「日本人に最適化したプロダクティビティツールを」 ― BHIがニュースアプリSwingnewsをリリース

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メールアプリのSwingmail、タスク管理アプリのSwingdoなどを展開する日本のBHIは2月16日、新たにニュースアプリのSwingnewsをリリースすると発表した。これまでのアプリと連携してパーソナライズされたニュースを配信できることを武器に、多くの競合が存在するニュースアプリ市場に参入する。また、これまでLINEのみだったボットプラットフォームも拡大し、新たにFacebook Messenger版、Slack版をリリースする。

連携が特徴のSwingアプリ

従来からBHIが提供していたのは、メールアプリのSwingmailとタスク管理アプリのSwingdoだ。

メールアプリのSwingmailでは、メールとTwitterのDM、アプリ経由でかけたFaceTimeなどの通話履歴を全部まとめて見ることができる。他のメールアプリとの違いは、コミュニケーションする相手ごとにアプリ横断的にすべての履歴を管理することができるという点だ。もう1つのSwingdoはタスクと位置情報が自動でひも付けされるタスクアプリで、他のSwingアプリとも連携することが可能だ。Swingmailについては過去にTechCrunch Japanでも紹介している

そしてもう1つ。同社はSwingmailやSwingdoをサポートする立ち位置となるLINEボットのSwingbotもリリースしている。このボットでは、他のSwingアプリと連動させることによって、重要度の高いメールだけをボットが通知する機能や、現在の位置情報をもとに重要度の高いタスクをボットが教えてくれる機能などを利用することができる。BHIはボットを提供するプラットフォームも拡大中で、2月2日にはSlack版の提供を開始。そして近日中にはFacebook Messenger版をリリースするという。

そして、ここまでSwingブランドのアプリを立て続けにリリースしてきたBHIが次に狙うのが、ニュースアプリ市場だ。Swingnewsはキーワード型のニュースアプリで、ユーザーが指定したワードに関連するニュースを配信することでパーソナライズを実現している。

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しかし、TechCrunch Japanの読者であればご存知のように、日本のニュースアプリ市場にはたくさんのプレイヤーがいて、それぞれが凌ぎを削っている。KDDIなどが提供するNewsPassや、AntennaスマートニュースGunosyNewsPicksカメリオなどがその例だ。しかも、これらのアプリがすべて順風満帆というわけではなく、苦戦を強いられているものもある。

そのような市場環境のなか、なぜBHIがニュースアプリなのか。そして、彼らはどのような武器をもってこの市場を戦っていくのだろうか。CEOの日昔靖裕氏に話を聞いた。

「Swingnewsの強みは、これまでのアプリと連携することによって、高度にパーソナライズされた『自分だけの専門誌』をつくれることです。例えば、Swingdoとの連携で取得したスケジュールデータを利用すれば、『翌週に北海道旅行を予定しているユーザーには、現地のニュースを集中的に届ける』ことが可能になります」。

これまでのSwingアプリは、他のアプリと連携してはじめてその真価を発揮するように設計されている。今回リリースするSwingnewsもその例外ではないということだ。

目指すはYahoo Japanのような統合プラットフォーム

ところで、Swing〇〇というように統一されたアプリ名や、Swingアカウントと呼ばれる単一アカウントですべてのサービスを利用できるあたりを考えると、BHIが目指すのは、アメリカ発祥の企業でありながら「Yahoo!BB」など日本独自のサービスを展開するYahoo Japanのような企業なのだろうかと感じる。

日昔氏はその点について、「プロダクティビティツールは米国大手が強いが、日本人に最適化する形が作れると思っているし、BHIはそこを目指している。日本の大手が提供するいくつかのツールは、GoogleやMicrosoftとは異なり、日本の生活管理に適していると感じるし、実際に支持されている」と語る。

この話を聞くと、僕はふと母親のことを思い出した。50代前半の母親は、あまりITリテラシーが高い方ではないのだが、それでもパソコンを開くと必ずYahoo Japanのトップページに行ってニュースなどを眺めている。トップページで新しい「Eメール(彼女の発音に従えば、えーめーる)」がないかチェックもしている。あくまで一個人の例でしかないことは重々承知のうえで言うと、彼女にとってのパーソナルな統合プラットフォームがそこにはある。

日昔氏によれば、BHIが今年目指すのも、その統合プラットフォームだという。「今年は、統合プラットフォームのWeb版を目指している。旧来型のメールやタスク、ニュースを新しいまとめ方で一覧で見れるイメージ」と日昔氏は話す。「ラップトップ、モバイル、Botなど、それぞれに表示する内容の量やまとめ方、通知のタイミングを最適化することで生活管理はまだまだ進化できる」。

SwingmailやSwingdoは、どちらかと言えばフリーランスなどのユーザーに利用されることを意識してつくられたアプリだった。しかし、同社はSwingbotのリリースによってLINEをよく使う主婦層をユーザーとして獲得。同社がこれまでに獲得した15万のSwingアカウントのうち、主婦ユーザーの割合は半分だそうだ。LINEボットと「友だち」になったユーザーは約1万人だという。

もしかすると、日本のスタートアップであるBHIが広範なユーザーに使われる統合プラットフォームを実現する土壌はできつつあるのかもしれない。

2013年創業のBHIには現在10名のチームがいる。創業計画をまとめた日昔氏は、2012年にサムライインキュベートから430万円の出資を受けた。また、昨年10月にはMVNOのmineoが展開するmeneoメールとの連携を発表。日昔氏は今後もMVNO各社との連携を進めていきたいと語っている。

再度の巨大ハックにYahoo USの株価6%ダウン―市場はVerizonの買収見直しを恐れる

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今日(米国時間12/15)、Yahooの株価6%ダウンした。投資家はアメリカYahooのユーザー情報が再び大規模に流出したという発表によりVerizonによる買収に支障が出ることを恐れたものと思われる。

今回のリークは最近で2度目だった。 この失態でVerizonの腰が引けるのではないかという観測が出てきた。Verizonは48億ドルといわれる買収金額の引き下げないし買収の申し出の全面的な撤回をするのではないかという見方が出ている。

TechCrunchの親会社AOLの親会社がVerizonであるのは事実だが、われわれはこの件に関してまったく内部情報を持っていない(Verizonに問い合わせを行っているが回答はまだない)。

Yahooがハッキングされたこととは別にわれわれが知っているのは、Verizonはビジネス戦略上の理由からYahooに興味を示しているという点だ。つまりAOLを所有するVefizonとYahooのビジネスには重複部分が大きい。また両社とも優れたコンテンツと強力な広告ビジネスを持っている。両社が合併すれば、メールと検索事業でも大きなメリットが出るはずだ。

数ヶ月前にYahooに対する最初の大型のハッキングが暴露された際、 Verizonが買収価格の1億ドルの引き下げを要求したという情報が流れた。10月の決算のカンファレンス・コールでVerizonのCFO、Fran Shammoは「われわれは〔ハッキングが〕 評価額にどのような影響を与えるか精査中だ」と述べた。ただしその時点では買収計画自体が白紙に戻される兆候はなかった。

新しいリークの発見で状況は変わるだろうか? その点はまだ不明だが、Yahooにとっていいニュースでないのは明らかだ。【略】

Verizonの経営陣には株主に対する信任義務があり、買収にあたっては相手先企業の株価を評価する上で十分な注意を尽くさねばならない。今回のような大規模なハッキングが生じた場合、Yahooのブランドに対する打撃が将来の成長の可能性にどれほど影響するものか慎重な判断を求められるだろう。

さらにVerizonの経営陣はYahooが買収の交渉中、ハッキングの事実を抑えて表に出さなかったわけではないことを確認する必要がある。もし当時Yahooが表に出したこと以上を知っていたならVerizonとしては値引きを要求するための強力な根拠となったはずだ。そのような裏切り行為は会社の合併という新たな信頼関係を築くために決して好ましい方法ではない。

Verizon、Yahooからコメントがあればさっそく報告する。

レポートにはIngrid Lundenが協力した。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Verizon曰く:Yahooの個人情報流出問題の影響は「重大」

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どうやら、5億人のYahooアカウント流出事件は、同社のVerizon(TechCrunchの親会社)への売却に影響を与えそうだ。

今日(米国時間10/13)午後ワシントンDCで行われた社内のパブリックポリシー会議で、Verizonの顧問弁護士、Craig Sillmanは、「流出の影響が重大であると信じるに足る根拠を得た。Yahooが影響の全容を明らかにすることを期待している。もしそうでないと考えるなら、Yahooは証拠を示すべきだ」と語った。

Sillimanは、VerizonがYahooに買収金額48億ドルの値下げを要求しているとの報道には言及しなかった。

本誌は、親会社の事情について何らの内部情報も持ちあわせていないが、Sillmanが影響を「重大」と称していることは、Yahooにとっておそらく良い兆候ではない。Verizonは契約条件の見直し交渉中かもしれない。

買収は既に発表済みだが、VerizonはYahooがハッキングの事実を知りながら告知していなかったと主張する可能性がある。報道によるとYahooは7月時点で問題を認識していた可能性があり、それは買収が発表された時期に重なる。一方Yahooは9月に、当時は侵入の事実に気付いていなかったとする声明を発表している。

今日Yahooにコメントを求めたところ、広報担当者は「Yahooの価値には自信を持っており、Verizonとの統合に向けて引き続き作業を進めていく」と語った。

数週間前、AOLのTim ArmstrongはCNBCのテレビインタビューでハッキングについて聞かれた際、「データ流出の件は新しく聞いた話であり、今後Yahooと共に対処していく予定だ」と話した。さらにArmstrongは、自分はVerizon株主を「守る」立場でありたいと付け加えた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

政府による大量のメールスキャンに協力したYahoo、大手テク企業はこぞって関与を否定

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Yahooは今、厳しい批判にさらされている。アメリカの諜報機関がYahooの数百万のユーザー全員の入信メールをスキャンできるためのソフトウェアを、同社が設計したと、一部の元社員が主張したからだ。その申し立ては、最初Reutersが報じ、そのような監視のための捜査網の合憲性と、Yahooにそのソフトウェアの作成を強いるのに用いた法的手段に関する疑念を喚起した。

そのほかの大手テクノロジー企業は、素早くその記事に反応し、自分たちは政府からそのようなカスタムソフトウェアを求められたことはない、と声明した。

Twitterのスポークスパーソン: “このような要請を受けたことはないし、もし受けたら法に訴えていただろう。国の安全保障に関わるある種の要請を企業がシェアすることは、法で禁じられているが、弊社は現在、政府の要請に関する情報をもっと広範囲に開示できるために、司法省を訴訟している”。

Twitterの司法省に対する訴訟は、目下進行中だ。

Microsoftのスポークスパーソン: “今日Yahooに関して報じられたような、メールトラフィックの秘密スキャンに、弊社は関与していない”。

Microsoftも、ユーザーデータの政府要請に関する透明性の向上を求めて、司法省を訴訟している

Googleのスポークスパーソン: “そのような要請を受けたことは一度もない。もしも受け取っていたら、弊社の対応は単純である: お断り、だ”。

Appleは、サン・バーナディーノ銃撃事件関連のiPhoneをアンロックするカスタムソフトウェアの、制作を求めるFBIの要求と戦って勝利し、今回も、カスタムソフトウェアの要求には抵抗し続ける、と言っている。

Appleのスポークスパーソン: “この種の要請を受け取ったことはない。受け取っていたら法廷で抗議していただろう”。

Facebookeのスポークスパーソン: “いかなる政府からも、ニュースで報じられているような要請を受け取ったことはない。受け取っていたら、戦っていただろう”。

FacebookのCSO(Chief Security Officer) Alex Stamosは、YahooのChief Information Security Officerだったとき、そのメール監視プログラムを発見してYahooを辞めた、と伝えられている。

Yahooは、報道された政府の監視行為を肯定も否定もしていない。

Yahooのスポークスパーソン: “Yahooは遵法企業であり、アメリカ合衆国の法を順守している”。

Yahooも他社と同様、政府の監視を阻止するための法的努力に取り組んでいる。最初同社は2008年に、NSAによる広範囲な監視活動への参加を求められ、それを拒否したが、毎日25万ドル〔1週間ごとに倍増〕という罰金の脅しに折れた。Yahooはまた最近、大手テク企業としては初めて、過去数年間にわたって受け取ったNational Security Lettersの一部を開示した。しかし最近の報道によると、このところのYahooメールのユーザー減少に伴い、セキュリティが重視されなくなったようだ。

Twitter, Microsoft, Google, Facebook, Yahooなどの企業は、ユーザーデータに対する政府からの要請を、透明性レポート(transparency reports)を発行して開示している。しかしそれらのいずれもが、今回Yahooで起きたとされているような大規模なデータ共有を記していない。Yahoo自身の透明性レポートですら、その問題のプログラムが作られたとされる時期に、アメリカ政府と最大で21499名のユーザーのデータを共有した、と述べているだけだ。これまで透明性レポートで最大51499名のユーザーのデータ共有を報告したこともあるYahooとしては、21499名は比較的少ない方である(いずれも6か月の期間)。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Yahooがポルノを検出するニューラルネットワークをオープンソース化、ただし訓練はあなたの仕事

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インターネットの上のものに、どうやってNSFWを指定するのか? Yahooに聞こう。Yahooはそれをやっている。わいせつなコンテンツで訓練した、同社特製の、ポルノ検出ニューラルネットワークだ。そして今回、そのシステムがオープンソースになったから、誰もが使える。そう、そのとおり、フォークするのも自由だ。

それはもちろん冗談。Yahooのアルゴリズムは万能ではない。画像を見てNSFWだ、と判断するのは、もっとも手強い難問の一つだ。昔から、見れば分かるさと誰もが言うが、そう言える人は、全生涯をポルノを見て過ごした人だけだ。コンピューターには、そんな経験はない。

純潔無知なマシンもしかし、Yahooに捕まって何千もの画像で訓練され、画像認識エンジンにされてしまうと、腐敗のきわみに達する。もう、彼の純情は永遠に盗まれてしまった。しかしそれと引き換えに、あなたがネットで検索したとき、結果にいやらしいものが紛れ込む確率は低くなる。

でも、まじめな話、畳み込みニューラルネットワーク(convolutional neural networks, CNN)は画像を分類するための優れたツールだ。そのことは、これまでの数多い研究によって証明されている。特定のタイプの画像のデータベースで訓練すると、アルゴリズムは一定のパターンに対して敏感になる。犬を見分けるCNNなら、尻尾や鼻や、とがった口をたくさん見せられるだろう。車なら、車輪やドアの取っ手やラジエーターグリルを認識する。そしてポルノなら何を、…それはご想像におまかせしよう。

Yahooのシステムはいろんな画像を見て、それらに0から1までの点をつける。ポルノだと判断した画像の点は、1に近い。検閲目的だけでなく、いろんな状況で使えそうだ。刺激的な画像が歓迎される場面もあるが、Web上の大量のデータを相手にするときは、それらを篩い落とせた方が便利だ。

メールやメッセージを、プライバシー侵害にならずに、チェックすることもできる。同僚がいたずらで送ってきたNSFW画像を、職場でうっかり開く醜態は、たぶんなくなる。

オープンソースのコードをビルドしてエンジンができても、まだそれは全然訓練されていない。たくさんポルノを見せて訓練するのは、あなたの役目だ。でも今のインターネットの上なら、それは問題ないだろう。詳しい説明はYahooのブログ記事にある。そしてコードのダウンロードはGitHubからだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Yahooに致命傷を与えた、プラットフォームの交代

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2000年、Yahooの価値は1250億ドルだった。2008年、Microsoftが提案した440億ドルでのバイアウトを拒否した。そして、本日Verizonに48億3000万ドルでの身売りに至った。ここでの学びは、前回のコンピューター・プラットフォームで勝利を収めても次のプラットフォームが到来する時、それに対応できないのなら会社は売り払った方が良いかもしれないということだ。

悪役にピアノが落ちてくるアニメのように、Yahooの予期していなかった「モバイル」が同社に降りかかった。Yahooはウェブポータルだった。ユーザーは数多ある多様なウェブサイトを検索したり、ブラウズしたりすることができた。しかし、2007年にiPhoneがローンチしたのと同時にモバイル時代がやってきて、ユーザーの行動が変わった。1つのオムニサイトから検索やブラウズをしてインターネットを巡るのではなく、用途ごとに専用のアプリをダウンロードして使うようになった。

それに加え、コンテンツ消費のパターンも変わった。デスクトップのコンピューターで拡張的なコンテンツやニュースサイトを長時間見るのではなく、生活の中のちょっとしたダウンタイムを埋めるために、ユーザーは細切れで楽しめるモバイルエンターテイメントを求めるようになった。

Yahooはそれらに対応できるよう作られたものではなかった。そして、順応することにも戸惑っていた。Yahoo SpotrsやYahoo Financeといったいくつかのプロダクトで食いしのげたのだ。しかし、中核となる資産は別の環境で生き抜くために進化してしまった。モバイル版のデザインはあったが、機能は乏しかった。人々の利用率はこぼれ落ち、Yahooの広告在庫は減少しただけでなく、ソーシャルネットワークによる広告ターゲットのための情報を得る機会も失った。

そして、Yahooは石のように海底へと沈んでいった。

Yahoo home page in 2008

この船を助けるためには、例えば積極的にモバイル会社を買収するなど、もっと早い段階から決定的な行動を取るべきだった。同社は危険な状況にあり、Yahooは社運を賭けた決断をしなければならなかった。しかし、その代わり価格は高いが、ウェブ・ファーストの小さなスタートアップであるFlickrやTumblrを買収した。それらの会社の基盤を正しい方向へと向かわせることに力を割いた。けれども、それらはあまりに小さく、あまりに間違っていて、あまりに遅かった。

より良い判断はなんだったのかを見るために、例えばFacebookを見てみよう。彼らの中核プロダクトはニュースフィードであり、ユーザーが投稿する短いステータスのアップデートや写真で構成される。彼らの初期のモバイルアプリは良いものではなく、ウォール街も不安を持っていたが、Facebookはモバイルに適応することに意欲的だった。

Facebook's app circa 2009 when it misunderstood mobile

まだモバイルを正しく理解していない2009年頃のFacebookアプリ

「ウェブサイトのように同時に色んなことをやる」という考えで作った一覧デザインを捨て、デフォルト画面をフィードにして、素早く使えるアプリに変更した時、ユーザーの利用が爆発的に増えた。彼らはInstagramやWhatsAppの買収に多額の資金を使ったが、それらの企業はモバイルで利用率が増えている機能を中心に置くモバイル・ファーストのプロダクトを手がけていた。

Yahooの終焉はMarissa Mayerの責任ではないだろう。Yahooが栄光を取り戻すには、先見の明、スキルも運も必要だが、最も必要だったのは、モバイルへの方向性をもっと早い段階から進めるためのタイムマシーンだ。もしかするとVerizonは、YahooのアドテクとAOLを組み合わせ、残骸から利益を絞り出す方法を見つけることができるかもしれない(情報開示:VerizonはTechCrunchも所有している)。

ただ重要なポイントは、テックチームはプラットフォームの交代に対して準備することに危機感を持たなければならないということだ。会社を殺すのは、競合他社であることは少ない。変化を目前に固まってしまうことが会社の終焉を招く。そして今、水平線には拡張現実、仮想現実、音声、人口知能といったものが夜明けを待っている。

気鋭のCEOは準備を整えている。GoogleはDeepMindのAIを買収し、社内のプロダクトに行き渡らせている。FacebookはOculusを買収し、VRとARに参入を目指す。Uberは自動運転車のラボを構えた。そしてAmazonはEchoの音声コントロールにリソースを投下している。もしこれらの戦略が結実すれば、会社がディスラプトされることを避けることができるだろう。

地殻変動が起きる中で会社が断層線の上を走り続けるなら、近いうちに揺れに耐えられなくなって地面に叩きつけられるだろう。

何十年も生き抜く巨大テクノロジー企業は、地面に飲み込まれるのを待っていたりはしない。彼らは、全面的なプロダクト変更、大胆な買収、落ち着かない状況でも必要なことを実行する意志を持ち、未来のある方向にビジネスの配置替えを行っている。復活することより、ピボットする方が簡単なのだから。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

確定―VerizonがYahooのインターネット事業を48億3000万ドルで買収

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何ヶ月にも渡った価格交渉数回にわたるレイオフの末、アメリカYahooはついに売却先を確定した。

Verizon(AOLの親会社。AOLはわれわれTechCrunchの親会社)はYahooの本体事業を48億3000万ドルのキャッシュで買収することを公式に発表した。買収される事業にはYahooの広告、コンテンツ、検索、モバイル活動の一切が含まれる。

Verizonの会長、CEOのLowell McAdamはプレスリリースで、「われわれは1年と少し前にAOLを買収し、あらゆるサイズのスクリーンを利用する消費者、クリエーター、広告主を結びつけるという戦略を一歩進めた。今回のYahoo買収でVerizonはトップクラスのグローバルなモバイル・メディア企業としての競争力をさらに高めることができた。同時にデジタル広告における売上の加速も期待される」と述べた。

YahooのAlibaba、Yahoo Japanの持株は今回の買収の対象となっていない。これらの資産には数百億ドルもの価値がある。7月22日現在、Yahooが保有するAlibabaの15%の持ち分は312億ドル、Yahoo Japanの34%の持ち分は83億ドルだった。 Yahooの特許ポートフォリオも今回の売却の対象外だが、10億ドル前後の価値があるとみられている。TechCrunchがつかんだところによるとサニーベールのYahoo本社は売却の対象だという。

Yahoは最終的にAOLと統合される。Verizonの執行副社長、プロダクト・イノベーションと新事業の責任者、Marni Waldenが買収プロセスを指揮する。AOLのCEO、ティム・アームストロングは社内向けメモの中で、マリッサ・メイヤーと緊密に協力していることについて触れている。メイヤーはYahooの社内向けメモの中で、「個人的には(Yahooに)留まるつもりだ。私はYahooとそのチームを愛し、信じている。Yahooを次の章に飛躍させることは私にとって重要だ」と書いている。メイヤーは買収手続が完了するのは2017年の第1四半期の末と予想している。【略】

昨年、Verizonは AOLを44億ドルで買収した。Verizonは現在でもトップクラスのテレコム企業だが、AOLとYahooを買収したことからすると、今後は事業とその売上の多様化を図っていくつもりのようだ。

買収手続が完了した後、YahooとAOLを統合すれば、巨大なメディアと広告の子会社が生まれる。AOLははるかに大きなスケールでウェブとモバイルのオーディエンスにリーチすることが可能になる。広告事業のターゲットは10億人単位になるかもしれない。

〔ティム・アームストロングのメモにあるように〕最終的にVerizonはデジタル広告事業でGoogle、Facebookと競争できる存在になるつもりらしい。オンライン広告は現在、シリコンバレーのこの2社にほぼ独占されたかたちだ。Verizonは3番目のプレイヤーになろうとしているようだ。

反トラスト法当局により買収が承認されるとして、Verizonはさらに2つのハードルを超えなければならない。直近の四半期決算の電話記者会見でYahooは社員8800人、契約社員700人を擁していると述べた。これに対してAOLの社員は6800人だ。どちらも数千人という規模の2つの会社を統合するのは誰にとっても容易な仕事ではない。第二に、 Yahooは近年相当の赤字を出し続けている。VerizonはYahooをまず黒字体質に変える必要がある。そうでなければYahooはAOLの足を引っ張る存在になってしまう。

プレスリリースで VerizonはYahoo買収の理由を説明し、同社には10億人のユーザー(うち6億はモバイル)がいることを挙げた。またYahooが数多くの優良ブランドを所有していることも指摘している。Verizonはニュース、スポーツ、Yahoo Mail(月間アクティブ・ユーザー2億2500万人)を例示した。広告媒体と広告テクノロジーではBrightrollFlurryGeminiを例に挙げている。面白いことに VerizonはTumblrについては触れなかった。

Yahooが公式に 事業売却の可能性を認めたのはこの2月だった。【略】マリッサ・マイヤーが 2012年にYahooに加わったとき、Yahooを再活性化するビッグ・プランがあるということだった。マイヤーやモバイル化の努力を倍加し、人材獲得のためのスタートアップ買収を10回以上実行した。Tumblrは11億ドル、Brightrollは6億4000万ドルだった。またYahoo Mail、Flickr、Yahoo Weather、Yahoo Messengerなど既存プロダクトのアップデートにも力を入れた。

しかしこうした努力もYahooの収益構造を目立って改善するには至らず、ついにオンライン事業の売却という結果になった。

今から考えれば、売却先は当初からVerizon以外なかったかと思えるがYahoo買収に関心を示した企業にはAT&T、TPGグループ、Dan GilbertのQuicken Loans関連の投資家などがある。Verizonはこの後電話記者会見を予定しており、さらに詳しい説明が聞けるかもしれない。このニュースが流れた後のVerizonの株価は、市場取引スタート前の数字だが、特に動きがない((+0.21%)。 この買収の情報は金曜日にリークし始め、株主、投資家は今日の発表を十分に予期していた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Yahoo相変わらず低迷の四半期決算報告、上場企業としてこれが最後か?

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Yahooの決算報告は、アナリストたちの予想をわずかに下回り、そして同社はTumblrの簿価を再び下げた。株価の、目立つ変化はなかった。

Yahooはここ数年、毎年こんな調子だ。Yahooのコアビジネスはこのところずっと下降気味であり、2012年にMarissa Mayerが指揮を取る前から下降は続いていた。MayerのCEO就任は、新しいリーダーがYahooを正しい方向に導き成長路線に戻すか、と期待された。なんといってもYahooは強力なブランドであり、蓄積されたユーザーの数も多い。

今日の決算報告は、Yahooの上場企業としての歴史に終わりを告げる感嘆符(‘!’)のようだ。すでに方向転換の可能性はほとんど見えず、ここ数か月は、どこがYahooの中核資産を買うか、という話しかなかった。同社が上場企業としての財務報告を公表するのはこれが最後かもしれず、そしてその内容は当然ながら寒い。

同社のその、2016第二四半期は、13億1000万ドルの売上に対して一株あたり9セントの利益だった。中にはTumblr関連の3億9500万ドルの‘のれん料’という費目もあるが、これは再度行われた買収簿価の切り下げだ。アナリストたちは、売上10億8000万ドルの売上、一株あたり利益10セントを予測していた。前年同期では、12億4000万ドルの売上、一株あたり16セントの利益だった。

売上の額面は大きいが、その中にはサンタクララの不動産を売った2億4600万ドルの売却益がある。トラフィック獲得費用を差し引くと、売上は8億4120万ドルになる…アナリストの予想は8億3960万ドルだった。トラフィック獲得費用は前四半期の2億ドルから第二四半期は4億6600万ドルと大きく増えた。

Mayerはこれまで、さまざまな買収を行ったが、会社を上向きに転ずることはできなかった。11億ドルで買収したTumblrは、その後何度もレイオフを重ねるたびに多くが償却された。そして同社のコアビジネスへの関心は低迷し、中核資産のパフォーマンスは低下した。過去数年間はモバイルへの注力が行われたが、並行してレイオフも随時行われ、業績は低下を続けた。

“事業活動の改善努力に加えて、代替的戦略においても大きな進歩を遂げた”、と方向書の発表文は言っている。

Yahooの株主たちの関心は、業績の回復よりもむしろ、同社が大量に保有している中国のeコマースAlibabaの株へと移った。Yahooの360億ドルという時価総額は、同社の協同ファウンダーJerry Youngが昔Alibabaの株を買ったことに大きく依存している…それは今の価額では2000億ドル以上にもなる。キャッシュに不自由しないMayerは、さまざまな業績回復プラン(多くは買収)を実行することができた。

今年、Yahooの株価は約4.5%ダウンした。

〔ここにグラフが表示されない場合は、原文を見てください。〕

[graphiq id=”aCp3EcOMRI9″ title=”Yahoo Inc. (YHOO) Stock Price – 1 Year” width=”600″ height=”463″ url=”https://w.graphiq.com/w/aCp3EcOMRI9″ link=”http://listings.findthecompany.com/l/19200951/Yahoo-Inc-in-Sunnyvale-CA” link_text=”Yahoo Inc. (YHOO) Stock Price – 1 Year | FindTheCompany”]

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Yahoo買収の第二ラウンドのビッド(入札)で落札者最尤候補のVerizonは$3Bを提示する…とWSJが報道

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VerizonがYahooの主要なインターネット事業の買収に、徐々に近づいているようだ。Wall Street Journalの記事によると、この通信大手はYahooを競る第二ラウンドのビッドで30億ドルを提示するらしい。

プライベート・エクイティ企業のTPGも、ビッドをねらっている。第二ラウンドのオファーは月曜日だが、WSJの情報筋によるとYahooは、今後もさらにラウンドを重ねるという。そのほかの買い手候補、Time Inc., Alphabet, Comcast, AT&T, IAC/InterActive Corp.などが、4月の第一ラウンドよりも前に下(お)りたため、現在はVerizonがトップランナーだ。

(情報開示: VerizonはAOLのオーナー、そしてAOLは本誌TechCrunchの親会社だ。)

Verizonが来週行うと思われる30億ドルのオファーは、ニュースサイトや広告ビジネスを含むYahooのインターネットビジネスが最初のビッドサイクルで獲得したとされる40〜80億ドルよりも安い。WSJによるとそれは、先月行われたセールスプレゼンテーションでYahooのCEO Marissa Mayerが、Verizonの主な買収動機である同社のオンラインビジネスが、低調であると明かしたためだ。しかしCNBCのアナリストDavid Faberが書いた記事によると、20億ドルとか30億ドルは、Yahooがこれまでに受け取った“最安のビッド額よりもさらに安い”そうだ。

YahooとVerizonはコメントを拒否した。本誌はTPGにもコンタクトしている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google対Yahoo—インターネット戦争でどうしてここまで差がついたのかを振り返る

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この記事はCohesityのファウンダー、CEOでCrunch NetworkのメンバーMohit Aronの執筆

独立企業としてはYahooは最後の日々を迎えつつあるようだ。一方、GoogleはAppleと時価総額世界最大の企業の座を争っている。わずか10年前と少し前には、YahooとGoogleが激しく競争していたとは信じがたい。

当時、現在のような状態を予測できたものは誰もいなかっただろう。両社の状況にやがてこれほど大きな差がつくと、誰にせよ当時予測できたと考えるなら馬鹿げている。そうではあっても、GoogleとYahooの歴史を振り返ることからわれわれは多くを学べると思う。

私は2003年に Googleで働き始めた。GoogleとYahooは当時急成長中だったウェブの覇権をめぐって激しい競争を繰り広げていた。この問題には非常に多くの要因が影響を与えていたが、中でも最終結果に決定的な役割を果たしたと思われるのが、それぞれの企業のコアとなるインフラへの取り組み方だったと思う。

私はこの記事の主役ともいうべきGoogle File Systemの開発に密接に関係していたので、それが見方に影響を与えているだろう。そうであってもGoogleとYahooのインフラに対する態度を比較することからわれわれは急速に変化するテクノロジー世界にあって持続性の高いビジネスの構築の方法について多くの教訓が得られそうだ。

当面の対応 vs. 将来の持続性

21世紀に入ってインターネットが普及期に入ると、検索、メール。、地図などのサービスの規模、需要が爆発的に拡大し始めた。これに対応する方法がGoogleとYahooでは鋭い対照を見せた。Yahooの場合、NetAppシステムという形で必要とされるサーバー数の猛烈な速度での増大に対処しようとした。YahooのほとんどのサービスはNetAppストレージ・デバイス上で作動するようになり、同社のサーバーの設定と追加は非常に簡単になった。これによりYahooは需要に対応することに成功し、自身としてもNetAppデバイスの最大のユーザーとなった。

しかし(たまたま近所のマウンテンビューに本社を構えた) Googleは独自開発のソフトウェアをインフラとする戦略を採用した。これはその後GFS―Google File Systemとして知られるようになったが、専用ハードウェアではなく、あらゆるサービスに対応可能な汎用性の高いソフトウェアを中心としたエコシステムを構築しようというものだった。Google File Systemはコモディティー―安価な市販品―のサーバーを用いて柔軟かつ故障耐性の高いシステムを構築することにより、スケーラビリティーと信頼性の問題を同時に、かつ決定的に解決するものだった。Googleが地図からクラウド・ストレージまで多様なサービスを簡単、高速に展開することを可能としたのはGFSだった。

スケーリングの複雑な側面

ミッション・クリティカルな分野でGFSを利用できるようになるまでにGoogleは4年をかけている。Googleが開発に投入した人員、資金などのリソースは莫大なものだ。その間、Yahooは専用ハードウェアをベースにしたNetAppファイルを急速に追加し続け、拡大する需要に対処していた。インターネット・ビジネスの世界でYahooははるか先を行っているように見えた。

しかし、Yahooの「市場ニーズに即座に対応する」というアプローチにはやがてほころびが出始めた。需要の規模と多様性が拡大し続けるにつれ、専用ハードウェア・ベースのインフラは開発作業の重複という問題をし始めた。これは効率を下げ、最後にはコストの上昇を招いた。Yahooが新しいサービスを始めるつど、そのサービス専用にNetAppプラットフォームを改造する必要が生じた。

Yahoo検索とYahooメールが直面した技術的課題は同種のものであったにもかかわらず、それぞれが異なるカスタマイズを受けたNetAppで作動していたため、技術陣は別々に問題を解決しなけれならなかった。これはリソースと非効率性の著しい増大を意味した。全社的に共通のプラットフォームは存在せず、異なるサービスは異なるサーバー、異なるコンピューティング能力を必要とした。.NetAppハードウェアのコストはYahooの規模の拡大と同じ速さで増大し、Yahooの利益の大きな部分に食い込むこととなった。

解決法を探す前に、問題を徹底的に理解することが重要

これに対して Googleは、規模を拡大し新サービスを追加するときに起きるはずの問題を、それが起きる前に予期し、効率的に対処できるようGoogle File Systemの開発に全力を挙げた。その結果、たとえばYouTubeを買収したとき、GoogleはYouTubeのエンジニアに対し「きみらのバックエンドは捨ててわれわれのファイルシステムを使いたまえ」と指示することができた。すべてのGoogleサービスはGFS上で作動していたので、エンジニアはたった一度のGSFのアップグレードで全社のサービスをアップグレードすることができた。

また汎用性の高いGFSを利用できたため、コンピューティング・パワーを異なるサービス間で共有することが簡単だった。検索を実行しているサーバーに処理能力の空きが生じたら直ちにメールの処理に移ることができた。しかもこうしたサーバーはコモディティー製品だったので、ムーアの法則に従い、日々急速に価格をげていた。

これに反してYahooでは開発の複雑性と処理コストが爆発的に増大し始め、 新サービスの追加でGoogleのペースについていくことが不可能になっていった。

ゼロから考えることの重要性

後から考えれば、これはアーキテクチャーの柔軟性の重要さを示すものと言えるかもしれない。しかしこうした例は、アプリケーションややインフラの開発といったテクノロジー企業特有の分野を超えて、持続性のあるビジネスを構築する上で何が重要かを示す教訓にできるのではないかと思う。私がGoogle時代に学んだもっとも重要な点は「解決法を探す前に、問題を徹底的に理解することが重要」ということだった。

何であれ問題を見たら、解決法をゼロから考えることが重要だ。エンジニア(多くの場合、同時にファウンダーでもある)は既存の解決法に引きずられてはならない。これまでにこれこれの対策が取られてきたなどいう情報にはまず目をつぶることだ。自分自身が理想と考える解決法を編み出すことが大切だ。それを得たならば、既存の手法を検討し、どれを用いることができるか、どこを改良すればいいのかを考える手順となる。

スタートアップが既存の大企業をひっくり返し、そのサービスで自らの地位を確立するためにはこれが必須の条件となる。AmazonはAWSというIaaSをスタートさせることによって、ハードウェアのリースと処理のアウトソーシングの王者としてエンタープライズITに君臨してきたComdiscoを倒産させた。スタートアップに席巻されたくない大企業にはこれが教訓になった。たとえばFacebookは現在もサーバーからデータセンター、カメラまで独自のインフラ開発に全力を投じている。

往々にして「ゼロから考える」ことは目先の成長を犠牲にする場合がある。動きの速いシリコンバレー企業にとっては、その意味で「苦い薬」だが、長期的な持続可能性を考えたとき避けては通れない。即効性はあるもののその場限りの対応は結局のところ複雑性と処理コストを加速度的に増大させるというはるかに重大なリスクを持ち込むことを意味する。Googleはあらゆるウェブ・サービスに適用可能な柔軟性と単純性を目標としてGFSを開発した。それに対してYahooの複雑なインフラは、一時的に成功を収めたものの、長期的にはYahooのビジネスに今日見られるような限界を持ち込む原因となった。

画像: Pedro Ângelo/Flickr UNDER A CC BY-SA 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Yahoo!を骨董品コーナーで80億ドルで買える(Craiglist上のジョーク、もちろん)

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オンライン三行広告の老舗大手Craigslistに、こんな売り物が出た。これまでで最大のお買い得だ。“骨董品”(アンティーク)のカテゴリーには、買わずに立ち去ることのできない品目が載る。わずか80億ドルで買えるYahoo!も、まさにその一つだ。

説明には、“状態: 良〜可。やや摩耗あり。技能のある人なら修復可能。元のオーナーにはもはやメンテナンス不能”、とある。

いい買い物だと思うけどねぇ。

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出典: @film_girl

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

株価の不振続くYahoo、2015年度決算発表でコア・ビジネス売却の可能性を示唆

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これはほぼ予期されていたことなので、大きな驚きではない。

コア・ビジネスであるインターネット部門が不振を続ける中、アメリカYahooは「戦略的な選択肢を検討中」だと述べた。これが示唆するところはかなり幅広いが、その中には以前も報じたように、コア・ビジネスそのものを他社に売却する可能性が含まれる。

アメリカYahooは四半期決算の発表資料の中で次のように述べている。

株主価値を最大化するため、Yahoo取締役会は現に確定している経営計画の実行と平行して他の戦略的選択肢を検討するべきだと信じる。われわれ自身が運営する事業からAlibaba株式を分離することは依然として最重点課題であり、企業価値の最大化のためにもっとも直接的に有効な手段だと考える。すでに詳しく検討された通り、各種事業の分離(reverse spin)を進めていくと同時に、Yahooは十分に根拠ある戦略的提案を検討していくことになろう。

要するに、この声明はYahoo本体の事業がうまくいっていないことを自認したかたちだ。アメリカYahooは今日、年間決算を発表した。四半期決算同様、ここでも売上の成長の停滞、メインストリームに入れぬままの数多くのプロダクトなどが目立った。全体として投資家を納得させるにはほど遠い内容となっている。

2012年にMarissa MeyerがCEOに就任した際の目標は会社を再び成長路線に引き戻すという非常に野心的なものだった。Meyerはモバイル・アプリを中心にポートフォリオの整備を進め、Yahooを昔のように人々の生活に不可欠の存在にしようと努力した。

以前TechCrunchが報じた通り、Yahooは2016年には新たなコア・ビジネスの構築に務めると同時に、社員の15%をレイオフし、国外オフィスの多くを閉鎖するとしている。しかしこうした努力にもかかわらず、株価を上昇させる効果は見られなかった。つまりすべては決算の発表前に予想された通りであり、まったく驚きの要素がなかったということだろう。

事実、今日現在のYahooの企業価値の大部分はAlibaba〔とYahoo Japan〕の株式だ。このことがそもそもYahoo取締役会がコングロマリットを解体し、インターネット事業の売却を考えている理由だ。取締役会がこういう方針を検討しているというニュースが報道されただけで、株価は7%も跳ね上がった。長年にわたって株価の下落が続いてきたYahooとしては非常に珍しい事態だった。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Web 2.0の寵児 “Delicious”、オーナー交代で直近のサイト変更を復旧へ

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むかしむかし(たぶん2004年頃)、Delicious というソーシャルブックマークサービスは、ウェブで最もホットな存在だった。当時のあらゆるバズワードにあてはまっていたが(コラボラティブ・タギング、フォークソノミー、AJAX)、他の多くのサービスと同じく、Yahooが2005年にこの会社を買収した後、放置した。それ以来オーナーが2度代った ― まず、YouTubeのファウンダーらが所有する会社、AVOSへ、2014年にはScience Incへと移った。

Yahoo、AVOSと同じく、Scienceもこのウェブサービスの生ける化石をどうしていいかわからなかったことは明白だった。Deliciousブログの最新記事によると、現在同サービスはDelicious Mediaが運営している ― DomainersuiteとScience Inc. による新たなアライアンスだ。Domainersuiteのファウンダー、Tony Alyが現在Delicious MediaのCEOを務めている。

「ScienceはDeliciousの運営をわれわれの新組織に委ねたので、今後私たちのチームは、このすばらしい、有用な、草分け的サイトの長期的成功に全力を尽すことができる」と、昨日静かに公開された 発表の中でAlyが語った。

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それを実現するために、新たなオーナーたちは以前のオーナーがサイトに施した多くの変更を、元に戻そうとしている。Alyは、SEOの経験を持ち、前オーナーがサイトを再構築した際に使ったJavaScriptフロントエンドは、GoogleやBingに対するコンテンツの可視性に関して最適とは言えないと指摘している。

実は、以前のオーナーらがあかりを灯し続け、旧バージョンをprevious.delicious.comの名前で動かしていたので、旧バージョンへの復帰も難しくないだろう。

もっと奇妙な動きは、サイトがURLもオリジナルに戻そうとしていることだ:del.icio.us。これは、Deliciousがスタートした時のドメイン名だが、後に覚えやすいDelicious.comに変えた。Alyによると、この行動は「移行の条件の一つ」だそうだが、私が思うにこれは、いずれdelicious.comドメインを高値で売る計画なのではないだろうか。そもそもDomainersuiteは、ドメインを管理して低品質の広告コピーで「ドメイン帝国を統治する」のを手伝うのが本業だ。

少なくともハードコアなDelicious del.icio.usファンにとっての朗報は、Alyがスタックを復活させると約束していること。これはユーザーがリンクのコレクションを協力して作る機能だ。AVOSは、Yahooからサイトを買った約2年後の2012年に、これを抹殺した

正直なところ、彼らの最良の日が戻ってくる光景を、今思い描くことはできないが、まずは疑わしきは罰せずの原則で、新オーナーを見守りたい。

本誌はAlyに連絡を取ったが、まだ返信はない。情報が入り次題続報する予定。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Yahoo取締役会、Alibaba株を売却しないと決定―会社は2社に分割

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アメリカのYahooは今日(米国時間12/9)、中国のeコマースの巨人Alibaba株を売却する計画を撤回したというテレビ報道事実であると確認した。このニュースを受けて、市場が開く前の時間外取引だが、Yahoo株は上昇中だ。

今月初め、Yahoo取締役会がAlibaba株の売却という選択肢を検討中だという報道が行われた。この噂で Yahoo株は一時、7%アップした。

CEOのMarissa Mayerはこの7月、eコマースのAlibaba資産を分離し、会社を分割する計画を発表していた。.

しかし最近、数週間、320億ドルもの資産の行方について不透明性が高まっていた。この問題に関するアメリカ内国歳入庁の見解が不明なため、投資家は巨額の課税が行われる可能性を恐れたものとみられている。「もの言う株主」は Yahooを訴える構えをみせていた。

今日、Yahooの発表によれば、「取締役会は、わが社の長期的な株主価値の最大化を図るための最良の方策を慎重に検討した」という。その結果、Yahoo取締役会は「Alibaba資産を新会社に移して売却する」案を全員一致で棚上げすることとした。

Yahooによれば、同社は今後「逆オプション」を検討していくことになる。これはYahooは別会社を設立しここにAlibaba関連以外の本体の資産と債務(つまりインターネット事業のすべて)を移管するという計画だ。その結果、Yahooは相互に独立な株式公開企業2社に分割される。

この「逆分割」案は、Alibaba株を売却した際に課せられるおそれのある巨額の課税に対する投資家の懸念に配慮したものと思われる。

ただし今回の2社分割案もまだ多くの第三者の承認を必要とする。株主の承認はもちろんだが、SEC(証券取引委員会)への申請書の提出と承認が求められる。すべて順調にこうした承認が得られたとしても、会社分割の完了には1年以上必要とするだろうとYahooは述べている。

CEOのMayerはこの決定にコメントし、「 Alibaba資産を分離することはわれわれが継続中であるビジネスの改革の重要な一部をなす」と従来からの見解を繰り返した。【略】

しかし、Yahooから高価値のAlibaba資産を分離することは本体事業を買収しやすくする効果もありそうだ。ただしこれは本体に従来Yahoo傘下にあったどの事業資産が継承されるかによって大いに変わってくる。

Finacial Timesの記事によれば、いくつかの未公開株式会社とメディア・インターネット関係の広告会社がYahooの買収に興味を示しているという。今週月曜にはVerizon(注)が「仮に可能なのであればYahoo買収に関心がある」と述べている。

インターネット事業が分離されればYahooは現在とはまったく異なる性格の企業になるだろう。他国の巨大eコマース事業の15%の権利を保有するもものの、自らは積極的なインターネット事業者ではなくなるわけだ。

Mayerは2012年7月に GoogleからスカウトされてYahooの CEOに就任した。【略】3年後の現在もYahooのサービスは生き残りのために苦闘を続けている。特にモバイル・サービスのイノベーションでは出遅れぎみだ。また広告売上ではGoogleやFacebookなどの企業に厳しい戦いを迫られている。それでもMayerはこの秋、Googleとの検索広告契約をさらに3年延長する契約をまとめることに成功している。

今回のYahooの新しいプランについて、 Gartnerグループのリサーチ担当副社長、Andrew Frankはわれわれの取材に対して、「Yahooのコアビジネスには依然として成功の可能性があると思う。Yahooは多様なデジタル・メディアを抱える独立の企業として発展することができる。しかしこの道を選ぶとなると、株主からの相当の圧力を受ける覚悟が必要だろう」と述べた。

Frankはまた「これは以前からの私の持論だが、Yahooはテクノロジーの革新者というよりもメディア企業としてうまくやっていける可能性が高い。しかしメディアとして成功するためにはポートフォリオのコンテンツのブランド価値の向上と管理の努力が必要とされる。もし独立企業としてこれが難しいなら、他の巨大企業の傘下に入り、自身としてはコンテンツの配布、広告、新規ユーザーの獲得などの分野に専念するというオプションも有望だろう」と付け加えた。

(注):VerizonはTechCrunchの親会社AOLのさらに親会社となる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

米YahooはAlibaba株を売却、スピンオフしないとのテレビ報道流れる(TechCrunchは取材中)

先ほど CNBCニュースは、「YahooはスピンオフしてAlibaba株を売却しない」とする情報源の証言を報じた。

今月始め、Wall Street JournalはYahooの取締役会は会社をスピンオフさせるべきか、現在同社が所有しているAlibabaインターネット資産の15%を売却すべきか、その双方の措置を講じるべきか議論していると報じた。YahooのAlibaba持ち分にどのような課税が行われるかが不明な点がこの問題を難しいものにしていた。

Yahooの株価は時間外取引で2%アップしている。

TechCrunchはYahooにコンタクトを取って取材中。

何かつかめ次第アップデート…

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Yahooが本体のインターネット事業を売却、との報道で同社の株価は7%急増…残るはAlibabaとYahoo Japanの持ち株のみ

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The Wall Street Journalの記事によると、Yahooの取締役会は、今後の複数の会議において、同社の中核事業の売却を検討する。

そして当然ながら、このニュースのあとの時間外取引でYahooの株価は7%急増した。同社の中核事業はおおむね低迷していたし、同社が保有しているAlibabaの持ち株の方が、Yahoo本来の時価総額よりも高くなっていた。その中での株価急増は、意味が大きい。

WSJの記事によると今後の会議で取締役会は、Alibabaの持ち株と同社のインターネット資産の両方を売るか否かを決定する。売却を提案されている同社のAlibaba持ち株は、税の問題がらみで売るのは容易でないと報道されて以来、今後の取り扱い方針が未定のままにされていた。

一方同社のぱっとしないパフォーマンスにより、今年の株価は30%以上下がっていた。

同社の、AlibabaとYahoo Japanの持ち株を合わせた額に比べると、株主たちの評価による同社の中核事業の実質価値は、ゼロ以下である。つまり会社の将来性に対するポジティブな確信がほとんどない、ということだ。今や株主たちにとって断然重要なのは、Yahoo JapanとAlibabaの持ち株の方だ。

〔ここにグラフが表示されない場合は、原文をご覧ください。〕

[graphiq id=”fg7vHLreF7″ title=”Yahoo Inc. (YHOO) Stock Price – Trailing Year” width=”600″ height=”487″ url=”https://w.graphiq.com/w/fg7vHLreF7″ link=”http://listings.findthecompany.com/l/19200951/Yahoo-Inc-in-Sunnyvale-CA” link_text=”Yahoo Inc. (YHOO) Stock Price – Trailing Year | FindTheCompany”]

 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Summlyのファウンダ、ロンドンの天才少年Nick D’Aloisioが、Yahooを去って勉強に専念(それでもまだ19歳)

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AAEAAQAAAAAAAAIMAAAAJDY2YzYyMmJiLWE3NmItNGUzNy1hY2IxLTE2MTExMTQzMGRhZAYahooが買収したSummlyのファウンダ、当時天才少年と騒がれたNick D’Aloisioが同社を去り、オックスフォード大学で哲学とコンピュータ科学の学業に専念することになった。LinkedInのプロフィールによると、彼はこの夏、‘社員起業家’としてAirbnbで仕事をしている。

複数の情報筋によると、D’Aloisioは勉強が一段落したら次のスタートアップに取り組むそうだ。

Yahooは2013年に、噂では3000万ドルとされる額でSummlyを買収した。当時17歳でもうすぐ20歳になるD’Aloisioは、YahooでSummlyの延長線上にあるようなアプリNews Digestを作り、昨年6月にAppleデザイン賞を受賞した。

YahooのスポークスパーソンはD’Aloisioの現状について、こう語った: “Nickは勉強に時間を割きたい意向だ。Yahooとの関係は今後も継続する”。

D’Aloisioは今年の年頭に、このことをほのめかしていたが、Yahooとの“関係”はその後かなり変わった。しかし両者のあいだにコミュニケーションの断絶はないらしいから、上記の“継続”はそれを指しているのかもしれない。

最近の数週間でYahooから役員が脱(ぬ)ける動きがいくつかあった。たとえばM&A担当のJackie Resesだ。同社は最近2015Q3の決算報告を発表したが、株価は35ドル前後を上下している。
 
 
 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Yahoo、多様性の高い大学にサーバーを寄付。人材パイプラインの拡大に期待

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Yahooは最近、サーバー200台を歴史的な黒人大学であるハワード大学、および学生の大半がメキシコ系アメリカ人であるテキサス大学エルパソ校に寄付した。Yahooがテキサス大エルパソ校にサーバーを寄付したのはこれが初めてでハワード大には2度目だ ― 1度目は2013年でサーバー125台を寄付してハワードYahooデータセンターを作った。

目標は両大学の学生、研究者および教員に「高度なコンピューター環境および分散・クラウドコンピューティングによる新たな学習コースと本格的な大量データ型研究を可能にする処理能力」を与えることである、とYahooのキャンパス広報責任者Don McGillenがYahooブログに書いている。具体的には、ハワード大はこのサーバーを同学の計算機科学・工学校で「プライベートクラウド」を構築するために使用する計画だ。さらにハワード大は、機械学習および「ビッグデータ分析」と呼ばれる新たなコースにもサーバーを活用する。

おそらくもっと重要なのは、Yahooがこうした寄付によって、少数民族の学生がコンピュータ科学やテクノロジーの職業に就くのを手助けすると共に、「学生たちの間でYahoo!でキャリア形成することへの関心が高まる」のを望んでいることだ。つまりYahooは、IT業界 ― そしてもちろんYahoo ― への人材パイプラインを太くしたがっている。

Yahooは最新の多様性レポートを7月に発表し、同社の全世界従業員の62%が男性で、米国従業員の47%が白人であることを明らかにした。Yahooに他の主要IT企業と同じく大いに改善の余地があることは明白であり、多様な学生にYahooでの雇用機会を知らせることは良い第一歩だ。なお、人材供給源の多様化に取り組む大企業はYahooだけではないことにも注目されたい。例えばAppleは、伝統的黒人大学に通う学生を支援する非営利団体であるThurgood Marshall Fundと協力して、黒人学生がIT業界で機会を見つける手助けをしている。

人材供給源拡大への努力は素晴らしいが、IT業界における多様性の欠如は、IT企業に適した多様な求職者が不足しているという人材供給だけの問題ではないことを忘れてはならない。企業カルチャーや無意識による偏見と従業員維持などの問題も、IT業界の女性や少数派欠如に寄与している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

YahooのCEO Marissa Mayerが双子をご懐妊、今度も“短期間”休みを取る、と

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YahooのCEOで元Googleの役員Marissa Mayerが双子を妊娠しているが、妊娠と出産の期間中、長期の休暇を取るつもりはない。

今やYahooがオーナーであるブログTumblrの個人的なポストでMayerは、以前男の子が生まれたときと同じく、“短期間”仕事を離れる、と言っている。YahooのCEOになったばかりの2012年には、長男の出産で2週間休んだだけだが、多くの人が短すぎると批判した。今回について彼女は、日数を特定していない:

私の妊娠は健康的で合併症などもなく、また今はYahooの変身過程における特別な時期なので、3年前の息子のときと同様に妊娠と出産に対処し、限られた時間のあいだのみ、仕事から離れたい。このニュースと私の計画をYahooの取締役会と私の側近の役員たちと共有したが、彼らがとても協力的なので嬉しかった。

彼女は“ハードワークと考えぬかれた業務優先順位”により、Yahooの“ルネッサンス”を今後も推進し、同時に家族の新しいメンバーを迎えるつもりだ。同家の月間アクティブチルドレン数は、これで3名となる。

本誌TechCrunchはゴシップ誌TMZではないからセレブのニュースは扱わないが、でもMayerはメジャーなテクノロジ企業を統治しているし、テク業界で働く著名な女性だ。本誌などがとくに取り上げる価値がある、と思われるのは、彼女における、仕事と家族生活とのバランスだ。双子を身ごもり、そして育児することと、その間同時に有名テク企業で責任重大なCEOの役を務めること(そしてもう一人の子どもも育てること)は、たしかに相当な仕事量だ。

MayerがYahooを引き受けたのが2012年で、この間、Tumblrを11億ドルで買収Alibabaへの投資に対する戦略的な決断、そして大小新旧さまざまな買収、などを通じて、新生Yahooを支える新しい技術者チームとエンジニアリングチームを作り上げてきた。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

今どきリンク共有サイトが話題になりシード資金61万ドルももらうとは?…情報過剰へのひとつのソリューションThis.

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最初はWho(誰)で、二度目はWhat(何)かもしれないけど、このお話の主人公はいつもつねにThis(これ)なのだ。そのThis.が今、初めてのシードラウンドをやっている。Atlantic Mediaで孵化した同社は、“ジャーナリズムとアートとエンタテイメントに関して情熱的な人びとのためのキュレーションプラットホーム”、を自称している。しかし、これだけでは、さっぱり分からないね。

このサービスのユーザは、気に入ったコンテンツのリンクを一日に一つポストして、それを互いにシェアする。ということは、今のSNSなどと違って、ノイズがほとんどない、ということなのだ。

ファウンダのAndrew GolisはAtlanticの社員起業家だったが、そこを飛び出てThis.を作った。61万ドルのシード資金は、エンジェルたちと、シード専門のVCたちからだ(The New Republic Fund、Matter Ventures、FusionのCTO Hong Qu、元Twitterのメディア担当VP Chloe Sladden、そしてJohn S. and James L. Knight Foundation)。

GolisはかつてFrontlineのデジタルメディア担当ディレクター、その前はYahooでYahoo! Newsを担当し、TalkingPointsMemoのパブリッシャー代理でもあった。

Golisは語る: “FrontlineやAtlanticで痛感したのは、今ではソーシャルネットワークがメディアの王座を奪いつつあるけど、本当に自分の時間を費やしたくなるコンテンツを、なかなか見せてくれないことだ。むしろ彼らはパブリッシャーやアクティブユーザたちを商業的に刺激して、量の競争に走っている。だからますます、すばらしいコンテンツに出会う機会が、枯渇している。2013年の秋に、某大学のランチタイムで、ぼくの不満を説明したときに、‘ぼくが毎晩欲しいと思うのは、Ta-Nehisi Coatesからのメールひとつだけだ。メールのタイトルはいつも「This.」で、内容はたった一つのリンクだ’、という例話をした。そしてそのとき、このThis.はすごいアイデアだ!とわれながら思った”。

こうして、This.が生まれた。

元Tumblrの社長でThis.に投資しているJohn Maloneyはこう言う: “This.には自己規制があるのが良いね。Golisと彼のチームは、今のインターネットの大きな問題を解決しようとしている。Webには毎日にように、とっても良いメディアがあるけど、雑多な情報の供給過剰の中でそれを見つけるのは、ますます難しい”。

サイトは今非公開ベータだが、ユーザ数は約4500。秋には一般公開される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa