車)を運行している。

自動運転トラックはWaymoの幅広いビジネス戦略の一部で、そのビジネスにはライドシェアリングサービスの提供や、いずれは自動運転技術の自動車メーカーへの提供も含まれている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

フィアット・クライスラーがルノーに50対50の事業統合を提案

フィアット・クライスラー・オートモビルズ(FCA)は、ルノーとの事業統合を提案した。もしこれが受け入れられたなら、年間自動車販売台数870万台の世界第三位の自動車メーカーとなる。

FCAは、月曜、法的拘束力のない書簡をルノーの役員会に渡し、50対50の対等な事業統合を提案した。FCAの提案からは、規制強化の圧力、売り上げの減少、自律走行車両技術などの次世代技術にかかるコストの上昇といった環境の中で、経営の強化や提携関係を望む自動車メーカーの事情が伺える。

この提案では、事業はFCAとルノーとの間で株式が当分される。役員会は双方からの11名が参加することになるとFCAは話している。大多数は無所属の役員となる。FCAとルノーは、それぞれ4名ずつ同数の役員を参加させ、日産からも1名が推薦される。その親会社は、ミラノのBorsa Italiana、パリのEuronext、ニューヨーク証券取引所で上場する予定だ。

フランスの自動車メーカー、ルノーは、日産自動車と提携している。この2社は、ルノー日産アライアンスの元CEOカルロス・ゴーン逮捕とそれに続く主導権争いで関係がぎくしゃくしているが、自動車部品の共有や技術協力などを行っている。ルノーは日産の株式の43.4パーセントを、日産はルノーの株式の15パーセントを保有する。

フィアット・クライスラーは、ジープや、トラックのラムといったブランドを通じて米国で最もよく知られている自動車メーカーだ。しかし、その事業規模はずっと大きい。市場価値が200億ドル(約2兆2000億円)というフィアットは、イタリアでもっとも古い自動車メーカーのひとつであり、アルファロメオ、フィアット、ランチア、マセラティといったブランドを有する。

2009年、フィアットはクライスラーの株式を取得。現在一般に知られている、20万人近い従業員数を誇るFCAは、双方の企業が合併した2014年に誕生した。

提案された事業統合は、コストの削減につながる。しかし、工場を閉鎖して節約するのではないとFCAは主張している。今回の統合によって閉鎖される工場はひとつもないと、FCAは提案の中で明言した。提案について説明した広報資料で、FCAは次のように述べている。

提案の取り引きによる利益は、工場の閉鎖を前提としたものではなく、共通のグローバルな車両プラットフォーム、アーキテクチャ、パワートレーン、技術に、効率的に資本を投資することで得られます。

統合が実現すれば、製品の生産や、とくに新技術の開発や商品展開といった特定の分野で協力することにより、年間ランレートで50億ユーロ(約6140億円)の節約が達成できると見込まれている。FCAによると、この分野には、通信ネットワークへの接続性、電動化、自律運転が含まれる。

FCAは、「必死に努力する文化でもってOEMを統合し、ひとつの目的に専念する強力なリーダーと組織を築き上げることに成功した」歴史があると訴えている。

こうしたコスト削減策は、売り上げが低迷したとき、双方にとっての命綱になる。だがこれは、もしもの話ではない。GMやフォードなど他の自動車メーカーは、すでに売り上げ低迷に備え始めている。またコスト削減は、運転支援システムや自律運転車両といった高度な技術の研究も可能にしてくれる。

46箇所の研究開発センターを運営するFCAは、高度な運転支援システムに投資をしている。マセラティに搭載されている高速道路での支援機能はそのひとつだ。また、同社は自律運転技術を持つウェイモなどの企業との提携にも依存している。

昨年、同社はウェイモとの提携を拡大すると発表した。これにより、6万2000台のクライスラのミニバン、パシフィカが、ウェイモの自律運転車両軍団に追加される。両社はさらに、ウェイモの自律運転車両技術を一般消費者の車にも展開できるよう、ライセンス化に取り組んでいる。

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(翻訳:金井哲夫)

WaymoとLyftが自動運転タクシーで提携

WaymoはLyftと提携し、アリゾナ州フェニックスにて自動運転車両を配車サービスに導入し、商業ロボットタクシーサービスを推し進めることになる。

WaymoでCEOを務めるJohn Krafcik氏によれば、同社は数カ月のうちにLyftのプラットフォームに10台の自動運転車両を導入する。Waymoの車両が導入されれば、地域のLyftユーザーはアプリから直接Waymoを選択することができる。

Krafcik氏は米国時間5月7日に投稿されたブログ記事にて、「この提携の第一歩は、LyftユーザーにWaymo車両を紹介し、多くの人に初めての自動運転車両を体験してもらうことだ」と綴っている。

両社の提携の詳細は明かされていないが、これはLyftと自動車サプライヤーかつ自動運転ソフトウェアを開発している米Aptivとの提携と似ているようだ。両社の提携のもと、ラスベガスにてLyftのプラットフォームにAptivの自動運転車両が導入されている。2019年4月時点で、同地域ではLyftのアプリから4万回以上の有料での自動走行サービスが実施された。

Waymoはここ数カ月、フェニックスにおける自動走行車両の配車サービスを強化している。4月には配車サービスが開始され、同時に「Waymo One」アプリをGoogle Payストアで提供することでより広く利用できるようになった。

Alphabet傘下の企業としてスピンアウトしたWaymoは、昨年12月にフェニックスにてWaymo Oneをローンチした。自動走行車両によるWaymo Oneとそのアプリは、以前はフェニックス地域の初期プログラム参加者のみが利用でき、テスト済みの一般市民による自動走行ミニバンでのサービスが予定されていた。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

WaymoがロボタクシーのアプリをGoogle Playで公開

自動運転車のWaymoは、より多くのフェニックス住人にサービスを提供するため、自社の配車アプリをGoogle Playストアで公開して広く使えるようにしようとしている。

Alphabet傘下のスピンアウト企業であるWaymoは昨年12月、フェニックスエリアでWaymo Oneと呼ばれる限定商業ロボタクシーサービスを立ち上げた。Waymo One自動運転車サービスと専用のアプリは、アーリー・ライダー・プログラムに参加していたフェニックスの住人だけが利用できた。

テクニカル的には、WaymoAndroidiOSのアプリをしばらく有していた。しかしサービスに興味を持っても、Waymoのウェブサイトで申し込んだ後でなければアプリにアクセスできないようになっていた。アーリー・ライダー・プログラムへの参加が許可されると、デバイスにアプリをダウンロードするためのリンクが送られてくる。

20174月に始まったアーリー・ライダー・プログラムの参加者数は、前回Waymoが公表したところでは400人超だった。Waymoは、何人がWaymo Oneサービスに移ったかについては「数百人が使っている」とだけしか明らかにしていない。

そしていま、Waymo OneGoogle Playでの公開で、同社は門戸を広げようとしている。しかしそれでもまだサービスには制限がある。

アンドロイド端末を所有している興味のある人は、アプリをダウンロードできる。しかし、UberLyftのような従来の配車サービスとは異なり、Waymo Oneではユーザーがすぐにアクセスできるというわけではない。その代わり、許可される可能性のある人はウェイトリストに加えられる。そして一度受け入れられれば、ユーザーはアプリで乗車をリクエストできるようになる。

こうした新規顧客はWaymo Oneの前に、まずWaymoのアーリー・ライダー・プログラムに案内される。これは重要な点だ。なぜなら、アーリー・ライダー・プログラム参加者は秘密保持契約に署名しなければならず、ゲストを連れてくることはできないからだ。そうした新たな利用者は最終的にWaymo Oneに案内されることになる、と同社は説明している。Waymo Oneの利用者はゲストを招待したり、写真やビデオを撮ったり、乗車体験について語ったりすることができる。

火曜日のブログ投稿でWaymoは「この2つのサービスは深く結びついている。というのも、アーリー・ライダー・プログラムでのフィードバックから学ぶことが、Waymo One利用者に提供する乗車体験を形成するのに役立つからだ」とした。

Waymoは、2016年にチャンドラーなどの郊外で自動運転のChrysler Pacificaミニバンのテストを開始して以来、フェニックスでの商業展開に向けてそっと歩みを進めてきた。

2017年、Waymoはアーリー・ライダー・プログラムを立ち上げた。同じ年に同社はまた、空の自動運転車での公道試験を開始した。

Waymo20185月に一部のアーリー・ライダーが、テストドライバーなしのミニバンを呼び出せるようにした。直近では、バス停や電車・ライトレールの駅に人を輸送することにフォーカスしたパブリック・トランジット・プログラムをフェニックスで開始している。

イメージクレジット: Waymo

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(翻訳:Mizoguchi)

Waymoは自動運転車両のさらなる路上投入を着々と準備中

Waymoはフェニックスエリアに、新たにテクニカルセンターを設ける。自動運転車両テクノロジースタートアップであるWaymoは商業車両を増やす準備を進めていて、新センター開所で同エリアでの収容能力が倍になる見込みだ。

85000平方フィートある新センターはメサに設けられ、今年後半に開所する予定となっている。フェニックス郊外チャンドラーにすでにある6万平方フィートの施設はそのまま残る。

前身はGoogleの自動運転プロジェクトで、スピンアウトしてAlphabet傘下企業となったWaymo2016年にアリゾナ州チャンドラーに初の施設を開所した。以来、Waymoはテストを強化し、アーリー・ライダープログラムを立ち上げ、そして商業展開へ向けて徐々に歩を進めてきた。20174月に始まったアーリー・ライダープログラムの参加者は、Waymoが最後に公開した数字では400人となっている。

昨年12月、Waymoは商業の自動運転車サービスとアプリのWaymo Oneの提供を開始した。このサービスはまだ広範で利用できるわけではなく、Waymoの訓練を受けたドライバーがまだ運転席に乗り込んでいる(Waymoはドライバーなしの車両をフェニックスの公道で走らせている)。

今回の新センター設置の発表は、おおよそ600平方マイルというフェニックスの広がりつつある中心地の大方をカバーするという最初の計画にWaymoがまだ取り組んでいることの表れだ。Waymoは最近ではチャンドラー、テンペ、ギルバート、メサで車両を展開している。これは、その地域の住人が今後、公道でさらに多くのWaymoの自動運転車両を目にすることを意味する。そうした体験は、一部の人にとってはすごく嬉しいものではなかったようだ(自動運転車両に腹を立てて過激な報復行動をとったという件がいくつか報告されている)。

Waymoが全世界で抱える車両は約600台で、その大半がフェニックスエリアにある。Waymoによると、新たなテクニカルセンターは2つめの派遣センターとしての役割を担い、車両のメンテナンスや清掃なども行う。

このセンター開所は、Waymoが今後数カ月内にさらに雇用することを意味する。Waymoが火曜日のブログで記したように、フェニックスでの運用拡大は今回が初めてではない。Waymoは昨年、チャンドラーのフルサービスセンターを6万平方メートルに拡張した。この施設は車両技術や車両派遣、乗客サポートなどを含む運営・サポートチームを抱えている。

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(翻訳:Mizoguchi)

Uberの自動運転車部門は月に22億円超を費やしていた

IPOの準備段階で、Uberの巨額の支出と巨大な野心の詳細が、裁判所への提出書類から明らかになった。

先週公開された裁判所の文書によれば、Uberは今年、路上に7万5000台の自動運転車を配備し、2022年までには13都市で無人タクシーサービスを運用する予定だったという。この野心的な目標を達成するために、今年後半に公開を予定している同社は、自動運転技術の開発に毎月2000万ドル(約22.3億円)を費やしていた。

2016年に遡るその数字が描き出すものは、その大胆すぎる自動運転の目標を必死で追い求め、そのためにはたとえ無謀であろうとも糸目をつけず支出を行う企業の姿である。Uberが今年後半のIPOを準備する中で、この新たに明かされた詳細は、同社がいまでも、創業者のトラビス・カラニック氏が提唱していた、Uberが未来に「生き残る」ため技術の開発を続けているという、困惑するような事実を思い出させるものかもしれない。

このレポートは昨年のWaymo(ウェイモ)との間の、特許及び企業秘密に係る窃盗訴訟のためにUber向けに書かれたものだ。この訴訟でWaymoは、元Googleの技術者だったアンソニー・レバンドウスキー氏が同社を辞めてトラックのスタートアップOtto(オット)を起業した際に、Googleの技術的な秘密を持ち出したと訴えた。Uberは2016年にOttoを買収している。Uberは、Waymoが被った経済的損害額に対するWaymo自身の18億5000万ドルという莫大な評価に対して疑問を投げかけるために、専門家の立場の証人として、レポートの著者であるウォルター・ブラティック氏を雇った。ブラティック氏のレポートは、Waymoの企業秘密と言われているものを独自に開発するためのコストは、60万5000ドルだと報告している。

Waymoは最終的にUberの株式の0.34%を受け取ることになった。これは最近の同社の評価額である900億ドルが正確であるなら、IPO後には3億ドル前後に相当するものとなる。

ブラティック氏のレポートは内部の詳細な分析を行い、Uberが2016年に行っていたProject Rubicon(プロジェクトルビコン)というコードネームのプロジェクトについて報告している。その年の1月のプレゼンテーションでは、2018年には無人車によってUberは利益を得ることができると予測していたが、それが2016年5月になると、Uberは2019年までには1万3000台の自動運転車を所有することになるだろうとしていた。そのたった4カ月後、その見積もりは7万5000台へと急増した。

現在のUberの自動運転技術の責任者であるエリック・メイホーファー氏は、Uberが2022年までに数十の都市に数万台の自動運転車を投入するという当初の想定は「非常に憶測的」な「仮定と見積もり」によるものだったと証言した。メイホーファー氏はそれ以外の数字の開示を拒否したが、以下のように語った「13カ所以上の都市を考慮する多くのシナリオを検討していた筈です。他のシナリオでは200、あるいは100もしくは300カ所の仮定をしていたかもしれません。それは目標を達成するためのパラメータを理解するために、回してみる必要のあったツマミ群なのです」。

当時Uberの自動運転車を担当していたエンジニアであるジョン・ベアーズ氏によって設定された、1つの具体的目標は、2020年までに人間のセーフティドライバーを不要にできるようにすることだった。同社の技術者たちは、Ottoとレバンドウスキー氏を獲得することでその進捗が劇的に進むと確信していたようだ。

「ある時点で、ジョン・ベアーズ氏と(元Googleのエンジニアである)ブライアン・マックレドン氏は、そのことで(自動運転車の開発が)12から24カ月早まると見積もったのです」と証言しているのは、Uber社の開発マネージャーの1人だ。

新たに開示された、2016年1月のレバンドウスキー氏とのミーティング議事録によれば、ベアーズ氏は単にレバンドウスキー氏と話すだけでも数億ドル分の価値があると考えていた:「彼は何を行うべきで、何を行うべきではないかについての、洗練されたアドバイスを提供してくれるでしょう。彼と1日過ごすことで私たちのチームは2020年に向けて何カ月もの節約をすることができるでしょう(1カ月==2000万ドルの支出)」。

