アップルがSonosを買収するなら今がそのとき

スマートスピーカー分野ではこのところニュースが相次いだ。Amazon(アマゾン)は今週、Echo最新バージョンやプレミアムサウンドの新Echo Studioを含む、いくつもの製品を発表した。Sonos(ソノス)もまた、Bluetoothをサポートする同社初のポータブルスピーカーSonos Moveを発売し、8月にはIkeaとのコラボ製品もリリースされた。一方でApple(アップル)は直近のプロダクト発表会でHomePodには一切触れなかった。これは、Appleがこの分野についてよく知っている企業を買収するつもりであることを明示する「発表なし」だ。その買収対象となる企業はSonosだろう。

両社はかなりしっくりくる

部外者の見方として、プロダクトデザインやビジネスモデルにおいてSonosとAppleほどしっくりとくる2社はないだろう。両社とも明らかにプレミアムなハードウェア製品の展開にフォーカスしていて(価格面では大体において消費市場のハイエンドだ)、ハードウェア製品の魅力を増大させ、また補うためにサービスを充実させている。たとえAppleが急成長中のサービス事業との混合にシフトさせつつあるにしてもだ。

AppleのようにSonosも明らかに工業デザインにかなりフォーカスし、それなりに大きな投資もしてきた。そして真に特徴のあるプロダクトの外観にかなり注力し、他社の製品と差別化を図ってきた。大半の製品が黒か白で統一されてきたのもまったくAppleのようだ。Appleは少なくともiPhoneを含む人気のデバイスにおいて、多色展開する前は黒と白のプロダクトを提供してきた。

テクニカルの面では、AppleとSonosは協業に熱心なようだ。コラボの結果は、どちらのエコシステムも使う消費者にとって素晴らしいものだった。AirPlay 2のサポートはモダンなSonosハードウェアすべてにおいて事実上スタンダードだ。さまざまな要素や価格設定において幅広い選択肢があるお陰で、AirPlay 2ベースのマルチフォームオーディオを探している人にとってはすでにSonosは必然的にデフォルトの選択肢となっている。Sonos とAppleはまた、SonosのコントローラーアプリでApple Musicを提供している。そして今やApple Musicを流すのにAlexa経由の音声コントロールを使うこともできる。

競合する動き

これまでは現実味がなかった「Apple傘下のSonos」となったときの大きな問題は、少なくともスピーカーメーカーSonosの観点からすればだが、すべてのメジャーなストリーミングサービスプロバイダーやバーチャルアシスタントで素敵な音楽をかけるプラットフォームであるというメリットを失ってしまうことだ。例えば、最近のSonosスピーカーはAmazon AlexaとGoogleアシスタントのサポートどちらも提供していて、Sonosのソフトウェアは事実上、利用できるあらゆるメジャーな音楽とオーディオのストリーミングサービスに対応している。

変わったことといえば、今週のAmazonの多くの発表にあるように、Amazonのような競合相手がSonosの領域のビジネスを展開したがっているということだ。AmazonのEcho Studioは、Sonosと直接競合する新しいプレミアムスピーカーだ。これまでのEchoはそうではなかった。そしてAmazonは常により良いサウンドでリーズナブルプライスのEchoを展開してきた。Amazonはまた、機能が充実したマルチルームオーディオ機能を展開している。ここには、ホームシアター使用向けのワイヤレスサラウンドのサポートも含まれている。

さしあたっては、SonosとAmazonは「frenemy」(フレネミー、ライバルであると同時に友であるの意)のようだが、スピーカーハードウェアカテゴリーにおいてはAmazonはだんだんハイエンド部門に侵食しつつあるようだ。AmazonはAlexaを最大限活用するためにできることは何でもするだろう。それは自前のデバイス、サードパーティのデバイスどちらにおいてもだ。しかしAmazonはまた自前のデバイスラインアップを強化して拡大する意思もあるようだ。

GoogleやAppleを含め、他の競合相手は直接Sonosと競うラインアップで成功しているとは言い難い。しかしSonosは、オーディオ業界で信念を持っている企業から永遠に挑戦を受け続けるだろう。また、Anker(アンカー)のようなオーディオに関して野心を持っていて、コスト面でもアドバンテージを抱える新たなデバイスメーカーと競争を展開することもあり得る。

足りないものとなすべきこと

もちろん、AppleのSonos買収では、消費者離れを起こさないために大きな課題や今後注意すべきこともある。Sonosはかなりうまくやっている。というのも、サービスに依存していないからだ。例えば、最近展開しているプロダクトで鍵を握っているのは、人々が実際に最も使いたいと思っているスマートホームアシスタントの搭載のようだ。これは主にAlexaとGoogleアシスタントになる。

Apple傘下となれば、Apple Musicが唯一提供されるストリーミングとはならないにしても、少なくともApple Musicが優遇されるというのはあり得る話だ。おそらくSiriが利用できる唯一のヴァーチャル音声サービスとしてAlexaやGoogleアシスタントに取って代わる。そしてもし本当に買収したら、Appleが競合するサービスのサポートを継続するのはほぼ考えられない。

つまり、AppleとSonosの顧客はすでにかなりオーバーラップしていて、サービスでいくらかの柔軟性がある、という前提である限り(iOS上にSpotifyのようなストリーミング競争相手がいるように)、Siriのみを提供することはさほど大きな問題にはならないだろう。また、買収によりHomePodが確立できていない、家庭での足がかりをSiriが得ることになるかもしれない。Appleは、一般的な家庭でのアシスタントとしてSiriのパフォーマンスをさらに改善しようと駆り立てられることになりそうだ。これは最終的にはAppleエコシステムを利用している客にとっていいことだ。

他の買収例

Appleの大型の買収というのはさほどあるわけではない。しかし買収するときには通常、明らかにコアビジネスに近い会社が対象となる。Sonosの買収は、たとえ既存プロダクトの提供とストリーミングサービス立ち上げのための基礎固めという強固なモチベーションがなくても、Appleが2014年に買収したBeatsを思い起こさせる。

しかしながら、Sonosが進めてきたことは、ハードウェアを売るために素晴らしいサービスを活用するというAppleが取ってきたモデルの逆を行く。Sonosエコシステムは素晴らしく使いやすい。そしてAppleの音楽とビデオ(そして新たに加わるゲームサブスクリプション)のストリーミングサービスを最大限活用するためのプレミアムな手段となる。こうした要素は、AppleがiPhone頼みだった事業を変えていくのに、かつてなく重要なものとなっている。

AppleのSonos買収が理にかなっていると指摘するのは私が初めてではない。実際、J.P.モルガンのアナリストであるSamik Chatterjee(サミック・チャタジー)氏も今年初めに提案している。しかし私が思うに、買収のタイミング、そして両社にとっての動機付けも今がベストだろう。

情報公開:私は2015年から2016年にかけてのわずかな期間、Appleのコミュニケーション部門で働いた。しかし上記の分析記事はすべてオープンになっている情報に基づくものだ。また、Apple、Sonosどちらの株式も私は保有していない。

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(翻訳:Mizoguchi)

イーロン・マスクがSpaceXのスターシップ宇宙船の最新情報をライブ公開

SpaceX(スペースX)でCEOを務めるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、自社の宇宙船ことStarship(スターシップ)の最新状況を発表する。マスク氏は米国時間9月28日の午後7時、南テキサスのBoca Chica(ボカチカ)にある同社のロケット組み立て施設から、「Starshipのデザイン・開発」に関する新しい情報を提供する。

今回のアップデートの背景には、Starship Mk1のプロトタイプ機がありそうだ。最初のStarhopper(スターホッパー)は、短時間の低空飛行を2回達成した。これは、プロトタイプ機のMk1による、より長時間の高高度サブオービタル飛行試験のための重要なステップである。StarhopperはRaptorのエンジンを1基しか搭載しなかったが、Mk1はRaptorのエンジンをまず3基(最終的には6基)搭載する。

これまでのSpaceXのプレゼンテーションによると、同社はStarshipと開発をすすめるブースターのSuper Heavyにより、貨物や乗組員を月や火星などに運ぶ、完全に再使用可能な輸送手段を実現することを目指している。CDT(米国中部標準時夏時間)の9月28日午後7時、JST(日本標準時)の9月29日午前9時から、この長期的な目標に向かうための次のステップが発表されるはずだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

SpaceXの軌道宇宙船Starshipのプロトタイプがお披露目イベントに備えて合体

SpaceXは、Starship軌道スケール宇宙船のプロトタイプの下半分と上半分の合体作業を完了した。テキサス州ボカチカで製造中のものだ。この銀色に光り輝く宇宙船は「Mk 1」プロトタイプで、高高度テストに使用する。最終的に量産バージョンも駆動することになる、3つのRaptorエンジンがテストに使われる。米国時間9月27日、底部と上部が結合された。翌9月28日には、 SpaceX CEO、イーロン・マスク(Elon Musk)氏が、Starshipプログラムの現在までの進捗状況と、次のステップについて説明することになっている。

このプロトタイプは、すでに宇宙船のコンセプトモデルのCGとして発表されたものとは、微妙に異なった設計となっている。宇宙船の底部に2枚、頭部近くにも2枚のフィンが付けられているのだ。これらのフィンは、飛行中の操縦を容易にするためのもの。特に、ミッションを終えて、地球に戻る際の降下中の制御に有効だ。Starshipは、完全にリユース可能な宇宙船となることを意図している。この再利用可能性は、貨物を宇宙に送り出すためのSuper Heavy(スーパーヘビー)ブースターの再利用可能性と並んで、SpaceXの目標にとって非常に重要な要素だ。その目標とは、最終的に人類を複数の惑星に移住させること。さしあたって、これも十分野心的な短期的目標としては、人間を火星に定住させるというものがある。

マスク氏は、Starshiop Mk1プロトタイプに装着される、3つのRaptorエンジンの写真も公開した。Starshipが最初に飛行した際のプロトタイプは、デモとテストのためのスケールダウンした機体で、「Starhopper(スターホッパー)」というコードネームが付けられていた。Raptorエンジンは1機だけを装備し、予定通り約500フィート(152.4m)の高度に達した。今回のMk1のテストでは、高度6万3000フィート(約19.2km)まで到達することを目指している。これはマスク氏が、今年中に達成するとしていた目標だ。

米国時間9月28日には、Starshipプログラムの今後の予定についても、詳しいことが分かるはず。TechCrunchでは、テキサス州からライブでアップデートする予定だ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

アマゾンのAlexa Food NetworkはEcho Showの価値を上げるか

Amazon(アマゾン)はEcho Showシリーズ向けの新しいレシピサービスに関して、食やレシピの専門テレビ局・配信サービスであるFood Networkと連携する。これはスマートビデオスピーカーでレシピや料理のビデオを視聴するユーザーの関心から生まれたものだ。10月にスタートするFood Network Kitchenサービスは携帯電話やタブレットにも対応し、レシピを保存したり調理手順を見たりできるほか、Echo Showのユーザー限定でライブとオンデマンドの料理教室も提供される。

シアトルで開催されたAmazon Devices Eventのステージで、Amazonは有名シェフのBobby Flay(ボビー・フレイ)氏が登場するオンデマンドの料理教室のデモなど、今後提供するサービスを紹介した。Amazonのデバイス担当シニアバイスプレジデントのDave Limp(デイブ・リンプ)氏が、ステージで料理番組のプレゼンターであるAlton Brown(アルトン・ブラウン)氏に言及したところから推測すると、Food Networkのさまざまなタレントが出演するオンデマンドの料理教室には少なくともアクセスできることになりそうだ。

また、料理のどの段階でもAlexaに具体的な方法を質問し、答えてもらうことができる。

リンプ氏は「ライブの教室も視聴できるようになる予定だ」と述べた。Pelotonはフィットネスのライブ配信を提供しているが、それと同様のものになると思われる。同氏は、ライブの教室の講師は現在準備中で「スタジオで練習しているところ」だと述べた。そのため、Echo Show向けのライブの教室がどのようなものかを見ることはできなかった。

その代わりにリンプ氏は、ボビー・フレイ氏にこのサービスについてどう思うかを直接語らせた。フレイ氏は「世界中のあらゆる場所の、あらゆるキッチンに自分が行けるようなもので、私は世界中の人々に料理を教えることができる」ことをとても楽しみにしていると述べた。さらにフレイ氏は、サービス開始時には何万ものレシピを利用できるだろうと補足した。

家庭向けのスマートスクリーンデバイスが増えつつある中でEcho Showを差別化したいAmazonにとって、このサービスは大きな意味を持つものになるかもしれない。健康とフィットネスにも力を入れているため、このサービスは重要なコンポーネントになる可能性がある。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Apple TV+のオリジナルコンテンツで人類初の月面着陸をドラマにした「For All Mankind」の新しい予告編が公開

Apple(アップル)の新しい高品質サブスクTVサービスは、111日にオープンする。それに先立って、そのオリジナル作品、ロナルド・D・ムーア監督の「For All Mankind」の新たな予告編が公開された。

このシリーズは、60年代後半から70年代初期のいつか、米国ではなくソ連が、最初に人類初の月面着陸を成功させたという架空の設定で、できごと追うもの。米国が、宇宙開発競争における重要な戦いに負けた結果、それに付随する多くの出来事が起こるだろうと思われるが、本当の歴史との最大の相違は、アメリカ人が宇宙飛行士の適性の確保に全力で取り組み、実際よりもずっと早く女性のための訓練プログラムを開始したことかもしれない。

今回の予告編を観てみると、この作品の以前の予告編に比べて、さまざまな出演者に焦点を当てたものだと分かる。以前の予告編は、物語の前提を提示するものだった。私は、「The Calculating Stars」や「Lady Astronaut」といった小説シリーズが持つ雰囲気を強く感じた。いずれも、メアリー・ロビンネット・コワル(Mary Robinette Kowal)氏の素晴らしい作品だ。実際とは異なった架空の歴史を味わいたいなら、そして月額4.99ドル(日本では600円)のApple TV+のサービス開始が待ちきれないなら、最適な本だ。

とは言え、このサービスが始まったら、「For All Mankind」は、私がまっ先に観たい作品であることに違いはない。この作品は、2000年代初期の「Battlestar Galactica(GALACTICA/ギャラクティカ)」のリメーク版や、イギリスを舞台にしたタイムトラベリングもの、「Outlander(アウトランダー)」と同じムーア監督の作品なのだから、なおのこと楽しみだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

iOSとiPadOS 13ではPS4やXbox Oneのゲームコントローラーをサポート

Apple(アップル)のiOS 13と、新しい名前で登場するiPad用のiPadOSは、いずれも複数のBluetoothゲームコントローラーの同時接続をサポートしている。そして、それらのリリース最新版では、Xbox Oneや、PlayStation 4のコントローラーのサポートが追加された。実際にあれこれいじってみたところ、どちらのタイプのコントローラーについても、1台のマシンに同時に複数を接続して使えることが確認できた。もちろん、個々のコントローラーごとに別のキャラクターを操作できる。

これ自体は良いニュースだが、悪いニュースもある。今のところ、この機能を利用できるゲームは、あまりないということ。たとえば、Appleの新しいゲームサブスクサービス、Arcadeでは、対応するゲームを見つけることができなかった。また、Archadeには含まれない一般のiOSゲームでも、対応するものを探すのに骨が折れた。やっと見つけたのは、2人で協力してプレイすることも可能なローカルな対戦ゲーム「Horde」で、無料で遊ぶことができるもの。これは、複数のコントローラーを使って、マルチプレーヤーで期待通りに操作できる。

AppleはArcadeによって、App Storeを、そしてiOSでのゲームを、再び活性化させるため、最初にiPhoneが登場して以来最大の努力を払ってきた。Arcadeは、広告やアプリ内購入なしで、非常に高品質のゲームが、どれでも遊び放題となるサブスクサービスだ。サービス開始時の品揃えを見ても、かなりめぼしいものが揃っている。たとえば、「Where Cards Fall」、「Skate」、「Sayonara: Wild Hearts」、「What the Gold」など、ちょっと挙げたただけでも素晴らしいタイトルがある。

このようなライブラリの品質と価値を、iOS、iPadOS、Apple TV、そして最終的にはMacという広範囲にまたがるデバイスと組み合わせることで、たとえば、Nintendo Switchや、他の家庭用ゲーム機が現在押さえているゲーム市場の大きな部分を奪い取る可能性もある。

特に、iPadのローカルなマルチプレイヤーゲームには、大きな可能性が秘められているだろう。iPadのオーナーは、すでに自宅だけでなく、外出先でもiPadを使っているという人が多い。そしてiPadなら、どこでも大画面で高品質のゲームをプレイできるのだ。あとは、スーツケースや、機内持ち込み用のバッグに、PS4やXboxのコントローラーを入れておけば、旅先でも素晴らしいゲーム体験が得られる。

上でも述べたように、今のところ、これらのコントローラーをサポートするゲームは多くないが、ゲームのデベロッパーさえその気になれば、いつでもそれらを利用するための機能が用意されているということが分かっただけでも、なんだかワクワクさせてくれる。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

テスラがソフトウェアアップデートでSpotifyやYouTube、Netflixに対応

Tesla(テスラ)が、多くの新機能が使えるようになるソフトウェアアップデートの配信を始めた(バージョン10.0)。これらの新機能の中には、5000ドルする完全自動運転オプション付きの車であれば駐車スポットから駐車場内にいる自分のところまで車を自動運転で呼び出せる「Smart Summon」が含まれる。

これは、Teslaが一般向けに提供しているものの中で最も高度な半自動運転機能のひとつだ。同社はまだ、この機能は駐車場でだけ、そして車がはっきりと目で確認できる時にだけ使うこととしている。また、最終的にはユーザーが車両の責任を負うことも同社は指摘していて、この機能を使うときには車やその周囲に注意を払わなければならない。もし、必要なら車をリモート操作で止めることもできる。Smart Summonは一部の顧客にのみベータ公開されてきたが、ようやく完全自動運転オプションを購入した全車両で使用できるようになる。

今回のアップデートで導入された他の機能には、リクエストの多かったSpotifyのサポートが含まれる。これはSpotifyに対応するマーケットでプレミアムのアカウントを持っているユーザーなら誰でも利用できる。この新機能は、かなり人気のストリーミングサービスのオーディオをBluetoothで流すのを不満に思っていたTesla車オーナーを満足させるのに大いに役立つはずだ。Teslaはまた、中国ではXimalayaというポッドキャストとオーディオブックのストリーミングサービスを提供する。

バージョン10.0で加わったTesla Theater Modeは車内イフォテイメント(車内エンターテインメント)システムをユーザーのNetflix、YouTube、Hulu/Hulu+(もし購読しているならLive TVも含む)のアカウントにつなげる。これにより、車が安全に停められている間、こうしたプラットフォームのストリーミングビデオにアクセスできるようになる。中国ではIQiyiとTencent Videoも利用できるようになる。さらには今後もグローバルでさらにオプションを増やすとしている。新しいTesla Theater Modeではまた、Tesla車両オーナー向けに車両の取扱説明も提供する(繰り返しになるが駐車している間のみだ)。

今回のアップデートの多くは「Car-aoke」モードをはじめとするエンターテインメント機能にフォーカスしている。聞いて想像がつくかと思うが、Car-aokeモードとは車内カラオケが体験できる機能。膨大な曲と歌詞のライブラリが用意されており、Teslaによると複数の言語もサポートするそうだ。車で移動しながら車内で歌うというのは、これまでローテクなオプションのみだったが、新機能はアマチュアのJames Cordens(ジェームズ・コーデン)をサポートするものになりそうだ。

【編集部注】ジェームズ・コーデンは、自動車を運転しながら、ゲストの歌手と一緒に車内でカラオケで歌を歌ったり、インタビューしたりする「Carpool Karaoke」(カープール・カラオケ)という人気番組を担当している。

新しいエンターテイメント機能で大事なことをひとつ言い残した。Teslaが今年初めに立ち上げた車内ゲーミングソフトウェアのTesla ArcadeでCupheadの提供が始まる。Cupheadは大ヒットしたインディゲームで、初期のディズニーアニメーションを思わせるアートスタイルが特徴だ。これはTeslaのコアなギーク視聴者を絶対に虜にするだろう(おそらくマスク氏自身にとってもご褒美のようなものになる)。不注意運転になることを心配する人もいるかもしれないので再び繰り返すが、この機能が使えるのは駐車しているときだけだ。

Teslaはまた、ドライブルート上にある良さそうなレストランや観光スポットを提案する、いくつかの新たなナビゲーション機能も加えた。加えて、車載カメラを使ってドライブレコーダーモードとSentryモードそれぞれでとらえたものをユーザーが見つけやすくなるよう、ビデオを分ける新たなファイルシステムも搭載される。ストレージが必要なときは自動で削除される。

目を引く新しい機能がたくさん詰まったこのアップデートは今週から、ネットワークを介した配信で展開される。前述したように、地域によっては若干の違いは見られるが、もしプレビューが見たければショールームでアップデートをチェックできるとのことだ。

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(翻訳:Mizoguchi)

アマゾンがAlexaを同時に多言語で使うためのマルチリンガルモードをローンチ

Amazon(アマゾン)はシアトルで開催中のDevicesイベントにて、Alexa対応デバイス向けに多言語モードをローンチすると発表した。新しい多言語モードはまず米国向けに導入され、英語とスペイン語に対応する。カナダではフランス語と英語、インドではヒンディー語と英語がサポートされる。

これらのマルチリンガルモードでは、家族が両方の言語でAlexa対応機器を同時に使用でき、複数の言語を話す家庭にとって非常に便利な機能だ。Alexaは言語を切り替え、よりリアルで表現豊かな返答をするために、ニューラルネットワーク処理によってモデル化された新しい自然音声を利用する。

Amazonのデバイス担当シニアバイスプレジデントのDave Limp(デイ・ブリンプ)氏はイベントにて「マルチリンガルモードは始まりにすぎない。世界中の何十億という家庭で、2つや3つの言語が話されている」と述べた。そのようなケースで、マルチリンガルオプションは役立つことだろう。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

次期宇宙ステーションクルーのソユーズでの打ち上げがライブ配信

国際宇宙ステーション(ISS)の第61次長期滞在クルーとして参加するNASAのJessica Meir(ジェシカ・メイア)飛行士、ロシアのOleg Skripochka(アレグ・スクリポチカ)飛行士、そしてUAE(アラブ首長国連邦)として初となるHazza Ali Almansoori(ハザ・アリ・アルマンスオリ)飛行士が、Soyuz(ソユーズ)宇宙船に搭乗して打ち上げられる。

ソユーズは米国時間9月25日、東部夏時間の午前9時57分にカザフスタンから打ち上げられる予定で、打ち上げのおよそ6時間後、東部夏時間の午後3時頃にISSとドッキングする予定だ。これはスクリポチカ飛行士にとって3回目の打ち上げだが、UAEとRocscosmos(ロスコスモス、ロシアの国営企業)との契約で8日間のミッションに参加するアルマンスオリ飛行士や、メイア飛行士にとっては初めてのものだ。

ISSに到着すると、宇宙ステーションの滞在人数は合計9人となる。そしてメイアr飛行士とクリポチカ飛行士はともに、ISSで6カ月以上にわたり研究と実験を行う予定だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

マリオカート ツアー がiPhone、iPad、Android向けにリリース

任天堂の最新スマートフォン向けゲーム「マリオカート ツアー」がiPhone、iPad、iPod touch、そしてAndroid向けにローンチされた。このゲームは任天堂の他のゲームと同じく無料でプレイでき、アップグレードやアンロックに使うアプリ内課金(「ルビー」 と呼ばれるゲーム内通貨)も存在する。

プレーヤーが1台のキャラクターのロックを解除してチュートリアルを開始すると、すぐに「マリオカート ツアー」の操作方法が紹介される。これは、任天堂のさまざまなゲーム機でマリオカートをプレイしたことがある人が慣れているものとは少し異なる。具体的には、カートは常に前に進むのでアクセルがなく画面上で指をスライドさせることで左右にハンドルを切り、タップで拾った物や武器を使用する。

そしてハイスコアによりポイントが貯まり、ゲーム内のロック解除で使用できる。また、同じアイテムが3つ揃えば「フィーバーモード」 となり、アイテムが一定時間無限に使用できる。また他のキャラクターとのレースの順位ではなく特別な課題も新たに加わった。さらに、世界中のプレーヤーとのオンラインランキング機能もある。

ゲーム内の「ツアー」の要素も新しい。現実世界の都市にインスパイアされたコースが、伝統的なマリオカートのコースとともに登場し、2週間ごとに新しいツアーが開催される予定だ。ゲーム内のキャラクターには、こうしたツアーからヒントを得たコスチュームも用意される。

任天堂のこれまでの実績を考えれば、マリオカートツアーはゲーム内課金なしでも完璧にプレイできるはずだが、もしかするとゲーム内通貨なしではいずれ壁にぶつかるかもしれない。Apple(アップル)がカートゲームのSonic Racingを含め、アプリ内課金を排除した独自のApple Arcadeを発表したばかりであることを考えると、今後の展開が興味深い。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ヒューマノイド型ロボAtlasが床運動のルーティーンをこなす

Boston Dynamics(ボストンダイナミクス)は、手持ちのロボットを鍛え直してきた。2足歩行のヒューマノイド型ロボAtlas(アトラス)に、体操の床運動のルーティーンを教え込んだのだ。前転からの逆立ち、側転やジャンプツイストまで、驚くほどエレガントな動きを見せる。このようなレベルのアスリート魂(ロボットが「アスリート魂」を持てるかどうかは別として)は、見ているだけで感動的だ。なにしろ体重が330ポンド(約150kg)もあるロボットなのだ。2013年に初めてプロトタイプが開発されたときには、「やっと歩ける」程度の動きしかできなかった。

このルーティーンでAtlasが見せる動きは、信じられないほど人間的なもの。人間を超えた動きさえ感じられる。特に、最初の前転の前にカメのような姿勢を取るところはどうだろう。Atlasがパルクールのスキルを披露したのは今回が初めてではない。しかしBoston Dynamicsによれば、現在では、このような運動をプログラミングするプロセスを簡略化するための、新たなテクニックを採用しているという。細かな動きの記述を、実際の動作に自動的に変換するもので、新たに開発した最適化のアルゴリズムも適用している。それにより、ロボットは自分の可動範囲の制限を考慮した上で、目的の動作を実現できる。

その結果、以前よりもはるかに素早く、新しいルーティーンを作成できるようになった。だいたい8割程度は、狙った通りのルーティーンを完成させることができるという。これは人間の体操選手と比べても、非常に高い確率だ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

NASAが月ミッションに向けOrion宇宙船最大12機をロッキード・マーチンに発注

NASAは少なくとも6機、最大で12機のOrion宇宙船をLockheed Martin(ロッキード・マーティン)に発注した。Orionは同社が有人宇宙飛行ミッションのために特別に設計/製造した宇宙船で、最初のOrionは来年に予定されている初の月ミッションの準備に先立ち最近完成した。

今回の契約は、NASAが2024年の目標として掲げている月への有人飛行を実現する最初のミッションと、2030年9月30日までの期間におよぶ追加ミッションを対象としたものだ。当面の具体的なミッションはArtemis III〜Artemis Vで、契約額は27億ドル(約2900億円)となる。NASAは2022年に、Orion発注の第2弾となるArtemis VI〜Artemis VIIIの注文を予定しており、19億ドル(約2000億円)で発注する予定だ。NASAによると、これは意図的に3機のOrionを注文することで「後のサプライチェーンの効率化の恩恵が得られる」としており、これがおそらく8億ドル(約860億円)の価格差の原因だろう。

NASAはまた、宇宙船の再使用によってコスト効率を高めたいと考えている。同宇宙局は、Artemis計画の最初の有人ミッションであるArtemis II(これは月の周囲を飛行するのみで、着陸は実施しない)から、少なくとも1機につき1回はOrionを再使用したいと考えている。NASAはまた、このOrionの契約はLunar Gatewayプロジェクトにも役立つだろうと述べており、宇宙船の部品の再使用は将来の月ミッションをサポートする月周辺の宇宙ステーション計画や、火星やさらに遠い領域へのステージミッションに貢献するとしている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

延期されていたJAXAのこうのとり8号機打ち上げがライブ配信

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は日本時間9月25日1時5分頃、実験物資と小型衛星のペイロードを国際宇宙ステーション(ISS)へとに打ち上げる。ペイロードは三菱重工業のH-IIBロケットにより、無人輸送機のこうのとり8号機(HTV8)に搭載され、科学実験装置やISSで使用されていた古いニッケル水素電池の代わりに使用される新しいリチウムイオン電池を届けるため、ISSとランデブーする。

このミッションはHTV8というコードネームで呼ばれ、三菱重工業によるこうのとりを用いた8回目のミッションだ。打ち上げは種子島宇宙センターから実施される。なお今回の打ち上げは、前回の打ち上げ前に発射台からの小規模な出火が発生し、原因を究明し解決した後の二度目のものである。

H-IIBロケットは液体酸素を燃料とするセンターコアと、推力を向上させるためにセンターコアを囲む四つの固体燃料ブースターを設置した使い捨てロケットであり、静止トランスファ軌道なら1万8000ポンド(約8.1トン)、地球低軌道なら3万6400ポンド(約17トン)の打上げ能力がある。

8回目となる今回のH-IIBの打ち上げ最後から2回目のもので、この構成での打ち上げをもう1回実施した後は、ロングコースト・静止トランスファ軌道への打ち上げ能力を最大1万4300ポンド(約6.5トン)まで増強し、打ち上げコストを5000万〜6500万ドル(約54億円〜70億円)へと半額以上に削減し、SpaceX(スペースX)のような新興の商業的打ち上げ業者との価格競争力を高めるH3ロケットに注力する予定だ。H3は来年度に初のテスト飛行を予定しており、商用飛行は2021年から開始される。

なお、こうのとり8号機の打ち上げはJAXAにより、YouTubeにてライブ配信される。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

フィットネストラッキング搭載のAlexa対応ワイヤレスイヤフォンや高音質版Echoが今週登場か

CNBC報道によると、Amazon(アマゾン)Alexa(アレクサ)のボイスアシスタントへのアクセスと、アクティビティ中のフィットネストラッキングを提供するワイヤレスイヤフォンを開発中だ。このイヤフォンは、より上質なサウンドを再生できる新しい大型のEchoデバイスと組み合わされて、米国時間9月25日にシアトルで開催される同社のハードウェアイベントで発表される可能性がある。

このイヤフォンはAmazonにとって重要な新製品となり、また同社の個人向けのヘルスケア/フィットネス機器への最初の進出となるだろう。同社はスマートホーム製品やスマートスピーカーをはじめとする、幅広いコネクテッドデバイスのカテゴリーで製品を開発したり購入したりしているが、Apple(アップル)Samsung(サムスン)などがこの分野に多額の投資をしているにもかかわらず、個人のヘルスケアに関してはそれほど積極的ではなかったようだ。

CNBCの記事によると、Alexa搭載イヤフォンの新製品には加速度センサーが搭載され、距離や消費カロリー、ペースなど、Apple WatchFitbitのようなフィットネス系ウェアラブルに期待される機能をすべて提供するという。

フィットネス機能以外にも、この新製品はAlexaを家の外に持ち出すためのポータブルな手段を提供する。Amazonは他のヘッドフォンメーカーと提携してサードパーティー製品へのAlexaの統合をすすめており、さらにはAlexaを自動車に搭載する実験もおこなっているが、その成功の大部分は家庭用のアシスタントだ。

さらに、この新型イヤフォンは100ドル(約1万1000円)以下で販売されていると伝えられており、オーディオブランドやヘッドフォンメーカー、そしてAppleAirPodsのような潜在的なライバルと比較しても、大きな価格的優位をもたらすだろう。記事によると、新型イヤフォンは独自のデータ接続機能を持たず、iPhoneAndroidデバイスとの接続を利用するという。

またCNBCによると、Amazonは既存製品よりも大型のEchoデバイスを用意しており、これにはウーファーが内蔵され音質が改善されているという。これは、Amazonがハイエンド版のEchoデバイスを来年発売するという、7月のBloombergの報道とも合致する部分がある。これらの新製品の一部、あるいは全部が水曜日のイベントでデビューするかもしれないが、あるいはサプライズの発表があるかもしれない。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Aptivとヒュンダイ、自動運転注力のジョイントベンチャーを設立

自動車メーカーの現代自動車は、自動走行技術のAptiv(アプティブ)と、株式の50%ずつを分担する新たなジョイントベンチャーを設立する。新会社の目標は、2022年までに自動運転タクシーや運送業者、さらには自動車メーカーに向けた、商用化を目指したレベル4とレベル5の量産可能な自動運転システムを開発することである。

Aptivと現代自動車によると、ジョイントベンチャーへの投資額は総額40億ドル(約4300億円、エンジニアリングサービス、研究開発、知的財産の価値を含む)となり、2022年の商用化に向けて、完全自動運転のテストを2020年に開始する予定だ。

Aptiv(もともとは世界的な自動車産業のサプライヤーであるDelphiの一部)は、長年開発してきた自動運転技術 と、AV技術を担当する700人の従業員を提供する。現代自動車グループは子会社を含む合計16億ドル(約1700億円)の現金、自動車エンジニアリング、研究開発、知的財産へのアクセスを提供する。

新ジョイントベンチャーの指揮を執るのはAptivのAutonomous Mobility Groupで社長を務めるKarl Iagnemma(カール・イアグンマ)氏で、本社をボストンに設置し、米国とアジアの複数地域にある技術センターの支援を受ける。

両社は何年も前からすでに自動走行自動車の技術を実証しており、Aptivは2018年のCESでその機能を公開して以来、Lyftと共同でラスベガスにて公開テストをおこなっている。同地でのテストでは、BMW 5シリーズの車両を使用している。

このジョイントベンチャーは、世界的な自動車メーカーが技術を商業化するのに役立つ一方、現代自動車はこれらのソリューションの開発に長年投資してきたパートナーと、自動運転におけるビジネスを強化することで利益を得るだろう。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

SpaceXがStarship計画の進捗を土曜日に報告 新たな写真も公開

SpaceX(スペースX)のCEOことElon Musk(イーロン・マスク)氏は先週末にテキサス州のBoca Chica(ボカチカ)を訪れ、同社のStarshipのプロトタイプ機の重要な建造工程を視察した。マスク氏はStarshipの最新情報を発表する予定で、これまでの進捗状況をまとめ、次世代宇宙船とローンチシステムの将来に関する同社の計画の詳細なロードマップを提供するだろう。

マスク氏は現在建造中のプロトタイプ機の写真を公開し、Mk 1にはまだ搭載されていない宇宙船上半分のフィンと連動し、大気圏再突入と着陸の際の安定性を向上させるロケット下半分のリアの可動フィンが取り付けられると述べた。

プロトタイプ機のMk1は、新しいRaptorエンジンの1つをテストし、低高度飛行や制御、着陸能力を実証するという目標を最初に達成したプロトタイプ機のStarhopperに連なる、軌道到達可能な宇宙船の最終形態を表す最初の機体だ。Starhopperは2カ月以内に実施された大小2回の「ホップ」テスト飛行を行った後に引退している。SpaceXは、Boca Chicaとフロリダのもう1つの施設で開発中のMk1とMk2を使用し、複数のRaptorエンジンによるより高い高度とより長い期間の飛行をテストする。

マスク氏によると、Mk1にはすでに3基のRaptorエンジンが搭載されており、最初のテスト打ち上げのための通信設備に関する許可を得るために必要な書類を、FCC(連邦通信委員会)に提出したという。米国時間の9月21日にはさらに具体的な情報が出てくるはずだ。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

GoProが10月1日発表の次世代アクションカメラをチラ見せ

ティーザーが投稿されたことで、GoProのHero7の後継機が10月1日に登場する可能性が高まった。「これがアクションだ」というキャッチフレーズのティーザーでは、オフロードレースや水中ダイビング、さらにはFrank Zapata(あるいは他の誰かがジェットパックを装着して)が飛んでいるクローズアップ映像など、さまざまなショットの早送りのマッシュアップが現れる。

大部分が影に隠れた上の画像は公式のものだが、フォトグラフィー系の噂サイトのPhoto Rumorsがリークした画像によれば、フリップディスプレイや外部フラッシュといった、高度なアクセサリの拡張オプションが追加可能な再設計を示唆している。これらのリーク情報には、新しいオプションハウジングとアクセサリにくわえて、手ぶれ補正機能のための新しいGP2チップ、より良いレンズと画質、新しい1200万画素センサーなどの仕様も含まれている。

GoProのHero7では、自社開発の高度なデジタルスタビライザー技術により、ジンバルのような効果を可動部なしで得ることができる電子手ブレ補正機能のHyperSmoothを導入した。しかし昨年には、ドローンやジンバルメーカーのDJIがGoProのようなアクションカメラのOsmo Actionを市場に投入し、手ブレ補正と品質の点でHero7と少なくとも互角となり、さらに前面ディスプレイも内蔵していた。

「これがアクションだ」というスローガンは、DJIのアクションカメラが「Osmo Action」と名付けられていることから、最新のライバル製品に対する挑発と解釈することもできる。GoProがライバルに刺激を与え、ハイエンド市場に価格面での競争を生み出すことを願うばかりだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

富士フイルムの今度のX-Pro3カメラはフィルム写真的機能が山盛り

富士フイルムが近く発売するX-Pro3は、同社の人気のデジカメであるミラーレスのレンジファインダーカメラ(X-Pro2)の後継機で、10月23日の発売日の前にたくさんの情報や写真がリークされた。それは米国時間9月20日に開催されたX Summitイベントでのことで、同社はFujirumorsからたくさんの詳細画像を流し、初めてその革新的なリヤディスプレイのデザインを披露した。

X-Pro3は液晶が背面にある。今のレンズ交換式デジタルカメラの多くがそうだが、でもかなり独特だ。ふつうに使ってるときはスクリーンは隠れていて、表示面をカメラの背中に向けている。そしてそのときのドアの外向きの面には小さなOLEDの「ミニスクリーン」があり、カメラのごく基本的な設定が表示されている。

その小さな背面ディスプレイには、シャッタースピードや絞り、ISO、そしてフィルムシミュレーション(フィルム的色調)やファイルサイズの設定がある。そしてファインダーから見えるものがどんな画像になるか見たかったら、ドアを下に開けると通常の液晶画面になる。そのようにディスプレイが下に見えると、ローアングルの撮影のときにはほぼ真正面に見ることになり便利だ。昔のフィルムカメラに、腰の高さで見られるファインダーがあったように。

  1. shows-film-simulation

  2. X-Pro3-mini-LCD-2

  3. X-Pro3-hidden-LCD

  4. X-Pro3-screen-tilted-down

X-Pro3には電子ファインダーもあるが、でもそれはフィルム写真とデジタル写真の違いに近くて、カメラを使うフォトグラファーはファインダーを使うか、下に開くスクリーンを見ながら腰の高さで撮るかのどっちかだろう。ただしカメラの背面の画面をよく見ると、もっといろんな設定があるのがわかる。

富士フイルムのレンズ交換式デジカメのAPS-Cシリーズは、そのフィルムシミュレーションによりすでに多くのファンを獲得している。それは同社がこれまで提供してきたいろんなタイプのフィルムを真似するから、フィルムシミュレーションと呼ぶのだ。X-Pro3では、そんなフィルム的体験が、最新のデジタル写真技術によりもっと強力にできる。真似するフィルムのタイプにも「Classic Negative」(昔のネガ風)というやつが増えた。

Classic Negative

そして、カメラの骨格はチタンだ。超丈夫だけど超軽い。色は3種類ある。

New X Pro3 colors

まだ価格の発表はないが、もちろんそのほかの詳細とともに10月23日にはわかるだろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

三菱重工業のH-IIBロケット再打ち上げは9月24日を予定

先週、打ち上げ台上の火災でつまずいた三菱重工業(MHI)が再び、国際宇宙ステーションに備品などを運ぶ補給機HTV-8のミッションに挑戦する。打ち上げは当初9月11日を予定していたが、火災の後始末や原因調査などもあり、新たな打ち上げ日は日本時間の9月24日午前1時30分に決まった(米国東部時間9月23日午後12時半、太平洋時間午後9時半)。

火災は消火されロケットにも積荷にもダメージを残さなかったが、調査によると原因は静電気の蓄積による可能性が極めて高い。静電気の発生は、ロケットエンジンへの推薬補給時に排気口から滴下する酸素によるものと思われる。MHIはすでに対策に着手しており、ロケットと打ち上げ用施設設備は今や完全な機能性があって、二度目の打ち上げへの準備が完了している。

打ち上げに使われるH-IIBロケットはMHIのM-IIシリーズロケットの推力が最も大きい構成で、ISSの備品のほかに、さまざまな学術および商用の顧客のための複数の小型衛星とそのCubeSatランチャーも運ぶ。H-IIBは中心に1基のブースターがあり、エンジンは液体酸素を推薬(推進剤)として使用、そしてロケットの底部にある4基の固体燃料ブースターがさらなる推力を与える。静止遷移軌道への最大積載量は、8200キログラムである。

H-IIBのミッションは、来年あともう一度ある。その後、MHIは完全に使い捨ての打ち上げ機H3に注力する。これは主に商用の顧客の利用を目指していて、中程度のペイロードではコスト的にSpaceXなどの競合相手と互角に勝負できることを目指している。

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Amazonが電動配達トラック10万台を発注、2021年に納車され環境貢献をアップ

AmazonのCEOであるJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏は9月19日に、気候変動への影響を縮小するための取り組みを今後も拡大すると発表した。その一環として同社は、ミシガン州の電気自動車メーカーであるRivianに10万台の電動配達トラックを発注する。そしてこのeコマースの巨人は、2040年までにカーボンニュートラルの目標を達成する。それは、国連のパリ協定の合意よりも10年早い。

ワシントンのNational Press Clubのイベントで行われたベゾス氏の発表によると、タイムラインを早めたのは気候変動が急激に拡大しているためだ。現状は、パリ協定が成立した5年前の深刻な予測すら控えめに見えるほど変化が激しい。

会社全体をカーボンニュートラルにするというAmazonの包括的な取り組みは、同社の気候誓約(Climate Pledge)と呼ばれる計画文書にまとめられている。この文書は、近く他の企業にも開示される。Rivianに排気ガスのない配達車を発注したことに加え、Amazonは太陽光エネルギーの利用やカーボンオフセットなどの努力でカーボンフットプリントの削減に努めている。

Rivianによると、これは電動配達車の受注としてはこれまでで最大であり、Amazonへの実際の納車は2021年に始まる。Amazonは2月にRivianに7億ドルを投資し、さらに今月は自動車業界の大手Cox Automotiveが同社への35000万ドルの投資を発表した。また4月には、自動車メーカーのFord(フォード)がRivianへの5億ドルの投資を公表している。

Rivianは昨年、全電動ピックアップトラックやSUVなど消費者製品の生産計画を発表したが、それらの実際の納車は2020年にも始まる予定だ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a.hiwa