コワーキングスペースWeWork運営のThe We CompanyがIPOを保留へ

不動産の短期貸出しと管理を行うWeWorkをはじめとする「We関連」子会社を傘下にもつThe We Companyが、IPOを凍結することが明らかになった。

同社の上場計画は、同社のコーポレートガバナンスや、一時は500億ドル(約5兆4000億円)近いと投資家が考えていた会社価値に対する疑念のために難航していた。

投資家は天井知らずの企業価値と、共同創業者でCEOのAdam Neumann(アダム・ノイマン)氏の不品行な経営慣行に尻込みし始めたと、The We Companyの上場保留を最初に報じたウォールストリートジャーナルは書いている

過去数週間、The We Companyは投資家の懸念を払拭しようと数々の手を打ってきた。ノイマン氏との酷い契約を白紙に戻し、新たな役員を加えた。さらにノイマン氏の会社での力を制限する動きも見せた。

先週同社は目論見書を修正し、外部から幹部を招いたことを記載した。さらに、クラスBとクラスC株の権利を減らしてノイマン氏が他の株主の20倍の議決権を持つことがないようし、ノイマン氏の妻を同社の後継者計画から除外した。

こうした行動もウォール街の投資家をなだめるには不足だったようだ。会社価値を100億ドル以下に引き下げようとする試みでさえ、投資家の関心をIPOに向けることはできなかった。

そしてThe We Companyが上場を断念することが確実になり、上場後のUberとLyftが不調を続ける今、おそらくベンチャーキャピタルは投資先企業のとんでもなく高い評価額を見直すことになるだろう。そしておそらく、強欲はよくないかもしれないことを学ぶときなのかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

コワーキングスペースのWeWorkにソフトバンクがIPO保留を示唆

コワーキングスペースのWeWorkを運営するThe We Companyに問題が起きつつある。Financial Times(フィナンシャル・タイムズ)の報道によると、同社の問題含みのIPOを主要な出資者あるソフトバンクが保留させようとしているのだ。

フィナンシャル・タイムズはThe We Companyと同社の出資者に詳しい筋の情報として、一般投資家が冷たい反応を示していることを報じている。

同社は銀行家らから60億ドル(6435億円)のデッドファイナンス(借り入れ)を実行するために、株式公開で30億ドル(約3217億円)以上調達する必要がある。もし30億ドルのハードルを超えられずに借り入れに失敗すれば、The We Comapanyの世界進出計画にとって著しい障壁になる。この計画は会社の成功にとって不可欠であり、同社が一般投資家にうたった成長戦略だからだ。

先週末Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)は、We WorkがIPO評価額を以前報じられた200億ドル(約2兆1453億円)より減らす考えがあることを報じた。

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The We Companyの最後の資金調達での企業価値は470億ドル(約5兆416億円)。企業価値の低下がこのまま進むと、上場すれば株価がさらに下がる確率が高まるだろう。

さらに同社は、投資家に疑いの目で見られていた怪しげな資金利用を撤回した。取締役会の構成について非難を受けたあと女性を登用し、CEOのAdam Nermann(アダム・ヌーマ)氏に600万ドル(約6億4356万円)近くを支払ってWeブランドをライセンスする計画を中止した。

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それでもまだ、ヌーマ氏による会社の支配への不安と、長期向け商用レンタルスペースを短期のテナントにサブリースするという主要事業が損失を増やしていることが、The We Companyの長期的展望に対する一般投資家の期待を裏切っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

コワーキングのWeWorkがライバルのSpaciousを買収

現在The We Companyとして知られるWeWorkは米国時間8/27、ライバルのコワーキングSpaciousの買収を発表した。ニューヨークに拠点を置く設立3年のSpaciousは日中使用しないレストランをコワーキングスペースに変えるスタートアップで、Convene、Knotel、Industrious、The Yard、The Wing、Alleyのようなニッチなコワーキングスタートアップの1社だ。

Spaciousは、商業用不動産を専門としていたCEOのPreston Pesek(プレストン・ペセック)氏によって2016年に設立された。同社のゴールは、放置された小売店や使用していないレストランを含む未活用の都市スペースを、コワーキングスペースを求めている人のために有効活用することだった。以来、同社はニューヨークとサンフランシスコの何十ものレストランをウィークデイの作業スペースに変えた。

顧客は1日20ドルのパスか、月129ドルの年間メンバーシップでこうしたスペースを利用できる。

レストランの方はこの新たな活用方法で収入を得ることになり、同時にSpaciousのメンバーを客として惹きつけるチャンスを得る。コーヒーショップで作業をしていたかもしれない顧客はSpaciousを好んで使っていた。というのも、WeWorkよりもリーズナブルな価格だったからだ。レストランは夕方になると開店しなければならないので、一部の人は1日の労働の終わりが明確なのを好んでいたかもしれない。

SpaciousチームとワークスペースのラインナップはWeWorkに移る、としている。

「Spaciousのチームと不動産、運営の専門家は、WeWorkが我々のユーザーに働きたい場所を必要な時に提供し続けるのを手伝う」とWeWorkのプロダクト責任者Chris Hill(クリス・ヒル)氏は語った。「WeWorkにSpaciousを迎え入れることを楽しみにしている」と声明文で述べている。

買収の詳細は明らかにされていない。Crunchbaseのデータによると、Baseline Ventures、Redpoint、Lerer Hippeau、August Capital、MetaProp NYC、そしてBoxGroupを含む投資家からSpaciousはこれまでに900万ドル超を調達している。

SpaciousのCEO、Pesek氏のコメントは次の通りだ。

我々がWeWorkファミリーに加わるというニュースをSpaciousコミュニティにお知らせすることを嬉しく思う。

スペースや建物、都市とかかわるかという点に改革をもたらしているテクノロジー面での変化への対応として、初めからSpaciousは物理的な空間の再活性と再プログラム化を模索してきた。

WeWorkとは、仕事、テクノロジー、物理的空間で多くの共通点を見出した。Spaciousのメンバーのために、WeWorkというさらに大きなコミュニティの一部としてサービスを提供し続けられることにワクワクしている。

Spaciousのサービスはウォークインのネットワーク、オンデマンドのワークスペースをスタイリッシュな待遇で提供する。WeWorkに加わることで、世界中のオンデマンドワークプレイスに簡単にアクセスできるようにする。
Spaciousの構築に携わってくれた人に深く感謝したい。素晴らしいチーム、そして利用してくれた顧客、パイオニア的スペース・不動産パートナー、そしてリスクを顧みなかった投資家のみなさん、どうもありがとう。WeWorkとのビッグニュースを共に祝ってもらえると幸いだ。

かしこ

Preston Pesek

Spacious CEO

画像クレジット:Spacious

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(翻訳:Mizoguchi)

WeWorkが単一認証で複数のビルに出入りさせるアプリのWaltzを買収

WeWorkは本日(米国時間6/25)、ビルアクセスとセキュリティマネジメントのスタートアップであるWaltzを買収したことを発表した。買収価格は公表されていない。Waltzのスマートフォンアプリとリーダーを使用すれば、ユーザーは単一認証で複数のビルに入場することができる。このことによって、WeWorkの企業顧客(例えばGE HealthcareやMicrosoftなど)たちにとっては、その従業員たちへのWeWorkスペースへのオンデマンド会員権の発行管理が簡単に行えるようになる。

WeWorkの発表によれば「Waltzは、そのモバイルアクセスとシステムインテグレーションの深い専門知識と共に、単一認証を私たちの会員に提供し、会員と私たちのスペースとの関係をより良いものにしてくれる、最も先進的で洗練された製品を持っている」ということだ。Waltzは、2015年にCEOのマット・コペル(Matt Kopel)氏によって創業され、ニューヨークとモントリオールにオフィスを構えている。買収後、WaltzはWeWorkに統合されるが、現在の顧客基盤はそのまま維持される。

WeWorkは、コワーキングスペースから、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)プロバイダーへと進化するために、この1年間大量の買収を行ってきた。買収した企業は、例えばオフィス管理プラットフォームのTeem(1億ドル、約107億円)や、Managed by Q 、そして従業員たちによるワークスペースの利用や会議やその他のイベントへの参加状況を企業が分析できるようにする「空間分析プラットフォーム」のEuclidなどである。

Waltzもまた、単にキーやアクセスカードに代わるものではない。そのクラウドベースの管理ポータルは、誰がビルに出入りしたかについてのデータを企業に提供し、またチームが特定の場所へアクセスできる人間を制限できる「ドアグループ」を設定することを可能にする。Waltzのヘルプサイトによれば、アプリに表示される広告を通じて収益を上げることも可能である。

画像クレジット:Michael Brochstein/SOPA Images/LightRocket/Getty Images

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(翻訳:sako)

WeWorkが非公開で上場申請書を提出、推計収入2030億円、赤字は2120億円

WeWorkを運営するThe We Companyは、米国証券取引委員会(SEC)に上場申請書を非公開で提出したという情報をプレスリリースで確認した。

ニューヨークタイムズの報道によれば、同社がSECに最初に書類を提出したのは昨年12月だという。

今年1月までに、WeWorkは株式と借り入れを併用して470億ドルの会社評価額で総額84億ドルの資金を調達している。ユニコーン(10億ドル企業)を多数生んでいるテクノロジー業界でもAdam Neumann氏とMiguel McKelvey氏が2010年に創立したWeWorkのような100億ドル級はさすがに数が少ない。同社への大口投資家はソフトバンク・ビジョン・ファンドで、昨年11月には30億ドルの出資を受けた。最近ソフトバンクは株式の過半数の取得を目指したが、最後の瞬間に見送っている。

WeWorkの収入は2017年の8億8600万ドルから 2018年には18億ドルへと倍増した。同時に純損失も19億ドルという天文学的数字になった。株式上場を目指す会社として魅力を増すような数字ではない。もっともUberも成長が鈍化している中で株式上場のためのロードショーを各地で開催中だ。WeWorkの財務に関する情報を Crunchbaseから拾ってみると次にようになる。

  • 2017年の収入は8億8600万ドル
  • 2017年の純損失は9億3300万ドル
  • 2018年の収入18億2000万ドル(105.4%アップ)
  • 2018年の純損失は19億ドル(103.6%アップ)

つまり収入に対する赤字の率は変わっていない。ただしAxiosによれば、2018年のWeWorkの入居率は90%であり、登録メンバー数も116%アップして40万1000社となっている。

WeWorkはシリコンバレーのスタートアップの価値がインフレ評価される典型としてよく取り上げられる。WeWorkの本質は不動産賃貸業だ。マーケットと出資者に永続可能なハイテク企業であると納得させるためには膨大な額の投資を続ける必要がある。

WeWorkの主要株主はソフトバンク、Benchmark、T. Rowe Price、Fidelity、ゴールドマン・サックスなどだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

WeWorkがオフィス管理プラットフォームのManaged by Qを買収

米国時間4月3日、WeWorkから名前を変えたThe We Companyが、ニューヨークに拠点を置くオフィス管理プラットフォームのManaged by Qを買収した。

金銭面の条件は明らかにされていない。ウォール・ストリートジャーナルによると、現金と株式による買収だという。従業員数500人のManaged by Qはそのまま独立した事業体として残り、CEOのDan Teran氏はWeWorkの経営陣に加わることになる。

PitchBookによれば、Managed by Qが1月に実施した直近の資金調達は2億4,900万ドル(約277億円)だったという。

Teran氏は声明で次のように述べている。

現実世界のオペレーティングシステムを構築するという私たちの意欲的なビジョンを現実のものにする取り組みをさらに進めるための、この素晴らしい機会に興奮している。WeWorkはワークプレイスのテクノロジーとサービスに投資するという独自の地位を築いている。WeWorkのチームとともに、顧客のためにさらに強力なプロダクトを開発し、我々が一体となったことで生じる将来性のもとで企業が限界を超えるためのグローバルなプラットフォームをつくることを楽しみにしている。

Managed by Qは2014年にオフィスの運営を変えることを目指して設立された。オフィスの管理者や意思決定者は、備品のストック、清掃、ITサポートなど仕事と直接関係のないタスクをManaged by Qのダッシュボードを使って管理できる。Managed by Qは自社のオペレーターと他社のベンダーやサービスプロバイダーを組み合わせて需要に応える。

特徴的なこととして、Managed by Qはほかの大半のロジスティック企業とは異なる方針を採ってきた。フリーランスの請負業者と契約するのではなく、従業員としてオペレーターを採用したのだ。しかも同社はオペレーターに対して株式の5%を還元するストックオプションプランを提供した。

Managed by QはGV、RRE、Kapor Capitaといった投資家からの投資によってスタートして以来、総額1億2,825万ドル(約143億円)を調達した。ウォール・ストリートジャーナルによれば同社は現在、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルス、シカゴ、ボストン、シリコンバレーで事業を展開し、今回の買収の後も積極的に拡大していく計画だという。

Managed by QはニューヨークのテックシーンとFuture of Workの分野で急速にビッグプレーヤーとして成長しただけでなく、この分野で興味深い競争と統合を促進してきた。同社自体も、NVS(オフィス空間プランニングとプロジェクトマネジメントサービス)やHivy(社員がオフィス管理者に必要なことを伝える社内用コミュニケーションツール)など、数社を買収してきた。

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(翻訳:Kaori Koyama)

WeWorkがニューヨークのテック系クラブハウスに資金提供

ニューヨークのシードステージベンチャーキャピタルファンドであるBetaworksが運営するBetaworks Studiosが、WeWork(または最近の彼らの自称に従うなら「The We Company」)の支援を受けることになった。

JLL Spark Venturesとコワーキングの巨人であるWeWorkが共同で、起業家や開発者のためのサポートコミュニティである、会員制コワーキングクラブのBetaworks Studiosへの440万ドルの投資を主導したのだ。またBetaworks VenturesとBBG Venturesも、今回のBetaworks Studiosへの投資に参加した。BBGはかつてBetaworks Studiosのプレシードラウンドを主導した実績がある。

2018年に設立されたBetaworks Studiosは、起業家、アーティスト、エンジニア、およびクリエイティブパーソンたちに、WeWorkと同様に交流を促しプロジェクトの作業を行うことのできる場所を提供している。

これとは別に本日Betaworks Venturesは、7500万ドル規模の2度目の資金調達ラウンドを開始した。

2008年にJohn Borthwick氏によって創業されたBetaworksは、投資ファンドやアクセラレータを運営し、内部でGiphy、Digg、Bit.lyなどの企業をスピンアウトしている。Betaworks Studiosのアイデアは、Betaworksのリソースとネットワークを、より広い起業家コミュニティに拡大しようというものだった。

Borthwick氏は、Goopの元CFOであるDaphne Kwon氏を招き、会員に年間2400ドルまたは月に225ドルを課金するスタジオ部門を運営してきた。

Betaworksによれば、同社のスタジオは会議や講演イベントのためにこれまでに約1万1000人を動員したという。現在はニューヨークのミートパッキング地区で1か所のクラブを運営しているだけだが、調達した現金を使って追加のスタジオをオープンする予定である。

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(翻訳:sako)

コワーキングスペースのWeWorkが300人解雇

コワーキングスペースの代表的存在WeWork(今はWe Companyとして知られている)はグローバル従業員の3%、数にしておよそ300人を解雇したことをTechCrunchに明らかにした。これまでにかなりの額の資金を調達していて、最近の企業価値は470億ドルであるWeWorkは世界中で1万人を雇用している。

WeWorkはニューヨークが拠点。今回の解雇は業績に伴うもので、芳しくない部門の縮小というルーティーンプロセスの一環だ。今回の解雇で影響を受ける部門は、WeWorkのプロダクト・ユーザー体験デザインを手がけるエンジニアリングのチーム。

「過去9年間にわたり、チームのハードワークと貢献のおかげで、WeWorkは最大の物理的グローバルネットワークの一つに成長した」とWeWorkはTechCrunchに対し述べた。「WeWorkは最近、スタンダードな年次パフォーマンスのレビューを行った。我々の従業員は今やグローバルで1万人を超え、さらに6000人を雇用することを含め、2019年はさらなる拡大を続ける見込みだ」。

WeWorkはオフィスシェアリングをディスラプトしようと生まれ、ベンチャーキャピタルで80億ドル超を調達している。中でもソフトバンクのビジョン・ファンドによる投資が突出していて、最近では1月に20億ドル投資している。

イメージクレジット:MANDEL NGAN/AFP / Getty Images

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WeWorkが中国国内で提供する新しいサービスは、スターバックスの良きライバル?

中国国内におけるスターバックスの台頭は、ちょうど西洋と同様に、家庭と職場の間で立ち寄る「第三の場所」としての機能と、密接に結びついている。近年、多くのコーヒー起業家たちが、中国国内におけるこのアメリカの巨大企業の地位を脅かそうとしている。そして今度は予想外の競争相手 ―― WeWork ―― がその流れに加わった。

オフィステナントとワークプレースサービスプロバイダーであるWeWorkは、今月WeWork Goを立ち上げた。これは中国国内の利用者たちに、机を分単位で貸し出す新しいサービスである。このおかげでユーザーは長期のリース契約に縛られる必要がなくなったのだ。スターバックスが無料の場所と有料のコーヒーを提供しているのに対して、WeWorkはその関係を逆転させて、無料のコーヒーと有料の場所を提供するのだ。スターバックスはすでに、ライバルの新興企業であるLuckin Coffeeの挑戦を受けている。同社はスターバックスとの対決を鮮明に打ち出し、コーヒーデリバリーのモデルに集中している。

WeWork Goは他の共有サービスと似た点がいくつかある。ユーザーは移動する前に、一覧上のオフィスの混み具合をアプリでリアルタイムにチェックすることが可能だ。オフィスに到着すると、ユーザーは入口でQRコードをスキャンし、ドアを開けて、共有エリアに着席するが、その時点から請求が始まる。

wework go china

WeWork Goは、WeChat miniプログラムを通じてアクセスできる。スクリーンショット:TechCrunch

同社は、人の流れは綿密にモニタリングされているため、共有スペースが一時利用のユーザーたちで溢れ返ることはないと述べている。個室を予約するためには追加料金が必要だ。WeWorkの中国本社が置かれる上海内の18か所で、3ヶ月にわたるパイロットを行った結果、5万人の登録ユーザーを集めることができたとGoは主張している。

中国向けに

ネイティブアプリを開発する代わりに、WeWork GoはWeChat miniプログラムを介して運用されている。WeChat miniプログラムというのは、中国最大のソーシャルネットワークの中に存在する簡易アプリケーション形式だ。miniプログラムは、開発が比較的容易なために、スタートアップがアイデアを試すための、人気の高い方法になって来ている 。「(Goは)私たちの中国向けローカライズの中心的開発なのです」と、WeWorkの広報担当者はTechCrunchに語った。

Goはいわゆる「一時利用ユーザー」向けに合わせられている。「そうした人たちは、月々のメンバーシップを購入しません。彼らは、自宅や、コーヒーショップ、レストラン、あるいは図書館で働くのです」とTechCrunchに語るのは、WeWork Chinaでイノベーションとテクノロジーを率いるDominic Penalozaだ。彼は以前、Naked Hubというオンデマンドワークプレイスサービスのコンセプトを作り上げた人物だ。これはWeWorkにとっては地元の小さな競合相手だったが、昨年WeWork Chinaが4億ドルで買収した。合併後、エグゼクティブと彼の技術チームは共にWeWorkに参加し、後にGoとして実現されたプロジェクトの開発を続けて来た。

この「使った分だけ支払い」(pa-as-you-go)機能は、米国本土でも先週マンハッタンの新しいオフィスでも導入された。

Penalozaは、Goが「フリーランサー、モバイルワーカー、ビジネス旅行者、あるいは一時的にオフィスから離れて気持ちを落ち着かせたい人のための代替スペース」を提供するという意味で、コーヒーショップたちと競合する可能性があることを認めている。明らかなターゲットはスターバックスである。なにしろ同社は中国の急成長しているコーヒー市場の51%という大きなシェアを占めているのだ。

WeWork向けに

WeWorkにとっては、Goは月々のサブスクリプションを申し込むか否かを決めようとしている人にとっての、お試し機能として役立つ。そうした人たちが思案するのは、上海のダウンタウンでは1830元(271ドル)になるホットデスクの月極料金だ。比較のために挙げるなら、Goの料金は1時間あたり最低15元から始まり、プレミアロケーションでは30元に達する。この料金の中にはフルタイムのホットデスクと同じサービス(共有スペースへのアクセス、飲み物、そしてWi-Fi)が含まれている。

ユーザーは自分にとって有利なプランを自分で計算することができる。「もしWeWork Goメンバーとして始めて、サービスをたくさん使うようになったとしたら、月極料金のサブスクリプションに登録した方が遥かに経済的だということに気が付くでしょう。Wealo Goは、WeWorkがまったく新しい市場セグメントにリーチすることを可能にするのです」とPenalozaは語る。

柔軟な価格設定は、大企業からの収益の大部分を生み出しているWeWorkが、より幅広いユーザーベースにリーチすることを助けるかもしれない。中国のシェアードオフィス業界は、不動産業界研究者のJones Lang LaSalleが呼ぶところの「第2段階」に突入した。そこではWeWorkや地元のSoho 3Qのような大企業がプレミアムワークプレイスに参入してきている。一方資金不足のスタートアップたちは、徐々に政府に支援された低料金のインキュベーターに向かうようになってきた。

wework china

写真:WeWork China

Goの初期ユーザーの何人かは、TechCrunchに対して、このサービスは大部分のコーヒーショップよりも、「より静寂」で「より快適」な雰囲気を提供してくれると語った。だが、急いでいるときにはそこまでの距離が重要となる。WeWorkは現在、中国の十数か所の主要都市に約60か所の拠点を展開している。一方スターバックスは3330店舗におよぶ密なネットワークを形成しているが、2022年末には6000店舗に拡大することを狙っている。WeWork Chinaは、昨年Naked Hubを買収したことで場所を増やし、またレストランなどのサードパーティのスペースを、レンタル対象に追加することは可能だと述べているが、そのビジョンに向けた確固たる一歩はまだ踏み出していない。

「繁華街には本当に面白いチャンスがあります。そこにあるWeWorkとNaked Hubは、ランチ後から午後5時まで本当に満席なのです」とPanalozaは指摘した。「驚くべきことに、その付近にあるレストランは、その時間ほとんどガラガラなのです。なので、そこには魅力的な機会があるのですが、私たちはまだ何もしていません」。

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(翻訳:sako)

WeWork、さらに30億ドルをSoftBankから調達――今回は2019年9月期限のワラント

シェアオフィスのWeWorkがSoftBank本体から30億ドルの追加出資を受けることが判明した。これはSoftBankのVision Fundからの投資とは別だ。今回の投資はワラントによるもので、SoftBankは30億ドルのキャッシュと引き換えに2019年9月より前に1株あたり110ドルまたはそれを超える額でWeWork株式を購入する権利を得る。この株価をベースにするとWeWorkの会社評価額は420億ドル以上となる。

8月にSoftBankは転換社債で10億ドルをWeWorkに投じている。

Financial Timesによれば、SoftBankはWeWorkに対して2019年1月15日に15億ドルを支払い、4月15日に残りの15億ドルを支払う。

SoftBankはWeWorkでダントツ1位の大株主であり、SoftBank Vision Fundは昨年、44億ドルを投資している。

WeWorkの戦略は単なる不動産事業以上のものだ。

WeWorkでは物理的なスペースの提供に加えて働き方改革全般のハブとなることを目指している。同社は30万を超える会員の力をバックにして、さまざまなサービスのプロバイダーに「卸売価格」を提示させることに成功してきた。またWeWorkはMicrosoftのような大企業と長期にわたる有利なリース契約を結んでいる。実際、この種の収入がWeWorkの収入の29%を占めている。

最大の注目ポイントはWeWorkが今後どこまで驚異的な成長率を維持していけるかだろう。驚くべき会社評価額が正当化されるかどうかもこの点にかかっている。 WeWorkはまだ黒字化を達成していない。

ビジョンは現実になるだろうか? SoftBankは現実になることに大きく賭けているようだ。

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滑川海彦@Facebook Google+

中規模企業の後押しをするWeWorkの”HQ”

WeWorkが、最近新しいオフィススペースソリューションである”HQ by WeWork”を発表した。中規模の企業に、長期の賃貸契約なしに、彼らの必要とするプライバシー、柔軟性、カスタマイズ、そしてコスト効率のよいソリューションを提供することが目的だ。

米国国勢調査データによれば、11〜250人の従業員を抱える中規模企業の数は、米国内に110万社を数え、総従業員数はおよそ3000万人に達する。これらの企業は成長を始めてはいるものの、すぐにまた成長してしまうことを思うと(あるいは財政的理由によって)長めのオフィス契約にはなかなか踏み切れないことが多い。

「ずっと30人を超えることのないライフスタイルビジネス、小規模の法律事務所、あるいはハイテク企業など、私たちはその規模の企業が、地域経済にとってどれほど重要なのかを知っています」とTechCrunchに語るのは、WeWorkのChief Growth OfficerであるDave Fanoだ。「しばしば、それくらいの規模の企業にとってスペースの確保は非常に問題です。そして多くの場合そのオフィススペースの決定が、先々の成長の足枷になることもあるのです」。

こうした企業のニーズによりよく応えるために、HQ by WeWorkは、通常は最低でも12ヶ月から24ヶ月の賃貸契約が必要であるプライベートオフィスフロアを、企業に対して柔軟な期間でリースをする(リースと管理はWeWorkによっておこなわれる)。しかし企業はそのスペースから6ヶ月で成長して移動しなければならない。Fanoは、WeWorkがそうした成長をサポートするための助力を提供すると語った。

企業が自ら借りたスペースに、WeWorkによる管理を適用する、WeWorkのPowered by Weモデルとは異なり、HQ by WeWorkを使う企業はオフィスの不動産契約も含めて一切をWeWorkに任せることができる。

HQ by WeWorkでは、カスタマイズした色スキーム、ブランディングの組み込み、専用出入口、WeWorkマネジメントの軽量版モデル(必要なもの ―― IT、AVなど ―― は含まれているが、余分なもの ―― フル会議室やイベント ―― などは省かれたもの)が典型的なWeWorkオフィススペースと共に提供される。こうした設備の削減によって、典型的なWeWork設備よりも1人あたりの価格を安く抑えながら、スペースを提供することができる、とFanoは私に語った。とはいえ、HQテナントたちは、施設の不足を補うために、任意のWeWork施設を訪問して一時利用することが可能だ。

これまでのところ、WeWorkはニューヨークに6つのHQスペースをリースしている。現在はLos AnglesやTorontoなどの、会社が力を入れるすべての主要都市に、HQ by Workを拡大しようと活発に活動が行われているところだ。

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(翻訳:sako)

いよいよTechCrunch Tokyo 2018のチケット販売開始、今ならお得な「超早割チケット」が買えるぞ!

先日発表した通り、今年もスタートアップ・テクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo」を11月15日(木)と16日(金)に渋谷ヒカリエで開催する。そして今日、今の時点でTC Tokyoに参加したいと思っているコアな読者のみなさんのために、「超早割チケット」を販売開始したのでお知らせしたい。

TechCrunch Tokyoは僕たちTechCrunch Japanが毎年開催している、日本最大級のスタートアップ・テクノロジーのイベントだ。今年で8回目の開催となり、昨年は約2500名が来場した。

ピッチバトルや展示ブースを通じて国内スタートアップのトレンドを知ることができるほか、国内外からの著名ゲストたちによる貴重な公演を見れる。多くの海外スピーカーによる登壇は、シリコンバレー発祥メディアの日本版が運営するTechCrunch Tokyoならではの特徴だ。

一般チケットの値段は4万円(税込)だが、本日発売の超早割チケットは半額以下の1万8000円(税込)だ。販売期間は9月18日までなので、このチャンスを逃さないでほしい。

TechCrunch Tokyoの最大の目玉は、何と言っても創業3年未満の新進気鋭のスタートアップがステージ上でピッチバトルを繰り広げる「スタートアップバトル」だ。例年100〜150社から応募が寄せられ、VCやTechCrunch編集部を中心としたメンバーが書類審査を行う。その書類審査をくぐり抜けたスタートアップだけが当日の本戦に進むことができ、11月の寒さを忘れるほどの熱いバトルをステージで繰り広げる。

また、TechCrunch Tokyoでは毎年、国内外のスタートアップ業界のコアにいるキーパーソンたちをお招きしている。昨年は海外からSlack共同創業者のCal Henderson氏やWeWorkのChris Hill氏、国内ではマネーフォーワードの辻庸介氏ソラコムの玉川憲氏らに登壇していただいた。かつてはUber共同創業者のTravis Kalanick氏メルカリ代表取締役会長兼CEO山田進太郎氏もお招きしている。

今年の登壇者も続々と決まっており、随時発表していくので期待して待っていてほしい。近日中に大きな発表がある、と一言だけ付け加えておこう。

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SoftBankの投資戦略を検討する――WeWorkへの5億ドルもテーマの一つに過ぎない

〔この記事はJason Rowleyの執筆〕

今週、WeWorkは中国における子会社、WeWork ChinaがSoftBankTemasek Holdings他から5億ドルの追加投資を得たことを発表した。これにより中国法人の価値は1年前の10億ドル(投資後会社評価額)から50億ドルにアップした。WeWork Chinaは前回の投資ラウンドをほぼ1年前、2017年の7月に発表している

SoftBankが同一会社に複数回投資することはめったにない。この記事の執筆時点で、Crunchbaseのデータによれば、SoftBank自身は144社に175回の投資を行っている。このうち、2回以上SoftBankから投資を受けた会社は23社だ。 このうちWeWorkは、中国法人も加えて、合計4回の投資を受けており、SoftBankの投資として最多となっている。

こうした実績から判断すると、SoftBankの戦略は各ビジネス分野におけるトップ企業に投資することのようだ。株式の持ち分として会社評価額の何パーセントにあたるのか外部から判断しにくい場合もあるが、SoftBankからの投資は各企業における最大の投資であることが多い。

たとえばWeWorkの場合を見てみよう。WeWork本体と現地法人、WeWork China、WeWork Indiaなどを含め、SoftBankの投資は単独出資であるか、投資ラウンドをリードしているかだ。また投資シンジケートの一員である場合もその中で最大級の金額を出資している。

特に市場拡大のチャンスが大きい分野の場合、SoftBankはその地域でリーダーの会社に投資することが多い。 なるほど世界征服というのは難しい企てだが、SoftBankは非常に巨大なので、ある事業分野について各地域のトップ企業の相当部分を所有することができる。結果としてSoftBankがその分野の世界のシェアのトップを握るチャンスが生まれる。

これは大胆な戦略だ。リスクも大きいし、巨額の資金を必要とする。しかしSoftBankは多くの急成長市場で最大の金額をコミットする投資家となっている。

不動産は投資テーマの一つに過ぎない

WeWorkはSoftBankの不動産投資の一例だが、下に掲げた表に同社の不動産、建設関係の投資の代表的なものをまとめてある。 順位はSoftBank(単独の場合、シンジケートの一員の場合双方を含む)の投資額だ。また関与したラウンド中に占めるSoftBankの投資額の比率も掲げておいた。

しかし、成長中の大型市場で成功を収めているトップ・スタートアップに巨額の投資を行うというSoftBankの戦略は不動産分野に限られない。オンライン・コマース、ロジスティクス、保険、ヘルスケア、そして大きな注目を集めたところではライドシェアとオンデマンド交通機関にもSoftBankは大型投資を行っている。

また人工知能スタートアップ分野で大きなポートフォリオを持っていることも見逃せない。SoftBankはNvidiaImprobableBrain CorporationPentuumなどに投資している。またMapboxCruise Automationに投資していることはSoftBank自身の自動運転車プロジェクト、SB Driveにも有利だろう。

SoftBankは古いものもすべてリニューアルしていく戦略の一例だ。 1990年代後半、SoftBankとファウンダーの孫正義はすでにテクノロジー分野で最大の投資家の一人だった。当時も現在同様、孫正義はSoftBankのポートフォリオをいわばバーチャル・シリコンバレー化しようとしていた。つまり投資先企業同士が協力することによってビジネス上のシナジー生むプラットフォームの構築だ。投資テーマを絞り込むSoftBankの戦略を見ると、今日、こうした大胆で愛他的な構想が実現する可能性は十分にある。しかし孫正義はテクノロジー投資の第1ラウンドではドットコム・バブルの崩壊で多額の損失を被ったことが知られている。第2ラウンドでSoftBankが成功するかどうかは今後に待たねばならないだろう。

画像:Ufuk ZIVANA / Shutterstock

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

WeWorkの2018年の成長戦略の中心はPowered By Weだ

2017年はWeWorkにとっては飛躍の年だった。設立7年の同社は90箇所の新しい場所を開き、世界的な会員数を倍増させ、ラテン・アメリカ、アジア、オーストラリア、そしてヨーロッパとイスラエルの新しい都市へも拡大を果たした。伝えられるところでは評価額は200億ドルに達したらしい。

2018年にも同じことがさらに待ち受けている。来年のWeWorkは毎月100万平方フィート(約9万2903平方メートル)の新しいスペースを立ち上げる予定だ。また同時に、新しいPowered By Weのビジネスを積極的に拡大する予定である。

Powered By Weは基本的に、サービスとしてのオフィススペース(office space as a service)である。WeWorkのホワイトラベル商品という位置付けだ。このサービスには、顧客のための適切な物理的スペースの選定、内装工事、カスタムオフィスインテリア、ビルオペレーションを管理するソフトウェア、オフィススペースを効率化するバックエンドデータ、そして人員交流プログラムを支援するためにWeWorkの従業員の派遣を行うことなども含まれている。

「これらのことを本当にうまくやることで、私たちは自分たちの空間を超えて価値を生み出します」とWeWorkの最高成長責任者であるDave Fanoは語る。「Amazonとは、彼らがフルフィルメントで行ってきたことと、いくつかの類似点があります。彼らは、小売モデルをはるかに超えて、インフラストラクチャを収益化しました。私たちはPowered By Weを同じように考えています」。

Fanoは顧客の名前を明かすことはなかったが、WeWorkが今年2つのPowered By Weスペースをオープンしたことを明かした。それらは20万平方フィート(1万8580平方メートル)をやや下回る大きさで運営されている。1つはシカゴ、もう1つはニューヨークである。

そして、WeWorkは既に、Powered By Weと大企業のメンバーシップの間に橋渡しを行っている。Wiredによると、WeWorkは現在IBM、Airbnb、Amazonなどの企業向けに建物を管理している。

FanoはTechCrunchに対して、現在20以上のPowered By We案件が進められていることを明かした。米国と並んで、アジア、ヨーロッパ、そしてラテンアメリカから「世界的な関心」を寄せられているとのことである。

Powered By Weの巧みな点は、それが通常のWeWorkメンバーシップを締結した企業にとっては、自然に移行できる次のステージだということだ。それに加えて、Powered By Weは(建設会社、不動産事業などとの)既存のパートナーシップや(データ、デザイン、統合技術)などの専門知識の上に立脚している。良い場所をセットアップして保守を請け負うことの方が、家主となって場所を整備し賃貸するよりも遥かにコストが安い。

WeWorkの会員の25%〜30%は、Enterprise会員企業(1000人以上を雇用している企業)からのものだ。これらの顧客からのWeWorkの収益は、25〜30%を少し上回っている。

これが、Powered By Weに対する案件を進めている会社の90%以上が、既存のWeWorkポートフォリオ企業で占められている理由だ。

これらのEnterprise顧客は、(Powered By Weの見込み客であるということ以上に)WeWorkにとって重要である。彼らはより長い会員契約に署名している(1〜3ヶ月ではなく2〜3年)。今年はMicrosoftのニューヨークのセールスチームがメンバーとして登録し、街中のでのセールスの移動の途中で、最寄りのWeWorkのオフィスに飛び込んで、ミーティングの合間の仕事をすることができるようになった。

WeWorkは間違いなく、Powered by Weの見込み客たちよりも、建物をより良く運営するためのデータと専門知識を持っているが、それがこの時勢にそれだけの売上をあげられるかどうかには疑問が残る。Accentureによれば、82%の組織が利益を増すためにコストカットを検討しているからだ。

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(翻訳:sako)

WeWork、Alexa for Businessのスタートに向けてビッグプランを準備中

Amazonは間もなくAlexa for Businessを発表する。コワーキングスペースの有力スタートアップ、WeWorkはAlexa for Businessプラットフォームの最初のパートナーの一つとなる。

WeWorkのビジョンは、新しいテクノロジーを最大限に活用して物理的な空間を共有して仕事をするコワーキングの生産性を全体として高めながら、利用者個々のニーズにも応えて容易に環境をカスタマイズできるようしていくというものだ。

コワーキングの巨人は1月ほど前からAlexa for Businessのベータ版をテストしてきた。チェルシーの会議スペースにはEchoが導入され、Alexa for Businessの各種のユースケースについてテストが行われている(現在このテストはWeWork自身の社員に限定されており、登録メンバーは利用できない)。

WeWorkのユーザーは‘ask WeWork’という新たなスキルが利用できる。これには会議スペースの予約、空室状況の確認、あるいは次の会議がいつから始まるか尋ねる、等の機能が含まれる。またスライドやビデオを投影するために照明をオン・オフしたりすることもAlexaに頼めるという。

WeWorkはまたAlexa for Businessをカスタマー・サポート・サービスのZendeskと統合している。ユーザーは会議室から音声で各種の問題をZendeskに報告することができる。

WeWorkのR&Dの責任者、Josh Emigによれば、「いちばん難しかったのはネットワーキングの処理や建物への物理的なインテグレーションよりも発言者が誰なのか特定することだったという。「今のところ、Alexaはここの部屋に関連づけられており、個人ではない。しかしAlexaが確実に個人を識別できるようになったら便利だろう。これを実現するためにわれわれは従来とは異なるアプローチを考えている」とEmigは述べている。

Alexa for BusinessとWeWorkの相性は非常に良さそうだ。WeWorkお本質は人々と物理的な場所の関係を調整しするために適切なインターフェイスを提供することだ。Alexaは現在そのインターフェイスとして最適なツールだろう。しかしもっと重要な点は、WeWorkはコワーキングスペースをメンバーにとって自宅のように親しみやすい場所にしたいと考えているところにある。

このビジョンでは、ロンドンであれロサンゼルスであれ、ユーザーがWeWorkのデスクの前に座ったときに、スマートフォンを軽くスワイプするだけで、自分の好みにカスタマイズした環境をすべて再現できるようにすることだ。これにはたとえばデスクや椅子の高さ、室温、照明といった物理的要素も含まれる。AlexaのiPhoneアプリを使えば、WeWorkはAlexa for Businessのインフラをスマートフォンから利用できる。つまりユーザーはデスクの上にEchoがなくてもスマートフォンからAlexaへの各種のリクエストができるようになるはずだ。【略】

現在Alexa for businessはChelsea HQのWeWork社員のみが利用できるが、間もなく各地域の本部ビルにも拡張される。その後、WeWorkのメンバー向けサービスがスタートする。

〔日本版〕WeWorkの日本進出についてのTechCrunch Japan記事。WeWorkがソフトバンクと合弁会社を設立、東京初のコワーキングスペースは2018年初めに開設予定

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

WeWorkがMeetupを買収する予定

Crunchbase Newsによれば、コワーキング界の大手WeWorkが、Meetupを買収する予定だ。そのレポートによれば、MeetupのCEOで共同創業者のScott Heifermanが、月曜日の全社会合で従業員に対してこのニュースを発表したという。

WeWorkはこのレポートに関するコメントを拒否した。TechCrunchはMeetupにも問い合わせを行っている。

現在、評価額200億ドルと言われているWeWorkは、この夏にSoftbank GroupとSoftBank Vision Fundから、44億ドルという大型資金調達を行っている。資金調達は派手な買収行動につながっている。過去6ヶ月の間にWeWorkは、建設業界向け通信システムであるFieldlens、シンガポールのコワーキングスペースのスタートアップであるSpacemob、エンタープライズ向け販売およびマーケティングプラットフォームのUnomy、そしてコーディングブートキャンプのFlatiron Schoolを買収している。WeWorkはまた、Lord&Taylorの元5番街の旗艦百貨店を、マンハッタン本社として利用するために8億5000万ドルで買い取った

2002年に設立されたMeetupは、共通の関心を持つ人びとが、オフラインの集まりを運営しようとする際に役立つ、オンラインサービスの先駆者だった。最近はソーシャルメディア、特にFacebookグループとの、激しい競争を繰り広げて来た。

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(翻訳:Sako)

WeWorkが語る未来の働き方――グローバル展開する彼らならではの強みとは

11月16日、17日で開催中のTechCrunch Tokyo 2017。このスタートアップの祭典でトップバッターとして登壇したのがWeWork日本代表のChris Hills氏だ。Chris Hill氏は2010年のWeWork創業直後に入社し、同社で初めてのCOOに就任した人物である。

ソフトバンクとのジョイントベンチャー設立によって日本に進出すると発表したことが大きなニュースとなったWeWork。「ついに上陸―、2018年始動のWeWork日本代表Chris Hillが語る新しい働き方と生活のムーブメント」と題したセッションで、Chris氏はWeWorkが考える新しい働き方について語ってくれた。

未来の働き方

「デザイナーや建築家に巨額のお金を払って建てたオフィスをもつのではなく、そこにあるチャンスやニーズに応じて柔軟にオフィスを構えるという未来がくる」とChirs氏は語る。

2010年の創業で今年7年目を迎えるWeWorkは現在、19カ国178地域でコワーキングスペースを展開している。これまでにWeWorkメンバーに登録したユーザーは世界中で16万人にものぼる。それだけのユーザーから支持を集める理由について彼はこう語る。

「WeWorkでは、そこに集まるスタートアップと大企業の間にコラボレーションが生まれるだけでなく、大企業の内部の人々とのあいだに存在するインターナル・バリアも取っ払うことができる」(Chris氏)

Chris氏はメンバー同士の間でコラボレーションとイノベーションが実際に生まれた例についても話してくれた。その概要はこうだ。

オランダに夫婦で花屋を営んでいるWeWorkメンバーがいた。彼らはアメリカでビジネスを展開しようと考えアメリカにやってきたが、花屋である彼らは全米の家庭にチューリップを届ける方法を知らなかった。そこで彼らは、WeWorkのコミュニティアプリのなかで自分たちがチューリップの宅配事業を展開したいことを伝え、一方でディストリビューションについての知識やアイデアが足りないので誰か助けて欲しいと呼びかけた。

すると、世界中にいるWeWorkメンバーたちが彼らの呼びかけに答えた。チューリップを届けて配達依頼まで行うアプリを作ると申し出たのだ。その結果、そのオランダ人夫婦はアメリカに移住して約3ヶ月程でビジネスを作り上げることに成功した。

グローバルコミュニティメンバーシップ

オランダ人夫婦の話は、グローバルで展開するWeWorkならではの強みを表す良い例だろう。Chris氏自身もWeWorkのことをただのコワーキングスペースではなく、「Global Community Membership」と呼ぶ。WeWorkのメンバーになれば、一定の場所に留まって仕事をする必要はなく、世界中に散らばるオフィスに行き“Plug in & Play”で仕事ができる。メンバーにとって、世界中が仕事場になるのだ。

グローバル運営で培ったオフィス効率化のノウハウもWeWorkの強みの1つだ。「何が重要なのか。何をすれば効率化できるのか。メンバーは何時にオフィスに来ることが多いのか。何人が高級コーヒーを飲むのか。何人がコーヒーではなく紅茶を飲むのか。そういったことを知ることで、WeWorkのオフィスはどんどん効率的なものになっている」とChris氏は言う。

2018年、WeWorkのグローバル展開網に日本が加わる。WeWrokは2018年1月に1オフィスを開設し、つづく4月には銀座と新橋に2店舗を開設する予定だ。

今週開催のTechCrunch Tokyoに、WeWork日本代表Chris Hill氏が登壇

WeWork Japan代表Chris Hill氏

今週の11月16日、17日に開催が迫ったテック・イベント「TechCrunch Tokyo 2017」にコワーキングスペース「WeWork」の日本代表Chris Hill(クリス・ヒル)氏に登壇いただけることとなったのでお知らせしたい。Chris Hill氏は2010年のWeWork創業直後に入社し、同社で初めてのCOOに就任した人物でもある。

TechCrunch Japan読者なら、ニューヨーク発の「WeWork」についてはすでにご存知だろう。日本にもソフトバンクとのジョイントベンチャー設立によって進出するといったニュースが流れたときには、多くの人が注目したことと思う。日本以外にも、WeWork China、WeWork Pacificを設立してアジア圏に進出しつつある。WeWorkのページによれば、東京では新橋、銀座、六本木一丁目の3拠点がオープン予定となっている。

WeWorkは2010年創業で7年目。現在19カ国178地域にわたり16万人以上のメンバーを擁している。2017年にTechCrunchが行ったイベント「Disrupt NY」におけるインタビューのなかで共同創業者・CEOのAdam Neumann氏は、米国のWeWorkの利用者の平均月額単価は650ドルで、利益率は40%と高収益だと明かしている。いつでも利益を出せるビジネスだが、いまはブレークイーブンより少し上程度で投資、拡大路線を取っているのだという。

WeWorkのオフィスは以下のような感じだ。これはニューヨーク、上海などの例。世界各拠点のWeWorkオフィスの一覧と写真は、このページから見れる

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それにしてもコワーキングスペースで、この爆発的な成長は一体なんなのか? 美しく特徴的なオフィススペースというのは別に今は珍しいことではないし、オープンオフィスというのも良くある。いったいWeWorkの破竹の勢いの背後にある秘密は何なのか?

従来のコワーキングスペースとの外形的な違いは、例えば「WeWorkはテクノロジー企業なのか、不動産業なのか?」という質問が出てくることから分かる。この問いに対してNeumann氏は建築家や内装のデザイナーよりもエンジニアのほうが数が多く、「WeOS」と呼ぶサービスインフラがあることがWeWorkとほかのコワーキングの違いの1つだと答えている。WeOSは入居者の入出管理や会議室予約などができるメンバー向けアプリだが、より本質的なのはコミュニティーを作る機能にあるという。人と人が繋がったり、タレントやプロフェッショナルを探す、何かをやる仲間を探すといったこともできるそうだ。

コワーキングスペースといえば、フリーランサーやスモールビジネスの人々がオープンな共有空間で仕事をしている様子を思い浮かべるが、実際にはWeWorkの90%はいわゆるプライバシーのあるオフィス。残り10%がオープンスペースで、Neumann氏はオープンオフィスは過剰評価されているとも話している。ただ、そのオープンスペースで起こる人のインタラクションのデザインはテクノロジーを使って分析、最適化しているのだという。どのピンポンテーブルが誰も使っていないか、どのゲームがいちばん人々がエンゲージしているかといったことを良く分かってるのだそうだ。WeWorkはワーキングスペースのオーナー、オペレーター、クライアント管理者として機能するエンド・ツー・エンドのプロダクトを提供する数少ない企業で、調達や設計、建物管理ができる独自の技術データシステムを開発しているという。

もともとクリエイターなどのフリーランスやスモールチーム、起業家などを中心にユーザーを増やしてきたWeWorkだが、昨年からは法人向けニーズに対応するためにプロダクトの多様化も図っている。すでにFortune 500の企業の10%以上がWeWorkのメンバーだという。オープンな環境とコミュニティーで人と人の交流をはかり、イノベーションや価値創造を促進するプラットフォームとして、日本でも大企業から注目を集めるかもしれない。

TechCrunch Tokyoに登壇するChris Hill氏はWeWork創業直後に入社し、COOに就任。在任期間中に地域社会および運営のグローバル責任者として、そして最近ではGlobal Chief Community Officerなどを歴任。多くのプロセスや運用フレームワークも構築し、それらに関わる戦略を策定するなどで実績を挙げているそうだ。直近2年は海外で多くをすごし、アメリカ以外の国において同社のブランドを拡大することにも成功しているという。

WeWorkの拠点は国によって言語や服装、コーヒー文化などに異なる点があるものの、彼らが「We世代」と呼ぶ人々はどこの国も同じという。来年初頭にも正式にスタートする東京のWeWorkの拠点からは、どういうコミュニティーが生まれ、世界のWe世代とどう繋がっていくのだろうか。Chris Hill氏には、WeWorkがほかの「コワーキングスペース」と何が違うのか、どういう文化を醸成しようとしているのかを語っていただけるものと思う。

TechCrunch Tokyoのチケットはイベント開催まで販売中だ。5枚以上の申し込みで1人あたり半額の2万円(税込)で購入することができる団体割引も用意している。また、創業3年未満のスタートアップ企業の従業員であれば、引き続きチケット価格は1万5000円だ。

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FacebookやWeWorkその他約1000社の企業が使う、新興ノベルティ企業Swag

ノベルティ、特に良いノベルティは大切かもしれない。ここがSwag.comが目を付けた場所だ。15ヶ月前に創業した同社は、自社ブランドのために高品質なノベルティを求める企業たちに、役に立つビジネスを目指している。

Swagの共同創業者Jeremy Parkerは「多くの人はノベルティをゴミ扱いしていますが、そうである必要はありません」とTechCrunchに語った。「もし適切に作られていたとしたら、素晴らしいマーケティングツールになるかもしれないのです」。

Swag.comは、例えばウォーターボトル、傘、シャツ、ジャケット、USBドライブ、バッグ、その他のアイテムを、パタゴニアやケースロジックといったブランドから提供している。製品を選んだら、デザインをアップロードし、印刷する枚数を指定して、Swagが承認のための最終モックアップを送付してくるのを待つことになる。

標準生産期間は約15日間だが、少しだけコストが上乗せされるプライオリティ生産は10日間で終了する。顧客がモックアップを承認するまで生産は開始されない。Swagは製造業者やベンダと直接連携するため、在庫を保持する必要はない。

「在庫を持たないバーニーズのようなものですね」とParkerは語った。

Swagには現在、Facebook、Evernote、WeWork、Wazeを始めとする約1000社の顧客がいる。WeWorkでは、Swagは共同作業スペース用のアプリに統合されていて、現在オフィス向けサービスの第1位にランクされている。

WeWorkのアカウントコーディネーターであるCasey Caddenは「注文の度に、完璧な商品を届けてくれるので、私たちはSwag.comが大好きです!」と感想を述べている。「Swag.comのすべての製品は、詳しく検査され、テストされていて、最高品質の製品だけが提供されています。そして、信じられないほど使い易いのです」。

設立以来、Swagは100万ドル以上の売り上げを達成した。SwagをCustomInkなどの他の競合他社と差別化しているものは、細部への注意だ。例えば、Swagは各ブランドの色が、パントーンマッチした正確なものであることを保証している。

最近Techstars Chicagoを卒業したSwagは、シードの資金調達で約80万ドルを調達した。Parkerによれば、同社は更に100万ドルのラウンドを終わらせつつあるということだ。

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(翻訳:Sako)

WeWorkがプログラミング学校Flatiron Schoolを買収、最先端のコワーキングにはスペースだけでなく学習機会もある

時価総額200億ドルのコワーキングの巨人WeWorkが、プログラミングスクールFlatiron Schoolの買収を発表した。

プログラミング教育のプラットホームFlatiron Schoolは、テクノロジーの世界にキャリアを求める人びとにオンラインとオフライン両方のコースを提供している。設立は2012年で、Crunchbaseによるとこれまで1400万ドルを調達している。

買収の条件は、公表されていない。

WeWorkのCEOでファウンダーのAdam Neumannはブログで、WeWorkの社員とメンバーはFlatiron Schoolのオンライン/オフライン両様のコースにアクセスできる、と発表した。

WeWorkは、萌芽期の企業(ときには大企業にも)にスペースを提供するだけでなく、彼らのプロダクトのためのショップや仕事もセットアップしているが、そのほかに彼ら同士の協働助け合いネットワークも育てている。

Flatiron Schoolの買収は、ふつうの買収のようにそのビジネスや技術(プログラミング教育)をWeWorkのビジネスポートフォリオに加えるためでなく、WeWorkのメンバー(==ユーザー)に技術知識やスキルを与え、将来に向けて彼らの機会の強化拡大に資することが目的だ。

一週間前にFlatiron Schoolは、無認可で教育事業を営んでいた件と個人メンバーの就職率/初任給の誇大宣伝で、ニューヨーク州と37万5000ドルの和解が成立していた。

Neumannのブログより:

うちの会社の企業文化は、現状に満足せず、もっと良い仕事をしよう、今よりもっと勉強しよう、という姿勢にある。だから今回、勉強のための新しいプラットホームを提供できることを誇りに思う。Flatironには、人びとを結びつけるというわれわれのビジョンを共有できる資質がある。私たちはスペースで人びとを結びつけ、設計やデザイン、技術、そしてコミュニティで人びとを結びつけている。そしてそういう結びつきは、仕事と人生をより人間的にする方法だと理解している。私たちは、その全生涯が学生だ。Flatironの教育者と技術者とイノベーターたちをWeWorkにお迎えして、共に勉強を続けて行けることは、とても喜ばしい。

最近の2年間は、WeWorkはコワーキングのスペース以外の面での拡張にフォーカスし、中国と日本に進出、またアメリカでは拠点を増やしてきた。そしてまた同時に、オンラインのコースとそのメンバーの拡大にも注力してきた。4月に立ち上げたServices Storeは、メンバーがWeWorkのアカウントでSlack, Lyft, UpWork, Adobe, などのサービスを利用できる仕組みで、料金のディスカウントがある。

Flatiron Schoolの買収も、そういうメンバー便宜の拡大という点で価値が大きい。今やWeWorkのコワーキングにあるものは、スペースだけでなく、未来のキャリア増進のための学習機会もあるのだ。WeWorkは、スタートアップを育てるだけでなく、大企業の一部門や一事業部をそっくりまるまる、同社のメンバーが実装できる、と考えている。先年の、Microsoftの営業チームなどは、その典型的な例だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa