NSAはGoogleとYahooのネットワークに侵入していた(ワシントンポスト報道)

米国国家安全保障局(NSA)は、GoogleおよびYahooのネットワークに秘かに侵入し、リアルタイム通信を監視していた。漏洩者エドワードスノーデン発の新たに暴露された文書による[PDF]。

「国家安全保障局は、YahooおよびGoogleのデータセンターに繋がる世界中の主要通信回線に秘かに侵入していることが、元NSA契約社員エドワード・スノーデンから入手した文書および事情に詳しい高官へのインタビューでわかった」と、The Washington Post報じた。同紙は、走り書きされたその文書を入手した。

GoogleとYahooは共に、世界中の戦略的データセンターを高価な光ファイバーデータ回線で結び、情報の流れを最適化している。この侵入によってNSAは、「メールの送受信者や日時、テキスト、音声、ビデオなどの内容」を知ることが可能になる。

NSAによる自社ネットワークの傍受を知ったGoogleは声明を発表し、「政府のトラフィック監視疑惑は遺感であり、当社はこの行動に関して何も知らない」と語った。

“MUSCULAR” というコードネームで呼ばれるこの監視プロジェクトは、英国諜報機関、GCHQと共同で運用されている。

NSAは、法廷で認められた収集プログラムであるPRISMを通じて通信へのアクセスが可能だが、同局にとっては国際領土の方が好みなのかもしれない。米国のプライバシー法を回避できるからだ。NSAは裁判所の厳格な監督下以外で、アメリカ人に対してスパイ行為を働くことを禁止されている。国際法の方が制限の緩い部分がある。

Washington Postは、この情報をGoogleのシステムに詳しい技術者2名に見せたところ、「口汚く怒り」を露わにし、「掲載されることを期待している」と語ったと伝えている。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Flickrが学習能力のある画像検索になるのか?, Yahooが”ディープラーニング”のためにLookFlowを買収

LookFlowは自分のことを、“お好きな画像を探すためのまったく新しい方法”と言っている。今日の発表によると、同社はYahooに買収されFlickrのチームに加わる。

同社のホームページはこう言ってる; “LookFlowのファンよ、怒るな。これからはFlickrの今後のバージョンの中に、うちの製品が見られるのだ。そこにはたくさんの素晴らしい写真があり、Flickrというすてきなサービスもある”。同社とYahooが共同して新たに“ディープラーニンググループ(deep learning group)”を作る、とも言っている。

Yahooの広報は簡単にこう言った: “弊社は強力な画像認識企業LookFlowを買収いたしました”。このメールは、上記LookFlowのホームページを紹介している。

インターネット上にLookFlowに関する情報は少ないが、協同ファウンダBobby JarosSimon OsinderoのプロフィールがLinkedInにある。それによると、同社の創業は2009年だ。Osinderoはこう書いている: “弊社のアプローチは人工知能の最近の進歩と、情報の視覚化技術およびインタフェイスデザインの最新の成果を取り入れている”。

買収メッセージには“LookFlowの友人たち”への謝辞があり、Michael Dearing、John Lilly、Reid Hoffman、Alex Rampell、Josh McFarland、Max Ventilla、Jeff Hammerbacherらが挙名されている。この中には同社に投資した人もいるのだろう(HammerbacherはLookFlowのAngelListプロフィールに載っている)。

Yahooが買収魔として有名になったのは、Marissa Mayerが昨年CEOになってからだ。前四半期だけでも買収にキャッシュ1億6300万ドルを投じている。そして8月には、同じくFlickrのために画像認識のIQ Engineを買収した。

金額など買収の条件は公表されていない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Yahooには毎週12000通の履歴書が来る(現社員数と同数)–新規雇用の14%は”出戻り”

Marissa Mayerが2012年にCEOになってからのYahooは、20社あまりの人集め的買収を通じて大量の新しい人材を獲得してきた。しかしYahooの成長努力は、さらに大きな人口移動をもたらしているようだ。今日(米国時間9/11)のTechCrunch Disrupt San FranciscoのステージでMarissa Mayerは、今では毎週12000通の履歴書が来るが、それは現在のYahooの社員数とほぼ同じだ、と明かした。彼女がCEOになる前は、せいぜいその1/5か1/6ぐらいだったそうだ。

また今年の1月にスタートした“ふるさとYahooに帰ろう”キャンペーンが功を奏し、元社員たちが戻ってきた。今では、新規雇用の14%が、彼女の言葉を借りると“ブーメラン”だ。

とりわけ、人員数をこれまでの10倍に増やしたモバイル部門などで、その傾向が強い。

Mayerが指揮する同社は、短期的な成果よりも長期的な成果を追求している。彼女によると、成長とは3年がかりの仕事であり、とくにスタッフの整備刷新充実がその重要な要素だ。適正な人材を確保すれば良いプロダクトができる、そういった“連鎖反応”を仕掛けるのがCEOの仕事。ユーザの減少率はそれまでの1/3か1/4ぐらいに減った、と彼女は言う。

“成長が軌道に乗るまでは数年かかる、と私は言ってきた。正しい人材を揃え、正しいプロダクトを作る、それによって正しいトラフィックを得る。人とプロダクトとトラフィックと収益、この4つが揃わないといけない”。

変化が起きるためにはこれだけは必要、という社員数の臨界質量があるはず、と語るMayerは、ZapposのファウンダTony Hseihの例を挙げた。彼はラスベガスの衰退を救うために、大量の起業家を一つのビルに集めた。彼の持論によると、優秀な起業家や技術者が1エーカーあたり100人以上集まると、彼らのあいだのコラボレーションや競争によって、地域の活性化が起動する、という。

いつものように彼女は、同社が今後も大艦隊であり続けることを賞揚する。今日彼女は、“Yahooは世界最大のスタートアップ、支離滅裂でまとまりがないことを、誇りに思う”、と言った。

下のビデオは、舞台裏インタビューの全編だ。

TC Disurpt SF, Yahoo関連未訳記事:
Marissa Mayer: Yahooは個人化企業
Yahooの月間アクティブユーザ数は20%アップして8億、内3.5億はモバイル
Marissa Mayer: 強いMicrosoftの方が業界全体にとって良い

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


楽天がGoogle、Yahooを押しのけてビデオサイトのVikiを2億ドルで買収した理由―クラウドソース字幕翻訳をeコマースにも利用へ(三木谷浩史インタビュー)

日本のeコマースの巨人、楽天はシンガポールのビデオストリーミング・サービス、Vikiを2億ドルで買収した。Vikiは世界各地のユーザーコミュニティーがビデオコンテンツの字幕を翻訳するというユニークな国際化手法を取っているのが特長だ。

楽天のファウンダー、CEOの三木谷浩史にインタビューした結果、楽天はVikiのビデオコンテンツだけでなく、eコマース市場での世界制覇に向けてクラウドソース翻訳というシステムの利用も視野に入れていることが明らかになった。

当然ながらこの買収契約の締結までにはさまざまな曲折があったようだ。Vikiの共同ファウンダー、CEOのRazmig Hovaghimianが私の取材に答えて語ったところによると、楽天との交渉が本格化する前に、VikiはシリーズCの資金調達ラウンドの準備を進めていたところだったという(VikiはそれまでにAndreessenHorowitz、Greylock、Charles River Venturesに加えて個人投資家から総額2430万ドルを調達していた)。また別の情報源によると、Vikiに興味を示していたのはベンチャー投資家ばかりではなく、GoogleとYahooも買収を望んでいたという。

楽天のCEOの“Mickey”こと三木谷浩史もHovaghimianもVikiの買収を他にどんな会社が試みたかについては明らかにしていないが、GoogleはYouTubeを持ち、Yahooは長年にわたって、ビデオコンテンツの強化策を模索してきたから、この両社が含まれているのは意外ではない。また両社のビデオサービスはVikiと同様、広告ベースのビジネスモデルであり、海外での事業拡大を目指していたからVikiは魅力的なターゲットだったはずだ。

一方で、両CEOは、楽天がVikiがどのように出会ったのか、楽天の大戦略におけるVikiの位置づけ、また楽天が単なる投資ではなく直接買収に踏み切ったのか、その理由についても語ってくれた。

Vikiと楽天の出会い:. しばらく前にVikiはBlake Krikorian(Slingのファウンダー、現在Microsoft副社長)、Dave Goldberg(Survey MonkeyのCEO)という2人の戦略的投資家を取締役に加えた。 私は就任のタイミングからしてこの2人が今回の買収に何らかの役割を果たしたのではないかとHovaghimianに尋ねたところ、実は最初の出会いをもたらしたのはMITメディア・ラボの所長、Joiこと伊藤穣一であることが判明した。伊藤はVikiの最初期の投資家であり、以前からの取締役である。「JoiはVikiの日本市場進出を助けてくれた。Mickeyを紹介してくれたのもJoiだ」とHovaghimianは語った。その頃、Hovaghimianはシリコンバレーで投資家を探しており、買収については考えていなかったという。「よそ者がシリコンバレーで資金調達しようとするのは非常に疲れる経験だった」とHovaghimianは認めた。

「VikiはアジアでYahooと密接に協力しているし、YouTubeからもマルチチャンネル・ネットワークとして認められている。しかし楽天は企業文化からも相乗効果からもVikiによりよくフィットすると考えた。われわれがアジアをベースにした企業であることも大きかった」という。

「1ヶ月で10回ほど会った。最初から良い雰囲気で、交渉は非常に速く進んだ。私は〔三木谷浩史という〕人物が気に入ったし、楽天のビジョンにも共感した。彼らは全力でホームランを打ちに来ている。Vikiはさまざまな方面から関心を持たれてきたが、楽天がもっとも魅力的な相手だった」という。

Vikiは当面独立して事業を継続: Hovaghimianによれば、Yahoo、YouTubeとの提携関係には当面変化はないという。またNetflixその他、楽天の潜在的ライバルとの関係も継続される。「楽天はVikiに長期的な効果を期待しており、当面、大きな自由を認めている」とHovaghimianは言う。【中略】

投資でなく買収に踏み切った理由は? 私は三木谷に「なぜ楽天は単なる投資ではなくVikiの完全買収を決断したのか?」と尋ねた。事実、2012年に楽天はPinterestに1億ドルの戦略的投資を実施している。「Pinterestは(当時ブームの絶頂で)高すぎて買収できなかったからね」と三木谷はジョークを飛ばした。実際にはPinterestは楽天の事業にとってVikiほど直接の影響がなかったからだという。三木谷によれば、Pinterestは楽天のLinkshareアフィリエイト市場に大量のトラフィックを送り込んでくるという点が重要だった。ただし、Pinterestが公式な日本版の運用を開始していないので、日本の楽天はまだこのメリットを享受していないという。

ビデオストリーミングを超えた長期的視野:. 三木谷によれば、もっと重要だったのはVikiが楽天がこれまでビデオコンテンツで努力していた分野を強力に補完する存在だったことだという。楽天はNetflix式のOTTビデオストリーミング会社Wuakiをヨーロッパで運営している。また 楽天が買収したKoboデバイス向けにビデオコンテンツを拡充する計画 もある。こうした分野でVikiは直接的に役立つが、三木谷は「Vikiの買収はビデオだけを考えてのことではない」と語った。

三木谷によれば、PinterestとVikiの最大の差は、Pinterestはアメリカに重点を置くアメリカ企業であるのに対して、Vikiはグローバル化を目指す企業だという点にある。「われわれは世界の数多くの国に進出中だ。楽天のビジョンは楽天市場を全世界に広げることだ。そのためには多数の言語への翻訳がきわめて重要な課題になる。Vikiのクラウド翻訳テクノロジーは、字幕だけでなく、eコマースでも利用価値が高い。それが楽天がVikiを買収した大きな理由だ。われわれはビデオのことだけ考えていたわけではない」と三木谷は語った。

〔VikiのサービスについてはこちらのTechCrunch Japan記事参照。〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Flickr、リニューアル後は成長を加速。参照元の7.2%はTumblr

YahooはFlickrについて新たな料金プランを導入、買収により関連サービスを強化、ウェブページのリニューアル、あるいはモバイルエクスペリエンスの改善などを行ってきており、どうやらそれが実を結びつつあるようだ。SimilarWebのレポートによれば、Flickrの訪問者数は着実に伸びており、4月比で38%の伸びを示すまでになっているのだとのこと。

統計データは4月比ということになっているが、Flickrが大規模なデザイン変更や、あるいはこれまでの料金体系を変更して広告なしのメンバーシップや、1テラバイトの追加(年間500ドル)といった料金プランを導入したのは5月末のことだった。マリッサ・メイヤー(Marissa Mayer)指揮のもと、ビジュアル面での変更や、モバイル版のアップデートなどを強力に推し進めてきている。

4月と5月を比較すると、訪問者数は8600万から9000万へと伸びていた。これはすなわち、サイトの外見や機能面での改善がなくても、利用者は増加傾向にはあったということだ。但し、サイトの各種リニューアルを経た6月には、訪問者数が1億700万となり、7月には1億1000万へと伸びを加速させている。

さらに、平均のサイト滞在時間も6月には4月(4.5分だった)比で11%伸びて4.9%となり、7月には5分となった。ソーシャルトラフィックも増加し、4月に970万だったものが6月には1200万、そして7月には1370万へと伸びている。つまるところ、Flickrのリニューアルは、「ソーシャル」という視点からみても成功だったということを意味するのだろう。

尚、同じくYahooが買収したTumblrが、Flickrの成長に寄与している点も興味深いところだ。検索エンジンおよびソーシャルネットワークを除いて、Flickrにとって最大の参照元となっているのだ。この3ヵ月のトラフィックのうち7.2%がTumblrからのものなのだ(訪問者数になおすと475万人ということになる)。Yahooが傘下に収めたがったのも当然ということなのだろう。SimilarWebによると、この関係はTumblrの買収前と後にて特に変化はないそうだ。Flickr利用者の多くも、Tumblrとの親和性が高いことは以前から感じていたようだ。プロの写真家兼ブロガーであるThomas Hawkは、FlickrがTumblrを買収して、種々のリニューアルを行い始めた時点で「Flickrに投稿した写真の最大の参照元はTumblrだ」という旨を発言している。

FlickrおよびTumblrは、今後ますますシナジー効果を高めていくということがあるかもしれない。Tumblrの買収がアナウンスされてから、Flickr利用者たちは、Flickrの写真を簡単にTumblrに登録する方法だとか、あるいはTumblrに投稿した写真をすぐにFlickrにバックアップする方法などについてブレインストーミングを行っている様子だ。

もちろん、SimlarWebのトラフィックっ解析は(他のサービスと同様に)一部の利用者の行動に基づいたものではある。しかしSimilarWebは、自社ブランドプラグインなどからのみではなく、自社名を冠していない利用者向けプラグインなどからも情報を収集している。調査報告に出てくる数字が全く正確なものではないにしても、時期毎の変化などについてはきちんと読み取ることができる。もちろん、他のトラフィック計測サービスでも、Flickrはリニューアル以来トラフィックを伸ばしているという報告を行っているようだ。

たとえば、アメリカ国内での状況は、QuantcastやCompeteなどでも見ることができる。ちなみにQuantcastの予測では、利用者像がリニューアル後の一時的な現象で、また減っていく可能性もあるとはしている(一番下に掲載したGoogle Trendsのデータとも比較して考えてみたいところだ)。

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(翻訳:Maeda, H)


Yahooがロゴを変える!

【抄訳】

Yahooが今日(米国時間8/6)新しいロゴを披露した。サンセリフのフォントは、最近いろんな企業のイメチェンで見られるが、元の紫色と、評判の悪いびっくりマークはそのままだ。いかがでしょうか? 実はこのロゴは30の候補の一つにすぎず、これから1か月間、それらをホームページで次々と見せていく。最終決定は9月5日なので、われわれ野次馬のお楽しみ期間は長い。

ロゴの変更は今突然ではない。10月に本誌の読者が、今日と同じサンセリフのロゴデザインについてアンケートに答えた、という。ただしそのときは、紫色が今のより薄かったそうだ。そのアンケートは、Stampedの買収が発表された直後に始まった。そのときの買収が、CEO Marissa Mayerの買収狂騒曲の第一弾だった。

同社のTumblrの記事で、CMO(Chief Marketing Officer)のKathy Savittが、新しいロゴは“弊社の新しいイメージと新しいユーザ体験を反映した現代的なデザインになる”、と言っている。

MayerのYahooになってから同社は、2ダース以上の買収を行っている。いちばん最近のは、ソーシャルブラウザのRockmeltだった。本誌のAlex Wilhelmが書いた記事では、積極的なオーバホール努力によって社内のモラールは上がっているそうだが、それが売上減に歯止めをかけるのかどうかが、まだはっきりしない。まだまだ、今の消費者の心をとらえる、これといった決め手が、見えてこないようだ。ロゴの変更も、現時点では、消費者受けという点に関しては未知数だ。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Yahoo、売上減でも株価は7%増で過去5年間最高値に

株式市場が開いて間もなく、Yahoo株(NASDAQ:YHOO)は28.91ドルに急騰し、昨日の終値26.88ドルから7.55%値を上げた。しかもこれは、シリコンバレーの老舗にとってこの5年間の最高値だ。Yahooは昨日Q2の収支を発表したが、それはNASDAQで見られるほど明解な内容ではなかった。売上は前年比1%減の10.7億ドル、1株当たり利益(EPS)は微増の35セントだった。

今日の株価でさらに驚かされるのは、同社の株価実績が過去1年間驚くほど好調だったことだ。2012年7月16日の株価、15.65ドルと比べると、今日の最高値は84.7%の上昇だ。この水準に達したのは2008年5月、62ヵ月前以来のことだ。今この会社は全く新しい時代を迎えている。

Yahooは、EPS(30セント)でアナリスト予測を上回ったが、売上面では1000万ドル足りなかった。そしてその前途は多くの投資家を失望させた。2013年の売上予測、+0.7%は、同社が前期の収支報告書で発表した +1.8%を下回っている。言い換えれば、売上は今でもYahooにとって主要な課題である。

しかし投資家たちは、Marissa Mayerなら事態を好転させられると信じている。指揮をとって1年、彼女は既に著しい行動力を見せており、Tumblrを11億ドルで手に入れたのを始め、Stamped、Qwiki、Astrid、Ghostbird Software、Summly、Xobni等の企業を買収した。

財務面では、50億ドル相当の株式買い戻しプログラムを実施し、株価を上げると共に、同社が自社の将来に大きな自信を持っていることを証明した。その株価への影響は、今やYahooを有名にしている連続企業買収以上だったかもしれない。

従業員、幹部、投資家のいずれもが、Yahooは物事を成し遂げられると信じている。しかし、唯一足りないものがある ― 売上成長だ。現在株式市場は、疑わしきは好意的に、という態度に出ている ― まるでYahooが未だにスタートアップであるかのように。しかし、今後もこの株価実績を維持するためには、変化が必要だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


50億ドルの自社株買い戻しを抱えるYahooにはキャッシュの山, これからも大型買収の続行可能

Yahooの2103Q2の決算報告は微妙な評価になると思われるが、その中の一部の記述は、誰もが知りたがっていたあることに、答えている。あれほど大量に買収をして、お金は大丈夫? そう、Yahooにはまだまだお金がだぶついていて、これからだって、なんぼでも買収ができちゃうのだ。その証拠が、同社の株式買い戻し事業だ。報告書はこう述べている: “2013年の第二四半期においてYahooは2500万株を6億5300万ドルで購入した”。これの総事業費は50億ドルとされている。しかもこれらの株は、いつでも売って現ナマと交換できる。

2012年の9月にMarissa Mayerは、Yahooが保有するAlibabaの株の40%を76億ドルで売ると決定した。そのうちの36億5000万ドルは、Yahooの株に再投資するために取り置かれ、同社が自分の未来に自信を持っていることが証明された。

今日の決算報告でCFOのKen Goldmanは、こう述べている: “Alibabaグループからの36億5000万ドルを株主にお返しし、合計1億9000万株を再購入する措置が基本的に完了したことを、ここにお伝えできることは、欣快である”。

しかし、それだけではない。SECから認められた株買い戻し計画の総額は50億ドルだが、同社はその完了を目指している。つまり、11億ドルでTumblrを買ったりしたから、もうお金がないだろう、という噂は、文字通り根も葉もない噂だった。

企業が自社株を買い戻した場合、その株は後日、廃棄または再発行できる。再発行した場合には、既存の株が希釈されずに新株の番号は前と同じ番号だから、まるで何事もなかった様相になり、会社にとっては大きな勝利だ。

そのほかのアドバンテージもある。たとえばそれはYahooの強い自信を示し、自社の株を最良の投資機会として訴求できる。下図のように、既発行株の減少により株価はやや上がっている。

過去12か月、Yahooの株はきわめて好調だ。2012年7月16日に15ドル65セントだった株価が今日(米国時間7/16)は26ドル88セント、わずか1年で71.8%という驚異的な伸びだ。伸び率ではGoogleやAppleやeBayを凌いでいる。

というわけで、今のところ、Yahooの株式買い戻し事業は奏効し、同社は買収に36億5000万ドルあまりを投ずることができた。同社のポートフォリオの価値は、今ではさらに上がっているからだ。株価がこのように上がり続けるかぎり、それは良い戦略だ。

そこで本日の決算報告は起業家やVCたちに、あることを教えている: Yahooは買収三昧を今後も続けることができる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Yahooが最近買収したタスク管理サービスAstridが8月5日に消滅へ

Yahooはこのところ、あちこちの会社を買いあさっていたが、買った当初は大歓迎されたアプリケーションやサービスがやがてオフラインにされるので、新生Yahooの飢えはいつまでも解消しない。今朝(米国時間7/6)もまた、ある企業がそのごみの山に加わった。すなわちタスク管理サービスAstridは、8月5日をもって正式に消滅する。ファウンダでCEOのJon Parisがブログで買収を発表したのは、わずか3か月あまり前だ。

当時Parisは、Astridの現状は今後90日維持され、その後については未定、と言っていたが、不満な様子はなかった。Yahooのお慈悲を期待していたユーザにとって、今日のニュースは嬉しくないだろうが、でもAstridのチームは約束どおり(他社サービスへの)データエキスポートツールを作り、これまでの競合他社だったWrike、Wunderlist、Sandglaz、Any.doなどをユーザの新たな行き先として紹介している。

でも、Astridに置いてけぼりを食らったユーザにとって、それはなぐさめにならない。同社のFacebookページ(これももうすぐなくなるのだろう)には、Astridの死を嘆く声があふれている。もちろん、Yahooを非難する声も。タスク管理サービスを閉鎖して、YahooはAstridのチームに今何をやらせているのか、それは不明だ。買収時の声明でYahooは、Astridの“モバイル体験の個人化(パーソナライゼーション)技術”を賞賛していた。でもYahooがモバイルで何をやろうとするのか、かんじんのその点への言及は皆無だった。しかし最近Yahooが5000万ドルという大金を投じて買った、かつての本誌Disrupt SFの優勝チームQwikiについては、ブランド名もそのままで操業を続けさせる、と言っている。でもそれは、いつまでのことだろう?

〔余計な訳注: YahooはAlta Vistaも最近買ったと思うが、それは今、Yahooの中のどこにも、影も形もない。やはり、ごみの山へ行ってしまったのか?… 参考記事(AltaVista 7月8日閉鎖)。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


YahooによるXobni買収、買収額はこれまでの調達額(4200万ドル)を上回る6000万ドル台か

電子メールのマネジメントサービスを展開してきたXobniYahooに買収された件については既にお伝えしている。Xobniのブログでも公式にアナウンスされている。最初に流れてきたニュースによると、買収金額は3000万ドル台後半ということだった。しかしその後にTechCrunchが入手した情報によれば、実はその2倍ほどである6000万ドル台後半であるようだ。

Xobniのスタートは2006年のことで、電子メールの世界に新たな切り口を提案することで、これまでに4200万ドルの資金を集めてきた。直近のラウンドは昨年2月のことだった。出資してきたのはFirst Round Capital、Khosla Ventures、RRE Ventures、Baseline Ventures、RBC Venture Partners、Relay Ventures、Cisco、Atomicoなどで、エンジェル投資家も多く名を連ねている。

3000万ドルという額は誤っていて、その2倍ほどにあたるのだという情報は、今回の買収劇に関わった情報源から寄せられたものだ。アーンアウト等の条件が存在することを考えれば、6000万ドル台という金額は桁外れというものでもなさそうだ。とりあえず調達した資金は上回っていることになる。投資家の期待ほどに大きく成長することはできなかったと言えるかもしれないが、一部で言われたように、買収によって投資家たちが損をしたというわけでもないことになる。

依然としてYahooおよびXobniの双方から、今回の買収についての詳細について話を聞きたいと申し入れているところだ。Yahooの製品ラインやカルチャーに、どのように統合していくつもりなのかもぜひ聞きたいところだ。YahooはXobniの技術を活用して、Yahooの運営するメールサービスの改良を行なっていくのだろうと予測されるが、詳細がわからない。

今のところ、買収についてYahooからは買収額などについては明らかにできないと回答がきている。Xobniからは取材申し入れについての返答がないのが現状だ。

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(翻訳:Maeda, H).


Yahoo、メール管理ツールのXobniを買収

先ほどYahooは、Xobniを買収したことを発表した。受信箱と連絡先の悲惨な状況を、ユーザーの最もつきあいの多い相手に焦点を絞ることによって、軽減しようとしているスタートアップだ。

(誰もが疑問に思っていることに答えると、”Xobni” の発音は「ゾブニー」で、”inbox”を逆に綴ったものだ)

遡って2007年(のTechCrunch 40で!)、XobniはMicrosoft Outlookの全メールを連絡先ごとに並べ替え、それぞれのLinkedin、Twitter他のソーシャルネットワークのデータを自動的に取り込むプラグインとしてスタートを切った。過去数年間、彼らは同様の機能をGmail、iCloud、および(いみじくも)Yahoo! Mail向けにも公開した。昨年末頃にはSmartr Contactsという、認識された「重要度」によって連絡先を並び替えるアプリをiOSおよびAndroid向けに公開した。

買収金額は明らかにされていないが、3000万ドルと4000万ドルの間と噂されている。現在本誌情報源が確認中。アップデート:本誌筋によると、様々な要因を考慮した結果、最終価格は6000万ドル近い Crunchbaseによると、同社はこれまでに約4200万ドルを調達済みだ。

さて、Yahooさん、真面目な話私の「ははは、Yahooがまた何か買った」ジョークのネタは尽きた。

Xobniの既存製品の将来に関して、現在使用中のXobni製品は永久に使い続けることができると同社は言っている。新規ユーザーを受け付けるかどうかに関しての説明はなかったが、Smartr Contacstsは発表後もiOS App Storeでダウンロード可能のようだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Amazon、巨大温室のようなバイオ・ドーム付き新本社の建設計画を発表―すぐ近所に立派な公園もあるんですけど

Amazonは未来的な本社ビルの建設計画を関係当局に提出したと報じられている。この計画では高層タワーに加えて半球形の温室のようなバイオドームが3棟併設される。このドーム内では多様な植物が育てられると同時に、公園のような環境で社員が働けるよう、オフィスおよび各種福利厚生施設が設けられる計画だという。

これがその計画案だ(最初に報じたのはGeekWire)。一般的に言って、たいへん洒落ていて未来的で、さらに流行に乗っている。

つまりAppleもだいぶ前になるが、宇宙船オフィスの計画を発表しているし、他の大手テクノロジー企業もオフィスに社員を引き止めておくために非常な努力を払っている。 最近もMarissa MayerがYahooの服務規程を改定してYahooの社員の在宅勤務を禁止して大きな話題になった。その後Yahooは昔ニューヨーク・タイムズの本社だったタイムズ・ビルに広いスペースを借りた。聞く所では、タイムズ・スクエアを見下ろすこのオフィスには、700人の社員を収容することができるという。

現在Google、Apple、Facebook、Amazonというテクノロジー企業のトップ社が期せずしてオフィス環境の整備に力を入れている。

Googleのオフィスはマウンテンビューの本社にせよ、ニューヨーク・オフィスにせよ、一流シェフが腕をふるう無料の食事が用意されるなどまずは最良の職場環境といってよいだろう。Appleはスティーブ・ジョブズの最後のビッグ・プロジェクトである空飛ぶ円盤のような新本社の建設に取り組んでいる。FacebookもGoogleと同様、チェス、ビデオゲーム、バスケット・コート、無料ランチなどの福利厚生をふんだんに提供している。

そういう次第で、第四の騎士たるAmazonも優秀な社員を引き止めておくためには何か手を打たねばならないと感じ始めたのだろう。誰にとってもよいことだ。社員は快適な環境で働くことができるし、雇用者は社員の能率が上がれば十分に投資の元が取れる。

とはいうものの、Amazonの場合、たった3ブロック先に完璧な公園があるのだが。

Here’s the full set of plans:

Amazon's new HQ design by John Cook

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Yahoo、Flickr Proを廃止。広告嫌いとプロ向けに新たな有料版を提供


Yahooのビッグニュースデー ― 傘下の写真共有サイトFlickrの大規模改修 ― の締めくくりとして、同社はFacebook/Instagramをはじめとするオンライン写真分野のライバルとの戦いを有利にすべく、Flickr Pro版を廃止する、しかし、有料版を全面撤廃するわけではない。広告のないAd Free、およびパワーユーザー向けのdoublrを、それぞれ年間49.99ドル、および499.99で提供する。

Ad Freeサービスは、49.99ドルで写真フィードの右側に並ぶ広告がなくなる。そして、もしYahooのTumblr広告に関する今日の議論が何らかのヒントになるとすれば、近いうちにフォトストリーム中に広告が現れるようになるかもしれない。

doublrサービス(これまた母音欠落・・・これは同社のTumblr買収を後押ししたに違いない)は、499.99ドルで無料の1テラバイトに加えて追加の1テラバイトが手に入る。

Pro版 ― 3ヵ月6.95ドル、12ヵ月24.95ドル、2年間44.95ドル ― には無制限アップロード、無制限ストレージ、広告なしに加えて、アップロードした写真を縮小サイズではなくダウンロードできる、という実にたちの悪い条件があった(つまり、一般利用者はProにアップグレードしない限りフルサイズ画像をダウンロードできなかったという意味だ。オリジナルファイルは常にFlickrに保存されている)。

Flickrに近い筋から聞いたところによると、Proの終了が会社に与える影響は小さい、なぜなら元々Proが好調だったことはないからだと言う。

「全ユーザー中の比較的少ないパーセンテージしかProを使っていなかった」と本誌の情報筋は言い、はるか昔のCEO Terry Semelはプレミアムサービスを強く推していたが、彼が辞めてから(実際には在任中も)、Proバージョン推進のための「投資は事実上ゼロ」だったと付け加えた。

そうはいっても、現行のProユーザーはYahooがどう残りの年間使用料を補償するつもりなのかを心配している。Yahooの注意書きによると、今回の変更に伴い、名前の横に表示されていた “pro” バッジは削除され、Pro版のギフトもできなくなる。奇妙なことに、AOLの定額料金のやり口を彷彿されるかのように、YahooはPro版自動更新ユーザーに対しては更新を可能にしている。

実はPro版にはもう一つ役割があった。今日CEO Marissa Mayerは、Flickrを再考することになったそもそものきっかけは縮小画像のダウンロードだったと語った。「われわれのサービスを見渡してみてこう自問した。何故こんなことをしているのか? それが思考実験の始まりだった」と彼女は言った。そして、Flickrはこれ以上「劣化」画像を提供したくないという決断が下された。「われわれは画像を保管し、ユーザーはいつでも高解像度画像を利用できる。これは大きな差別化要因だ」

しかしDropbox、BitTorrent、Mega等の時代、今や写真を保存できる場所はいくらでもある。保管場所をFlickrにするためにYahooにプレミア料金を払う人などいるだろうか? いずれにせよ、既に指摘されているように、無料アカウントを2つ取ればいいところを、誰が追加ストレージに499.99ドル払うだろうか。

そんな中、FlickrユーザーたちはTumblrの先例にならって、変更に対する辛辣な批判を書き並べている。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Flickrが驚きのリニューアル―高解像度、新Androidアプリ、1TB無料ストレージなど

新Flickrはすでにオープンずみだ。

Tumblr買収が公式に確認された当日、Yahooはニューヨークでプレスイベントを開催した。しかしそこでわれわれを驚かせた発表はTumblrではなく、2005年3月に3500万ドルでYahooに買収された写真共有ソーシャル・ネットワークのFlickrの完全リニューアルだった。

今日(米国時間5/20)、Flickrはルック&フィールから機能に至るまで徹底的に改良された。大きく分けるとその焦点は3つの分野になる。まず第1に、UIからテキストや青いリンクが追放され、高解像度の写真がPinterest風のグリッドに配置されるようになった。

第2に、最近のiOS版のアプリで行われたアップデート(これによってアップロード数が25%も急増したという)を取り入れたAndroid版アプリが発表された。これでAndroridユーザーもiOS版と同様の機能を利用できるようになった。

第3に、Flickrは無料ストレージの容量を大幅に拡大した。実際、それは巨大なものになった。Flickrは今やすべてのユーザーに無料で1テラバイトの記憶容量を提供する。Yahooは「1テラバイトの容量を無料で提供するインターネット・サービスは世界で初めてだ」と宣言した。この容量は写真に換算すると53万7731枚になるという。.

新UIでは写真ストリームはグリッドに隙間なく同じ大きさで配置される。Facebookのタイムライン風のヘッダーにユーザーのプロフィールが表示される。上部の左側にPhotostream(写真ストリーム)、Sets(アルバム)、Favorite(お気に入り)にビューを切り替えるボタンがある。

では共有の方法も簡単になった。グリッドの写真をクリックして単独表示にすると下部に共有アイコンが表示される。クリックするとメール、Facebook、Twitter、Pinterest、Tumblrの共有ボタンが表示される。また写真へのリンクもワンクリックで取得できる。

写真の表示のデザインも大きく変わった。背景は黒になり、どの写真もフルスクリーン表示が可能になった。フルスクリーン表示状態でも矢印で前後の写真に簡単に移動できる。

Yahooのモバイルおよび最新プロダクト担当上級副社長のAdam CahanはFlickrには現在8900万のユーザーがおり、80億枚以上の写真がアップロードされているという。これは大変な数だ。

Marissa Mayerは「Yahooで起きている改革のほとんどはユーザーの日常の行動の観察から生まれている」と説明した。それがホームページ、メール、天気予報などユーザーにもっとも身近なプロダクトのの改良に力を入れている理由だという。これらのプロダクトはそれぞれに写真によって機能を強化されている。

Yahooは、Marissa Mayerのイニシアチブの下でFlickrを含めたYahooプラットフォームのリニューアルに成功しつつある。しかし一方で、Flickrが今後収益性を高めることができるのか、そしてもっと重要な点だが、Instagramという怪物と戦えるのかという疑問にはまだ答えが出ていない。

ここでタイミングが興味あるものとなる。Yahooはインターネッで最大のブログ・プラットフォームの一つを買収した。Flickrはブログに対する写真の巨大なリソースだ。ではYahooどのようにしてこの2つの大規模な資産を統合していくつもりだろうか?

Flickrのリニューアルを発表した他に、MayerはYahooが新しいニューヨーク・オフィスを以前ニューヨーク・タイムズの本社だったタイムズ・スクエアのビル内に開設することを発表した。これまでニューヨーク市内の各所に分散していた500人のYahoo社員はこの新オフィスに集中される。ただしTumblrのチームは新おフィルへ移動せず、従来どおりのオフィスで独立に業務を続けるという。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Yahoo、Tumblrの11億ドル買収を取締役会で承認(WSJ報道)

Wall Street Journalによると、Yahooのソーシャルブロギングサイト、Tumblrの11億ドルによる買収が取締役会で承認された。Tumblerの買収が先週噂された時、金額は10億ドル以上と言われていた。同紙の報道によると数字は正確だったようだ。

WSJの情報筋によるとTumblerは独立事業として運営を続け、月曜日(米国時間5/20)に2社のいずれかあるいは両方から正式発表があるという。Yahoo CEOのMarissa Mayerが同サイトに興味をもったのはわずか数ヵ月前だが、Tumblrの買収はソーシャルメディア参入の大きな一歩であり売上拡大の方法であると彼女は考えている、とWSJに語った匿名の人物は伝えている。Yahooはすでにニューヨーク市で月曜日にイベントを予定しており、WSJによると同社は、これも噂されているFlickrとの契約を発表するらしい。Tumblrの買収は、当初の発表予定には入っていなかったかもしれないが、もし承認されればば明日の発表に盛り込まれる可能性は高い。

最近本誌が入手していた情報によると、Yahooの上級幹部組織に空白が生まれつつあり、モバイル部門から重要メンバーが抜けたという噂があった。これらの離脱劇が比較的最近のことなのは興味深く、Tumblrが当初社内で安すぎるという声もあったと言われる11億ドルの提案を呑んだこととも関係があるかもしれない。本誌情報筋は、Tumblrの現金が急速に底を尽きつつあり、それも売却の理由かもしれないと言っている。

Twitterでは一部のユーザーが、Yahooの買収が決まったらTumblrをやめると脅すと言っていることを本誌のIngridが先に報じた。彼女も書いているように、同サイトの訪問者数の伸びは2013年に入って停滞あるいは減少気味であり、いずれもTumblrのユーザー獲得にとって良い話ではない。しかしInstagramがFacebookに買収された時にも、うるさいユーザーがアカウントを閉じると騒いでいた。実際には、Instagramのユーザー数、エンゲージメント、ブランド認知力は買収後に著しく上昇した。

Yahooは今年に入り急ピッチで企業買収を進めており、この数ヵ月間毎週どこかを買っているかのような勢いだ。中でも目立ったのはSummlyの買収で、このニュース要約スタートアップは3000万ドルと報じられた金額でYahooに吸収された。17歳のファウンダーは、会社そのもの以上に見出しを飾り、買収のメリットに関しても多くの議論を呼んだ。

最近になってからYahooの買い物リストはあまり明かされなくなり、買収パターンは同社製品群の拡大というよりも戦略的雇用が目的になっているに見えた。しかし、Tumblrは厖大な既存ユーザーを持つ機能満載の成熟サービスであり、Yahooでは必ずしも代表的といえない比較的若い層をターゲットとしているので、そのトレンドとは異なる。Tumblrにはそれなりの「クール」さがあり、それはまさしくYahooが欲しがっているものだ。

その買収金額には一部で驚きの声があがっている。Fortune誌のDan Primackがツイートしているように、最新の決算報告によるとYahooの手持ち現金はわずか12億ドルなので、現金によるTumblr買収は、Appleはもちろん、Instagram買収の10億ドルを現金と株式で支払ったFacebookと比べても、はるかに無理な買い物だ。もし数字が正しいとすれば、YahooのTumblr買収は、同社がいかに貪欲にメディアベースのソーシャルネットワーク参入を望んでいるかを示す強力なシグナルだ。

本誌はYahoo、Tumblr両社にコメントを求めているが、Yahooから型通りの「噂や臆測に評コメントしない」旨の返信があっただけだ。もしTumblrから返事があれば本項をアップデートする予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Yahoo!、17歳の起業家の人工知能ニュース要約アプリのスタートアップ、Summlyを買収―価格は3000万ドルか?

Yahoo!はマリッサ・メイヤーがCEOに就任してから積極的に企業買収に動いている。特にモバイル・アプリの買収に熱心だ。今日(米国時間3/25)、Yahoo!はニュース収集と要約を提供するモバイル・アプリを開発したスタートアップ、Summlyを買収したと発表した。AllThingsDは買収価格は3000万ドル前後と報じている。

このアプリは非常に優れものだ。直感的なジェスチャーでニュースを選び、要約を表示させることができる。驚くのはSummlyのファウンダー、ニック・ダロイシオが現在わずか17歳の高校生だという点だ。しかしこのスタートアップはすでにHorizons Ventures、betaworks、Shakil Khan、Matt Mullenweg、Troy Carter、それになんとオノ・ヨーコから153万ドルの投資を受けていた。Summlyはまた要約すべきニュースの供給に関してNews Corpと契約を結んでいる。

Yahoo!の広報担当者によれば、Summlyチームはこの数週間でYahoo本体に参加し、現在のアプリは閉鎖されるという。ここ数ヶ月愛用していたユーザーにとっては残念なニュースだ。SummlyのサービスはYahooのモバイル・サービストに統合されることになるという。AllThingsDの12月の記事によればYahooのサービスへの統合プロセスはかなり前から開始されていたもようだ。

Yahooのモバイルおよび新規プロダクト担当上級副社長のAdam Cahanによるこの買収に関する公式ブログ記事。一方ダロイシオがSummlyのユーザー向けに発表したコメントはこちら

Yahoo!がこのテクノロジーを入手したことは非常に興味ふかい。Summlyは当初Trimitという名称で、その名のとおり、独自のアルゴリズムによってニュースから重要部分を抽出して表示するアプリだった。今回の買収でYahoo!がこのテクノロジーを他のモバイル・アプリでも利用できるようになったので、ユーザーは同一の時間でさらに多くのコンテンツに目を通すことができるようになる。つまりそれだけ多く広告も表示できるわけだ。

YahooはSummlyの買収の5日前にもソーシャル推薦サービスJybeを買収している。Jybeの買収はYahoo!が機械言語、自然言語解析に強いチームを欲しがっていることを印象付けた。マリッサ・メイヤーは人工知能の利用によってYahoo!のイメージの一新を狙っているのだろう。

今回の買収はStamped、Jybeに次いで3社目の興味あるメイヤーによる買収だ。

昨年11月にTechCrunch TVはニック・ダロイシオにインタビューしている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Yahoo! JapanとGREEが共同でスマホ向けソーシャルゲームの新会社を設立


ヤフーとグリーが新たにスマートフォン向けソーシャルゲームを開発する新会社「ジクシーズ(仮称)」を共同出資により設立することを発表した。この2社は昨年11月に包括提携を締結し、相互にスマートフォンユーザーの成長を支援しあってきた。ヤフーのポータルサイトからGREEへの誘導をしてトラフィックを増やす変わりに、GREEはヤフーの機能を利用するなど、お互いの長所を活かし合っている。

新会社ではヤフーの集客力とグリーのソーシャルゲームのノウハウを活かしてゲームを開発することはもちろんだが、エンターテイメント領域において新しい価値を創造したいという。

実は今回発表された新会社については、包括提携を締結した際に言及していて、ゲームだけではなく映像コンテンツやキャラクタービジネスなども含めたエンターテイメント分野でも施策がありそうだ。

新会社の資本金は2億円で出資比率はグリーが51パーセント、ヤフーが49パーセントとなっており、代表取締役社長にはGREEの井坂友之氏が就任している。

また、新会社設立予定日は3月15日なので、それに合わせて新しいゲームの発表などもあるのかもしれない。

グリーといえば、最近は業績の伸びが横ばいで業績予想も上場後としては初の下方修正をしているし、通期営業減益となる見通しだ。これには有力タイトルの投入が遅れていることや、海外ゲームが想定以上に伸びていなかったことが原因のようだ。この決算発表ではグリーのコーポレート本部長の秋山仁氏は語っている。

この新しい取組みがグリーにとって良い方向へと作用するのか注目していきたい。

アメリカYahoo!、Googleのコンテキスト広告を非独占的契約で導入

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当初、AllThingsDがスクープしたYahooとGoogleの広告での提携がYahooから正式に発表された。この提携の内容はYahooがこれまで他の広告ネットワークと結んできた契約と大きく変わるものではない。Yahooの膨大なページビューと1年足らず前に新任CEOとなったマリッサ・メイヤーが元Google幹部であることを考えると、Googleがコンテキスト広告を提供するようになったのはある意味順当な流れといえる。

われわれは長年にわたってデスクトップでもモバイルデバイスでもGoogleのコンテキスト広告を眺めてきたし、その仕組みが優秀であることも知っている。メイヤーはGoogleの社員第20号としてGoogleの広告プロダクトの表裏を知り尽くしている。

今日発表されたプレスリリースはこちら

興味深いのはYahoo検索は主としてトップページに掲載された論説記事に重点を置いている一方、Googleは一切合切を対象にした検索結果を表示する傾向があることだ。Yahooの検索結果は人気を得たニュース記事に微妙に影響を受けている。

一方、誰も読まないようなマイナーな記事の余白ではなく、Yahooのトップ記事に関連性の高い広告を表示できるようになったことはGoogleにとって大きなチャンスだ。Yahooは売上の増大をなんとしても必要としているから、記事に的確に関連した広告が表示されるようになったことは株主にとっても良いニュースだ。しかしそれによってYahooのユーザーのクリックするー率がどれだけアップするかは今後を見なけれならない。

この契約は非独占的なものというが、提携の結果が良好なら2社の関係がさらに深まる可能性はある。他のプロダクトでも提携していく上でよい実験台となるだろう。Googleの広報担当者は次のようなメールを送ってきた。

われわれはAdSense、AdMob広告を通じて数多くの有力サイト運営者のマネタイズを助けてきました。このリストにYahoo!を加えられたことを非常に嬉しく思っています。

[写真: Flickr]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

アメリカYahoo!、Googleのコンテキスト広告を非独占的契約で導入

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当初、AllThingsDがスクープしたYahooとGoogleの広告での提携がYahooから正式に発表された。この提携の内容はYahooがこれまで他の広告ネットワークと結んできた契約と大きく変わるものではない。Yahooの膨大なページビューと1年足らず前に新任CEOとなったマリッサ・メイヤーが元Google幹部であることを考えると、Googleがコンテキスト広告を提供するようになったのはある意味順当な流れといえる。

われわれは長年にわたってデスクトップでもモバイルデバイスでもGoogleのコンテキスト広告を眺めてきたし、その仕組みが優秀であることも知っている。メイヤーはGoogleの社員第20号としてGoogleの広告プロダクトの表裏を知り尽くしている。

今日発表されたプレスリリースはこちら

興味深いのはYahoo検索は主としてトップページに掲載された論説記事に重点を置いている一方、Googleは一切合切を対象にした検索結果を表示する傾向があることだ。Yahooの検索結果は人気を得たニュース記事に微妙に影響を受けている。

一方、誰も読まないようなマイナーな記事の余白ではなく、Yahooのトップ記事に関連性の高い広告を表示できるようになったことはGoogleにとって大きなチャンスだ。Yahooは売上の増大をなんとしても必要としているから、記事に的確に関連した広告が表示されるようになったことは株主にとっても良いニュースだ。しかしそれによってYahooのユーザーのクリックするー率がどれだけアップするかは今後を見なけれならない。

この契約は非独占的なものというが、提携の結果が良好なら2社の関係がさらに深まる可能性はある。他のプロダクトでも提携していく上でよい実験台となるだろう。Googleの広報担当者は次のようなメールを送ってきた。

われわれはAdSense、AdMob広告を通じて数多くの有力サイト運営者のマネタイズを助けてきました。このリストにYahoo!を加えられたことを非常に嬉しく思っています。

[写真: Flickr]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

Yahoo、ニュース版PinterestのSnip.itを買収。人材獲得目的でサービスは既に停止

The Snip.it teamMarissa Mayer指揮の下YahooはM&Aの動きを活発に続けているようだ。優秀な人材によるスタートアップに、とくに注目している。そしてそのような動きの中、今回のターゲットとなったのは、サンフランシスコで活躍中のSnip.itだ。Snip.itはウェブ上の情報をクリッピングして、Pinterest風の形でまとめて表示するウェブアプリケーションを提供していた。買収交渉は数週間にわたって行われてきたらしい。最初に報じたのはAllThingsDのLiz Gannesだった。内容についてはSnip.itおよびYahooの双方から確認がとれているようだ。

こちらに入った情報によると、買収額は1000万ドルで、アーンアウトのオプションがついているそうだ。情報筋曰く、1人を除いた約10名のフルタイムスタッフはYahooに移籍することになるのだそうだ。

Snip.itのサービスは現在利用できないようになっており、利用者に対してはデータのダウンロードを行うためのインタフェースが提供されている(2月21日まで)。Snip.itチームはYahooにて新しく「ソーシャルニュース」関連のプロジェクトに携わることになるのだそうだ。Snip.itからのアナウンスはこちらに掲載されている。

買収額や、サービスが直ちに停止されたところを見ると、これは「acqui-hire」(人材獲得目的の買収)であるとのことのようだ。サービのスタートは2011年10月のことだった。Khosla Ventures、True Ventures、Charles River Ventures、およびSV Angelsなどの有名どころが出資していた。しかしどうやら想定してほどには利用者が集まらなかったということのようだ。

しかし、Snip.itは使っていてなかなか面白いサービスではあったように思う。昨年6月にはCEOのRamy AdeebTechCrunch TVで話をすることができた。話の中で、Adeebが技術面およびビジネス面の双方に優れた若者であることが見て取れた。Yahooから見ても、この点が非常に魅力的に見えたということなのだろう。彼が今後が非常に楽しみだ。

昨年夏にインタビューを行なって、Snip.itのハンズオンを行なってもらった際のビデオを再掲しておこう。

本稿ではKim-Mai Cutlerからの情報も記事中に取り入れている。

原文へ

(翻訳:Maeda, H)