TechCrunchの試算によれば、もしUberが2015年の初頭に始めたその自動運転プログラムに対して月々2000万ドルの経費をつぎ込み、そしてOttoの買収に2億ドルを使ったとすれば、Uberは自動運転車の研究に9億ドル(100億円)以上を使った可能性がある。対照的に、Waymoは2009年から2015年末までに、独自の自動運転車に対して11億ドルをつぎ込み、現在は毎年10億ドルを支出している可能性がある。

しかし、OttoとUberの新婚旅行の期間は短いものだった。訴訟の宣誓の中で、ベアーズ氏は、Ottoの買収によりUberの自動運転車への取り組みが進むとの期待は「2016年1月初頭から3週間から4週間」続いただけだったと述べた。2016年8月までには、彼の証言によれば、実際には後退であることが判明した:「私たちはそれを活かすことができませんでした。アンソニー氏の管理と指導が結果としてもたらしたのは私たちのスタッフに対する管理上の混乱でした」。

ブラティック氏のレポートには、Uberが自動運転車に投入していたスタッフの数が詳細に書かれている。2017年6月におけるUberのハードウェア部門の人数は155人であり、ソフトウェアには405人が取り組んでいたという。それよりも2カ月前に出た別のUberのレポートには、それよりも2倍多い1500人が自動運転ユニットで働いていると書かれている。とはいえこの数にはおそらくUberのテスト運用チームと車両操作担当者も含まれているのだろう。

今回新たに開示された文書では、Uberが行ったとされるWaymoの企業秘密の不正利用で、Uberは自動運転のテクノロジーを3年10カ月以上加速することができた、とWaymoが主張していたことも明らかにされた。

「これが意味することは、2022年までに13都市での商用運行を行うとするUberの想定を考慮すると、Uberは13都市での自動運転技術そのものの商用化の準備が2018年までには整っていなければならなかったということである」とブラティック氏は書いている。もちろんこれは実現していない。実際昨年3月のアリゾナ州テンペでの死亡事故の後、Uberはようやく最近になって、数少ない自動運転車を使う公道上のテストを再開したところだ。

Uberは2018年の第4四半期に8億6500万ドルの純損失を計上したが、これまで利益を挙げたことは一度もない。

画像クレジット: Uber

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(翻訳:sako)

WaymoのCTOが語る、会社の過去、現在、そして次に来るもの

10年前、10人あまりのエンジニアたちが、Charleston RoadにあるGoogleのマウンテンビューメインキャンパスに、Project Chauffeur(お抱え運転手プロジェクト)のために集められた。これはGoogleの未踏最先端研究”X”の中に生まれた秘密の取り組みだった。

Project Chauffeur ―― 一般には「Google自動運転車プロジェクト」として知られている ―― は、こうして2009年1月に始まった。プロジェクトはやがてその試験的状態を卒業し、2016年にはWaymoと呼ばれる会社として独立した。

このプロジェクトを当初率いていたのはSebastian Thrunである。彼が現在も開発が続く、全てのエコシステムの立ち上げに尽力したのだ。ベンチャーキャピタリストたちが注目し殺到した。自動車アナリストたちは態度を変え、規制当局、都市計画者、そして政策立案者たちはデータを収集し、自動運転車が都市に及ぼす影響について考慮し始めた。

このプロジェクトはまた、自分自身の会社を作りたいエンジニアたちの、跳躍台でもあり続けた。たとえばそうしたエンジニアとして、Auroraの共同創設者Chris Urmson、Argo AIの共同創業者Bryan Salesky、Otto(や最近はPronto.ai)の起業を手がけたAnthony Levandowskiたちの名前が挙げられる。

だが設立当初から参加していたエンジニアたちの多くが、まだWaymoに残っていることは、あまり知られていないかもしれない。それはAndrew Chatham、Dmitri Dolgov、Dirk Haehnel、Nathaniel Fairfield、そしてMike Montemerloといった人びとだ。「初期」の定義の仕方によっては、Hy Murveit、Phil Nemec、そしてDan Egnorなどの、8〜9年間そこにいる人たちも含まれることになる。

今回、WaymoのCTO兼エンジニアリング担当副社長のDolgovに対して、TechCrunchはインタビューを行った。話題はその黎明期について、10周年を迎えるにあたって、そして将来についてである。

以下は、明瞭さのために短く編集された、Dolgovとのインタビューの抜粋である。

TechCrunch(TC):どのようにプロジェクトを始めたのかをお聞きしましょう。Googleの自動運転プロジェクトの最初の日々について教えていただけますか。

DOLGOV私がこの分野に引きつけられた理由を考えてみると、それはいつでも3つの主要なものに行き着きます。テクノロジーのもたらす影響、テクノロジーそのもの、そして取り組む対象の困難さです(一緒に働く人たちはもちろん大切ですが)。その時点では、きわめて重大な安全性への影響があることは明らかでしたが、その先に、効率性を改善し、人や物の輸送から面倒を取り除く可能性が見越されていました。

決して尽きることのない、こうした高揚感があるのです。自動運転車の仕事を、最初にしたときの事をおぼえています。それは私が書いたソフトウェアを使って、自動車自身が走行した最初の経験でした。これは本当に初期のできごとでした。これは2007年のことです。この体験は私を完全に圧倒しました(Dolgovは、Googleプロジェクトが開始される以前の2007年11月に、DARPA Urban Challengeに参加していた)。

TC:(Googleの共同創業者)ラリー・ペイジが思い付いた、この10本の100マイルチャレンジはどのようなものでしたか?それについて少し説明していただけますか?

DOLGOV:これはおそらく、私たちがこのプロジェクトを2009年にGoogleで始めた際の主要なマイルストーンでした。そしてチャレンジは、それぞれが100マイルの距離がある10本のルートを走行することでした。もちろん、始めから終わりまで、人間は全く介入することなしに、走行させなければなりません。

これらは、非常に明瞭かつ明確に定義された、精密なルートでした。最初に自動運転モードに切り替えた後は、全100マイルを自力で走行しなければなりませんでした。

それぞれのルートは、タスクの完全な複雑さを収集できるように意図的に選択されました。当時私たちにとっては、とにかく問題の複雑さを理解することが先決でした。すべてのルートはベイエリアにありました。私たちはパロアルト周辺の都市環境で運転を行いました、高速道路上で多くの時間を費やし、ベイエリアのすべての橋を訪れました。マウンテンビューからサンフランシスコに行くルートがありましたが、そこにはロンバードストリートを通ることも含まれていました。また私たちは、レイクタホの周りを回るコースも持っていました。

私たちは環境の複雑さを可能な限りカバーしようとしました。そしてそのタスクが本当に素晴らしかった点は、そのことで私たちがこの問題の複雑さの中心を、本当にすばやく把握することができたということなのです。

TC:これらのチャレンジを完了するのにどれくらい時間がかかったのですか?

DOLGOV:それらを終えるのは、2010年の秋までかかりました。

TC:プロジェクトが2010年までに、これらのチャレンジを完了することができたと考えると、凄いことですが、それでもこのタスクにはまだ多くのやるべきことが残されているように思えます。

DOLGOV:その通りです。しかし、私はそれが問題の本質だと思います。 何かを1〜2回、あるいはほんの数回実行できるプロトタイプを作ることと、一般の人たちが日常的に使うことのできる製品を作ることの間には、とても大きな違いがあります。そして、特にこの分野では、私たちが始めたときには、このような一度きりの挑戦で成果を出すことはとても簡単だったのです。

しかし、本当に難しいのは、それを製品にするためにシステムから引き出す必要のある、信じられないレベルの性能なのです。それこそが一番難しいことです。そして二番目に難しいことは、その先に遭遇することになる、果てることなく湧いてくる、滅多に起きない問題の種類の複雑さなのです。おそらく99%の状況ではそうした問題に出会うことはないでしょう。しかしそれでも出会うかもしれない1%もしくは1.1%の状況のために、準備をしておかなければならないのです。

TC:そうした初期の日々を振り返ったときに、あるいはもっと最近のことでも良いのですが ―― 乗り越えられそうもない、あるいはテクノロジーがまだそのレベルに達していないように思われた、ソフトウェアあるいはハードウェアの問題に遭遇した瞬間はあったでしょうか?

DOLGOV:初期の頃には、私たちはあらゆる種類の問題に直面していました。このプロジェクトの歴史の初期段階には、どうやってそこに到達すればよいかを本当にはわからないまま、問題を解決しようとしていただけだったのです。

問題に取り組み始めて、それに向かった進歩が行われます。この数年が、私にとってどのように感じたものかを振り返るならば、ここに一つ問題があったとか、少数のいくつか本当に難しい問題があったとか、一つの壁にぶつかっていたといった表現では全く足りない状況だったと思います。

そうではなく、何百もの本当に難しい問題に遭遇していたのです。とはいえ、そうした問題のいずれもが、レンガの壁のような難攻不落なものではありませんでした。ご存知のように、チームは素晴らしく、テクノロジーは本当に強力で、その問題の解決を進めることができたからです。

しかし、常にこれらの本当に複雑な数百の問題を、同時に扱い続けなければなりませんでした。どれか一つの問題の解決により深く踏み込むと、それがどれだけ難しいかをさらに思い知るといった具合だったのです。

これはとても面白い組み合わせでした。一方では、問題はより困難になり、それについての学びも多くなりました。しかし、その一方では、テクノロジーが急速に進歩し、当初予想されていたよりも速くブレークスルーが起きていたのです。

TC:このプロジェクトが(公式発表とは別に)変化したことに気付いたのはいつでしょう?それが単に問題を解くだけにはとどまらず、ビジネスになり得ると思ったのはいつなのでしょうか?

DOLGOV:私の考えでは、それは私たちの思考が進化し、この技術による、よりはっきりと定義つけられたプロダクトと商用アプリケーションに、より多くの投資が行われたときでしょうね。

私たちが始めた、本当に最初の段階では、問題は「そもそもこれは実現可能なのか?このテクノロジーはうまく働くのか?」でした。とはいえ、このテクノロジーが成功したら、その影響は果てしないものになるという認識は、皆にとって明らかだったと思います。

どのような商用アプリケーションやどのような製品が、その影響をもたらすのかは明らかではありませんでした。しかし、このテクノロジーが世界を変えるだろう方法はたくさんあったので、その点についてあまり心配し続けることはあまりありませんでした。

このテクノロジーを眺めたときに、私たちが開発しているのはドライバーなのです:ソフトウェアとハードウェアの双方ですが ―― 車の中で実行されているソフトウェアとクラウドの中で実行されているソフトウェアがあります。私達はテクノロジースタック全体を、ドライバーとして見なしています。

米国には、人間によって運転されているのべ3兆マイル(4.8兆キロ)もの道があります。ある場合には、彼らは自分自身で運転(drive)し、ある場合には他の人を使役し(drive)、またある場合には貨物を動かして(drive)います。もし「ドライバー」(driver)であるテクノロジーを手に入れたなら、それをすべての場合に展開することが可能です。しかし、それらにはそれぞれ長所と短所があります。

時間が経つにつれて「最も魅力的なものは何だろう?」そして、「どのような順序で取り組むべきなのだろう?」という私たちの考えが成熟して行きました。

それこそが、これまでの作業の結果私たちが現在行っているものなのです。配車サービス(UberやLyftのようなもの)は、私たちが追求している最初の商用アプリケーションです。それ以外にも、長距離輸送、長距離配送に取り組んでいます。いつかこの技術を、個人所有の車、地域の配達業務、公共交通機関などなどに展開することに興味を持っています。

TC:どのようなアプリケーションに一番興味を持っていますか?世の中で見過ごされているなあとあなたが思っているものや、個人的にもっとも興味をお持ちのものは何でしょう?

DOLGOV:このテクノロジーと(そのテクノロジーを利用した)ドライバーが世界中に、そしてさまざまな商用アプリケーションに展開されているのを見ることに、とても興味を持っています。しかし、私が最も興味を持っているものは、私たちの最優先の目標として追求が行われている配車サービスです。

私はそれが最も短期間に、最も多くの人たちに、良い影響を与えることだと思っています。

私はまた私たちの車を使って日々走り回っています。今日仕事場に来るのにも使っています。マウンテンビューとパロアルト周囲で様々な用足しを行うために使っています。これらの車の体験を重ねられることは素晴らしいことです、そしてそうすることによって、本当に多くの移動の面倒が取り除かれています。

TC:なるほど、現在毎日通勤に自動運転車をお使いなのですね?

DOLGOV:はい。まあカリフォルニアではまだ中に人が乗っていますけれど。

TC:どのくらいそれを続けていらっしゃるのですか?

DOLGOVかなりの間です。実際、永遠に続けているような気がします。

私はいつでも車の中で時間を過ごして来ました。自分が開発している製品を体験し、テクノロジーに直接触れることはとても大切だと思っています。これは、プロジェクトの初期の頃に、私たちが少人数ですべてのことをこなしていたときにも同様でした。

チームが成長しても、少なくとも毎週一度は、私自身もテクノロジーを体験しテスト走行をするようにしています。

私たちが配車アプリケーションの追求を始め、そのためのアプリケーションを開発し、それをユーザー向け製品にするためのインフラストラクチャを構築したときには、私は初期のテスターの1人でした。

それはもう3年ほど前になります。

TC:かつて現在のようなポジションにいることになるとお考えでしたか?10年前に、この先10年でこうなるとは予想されていたでしょうか?あるいは、それは想像よりも早く、あるいは遅く起きたのでしょうか?

DOLGOV:私にとっては、2009年の時点ではハードウェア、ソフトウェア、そしてAIと機械学習によるいくつかのブレークスルーは予想していませんでした。今日の技術は、おそらく2009年の時点で予想していたものよりも、はるかに強力なものであると言うことができると思います。

しかしその一方で、実際の製品を実際に開発し、それを人びとが利用できるように展開するという挑戦は、私が予想していたものよりもずっと困難であることがわかりました。なので、それは両方の側面を含んでいますね。

TC:そこでおっしゃるブレークスルーとはどのようなものでしょうか?

DOLGOV:たくさんあります。LiDARとレーダーは、遥かに強力になりました。

そして強力になることによって、すなわち、より長い範囲、より高い解像度、そしてより多くの機能を実現することによって、望めば、そのセンサーの能力の中で、状況に関するより豊かな情報を得ることができるようになりました。これらはセンサー側の話ですね。

計算、特にハードウェアアクセラレーションによる並列計算は、ニューラルネットワークの進歩にとって非常に強力な支援となりました。これによって大きく後押しされることになりました。

そして、深層学習がやってきて、ニューラルネット自身がいくつかのブレークスルーをもたらしました。

TC:そうですね…あなたが挙げた最後の2つの例ですが、私はそれらがここ数年でもたらされた最新のブレークスルーだと思います。期間的にはそんな捉え方でよろしいのでしょうか?

DOLGOV:このプロジェクトでは常に機械学習を使用してきましたが、それは現在用いられている機械学習とは異なるものでした。

たしか2012年だったと思いますが、私たちのプロジェクトに対して有意義な取り組みが行われ、Googleの中で、自動運転テクノロジーと深層学習の協力が行われるようになりました。

間違いなく、その当時のGoogleは、自動運転と深層学習の両者に真剣に投資する唯一の会社でした。

その時点では、私たちはその(ニューラル)ネットを自動車の中でリアルタイムに動作させることができるようなハードウェアを、所有していませんでした。しかし、クラウドのなかで実行できる、とても興味深いことはあったのです。

深層学習にとって、2013年はとても重要な年でした。ImageNetが大きな競争に勝ったそのときが、深層学習のブレークスルーとなったと考えています。それは、コンピュータビジョン競争における他のすべてのアプローチよりも優れていたのです。

TC:2009年の時点で、2019年には多数の自動運転車企業が、カリフォルニア州の路上でテストをするようになっていると想像することはできましたか?それは見込みがありそうなことだったのでしょうか?

DOLGOV:いえいえ、とんでもない。2009年や2010年の時点では、私はそんなことは想像していませんでした。

プロジェクトの初期段階では、人びとは私たちに冷笑的でした。業界ではこのプロジェクトが面白おかしく取り上げられ、Googleの自動運転プロジェクトに対する、沢山のおふざけが生み出されました。

まあ「おや、なんだかGoogleの中でこのSFネタを実現しようと努力している、おかしな奴らがいるようだぞ」と言われていたところから、現在のような何百とは言わないまでも数十の企業が追求するような主要な産業に育ったことは、驚くべきことですね。

Googleの自動運転レクサスRX 450h

TC:一般の人びとが、街のなかで自動運転車に乗るようになるきっかけはどのようなものでしょうか?純粋に成熟度の問題なのでしょうか?それともWaymoも含めて、すべての企業がその方向への利用者の誘導に責任を持つべきものなのでしょうか?

DOLGOV:新しいテクノロジーと変化に対する人びとの態度には、常に個々人の違いがあると思います。より目立つ否定的な意見もあります。しかし実際には、過去10年間の私の経験から見たときには、前向きな態度と興奮が圧倒的に強くなって来ています。

このプロジェクトを通して私が繰り返し経験してきたことは、とても力強いこのプロジェクトが、人びとの態度を不信と不安から、テクノロジーに触れることによって、興奮と安心そして信頼へと変えていったことです。

私たちの車の一台に、誰かを案内して実際の乗車をするとしましょう。誰もハンドルを握っていない車に乗ることに不安を感じている人でも、一度経験することによって、またその製品がいかに有用かを理解することによって、そしていかに車がきちんと動作するかを知ることによって、徐々に信頼しはじめるのです。それが本当に信頼へとつながっていくのです。

技術がより普及し、より多くの人びとがそれを直接経験するようになれば、それが助けになるでしょう。

TC:2009年当時の最大の課題は今でも同じでしょうか?残っている最後の難問は何でしょう?

DOLGOV:2009年には、すべての問題は、それぞれ解決が必要な個別の問題でしたが、現在ではそれを製品化するということに尽きます。

それは、自動運転システム全体を示すこと、そしてテクノロジーの評価と展開のためのツールとフレームワークの開発をすることにかかっています。そしてご存知のように、全体として変わることなく大切なことは、開発を素早く繰り返すことと、新しいことを学び、そして発見された新しい技術的課題を解決する力なのです。

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(翻訳:sako)

Waymo、自動運転車の工場をミシガンに計画

WaymoとMagnaは、何千台もの自動運転車をミシガン南東部の工場で製造する計画だ。ここには電気自動車のJaguar I-PACEとChrysler Pacifica Hybridミニバンの自動運転バージョンも含まれる。

Googleの自動運転プロジェクトが前身で、Alphabet傘下での事業展開のためにスピンアウトしたWaymoは火曜日、Michigan Economic Development Corporation(MEDC)が、自動運転車の製造施設をミシガンに構えるというWaymoの計画を承認したと発表した。MEDCはこのプロジェクトのための予算800万ドルを承認した。

今回の発表は、Waymoが商業運用を拡大する準備を進めている、という最新のサインだ。12月、WaymoはフェニックスエリアでWaymo Oneという名称の商業ロボタクシーサービスを制限付きで開始した。

Waymo One自動運転車サービスではまだWaymoの訓練されたドライバーが乗り込んでいる。セーフティードライバーはいずれいなくなり、2019年を通して徐々に多くの人がこのサービスを利用できるようになる。

Waymoの行動は素早い。目標は、2019年半ばまでに新施設に移り、レベル4の自動運転車を製造するために施設の準備を開始する。レベル4というのは米国自動車技術会SAEが定めた基準で、特定の状況で車が運転を操作するというものだ。

施設の場所はミシガン南東になる、ということしか決められていない。おそらく、新設ではなく既存の施設となる可能性が高い。Waymoによると、工場では400人を新たに雇用する。

Waymoは、Fiat Chrysler、そしてJaguar Land Roverとサプライヤー提携を結んでいる。昨年Waymoは、無人配車サービス事業開始後の2年間に最大2万台もの改造I-Pace車両を投入する、と発表した。Waymoはまた、Fiat Chryslerとも最大6万2000台の改造ミニバンの契約を結んでいる。

Waymoはハードウェアとソフトウェアを製造し、それらを車両に統合するという作業を自動車メーカーとともにミシガン・ノバイの工場で行う。MagnaはオーストリアのグラーツでJaguar I-PACEを製造している会社だが、そのMagnaとの提携を通じて製造と統合の作業は専用の施設で行うことになる。

原文へ 翻訳:Mizoguchi)

Audi、Waymoらのメーカーが集結して自動運転の教義を広める

自動運転のエバンジェリストたちが集結した。

自動車メーカー、IT企業、その他自動運転車に深く関わる数多くの企業が同盟を結成し、最先端の自動車技術と自動運転車に関する言葉を広めようとしている。Audi、Aurora、Cruise、GM、Mobileye、Nvidia、Toyota、Waymo、Zooxらが参加している。彼らのメッセージはこうだ:このテクノロジーは交通を変革させ安全性と持続性を高める。

新しい同盟、Partners for Automated Vehicle Education(PAVE)は月曜日(米国時間1/7)にラスベガスのCES 2019で発表された。PAVEの目標は、一般市民や政策立案者に自動運転車の可能性を広く知らせることにある。

「一般市民や彼らの選んだ議員たちに、未来の道路を形作るために必要な知識を伝えることは不可欠だ」と米国国家運輸安全委員会のDeborah A.P. Hersman委員長が月曜日に語った。Hersmanは発言の中で、PAVEはロビー団体ではないことを強調した。

「重要なのはロビー活動ではない。教育だ」とHersmanは言った。「われわれは国民に利点と限界を理解してもらいたい」

HersmanはAudi of Americaと共にPAVEの初代共同代表を務める。自動車メーカー、IT企業の中で、Ford、Fiat Chrysler、およびAptiveは同盟の立ち上げに参加しなかった。新組織の活動が本格化すれば参加が増える可能性がある。

自動運転技術に関する業界主導の同盟、団体、ロビー団体は多数存在する。Automated Vehicle Coalitionのほか、Ford、Waymo、Lyft、Uber、Volvoが参加しているSelf-Driving Coalition for Safer Streetsなどがある。

PAVEは、運転者支援や自動運転技術を消費者や政策立案者に紹介するイベントを全米で開催すると言っている。連邦、州、および地方自治体の職員向けの教育ワークショップ、教材の開発や小売店やカスタマーサービス要因への配布も行う。

PAVEは一般消費者も教育したいと考えている。そのために、SAE Internationalと連携して体験ワークショップを後援し、進化する自動運転技術に触れる機会を与える計画だ。

スタンフォード大学のCenter for Automotive Researchなどの学術機関との提携による政策ワークショップも開催し、政策立案者に自動運転技術とその可能性を理解を深めてもらう。

「伝統的自動車メーカーや新規参入者たちは、自動運転車を可能にする技術に数十億ドルをつぎ込んできた」とAudi of Americaのプレジデント、Mark Del Rosso が言った。「PAVEは情報公開への投資の必要性を理解している——消費者と政策立案者に、何が真実で、何が可能で、何が噂や憶測であるかを間違いなく理解させる必要がある」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Waymo、カリフォルニアでも完全無人の自動運転車テスト実施へ

Googleのスピンオフで、Googleの親会社Alphabet傘下にある自動運転のスタートアップWaymoは、カリフォルニアでドライバーなしの自動運転車を公道で走らせる初の許可を取得した。つまり、人を乗せていない自動運転の車がカリフォルニアを走り回ることになる。まずはシリコンバレーの限られたエリアで始まる見込みだ。

Waymoの自動運転車はGoogleの本部があるカリフォルニア州マウンテンビュー周辺の公道ではよく見かける。無名のプロジェクトとして始まったこのスタートアップはすでに何年も公道でのテストを行ってきた。しかし今回のカリフォルニア州車両管理局(DMV)が発行した許可では、Waymoはテストドライバーを乗せずに試験走行させることができる。

4月に施行された新たなカリフォルニア州のDMV規則では、制限内で完全にドライバーレスの走行テストを申し込むことができる。Waymoはこのテストを許可された初の企業となった。少なくとも他にもう1社が許可待ちだ。

どこでこの自動運転車を見かけるようになるか

Waymoによると、ドライバーなしのテスト車は、まずはマウンテンビューの一部、サニーベール、ロスアルトス、ロスアルトスヒルズ、パロアルトを含むシリコンバレー本部周辺の道路で走り始める。初期のドライバーレステストのエリアは以下の地図に表示している。

おそらく社会の警戒を予想してのことだろうが、Waymoは自動運転車はこのエリアを“よく”知っていると強調した。

「マウンテンビューは12社以上の自動運転車開発企業にとってホームであり、何年にもわたって安全なテストをサポートしてきた」とWaymoは声明で述べている。

Waymoは次第にこのドライバーレステストのエリアを拡大する。新しいエリアを走り始める前に対象エリアのコミュニティに案内し、DMVにリクエストを提出する、としている。

一般市民はまだこのドライバーレスの車両に乗ることはできない。しかしながらWaymoはゴールに向けて取り組んでいる。ドライバーレス車両に初めて乗車するのはWaymoの従業員となる。そしてWaymoは「その後一般市民にもこのテクノロジーを体験してもらう機会を設ける」としていて、アリゾナ州での初期の乗車プログラムと同じ流れとなる。

Waymoが許可された内容

今回の許可でWaymoはドライバーレスの車両を街中の道路、田舎道、高速で昼夜、時速65マイル以下のスピードで走らせることができる。また、同社が対応できると言っている霧の中や小雨といった気象条件下でのテストも許可されている。

もしドライバーレスの車両が理解できないような状況に遭遇した場合、車両は“安全停止”する、とWaymoは説明しながらも、車両へのコンタクトや乗車している人のサポートなどを含め確立したプロトコルを有している、としている。

Waymoは今月初め、2009年に自動運転技術に取り組み始めて以来、米国における公道テスト総距離が1000万マイルに達したと発表した。

真のドライバーレス車両のテストを公道で行うのは、カリフォルニア州が初めてではない。この分野ではアリゾナ州が進んでいる。Waymoは自動運転のChrysler Pacificaミニバンのテストを2016年にフェニックスの郊外、チャンドラーで開始した。そして2017年4月に初期の乗車プログラムを立ち上げた。同年後半には、従業員も乗客も乗せない自動運転車のテストをフェニックス大都市圏で展開している。

そして今年5月、Waymoはテストドライバーが乗っていないミニバンを使った配車サービスをフェニックスの何人かの乗客向けに開始した。

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(翻訳:Mizoguchi)

自動運転車タクシーの料金計算方式のテストをWaymoが開始

Googleからスピンオフして今やAlphabet傘下の自動運車転技術の企業Waymoが、同社の自動運転車の乗車料金の計算方式のテストをフェニックスで開始した。これは同社が商用のロボタクシーサービスの立ち上げを準備していることの、いちばん新しい兆候だ。

Waymoはまだ、フェニックスでもどこでも、大規模な商用ロボタクシーサービスを立ち上げてはいない。でも、その日は近い。

Waymoの初期の乗車プログラムでは、厳選された本物の人間のグループがアプリを使って自動運転車を呼ぶだけだったが、今回テストはさらに拡大された。AlphabetのCFO Ruth Poratが、木曜日(米国時間10/25)に行われた同社の決算報告でそう説明した。すなわちWaymoは、第三四半期の間に行なう、そのアプリにある料金計算方式のテストを開始した、とPoratは述べた。

前回Waymoがそのプログラムの数字を共有したときは、その初期の乗車プログラムに400名が参加した。しかしWaymoのスポークスパーソンは今回、それがどれだけ増えたかを明言しなかった。

代わりにこう言っている: “初期の乗車プログラムの一環として最近、アプリにある料金計算方式のテストを始めた。料金計算は現在実験段階であり、初期の乗車者からのフィードバックを得ることだけが目的である。サービスの本格的な開始に向けて現在検討中の、そのほかの料金計算方式を反映したフィードバックにはならない”。

Waymoは、2016年に郊外地区のチャンドラーなどでテストを開始して以来、少しずつフェニックスにおける商用サービスに向かって近づいていた。2017年4月には初期的な乗車プログラムを本格的に開始し、その年の後半にはテスト車の隊列から社員と乗客を外して、空の自動運転ミニバンの車列をフェニックス大都市圏の街路に送り出した。

今年の5月には、Waymoは一部の初期的乗車者に、人間のテストドライバーが乗っていない自動運転ミニバンをタクシーのように呼ばせることを開始した。さらに最近同社は、フェニックスで公共交通プログラムを立ち上げ、人びとを最寄りのバス停や、列車やライトレール(市街電車)の駅まで運ぶパイロット事業を始めた。

テストはカリフォルニア州のマウンテンビューやテキサス州のオースチンなど、他の都市でも継続する。同社は今月の初めに、同社の自動運転車がアメリカの公道を1000万マイル走破したと発表した〔約1610万キロメートル〕。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Waymo、自動運転車のテスト走行1000万マイルを達成

Alphabet傘下の自動運転車会社、 Waymoは、公道での自動運転車のテストを長年続けている。わずかなマイル数から始まった走行距離はここ数年で爆発的に延びた。。

そして今、商用配車サービスの準備を進める同社は新たな節目を迎えた。

水曜日(米国時間10/10)にWaymoは同社の自動運転車が米国内の公道を1000万マイル(1600万キロ)走ったことを発表した。ちなみに同社は7月に800万マイルを達成したばかりで、2017年11月にはわずか400万マイルだった。つまり、Waymoのペースは急上昇している。

この無人自動車の走行距離は25都市で累積されたもので、中でもGoogleのホームタウンであるカリフォルニア州マウンテンビューとアリゾナ州フェニックス周辺地域では、都市周辺の利用者を運ぶ乗車プログラムを早期に実施した。400人以上の早期利用者がWaymoアプリを使って同社の Chrysler Pacifica Hybrid自動運転ミニバンに乗車した。

同社の公道テストの実績を可能にしたのは、シミュレーションへの投資だとWaymo CEO John KrafcikMediumへの投稿に書いている。同社のバーチャル世界での走行距離は今月末で70億マイルに達する。.

「シミュレーションの中で、われわれは路上で遭遇するあらゆる事象を再現し、『ファジング』によってさらに厳しい状況を作り出した」とKrafcikは書いた。「新しいスキルをテストし、既存のスキルを洗練し、極めて稀な状況への対応を練習することで、われわれのソフトウェアの確認、検証を常に行うことができる。こうした公道テストとシミュレーションの組み合わせによってわれわれは飛躍的に多くのことを学ぶことができる。

もちろん、重要なのはマイルを蓄積することだけではない。

CruiseやWaymoのように大量の自動運転車を保有する企業は、複雑な都市環境を安全に走り、かつ、路上を走る数百万人の人間に溶け込むことのできる自動運転車を開発することを要求されている。それは常にスムーズにいくとは限らず、注意深い自動運転車の後ろに車列が滞ることもあり、時には人間のテストドライバーが手動で車を操作する必要もある。

「現在われわれの車は慎重さと丁寧さを何よりも優先している。それが最も安全だからだ」とKrafcikは書いた。路上の誰にとっても困難な行動に習熟することで、この慎重さと強引さのバランスを保つように努力している。たとえば、速く走っている車線に合流するためには、他者がブレーキを踏まずに済む程度に大胆に、かつ乗客が快適に感じられるくらいスムーズに行動する必要がある。

今のところWaymoの車は、たとえ所要時間が数分増えるとしても、より慎重になり安全な道を選ぶように設計されている。

次の1000万マイルは、配車サービスを構築し、利便性、効率性を高めることに集中するつもりだとKrafcikは言った。たとえば現在同社は、経路や乗車、降車地点の改善に務めいてる。

Waymoの技術者たちは、自社製の新しいセンサーシステムを使って大雨大雪など困難な気象条件下での運転を可能にするために高度な人工知能も応用している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Appleの自動運転テスト車が最初の事故に遭ってやっと事業公表への第一歩?

カリフォルニア州自動車局に提出された報告書によると、Appleがこれまで秘(ひそ)かにやってきた自動運転車事業が、その最初の事故を明らかにした。

8月24日に起きたその低速事故は同社にとって、事業が一定の段階に達したことを示している…残念ながら、めでたい事件ではなかったが。最近は多くの企業が公道で自動運転車をテストしているから、事故はありふれてきた。その多くが、ちょっとした低速事故だ。

2014年には、自動車局に報告された州内の自動運転車の事故は、Delphi社の1件のみだった。今年はすでに、40件あまりが報告されている。

自動運転車の最初の死亡事故は、歩行者にぶつかったUberの自動運転車だが、起きたのは今年の3月で、アリゾナ州だった。

Appleのテスト車は、カリフォルニア州クパチーノの本社近くで、時速約1マイル(1.6キロメートル)で高速道路に合流しようとしていた。報告書によるとそのとき、一台のNissan Leafに追突された。負傷者の報告はない。どちらも、車の軽い損傷を報告している。

Appleは、同社の自動運転車事業に関して、一貫して無言だ。州内の自動運転車事業を管轄するカリフォルニア州自動車局の事業認可リストにAppleが載っていることが、Appleによるかろうじて唯一の、確認の痕跡でもある。Appleの自動運転車事業は、シリコンバレーの公然の秘密だ。しかし最近CEOのTom Cookが、自律的システムへの同社の関心に言及した。Bloombergのインタビューで彼は、それが同社のすべてのAIプロジェクトの母胎だ、と言っている。しかしその‘自律的システム’とその製品計画が何であるのか、それは明かされていない。

事故の報告書も、Appleのテスト車の形や車種が分かるだけだ。事故に遭った自動運転テスト車は、2016i Lexus RX450Hだった。それはGoogleが同社の自動運転システムのテストに使っていた車種と同じだ。

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自動運転車のWaymo(元Google)が中国に子会社を作る、部品調達が目的のよう

かつてのGoogleの自動運転プロジェクトは、その後Waymoという名前で、Alphabet傘下の独立企業へとスピンアウトした。その同社が、このほど中国に子会社を開設した。

その会社は、中国の会社登記情報開示サービスNational Enterprise Credit Information Publicity Systemによれば、Huimo Business Consulting Co.と呼ばれ、5月22日に上海にオープンしている。これを最初に報じたのは、China Money Networkだ。資本金は350万人民元(51万1000ドル)で、出資者はWaymoになっている。

Waymoもこの上海の一件を確認し、すでに人が働いているそうだ。では中国で一体何をするのか、この質問に答はなかった。

Waymoが中国で自動運転車によるライドシェアサービスを始めるとか、そのテストをする、という線はないだろう。登記書類によると、業務はロジスティクス、コンサルティング、サプライチェーン、自動運転車の部品、プロダクトデザイン、となっている。

同社に近い情報筋も、登記書面の記述を支持し、中国でサービスを立ち上げるのではなくサプライヤーのネットワークを作ることが目的だ、と言った。

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Waymoは、自動運転車を毎日2万5000マイル走らせている

Googleの自動運転プロジェクトがスピンオフしてAlphabet傘下の会社となったWaymoは、これまでに自動運転車を800万マイル公道で走らせた。

金曜日(米国時間7/13)にWaymoのCEO John Krafcikは、ニューメキシコ州サンタフェで行われたNational Governors Associationカンファレンスで、ネバダ州のBrian Sandoval知事と共に壇上でその記念すべき出来事を報告した。Waymoが400万マイルを達成してからまだ1年たっていないことを踏まえるとこれは注目すべき実績だ。つまり同社は公道での無人走行距離をわずか8か月のうちに2倍に増やしたことになる。

Waymoの自動運転車は全体で毎日2万5000マイル公道を走行している、とKrafcikは言った。後に彼はそのデータをグラフィクスと共にツイートした。Waymoは自動運転のChrysler Pacificaハイブリッドミニバンを25都市で計600台走らせている。

同社は人間より成績の良いAIベースの自動運転システムを開発するためにシミュレーションも利用している。過去9年間、Waymoはシミュレーション上で50億マイル以上走ってきたと同社は言う。同社によるとこれは、2万5000台のバーチャルカーが1日中毎日走り続けたことに相当する。

新たに公表された計画は、Waymoが今年中の商用自動運転輸送サービス開始という目標に近づいていることを示している。アリゾナ州フェニックスでは住民400人以上がChrysler Pacificaハイブリッドミニバンをアプリで呼び出してWaymoのテクノロジーを利用している。

同社は今年中に運用を開始する計画であると言った。

Waymoの無人配車サービスは大きな注目を集めている。しかし、同社はその自動運転システムを他の3つの分野にも適用しようとしている。ロジスティックス、公共交通の改善、そしてそのずっと先には、自動車メーカーと提携して個人向けの乗用車を作るという目標がある。

Waymo、もっと具体的にはKrafcikは、自社の自動運転システムがどのように公共交通機関を利用しやすくするのか、詳細を公表したことがほとんどない。木曜日(米国時間7/21)、Krafcikは将来の発表内容について少しだけ先行公開した。

「私たちのテクノロジーを自宅や職場から公共交通ハブへと運ぶために利用する方法について近々発表するつもりだ。そうすることで社会全体が公共交通基盤への投資からより多くのROIを得られるだろう」とKrafcikは言った。

SandovalとKrafcikのビデオ全篇はここでみられる。46:40から始まる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

英ジャガー、WaymoにI-Pace SUV納入――2万台の自動運転ライドシェアリング・サービス準備中

Waymoが自動運転の実現に向けてさらに一歩前進した。

以前はGoogleの自動運転プロジェクトだったがスピアウトして今やAlphabet傘下の独自企業となっているWaymoはジャガー・ランドローバー社から自動運転電気自動車の最初の3台を受け取った。この
I-Pace EVSはクロスオーバーSUVで、ジャガー・ランドローバー自身が運用するものを除けば、アメリカの公道で走るのはこれが初となる。近くサンフランシスコ周辺のベイエリアにお目見えするはずだ。

ただし当面は自動運転は行われない。TechCrunchの取材に答えて、Waymoは「自動運転システムに必要な路上パフォーマンスを持っているかどうかチェックし、信頼性をテストしていく」と答えた。

Waymoは3月に ジャガー・ランドローバー社と戦略的な提携関係を結んだと発表していた。これはドライバーレス自動車交通の実現をめざす I-Paceサービスのための自動操縦の全電気自動車を得るためだった。ジャガーの電気SUVは2020年から開始されるWaymoのドライバーレス運輸サービスの一部となる計画だ。

Waymoのドライバーレス・ライドシェアリング・サービスの最初の2年はI-Paceベースの2万台の車両がまかなう予定だという。

Waymoはオンデマンドのライドシェアリングの他にも商品配送、トラックを利用した物流などのロジスティクス、他の公共交通機関との連携などなど幅広い分野で自動運転を実現しようとしている。今回のジャガーI-Pace SUVはその最初のステップとなる。Waymoは今後自動運転テクノロジーを既存の自動車メーカーにライセンスし、個人が自動運転車を所有することを助ける考えだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Waymoのバンがアリゾナで大きな衝突事故に遭う、違反車ではなかったが

Waymo(元Googleの自動運転部門)の自動運転車が今日(米国時間5/4)の午後、アリゾナ州チャンドラーで大きな事故に遭った。地元警察によると、セダンが別の衝突を避けようとして正規のレーンを逸れたときにWaymoのバンにぶつかった、損害は軽微、とABC 15が報じている。今、チャンドラーの警察に詳細を問い合わせている。

アリゾナでセーフティドライバーのいない車をテストしている、とWaymoは言っていたが、これは違う。衝突のとき人間運転者が運転席にいたが、しかし車は自動運転モードだった、と警察は言っている。

上空からのビデオを見ると、これは軽い接触事故ではない。セダンの前方クランプルゾーン(衝撃吸収帯)は壊れ、ガラスは割れている。バンに大きな破損はないが、右前のタイヤはつぶれている。どちらもその後、牽引移動された。

報道では、東に向かっていたセダンが交差点で別の車を避けようとして西行きのレーンに侵入し、Waymoのバンに当たった。そのとき後者が衝突を避けようとして何をしたかは、まだ分かっていないが、同社の記録から明らかになるはずだ。今同社に問い合わせているので、情報が得られ次第この記事をアップデートしたい。

画像クレジット: ABC 15

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

カリフォルニア州が自動運転車の完全無人テストを許可、Waymoはさっそく申請か

Alphabet/Googleの自動運転車事業Waymoが、セーフティードライバー不在でカリフォルニアの公道に出られる、州が新たに設けた許可を、二番目に申請する企業になった。San Francisco Chronicleの記事が、そう報じている。これにより同社の車–ミニバン–が、マウンテンビュー周辺の路上に出ることになる。そこは同社が(Google時代も含めて)、大量のテストをして大量のデータを取得した地域だ。

同社はすでにフェニックスで、人間運転者のいない自動運転車を走らせ、先月は宣伝のためのビデオも撮った。だから今回のは、同社が自分の自信を示す初めての公開デモではない。

カリフォルニア州がセーフティードライバーが同乗しない自動運転車の許可を認めたのは、つい先日の4月2日からだ。あと一社申請しているようだが、それがどこかは分からない。今度の新しい許可では、従来的な手動制御がまったくない車でも認められる。ただしWaymoが申請したのは、Chrysler Pacificaの改造車だ。既存の商用車なら、実用化も早いだろうな。

最近はUberの自動運転車が歩行者に当たって死亡事故を起こし、Teslaも半自動モードでで人を死なせたから、セーフティードライバー抜きで公道を走ることには、ためらいの雰囲気があった。ただしどちらの事故も、事故時には運転席に人がいた。人がいなかったから事故が起きた、のではない。

申請が許可されたら、Waymoの車は走行範囲をマウンテンビュー地区に限定される。そこは、同社がGoogleの研究プロジェクトだったころから利用してきた場所だから、テスト地として理にかなっている。詳しいデータも累積している。地元当局とも顔なじみだから、万一の事故時にもあわてる必要がない。

テストの目的や内容はまだ明らかでないし、われわれプレスを乗せてくれるのかも分からない。今は、じっと待つだけだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Appleの無人運転試験車、この2カ月で倍増

Appleの自動運転車への取組みが進んでいる。1月以来試験走行車の数が2倍近くになった。

現在同社はカリフォルニア州運輸局に45台の自動運転車を登録しているとFinancial Timesは伝えている。この結果Appleの自動運転車両の数はカリフォルニア州でGeneral Motorsに次ぐ第2位となった。

2017年4月、Appleは3台の自動運転車をテストする許可を初めて受けた。今年1月に試験車は27台となり、その後わずか2カ月で倍近くに増やした。Appleはアリゾナ州でもテストを行う計画だ

その一方で、規制のハードルは上がろうとしている。日曜日(米国時間3/18)の夜、アリゾナ州テンピでテスト中の自動運転車が事故を起こし、衝突した歩行者が死亡した。

これは自動運転車の事故で死亡者がでた初めてのケースであり、Uberは全都市で試験運転を中止した。

この事故を受け、試験走行の実施に対して当局がこれまで以上に慎重な態度にでる可能性がある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Waymoの360度ビデオを見ると自動運転車の仕組みがよく分かる、VR体験もあり

Uberに対する厄介で高価な訴訟が一段落した今、Alphabetの自動運転部門Waymoは、そこから一歩踏み出して、自動運転車の仕組みを一般大衆に教育しようとしている。

同社はブログ記事で、Waymoの自動運転車はこれまでに公道を500万マイル(805万キロメートル)走ったと発表し、Waymo 360-degree Experience(Waymoの360度体験)と名付けたビデオをリリースした。

360度で撮られているこのビデオは、Waymoの車がライダーやレーダー、カメラ、コンピュータービジョンなどを駆使して、自分のまわりの世界を見るだけでなく、近くの物の動きを予測することを見せてくれる。実際に、Waymoの自動運転車に装備された技術は、300ヤード(274メートル)先の物を見分けることができる。

このビデオは、アリゾナ州フェニックスで走行中に撮られた。そこは、Waymoの自動運転車が公道の上など現実世界の状況でテストされた25の都市の一つだ。

都市内の本物の道路を500万マイル走っただけでなく、Waymoはそのソフトウェアを、2017年に、シミュレーションやプライベートなテストコースで累計27億マイル(43億キロメートル)走行してテストされている。同社によると、いずれWaymoの車は、平均的アメリカ人が1年間に走るぐらいの距離をドライブするだろう、という。

膨大な量のテストをしなければならないのは、たった一つの事故でもこの新しい産業を後戻りさせてしまうからだ。一般大衆からの信頼と信用、これが克服すべき最大のハードルだ。そのためWaymoは、その徹底的なテストを、大衆が信頼する気になるレベルの体験にまで達しさせたい、としている。

このビデオは、デスクトップ、モバイル、そしてVRヘッドセットで視聴できる。

編集者注記: 原文ではWaymoの仮想世界での走行履歴が270万マイルとなっていた。正しくは、27億マイルである。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa